説明

バッテリ状態管理装置及びバッテリ状態管理方法

【課題】バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、特に様々な車種・車格の自動車に容易に対応し得るバッテリ状態管理装置を提供する。
【解決手段】エンジン及びスタータ3に依存しない情報を予め記憶部37内に格納するとともに、この記憶部37内の情報と、エンジン及びスタータ3に固有の情報とに基づいて、エンジン始動可能電圧閾値Vthを決定する。エンジン及びスタータ3の組合せに応じた適正なエンジン始動可能電圧閾値Vthを決定し、このエンジン始動可能電圧閾値Vthに基づいてバッテリ1の劣化判定を行うので、様々な車種・車格の自動車に容易に対応し得るバッテリ状態管理装置を提供することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置及びバッテリ状態管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、自動車の始動時のクランキングにおける電圧と電流の推移を示す図であって、横軸は時間、縦軸はバッテリからスタータに出力される電圧及び電流を示している。
【0003】
この図7において、時刻T1でイグニションスイッチがオンになると、バッテリからの突入電流がスタータに流れ、バッテリ電圧が瞬間的に低下する。そして、逆起電力が発生し、バッテリ電圧が徐々に上昇すると、スタータの回転数が上昇するとともに、電流が徐々に安定化する。そして、バッテリ電圧が一定のレベルに達した時点T2で、スタータの回転数が一定値に上昇し、エンジンの点火が行われる。この時点T2で、スタータに対する電流供給が停止され、バッテリ電圧が定常状態に復帰する。
【0004】
図8はバッテリ1とスタータ3とが接続された状態を示す概略的な等価回路図である。図8のように、バッテリ1は、配線5,7及びイグニションスイッチ9を通じてスタータ3に接続される。尚、符号11はスタータ3のアーマチャコイル、符号13はフィールドコイル、符号15はプルインコイル、符号17はホールディングコイルである。ただし図8では、回路内における電流と電圧との関係に注目することとし、上記の各コイル11,13,15,17をそれぞれ抵抗体として捉えて図示している。
【0005】
ここで、配線5,7の抵抗値をそれぞれR1A,R1Bとする。また、イグニションスイッチ9とスタータ3のスイッチ端子21との間の配線抵抗値をR2、バッテリ側端子22とモータ端子23との間の接点接触抵抗値をR3、ホールディングコイル17、フィールドコイル13及びアーマチャコイル11の各抵抗値をR4,R5,R6とする。
【0006】
この場合、スタータ3の内部抵抗RSは、次の(1)式で表される。
【0007】
S=R3+R5+R6 …(1)
また、配線5,7の配線抵抗RHは、次の(2)式で表される。
【0008】
H=R1A+R1B …(2)
さらに、バッテリ1の内部においては、集電極や電解液等の内部抵抗に加えて、格子腐食やサルフェーション等の劣化、及び放電(特に過放電)に伴う電極表面の硫酸鉛の析出により内部抵抗RBが発生する。
【0009】
したがって、図8の回路における回路抵抗Rallは、次の(3)式のようになる。
【0010】
all=RS+RH+RB …(3)
図9に、図8の回路における電圧降下とバッテリ1の電流及び電圧の変化を示す。この図9において、横軸及び縦軸は、バッテリ1からスタータ3に出力される電流及び電圧をそれぞれ意味しており、線L1は、スタータ3の内部抵抗RSと配線5,7の配線抵抗RH等とによる電圧降下線、線L2a〜L2eはバッテリ1の電流−電圧特性線(以下「I−V特性線」と称す)、線Lthはエンジン始動可能電圧閾値Vthを示す閾値線をそれぞれ示している。尚、エンジン始動可能電圧閾値Vthとは、エンジン始動時のバッテリ1からの放電に伴って当該バッテリ1の出力電圧が低下した際のその最低値のことを言う。
【0011】
上述のように、スタータ3をオンしたときには、図7の時点T1のように突入電流が流れると同時に、電圧が急峻に低下する。したがって、バッテリ1の電流と電圧は、図9において、バッテリ1のI−V特性線L2a〜L2eと、スタータ3の内部抵抗RSと配線5,7の配線抵抗RH等とによる電圧降下線L1との交点Pa〜Peから開始され、その後、I−V特性線L2a〜L2eに沿って、電流が低下するとともに電圧が上昇する。
【0012】
ここで、バッテリ1の電流−電圧特性は、その個々のバッテリ1の劣化状態等によって変化する。即ち、バッテリ1の劣化が進むと、そのバッテリ1の内部抵抗RBが上昇するため、右下がりの傾斜が急峻になる。図9においては、線L2aが最も良好なバッテリ状態、線L2eが最も劣悪なバッテリ状態における電流−電圧特性を示している。
【0013】
そして、図9においては、バッテリ1のI−V特性線L2a〜L2eと、スタータ3の内部抵抗RSと配線5,7の配線抵抗RH等とによる電圧降下線L1との交点において、バッテリ1からスタータ3に印加される電圧値が、閾値線Lthで示されるエンジン始動可能電圧閾値Vth以上である場合に限り、スタータ3のトルクが必要なレベルに確保されてエンジンの点火が可能となる。
