説明

バッテリー装着機構及び電子機器

【課題】 バッテリーに対するロック状態における保持力の向上を図る。
【解決手段】 外周縁202の一部が曲線状部202dとして形成されたバッテリー200が挿入される挿入空間17aを有するバッテリー装着部17と、該バッテリー装着部に回動自在に支持されバッテリーをロックするロック手段73とを設け、該ロック手段に、支軸部74と該支軸部から突出され支軸部の軸回り方向へ回動するロック部75とを設け、該ロック部を支軸部から遠去かるに従って幅が広がる形状に形成し、ロック部の一部を曲線部75cとして形成し、バッテリーの挿入完了時に、ロック部が回動されてバッテリーの取出方向における端面に接することによりバッテリーがバッテリー装着部にロックされるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリー装着機構及び電子機器についての技術分野に関する。詳しくは、バッテリーをロックするロック手段のロック部の形状を工夫してバッテリーに対するロック状態における保持力の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、例えば、ビデオカメラ、スチルカメラ、テレビジョン受像器、携帯電話、音響機器等の各種の機器があり、このような電子機器には、バッテリー駆動可能なものがある。
【0003】
バッテリー駆動可能な電子機器には、バッテリーが収納されて装着されるバッテリー装着部(バッテリー収納部)が設けられている(例えば、特許文献1参照)。バッテリー装着部にバッテリーが挿入されるとロック手段によってバッテリーがバッテリー装着部にロックされ、バッテリーの接続端子がバッテリー装着部に設けられた端子部に接続されることにより、バッテリー駆動が可能な状態となる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−174919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなバッテリーをバッテリー装着部に保持するロック手段としては種々のものが存在する。
【0006】
例えば、バッテリー装着部に対して回動自在に支持されたロック手段である場合には、以下のようなものが考慮される(図37参照)。
【0007】
バッテリー装着部aにはバッテリーxが挿入される挿入空間bが形成されている。バッテリーxは略蒲鉾状に形成され、挿入方向及び取出方向における各端面の外周縁の一部が曲線状を為す曲線部y、y、・・・として形成され、該曲線部y、y、・・・間の部分が直線状の直線部z、zとして形成されている。
【0008】
上記のように、バッテリーxを直方体状ではなく略蒲鉾状に形成することにより、バッテリーxの挿入空間bに対する誤った向きでの挿入を防止することができる。
【0009】
バッテリー装着部aにはロック手段cが回動自在に支持され、該ロック手段cは回動支点となる支軸部dと該支軸部dの軸方向における一端部に設けられたロック部eとを有し、該ロック部eは矩形状に形成されている。
【0010】
液晶パネルaの挿入空間bにバッテリーxが挿入されている途中の状態においては、図38に仮想線で示すように、ロック部eがバッテリーxの曲線部yの近傍において直線部zと平行な状態で位置されている。
【0011】
バッテリー装着部aの挿入空間bにバッテリーxが挿入されると、ロック部eが図示しない付勢バネによって図38に示すS1方向へ回動され、該ロック部eの一部によってバッテリーxの取出方向における端面が押さえられ、バッテリーxがバッテリー装着部aにおいてロック手段cによってロックされる。
【0012】
しかしながら、このようにロック部eを回動させてバッテリーxをロックした場合には、バッテリーxに曲線部yが形成されている分、ロック部eのバッテリーxに対する接触面積(図38に斜線で示す面積S)、即ち、ロック部eがバッテリーxを押さえる面積が小さくロック手段cによる保持力が小さいと言う問題が発生してしまう。
【0013】
この問題を回避するためには、ロック部eの大きさを大きくすることが考慮されるが、この場合にはロック部eの配置スペースが大きくなってしまい、電子機器の大型化を来たすという問題が生じてしまう。
【0014】
また、ロック部eのバッテリーxに対する接触面積を大きくするために、ロック部eのR1方向への回動量を大きくすることも考慮されるが、この場合にはロック部eをR1方向へ付勢する付勢バネの力量を大きくする必要があり、その分、コスト高になってしまう。
【0015】
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、バッテリーに対するロック状態における保持力の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明バッテリー装着機構は、上記した課題を解決するために、挿入方向及び取出方向における各端面の外周縁の一部が曲線状部として形成されたバッテリーが挿入される挿入空間を有するバッテリー装着部と、該バッテリー装着部に回動自在に支持されバッテリー装着部に装着されたバッテリーをロックするロック手段とを設け、該ロック手段に、バッテリーのバッテリー装着部への挿入方向に延び回動支点となる支軸部と該支軸部から突出され支軸部の軸回り方向へ回動するロック部とを設け、該ロック部を支軸部からの突出方向において該支軸部から遠去かるに従って幅が広がる形状に形成し、ロック部の幅方向における側縁の少なくとも一部をバッテリーの曲線状部に対応して曲線部として形成し、バッテリー装着部の挿入空間の入口側の開口縁をバッテリーの挿入方向及び取出方向における各端面に対応した形状に形成し、挿入空間へのバッテリーの挿入時に、ロック部の側縁の曲線部をバッテリー装着部の上記開口縁の曲線状に形成された部分に沿うように位置させ、バッテリー装着部へのバッテリーの挿入完了時に、ロック部が回動されて該ロック部がバッテリーの取出方向における端面に接することによりバッテリーがバッテリー装着部にロックされるようにしたものである。
【0017】
本発明電子機器は、上記した課題を解決するために、バッテリーが挿入される挿入空間を有するバッテリー装着部と、該バッテリー装着部に回動自在に支持されバッテリー装着部に装着されたバッテリーをロックするロック手段とを設け、該ロック手段に、バッテリーのバッテリー装着部への挿入方向に延び回動支点となる支軸部と該支軸部から突出され支軸部の軸回り方向へ回動するロック部とを設け、該ロック部を支軸部からの突出方向において該支軸部から遠去かるに従って幅が広がる形状に形成し、ロック部の幅方向における側縁の少なくとも一部をバッテリーの曲線状部に対応して曲線部として形成し、バッテリー装着部の挿入空間の入口側の開口縁をバッテリーの挿入方向及び取出方向における各端面に対応した形状に形成し、挿入空間へのバッテリーの挿入時に、ロック部の側縁の曲線部をバッテリー装着部の上記開口縁の曲線状に形成された部分に沿うように位置させ、バッテリー装着部へのバッテリーの挿入完了時に、ロック部が回動されて該ロック部がバッテリーの取出方向における端面に接することによりバッテリーがバッテリー装着部にロックされるようにしたものである。
【0018】
