バーナヘッド及びバーナ
バーナヘッドが、燃料入口と、燃料を通過させて燃焼させる燃焼部とを有する。燃焼部は、間隔を有して配置された複数の細長い要素を、これらの要素間に細長い燃料流路を有して含む。間隔を有して配置された複数の細長い要素はワイヤから形成されることができ、好ましくは、ワイヤは、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、この三角形の断面は、燃料が燃焼されるために燃料流路を通過するときに燃料流路の幅が広くなっていくように向けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス、気化液体、又は、予混合材料を含む可燃性の微粉状/超微粉状固体の形態の燃料を燃焼させるためのバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
このような燃料のための多くの形態のバーナ及びバーナヘッドが先行技術において知られている。バーナヘッドの形態は、要求される火炎(フレーム)の形態により決定される。例えば、単純な単一火炎が要求される場合、バーナヘッドはノズルを含み、又は、長い火炎が要求される場合、複数の穴を長さに沿って有する管を含み得る。
【0003】
バーナヘッドの形態がどのようなものでも、適切に機能するためには、形成される火炎が要求された種類の火炎であり、予測可能で安定しており、フラッシュバックの危険性が低いことが重要である。先行技術の形態のバーナの多くが、これらの基準を簡単には満たさない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の問題を軽減する新規の形態のバーナヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に従えば、燃料入口と、燃料を通過させて燃焼させる燃焼部とを有するバーナヘッドが提供され、燃焼部は、間隔を有して配置された複数の細長い要素を、これらの要素間に細長い燃料流路を有して含む。
【0006】
好都合には、間隔を有して配置された複数の細長い要素は、ワイヤから形成されている。
【0007】
好ましくは、ワイヤは、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路を通過するときに燃料流路の幅が広くなっていくように向けられる。或いは、ワイヤは、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路を通過するときに燃料流路が内向きに狭くなるように向けられる。
【0008】
燃焼部は概ね管状であり、且つ、管の軸方向に延在する支持部材に固定された、螺旋状に巻かれたワイヤから形成され、又は、管の軸方向に延在する支持部材に固定されたワイヤのリングから形成される。或いは、燃焼部は、軸方向に位置合わせされた真直なワイヤ片から形成され、ワイヤ片は、管周囲に延在する概ね円形の支持部材に固定される。
【0009】
支持部材は管内に配置されてもよいし、又は管の外側に配置されてもよい。
【0010】
燃焼部が管である場合、管は、実質的に平行な側面を有することができ、又は、管は、管の長さの一部又は全てに沿って先細状にされ得る。
【0011】
燃焼部は、概ね平坦であり、第1の方向に位置合わせされた真直なワイヤ片から形成され、真直なワイヤ片は、第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に位置合わせされた概ね真直な支持部材に固定され得る。
【0012】
燃焼部の面積は、選択された燃料通路、又は、選択された長さの燃料通路を被覆することにより減少され得る。この被覆はセラミック材料を用いて行われ得る。
【0013】
本発明に従うバーナヘッドは複数の燃焼部を含み得る。
【0014】
本発明の第2の態様に従えば、本発明の第1の態様に従うバーナヘッドを有するバーナが提供される。
【0015】
ここで、本発明に従うバーナヘッドが組み込まれたバーナ及びバーナヘッドの実施形態を、添付図面を参照しつつ、ほんの一例として以下に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
最初に図1を参照すると、高温ガス(熱ガス)をもたらすための慣用のバーナ10が、燃料入口12を含み、入口12は、燃料供給パイプ14を介してバーナヘッド16に通じている。燃料供給パイプ14は、混合チャンバ20に通じる第1チャンバ18の中央を通って進み、バーナヘッド16が混合チャンバ20内において、チャンバ20と第1チャンバ18との連結部付近に配置されている。第1チャンバ18は空気入口22を有し、混合チャンバ20は、高温ガス出口24を有する。
【0017】
バーナ10は、以下の様に動作する。燃料が燃料入口12を通って入り、燃料供給パイプ14を通ってバーナヘッド16に達し、バーナヘッド16の外側で燃焼される。同時に、空気が、空気入口22を通って入り、第1チャンバ18を通過して混合チャンバ20内に入り、混合チャンバ20にてバーナヘッド16を通過する。こうして、空気は、バーナヘッドから出る燃料と混合され、燃焼して高温ガス(排出生成物)を生成し、高温ガスは、高温ガス出口24を通ってバーナ10から外に出る。
【0018】
慣用のバーナヘッド16は、燃料通路を形成する複数の穴16bを周囲に有する円筒状部16aを有し、燃料は、穴16bを通って、バーナヘッド16の外側で燃焼される。バーナヘッド16は、また、概ね円錐状のバフル部16cを、穴16bの上流に含み、バフル部16cは、空気が火炎を過度にかき乱すことを防止する。バフル部16cは、混合チャンバ20の軸に対して概ね平行にバフル部16c内を貫通する穴を含み得る。
【0019】
ここで図2を参照する。図1と共通の部品は同じ参照番号が付されて、バーナ30が示されている。バーナ10との違いは、先行技術のバーナヘッド16が新規のバーナヘッド32に替えられていることだけである。燃料供給パイプ14は、パイプの端部にコネクタ34を有し、コネクタ34は、第1チャンバ18と混合チャンバ20との連結部付近にある。バーナヘッド32はコネクタ34に嵌め込まれている。
【0020】