【0014】
したがって、図9の例では、I−V特性線L2a〜L2dと電圧降下線L1との交点Pa〜Pdの各電圧値が、エンジン始動可能電圧閾値Vthよりも大きくなっているため、これらI−V特性線L2a〜L2dを示すバッテリ1を使用している場合は、自動車のエンジンの点火が支障無くなされる。
【0015】
これに対して、図9中のI−V特性線L2eと電圧降下線L1との交点Peの電圧値は、エンジン始動可能電圧閾値Vthよりも小さいため、このI−V特性線L2eを示すバッテリ1では、自動車のエンジンを点火することができないことになる。
【0016】
このように、バッテリ1の状態によってエンジンの点火の可/不可が変化するため、従来、図7の如く、エンジン始動時のバッテリ1の出力電圧VBの降下量と、そのときに流れる電流IBとから、バッテリ1の内部抵抗RBを測定し、その測定した内部抵抗RBに基づいてバッテリ1の劣化度が判定され、バッテリ1を交換する必要がある場合に、所定の警告を表示するなどしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、ユーザーの価値観の多様化等により、自動車には様々な車種・車格が存在する。そして、これらの車種・車格に応じて、搭載されるエンジンやスタータ3の種類が異なる。このように、エンジンやスタータ3の種類が異なると、始動時における適正なスタータ3のトルク、ひいては適正なスタータ3の必要電圧が異なるはずである。
【0018】
しかしながら、従来においては、エンジンやスタータ3の種類を考慮せずに、一律にエンジン始動可能電圧閾値Vthを設定していたため、正確なバッテリ1の劣化度判定を行うことが困難であった。
【0019】
仮に正確なバッテリ1の劣化度判定を行おうとすると、自動車にエンジンやスタータ3を実際に搭載した後に、バッテリ1の劣化度を変化させたり、劣化度の異なるバッテリ1を交換したりしながら、スタータ3が正常に起動してエンジンを点火できるバッテリ1の最低限の状態を試験的に求めなければならず、多大な労力とコストを要するなど不利が多い。
【0020】
そこで、本発明の課題は、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置及びバッテリ状態管理方法であって、特に様々な車種・車格の自動車に容易に対応し得るバッテリ状態管理装置及びバッテリ状態管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、自動車に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、エンジン及びスタータに依存しない情報が予め格納された記憶部と、前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報及び前記記憶部に予め格納された前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報に基づいて、エンジン始動可能電圧閾値を決定する処理部とを備えるものである。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバッテリ状態管理装置であって、前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報が、バッテリの劣化度に応じた当該バッテリにおける電流と電圧との関係を示す第1の情報と、初期電流を変数とするスタータの電流と回転数との関係を示す第2の情報とを含むものである。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のバッテリ状態管理装置であって、前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報とを含むものである。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のバッテリ状態管理装置であって、前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報とを含み、前記処理部が、前記第1の情報と前記第4の情報に前記第3の情報の前記電流値を適用し、当該電流値における前記第1の情報の前記電圧と前記第4の情報の前記電圧降下との差を、前記逆起電力として算出する第1の機能と、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記第1の情報における前記電圧と、前記第4の情報の前記電圧降下とが一致する電流を、前記初期電流とし、当該初期電流を前記第2の情報に適用して、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの電流と回転数との関係を求める第2の機能と、前記第2の機能で求めた結果に前記第3の情報の前記電流値を適用し、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの前記回転数を求める第3の機能と、前記第3の機能で求められた前記回転数と、前記第5の情報の前記エンジン始動可能回転数との比を演算するとともに、当該比と前記第1の機能で求めた前記逆起電力とに基づいて、劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係を求める第4の機能と、前記第4の機能で求めた劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係と、前記第4の情報とに基づいて、前記エンジン始動可能電圧閾値を決定する第5の機能とを備えるものである。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のバッテリ状態管理装置であって、前記処理部が、前記エンジン始動可能電圧閾値に基づいて、前記バッテリの劣化判定を行うものである。
