説明

バンドギャッププラズマ質量フィルタ

【課題】予め定められた軌道を選択的に設定するための装置と方法であり、軸に関して第1質量/電荷比(m1)のイオンに対して電界が実質的に均一な磁界(E x B)を横切ることを必要とする。
【解決手段】磁界は軸に沿って方向付けられ、電界は直流電圧成分(∇Φ0)及び交流電圧成分(∇Φ1)の両方を有する。操作において、Φ1がゼロのとき、軸の周囲の限定軌道上にイオン(m1)を位置付けするために電圧Φ0は固定的に設定される。一方、Φ1が予め定められた値に調整されたとき、イオン(m1)は軸から離れて放出される。チャンバ内に(E x B)が設定されることにより、限定軌道(Φ1=0)のとき、イオン(m1)はチャンバを通過し、非限定軌道上(Φ1=所定値)のとき、イオンはチャンバの壁に放射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して多種プラズマを処理する装置及び方法に関するものである。特に、本発明は交差電界及び磁界(E x B)を操作することによりプラズマ内のイオンの軌道を制御するための装置及び方法に関するものである。さらに、本発明は、限定することではないが、電界や交差電界及び磁界の交流電圧成分を調整し、かつ特定の質量/電荷比を有するイオンの軌道を制御し、また予見できる方法で多種プラズマからのイオンを分離する。
【背景技術】
【0002】
多種プラズマのイオンを分離するプラズマ質量フィルタが米国特許番号6,096,220に請求されかつ開示され、これが大川へ認可され(以下、大川特許と言う)、かつ本発明として同じ譲渡者へ譲渡された。可能な程度において、大川特許は全体として本明細書に取りこまれている。つまり、大川特許は軸系に基づいて構成される円筒形チャンバを含むプラズマ質量フィルタと交差電界と磁界(E x B)を開示している。特に、電界Eは正の値を有し、中心における電圧(Vctr)は正であり、チャンバの壁で0となるように減少する。さらに、電界(E)はパラボラ状に放射状の電圧分布を有し、かつ磁界(B)は軸状に一定である。このようにE及びBはカットオフ質量(Mc)を設定するために定められ、次のように定義される。
[数1]
Mc=zea2(B)2/8Vctr (1)
ここで、aは軸とチャンバの壁との間の距離であり、eは基本電荷、そしてzはイオンの電荷数である。
【0003】
大川特許に開示されたプラズマ質量フィルタの操作では、フィルタに設定されているとしてイオンの質量/電荷比(m)およびカットオフ質量(Mc)の相対値によって、交差電界及び磁界(E x B)が非限定または限定軌道上にイオンを位置付ける。特に、mがMcより大きいとき、そのイオンは非限定軌道に位置付けられる。従って、その結果、重いイオン(即ちm>Mc)が軸から非限定軌道上へ放出されチャンバの壁に衝突する。一方、交差電界及び磁界では、質量/電荷比mがMcより小さいとき、プラズマ質量フィルタは軽いイオン(即ち、m<Mc)が限定軌道を有するようにする。この後者の場合、結果として、軽いイオンはその限定軌道にありチャンバを出る。しかしながら、もし電界が交流電圧成分を有するならば状況は変化する。
【0004】
交差電界及び磁界(E x B)において、電界が直流電圧成分(∇Φ0)及び交流電圧成分(∇Φ1)の両者を有することを考慮すると、電荷/質量比mを有する荷電粒子(即ち、イオン)は、Ω=zeB/mで表わすことができる、交差電界及び磁界の中でサイクロトロン周波数を有するはずである。ここで、eは基本電荷、zは電荷数である。さらに、交差電界及び磁界内のイオンの運動方程式を導くと、ヒルの方程式(Hill’s equation)の形に表すことができる。即ち
[数2]
d2/dt2s+[Ω/4-λ]s=0 (2)
この場合、
[数3]
λ=2eV(t)/ma2 (3)
ここで、V(t)は時間関数とした荷電電圧、aは軸とチャンバ壁間の距離である。もしλが正弦曲線で周波数がωなら、即ち
[数4]
λ=λ01cosωt (4)
この上述したヒル方程式はマシュー方程式(Mathieu’s equation)に変換される。即ち
【数5】


となり、ここで、
[数6]
τ=ωt/2 (6)
[数7]
α=[Ω2/4-λ0]/ω2 (7)