従って、本発明バッテリー装着機構及び電子機器にあっては、ロック部のバッテリーに対する接触面積が大きくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明バッテリー装着機構は、挿入方向及び取出方向における各端面の外周縁の一部が曲線状部として形成されたバッテリーが挿入される挿入空間を有するバッテリー装着部と、該バッテリー装着部に回動自在に支持されバッテリー装着部に装着されたバッテリーをロックするロック手段とを備え、該ロック手段に、バッテリーのバッテリー装着部への挿入方向に延び回動支点となる支軸部と該支軸部から突出され支軸部の軸回り方向へ回動するロック部とを設け、該ロック部を支軸部からの突出方向において該支軸部から遠去かるに従って幅が広がる形状に形成し、ロック部の幅方向における側縁の少なくとも一部をバッテリーの曲線状部に対応して曲線部として形成し、バッテリー装着部の挿入空間の入口側の開口縁をバッテリーの挿入方向及び取出方向における各端面に対応した形状に形成し、挿入空間へのバッテリーの挿入時に、ロック部の側縁の曲線部をバッテリー装着部の上記開口縁の曲線状に形成された部分に沿うように位置させ、バッテリー装着部へのバッテリーの挿入完了時に、ロック部が回動されて該ロック部がバッテリーの取出方向における端面に接することによりバッテリーがバッテリー装着部にロックされるようにしたことを特徴とする。
【0020】
従って、ロック部のバッテリーに対する接触面積が大きく、バッテリーのロック状態の安定化を図ることができる。
【0021】
請求項2に記載した発明にあっては、上記ロック部の表面に、曲線部に近付くに従って厚みが薄くなる傾斜面部を形成したので、バッテリーを傾斜面部に押し当てていくことによりロック部が回動可能とされ、バッテリーの挿入空間への挿入を容易に行うことができる。
【0022】
本発明電子機器は、挿入方向における両端面の外周縁の一部が曲線状部として形成されたバッテリーが装着される電子機器であって、バッテリーが挿入される挿入空間を有するバッテリー装着部と、該バッテリー装着部に回動自在に支持されバッテリー装着部に装着されたバッテリーをロックするロック手段とを備え、該ロック手段に、バッテリーのバッテリー装着部への挿入方向に延び回動支点となる支軸部と該支軸部から突出され支軸部の軸回り方向へ回動するロック部とを設け、該ロック部を支軸部からの突出方向において該支軸部から遠去かるに従って幅が広がる形状に形成し、ロック部の幅方向における側縁の少なくとも一部をバッテリーの曲線状部に対応して曲線部として形成し、バッテリー装着部の挿入空間の入口側の開口縁をバッテリーの挿入方向及び取出方向における各端面に対応した形状に形成し、挿入空間へのバッテリーの挿入時に、ロック部の側縁の曲線部をバッテリー装着部の上記開口縁の曲線状に形成された部分に沿うように位置させ、バッテリー装着部へのバッテリーの挿入完了時に、ロック部が回動されて該ロック部がバッテリーの取出方向における端面に接することによりバッテリーがバッテリー装着部にロックされるようにしたことを特徴とする。
【0023】
従って、ロック部のバッテリーに対する接触面積が大きく、バッテリーのロック状態の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0025】
以下に示した最良の形態は、本発明をスチルカメラに適用したものである。
【0026】
尚、本発明の適用範囲はスチルカメラに限られることはなく、例えば、ビデオカメラ、テレビジョン受像器、携帯電話、パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistant)、ネットワーク端末、携帯情報端末、ワークステーション、音響機器等の各種の電子機器に広く適用することができる。
【0027】
以下の説明にあっては、スチルカメラの撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、例えば、被写体側が前方となり、撮影者側が後方となる。
【0028】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0029】
電子機器1は外筐2内に所要の各部が配置されて成り、該外筐2は、例えば、横長の扁平な形状に形成されている(図1及び図2参照)。外筐2はミドルフレーム3と該ミドルフレーム3の前面に結合されるフロントパネル4とミドルフレーム3の後面に結合されるリアパネル5の3つの部品によって構成されている。
【0030】
ミドルフレーム3は樹脂材料によって各部が一体に形成されて成り、図3及び図4に示すように、横長の枠状に形成されたフレーム部6を有している。フレーム部6は上側面部7、下側面部8、左側面部9及び右側面部10から成る。
【0031】
上側面部7には釦配置孔7aとマイク用孔7bが形成されている。上側面部7には釦配置孔7aの近傍の位置に、上方に開口された浅い部材配置凹部11が形成されている。部材配置凹部11には操作ピン配置孔11aが形成されている。
【0032】
フレーム部6には部材配置凹部11に連続した位置に部材配置孔12が形成され、該部材配置孔12は上側面部7と右側面部10との連続した部分に位置されている。フレーム部6には部材配置孔12の前後両側の位置に、それぞれ前後に貫通されたピン挿通孔6a、6aが形成されている。
【0033】
下側面部8には左右方向における略中央部に三脚用孔8aが形成されている。
【0034】
左側面部9にはスピーカー用孔9aが形成されている。
【0035】
右側面部10には内部に連通する縦長の開口10aが形成されている。右側面部10の下端部には開口10aの近傍の位置に配置孔10bが形成されている。
【0036】
右側面部10にはバッテリー蓋13が開閉自在に支持されている(図1及び図5参照)。バッテリー蓋13は縦長の形状に形成され、上端部を支点としてミドルフレーム3に対して回動可能とされている。バッテリー蓋13の回動動作により開口10a及び配置孔10bが開閉される。
【0037】
ミドルフレーム3の左右方向における中央部には上下に延びる補強部14が一体に設けられている(図3及び図4参照)。補強部14は上側面部7の左右方向における略中央部と下側面部8の左右方向における略中央部とを連結し、上下方向における中央部が押さえリブ14aとして形成されている。
【0038】
このようにミドルフレーム3には上側面部7と下側面部8を連結する補強部14が設けられているため、ミドルフレーム3の強度が高く、外筐2の剛性を高くすることができる。
【0039】
また、補強部14がミドルフレーム3に一体に設けられているため、ミドルフレーム3の高い強度を確保することができると共に部品点数の削減を図ることができる。
【0040】
ミドルフレーム3には左右方向に延びる規制壁部15が設けられている。規制壁部15は両端がそれぞれ補強部14の上端寄りの部分と右側面部10の上端寄りの部分とに連続されている。
【0041】
ミドルフレーム3には左右方向に延びる保持壁部16が設けられている。保持壁部16は両端がそれぞれ補強部14の下端部と右側面部10の下端部とに連続されている。
【0042】