【0026】
請求項6に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載のバッテリ状態管理装置であって、前記第4の情報が、前記スタータ及びその配線に使用されている金属の種類及び/または温度依存性に基づいて補正されるものである。
【0027】
請求項7に記載の発明は、自動車に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、a)エンジン及びスタータに依存しない情報を、予め所定の記憶部に格納する工程と、b)前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報と、前記記憶部に予め格納された前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報とに基づいて、エンジン始動可能電圧閾値を決定する工程とを備えるものである。
【0028】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のバッテリ状態管理方法であって、前記b)の工程における前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報が、バッテリの劣化度に応じた当該バッテリにおける電流と電圧との関係を示す第1の情報と、初期電流を変数とするスタータの電流と回転数との関係を示す第2の情報とを含むものである。
【0029】
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載のバッテリ状態管理方法であって、前記b)の工程に使用される前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報とを含むものである。
【0030】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載のバッテリ状態管理方法であって、前記b)の工程に使用される前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報とを含み、前記b)の工程が、b−1)前記第1の情報と前記第4の情報に前記第3の情報の前記電流値を適用し、当該電流値における前記第1の情報の前記電圧と前記第4の情報の前記電圧降下との差を、前記逆起電力として算出する工程と、b−2)前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記第1の情報における前記電圧と、前記第4の情報の前記電圧降下とが一致する電流を、前記初期電流とし、当該初期電流を前記第2の情報に適用して、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの電流と回転数との関係を求める工程と、b−3)前記b−2)の工程で求めた結果に前記第3の情報の前記電流値を適用し、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの前記回転数を求める工程と、b−4)前記b−3)の工程で求められた前記回転数と、前記第5の情報の前記エンジン始動可能回転数との比を演算するとともに、当該比と前記b−1)の工程で求めた前記逆起電力とに基づいて、劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係を求める工程と、b−5)前記b−4)の工程で求めた劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係と、前記第4の情報とに基づいて、前記エンジン始動可能電圧閾値を決定する工程とを備えるものである。
【0031】
請求項11に記載の発明は、請求項8から請求項10のいずれかに記載のバッテリ状態管理方法であって、c)前記b)の工程の後に、前記エンジン始動可能電圧閾値に基づいて、前記バッテリの劣化判定を行う工程をさらに備えるものである。
【0032】
請求項12に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載のバッテリ状態管理方法であって、前記第4の情報が、前記スタータ及びその配線に使用されている金属の種類及び/または温度依存性に基づいて補正されるものである。
【発明の効果】
【0033】
