バンド不良検査方法及び検査装置
【課題】 集積体及びバンドを把持した状態でバンド不良検査を行うこと
【解決手段】 複数のシート状物品を積層して構成される集積体10の周囲にバンドフィルム32を巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査装置である。少なくともバンドの両端のシール部位を含むバンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部25と、集積体把持部に対して接近・離反移動可能に設けられた吸引ノズル55と、吸引ノズルを集積体把持部に接近移動させてバンドフィルムの露出した部分を吸着させるとともに吸引ノズルを離反移動させる。シール不良の場合、図示するようにバンドフィルムが吸引ノズルにくっついてくるので、負圧の状態が維持される。シールが良好の場合にはバンドフィルムから吸引ノズルが離反するので、負圧でなくなる。
【解決手段】 複数のシート状物品を積層して構成される集積体10の周囲にバンドフィルム32を巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査装置である。少なくともバンドの両端のシール部位を含むバンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部25と、集積体把持部に対して接近・離反移動可能に設けられた吸引ノズル55と、吸引ノズルを集積体把持部に接近移動させてバンドフィルムの露出した部分を吸着させるとともに吸引ノズルを離反移動させる。シール不良の場合、図示するようにバンドフィルムが吸引ノズルにくっついてくるので、負圧の状態が維持される。シールが良好の場合にはバンドフィルムから吸引ノズルが離反するので、負圧でなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンド不良検査方法及び検査装置に関するもので、より具体的には、PTPシート等のシート状物品を複数積層した集積体に対して施したバンド掛けの良否を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
良く知られているように、PTP(Press Through Packaging)シートは、容器(ポケット部)側から中身を押し出して上蓋を破壊し、中身を取り出すようにした包装形態であり、薬品包装における錠剤やカプセルの包装に良く使われる。そして、係るPTPシートは、通常複数個を積層した状態(物品集合体)でピロー包装し、さらにそのピロー包装した包装体を箱に収納した状態で市販されている。このとき、その複数枚のPTPシートを積層した状態で、把束テープでバンド掛けして一束に纏めた状態で包装処理や箱詰めをすることがある。
【0003】
このPTPシートをバンド掛けするためのバンド掛け装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された装置は、PTPシートの集積体を結束するバンド掛け手段と、そのバンド掛け手段の下流側に配置されているピロー包装手段とを備えた包装装置である。そして、バンド掛け手段は、縦方向、すなわち鉛直面内で回転して集積体を次工程へと移送する移送機構と、その移送途中において集積体にバンド掛けを施すバンド掛け機構とを備えている。
【0004】
移送機構は、集積体を把持する集積体把持部と、集積体を集積体把持部に挿入するための挿入部と、集積体把持部から集積体を送出すための送出部とを備えている。バンド掛け機構は、帯状のバンドフィルムをバンドフィルムを繰出すとともに、集積体把持部と挿入される集積体との間にバンドフィルムを介在させるようにする手段と、バンドフィルムの所定位置を切断するための切断部と、集積体に巻き付けたバンドフィルムの両端同士をシールして結束するシール部とを備えている。
【0005】
ところで、シール部でシールされたバンドフィルムがシール不良等を生じている場合、そのまま下流側の包装機本体等の処理装置に搬出してしまうと、係る処理装置の搬送途中でバンドフィルムがほどけてしまい、PTPシートが崩れ落ちるおそれがある。そこで、バンド掛け装置の下流側に、バンド掛け機能(シール部)によりバンドフィルムが確実にシールされて集積体を結束しているか否かを検査するいる検査装置を設置し、その検査装置で不良品と検知されたものは廃棄する機構を組み込むものがある。
【0006】
係る検査装置は、例えば、検査対象のバンド掛けされた集積体に対し、上方から吸着パッドを下降移動し、その吸着パッドを集積体の上面に位置するバンドフィルムに接触させ、それを吸着する。次いで、その吸着した状態のまま吸着パッドを上昇させる。すると、吸着パッドと共にバンドフィルムが上昇するので、シールがしっかりとされている場合には、結束したバンドフィルムとともに集積体も持ち上がる。一方、シール不良等の場合には、バンドフィルムのみが持ち上がり、集積体は上昇しない。従って、集積体が搬送面より上方に持ち上げられたかどうかを検出し、持ち上げられていないことを検出したときシール不良と判断する。
【0007】
なお、この種のPTPシートの集積体に対する検査装置についての先行技術部件は見つからなかったが、紐により結束された山積みシートに対する結束の良否を判定する検査装置としては、特許文献2に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3907003号公報
【特許文献2】特開2003−104313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した検査方法では、以下に示す課題を有する。すなわち、結束されたPTPシートを持ち上げることができるか否かにより良否判定をすることから、必ず吸着パッドで吸着した状態で一度PTPシートを持ち上げる処理を行う必要があり、良品の場合には持ち上がるために、検査終了後には、下降させて元に戻す必要があるので、高速化には向いていない。
【0010】
また、バンド不良の場合には、バンドが取れてしまうため、集積された複数のPTPシートに対する結束が行われていないことになり、PTPシートはカールしていることもあって係るPTPシートがバラバラになってしまうおそれがある。さらに、シール不良の場合には、バンドフィルムのみが持ち上がり、集積体は持ち上がらずにその位置をとどめることになるが、バンドフィルム上昇により当該バンドフィルムから集積体に対して上方や斜め方向へ向けた付勢力を受けることがあり、そうすると、係る付勢力によりPTPシートが検査装置内で崩れることもある。
【0011】
バンド不良のためバラバラになってしまったPTPシートを下流に配置された排出ボックスに排出することになるが、排出ボックスまでの搬送途中において、PTPシートを紛失してしまうおそれもある。そして、紛失したPTPシートが装置内で詰まるなどして、装置を破損するおそれもある。
【0012】
さらに、そもそもバンド掛けが不良な場合、係る集積体をバンド掛け装置から搬出し、検査装置まで搬送する間にもすでに崩れてしまい、PTPシートが装置内に入り込んで紛失等するおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明に係るバンド不良検査方法は、(1)複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査方法であって、少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部で把持し、前記バンドの露出した部分を吸着手段によって吸着し、次いで、前記吸着手段を前記シート群から離反させ、前記離反させた際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定をするようにした。シート状物品は、実施形態では、PTPシートに対応するが、その他のシート状(扁平)の物品でも良く、特に、束にしたときにある程度弾力のあるものが好ましい。
【0014】
シール不良の場合、吸着手段の離反移動に伴いバンドが吸着手段に吸着したまま移動し、集積体から離反する。一方、シールがされている場合には、吸着手段はバンドから離反する。従って、係るバンドの状態から、シール不良か否かを判断できる。また、検査は、シート状物品の集積体並びにバンドを集積体把持部で把持した状態で行われるので、仮にシール不良であっても、ばらばらにならない。
【0015】
(2)前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、前記良品判定は、前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて行うとよい。バンドが付いた状態で吸引すると、一定の負圧が生じる。一方、バンドが付いておらず、吸引手段の吸引部分が開放されていると、負圧は生じない。よって、吸着手段が接近するとともにバンドに接触して吸引すると、一定の負圧が生じ、吸着手段が離反移動した際にシール不良によりバンドが一緒に付いてきた場合には、負圧の状態が維持するが、シールが良好に行われてバンドから離反すると負圧状態が解消される。よって、負圧の状態からシールの良否が簡単に判定できる。
【0016】
(3)上記の(1)の方法の発明を実施するために適した本発明の検査装置は、複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査装置であって、少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部と、前記集積体把持部に対して接近・離反移動可能に設けられた吸着手段と、前記吸着手段を前記集積体把持部に接近移動させて前記バンドの露出した部分を吸着させるとともに、吸着させながら前記吸着手段を離反移動させる駆動制御手段と、前記吸着手段の離反移動の際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定を行う判定手段と、を備えて構成した。
【0017】
(4)前記集積体把持部を検査位置まで移送する移送手段を備え、前記判定手段の判定結果が良品の場合には、前記集積体把持部を下流側の装置への搬出位置まで移送し、前記判定手段の判定結果が不良の場合には、前記検査位置に位置する集積体把持部から排出され、その検査位置に隣接して配置された廃棄経路に送るようにすると良い。不良と判定された場合、吸着手段の吸着を解除し、バンド、及び集積体を構成するシート状物品をその場で廃棄経路に送ることで、下流側の搬送路等においてシート状物品等が散らばることがない。
【0018】
(5)前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、前記判定手段は、前記吸着手段の離反移動時における前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて良否判定するとよい。
【0019】
(6)前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、前記判定手段は、前記吸着手段が接近移動して前記バンドの露出した部分の吸着を行った際の前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧に基づいてそのバンドの有無を判定する機能を備えるとよい。バンドが有れば、吸着手段にバンドが吸引されるので、負圧になるが、バンドがない場合にはシート状物品の側面を吸着するので負圧にならない。よって、バンドの有無を判定することができる。
【0020】
(7)前記検査装置は、複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けしてシート群を形成するバンド掛け装置に組み込まれるものであり、前記集積体把持部は、前記集積体並びに前記バンドを把持した状態で前記バンド掛け装置内を移動するものとすることができる。バンド掛け装置内に組み込むことで、システム全体がコンパクトとなる。さらに、シール不良が見つかった場合には、そのまま廃棄すればよいので、シール不良でバンド掛けが適切に行われていない集積体を構成する各シート状物品が、バンド掛け装置から搬出されてしまい、下流側の搬送ライン上で崩れてしまう自体の発生を未然に防止できる。
【発明の効果】
【0021】
集積体及びバンドを把持した状態でバンド不良検査を行うことができるため、バンド不良の場合でも、 シート状物品やバンドを紛失することなく、確実に排出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す正面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】PTPシートの一例を示す図である。
【図4】本発明の好適な一実施形態の一部の拡大正面図である。
【図5】本発明の好適な一実施形態の一部の拡大平面図である。
【図6】バンドフィルム32の供給機構を説明する視野静である。
【図7】供給機構の構成・作用を示す正面図である。
【図8】供給機構の構成・作用を示す正面図である。
【図9】シール機構の構成・作用を示す正面図である。
【図10】シール機構の構成・作用を示す正面図である。
【図11】シール機構の構成・作用を示す正面図である。
【図12】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図13】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図14】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図15】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図16】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図17】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図18】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図19】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図20】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図21】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1,図2は、本発明の検査装置が組み込まれるバンド掛け装置の好適な一実施形態の全体図を示している。このバンド掛け装置は、上流側の集積装置にて複数枚積層されたPTPシートの集積体を受け取るとともに、その受け取ったPTPシートの集積体を所定の軌跡で移送し、その移送途中でバンド掛けし、下流側の装置に搬出するものである。
【0024】