ミドルフレーム3のうち、右側面部10、規制壁部15、補強部14及び保持壁部16によって後述するバッテリーが装着されるバッテリー装着部17が構成され、該バッテリー装着部17の内部空間はバッテリーが挿入される挿入空間17aとされる。
【0043】
ミドルフレーム3には補強部14の上端部と上側面部7の左右方向における略中央部とに連続する位置に前後方向を向く受け面部18が設けられ、該受け面部18にはユニット受け面18aが形成されている。受け面部18にはストロボ固定部18bが設けられている。
【0044】
ミドルフレーム3には上側面部7の左端部と左側面部9の上半部とに連続する位置に前後方向を向く受け面部19が設けられ、該受け面部19にユニット受け面19aが形成されている。
【0045】
ミドルフレーム3には下側面部8の左端寄りの位置から上方へ突出された前後方向を向く受け面部20が設けられ、該受け面部20にユニット受け面20aが形成されている。
【0046】
ユニット受け面18a、19a、20aは浅い凹状に形成されている。
【0047】
ミドルフレーム3には上側面部7の内面側にマイク配置部21が設けられている。マイク配置部21は前方に開口された配置凹部21aを有している。
【0048】
ミドルフレーム3には左側面部9の内面側にスピーカー配置部22が設けられている。スピーカー配置部22は後方に開口された配置凹部22aを有している。
【0049】
ミドルフレーム3の左端部には、その上下両端部にそれぞれ前後に貫通されたネジ挿通孔3a、3aが形成されている。ミドルフレーム3の補強部14の上端部には前後に貫通されたネジ挿通孔14bが形成されている。
【0050】
ミドルフレーム3の各部には、以下のような各部品が配置される(図6参照)。
【0051】
ミドルフレーム3の受け面部18、19、20にはレンズユニット23が配置される。レンズユニット23は、例えば、扁平なレンズホルダー24にフォーカスレンズやズームレンズ等の各種のレンズやアイリス機構等が保持されて成る。レンズユニット23はレンズホルダー24の外周部の後面が受け面部18、19、20にそれぞれ形成されたユニット受け面18a、19a、20aに位置決めされて受けられた状態で配置される。従って、ユニット受け面18a、19a、20aはレンズユニット23の位置決め部として機能する。
【0052】
受け面部18のストロボ固定部18bにはストロボ25が接着等の手段により固定されて保持される。
【0053】
マイク配置部21には略円板状に形成されたマイクロフォン26が配置されて保持される。マイクロフォン26はマイク配置部21の配置凹部21aに挿入されることにより保持される。
【0054】
スピーカー配置部22には略円板状に形成されたスピーカー27が配置されて保持される。スピーカー27はスピーカー配置部22の配置凹部22aに挿入されることにより保持される。
【0055】
上記したレンズユニット23、ストロボ25、マイクロフォン26及びスピーカー27は所定の機能を実行する機能性部品であり、ユニット受け面18a、19a、20a、ストロボ固定部18b、マイク配置部21及びスピーカー配置部22は機能性部品を保持する部品保持部とされる。
【0056】
電子機器1にあっては、レンズユニット23、ストロボ25、マイクロフォン26及びスピーカー27等の機能性部品を保持する部品保持部をミドルフレーム3に一体に形成しているため、各機能性部品を保持するための専用の部品を用いる必要がなく、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【0057】
ミドルフレーム3の上側面部7の右端部には、その内面側に回路用板金28が取り付けられる。回路用板金28にはスイッチング回路が形成された図示しない回路基板が取り付けられており、該回路基板は上側面部7の内面と対向した状態で配置される。
【0058】
上側面部7に形成された釦配置孔7aには電源釦29が配置される。
【0059】
上側面部7に形成された部材配置凹部11にはシャッターユニット30が配置される(図7参照)。シャッターユニット30はユニットベース31と該ユニットベース31に支持されたシャッター釦32とを有している。ユニットベース31は左右に長い直線部33と該直線部33の右端に連続する円弧状に形成された円弧部34とから成り、直線部33に上下に貫通する釦用孔33aが形成されている。円弧部34には左右に延びる溝34aが形成され、該溝34aを形成する前後の壁部にそれぞれ前後に貫通するピン取付孔34b、34bが形成されている。
【0060】
ユニットベース31の釦用孔33aにはシャッター釦32が配置される。
【0061】
シャッターユニット30は、ユニットベース31の直線部33が部材配置凹部11に挿入されて配置され、円弧部34が部材配置凹部11に隣接する部材配置孔12に挿入されて配置される。
【0062】
シャッターユニット30が上記のように配置された状態において、ミドルフレーム3のピン挿通孔6a、6aとユニットベース31のピン取付孔34b、34bに取付ピン35が挿入される。従って、取付ピン35によってユニットベース31がミドルフレーム3に取り付けられる。
【0063】
また、取付ピン35の一部は溝34a内に位置され、この取付ピン35に図示しないストラップを巻き付けて取り付けることが可能となる。
【0064】
このように取付ピン35は、ユニットベース31をミドルフレーム3に取り付ける機能に加え、ストラップを巻き付けるストラップ取付部としても機能する。従って、部品点数の削減を図ることができる。
【0065】
また、ストラップを把持した状態においては、電子機器1の荷重が取付ピン35にかかることになるが、取付ピン35はミドルフレーム3のピン挿通孔6a、6aとユニットベース31のピン取付孔34b、34bの双方に挿通されているため取付強度が高く、大きな荷重を受けることが可能である。
【0066】
シャッターユニット30がミドルフレーム3に取り付けられた状態においては、シャッター釦32から下方へ突出された操作ピン32aが部材配置凹部11に形成された操作ピン配置孔11aから下方へ突出され、回路用板金28に取り付けられた回路基板のスイッチを操作可能な状態とされる。
【0067】
ミドルフレーム3の下側面部8に形成された三脚用孔8aには三脚用雌ネジ36が配置される(図6参照)。従って、三脚の上端部に設けられたネジ部を三脚用孔8aに挿入し三脚用雌ネジ36に螺合することにより、三脚に電子機器1を設置することができる。
【0068】
フロントパネル4は、例えば、アルミニウム等の金属材料によって形成されている。このようにフロントパネル4を金属材料によって形成することにより放熱性能が向上し、電子機器1の内部温度の上昇を効率的に抑制することができる。 フロントパネル4は、図8に示すように、横長の略矩形状に形成された前面部37と該前面部37の外周縁から略後方へ短く突出された周縁部38とから成る。前面部37には、その上端部に横長の発光用孔37aが形成され、左半部に大きな開口37bが形成されている。
【0069】
フロントパネル4の前面部37には開口37bの開口縁を覆う位置にリングパネル39が取り付けられる(図1及び図8参照)。
【0070】
