説明

バルブ撮像装置およびバルブ撮像方法

【課題】バルブ撮影における露光途中の撮影画像を観察可能であり、且つ高画質の画像データを得ることが可能なバルブ撮像装置およびバルブ撮像方法を提供する。
【解決手段】バルブ撮影における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像方法において、時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成し(S77)、画像データを順次加算し(S81)、加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示し(S75)、画像データの時間的な変化量を検出し(S93)、画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定し(S95)、画像データの加算が開始された後、時間的変化量が所定値以下であると判定されたとき、画像データの加算を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮影装置において、バルブ撮影中の被写体の変化を観察可能なバルブ撮像装置およびバルブ撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラ等の撮影装置においては、被写体像の観察は光学式ファインダにより行っていた。しかし、最近では、撮像素子で取得した画像を液晶モニタ等の表示装置によって表示し、これを観察するライブビュー表示機能付きのデジタルカメラが市販されている。
【0003】
光学式ファインダを有するデジタルカメラの場合には、バルブ撮影における露光途中の撮影画像の明るさを確認することができない。このため、撮影が終了して初めて撮影済みの画像を確認することになる。そこで、時分割的に画像データを連続的に読み出しながら順次読み出した画像データを加算し、この加算した画像データによって表わされるバルブ撮影画像を順次モニタに表示しながらバルブ撮影を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−117395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像データを時分割的に読み出し加算する際に、画像読み出しに伴う種々の電気的ノイズが発生し、画像データの加算回数が増加するほど画質が悪化してしまう。ある程度の画質を保障するたるめには、画像データの加算回数を制限する必要がある。しかし、バルブ撮影においては、例えば、花火のような突発的かつ動きのある被写体の場合には、被写体の動きを観察するために表示時間間隔を短くすることが求められる一方で、花火が打ち上げられる以前から撮影を開始することから、全体の露光時間が長くなってしまう。このため、画像データの加算回数が多くなり、最終的に得られる画像データの画質が劣化してしまう。これを解決するために、全体の露光時間を短くすると、露光時間の制限により、最終的に得られる画像に目的とする被写体が写らない可能性がある。このように、表示時間間隔を短くすることと、トータルの露光時間を長くすることはトレードオフの関係にある。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、バルブ撮影における露光途中の撮影画像を観察可能であり、且つ高画質の画像データを得ることが可能なバルブ撮像装置およびバルブ撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わるバルブ撮像装置は、バルブ撮影における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像装置において、時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成する撮像部と、上記撮像部によって撮像された画像データの時間的な変化量を検出する検出部と、上記検出部により検出された画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定する判定部と、上記判定部により上記時間的変化量が所定値以上であると判定されたとき、上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する動作を開始する画像データ加算部と、上記画像データ加算部により加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示する表示部と、上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったことを検出して該画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行う制御部と、を備える。
【0008】
第2の発明に係わるバルブ撮像装置は、上記第1の発明において、上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったとき、さらに撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行う指示部を備え、上記制御部は、撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行ったとき、上記撮像部による撮像を続行すると共に、該撮像部により撮像された画像データの加算を続行するように制御を行う。
【0009】
第3の発明に係わるバルブ撮像装置は、バルブ撮影における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像装置において、時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成する撮像部と、上記撮像部によって撮像された画像データの時間的な変化量を検出する検出部と、上記検出部により検出された画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定する判定部と、上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する画像データ加算部と、上記画像データ加算部により加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示する表示部と、上記画像データ加算部による上記画像データの加算が開始された後、上記判定部により上記時間的変化量が所定値以下であると判定されたとき、上記画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行う制御部と、を備える。
