説明

バンカ内の粒体レベル警報装置

【課題】悪環境下においても、バンカ内の粒体の貯留量が所定量に達したことを確実に知らせることが可能な粒体レベル警報装置を提供する。
【解決手段】水平方向を軸にして揺動自在に配設され、石炭バンカ内の石炭Sの積層高さの変化に応じて揺動するパドル2と、パドル2の揺動に連動する連動リンク3と、連動リンク3によってスイッチがオンされることで警報信号を送信する警報器4とを備える。石炭Sの積層高さが所定の高さに達すると、揺動したパドル2に連動して連動リンク3が警報器4のスイッチをオンする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭や砂などの粒体を貯留するバンカに配設され、バンカ内の粒体の貯留量(レベル)が所定量に達したことを知らせるバンカ内の粒体レベル警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、石炭火力発電所では、船で運ばれた石炭を石炭サイロ(貯炭場)に貯蔵し、石炭サイロに貯蔵された石炭をコンベアで石炭バンカ(石炭供給ホッパー)に送り、石炭バンカから供給された石炭を石炭ミル(微粉炭機)で粉末状にする。そして、この粉末状の石炭をボイラに投入して、燃焼させるものである。
【0003】
上記のような石炭バンカは、筒状で、上部の開口から石炭が石炭バンカ内に供給され、下部の開口から石炭バンカ内の石炭が石炭ミルに供給されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。また、コンベアから石炭バンカに供給される石炭が過剰になり、石炭バンカから石炭が溢れることなどを防止するために、レベル警報装置が設けられている。このレベル警報装置は、超音波によって石炭バンカ内の石炭の積層高さ(レベル)、つまり貯留量を検出し、積層高さが一定の高さに達すると警報音などを発するものである。
【特許文献1】特開平10−203587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなレベル警報装置は、超音波を検出媒体として電気的な処理など
によって、石炭の積層高さを検出して警報音などを発するようになっている。このため、粉塵などが充満し、かつ高温多湿である石炭バンカ内の悪環境下において、レベル警報装置が誤動作を起こしたり、故障したりするおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、悪環境下においても、バンカ内の粒体の貯留量が所定量に達したことを確実に知らせることが可能な粒体レベル警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、石炭や砂などの粒体を貯留するバンカに配設され、前記バンカ内の粒体の貯留量が所定量に達したことを知らせるバンカ内の粒体レベル警報装置であって、ほぼ水平方向を軸にして揺動自在に配設され、前記バンカ内の粒体の積層高さの変化に応じて揺動するパドルと、前記パドルの揺動に連動する連動部材と、前記連動部材によってスイッチがオンされることで警報を発する警報器と、を備え、前記粒体の積層高さが所定の高さに達すると、揺動した前記パドルに連動して前記連動部材が前記警報器のスイッチをオンすることを特徴としている。
(作用)
バンカ内の粒体の積層高さが所定の高さに達すると、つまりバンカ内の粒体の貯留量が所定量に達すると、積層高さの変化に応じて揺動したパドルに連動して、連動部材が警報器のスイッチをオンし、警報器から警報が発せられる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバンカ内の粒体レベル警報装置において、前記連動部材は、ほぼ水平方向を軸にして揺動自在に配設され、前記パドルの揺動に連動して揺動し、前記警報器のスイッチをオンすることを特徴としている。
(作用)
バンカ内の粒体の積層高さが所定の高さに達すると、積層高さの変化に応じて揺動したパドルに連動して、連動部材が揺動して警報器のスイッチをオンし、警報器から警報が発せられる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のバンカ内の粒体レベル警報装置において、前記連動部材は、上下動自在に配設され、前記パドルの揺動に連動して上下動し、前記警報器のスイッチをオンすることを特徴としている。
(作用)
