説明

バッテリ状態検知装置

【課題】バッテリの劣化状況によらずに正確に状態判定する。
【解決手段】処理部25は、電圧センサ23で検出されたバッテリ1の出力電圧の振動を検出することでエンジンのクランキング回転数を検出する。そして、処理部25は、検出したクランキング回転数が記憶部27に格納されたエンジンの着火可能回転数以上であるか否かを判断し、その判断結果を利用してバッテリ1が正常であるか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの状態を管理するバッテリ状態検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバッテリ状態検知装置におけるバッテリの状態判定では、エンジン始動時のバッテリの出力電圧の降下量とそのときに流れる電流値とからバッテリの内部抵抗を測定し、その測定した内部抵抗値に基づいてバッテリの劣化度が判定されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、バッテリの劣化状況には格子腐食とサルフェーションが重なった場合など種々のタイプがあり、劣化状況によっては実際の内部抵抗とバッテリの開放電圧との相関関係が悪くなり、これによって、実際の内部抵抗と、エンジン始動時のバッテリ出力電圧の降下量との相関関係も悪くなる場合がある。この場合、出力電圧の降下量を直接的に用いて状態判定を行う上記の従来技術では正確な状態判定が困難となる。
【0004】
そこで、本発明の解決すべき課題は、劣化状況によらずに正確な状態判定が可能なバッテリ状態検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく、本発明は、自動車に搭載されたバッテリの状態を管理するバッテリ状態検知装置であって、自動車に搭載されたバッテリの出力電圧をエンジンの着火前に検出する電圧センサと、前記電圧センサの検出結果に基づいて、前記バッテリが正常であるか否かを判断する処理部と、前記処理部が行う処理動作に必要な情報を記憶する記憶部とを備え、前記記憶部に、自動車のエンジンの着火可能回転数が格納され、前記処理部が、前記電圧センサで検出された前記出力電圧の振動を検出することで前記エンジンのクランキング回転数を検出し、当該クランキング回転数が前記記憶部に格納された前記エンジンの着火可能回転数以上であるか否かを判断する判断部を備え、当該判断部での判断結果を利用して前記バッテリが正常であるか否かを判断する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、温度等のバッテリの搭載環境や自動車の車種等の様々な諸条件を考慮せずに、現実の状況に即応してバッテリが正常であるか否かを正確に判断できる。さらに、電圧センサで検出された出力電圧の振動を検出することで、クランキング回転数を検出するための専用の機構等を設けることなく、クランキング回転数を容易に且つ正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】劣化状況及び充電残量の異なるバッテリについて開放電圧とエンジン始動時の下限電圧とを試験により測定した測定結果を示すグラフである。
【図2】一般的なスタータの一例を示す模式図である。
【図3】エンジンの始動の際におけるバッテリの出力電圧の変化を示す図である。
【図4】クランキング回転数とエンジントルクとの関係を示す図である。
【図5】クランキング動作によってスタータモータへの印加電圧の波形が変化する様子を示す図である。
【図6】第1の検出方法で出力電圧の振動の周期及び趨勢変化を検出する原理を示す図である。
【図7】第2の検出方法で出力電圧の振動の周期及び趨勢変化を検出する原理を示す図である。
【図8】第3の検出方法で出力電圧の振動の周波数を検出する原理を示す図である。
【図9】バッテリの出力電圧の趨勢変化が正常な場合を示す概念図である。
【図10】バッテリの出力電圧の趨勢が変化しない様子を示す図である。
【図11】バッテリの出力電圧の趨勢が変化しない場合を示す概念図である。
【図12】本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置を示すブロック図である。
【図13】本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置の処理部を示すブロック図である。
【図14】本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図16】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図17】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図18】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図19】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図20】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図21】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図22】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【図23】バッテリの出力電圧の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<1.原理>