請求項1及び請求項7に記載の発明では、エンジン及びスタータに依存しない情報を、予め所定の記憶部に格納しておくとともに、エンジン及び/またはスタータに固有の情報と、記憶部に予め格納されたエンジン及びスタータに依存しない情報とに基づいて、エンジン始動可能電圧閾値を決定するので、同一の回路(バッテリ状態管理装置)でエンジン及び/またはスタータに固有の情報のみを変更設定するだけで、自動車に搭載されるエンジン及びスタータ3の組合せに応じた適正なエンジン始動可能電圧閾値を決定することができ、例えば請求項5及び請求項11のように、このエンジン始動可能電圧閾値に基づいてバッテリの劣化判定を行う際に、様々な車種・車格の自動車に容易に対応することができる。
【0034】
エンジン及びスタータに依存しない情報としては、請求項2及び請求項8のように、バッテリの劣化度に応じた当該バッテリにおける電流と電圧との関係や、初期電流を変数とするスタータの電流と回転数との関係が適しており、また、エンジン及び/またはスタータに固有の情報としては、請求項3及び請求項9のように、エンジンのクランキング時に必要なスタータの電流値の第3の情報と、スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、エンジン始動可能回転数を示す第5の情報とが適している。
【0035】
これらの情報を用いる場合、具体的には、請求項4及び請求項10のようにすれば、自動車に搭載されるエンジン及びスタータ3の組合せに応じた適正なエンジン始動可能電圧閾値を決定することができる。
【0036】
また、請求項6及び請求項12のように、スタータ及びその配線に使用されている金属の種類や温度依存性に応じて第4の情報の補正を行っているので、エンジン始動可能電圧閾値の決定やバッテリの劣化判定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
<基本構成>
図1は本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態管理装置を示すブロック図である。尚、図1では図8に示した従来と同様の機能を有する要素について同一符号を付している。
【0038】
このバッテリ状態管理装置は、図1の如く、電流センサ31、電圧センサ(電圧検出手段)33、処理部(判定手段)35、記憶部(記憶手段)37及び出力部39を備えて構成されており、車両に搭載されたバッテリ1の状態を管理する。
【0039】
電流センサ31は、バッテリ1から出力される電流を検出するもので、例えばシャント抵抗等が適用される。
【0040】
電圧センサ33は、バッテリ1の出力電圧を検出する。
【0041】
処理部35は、CPU等を備えて構成され、バッテリ1の管理のために各種の情報処理動作(制御動作も含む)を行う。
【0042】
記憶部37は、書き換え可能な不揮発性メモリ等により構成され、処理部35が行う各種の情報処理動作に必要な情報等が記憶されている。
【0043】
出力部39は、バッテリ1の状態の判定結果等を出力するためのもので、例えば液晶表示パネルや有機ELディスプレイ装置等が適用される。
【0044】
また、バッテリ1、スタータ3及びイグニションスイッチ9は、図8に示した等価回路を構成するように互いに接続される。そして、スタータ3の内部構成も、図8に示した等価回路の通りである。
【0045】
かかる構成のバッテリ状態管理装置では、自動車に搭載される様々なエンジンやスタータ3に適用できるように、そのエンジン及びスタータ3の始動時の必要トルクに応じて、エンジン始動可能電圧閾値Vth(図9参照)が処理部35によって自動的に演算され、この演算したエンジン始動可能電圧閾値Vthに基づいてバッテリ1の状態を判定し、その判定結果を出力部39に出力するようになっている。
【0046】
<エンジン始動可能電圧閾値の決定方法>
次に、自動車に搭載されるエンジン及びスタータ3の組合せに適したエンジン始動可能電圧閾値Vthの決定方法を、図2のフローチャートに沿って説明する。
【0047】
まず、図2中のステップS01において、エンジン及びスタータ3の組合せに依存して予め決定されているエンジン負荷に基づいて、エンジン始動に必要なスタータ3のトルクを算出する。尚、「エンジン負荷」とは、エンジンが点火されていない状態で調べられるトルクのことを意味しており、エンジンの設計時に決定されるものである。
【0048】
そして、かかるエンジンのトルクに対して、スタータ3を駆動して実現されるトルクは、スタータ3とエンジンとの間に介在する連結機構のギヤ比等によって異なる。このため、ステップS01におけるトルクの算出は、所与の値として与えられるエンジンのトルクと、スタータ3とエンジンとの間に介在する連結機構のギヤ比等に応じて算出されるものである。このようにして算出されたトルクの値は、このバッテリ状態管理装置が適用される自動車の車種・車格等が決定された後、その自動車に搭載される前の時点で、図示しない信号入力装置を使用するなどして、所定の電気的操作によって所与の値として記憶部37内に格納される。
【0049】