バーナヘッド32は、管部32a及びエンドキャップ32bを含む。管部32aは、図3に示されているように、ワイヤ36から形成されている。ワイヤ36は螺旋状に巻かれ、複数の支持部材38に、溶接により固定されている。支持部材38は、通常は6本であり(しかし、これより多くても少なくてもよい)、管32の軸方向に延伸する。しかし、ワイヤは、螺旋状でなく、一連のワイヤリングから形成されてもよい。螺旋又はリングの巻き(turn)は、細長いワイヤ部36を含み、これらのワイヤ部は、ワイヤ間に間隔を有して支持部材38に固定され、燃料通路40をもたらしている。ワイヤ36は、「楔状」(wedge)ワイヤとして一般に知られる、概ね三角形の断面を有するワイヤであり、この形状により、燃料通路40は、開始点にて最も狭く、燃料が燃焼される位置へと流れるにしたがって幅広になる。この例においては、燃料は管部32から半径方向外向きに流れ出る。
【0021】
本発明に従うバーナヘッドの管部の構成の変型例が図4及び図5に示されている。図4は、燃料が半径方向内向きに流れ、管の外部ではなく管部内で燃焼する変型を示す。細長い楔状ワイヤ部36’は、三角形の断面が、燃料が半径方向内向きに流れるように燃料通路40’の幅が広くなるように配置されている。図5は、支持部材38”が管部の内側にではなく外側に配置され得ることを示す。また、管部が、管の概ね周方向にではなく軸方向に延伸する細長いワイヤ部36”から構成されてもよく、支持部材40”が、真直な部材でなくリングを含むことも示している。構成の方法は、バーナヘッドが用いられる用途に応じて選択されるであろう。
【0022】
本発明に従うバーナヘッドが、管部を有さずに構成され得ることにも留意されたい。管部の代わりに、真直な支持部材に固定された複数の真直な細長いワイヤ部を含む平坦な部分を有し、長い真直な燃料通路がワイヤ部間に設けられ得る。このような構成は、概ね平坦な燃焼領域をもたらし、従って、面状の火炎をもたらす。実際、バーナヘッドは任意の一般的な形状で構成されることができ、それでもなお本発明の範囲にあり得る。
【0023】
燃料の燃焼が生じる、本発明に従うバーナヘッドの一部は、複数の細長いワイヤ部を含み、これらのワイヤ部は、複数の細長い燃料通路をこれらのワイヤ部間にもたらすように支持部材に固定されている。これらの部分を、便宜上、燃焼部と称し得る。これらの部分は、以下に詳細に説明するように、楔状ワイヤから形成された全領域、又は、これらの領域の一部のみを含み得る。
【0024】
燃料通路40,40’又は40”は、1ミクロン〜1000ミクロンの範囲の幅を有し得る。燃料通路は、燃焼部にわたって一定の幅を有することができ、或いは、必要に応じて、例えば、円筒状バーナヘッドの長さに沿って徐々に幅が減少されてもよい。こうして、一定の熱出力を長さに沿ってもたらす(入口からより遠い位置の、より高い燃料圧力を補償する)ことも、又は、段階的な熱出力をもたらすこともできる。これは、楔状ワイヤが螺旋状に巻かれてバーナヘッドを形成している場合に、特に好都合に行われることができる。
【0025】
燃焼部を形成するために用いられる楔状ワイヤ36,36’,36”は、概ね三角形の断面を有するように以上に記載されているが、楔状ワイヤは、他の断面形状も有し得る。しかし、燃料が燃焼される位置へと燃料通路を通過するときに通路が広くなることが、概して好ましい。燃料通路の開始点が狭いことが、高い燃料出口速度をもたらし、フラッシュバックの危険性を低減する。燃料通路の幅が広くなることは、燃料が非常に急速に減速し、これが火炎をバーナヘッド付近に保持することを補助することを意味する。このように、この形状のバーナヘッドを用いることが、フラッシュバックの危険性が低く、確実で安定した火炎を供給することを補助する。しかし、或る状況においては、バーナヘッドは、燃料が燃料通路を通過する方向に燃料通路がより狭くなるように、逆の楔状ワイヤで構成され得る。
【0026】
図6を参照すると、バーナヘッド50が示されている。バーナヘッド50は、燃料入口52、入口パイプ54、及び管部56を含み、管部56は、コネクタ58によりテイルストック(心押し台)54に連結され、且つ、自由端にエンドキャップ60を有する。管部56は、概して図3に示した楔状ワイヤ36により形成される。この場合、楔状ワイヤ36は以下の寸法を有する。三角形の底辺の幅が0.2mm、三角形の高さが0.45mm、細長いワイヤの部間の燃料通路40の幅が、最も狭い地点で0.05mmである。
【0027】
バーナヘッド50は、バーナヘッドの上面部の一部のみにて火炎を形成するように設計されており、従って、管部56の下半分を被覆して燃焼部を画定するためにセラミック材料62が用いられる。この用途のための適切なセラミック材料が、「ファイバーマスティック」(Fibermastic)の商標で販売されているが、他の材料も、関連する用途に応じて適切に用いられ得る。
【0028】
この実施形態においては、火花点火パイロットが設けられている。これは、点火器/火炎検知器64、及び、炭化珪素(シリコンカーバイド)繊維マトリックス片から形成されたパイロット領域66を含み、領域66は、管部56上に、点火器/火炎検知器64より下に配置されている。管部56の残りの面は、この長さに沿ってセラミック材料62により覆われ、パイロット部56aとされる。バーナヘッド50の残りの部分は、燃焼部56bをもたらし、この部分にわたって火炎が生成される。燃焼部56bは、管部の長さの一部に沿って、管部の円周の半分を含む。
【0029】
パイロット部56aにおいて、燃料が燃料通路を通過し、次いで炭化珪素繊維マトリックス66を通過し、点火器/火炎検知器64により点火される。燃料は、炭化珪素繊維マトリックス66にて、及びその周囲で燃焼し、こうして炭化珪素繊維マトリックス66は加熱されて赤外光を放射する。これが、このようにして生成される火炎をかき乱すことなく全体としてバーナヘッドのためのパイロットとして作用する。
【0030】
バーナヘッド50に関して、30kWの熱出力をもたらすためには、管部56の直径が0.2mで、燃焼部56bの長さが1.57mであるとき、2mb未満の圧力の燃料又は燃料/空気混合物が用いられ得る。
【0031】
バーナヘッド50、又は、概ね同じ形状の他のバーナヘッドは、図示されているような水平方向にて、又は鉛直方向に、又は、これらの方向の間の任意の方向にて用いられ得る。これは、家庭用、商用、又は工業プロセスにて、オーブン、炉(ファーネス)、液体ボイラ、バット等を、例えば、加熱、乾燥、調理、褐色着色、焼付け又は火炎洗浄するために、直接又は間接的に加熱することに用いるのに適している。
【0032】
ここで図7を参照すると、本発明に従う第2の別のバーナヘッド70が示されている。バーナヘッド70は、燃料入口72を含み、入口72の周囲に、フランジ74が、燃料供給部(図示せず)との接続のために設けられている。燃料入口72は、ニップル76を介して、環状断面を有するプレナムチャンバ78に通じている。プレナムチャンバ78は、中実の外壁78aと、図4に示したような楔状ワイヤ36’から形成された内壁78bを有して燃焼部をもたらしている。従って、燃料通路40’が、プレナムチャンバ78と、チャンバ78の中央のボイド(空間)80との間に設けられる。従って、バーナヘッド70により生成される火炎は円筒状であり、ボイド80に向って内向きである。必要に応じて、この面の全体よりも小さい燃焼部を設けるために、内面78bの一部が被覆され得る。