[数8]
β=λ1/[4ω2] (8)
である。
【0005】
βの小さな値について、次の数式が限定及び非限定軌道の操作方式の間を差別化する境界を定義する。それらの数式は次のようである。
[数9]
0=-25β2+254 (9)
[数10]
1=1±8β-8β2 (10)
[数11]
2=4+80/3β2 (11)
【0006】
上記の結果、交差電界及び磁界の電界Eが交流電圧成分(∇Φ1)で与えられるとき、交流電圧成分は選択されたイオンを非限定軌道に位置付けるように調整することができる。これは交流電圧成分の無い限定軌道上でイオンがチャンバを通過する時もしかりである。さらに、上記方程式の質量依存のために、予め定められた質量/電荷比mのイオンが限定軌道から非限定軌道へ変わるために選択的に標的とすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように開示した現象から所望の成果の例は、ストロンチウム元素(Sr)によって得られる。それはSr++90元素の二重イオン化イオンが等価質量番号45(即ち、m=45)であることになる。これを前提に、交差電界及び磁界(E x B)を構成していたプラズマ質量フィルタは設定されたカットオフ質量Mc=75を有することを考えると、電界のための交流電圧成分(∇Φ1)はない。この状況下(即ちm<Mc)でSr++90(m=45)は限定軌道に位置付けられ、かつフィルタから放出される。しかしながら、これは好まれない結果であるかも知れない。従って、上述した数学的計算によって、電界へ導入された交流電圧成分(∇Φ1)は、非限定軌道にそれらのイオンを位置付けることによりSr++90を取り出すように調整することができる。この特別な例において、もし交流電圧成分(∇Φ1)がr.f.周波数ω=0.63Ωに調整されれば、Sr++90はプラズマから抽出されることを数学的に示すことができる。(即ち、プラズマチャンバの壁に放出される。)
【0008】
上述により、本発明の目的は、限定及び非限定軌道から選択されたイオンの特性軌道を効果的に変えることができるバンドギャッププラズマフィルタを提供することにある。
さらに、本発明のもう1つの目的は、多種プラズマの選択されたイオンを非限定軌道上に位置付ける交差電界及び磁界によるバンドギャッププラズマフィルタを提供することにあり、一方、より高いまたより低い質量/電荷比のイオンを限定軌道上に位置付けることにある。
なおさらに、本発明のもう1つの目的は、製造し易く、使用が簡単で、費用効果のあるバンドギャッププラズマフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
予め定められた質量/電荷比(m1)を有する多種プラズマのイオンを選択的に制御するためのバンドギャッププラズマフィルタは、プラズマチャンバ及びチャンバ内に交差電界および磁界(E x B)を発生させる装置を有する。さらに具体的に、チャンバは中空で実質的に円筒状である。このようにチャンバは軸を定義し、壁で囲まれている。
【0010】
チャンバ内で交差電界及び磁界(E x B)を発生させるために電磁コイルがチャンバの壁に取りつけられ、かつ電極がチャンバの両端に位置している。特に、電磁コイルは、チャンバの軸に沿って方向付けられている実質的に均一な磁界(B)を設定する。しかしながら、電極は軸に対して実質的に放射状方向に方向付けられている電界(E)を生成する。重要なことに、本発明を想定して、電界は直流電圧成分(∇Φ0)及び交流電圧成分(∇Φ1)のある機能を有する、(即ち、E=∇(Φ01))を有する。特に、直流電圧成分(∇Φ0)はチャンバの軸に沿って一定の正電圧Vctrによって特性付けられており、チャンバの壁で実質的に0電圧の状態で半径上で放物依存性を有する。一方、交流電圧成分(∇Φ1)は正弦曲線状であり、かつr.f.周波数ωにより調整できる。
【0011】