【0010】
第4の発明に係わるバルブ撮像装置は、上記第3の発明において、上記画像データ加算部は、上記判定部により上記時間的変化量が所定値以上であると判定されたとき、上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する動作を開始する。
第5の発明に係わるバルブ撮像装置は、上記第3の発明において、上記画像データ加算部による上記画像データの加算の開始前に、上記撮像部による撮像回数が所定値以上になったとき、撮影者がバルブ撮影を続行する旨の指示を行う指示部を備え、上記制御部は、撮影者が上記バルブ撮影を続行する旨の指示を行ったとき、上記撮像部による撮像を続行する。
【0011】
第6の発明に係わるバルブ撮像装置は、上記第3の発明において、上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったとき、さらに撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行う指示部を備え、上記制御部は、撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行ったとき、上記撮像部による撮像を続行すると共に、該撮像部により撮像された画像データの加算を続行するように制御を行う。
第7の発明に係わるバルブ撮像装置は、上記第3の発明において、上記制御部は、上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったことを検出して該画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行う。
【0012】
第8の発明に係わるバルブ撮像方法は、バルブ撮像における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像方法において、撮像部により、時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成するステップと、検出部により、上記撮像部によって撮像された画像データの時間的変化量を検出するステップと、判定部により、上記検出部により検出された画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定するステップと、画像データ加算部により、上記判定部により上記時間変化量が所定値以上であると判定されたとき、上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する動作を開始するステップと、表示部により、上記画像データ加算部により加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示するステップと、制御部により、上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったことを検出して該画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行うステップと、を有する。
【0013】
第9の発明に係わるバルブ撮像方法は、バルブ撮影における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像方法において、時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成するステップと、上記画像データを順次加算するステップと、上記加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示するステップと、上記画像データの時間的な変化量を検出するステップと、上記画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定するステップと、上記画像データの加算が開始された後、上記時間的変化量が所定値以下であると判定されたとき、画像データの加算を終了するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、バルブ撮影における露光途中の撮影画像を観察可能であり、且つ高画質の画像データを得ることが可能なバルブ撮像装置およびバルブ撮像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの電気回路を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるカメラの主としてバルブ撮影時の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係わるカメラの制御1の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係わるカメラの制御2の動作を示すフローチャートである。
【図5】従来のカメラにおいて、バルブ撮影時の画像データの読み出しと表示を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるカメラにおいて、自動モードのバルブ撮影時の画像データの読み出しと表示を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるカメラにおいて、バルブ撮影時のパターン変化領域のパターン変化量の時間的変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
【0017】
