説明

パイプの連結構造

【課題】 合致させた係合穴に係止された係合突起の係止状態を容易に解除して、連結された一対の筒状パイプをスムースに分解できるパイプの連結構造を提供する。
【解決手段】 内周面から係合突起17を突出させたスリーブ部材19を外側から装着して、係合突起17を合致させた係合穴15,16に係止することにより、一対の円筒状パイプ11,12を軸方向に連結一体化するパイプの連結構造10であって、スリーブ部材19は、メス側端部14の外周面に沿って係合突起17の両側に延設され、周方向の両端20間に隙間18を残しつつ外周面に密着配置されるスリーブ本体21と、一対の支持脚部22及び押圧部23からなり、係合突起17と対向する位置において一対の支持脚部23の先端部をスリーブ本体の両端部分24に各々接合することにより、押圧部23とメス側端部14の外周面との間に空間25を保持するように設けられる押圧体26とによって構成される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対の筒状パイプを軸方向に連結一体化するためのパイプの連結構造、及び該連結構造を用いた掃除具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例えば図8に示す掃除具50の柄や、杖の柄等の長尺のロッド状部材51は、複数の円筒状パイプ52を軸方向に連結一体化して形成される場合がある。円筒状パイプ52を連結一体化するための連結部53の構造としては、一般にネジ接合によるものが知られている。ネジ接合による連結構造は、掃除具50を組立てる際や、或いは掃除具50をコンパクトにして収納したり、柄51の長さを換えて使用したり、廃棄処分する場合など、掃除具50を分解する際に、円筒状パイプ52を回転させて螺合締結する作業やこれを解除する作業に手間がかかっていた。
【0003】これに対して、一方の筒状パイプのオス側端部を他方の筒状パイプのメス側端部に挿入して二重のパイプ構造とし、各端部の周面に各々形成した係合穴を合致させて、内周面から係合突起を突出させたスリーブ部材を外側から装着し、合致させた係合穴に係合突起を嵌合係止することにより、一対の筒状パイプを軸方向に連結一体化する連結構造が提案されている。この連結構造によれば、係合突起を係合穴に係止する作業は容易であるが、装着されたスリーブ部材には内方への付勢力が働くため、係合突起の係止状態を解除する作業をスムースに行うことは困難である。また外側(メス側)の筒状パイプの係合穴から内側に係合突起を突出させたままの状態で、誤って内側(オス側)の筒状パイプを引き抜こうとすることがあり、係合突起を破損するおそれがあった。
【0004】本発明は、合致させた係合穴に係止された係合突起の係止状態を容易に解除して、連結一体化された一対の筒状パイプをスムースに分解できると共に、係合突起の破損を効果的に回避できるパイプの連結構造及び該連結構造を用いた掃除具の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一方の筒状パイプのオス側端部を他方の筒状パイプのメス側端部に挿入し、オス側突起係合穴とメス側突起係合穴を合致させ、内周面から係合突起を突出させたスリーブ部材を外側から装着して、前記係合突起を合致させた前記係合穴に係止することにより、前記一対の筒状パイプを軸方向に連結一体化するパイプの連結構造であって、前記スリーブ部材は、前記メス側端部の外周面に沿って前記係合突起の両側に延設され、周方向の両端間に隙間を残しつつ半円を越える領域において前記外周面に密着配置されるスリーブ本体と、支持部により両側を支持される押圧部からなり、前記係合突起と対向する位置において前記支持部の先端部を前記スリーブ本体の両端部分に各々接続することにより、前記押圧部と前記メス側端部の外周面との間に空間を保持するように設けられる押圧体とによって構成され、前記押圧部を押圧して前記スリーブ本体を前記係合突起側に押し出すことにより、前記係合突起の前記オス側突起係合穴への係止状態を解除するパイプの連結構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】また、本発明は、上記パイプの連結構造によって筒状パイプを軸方向に連結一体化してなる柄を有する掃除具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態に係るパイプの連結構造は、例えば床面等の拭き掃除を行うための掃除用シート部材が取り付けられた掃除板と、この掃除板から立設して設けられた柄とからなる掃除具の当該柄を複数の円筒状パイプを軸方向に連結一体化して設ける際に採用されたものである(図8参照)。掃除具は、運搬や販売の便宜から掃除板や円筒状パイプ等の部品に各々に分解され、これらの部品を一まとめとした状態で製品化されており、使用時にはこれらを組み立てて使用すると共に、収納時或いは廃棄時等にはこれらの部品に適宜分解されることになる。