次にステップS02に進み、図3に示したスタータ3のトルク特性に基づいて、クランキング時に必要な電流値Isを算出する。ここで、図3の横軸はスタータ3の駆動電流、縦軸はスタータ3のトルクを意味しており、線L11はスタータ3のトルク特性線、即ち、スタータ3の駆動電流とトルクとの関係を示すものである。一般に、様々な種類のスタータ3が存在する場合は、個々のスタータ3の種類に応じて、スタータ3のトルク特性線L11は異なって現れる。
【0050】
したがって、例えば、このバッテリ状態管理装置が適用される自動車の車種・車格等が決定された後、その自動車に搭載されるスタータ3に対応するトルク特性線L11を用いて机上の計算により電流値Isを求め、その電流値Isを記憶部37内に格納すればよい。
【0051】
あるいは、このバッテリ状態管理装置が適用されるあらゆる種類のスタータ3に対応するトルク特性線L11の全てを予め記憶部37内に格納しておき、このバッテリ状態管理装置が適用される自動車の車種・車格等が決定された後、その自動車に搭載されるスタータ3のコードを記憶部37に格納しておき、このコードに基づいて、処理部35によって複数のトルク特性線L11のなかから最適なトルク特性線L11を選択して、処理部35により電流値Isを演算処理してもよい。
【0052】
続いて、ステップS03において、電圧降下ΔV1時の回転数を導出する。この工程においては、図4の如く、予め記憶部37に格納しておいたバッテリ1のI−V特性線L12と、一般的なスタータ3の電流−回転数曲線(以下「I−N曲線」と称す)L13に基づいて、処理部35によって電圧降下ΔV1時の回転数r1が導出される。
【0053】
ここで、図4の横軸は電流、縦軸はバッテリ1の電圧及びスタータ3の回転数を示している。
【0054】
図4中のI−V特性線L12は、図7に示したように、イグニションスイッチがオンになった時刻T1で、バッテリからの突入電流がスタータに流れた後、スタータの回転数が上昇するにつれて、電圧の上昇と電流の低下とが徐々に進行する様子を直線化したものである。このI−V特性線L12は、ほぼ理想的なバッテリ1、即ち、ほとんど劣化が進んでいない初期状態のバッテリ1について、事前の実測等によって求められたデータを近似的に一次式に設定されたもので、エンジンやスタータ3の種類には依存しない関数またはテーブルデータとして、予め記憶部37に格納されている。
【0055】
また、スタータ3のI−N曲線L13は、図7に示したように、イグニションスイッチがオンになった時刻T1で、バッテリからの突入電流がスタータに流れた後、電流が徐々に低下して安定化するとともにスタータの回転数が上昇する様子を曲線化したものである。ただし、I−N曲線L13は、初期電流(回転数がゼロのときの電流値)が異なって現れるため、この初期電流を変数とする関数として記憶部37内に予め格納されている。
【0056】
さらに、記憶部37には、スタータ3の内部抵抗RS((1)式参照)と配線5,7(図8参照)の配線抵抗RH((2)式参照)による前述の電圧降下線L1(図9参照)も記憶される。尚、この電圧降下線L1は、スタータ3の種類によって異なるため、このバッテリ状態管理装置が適用される自動車の車種・車格等が決定された後、その自動車に搭載される前の時点で、図示しない信号入力装置を使用するなどして、所定の電気的操作によって所与の関数(例えば、一次式)として記憶部37内に格納される。
【0057】
尚、配線抵抗やスタータ3の内部抵抗は金属で構成され、温度に対して変化することから、配線及びスタータ3に使用されている金属の種類、及び温度依存性を記憶部37内に予め記憶させておく。この場合、配線及びスタータ3に使用されている金属の種類、及び温度依存性に応じて電圧降下線L1(図10)が変化するため、その金属の種類及び温度依存性に基づいて電圧降下線L1の変化を推定し、この推定結果に応じた電圧降下線L1の補正(温度補正等)を行って、以下の処理を行うこととする。
【0058】
そして、図2中のステップS03では、図4において、まずステップS02で求めた電流値Isに対応するI−V特性線L12と電圧降下線L1の各電圧差ΔV1を求める。このΔV1は、スタータ3の回転駆動を行う逆起電力を意味している。
【0059】
続いて、図4中のI−V特性線L12と電圧降下線L1との交点P12を求め、この交点P12に相当する電流値I12を求める。
【0060】
さらに、処理部35は、電流値I12で回転数がゼロの特性を有するスタータ3のI−N曲線L13を求める。そして、このI−N曲線L13において、電圧降下がΔV1である状態、即ち、電流値Is(図3参照)に対応する回転数を求めて、これをr1とする。
【0061】
そして、図2中のステップS04に進み、エンジン始動可能回転数を得るのに必要な逆起電力ΔV2を算出する。
【0062】
ここで、図5は、エンジンの負荷特性L14と、スタータ3から連結機構のギヤ比等を換算したときのスタータ3側の回転数とトルクの関係曲線(T−N曲線)L15を示したものであり、横軸は回転数、縦軸はトルクを示している。自動車によって異なるエンジンの初期回転数rxは、図5のように、エンジンの負荷特性L14と、スタータ3のT−N曲線L15との交点によって決定される。そして、この図5に示した初期回転数rxは、図4に示したエンジン始動可能回転数r2としてそのまま適用される。ただし、実際には、図5に示した初期回転数rxよりも低い回転数ryでも充分にエンジン始動が可能な場合があるため、初期回転数rxに代えて、それよりも低い回転数ryを図4に示したエンジン始動可能回転数r2に適用してもよい。いずれにしても、図4に示したエンジン始動可能回転数r2は、自動車に搭載されるエンジン及びスタータ3の組合せに固有の所与の値として与えられて、出荷前に記憶部37内に格納される。
