説明

バルントランス

【課題】一次巻線と二次巻線のインダクタンスのアンバランスを改善できるバルントランスを提供すること。
【解決手段】バルントランス10において、一次巻線を構成するワイヤL1の引出部L1b,L1cのうちの少なくとも1つは、対応する端子電極E1,E6と巻回部L1aとの間に、磁心方向と平行な第1の直線部L1bs,L1csを含み、二次巻線を構成するワイヤL2,L3の引出部L2b,L2c,L3b,L3cのうちの少なくとも1つは、対応する巻回部L2a,L3aと端子電極E2〜E5とを最短距離で接続する第2の直線部L2bs,L2cs,L3bs,L3csを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバルントランスに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、アンテナなどに接続される伝送線路は不平衡伝送線路である一方、半導体ICなどの高周波回路に接続される伝送線路は平衡伝送線路である。不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続する場合、これらの間には不平衡信号及び平衡信号を相互に変換するバルントランスが挿入される。ここで、不平衡信号とは固定電位(例えば接地電位)を基準としたシングルエンド型の信号を指し、平衡信号とは差動型の信号を指す。
【0003】
バルントランスとしては、特許文献1に記載されているようなメガネ型コアを用いたタイプが一般的である。しかしながら、メガネ型コアを用いたバルントランスには、小型化・低背化が難しく、巻線の巻回作業の自動化も困難であるという問題があるため、ドラム型コアを用いたバルントランスが考案されている。このバルントランスは、小型化が容易であるとともに、巻線の巻回作業の自動化や表面実装に適しているというメリットを有している。
【0004】
図10は、ドラム型コアを用いたバルントランスの一例を示す斜視図である。また、図11は、図10に示すバルントランス100の端子電極とワイヤとの接続関係を説明するための模式図である。
【0005】
図10及び図11に示すように、バルントランス100はドラム型コア101の両端に形成される鍔部の一方に端子電極E1〜E3を有し、他方に端子電極E4〜E6を有する。そして、端子電極E1と端子電極E6の間にはワイヤl1が巻回され、端子電極E2と端子電極E4の間にはワイヤl2が巻回され、端子電極E3と端子電極E5の間にはワイヤl3が巻回される。ワイヤl1はバルントランス100の一次巻線を構成し、ワイヤl2,l3はバルントランス100の二次巻線を構成する。
【0006】
端子電極E1,E6は基板上の不平衡伝送線路(不図示)に接続され、端子電極E6はグランドプレーン(不図示)に接続される。また、端子電極E3,E4は基板上の平衡伝送線路(不図示)に接続され、端子電極E2,E5はパワープレーン(不図示)に接続される。なお、パワープレーンに接続される端子電極E2,E5は、二次巻線の途中にあることから「中間タップ」と呼ばれる。
【特許文献1】実開昭62−158804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のバルントランスでは、二次巻線の途中に中間タップを設ける必要があるため、一次巻線と二次巻線の線長が異なり、その結果、一次巻線と二次巻線とでインダクタンスが異なっている。このようなインダクタンスのアンバランスはバルントランスの特性に悪影響を及ぼすので、改善が求められている。
【0008】
したがって、本発明の目的の一つは、一次巻線と二次巻線のインダクタンスのアンバランスを改善できるバルントランスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明によるバルントランスは、巻芯部及び前記巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部を有するドラム型コアと、前記一対の鍔部の一方に設けられた第1乃至第3の端子電極と、前記一対の鍔部の他方に設けられた第4乃至第6の端子電極と、前記巻芯部に巻回される第1の巻回部と、該第1の巻回部と前記第1及び第6の端子電極とをそれぞれ接続する第1及び第2の引出部とを有する第1のワイヤと、前記巻芯部に巻回される第2の巻回部と、該第2の巻回部と前記第2及び第4の端子電極とをそれぞれ接続する第3及び第4の引出部とを有する第2のワイヤと、前記巻芯部に巻回された第3の巻回部と、該第3の巻回部と前記第3及び第5の端子電極とをそれぞれ接続する第5及び第6の引出部とを有する第3のワイヤとを備え、前記第1及び第2の引出部のうちの少なくとも1つは、対応する前記端子電極と前記第1の巻回部との間に、磁心方向と平行な第1の直線部を含み、前記第3乃至第6の引出部のうちの少なくとも1つは、対応する前記巻回部と前記端子電極とを最短距離で接続する第2の直線部を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、一次巻線(第1のワイヤ)と二次巻線(第2及び第3のワイヤ)の線長を近づけることができるので、一次巻線と二次巻線のインダクタンスのアンバランスを改善できる。
