説明

バッテリー

活性物質としてアルカリ金属を有するアノードと、例えば二硫化鉄を活性物質として有するカソードと、ヨウ化リチウム及びリチウムヘキサフルオロホスフェートのようなリチウム塩を含有する電解質と、を含む、バッテリー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリー、並びに関連する成分及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリー又は電気化学電池は、一般的に用いられる電気エネルギー供給源である。バッテリーは、一般にアノード(負極)と呼ばれる負の電極と、一般にカソード(正極)と呼ばれる正の電極とを有している。アノードは、酸化され得る活性物質を含有し、カソードは、還元され得る活性物質を含有又は消費する。アノードの活性物質は、カソードの活性物質を還元することができる。
【0003】
装置中でバッテリーが電気エネルギー源として用いられるとき、装置を通じて電子が流れることを可能とするために、並びにそれぞれの酸化及び還元反応を生じさせて電力を供給するために、負極及び正極に対する電気的接触が作り出される。負極及び正極と接触する電解質はイオンを含んでおり、このイオンが電極間のセパレータを通じて流れることによって、放電の際にバッテリー全体を通じて電荷の平衡が維持される。
【0004】
ある種のバッテリーは、アノード活性物質としてのアルカリ金属と、カソード活性物質としての二硫化鉄とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、本発明は、アノードと、カソードと、1つ以上のリチウム塩及び溶剤の組合せを含む電解質と、を含むバッテリーに関する。一態様で、バッテリーは、リチウム含有アノード活性物質を含むアノードと、遷移金属硫化物を含むカソードと、1,3−ジオキソラン及び1,2−ジメトキシエタンを含む溶剤中にヨウ化リチウム及びリチウムヘキサフルオロホスフェートを含む電解質と、を有する。電解質は、3,5−ジメチルイソオキサゾール、ピリジン、及び/又は水のような、1つ以上の添加剤を含むことができる。電解質は、良好な安全性、良好な安定性、良好な高電流及び中電流放電特性、並びに費用的便益をバッテリーにもたらすことができる。電解質は、比較的低い粘性及び良好な導電率を有することができる。
【0006】
一態様では、本発明は、ハウジングを含むバッテリーを特徴とする。ハウジングは、リチウム含有アノード活性物質を含むアノードと、遷移金属硫化物又は遷移金属酸化物を含むカソードと、0.05M〜0.5Mのヨウ化リチウム、0.05M〜0.5Mのリチウムヘキサフルオロホスフェート、30重量%以上の1,3−ジオキソラン、及び20重量%以上の1,2−ジメトキシエタンを含む電解質と、を含む。
【0007】
バッテリーの実施形態は、次の特徴の1つ以上を包含する場合がある。
【0008】
カソードはFeS、FeS、及び/又はCuSを含むことができる。
【0009】
電解質は、水(例えば、500ppm未満の水、250ppm以下の水、又は100ppm以下の水、50ppm〜500ppmの水、100〜400ppmの水、又は200〜300ppmの水)を更に含むことができる。電解質は、3,5−ジメチルイソオキサゾール又はピリジンのような添加剤を500ppm〜5000ppm(例えば1000ppm〜5000ppm、2000〜4000ppm、3000ppm〜4000ppm)の量で含むことができる。
【0010】
電解質は、0.05M〜0.3M(0.05M〜0.4M、0.05M〜0.3M、0.1M〜0.4M、0.1M〜0.3M、0.1M〜0.25M、又は0.1M〜0.2M)のLiI又はLiPFを含むことができる。いくつかの実施形態で、電解質は、0.1M〜0.3Mのヨウ化リチウム及び0.1M〜0.3Mのリチウムヘキサフルオロホスフェートを好ましくは含む。電解質中の塩の合計濃度は、少なくとも約0.05M(例えば、少なくとも0.1M、少なくとも約0.3M、少なくとも約0.5M、又は少なくとも約0.7M)かつ/又は最高約1モル(M)(例えば、最高約0.8M、最高約0.5M、最高約0.3M、又は最高約0.1M)であることができる。電解質は、70重量%の1,3−ジオキソラン及び/又は30重量%の1,2−ジメトキシエタンを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態で、電解質は0.6〜0.8cps(例えば0.7〜0.8cps)の粘度を有する。電解質は、100〜600オーム・cm(例えば、150〜600オーム・cm、150〜400cm、又は200〜400オーム・cm)の比抵抗を有することができる。バッテリーは、3.86Ah以下の比放電容量を有する。ハウジングは、35%〜65%の有孔率を有するセパレータを更に含むことができる。
【0012】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を添付図面及び以下の説明に示す。他の特徴及び利点は、発明を実施するための最良の形態、図面、及び特許請求の範囲から明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】非水性電気化学電池の1つの実施形態の断面図。