【0063】
このようにして、ΔV1、r1及びr2の値が得られると、処理部35は、次の(4)式に基づいて、エンジン始動可能回転数を得るのに必要な逆起電力ΔV2を算出する。
【0064】
ΔV2=ΔV1×r2/r1 …(4)
しかる後、図2中のステップS05に進む。このステップS05では、図4において、電流値Isに対応する電圧降下線L1の点よりも、ステップS04で得られたΔV2だけ電圧値を加算した電圧レベルVzを求める。そして、電流値Isにおいて電圧レベルVzを実現するようなバッテリ1のI−V特性線L16を求める。このI−V特性線L16は、バッテリ1の劣化が進行して、その内部抵抗値RB(図8参照)が限界まで到達している状態を意味している。このため、このI−V特性線L16と電圧降下線L1との交点をP16とし、この交点P16の電圧値を、エンジン始動可能電圧閾値Vthとして決定する。
【0065】
かかる手順でエンジン始動可能電圧閾値Vthを決定することにより、このエンジン始動可能電圧閾値Vthは、自動車に搭載されるエンジン及びスタータ3の組合せに適合した値となる。
【0066】
そして、スタータ3がオンされた時点T1(図7参照)で、図4の点P16のようにエンジン始動可能電圧閾値Vthが実現される場合は、スタータ3のI−N曲線は、点P16の電流値Iwで回転数がゼロから上昇し始める曲線L17のようになり、上記の電流値Isの時点で辛うじてスタータ3の回転数がエンジン始動可能回転数r2に到達することになる。
【0067】
また、スタータ3がオンされた時点T1(図7参照)で、図4中のエンジン始動可能電圧閾値Vthより下回るようなバッテリ1の劣化状態では、スタータ3のI−N曲線は、上記の電流値Isまで下降しても、スタータ3の回転数がエンジン始動可能回転数r2に到達せず、よってエンジン始動が不可能となる可能性が高いことになる。
【0068】
<バッテリ劣化判定方法>
上記のようにしてエンジン始動可能電圧閾値Vthが決定された後、処理部35は、このエンジン始動可能電圧閾値Vthに基づいて、エンジン始動時のバッテリ1の劣化判定を行う。この場合、エンジン始動可能電圧閾値Vthをそのまま使用してバッテリ1の劣化判定を行っても良いし、あるいは、予め記憶部37等に格納された所定の関数またはデータテーブル等を用いて過去のバッテリ1の劣化特性等を使用することでバッテリ1の劣化判定を行っても良い。
【0069】
そして、その判定結果は、例えば図6に示す出力態様で出力部39に出力され、この出力部39において、バッテリ1に劣化の問題がない場合には、例えば表示領域41aが点灯され、バッテリ1が劣化している場合には表示領域41bが点灯される。また、この出力部39には、バッテリ1の充電残量を表示するための表示領域41cを併せて表示する。
【0070】
以上のように、自動車に搭載されるエンジン及びスタータ3の組合せに応じた適正なエンジン始動可能電圧閾値Vthを決定し、このエンジン始動可能電圧閾値Vthに基づいてバッテリ1の劣化判定を行うので、様々な車種・車格の自動車に容易に対応し得るバッテリ状態管理装置を提供することが可能となる。
【0071】
また、配線及びスタータ3に使用されている金属の種類、及び温度依存性を記憶部37内に予め記憶させておき、これらに応じて電圧降下線L1(図10)が変化した場合に、金属の種類及び温度依存性に基づいて電圧降下線L1の温度補正等の補正を行っているので、正確なエンジン始動可能電圧閾値Vthの演算やバッテリ1の劣化判定を行うことが可能である。尚、金属の種類と温度依存性の両方に基づいて電圧降下線L1の補正を行うことが望ましいが、いずれか一方のみに基づいて電圧降下線L1の補正を行ってもよい。
【0072】
尚、上記実施の形態では、エンジン及びスタータ3に依存しない情報を予め記憶部37内に格納するとともに、エンジン及びスタータ3に依存する情報をも、このバッテリ状態管理装置が適用される自動車の車種・車格等が決定された後、その自動車に搭載される前の時点で、図示しない信号入力装置を使用するなどして、所定の電気的操作によって所与の値として記憶部37内に格納するよう説明したが、例えば、エンジン及びスタータ3に依存する情報を、このバッテリ状態管理装置よりも入力操作が容易な他の電子制御ユニット内の記憶装置内に格納し、かかる情報を、車内LAN等の通信ネットワークを通じてバッテリ状態管理装置に入力するようにしても差し支えない。そうすれば、エンジン及びスタータ3に依存する情報の入力が容易になる利点がある。
【0073】