本出願人は、自動車に搭載されるバッテリとして、新品のバッテリと、様々に劣化した状況のバッテリとのそれぞれに対して、その充電残量を種々に変化させ、その充電残量の異なる各状態において、バッテリに対してエンジン始動時放電(所定放電)を行わせて、バッテリの放電前及び放電中の出力電圧を計測した。そして、劣化状況の異なる各バッテリの異なる各充電残量状態における各エンジン始動時放電を行う前の開放電圧値と、エンジン始動時放電が行われた際の下限電圧値(放電時電圧値)との関係を調べた。
【0009】
ここで、エンジン始動時放電とは、自動車のスタータが駆動されてエンジンが始動される際に行われる放電(あるいはそれと同等な放電)である。また、下限電圧値とは、エンジン始動時放電に伴ってバッテリの出力電圧が低下した際のその最低値のことである。
【0010】
図1はその試験結果をグラフ化したものであり、その横軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電開始前のバッテリの開放電圧値に対応し、縦軸は各放電試験におけるエンジン始動時放電中のバッテリの下限電圧値に対応している。また、図1中の曲線G1は新品のバッテリについての測定結果に基づいて描いたものであり、曲線G2〜G5は使用されてある程度劣化したバッテリについての測定結果に基づいて描いたものである。曲線G1〜G5は互いに劣化状況が異なったバッテリに対する試験の結果得られたものである。このうち、曲線G2〜G4は通常の使用状態に近い態様で充放電が繰り替えされたバッテリに対応し、各曲線G2,G3,G4の順にバッテリの使用期間が長くなり劣化が進んでいる。また、曲線G5は頻繁に過充電状態とされたバッテリに対応している。曲線G4,G5は劣化状況(劣化の要因)が異なるが、劣化の程度(劣化度)はほぼ同等である。
【0011】
具体的には、新品のバッテリが対応する曲線G1に着目した場合、開放電圧値が約12.9V(ほぼ満充電状態)のときにエンジン始動時放電を行った際の下限電圧値は約9.7Vであり、開放電圧値が約12.1Vのときにエンジン始動時放電を行った際の下限電圧値は約8.1Vであることを示している。また、劣化が進んだバッテリが対応する曲線G4に着目した場合、開放電圧値が約12.5Vのときにエンジン始動時放電を行った際の下限電圧値は約8.1Vであることを示している。
【0012】
図1のグラフより、バッテリの劣化が進むにつれて対応する曲線G1〜G5がグラフの概ね右方向(又は右下方向)にシフトしていることが分かっている。特に、下限電圧値が所定の基準レベル(例えば、9V)以下の領域では、曲線G1を基準とした曲線G2〜G5の右方向へのシフト量が対応するバッテリの劣化の進み応じて増加する傾向にあることが分かっている。
【0013】
このことを考慮すると、エンジン始動時放電を行った際のバッテリの開放電圧及び下限電圧により定まる図1のグラフ上の例えば点P1(VO,VL)等が、新品のバッテリが対応する曲線G1上の対応する点P2(VN,VL)を基準として、横軸右方向にシフトしているシフト量Dを用いてバッテリの劣化度を判定することが可能である。このようにバッテリの劣化度が判定すれば、そのバッテリの開放電圧値と下限電圧値との関係(例えば、曲線G1〜G5)を劣化度に応じて規定することができるので、例えば開放電圧を検出するだけで、自動車のスタータを駆動してエンジンを始動する際の下限電圧値を予測することができる。そして、他方においてスタータを駆動するのに必要な電圧のレベルが判明すれば、このスタータを駆動するのに必要な電圧のレベルを始動限界レベル(例えば、図1中の始動限界線L01)とし、この始動限界レベルに対して、予測した下限電圧値を比較することで、下限電圧値が始動限界レベル(始動限界線L01)以上であるか否か、即ち、下限電圧値によってスタータを支障無く駆動できるか否かを判定することが可能となる。
【0014】
しかしながら、本出願人は、上記の始動限界線L01が、自動車の車種や個体差など、具体的には自動車内の電源回路における抵抗値等の諸要因によってバラツキが大きいという見知を得た。一方、バッテリは、複数の車種に共通に搭載されることが多いため、自動車とその自動車に搭載されるバッテリの組合せにおいて、一律に始動限界線L01を決定することは望ましくない。
【0015】
ここで、バッテリからの給電によりスタータを駆動させるのに必要な条件としては、まず第1の条件として、スタータのモータのギヤをエンジンに噛み合わせるためのプランジャの動作電圧を確保することが必要である。また、第2の条件として、エンジン始動の際のクランキングの回転数(以下「クランキング回転数」と称す)がエンジンの着火可能回転数以上であることが必要である。さらに第3の条件として、エンジン始動の際のクランキング中その回転数を維持することが必要である。