【図2】電解質組成物の実施形態の比抵抗を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、一次電気化学電池10は、負のリード14と電気接触しているアノード12と、正のリード18と電気接触しているカソード16と、セパレータ20と、電解質とを含む。アノード12と、カソード16と、セパレータ20と、電解質とは、ケース22内に収容されている。電解質は、1,3−ジオキソラン(DX)及び1,2−ジメトキシエタン(DME)のような溶剤混合物中に少なくとも部分的に溶解している、ヨウ化リチウム及びリチウムヘキサフルオロホスフェートのような塩を含むことができる。電気化学電池10は、キャップ24及び環状絶縁ガスケット26、並びに安全弁28を更に含む。
【0015】
カソード16は、カソード集電器、及びカソード集電器の少なくとも片面にコーティングされたカソード物質を含む。カソード物質は、カソード活性物質(類)を包含し、並びにまた1つ以上の導電性物質(例えば、導電性助剤、電荷制御剤)及び/又は1つ以上の結合剤を包含することができる。
【0016】
カソード活性物質は、式M(式中、Mは遷移金属、mは少なくとも1、nは少なくとも1)を有する遷移金属硫化物を1つ以上含む。いくつかの実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは2.5〜3.0を超える。遷移金属の例としては、鉄及び銅が挙げられる。遷移金属硫化物の例としては、FeS、FeS、CuS、CoS、NiS、MoS、Co、Co、Ni、Fe、Moが挙げられる。いくつかの実施形態で、カソード活性物質は、NiCoSのような混合金属硫化物を含む。遷移金属硫化物は、例えば、米国特許第4,891,283号(Bowdenら)及び米国特許第4,481,267号(Bowdenら)にも更に記載されている。カソード物質は、例えば、少なくとも約85重量%かつ/又は最高約99重量%のカソード活性物質を含む。
【0017】
導電性材料は、電気化学電池10内のカソード16の電子伝導率を高めることができる。導電性材料の例としては、導電性助剤類及び荷電制御剤類が挙げられる。導電性材料の具体的な例には、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、アセチレンブラック、及びグラファイトが挙げられる。正極物質は、例えば、少なくとも約3重量%かつ最高約8重量%の1種以上の導電性材料を含む。
【0018】
結合剤は、正極物質の均一性を維持するのに役立ち、正極の安定性を向上させることができる。結合剤の例としては、直鎖ジ−及びトリ−ブロックコポリマーが挙げられる。結合剤類の追加の例としては、メラミン樹脂で架橋した線形トリブロックポリマー類、エチレン−プロピレンコポリマー類、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー類、トリ−ブロックフッ素化熱可塑性樹脂類、フッ素化ポリマー類、水素化ニトリルゴム、フルオロ−エチレン−ビニルエーテルコポリマー類、熱可塑性ポリウレタン類、熱可塑性オレフィン類、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー類、及びポリフッ化ビニリデンホモポリマー類が挙げられる。カソード物質は、例えば、少なくとも約0.5重量%(例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%)かつ/又は最高約5重量%(例えば、最高約4重量%、最高約3重量%、最高約2重量%、又は最高約1重量%)の1つ以上の結合剤を含む。
【0019】
カソード集電器は、例えば、1つ以上の金属及び/又は金属合金から形成することができる。金属の例としては、チタン、ニッケル、及びアルミニウムが挙げられる。金属合金の例には、アルミニウム合金(例えば、1N30、1230)及びステンレス鋼が挙げられる。集電器は、一般に、ホイル又はグリッドの形態であることができる。ホイルは、例えば、最高約35マイクロメートル(例えば、最高約30マイクロメートル、最高約25マイクロメートル)かつ/又は少なくとも約15マイクロメートル(例えば、少なくとも約25マイクロメートル、少なくとも約30マイクロメートル)の厚さを有することができる。
【0020】
カソード16は、先ず、1種以上のカソード活性物質、導電性材料、及び結合剤と、1種以上の溶媒とを混ぜ合わせてスラリーを形成し(例えば、二重遊星形ミキサーを用いて、カソード活性物質、導電性材料、及び/又は結合剤を溶媒に分散することにより)、次いで、例えば、延伸ダイコーティング又はロールコーティングによりスラリーを集電器にコーティングすることにより形成され得る。コーティングされた集電器は、次に乾燥及びカレンダー処理されて、所望の厚さ及び多孔性を提供する。
【0021】
アノード12には、1種以上のアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)がアノード活性物質として含まれる。アルカリは、純金属でも金属合金でもよい。いくつかの実施形態で、リチウムが好ましい金属であり、リチウムは、例えば、アルカリ土類金属又はアルミニウムとの合金にされ得る。いくつかの実施形態で、アルカリ金属は、Mg、Ga、Ca、Bi、In、Sn、及びSiの1つ以上との合金にされる。好ましいリチウム金属は、アルミニウム−リチウム合金である。リチウム合金は、例えば、少なくとも約500ppm〜最高約5000ppmまで(例えば、少なくとも約1000ppm〜最高2000ppmまで、又は少なくとも約1200ppm〜最高約1700ppmまで)のアルミニウム又は他の合金化材料を含有していてよい。リチウム合金は、バッテリーにホイルの形態で組み込むことができる。