まず、PTPシート1は、図3に示すように、プラスチックシート2のシート面に複数のポケット部2aを形成し、そのポケット部2aに錠剤3等を収納するとともにそのシート面をアルミフォイル等のシート材4で気密に被覆シールした構造となる。そして、図3(c)に示すように、対となる2枚のPTPシートの一方を180度回転させつつ反転させ、2枚のPTPシート1をポケット部2aの位置を互いにずらせた状態で抱き合わせることができる。また、図3(a)に示すように、PTPシート1の長手方向の一方の端部側に、ポケット部未形成領域5を設けることで、一対のPTPシート1を180度回転させて互いにポケット部2aを向けた状態で抱き合わせると、それぞれのポケット部未形成領域5が反対側に位置することから、重ね合わされたPTPシート群の周縁は、ほぼ一致する。このポケット部未形成領域5は、錠剤3の型番や、商品名(商標)等を印刷・刻印等するのに利用する。もちろん、係るポケット部未形成領域5を設けない形態でもよく、その場合には、図3(d)のように、PTPシート1を抱き合わせた場合に、各シートの周縁位置がずれることになる。
【0025】
そして、この2枚一対のPTPシート1を集積装置にて複数対を重ねることで所定枚数積層されたPTPシートの集積体が形成される。この集積体を製造する一連のシステムは、本装置の上流側に設置される。そして、本実施形態では、PTPシートの集積体10は、上流側の装置から2列に並んで搬送されてくるので、本装置では、係る2列の状態のままそれぞれの先頭の集積体10を受け取り、2つの集積体10に対して、それぞれ平行してバンド掛け処理をするようにしている。具体的には、以下のように構成される。
【0026】
バンド掛け装置は、集積体10を受け取るとともに水平平面内で間欠的に回転しながらその集積体10を移送する移送機構11と、その移送機構11で移送途中の集積体10に対してバンド掛けを施すバンド掛け機構12を備えている。移送機構11と、バンド掛け機構12は、それぞれ独立した駆動源に基づいて動作するようにし、バンド掛け機構12を動作させない状態で移送機構11を動作できるようにしている。
【0027】
移送機構11は、起立配置された回転軸20の上方部位に水平平面内で回転可能なテーブル22を連携する。回転軸20は、軸受21により回転自在に支持されると共に、回転軸20の下端は、駆動モータ23に連携される。これにより、駆動モータ23が回転すると、回転軸20ひいてはテーブル22が回転する。そして、本実施形態では、テーブル22が90度回転するごとに一時停止する。なお係る動作を行うためには、駆動モータ23自体が回転・一時停止を繰り返し行うようにしても良いし、駆動モータ時23自体は連続回転し、駆動モータ23と回転軸20の間に介在する動力伝達機構に制御により回転軸20が間欠的に回転するようにしても良い。
【0028】
テーブル22は、外周縁が略正方形(角部は面取りしている)の平板状からなり、その略正方形の各辺に、集積体把持部25を2個ずつ取り付けている。そして、テーブル22は、反時計方向に回転し、上流側の装置から搬送されてくる搬送ラインの延長線上に対向する供給ポイントP1から90度間隔で、シールポイントP2,検査ポイントP3,搬出ポイントP4の4つの処理領域が設定される。集積体把持部25、各ポイントP1〜P4に至ると、テーブル22の回転が一時停止、そこで集積体把持部25で把持されているPTPシートの集積体10に対して所定の処理が実行された後、集積体把持部25が次のポイントに位置するようにテーブル22が90度回転する制御を行う。
【0029】
集積体把持部25は、テーブル22に固定される下固定爪35と、その下固定爪35の上方に所定の間隔をおいて昇降移動可能に配置される上可動爪36を備えている。後述するように、下固定爪35並びに上可動爪36は、それぞれ先端が二股状になっている。この二股状の脚部35a,36aは、その長さが左右で異なっている。また、下固定爪35の二股状の脚部35a間並びに上可動爪36の脚部36a間には、所定の空間が形成され、後述するように、他の部材がその空間内に入り込むことができる。
【0030】
この上可動爪36は、二股状に分かれていない基端側の上面にL字プレート34aの先端下面が接続されて一体化する。このL字プレート34aは、その基端側(上可動爪36の接続部位と反対側)でガイド軸34bに対して昇降可能に連携され、上可動爪36とL字プレート34aはこのガイド軸34bに沿って一体に昇降移動する。また、ガイド軸34bの上端は、テーブル22の外周縁近傍に起立された支柱34dの上端に連結された支持プレート34cに連携される。これにより、上可動爪36とL字プレート34aは、支持プレート34cに片持ち支持された状態となる。さらに、図示省略するが、ガイド軸34bにコイルスプリング装着し、そのコイルスプリングの両端が、L字プレート34aの上面と支持プレート34cの下面に接触する。
【0031】
これにより、L字プレート34aを上方に付勢すると、コイルスプリングを圧縮しながら上昇し、上可動爪36と下固定爪35との間の間隔が広くなる。その結果、その間隔が、集積体10の高さよりも広くなると、上可動爪36と下固定爪35との間の空間内に、集積体10をスムーズに挿入・供給することができるし、搬出も容易に行える。
【0032】
一方、コイルスプリングが圧縮変形されいる場合には、その弾性復元力によりL字プレート34aひいては上可動爪36を下方へ付勢する。従って、上記の上方への付勢力が無くなると、上可動爪36は、自重と共にその弾性復元力により下方へ移動する。そして、上可動爪36が最下端位置に位置したときの上可動爪36と下固定爪35との間隔が、集積体10の高さよりも狭い場合、両爪35,36間に集積体10を挿入したとすると、コイルスプリングの弾性復元力も相まって、上可動爪36は、集積体10に対して一定の力で下方付勢することになり、両爪35,36でしっかりと集積体10を把持することができる。よって、両爪35,36で集積体を把持した状態でテーブル22が回転すると、集積体把持部25も回転し、両爪35,36で把持された集積体10も一体に公転移動する。
【0033】
次に各ポイントP1〜P4における処理を実行する装置について、その構成・機能を動作とともに説明する。まず供給ポイントP1では、上流側の装置から搬送されてくるPTPシートの集積体10を、集積体把持部25内に供給する供給機構14が配置される。また、この供給機構により集積体10を集積体把持部25内に供給にするに際し、その集積体10をバンド掛けするためのバンドフィルム32をその集積体10の周囲に巻き付けながら集積体把持部25内に供給することができるようになっている。
【0034】
集積体10をバンド掛けするためのバンド(把束テープ)は、帯状に連続したバンドフィルム32を用い、そのバンドフィルム32の先端から所定長さ分だけを切り離して、1つの集積体10に巻き付けるようになっている。そして、バンドフィルム32の先端を、供給ポイントP1付近に導く、バンドフィルム供給機構15が、装置本体の奥側に設置されている。本実施形態では、2列で搬送されてくるPTPシートの集積体10を2個同時に処理をするために、集積体把持部25も、テーブル22の一辺当たり2個ずつ配置し、各ポイントには係る2個の集積体把持部25が位置するようになっている。そこで、このバンドフィルム供給機構15も、それら2つの集積体把持部25内にそれぞれのバンドフィルム32を供給するため、係るバンドフィルム32を供給ポイント点P1に導くための装置構成も、2系統用意した。
【0035】
まず、図1,図2等に示すように、装置の奥側に起立配置された壁45の上方所定位置に、4本の回転支持軸43a,43b,43c,43dを取り付けている。この回転支持軸43aから43dに、それぞれ帯状に連続したバンドフィルム32をロール状に巻き取った原反ロール41を回転自在に装着している。対をなす回転支持軸、すなわち、回転軸43a,43bに取り付けられた原反ロール41は、いずれか一方から実際に奥列側の集積体把持部25に対してバンドフィルム32の供給が行われ、他方の原反ロール41は予備用となり、現在供給中の原反ロール41から全てのバンドフィルム32が繰り出された際に、そのバンドフィルム32の後端に接続し、自動的に供給を続けることができるようになっている。同様に、回転軸43c,43dに取り付けられた原反ロール41は、いずれか一方が前列側の集積体把持部25へのバンドフィルム32の供給に用いられ、他方が予備用となる。
【0036】
そして、原反ロール41から繰り出された帯状のバンドフィルム32は、壁45の所定位置に取り付けられた複数のフリーローラ40に掛け渡されて所定の経路をとると共に、その経路中に設けられたフィードローラ46から駆動力を受けて引き出される。さらに、本実施形態では、原反ロール41が、供給ポイントP1に対して奥側に引っ込んだ位置に設置されているため、図6に示すように、原反ロール41から繰り出されるバンドフィルム32を、その進行方向に対して45度傾斜して配置された第1方向変換ガイド板42aに掛け渡すことで、その進路を90度変換し、前方に向けて進むようにする。また、第1方向変換ガイド板42aと平行で、その第1方向変換ガイド板42aに対して所定距離だけ前側に第2方向変換ガイド板42bを設置し、第1方向変換ガイド板42aで進路を前方に変えられたバンドフィルム32の進行方向をさらに90度変換する。第2方向変換ガイド板42bで進路が変えられたバンドフィルム32は、原反ロール41から繰り出されたバンドフィルム32の進路と平行で、所定距離だけ前側を進むことになる。そして、係る進路は、供給ポイントP1に位置している2つの集積体把持部25のうちの前列側の上方に導かれる。このように、原反ロール41から繰り出されるバンドフィルム32の通り芯と、集積体把持部25へ供給されるバンドフィルム32の通り芯とがずれた位置関係にしている。
【0037】
そして、第1,第2方向変換ガイド板42a,42bの距離を変えることで、バンドフィルム32を供給ポイントP1に位置している2つの集積体把持部25のうちの奥列側の上方に導くことができる。
【0038】
従来の鉛直面内で回転する縦型のバンド掛け装置の場合、バンドフィルムを巻き取った原反ロールは、供給ポイントに位置する集積体把持部に対してバンドフィルムを単純な経路を用いてスムーズに供給するために、装置の真上等に配置している。係る構成をそのまま本実施形態のように、2個の集積体把持部を備えた装置に適用した場合、それぞれの集積体把持部の上方に2系統の原反ロールをそれぞれ配置することになり、特に奥側の系統は、前側のものの奥に隠れることになり、原反ロールの着脱や、バンドフィルムの供給経路のメンテナンスが煩雑になるが、本実施形態のように、すべての原反ロール41を供給ポイントP1に位置する集積体把持部25の存在位置よりも奥側に配置し、バンドフィルム32の供給経路をその途中で前方に向けるようにしたので、テーブル22を含め、移送機構11の上部空間を開放させることができ、各種のメンテナンスが容易に行える。
【0039】
供給ポイントP1における移送機構11は、上流側の装置の搬出ラインに合わせ、2本の搬送ラインを備えている(図2参照)。各搬送ラインは、PTPシートの集積体10の搬送面を構成する下ガイド27と、その下ガイド27の上方に所定の間隔をおいて配置された上ガイド28を備える。上ガイド28が昇降可能に設定され、両ガイド27,28の間隔は、集積体10の高さに合わせて調整される。
【0040】
また、両ガイド27,28の幅は、集積体10の横幅よりも狭く設定しているので、図2,図5等に示すように、両ガイド27,28内に位置する集積体10の左右両側部は、両ガイド27,28の側縁から外側に突出する。そして、両ガイド27,28の側縁外側には、U字状のプッシャー29が、両ガイド27,28に沿って前進移動するとともに、下ガイド27の搬送面よりも下方を後退移動する矩形状のボックスモーションの動作をする。よって、両ガイド27,28間に挿入された集積体10は、その外側に突出した部位がプッシャー29により押送され、前進移動する。これにより、集積体10の後縁にプッシャー29の前面が接触して前方に付勢すると、集積体10は、前方への付勢力を受けて前進移動し、前方に位置する集積体把持部25の両爪35,36間に挿入される。このとき、集積体10は、その上面が上ガイド28で抑えられているので、姿勢が崩れることなく、搬送される。
【0041】
一方、図4に示すように、下ガイド27,上ガイド28の搬出側上方には、フィルムガイド31が配置される。このフィルムガイド31は、上下に貫通するガイド孔31aを有し、このガイド孔31a内をバンドフィルム32が通過することで、バンドフィルム32が下ガイド27,上ガイド28の搬出側の所定位置に位置決めされた状態で垂下し、さらにそのバンドフィルム32の先端32aが、下ガイド27,上ガイド28で構成される搬送ラインの搬出側の開口部位を塞ぐようになっている(図7(a)参照)。また、上ガイド28の上方の搬出側近傍には、フィルムカッター33が配置され、そのフィルムカッター33は、バンドフィルム32に対向して前後進移動する。このフィルムカッター33は、フィルムガイド31に装着され、フィルムガイド31のガイド孔31a内に位置するバンドフィルム32をカットする。
【0042】
また、集積体把持部25の下固定爪35の上面奥側、つまり、上可動爪36の奥側には、ストッパー部材37を固定している。このストッパー部材37の前面(上可動爪36側)は、ストッパー面37aとなり、上可動爪36の奥面とほぼ面一か奥側に位置している。そして、下固定爪35と上可動爪36の間の空間内に供給されたPTPシートの集積体10は、その先端がストッパー面37aに当たることでそれ以上の前進が抑止される。
【0043】
また、このストッパー部材37の前面側下方には、折り返し爪39が設けられている。この折り返し爪39の先端(上可動爪36側)は、ストッパー面37aよりも前方に突出している。そして、この折り返し爪39の上面は、下固定爪35の上面とほぼ面一に設定している。
【0044】
さらに、集積体把持部25の開口側上方には、フィルム抑え板38を配置している。このフィルム抑え板38は、アーム49の先端に連結されている。図2,図5に示すように、対をなす2つのフィルム抑え板38が取り付けられるアーム49は、その基端側(フィルム抑え板38の非取付側)端部において連結板50にて連結され、一体化される。また、図1,図4に示すように、アーム49の下面の基端側よりの所定位置には、テーブル22上に起立設置された支柱板51が接続され、その支柱板51が、回転軸51aにてその外側の軸受部52に対して回転自在に軸受支持される。よって、支柱板51ひいてはアーム49は、この回転軸51aを中心に所定角度範囲内で正逆回転するので、それに伴いフィルム抑え板38は昇降移動する。そして、対をなす2つのアーム49は一体となって回転するため、それぞれに取り付けられたフィルム抑え板38も一緒に昇降移動する。もちろん、アーム49は、支柱板51を介してテーブル22上に取り付けられることになるので、テーブル22の回転に伴い水平面内で回転移動する。さらに、図示省略するが、アーム49の外面の基端側端部には、コイルスプリングの一端を取付、そのコイルスプリングの他端は、テーブル22に連携させる。これにより、コイルスプリングの弾性復元力を利用し、アーム49の基端側端部が常時下方に付勢されるようになっている。その結果、図1,図4中、検査ポイントP3に位置しているアーム49の先端が持ち上がり、フィルム抑え板38が集積体把持部25の上方に位置している状態が基本姿勢(基準位置)となる。
