説明

バリスティック・マイクロニードル注入デバイス

【課題】皮膚表面の上部3mmに、インスリンまたは他の薬物を送ることができる注入セットを提供する。
【解決手段】注入セット100は、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送る深さに制御された速度でニードルを挿入することができる使い捨て挿入装置200と、この挿入装置が皮膚表面のテンティングの可能性無しにニードルを挿入することができるように挿入位置で皮膚表面を固定するための皮膚固定用接着層110、112とを有する。挿入されたニードルの位置は、通常の使用の間、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送るための深さにニードルが維持されるように、外力から挿入されたニードルを隔離することができる注入セットの分離された内側および外側ハブ104、102を提供することによって維持され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、2010年11月30日に出願された、コール・コンスタンティニュ(Cole Constantineau)らの、「Ballistic Microneedle Infusion Device」と題される、米国特許仮出願番号61/344,970に基づき、米国特許法119条(e)(35 U.S.C. 119(e))による優先権を主張し、前記出願の全内容は参照によってここに組み込まれる。
【0003】
本発明は、注入セットを所定の位置に保持するために接着剤を用いることによって挿入の正確な位置を確実にする、注入セット用の使い捨て挿入装置、および、所望の皮内深さへ制御された速度でニードルを挿入するように注入セットと解放可能なように結合されるバリスティック挿入装置を含む、注入セットに概して関する。
【背景技術】
【0004】
糖尿病のような健康状態に苦しむ人々を含む数多くの人々は、血糖値の精密制御を維持するように、日々インスリン注射のような、ある種の注入療法を用いる。日々の注入療法には2つの主要モードがある。第1モードは、注射器およびインスリンペンを含む。これらのデバイスは、使用することが簡単で、コストに関して相対的に低いが、それらは、各注射でニードルスティックを必要とし、典型的には1日につき3から4回必要とする。第2モードは、注入ポンプ療法を含み、それは約3年間長持ちするインスリンポンプの購入を伴う。ポンプの初期コストは特筆すべきことであるが、ユーザの観点から、圧倒的な数の患者がポンプを用いていて、彼らの今後の人生ずっとポンプが残ることを好む。これは、注射器やペンよりもより複雑であるけれども、注入ポンプは、インスリンの持続的な注入、正確な投薬およびプログラム化された送出スケジュールという利点を提供するからである。これは、より正確な血糖制御およびより一層の健康感をもたらす。
【0005】
インスリンポンプの使用は、一般的に注入セットまたはポンプセットと称される、使い捨てコンポーネントの使用を必要とし、それはポンプ内のリザーバーからユーザの皮膚の中へインスリンを運ぶ。一般的に、注入セットは、ポンプコネクター、ある長さの管、および、ハブまたはベースで構成され、ハブまたはベースから注入ニードルまたはカニューレが延びる。ハブまたはベースは、使用中、皮膚表面にベースを保持する接着剤を有し、それは手でまたは手動のまたは自動の注入デバイスの助けにより皮膚につけられることができる。
【発明の概要】
【0006】
現在、大部分のインスリン注入セットは、固定金属ニードルおよび可撓性プラスチックカニューレのいずれかを用いて、皮膚の皮下層にインスリンを送る。そのような注入セットは、典型的には、皮膚表面下、4〜10mmに、インスリンを送る。しかし、皮膚表面の上部3mm、皮内空間は、よりよい薬物吸収を容易にする。残念なことに、皮内層が比較的薄いことに起因して、そのような深さにニードルを挿入して、この狭いバンド内の注入位置に長期間にわたって維持することは、困難である。
【0007】
さらに、大部分のインスリン注入セットは、一般的に、挿入されたニードルを、衝撃または他の外力から切り離す如何なる特徴をも提供しない。これら注入セットは典型的には皮膚表面下4〜10mmにインスリンを送るので、そのセットへの衝撃または他の外力はより深く挿入されたニードルへの影響は小さい。しかし、試みが皮膚表面の上部3mmをターゲットにしてなされる場合、そのセットにおける如何なる衝撃も動きも、ニードルの挿入および注入行為に悪影響を及ぼし得る。
【0008】
なおさらに、大部分のインスリンセットは、ニードル挿入中、皮膚表面の「テンティング(tenting)」をもたらし得る挿入装置を有し、ニードル挿入前またはニードル挿入中、皮膚表面はいくらか向きをそらされ、皮膚表面の上部3mmを正確にターゲットにすることを難しくする。
【0009】
したがって、必要性は、ユーザに対する快適度を維持しつつよりよい薬物吸収を促すように、皮膚表面の上部3mm、皮内空間に内容物を送ることができる注入セットに対してある。
【0010】