【0022】
あるいは、アノード12は、リチウム挿入化合物などの特定の材料、例えば、LiC、LiTi12、LiTiSを包含することができる。これらの実施形態では、アノード12は、1種以上の結合剤を含み得る。結合剤類の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM、スチレン−ブタジエンゴム類、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。アノード組成物は、例えば、少なくとも約0.5重量%かつ最高約9重量%の結合剤を含む。アノードを形成するために、アノード活性物質と1種以上の結合剤とを混合してペーストを形成することができ、このペーストを基材に塗布することができる。乾燥後、基材は、所望により、アノードをハウジングに組み込む前に除去することができる。
【0023】
アノード材料には、例えば、少なくとも約90重量%かつ最高約100重量%までのアノード活性物質が包含される。
【0024】
電解質は、好ましくは液状である。電解質は、1つ以上の溶剤を含む。いくつかの実施形態で、電解質は、1,2−ジメトキシエタン(DME)及び/又は1,3−ジオキソラン(DX)を含む。電解質は、例えば、1,2−ジメトキシエタンを15重量%以上(例えば20重量%以上、25重量%以上、又は30重量%以上)かつ/又は40重量%以下(例えば30重量%以下、25重量%以下、又は20重量%以下)含む。いくつかの実施形態で、電解質は、1,2−ジメトキシエタンを15重量%〜40重量%(例えば、20重量%〜40重量%、30重量%〜40重量%、20%、25%、又は30重量%)含む。理論に束縛されるものではないが、1,2−ジメトキシエタンは電解質の粘性を所望の標的まで低減することができると考えられる。
【0025】
電解質は、1,3−ジオキソランを20重量%以上(例えば30重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上)かつ/又は80重量%以下(例えば70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、又は30重量%以下)含む。いくつかの実施形態で、電解質は、1,3−ジオキソランを20重量%〜80重量%(例えば、30重量%〜70重量%、50重量%〜70重量%、60%〜70重量%、60〜80重量%、60重量%、70重量%、75重量%)含む。理論に束縛されるものではないが、1,3−ジオキソランは、例えばより低い温度で電解質塩の溶解を促進することができると考えられる。
【0026】
いくつかの実施形態で、電解質は、500ppm以上(例えば1000ppm以上、2000ppm以上、3000ppm以上、4000ppm以上)かつ/又は5000ppm以下(例えば4000ppm以下、3000ppm以下、2000ppm以下、1000ppm以下)の3,5−ジメチルイソオキサゾールを含有する。電解質は、3,5−ジメチルイソオキサゾールを500ppm〜5000ppm(例えば1000ppm〜5000ppm、2000〜4000ppm、3000ppm〜4000ppm、2000ppm、3000ppm、4000ppm、又は5000ppm)含むことができる。理論に束縛されるものではないが、3,5−ジメチルイソオキサゾールは添加剤であり、ジオキソランの重合を抑制できると考えられる。
【0027】
一部の実施形態では、電解質に添加剤としてピリジンを含めることができる。例えば、電解質は、ピリジンを500ppm〜5000ppm(例えば1000ppm〜5000ppm、2000〜4000ppm、3000ppm〜4000ppm、2000ppm、3000ppm、4000ppm、又は5000ppm)含むことができる。電解質は、500ppm以上(例えば1000ppm以上、2000ppm以上、3000ppm以上、4000ppm以上)かつ/又は5000ppm以下(例えば4000ppm以下、3000ppm以下、2000ppm以下、1000ppm以下)のピリジンを含むことができる。理論に束縛されるものではないが、ピリジンはジオキソランの重合を抑制できると考えられる。
【0028】
いくつかの実施形態で、電解質は水を更に含む。例えば、電解質は、水を10ppm〜1000ppm(例えば50ppm〜1000ppm、50〜500ppm、100ppm〜400ppm、200ppm〜300ppm、50ppm、100ppm、200ppm、300ppm、400ppm、又は500ppm)含むことができる。いくつかの実施形態で、電解質は、50ppm以上(例えば100ppm以上、250ppm以上、又は500ppm以上)かつ/又は1000ppm以下(例えば500ppm以下、250ppm以下、又は100ppm以下)の水を含むことができる。水含有量は、標準的なKarl Fisher滴定法で、ヨウ素調節とともに決定される。Karl Fisher滴定法は、例えば、Bruttel P.and Schlink R.,Water Determination by Karl Fisher Titration,Metrohm Ion Analysis monograph,2003に記載されている。ヨウ素調節は、特定量の電解質試料の重量を計測してビーカー内にとり、そのビーカーに0.5重量%の第2の量のデンプン溶液を添加し、青色が白色に変わるまで電解質試料に0.9mMのチオ硫酸ナトリウム溶液を滴定し、滴定のために消費されたチオ硫酸ナトリウムのモル数を計算することによって行われる。電解質中のヨウ素のモル数は(例えば電解質がLiIを含有するとき)、消費されたチオ硫酸ナトリウムの半分と等しい。ヨウ素濃度は、下記の式に基づいて計算され得る。