【0008】そして、本実施形態のパイプの連結構造10は、複数の円筒状パイプからなる柄を構成する各一対の円筒状パイプ11,12の連結箇所において採用されたもので、図1,図3,及び図4に示すように、一方の円筒状パイプ11のオス側端部13を他方の円筒状パイプ12のメス側端部14に挿入し、オス側突起係合穴15とメス側突起係合穴16を合致させ、内周面から係合突起としての嵌合ピン17を突出させたスリーブ部材19を外側から装着して、嵌合ピン17を合致させた係合穴15,16に嵌合係止することにより、一対の円筒状パイプ11,12を軸方向Xに連結一体化するものである。
【0009】本実施形態によれば、スリーブ部材19は、図2にも示すように、メス側端部14の外周面に沿って嵌合ピン14が突出する位置を中心としてこれの両側に延設され、周方向の両端20,20間に隙間18を残しつつ半円を越える領域においてメス側端部14の外周面に密着配置されるスリーブ本体21と、一対の支持脚部22,22及びこれらの支持脚部22,22に両側を支持される押圧部23からなり、嵌合ピン17と対向する位置において一対の支持脚部22,22の先端部をスリーブ本体21の隙間18を挟んだ両側の両端部分24,24に各々接続一体化することにより、押圧部23とメス側端部14の外周面との間に空間25(図3,図4R>4参照)を保持するように設けられる押圧体26とによって構成されている。
【0010】そして、押圧部23をメス側端部14の外周面に向けてY方向に押圧してスリーブ本体21を嵌合ピン17側に押し出すことにより、嵌合ピン17を径方向外側に移動させて、嵌合ピン17のオス側突起係合穴15への係止状態を解除できるようになっている(図4(b)参照)。
【0011】また、本施形態によれば、スリーブ部材19には、軸方向Xに連接してオス側端部13とメス側端部14との重ね合わせ継ぎ目部27(図4参照)を覆う補助スリーブ28が一体接合されている。
【0012】円筒状パイプ11,12は、各々、円形の中空断面を有する金属製(アルミニウム製)のパイプ部材である。一方の円筒状パイプ11のオス側端部13は縮径されており、この縮径されたオス側端部13が他方の円筒状パイプ12のメス側端部14の先端開口30(図4参照)に挿入されて、一方の円筒状パイプ11のオス側端部13と他方の円筒状パイプ12のメス側端部14とが密接状態で重なり合った二重構造の連結部31が形成される。
【0013】一方の円筒状パイプ11のオス側端部13は、その外周面が急勾配部32として一旦縮径した後、緩い勾配でさらに先端に向かって徐々に縮径している。他方の円筒状パイプ12のメス側端部14は、その内周面が、オス側端部13の緩い勾配と合致する勾配で先端に向かって拡径している。一方の円筒状パイプ11のオス側端部13を、急勾配部32が先端開口30の端縁部に当接するまで当該先端開口30を介してメス側端部14に挿入することにより、連結部31においてオス側端部13とメス側端部14を容易に密接状態とすることができる。
【0014】また、急勾配部32が先端開口30の端縁部に当接するまでオス側端部13をメス側端部14に挿入した状態において、円形のオス側突起係合穴15が同径の円形のメス側突起係合穴16に合致するような位置に、オス側突起係合穴15は形成されている。なお、オス側端部13の外周面には、オス側端部13の端縁部からオス側突起係合穴15に至る軸方向Xに沿った直線状の突起案内溝33が形成されている(図1参照)。突起案内溝33は、オス側端部13をスリーブ部材19が装着されたメス側端部14の先端開口30に挿入する際に、メス側突起係合穴16に挿入されてメス側端部14の内側に突出する嵌合ピン17を、これの先端面に設けられたガイドリブ35を係止しつつ、オス側突起係合穴15までスライド案内する。
【0015】スリーブ部材19は、例えば弾性変形可能な合成樹脂(プラスチック)製の環状部材であって、円弧状部分であるスリーブ本体21と、スリーブ本体21よりも曲率の小さな円弧状部分である押圧体26とが接続一体化された形状を有する。スリーブ本体21は、その円弧状断面の内径がメス側端部14の外径と合致していると共に、嵌合ピン17が突出する位置の両側に周方向に延設している。すなわち、スリーブ本体21は、半円に少なくとも嵌合ピン17の突出長さを加えた円弧長さを越える領域において、メス側端部14の外周面に沿って密着配置されており、その両端部20,20の間には、周方向に180度未満、好ましくは100〜140度の角度領域が切り欠かれて、隙間18が残置されている。