本発明の目的は、ユーザに対する快適度を維持しつつよりよい薬物吸収を促すように、皮膚表面の上部3mm、皮内空間に、インスリンまたは他の薬物を送ることができる注入セットを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送るための深さにニードルを挿入することができる使い捨て挿入装置を有する注入セットを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、皮膚表面のテンティングを実質的に低減するように制御された高速度でニードルを挿入することができ、かつ、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送るための深さにニードルを挿入することができる使い捨て挿入装置を有する注入セットを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、取り外されることができる使い捨て挿入装置を有する注入セットを提供し、それにより、注入位置に薄型の注入セットを残す、ことである。
【0014】
本発明の別の目的は、挿入装置が皮膚表面のテンティングの可能性無しにニードルを挿入することができるように、挿入位置の皮膚表面を固定するための皮膚固定用接着層を有する注入セットを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、通常の使用中、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送るための深さにニードルが維持されることができるように、挿入されたニードルを外力から隔離することができる注入セットを提供することである。
【0016】
これらおよびそれらの目的は、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送るための深さまで制御された高速でニードルを挿入することができる使い捨て挿入装置、および、挿入装置が皮膚表面のテンティングの可能性無しにニードルを挿入することができるように挿入位置の皮膚表面を固定するための皮膚固定用接着層を有する注入セットを提供することによって実質的に成し遂げられる。使い捨て挿入装置は、取り外されることができ、それにより、注入位置に薄型の注入セットを残すことができる。通常の使用中、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送るための深さにニードルが維持されることができるように、挿入されたニードルの位置は、挿入されたニードルを外力から隔離することができる注入セットの内側および外側ハブを提供することによって維持されることができる。
【0017】
本発明の様々な目的、利点、および、典型的な実施形態の新奇な特徴は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むとき、その詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る、組立て位置での、注入セットおよび使い捨てバリスティック挿入装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る図1の注入セットおよび使い捨てバリスティック挿入装置の底部側斜視図である。
【図3A】本発明の実施形態に係る、作動前の、図1の注入セットおよび使い捨てバリスティック挿入装置の断面図である。
【図3B】本発明の実施形態に係る、作動後の、図1の注入セットおよび使い捨てバリスティック挿入装置の断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る、作動および使い捨てバリスティック挿入装置の取り外し後であるが、注入ポンプ管アタッチメントへの取り付け前の、注入セットの断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る、作動および挿入ポンプ管アタッチメントへの取り付け後の、注入セットの断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る、図1の注入セットの、テーブルの一組の拡大図である。
【図7】本発明の実施形態に係る、使い捨てバリスティック挿入装置の下部挿入装置ハウジングおよび注入セットの、一組の拡大断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る、注入セットから離れるように反らされて解放された使い捨てバリスティック挿入装置の下部挿入装置ハウジングの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面の全体にわたって、同様の参照数字が、同様のパーツ、コンポーネント、および構造を言及することが、理解されるであろう。
【0020】
本発明の典型的な実施形態は、標準的なインスリンポンプまたは他の同様のデバイスを介して、皮膚の皮内層にインスリンまたは他の薬物を送る。使い捨てバリスティック挿入装置、皮膚固定用接着剤、および、離された内側ハブを利用することによって、ユーザの快適度を維持しつつ、皮内空間における適切な挿入および挿入されたニードルの維持は、薄型のセットの使用で確実にされる。
【0021】