本発明のバンドギャップフィルタの操作において、電界(E)の直流電圧成分(∇Φ0)はカットオフ質量Mc=zea2(B)2/8Vctrを設定するために、上述したように固定的に設定することができる。m1<Mcのとき、及び電界(E)の交流電圧成分(∇Φ1)が実質的に0のとき、直流電圧成分(∇Φ0)がチャンバ内の限定軌道上にイオン(m1)を位置付ける。この場合、本発明のバンドギャップフィルタは、大川特許に開示されかつ請求されたプラズマ質量フィルタと実質的に同じように動作する。従って、イオン(m1)は、限定軌道上にてチャンバを通過する。しかしながら、電界(E)に予め定められた交流電圧成分(∇Φ1)が導入するとこれは変化する。
【0012】
交差電界及び磁界(E x B)を発生させる成分に加え、本発明のバンドギャップフィルタは電圧の交流成分(∇Φ1)の振幅と周波数ωを調整するためにチューナを有する。特に、上述した例について、m1<Mcにて、イオン(m1)がチャンバ内で非限定軌道上に位置付けられるように交流電圧成分(∇Φ1)は調整でき、交流電圧成分(∇Φ1)が無いときは、限定軌道上に位置付けるよりもむしろそれらは他の方法による。さらに具体的に、これは、α及びβの値によって高周波の周波数ωで交流電圧成分(∇Φ1)を選択的に調整することにより可能である。ここに、α及びβは下記の通りである。
[数12]
α=[Ω2/4-λ0]/ω2 (7)
[数13]
β=λ1/[4ω2] (8)
【0013】
上述の結果は、非限定軌道上の位置付けにより、イオン(m1)はチャンバの軸から離れ、放出されて壁に衝突する。こうして、限定軌道上でチャンバを通過するよりもむしろイオン(m1)はチャンバを通過するのを選択的に防止されている。イオン(m1)及び第2の質量/電荷比のイオン(m2)も同様に両者を含む多種プラズマの場合、本発明のバンドギャップフィルタはそれらのイオン(m1またはm2或いは両者)がチャンバを通過するのを選択的に防止することができる。
構成および動作に関する本発明の新規な特徴は、添付図面、説明および参照符号から十分理解できるはずである。
【実施例】
【0014】
はじめに図1を参照し、本発明によるバンドギャッププラズマ質量フィルタを10で全体を示す。図示のように、フィルタ10はチャンバ14を囲む円筒状の壁12を有し、かつ軸16を定める。さらに、フィルタ10は複数の電磁コイル18を有し、コイル18aおよび18bは分類されたものである。特に、コイル18は、実質的に均一な磁界(Bz)を発生させるために使用され、その磁界は軸16と実質的に平行に方向付けされている。磁界(B)に加え、フィルタ10は電界(E)を発生させるための1つまたはそれ以上の電極20を有する。コイル18a及び18bと同様に、リング電極20a及び20bは分類されたものである。重要なことに、電界(E)は軸16に関して実質的に放射状に方向つけられ、よって、磁界と交差している。
【0015】
本発明のフィルタ10の重要な要素はチューナ22である。図1に示すように、チューナ22は接続24を通して電極20a及び20bに接続されている。本発明によれば、チューナ22は直流電圧成分(∇Φ0)及び交流電圧成分(∇Φ1)により放射状電界E(Φ)を設定するために使用される、(即ち、E(Φ)=∇(Φ01))が使用される。特に、電圧の直流分(∇Φ0)はチャンバ14の軸16に沿って一定の正電圧(Vctr)によって特性付けられており、かつ、それはチャンバ14の壁12にて実質的にゼロ電圧となる。一方、交流電圧成分(∇Φ1)は正弦波で、かつ、r.f.周波数ωで調整できる。
【0016】
一般に、フィルタ10の機能性は図1を参照することにより最も良く図解されている。そこには、多種プラズマ26がみられ、比較的低い質量/電荷比(m1)のイオン28と比較的高い質量/電荷比(m2)のイオン30を含み、これらはフィルタ10のチャンバ14へと導入される。このプラズマ26の導入は関連技術においてよく知られているどのような方法によってでも、例えば、プラズマトーチ(図示せず)の使用にて行うことができる。さて、チャンバ14の中で、電界(E(Φ)=∇(Φ01))のための交流電圧成分(∇Φ1)の値によって、イオン(m1)及び(m2)は、限定軌道32又は非限定軌道34に位置付けられる。どちらの軌道(32又は34)に位置付けられるか決めるために、電界の値の交流電圧成分(∇Φ1)は影響を受けるイオン(m1又はm2)の特定の質量/電荷比に選択的に調整することができる。
【0017】