バンカ内の粒体の積層高さが所定の高さに達すると、積層高さの変化に応じて揺動したパドルに連動して、連動部材が上下動して警報器のスイッチをオンし、警報器から警報が発せられる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、パドルと連動部材と警報器とを備えた簡単な構成で、しかも、パドルの揺動と、連動部材の連動によるスイッチのオンという確実かつ単純な機械的動作によって警報が発せられる。このため、粉塵などが充満し、かつ高温多湿な悪環境下においても、誤動作や故障などを起こすことなく、バンカ内の粒体の貯留量が所定量に達したことを確実に知らせることが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、連動部材が、パドルと同様に、ほぼ水平方向を軸にして揺動自在に配設されているため、より簡単な構成、機構にすることが可能となり、悪環境下における誤動作や故障などの発生をより抑えることが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、パドルの揺動が連動部材の上下動に変換されるため、パドルの揺動角度に制限されることなく、警報器のスイッチのオン動作をより確実に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る石炭レベル警報装置(バンカ内の粒体レベル警報装置)1の正面図であり、図2は、そのA−A断面図である。この石炭レベル警報装置1は、後述するように、石炭(粒体)Sを貯留する石炭バンカ(バンカ)106A〜D内に配設され、石炭バンカ106A〜D内の石炭Sの貯留量が所定量に達したことを知らせる装置であって、主として、パドル2と、連動リンク(連動部材)3と、警報器4とを備えている。
【0014】
パドル2は、平板状のパドル板21の上端に、揺動軸22が取り付けられ、この揺動軸22を軸にして揺動自在に配設されている。すなわち、左右に配設された支持板5の軸受孔5aに、揺動軸22の両端部が挿入、装着(挿着)され、揺動軸22が水平に、かつ回転自在に配設されている。そして、揺動軸22が回転することで、パドル板21が水平方向を軸にして揺動自在となっており、石炭バンカ106A〜D内の石炭Sの積層高さの変化に応じて揺動するようになっている。すなわち、石炭Sの積層高さがパドル板21の下端部に達していない状態では、パドル板21が垂直に位置し、石炭Sの積層高さがパドル板21の下端部以上に達すると、石炭Sがパドル板21を押し上げることで、パドル板21が上方に揺動する。さらに石炭Sの積層高さが高くなると、パドル板21がさらに上方に揺動して、後述するように、連動リンク3が警報器4のスイッチをオンする。一方、石炭Sの積層高さが低くなると、パドル板21が下方に揺動するものである。
【0015】
また、揺動軸22には、パドル板21に対して一直線上に延びる短冊状(長板状)の揺動板23が取り付けられている。この揺動板23は、第1揺動板23aと第2揺動板23bとが連結されて構成され、上方(連動リンク3側)に位置する第2揺動板23bには、スリット(長孔)状のスライド孔23cが形成されている。そして、パドル板21が揺動すると、パドル板21と反対方向に(パドル板21に対して一直線上に)揺動板23が揺動するものである。
【0016】
連動リンク3は、短冊状で、上端部に水平方向に延びる回転軸31が設けられ、この回転軸31は、警報器4の軸受部41に回転自在に挿着されている。そして、回転軸31を軸にして(水平方向を軸にして)連動リンク3が揺動自在となっている。また、連動リンク3の下端部には、円柱状のスライド駒32がその軸線を水平にして取り付けられ、このスライド駒32の一端部が揺動板23のスライド孔23cにスライド自在に挿着されている。そして、パドル2が揺動すると、つまり揺動板23が揺動すると、その揺動に伴ってスライド駒32がスライド孔23cをスライドし、図3に示すように、連動リンク3が揺動(連動)する。さらに、連動リンク3が一定以上揺動することで、後述するように、連動リンク3の上端部が警報器4のスイッチ(図示せず)をオンするものである。
【0017】
警報器4は、連動リンク3によってスイッチがオンされることで警報信号(警報)を制御盤(図示せず)に送信する(発する)ものである。具体的には、上記のようにして連動リンク3が一定以上揺動すると、連動リンク3の上端部によって警報器4のスイッチがほぼ水平方向(横方向)からオン(押下)され、警報信号を制御盤に送信する。そして、制御盤が警報信号を受信すると、後述するように、スクレーパ107を移動制御するものである。
【0018】
このような構成の石炭レベル警報装置1が、図4に示すような石炭火力発電所における石炭供給設備100内に配設されている。この石炭供給設備は、石炭サイロ101と、コンベア102〜105と、石炭バンカ106A〜Dと、スクレーパ107と、石炭ミル108などを備えている。
【0019】
石炭サイロ101は、船で運ばれた石炭Sを貯蔵するための貯炭場であり、地下に地下コンベア102が配設され、地下コンベア102、クラッシャコンベア103および傾斜コンベア104を介して、石炭サイロ101に貯蔵された石炭Sがバンカコンベア105上に搬送されるようになっている。このバンカコンベア105は、石炭バンカ106A〜Dの上方に配設され、後述するようにして、石炭Sを石炭バンカ106A〜Dに供給するものである。
【0020】