本発明の典型的な実施形態は、皮膚表面の上部3mmに内容物を送るための深さにニードルを挿入することができる使い捨てバリスティック挿入装置を有する典型的な注入セットを提供する。そうするために、典型的な実施形態は、皮膚表面のテンティングを実質的に低減するように制御された高速で注入セットのニードルを挿入することができ、皮膚表面の上部3mmにインスリンまたは他の薬物を送るための深さにニードルを挿入することができる使い捨てバリスティック挿入装置を備える。使い捨てバリスティック挿入装置は、取り外されることができ、それにより、注入位置に薄型の注入セットを残すことができる。注入セットには、また、ユーザによって作動させられるときにバリスティック挿入装置は皮膚表面に対して正確な位置にあるように、また、皮膚表面のテンティングの可能性無しにさらにニードル挿入を助けるべく皮膚が挿入の間固定されるように、挿入位置で皮膚表面に注入セットを固定するべく、少なくとも1つの皮膚固定用接着層が備えられる。注入セットには、ニードルが通常の使用の間、皮膚表面の上部3mmにまで薬物を送るための深さに維持されることができるように、挿入されたニードルを外力から隔離することができる内側および外側ハブがさらに備えられる。
【0022】
図1および図2は、本発明の実施形態に係る組み立てられた構成における、注入セットおよび使い捨てバリスティック挿入装置の斜視図であり、図3Aは、作動前の図1の注入セットおよび使い捨てバリスティック挿入装置の断面図である。好ましい実施形態において、注入セットおよび使い捨てバリスティック挿入装置は、組み立てられた構成においてユーザによって受け取られるが、本発明の実施形態は、それに限られない。
【0023】
図1、2および3Aに示されるように、注入セット100は、注入セットの配置およびニードルまたはカニューレの皮膚表面への挿入のために、使い捨てバリスティック挿入装置200に解放可能に固定される。そうするために、注入セット100は、外側ハブ102、内側ハブ104(すなわちニードルハブ)および周囲部材106を備えることができる。内側ハブ104は、少なくとも1つのニードル108を備えることができる。ニードル108は、好ましくは、34ゲージ、シングルベベルステンレス鋼製ニードル/カニューレを備えることができるが、実施形態はそれに限定されない。本発明のさらに他の実施形態では、ニードル108は、25ゲージから36ゲージの間のプラスチックまたは他の材料であることができ、トリベベルまたは5ベベルを備えることができ、1.0から10mmの間の長さであることができるが、実施形態は、それに限定されない。ニードル108は、内側ハブ104に、ロックタイトのUV硬化接着剤のような接着剤でつけられることができ、または、内側ハブ104で全体を覆うように成形されたり、内側ハブ104の中にねじ込まれたりすることもできる。周囲部材106は、外側皮膚接着剤110を備えることができ、内側ハブ104は内側皮膚接着剤112を備えることができる。以下に説明される本発明の典型的な実施形態では、ハブおよび他の要素は、成形プラスチック材料、ポリカーボネート、ポリエチレン・テレフタレート(PETおよびPETG)のような熱可塑性ポリマーまたは同様の材料で構成されることができる。
【0024】
図4により詳細に示されるように、注入セット100の外側ハブ102は、薄型で、実質的に円形で、丸みのある縁部を有するドーム形状を有し、バリスティック挿入装置200を解放可能に固定すると共にその取り外し後に管セット接続部を解放可能に固定するために多くの特徴を備える。そうするために、外側ハブ102の上部表面は、バリスティック挿入装置200の取り外し後、管セットコネクターとの接続のために、隔壁/弁接続部114を備える。接続部114は、少なくとも1つの可撓性管116を介して内側ハブ104に接続されている。本発明の典型的な実施形態では、内側ハブ104は、バリスティック挿入装置200の取り外し後、単に可撓性管116を通して外側ハブ102に接続される。挿入の前、内側ハブ104は、以下でより詳細に説明されるように、テーブル212によって外側ハブ102内に保持される。作動後、内側ハブ104は、内側皮膚接着剤112によって所定の位置に保持され、可撓性管116を介して外側ハブ102に接続される。
【0025】
図4にさらに示されるように、外側ハブ102は、以下でより詳細に説明されるように、バリスティック挿入装置200の開口部内に解放可能に嵌合することができる直径を有する。外側ハブ102の上部表面は、さらに、内側ハブ104の上に位置づけられた1つ以上の弧状開口部118を備える。そうするとき、バリスティック挿入装置200のテーブル212のアーム220は、外側ハブ102を通過することができ、内側ハブ104に接触して固定することができる。さらに、開口部118の弧状形態は、テーブル212のアーム220の回転を可能にし、開口部118における1つ以上のギャップ120はテーブル212のアームが注入セット100の外側ハブ102から解放されるように引っ張られ、捨てられることを可能にし、以下で詳細に説明される。
【0026】
外側ハブ102は、さらに、注入セット100にバリスティック挿入装置200を解放可能に固定するために、外周周りに段状レール122を備える。段状レール122は、はめ込み後、正常方向に移動を調整するように案内特徴として設けられている。さらに、段状レール122は、下部挿入装置ハウジング204が以下でより詳細に説明されるように時計回りに回転させられることを可能にするように構成された面取り面を備える。下部挿入装置ハウジング204を回転させることは、下部挿入装置ハウジング204の取付アームが外側に曲がることをもたらし、それにより、注入セット100からバリスティック挿入装置200が取り外されることを可能にする。
【0027】
