説明

バッファ装置および情報処理装置

【課題】複合機等とPCとの間に接続された状態で、プリンタバッファとしての機能に加えて、複合機等における各種情報処理(スキャナ処理、ファクス処理等)の途中でのメモリ不足の際のメモリとしても用いることができるバッファ装置を提供する。
【解決手段】PC2と複合機4との間にプリンタバッファ3を接続する。PC2から送信された印刷データをプリンタバッファ3で一時記憶してPC2を印刷作業から迅速に開放して、複合機4での印刷処理の進行にともなってプリンタバッファ3から複合機4に印刷データを送信する。それとともに、複合機4での各種情報処理(画像処理、スキャナ処理、FAX処理等)においてメモリ不足が発生したら、記憶しきれない情報をプリンタバッファ3に送信して一時記憶させて、その後に複合機4に返信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッファ装置および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、通信ネットワーク等においては各種のバッファ装置を配置する場合がある。例えばプリントバッファ(プリンタバッファ)は、パーソナルコンピュータ(PC)と印刷機との間に配置されて、PCから送信された印刷データを取り込むことによって、PCを印刷処理から迅速に開放して、他の作業に使用できるようにする。
【0003】
例えば下記特許文献1には、コンピュータから入力されるプリントデータをダイレクトメモリアクセスにより蓄積するとともにそのデータに含まれる制御コマンドを処理するプリントバッファが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−149001号公報
【特許文献2】特開2002−77501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、スキャナ機能やファックス機能等の各種機能を有する画像処理装置や複合機においては、メモリ不足になる可能性がある。実際安価な装置の場合には、画像処理装置内に存在する記憶領域のサイズも小さく、高解像度の画像を複数読み込んだ場合には記憶領域不足となり読み込みが中断されてしまうことがある。場合によってはそれまでに読み込んだ画像情報はすべて破棄され、再度原稿を最初から読み直す必要がある。
【0006】
この可能性を回避するために例えば上記特許文献2では、スキャナで画像読取中に複合機の残りメモリが少なくなるとホストPCのメモリを使用して処理を続行する技術が開示されている。プリントバッファをPCと複合機との間に接続して使用する場合、このプリントバッファを利用してメモリ不足の解消を図ることが考えられるが、従来技術にはそのような提案はない。
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、複合機等とPCとの間に接続された状態で、プリンタバッファとしての機能に加えて、複合機等における各種情報処理(スキャナ処理、ファクス処理等)の途中でのメモリ不足の際のメモリとしても用いることができるバッファ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明に係るバッファ装置は、第1の情報処理装置に装備された接続部に接続するための第1の接続部と、第2の情報処理装置に装備された接続部に接続するための第2の接続部と、情報を記憶する記憶部と、前記第1の情報処理装置から送信された印刷データを前記第1の接続部を経由して受信し、前記記憶部で一時記憶したうえで、前記第2の情報処理装置における印刷処理の進行に応じて、前記第2の接続部を経由して前記第2の情報処理装置へ送信する第1の処理手段と、前記第2の情報処理装置において情報処理における記憶容量不足が発生した場合に、前記第2の情報処理装置内に記憶できない情報を前記第2の接続部を経由して受信し、前記記憶部で一時記憶したうえで、前記第2の情報処理装置における情報処理の進行に応じて、前記第2の接続部を経由して前記第2の情報処理装置へ返信する第2の処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
これにより本発明に係るバッファ装置では、第1の情報処理装置(以下、第1の装置)から送信された印刷データを一時記憶した後に第2の情報処理装置(以下、第2の装置)に送信するプリンタバッファとしての機能のみでなく、第2の装置から一旦情報を受け取って一時記憶して再度返信する機能も有する。したがって、通常のプリンタバッファの機能に加えて、第2の装置のメモリ不足にも対応できる多機能なバッファ装置が実現できる。