【0016】これによってスリーブ本体21は、押圧体26を押圧して嵌合ピン17側に押し出される際に、弾性変形することによって、隙間18を拡げつつメス側端部14の外周面に沿って乗り上げるようにしてスライド移動し、その両端部20,20をメス側端部14の外周面から脱落させることなく、嵌合ピン17が突出する中央部分を、嵌合ピン17のオス側突起係合穴15への係止状態が解除されるまで径方向外方に移動させることができるようになっている。また、押圧体26への押圧を開放すると、拡がった隙間18がもとの状態に戻ろうとする付勢力によって、スリーブ本体21は、メス側端部14の外周面に沿って嵌合ピン17と離れる側にスライド移動し、嵌合ピン17の先端部分をメス側端部14の内周面から突出させた状態にスムースに復帰する。
【0017】押圧体26は、その円弧状断面の中央部分に位置する押圧部23が両側の支持脚部22,22により支持され、これによって押圧部23の内側には、スリーブ部材19が装着されたメス側端部14の外周面との間に、少なくとも嵌合ピン17のメス側端部14内周面からの突出長さを越える間隔を保持した空間25が形成される。押圧体26を押圧することにより、この押圧力は、支持脚部22,22を介してこれらが一体接続されたスリーブ本体21の両端部20,20に伝達され、スリーブ本体21を嵌合ピン17側に押し出すことが可能になる。押圧部23がメス側端部14の外周面と密着するまで押圧されると、嵌合ピン17の先端部分はオス側突起係合穴15から抜き出され、これによってオス側端部13をメス側端部14から引き抜いて分解することが可能になる。
【0018】スリーブ部材21に一体接合された補助スリーブ28は、スリーブ部材19と同じ断面形状を有し、スリーブ本体21の一方の円筒状パイプ11側の端面に連接一体化されている(連接部分を破線で示す)。補助スリーブ28は、オス側端部13をメス側端部14に挿入して連結部31を形成した際に、段差部分となった重ね合わせ継ぎ目部27を覆って配設されることにより、当該連結部31の美粧性を向上させることができる。また、スリット29と対向する位置における補助スリーブ28の外周面には、軸方向Xにおける嵌合ピン17の延長上に案内帯34が設けられており、この案内帯34にオス側端部13の突起案内溝33を位置合わせしつつ、オス側端部13をメス側端部14にスムースに挿入して行くことができるようになっている。
【0019】そして、本実施形態の連結構造10によれば、以下の簡易な作業によって一対の円筒状パイプ11,12を軸方向Xに容易に連結一体化することができる。すなわち、スリーブ部材21及びこれと一体となった補助スリーブ28が装着され、メス側突起係合穴16を介して嵌合ピン17の先端部分が内周面から内側に突出しているメス側端部14に、突起案内溝33及び案内帯34により位置合わせしつつ、先端開口30を介してオス側端部13を挿入して行く。この挿入により、オス側端部13の先端縁部が内側に突出する嵌合ピン17に当接した後に、嵌合ピン17のガイドリブ35は、スリーブ部材21を拡径しつつ突起案内溝33に乗り上げ、嵌合ピン17は当該突起案内溝33に沿ってスライド移動してゆく。オス側端部13の急勾配部32が先端開口30の縁部に当接するまで挿入されて、オス側端部13とメス側端部14が密着する連結部31が形成されると、オス側突起係合穴15とメス側突起係合穴16は合致し、拡径したスリーブ部材21の弾性付勢力により嵌合ピン17は押し下げられてオス側突起係合穴15に嵌合係止される。これによって一対の円筒状パイプ11,12は軸方向Xに強固かつ容易に連結一体化されることになる(図4(a)参照)。
【0020】また、本実施形態の連結構造10によれば、以下の簡易な作業によって連結一体化された円筒状パイプ11,12を容易に分解することができる。すなわち、連結部31を覆って取り付けられたスリーブ部材21の押圧部23をメス側端部14の外周面と密着するまで嵌合ピン17側に押圧すれば、嵌合ピン17が突出する中央部分が径方向外方に移動することにより、嵌合ピン17のオス側突起係合穴15への係止状態が解除されので、オス側端部13をメス側端部14からスムースに引き抜いて、一対の円筒状パイプ11,12を容易に解体することができる。また、押圧部23をメス側端部14の外周面と密着するまで押圧することにより、嵌合ピン17の先端部分をオス側突起係合穴15から確実に抜き出すことができるので、嵌合ピン17をオス側突起係合穴15から抜き出さないまま誤ってオス側端部13を引き抜こうとするのを効果的に防止できる。
【0021】したがって、本実施形態によれば、合致させた係合穴15,16に係止された嵌合ピン17の係止状態を容易に解除して、連結一体化された一対の筒状パイプ11,12をスムースに分解できると共に、嵌合ピン17の破損を効果的に回避することができる。
【0022】また、本実施形態によれば、連結部31は、一方の円筒状パイプ11のオス側端部13と他方の円筒状パイプ12のメス側端部14とが相当の長さで密接配置された二重構造を備えているので、清掃具の使用時等において、連結部31に大きな曲げ応力が加わっても、かかる二重構造のラップ部分で当該曲げ応力を十分に支持することができ、連結部31に緩みや破損が生じるのを効果的に回避することができる。また、特に、円筒状パイプ11,12は、金属製のパイプ部材であるので、曲げ応力に対するさらに強固な支持力を発揮することができる。