図1、2および3Aに戻ると、バリスティック挿入装置200は、下部挿入装置ハウジング204にスライド可能なように結合されるボタン202を備える。ボタン202は、下部挿入装置ハウジング204の外面上の1つ以上のトラック206によって案内されるように、下部挿入装置ハウジング204とスライド可能なように係合するように構成されている。バリスティックハンマー208は、組み立てられたボタン202と下部挿入装置ハウジング204との内部に収められ、ばね210によって下向きに駆動されるように構成されている。テーブル212は、上記したように、注入セット100の外側ハブ102を通して延在し、そして内側ハブ104に当接して固定するように下部挿入装置ハウジング204内部に位置づけられる。挿入前、内側ハブ104は、テーブル212によって外側ハブ102内に保持される。そうするために、テーブル212は、外側ハブ102の開口部118を通して突出して内側ハブ104の上面上のデテント222を捉える1つ以上のアーム220を介して、内側ハブ104に解放可能に組み合わせられる。テーブル212のアーム220は、以下でより詳細に説明されるように、ねじり運動により、内側ハブ104のデテント222から解放されることができる。
【0028】
ボタン202は、部材218内の閉鎖上部ボタン表面とハンマー208との間にばね210を収容する。そうするとき、ばね210は、負荷がかかるのに基づいてハンマー208を下方に付勢し、ハンマーの解放を促すように構成されている。しかし、作動前、ハンマー208は、1つ以上のアーム214およびそこの傾斜デテント216によって下方への動きから保持され、下部挿入装置ハウジング204における開口部によって保持される。
【0029】
したがって、ボタン202の下方への動きは、始めに、ばね210を圧縮する働きをする。ボタン202の下方への動程の端部でまたは端部近くで、ボタン202の部材218はハンマー208の傾斜デテント216に接触し、下部挿入装置ハウジング204における開口部から1つ以上のアーム214および傾斜デテント216を解放し、ハンマー208は解放されてばね210によって下方へ付勢される。ボタン202は、この時点で、図3Bに示されるように下部挿入装置ハウジング204上のデテントを捉えるボタンスナップ203を介して、下部挿入装置ハウジング204にロックされる。
【0030】
一旦ボタン202によって解放されたならば、ハンマー208は下方へ付勢され、テーブル212に突き当たる。打たれたテーブル212は直ちに下降し、外部のハブ102を通って延びるテーブル212のアーム220は、内側ハブ104が注入サイトに設置されて接着剤112を介して固定されてニードル108が挿入されるように、内側ハブ104およびニードル108を下方に移動させる。そうするとき、内側ハブ104およびニードル108は、ニードル挿入時のテンティングの可能性を最小にする、制御された高速で、10フィート/秒(3.0m/秒)よりも速い速度を含む、3.3フィート/秒(1.0m/秒)以上の速度で、皮膚表面に打ち込まれる。そのような駆動ばねの使用によって、短い(つまり1.5mm)のニードルまたはカニューレの挿入により信頼できると考えられる、高速挿入は達成される。
【0031】
上で指摘したように、正確な挿入は、接着剤110によって注入位置に最初に注入セット100を固定することにより達成され、それは、ユーザが、上述の如く適切な整列で使い捨てバリスティック挿入装置200を作動させ、ニードルを挿入することを可能にする。そうするとき、ニードル挿入時のテンティングの可能性を最小にするように、ニードルは、制御された高速で皮膚表面に打ち込まれる。さらに、挿入位置にまたは挿入位置近くに接着剤110は、皮膚表面を固定し、さらに挿入中の皮膚表面のテンティングを最小にする。
【0032】
そして、挿入後、ユーザは、解放のために、固定された注入セット100に対してバリスティック挿入装置200を回すかまたはねじることができる。具体的には、注入セット100は、接着剤110および112によって注入位置に固定され、それは、外側ハブ102のレール122および開口部118、120が使い捨てバリスティック挿入装置200の解放および取り外しを許可するように、注入セット位置に影響せずに、ユーザが解放のためにセット100対してバリスティック挿入装置200を回すことを可能にする。具体的には、バリスティック挿入装置200のテーブル部材212のアーム220は、外側ハブ102を通り抜けて、内側ハブ104に接触して固定する。テーブル212は、外側ハブ102の開口部118を通して突出して内側ハブ104の上部表面のデテント222を捉えるアーム220によって内側ハブ104に解放可能にロックされる。テーブル212のアーム220は、ら旋運動によって内側ハブ104のデテント222から解放されることができる。開口部118の弧状形態は、テーブル212のアーム220の回転を許容し、また開口部118のギャップ120は、テーブル212のアーム220が、注入セット100の外側ハブ102から自由に引き抜かれることを可能にする。さらに、下部挿入装置ハウジング204を回転させることは、下部挿入装置ハウジング204の取付アームが外側に曲がることをもたらし、それによりバリスティック挿入装置200が注入セット100から取り外されることを可能にする。
【0033】
本発明の実施形態の典型的な使用では、送出位置への注入セット100の適切な挿入は、真っ直ぐの3つのステップからなる。第1に、注入セット100およびバリスティック挿入装置200は、皮膚の皮内層にニードル108を挿入するために、位置づけられて使用される。そうするために、もし提供されるならば(図示しない)接着カバーバッキングは、注入セット100の皮膚接着層110、112の一方または両方からはがされ得、注入セット100は、所望の注入位置の領域において皮膚表面に付着させられる。そして、ユーザは挿入装置のボタン202を下に押し、ばね208に負荷をかけ、テーブル212を打つようにハンマー208を解放し、それは、内側ハブ104を動かし、注入位置に注入セットの内側ハブ104を設置して注入位置の皮膚表面にニードル108を挿入する。