【0011】
また、上記バルントランスにおいて、前記第1及び第2の引出部はともに前記第1の直線部を含み、前記第3乃至第6の引出部はともに前記第2の直線部を含むこととしてもよい。これによれば、一次巻線と二次巻線の線長をさらに近づけることができる。
【0012】
また、上記各バルントランスにおいて、前記ドラム型コアは、前記第1の直線部を磁心方向と平行に保持する突起を有することとしてもよい。これによれば、第1のワイヤと端子電極とを熱圧着するときに、第1のワイヤのカーブが弛み、一次巻線の線長が短くなってしまうことを防止できる。
【0013】
また、上記各バルントランスにおいて、前記第3乃至第6の引出部のうちの少なくとも一部では、当該バルントランスが設置される基板面と垂直な方向から見て、対応する前記端子電極に接着される部分と第2の直線部とが連続した直線となっていることとしてもよい。これによれば、引出部と端子電極の熱圧着作業を行う際、引出部を基板面内に平行な方向に折り曲げる必要がなくなるので、作業が簡略化される。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、一次巻線と二次巻線のインダクタンスのアンバランスを改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるバルントランス10の外観を示す略斜視図である。なお、図1は、バルントランス10の底面(基板接触面)を上側にして示したものである。また、図2は、バルントランス10の略底面図である。また、図3は、バルントランス10の図1A−A'線略断面図である。また、図4は、バルントランス10の各端子電極とワイヤとの接続関係を説明するための模式図である。以下、これらの図を参照しながらバルントランス10の構成について説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、バルントランス10は、ドラム型コア11と、板状コア12と、3本の被覆ワイヤL1〜L3(第1乃至第3のワイヤ)によって構成されている。ドラム型コア11は、巻芯部11aと、巻芯部11aの両端に設けられた一対の鍔部11b,11cと、突起11d−1,2とを有している。一方の鍔部11bの基板接触面には端子電極E1〜E3(第1乃至第3の端子電極)が設けられている。これら端子電極E1〜E3は、y方向(基板面内で磁心方向(x方向)と垂直な方向)の一端から他端に向って、この順で配置されている。また、他方の鍔部11bの基板接触面には端子電極E4〜E6(第4乃至第6の端子電極)が設けられている。これら端子電極E4〜E6は、同じy方向の他端から一端に向ってこの順で配置されている。
【0018】
板状コア12は、ドラム型コア11の鍔部11b,11cの上部(基板接触面の反対側。図1では下側になっている。)を連結するように配置されている。本発明において板状コア12を用いることは必須でないが、板状コア12を用いることによって閉磁路を形成すれば、高い磁気結合を得ることが可能となる。ドラム型コア11及び板状コア12は磁性材料からなり、特に限定されないが、NiZn系フェライト材料を用いることが好ましい。NiZn系フェライトは透磁率が比較的高いだけでなく、導電性が低いことから端子電極を直接形成することができるからである。但し、端子電極が形成されない板状コア12については、より透磁率の高いMgZn系フェライト材料を用いることも可能である。
【0019】
ワイヤL1は、図2に示すように、巻芯部11aに巻回される巻回部L1a(第1の巻回部)と、巻回部L1aの両端に設けられた引出部L1b,L1c(第1及び第2の引出部)とを有する。同様に、ワイヤL2は、巻芯部11aに巻回される巻回部L2a(第2の巻回部)と、巻回部L1aの両端に設けられた引出部L2b,L2c(第3及び第4の引出部)とを有する。ワイヤL3は、巻芯部11aに巻回される巻回部L3a(第3の巻回部)と、巻回部L1aの両端に設けられた引出部L3b,L3c(第5及び第6の引出部)とを有する。
【0020】