石炭バンカ106A〜Dは、バンカコンベア105から供給された石炭Sを一時的に収容し、石炭Sを石炭ミル108に供給するための石炭供給用ホッパーである。すなわち、石炭バンカ106A〜Dは筒状で、上部の開口から石炭Sが石炭バンカ106A〜D内に投入(供給)され、下部の開口から石炭バンカ106A〜D内の石炭Sが石炭ミル108に供給される。また、この実施の形態では、4機の石炭バンカ106A〜Dが一直線上に配設され、各石炭バンカ106A〜Dに対して順次、石炭Sが供給されるようになっている。
【0021】
すなわち、図5に示すように、平面形状が「く」の字形のスクレーパ107が、バンカコンベア105上のP1に位置した状態では、バンカコンベア105上を搬送された石炭Sが、スクレーパ107によってバンカコンベア105の側縁側に案内されて、バンカコンベア105から第1の石炭バンカ106Aに投入(落下)される。さらに、スクレーパ107がバンカコンベア105上のP2に位置した状態でも、石炭Sがバンカコンベア105から第1の石炭バンカ106Aに投入される。このように、2つの位置において石炭Sが同一の石炭バンカ106Aに投入されるようにしているのは、石炭バンカ106A〜Dの断面積(水平方向の面積)が大きいために、2つの位置から石炭Sを投入して、2つの積層山(石炭Sの山)を設けることができるからである。同様にして、スクレーパ107がP3またはP4に位置した状態では、石炭Sが第2の石炭バンカ106Bに投入され、スクレーパ107がP5またはP6に位置した状態では、石炭Sが第3の石炭バンカ106Cに投入される。さらに、スクレーパ107がP7に位置した状態、またはスクレーパ107がバンカコンベア105上に位置しない状態では、石炭Sが第4の石炭バンカ106Dに投入されるようになっている。
【0022】
このような石炭バンカ106A〜Dのそれぞれに、2つの石炭レベル警報装置1が配設されている。すなわち、図6に示すように、石炭Sの投入によって形成される2つの積層山のそれぞれに、パドル2のパドル板21が対向するように配設されている。さらに、その高さ位置は、石炭Sの積層高さが所定の高さに達すると、つまり、石炭Sの貯留量が所定量に達すると、石炭Sに押されて揺動したパドル2に連動して揺動した連動リンク3によって、警報器4のスイッチがオンされるように設定されている。ここで、貯留量の所定量とは、石炭バンカ106A〜Dの容積などによって定められ、石炭Sが石炭バンカ106A〜Dから溢れることがなく、かつ、石炭Sを石炭バンカ106A〜Dに効率よく貯留するのに適した量である。
【0023】
また、警報器4のスイッチがオンされて警報信号が制御盤に送信されると、制御盤によってスクレーパ107が次の位置P2〜P7に移動される。さらに、スクレーパ107がP7に位置した状態で警報信号が発せられると、スクレーパ107はバンカコンベア105の上方に移動される。そして、この状態では、バンカコンベア105上の石炭Sが第4の石炭バンカ106Dに投入され、この第4の石炭バンカ106Dの2つ目(バンカコンベア105の下流側)の石炭レベル警報装置1から警報信号が発せられると、バンカコンベア105が停止される。このようにして、各石炭バンカ106A〜Dに所定量の石炭Sが供給、貯留されるものである。
【0024】
石炭ミル108は、給炭機109を介して石炭バンカ106A〜Dから供給された石炭Sを粉末状に粉砕する粉砕機であり、粉砕された石炭Sがボイラ(図示せず)に供給(投入)されるようになっている。
【0025】
次に、このような構成の石炭レベル警報装置1および石炭供給設備100の作動などについて説明する。
【0026】
まず、スクレーパ107がバンカコンベア105上のP1に位置した状態で、石炭サイロ101に貯蔵された石炭Sが、地下コンベア102、クラッシャコンベア103および傾斜コンベア104を介して、バンカコンベア105上に搬送される。そして、バンカコンベア105上の石炭Sは、スクレーパ107によって案内されて第1の石炭バンカ106AのP1下に投入される。次に、第1の石炭バンカ106A内の1つ目(バンカコンベア105の上流側)の積層山の高さが所定の高さに達すると、上記のようにして、対応する石炭レベル警報装置1の警報器4のスイッチがオンされる。これにより、警報信号が制御盤に送信され、スクレーパ107が次の位置P2に移動される。そして、バンカコンベア105上の石炭Sは、スクレーパ107によって案内されて第1の石炭バンカ106AのP2下に投入される。同様に、第1の石炭バンカ106A内の2つ目(バンカコンベア105の下流側)の積層山の高さが所定の高さに達すると、石炭レベル警報装置1が作動してスクレーパ107が次の位置P3に移動される。このようにして、石炭レベル警報装置1の作動とスクレーパ107の移動とが順次行われることによって、各石炭バンカ106A〜Dに所定量の石炭Sが供給、貯留される。
【0027】