フロントパネル4の前面部37の後面には、例えば、樹脂材料によって形成された押さえ部材40が接着等によって取り付けられる。押さえ部材40はフロントパネル4がミドルフレーム3に取り付けられた状態において、ミドルフレーム3に配置される各部品を押さえる役割を果たす。
【0071】
リアパネル5は、例えば、アルミニウム等の金属材料によって形成されている。このようにリアパネル5を金属材料によって形成することにより放熱性能が向上し、電子機器1の内部温度の上昇を効率的に抑制することができる。
【0072】
リアパネル5は、図8に示すように、横長の略矩形状に形成された後面部41と該後面部41の外周縁から略前方へ短く突出された周縁部42とから成る。後面部41には、矩形状に形成された大きな開口部41aが形成されている。
【0073】
リアパネル5の右端部には、それぞれ所定の位置に操作釦43、44、45及びスライド摘子46が配置されている(図2参照)。これらの操作釦43、44、45及びスライド摘子46は、リアパネル5に形成された各釦配置用孔に配置されている。操作釦43は撮影時におけるズーミングを行うためのズーム釦であり、操作釦44、45は、例えば、各種のモードの変更等を行うための釦であり、スライド摘子46は撮影モードや再生モード等のモードを切り替えるための摘子である。
【0074】
操作釦43は上下方向における中央部を基準として上半部と下半部を各別に押圧操作可能とされ、この操作により広角撮影又は望遠撮影を行うことができる。
【0075】
リアパネル5の後面部41の前面には、例えば、樹脂材料によって形成されたパネルホルダー47が接着等によって取り付けられる(図8参照)。
【0076】
パネルホルダー47は、図9及び図10に示すように、横長の矩形状に形成された枠部48と該枠部48の右縁に連続して設けられた操作用面部49と枠部48の左縁に連続して設けられた突面部50とが一体に形成されて成る。
【0077】
枠部48は上方部51、下方部52及び一対の側方部53、53から成り、例えば、上方部51及び下方部52に他の部分より前方へ突出された段差部54、54が設けられている(図9乃至図11参照)。段差部54、54は左右に長い延設部54a、54aと該延設部54a、54aの左右両端部からそれぞれ下方又は上方へ突出された突部54b、54b、・・・とから成る。
【0078】
枠部48は段差部54、54が設けられていない部分が該段差部54、54より後方に位置された第1のパネル位置決め部55として設けられ、側方部53、53の前面と段差部54、54とによって第2のパネル位置決め部56が構成される。
【0079】
パネルホルダー47の操作用面部49には、図9及び図10に示すように、その上方側に上下に並んで2つの操作孔49a、49aが形成され、該操作孔49a、49a間に左右に延びる釦受部49bが設けられている。この釦受部49bによってズーム釦として機能する操作釦43が背面側から押さえられ、該操作釦43が上下方向における中央部を基準として上半部と下半部を各別に押圧操作可能とされる。
【0080】
尚、操作用面部49の前面側には図示しないスイッチ用回路基板が配置され、操作釦43が押圧操作されると操作孔49a、49aを介してスイッチ用回路基板に設けられたプッシュスイッチが操作されてズーム機能が発揮される。
【0081】
上記のように、操作釦43を押さえる釦受部49bをパネルホルダー47に一体に設けることにより、部品点数の削減を図ることができる。
【0082】
操作用面部49には、その下方側に上下に並んで2つの操作板部49c、49cが設けられている。操作板部49c、49cはそれぞれ操作用面部49に上下に並んで形成された形成孔49d、49d内に位置され、それぞれ2つの弾性変形可能なアーム部49e、49e、・・・によって操作用面部49の他の部分に連結されている。
【0083】
操作板部49c、49cの後面にはそれぞれ上記操作釦44、45が連結されている。操作釦44、45が押圧操作されると、操作板部49c、49cがアーム部49e、49e、・・・の弾性変形により前方へ移動され、操作板部49c、49cによって上記スイッチ用回路基板に設けられたプッシュスイッチが操作されて所定の機能が発揮される。操作釦44、45に対する押圧操作が解除されると、操作板部49c、49cがアーム部49e、49e、・・・の弾性復帰により後方へ移動され元の位置に戻る。
【0084】
上記のように、操作釦44、45の操作に応じて動作される操作板部49c、49c及びアーム部49e、49e、・・・をパネルホルダー47に一体に設けることにより、操作釦44、45を操作後の元の位置に戻すためのバネ手段等を用いる必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。
【0085】
尚、操作釦44、45を操作板部49c、49cに一体に形成することも可能である。操作釦44、45を操作板部49c、49cに一体に形成することにより、一層の部品点数の削減を図ることができる。
【0086】
パネルホルダー47の突面部50には前方へ突出されたスピーカー押さえ部50aが設けられている。ミドルフレーム3にリアパネル5が取り付けられた状態において、ミドルフレーム3のスピーカー配置部22に配置されたスピーカー27がスピーカー押さえ部50aによって押さえられ、スピーカー27のスピーカー配置部22からの脱落が防止される。
【0087】
パネルホルダー47にはタッチパネル57と液晶パネル58が位置決めされて保持される(図8参照)。
【0088】
タッチパネル57はリアパネル5に形成された開口部41aより一回り大きい矩形状に形成され、指やスタイラス等によって接触操作されることにより所定の機能を実行する操作部としての役割を果たす。タッチパネル57には、一般に、操作実行のためのパターン部57aが存在し、該パターン部57aは外周寄りの位置の全周に位置されている(図12参照)。パターン部57aはタッチパネル57のうち最も強度が弱い部分である。
【0089】
液晶パネル58は画像や文字等を表示する表示部として機能し、タッチパネル57と略同じ大きさに形成されている。液晶パネル58は、図13に示すように、液晶表示部59と該液晶表示部59を保持する保持枠60とから成り、パネル取付板61に取り付けられている。
【0090】
保持枠60は4隅の部分が他の部分より外方に突出されて鈎状に形成された位置決め突部60a、60a、・・・として設けられている。
【0091】
パネル取付板61は保持枠60の外周部のうち、位置決め突部60a、60a、・・・を除いた部分を覆うようにして設けられている。
【0092】
液晶パネル58とタッチパネル57は接着等によって前後で結合されて一体化され、タッチパネル57のパターン部57aは液晶表示部59の外側、即ち、保持枠60の内周部に対応して位置される。
【0093】
タッチパネル57及び液晶パネル58は結合された状態で、リアパネル5に取り付けられたパネルホルダー47に位置決めされて保持される(図14参照)。タッチパネル57及び液晶パネル58は、リアパネル5の開口部41aの内側開口縁にシートクッション62、62、・・・(図11参照)が貼着された状態でパネルホルダー47の第1のパネル位置決め部55に内嵌されることにより位置決めされて保持される。
【0094】