【0033】
バーナヘッド70は、図示されている水平方向にて、又は鉛直方向にて用いられ得る。バーナヘッド70は、例えば、ワイヤ、バー、管、食品などを、加熱、乾燥、調理、褐色着色又は火炎洗浄するために用いるのに適している。
【0034】
ここで図8を参照すると、本発明に従う第3の別のバーナヘッド90が、バーナ92に組み込まれて示されている。バーナ92は、バーナヘッド90の燃料入口96に通じる燃料供給パイプ94を有する。バーナヘッド90は、図3に示したような楔状ワイヤ36から形成された管部98、及びバフル100を含む。バーナヘッドは、空気を矢印Dの方向に通過させる円形の断面を有するダクト102の軸方向中央線上に配置される。バフル100が、空気流が火炎を冷やすこと、又は火炎の不安定性を生じることを防止するために設けられている。
【0035】
燃料は、燃料供給パイプ94を通ってバーナヘッド90に達し、このバーナヘッドの燃焼部を形成する管部98の燃料通路40から外に出て、バーナヘッド90上を通過する空気流中で燃焼する。そして、高温エアが、必要に応じてダクト102から排出される。
【0036】
上記の実施形態に関し、望ましい方向にのみ火炎が形成されるよう、より小さい燃焼部を形成するために、管部の或る領域を、セラミック材料を用いて被覆し得る。
【0037】
バーナヘッド90は、図示されているように空気流と同軸上にあるならば、図示されている水平方向で用いられても、若しくは鉛直方向、又は、これらの方向の間の任意の方向にて用いられてもよい。バーナヘッド90は、オーブン、炉、液体ボイラ、又はバットなどを直接又は間接的に加熱することに用いるのに適している。
【0038】
ここで図9を参照すると、バーナヘッドの第4の別の実施形態であるバーナヘッド110がバーナ112内に組み込まれている。バーナ112は、バーナヘッド110の燃料入口パイプ116に連結された燃料供給パイプ114を有する。バーナヘッド110は、細長いプレナムチャンバ118を含む。プレナムチャンバ118は鉛直方向に向けられ、プレナムチャンバ118から複数の管部120が、プレナムチャンバ118の両側に概ね水平方向に分岐して格子を形成している。各管部120は、図3に示したような楔状ワイヤ36から形成された管を含み、管の一端がプレナムチャンバ118に連結され、他端がエンドキャップ122によりシールされ、こうして、各管部の長さが燃焼部を形成し、バーナヘッド110の燃焼部全体は大きく、非常に高い出力をもたらす。バーナヘッド110は、断面が円形のダクト124内に配置され、ダクト124の中央付近に配置された点火器126を有する。
【0039】
燃料は、燃料供給パイプ114から、燃料入口パイプ116を通ってプレナムチャンバ118に達し、次いで管部120内に入る。燃料は、燃料通路40を通って管部120から出て、管部120の外側にて、矢印Eにより示されているようにダクト124を通過する空気中で燃焼し、こうして、高温エアが必要に応じてダクト124から排出される。
【0040】
バーナヘッド110は、燃料がバーナヘッド110の燃焼部付近で燃焼するように、適切なガス流が通過するダクト内に配置され、且つダクトに対して適切に向けられるならば、様々な向きで用いられ得る。バーナヘッド110は、揮発性有機化合物、臭気などの直接焼却、及び、工業過程における加熱、乾燥、火炎洗浄に適している。
【0041】
ここで図10を参照すると、図1及び図2のバーナと類似のバーナ130が示され、図1及び図2と類似の部品には同じ参照番号が付されているが、本発明に従うさらに別の形態のバーナヘッド132が組み込まれている。バーナヘッド132は、図3に示したような楔状ワイヤ36から形成された管部132a、及びエンドキャップ132bを含む。管部132aは、混合部を設けるために、中間セクション132aaに沿って円周の全体が適切なセラミック材料で被覆され、入口燃料供給パイプ14付近の第1燃焼部132abと、エンドキャップ132b付近の第2燃焼部132acとが、被覆されずに残っている。
【0042】
バーナヘッド132は、以下に示すように第1燃料噴射及び第2燃料噴射を用いて動作し、排出する窒素酸化物(NOx)が少ない。第1燃料噴射は、供給された燃料の一部が、第1の燃焼部132abにおける燃料通路を通過し、バーナヘッド132の開始部にて混合チャンバ20内の空気中で燃焼されるときに生じる。この燃焼は、或る量の窒素酸化物を生成するが、生成物は、バーナヘッド132の混合部132aaに沿って移動するときに安定する。第2燃料噴射は、供給された燃料の残りが、第2燃焼部132acにて燃料通路から外に出て、バーナヘッド132の端部の混合チャンバ20内で燃焼するときに生じる。この第2の燃料噴射は、燃料リッチな環境を可能な限り長く維持し、燃焼は、混合チャンバの高温ガス出口24付近にて燃焼空気の追加が行われるときに完成される。
【0043】
再燃焼技術を用いることは、先行技術において知られているが、このような状況での適用は、今までに容易に行われていない。本発明は、適切なバーナヘッドの製造をかなり簡単にし、再燃焼技術の利用を、広く様々な用途にてより簡単にする。こうして、より効率的でより環境に優しいバーナヘッドを製造することができ、規制当局により設定が促進されている低排出の目標を達成することをより容易にする。
【0044】
上記のバーナヘッドは、本発明に従って構成されることができるバーナヘッドの例に過ぎない。例えば、管タイプのバーナヘッドを、円筒状でなく、概ね円錐状にしてもよく、2個より多数の燃焼部を管の長さに沿って有するバーナヘッドを構成してもよく、また、燃焼部の格子を含むバーナヘッドは、図9に示したバーナヘッドよりも複雑であってもよい。概して、本発明に従うバーナヘッドは、先行技術のほとんどどのバーナヘッドの替わりにも用いられるように設計され得る。
【0045】
本件の明細書において、用語「含む」(“comprises”)は、「含む、又は、〜から成る」(“includes or consists of”)を意味し、「含んでいる」(“comprising”)は、「含んでいる、又は、〜から成っている」(“including or consisting of”)を意味する。
【0046】
