説明

バリケード構成体及びバリケード

【課題】折り畳んだ状態で、持ち運びやすく、かつ、収納時に嵩張ることがないバリケード構成体及びバリケードを提供すること。
【解決手段】中空のガードバー2と、ガードバー2を支持する支持体3とを備え、支持体3をガードバー2の端部2aの開口からガードバー2内に収納可能に構成するとともに、支持体3をガードバー2の端部2aの開口から引き出し、支持体3の基端部30をガードバー2の端部2aに位置させた状態で、支持体3の基端部30に揺動可能に接続された支持体3の本体部31をガードバー2に対して折曲させ、かつ、支持体3の本体部31を構成する脚部32、32を開脚して接地状態となるようする。
そして、バリケード1は、上記バリケード構成体10を複数台、バリケード構成体10のガードバー2、2同士を接続部材4を介して接続することにより、一体化して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリケード構成体及びバリケードに関し、特に、道路・建設工事現場や祭事等を行う際の立入禁止区域等を区画分けする際に用いて、安全を確保するためのバリケード構成体及びこのバリケード構成体を複数台接続することにより一体化して構成するバリケードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路・建設工事現場や祭事等を行う際の立入禁止区域等を区画分けする際に用いて、安全を確保するためのバリケードとして、ガードバーと、円錐状の支持体とから構成し、ガードバーの両端部に形成した取付孔を円錐状の支持体の頂部に嵌め込んで、ガードバーを架け渡すようにして略水平に支持し、区画する箇所に設置されるバリケードが汎用されている。
このバリケードは、ガードバーを支持体から取り外すことにより、容易に運搬することができるものの、運搬時に円錐状の支持体が嵩張るという問題があるとともに、設置時に支持体をガードバーの長さに合わせて位置合わせしながら配置する必要があり、また、設置後にガードバーが支持体から容易に外れてしまうという問題があった。
【0003】
係る問題に対処するために、ガードバーと支持体とを揺動可能に連結した折り畳み式のバリケードが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この折り畳み式のバリケードは、ガードバーの両端部に支持体の基端部を揺動可能に取り付け、支持体を、ガードバーに沿った状態からガードバーに対して直交する状態に揺動するように構成するとともに、支持体の先端部に接地脚の中心部を揺動可能に取り付けて、支持体をガードバーに直交させた状態で、接地脚を支持体に直交させて地面に設置し、ガードバーを支持体の高さ位置で水平に支持するようにしている。
そして、収納時や運搬時には、接地脚を支持体と沿うように折り畳むとともに、支持体をガードバーに沿った状態に折り畳むようにしている。
【0005】
ところで、この折り畳み式のバリケードを折り畳んだ状態では、ガードバーに支持体と接地脚が沿った状態となり、持ち運びにくく、また、収納時に嵩張るという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−18248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来のバリケードの有する問題点に鑑み、折り畳んだ状態で、持ち運びやすく、かつ、収納時に嵩張ることのないバリケード構成体及びバリケードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のバリケード構成体は、中空のガードバーと、該ガードバーの支持体とを備えたバリケード構成体であって、支持体をガードバーの端部開口からガードバー内に収納可能に構成するとともに、支持体をガードバーの端部開口から引き出し、支持体の基端部をガードバーの端部に位置させた状態で、支持体の基端部に揺動可能に接続された支持体の本体部をガードバーに対して折曲させ、かつ、支持体の本体部を構成する脚部を開脚して接地状態となるようにしたことを特徴とする。
【0009】
この場合において、ガードバーの端部開口を絞って、支持体の基端部をガードバーの端部開口から引き出せないように、かつ、脚部の先端に形成した接地部をガードバーの端部開口からガードバー内に入り込まないようにすることができる。
【0010】
また、ガードバーに、バリケード付帯設備を巻き取り可能に装着することができる。
【0011】
また、ガードバーの一方の側に支持体を備えることができる。
【0012】
また、ガードバーの両側に支持体を備えることができる。
【0013】