また、自動モードのバルブ撮影が設定されている場合には、被写体の輝度変化が所定値以上になると、時分割撮像した画像データを順次加算して撮影中のバルブ撮影画像を表示部に表示する。被写体の輝度変化が所定値以下になったことを検出するとバルブ撮影を終了する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラ10の構成を示すブロック図である。レンズ11の光軸上には、シャッタ13、およびイメージセンサ15が配置されている。レンズ11は、被写体像を形成するための複数のレンズから構成される。またレンズ11は、システム制御部31内の撮影条件設定部37からの指示に従って図示しない駆動源によってレンズ11の光軸方向に沿って移動可能であり、ピント制御やズーム制御がなされる。また、レンズ11内には絞りが設けられており、この絞りによって絞り値が変更可能であり、露光量を調節することができる。
【0019】
シャッタ13は、レンズ11とイメージセンサ15の間に配置され、イメージセンサ15への露光と遮光を行う。シャッタとしては、レンズシャッタまたはフォーカルプレーンシャッタ等で構成される。シャッタ13は、撮影時には撮影条件設定部37からの指示に従ってレンズ11を通過した被写体光束の露光時間を調節する。なお、ライブビュー表示の際や、バルブ撮影時には、シャッタ13は開口状態となる。
【0020】
イメージセンサ15は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子によって構成され、レンズ11によって形成された被写体像を画像信号に変換する。イメージセンサ15の画像信号の蓄積や読み出し等は、システム制御部31内の撮影条件設定部37によって制御される。
【0021】
イメージセンサ15の出力は画像処理部17に接続されている。画像処理部17は、イメージセンサ15からの画像データを入力し、ホワイトバランス調整、ノイズリダクション処理等の種々の画像処理を施す。画像処理部17は内部メモリ19に接続されている。前述のイメージセンサ15と画像処理部17によって、時分割的に撮像を行い、画像データを生成する撮像部の機能を果たす。内部メモリ19は、SDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の書き換え可能なメモリであり、画像処理部17によって処理された画像データを一時的に記憶する。
【0022】
内部メモリ19は、画像加算部21に接続されている。画像加算部21は、内部メモリ19に一時記憶された画像データの加算を行う。すなわち、加算結果は画像加算部21に一時記憶しておき、画像加算部21に一時記憶されている加算結果と内部メモリ19に一時記憶された画像データの加算を行う。したがって、イメージセンサ19から画像データが読み出され、内部メモリ19に画像データが記憶されるたびに、画像の加算が行われ、バルブ撮影時におけるバルブ撮影画像が生成される。なお、イメージセンサ15から画像データが読み出されるたびに、各画像データを内部メモリ19に一時記憶し、画像加算部21は各画像データを毎回、加算するようにしても構わない。
【0023】
表示部23は、カメラ10の背面等に配置されたLCD(Liquid Crystal)等のモニタを有し、画像処理部17および画像加算部21の出力に接続されている。表示部23は、画像処理部17から出力されるライブビュー表示用の画像データに基づいてライブビュー表示を行い、外部メモリ25に記録された撮影画像の再生表示も行う。また、表示部23は、画像データ加算部21により加算された画像データによって表わされるバルブ撮影画像を時系列的に表示する。
【0024】
外部メモリ25は、カメラ10に装填可能なコンパクトフラッシュ(登録商標)やSDカード等の書き換え自在な不揮発性メモリである。外部メモリ25は、通常の撮影やバルブ撮影等における最終画像を記録する。
【0025】
指示部39は、カメラ10に設けられたパワースイッチ、レリーズ釦、メニュー釦、撮影モードダイヤル、タッチパネル等の各種設定のための操作部材であり、ユーザインターフェースの機能を有する。また、指示部39は、画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったとき、さらに撮影者が画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行うための操作部材を有する。
【0026】
システム制御部31内には、CPU(Central Processing Unit)33、加算制御部35、撮影条件設定部37が設けられている。CPU33は、カメラ10の全体動作を、図示しない不揮発性メモリに記憶されたプログラムに基づいて制御する。CPU33は、撮像部によって撮像された画像データの時間的な変化量を検出する検出部としての機能を果たす。すなわち、本実施形態においては、後述するように、パターン変化領域内の前後する2つの画像の差分処理に基づいて、画像データの時間的な変化量を検出している(図3のS57,図4のS93等)。
【0027】
また、CPU33は、検出部により検出された画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定する判定部としての機能も果たす。すなわち、本実施形態においては、後述するように、差分処理によって求められた画像データの時間的変化量が所定値より大きいか否かを判定している(図3のS59、図4のS95等)。
【0028】
さらに、CPU33は、画像データの加算回数が所定値以上になったことを検出して画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行う制御部としての機能も果たす。すなわち、本実施形態においては、後述するように、バルブ撮影画像を生成するために、画像データの加算回数が所定値を超えた場合には(図4のS97)、警告を行った後にバルブ撮影を終了するようにしている(S99、S101参照)。
【0029】
さらに、CPU33は、判定部により上記時間的変化量が所定値以下であると判定されたとき、上記画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行う制御部としても機能も果たす。すなわち、本実施形態においては、後述するように、バルブ撮影画像を生成するために、画像加算(S81)を行っている際に、差分処理によって算出された画像データの時間的変化量が所定値以下となったときに、バルブ撮影を終了するようにしている(S95→Pe<Te)。
【0030】