上記の詳細な説明、若しくは特許請求の範囲、又は添付図面に開示された特徴は、特定の形態で、或いは、開示された機能を実行するための手段に関して、又は、開示された結果を得るための方法若しくはプロセスに関して示されており、これらの特徴は、本発明を様々な形態で実現するために、必要に応じて、独立に、或いは、任意に組み合わせて用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、高温空気をもたらすために用いられる種類の先行技術のバーナヘッドが組み込まれた慣用のバーナを断面図で示す。
【図2】図2は、本発明に従うバーナヘッドを組み込んだ、図1と同じ慣用のバーナを断面図で示す。
【図3】図3は、図2に示した新規のバーナヘッドの管部を部分切取拡大図で示す。
【図4】図4は、本発明に従うバーナヘッドの別の形態における管部を部分切取拡大図で示す。
【図5】図5は、本発明に従うバーナヘッドの別の形態における管部を部分切取拡大図で示す。
【図6】図6は、本発明に従うバーナヘッドの第1の別の形態を示し、図6(a)は側断面図であり、図6(b)はB−Bに沿った断面図であり、図6(c)はC−Cに沿った断面図であり、図6(d)は側面図であり、図6(e)は平面図である。
【図7】図7は、本発明に従うバーナヘッドの第2の別の形態を示し、図7(a)は側断面図であり、図7(b)は端面図である。
【図8】図8は、本発明に従うバーナヘッドの第3の別の形態を、部分側断面図で示す。
【図9】図9は、本発明に従うバーナヘッドの第4の別の形態を示し、図9(a)は、一部が断面の端面図であり、図9(b)は側断面図である。
【図10】図10は、図1に示した慣用のバーナと概ね同じであるが、本発明に従う第5の別のバーナヘッドが組み込まれたバーナを断面図で示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス、気化液体、又は、予混合材料を含む可燃性の微粉状/超微粉状固体の形態の燃料を燃焼させるためのバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
このような燃料のための多くの形態のバーナ及びバーナヘッドが先行技術において知られている。バーナヘッドの形態は、要求される火炎(フレーム)の形態により決定される。例えば、単純な単一火炎が要求される場合、バーナヘッドはノズルを含み、又は、長い火炎が要求される場合、複数の穴を長さに沿って有する管を含み得る。
【0003】
バーナヘッドの形態がどのようなものでも、適切に機能するためには、形成される火炎が要求された種類の火炎であり、予測可能で安定しており、フラッシュバックの危険性が低いことが重要である。先行技術の形態のバーナの多くが、これらの基準を簡単には満たさない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の問題を軽減する新規の形態のバーナヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に従えば、燃料入口と、燃料を通過させて燃焼させる燃焼部とを有するバーナヘッドが提供され、燃焼部は、間隔を有して配置された複数の細長い要素を、これらの要素間に細長い燃料流路を有して含む。
【0006】
好都合には、間隔を有して配置された複数の細長い要素は、ワイヤから形成されている。
【0007】
好ましくは、ワイヤは、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路を通過するときに燃料流路の幅が広くなっていくように向けられる。或いは、ワイヤは、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路を通過するときに燃料流路が内向きに狭くなるように向けられる。
【0008】
燃焼部は概ね管状であり、且つ、管の軸方向に延在する支持部材に固定された、螺旋状に巻かれたワイヤから形成され、又は、管の軸方向に延在する支持部材に固定されたワイヤのリングから形成される。或いは、燃焼部は、軸方向に位置合わせされた真直なワイヤ片から形成され、ワイヤ片は、管周囲に延在する概ね円形の支持部材に固定される。
【0009】
支持部材は管内に配置されてもよいし、又は管の外側に配置されてもよい。
【0010】
燃焼部が管である場合、管は、実質的に平行な側面を有することができ、又は、管は、管の長さの一部又は全てに沿って先細状にされ得る。
【0011】
燃焼部は、概ね平坦であり、第1の方向に位置合わせされた真直なワイヤ片から形成され、真直なワイヤ片は、第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に位置合わせされた概ね真直な支持部材に固定され得る。
【0012】
燃焼部の面積は、選択された燃料通路、又は、選択された長さの燃料通路を被覆することにより減少され得る。この被覆はセラミック材料を用いて行われ得る。
【0013】
本発明に従うバーナヘッドは複数の燃焼部を含み得る。
【0014】
本発明の第2の態様に従えば、本発明の第1の態様に従うバーナヘッドを有するバーナが提供される。
【0015】
ここで、本発明に従うバーナヘッドが組み込まれたバーナ及びバーナヘッドの実施形態を、添付図面を参照しつつ、ほんの一例として以下に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
最初に図1を参照すると、高温ガス(熱ガス)をもたらすための慣用のバーナ10が、燃料入口12を含み、入口12は、燃料供給パイプ14を介してバーナヘッド16に通じている。燃料供給パイプ14は、混合チャンバ20に通じる第1チャンバ18の中央を通って進み、バーナヘッド16が混合チャンバ20内において、チャンバ20と第1チャンバ18との連結部付近に配置されている。第1チャンバ18は空気入口22を有し、混合チャンバ20は、高温ガス出口24を有する。
【0017】
バーナ10は、以下の様に動作する。燃料が燃料入口12を通って入り、燃料供給パイプ14を通ってバーナヘッド16に達し、バーナヘッド16の外側で燃焼される。同時に、空気が、空気入口22を通って入り、第1チャンバ18を通過して混合チャンバ20内に入り、混合チャンバ20にてバーナヘッド16を通過する。こうして、空気は、バーナヘッドから出る燃料と混合され、燃焼して高温ガス(排出生成物)を生成し、高温ガスは、高温ガス出口24を通ってバーナ10から外に出る。
【0018】
慣用のバーナヘッド16は、燃料通路を形成する複数の穴16bを周囲に有する円筒状部16aを有し、燃料は、穴16bを通って、バーナヘッド16の外側で燃焼される。バーナヘッド16は、また、概ね円錐状のバフル部16cを、穴16bの上流に含み、バフル部16cは、空気が火炎を過度にかき乱すことを防止する。バフル部16cは、混合チャンバ20の軸に対して概ね平行にバフル部16c内を貫通する穴を含み得る。