また、同じ目的を達成するため、本発明のバリケードは、前記バリケード構成体を複数台、該バリケード構成体のガードバー同士を接続部材を介して接続することにより、一体化してバリケードを構成するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、この場合において、接続部材を、ガードバーの外側を抱持するように構成するとともに、該接続部材に道路付帯設備の装着部を形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバリケード構成体及びバリケードによれば、中空のガードバーと、該ガードバーの支持体とを備えたバリケード構成体であって、支持体をガードバーの端部開口からガードバー内に収納可能に構成するとともに、支持体をガードバーの端部開口から引き出し、支持体の基端部をガードバーの端部に位置させた状態で、支持体の基端部に揺動可能に接続された支持体の本体部をガードバーに対して折曲させ、かつ、支持体の本体部を構成する脚部を開脚して接地状態となるようにしたことにより、運搬時や倉庫への収納時に、支持体の基端部に揺動可能に接続された本体部を構成する脚部が、中空のガードバーの内部に収納され、持ち運びやすい太さで、かつ、収納時に嵩張ることのないバリケード構成体を提供することができる。
また、このバリケード構成体を複数台、該バリケード構成体のガードバー同士を接続部材を介して接続して一体化することにより、バリケードを構成するようにしたから、バリケード構成体を順次接続していくことによって、設置時に支持体の位置合わせをすることなく、現場で所望の長さのバリケードを設置することができる。
【0016】
また、ガードバーの端部開口を絞って、支持体の基端部をガードバーの端部開口から引き出せないように、かつ、脚部の先端に形成した接地部をガードバーの端部開口からガードバー内に入り込まないようにすることにより、支持体が運搬中にガードバーから抜け落ちることがなく、また、脚部の先端に形成した接地部を掴んで、容易に支持体をガードバーから引き出すことができる。
【0017】
また、ガードバーに、バリケード付帯設備を巻き取り可能に装着することにより、バリケード付帯設備、例えば、注意喚起の文字や図柄等を表示した表示幕等を別に用意して、バリケード構成体に取り付けることなく、支持体をガードバーから引き出し、バリケードとして現場に設置した後、巻回した表示幕等のバリケード付帯設備を引き延ばすことで、その表示を可能とすることができる。
【0018】
また、ガードバーの一方の側に支持体を備えることにより、ガードバーの長さを支持体の長さと同程度して、小型軽量化を図ることができる。
【0019】
また、ガードバーの両側に支持体を備えることにより、1台のバリケード構成体でバリケードを構成することができる。
【0020】
また、バリケード構成体を接続する接続部材を、ガードバーの外側を抱持するように構成するとともに、該接続部材に道路付帯設備の装着部を形成することにより、例えば、点滅灯や表示板等の道路付帯設備を簡単にバリケードに装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のバリケード構成体及びバリケードの第1実施例の斜視図で、(a)は支持体をガードバーの内部から引き出し、本体部をガードバーに対して略90度揺動させた状態を、(b)はガードバーの端部に接続部材を取り付けた状態を、(c)は接続部材を介して、2台のバリケード構成体を接続するとともに、接続部材に道路付帯設備を装着した状態を示す。
【図2】このバリケード構成体からバリケードを構成する手順を説明する斜視図で、(a)は、支持体をガードバーの内部から引き出す前の状態を、(b)は支持体をガードバーの内部から引き出した状態を示す。
【図3】図2に続く説明図で、(a)は支持体の本体部をガードバーに対して略90度揺動させた状態を、(b)は本体部を構成する脚部を開脚させた状態を示す。
【図4】図3に続く説明図で、接続部材を介して、2台のバリケード構成体を接続するとともに、接続部材に道路付帯設備を装着した状態のバリケードを示す。
【図5】本発明のバリケード構成体の第2実施例を示す斜視図である。
【図6】同バリケード構成体の別の構成例を示す斜視図である。
【図7】本発明のバリケード構成体の第3実施例を示し、(a)は側面図、(b)は(a)の一部切り欠きのX−X断面図、(c)は傾倒防止部材の一部切り欠き断面の正面図である。
【図8】傾倒防止部材を取付部材に取り付けた状態を示す説明図で、(a)は一部切り欠きの正面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のバリケード構成体及びバリケードの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0023】
図1〜図4に、本発明のバリケード構成体及びバリケードの第1実施例を示す。
このバリケード構成体10は、中空のガードバー2と、ガードバー2を支持する支持体3とを備え、支持体3をガードバー2の端部2aの開口からガードバー2内に収納可能に構成するとともに、支持体3をガードバー2の端部2aの開口から引き出し、支持体3の基端部30をガードバー2の端部2aに位置させた状態で、支持体3の基端部30に揺動可能に接続された支持体3の本体部31をガードバー2に対して折曲させ、かつ、支持体3の本体部31を構成する脚部32、32を開脚して接地状態となるようにしている。
そして、本発明のバリケード1は、上記バリケード構成体10を複数台、バリケード構成体10のガードバー2、2同士を接続部材4を介して接続することにより、一体化して構成するようにしている。
このように接続することにより、設置時に支持体3の位置合わせをすることなく、現場で所望の長さのバリケード1を設置することができる