加算制御部35は、CPU33からの指示に従って画像加算部21における加算制御を行う。前述の画像加算部21とこの加算制御部35は、画像データの時間的な変化量が所定値以上と判定されたとき、撮像部により撮像された画像データを順次加算する動作を開始する画像データ加算部としての機能を果たす。
【0031】
撮影条件設定部37は、CPU33からの指示に基づいて、レンズ11内の絞り値制御、フォーカス制御、シャッタ速度制御、イメージセンサ15の信号の読み出しタイミング制御等を行う。
【0032】
次に、本実施形態における動作について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。図2ないし図4に示すフローチャートは、不揮発性(不図示)に記憶されているプログラムに従って、CPU33が実行する。図2に示すフローチャートは、カメラ10のパワーオンとなるとスタートするが、図2にはバルブ撮影モードに関連する処理のみを記載し、他の処理については省略してある。
【0033】
図2に示すフローにおいて、ユーザがパワースイッチを操作しパワーオンとなると、まず、ライブビュー表示を行う(S11)。ここでは、イメージセンサ15から出力される画像信号を画像処理部17が、ライブビュー表示用に処理し、この処理された画像データに基づいてライブビュー画像を表示部23に表示する。
【0034】
ライブビュー表示を行うと、次に、ユーザがバルブ撮影のモードの選択を行う(S13)。バルブ撮影のモードの選択は、メニュー画面等において指示部19による操作によって操作する。このモードの選択にあたっては、通常のバルブ撮影モードと自動でバルブ撮影を行う自動撮影モードがあり、いずれかを選択することができる。
【0035】
バルブモードの選択を行うと、次に、撮影条件の設定を行う(S15)。ここでは、レンズ11内の絞りの絞り値、ISO感度、焦点距離等、通常のバルブ撮影に必要な設定をユーザ自身によって行う。ここで設定された撮影条件に従って、撮影条件設定部37は撮影条件の設定を行う。
【0036】
また、バルブ撮影の自動モードが選択されている場合には、トータル露光時間の設定もステップS15において行う。通常のバルブ撮影の際には、レリーズ釦を押下げることにより、バルブ撮影が開始され、レリーズ釦の押下げを解除することにより、バルブ撮影が終了するが、自動モードの場合には、レリーズ釦の押下げから解除までのトータル露光時間を予め設定しておく。ここで、設定されたトータル露光時間に基づいて、自動モードの際の画像データ読出し間隔を算出する。例えば、設定した露光時間が100秒、許容される加算回数の上限が10回であった場合、読み出し間隔をSとすると、S=100/10[sec]=10秒とする。なお、加算回数の上限値は、加算枚数とノイズの関係を実験的に評価し、この結果から、予め固定値として設定されるものとする。
【0037】
撮影条件の設定を行うと、次に、自動撮影モードか否かの判定を行う(S17)。ここでは、ステップS13において設定されたバルブモードに従って判定する。
【0038】
ステップS17における判定の結果、自動撮影モードでなかった場合には、通常のバルブ撮影モードをステップS31以下において実行。まず、レリーズ押下げがなされたか否かを判定し、レリーズ押下げがなされた場合には、通常のバルブ撮影を開始する(S31)。撮影を開始すると、イメージセンサ15はレンズ11によって形成された被写体像に応じた画像信号の蓄積を行う。
【0039】
撮影を開始後、レリーズ押下げを終了し、レリーズ釦から指を離すと撮影を終了する(S33)。撮影を終了すると、撮影条件設定部37よりシャッタ13およびイメージセンサ15に制御信号が出力され、シャッタ13は開口状態から遮光状態に変化し、またイメージセンサ15は画像信号の蓄積を終了する。
【0040】
撮影が終了すると、画像読出しを行う(S35)。ここでは、撮影条件設定部37からの制御信号に従ってイメージセンサ15から画像信号が読み出される。続いて、画像処理を行う(S37)。ここではイメージセンサ15からの画像データに基づいて、画像処理部17が種々の画像処理を施す。
【0041】
画像処理を行うと、次に、画像保存を行うと共に、画像の表示を行う(S39)。ここでは、画像処理された画像データを外部メモリ25に記録し、また所定時間の間、表示部23に記録画像の表示を行う。この所定時間の画像表示を行うと、撮影を終了し、パワーオフされていなければ、ステップS11に戻り、ライブビュー表示を行う。
【0042】
このように、通常のバルブ撮影モードでは、レリーズ釦の押下げによってバルブ撮影が開始しレリーズ釦を離すことによってバルブ撮影が終了する。この間、イメージセンサ15は画像信号の蓄積のみで、画像信号を読み出すことがないことから、バルブ撮影中には、露光途中の画像は表示されない。
【0043】
ステップS17における判定の結果、自動撮影モードが選択されていた場合には、ステップS21以下において、自動でバルブ撮影を行う。まず、制御1によって撮影の開始の制御を行う(S21)。この制御1のサブルーチンでは、被写体に変化が生じたか否かを判定し、変化が生じたことを検出するとバルブ撮影を開始する。この制御1の詳しい動作は、図3を用いて後述する。
【0044】
制御1のサブルーチンによって撮影を開始すると、次に、制御2によって撮影の終了の制御を行う(S23)。この制御2のサブルーチンでは、バルブ撮影を続行し、被写体に変化がなくなると撮影を終了する。すなわち、画像データを読み出すと、画像加算部21において画像データの加算を行い、バルブ撮影画像を生成し、表示部23にバルブ撮影画像の表示を行う。そして、被写体に変化がなくなると、バルブ撮影を終了する。この制御2の詳しい動作は、図4を用いて後述する。
【0045】
制御2のサブルーチンによって、バルブ撮影を終了すると、次に、加算画像の保存を行うと共に表示を行う(S25)。ここでは、画像加算部21によって加算されて生成された最終のバルブ撮影画像を外部メモリ25に記録し、所定時間の間、バルブ撮影画像を表示部23に表示する。所定時間の画像表示を行うと、撮影を終了し、パワーオフされていなければ、ステップS11に戻り、ライブビュー表示を行う。
【0046】
次に、ステップS21における制御1の動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。制御1のフローに入ると、まず、パターン変化領域の選択を行う(S41)。このパターン変化領域の選択は、ライブビュー画面上で行うものとし、例えば、領域を四角形とした場合、数値で領域の座標を入力し、または画面上カーソルを移動させOK釦等によって四角形の四隅を固定する。また、表示部39にタッチパネル機能が設けられている場合には、画面上の四点に触れることで領域を選択するようにしてもよい。