【0019】
ここで図2を参照する。図1と共通の部品は同じ参照番号が付されて、バーナ30が示されている。バーナ10との違いは、先行技術のバーナヘッド16が新規のバーナヘッド32に替えられていることだけである。燃料供給パイプ14は、パイプの端部にコネクタ34を有し、コネクタ34は、第1チャンバ18と混合チャンバ20との連結部付近にある。バーナヘッド32はコネクタ34に嵌め込まれている。
【0020】
バーナヘッド32は、管部32a及びエンドキャップ32bを含む。管部32aは、図3に示されているように、ワイヤ36から形成されている。ワイヤ36は螺旋状に巻かれ、複数の支持部材38に、溶接により固定されている。支持部材38は、通常は6本であり(しかし、これより多くても少なくてもよい)、管32の軸方向に延伸する。しかし、ワイヤは、螺旋状でなく、一連のワイヤリングから形成されてもよい。螺旋又はリングの巻き(turn)は、細長いワイヤ部36を含み、これらのワイヤ部は、ワイヤ間に間隔を有して支持部材38に固定され、燃料通路40をもたらしている。ワイヤ36は、「楔状」(wedge)ワイヤとして一般に知られる、概ね三角形の断面を有するワイヤであり、この形状により、燃料通路40は、開始点にて最も狭く、燃料が燃焼される位置へと流れるにしたがって幅広になる。この例においては、燃料は管部32から半径方向外向きに流れ出る。
【0021】
本発明に従うバーナヘッドの管部の構成の変型例が図4及び図5に示されている。図4は、燃料が半径方向内向きに流れ、管の外部ではなく管部内で燃焼する変型を示す。細長い楔状ワイヤ部36’は、三角形の断面が、燃料が半径方向内向きに流れるように燃料通路40’の幅が広くなるように配置されている。図5は、支持部材38”が管部の内側にではなく外側に配置され得ることを示す。また、管部が、管の概ね周方向にではなく軸方向に延伸する細長いワイヤ部36”から構成されてもよく、支持部材40”が、真直な部材でなくリングを含むことも示している。構成の方法は、バーナヘッドが用いられる用途に応じて選択されるであろう。
【0022】
本発明に従うバーナヘッドが、管部を有さずに構成され得ることにも留意されたい。管部の代わりに、真直な支持部材に固定された複数の真直な細長いワイヤ部を含む平坦な部分を有し、長い真直な燃料通路がワイヤ部間に設けられ得る。このような構成は、概ね平坦な燃焼領域をもたらし、従って、面状の火炎をもたらす。実際、バーナヘッドは任意の一般的な形状で構成されることができ、それでもなお本発明の範囲にあり得る。
【0023】
燃料の燃焼が生じる、本発明に従うバーナヘッドの一部は、複数の細長いワイヤ部を含み、これらのワイヤ部は、複数の細長い燃料通路をこれらのワイヤ部間にもたらすように支持部材に固定されている。これらの部分を、便宜上、燃焼部と称し得る。これらの部分は、以下に詳細に説明するように、楔状ワイヤから形成された全領域、又は、これらの領域の一部のみを含み得る。
【0024】
燃料通路40,40’又は40”は、1ミクロン〜1000ミクロンの範囲の幅を有し得る。燃料通路は、燃焼部にわたって一定の幅を有することができ、或いは、必要に応じて、例えば、円筒状バーナヘッドの長さに沿って徐々に幅が減少されてもよい。こうして、一定の熱出力を長さに沿ってもたらす(入口からより遠い位置の、より高い燃料圧力を補償する)ことも、又は、段階的な熱出力をもたらすこともできる。これは、楔状ワイヤが螺旋状に巻かれてバーナヘッドを形成している場合に、特に好都合に行われることができる。
【0025】
燃焼部を形成するために用いられる楔状ワイヤ36,36’,36”は、概ね三角形の断面を有するように以上に記載されているが、楔状ワイヤは、他の断面形状も有し得る。しかし、燃料が燃焼される位置へと燃料通路を通過するときに通路が広くなることが、概して好ましい。燃料通路の開始点が狭いことが、高い燃料出口速度をもたらし、フラッシュバックの危険性を低減する。燃料通路の幅が広くなることは、燃料が非常に急速に減速し、これが火炎をバーナヘッド付近に保持することを補助することを意味する。このように、この形状のバーナヘッドを用いることが、フラッシュバックの危険性が低く、確実で安定した火炎を供給することを補助する。しかし、或る状況においては、バーナヘッドは、燃料が燃料通路を通過する方向に燃料通路がより狭くなるように、逆の楔状ワイヤで構成され得る。
【0026】
図6を参照すると、バーナヘッド50が示されている。バーナヘッド50は、燃料入口52、入口パイプ54、及び管部56を含み、管部56は、コネクタ58によりテイルストック(心押し台)54に連結され、且つ、自由端にエンドキャップ60を有する。管部56は、概して図3に示した楔状ワイヤ36により形成される。この場合、楔状ワイヤ36は以下の寸法を有する。三角形の底辺の幅が0.2mm、三角形の高さが0.45mm、細長いワイヤの部間の燃料通路40の幅が、最も狭い地点で0.05mmである。
【0027】
バーナヘッド50は、バーナヘッドの上面部の一部のみにて火炎を形成するように設計されており、従って、管部56の下半分を被覆して燃焼部を画定するためにセラミック材料62が用いられる。この用途のための適切なセラミック材料が、「ファイバーマスティック」(Fibermastic)の商標で販売されているが、他の材料も、関連する用途に応じて適切に用いられ得る。
【0028】
この実施形態においては、火花点火パイロットが設けられている。これは、点火器/火炎検知器64、及び、炭化珪素(シリコンカーバイド)繊維マトリックス片から形成されたパイロット領域66を含み、領域66は、管部56上に、点火器/火炎検知器64より下に配置されている。管部56の残りの面は、この長さに沿ってセラミック材料62により覆われ、パイロット部56aとされる。バーナヘッド50の残りの部分は、燃焼部56bをもたらし、この部分にわたって火炎が生成される。燃焼部56bは、管部の長さの一部に沿って、管部の円周の半分を含む。
【0029】
パイロット部56aにおいて、燃料が燃料通路を通過し、次いで炭化珪素繊維マトリックス66を通過し、点火器/火炎検知器64により点火される。燃料は、炭化珪素繊維マトリックス66にて、及びその周囲で燃焼し、こうして炭化珪素繊維マトリックス66は加熱されて赤外光を放射する。これが、このようにして生成される火炎をかき乱すことなく全体としてバーナヘッドのためのパイロットとして作用する。
【0030】