【0016】
そこで、この実施の形態では、上記した第1〜第3の条件を満たしているか否かを実際に検出し、その検出結果に基づいて、バッテリが正常であるか否かを判断するようにしている。このことを説明する。
【0017】
(1−1.第1の条件)
上述のように、まず第1の条件として、スタータのモータのギヤをエンジンに噛み合わせるためのプランジャの動作電圧を確保することが必要である。図2に一般的なスタータSTの一例を示す模式図を示す。図2中の符号1はバッテリ、符号2はプランジャ、符号3はプランジャ2の可動接点、符号4は固定接点、符号5はスタータモータ、符号6はバッテリ1からの電圧をプランジャ2に供給するためのイグニションスイッチ、符号7はエンジンのギヤをそれぞれ示している。イグニションスイッチ6がオンになると、スタータSTのプランジャ2が駆動して可動接点3を固定接点4に当接させ、これによってスタータモータ5が始動するとともに、レバー6aを介してピニオンギヤ6bが矢印Qの方向に移動し、エンジンのギア7に噛み合って、スタータモータ5の回転がエンジンに伝達できる状態となる。エンジンが回り始めると、ピニオンギヤ6bはエンジンのギヤから外れるようになっている。したがって、このプランジャの動作電圧を確保することが最低限必要となる。
【0018】
この場合、この実施の形態においては、プランジャ2の駆動に必要な最低電圧(以下「プランジャ駆動最低電圧Vc」と称す)の規定値を参照し、あるいは、そのプランジャ駆動最低電圧Vcを予め測定しておき、図3において、プランジャ2に対する給電用のイグニションスイッチ6がオンになって突入電流が流れた時点T01で現れる下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc(図14中のステップS06参照)以上であるか否かを判断することで、第1の条件を満たすか否かの判断を行う。
【0019】
このように、第1の条件を満たしている場合、図2に示したスタータSTのプランジャ2の駆動により、スタータモータ5はエンジンのギヤ7に噛み合う状態となる。この状態では、この状態では、このスタータモータ5の回転数が所定のギヤ比(たとえば10:1)で減速されてクランキング回転数となる。
【0020】
(1−2.第2の条件)
ただし、プランジャ2が支障無く駆動した場合であっても、クランキング回転数がエンジンの着火可能回転数未満であれば、エンジンへの着火が行われない。即ち、バッテリ1からの電圧レベルが低いと、クランキング回転数が低下してしまって、エンジンの着火が不能となる事態が生じ得る。したがって、上述のように、第2の条件として、エンジン始動の際のクランキング回転数がエンジンの着火可能回転数以上になることが必要である。したがって、この実施の形態においては、エンジンを始動する際に、クランキング回転数を検出し、この検出した回転数を、規格値または予め試験により検出しておいたエンジンの着火可能回転数に対して比較することで、エンジンが着火可能か否かを判断する。
【0021】
図4は、クランキング回転数とエンジントルクとの関係を示す図であって、図4中の横軸はクランキング回転数、縦軸はエンジントルクを示している。また、図4中の符号L02a,L02bはスタータモータ5におけるトルク−回転特性線(スタータTN特性線)、符号L03はエンジンのトルク−回転特性線(エンジンTN特性線)、符号L04はエンジンの着火可能回転数線であり、図4においてはエンジンの着火可能回転数がn01に特定されている。
【0022】
一般に、スタータモータ5のトルクは、その回転数に対して負の相関となるが、このスタータモータ5に印加される電圧によっても変化し、印加電圧が低いほどトルクが低下する。例えば図4に実線で示した第1のスタータTN特性線L02aは、適正な電圧がスタータモータ5に印加されている状態を示しており、また点線で示した第2のスタータTN特性線L02bは、スタータモータ5に対する印加電圧が低下した状態を示している。
【0023】
スタータモータ5が第1のスタータTN特性線L02aを示す状態では、この第1のスタータTN特性線L02aとエンジンTN特性線L03との交点P01でクランキング回転数n02が決定され、このクランキング回転数n02がエンジンの着火可能回転数n01以上の範囲内であることから、エンジンが始動できる。
【0024】
一方、スタータモータ5への印加電圧が低下して第2のスタータTN特性線L02bが現れる状態では、この第2のスタータTN特性線L02bとエンジンTN特性線L03との交点P02でクランキング回転数n03が決定されるが、このクランキング回転数n03がエンジンの着火可能回転数n01未満であることから、エンジンが始動できなくなってしまう。
【0025】
このように、図4に示したスタータTN特性線L02a,L02bとエンジンTN特性線L03とエンジンの着火可能回転数線L04とが予め判明していれば、クランキングの開始が実現するか否かを判断することが可能である。
【0026】