【0034】
第2に、バリスティック注入装置200は、ら旋運動で、薄型注入セット100を所定の位置に残しつつ、注入セット100から取り除かれて、そして捨てられる。その結果、図4に示されるように、注入セット100は、(図示しない)管セット接続部を受け取るように露出される。一旦所定の位置に位置づけられると、内側ハブ104は、外側ハブ102によって完全に取り囲まれ、バリスティック挿入装置200の取り外し後、可撓性管116を通してのみ外側ハブ102につながれる。さらに、内部ハブは、皮膚表面に外部ハブ102を固定する接着層110から離れている、接着層112を用いて皮膚表面に粘着的に固定される。その後、第3に、ユーザは、注入セット100にバリスティック挿入装置200を固定するために用いられた特徴の1つ以上を用いて、外側ハブ102の弁接続部114に、図5に示される管セット接続部を取り付けることができる。図5は、本発明の実施形態にしたがう、作動および注入ポンプ管アタッチメントへの取り付け後の、注入セットの断面図である。
【0035】
図5に示されるように、注入ポンプ管アタッチメント224は、外側ハブ102を覆い、取り囲み、かつ固定するように、ほぼドーム型のコンポーネントを含むことができる。そうするために、典型的なアタッチメント224は、外側ハブ102を受け入れるための開口部を有するドーム型のコンポーネントを含み、バリスティック挿入装置200との接続と同様に、外側ハブ102の段状レール122に注入ポンプ管アタッチメント224を取りつけるためにコネクタースナップ226を含む。注入ポンプ管アタッチメント224の解放は、また、バリスティック挿入装置200の解放と同様に実行されることができ、アタッチメント224の回転運動は、外側ハブ102の段状レール122からコネクタースナップ226をそらし、注入ポンプ管アタッチメント224を解放する。さらに、注入ポンプ管アタッチメント224は外側ハブ102の隔壁/弁接続部114の貫通のためにコネクターニードルまたはカニューレ230を提供することができ、(図示しない)注入ポンプとの接続のために管228を提供することができる。
【0036】
ユーザは、注入セット100への取付前のポンプ管アタッチメント224を準備し、(図示しない)取り付けられた注入ポンプを介して注入位置にインスリンまたは他の薬物を送ることができる。
【0037】
典型的なデバイスの内部で、内側ハブ104は、外側ハブ102内に完全に含まれ、また、バリスティック挿入装置200は外側ハブ102における開口部を通して内側ハブ104に接続されることができる。上で指摘したように、バリスティック挿入装置200は、ボタン202、ばね210、ハンマー208およびテーブル212を含む。したがってユーザが挿入装置ボタン202を下方へ押すと、ばね210はハンマー208にぶつかって負荷をかけられ、それは下部挿入装置ハウジング204に対してバチンと閉められる。ばね210が完全に圧縮に圧縮されたとき、同じ下方への動きは、アーム214のハンマー・スナップを外し、ボタン202は下部挿入装置ハウジング204にロックされる。
【0038】
ばね210は、それが最大の位置エネルギーを獲得するまで、圧縮される。このエネルギーは、圧縮されるにつれてばねに蓄積されたねじりのストレスを計算することにより定められる。位置エネルギーおよびニードル挿入の位置での運動エネルギーを計算することによって、挿入速度が計算され得る。本発明の典型的な実施形態では、ばね210は、制御された高速で、10フィート/秒(3.0m/秒)よりも速い速度を含む、3.3フィート/秒(1.0m/秒)以上の速度で、典型的なニードルを挿入するように構成されている。カニューレ鋭さによって、高い終端速度は、短い(つまり1.5mm)ニードルまたはカニューレの皮内の挿入のためのより信頼できる結果を生みだす。
【0039】
アーム214のハンマー・スナップが外されるとき、ハンマー208はテーブル212に向けてばね210によって下方へ進ませられる。テーブル212は、外側ハブ102を通って突出する1つ以上のアーム220を介して内側ハブ104に解放可能にロックされる。ハンマー208がテーブル212と衝突するとき、内側ハブ104は下方に動かされ、皮膚表面に付着し、ニードル108で皮膚表面を突き刺す。
【0040】
挿入前、テーブル212は、外側ハブ102に関してバリスティック挿入装置200の回転を防ぐ。図6は、本発明の実施形態にしたがう、図1の注入セットのテーブルの1組の拡大図である。図6(a)に示されるように、テーブル212は、多くの特徴を有する1つ以上のアーム220を含む。例えば、アーム220は、図6(c)に示されるように、挿入の前の外側ハブ102に対しての回転を妨げるように、縦面部材221を備える。部材221は外側ハブ102の開口部225によって捉えられる。挿入後、部材221は、図6(d)に示されるように外側ハブ102に対してテーブル212が自由に回転できるように、外側ハブ102における開口部225の下にある。アーム220は、内側ハブ104の上部表面上のデテント222を捉えるように構成された1つ以上のアンダーカット223をさらに含む。テーブル212のアーム220は、上記したようにセットから下部挿入装置ハウジング204を解放する同じ螺旋運動によって、挿入後、内側ハブ104のデテント222から解放されることができる。