【0029】
ヨウ素(ppm)=ヨウ素モル数×254/電解質の重量
電解質中の水の量は、水の式量/ヨウ素の式量×100=7.1%の式に基づいて、電解質中に存在するヨウ素の濃度に応じて調節する。
【0030】
いくつかの実施形態で、電解質は他の溶剤を含む。例えば、電解質は、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(AN)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、3−メチル−2−オキサゾリジノン、ギ酸メチル(MF)、スルホラン(SU)、ジメトキシエタンのような非環式エーテル系溶剤、エチルグリム、ジグリム、ジメトキシプロパン(DMP)、トリグリム、又はこれらの組合せを含むことができる。
【0031】
電解質は、1つ以上の塩を包含することができる。好ましいリチウム塩は、ヨウ化リチウム(LiI)及びリチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)を含む。その他の塩の例としては、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiTFS)、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiB(C)、及びリチウムビス(ペルフルオロエチル)スルホンイミド(LiN(SO)が挙げられる。いくつかの実施形態で、電解質は他の追加的な塩を含む。例えば、電解質は、過塩素酸リチウム(LiClO)及び/又は硝酸リチウム(LiNO)のような腐食抑制剤を含むことができる。追加的な塩としては、LiTFS、LiI、LiBr、LiTFSI、LiBF、LiPF、LiAsF、LiBOB、Li(CFSON、Li(CFSOC、及びこれらの組合せが挙げられる。電解質は、例えば、Suzukiらの米国特許第5,595,841号及びTotirらの米国特許出願刊行物第2005/0202320 A1号に記載されている。電解質は、塩を合計濃度で少なくとも約0.05M(例えば、少なくとも0.1M、少なくとも約0.3M、少なくとも約0.5M、又は少なくとも約0.7M)かつ/又は最高約1モル(例えば、最高約0.8M、最高約0.5M、最高約0.3M、又は最高約0.1M)を含む。
【0032】
いくつかの実施形態で、リチウム塩がLiIであるとき、電解質は0.05M〜0.5M(例えば、0.05M〜0.4M、0.05M〜0.3M、0.1M〜0.4M、0.1M〜0.3M、0.1M〜0.25M、又は0.1M〜0.2M、0.1M、0.2M、0.25M、又は0.3M)のLiIを含む。例えば、電解質は、0.05M以上(例えば、0.1M以上、0.15M以上、0.2M以上、0.25M以上、0.3M以上、又は0.4M以上)かつ/又は、0.5M以下(例えば、0.4M以下、0.3M以下、0.25M以下、0.2M以下、0.15M以下、又は0.1M以下)のLiIを含むことができる。電解質は、好ましくは0.1M〜0.3Mのヨウ化リチウムを含む。
【0033】
いくつかの実施形態で、リチウム塩がLiPFであるとき、電解質は0.05M〜0.5M(例えば、0.05M〜0.4M、0.05M〜0.3M、0.1M〜0.4M、0.1M〜0.3M、0.1M〜0.25M、又は0.1M〜0.2M、0.1M、0.2M、0.25M、又は0.3M)のLiPFを含む。例えば、電解質は、LiPFを0.05M以上(例えば、0.1M以上、0.2M以上、0.25M以上、0.3M以上、又は0.4M以上)かつ/又は、0.5M以下(例えば、0.4M以下、0.3M以下、0.25M以下、0.2M以下、又は0.1M以下)含むことができる。電解質は、好ましくは0.1M〜0.3Mのリチウムヘキサフルオロホスフェートを含む。いくつかの実施形態で、電解質がLiPF及びLiIを含むとき、LiPFが一部のLiIを置換することで、導電率を改善し良好なコスト効果をもたらすことができる。いくつかの実施形態で、LiIの追加はLiPFの分解生成物(例えばPF及びHF)の生成を抑制することができる。
【0034】
LiI塩とLiPF塩の組合せを含む電解質組成物は、比較的良好なイオン及び電気伝導度、安定性、良好な物質移動特性、及び良好な保管能力(例えば0℃〜60℃の温度で)を有することができる。この電解質組成物は、比較的低コストで比較的良好な中程度〜高度のレート性能を有することができる。いくつかの実施形態で、電解質組成物がLiI及びLiPF塩を含むとき、塩は1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、及び3,5−ジメチルイソオキサゾールの溶剤混合物中に溶解可能である。例えば、溶媒混合物は、60〜75重量%の1,3−ジオキソラン、25〜40重量%の1,2−ジメトキシエタン、及び1000ppm〜3000ppmの3,5−ジメチルイソオキサゾールを含むことができる。