巻回部L1a,L2a,L3aはいずれも、図2及び図3に示すように、鍔部11bから鍔部11cに向って、鍔部11bから見て時計回りに巻回されている。
【0021】
ここで、巻回部L1a,L2a,L3aの巻き方について詳しく説明しておく。図3に示すように、巻回部L1a,L2a,L3aは2層構造で巻回されている。まず、巻回部L1aが巻芯部11aに単層巻きされており、1層目を構成している。なお、巻回部L1aのターン数は2n(nは自然数)としている。次に、巻回部L2a,L3aは1層目の上にバイファイラ巻きされており、2層目を構成している。なお、「バイファイラ巻き」とは2本のワイヤを交互に並べて単層巻きすることであり、ワイヤ間の磁気結合の向上という効果を有する巻き方である。巻回部L2a,L3aのターン数は各nとしている。
【0022】
なお、巻回部L1a,L2a,L3aの両端は、巻芯部11aの側面から底面に達する点とする。つまり、厳密に言えば、巻回部L1a,L2a,L3aのターン数はそれぞれ2n−1/4、n−1/4、n−1/4である。このようにすることで、各引出部が巻芯部11aの底面に位置することになる。
【0023】
引出部L1b,L1c,L2b,L2c,L3b,L3cはそれぞれ、熱圧着により端子電極E1,E6,E2,E4,E3,E5に接続される。この接続により、図4に示すような端子電極とワイヤとの接続関係が得られる。すなわち、ワイヤL1は端子電極E1及びE6間に設けられたコイルを構成し、ワイヤL2は端子電極E2及びE4間に設けられたコイルを構成し、ワイヤL3は端子電極E3及びE5間に設けられたコイルを構成する。
【0024】
次に、図5は、バルントランス10が実装されるプリント基板50の平面図である。
【0025】
図5に示すプリント基板50上の領域51はバルントランス10の搭載領域である。同図に示すように、搭載領域51には5つのランドパターン52〜56が設けられている。ランドパターン52は不平衡伝送線路PLに接続されるパターンであり、バルントランス10の端子電極E1に接続される。ランドパターン53はグランドプレーンGNDに接続されるパターンであり、バルントランス10の端子電極E6に接続される。ランドパターン54はパワープレーンPPに接続されるパターンであり、バルントランス10の端子電極E2及びE5に共通接続される。ランドパターン55,56は一対の平衡伝送線路STL,SBLに接続されるパターンであり、それぞれバルントランス10の端子電極E3,E5に接続される。
【0026】
このようなレイアウトにより、不平衡伝送線路PLを搭載領域51から見て矢印Aの方向へ直線的に形成することができるとともに、一対の平衡伝送線路STL,SBLを搭載領域150から見て矢印Bの方向へ平行且つ直線的に形成することができる。これにより、プリント基板上における配線パターンの迂回などが不要となることから、配線パターンの占有面積が必要以上に増大することがなく、しかも、配線パターンの対称性を確保することが可能となる。これにより、装置全体の小型化と信号品質の向上を両立させることが可能となる。
【0027】
図6は、以上のような構成及び接続により実現されるバルントランス10の等価回路を示す図である。
【0028】
図6に示すように、ワイヤL1はバルントランス10の一次巻線P1を構成し、ワイヤL2,L3はバルントランス10の二次巻線P2を構成する。これらは互いに磁気結合し、不平衡伝送線路PLから端子電極E1に入力される不平衡信号を平衡信号に変換して、端子電極E3及びE4から平衡伝送線路STL,SBLに出力する。なお、端子電極E2,E5は、バルントランス10の中間タップを構成する。
【0029】
さて、本発明では、各引出部に、一次巻線P1と二次巻線P2の線長を近づけるための特徴を有する。以下、この特徴について、再度図2を参照しながら説明する。
【0030】
まず、一次巻線P1に関しては、できるだけ線長を長くするべく、引出部L1b,L1cそれぞれに、磁心方向(x方向)と平行な直線部L1bs,L1cs(第1の直線部)を設ける。この直線部L1bs,L1csはそれぞれ、端子電極E1,E6と巻回部L1aとの間(端子電極との接着部分を含まない。)に設けられるが、可能な限り長くすることが好ましい。そうすることで、一次巻線P1の線長を可能な限り長くすることが可能になる。なお、引出部L1b,L1cのどちらか一方のみに第1の直線部を設けることとしてもよい。
【0031】