しかしながら、一般にスタータモータ5やエンジンに使用されている潤滑油の粘度は温度によって著しく影響を受けるし、その他の条件、例えば自動車の車種や個体差などもあるため、スタータTN特性線L02a,L02bやエンジンTN特性線L03は、種々の環境条件によって大幅に変化する。したがって、スタータTN特性線L02a,L02bやエンジンTN特性線L03を一律に規定することは望ましくなく、あらゆる環境条件等を考慮してパラメータ化し、このパラメータに基づいてスタータTN特性線L02a,L02bやエンジンTN特性線L03を規定することは、複雑になりすぎて作業が煩雑となる。
【0027】
そこで、この実施の形態においては、比較的数値のバラツキが少ないエンジンの着火可能回転数線L04のみを固有値として保有する一方、クランキング回転数nrについては、パラメータ等を用意して図4中の交点P01,P02を求めて算出するのではなく、エンジンの始動の際に実現される実際のクランキング回転数nrを検出し、このクランキング回転数nrをエンジンの着火可能回転数n01と比較して、エンジンが着火可能か否かを判断する。
【0028】
そして、この実施の形態では、クランキング回転数nrを、スタータモータ5への印加電圧の波形に基づいて検出する。
【0029】
図5は、クランキング動作によってスタータモータ5への印加電圧の波形が変化する様子を示す図である。図5の例では、4気筒エンジンが適用されており、図5中の(a)〜(d)に示した符号10は、4気筒のうちのひとつのエンジン気筒部を示している。具体的に、図5中の(a)はエンジン気筒部10の吸気状態、同図中の(b)は圧縮状態、(c)は膨張状態、(d)は排気状態をそれぞれ示している。そして、そのエンジン気筒部10のシリンダ内圧力は、符号#1に対応しており、図示しない他の3つのエンジン気筒部のシリンダ内圧力は、符号#2〜#4にそれぞれ対応している。具体的に、エンジン気筒部10のシリンダ内圧力#1は、圧縮状態(b)で増大し、膨張状態(c)で低減する。吸気状態(a)及び排気状態(d)ではシリンダ内圧力#1に変化は殆どない。
【0030】
また、各エンジン気筒部がクランキングを行うと、各エンジン気筒部のシリンダ内圧力の変化に伴って図5中の符号11のようなトルク変動が起こり、これによりクランキング回転数が変動し、これがスタータモータ5内のコイル(図示省略)に逆起電力の変動となって現れる。これはバッテリ1の出力電圧に振動が発生することを意味する。尚、図5中の符号11−1〜11−4は、各エンジン気筒部の動作により発生したトルク変動とシリンダ内圧力#1〜#4の変動との対応関係を示したものである。
【0031】
このように、クランキング時の各エンジン気筒部のシリンダ内圧力の変化に応じて、図5中の符号11に応じたバッテリ1の出力電圧(図3参照)が変動することを考慮すると、バッテリ1の出力電圧に現れる振動波形を観測し、その振動の周期を検知することで、実際のクランキング回転数nrを検出することができることが判明した。そこで、この実施の形態では、バッテリ1の出力電圧の振幅の周期または周波数を検出し、その検出結果に基づいてクランキング回転数nrを検出する。
【0032】
図6は、バッテリ1の出力電圧に基づいてクランキングの周期を検出する方法の一例(以下「第1の検出方法」と称す)を示す図である。この図6の第1の検出方法では、バッテリ1の出力電圧13の上下のピーク値でクランキングの周期を検出している。具体的には、まずバッテリ1の出力電圧13に対してローパスフィルタにより高周波数帯域のカットオフを行ってノイズ除去を行い、図6(A)に示した出力電圧13の波形を得る。そして、出力電圧13のサンプリング(量子化)を行い、その結果データVn+1をひとつ前の結果データVnと大小比較し、例えば図6(B)のように、増大している場合に論理値「1」を、減少している場合に論理値「0」となるような2値化を行う。そうすると、出力電圧13に現れる各振動の極大値に対しては、図6(B)において2値データの立ち下がり(ローエッジ)が現れ、各振動の極小値に対しては、図6(B)において2値データの立ち上がり(ハイエッジ)が現れる。そして、その2値データの例えば立ち下がり(ローエッジ)を基準とするなどしてクランキングの周期t01を検出し、その周期t01に基づいてクランキング回転数nrを演算する。尚、ここでは2値データの立ち下がり(ローエッジ)を基準としているが、2値データの立ち上がり(ハイエッジ)を基準としても差し支えない。
【0033】
図7は、バッテリ1の出力電圧13に基づいてクランキングの周期を検出する方法の他の例(以下「第2の検出方法」と称す)を示す図である。この図7の第2の検出方法では、バッテリ1の出力電圧13の山/谷を検出して、クランキングの周期を検出している。具体的には、まずバッテリ1の出力電圧13に対してローパスフィルタにより高周波数帯域のカットオフを行ってノイズ除去を行い、図7(A)に示した出力電圧13の波形を得る。そして、バッテリ1の出力電圧13に対して、指数平滑を含むIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ(非巡回型フィルタ)を用いたり、あるいは移動平均を含むFIR(Infinite Impulse Response)フィルタ(巡回型フィルタ)を用いるなどして、バッテリ1の出力電圧13の平均的なトレンド線(趨勢変化)L05を推定する。そして、出力電圧13とトレンド線L05とを大小比較し、例えば図7(B)のように、出力電圧13がトレンド線L05より大きい場合に「1」、小さい場合に「0」となるような2値化を行う。そして、その2値データの例えば立ち上がり(ハイエッジ)を基準とするなどしてクランキングの周期t01を検出し、その周期t01に基づいてクランキング回転数nrを演算する。尚、ここでは2値データの立ち上がり(ハイエッジ)を基準としているが、2値データの立ち下がり(ローエッジ)を基準としても差し支えない。