【0041】
ニードル108が挿入され、テーブル212および内側ハブ104が下方位置にあるとき、ユーザはバリスティック挿入装置200を(例えば時計回りに)回すことができ、テーブル212は、接着層112によって皮膚表面へロックされている内側ハブ104から離れるように回転可能にスライドする。この回転運動は、また、外側ハブ102から離れるように、下部挿入装置ハウジング204のスナップ205を外側に曲げる。上に記述されると共に図7(a)、7(b)、7(c)および図8に示されるように、外側ハブ102は、バリスティック挿入装置200を注入セット100に解放可能に固定するために、また、注入ポンプ管アタッチメント224を外側ハブ102に固定するために、外周周りに面取り面を有する段状レール122を含む。そうするために、下部挿入装置ハウジング204は、下部挿入装置204を外側ハブ102のレール122に固定するためにスナップ205を備えた取付アームを含む。下部挿入装置ハウジング204は、レール122の面取り面227と係合するように構成された要素207をさらに含む。そうすることで、段状レール122は下部挿入装置ハウジング204が(例えば時計方向に)回転させられることを可能にするように構成され、それは下部挿入装置ハウジング204のスナップ205の取付アームがレール122の面取り面227との接触により付勢されることで外側に曲がることをもたらし、それにより挿入装置200がセット100から取り外されることを可能にする。直ちに、ユーザは、廃棄のために、バリスティック挿入装置200を引っ張ってはずすことができる。
【0042】
したがって、単純な回転および垂直運動が、バリスティック挿入装置200を解放するために用いられることができる。潜在的に、ユーザが斜めに完全な組立体をねじる場合、回転解放運動は、注入セットが、皮膚表面からはがれることをもたらし得る。ボタン202の下方へのストロークの後に外側ハブ102からバリスティック挿入装置200を分離することは、この可能性を最小にし、より人間工学的であり、より信頼できる。
【0043】
内側ハブ104の衝撃隔離を保証するために、内側ハブ104は、外側ハブ102によって完全に取り囲まれ、バリスティック挿入装置200の取り外し後、可撓性管116を介してのみ外側ハブ102に接続される。さらに、内側ハブは、皮膚表面に外側ハブ102を固定する接着層110と離れている、接着層112を用いて、皮膚表面に粘着的に固定される。内側ハブ104は、個別の接着剤を有し、可撓性管116だけによって外側ハブ102に接続され、内側ハブ104は外部振動および外力から保護される。示された典型的な実施形態では、可撓性管116は、内側ハブ104と外側ハブ102との間で上方へ(垂直に)少なくとも部分的にループし、それはより小さな設置面積のデバイス装置外形を可能にする。上で指摘されたように、内側ハブ104は、単に可撓性管116を介して外側ハブ102に接続される。挿入前、内側ハブ104は、テーブル212によって外側ハブ102内部に保持される。作動並びにテーブル212の解放および取り外し後、内側ハブ104は、内側ハブ104の下の内部皮膚接着剤112によって所定の位置に保持され、可撓性管116を介して外側ハブ102に接続される。そして、管セット接続部224は、バリスティック挿入装置200を保持したのと同じ特徴に関してスナップされることができ、快適なポンプ管ルーティングを可能にするように回転され得る。
【0044】
示された配置では、ニードル108は、外側ハブ102および内側ハブ104の隔離によって外力および外部振動から保護される。内側ハブ104およびニードル108を注意深く外力から隔離することによって、皮内層内のニードルの位置は維持される。
【0045】
さらに、組み立てられたセット100およびバリスティック挿入装置200の配置は、適切な配列およびポジショニングを保証する。大部分の既存の挿入装置は、皮膚表面に直角の挿入力を保証するために大き過ぎるか、あるいは、薄くて持ち運び可能であるが、それは位置のずれた挿入をもたらし得る。本発明の典型的な実施形態では、最初に、注入セット100の外側皮膚接着剤110を皮膚表面に付けまたは「ロックする」ことによって、バリスティック挿入装置200がニードルの挿入用に適切に整列させられる。したがって、本発明の典型的な実施形態は、使用時に注入位置に適切に合わせられた、比較的小さな挿入装置を含むことができる。
【0046】
そのようなシステムおよび方法は、小さな皮内ニードルまたはマイクロニードルの使用を可能にし、それは皮膚表面に対して直角に設置されることができ、外側の力から離隔され、それにより使用中、位置を維持してユーザにより少ない痛みをもたらす。なおさらに、皮膚の皮内層への注入によって、本発明の典型的な実施形態は、皮下送達システムに比べたとき、インスリンのよりよい吸収の可能性を提示する。そうすることで、より少ないインスリンを消費することとよりよい薬物管理体制を維持することの両方が、典型的なユーザにとって可能かもしれない。もし単一のニードルまたはマイクロニードルの代わりに望まれる場合、複数のニードルまたはマイクロニードルが用いられ得ることが認識されるであろう。
【0047】