【0023】図5は、本発明の他の実施形態に係るパイプの連結構造40を示すものである。図5に示す連結構造40は、上記パイプの連結構造10と略同様の構成を備える一方で、スリーブ部材41を構成するスリーブ本体42と押圧体43とは別部材となっている。そして、押圧体43の支持脚部44,44の先端部は、スリーブ本体42の両端部分45,45に、スリーブ本体42の端部46,46間の隙間47を拡開可能に係止された状態で当接接続している。
【0024】すなわち、押圧体43の支持脚部44,44の先端部は各々L字型に外側に折れ曲がり、この折れ曲がり部48,48が、スリーブ本体42の両端部分45,45における内周面とメス側端部14’の外周面との隙間に挿入係止されると共に、その先端が、両端部分45,45の内周面から内側に突出する押圧突起49,49に各々当接し、押圧部39からの押圧力により押圧突起49,49をメス側端部14’の外周面に沿って外側に押し出して、スリーブ本体42の端部46,46間の隙間47を拡開することができるようになっている。なお、メス側端部14’のメス側突起係合穴16と反対側に位置する部分の外周面には、円弧状に切り欠き溝38が形成されており、この切り欠き溝38に沿って押圧突起49,49がスライド可能に配設されている。また、押圧体43の支持脚部44,44のスリーブ本体42の両端部分45,45への接続は、接続一体化される場合の他、このように当接状態で接続しているものも含まれる。
【0025】そして、この実施形態のパイプの連結構造40によっても、内側に空間25が保持された押圧部39をメス側端部14’の外周面と密着するまで嵌合ピン17側に押圧すれば、嵌合ピン17のオス側突起係合穴15への係止状態が解除されて、上述の実施形態と略同様の作用効果を奏することになる。
【0026】図6(a)及び(b)は、本発明のパイプの連結構造に用いるスリーブ部材の他の形態を示すものである。図6(a)及び(b)のスリーブ部材60によれば、押圧体62は、各支持部63,63の先端中央部分においてピン接合部69を介してスリーブ本体61の両端縁部64,64に各々接続していると共に、各支持部63,63の先端両側部分において先端面の凸状曲面70,70をスリーブ本体61の両端縁部64,64の凹状曲面65,65に当接させた状態でスリーブ本体61に各々接続している。押圧体62は、メス側端部14”の外周面よりも小さい曲率の円弧状断面を有し、スリーブ本体61の両端縁部64,64と接続する両側の支持部63,63により支持されて、中央の押圧部71とメス側端部14”の外周面との間に空間66を保持する。また、押圧部71の内側中央には、内方に突出して案内突条67がスリーブ部材60の軸方向に延設して設けられており、メス側端部14”の外周面には、メス側突起係合穴と反対側に位置して、押圧部71を押圧した際に案内突条67が挿入係止される案内凹溝68が形成されている。
【0027】このようなスリーブ部材60を用いることによっても、内側に空間66が保持された押圧部71をメス側端部14”の外周面と密着するまで嵌合ピン17’側に押圧すれば、嵌合ピン17’のオス側突起係合穴への係止状態が容易に解除されることになる。また、押圧部71を押圧した際に案内突条67が案内凹溝68に挿入係止されることにより位置決めされるので、さらに安定した状態で分解作業を行うことが可能になる。
【0028】図7は、本発明のパイプの連結構造に用いられるスリーブ部材のさらに他の形態を示すものである。図7のスリーブ部材80によれば、内周面から嵌合ピン17”が突出する側の当該スリーブ部材80の略半分の部分がスリーブ本体81を構成し、このスリーブ本体81の周方向の両端82,82間に隙間83が形成されている。また嵌合ピン17”と対向する位置には、スリーブ部材80の外側に突出して押圧体84が設けられており、この押圧体84の支持脚部85,85がスリーブ本体81の両端82,82に接続一体化されている。さらに押圧体84の中央を横断する位置に、スリーブ部材80の全長に亘ってスリット86が形成されていおり、このスリット86の幅を広げることにより、スリーブ部材80を拡径することができるようになっている。このスリーブ部材80によっても、押圧体84の押圧部87とメス側端部の外周面との間に空間が保持されるので、押圧部87を押圧することにより、上述の実施形態と略同様の作用効果を奏することが可能になる。