【0034】
図8は、バッテリ1の出力電圧13に基づいてクランキングの周期を検出する方法のさらに他の例(以下「第3の検出方法」と称す)を示す図である。この図8の第3の検出方法では、バッテリ1の出力電圧13について離散的フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)または高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を行ってクランキングの周波数を検出している。具体的には、まずバッテリ1の出力電圧13のローパスフィルタにより高周波数帯域のカットオフを行ってノイズ除去を行い、図8(A)に示した出力電圧13の波形を得る。そして、その出力電圧13に対してサンプリング間隔Δtでサンプリング(量子化)を行ってデジタルデータVi(ただしiは0〜N)を得る。しかる後、例えば図8(B)に示した数式を用いるなどして、図8(C)に示したような周波数分布を得る。そして、図8(C)の縦軸方向に現れた振幅が所定の基準値以上で、振幅最大の周波数をクランキング回転数nrとする。
【0035】
このように第1〜第3の検出方法のうちのいずれかまたは複数の組合せにより検出されたクランキング回転数nrを、固有値であるエンジンの着火可能回転数n01と比較して、エンジンが着火可能か否かを判断する。
【0036】
(1−3.第3の条件)
ただし、エンジン始動の際の実際のクランキングにおいては、一般に、1回転だけではエンジンが始動しない。例えば4気筒のエンジンでは、合計で4回程度のクランキング(図5中の4つのトルク変動11−2,11−1,11−3,11−4を参照)が行われないとエンジンが始動しないことが分かっている。エンジン始動の際に、バッテリ1からの電圧レベルが低いと、エンジン始動の際のクランキングを行っている一定の間に、クランキング回転数が徐々に低下していき、最終的にエンジンの着火が不能となる事態が生じ得る。したがって、上述のように、第3の条件として、エンジン始動の際のクランキングを行っている間、その回転数を維持することが必要となる。
【0037】
ここで、図3に示したバッテリ1の出力電圧の変化例では、プランジャ2への電圧印加によりクランキングが開始された時点T01からエンジンが始動する時点T02までのクランキング期間15において、クランキングに起因するバッテリ1の出力電圧に振幅が見られるものの、趨勢変化(トレンド線)としては矢印17に示すように増大傾向を示している。このように、バッテリ1の出力電圧の趨勢変化として増大傾向を示している状態(即ち、トレンド線の傾きがゼロより大きい状態:図9参照)では、通常は回転数が増大するため、その回転数を維持することに問題はない。
【0038】
図10は、クランキング開始時点T01からエンジン始動時点T02までのクランキング期間15で、バッテリ1の出力電圧の趨勢が殆ど変化しない状態(即ち、トレンド線の傾きがゼロである状態:図11参照)を示す図である。図10及び図11に示したトレンド線の傾向がマイナスとなる場合は、回転数を維持できないおそれがある。
【0039】
そこで、この実施の形態では、上記した第2の条件の判断を行うために検出したバッテリ1の出力電圧を用いて、その傾向が許容できる所定の以上の傾きを持っているか否かを判断する。
【0040】
例えば、上記の第1の検出方法で図6(A)に示した出力電圧13の波形を得た場合、その上下のピーク値だけを時系列的に比較して線L06,L07を求め、この線L06,L07に基づいて、バッテリー1の出力電圧13の趨勢が増大気味であるか低下気味であるかを容易に判断できる。
【0041】
また、上記の第2の検出方法で図7(A)に示したトレンド線L05を得た場合、このトレンド線L05と出力電圧13との交差する点から、最小二乗法などにより、直線を求め、その傾きから、バッテリー1の出力電圧13の趨勢が増大気味であるか低下気味であるかを容易に判断できる。
【0042】
そして、これらの傾きが、所定の基準値Tc(図14中のステップS02参照)未満である場合には、エンジンが始動するのに要するクランキング回転数の維持が困難であると判断する。
【0043】
尚、第3の条件において、クランキング回転数が維持されているか否かを判断する期間としては、クランキング開始からエンジンが始動するまでに要する平均的な時間を定めておき、その期間を一定期間としてのクランキング期間15として判断を行ってもよいし、あるいは、バッテリ1の出力電圧が、エンジン始動後に安定したか否かを検知し、安定した旨を検知するまでの範囲でクランキング期間15を確定して、そのクランキング期間15においてクランキング回転数が維持されているか否かを判断してもよい。
【0044】