以上のように、この石炭レベル警報装置1によれば、パドル2と連動リンク3と警報器4パドルという簡単な構成で、しかも、パドル2の揺動と、連動リンク3の連動(揺動)によるスイッチのオンという確実かつ単純な機械的動作によって警報信号が発せられる。このため、粉塵などが充満し、かつ高温多湿な石炭火力発電所の悪環境下においても、誤動作や故障などを起こすことなく、石炭バンカ106A〜D内の石炭Sの貯留量が所定量に達したことを確実に検出して、警報信号を制御盤に送信することが可能となる。
【0028】
(実施の形態2)
図7は、この実施の形態に係る石炭レベル警報装置(バンカ内の粒体レベル警報装置)11の正面図であり、図8は、そのB−B断面図である。この石炭レベル警報装置11は、連動ロッド(連動部材)13が上下動する点で、上記実施の形態1の石炭レベル警報装置1と構成が異なるものである。
【0029】
パドル12は、平板状のパドル板121の上端に、揺動軸122が取り付けられ、実施の形態1と同様に、この揺動軸122を軸にして揺動自在に配設されている。また、揺動軸122には、揺動軸122と同軸で半月状のカム板123が取り付けられている。このカム板123は、図9に示すように略半円形で、中央(パドル板121の延直線上)の外周縁には、円弧縁123aよりもくぼんだ凹部123bが形成されている。
【0030】
連動ロッド13は、棒状のロッド本体131がガイドブロック6によって上下動自在に支持され、ロッド本体131の下端部にガイドローラ132が回転自在に配設されている。すなわち、図10に示すように、ロッド本体131の下端部に、断面がコ字状の軸支体133が取り付けられ、この軸支体133に架設された支軸134を軸として、ガイドローラ132が回転自在に配設されている。また、ガイドローラ132の外周には、軸線に沿った断面が凹状の挟持部132aが形成され、この挟持部132aによってパドル12のカム板123を板厚方向に挟むように、連動ロッド13が配設されている。
【0031】
ここで、パドル12のパドル板121が垂直に位置した状態では、図8に示すように、ガイドローラ132がカム板123の凹部123b上に位置している。そして、パドル板121が揺動してカム板123が回転(回動)すると、図11に示すように、ガイドローラ132がカム板123の円弧縁123a上に移動し、連動ロッド13が上方にスライドする。これにより、後述するように、連動ロッド13(ロッド本体131)の上端部によって警報器14のスイッチ14aをオンするものである。
【0032】
警報器14は、連動ロッド13によってスイッチ14aがオンされることで警報信号を制御盤に送信する。具体的には、上記のようにして連動ロッド13が上方にスライドすると、連動ロッド13の上端部によってスイッチ14aが垂直方向(下方向)からオン(押下)され、警報信号を制御盤に送信する。そして、制御盤が警報信号を受信すると、実施の形態1と同様に、スクレーパ107を移動制御するものである。
【0033】
このような構成の石炭レベル警報装置11が、実施の形態1と同様に石炭供給設備100内に配設されている。すなわち、石炭バンカ106A〜Dのそれぞれに形成される2つの積層山に、パドル12のパドル板121が対向するように配設されている。さらに、その高さ位置は、石炭Sの積層高さが所定の高さに達すると、警報器14のスイッチ14aがオンされるように設定されている。つまり、石炭Sに押されてパドル12が揺動して、ガイドローラ132がカム板123の円弧縁123a上に移動することで、連動ロッド13が上方にスライドしてスイッチ14aをオンするように設定されている。
【0034】
次に、このような構成の石炭レベル警報装置11および石炭供給設備100の作動などについて説明する。
【0035】
まず、スクレーパ107がバンカコンベア105上のP1に位置した状態で、石炭サイロ101に貯蔵された石炭Sが、地下コンベア102、クラッシャコンベア103および傾斜コンベア104を介して、バンカコンベア105上に搬送される。そして、バンカコンベア105上の石炭Sは、スクレーパ107によって案内されて第1の石炭バンカ106AのP1下に投入される。次に、第1の石炭バンカ106A内の1つ目の積層山の高さが所定の高さに達すると、上記のようにして、対応する石炭レベル警報装置11の警報器14のスイッチ14aがオンされる。これにより、警報信号が制御盤に送信され、スクレーパ107が次の位置P2に移動される。そして、バンカコンベア105上の石炭Sは、スクレーパ107によって案内されて第1の石炭バンカ106AのP2下に投入される。同様に、第1の石炭バンカ106A内の2つ目の積層山の高さが所定の高さに達すると、石炭レベル警報装置11が作動してスクレーパ107が次の位置P3に移動される。このようにして、石炭レベル警報装置11の作動とスクレーパ107の移動とが順次行われることによって、各石炭バンカ106A〜Dに所定量の石炭Sが供給、貯留される。
【0036】