【0045】
そして、この基本姿勢の状態で、図示省略するシリンダー等の付勢手段により、アーム49の先端を下方に付勢、或いはアーム49の基端側(連結板50)を上方に付勢したり、或いは、駆動モータの出力を回転軸51aに連携し所定方向に回転させることで、図1,図4中、供給ポイントP1に位置しているアームのようにアーム49の先端側が下降移動し、フィルム抑え板38が下固定爪35,上可動爪36の開口部位を閉塞するフィルム抑え位置に至るようになる。なお、このフィルム抑え位置の状態にするための付勢力(アームの所定位置に加わる上方或いは下方への付勢力や回転軸51a加わる回転力等)が解除されると、アーム49の基端側に連結したコイルスプリングの弾性復元力によりアーム49の先端側が上昇移動し、基準位置に戻る。
【0046】
そして、供給ポイントP1における集積体10の集積体把持部25内への供給作業は、図7,図8に示す手順により実行される。まず、図7(a)に示すように、下ガイド27,上ガイド28間にある集積体10は、その後面にてプッシャー29が接触しており、プッシャー29の前進移動に伴い集積体10も前進移動する。また、その両ガイド27,28の搬出側開口部を遮るように、バンドフィルム32が垂下がり、そのバンドフィルム32の先端32aがフィルムクランプ30により把持され、ぴんと張った状態となる。
【0047】
この状態でさらにプッシャー29が前進移動すると、集積体10も前進移動し、集積体10の前面はバンドフィルム32に接触する。そして、さらにプッシャー29が前進移動して集積体10を押し込むと、図7(b)に示すように、集積体10は、バンドフィルム32をその周面に巻き付けながら集積体把持部25内に入り込む。このとき、フィルムクランプ30も前進移動してバンドフィルム32の先端32aの位置が、集積体把持部25内に移動させ、上記の集積体10のバンドフィルム32を押し込み・巻き付けながらの集積体把持部25内への移動がスムーズに行われるようにする。また、このとき、上可動爪36も下降移動し、集積体10の上面に接触し集積体10を抑える。上述したように、上可動爪36の先端側は、二股状となっており、両脚部36a間の空間内に、バンドフィルム32が入り込むことができ、集積体把持部25の奥深くまでバンドフィルム32が位置する。同様に、フィルムクランプ30で把持され、集積体10の下方に回り込んだフィルム部位も、下固定爪35の二股状の脚部35a間の空間内に入り込むことができ、奥深く位置することができる。
【0048】
そして、図7(c)に示すように、集積体10の前面がストッパー部材37のストッパー面37aに接触する位置まで押し込むと、プッシャー29による押し込み供給処理を完了する。これにより、集積体10と共に集積体把持部25内に押し込まれたバンドフィルム32は、集積体10の前面と、ストッパー面37aとの間に挟み込まれると共に、集積体の上面と上可動爪36との間に挟み込まれることで、係る集積体10の2面(前面と上面)に対してきれいに巻き付けられる。また、集積体10の下面側は、折り返し爪39より折り返されたバンドフィルム32の先端側の一部が接触した状態となる。またこの状態では、集積体10の上面側に続くバンドフィルム32は、後続の原反ロール41に繋がっており、ぴんと張った状態となっている。
【0049】
次に、フィルムカッター33がバンドフィルム32に向けて前進移動し、バンドフィルム33をカットする。これにより、バンドフィルム32の先端32aは、所定長さで切り離され、集積体10を把束するためのバンドとなる。また、切り離されることで、切り離された部分は自由になり、図示するように自重により垂れ下がる。
【0050】
その後、図8(b)に示すように、フィルムカッター33は後退してもとの位置に復帰し、次の切断処理に備える。また、フィルム抑え板38が下降移動し、切断されてフリーとなったバンドフィルム部位を押さえ込み、集積体10の後面との間で挟み込む。このとき、係る集積体10の後面に接触するバンドフィルム部分は、その後端32bがさらに下方に突出するように、上記の切断位置が調整される。さらに、フィルムクランプ30がバンドフィルム32の先端32aを離し、元の位置に復帰する。なお、バンドフィルム32はある程度腰があるため、フィルムクランプ30による把持が解除されたことで、集積体10の下面に沿うような姿勢を取る。
【0051】
これにより、供給ポイントP1における供給処理が完了する。これに伴い、テーブル22が90度回転することで、バンドが巻き付けられた集積体10は、集積体把持部25に把持された状態のまま供給ポイントP1から、次のシールポイントP2に移送される。また、この供給ポイントP1からシールポイントP2への移送中は、フィルム抑え板38を取り付けたアーム49が、その先端が下降移動する方向に付勢された状態を保持し、フィルム抑え板38がフィルムを抑えた状態、すなわち、図8(b)に示す集積体10の供給完了状態を保持しながら行うと、集積体10の後面側に接触させたバンドフィルム部位を、その接触した状態を維持するとともに、移送中における後端32bのバタつきを抑えてバンドフィルム32のずれを防止できるので好ましい。このフィルム抑え板38が下降した状態を保持する機構は、下方に付勢する手段を動作し続けても良いし、回転移動中は、カム等に連携させることで保持しても良い。また、一旦折り癖は付けられているので、移送中はフィルム抑え板38が集積体把持部25の上方に位置する基本姿勢となり、シールポイントP2に至ったならば再びフィルム抑え板38が下降してバンドフィルムを集積体10の後面に抑えつけるようにしてもよい。
【0052】
また、次の空の集積体把持部25が、供給ポイントP1に至る前、或いは、少なくとも供給ポイントP1における次の集積体10の供給開始前には、フィードローラ46を駆動させ、バンドフィルム32を所定長さ分だけ繰り出し、図7(a)に示すような状態、つまり、バンドフィルム32の先端32aがフィルムクランプ30により把持される状態にする。
【0053】
シールポイントP2におけるシール機構は、図9から図11に示すようになっている。すなわち、シールポイントP2に位置した集積体把持部25に向けて前後進移動し、集積体10の後面に接触したバンドフィルム32の後端32bの集積体10の下方に突出した部分をさらに前方に向けて折り曲げて集積体10の下面に沿わすためのフィルムシゴキ部53と、シールポイントP2に位置した集積体把持部25の下方、より具体的には、下固定爪35の両脚部35a間の空間の下方に昇降移動可能に配置されたシーラー54と、を備えている。フィルムシゴキ部53は、その先端に断面円形状の作動部53aを備え、その作動部53aがバンドフィルム32の後端32bに接触する。
【0054】
また、フィルムシゴキ部53は、作動部53aを備えた前端側が上方に持ち上がった上方傾斜状の姿勢をとる。また、このフィルムシゴキ部53は、基端部53bを回転中心とし、図9(a)に示す作動部53aが上方に持ち上がった上方傾斜状の第1姿勢(基本姿勢)と、作動部53aが下降し下方傾斜状態となった第2姿勢(図11(b)等参照)の間を正逆回転する。
【0055】
そして、シールポイントP2における集積体10に巻き付けられたバンドフィルム32のシール作業は、図9〜図11に示す手順により実行される。まず、シールポイントP2に移送されてきた集積体把持部25は、図9(a)に示すように、フィルム抑え板38によりバンドフィルム32のフリーな部分が抑えられ、集積体10の後面に接触させた状態から、まず、フィルムシゴキ部53が基本姿勢のまま集積体把持部25に向けて前進移動する。このとき、作動部53aは、集積体10の下方に突出しているバンドフィルム32の後端32bを集積体10の下面に押しつけながら移動することで、係る後端32bを集積体10の下面に接触させる。これにより、集積体10に巻き付けられたバンドフィルム32の両端(先端32a,後端32b)が重なる。また、作動部53aは、バンドフィルム32(後端32b)の一部に接触している。なお、基本姿勢にあるフィルムシゴキ部53は、作動部53aが持ち上がった状態となっているので、バンドフィルム32には、その作動部53aのみが接触するので、PTPシートを擦って傷つけたりすること無く、後端32bを持ち上げることかできる。
【0056】
次に、作動部53aがバンドフィルム32の両端を抑えつけた状態のまま、シーラー54が上昇移動する。シーラー54は、バンドフィルム32の後端32bのうち、作動部53aが非接触の部分に接触し、熱シールする(図10(a)参照)。これにより、先端32aと後端32bがシールされ、集積体10に対するバンド掛けがなされる。
【0057】
その後、シーラー54は下降移動し(図10(b))、フィルムシゴキ部53が基端部53bを中心に図中時計方向に回転し、作動部53aが下降移動してバンドフィルム32並びに集積体10から離反する(図11(a)参照)。そして、図11(b)に示すように、フィルムシゴキ部53が後退移動する。上述したように、この前工程で作動部53aが下降して、フィルムシゴキ部53は集積体10(バンドフィルム32)から離反しているので、この後退移動の際に、フィルムシゴキ部53が集積体10等に接触し傷を付けることがない。
【0058】
これにより、シールポイントP2におけるバンドフィルム32に対するシール処理が完了し、集積体10に対してバンド掛けされる。これに伴い、テーブル22が90度回転することで、バンド掛けが完了した集積体10は、集積体把持部25に把持された状態のままシールポイントP2から、次の検査ポイントP3に移送される。
【0059】
検査ポイントP3は、シールポイントP2で行われたシール処理の適否を検査するもので、バンド掛けされた集積体10を集積体把持部25にて把持した状態で検査することを特徴としている。そして、その検査機構の具体的な構成は、図12から図15に示すようになっている。
【0060】
まず、構成の概略を説明すると、吸盤55aを備えた吸引ノズル55を第1アーム58の一端に取り付け、その第1アーム58の他端は第2アーム57の先端に連結している。第2アーム57は、その一端側で逆L字型支柱59の上方に設けた軸受59aに対して回転自在に軸受支持される。また、第2アーム57の他端は、シリンダ56のシリンダロッド56aに連携される。このシリンダ56は、シリンダロッド56aと反対側にもショートストロークのシリンダロッド56bを備えた両ロッド形のシリンダ56になっている(デュアル工程シリンダ)。また、このシリンダ56は逆L字型支柱59の下方に回転可能に取り付けられている。これにより、第1アーム58,第2アーム57,シリンダ56(シリンダロッド56a,シリンダロッド56b)によりリンク機構が構成され、シリンダ56のシリンダロッド56aを往復駆動することにより、図12に示すように吸着ノズル55が集積体把持部25から離反した吸盤待機位置と、シリンダ56のシリンダロッド56bを往復駆動することにより、図13に示すように吸着ノズル55が集積体把持部25の下固定爪35と上可動爪36との間に入り込み、先端の吸盤55aが集積体10に掛けられたバンドフィルム32に接触するバンド吸着位置との間を往復移動できようになっている。また、吸着ノズル55は、図示省略する吸引ポンプに連携されており、適宜のタイミングで吸引をしたり吸引を停止したりできる。
【0061】
そして、検査ポイントP3における集積体10にバンド掛けされたバンドフィルム32のシールの良否判定作業は、以下に示す手順により実行される。まず、図12に示すようにシリンダロッド56aが伸長した吸盤待機位置の状態でテーブル22が回転し、バンド掛けされた集積体10を把持した集積体把持部25が検査ポイントP3に移送されてくる。この状態で、シリンダ56のシリンダロッド56aを短縮させ、図14に示すように、吸引ノズル55の先端に設けた吸盤55aを集積体把持部25で把持された集積体10近傍に位置させ、その後、シリンダロッド56bを短縮することにより、図13に示すように、吸引ノズル55の先端に設けた吸盤55aを集積体把持部25で把持された集積体10に巻き付けられてシール処理されたバンドフィルムに接触させたバンド吸着位置に位置させる。この吸盤55aをバンドフィルムに接触させた状態で、吸引ノズル55による吸引を開始することで、バンドフィルム32を吸盤55aに吸着保持させる。なお、吸引開始のタイミングは、バンド吸着位置に来た後でも良いし、吸盤待機位置からバンド吸着位置に至る途中からとしてもよい。
【0062】
次に、シリンダ56を動作させ、シリンダロッド56bを伸長させる。これにより、吸引ノズル55は、集積体10から離反(後退移動)する。この離反動作に伴い、吸盤55aに吸引保持しているバンドフィルム32も一緒に移動しようとする。つまり、集積体10は、集積体把持部25によりしっかりと把持されてその位置に固定されているので、バンドフィルム32が吸引ノズル55とともに集積体10から離反する方向に付勢される。
【0063】
そして、バンドフィルム32も、集積体10の上面や前面並びに下面の一部に接している部位は、集積体把持部25との間で保持されているが、シールされたバンドフィルム32の先端32a,後端32bは、下固定爪35の脚部36a間に位置しており集積体把持部25によって固定はされていない。従って、シールがしっかりとされている場合には、集積体把持部25により集積体10がしっかりと把持されているので、バンドフィルム32は集積体10から離脱しないので、図14に示すように、吸盤55aは、バンドフィルム32から離反する。これにより、シールは良好に行われたことが確認できる。
【0064】
一方、シールがされてなかったり、不十分な場合には、吸引ノズル55の離反動作に伴い、バンドフィルム32の後端32bが先端32aから離れてしまい、図15に示すように、その後端32bに続く集積体10の後面側のフィルム部位が、吸引ノズル55(吸盤55a)に追従して一緒に移動し、集積体10から離反する。これにより、シール不良であることが確認できる。
【0065】
係る検査結果の確認は、例えば、本実施形態の場合、吸引ノズル55による吸引をしているため、バンドフィルム32が吸盤55aに吸着しているか否かにより、負圧が変動するので、係る変動等(変化量或いはしきい値と比較等)を監視することで良否判定を行える。また、係る負圧を利用したものに限ることはなく、CCDカメラ等で撮影した画像に対し、画像処理をし、後退移動する吸引ノズル55(吸盤55a)からバンドフィルムが離反するか否かを認識するなど、各種の方式を採ることができる。
【0066】