【0024】
中空のガードバー2は、内部に支持体3が収納可能な空間を有する形状であれば、その断面形状は、円形、多角形の何れであっても構わず、特に限定されるものではないが、本実施例においては、断面形状が円形の円筒形状を採用するようにしている。
【0025】
支持体3は、基端部30と本体部31とから構成され、さらに、本体部31は、脚部32を構成要素として包含する。
本体部31は、一端を、枢軸を介して基端部30に揺動可能に配設される揺動体33と、この揺動体33の他端に揺動可能に配設される脚部32、32で構成されている。
揺動体33は、ガードバー2に対して略90度揺動したところで、係止部材(図示省略)によって、係止され、所定以上の力を加えること無しに折曲した状態からガードバー2と平行な状態に戻らないように構成されている。
【0026】
また、脚部32、32の中間部に、基端35aが枢軸を介して揺動可能となるように取り付けられるとともに、先端35b、35b同士が枢軸を介して揺動可能となるように接続されて、リンク機構を構成するように脚部32、32を連結する規制体35を配設するようにしている。
これによって、脚部32、32の開脚の角度が規制される。
【0027】
ガードバー2は、ガードバー2の端部2aの開口を絞って、支持体3の基端部30をガードバー2の端部2aの開口から引き出せないようにして、支持体3が運搬中にガードバー2から抜け落ちることがないように構成されている。
また、脚部32の先端に形成した接地部32aをガードバー2の端部2aの開口からガードバー2内に入り込まないように、具体的には、接地部32aを脚部32の外径よりもより太くして、脚部32、32を閉脚して揃えたときに、脚部32の揃えた部分がガードバー2の端部2aの開口よりも太くなるようしたり、ガードバー2の内部に収納されている基端部30の移動を制限する(例えば、ガードバー2の長さよりも収納する支持体3の長さを長くして、脚部32がガードバー2の端部2aから突出するように構成する)ようにしたりすることによって、ガードバー2内に入り込まないようにして、脚部32の先端に形成した接地部32aを掴んで、容易に支持体3をガードバー2から引き出すことができるように構成している。
【0028】
支持体3は、ガードバー2の一方の側にのみ備えることも両側に備えることもできる。
ガードバー2の一方の側にのみ支持体3を備えることにより、ガードバー2の長さを支持体3の長さと同程度して、小型軽量化を図ることができる。
また、ガードバー2の両側に支持体3を備えることにより、1台のバリケード構成体10で1基のバリケード1を構成することができる。
【0029】
本発明のバリケード構成体10からバリケード1を構成するために、バリケード構成体のガードバー同士を接続する接続部材4は、バリケード構成体10のガードバー2の端部同士を接続することができるものであれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、ガードバー2の外側を抱持するように構成するとともに、この接続部材4に道路付帯設備5を装着する装着部40を形成するようにしている。
【0030】
接続部材4は、ガードバー2の端部2aのうち、支持体3が備えられていない側同士を接続して、図4に示すように、2台のバリケード構成体10によって、1基のバリケード1を構成する他、ガードバー2の端部2aのうち、支持体3が備えられていない側と、支持体3が備えられている側とを接続し、3台以上のバリケード構成体10を接続して1基のバリケード構成することもできる。
支持体3が備えられていない側と、支持体3が備えられている側とを接続する場合、円筒状の接続部材4の一方の端部から中心に向かって、支持体3が干渉することなくガードバー2の外側を抱持することができるように、切欠部分(図示省略)を形成するようにしている。
また、接続部材4によって、ガードバー2同士を接続した後、ネジ等からなる押圧部材41を用いて、接続部材4の外周面からガードバー2の端部を押圧して固定するように構成することが好ましい。
【0031】
道路付帯設備5は、点滅灯や表示板等、バリケード1で区画する工事現場等の存在を通行人に対して注意喚起する設備や迂回経路の案内表示等、特に限定されるものではないが、本実施例においては、点滅灯を用いている。
【0032】
また、装着部40は、道路付帯設備5を装着することができる構造であれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、図1に示すように、外側に突出する溝部40aを形成した筒状に構成するようにしている。
そして、道路付帯設備5の円柱状で外周面に突状部50aを形成した取付部50を装着部40に挿入して装着するようにしている。
【0033】
道路付帯設備5の円柱状の取付部50は、装着部40の内径よりも若干小径となる差込部分51と、装着部40の内径よりも大径で、装着部40の上面に載置される載置部分52とから構成する。
そして、取り付けの際には、突状部50aを溝部40aに合わせながら装着部40に差込部分51を挿入し、突状部50aが装着部40を抜けたところで、道路付帯設備5を略90度回転させ、突状部50aを溝部40aの直下の位置からずらし、取付部50の載置部分52を装着部40の上面に載置させることによって、道路付帯設備5が容易に接続部材4の装着部40から脱落しないようにしている。