このように、この実施の形態においては、第1〜第3の条件を満たすか否かを判断するだけで、バッテリ1の出力電圧に対してエンジンが始動するか否かを容易に判断することが可能となる。特に、一般にスタータモータ5やエンジンに使用されている潤滑油の粘度が温度によって著しく影響を受けたり、その他の条件、例えば自動車の車種や個体差などに起因して各種のパラメータを用意するのに繁雑な作業を必要とする場合に、クランキング実施の形態に実現されるバッテリ1の状態(出力電圧等)を検出するだけで、容易にエンジンが始動するか否かを判断できる利点がある。
【0045】
<2.構成>
図12は、本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態検知装置のブロック図である。このバッテリ状態検知装置は、図12に示すように、電流センサ21、電圧センサ23、処理部25、記憶部27及び出力部29を備えて構成されており、車両に搭載されたバッテリ1の状態を管理する。
【0046】
電流センサ21は、バッテリ1から出力される電流及びバッテリ1へ入力される電流を検出する。電圧センサ23は、上記の<1.原理>で説明したバッテリ1の出力電圧13を検出する。処理部25は、CPU(制御部)等を備えて構成され、バッテリ1の管理のために各種の情報処理動作(制御動作も含む)を行う。記憶部27は、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリ等により構成されている。出力部29は、バッテリ1の状態の判定結果等を出力するためのものであって、例えば、液晶表示パネル等の表示装置や音声出力装置等が適用される。また、バッテリ1の状態に応じて自動車に搭載されている各種の負荷(例えばオーディオ機器等)の遮断制御等を行う場合は、出力部29として負荷電源制御ユニット等も適用される。
【0047】
そして、電圧センサ23で検出されたバッテリ1の出力電圧は、処理部25内に搭載されたA/D変換器(図示省略)によってデジタルデータ化された後、この処理部25内で、上記の<1.原理>で説明した第1〜第3の条件の判断がなされ、バッテリ1が正常であるか否かを出力部29に出力する。また、処理部25のCPUが動作する動作手順を規定したプログラム、上記したプランジャ駆動最低電圧Vc、エンジンの着火可能回転数n01及びトレンド線の傾きの基準値Tc等の各種のデータ、図8(B)に示した所定の数式等、処理部25が行う各種の情報処理動作に必要な情報等は、記憶部27内に予め記憶されている。
【0048】
そして、処理部25は、図13に示すように、第1の条件の判断を行う第1条件判断部25aと、第2の条件の判断を行う第2条件判断部25bと、第3の条件の判断を行う第3条件判断部25cと、これらの各条件判断部25a〜25cでの判断結果に基づいてバッテリ1の状態が正常であるか否かを総合判断し、その総合判断結果を出力部29に出力する総合判断部25dとを備える。
【0049】
<3.動作>
上記構成のバッテリ状態検知装置の動作例を、図14に示したフローチャートに沿って説明する。
【0050】
まず、イグニションスイッチ6がオンになると、バッテリ1の出力電圧を電圧センサ23で検出し、その検出結果が処理部25に出力される。
【0051】
この際、正常にプランジャ2が動作して正常にクランキングが行われる場合は、図5に示したように、クランキング時の各エンジン気筒部のシリンダ内圧力の変化(図5中の符号#1〜#4)に応じてバッテリ1の出力電圧(図3)が変動する。
【0052】
そして、図14中のステップS01において、処理部25の第3条件判断部25cは、記憶部27内に予め記憶されているプログラムに従ってCPUが動作するなどして、バッテリ1の出力電圧に現れる振動波形を観測し、出力電圧トレンド線の傾向(傾き)を検出する。このトレンド線の傾向の検出は、上記の<1.原理>中の(1−3.第3の条件)で説明した通りであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0053】
次に、ステップS02において、第3の条件を満たしているか否か、即ち、検出された傾きが所定の基準値Tc未満であるか否かを判断する。
【0054】
このとき、検出された傾きが所定の基準値Tc以上である場合は、ステップS03に進み、処理部25の第2条件判断部25bにおいて、記憶部27内に予め記憶されているプログラムに従ってCPUが動作するなどして、バッテリ1の出力電圧に現れる振動波形の周期または周波数の検出を試み、その検出結果に基づいてクランキング回転数nrの検出を試みる。このクランキング回転数nrの検出は、上記の<1.原理>中の(1−2.第2の条件)で説明した通りであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0055】
そしてステップS04において、ステップS03でクランキング回転数nrを検出できたと判断した場合は、続いてステップS05に進み、第2の条件を満たしているか否か、即ち、検出されたクランキング回転数nrをエンジンの着火可能回転数n01と比較して、エンジンが着火可能か否かを判断する。そして、ステップS05で、クランキング回転数nrがエンジンの着火可能回転数n01以上であったと判断した場合はステップS06に進む。