【0035】
この電解質は、例えば少なくとも0.2センチポアズ(cps)(例えば、少なくとも0.4cps、少なくとも0.6cps、少なくとも0.8cps、少なくとも1.2cps、少なくとも1.6cps)かつ最高2.5cps(例えば、最高2cps、最高1.6cps、最高1.2cps、最高0.8cps、最高0.6cps、最高0.4cps)の粘度を有することができる。例えば、粘度は、0.4〜1cps(例えば、0.4〜0.8cps、0.6〜1cps、0.6〜0.8cps、0.7〜0.8cps、0.6〜0.85cps、0.7〜0.85cps)であり得る。本明細書で使用するとき、粘度は、標準的手法によりCannon−Fenske粘度計50番を用い25℃で測定される。比較的低い粘度を有する電解質は、改善された物質移動を有することができ、比較的高い導電率を有することができる。
【0036】
電解質は、25℃で、例えば1g/cm以上(例えば、1.1g/cm以上)及び/又は1.2g/cm以下(例えば、1.1g/cm以下)の密度を有する。いくつかの実施形態で、密度は1g/cm〜1.2g/cm(例えば、1g/cm〜1.1g/cm)である。比較的低い密度を有する電解質は、改善された物質移動及び比較的高い導電率を有することができる。密度は、電解質の比重に、同じ温度での水の密度を掛けることによって算出され、比重瓶及び、0.0001gの精度を有する化学天秤を用いて25℃で、例えばAmerican Institute of Physics Handbook,3rd Ed.,D.E.Gray,Editor,McGraw−Hill,NY(1972),2−152〜2−153に記載されているように測定される。
【0037】
正のリード18は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、チタン、又は鋼を含み得る。正のリード18は、環状形状であってよく、円筒形電池の円筒と同軸に配置することができる。正のリード18はまた、集電器に係合できる、カソード16の方向の径方向延長部をも含み得る。延長部は、丸形(例えば、円形又は楕円形)、矩形、三角形又は他の形状であり得る。正のリード18は、様々な形状を有する延長部を含み得る。正のリード18と集電器とは、電気的に接触している。正のリード18と集電器との間の電気的接触は、機械的接触によって達成することができる。いくつかの実施形態では、正のリード18と集電器とを相互に溶接することができる。
【0038】
セパレータ20は、電気化学電池に用いられるいかなる標準的セパレータ材料からも形成され得る。例えば、セパレータ20は、ポリプロピレン(例えば、不織布ポリプロピレン、微多孔性ポリプロピレン)、ポリエチレン、及び/又はポリスルホンンから形成され得る。セパレータは、例えば、Blasiらの米国特許第5,176,968号に記載されている。セパレータはまた、例えば、多孔質の絶縁ポリマー複合体層(例えば、ポリスチレンゴムと、微小粒子ケイ素)、又は微小多孔性の押出しフィルム又は鋳造フィルム(膜)であってもよい。いくつかの実施形態で、メルトブローン不織布フィルム技術によって製造されるようなマイクロファイバーから製造されたセパレータを使用することができる。そのようなフィルムは、典型的には、直径数マイクロメートルの孔を有するが、屈曲のより少ない通り道を有する。
【0039】
いくつかの実施形態で、セパレータは、8μM〜25μm(例えば、10μM〜25μm、15μM〜25μm、10μM〜20μm、又は20μM〜25μm)の厚さを有することができる。いくつかの実施形態で、セパレータは、35%〜70%(例えば、37%〜70%、37%〜65%、40%〜60%、又は45%〜55%)の有孔率を含む。適度なイオン輸送をもたらすために、最少有孔率として典型的には35%が用いられ得る。70%を超える有孔率は、電気化学電池にするプロセスには不十分な引張り強度、及び所望のセパレータより厚いセパレータの必要をもたらし得る。好ましいセパレータの有孔率は、約35%〜約65%であり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、1,3−ジオキソラン(DX)及び1,2−ジメトキシエタン(DME)のような溶剤の混合液中に少なくとも部分的に溶解されたヨウ化リチウム及びリチウムヘキサフルオロホスフェートのような塩を含む電解質に加えて、低い抵抗のセパレータが、最適な高レートの電池性能を更にもたらす。セパレータ材料は、微小多孔性の押出し又は鋳造フィルム(膜)を含むことができる。微小多孔性膜セパレータは、約0.005〜約5マイクロメートル、好ましくは約0.005〜約0.3マイクロメートルの平均孔径範囲、及び約30〜約70パーセント、好ましくは約35〜約65パーセントの有孔率範囲、25オーム・cm未満の、電解質との組合せとして測定された面積比抵抗、並びに約2.5未満の屈曲度を有することができる。
【0041】