バーナヘッド50に関して、30kWの熱出力をもたらすためには、管部56の直径が0.2mで、燃焼部56bの長さが1.57mであるとき、2mb未満の圧力の燃料又は燃料/空気混合物が用いられ得る。
【0031】
バーナヘッド50、又は、概ね同じ形状の他のバーナヘッドは、図示されているような水平方向にて、又は鉛直方向に、又は、これらの方向の間の任意の方向にて用いられ得る。これは、家庭用、商用、又は工業プロセスにて、オーブン、炉(ファーネス)、液体ボイラ、バット等を、例えば、加熱、乾燥、調理、褐色着色、焼付け又は火炎洗浄するために、直接又は間接的に加熱することに用いるのに適している。
【0032】
ここで図7を参照すると、本発明に従う第2の別のバーナヘッド70が示されている。バーナヘッド70は、燃料入口72を含み、入口72の周囲に、フランジ74が、燃料供給部(図示せず)との接続のために設けられている。燃料入口72は、ニップル76を介して、環状断面を有するプレナムチャンバ78に通じている。プレナムチャンバ78は、中実の外壁78aと、図4に示したような楔状ワイヤ36’から形成された内壁78bを有して燃焼部をもたらしている。従って、燃料通路40’が、プレナムチャンバ78と、チャンバ78の中央のボイド(空間)80との間に設けられる。従って、バーナヘッド70により生成される火炎は円筒状であり、ボイド80に向って内向きである。必要に応じて、この面の全体よりも小さい燃焼部を設けるために、内面78bの一部が被覆され得る。
【0033】
バーナヘッド70は、図示されている水平方向にて、又は鉛直方向にて用いられ得る。バーナヘッド70は、例えば、ワイヤ、バー、管、食品などを、加熱、乾燥、調理、褐色着色又は火炎洗浄するために用いるのに適している。
【0034】
ここで図8を参照すると、本発明に従う第3の別のバーナヘッド90が、バーナ92に組み込まれて示されている。バーナ92は、バーナヘッド90の燃料入口96に通じる燃料供給パイプ94を有する。バーナヘッド90は、図3に示したような楔状ワイヤ36から形成された管部98、及びバフル100を含む。バーナヘッドは、空気を矢印Dの方向に通過させる円形の断面を有するダクト102の軸方向中央線上に配置される。バフル100が、空気流が火炎を冷やすこと、又は火炎の不安定性を生じることを防止するために設けられている。
【0035】
燃料は、燃料供給パイプ94を通ってバーナヘッド90に達し、このバーナヘッドの燃焼部を形成する管部98の燃料通路40から外に出て、バーナヘッド90上を通過する空気流中で燃焼する。そして、高温エアが、必要に応じてダクト102から排出される。
【0036】
上記の実施形態に関し、望ましい方向にのみ火炎が形成されるよう、より小さい燃焼部を形成するために、管部の或る領域を、セラミック材料を用いて被覆し得る。
【0037】
バーナヘッド90は、図示されているように空気流と同軸上にあるならば、図示されている水平方向で用いられても、若しくは鉛直方向、又は、これらの方向の間の任意の方向にて用いられてもよい。バーナヘッド90は、オーブン、炉、液体ボイラ、又はバットなどを直接又は間接的に加熱することに用いるのに適している。
【0038】
ここで図9を参照すると、バーナヘッドの第4の別の実施形態であるバーナヘッド110がバーナ112内に組み込まれている。バーナ112は、バーナヘッド110の燃料入口パイプ116に連結された燃料供給パイプ114を有する。バーナヘッド110は、細長いプレナムチャンバ118を含む。プレナムチャンバ118は鉛直方向に向けられ、プレナムチャンバ118から複数の管部120が、プレナムチャンバ118の両側に概ね水平方向に分岐して格子を形成している。各管部120は、図3に示したような楔状ワイヤ36から形成された管を含み、管の一端がプレナムチャンバ118に連結され、他端がエンドキャップ122によりシールされ、こうして、各管部の長さが燃焼部を形成し、バーナヘッド110の燃焼部全体は大きく、非常に高い出力をもたらす。バーナヘッド110は、断面が円形のダクト124内に配置され、ダクト124の中央付近に配置された点火器126を有する。
【0039】
燃料は、燃料供給パイプ114から、燃料入口パイプ116を通ってプレナムチャンバ118に達し、次いで管部120内に入る。燃料は、燃料通路40を通って管部120から出て、管部120の外側にて、矢印Eにより示されているようにダクト124を通過する空気中で燃焼し、こうして、高温エアが必要に応じてダクト124から排出される。
【0040】
バーナヘッド110は、燃料がバーナヘッド110の燃焼部付近で燃焼するように、適切なガス流が通過するダクト内に配置され、且つダクトに対して適切に向けられるならば、様々な向きで用いられ得る。バーナヘッド110は、揮発性有機化合物、臭気などの直接焼却、及び、工業過程における加熱、乾燥、火炎洗浄に適している。
【0041】
ここで図10を参照すると、図1及び図2のバーナと類似のバーナ130が示され、図1及び図2と類似の部品には同じ参照番号が付されているが、本発明に従うさらに別の形態のバーナヘッド132が組み込まれている。バーナヘッド132は、図3に示したような楔状ワイヤ36から形成された管部132a、及びエンドキャップ132bを含む。管部132aは、混合部を設けるために、中間セクション132aaに沿って円周の全体が適切なセラミック材料で被覆され、入口燃料供給パイプ14付近の第1燃焼部132abと、エンドキャップ132b付近の第2燃焼部132acとが、被覆されずに残っている。
【0042】
バーナヘッド132は、以下に示すように第1燃料噴射及び第2燃料噴射を用いて動作し、排出する窒素酸化物(NOx)が少ない。第1燃料噴射は、供給された燃料の一部が、第1の燃焼部132abにおける燃料通路を通過し、バーナヘッド132の開始部にて混合チャンバ20内の空気中で燃焼されるときに生じる。この燃焼は、或る量の窒素酸化物を生成するが、生成物は、バーナヘッド132の混合部132aaに沿って移動するときに安定する。第2燃料噴射は、供給された燃料の残りが、第2燃焼部132acにて燃料通路から外に出て、バーナヘッド132の端部の混合チャンバ20内で燃焼するときに生じる。この第2の燃料噴射は、燃料リッチな環境を可能な限り長く維持し、燃焼は、混合チャンバの高温ガス出口24付近にて燃焼空気の追加が行われるときに完成される。
【0043】
再燃焼技術を用いることは、先行技術において知られているが、このような状況での適用は、今までに容易に行われていない。本発明は、適切なバーナヘッドの製造をかなり簡単にし、再燃焼技術の利用を、広く様々な用途にてより簡単にする。こうして、より効率的でより環境に優しいバーナヘッドを製造することができ、規制当局により設定が促進されている低排出の目標を達成することをより容易にする。
