説明

バーコード付き連続紙プリンタ

【課題】 連続紙型多部紙において、未使用のまま長期間、用紙箱重ねて保管した場合に、用紙の重さにより、薄っすらと発色してしまうことがあった。薄っすらと発色してしまった場合、そのまま印刷すると、2枚目以降の印刷が不鮮明になってしまうことがある。
【解決手段】 多部紙の部数と保管開始時期を示すバーコードを用紙の外箱に付加し、前記バーコードを読み取り印刷時期がある一定の期間を経過している場合に、打撃力を上げて印刷する、または、印刷開始する前にユーザに連続紙型多部紙の状態を確認させ、用紙の状態により印刷を中断するように制御することで前記課題を解決する事が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位ホストコンピュータから印刷用データを受信し、印刷用データの解析、展開を行い、印刷の制御を行う連続紙プリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4にバーコード付き連続紙プリンタの構成を示す。
【0003】
上位コンピュータ2は、印刷データ作成してコントローラ3へ送信する機能を有している。コントローラ3では、受信処理4 で印刷データを受信し、そのデータを受信バッファ10へ格納する。
【0004】
受信処理4のデータ受信と平行して、展開処理5は、受信バッファ10のデータを順次読み出し、解析し、印刷パラメータ12の設定にあわせて描画データを作成し、フレームメモリ11へ書き込み、一頁分の描画データが作成終了すると、エンジン制御処理13に描画データを転送する。
【0005】
エンジン制御処理13では、前記1ジョブ分の描画データを読出し、エンジン機構部制御部14に印刷命令を発行し印刷動作を実行する。また、バーコード付きプリンタには、プリンタの状態などを表示するオペレータパネル6を有する。前記オペレータパネル6はパネル処理7によって制御される。使用される用途は様々であるが、バーコード付きプリンタにはバーコードリーダー8が接続されている。前記バーコードリーダー8はバーコード処理9によって制御される。
【0006】
タイマ処理15は、時間を管理する処理で、現在の時刻も管理する機能を有している。
【0007】
連続紙型多部紙において、未使用のまま長期間、用紙箱重ねて保管した場合に、用紙の重さにより、薄っすらと発色してしまうことがあった。薄っすらと発色してしまった場合、そのまま印刷すると、2枚目以降の印刷が不鮮明になってしまうことがあった。
【0008】
【特許文献1】特開平02-116577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
連続紙型多部紙において、未使用のまま長期間、用紙箱重ねて保管した場合に、用紙の重さにより、薄っすらと発色してしまうことがあった。薄っすらと発色してしまった場合、そのまま印刷すると、2枚目以降の印刷が不鮮明になってしまうことがあった。
【0010】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、長期間保存した連続紙型多部紙において、用紙の重さなどにより、薄っすらと発色してしまった連続紙型多部紙に適切な印刷をするができる連続紙インパクトプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、上位コンピュータから印刷用データを受信し、前記印刷用データを展開してラスタデータに変換する展開処理部と、印刷条件を示すパラメータセットを複数備えるパラメータ部と、印刷条件を設定するオペレータパネルとバーコードリーダーを備えた連続紙インパクトプリンタにおいて、多部紙の格納されている外箱に多部紙用紙情報及び保管時期を記録したバーコードを付加する手段を有し、前記バーコードリーダーで印刷用紙の格納されている外箱に印刷されているバーコードを読み取り、読み取ったバーコードにより、多部紙の保管期間に応じて、多部紙用印刷モードを変更して印刷することを特徴とするものである。
【0012】
前述のように多部紙の部数と保管開始時期を示すバーコードを用紙の外箱に付加し、前記バーコードを読み取り印刷時期がある一定の期間を経過している場合に、打撃力を上げて印刷する、または、印刷開始する前にユーザーに連続紙型多部紙の状態を確認させ、用紙の状態により印刷を中断するように制御することで前記課題を解決する事が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、長期間保存した連続紙型多部紙において、用紙の重さなどにより、薄っすらと発色してしまった連続紙型多部紙に適切な印刷をするができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施例について、図1、図2、及び図3により説明する。最初に本実施例の多部紙保存用バーコード情報について説明する。
【0015】
本実施例では用紙購入時に、図3にある保管開始日時、保管期間A、保管期間B、標準打撃力、増幅打撃力の情報を保持するバーコードを用紙の外箱に貼り付ける。前記保管期限Aは、用紙の保管状態により、薄っすらと発色し始める時期を示す。前記保管期限Bは、用紙の保管状態により、発色し通常の印刷では、2枚目以降の印刷が判別し辛くなる時期を示す。前記標準打撃力は、使用する多部紙の印刷に最適な打撃力設定である。前記増幅打撃力は、薄っすらと発色してしまった用紙でも裏移りを良くするため、打撃力を強化した印刷設定である。
【0016】
次に、図2のバーコード処理に追加されたバーコード用紙管理処理1について図1で説明する。バーコード用紙管理処理1は、バーコード処理9で入力されると、タイマ処理15で管理されている現在の時刻とバーコード情報に保持されている保管開始日時と比較し、保管期間を算出する。
【0017】
算出した保管期間と前記保管期間Bで比較し、保管期間が前記保管期間Bより長い場合は、オペレータパネルに、多部紙確認のメッセージを表示して、ユーザーに多部紙の状態を確認させる。印刷可能な多部紙の場合は、印刷モードを前記増幅打撃力に変更して印刷する。多部紙が発色してしまい印刷できないと判断した場合は、多部紙を変更するまで印刷を中断する。保管期間が前記保管期間Bより短い場合は、保管期間がと前記保管期間Aと比較して、保管期間が前記保管期間Aより短い場合は、前記標準打撃力の印刷モードで印刷する。保管期間が前記保管期間Aより長い場合は、前記増幅打撃力の印刷モードで印刷する。このように制御することで、前記課題を解決することができた。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るバーコード用紙管理処理フローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に係るバーコード付き連続紙プリンタの概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る多部紙保存用バーコード情報の説明図である。
【図4】従来例のバーコード付き連続紙プリンタの概略構成図である。
【符号の説明】
【0019】
1…バーコード用紙管理処理、2…上位コンピュータ、3…印刷システムコントローラ、4…受信処理、5…展開処理、6…オペレータパネル、7…パネル処理、8…バーコードリーダー、9…バーコード処理、10…受信バッファ、11…フレームメモリ、12…印刷パラメータ、13…エンジン制御処理、14…エンジン機構制御部、15…タイマ処理。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位コンピュータから印刷用データを受信し、前記印刷用データを展開してラスタデータに変換する展開処理部と、印刷条件を示すパラメータセットを複数備えるパラメータ部と、印刷条件を設定するオペレータパネルと、バーコードリーダーを備えた連続紙インパクトプリンタにおいて、
多部紙の格納されている外箱に多部紙用紙情報及び保管時期を記録したバーコードを付加する手段を有し、前記バーコードリーダーで印刷用紙の格納されている外箱に印刷されているバーコードを読み取り、読み取ったバーコードにより、多部紙の保管期間に応じて、多部紙用印刷モードを変更して印刷することを特徴とするバーコード付き連続紙インパクトプリンタ。
【請求項2】
請求項1記載の連続紙インパクトプリンタにおいて、
前記バーコードリーダーで読み取ったバーコードにより、多部紙の保管期間に応じて、印刷中断することを特徴とするバーコード付き連続紙インパクトプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−200871(P2008−200871A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36048(P2007−36048)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】