セパレータの孔径は、妨げのない溶媒和イオンの移動を可能にする最小値より大きくてもよい。いくつかの実施形態で、セパレータは、孔を通るイオンが妨害なく通過することを可能にするため、及び/又は、イオン対の存在及び/又は孔壁を裏張りする電解質溶剤の単層を許容するために、0.005マイクロメートルの最小孔径を有する。孔径が増すにつれて、機械的強度を提供するために無孔の区域もまた増やすことができる。典型的には、1マイクロメートル未満のサイズの孔を有するセパレータにおいては、孔と孔の間の距離もまた1マイクロメートル未満であってよい。
【0042】
セパレータは、アノードとカソードの間の電気的短絡をもたらし得るセパレータを通る電極粒子の通過に対する物理的障壁としてもまた、機能することができる。そのような粒子はわずか数マイクロメートルである場合があり、したがって孔径の上限もまた制限することができる。したがって、孔径は好ましくはサブミクロン範囲(例えば1マイクロメートル未満)であり得、又は孔は、セパレータを通る電極粒子の通過に対する物理的障壁をもたらすために十分に屈曲していなくてはならない。
【0043】
多孔質材料の孔径を決定する方法は、液体変位及び空気流測定である。これらの測定は、Coulter II Porometerのような市販の計器を用いて行うことができる。Coulter II Porometerは、湿潤した孔内の液体の表面張力を克服するために必要とされる圧力を決定する。孔が小さいほど、必要とされる圧力は大きい。湿潤した膜の圧力プロファイルを乾燥した膜と比較することによって、孔径分布を決定することができる。孔径は、孔流量直径平均値を表す。すなわち、流れの半分はこの値より大きい孔を通り、流れの半分はこの直径より小さい孔を通る。
【0044】
面積比抵抗は、孔のサイズ、孔の数、有孔率、屈曲率、及び湿潤性のような特性によって影響を受けるセパレータと電解質の特性の組合せとして測定される。面積比抵抗値は、電気化学電池のレート能力に相関し得る。有機電解質及び固体カソードを有するリチウム電池では、高いレート性能のための好ましい面積比抵抗値は25オーム・cm未満であり得る。25オーム・cmを越すセパレータ及び電解質の面積比抵抗値は、電池のレート性能能力を妨げ得る。
【0045】
最も単純な定義によると、屈曲率は、実際の孔の長さ(すなわちセパレータを通るためにイオンがどれだけの距離を移動しなくてはならないか)対セパレータの厚さの比である。しかし、この定義は、孔を通る物質移動が距離によってのみ影響されることを前提としており、物質移動に対する他の妨げを考慮しない。そのような妨げとしては、孔のボトルネック又は孔の制限、相互接続されていない孔又は行き止まり、チャネルの屈曲部でイオンが孔の側壁と衝突するために抑制されるイオンの流れなどが挙げられる。セパレータの屈曲度は、電解質内の抵抗の測定値から推測され得る。セパレータの有効屈曲度を決定する最も一般的な方法は、セパレータの有孔率及び、電解質の比導電率に対するセパレータの比導電率の比に基づく。したがって、
【数1】

であり、式中、Rセパレータはオーム・cm単位によるセパレータの面積比有抵抗であり、R溶液はオーム・cm単位による電解質の面積比抵抗であり、有孔率は体積分率である。この等式は全ての孔が全く同じ屈曲度を有すると仮定しているが、本発明のセパレータを定義するには正確である。最良の高レートのセパレータは2.5未満、好ましくは2.0未満の屈曲度を呈することが見出された。
【0046】
ケース22は、例えば、1種以上の金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケルめっき鋼、ステンレス鋼)及び/又はプラスチック(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスルホン、ABS、又はポリアミド)から作製することができる。
【0047】
キャップ24は、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、又は鋼で作製することができる。
【0048】
図1の電気化学電池10は一次電池であるが、一部の実施形態では、二次電池が、前述のカソード活性物質を含むカソードを有することができる。1次電気化学電池は、1回だけ(例えば、消耗するまで)放電され、その後廃棄されることを意図する。一次電池は充電されることを目的としていない。一次電池は、例えば、David Linden,Handbook of Batteries(McGraw−Hill,2d ed.1995)に記載されている。二次電気化学電池は、多数回(例えば、50回を超えて、100回を超えて、又はそれ以上)再充電されることができる。場合によっては、二次電池は、多くの層を有するセパレータ及び/又は比較的厚いセパレータなど、比較的堅牢なセパレータを包含することができる。二次電池はまた、電池の中で生じ得る膨張のような変化に適応する設計にすることができる。二次電池については、例えば、Falk & Salkindの「Alkaline Storage Batteries」(John Wiley & Sons,Inc.1969)、及びDeVirloyらの米国特許第345,124号に記載されている。
【0049】