【0047】
パターン変化領域の選択を行うと、次に、レリーズ釦が押下げられたか否かを判定し、押下げられていない場合には、押下げを待つ(S43)。撮影者が自動撮影モードでバルブ撮影を開始する場合には、レリーズ釦の押下げを行うので、このステップではレリーズ釦の操作状態を判別し、レリーズ押下げを待つ。
【0048】
レリーズ釦が押下げられると、次に、撮影枚数Nに1を代入する(S45)。撮影枚数Nは、撮像画像の加算開始前に、撮像を行った回数をカウントする。すなわち、本実施形態においては、レリーズ釦が押下げられてバルブ撮影を開始したとしても、被写体のパターン変化がない場合には、バルブ撮影画像を取得するための加算処理を実行しない。所定回数撮像を行っても加算処理を開始できない場合には、警告を行っており(後述するS61参照)、このために、撮影枚数Nは加算処理を開始する前に行われた撮像の回数をカウントしている。
【0049】
撮影枚数Nに1を代入すると、次に、画像撮影(G)を行う(S47)。ここでは、イメージセンサ15によって被写体像を光電変換し、画像信号の蓄積を行う。イメージセンサ15における電荷蓄積時間は、ステップS15において演算された読み出し間隔に従って決められる。
【0050】
画像撮影を行い、予め決められた読み出し間隔の時間が経過すると、画像(G)を内部メモリ19に画像(X)として一時保管する(S49)。ここでは、イメージセンサ15から画像信号を読み出し、画像処理部17において画像処理した後、内部メモリ19に画像(X)として一時保管する。画像の一時保管を行うと、次に、撮影枚数Nに1を加算する(S51)。ここでは、ステップS47において1回、撮像を行ったことから、撮影枚数Nに1を加算する。
【0051】
撮影枚数Nに1を加算すると、次に、画像(G)の撮影を行う(S53)。ここでは、イメージセンサ15によって被写体像の光電変換を行う。ここでのイメージセンサ15の電荷蓄積時間も、ステップS15において演算された読み出し間隔に従って決められる。
【0052】
画像撮影を行い、予め決められた読み出し間隔の時間が経過すると、画像(X)と画像(G)の画像加算を行い、この加算画像をAとする(S55)。ここでは、イメージセンサ15から画像(G)を読み出し、画像加算部21は、読み出された画像(G)と、内部メモリ19に一時保管された画像(X)の画像加算を行い、この加算画像Aを内部メモリ19に一時保管する。
【0053】
加算画像Aを算出すると、次に、加算画像Aから画像(X)の差分処理を行い、この差分処理結果をSとする(S57)。ここでは、前回と今回の画像の差分を求めており、この画像の差分は、画像の変化に応じた値となる。すなわち、画像に変化がない場合には、画像の差分は0に近い値となり、一方、画像に変化がある場合には、画像の差分は大きな値となる。
【0054】
差分処理を行うと、次に、パターン変化量(Ps)の検出を行う(S59)。パターン変化量(Ps)としては、前述したステップS41において選択したパターン変化領域において、ステップS57において差分処理により求めた差分画像の平均輝度レベルYsを用いる。平均輝度レベルYsが高いと、前回と今回の画像に変化が大きいことを示しており、一方、平均輝度レベルYsが低いと、前回と今回の画像に変化が小さいことを示している。
【0055】
パターン変化量(Ps)を検出すると、次に、このパターン変化量Psが閾値Tsよりも小さいか否かを判定する。閾値Tsは、ステップS41において撮影者が設定した領域内の輝度レベルから固定値(例えば、1000LSB)を加算した値とする(図7参照)。なお、閾値Tsは、固有の値として入力可能としてもよい。
【0056】
ステップS59における判定の結果、PsがTsよりも小さい場合には、次に、撮影枚数Nが5より小さいか否かを判定する(S61)。被写体に変化が生じていない状態が続いているか否かを判定するためである。なお、本実施形態においては、判定値として「5」を用いているが、被写体に変化が生じていないと判定できる程度の値であればよい。
【0057】
ステップS61における判定の結果、撮影枚数Nが5より小さい場合には、ステップS49に戻り、前述の処理を実行する。すなわち、前回撮影した画像(G)と今回撮影した画像(X)の加算を行い(S55)、加算画像(G+X)と前回画像(G)の差分処理を行う(S57)。この処理はパターン変化量(Ps)が閾値Tsに達するまで繰り返す。
【0058】
ステップS61における判定の結果、撮影枚数Nが5となると、警告を行う(S63)。一定時間(本実施形態においては撮影枚数が5枚分の時間)、パターン変化量(Ps)が閾値に達しない場合には、警告を行うようにしている。すなわち、表示部23に、レリーズ釦が押下げられた後、被写体に変化がなく、バルブ撮影を行っていないことを警告する。なお、視覚的な警告表示以外にも、音声により警告表示を行ってもよい。
【0059】
警告表示を行うと、次に、続行か否かの判定を行う(S65)。ここでは、撮影者によるバルブ撮影の続行意思がなされたか否かを判定する。続行意思の検出としては、例えば、カメラの操作部材の操作を検出する。表示部23にタッチパネル機能が設けられている場合には、表示部23に表示したアイコンへのタッチを検出するようにしてもよい。
【0060】
ステップS65における判定の結果、続行であった場合には、ステップS41に戻る。ステップS41に戻ると、再び、撮影枚数Nが1にリセットされ、被写体が変化するのを待つ。一方、ステップS65における判定の結果、続行でなかった場合には、バルブ撮影を終了する。
【0061】
ステップS59における判定の結果、パターン変化量(Ps)が閾値Tsよりも大きくなると、制御1のサブルーチンを終了し、元のフローに戻った後、制御2のサブルーチンに移行する。
【0062】
次に、ステップS23における制御2の動作について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。ここでの制御は、制御1において、パターン変化量(Ps)が閾値を超えた場合に実行される。
【0063】