さらに、負圧を利用した判定処理を行う場合、図13に示すバンド吸着位置に置いて、吸引した場合の負圧の有無により、バンドフィルム32の有無を判定することができる。つまり、そもそもバンドフィルム32が無い場合には、吸盤55aは集積体10の側面に接触するものの、隙間が空いているので負圧が発生せず、よって、バンドフィルムなし(バンドフィルム自体がない場合と、正しい位置にない場合のいずれも含む)の不良であることが判断できる。これに対し、バンドフィルム32が正しい位置に装着されている場合は、吸盤55aはバンドフィルム32に接触して閉塞され負圧が発生するので、バンドフィルム有りと判断できる。
【0067】
本実施形態では、前工程のシール処理を施した集積体10を、集積体把持部25で把持した状態のままシールの良否を判定することができるので、仮にシール不良があったとしても、その時点までの工程、つまり、シール工程終了後、検査ポイントP3まで移送し、検査処理を実行するまで、集積体10は把持されたままとなる。よって、仮にシール不良があったとしても、積層された集積体10を構成する各PTPシートが崩れて散らばることがない。
【0068】
また、検査ポイントP3には、シュートダクト61並びに収納ボックス62を配置している。このシュートダクト61は、検査ポイントP3に位置する集積体把持部25の先端開口部の外側に配置している。そして、上記の検査機構により、シール不良と判断された集積体10は、このシュートダクト61に排出され、シュートダクト61内を落下移動して下方の収納ボックス62に収納される。収納ボックス62は、着脱可能であり取っ手62aを持って簡単に手前に取り出すことができる。この集積体把持部25からシュートダクト61への搬出は、例えば、集積体把持部25の両サイドから突出している集積体10の左右両側に接触し、シュートダクト61側に押し出す排出機構を設けることで実現できる。このとき、上可動爪36を上昇させると、スムーズに排出することができると共に、PTPシートに傷等が付きにくく、再利用ができる。つまり、バンドフィルムのシール不良の場合、PTPシート自体には何ら問題はないので、収納ボックス62にたまったPTPシートを取り出すとともに、上流側の搬送装置の所定位置にセットすることで、再びバンド掛けを行うことができる。
【0069】
また、この良否判定の結果の如何に関わらず、吸引ノズル55は、吸盤待機位置まで移動し、次の判定処理に備える。そして、図14,図15に示すバンド吸着位置から所定量だけ吸引ノズルが後退移動したタイミングで、シリンダロッド56の動作を一時停止し、係る図示する位置或いはその付近で一時停止しても良いし、一時停止することなく一気に吸盤待機位置まで復帰させても良い。但し、シール不良の場合でも、バンドフィルム32は集積体10と集積体把持部25との間で挟み込まれているので、吸盤待機位置まで吸引ノズル55が戻ってきた場合には、バンドフィルム32は吸盤55aから離反する。そのため、負圧を利用した良否判断を行う場合、シールが適切な場合には吸盤55aからバンドフィルム32が離反し、シール不良の場合には離反しないような後退移動時の適宜の位置で一時停止した方が、簡単かつ確実に判定できるので好ましい。
【0070】
一方、検査機構により良品であることが確認されると、テーブル22が90度回転することで、検査に合格した集積体10は、集積体把持部25に把持された状態のまま検査ポイントP3から、次の搬出ポイントP4に移送される。
【0071】
搬出ポイントP4は、検査ポイントP3を通過した良品の集積体10を、下流側の処理装置(包装装置本体等)の搬送ラインへ搬出するための領域である。本実施形態では、2個並列で処理することで、高速処理に対応でき、それに伴い下流側の処理装置の搬送ラインも高速搬送となっている。下流側の搬送ラインは、フィンガーコンベアであり、2個の集積体把持部25から搬出される2個の集積体10を、高速移動するフィンガーコンベアのフィンガー位置に合わせて同時に供給するのは煩雑である。つまり、2個の集積体10の間に1つのフィンガーが位置するタイミングで供給する必要があり、高精度かつ高速に搬出する必要があり、集積体10を高速に搬送すると、擦れて傷が付くおそれもあるという問題がある。そこで、この搬出ポイントP4における搬出機構は、集積体把持部25から搬出は中継地点に対して2個同時に行い、その中継地点にある2個の集積体を最終的に下流側の搬送ラインであるフィンガーコンベアに対して供給するのは、1個ずつ行う2段階の搬出処理を行うようにした。これにより、集積体把持部25からは、2個同時に集積体10が搬出されることで、空となった集積体把持部25は、90度回転して供給ポートP1へ移動可能とし、移送機構における高速処理に対応できる。また、高速移動するフィンガー間に対する位置合わせも、1つずつ行うので、前後のフィンガーピッチの間に供給すればよいので制御が容易で確実に供給できるようになる。なお、高速対応にするために2段階に分けたため、速度が低速であれば、2個同時に処理しても良い。
【0072】
そして、この搬出機構の具体的な構成は、以下のようにしている。まず、図16以降に示すように、各集積体把持部25内のPTPシートの集積体10を外部に搬出する取り出しプッシャー71と、その取り出しプッシャー71で搬出された集積体10を受ける中継地点を構成する中継下ガイド板75及びその中継下ガイド板75の上方に配置された中継上ガイド76と、中継地点に搬出された集積体10を押し出しフィンガーコンベア78に供給する第1供給プッシャー72及び第2供給プッシャー73と、を備えている。第1,第2供給プッシャー72,73は、昇降並びに前後方向に移動するボックスモーションの動きをし、位相が90度ずれた状態で、交互に前進動作をする。また、取り出しプッシャー71も、昇降並びに前後方向に移動するボックスモーションの動きをする。なお、フィンガーコンベア78の奥側には、進行方向横方向の移動を規制するガイド板79が設けられる。また、各プッシャー71,72,73は、集積体把持部25並びに中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の進行方向左右両側に突出する集積体10の後面に接触し、前方に押送する。
【0073】
そして、搬出ポイントP4における集積体把持部25内の集積体10を最終的に下流側の搬出ラインであるフィンガーコンベア78に供給する搬出作業は、以下に示す手順により実行される。まず、図16に示すように、PTPシートの集積体10を把持した集積体把持部25が、搬出ポイントP4に至ると、集積体10の搬出・押し出し方向にとっての後側に取り出しプッシャー71が位置する。後述するように、この前段階では、取り出しプッシャー71は下降位置に位置し、その上端は下固定爪35・テーブル22よりも下方に位置し、テーブル22の回転の邪魔をしない。また、第1,第2供給プッシャー72,73は、移送が180度ずれた状態で動作するため、この状態では、一方の供給プッシャー(図では、第2供給プッシャー73)は中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の両サイドの搬入側に位置し、他方の供給プッシャー(図では、第1供給プッシャー72)は中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬出側上方に位置する。
【0074】
次いで、図17に示すように、取り出しプッシャー71が前進移動して集積体10を押し出す。これにより、集積体10は、それぞれの集積体把持部25から搬出され、中継下ガイド板75上に移る。よって、図17(b)から明らかなように、搬出ポイントP4に位置する2つの集積体把持部25は、空になるので、集積体把持部25は回転して次の供給ポイントP1への移動が可能となる。また、取り出しプッシャー71の前進移動に伴い、第2供給プッシャー73も前進移動するので、集積体把持部25からの集積体10の搬出の邪魔はしない。また、第1供給プッシャー72は、後退移動して集積体把持部25側に近づくが、その移動は、中継上ガイド板76の上方空間で行われるため、上記の集積体10の集積体把持部25からの搬出には影響を与えない。この工程が終了時には、第1供給プッシャー72は、中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬入側端部上方に位置し、第2供給プッシャー73は、中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬出側の外側、つまり、フィンガーコンベア78の片側側縁に至る。
【0075】
次いで、図18に示すように、第1供給プッシャー72は、下降移動して中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬入側両サイドに至り、集積体10の搬出方向後側に位置する。そして、第2供給プッシャー73は上昇移動し、その下端は中継上ガイド板76よりも上方に位置する。また、取り出しプッシャー71は、下降移動し、その上端がテーブル22,下固定爪35よりも下方に位置する。
【0076】
次に、図19に示すように、フィンガーコンベア78のフィンガーの動きに合わせて、第1供給プッシャー72が前進移動し、その第1供給プッシャー72が設置された中継下ガイド板75上の集積体10が前進移動し、フィンガーコンベア78に供給される。このとき、同時に第2供給プッシャー73は、中継上ガイド板76の上方空間を後退移動して中継上ガイド板76の搬入側端の上方に至る。よって、第2供給プッシャー73により搬送される中継下ガイド板75上の集積体10は、取り出しプッシャー71にて搬出された中継下ガイド板75上にとどまる。また、取り出しプッシャー71は、テーブル22の下方空間内を後退移動し、搬出ポイントP4に至った集積体把持部25のストッパー面37aよりも奥側に位置する。
【0077】
次、図20に示すように、第2供給プッシャー73は、下降移動して中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬入側両サイドに至り、集積体10の搬出方向後側に位置する。そして、第1供給プッシャー72は上昇移動し、その下端は中継上ガイド板76よりも上方に位置する。また、このとき、次の集積体10を把持した集積体把持部25が搬出ポイントP4に至るので、取り出しプッシャー71は、上昇移動し、その上端がテーブル22,下固定爪35よりも上方に位置する。
【0078】
次に、図21に示すように、フィンガーコンベア78のフィンガーの動きに合わせて、第2供給プッシャー73が前進移動し、その第2供給プッシャー73が設置された中継下ガイド板75上の集積体10が前進移動し、フィンガーコンベア78に供給される。これにより、前回の取り出しプッシャー71により中継下ガイド板75上に搬出された2つの集積体10は、フィンガーコンベア78への供給が完了する。このとき、同時に第1供給プッシャー72は、中継上ガイド板76の上方空間を後退移動して中継上ガイド板76の搬入側端の上方に至る。
【0079】
さらに、上取り出しプッシャー71が前進移動して集積体10を押し出す。これにより、集積体10は、それぞれの集積体把持部25から搬出され、上記の2つの供給コンベア72,73による搬出完了により空いた中継下ガイド板75上に移る。
【0080】
以後、各ポイントにおける上記の各処理を繰り返し実行することで、上流側の装置から搬出されてきた2つの集積体を受け取り、水平平面内を移送しながら、バンド掛け(シール)、検査、下流側の装置への搬出を高速で行うことができる。
【0081】
また、上述した実施形態では、バンド掛け装置内に組み込んだが、本発明はこれに限ることはなく、独立した装置として実現しても良いし、或いは他の装置に組み込むものでも良い。また、PTPシートの集積体に限ることはなく、特許文献2などに開示されたように各種の集積体に対するバンド掛けの検査に用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 集積体
25 集積体把持部
29 プッシャー
33 フィルムカッター
35 下固定爪
36 上可動爪
38 フィルム抑え板
53 フィルムシゴキ部
54 シーラー
55 吸引ノズル
71 取り出しプッシャー
72 第1供給プッシャー
73 第2供給プッシャー
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンド不良検査方法及び検査装置に関するもので、より具体的には、PTPシート等のシート状物品を複数積層した集積体に対して施したバンド掛けの良否を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
良く知られているように、PTP(Press Through Packaging)シートは、容器(ポケット部)側から中身を押し出して上蓋を破壊し、中身を取り出すようにした包装形態であり、薬品包装における錠剤やカプセルの包装に良く使われる。そして、係るPTPシートは、通常複数個を積層した状態(物品集合体)でピロー包装し、さらにそのピロー包装した包装体を箱に収納した状態で市販されている。このとき、その複数枚のPTPシートを積層した状態で、把束テープでバンド掛けして一束に纏めた状態で包装処理や箱詰めをすることがある。
【0003】
このPTPシートをバンド掛けするためのバンド掛け装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された装置は、PTPシートの集積体を結束するバンド掛け手段と、そのバンド掛け手段の下流側に配置されているピロー包装手段とを備えた包装装置である。そして、バンド掛け手段は、縦方向、すなわち鉛直面内で回転して集積体を次工程へと移送する移送機構と、その移送途中において集積体にバンド掛けを施すバンド掛け機構とを備えている。
【0004】
移送機構は、集積体を把持する集積体把持部と、集積体を集積体把持部に挿入するための挿入部と、集積体把持部から集積体を送出すための送出部とを備えている。バンド掛け機構は、帯状のバンドフィルムをバンドフィルムを繰出すとともに、集積体把持部と挿入される集積体との間にバンドフィルムを介在させるようにする手段と、バンドフィルムの所定位置を切断するための切断部と、集積体に巻き付けたバンドフィルムの両端同士をシールして結束するシール部とを備えている。
【0005】
ところで、シール部でシールされたバンドフィルムがシール不良等を生じている場合、そのまま下流側の包装機本体等の処理装置に搬出してしまうと、係る処理装置の搬送途中でバンドフィルムがほどけてしまい、PTPシートが崩れ落ちるおそれがある。そこで、バンド掛け装置の下流側に、バンド掛け機能(シール部)によりバンドフィルムが確実にシールされて集積体を結束しているか否かを検査するいる検査装置を設置し、その検査装置で不良品と検知されたものは廃棄する機構を組み込むものがある。
【0006】