電池を組み立てるには、セパレータ20を、アノード12及びカソード16と同じ大きさの断片に切断して、それらの間に配置することができる。その後、アノード12、カソード16、及びセパレータ20はケース22内に定置され、次いでケース22は電解溶液で満たされ、封止される。ケース22の一端は、気密性かつ液密性封止を提供できる、キャップ24及び環状の絶縁ガスケット26で閉鎖される。プラスのリード線18は、カソード16をキャップ24に接続する。安全弁28を、キャップ24の内側に配置して、電気化学電池10内の圧力がある所定の値を超えるときには、この圧力を下げるように構成される。電気化学電池を組み立てる方法については、例えば、Mosesの米国特許第4,279,972号、Mosesらの同第4,401,735号、及びKearneyらの同第4,526,846号に記載されている。
【0050】
組立て後、バッテリーの多様な性能試験(電動玩具試験、リモートコントロール試験、ワイヤレスゲームコントローラ試験、ポータブルライト試験、デジタルカメラ試験、CDプレーヤー試験、及び/又はラジオ試験など)を行うことができる。試験バッテリーは、試験バッテリーの電解質中の合計塩濃度と比較してより高い濃度でLiI塩のみを有する電解質を含むバッテリーと比較して、同様の性能又はより優れた性能(例えば、約0.5%以上、約3%以上、約6%以上、又は約12%以上)を有することができる。
【0051】
電解質は、20℃で100〜600オーム・cm(例えば、150〜600オーム・cm、150〜400オーム・cm、又は150〜400オーム・cm、200〜400オーム・cm)の比抵抗を有することができる。いくつかの実施形態で、比抵抗は100オーム・cm以上(例えば、150オーム・cm以上、200オーム・cm以上、250オーム・cm以上、又は400オーム・cm以上)、及び/又は600オーム・cm以下(例えば、400オーム・cm以下、250オーム・cm以下、200cm以下、又は150オーム・cm以下)である。電解質は、比較的低い比抵抗をバッテリーにもたらすことができ、これは、バッテリー性能を増す。電解質の比抵抗は、Tenney Jr.熱チャンバ内において20℃で導電率セル(YSI Incorporated(Yellow Springs,Ohio 45387,USA)のモデル3403型セル、K=l/0cm、SN:02H0081 AC)を用いて測定することができる。
【0052】
いくつかの実施形態で、バッテリーは、予備放電後に3.86Ah以下(例えば、3.6Ah以下、3.4Ah以下)及び/又は3.2Ah以上(例えば、3.4Ah以上、3.6Ah以上)の、計算された理論上の比放電容量を有することができる。
【0053】
また、例えば、ボタン又はコイン電池構成、プリズム電池構成、剛性の薄層状電池構成、及び可撓性のパウチ、エンベロープ又はバッグ電池構成を包含する、電気化学電池の他の構成も使用することができる。更に、電気化学電池は、異なる電圧(例えば、1.5V、3.0V、4.0V)を有することができる。他の構成を有する電気化学電池類は、例えば、Berkowitzらの米国特許出願第10/675,512号、米国特許出願刊行物第2005/0112467 A1号、及びTotirらの米国特許出願刊行物第2005/0202320 A1号に記載されている。
【0054】
次の実施例は、説明に役立つことを意図しており、制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0055】
実施例1−電解質の密度及び粘度
2つの対照電解質及び2つの実験電解質を調製した。電解質の組成物及びそれらのそれぞれの測定された密度及び粘度を表1に記載する。
【表1】

【0056】
実験電解質の密度及び粘度は対照電解質と比べて有意に低かった。例えば、電解質Iは、対照Aの粘度より約10%低い粘度、及び対照Aの密度より約2.5%低い密度を有していた。更に、電解質IIは、対照Bの粘度より5%低い粘度、及び対照Bの密度より1%低い密度を有していた。密度は25℃で比重瓶を用いて決定した。粘度は、標準的手法によりCannon−Fenske粘度計50番を用い25℃で測定される。
【0057】
実施例2−比抵抗の測定
2つの対照電解質及び2つの実験電解質の実験を行った。20℃での電解質組成及び比抵抗を表2に記載する。
【表2】

【0058】
電気化学的手法によりガラスセル内で実験結果を得た(電解質の比抵抗の測定)。例えば、電解質の比抵抗は導電率セル(YSI Incorporated,Yellow Springs,Ohio 45387,USAのモデル3403型セル、K=l/0cm、SN:02H0081 AC)を用いて測定した。導電率セルの較正は、1MのKC1溶液をTenney Jr.熱チャンバ内にて20℃で用いて行った。容器定数の計算値は0.994であった。比抵抗の測定もTenney Jr.熱チャンバ内にて20℃で行った。更に、異なる温度での比抵抗測定値を図2に示す。
【0059】
実施例3−性能
単三型電池は、例えば2009年5月29日付で出願された米国特許出願第12/129,158号に記載されているような、Li/FeS単三型電池を製作するための標準的手順にしたがって構築した。電池の性能は、新しい電池及び保管された電池の両方に関して、選択されたANSI/IBC試験を用いて評価した。
【0060】
厚さ0.157mm、幅39mm、及び長さ約310mmで、およその重量が1.0グラムのリチウムホイルアノード(FMC Corp Lithco Div.から入手可能)と、アルミホイル(Allfoils)に接着した微粒子状FeS(Chemetall)89.2%、並びに少量の炭素(1%のSuper P MMM Carbon)、グラファイト(KS−6 Timcal Graphite)7%、及びポリスチレン結合剤(KRATON3 G1651)3%からなるカソードとを用いて、典型的な重量約6.7グラム及び厚さ0.185mmを有する巻型の単三型電池を調製した。セパレータはCelgard 2400(Celgard)である。