なお、ドラム型コア11の巻芯部11aの突起11d−1,11d−2は、直線部L1bs,L1csを磁心方向(x方向)と平行に保持するために設けられるものである。突起11d−1,11d−2は、引出部L1b,L1cのカーブの内側に接するように設ける。このカーブは、磁心方向(x方向)と平行な直線部L1bs,L1csを設けるために、必然的に引出部L1b,L1cに発生するものである。突起11d−1,11d−2を設けることで、ワイヤL1を端子電極E1,E6に熱圧着する際、引出部L1b,L1cの上記カーブが弛み、一次巻線の線長が短くなってしまうことを防止できる。
【0032】
次に、二次巻線P2に関しては、できるだけ線長を短くするべく、引出部L2b,L2c,L3b,L3cそれぞれに、対応する巻回部と端子電極(の巻芯部11a側の端部)とを最短距離で接続する直線部L2bs,L2cs,L3bs,L3cs(第2の直線部)を設ける。なお、引出部L2b,L2c,L3b,L3cの一部のみに第2の直線部を設けることとしてもよい。
【0033】
また、引出部L2b,L2c,L3b,L3cのうち引出部L2b,L3bでは、図1に示したz方向(基板面と垂直な方向。図2では奥行き方向。)から見て、対応する端子電極に接着される部分と第2の直線部とが連続した1本の直線となっている。つまり、引出部L2b,L3bは、対応する巻回部の端部から、z方向以外には一切曲がることなく、対応する端子電極に継線される。これにより、引出部と端子電極の熱圧着作業を行う際、引出部をz方向に折り曲げる必要がなくなるので、作業が容易になる。一方、引出部L2c,L3cでは、図2に示すように、対応する端子電極に接着される部分と第2の直線部とが、z方向から見て連続した1本の直線とはなっていない。これは巻回部と端子電極との間の距離が短すぎるためであり、距離が十分に取れる場合には、引出部L2b,L3bと同様にすることが好ましい。
【0034】
図7は、第1及び第2の直線部を設けることによる線長の違いを分かり易く説明するための模式図である。同図では、巻回部の端部Bと端子電極Eとを接続する引出部Lxと、同じく巻回部の端部Bと端子電極Eとを接続する引出部Lyとを示している。実際には、1つの端部Bに複数の引出線を接続することはあり得ないが、ここでは説明のため、このようにしている。
【0035】
引出部Lxには、磁心方向(x方向)に平行な第1の直線部Lxsが設けられている。一方、引出部Lyには、端部Bと端子電極Eとを最短距離で接続する第2の直線部Lysが設けられている。図7から明らかなように、LxはLyより長くなっている。また、引出部Lxの長さは、直線部Lxsが長いほど長くなる。
【0036】
以上説明したように、バルントランス10によれば、一次巻線(ワイヤL1)と二次巻線(ワイヤL2,L3)の線長を近づけることができるので、一次巻線と二次巻線のインダクタンスのアンバランスを改善できる。
【0037】
次に、バルントランス10の製造方法について説明する。
【0038】
図8及び図9は、バルントランス10の製造方法の説明図である。
【0039】
まず初めに、例えばフェライト粉末を金型で加圧成形し、この成形品を高温下で焼成することにより、ドラム型コア11を作製する(図8(a))。そして、ドラム型コア11の鍔部11b,11cに、メッキ又はスクリーン印刷により、端子電極E1〜E6を形成する(図8(b))。
【0040】
次に、ドラム型コア11の巻芯部11aにワイヤL1〜L3を巻回し、必要に応じてこれらの端部の絶縁被膜を剥離した上で、対応する端子電極E1〜E6に熱圧着(溶接により接着)する(図9(a))。最後に、ドラム型コア11と同様にして作製した板状コア12をドラム型コア11に貼り付け、バルントランス10は完成する(図9(b))。
【0041】
ワイヤL1〜L3を端子電極E1〜E6に熱圧着する際には、図1や図2等に示したような形状になるよう、ワイヤL1〜L3を適宜折り曲げる必要があるが、ドラム型コア11に上述した突起11d−1,11d−2を設けておくことで、ワイヤL1を折り曲げる作業が容易になる。また、引出部L2b,L2c,L3b,L3cを直線とすることで、ワイヤL2,L3の折り曲げ箇所が減少し、作業が簡略化される。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0043】
例えば、上記実施の形態では一次巻線と二次巻線の巻き数比を1対1としたが、いずれか一方の巻き数が他方の巻き数に比べて多い場合にも本発明は適用可能である。このような場合、一次巻線と二次巻線の線長は当然異なるものの、一次巻線と二次巻線のインダクタンスのバランスを取る上で好ましい線長比は存在する。本発明により、一次巻線と二次巻線の線長比を、この好ましい線長比に近づけることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスの外観を示す略斜視図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスを実装面側から見た略底面図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスの図1A−A'線略断面図である。