このときタッチパネル57及び液晶パネル58は、該液晶パネル58の位置決め突部60a、60a、・・・が第1のパネル位置決め部55の4つの角部に嵌合されるため確実に位置決めされ、タッチパネル57及び液晶パネル58のリアパネル5に対する位置精度の向上を図ることができる。
【0095】
パネルホルダー47にはタッチパネル57と液晶パネル58に加え、バックライトパネル63も位置決めされて保持される(図8参照)。
【0096】
バックライトパネル63は液晶パネル58より一回り大きい平板状に形成され、例えば、4隅の位置に位置決め用切欠63a、63a、・・・が形成されている。
【0097】
バックライトパネル63はリアパネル5に取り付けられたパネルホルダー47に位置決めされて保持される(図15参照)。バックライトパネル63は位置決め用切欠63a、63a、・・・がそれぞれ段差部54、54の突部54b、54bに係合され、パネルホルダー47の第2のパネル位置決め部56に位置決めされて保持される。
【0098】
バックライトパネル63は押さえ板64によって前方側から押さえられる。押さえ板64は、図16に示すように、横長の矩形状に形成された押さえ部65と該押さえ部65の左右両側縁にそれぞれ連続して設けられた被取付部66、66、67とを有している。被取付部66、66、67は押さえ部65に対して稍後方に位置されている。押さえ板64には、その左端部に上下に離隔してネジ挿通孔64a、64aが形成されている。押さえ板64には、その左右方向における略中央部の上端部に前方側へ折り返された折返し片64bが設けられ、該折返し片64bに螺孔64cが形成されている。
【0099】
押さえ板64は、ミドルフレーム3の補強部14に形成されたネジ挿通孔14bを挿通された図示しない取付ネジが螺孔64cに螺合されることによりミドルフレーム3に取り付けられる。また、押さえ板64は、ミドルフレーム3のネジ挿通孔3a、3aをそれぞれ挿通された図示しない取付ネジがネジ挿通孔64a、64aに挿通されリアパネル5の図示しない螺合部に螺合されることにより該リアパネル5に取り付けられる。
【0100】
押さえ板64がリアパネル5に取り付けられた状態において、押さえ部65がバックライトパネル63の前面に押し付けられ、該バックライトパネル63が押さえ部65によって押さえられる。バックライトパネル63が押さえ部65によって押さえられると、バックライトパネル63が液晶パネル58に押し付けられ、該液晶パネル58及びタッチパネル57が押さえられる。
【0101】
上記のようにタッチパネル57、液晶パネル58及びバックライトパネル63が押さえられた状態において、図17に示すように、タッチパネル57とリアパネル5の内周部との間に隙間が形成されている。
【0102】
従って、電子機器1の使用時に撮影者が電子機器1を把持した状態において、指100によってリアパネル5の開口部41aに近い部分が押圧されたときに、リアパネル5がタッチパネル57に接触することがなく、該タッチパネル57の動作不良や割れ等の不具合の発生を防止することができる。
【0103】
特に、タッチパネル57のうち最も強度が弱い部分であるパターン部57aとリアパネル5との間に隙間が形成されるため、パターン部57aとリアパネル5との接触を回避することができ、タッチパネル57の動作の信頼性を確保することができる。
【0104】
また、上記したように、タッチパネル57、液晶パネル58及びバックライトパネル63は同一の部材であるパネルホルダー47に位置決めされているため、タッチパネル57、液晶パネル58及びバックライトパネル63のリアパネル5に対する良好な位置精度を確保することができると共にタッチパネル57、液晶パネル58及びバックライトパネル63の3つの部品間の良好な位置精度を確保することができる。
【0105】
尚、上記には、タッチパネル57とリアパネル5の後面部41との間にシートクッション62、62、・・・を介在させた例を示したが、例えば、図18に示すように、パネルホルダー47の後端部における一部を内方へ突出させて受部47a、47a、・・・を一体に設け、該受部47a、47a、・・・によってタッチパネル57を受けることによりタッチパネル57とリアパネル5との間に隙間を形成することも可能である。
【0106】
このようにパネルホルダー47に受部47a、47a、・・・を一体に設けることにより、シートクッション62、62、・・・が不要となり、部品点数の削減及びシートクッション62、62、・・・をリアパネル5に貼着する作業の手間を省くことができる。
【0107】
以上に記載した通り、電子機器1にあっては、ミドルフレーム3と該ミドルフレーム3の前後に結合されるフロントパネル4、リアパネル5の3部品によって外筐2が構成されている。
【0108】
従って、部品点数が少なく、各部品をネジ止めや加締め等によって結合する作業も少なくて済み、作業性の向上を図ることができる。
【0109】
また、フロントパネル4とリアパネル5の間に配置されるミドルフレーム3は各部が一体に形成されているため、その分、外筐2の高い強度を確保することができる。
【0110】
尚、電子機器1のようにタッチパネル57を有する機器においては、タッチパネル57、液晶パネル58及びバックライトパネル63にタッチパネル57に対する接触操作に伴う負荷がかかり易いが、電子機器1にはバックライトパネル63を押さえる押さえ板64と該押さえ板64を押さえる押さえリブ14aを設けているため、タッチパネル57、液晶パネル58及びバックライトパネル63の撓みや割れを確実に防止することができる。
【0111】
また、押さえ板64と押さえリブ14aによってタッチパネル57、液晶パネル58及びバックライトパネル63が押さえられるため、タッチパネル57及び液晶パネル58の撓みを抑制することが可能となり、タッチパネル57及び液晶パネル58の大型化による使い勝手の向上を図ることができる。
【0112】
上記のように、バックライトパネル63が押さえ板64に前方から押さえられた状態において、ミドルフレーム3とリアパネル5がネジ止め等の適宜の手段により結合され、ミドルフレーム3とフロントパネル4もネジ止め等の適宜の手段により結合される。
【0113】
ミドルフレーム3とリアパネル5が結合されると、ミドルフレーム3の押さえリブ14aが押さえ板64の押さえ部65の前面に押し付けられ、押さえリブ14aによって押さえ板64が押さえられる(図19参照)。
【0114】
この押さえリブ14aはミドルフレーム3に一体に形成されているため、押さえ板64を押さえる専用の部品を他に必要とせず、部品点数の削減を図ることができる。
【0115】
また、ミドルフレーム3とリアパネル5を結合させたときに、同時に押さえリブ14aによって押さえ板64が押さえられるため、押さえリブ14aによって押さえ板64を押さえるための作業を特別に必要とせず、作業性の向上を図ることができる。
【0116】
以下に、外筐2内に設けられた上記バッテリー装着部17及び該バッテリー装着部17に装着されるバッテリー200について説明する(図20乃至図36参照)。
【0117】
バッテリー装着部17は、上記したように、ミドルフレーム3の右側面部10、規制壁部15、補強部14及び保持壁部16によって構成され、バッテリー装着部17の内部空間はバッテリー200が挿入される挿入空間17aとされている(図20参照)。