【0010】
また前記第1の処理手段による処理において前記記憶部に印刷データを記憶する容量と、前記第2の処理手段による処理において前記記憶部に情報を記憶する容量と、の比率を設定する設定手段を備えたとしてもよい。
【0011】
これによりプリンタバッファとしての一時記憶の容量と、第2の装置からの情報の一時記憶の容量との比率を設定する手段を備えるので、柔軟に容量の比率を設定して、限られた記憶容量を有効に利用して、効果的に上記2つの機能を果すことができる。
【0012】
また前記第1の情報処理装置から前記記憶部の使用状況の送信要求を受け付けた場合に前記第1の情報処理装置に前記記憶部の使用状況を返信する返信手段を備えたとしてもよい。
【0013】
これにより第1の装置の側からバッファ装置の記憶部の使用状況の情報を取得することができるので、内部の状況を見ることができる信頼性の高いバッファ装置が実現できる。
【0014】
また前記第2の情報処理装置から保存指令を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶された情報を保存する保存手段を備えたとしてもよい。
【0015】
これにより記憶部の情報を保存することにより、信頼性の高いバッファ装置が実現できる。
【0016】
また前記第1の接続部および第2の接続部はUSB接続部であるとしてもよい。
【0017】
これによりUSB接続の利便性を有効に活用しつつ、上記2つのバッファ機能を達成するバッファ装置が実現できる。
【0018】
また外部記憶部を装着する装着部と、前記記憶部に記憶された情報を前記装着部に装着された前記外部記憶部に格納する格納手段と、を備えたとしてもよい。
【0019】
これによりバッファ装置に外部記憶部を装着することができるようにして、バッファ装置の記憶容量を外部記憶部の記憶容量で補うことによって、上記2つの機能のために多くの記憶容量を必要とする場合にも上記2つのバッファ機能を確実に達成するバッファ装置が実現できる。
【0020】
また上記のバッファ装置に対して前記第2の接続部を介してUSB接続される前記第2の情報処理装置として用いられる情報処理装置は、前記バッファ装置における前記第2の処理手段に対して前記第2の情報処理装置内に記憶できない情報を送信し、その情報を前記第2の処理手段から受信する送受信手段を備えたとしてもよい。
【0021】
これにより上記のとおり2つの機能を有するバッファ装置とUSB接続されて、情報処理の際にバッファ装置に対してメモリフルで記憶できない情報をバッファ装置に対して送信して、そこで一時記憶させた後に返信する手段を備えた情報処理装置が実現できる。つまり上記バッファ装置を利用して情報処理におけるメモリ不足に対処する機能が、利便性の高いUSB接続によって実現できる情報処理装置が構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態におけるバッファ装置を含む情報処理システムの構成図。
【図2】コピー処理の処理手順を示すフローチャート。
【図3】FAX送信処理の処理手順を示すフローチャート。
【図4】FAX受信処理の処理手順を示すフローチャート。
【図5】印刷処理の処理手順を示すフローチャート。
【図6】メモリ使用比率設定処理の処理手順を示すフローチャート。
【図7】バッファ情報送信処理の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明の1実施形態における情報処理システム1の構成図である。図1に示されているように、情報処理システム1は、パーソナルコンピュータ2(PC)、プリンタバッファ3、複合機4を備える。
【0024】
PC2は、CPU200、RAM201、ROM202、USBポート203、入力部204、表示部205を備える。CPU200は印刷開始の指令などの各種指令や情報処理を行う。RAM201はCPU200の作業領域として機能し、各種情報を記憶する。ROM202はCPU200の各種情報処理で用いられるプログラム等を記憶する。
【0025】
USBポート203は、後述するプリンタバッファ3との接続のために備えられている。入力部204は、各種操作キーやスイッチなどからなり、印刷開始などのユーザによる指令入力を含む入力を受け付ける。表示部205は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などからなり、ユーザに向けて各種情報を表示する。