【0029】なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えばスリーブ部材は、補助スリーブが一体接合されたものである必要は必ずしもない。また、本発明は、掃除具の柄に限定されることなく、つえの柄等、複数の円筒状パイプを軸方向に連結一体化して形成されるその他の種々の長尺のロッド状部材における円筒状パイプの連結構造として採用することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明のパイプの連結構造及び該連結構造を用いた掃除具によれば、合致させた係合穴に係止された係合突起の係止状態を容易に解除して、連結一体化された一対の筒状パイプをスムースに分解することができると共に、係合突起の破損を効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパイプの連結構造を説明する分解斜視図である。
【図2】図1に示すスリーブ部材を斜め下方から視た斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るパイプの連結構造を説明する図4(a)のA−Aに沿った横断面図である。
【図4】(a)は、一対の筒状パイプを連結一体化した状況を説明する図3のB−Bに沿った縦断面図、(b)は、一対の筒状パイプを分解する状況を説明する図3のB−Bに沿った縦断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るパイプの連結構造を説明する横断面図である。
【図6】(a)本発明のパイプの連結構造に用いるスリーブ部材の他の形態を示す斜視図、(b)は(a)のC−Cに沿った断面図である。
【図7】本発明のパイプの連結構造に用いるスリーブ部材のさらに他の形態を示す斜視図である。
【図8】従来のパイプの連結構造を備えた清掃具を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,40 パイプの連結構造
11 一方の円筒状パイプ
12 他方の円筒状パイプ
13 オス側端部
14,14’,14” メス側端部
15 オス側突起係合穴
16 メス側突起係合穴
17 嵌合ピン(係合突起)
18,47 隙間
19,41,60,80 スリーブ部材
20,46 両端
21,42,61,81 スリーブ本体
22,44 支持脚部(支持部)
23,39,71 押圧部
24,45 両端部分
25 空間
26,43,62,84 押圧体
27 重ね合わせ継ぎ目部
28 補助スリーブ
30 先端開口
31 連結部
48 折れ曲がり部
49 押圧突起
63 支持部
69 ピン接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方の筒状パイプのオス側端部を他方の筒状パイプのメス側端部に挿入し、オス側突起係合穴とメス側突起係合穴を合致させ、内周面から係合突起を突出させたスリーブ部材を外側から装着して、前記係合突起を合致させた前記係合穴に係止することにより、前記一対の筒状パイプを軸方向に連結一体化するパイプの連結構造であって、前記スリーブ部材は、前記メス側端部の外周面に沿って前記係合突起の両側に延設され、周方向の両端間に隙間を残しつつ半円を越える領域において前記外周面に密着配置されるスリーブ本体と、支持部により両側を支持される押圧部からなり、前記係合突起と対向する位置において前記支持部の先端部を前記スリーブ本体の両端部分に各々接続することにより、前記押圧部と前記メス側端部の外周面との間に空間を保持するように設けられる押圧体とによって構成され、前記押圧部を押圧して前記スリーブ本体を前記係合突起側に押し出すことにより、前記係合突起の前記オス側突起係合穴への係止状態を解除するパイプの連結構造。
【請求項2】 前記スリーブ部材には、前記オス側端部と前記メス側端部との重ね合わせ継ぎ目部を覆う補助スリーブが軸方向に連接して一体接合されている請求項1記載のパイプの連結構造。
【請求項3】 前記スリーブ部材を構成する前記スリーブ本体と前記押圧体とは別部材からなり、前記押圧体の支持部の先端部は、前記スリーブ本体の両端部分に前記端部間の隙間を拡開可能に係合している請求項1又は2に記載のパイプの連結構造。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のパイプの連結構造によって筒状パイプを軸方向に連結一体化してなる柄を有する掃除具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2002−147421(P2002−147421A)
【公開日】平成14年5月22日(2002.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−344065(P2000−344065)
【出願日】平成12年11月10日(2000.11.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】