【0118】
このようにバッテリー装着部17はミドルフレーム3に一体に形成された右側面部10、規制壁部15、補強部14及び保持壁部16によって設けられているため、部品点数が少なくて済み、電子機器1の製造コストの低減を図ることができる。
【0119】
バッテリー200は略蒲鉾状に形成されている(図21参照)。バッテリー200は、挿入空間17aに対する挿入方向及び取出方向における各端面201、201の外周縁202、202が6つの部分によって構成されている。即ち、外周縁202は同じ長さを有する第1の直線部202a、202aと該第1の直線部202a、202aに直交する第2の直線部202b、第3の直線部202cと中心角が略90°の略円弧状を為す2つの曲線状部202d、202dとから成る。
【0120】
バッテリー200の挿入方向における端面201には3つの接続端子203、203、203が設けられている。接続端子203、203、203は第3の直線部202cの近傍において該第3の直線部202cに沿うように位置されている。
【0121】
第3の直線部202cは第2の直線部202bより短く形成され、第1の直線部202a、202aの各一端と第3の直線部202cの両端とがそれぞれ曲線状部202d、202dに連続されている。
【0122】
バッテリー装着部17の挿入空間17aはバッテリー200に対応する形状に形成され、挿入空間17aの開口縁にはバッテリー200の曲線状部202d、202dにそれぞれ対応する円弧状に形成された円弧状縁17b、17bが形成されている(図22参照)。
【0123】
保持壁部16の右端寄りの位置には挿入空間17aに連通する挿通孔16aが形成されている(図22参照)。保持壁部16の前面における右端寄りの位置には、左右に離隔して軸受け部16b、16bが設けられている(図23参照)。
【0124】
保持壁部16の前面には支持部材68が取り付けられる(図23参照)。
【0125】
支持部材68は左右に長い中間部69と該中間部69の左右にそれぞれ連続して設けられた被取付部70、71とを有している。被取付部70、71にはそれぞれネジ挿通孔70a、71aが形成されている。被取付部70には上方へ突出されたバネ支持片70bが設けられている。
【0126】
支持部材68は被取付部70、71のネジ挿通孔70a、71aをそれぞれ挿通された取付ネジ72、72が保持壁部16に螺合されることにより該保持壁部16に取り付けられる。
【0127】
保持壁部16の軸受け部16b、16bにはロック手段として機能するロック部材73が回動自在に支持される。ロック部材73は、図24に示すように、左右方向に長い支軸部74と該支軸部74の右端部に設けられたロック部75と支軸部74の右端寄りの位置から突出されたバネ掛け突部75とが一体に形成されて成る。
【0128】
ロック部75は支軸部74の軸方向に直交する方向へ該支軸部74から突出され、略直角三角形状に形成されている(図25参照)。ロック部75は外周縁が互いに略直交する2つの直線部75a、75bと一つの曲線部75cとを有し、該曲線部75cは、バッテリー200が挿入される挿入空間17aの円弧状縁17bに対応する緩やかな円弧状に形成されている。ロック部75は略直角でない一方の角部が支軸部74に連続され、略直角でない他方の角部が先端部75dとして設けられている。ロック部75の表面は、先端部75d側の部分が傾斜面部75eとして形成され、ロック部75は傾斜面部75eによって先端部75dの先端に近付くに従って厚みが薄くなるようにされている。
【0129】
ロック部材73の支軸部74にはバネ部材77が支持される(図23及び図24参照)。バネ部材77は、例えば、捩じりコイルバネであり、コイル部78と該コイル部78の両端から突出された第1の腕部79、第2の腕部80とから成る。
【0130】
第1の腕部79は所定の形状に屈曲されて形成され、コイル部78に連続し該コイル部78の先端部に対して略90°屈曲されて形成された弾接部79aと該弾接部79aに対して略90°屈曲されて形成された側圧付与部79bとから成り、該側圧付与部79bは先端側の部分が略円弧状に屈曲された押圧部79cとされている。側圧付与部79bはバッテリー200がバッテリー装着部17に装着されたときに、バッテリー200に側圧を付与する与圧手段としての役割を果たす。
【0131】
バネ部材77のコイル部78にはロック部材73の支軸部74が挿入され、バネ部材77がロック部材73に支持される。
【0132】
ロック部材73は支軸部74が保持壁部16に形成された軸受部16b、16bに挿入されミドルフレーム3に回動自在に支持される(図20参照)。ロック部材73がミドルフレーム3に支持された状態において、支軸部74とバネ掛け突部76が上下に位置され、、ロック部75がミドルフレーム3の右側面部10に形成された開口10aから外方へ突出される(図22参照)。
【0133】
ロック部材73がミドルフレーム3に支持された状態において、ロック部材73に支持されたバネ部材77は保持壁部16の軸受部16b、16b間に位置され(図26及び図27参照)、図20及び図24に示すように、第1の腕部79の弾接部79aがロック部材73のバネ掛け突部76に前方から弾接され、第2の腕部80の先端部が保持壁部16に取り付けられた支持部材68のバネ支持片70bに後方から弾接される。従って、ロック部材73はバネ部材77によって支軸部74を支点としてバネ掛け突部76が略前方へ移動される回動方向へ付勢され、バネ掛け突部76が保持壁部16に接することによりロック部材73の回動が規制される。このとき、ロック部75は先端部75dが円弧状縁17bから挿入空間17a側へ突出した状態とされる(図22参照)。また、バネ部材77の側圧付与部79bは、押圧部79cがミドルフレーム3の挿通孔16aから挿入空間17aに突出される(図22参照)。
【0134】
ミドルフレーム3の補強部14の押さえリブ14aにはバッテリー用回路基板81が取り付けられる(図20参照)。バッテリー用回路基板81には端子部82、82、82が搭載されている。端子部82、82、82は上下方向に並んだ状態で位置されている。
【0135】
以下に、バッテリー200の挿入空間17aに対する挿脱時における各部の動作について説明する(図28乃至図31参照)。
【0136】
バッテリー200が挿入空間17aに挿入される前の状態においては、ロック部材73はロック部75の先端部75dが円弧状縁17bから挿入空間17a側へ突出した状態とされている(図28参照)。このときバネ部材77は、側圧付与部79bの押圧部79cがミドルフレーム3の挿通孔16aから挿入空間17aに突出されている。
【0137】
挿入空間17aにバッテリー200を挿入しようとするときには、先ず、バッテリー蓋13を開放し、ロック部材73をバネ部材77による付勢力に抗してR1方向(図28参照)へ回動させて挿入空間17aの全体を開放する。ロック部材73のR1方向への回動は、例えば、ロック部材73のロック部75を把持して手動により行う。
【0138】
また、ロック部材73のR1方向への回動は、バッテリー200をロック部75の傾斜面部75eに上方又は斜め上方から押し当てて行うことも可能である(図29参照)。具体的には、バッテリー200を傾斜面部75eに上方又は斜め上方から押し当てていくと、バッテリー200が傾斜面部75eと摺接されロック部75がR1方向へ回動されていく。