【0026】
プリンタバッファ3は、バッファメモリ300、USBI/F回路301、USBI/F回路302、CPU303、RAM304、ROM305、スロット306を備える。バッファメモリ300は後述するようにPC2や複合機4から送信された情報を一時記憶する。USBI/F回路301、USBI/F回路302はそれぞれPC2、複合機4との接続のために用いられる。
【0027】
CPU303はバッファメモリ300への記憶(格納)指令などの各種指令や情報処理を行う。RAM304はCPU303の作業領域として機能し、各種情報を記憶する。ROM305はCPU303の各種情報処理で用いられるプログラム等を記憶する。スロット306は外部記憶メディア307を脱着可能に装着するために装備されている。
【0028】
複合機4は、CPU401、RAM402、ROM403、EEPROM404、USBポート405、入力部406、表示部407、スキャナ部408、スキャナバッファ409、プリンタ部410、印字バッファ411、FAX部412、FAXバッファ413、ネットワークインターフェイス(I/F)414を備える。
【0029】
CPU401は画像処理の指令などの各種指令や情報処理を行う。RAM402はCPU401の作業領域として機能し、各種情報を記憶する。ROM403はCPU401の各種情報処理で用いられるプログラムを記憶する。EEPROM404は、書き換え可能メモリとして例えばFAX機能における通話相手の電話番号などの情報を記憶する。
【0030】
USBポート405は、プリンタバッファ3との接続のために備えられている。入力部406は、各種操作キーやスイッチなどからなり、コピー開始などのユーザによる指令入力を含む入力を受け付ける。表示部407は、例えばLCDなどからなり、ユーザに向けて各種情報を表示する。
【0031】
スキャナ部408は、例えば自動給紙装置(ADF:Automatic Document Feeder)を用いる方式や、あるいはコンタクトガラス上に原稿を載置するフラットベッド方式により、原稿を給紙し、その表面から読取モジュールによって画像を読み取る。読み取った画像を記憶させるメモリとして、スキャナバッファ409を配置する。
【0032】
プリンタ部410は、印刷すべき画像データ等を受け取って、装備されたインクカートリッジから供給されるインクを印字ヘッドを用いて印刷用紙表面に定着させることにより印刷処理を行う。印刷すべきデータの一時記憶のために印字バッファ411を装備する。
【0033】
FAX部412は、FAX回線10に接続されており、FAX回線10を通じて他のFAX装置11との間でFAX送信、受信を実行する。FAX送受信の際のFAXデータの一時記憶のためにFAXバッファ413を装備する。
【0034】
スキャナバッファ409、印字バッファ411、FAXバッファ413は例えばRAM402上の所定領域に形成されているとしてもよい。ネットワークインターフェイス(I/F)414は、通信ネットワーク12と接続されて、同ネットワークを通じて他の情報処理装置13との間で各種情報の送受信を行う。
【0035】
PC2のUSBポート203とプリンタバッファ3のUSBI/F回路301とはUSBケーブル500で接続されている。また複合機4のUSBポート405とプリンタバッファ3のUSBI/F回路302とはUSBケーブル501で接続されている。
【0036】
上記のとおりPC2とプリンタバッファ3との間、プリンタバッファ3と複合機4との間はUSB接続が採用されているが、これはパラレル接続、シリアル接続など、他の接続方法でもよい。図1のシステムではUSB接続が用いられているので、いわゆるプラグアンドプレイ機能が実行できる。
【0037】
すなわち、PC2とプリンタバッファ3との間、プリンタバッファ3と複合機4との間のUSB接続をプラグインすることにより、USBクライアント機器であるプリンタバッファ3、複合機4の製造元ID、製品ID、シリアルナンバ等がPC2に送信され、PC2では必要なドライバを自動で探してインストールする。
【0038】
情報処理システム1では、以上の装置構成のもとで、複写(コピー)処理、画像処理、FAX送受信処理、印刷処理等を実行する。その処理手順が図2から5に示されている。
【0039】