【0056】
一方、ステップS04において、ステップS03でクランキング回転数nrを検出できなかったと判断した場合は、ステップS06に進む。
【0057】
ステップS06では、処理部25の第1条件判断部25aにおいて、記憶部27内に予め記憶されているプログラムに従ってCPUが動作するなどして、第1の条件を満たしているか否か、即ち、図3中の時点T01(プランジャ2に対する給電用のイグニションスイッチ6がオンになった時点)で現れる下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc未満であるか否かを判断する。そして、ステップS06で下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc以上であると判断した場合には、ステップS07に進み、総合判断部25dを通じて、バッテリ1が正常状態である旨の情報を出力部29に出力する。
【0058】
しかる後、ステップS08に進み、電流センサ21によって検出されたバッテリ1の充電量の収支を処理部25で積算し、ステップS09の満充電判定等の所定の処理を行う。尚、この場合において、満充電であると判断された場合は、バッテリ1に対する回生を停止するなどして、過充電を防止する制御を行う。
【0059】
ところで、上記のステップS02において、トレンド線の傾きが基準値Tc未満であると判断した場合は、バッテリーからの出力電圧との関係で拡散抵抗が大であると判断し、ステップS10に進む。
【0060】
また、上記のステップS05で、クランキング回転数nrがエンジンの着火可能回転数n01未満であったと判断した場合は、バッテリーからの出力電圧との関係でクランキング回転数に余裕がないと判断し、ステップS10に進む。
【0061】
さらに、ステップS06で下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc未満であると判断した場合は、バッテリーからの出力電圧との関係でプランジャ2の駆動動作に余裕がないと判断し、ステップS10に進む。
【0062】
ステップS10では、バッテリ1に注意が必要である旨の情報を出力部29に出力する。出力部29においては、バッテリ1に注意が必要である旨の注意表示や注意を促す音声出力等を行う。また、出力部29として負荷電源制御ユニットを含む場合等においては、この負荷電源制御ユニットによって、バッテリ1の状態に応じて自動車に搭載されている各種の負荷(例えばオーディオ機器等)の遮断制御等を行う。
【0063】
そして、ステップS11に進み、電流センサ21によって検出されたバッテリ1の充電量の収支を処理部25で積算し、ステップS12に進む。ステップS12では、充電収支が、自動車の所定の放置日数(例えば1週間)分の暗電流等を考慮した所定の値Pcを超えているか否かを判断し、超えていれば、所定の放置日数分の暗電流を考慮してもバッテリ1に対して充電が充分に行われていると判断し、ステップS13に進む。ステップS13では、総合判断部25dを通じて、バッテリ1が正常状態である旨の情報を出力部29に出力する。しかる後、ステップS11以降の処理を繰り返す。
【0064】
一方、ステップS12で、充電収支が上記の所定の値Pc以下であると判断した場合は、ステップS14に進み、まずはステップS15で満充電状態か否かを判断する。
【0065】
ステップS15で、満充電でないと判断した場合は、ステップS11に戻って、それ以降の処理を繰り返す。
【0066】
一方、ステップS15で、満充電であると判断した場合は、ステップS16に進み、再度、充電収支が上記の所定の値Pcを超えているか否かを判断する。そして、充電収支が上記の所定の値Pcを超えていると判断した場合は、所定の放置日数分の暗電流を考慮してもバッテリ1に対して充電が充分に行われていると判断し、ステップS17に進む。ステップS17では、総合判断部25dを通じて、バッテリ1が正常状態である旨の情報を出力部29に出力する。しかる後、ステップS11以降の処理を繰り返す。
【0067】
一方、ステップS16において、充電収支が上記の所定の値Pc以下であると判断した場合は、バッテリ1の満充電までの充電量が少ないと判断して、このバッテリ1が寿命であると判断し、ステップS18において、その旨の情報を出力部29に出力する。この場合、バッテリ1の寿命がつきている旨の警告表示や警告に係る音声出力等を行う。また、出力部29として負荷電源制御ユニットを含む場合等においては、この負荷電源制御ユニットによって、バッテリ1の状態に応じて自動車に搭載されている各種の負荷(例えばオーディオ機器等)の遮断制御等を行う。
【0068】
以上のように、劣化状況によっては実際の内部抵抗とバッテリの開放電圧との相関関係が悪くなり、これによって、実際の内部抵抗と、エンジン始動時のバッテリ出力電圧の降下量との相関関係が悪くなっても、出力電圧の降下量を直接的に用いて状態判定を行う従来技術では正確な状態判定が困難となる。
【0069】