【0139】
このようにロック部材73のロック部75には傾斜面部75eが形成されているため、バッテリー200を傾斜面部75eに上方又は斜め上方から押し当てていくことによりロック部75がR1方向へ回動可能とされ、バッテリー200の挿入空間17aへの挿入を容易に行うことができる。
【0140】
ロック部材73がR1方向へ回動されると、バネ掛け突部76に弾接されているバネ部材77の第1の腕部79が略前方へ移動されていく。従って、バネ部材77の押圧部79cが挿通孔16a内に引き込まれる(図30参照)。
【0141】
挿入空間17aとバッテリー200との間には挿入空間17aに対するバッテリー200の良好な挿脱性を確保するための隙間が存在するため、挿入空間17aにバッテリー200を挿入すると、バッテリー200が挿入空間17aに対して隙間分傾斜する場合がある(図31参照)。バッテリー200が挿入空間17aに対して傾斜した場合には、バッテリー200の接続端子203、203、203と端子部82、82、82との接続不良が生じるおそれがある。
【0142】
しかしながら、挿入空間17aにバッテリー200が挿入されると、ロック部材73がバネ部材77の付勢力によってR2方向(図30参照)へ回動され、この回動動作に伴って第1の腕部79が略後方へ移動され押圧部79cが挿通孔16aから挿入空間17aに突出される(図32参照)。
【0143】
ロック部材73のR2方向への回動によりロック部75の一部がバッテリー200の一方の端面201に接し、バッテリー200がバッテリー装着部17に装着された状態がロックされる(図32及び図33参照)。また、押圧部79cが挿通孔16aから挿入空間17aに突出されると、バッテリー200が押圧部79cによって押圧され、規制壁部15に押し付けられて傾斜状態が是正される(図32及び図33参照)。従って、バッテリー200の接続端子203、203、203と端子部82、82、82とが良好な状態で接続される。
【0144】
最後に、バッテリー蓋13を閉塞することによりバッテリー200の挿入を完了する。
【0145】
逆に、バッテリー200のバッテリー装着部17からの取出は、先ず、バッテリー蓋13を開放し、次に、ロック部材73を回動させてバッテリー200に対するロックを解除し、最後に、バッテリー200を挿入空間17aから引き抜くことにより行う。
【0146】
以上に記載した通り、電子機器1にあっては、バッテリー200に側圧を付与する与圧手段として機能するバネ部材77の側圧付与部79bとロック手段として機能するロック部材73が連動され、該ロック部材73によってバッテリー200がロックされたときに側圧付与部79bによってバッテリー200に側圧が付与されると共にロック部材73によるバッテリー200のロックが解除されたときに側圧付与部79bによるバッテリー200への側圧の付与が解除される。
【0147】
従って、バッテリー200がバッテリー装着部17に装着されロックされた状態においては側圧付与部79bによってバッテリー200が規制壁部15に押し付けられるため、接続端子203、203、203と端子部82、82、82との良好な接続状態を確保することができ、また、バッテリー200のロックが解除された状態において側圧付与部79bによる側圧の付与が解除されるため、バッテリー200の挿入空間17aに対する挿入及び取出を円滑に行うことができる。
【0148】
尚、バッテリー200に対する側圧をロック部材73で付与せずバネ部材77の押圧部79cによって付与するため、ロック手段と与圧手段をそれぞれの機能に応じた最適形状に形成することが可能となり、設計の自由度の向上及び効率的な部品の配置が可能となる。
【0149】
また、上記には、例として、ロック部材73にバネ部材77が支持されることによりロック手段と与圧手段を連結する構成を示したが、例えば、適宜のリンク手段を用いてロック手段と与圧手段を連結することも可能である。
【0150】
また、ロック部材73は支軸部74を支点として回動され、側圧付与部79bもロック部材73の回動動作に伴ってこの回動方向と同じ方向へ動作されるため、動作の信頼性を確保することができ、また、ロック部材73及び側圧付与部79bの動作スペースが小さくて済み、電子機器1の小型化を図ることができる。
【0151】
さらに、与圧手段として機能する側圧付与部79bはバネ部材77の一部であるため、バッテリー200が規制壁部15に押し付けられたときの各部材間の寸法公差が吸収され、バッテリー200を適切な力量で規制壁部15に押し付けることができる。
【0152】
加えて、ロック部材73のロック部75に曲線部75cを形成しロック部75を支軸部74から遠去かるに従って幅広となる形状に形成し、ロック部75がバッテリー200の挿入方向における一方の端面201に接することによりバッテリー200がバッテリー装着部17にロックされるようにしているため、ロック部75の端面201に対する接触面積が大きく、バッテリー200のロック状態の安定化を図ることができる。
【0153】
尚、上記には、回動してバッテリー200のロックを行うロック部材73を例として示したが、ロック部材73に代えて、例えば、以下のように弾性変形することによりロックを行うロック部材73Aを用いることも可能である(図34乃至図36参照)。
【0154】
ロック部材73Aは樹脂材料等の弾性変形量のおおきな材料によって形成され、図34に示すように、左右方向に長い基部83と該基部83の長手方向における一端部から直交する方向へ突出されたロック部84と基部83の長手方向における中間部から直交する方向へ突出された側圧付与部85とから成る。
【0155】
ロック部材73Aは基部83の他端部が保持壁部16に取り付けられ、ロック部84が右側面部10の配置孔10bから突出されて一部が挿入空間17aの側方に位置され、側圧付与部85の先端部が保持壁部16の挿通孔16aから挿入空間17aに突出されている。
【0156】
バッテリー200を挿入空間17aに挿入するときには、ロック部材73Aを撓ませて挿入空間17aの全体を開放する(図35参照)。ロック部材73Aを撓ませることにより側圧付与部85が挿通孔16a内に引き込まれる。従って、バッテリー200を挿入空間17aに円滑に挿入することができる。
【0157】
バッテリー200が挿入空間17aに挿入された状態において、ロック部材73Aを元の状態に戻すと、ロック部84によってバッテリー200がロックされると共に側圧付与部85によってバッテリー200に側圧が付与されバッテリー200が規制壁部15に押し付けられる。バッテリー200が規制壁部15に押し付けられることにより、バッテリー200が挿入空間17a内において傾斜することなく、接続端子203、203、203と端子部82、82、82とが確実に接続される。
【0158】
バッテリー200の挿入空間17aからの取出は、再びロック部材73Aを撓ませて挿入空間17aの全体を開放すると共に側圧付与部85によるバッテリー200への側圧の付与を解除した状態で行う。
【0159】
上記のように、ロック部材73Aはロック部84と側圧付与部85が一体に形成されているため、部品点数の削減を図ることができる。