【0044】
上記のバーナヘッドは、本発明に従って構成されることができるバーナヘッドの例に過ぎない。例えば、管タイプのバーナヘッドを、円筒状でなく、概ね円錐状にしてもよく、2個より多数の燃焼部を管の長さに沿って有するバーナヘッドを構成してもよく、また、燃焼部の格子を含むバーナヘッドは、図9に示したバーナヘッドよりも複雑であってもよい。概して、本発明に従うバーナヘッドは、先行技術のほとんどどのバーナヘッドの替わりにも用いられるように設計され得る。
【0045】
本件の明細書において、用語「含む」(“comprises”)は、「含む、又は、〜から成る」(“includes or consists of”)を意味し、「含んでいる」(“comprising”)は、「含んでいる、又は、〜から成っている」(“including or consisting of”)を意味する。
【0046】
上記の詳細な説明、若しくは特許請求の範囲、又は添付図面に開示された特徴は、特定の形態で、或いは、開示された機能を実行するための手段に関して、又は、開示された結果を得るための方法若しくはプロセスに関して示されており、これらの特徴は、本発明を様々な形態で実現するために、必要に応じて、独立に、或いは、任意に組み合わせて用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、高温空気をもたらすために用いられる種類の先行技術のバーナヘッドが組み込まれた慣用のバーナを断面図で示す。
【図2】図2は、本発明に従うバーナヘッドを組み込んだ、図1と同じ慣用のバーナを断面図で示す。
【図3】図3は、図2に示した新規のバーナヘッドの管部を部分切取拡大図で示す。
【図4】図4は、本発明に従うバーナヘッドの別の形態における管部を部分切取拡大図で示す。
【図5】図5は、本発明に従うバーナヘッドの別の形態における管部を部分切取拡大図で示す。
【図6】図6は、本発明に従うバーナヘッドの第1の別の形態を示し、図6(a)は側断面図であり、図6(b)はB−Bに沿った断面図であり、図6(c)はC−Cに沿った断面図であり、図6(d)は側面図であり、図6(e)は平面図である。
【図7】図7は、本発明に従うバーナヘッドの第2の別の形態を示し、図7(a)は側断面図であり、図7(b)は端面図である。
【図8】図8は、本発明に従うバーナヘッドの第3の別の形態を、部分側断面図で示す。
【図9】図9は、本発明に従うバーナヘッドの第4の別の形態を示し、図9(a)は、一部が断面の端面図であり、図9(b)は側断面図である。
【図10】図10は、図1に示した慣用のバーナと概ね同じであるが、本発明に従う第5の別のバーナヘッドが組み込まれたバーナを断面図で示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料入口(12)と、燃料を通過させて燃焼させる燃焼部とを有するバーナヘッド(32)であって、燃焼部が、間隔を有して配置された複数の細長い要素(36;36’;36”)を、当該要素間に細長い燃料流路(40;40;40”)を有して含むバーナヘッド。
【請求項2】
間隔を有して配置された複数の細長い要素(36;36’;36”)がワイヤから形成されている請求項1に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項3】
前記ワイヤが、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、前記三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路(40;40’;40”)を通過するときに燃料流路の幅が広くなっていくように向けられている請求項2に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項4】
前記ワイヤが、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、前記三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路(40;40’;40”)を通過するときに燃料流路が内向きに狭くなるように向けられている請求項2に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項5】
燃焼部が概ね管状であり、且つ、管の軸方向に延伸する支持部材(38’)に固定された、螺旋状に巻かれたワイヤ(36’)から形成されている請求項2,3又は4に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項6】
燃焼部が概ね管状であり、且つ、管の軸方向に延伸する支持部材(38)に固定されたワイヤのリング(36)から形成されている請求項2,3又は4に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項7】
燃焼部が概ね管状であり、且つ、軸方向に位置合わせされた真直なワイヤ片(36”)から形成され、真直なワイヤ片(36”)が、管周囲に延在する概ね円形の支持部材(38”)に固定されている請求項2,3又は4に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項8】
支持部材(36;36’;36”)が管内に配置されている請求項5〜7のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項9】
支持部材(36;36’;36”)が管の外側に配置されている請求項5〜7のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項10】
管が実質的に平行な側面を有する請求項5〜9のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項11】
管が、管の長さの一部又は全てに沿って先細状になっている請求項5〜9のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項12】
燃焼部が、概ね平坦であり、且つ、第1の方向に位置合わせされた真直なワイヤ片(36;36”)から形成され、真直なワイヤ片が、第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に位置合わせされた概ね真直な支持部材(38;38”)に固定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項13】