しかし、この実施の形態では、バッテリ1の出力電圧を監視し、その監視結果に基づいて、上記した第1〜第3の条件を満たしているか否かを実際に検出し、その検出結果に基づいて、バッテリ1が正常であるか否かを判断するようにしているので、図1に示した方法のようにバッテリ1の特性曲線G1〜G5や始動限界線L01を予め一律に決定しておく必要がなくなる。したがって、温度等のバッテリの搭載環境や自動車の車種等の様々な諸条件を考慮せずに、現実の状況に即応してバッテリが正常であるか否かを正確に判断できる。
【0070】
さらに、電圧センサ23で検出された出力電圧13の振動を検出することで、クランキング回転数を検出するための専用の機構等を設けることなく、そのクランキング回転数を容易に且つ正確に検出することができる。
【0071】
さらにまた、電圧センサ23で検出された出力電圧13の趨勢変化を検出し、当該趨勢変化が記憶部27に予め格納された許容範囲内であるか否かを判断するだけで、クランキング回転数がエンジン始動まで維持されているか否かを容易に判断することができる。
【0072】
例えば、図15〜図17は満充電状態のバッテリ1について、図18〜図20はスタータSTの始動に必要な最低限の充電状態となっているバッテリ1について、図21〜図23はスタータSTの始動が不可能であったバッテリ1について、それぞれ電源投入して出力電圧13を実測した結果を示す図である。ただし、これらの実験においては、エンジンの着火は行なわれていない。
【0073】
また、図15,図18,図21は温度環境が−30℃の場合、図16,図19,図22は温度環境が温度環境が25℃である場合、図17,図20,図23は温度環境が65℃である場合の実測結果をそれぞれ示している。
【0074】
バッテリ1の電圧は、図15〜図23を見ると、バッテリ1の充電状態によってその出力電圧13の波形が大きく異なることが分かる。
【0075】
また、同じ充電状態のバッテリ1でも、スタータモータ5やエンジンに使用されている潤滑油の粘度は温度によって著しく影響を受けることから、その温度環境によって出力電圧13の波形が大きく異なることが分かる。
【0076】
しかしながら、この実施の形態では、実際の出力電圧13に現れる振動に基づいて趨勢変化を検出し、これに基づいてクランキング回転数がエンジン始動まで維持されているか否かを判断しているので、その判断が正確になるという利点がある。
【0077】
また、電圧センサ23で検出された出力電圧13において時系列に現れる複数の振動の極大値同士及び/または極小値同士の変化、あるいは指数平滑または移動平均に基づいて、趨勢変化を容易に且つ正確に検出することができる。
【0078】
尚、上記実施の形態では、第1の条件において、下限電圧VLがプランジャ駆動最低電圧Vc以上であるか否かを判断していたが、下限電圧VLがスタータモータ始動最低電圧以上であるか否かを判断しても差し支えない。ここでスタータモータ始動最低電圧は、プランジャ2の可動接点3が固定接点4に接続するために必要なプランジャ2の駆動電圧だけでなく、プランジャ2の可動接点3が固定接点4に接続した後にスタータモータ5が回転するために必要な駆動電圧をも加味したものである。スタータモータ5の駆動に際しては、その潤滑油の粘度が温度によって著しく影響を受けることから、その温度環境によって異なるスタータモータ始動最低電圧を予め記憶部27内に格納しておけばよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、第1〜第3の条件のうちの全てを判断するようにしていたが、そのうちのいずれかひとつまたは2つを組み合わせて判断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 バッテリ
13 出力電圧
23 電圧センサ
25 処理部
25b 第2の条件判断部
27 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載されたバッテリの状態を管理するバッテリ状態検知装置であって、
自動車に搭載されたバッテリの出力電圧をエンジンの着火前に検出する電圧センサと、
前記電圧センサの検出結果に基づいて、前記バッテリが正常であるか否かを判断する処理部と、
前記処理部が行う処理動作に必要な情報を記憶する記憶部と
を備え、
前記記憶部に、自動車のエンジンの着火可能回転数が格納され、
前記処理部が、前記電圧センサで検出された前記出力電圧の振動を検出することで前記エンジンのクランキング回転数を検出し、当該クランキング回転数が前記記憶部に格納された前記エンジンの着火可能回転数以上であるか否かを判断する判断部を備え、当該判断部での判断結果を利用して前記バッテリが正常であるか否かを判断するバッテリ状態検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−236593(P2012−236593A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132630(P2012−132630)
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【分割の表示】特願2005−61068(P2005−61068)の分割
【原出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】