係る検査装置は、例えば、検査対象のバンド掛けされた集積体に対し、上方から吸着パッドを下降移動し、その吸着パッドを集積体の上面に位置するバンドフィルムに接触させ、それを吸着する。次いで、その吸着した状態のまま吸着パッドを上昇させる。すると、吸着パッドと共にバンドフィルムが上昇するので、シールがしっかりとされている場合には、結束したバンドフィルムとともに集積体も持ち上がる。一方、シール不良等の場合には、バンドフィルムのみが持ち上がり、集積体は上昇しない。従って、集積体が搬送面より上方に持ち上げられたかどうかを検出し、持ち上げられていないことを検出したときシール不良と判断する。
【0007】
なお、この種のPTPシートの集積体に対する検査装置についての先行技術部件は見つからなかったが、紐により結束された山積みシートに対する結束の良否を判定する検査装置としては、特許文献2に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3907003号公報
【特許文献2】特開2003−104313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した検査方法では、以下に示す課題を有する。すなわち、結束されたPTPシートを持ち上げることができるか否かにより良否判定をすることから、必ず吸着パッドで吸着した状態で一度PTPシートを持ち上げる処理を行う必要があり、良品の場合には持ち上がるために、検査終了後には、下降させて元に戻す必要があるので、高速化には向いていない。
【0010】
また、バンド不良の場合には、バンドが取れてしまうため、集積された複数のPTPシートに対する結束が行われていないことになり、PTPシートはカールしていることもあって係るPTPシートがバラバラになってしまうおそれがある。さらに、シール不良の場合には、バンドフィルムのみが持ち上がり、集積体は持ち上がらずにその位置をとどめることになるが、バンドフィルム上昇により当該バンドフィルムから集積体に対して上方や斜め方向へ向けた付勢力を受けることがあり、そうすると、係る付勢力によりPTPシートが検査装置内で崩れることもある。
【0011】
バンド不良のためバラバラになってしまったPTPシートを下流に配置された排出ボックスに排出することになるが、排出ボックスまでの搬送途中において、PTPシートを紛失してしまうおそれもある。そして、紛失したPTPシートが装置内で詰まるなどして、装置を破損するおそれもある。
【0012】
さらに、そもそもバンド掛けが不良な場合、係る集積体をバンド掛け装置から搬出し、検査装置まで搬送する間にもすでに崩れてしまい、PTPシートが装置内に入り込んで紛失等するおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明に係るバンド不良検査方法は、(1)複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査方法であって、少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部で把持し、前記バンドの露出した部分を吸着手段によって吸着し、次いで、前記吸着手段を前記シート群から離反させ、前記離反させた際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定をするようにした。シート状物品は、実施形態では、PTPシートに対応するが、その他のシート状(扁平)の物品でも良く、特に、束にしたときにある程度弾力のあるものが好ましい。
【0014】
シール不良の場合、吸着手段の離反移動に伴いバンドが吸着手段に吸着したまま移動し、集積体から離反する。一方、シールがされている場合には、吸着手段はバンドから離反する。従って、係るバンドの状態から、シール不良か否かを判断できる。また、検査は、シート状物品の集積体並びにバンドを集積体把持部で把持した状態で行われるので、仮にシール不良であっても、ばらばらにならない。
【0015】
(2)前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、前記良品判定は、前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて行うとよい。バンドが付いた状態で吸引すると、一定の負圧が生じる。一方、バンドが付いておらず、吸引手段の吸引部分が開放されていると、負圧は生じない。よって、吸着手段が接近するとともにバンドに接触して吸引すると、一定の負圧が生じ、吸着手段が離反移動した際にシール不良によりバンドが一緒に付いてきた場合には、負圧の状態が維持するが、シールが良好に行われてバンドから離反すると負圧状態が解消される。よって、負圧の状態からシールの良否が簡単に判定できる。
【0016】
(3)上記の(1)の方法の発明を実施するために適した本発明の検査装置は、複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査装置であって、少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部と、前記集積体把持部に対して接近・離反移動可能に設けられた吸着手段と、前記吸着手段を前記集積体把持部に接近移動させて前記バンドの露出した部分を吸着させるとともに、吸着させながら前記吸着手段を離反移動させる駆動制御手段と、前記吸着手段の離反移動の際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定を行う判定手段と、を備えて構成した。
【0017】
(4)前記集積体把持部を検査位置まで移送する移送手段を備え、前記判定手段の判定結果が良品の場合には、前記集積体把持部を下流側の装置への搬出位置まで移送し、前記判定手段の判定結果が不良の場合には、前記検査位置に位置する集積体把持部から排出され、その検査位置に隣接して配置された廃棄経路に送るようにすると良い。不良と判定された場合、吸着手段の吸着を解除し、バンド、及び集積体を構成するシート状物品をその場で廃棄経路に送ることで、下流側の搬送路等においてシート状物品等が散らばることがない。
【0018】
(5)前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、前記判定手段は、前記吸着手段の離反移動時における前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて良否判定するとよい。
【0019】
(6)前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、前記判定手段は、前記吸着手段が接近移動して前記バンドの露出した部分の吸着を行った際の前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧に基づいてそのバンドの有無を判定する機能を備えるとよい。バンドが有れば、吸着手段にバンドが吸引されるので、負圧になるが、バンドがない場合にはシート状物品の側面を吸着するので負圧にならない。よって、バンドの有無を判定することができる。
【0020】
(7)前記検査装置は、複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けしてシート群を形成するバンド掛け装置に組み込まれるものであり、前記集積体把持部は、前記集積体並びに前記バンドを把持した状態で前記バンド掛け装置内を移動するものとすることができる。バンド掛け装置内に組み込むことで、システム全体がコンパクトとなる。さらに、シール不良が見つかった場合には、そのまま廃棄すればよいので、シール不良でバンド掛けが適切に行われていない集積体を構成する各シート状物品が、バンド掛け装置から搬出されてしまい、下流側の搬送ライン上で崩れてしまう自体の発生を未然に防止できる。
【発明の効果】
【0021】
集積体及びバンドを把持した状態でバンド不良検査を行うことができるため、バンド不良の場合でも、 シート状物品やバンドを紛失することなく、確実に排出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す正面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】PTPシートの一例を示す図である。
【図4】本発明の好適な一実施形態の一部の拡大正面図である。
【図5】本発明の好適な一実施形態の一部の拡大平面図である。
【図6】バンドフィルム32の供給機構を説明する視野静である。
【図7】供給機構の構成・作用を示す正面図である。
【図8】供給機構の構成・作用を示す正面図である。
【図9】シール機構の構成・作用を示す正面図である。
【図10】シール機構の構成・作用を示す正面図である。
【図11】シール機構の構成・作用を示す正面図である。
【図12】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図13】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図14】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図15】検査機構の構成・作用を示す正面図である。
【図16】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図17】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図18】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図19】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図20】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【図21】搬出機構の構成・作用を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1,図2は、本発明の検査装置が組み込まれるバンド掛け装置の好適な一実施形態の全体図を示している。このバンド掛け装置は、上流側の集積装置にて複数枚積層されたPTPシートの集積体を受け取るとともに、その受け取ったPTPシートの集積体を所定の軌跡で移送し、その移送途中でバンド掛けし、下流側の装置に搬出するものである。
【0024】
まず、PTPシート1は、図3に示すように、プラスチックシート2のシート面に複数のポケット部2aを形成し、そのポケット部2aに錠剤3等を収納するとともにそのシート面をアルミフォイル等のシート材4で気密に被覆シールした構造となる。そして、図3(c)に示すように、対となる2枚のPTPシートの一方を180度回転させつつ反転させ、2枚のPTPシート1をポケット部2aの位置を互いにずらせた状態で抱き合わせることができる。また、図3(a)に示すように、PTPシート1の長手方向の一方の端部側に、ポケット部未形成領域5を設けることで、一対のPTPシート1を180度回転させて互いにポケット部2aを向けた状態で抱き合わせると、それぞれのポケット部未形成領域5が反対側に位置することから、重ね合わされたPTPシート群の周縁は、ほぼ一致する。このポケット部未形成領域5は、錠剤3の型番や、商品名(商標)等を印刷・刻印等するのに利用する。もちろん、係るポケット部未形成領域5を設けない形態でもよく、その場合には、図3(d)のように、PTPシート1を抱き合わせた場合に、各シートの周縁位置がずれることになる。
【0025】
そして、この2枚一対のPTPシート1を集積装置にて複数対を重ねることで所定枚数積層されたPTPシートの集積体が形成される。この集積体を製造する一連のシステムは、本装置の上流側に設置される。そして、本実施形態では、PTPシートの集積体10は、上流側の装置から2列に並んで搬送されてくるので、本装置では、係る2列の状態のままそれぞれの先頭の集積体10を受け取り、2つの集積体10に対して、それぞれ平行してバンド掛け処理をするようにしている。具体的には、以下のように構成される。
【0026】
バンド掛け装置は、集積体10を受け取るとともに水平平面内で間欠的に回転しながらその集積体10を移送する移送機構11と、その移送機構11で移送途中の集積体10に対してバンド掛けを施すバンド掛け機構12を備えている。移送機構11と、バンド掛け機構12は、それぞれ独立した駆動源に基づいて動作するようにし、バンド掛け機構12を動作させない状態で移送機構11を動作できるようにしている。
【0027】
移送機構11は、起立配置された回転軸20の上方部位に水平平面内で回転可能なテーブル22を連携する。回転軸20は、軸受21により回転自在に支持されると共に、回転軸20の下端は、駆動モータ23に連携される。これにより、駆動モータ23が回転すると、回転軸20ひいてはテーブル22が回転する。そして、本実施形態では、テーブル22が90度回転するごとに一時停止する。なお係る動作を行うためには、駆動モータ23自体が回転・一時停止を繰り返し行うようにしても良いし、駆動モータ時23自体は連続回転し、駆動モータ23と回転軸20の間に介在する動力伝達機構に制御により回転軸20が間欠的に回転するようにしても良い。
【0028】
テーブル22は、外周縁が略正方形(角部は面取りしている)の平板状からなり、その略正方形の各辺に、集積体把持部25を2個ずつ取り付けている。そして、テーブル22は、反時計方向に回転し、上流側の装置から搬送されてくる搬送ラインの延長線上に対向する供給ポイントP1から90度間隔で、シールポイントP2,検査ポイントP3,搬出ポイントP4の4つの処理領域が設定される。集積体把持部25、各ポイントP1〜P4に至ると、テーブル22の回転が一時停止、そこで集積体把持部25で把持されているPTPシートの集積体10に対して所定の処理が実行された後、集積体把持部25が次のポイントに位置するようにテーブル22が90度回転する制御を行う。
【0029】
集積体把持部25は、テーブル22に固定される下固定爪35と、その下固定爪35の上方に所定の間隔をおいて昇降移動可能に配置される上可動爪36を備えている。後述するように、下固定爪35並びに上可動爪36は、それぞれ先端が二股状になっている。この二股状の脚部35a,36aは、その長さが左右で異なっている。また、下固定爪35の二股状の脚部35a間並びに上可動爪36の脚部36a間には、所定の空間が形成され、後述するように、他の部材がその空間内に入り込むことができる。
【0030】
この上可動爪36は、二股状に分かれていない基端側の上面にL字プレート34aの先端下面が接続されて一体化する。このL字プレート34aは、その基端側(上可動爪36の接続部位と反対側)でガイド軸34bに対して昇降可能に連携され、上可動爪36とL字プレート34aはこのガイド軸34bに沿って一体に昇降移動する。また、ガイド軸34bの上端は、テーブル22の外周縁近傍に起立された支柱34dの上端に連結された支持プレート34cに連携される。これにより、上可動爪36とL字プレート34aは、支持プレート34cに片持ち支持された状態となる。さらに、図示省略するが、ガイド軸34bにコイルスプリング装着し、そのコイルスプリングの両端が、L字プレート34aの上面と支持プレート34cの下面に接触する。