【0034】
次に、このバリケード構成体10からバリケード1を構成する手順を説明する。
なお、本説明においては、ガードバー2の一方の側に支持体3を備えたバリケード構成体10を2台、接続部材4によって接続してバリケード1を構成する例で説明する。
【0035】
まず、バリケード構成体10のガードバー2の端部2aから突出している支持体3の本体部31を構成する脚部32の先端に形成した接地部32aを掴んで、支持体3の本体部31をガードバー2の内部から引き出す(図2(a)〜図2(b)参照)。
【0036】
次に、ガードバー2の内部から引き出した、支持体3の基端部30に揺動可能に取り付けられている本体部31の揺動体33を揺動させ、本体部31をガードバー2に対して(ガードバー2に対して略90度揺動した位置まで)折曲させる(図3(a)参照)。
【0037】
そして、折曲させた本体部31の脚部32、32を、屈曲状態の規制体35、35が伸長状態となるまで開脚させる(図3(b)参照)。
【0038】
次に、支持体3が備えられていない側のガードバー2の端部同士を、接続部材4を介して接続する。
このとき、接続部材4の装着部40に、必要に応じて、道路付帯設備5を装着する(図4参照)。
【0039】
そして、脚部32の先端の接地部32aを地面に設置させ、支持体3でガードバーを略水平に支持するようにしてバリケード1を構成する。
【実施例2】
【0040】
図5〜図6に、本発明のバリケード構成体の第2実施例を示す。
このバリケード構成体10は、第1実施例と同様、中空のガードバー2と、ガードバー2を支持する支持体3とを備え、支持体3をガードバー2の端部2aの開口からガードバー2内に収納可能に構成するとともに、支持体3をガードバー2の端部2aの開口から引き出し、支持体3の基端部30をガードバー2の端部2aに位置させた状態で、支持体3の基端部30に揺動可能に接続された支持体3の本体部31をガードバー2に対して折曲させ、かつ、支持体3の本体部31を構成する脚部32、32を開脚して接地状態となるようにしている。
そして、ガードバー2に、バリケード付帯設備6を巻き取り可能に装着するようにしている。
【0041】
このバリケード付帯設備6は、例えば、注意喚起の文字や図柄等を表示した表示幕等で、これらを別に用意して、バリケード構成体10に取り付けることなく、支持体3をガードバー2から引き出し、バリケード1として現場に設置した後、巻回した表示幕等のバリケード付帯設備6を引き延ばすことで、その表示を可能とすることができる。
【0042】
このバリケード構成体10の支持体3は、第1実施例と同様に、基端部30と本体部31とから構成され、さらに、本体部31は、脚部32を構成要素として包含する。
そして、本体部31は、図5に示すように、第1実施例と同様、一端を、枢軸を介して基端部30に揺動可能に配設される揺動体33と、この揺動体33の他端に揺動可能に配設される脚部32、32で構成する他、図6に示すように、支持体3の基端部30に、枢軸を介して一端側が揺動可能に配設される胴部34Aと、この胴部34Aの他端側に枢軸を介して揺動可能に配設される脚部34B、34Bとから構成することもできる。
【0043】
この場合、脚部34B、34Bは、胴部34Aに沿った状態から、約90〜135度の範囲で揺動可能となるように配設し、例えば、100度揺動した位置で、胴部34Aの他端側の枢軸近傍に設けた係止部材(図示省略)によって揺動した脚部34B、34Bが停止するように構成されている。
【0044】
そして、このバリケード構成体10を複数台、バリケード構成体10のガードバー2同士を、接続部材4を介して接続することにより、第1実施例と同様に1基のバリケード1を構成することができる。
【0045】
なお、本実施例のその他の構成及び作用は、上記第1実施例と同様である。
【実施例3】
【0046】
図7〜図8に、本発明のバリケード構成体の第3実施例を示す。
このバリケード構成体10は、第1、第2実施例と同様、中空のガードバー2と、ガードバー2を支持する支持体3とを備え、支持体3をガードバー2の端部2aの開口からガードバー2内に収納可能に構成するとともに、支持体3をガードバー2の端部2aの開口から引き出し、支持体3の基端部30をガードバー2の端部2aに位置させた状態で、支持体3の基端部30に揺動可能に接続された支持体3の本体部31をガードバー2に対して折曲させ、かつ、支持体3の本体部31を構成する脚部32、32を開脚して接地状態となるようにしている。
そして、このバリケード構成体10は、支持体3をガードバー2の両側に備え、支持体3の脚部32、32の開脚角度を規制する規制体35、35の間に、ガードバー2と略同一長さの傾倒防止部材7を架け渡すようにしている。
【0047】
支持体3の脚部32、32は、本体部31の揺動体33が、ガードバー2に対して略90度揺動したところで、係止部材(図示省略)によって、係止され、所定以上の力を加えること無しに折曲した状態からガードバー2と平行な状態に戻らないように構成されているが、この傾倒防止部材7を規制体35、35の間に、架け渡すことによって、係止部材と共に、又は係止部材を備えることなく、揺動体33及び脚部32、32がガードバー2に対して略90度揺動した状態を確実に保持することができる。