また、上記実施の形態では、エンジンに固有の情報と、スタータ3に固有の情報の両方を用いて、処理部35での演算や判定等が行われていたが、例えば、スタータ3についての固有の情報のみで、エンジンの必要トルクを推定できるなど、エンジンとスタータ3のうちのいずれか一方のみについての固有の情報のみを使用しても差し支えない場合は、その一方のみについての固有の情報を使用するだけでも差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態管理装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】スタータのトルク特性を示す図である。
【図4】バッテリのI−V特性線とI−N曲線とからエンジン始動可能電圧閾値を求める方法を示す図である。
【図5】エンジンの負荷特性とスタータのT−N曲線を示す図である。
【図6】本発明の一の実施の形態に係るバッテリ状態管理装置の出力部の表示例を示す図である。
【図7】自動車の始動時のクランキングにおける電圧と電流の推移を示す図である。
【図8】バッテリとスタータとが接続された状態を示す等価回路図である。
【図9】スタータや配線における電圧降下とバッテリの電流及び電圧を示す図である。
【図10】スタータや配線における電圧降下についての温度依存性を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 バッテリ
3 スタータ
5,7 配線
9 イグニションスイッチ
31 電流センサ
33 電圧センサ
35 処理部
37 記憶部
39 出力部
41a 表示領域
41b 表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、
エンジン及びスタータに依存しない情報が予め格納された記憶部と、
前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報及び前記記憶部に予め格納された前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報に基づいて、エンジン始動可能電圧閾値を決定する処理部と
を備えるバッテリ状態管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリ状態管理装置であって、
前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報が、
バッテリの劣化度に応じた当該バッテリにおける電流と電圧との関係を示す第1の情報と、
初期電流を変数とするスタータの電流と回転数との関係を示す第2の情報と
を含む、バッテリ状態管理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバッテリ状態管理装置であって、
前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、
前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、
前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、
前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報と
を含む、バッテリ状態管理装置。
【請求項4】
請求項2に記載のバッテリ状態管理装置であって、
前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、
前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、
前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、
前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報と
を含み、
前記処理部が、
前記第1の情報と前記第4の情報に前記第3の情報の前記電流値を適用し、当該電流値における前記第1の情報の前記電圧と前記第4の情報の前記電圧降下との差を、前記逆起電力として算出する第1の機能と、
前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記第1の情報における前記電圧と、前記第4の情報の前記電圧降下とが一致する電流を、前記初期電流とし、当該初期電流を前記第2の情報に適用して、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの電流と回転数との関係を求める第2の機能と、
前記第2の機能で求めた結果に前記第3の情報の前記電流値を適用し、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの前記回転数を求める第3の機能と、
前記第3の機能で求められた前記回転数と、前記第5の情報の前記エンジン始動可能回転数との比を演算するとともに、当該比と前記第1の機能で求めた前記逆起電力とに基づいて、劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係を求める第4の機能と、
前記第4の機能で求めた劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係と、前記第4の情報とに基づいて、前記エンジン始動可能電圧閾値を決定する第5の機能と