【0031】
これにより、L字プレート34aを上方に付勢すると、コイルスプリングを圧縮しながら上昇し、上可動爪36と下固定爪35との間の間隔が広くなる。その結果、その間隔が、集積体10の高さよりも広くなると、上可動爪36と下固定爪35との間の空間内に、集積体10をスムーズに挿入・供給することができるし、搬出も容易に行える。
【0032】
一方、コイルスプリングが圧縮変形されいる場合には、その弾性復元力によりL字プレート34aひいては上可動爪36を下方へ付勢する。従って、上記の上方への付勢力が無くなると、上可動爪36は、自重と共にその弾性復元力により下方へ移動する。そして、上可動爪36が最下端位置に位置したときの上可動爪36と下固定爪35との間隔が、集積体10の高さよりも狭い場合、両爪35,36間に集積体10を挿入したとすると、コイルスプリングの弾性復元力も相まって、上可動爪36は、集積体10に対して一定の力で下方付勢することになり、両爪35,36でしっかりと集積体10を把持することができる。よって、両爪35,36で集積体を把持した状態でテーブル22が回転すると、集積体把持部25も回転し、両爪35,36で把持された集積体10も一体に公転移動する。
【0033】
次に各ポイントP1〜P4における処理を実行する装置について、その構成・機能を動作とともに説明する。まず供給ポイントP1では、上流側の装置から搬送されてくるPTPシートの集積体10を、集積体把持部25内に供給する供給機構14が配置される。また、この供給機構により集積体10を集積体把持部25内に供給にするに際し、その集積体10をバンド掛けするためのバンドフィルム32をその集積体10の周囲に巻き付けながら集積体把持部25内に供給することができるようになっている。
【0034】
集積体10をバンド掛けするためのバンド(把束テープ)は、帯状に連続したバンドフィルム32を用い、そのバンドフィルム32の先端から所定長さ分だけを切り離して、1つの集積体10に巻き付けるようになっている。そして、バンドフィルム32の先端を、供給ポイントP1付近に導く、バンドフィルム供給機構15が、装置本体の奥側に設置されている。本実施形態では、2列で搬送されてくるPTPシートの集積体10を2個同時に処理をするために、集積体把持部25も、テーブル22の一辺当たり2個ずつ配置し、各ポイントには係る2個の集積体把持部25が位置するようになっている。そこで、このバンドフィルム供給機構15も、それら2つの集積体把持部25内にそれぞれのバンドフィルム32を供給するため、係るバンドフィルム32を供給ポイント点P1に導くための装置構成も、2系統用意した。
【0035】
まず、図1,図2等に示すように、装置の奥側に起立配置された壁45の上方所定位置に、4本の回転支持軸43a,43b,43c,43dを取り付けている。この回転支持軸43aから43dに、それぞれ帯状に連続したバンドフィルム32をロール状に巻き取った原反ロール41を回転自在に装着している。対をなす回転支持軸、すなわち、回転軸43a,43bに取り付けられた原反ロール41は、いずれか一方から実際に奥列側の集積体把持部25に対してバンドフィルム32の供給が行われ、他方の原反ロール41は予備用となり、現在供給中の原反ロール41から全てのバンドフィルム32が繰り出された際に、そのバンドフィルム32の後端に接続し、自動的に供給を続けることができるようになっている。同様に、回転軸43c,43dに取り付けられた原反ロール41は、いずれか一方が前列側の集積体把持部25へのバンドフィルム32の供給に用いられ、他方が予備用となる。
【0036】
そして、原反ロール41から繰り出された帯状のバンドフィルム32は、壁45の所定位置に取り付けられた複数のフリーローラ40に掛け渡されて所定の経路をとると共に、その経路中に設けられたフィードローラ46から駆動力を受けて引き出される。さらに、本実施形態では、原反ロール41が、供給ポイントP1に対して奥側に引っ込んだ位置に設置されているため、図6に示すように、原反ロール41から繰り出されるバンドフィルム32を、その進行方向に対して45度傾斜して配置された第1方向変換ガイド板42aに掛け渡すことで、その進路を90度変換し、前方に向けて進むようにする。また、第1方向変換ガイド板42aと平行で、その第1方向変換ガイド板42aに対して所定距離だけ前側に第2方向変換ガイド板42bを設置し、第1方向変換ガイド板42aで進路を前方に変えられたバンドフィルム32の進行方向をさらに90度変換する。第2方向変換ガイド板42bで進路が変えられたバンドフィルム32は、原反ロール41から繰り出されたバンドフィルム32の進路と平行で、所定距離だけ前側を進むことになる。そして、係る進路は、供給ポイントP1に位置している2つの集積体把持部25のうちの前列側の上方に導かれる。このように、原反ロール41から繰り出されるバンドフィルム32の通り芯と、集積体把持部25へ供給されるバンドフィルム32の通り芯とがずれた位置関係にしている。
【0037】
そして、第1,第2方向変換ガイド板42a,42bの距離を変えることで、バンドフィルム32を供給ポイントP1に位置している2つの集積体把持部25のうちの奥列側の上方に導くことができる。
【0038】
従来の鉛直面内で回転する縦型のバンド掛け装置の場合、バンドフィルムを巻き取った原反ロールは、供給ポイントに位置する集積体把持部に対してバンドフィルムを単純な経路を用いてスムーズに供給するために、装置の真上等に配置している。係る構成をそのまま本実施形態のように、2個の集積体把持部を備えた装置に適用した場合、それぞれの集積体把持部の上方に2系統の原反ロールをそれぞれ配置することになり、特に奥側の系統は、前側のものの奥に隠れることになり、原反ロールの着脱や、バンドフィルムの供給経路のメンテナンスが煩雑になるが、本実施形態のように、すべての原反ロール41を供給ポイントP1に位置する集積体把持部25の存在位置よりも奥側に配置し、バンドフィルム32の供給経路をその途中で前方に向けるようにしたので、テーブル22を含め、移送機構11の上部空間を開放させることができ、各種のメンテナンスが容易に行える。
【0039】
供給ポイントP1における移送機構11は、上流側の装置の搬出ラインに合わせ、2本の搬送ラインを備えている(図2参照)。各搬送ラインは、PTPシートの集積体10の搬送面を構成する下ガイド27と、その下ガイド27の上方に所定の間隔をおいて配置された上ガイド28を備える。上ガイド28が昇降可能に設定され、両ガイド27,28の間隔は、集積体10の高さに合わせて調整される。
【0040】
また、両ガイド27,28の幅は、集積体10の横幅よりも狭く設定しているので、図2,図5等に示すように、両ガイド27,28内に位置する集積体10の左右両側部は、両ガイド27,28の側縁から外側に突出する。そして、両ガイド27,28の側縁外側には、U字状のプッシャー29が、両ガイド27,28に沿って前進移動するとともに、下ガイド27の搬送面よりも下方を後退移動する矩形状のボックスモーションの動作をする。よって、両ガイド27,28間に挿入された集積体10は、その外側に突出した部位がプッシャー29により押送され、前進移動する。これにより、集積体10の後縁にプッシャー29の前面が接触して前方に付勢すると、集積体10は、前方への付勢力を受けて前進移動し、前方に位置する集積体把持部25の両爪35,36間に挿入される。このとき、集積体10は、その上面が上ガイド28で抑えられているので、姿勢が崩れることなく、搬送される。
【0041】
一方、図4に示すように、下ガイド27,上ガイド28の搬出側上方には、フィルムガイド31が配置される。このフィルムガイド31は、上下に貫通するガイド孔31aを有し、このガイド孔31a内をバンドフィルム32が通過することで、バンドフィルム32が下ガイド27,上ガイド28の搬出側の所定位置に位置決めされた状態で垂下し、さらにそのバンドフィルム32の先端32aが、下ガイド27,上ガイド28で構成される搬送ラインの搬出側の開口部位を塞ぐようになっている(図7(a)参照)。また、上ガイド28の上方の搬出側近傍には、フィルムカッター33が配置され、そのフィルムカッター33は、バンドフィルム32に対向して前後進移動する。このフィルムカッター33は、フィルムガイド31に装着され、フィルムガイド31のガイド孔31a内に位置するバンドフィルム32をカットする。
【0042】
また、集積体把持部25の下固定爪35の上面奥側、つまり、上可動爪36の奥側には、ストッパー部材37を固定している。このストッパー部材37の前面(上可動爪36側)は、ストッパー面37aとなり、上可動爪36の奥面とほぼ面一か奥側に位置している。そして、下固定爪35と上可動爪36の間の空間内に供給されたPTPシートの集積体10は、その先端がストッパー面37aに当たることでそれ以上の前進が抑止される。
【0043】
また、このストッパー部材37の前面側下方には、折り返し爪39が設けられている。この折り返し爪39の先端(上可動爪36側)は、ストッパー面37aよりも前方に突出している。そして、この折り返し爪39の上面は、下固定爪35の上面とほぼ面一に設定している。
【0044】
さらに、集積体把持部25の開口側上方には、フィルム抑え板38を配置している。このフィルム抑え板38は、アーム49の先端に連結されている。図2,図5に示すように、対をなす2つのフィルム抑え板38が取り付けられるアーム49は、その基端側(フィルム抑え板38の非取付側)端部において連結板50にて連結され、一体化される。また、図1,図4に示すように、アーム49の下面の基端側よりの所定位置には、テーブル22上に起立設置された支柱板51が接続され、その支柱板51が、回転軸51aにてその外側の軸受部52に対して回転自在に軸受支持される。よって、支柱板51ひいてはアーム49は、この回転軸51aを中心に所定角度範囲内で正逆回転するので、それに伴いフィルム抑え板38は昇降移動する。そして、対をなす2つのアーム49は一体となって回転するため、それぞれに取り付けられたフィルム抑え板38も一緒に昇降移動する。もちろん、アーム49は、支柱板51を介してテーブル22上に取り付けられることになるので、テーブル22の回転に伴い水平面内で回転移動する。さらに、図示省略するが、アーム49の外面の基端側端部には、コイルスプリングの一端を取付、そのコイルスプリングの他端は、テーブル22に連携させる。これにより、コイルスプリングの弾性復元力を利用し、アーム49の基端側端部が常時下方に付勢されるようになっている。その結果、図1,図4中、検査ポイントP3に位置しているアーム49の先端が持ち上がり、フィルム抑え板38が集積体把持部25の上方に位置している状態が基本姿勢(基準位置)となる。
【0045】
そして、この基本姿勢の状態で、図示省略するシリンダー等の付勢手段により、アーム49の先端を下方に付勢、或いはアーム49の基端側(連結板50)を上方に付勢したり、或いは、駆動モータの出力を回転軸51aに連携し所定方向に回転させることで、図1,図4中、供給ポイントP1に位置しているアームのようにアーム49の先端側が下降移動し、フィルム抑え板38が下固定爪35,上可動爪36の開口部位を閉塞するフィルム抑え位置に至るようになる。なお、このフィルム抑え位置の状態にするための付勢力(アームの所定位置に加わる上方或いは下方への付勢力や回転軸51a加わる回転力等)が解除されると、アーム49の基端側に連結したコイルスプリングの弾性復元力によりアーム49の先端側が上昇移動し、基準位置に戻る。
【0046】
そして、供給ポイントP1における集積体10の集積体把持部25内への供給作業は、図7,図8に示す手順により実行される。まず、図7(a)に示すように、下ガイド27,上ガイド28間にある集積体10は、その後面にてプッシャー29が接触しており、プッシャー29の前進移動に伴い集積体10も前進移動する。また、その両ガイド27,28の搬出側開口部を遮るように、バンドフィルム32が垂下がり、そのバンドフィルム32の先端32aがフィルムクランプ30により把持され、ぴんと張った状態となる。
【0047】
この状態でさらにプッシャー29が前進移動すると、集積体10も前進移動し、集積体10の前面はバンドフィルム32に接触する。そして、さらにプッシャー29が前進移動して集積体10を押し込むと、図7(b)に示すように、集積体10は、バンドフィルム32をその周面に巻き付けながら集積体把持部25内に入り込む。このとき、フィルムクランプ30も前進移動してバンドフィルム32の先端32aの位置が、集積体把持部25内に移動させ、上記の集積体10のバンドフィルム32を押し込み・巻き付けながらの集積体把持部25内への移動がスムーズに行われるようにする。また、このとき、上可動爪36も下降移動し、集積体10の上面に接触し集積体10を抑える。上述したように、上可動爪36の先端側は、二股状となっており、両脚部36a間の空間内に、バンドフィルム32が入り込むことができ、集積体把持部25の奥深くまでバンドフィルム32が位置する。同様に、フィルムクランプ30で把持され、集積体10の下方に回り込んだフィルム部位も、下固定爪35の二股状の脚部35a間の空間内に入り込むことができ、奥深く位置することができる。
【0048】
そして、図7(c)に示すように、集積体10の前面がストッパー部材37のストッパー面37aに接触する位置まで押し込むと、プッシャー29による押し込み供給処理を完了する。これにより、集積体10と共に集積体把持部25内に押し込まれたバンドフィルム32は、集積体10の前面と、ストッパー面37aとの間に挟み込まれると共に、集積体の上面と上可動爪36との間に挟み込まれることで、係る集積体10の2面(前面と上面)に対してきれいに巻き付けられる。また、集積体10の下面側は、折り返し爪39より折り返されたバンドフィルム32の先端側の一部が接触した状態となる。またこの状態では、集積体10の上面側に続くバンドフィルム32は、後続の原反ロール41に繋がっており、ぴんと張った状態となっている。
【0049】
次に、フィルムカッター33がバンドフィルム32に向けて前進移動し、バンドフィルム33をカットする。これにより、バンドフィルム32の先端32aは、所定長さで切り離され、集積体10を把束するためのバンドとなる。また、切り離されることで、切り離された部分は自由になり、図示するように自重により垂れ下がる。
【0050】
その後、図8(b)に示すように、フィルムカッター33は後退してもとの位置に復帰し、次の切断処理に備える。また、フィルム抑え板38が下降移動し、切断されてフリーとなったバンドフィルム部位を押さえ込み、集積体10の後面との間で挟み込む。このとき、係る集積体10の後面に接触するバンドフィルム部分は、その後端32bがさらに下方に突出するように、上記の切断位置が調整される。さらに、フィルムクランプ30がバンドフィルム32の先端32aを離し、元の位置に復帰する。なお、バンドフィルム32はある程度腰があるため、フィルムクランプ30による把持が解除されたことで、集積体10の下面に沿うような姿勢を取る。