【0061】
実施例1の電解質を別々に単三型電池に導入した。1.7〜2.1グラムの特定の電解質をそれぞれの電池に入れた。次いで、電池をけん縮し、予備放電させた。
【0062】
バッテリー性能試験を行った。例えばデジタルカメラ試験では、次いで、2秒間の1500mWの放電の後に650mWで28秒間放電することを毎時5分間ずつ繰り返すデジタルカメラ試験で電池を放電させた。性能を、1500mW負荷電圧が1.05Vに達するまでのパルス数で評価した。結果を下表3〜5に記載する。
【表3】

【表4】

【表5】

【0063】
表4〜5が示すように、概して、性能試験の大半に関して、電解質Iにおける合計塩濃度が対照Aにおけるその濃度より0.25M低いにも関わらず、電解質Iを充填したバッテリーは対照Aの電解質を充填したバッテリーと同等以上の性能を示した。
【0064】
表4〜6を参照すると、電解質IIを充填したバッテリーは、合計塩濃度が0.15M低いにも関わらず、対照Bを充填したバッテリーと比較して優れた性能を呈した。性能改善は、試験により0.5%〜16%と様々であった。
【0065】
他の実施形態
特定の実施形態について記載したが、他の実施形態も可能である。例えば、いくつかの実施形態で、本明細書に記載した上述の電解質組成物は、CuS/Li、CF/Li、CuO/Li、又はO/Liのようなカソード/アノード対を含むバッテリーなど、他のリチウムバッテリーにも適用され得る。いくつかの実施形態で、Liのみを含むアノードの代わりに、アノードを、炭素、Si、Sn、又はそれらの混合物とのLi合金で作製することもできる。
【0066】
特許出願、特許公報、及び特許のような、本明細書にて言及された全ての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0067】
他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーであって、ハウジング、及び該ハウジング内の、
(a)リチウム含有アノード活性物質を含むアノードと、
(b)遷移金属硫化物又は遷移金属酸化物を含むカソードと、
(c)0.05M〜0.5Mのヨウ化リチウム、0.05M〜0.5Mのリチウムヘキサフルオロホスフェート、30重量%以上の1,3−ジオキソラン、及び20重量%以上の1,2−ジメトキシエタンを含む電解質と、
を含む、バッテリー。
【請求項2】
前記カソードが、FeS、FeS、及びCuSの1つ以上を含む、請求項1に記載のバッテリー。
【請求項3】
前記カソードがFeSを含む、請求項2に記載のバッテリー。
【請求項4】
前記電解質が水を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項5】
前記電解質が500ppm未満の水を含む、請求項4に記載のバッテリー。
【請求項6】
前記電解質が添加剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項7】
前記添加剤が3,5−ジメチルイソオキサゾール又はピリジンである、請求項6に記載のバッテリー。
【請求項8】
前記電解質が500ppm〜5000ppmの3,5−ジメチルイソオキサゾールを含む、請求項7に記載のバッテリー。
【請求項9】
前記電解質が500ppm〜5000ppmのピリジンを含む、請求項7に記載のバッテリー。
【請求項10】
前記電解質が0.05M〜0.3MのLiIを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項11】
前記電解質が0.05M〜0.3MのLiPFを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項12】
前記電解質が70重量%の1,3−ジオキソランを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項13】
前記電解質が30重量%の1,2−ジメトキシエタンを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項14】
前記電解質が0.6〜0.8cpsの粘度を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項15】
前記電解質が100〜600オーム・cmの比抵抗を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のバッテリー。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−513219(P2013−513219A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543181(P2012−543181)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/059073
【国際公開番号】WO2011/075336
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】