まず図2にはコピー処理の場合の処理手順が示されている。図2では図示左側にプリンタバッファ3側の処理が、図示右側に複合機4側の処理が示されている。図2、及び後述の図3から5の処理はプログラム化されて例えばROM202、305、403に記憶しておけばよい。そして、それらのプログラムを呼び出して、ユーザによる操作以外は、プリンタバッファ3側の処理はCPU303により、複合機4側の処理はCPU401により、PC2側の処理はCPU200により自動的に処理されるとすればよい。
【0040】
図2の処理ではまず手順S110で、複合機4に対してユーザからコピー指令がなされたとする。これは入力部406を用いてなされるとすればよい。次にS120で、複合機4はスキャナ部408によるスキャン処理を実行(開始)する。
【0041】
次にS130で、複合機4のスキャナバッファ409がメモリフル(空き容量不足)となったか否かを判定する。メモリフルの場合(S130:YES)はS140に進み、メモリフルでない場合(S130:NO)はメモリフルになるまでS130を繰り返す。S140に進んだらスキャナバッファ409に空き容量がないので、その時点以降に新たにスキャナ処理により得られた画像データをプリンタバッファ3に送る。
【0042】
プリンタバッファ3では手順S10でその画像データを順次受信する。そしてプリンタバッファ3は、S20でその画像データをバッファメモリ300に順次記憶していく。
【0043】
複合機4側では、S140以降(あるいはS120以降)、スキャナバッファ409に一旦記憶された画像データに対して順次画像処理を施す。画像処理は、例えばCPU401、RAM402、ROM403を画像処理部として、ROM403に格納されていた画像処理用のプログラムを起動して、CPU401がRAM402に画像データを展開して実行するとすればよい。具体的な画像処理の内容としては、例えば明暗補正、色補正などとすればよい。画像処理は、例えば所定量の画像データがスキャナバッファ409に溜まったごとに、画像データをRAM402に移して行えばよい。
【0044】
複合機4では、画像処理の進行によりスキャナバッファ409に空きができたら、S145でプリンタバッファ3側に画像データの送信要求を送信する。プリンタバッファ3は、S25でそれを受信して、続くS30でバッファメモリ300に格納してある画像データを複合機4へ返送する。
【0045】
複合機4はS150でプリンタバッファ3から返送された画像データを受信する。受信した画像データはスキャナバッファ409に格納すればよい。そして画像処理の進行にともなって、順次スキャナバッファ409内の画像データを画像処理部に転送してS160で画像処理を実行すればよい。
【0046】
そしてS170で、画像処理が終了した画像データは印字バッファ411に送られてプリンタ部410で印刷処理を実行する。以上が図2の処理である。
【0047】
次に図3を説明する。図3にはFAX送信における処理手順が示されている。図3は図2におけるS110、S170をそれぞれS115、S175に置き換えている。以下で図2と異なる部分を説明する。
【0048】
図3の処理では、複合機4はユーザからS115においてFAX送信指令を受け取る。それによりS120以降のスキャナ処理等が実行される。そして図2の処理と同様に、スキャナ処理で読み込んだ画像データがFAXバッファ413に入りきらなくなったら(S130:NO)、プリンタバッファ3に送信する(S140)。
【0049】
そして、後段の処理が進行することによりFAXバッファ413に空き容量ができたら、プリンタバッファ3から画像データを返信させる(S145、S150)。そして画像処理を施した後に、S175でFAX送信する。FAX送信された画像データはFAX回線10を経由して他のFAX装置11に送信される。
【0050】
次に図4を説明する。図4にはFAX受信における処理手順が示されている。図4は図2におけるS110、S120をS125に置き換えている。以下で図2と異なる部分を説明する。
【0051】
図4の処理では、図2の処理においてスキャナ部408によりスキャナ処理を行う部分が、FAX部412によりFAX受信する処理に変更される。したがって複合機4では、手順S125でFAX受信を開始した後に、S130でFAXバッファ413が空き容量不足になったかどうかを判定し、空き容量不足になったら(S130:YES)プリンタバッファ3に受信したFAXデータを順次送信する。
【0052】
そして後段の処理の進行によって複合機4のFAXバッファ413に空きができたら、プリンタバッファ3からFAXデータを返信させる(S145、S150)。そして画像処理を施した後に、S170でFAXデータを印刷する。
【0053】
次に図5を説明する。図5には、図2から図4に示された機能とは異なるプリンタバッファ3の通常の機能が示されている。