以上のように、この石炭レベル警報装置11によれば、パドル12の揺動が連動ロッド13の上下動に変換されるため、パドル12の揺動角度に制限されることなく、スイッチ14aのオン動作をより確実に行うことが可能となる。すなわち、石炭バンカ106A〜D内の石炭Sの積層高さが高くなりすぎて、パドル12の揺動角度が大きくなったとしても、連動ロッド13のガイドローラ132の下をカム板123の円弧縁123aが移動するだけで、連動ロッド13は移動(上下動)しない。このため、パドル12や連動ロッド13に外力(抵抗)が生じたり、連動ロッド13の動きが規制されたりすることがなく、誤動作や故障などを起こすことがなくなる。
【0037】
以上、この発明の実施の形態1、2について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1、2においては、警報器14が警報信号を制御盤に送信するようになっているが、警報音や警報表示などを発するようにしてもよい。また、警報器のスイッチを引いたり、下げたりすることでスイッチをオンするような構成にしてもよく、砂や砂利(小石)などの石炭S以外の粒体を貯留するバンカにも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1に係る石炭レベル警報装置の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図(側面図)である。
【図3】図1の石炭レベル警報装置が作動した状態を示す側面図(一部断面図)である。
【図4】図1の石炭レベル警報装置が配設される石炭火力発電所における石炭供給設備の概略構成図である。
【図5】図4におけるバンカコンベアとスクレーパとの位置関係を示す平面図である。
【図6】図4における各石炭バンカと石炭レベル警報装置との位置関係を示す模式図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る石炭レベル警報装置の正面図である。
【図8】図7のB−B断面図(側面図)である。
【図9】図7の石炭レベル警報装置のカム板の平面図である。
【図10】図7の石炭レベル警報装置の連動ロッドの正面図(一部断面図)(a)と側面図(b)である。
【図11】図7の石炭レベル警報装置が作動した状態を示す側面図(一部断面図)である。
【符号の説明】
【0039】
1 石炭レベル警報装置(バンカ内の粒体レベル警報装置)
2 パドル
21 パドル板
22 揺動軸
23 揺動板
23a 第1揺動板
23b 第2揺動板
23c スライド孔
3 連動リンク(連動部材)
31 回転軸
32 スライド駒
4 警報器
5 支持板
100 石炭供給設備
101 石炭サイロ
102 地下コンベア
103 クラッシャコンベア
104 傾斜コンベア
105 バンカコンベア
106A〜D 石炭バンカ(バンカ)
107 スクレーパ
108 石炭ミル
109 給炭機
11 石炭レベル警報装置(バンカ内の粒体レベル警報装置)
12 パドル
121 パドル板
122 揺動軸
123 カム板
123a 円弧縁
123b 凹部
13 連動ロッド(連動部材)
131 ロッド本体
132 ガイドローラ
133 軸支体
134 支軸
14 警報器
14a スイッチ
6 ガイドブロック
S 石炭(粒体)
P1〜P7 スクレーパの移動位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭や砂などの粒体を貯留するバンカに配設され、前記バンカ内の粒体の貯留量が所定量に達したことを知らせるバンカ内の粒体レベル警報装置であって、
ほぼ水平方向を軸にして揺動自在に配設され、前記バンカ内の粒体の積層高さの変化に応じて揺動するパドルと、
前記パドルの揺動に連動する連動部材と、
前記連動部材によってスイッチがオンされることで警報を発する警報器と、を備え、
前記粒体の積層高さが所定の高さに達すると、揺動した前記パドルに連動して前記連動部材が前記警報器のスイッチをオンすることを特徴とするバンカ内の粒体レベル警報装置。
【請求項2】
前記連動部材は、ほぼ水平方向を軸にして揺動自在に配設され、前記パドルの揺動に連動して揺動し、前記警報器のスイッチをオンすることを特徴とする請求項1に記載のバンカ内の粒体レベル警報装置。
【請求項3】
前記連動部材は、上下動自在に配設され、前記パドルの揺動に連動して上下動し、前記警報器のスイッチをオンすることを特徴とする請求項1に記載のバンカ内の粒体レベル警報装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−44647(P2008−44647A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222153(P2006−222153)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】