電界(E(Φ))のための交流電圧成分(∇Φ1)の調整は、図2の参照によって最も理解できる。上述の説明から、プラズマ質量フィルタの環境の中で(本発明のバンドギャッププラズマフィルタ10の環境を含む)、イオンの運動方程式は、数学的に表すことができマシューの方程式の形になる、即ち
【数14】


ここで、
[数15]
τ=ωt/2 (6)
[数16]
α=[Ω2/4-λ0]/ω2 (7)
[数17]
β=λ1/[4ω2] (8)
である。
【0018】
また、上述したように、βが小さな値の場合、次の式が限定軌道32及び非限定軌道34の動作範囲の間を差別化する境界を規定する。特に、それらの説明は、
[数18]
0=-25β2+254 (9)
[数19]
1=1±8β-8β2 (10)
[数20]
2=4+80/3β2 (11)
【0019】
図2において、上記の式がチャートに境界としてプロットされたもので、α及びβの間の関係を示す。特に、それらの境界は領域36を規定し、この領域内でイオン(m1又はm2)が限定軌道32に位置付けされる。また、図2のチャートは領域38を示し、この領域内でイオン(m1又はm2)が非限定軌道34に位置付けされる。本発明の目的のために、α及びβの両方の値が、領域36または38のいずれかの中で、選択されたイオンの特定の質量/電荷比(m)および電界の交流電圧要素(∇Φ1)のr,f,周波数ωによって決められることは重要である。特に、α項はλ=λ01cosωt=2eV(t)/ma2から取り出されるλ0を含む、かつ質量/電荷比(m)(Ω=eB/mと定義して)のイオンのサイクロトロン周波数を含み、ここで∇(t)=Φ01(t)である。さらに、β項はλ=λ01cosωt=2eV(t)/ma2から取り出されるλ1を含む。
【0020】
操作において、電界(∇Φ0)の直流電圧成分が設定される。一般に、これはカットオフ質量(Mc)を設定するために行われる。上述に定義したように、カットオフ質量は次のように表わされる。
[数21]
Mc=zea2(B)2/8Vctr (1)
【0021】
それで、Mcの値は電界(∇Φ0)の直流電圧成分に対する値を直接導く。さらに、Mc(m>Mc)よりも大きい質量/電荷比(m)のイオンは、続く収集に対してチャンバ14の壁12にイオンを衝突させる非限定軌道34に位置付けられる。一方、Mc(m<Mc)よりも小さい質量/電荷比(m)のイオンは、チャンバ14を通過させる限定軌道32に位置付けされる。
【0022】
上述したように、ある時点で、非限定軌道34上にMc(m<Mc)より小さい質量/電荷比(m)を有するイオンを位置付けることは望ましいことである。本発明によれば、これは、電界の交流電圧成分(∇Φ1)を調整することによってなされる。一度、電界の交流電圧成分(∇Φ1)の影響を受けるイオンが分かると、そのサイクロトロン周波数はΩ=eB/mにより決定できる。さらに、λ=2eV(t)/ma2及びλ=λ01cosωtの式によって、λ0、λ1及びωの変数の値を設定することができる。特に、変数λ0、λ1及びωは、図2の領域38に特定のイオンを操作して位置付けるα及びβの項を与えるように設定される。この結果、イオンはチャンバ14を通過する代りに、非限定軌道34に位置付けられ、かつチャンバ14の壁12に放射されるはずである。チャンバー14内に導入されるプラズマが第1の質量/電荷比(m1)を有する軽いイオン28と第2の質量/電荷比を有する重いイオン30の両方を含む多種プラズマ26であるとき、イオン28と30は電圧の交流成分(∇Φ1)によって選択的に分離できることに注目すべきである。これは、第1質量/電荷比(m1)が第2質量/電荷比(m2)より大きいか又は第2質量/電荷比(m2)より小さいかは無関係である。
【0023】
特殊なバンドギャッププラズマ質量フィルタがここに提示し、詳細な開示が目的を達成するためにかつ上述した効果を与えるために十分であり、かつ、ここでは単に本発明の好適な実施例の図解したものであり、添付された特許請求の範囲の記載以外にここに示した構成及び設計の詳細に限定されたものではないことは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるバンドギャップフィルタの透視図。