【0051】
これにより、供給ポイントP1における供給処理が完了する。これに伴い、テーブル22が90度回転することで、バンドが巻き付けられた集積体10は、集積体把持部25に把持された状態のまま供給ポイントP1から、次のシールポイントP2に移送される。また、この供給ポイントP1からシールポイントP2への移送中は、フィルム抑え板38を取り付けたアーム49が、その先端が下降移動する方向に付勢された状態を保持し、フィルム抑え板38がフィルムを抑えた状態、すなわち、図8(b)に示す集積体10の供給完了状態を保持しながら行うと、集積体10の後面側に接触させたバンドフィルム部位を、その接触した状態を維持するとともに、移送中における後端32bのバタつきを抑えてバンドフィルム32のずれを防止できるので好ましい。このフィルム抑え板38が下降した状態を保持する機構は、下方に付勢する手段を動作し続けても良いし、回転移動中は、カム等に連携させることで保持しても良い。また、一旦折り癖は付けられているので、移送中はフィルム抑え板38が集積体把持部25の上方に位置する基本姿勢となり、シールポイントP2に至ったならば再びフィルム抑え板38が下降してバンドフィルムを集積体10の後面に抑えつけるようにしてもよい。
【0052】
また、次の空の集積体把持部25が、供給ポイントP1に至る前、或いは、少なくとも供給ポイントP1における次の集積体10の供給開始前には、フィードローラ46を駆動させ、バンドフィルム32を所定長さ分だけ繰り出し、図7(a)に示すような状態、つまり、バンドフィルム32の先端32aがフィルムクランプ30により把持される状態にする。
【0053】
シールポイントP2におけるシール機構は、図9から図11に示すようになっている。すなわち、シールポイントP2に位置した集積体把持部25に向けて前後進移動し、集積体10の後面に接触したバンドフィルム32の後端32bの集積体10の下方に突出した部分をさらに前方に向けて折り曲げて集積体10の下面に沿わすためのフィルムシゴキ部53と、シールポイントP2に位置した集積体把持部25の下方、より具体的には、下固定爪35の両脚部35a間の空間の下方に昇降移動可能に配置されたシーラー54と、を備えている。フィルムシゴキ部53は、その先端に断面円形状の作動部53aを備え、その作動部53aがバンドフィルム32の後端32bに接触する。
【0054】
また、フィルムシゴキ部53は、作動部53aを備えた前端側が上方に持ち上がった上方傾斜状の姿勢をとる。また、このフィルムシゴキ部53は、基端部53bを回転中心とし、図9(a)に示す作動部53aが上方に持ち上がった上方傾斜状の第1姿勢(基本姿勢)と、作動部53aが下降し下方傾斜状態となった第2姿勢(図11(b)等参照)の間を正逆回転する。
【0055】
そして、シールポイントP2における集積体10に巻き付けられたバンドフィルム32のシール作業は、図9〜図11に示す手順により実行される。まず、シールポイントP2に移送されてきた集積体把持部25は、図9(a)に示すように、フィルム抑え板38によりバンドフィルム32のフリーな部分が抑えられ、集積体10の後面に接触させた状態から、まず、フィルムシゴキ部53が基本姿勢のまま集積体把持部25に向けて前進移動する。このとき、作動部53aは、集積体10の下方に突出しているバンドフィルム32の後端32bを集積体10の下面に押しつけながら移動することで、係る後端32bを集積体10の下面に接触させる。これにより、集積体10に巻き付けられたバンドフィルム32の両端(先端32a,後端32b)が重なる。また、作動部53aは、バンドフィルム32(後端32b)の一部に接触している。なお、基本姿勢にあるフィルムシゴキ部53は、作動部53aが持ち上がった状態となっているので、バンドフィルム32には、その作動部53aのみが接触するので、PTPシートを擦って傷つけたりすること無く、後端32bを持ち上げることかできる。
【0056】
次に、作動部53aがバンドフィルム32の両端を抑えつけた状態のまま、シーラー54が上昇移動する。シーラー54は、バンドフィルム32の後端32bのうち、作動部53aが非接触の部分に接触し、熱シールする(図10(a)参照)。これにより、先端32aと後端32bがシールされ、集積体10に対するバンド掛けがなされる。
【0057】
その後、シーラー54は下降移動し(図10(b))、フィルムシゴキ部53が基端部53bを中心に図中時計方向に回転し、作動部53aが下降移動してバンドフィルム32並びに集積体10から離反する(図11(a)参照)。そして、図11(b)に示すように、フィルムシゴキ部53が後退移動する。上述したように、この前工程で作動部53aが下降して、フィルムシゴキ部53は集積体10(バンドフィルム32)から離反しているので、この後退移動の際に、フィルムシゴキ部53が集積体10等に接触し傷を付けることがない。
【0058】
これにより、シールポイントP2におけるバンドフィルム32に対するシール処理が完了し、集積体10に対してバンド掛けされる。これに伴い、テーブル22が90度回転することで、バンド掛けが完了した集積体10は、集積体把持部25に把持された状態のままシールポイントP2から、次の検査ポイントP3に移送される。
【0059】
検査ポイントP3は、シールポイントP2で行われたシール処理の適否を検査するもので、バンド掛けされた集積体10を集積体把持部25にて把持した状態で検査することを特徴としている。そして、その検査機構の具体的な構成は、図12から図15に示すようになっている。
【0060】
まず、構成の概略を説明すると、吸盤55aを備えた吸引ノズル55を第1アーム58の一端に取り付け、その第1アーム58の他端は第2アーム57の先端に連結している。第2アーム57は、その一端側で逆L字型支柱59の上方に設けた軸受59aに対して回転自在に軸受支持される。また、第2アーム57の他端は、シリンダ56のシリンダロッド56aに連携される。このシリンダ56は、シリンダロッド56aと反対側にもショートストロークのシリンダロッド56bを備えた両ロッド形のシリンダ56になっている(デュアル工程シリンダ)。また、このシリンダ56は逆L字型支柱59の下方に回転可能に取り付けられている。これにより、第1アーム58,第2アーム57,シリンダ56(シリンダロッド56a,シリンダロッド56b)によりリンク機構が構成され、シリンダ56のシリンダロッド56aを往復駆動することにより、図12に示すように吸着ノズル55が集積体把持部25から離反した吸盤待機位置と、シリンダ56のシリンダロッド56bを往復駆動することにより、図13に示すように吸着ノズル55が集積体把持部25の下固定爪35と上可動爪36との間に入り込み、先端の吸盤55aが集積体10に掛けられたバンドフィルム32に接触するバンド吸着位置との間を往復移動できようになっている。また、吸着ノズル55は、図示省略する吸引ポンプに連携されており、適宜のタイミングで吸引をしたり吸引を停止したりできる。
【0061】
そして、検査ポイントP3における集積体10にバンド掛けされたバンドフィルム32のシールの良否判定作業は、以下に示す手順により実行される。まず、図12に示すようにシリンダロッド56aが伸長した吸盤待機位置の状態でテーブル22が回転し、バンド掛けされた集積体10を把持した集積体把持部25が検査ポイントP3に移送されてくる。この状態で、シリンダ56のシリンダロッド56aを短縮させ、図14に示すように、吸引ノズル55の先端に設けた吸盤55aを集積体把持部25で把持された集積体10近傍に位置させ、その後、シリンダロッド56bを短縮することにより、図13に示すように、吸引ノズル55の先端に設けた吸盤55aを集積体把持部25で把持された集積体10に巻き付けられてシール処理されたバンドフィルムに接触させたバンド吸着位置に位置させる。この吸盤55aをバンドフィルムに接触させた状態で、吸引ノズル55による吸引を開始することで、バンドフィルム32を吸盤55aに吸着保持させる。なお、吸引開始のタイミングは、バンド吸着位置に来た後でも良いし、吸盤待機位置からバンド吸着位置に至る途中からとしてもよい。
【0062】
次に、シリンダ56を動作させ、シリンダロッド56bを伸長させる。これにより、吸引ノズル55は、集積体10から離反(後退移動)する。この離反動作に伴い、吸盤55aに吸引保持しているバンドフィルム32も一緒に移動しようとする。つまり、集積体10は、集積体把持部25によりしっかりと把持されてその位置に固定されているので、バンドフィルム32が吸引ノズル55とともに集積体10から離反する方向に付勢される。
【0063】
そして、バンドフィルム32も、集積体10の上面や前面並びに下面の一部に接している部位は、集積体把持部25との間で保持されているが、シールされたバンドフィルム32の先端32a,後端32bは、下固定爪35の脚部36a間に位置しており集積体把持部25によって固定はされていない。従って、シールがしっかりとされている場合には、集積体把持部25により集積体10がしっかりと把持されているので、バンドフィルム32は集積体10から離脱しないので、図14に示すように、吸盤55aは、バンドフィルム32から離反する。これにより、シールは良好に行われたことが確認できる。
【0064】
一方、シールがされてなかったり、不十分な場合には、吸引ノズル55の離反動作に伴い、バンドフィルム32の後端32bが先端32aから離れてしまい、図15に示すように、その後端32bに続く集積体10の後面側のフィルム部位が、吸引ノズル55(吸盤55a)に追従して一緒に移動し、集積体10から離反する。これにより、シール不良であることが確認できる。
【0065】
係る検査結果の確認は、例えば、本実施形態の場合、吸引ノズル55による吸引をしているため、バンドフィルム32が吸盤55aに吸着しているか否かにより、負圧が変動するので、係る変動等(変化量或いはしきい値と比較等)を監視することで良否判定を行える。また、係る負圧を利用したものに限ることはなく、CCDカメラ等で撮影した画像に対し、画像処理をし、後退移動する吸引ノズル55(吸盤55a)からバンドフィルムが離反するか否かを認識するなど、各種の方式を採ることができる。
【0066】
さらに、負圧を利用した判定処理を行う場合、図13に示すバンド吸着位置に置いて、吸引した場合の負圧の有無により、バンドフィルム32の有無を判定することができる。つまり、そもそもバンドフィルム32が無い場合には、吸盤55aは集積体10の側面に接触するものの、隙間が空いているので負圧が発生せず、よって、バンドフィルムなし(バンドフィルム自体がない場合と、正しい位置にない場合のいずれも含む)の不良であることが判断できる。これに対し、バンドフィルム32が正しい位置に装着されている場合は、吸盤55aはバンドフィルム32に接触して閉塞され負圧が発生するので、バンドフィルム有りと判断できる。
【0067】
本実施形態では、前工程のシール処理を施した集積体10を、集積体把持部25で把持した状態のままシールの良否を判定することができるので、仮にシール不良があったとしても、その時点までの工程、つまり、シール工程終了後、検査ポイントP3まで移送し、検査処理を実行するまで、集積体10は把持されたままとなる。よって、仮にシール不良があったとしても、積層された集積体10を構成する各PTPシートが崩れて散らばることがない。
【0068】
また、検査ポイントP3には、シュートダクト61並びに収納ボックス62を配置している。このシュートダクト61は、検査ポイントP3に位置する集積体把持部25の先端開口部の外側に配置している。そして、上記の検査機構により、シール不良と判断された集積体10は、このシュートダクト61に排出され、シュートダクト61内を落下移動して下方の収納ボックス62に収納される。収納ボックス62は、着脱可能であり取っ手62aを持って簡単に手前に取り出すことができる。この集積体把持部25からシュートダクト61への搬出は、例えば、集積体把持部25の両サイドから突出している集積体10の左右両側に接触し、シュートダクト61側に押し出す排出機構を設けることで実現できる。このとき、上可動爪36を上昇させると、スムーズに排出することができると共に、PTPシートに傷等が付きにくく、再利用ができる。つまり、バンドフィルムのシール不良の場合、PTPシート自体には何ら問題はないので、収納ボックス62にたまったPTPシートを取り出すとともに、上流側の搬送装置の所定位置にセットすることで、再びバンド掛けを行うことができる。
【0069】
また、この良否判定の結果の如何に関わらず、吸引ノズル55は、吸盤待機位置まで移動し、次の判定処理に備える。そして、図14,図15に示すバンド吸着位置から所定量だけ吸引ノズルが後退移動したタイミングで、シリンダロッド56の動作を一時停止し、係る図示する位置或いはその付近で一時停止しても良いし、一時停止することなく一気に吸盤待機位置まで復帰させても良い。但し、シール不良の場合でも、バンドフィルム32は集積体10と集積体把持部25との間で挟み込まれているので、吸盤待機位置まで吸引ノズル55が戻ってきた場合には、バンドフィルム32は吸盤55aから離反する。そのため、負圧を利用した良否判断を行う場合、シールが適切な場合には吸盤55aからバンドフィルム32が離反し、シール不良の場合には離反しないような後退移動時の適宜の位置で一時停止した方が、簡単かつ確実に判定できるので好ましい。
【0070】
一方、検査機構により良品であることが確認されると、テーブル22が90度回転することで、検査に合格した集積体10は、集積体把持部25に把持された状態のまま検査ポイントP3から、次の搬出ポイントP4に移送される。
【0071】
搬出ポイントP4は、検査ポイントP3を通過した良品の集積体10を、下流側の処理装置(包装装置本体等)の搬送ラインへ搬出するための領域である。本実施形態では、2個並列で処理することで、高速処理に対応でき、それに伴い下流側の処理装置の搬送ラインも高速搬送となっている。下流側の搬送ラインは、フィンガーコンベアであり、2個の集積体把持部25から搬出される2個の集積体10を、高速移動するフィンガーコンベアのフィンガー位置に合わせて同時に供給するのは煩雑である。つまり、2個の集積体10の間に1つのフィンガーが位置するタイミングで供給する必要があり、高精度かつ高速に搬出する必要があり、集積体10を高速に搬送すると、擦れて傷が付くおそれもあるという問題がある。そこで、この搬出ポイントP4における搬出機構は、集積体把持部25から搬出は中継地点に対して2個同時に行い、その中継地点にある2個の集積体を最終的に下流側の搬送ラインであるフィンガーコンベアに対して供給するのは、1個ずつ行う2段階の搬出処理を行うようにした。これにより、集積体把持部25からは、2個同時に集積体10が搬出されることで、空となった集積体把持部25は、90度回転して供給ポートP1へ移動可能とし、移送機構における高速処理に対応できる。また、高速移動するフィンガー間に対する位置合わせも、1つずつ行うので、前後のフィンガーピッチの間に供給すればよいので制御が容易で確実に供給できるようになる。なお、高速対応にするために2段階に分けたため、速度が低速であれば、2個同時に処理しても良い。