上で指摘したように、皮内注入セットはテンティングの可能性があり、それは挿入時または挿入中、皮膚が歪められる、好ましくない効果であり、テントに関連付けられる形状を生み出す。そうするとき、皮膚表面は、皮膚の中へのニードルの進入ではなく、ニードル挿入の間に、テント状である。しかし、本発明は制御された高速で、10フィート/秒よりも速い速度を含む、3.3フィート/秒(1.0m/秒)以上の速度で、挿入されるニードルを提供するので、皮膚表面は、挿入位置におよび/または近くに固定され、本発明の典型的な実施形態は、そのような可能性を有さず、より正確なニードル挿入深さを保証する。
【0048】
皮下層にインスリンを送る既存の鋼製カニューレ注入セットでは、ニードルは、ニードルに伝えられたときに痛みをもたらし得るあらゆる好ましくない外側の力から離隔されず、ニードルは皮膚内を動く。また、ニードルが外部の力から離隔されていない場合、デバイスがぶつかられたとき、他の皮内デバイスは、時期尚早か、そうでなければ望まれないニードルの除去の問題に直面する。
【0049】
本発明の典型的な実施形態では、皮内ニードルは少なくとも3つの特徴によって外部の力から離隔される。第1に、外側ハブ102は外力との直接的なコンタクトから敏感な内側ハブ104を保護する。第2に、内側ハブ104および外側ハブ102は離れた接着セグメントによって注入位置に固定される。第3に、外側ハブ102と内側ハブ104との間の接続は、極めて自由に変えられえ、故に、保護外側ハブ102に与えられたどんな力も、ニードル108に引き継がれない。例えば、外側ハブ102と一緒の、可撓性管接続部116の準備は、外部の力および他の障害物からニードル108を効果的に隔てる役目をする。
【0050】
適切な挿入装置の整列は、連続した、固定された基盤を提供することにより成し遂げられ、ユーザは挿入装置ボタンを押すことができる。そのようなしっかりした固定された基盤は、周囲部材106、外側皮膚接着剤110および内側皮膚接着剤112によって提供される。皮膚接着層は、附属のバリスティック挿入装置200がまた所望の使用の方向にあり、ユーザが挿入位置に対して角度をなして挿入装置を保持することを実質的に妨げるように、所望の方向にセット100を固定する。したがって、正確で再現可能な挿入は、外側ハブ102の前付着(pre−adhesion)によって成し遂げられる。実際の挿入位置まわりの環状の皮膚を固定することによって、内側ハブに対しての皮膚表面の動きは低減される。
【0051】
既存の注入セットは、時々、個別の挿入装置の使用を要求する。ここに記述された本発明の典型的な実施形態では、ユーザは個別の挿入装置を持ち運ぶ必要がないし、挿入装置に注入セットを載せる必要はない。統合システムは、ユーザに、個別の挿入装置を持ち運んだりそれに荷重をかけたりすることからより自由を与え、改善された便利さおよびより単純な操作をもたらす。
【0052】
本発明のほんの少数の典型的な実施形態のみが上で詳細に記述されたけれども、当業者は、多くの修正が、この発明の新奇な教えおよび利点から物質的に外れずに、典型的な実施形態において可能であることを容易に認識するであろう。したがって、そのような修正はすべて、添付された特許請求の範囲およびそれらの均等物において定義されるようなこの発明の範囲内で含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側ハブおよび外側ハブを含む注入セットであって、前記内側ハブおよび前記外側ハブのうちの少なくとも一方は挿入装置により解放可能に固定される、注入セットと、
挿入措置ボタンおよびばねを含む挿入装置であって、前記挿入装置ボタンは、注入位置での位置づけのために前記ばねを解放して前記注入セットを駆動するように構成されている、挿入装置と
を備える注入システム。
【請求項2】
前記内側ハブの表面に配置された第1接着層と、
前記外側ハブの表面に配置された第2接着層と
をさらに備え、
前記第1接着層は前記第2接着層から離れている、
請求項1に記載の注入システム。
【請求項3】
前記内側ハブと前記外側ハブとの間をつなぎ、それらの間に流体連通路を提供する、可撓性管をさらに備える、請求項1に記載の注入システム。
【請求項4】
前記挿入装置は、
前記ばねの端部に配置されて、前記挿入装置ボタンの動きによる解放のために構成された、ハンマーと、
前記内側ハブに回転可能に固定され、前記ハンマーによって当たられるように構成された、テーブルと
を備える、請求項1に記載の注入システム。
【請求項5】
前記テーブルは、前記外側ハブ内で、引っ込められた位置に前記内側ハブを解放可能に固定するように構成されている、請求項4に記載の注入システム。
【請求項6】
前記テーブルは、第1デテントを備え、
前記内側ハブは、第2デテントを備え、
前記第1デテントは、前記テーブルを前記内側ハブに解放可能に固定するように、前記第2デテントと回転可能に係合するように構成されている、
請求項4に記載の注入システム。
【請求項7】
前記挿入装置は、前記挿入装置ボタンとスライド可能に結合され、前記外側ハブと頑固に結合されている、下部挿入装置ハウジングをさらに備える、請求項1に記載の注入システム。
【請求項8】
前記外側ハブは第3デテントを備え、
前記下部挿入装置ハウジングは第4デテントを備え、
前記第3デテントは、前記挿入装置を前記外側ハブに解放可能に固定するように、前記第4デテントと回転可能に係合するように構成されている、
請求項7に記載の注入システム。
【請求項9】
前記ばねは、制御された速度で、好ましくは3.3フィート/秒(1.0m/秒)よりも速い速度で前記注入セットを置くように構成されている、請求項1に記載の注入システム。
【請求項10】