【0160】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】図2乃至図36と共に本発明の最良の形態を示すものであり、本図は、電子機器の一例としてスチルカメラを示す斜視図である。
【図2】スチルカメラの背面側を示す斜視図である。
【図3】ミドルフレームの拡大斜視図である。
【図4】ミドルフレームの背面側を示す拡大斜視図である。
【図5】バッテリー蓋を開放した状態で示すスチルカメラの斜視図である。
【図6】ミドルフレームとこれに配置される各部品を示す分解斜視図である。
【図7】ミドルフレームの一部とシャッターユニットを示す拡大分解斜視図である。
【図8】スチルカメラの構造を示す分解斜視図である。
【図9】パネルホルダーの拡大正面図である。
【図10】パネルホルダーの拡大斜視図である。
【図11】パネルホルダーの各位置決め部を示す拡大斜視図である。
【図12】タッチパネルの斜視図である。
【図13】液晶パネルの斜視図である。
【図14】パネルホルダーの第1の位置決め部にタッチパネル及び液晶パネルが位置決めされて配置された状態を示す拡大斜視図である。
【図15】パネルホルダーの第2の位置決め部にバックライトパネルが位置決めされて配置された状態を示す斜視図である。
【図16】押さえ板の斜視図である。
【図17】タッチパネル、液晶パネル及びバックライトパネル等の配置状態を示す拡大断面図である。
【図18】タッチパネル、液晶パネル及びバックライトパネル等の配置状態の別例を示す拡大断面図である。
【図19】押さえ板がミドルフレームの押さえリブによって押さえられた状態を示す拡大断面図である。
【図20】バッテリー装着部とバッテリーを示す拡大斜視図である。
【図21】バッテリーの拡大斜視図である。
【図22】バッテリー装着部とロック部材を示す拡大斜視図である。
【図23】ミドルフレームの一部と支持部材とバネ部材を示す拡大分解斜視図である。
【図24】ロック部材とバネ部材を示す拡大斜視図である。
【図25】ロック部材のロック部の形状を示す拡大斜視図である。
【図26】ミドルフレームの一部と支持部材とバネ部材を支持部材がミドルフレームに取り付けられた状態で示す拡大斜視図である。
【図27】ミドルフレームの一部、支持部材、バネ部材及びロック部材をロック部材を分離して示す拡大斜視図である。
【図28】図29乃至図33と共にバッテリーがバッテリー装着部に装着されるときの各部の動作を示すものであり、本図は、バッテリーが挿入空間に挿入される前の状態を示す拡大側面図である。
【図29】ロック部の傾斜面部にバッテリーが押し当てられたときの動作状態を示す拡大斜視図である。
【図30】バッテリーが挿入空間に挿入されている途中の状態を示す拡大側面図である。
【図31】挿入空間に挿入されたバッテリーがロックされる前の状態を示す概念図である。
【図32】バッテリーが挿入空間に挿入されてロックされた状態を示す拡大側面図である。
【図33】挿入空間に挿入されたバッテリーがロックされた状態を示す概念図である。
【図34】図35及び図36と共に別のロック部材を用いた場合にバッテリーがバッテリー装着部に装着されるときの各部の動作を示すものであり、本図は、バッテリーが挿入空間に挿入される前の状態を示す拡大断面図である。
【図35】バッテリーが挿入空間に挿入されている途中の状態を示す拡大断面図である。
【図36】バッテリーが挿入空間に挿入されてロックされた状態を示す拡大断面図である。
【図37】図38と共に解決課題を説明するためのものであり、本図は分解斜視図である。
【図38】側面図である。
【符号の説明】
【0162】
1…電子機器、17…バッテリー装着部、17a…挿入空間、73…ロック手段(ロック部材)、74…支軸部、75…ロック部、75c…曲線部、75e…傾斜面部、73A…ロック手段(ロック部材)、84…ロック部、200…バッテリー、201…端面、202…外周縁、202d…曲線状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入方向及び取出方向における各端面の外周縁の一部が曲線状部として形成されたバッテリーが挿入される挿入空間を有するバッテリー装着部と、
該バッテリー装着部に回動自在に支持されバッテリー装着部に装着されたバッテリーをロックするロック手段とを備え、
該ロック手段に、バッテリーのバッテリー装着部への挿入方向に延び回動支点となる支軸部と該支軸部から突出され支軸部の軸回り方向へ回動するロック部とを設け、
該ロック部を支軸部からの突出方向において該支軸部から遠去かるに従って幅が広がる形状に形成し、
ロック部の幅方向における側縁の少なくとも一部をバッテリーの曲線状部に対応して曲線部として形成し、
バッテリー装着部の挿入空間の入口側の開口縁をバッテリーの挿入方向及び取出方向における各端面に対応した形状に形成し、
挿入空間へのバッテリーの挿入時に、ロック部の側縁の曲線部をバッテリー装着部の上記開口縁の曲線状に形成された部分に沿うように位置させ、
バッテリー装着部へのバッテリーの挿入完了時に、ロック部が回動されて該ロック部がバッテリーの取出方向における端面に接することによりバッテリーがバッテリー装着部にロックされるようにした
ことを特徴とするバッテリー装着機構。
【請求項2】
上記ロック部の表面に、曲線部に近付くに従って厚みが薄くなる傾斜面部を形成した
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー装着機構。
【請求項3】
挿入方向における両端面の外周縁の一部が曲線状部として形成されたバッテリーが装着される電子機器であって、
バッテリーが挿入される挿入空間を有するバッテリー装着部と、
該バッテリー装着部に回動自在に支持されバッテリー装着部に装着されたバッテリーをロックするロック手段とを備え、
該ロック手段に、バッテリーのバッテリー装着部への挿入方向に延び回動支点となる支軸部と該支軸部から突出され支軸部の軸回り方向へ回動するロック部とを設け、
該ロック部を支軸部からの突出方向において該支軸部から遠去かるに従って幅が広がる形状に形成し、
ロック部の幅方向における側縁の少なくとも一部をバッテリーの曲線状部に対応して曲線部として形成し、
バッテリー装着部の挿入空間の入口側の開口縁をバッテリーの挿入方向及び取出方向における各端面に対応した形状に形成し、
挿入空間へのバッテリーの挿入時に、ロック部の側縁の曲線部をバッテリー装着部の上記開口縁の曲線状に形成された部分に沿うように位置させ、
バッテリー装着部へのバッテリーの挿入完了時に、ロック部が回動されて該ロック部がバッテリーの取出方向における端面に接することによりバッテリーがバッテリー装着部にロックされるようにした
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2007−66571(P2007−66571A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−247961(P2005−247961)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】