制御2のフローに入ると、まず、加算枚数Naに1を代入する(S71)。加算枚数Naは、加算画像の撮像を行った回数をカウントする。すなわち、本実施形態においては、制御2に入りバルブ撮影画像を取得するために加算処理を開始後、加算枚数Naが所定値(本実施形態においては10枚)以上となった場合には、警告表示を行っている。加算回数が増加すると、読み出しノイズが重畳され、画質が劣化するおそれがある。このため、加算処理を行った回数をカウントするために加算枚数Naを設けている。
【0064】
加算枚数Naを1にリセットすると、次に、加算画像Aを内部メモリ19に保管画像Xとして更新する(S73)。制御1のサブルーチンから制御2のサブルーチンに移行してきた直後は、ステップS55において一時保管した画像を保管画像Xとして更新する。また、後述するステップS97の判定結果、ステップS73に戻った場合には、ステップS81において算出した加算画像Aを保管画像Xとして更新する。この保管画像Xは、バルブ撮影画像として加算処理された画像である。
【0065】
保管画像Xの更新を行うと、次に、保管画像の表示を行う(S75)。ここでは、ステップS73において、更新された保管画像Xを表示部23に表示する。保管画像の表示を行うと、次に、画像(G)の撮影を行う(S77)。ここでは、ステップS47およびS53と同様に、ステップS15において演算された読み出し間隔の時間、イメージセンサ15によって被写体像の画像信号の蓄積を行う。読み出し間隔の時間が経過すると、イメージセンサ15から画像信号を読み出す。
【0066】
ステップS77において画像撮影を行うと、次に、加算枚数Naに1を加算する(S79)。続いて、ステップS73において更新した保管画像Xに、ステップS77において取得した画像(G)を加算し、加算画像Aを算出する(S81)。
【0067】
画像の加算を行うと、次に、差分処理を行う(S93)。ここでは、ステップS81において算出した加算画像Aから、ステップS73において更新した保管画像Xを減算する。ステップS57における差分処理と同様に、本ステップにおいても、この差分処理を行うことにより、前回と今回の画像の差分画像を得ることができる。
【0068】
差分処理を行うと、次に、パターン変化量(Pe)を検出し、この検出結果(Pe)と閾値との比較を行う(S95)。パターン変化量(Pe)としては、パターン変化量(Ps)と類似しており、ステップS41において選択したパターン変化領域において、ステップS93において差分処理により求めた差分画像の平均輝度レベルYeとする。平均輝度レベルYeが高いと、前回と今回の画像に変化が大きいことを示しており、一方、平均輝度レベルYeが低いと、前回と今回の画像に変化が小さいことを示している。また、閾値Teは、ステップS41において撮影者が設定した領域内の輝度レベルから固定値(例えば、1000LSB)を加算した値とする(図7参照)。なお、閾値Teは、固有の値として入力可能としてもよい。
【0069】
ステップS95におけるパターン変化量(Pe)と閾値Teとの比較の結果、Pe>Teであった場合には、次に、加算枚数Naの確認を行う(S97)。ここでは、加算枚数Naと所定値(実施形態においては、10)を比較する。前述したように、バルブ撮影画像を得るために、イメージセンサ15から画像信号を読み出し、画像加算部21において加算を繰り返すと、次第に読み出しノイズや加算ノイズが増加し、画像が劣化することから、本実施形態においては、加算枚数の確認を行うようにしている。なお、加算枚数の上限値は、前述したように、加算枚数とノイズの関係を実験的に評価し、この結果から、予め固定値として設定されるものとする。
【0070】
ステップS97における判定の結果、加算枚数Naが10未満であった場合には、ステップS73に戻り、所定の読み出し間隔で画像を撮影し、読み出した画像の画像加算を繰り返す。
【0071】
一方、ステップS97における判定の結果、加算枚数Naが10以上であった場合には、警告表示を行う(S99)。ここでは、表示部23に、バルブ撮影を開始後、バルブ撮影画像を取得されるための加算処理が上限値を超えたことを警告する。なお、視覚的な警告表示以外にも、音声により警告表示を行ってもよい。
【0072】
警告表示を行うと、次に、続行か否かの判定を行う(S101)。ここでは、ステップS65の場合と同様に、警告表示に対する撮影者によるバルブ撮影の続行意思がなされたか否かを判定する。続行意思としては、例えば、カメラの操作部材の操作や、またタッチパネル機能が設けられている場合には、表示部23に表示したアイコンへのタッチでもよい。
【0073】
ステップS101における判定の結果、続行する場合には、ステップS73に戻り、所定時間間隔で読み出しを行い、読み出された画像の加算処理を行うことにより、バルブ撮影画像を取得する。
【0074】
ステップS101における判定の結果、続行しない場合、またはステップS95における判定の結果、パターン変化量(Pe)が閾値Teよりも小さい場合、すなわち、Pe<Teの場合には、制御2のサブルーチンを終了し、元のフローに戻る。
【0075】
このように、自動撮影モードのバルブ撮影では、レリーズ釦の押下げによってバルブ撮影が開始しても、被写体に変化が生ずるまでは画像データの加算処理は行われない。被写体に変化が生ずると、画像データの加算処理を開始し、バルブ撮影画像の生成を行う。生成されたバルブ撮影画像は、表示部23に順次表示される。また、画像データの加算処理が開始後、被写体に変化がなくなると、画像データの加算処理を終了し、最終的なバルブ撮影画像を外部メモリ25に記録すると共に表示部23に表示している。
【0076】
次に、図2ないし図4のフローチャートに従って行われるバルブ撮影について図6を用いて説明するが、理解を容易にするために、特許文献1等を用いて説明した従来におけるバルブ撮影について図5を用いて説明する。
【0077】
図5中、上段はバルブ撮影開始後の被写体を示す。図5に示す例では、時刻T01にてバルブ撮影を開始し(P1参照)、時刻T02において変化はなく(P2参照)、時刻T03において花火がうちあげられる(P3参照)。そして、時刻T04において花火が開き(P4参照)、時刻T05において花火の煙が残っており(P5参照)、時刻T06、T07において変化がなくなっている(P6、P7参照)。なお、時刻T01〜T07は、所定の読み出し時間間隔となっている。