皮膚表面の上部3mmに薬物を送るための深さにニードルを挿入して維持する注入システムであって、
皮膚表面に粘着的に固定されるように構成された内側ハブと、
皮膚表面に粘着的に固定されるように構成された外側ハブであって、前記外側ハブは前記内側ハブを取り囲むように構成された、外側ハブと、
前記内側ハブを前記外側ハブとフレキシブルに結合して、それらの間に流体連通路を提供する、可撓性管と
を備え、
前記外側ハブは、単に前記可撓性管を通して前記内側ハブにつなげられ、前記内側ハブは、前記外側ハブを前記皮膚表面に固定する前記接着層から離れた前記接着層を用いて前記皮膚表面に粘着的に固定される、
注入システム。
【請求項11】
挿入装置ボタン、および、前記挿入装置ボタンとスライド可能に結合される下部挿入装置ハウジングであって注入セットの外側ハブとリジッドに結合されるように構成された下部挿入装置ハウジングと、
前記下部挿入装置ハウジング内に解放可能に固定されたハンマーと、
前記挿入装置ボタンおよび前記ハンマーの間に収められたばねと、
前記注入セットの内側ハブを回転可能に固定するように構成され、前記ハンマーにより当てられるように構成されたテーブルと
を備え、
前記挿入装置ボタンは、注入位置での位置づけのために前記テーブルに当たり、前記注入セットを駆動するように、前記ハンマーを解放するように構成されている、
挿入装置。
【請求項12】
前記テーブルは、前記外側ハブ内で、引っ込められた位置に前記内側ハブを解放可能に固定するように構成されている、請求項11に記載の挿入装置。
【請求項13】
前記テーブルは、第1デテントを備え、
前記内側ハブは、第2デテントを備え、
前記第1デテントは、前記テーブルを前記内側ハブに解放可能に固定するように、前記第2デテントと回転可能に係合するように構成されている、
請求項11に記載の挿入装置。
【請求項14】
前記外側ハブは第3デテントを備え、
前記下部挿入装置ハウジングは第4デテントを備え、
前記第3デテントは、前記挿入装置を前記外側ハブに解放可能に固定するように、前記第4デテントと回転可能に係合するように構成されている、
請求項13に記載の挿入装置。
【請求項15】
前記ばねは、制御された速度で、好ましくは3.3フィート/秒(1.0m/秒)よりも速い速度で前記注入セットを置くように構成されている、請求項11に記載の挿入装置。
【請求項16】
挿入装置ボタン、および、前記挿入装置ボタンとスライド可能に結合される下部挿入装置ハウジングであって注入セットと結合されるように構成された下部挿入装置ハウジングと、
前記挿入装置ボタンおよび前記下部挿入装置ハウジングの間に収められたばねと
を備え、
前記挿入装置ボタンは、注入位置での位置づけのために前記注入セットを駆動するように、前記ばねを解放するように構成されている、
挿入装置。
【請求項17】
前記ばねは、制御された速度で、好ましくは3.3フィート/秒(1.0m/秒)よりも速い速度で前記注入セットを置くように構成されている、請求項16に記載の挿入装置。
【請求項18】
内側ハブ、および、前記内側ハブの表面に配置された第1接着層と、
外側ハブ、および、前記外側ハブの表面に配置された第2接着層と
を備え、
前記第1接着層は前記第2接着層から離れ、前記内側ハブおよび前記外側ハブのうちの少なくとも一方は、挿入装置により解放可能に固定される、
注入セット。
【請求項19】
前記内側ハブと前記外側ハブとの間をつなぎ、それらの間に流体連通路を提供する、可撓性管をさらに備える、請求項18に記載の注入セット。
【請求項20】
前記内側ハブは第1デテントを備え、前記第1デテントは挿入装置を前記内側ハブに解放可能に固定するように前記挿入装置のデテントと回転可能に係合するように構成されていて、
前記外側ハブは第2デテントを備え、前記第2デテントは前記挿入装置を前記外側ハブに解放可能に固定するように前記挿入装置のデテントと回転可能に係合するように構成されている、
請求項18に記載の注入セット。
【請求項21】
上部皮膚表面に内容物を送るための所望の深さをねらう方法であって、
注入位置に注入デバイスを置き、ハンマーおよびばねを前記注入デバイスのテーブルに当たるように解放するように前記注入デバイスの挿入装置ボタンを押すステップと、
制御された速度で前記注入位置に前記注入デバイスのニードルを動かすように前記注入デバイスの前記テーブルに当たるステップと、
前記注入デバイスから、前記挿入装置ボタン、ハンマーおよびばねを取り除くステップと
を含む、方法。
【請求項22】
上部皮膚表面に内容物を送るための所望の深さをねらう方法であって、
注入位置に注入デバイスの外側ハブを置き、前記注入位置に前記注入デバイスの内側ハブのニードルを動かすように前記注入デバイスの挿入装置ボタンを押すステップであって、前記ニードルは制御された速度で前記注入位置に駆動される、ステップと、
前記注入デバイスから前記挿入装置ボタンを取り除くステップであって、前記内側ハブは前記外側ハブによって完全に取り囲まれ、前記注入デバイスからの前記挿入装置ボタンの取り除き後、単に可撓性管を通して前記外側ハブに接続される、ステップと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−115675(P2012−115675A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−262091(P2011−262091)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】