【0048】
この傾倒防止部材7は、図7に示すように、規制体35に形成した係合孔35cに係合する棒状体を屈曲して形成した係合部材71、71を筒状体70の両端に配設するようにしている。
この係合部材71は、規制体35、35の間に、架け渡していない状態では、筒状体70内に配設した引っ張りバネ等の引き込み手段72によって、先端の屈曲部分以外は筒状体70の中に収納されている。
【0049】
そして、傾倒防止部材7を規制体35、35の間に、架け渡す際に、筒状体70から係合部材71を引き出し、係合孔35cに係合部材71を係合させる。
係合部材71は、引き込み手段72によって筒状体70内に向かって引っ張り力が付与されているため、一旦、係合孔35cに係合した後は、人手によって係合孔35cから抜き出す方向に力を加えない限り容易に外れることはない。
【0050】
また、この傾倒防止部材7は、図8に示すように、ガードバー2の外周面に嵌着される短尺の筒状体80とこの筒状体80から延設される端部を開放した弾性変形可能な嵌合環81からなる取付部材8の嵌合環81に筒状体70を嵌着して取り付けることができる。
これによって、簡単に傾倒防止部材7をバリケード構成体10と共に、持ち運んだり、保管・収納することができる。
【0051】
このように、傾倒防止部材7を、規制体35、35の間に、架け渡すことによって、揺動体33及び脚部32、32がガードバー2に対して略90度揺動した状態を確実に保持することができ、バリケード構成体10から構成したバリケード1を、道路・建設工事現場や祭事等を行う際の立入禁止区域等を区画分けする際に設置したとき、支持体3の脚部32、32が揺動してバリケード1が倒れることがない。
【0052】
なお、本実施例のその他の構成及び作用は、上記第1、第2実施例と同様である。
【0053】
以上、本発明のバリケード構成体及びバリケードについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のバリケード構成体及びバリケードは、折り畳んだ状態で、持ち運びやすく、かつ、収納時に嵩張ることがないという特性を有していることから、広く、道路・建設工事現場等に用いるバリケード構成体及びこのバリケード構成体を複数台接続することにより一体化して構成するバリケードとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 バリケード
10 バリケード構成体
2 ガードバー
3 支持体
30 基端部
31 本体部
32 脚部
32a 接地部
4 接続部材
40 装着部
5 道路付帯設備
6 バリケード付帯設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のガードバーと、該ガードバーの支持体とを備えたバリケード構成体であって、支持体をガードバーの端部開口からガードバー内に収納可能に構成するとともに、支持体をガードバーの端部開口から引き出し、支持体の基端部をガードバーの端部に位置させた状態で、支持体の基端部に揺動可能に接続された支持体の本体部をガードバーに対して折曲させ、かつ、支持体の本体部を構成する脚部を開脚して接地状態となるようにしたことを特徴とするバリケード構成体。
【請求項2】
ガードバーの端部開口を絞って、支持体の基端部をガードバーの端部開口から引き出せないように、かつ、脚部の先端に形成した接地部をガードバーの端部開口からガードバー内に入り込まないようにしたことを特徴とする請求項1記載のバリケード構成体。
【請求項3】
ガードバーに、バリケード付帯設備を巻き取り可能に装着したことを特徴とする請求項1又は2記載のバリケード構成体。
【請求項4】
ガードバーの一方の側に支持体を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のバリケード構成体。
【請求項5】
ガードバーの両側に支持体を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のバリケード構成体。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5記載のバリケード構成体を複数台、該バリケード構成体のガードバー同士を接続部材を介して接続することにより、一体化してなることを特徴とするバリケード。
【請求項7】
接続部材を、ガードバーの外側を抱持するように構成するとともに、該接続部材に道路付帯設備の装着部を形成したことを特徴とする請求項6記載のバリケード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−19140(P2013−19140A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152051(P2011−152051)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(596039110)株式会社エス・バイ・ケイ (3)
【出願人】(511080694)日美商事株式会社 (3)
【Fターム(参考)】