【図4】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスの各端子電極とワイヤとの結線を説明するための模式図である。
【図5】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスが実装されるプリント基板の平面図である。
【図6】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスの等価回路を示す図である。
【図7】引出部に第1及び第2の直線部を設けることによる線長の違いを分かり易く説明するための模式図である。
【図8】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスの製造方法の説明図である。
【図9】本発明の好ましい実施の形態によるバルントランスの製造方法の説明図である。
【図10】本発明の背景技術によるバルントランスの外観を示す略斜視図である。
【図11】本発明の背景技術によるバルントランスの各端子電極とワイヤとの結線を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0045】
E1〜E6 端子電極
L1〜L3 ワイヤ
L1a,L2a,L3a 巻回部
L1b,L1c,L2b,L2c,L3b,L3c,Lx,Ly 引出部
L1bs,L1cs,L2bs,L2cs,L3bs,L3cs,Lxs,Lys 直線部
P1 一次巻線
P2 二次巻線
PL 不平衡伝送線路
STL,SBL 平衡伝送線路
10 バルントランス
11 ドラム型コア
11a 巻芯部
11b,11c 鍔部
11d 突起
12 板状コア
50 プリント基板
51 搭載領域
52〜56 ランドパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻芯部及び前記巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部を有するドラム型コアと、
前記一対の鍔部の一方に設けられた第1乃至第3の端子電極と、
前記一対の鍔部の他方に設けられた第4乃至第6の端子電極と、
前記巻芯部に巻回される第1の巻回部と、該第1の巻回部と前記第1及び第6の端子電極とをそれぞれ接続する第1及び第2の引出部とを有する第1のワイヤと、
前記巻芯部に巻回される第2の巻回部と、該第2の巻回部と前記第2及び第4の端子電極とをそれぞれ接続する第3及び第4の引出部とを有する第2のワイヤと、
前記巻芯部に巻回された第3の巻回部と、該第3の巻回部と前記第3及び第5の端子電極とをそれぞれ接続する第5及び第6の引出部とを有する第3のワイヤとを備え、
前記第1及び第2の引出部のうちの少なくとも1つは、対応する前記端子電極と前記第1の巻回部との間に、磁心方向と平行な第1の直線部を含み、
前記第3乃至第6の引出部のうちの少なくとも1つは、対応する前記巻回部と前記端子電極とを最短距離で接続する第2の直線部を含むことを特徴とするバルントランス。
【請求項2】
前記第1及び第2の引出部はともに前記第1の直線部を含み、
前記第3乃至第6の引出部はともに前記第2の直線部を含むことを特徴とする請求項1に記載のバルントランス。
【請求項3】
前記ドラム型コアは、前記第1の直線部を磁心方向と平行に保持する突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルントランス。
【請求項4】
前記第3乃至第6の引出部のうちの少なくとも一部では、当該バルントランスが設置される基板面と垂直な方向から見て、対応する前記端子電極に接着される部分と第2の直線部とが連続した直線となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバルントランス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−93183(P2010−93183A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263931(P2008−263931)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】