【0072】
そして、この搬出機構の具体的な構成は、以下のようにしている。まず、図16以降に示すように、各集積体把持部25内のPTPシートの集積体10を外部に搬出する取り出しプッシャー71と、その取り出しプッシャー71で搬出された集積体10を受ける中継地点を構成する中継下ガイド板75及びその中継下ガイド板75の上方に配置された中継上ガイド76と、中継地点に搬出された集積体10を押し出しフィンガーコンベア78に供給する第1供給プッシャー72及び第2供給プッシャー73と、を備えている。第1,第2供給プッシャー72,73は、昇降並びに前後方向に移動するボックスモーションの動きをし、位相が90度ずれた状態で、交互に前進動作をする。また、取り出しプッシャー71も、昇降並びに前後方向に移動するボックスモーションの動きをする。なお、フィンガーコンベア78の奥側には、進行方向横方向の移動を規制するガイド板79が設けられる。また、各プッシャー71,72,73は、集積体把持部25並びに中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の進行方向左右両側に突出する集積体10の後面に接触し、前方に押送する。
【0073】
そして、搬出ポイントP4における集積体把持部25内の集積体10を最終的に下流側の搬出ラインであるフィンガーコンベア78に供給する搬出作業は、以下に示す手順により実行される。まず、図16に示すように、PTPシートの集積体10を把持した集積体把持部25が、搬出ポイントP4に至ると、集積体10の搬出・押し出し方向にとっての後側に取り出しプッシャー71が位置する。後述するように、この前段階では、取り出しプッシャー71は下降位置に位置し、その上端は下固定爪35・テーブル22よりも下方に位置し、テーブル22の回転の邪魔をしない。また、第1,第2供給プッシャー72,73は、移送が180度ずれた状態で動作するため、この状態では、一方の供給プッシャー(図では、第2供給プッシャー73)は中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の両サイドの搬入側に位置し、他方の供給プッシャー(図では、第1供給プッシャー72)は中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬出側上方に位置する。
【0074】
次いで、図17に示すように、取り出しプッシャー71が前進移動して集積体10を押し出す。これにより、集積体10は、それぞれの集積体把持部25から搬出され、中継下ガイド板75上に移る。よって、図17(b)から明らかなように、搬出ポイントP4に位置する2つの集積体把持部25は、空になるので、集積体把持部25は回転して次の供給ポイントP1への移動が可能となる。また、取り出しプッシャー71の前進移動に伴い、第2供給プッシャー73も前進移動するので、集積体把持部25からの集積体10の搬出の邪魔はしない。また、第1供給プッシャー72は、後退移動して集積体把持部25側に近づくが、その移動は、中継上ガイド板76の上方空間で行われるため、上記の集積体10の集積体把持部25からの搬出には影響を与えない。この工程が終了時には、第1供給プッシャー72は、中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬入側端部上方に位置し、第2供給プッシャー73は、中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬出側の外側、つまり、フィンガーコンベア78の片側側縁に至る。
【0075】
次いで、図18に示すように、第1供給プッシャー72は、下降移動して中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬入側両サイドに至り、集積体10の搬出方向後側に位置する。そして、第2供給プッシャー73は上昇移動し、その下端は中継上ガイド板76よりも上方に位置する。また、取り出しプッシャー71は、下降移動し、その上端がテーブル22,下固定爪35よりも下方に位置する。
【0076】
次に、図19に示すように、フィンガーコンベア78のフィンガーの動きに合わせて、第1供給プッシャー72が前進移動し、その第1供給プッシャー72が設置された中継下ガイド板75上の集積体10が前進移動し、フィンガーコンベア78に供給される。このとき、同時に第2供給プッシャー73は、中継上ガイド板76の上方空間を後退移動して中継上ガイド板76の搬入側端の上方に至る。よって、第2供給プッシャー73により搬送される中継下ガイド板75上の集積体10は、取り出しプッシャー71にて搬出された中継下ガイド板75上にとどまる。また、取り出しプッシャー71は、テーブル22の下方空間内を後退移動し、搬出ポイントP4に至った集積体把持部25のストッパー面37aよりも奥側に位置する。
【0077】
次、図20に示すように、第2供給プッシャー73は、下降移動して中継下ガイド板75,中継上ガイド板76の搬入側両サイドに至り、集積体10の搬出方向後側に位置する。そして、第1供給プッシャー72は上昇移動し、その下端は中継上ガイド板76よりも上方に位置する。また、このとき、次の集積体10を把持した集積体把持部25が搬出ポイントP4に至るので、取り出しプッシャー71は、上昇移動し、その上端がテーブル22,下固定爪35よりも上方に位置する。
【0078】
次に、図21に示すように、フィンガーコンベア78のフィンガーの動きに合わせて、第2供給プッシャー73が前進移動し、その第2供給プッシャー73が設置された中継下ガイド板75上の集積体10が前進移動し、フィンガーコンベア78に供給される。これにより、前回の取り出しプッシャー71により中継下ガイド板75上に搬出された2つの集積体10は、フィンガーコンベア78への供給が完了する。このとき、同時に第1供給プッシャー72は、中継上ガイド板76の上方空間を後退移動して中継上ガイド板76の搬入側端の上方に至る。
【0079】
さらに、上取り出しプッシャー71が前進移動して集積体10を押し出す。これにより、集積体10は、それぞれの集積体把持部25から搬出され、上記の2つの供給コンベア72,73による搬出完了により空いた中継下ガイド板75上に移る。
【0080】
以後、各ポイントにおける上記の各処理を繰り返し実行することで、上流側の装置から搬出されてきた2つの集積体を受け取り、水平平面内を移送しながら、バンド掛け(シール)、検査、下流側の装置への搬出を高速で行うことができる。
【0081】
また、上述した実施形態では、バンド掛け装置内に組み込んだが、本発明はこれに限ることはなく、独立した装置として実現しても良いし、或いは他の装置に組み込むものでも良い。また、PTPシートの集積体に限ることはなく、特許文献2などに開示されたように各種の集積体に対するバンド掛けの検査に用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 集積体
25 集積体把持部
29 プッシャー
33 フィルムカッター
35 下固定爪
36 上可動爪
38 フィルム抑え板
53 フィルムシゴキ部
54 シーラー
55 吸引ノズル
71 取り出しプッシャー
72 第1供給プッシャー
73 第2供給プッシャー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査方法であって、
少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部で把持し、
前記バンドの露出した部分を吸着手段によって吸着し、
次いで、前記吸着手段を前記シート群から離反させ、
前記離反させた際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定をすることを特徴とするバンド不良検査方法。
【請求項2】
前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、
前記良品判定は、前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のバンド不良検査方法。
【請求項3】
複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査装置であって、
少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部と、
前記集積体把持部に対して接近・離反移動可能に設けられた吸着手段と、
前記吸着手段を前記集積体把持部に接近移動させて前記バンドの露出した部分を吸着させるとともに、吸着させながら前記吸着手段を離反移動させる駆動制御手段と、
前記吸着手段の離反移動の際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定を行う判定手段と、
を備えた検査装置。
【請求項4】
前記集積体把持部を検査位置まで移送する移送手段を備え、
前記判定手段の判定結果が良品の場合には、前記集積体把持部を下流側の装置への搬出位置まで移送し、前記判定手段の判定結果が不良の場合には、前記検査位置に位置する集積体把持部から排出され、その検査位置に隣接して配置された廃棄経路に送ることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、
前記判定手段は、前記吸着手段の離反移動時における前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて良否判定することを特徴とする請求項3または4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、
前記判定手段は、前記吸着手段が接近移動して前記バンドの露出した部分の吸着を行った際の前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧に基づいてそのバンドの有無を判定する機能を備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記検査装置は、複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けしてシート群を形成するバンド掛け装置に組み込まれるものであり、
前記集積体把持部は、前記集積体並びに前記バンドを把持した状態で前記バンド掛け装置内を移動するものであることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項1】
複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査方法であって、
少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部で把持し、
前記バンドの露出した部分を吸着手段によって吸着し、
次いで、前記吸着手段を前記シート群から離反させ、
前記離反させた際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定をすることを特徴とするバンド不良検査方法。
【請求項2】
前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、
前記良品判定は、前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載のバンド不良検査方法。
【請求項3】
複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けされたシート群の検査装置であって、
少なくとも前記バンドの両端のシール部位を含む前記バンドの一部を露出させた状態で、そのバンド掛けされたシート群を集積体把持部と、
前記集積体把持部に対して接近・離反移動可能に設けられた吸着手段と、
前記吸着手段を前記集積体把持部に接近移動させて前記バンドの露出した部分を吸着させるとともに、吸着させながら前記吸着手段を離反移動させる駆動制御手段と、
前記吸着手段の離反移動の際に前記吸着手段に吸着された前記バンドの露出した部分が、その吸着手段に追従して前記集積体の周囲から離れるか否かにより良否判定を行う判定手段と、
を備えた検査装置。
【請求項4】
前記集積体把持部を検査位置まで移送する移送手段を備え、
前記判定手段の判定結果が良品の場合には、前記集積体把持部を下流側の装置への搬出位置まで移送し、前記判定手段の判定結果が不良の場合には、前記検査位置に位置する集積体把持部から排出され、その検査位置に隣接して配置された廃棄経路に送ることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、
前記判定手段は、前記吸着手段の離反移動時における前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧の変化に基づいて良否判定することを特徴とする請求項3または4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記吸着手段は、吸引手段を備え、その吸引手段の吸引力を用いて前記バンドを吸着するものであり、
前記判定手段は、前記吸着手段が接近移動して前記バンドの露出した部分の吸着を行った際の前記吸引手段による吸引に伴い生じる負圧に基づいてそのバンドの有無を判定する機能を備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記検査装置は、複数のシート状物品を積層して構成される集積体の周囲にバンドを巻き付けると共に、そのバンドの両端をシールしてバンド掛けしてシート群を形成するバンド掛け装置に組み込まれるものであり、
前記集積体把持部は、前記集積体並びに前記バンドを把持した状態で前記バンド掛け装置内を移動するものであることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−68391(P2011−68391A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221725(P2009−221725)
【出願日】平成21年9月26日(2009.9.26)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月26日(2009.9.26)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
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