燃焼部の面積が、選択された燃料通路(40;40’;40”)、又は、選択された長さの燃料通路(40;40’;40”)を被覆することにより減少される請求項1〜12のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項14】
前記被覆することがセラミック材料を用いて行われる請求項13に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項15】
複数の燃焼部を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)を含むバーナ(30)。
【請求項1】
燃料入口(12)と、燃料を通過させて燃焼させる燃焼部とを有するバーナヘッド(32)であって、燃焼部が、間隔を有して配置された複数の細長い要素(36;36’;36”)を、当該要素間に細長い燃料流路(40;40;40”)を有して含むバーナヘッド。
【請求項2】
間隔を有して配置された複数の細長い要素(36;36’;36”)がワイヤから形成されている請求項1に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項3】
前記ワイヤが、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、前記三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路(40;40’;40”)を通過するときに燃料流路の幅が広くなっていくように向けられている請求項2に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項4】
前記ワイヤが、概ね三角形の断面を有する楔状ワイヤであり、前記三角形の断面が、燃料が燃焼されるために燃料流路(40;40’;40”)を通過するときに燃料流路が内向きに狭くなるように向けられている請求項2に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項5】
燃焼部が概ね管状であり、且つ、管の軸方向に延伸する支持部材(38’)に固定された、螺旋状に巻かれたワイヤ(36’)から形成されている請求項2,3又は4に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項6】
燃焼部が概ね管状であり、且つ、管の軸方向に延伸する支持部材(38)に固定されたワイヤのリング(36)から形成されている請求項2,3又は4に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項7】
燃焼部が概ね管状であり、且つ、軸方向に位置合わせされた真直なワイヤ片(36”)から形成され、真直なワイヤ片(36”)が、管周囲に延在する概ね円形の支持部材(38”)に固定されている請求項2,3又は4に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項8】
支持部材(36;36’;36”)が管内に配置されている請求項5〜7のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項9】
支持部材(36;36’;36”)が管の外側に配置されている請求項5〜7のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項10】
管が実質的に平行な側面を有する請求項5〜9のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項11】
管が、管の長さの一部又は全てに沿って先細状になっている請求項5〜9のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項12】
燃焼部が、概ね平坦であり、且つ、第1の方向に位置合わせされた真直なワイヤ片(36;36”)から形成され、真直なワイヤ片が、第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に位置合わせされた概ね真直な支持部材(38;38”)に固定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項13】
燃焼部の面積が、選択された燃料通路(40;40’;40”)、又は、選択された長さの燃料通路(40;40’;40”)を被覆することにより減少される請求項1〜12のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項14】
前記被覆することがセラミック材料を用いて行われる請求項13に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項15】
複数の燃焼部を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のバーナヘッド(32)を含むバーナ(30)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【公表番号】特表2007−519880(P2007−519880A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548366(P2006−548366)
【出願日】平成16年1月12日(2004.1.12)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000058
【国際公開番号】WO2005/068907
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506238190)エヌエイ−ストーディ コンバスチョン リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月12日(2004.1.12)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000058
【国際公開番号】WO2005/068907
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506238190)エヌエイ−ストーディ コンバスチョン リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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