【0078】
図5の下段は、各時刻において読み出され加算処理されたバルブ撮影画像の変化を示す。すなわち、時刻T01〜T02、T06〜T07においては、被写体には変化がないが、このタイミングにおいてもイメージセンサから画像信号を読み出し、加算処理を行っている。このため、これらのタイミングにおいても読み出しノイズや加算ノイズが重畳され、画質が劣化している。
【0079】
図6は、図2ないし図4のフローチャートに従って行われるバルブ撮影を示す。図6の最上段は、図5の上段と同様、バルブ撮影開始後の被写体を示す。すなわち、時刻T01〜T06までの被写体の変化は、図5の場合と同様である。なお、画面の略中央部の白枠は、ステップS41において選択した領域を示す。また、時刻T01〜T07までは、所定の読み出し時間間隔となっている。
【0080】
図6の上から2段目は、ステップS55およびS81において算出される加算画像Aを示す。加算画像A2は被写体P1およびP2を加算した画像に相当する。また、加算画像A3は被写体P2およびP3を、加算画像A4は加算画像A3および被写体P4の画像を、加算画像A5は加算画像A4および被写体P5の画像を、加算画像A6は加算画像A5および被写体P6の画像を、それぞれ加算した画像に相当する。
【0081】
図6の上から3段目は、ステップS57およびS93における差分処理によって得られる画像を示す。差分画像D1は、時刻T01とT02の間のパターン変化を示す画像であり、被写体P1の画像と加算画像A2との差分によって得られる。また、差分画像D2は、時刻T02とT03の間のパターン変化を示す画像であり、加算画像A2と加算画像A3との差分によって得られる。同様に、差分画像D3、D4は、前後の加算画像の差分処理によって得ることができる。
【0082】
差分画像D1より、前後の両画像の間には変化がないことが分かる。このため、時刻T01、T02においては、バルブ撮影画像のための加算処理を行わず、表示部23には「動体検出中」の表示がなされる(B2参照)。また、差分画像D2より、前後の両画像の間に変化が生じていることが分かる。このため、時刻T03においては、バルブ撮影画像のための加算処理を行い、加算画像A3を表示部23にバルブ撮影画像B3として表示する。
【0083】
同様に、差分画像D3、D4においては、前後の両画像の間に変化が生じていることがから、時刻T04、T05において、それぞれバルブ撮影画像B4、B5を表示部23に表示する。次に、差分画像D5より、前後の両画像の間には変化がないことが分かる。このため、時刻T06においては、バルブ撮影画像のための加算処理を終了し、表示部23には時刻T05におけるバルブ撮影画像B5に「撮影終了」を重畳させた画像の表示がなされる(B6参照)。
【0084】
図7は、パターン変化領域のパターン変化量の変化を示すグラフである。時刻T01においてバルブ撮影を行うためにレリーズ釦を押下げるが、パターン変化量は時刻T02までは閾値Tsよりも小さい。しかし時刻T03〜T05までは、花火が変化することから、パターン変化量は大きく変化する。そして、時刻T05を過ぎると花火は消失し、花火に伴う煙などだけになることから、パターン変化量は減少する。閾値TsおよびTeは、前述したように、ステップS41において撮影者が設定した領域内の輝度レベルから固定値(例えば、1000LSB)を加算した値として設定している。
【0085】
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、撮像部によって撮像された画像データの時間的な変化量を検出し、この時間的変化量に応じて、画像データの加算処理を制御するようにしている。このため、バルブ撮影における露光途中の撮影画像を観察可能であり、且つ高画質の画像データを得ることができる。
【0086】
なお、本発明の一実施形態においては、画像データの時間的変化量として、前後の画像を差分処理し、被写体の輝度変化量を用いていたが、これに限らず、例えば、動体ベクトルを算出して、被写体に動き量を算出する等、被写体の変化を検出できるものであればよい。
【0087】
また、本発明の一実施形態においては、被写体に変化が生じた際に、画像データの加算処理の開始するようにしていたが(図3のS59→図4参照)、加算処理の開始は、従来と同様、レリーズ釦の押下げに応じた行い、加算処理の終了を、本発明の一実施形態のように被写体に変化がなくなった際、また所定回数の加算処理を行った際とするようにしてもよい。
【0088】
また、本発明の一実施形態においては、被写体に変化が無くなった際に、加算処理を終了するようにしていたが(S95→Pe<Te)、これに限らず、加算回数が所定値以上になると、加算処理を終了するようにしてもよい。この場合、警告表示を行い、続行意思があれば、加算処理を続行するようにしてもよい。
【0089】
また、本発明の一実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。
【0090】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10・・・カメラ、11・・・レンズ、13・・・シャッタ、15・・・イメージセンサ、17・・・画像処理部、19・・・内部メモリ、21・・・画像処理部、23・・・表示部、25・・・外部メモリ、31・・・システム制御部、33・・・CPU、35・・・加算制御部、37・・・撮影条件設定部、39・・・指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ撮影における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像装置において、
時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成する撮像部と、
上記撮像部によって撮像された画像データの時間的な変化量を検出する検出部と、
上記検出部により検出された画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定する判定部と、
上記判定部により上記時間的変化量が所定値以上であると判定されたとき、上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する動作を開始する画像データ加算部と、