【図2】チャートでα及びβの間の関係を示し、イオンがバンドギャップフィルタのチャンバ内にある間、電界Eの交流電圧成分(∇Φ1)が選択されたイオンを限定軌道または非限定軌道上に位置付ける領域を示すチャート。
【符号の説明】
【0025】
10 フィルタ
14 チャンバ
16 軸
18 コイル
20 電極
22 チューナ
26 多種プラズマ
28、30 イオン
32、34 軌道
36、38 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の質量/電荷比(m1)が予め定められたカットオフ質量(Mc)よりも小さいとしたときに、前記第1の質量/電荷比m1のイオンを選択的に通過させるバンドギャッププラズマフィルタにおいて、
前記イオン(m1)を含むプラズマを実質的に円筒形状のチャンバの中空に導入するための装置を有し、前記チャンバは軸を有し、かつ壁で囲まれ、
実質的に均一な磁界(B)を設定するための磁石装置を有し、前記磁界は前記チャンバ内の軸に沿って方向付けされ、
電界(E)を生成するための装置を有し、前記電界は前記軸に関して実質的に放射方向に方向付けされて前記磁界(E x B)と直角に交わり、かつ前記電界は直流電圧成分(∇Φ0)および交流電圧成分(∇Φ1)、即ち(E=∇(Φ01))を有し、
前記交流電圧成分(∇Φ1)が実質的にゼロのとき、前記イオン(m1)が前記チャンバを通過することを限定するために、かつ次いでそこから出すために前記直流電圧成分(∇Φ0)を設定するための装置を有し、
前記イオン(m1)を前記チャンバから放出させるために、かつその前記壁と衝突させるために前記交流電圧要素(∇Φ1)を調整する装置を有し、前記チャンバを通して前記イオン(m1)の通過を防止する、ことを備えたバンドギャッププラズマフィルタ。
【請求項2】
前記カットオフ質量Mcは次式により決定される、
Mc=zea2(B)2/8Vctr
ここで、eは基本電荷、zは電荷数、aは前記軸とチャンバの壁間の距離、前記軸に沿った電圧は正の値(Vctr)を有し放物線状に減少して前記チャンバの壁でゼロとなる、請求項1に記載のバンドギャッププラズマフィルタ。
【請求項3】
前記調整装置はαおよびβの値に従って前記交流電圧成分(∇Φ1)の高周波の周波数ωを選択し、
α=[Ω2/4-λ0]/ω2
β=λ1/[4ω2]
かつ
λ=2eV(t)/ma2
ここで、λ=λ01cosωtであり、eは基本電荷、V(t)は印加電圧、Φ01は時間の関数、aは前記軸とチャンバ壁間の距離、およびΩはイオン(m1)のサイクロトロン周波数である。
【請求項4】
軸に関して第1の質量/電荷比(m1)のイオンを予め定められた軌道に選択的に設定する方法において、
電界(E)を実質的に均一の磁界(B)と交差させ、前記磁界は前記軸に沿って方向付けられ、かつ前記電界は前記軸に関して実質的に放射方向に方向付けられ、さらに、前記電界は直流電圧成分(∇Φ0)および交流電圧成分(∇Φ1)、即ち
(E=∇(Φ01))を有し、
前記交差磁界及び電界に前記イオン(m1)を導入し、
前記交流電圧成分(∇Φ1)が実質的にゼロのとき、前記軸の周囲の限定軌道に前記イオン(m1)を設けるように、前記直流電圧成分(∇Φ0)を設定し、
前記交流電圧要素(∇Φ1)が予め定められた値を有するとき、前記軸から離れて前記イオン(m1)を放出するために非限定軌道を定めるように前記交流電圧成分(∇Φ1)を選択的に調整すること、を備えた方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−258191(P2007−258191A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160385(P2007−160385)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【分割の表示】特願2002−371840(P2002−371840)の分割
【原出願日】平成14年12月24日(2002.12.24)
【出願人】(505255806)アルキメデス オペレーティング、エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】