【0054】
図5の処理ではまず、PC2が手順S200でユーザから印刷指令を受け取る。この指令は例えば入力部204により行われるとすればよい。この指令を受けてPC2は、S210で、例えばRAM201内の画像データや書類データ等を印刷用データとしてUSBポート203を介してプリンタバッファ3へ送信する。
【0055】
プリンタバッファ3は、S300でその印刷用データをUSBI/F回路301を介して受信する。そしてS310で印刷用データをバッファメモリ300に記憶する。
【0056】
複合機4では、プリンタ部410における印字バッファ411に空き容量ができた度ごとに、S400でプリンタバッファ3へ印刷用データの送信要求を送信する。この送信要求には、プリンタバッファ3における現時点での空き容量の情報等を含めればよい。
【0057】
プリンタバッファ3は、この送信要求をS315で受信したら、S320で、印刷用データを、プリンタバッファ3における現時点での空き容量に応じた容量だけ複合機4へ向けて送信する。複合機4では、この印刷用データをS410で受信し、S420で印刷処理を実行する。
【0058】
情報処理システム1においては、以上に述べた図2から図5の処理を同時並行的に実行することができる。その場合に、単一のプリンタバッファ3を複数の処理で共有することなるので、それぞれの処理に対してバッファメモリ300の記憶容量をどれだけ割り振るかを設定する必要がある。図6は、その設定処理を示している。
【0059】
図6の処理は、プリンタバッファ3のCPU303により自動的に実行するとすればよい。具体的に図6の処理では、プリンタバッファ3は、S500において複数の処理が現在並行処理中であるか否かを判断する。そして並行処理中であれば(S500:YES)、S510に進み、並行処理中でなければ(S500:NO)、S500を繰り返す。
【0060】
プリンタバッファ3は、S510でバッファメモリ300におけるメモリ使用比率を設定する。例えばメモリ設定比率は予め定めておいてROM305などに記憶しておき、S510ではそれを呼び出すとすればよい。メモリ設定比率は、複数の処理に対して平等に割り振る、つまり例えば2つの処理に対して2分の1ずつバッファメモリ300の容量を割り振る、3つの処理に対して3分の1ずつバッファメモリ300の容量を割り振る、等のようにn個の処理に対してn分の1ずつバッファメモリ300の容量を割り振るとしてもよい。
【0061】
あるいは、予め処理の優先順位を定めておいて、優先順位が高い処理ほど多くの容量が割り振られるように設定してもよい。またメモリ設定比率はユーザがPC2あるいは複合機4から入力部204、406を用いて設定できるとしてもよい。ユーザによるその設定内容をプリンタバッファ3で記憶しておき(例えばROM305がEEPROMを含むとして、そこに記憶する)、S510で、それを呼び出すとしてもよい。これにより限られたバッファメモリ300の容量を適切に割り振って、有効に利用して、図2から図5の複数の処理を確実に並列処理できる。
【0062】
次に図7を説明する。本実施例では、PC2あるいは複合機4の側からプリンタバッファ33の使用状況の時々刻々の情報(バッファ情報)を取得、閲覧することができるとしてもよい。その処理が図7に示されている。図7の処理は、プリンタバッファ3のCPU303により自動的に実行するとすればよい。
【0063】
具体的には、プリンタバッファ3が、PC2あるいは複合機4から送信されたバッファ情報の送信要求をS600で受信したとする。そのときプリンタバッファ3は続くS610でバッファ情報を、PC2あるいは複合機4(送信要求を送信した側)に返信する。この返信は時々刻々実行するとすればよい。
【0064】
送信内容は、例えば現時点におけるバッファメモリ300の使用容量、空き容量などとする。そして、その内容を表示部205、あるいは表示部407に、例えば数値的に、あるいはグラフ表示などで表示、図示すればよい。
【0065】
なお上記の処理において、スロット306に挿入された外部記憶メディア307も用いるとしてもよい。すなわちバッファメモリ300に記憶する部分を、バッファメモリ300だけでなく外部記憶メディア307にも記憶するように変更する。これにより、より大容量のデータ(サイズが大きな画像データなど)が一時記憶できるので、確実に図2から図5の処理を並列処理できる。
【0066】