上記画像データ加算部により加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示する表示部と、
上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったことを検出して該画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とするバルブ撮像装置。
【請求項2】
上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったとき、さらに撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行う指示部を備え、
上記制御部は、撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行ったとき、上記撮像部による撮像を続行すると共に、該撮像部により撮像された画像データの加算を続行するように制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のバルブ撮像装置。
【請求項3】
バルブ撮影における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像装置において、
時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成する撮像部と、
上記撮像部によって撮像された画像データの時間的な変化量を検出する検出部と、
上記検出部により検出された画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定する判定部と、
上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する画像データ加算部と、
上記画像データ加算部により加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示する表示部と、
上記画像データ加算部による上記画像データの加算が開始された後、上記判定部により上記時間的変化量が所定値以下であると判定されたとき、上記画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とするバルブ撮像装置。
【請求項4】
上記画像データ加算部は、上記判定部により上記時間的変化量が所定値以上であると判定されたとき、上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する動作を開始することを特徴とする請求項3に記載のバルブ撮像装置。
【請求項5】
上記画像データ加算部による上記画像データの加算の開始前に、上記撮像部による撮像回数が所定値以上になったとき、撮影者がバルブ撮影を続行する旨の指示を行う指示部を備え、
上記制御部は、撮影者が上記バルブ撮影を続行する旨の指示を行ったとき、上記撮像部による撮像を続行する、
ことを特徴とする請求項3に記載のバルブ撮像装置。
【請求項6】
上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったとき、さらに撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行う指示部を備え、
上記制御部は、撮影者が上記画像データ加算部による画像データの加算を続行する旨の指示を行ったとき、上記撮像部による撮像を続行すると共に、該撮像部により撮像された画像データの加算を続行するように制御を行う、
ことを特徴とする請求項3に記載のバルブ撮像装置。
【請求項7】
上記制御部は、上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったことを検出して該画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
バルブ撮像における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像方法において、
撮像部により、時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成するステップと、
検出部により、上記撮像部によって撮像された画像データの時間的変化量を検出するステップと、
判定部により、上記検出部により検出された画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定するステップと、
画像データ加算部により、上記判定部により上記時間変化量が所定値以上であると判定されたとき、上記撮像部により撮像された画像データを順次加算する動作を開始するステップと、
表示部により、上記画像データ加算部により加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示するステップと、
制御部により、上記画像データ加算部による画像データの加算回数が所定値以上になったことを検出して該画像データ加算部による画像データの加算を終了するための制御を行うステップと、
を有することを特徴とするバルブ撮像方法。
【請求項9】
バルブ撮影における露光途中の撮像した画像を表示しながら撮像を行うバルブ撮像方法において、
時分割的に連続して撮像を行い、画像データを生成するステップと、
上記画像データを順次加算するステップと、
上記加算された画像データによって表わされる画像を時系列的に表示するステップと、
上記画像データの時間的な変化量を検出するステップと、
上記画像データの時間的変化量が所定値以上か否かを判定するステップと、
上記画像データの加算が開始された後、上記時間的変化量が所定値以下であると判定されたとき、画像データの加算を終了するステップと、
を有することを特徴とするバルブ撮像方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−160819(P2012−160819A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17682(P2011−17682)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】