を備えるバッテリ状態管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のバッテリ状態管理装置であって、
前記処理部が、前記エンジン始動可能電圧閾値に基づいて、前記バッテリの劣化判定を行う、バッテリ状態管理装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載のバッテリ状態管理装置であって、
前記第4の情報が、前記スタータ及びその配線に使用されている金属の種類及び/または温度依存性に基づいて補正されることを特徴とするバッテリ状態管理装置。
【請求項7】
自動車に搭載されるバッテリの状態を管理するバッテリ状態管理方法であって、
a)エンジン及びスタータに依存しない情報を、予め所定の記憶部に格納する工程と、
b)前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報と、前記記憶部に予め格納された前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報とに基づいて、エンジン始動可能電圧閾値を決定する工程と
を備えるバッテリ状態管理方法。
【請求項8】
請求項7に記載のバッテリ状態管理方法であって、
前記b)の工程における前記エンジン及び前記スタータに依存しない情報が、
バッテリの劣化度に応じた当該バッテリにおける電流と電圧との関係を示す第1の情報と、
初期電流を変数とするスタータの電流と回転数との関係を示す第2の情報と
を含む、バッテリ状態管理方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のバッテリ状態管理方法であって、
前記b)の工程に使用される前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、
前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、
前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、
前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報と
を含む、バッテリ状態管理方法。
【請求項10】
請求項8に記載のバッテリ状態管理方法であって、
前記b)の工程に使用される前記エンジン及び/または前記スタータに固有の情報が、
前記エンジンのクランキング時に必要な前記スタータの電流値の第3の情報と、
前記スタータの内部抵抗及び配線抵抗による電流と電圧降下との関係を示す第4の情報と、
前記エンジン始動可能回転数を示す第5の情報と
を含み、
前記b)の工程が、
b−1)前記第1の情報と前記第4の情報に前記第3の情報の前記電流値を適用し、当該電流値における前記第1の情報の前記電圧と前記第4の情報の前記電圧降下との差を、前記逆起電力として算出する工程と、
b−2)前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記第1の情報における前記電圧と、前記第4の情報の前記電圧降下とが一致する電流を、前記初期電流とし、当該初期電流を前記第2の情報に適用して、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの電流と回転数との関係を求める工程と、
b−3)前記b−2)の工程で求めた結果に前記第3の情報の前記電流値を適用し、前記バッテリがほぼ劣化していない場合の前記スタータの前記回転数を求める工程と、
b−4)前記b−3)の工程で求められた前記回転数と、前記第5の情報の前記エンジン始動可能回転数との比を演算するとともに、当該比と前記b−1)の工程で求めた前記逆起電力とに基づいて、劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係を求める工程と、
b−5)前記b−4)の工程で求めた劣化の限界状態である前記バッテリの電流と電圧との関係と、前記第4の情報とに基づいて、前記エンジン始動可能電圧閾値を決定する工程と
を備えるバッテリ状態管理方法。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれかに記載のバッテリ状態管理方法であって、
c)前記b)の工程の後に、前記エンジン始動可能電圧閾値に基づいて、前記バッテリの劣化判定を行う工程をさらに備えるバッテリ状態管理方法。
【請求項12】
請求項9または請求項10に記載のバッテリ状態管理方法であって、
前記第4の情報が、前記スタータ及びその配線に使用されている金属の種類及び/または温度依存性に基づいて補正されることを特徴とするバッテリ状態管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−89014(P2006−89014A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360991(P2004−360991)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】