なお上記実施例は本発明の主旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。図2から図4では、コピー処理、FAX送受信処理の場合を示したが、本発明はこれに限定されず、複合機4単体の処理でメモリ不足が発生する場合全てを対象とすることができる。したがって例えばS160の画像処理においてメモリ不足が発生したときに、記憶しきれない画像データをプリンタバッファ3で一時記憶して返送させてもよい。また画像読取処理(スキャニング処理)のみの場合にメモリ不足が発生したら、プリンタバッファ3で一時記憶して返送させてもよい。
【0067】
また図2から図4の処理で最終的に得られたデータを通信ネットワーク12を通じて他の情報処理装置13に送信してもよい。なおバッファメモリ300内に記憶された情報をPC2側、あるいは複合機4側からの指令で保存できるとしてもよい。保存先は、例えばROM305(あるいは上述のEEPROM)などとすればよい。
【0068】
例えばPC2、複合機4は、各種情報処理を行う情報処理装置であればよい。PC2、複合機4は、各種の画像処理装置、周辺機器、プリンタ専用機、FAX専用機、スキャナ専用機等に変更してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理システム
2 パーソナルコンピュータ(PC、第1の情報処理装置)
3 プリンタバッファ(バッファ装置)
4 複合機(第2の情報処理装置)
300 バッファメモリ(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理装置に装備された接続部に接続するための第1の接続部と、
第2の情報処理装置に装備された接続部に接続するための第2の接続部と、
情報を記憶する記憶部と、
前記第1の情報処理装置から送信された印刷データを前記第1の接続部を経由して受信し、前記記憶部で一時記憶したうえで、前記第2の情報処理装置における印刷処理の進行に応じて、前記第2の接続部を経由して前記第2の情報処理装置へ送信する第1の処理手段と、
前記第2の情報処理装置において情報処理における記憶容量不足が発生した場合に、前記第2の情報処理装置内に記憶できない情報を前記第2の接続部を経由して受信し、前記記憶部で一時記憶したうえで、前記第2の情報処理装置における情報処理の進行に応じて、前記第2の接続部を経由して前記第2の情報処理装置へ返信する第2の処理手段と、
を備えたことを特徴とするバッファ装置。
【請求項2】
前記第1の処理手段による処理において前記記憶部に印刷データを記憶する容量と、前記第2の処理手段による処理において前記記憶部に情報を記憶する容量と、の比率を設定する設定手段を備えた請求項1に記載のバッファ装置。
【請求項3】
前記第1の情報処理装置から前記記憶部の使用状況の送信要求を受け付けた場合に前記第1の情報処理装置に前記記憶部の使用状況を返信する返信手段を備えた請求項1又は2に記載のバッファ装置。
【請求項4】
前記第2の情報処理装置から保存指令を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶された情報を保存する保存手段を備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバッファ装置。
【請求項5】
前記第1の接続部および第2の接続部はUSB接続部である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバッファ装置。
【請求項6】
外部記憶部を装着する装着部と、
前記記憶部に記憶された情報を前記装着部に装着された前記外部記憶部に格納する格納手段と、
を備えた請求項1乃至5のいずれか1項に記載のバッファ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載されたバッファ装置に対して前記第2の接続部を介してUSB接続される前記第2の情報処理装置として用いられて、
前記バッファ装置における前記第2の処理手段に対して前記第2の情報処理装置内に記憶できない情報を送信し、その情報を前記第2の処理手段から受信する送受信手段を備えた情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−188362(P2011−188362A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53312(P2010−53312)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】