説明

パイプ材にナットを固着するプレス装置

【課題】 容易に自動化を可能にしたパイプ材にナットを固着するプレス装置を提供する。
【解決手段】 パイプ材60を被嵌して保持する長尺体の下型6の基端部が下台盤2の後端側に上下動可能に支持されている。下型6の前端部位を僅かに持ち上げた姿勢で当接支持するリフター30と、下型6の中間部位を僅かに持ち上げるように当接支持し、かつ、下型6に被嵌したパイプ材60を位置決めするストッパ3と、下型6の外側面に設けられたナット供給通路10と、下型6の前端部内側に収容されたプッシャ14と、下型6の内側に収容され、先端部に設けた傾斜カム面22が該プッシャ14をナット供給位置12に押し出すカム作動杆21と、該カム作動杆21の駆動手段25と、下型6の軸線に対して直交する方向に可動自在に設けられた上型3と、上型3に取り付けられたかしめダイス47と、該かしめダイスの駆動手段50と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ材、特に金属製角パイプの内側にナットを固着するプレス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナット自体が金属板を打ち抜き、同時に打ち抜いた開口周縁部をかしめてナットの側壁面に設けた溝に圧入させることにより金属板に固着するいわゆるピアスナットを用いて、金属製角パイプの内壁面に固着して、該角パイプの外側からのねじ締結に供し得るようにしたパイプ材にナットを固着する装置は、特許文献1により知られている。
【0003】
上記特許文献1に開示されている装置は、手動式であり、時代背景もあって今日に至るも実用化されていない。
【特許文献1】特公昭53−16394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した特許文献1に開示されている装置を改良して実用化したもので、容易に自動化を可能にしたパイプ材にナットを固着するプレス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のプレス装置は、下台盤の前端側に立設したガイドポストと後端側に立設した後側壁とで上台盤が支持されている機枠と、基端部が前記下台盤の後端側に上下動可能に支持され、前端部が前記下台盤の前端側へ延びている、パイプ材を被嵌して保持する長尺体の下型と、前記下型の前端部位を僅かに持ち上げた姿勢で当接支持する上下動可能なリフターと、前記下型の中間部位を僅かに持ち上げるように当接支持し、かつ、前記下型に被嵌した前記パイプ材の端面が当接して位置決めされる上下動可能なストッパと、前記下型の外側面に設けられ、該下型の基端部から前端部まで軸方向へ延びるナット供給通路と、前記ナット供給通路の基端に接続されたナット供給ホースと、前記ナット供給通路前端のナット供給位置にあるナットを検出するナットセンサと、前記下型の先端部内側に軸線に対して直交する方向へ可動自在に収容され、前記ナット供給位置に押し出されるプッシャと、前記下型の内側に軸方向へ可動自在に収容され、先端部に設けた傾斜カム面が前記プッシャに係合して、該プッシャを前記ナット供給位置に押し出すカム作動杆と、該カム作動杆を軸方向へ往復動させるカム駆動手段と、前記ガイドポストに沿って前記下型の軸線に対して直交する方向に可動自在に設けられた上型と、前記上型に取り付けられ、前記ナット供給位置を挟んで前記プッシャと対向位置するかしめダイスと、前記上台盤に設置され、前記上型を前記下型の軸線に対して直交する方向に往復動させ、かつ、前記かしめダイスを加圧する力が前記プッシャを押し出す力より大きく設定されているダイス駆動手段と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
前記リフターは、頂部に山形の傾斜案内面を有し、前記下台盤に収容したスプリングによって前記下型に当接支持するように付勢されており、前記下型にパイプ材を被嵌する際、該パイプ材が前記傾斜案内面に沿って移動することにより前記リフターを押し下げるように構成されている。
【0007】
前記ストッパはタッチセンサ機能を有し、前記下型に被嵌したパイプ材の端面が前記ストッパに当接して位置決めされると同時に、これに連動して前記カム駆動手段と前記ダイス駆動手段が自動的に作動される構成とすることができる。
【0008】
前記かしめダイスは、ダイスホルダとバックプレートを介して前記上型に取り付けられ、前記バックプレートには前記かしめダイスの中空孔に連通し、かつ横外側方に開口するスクラップ排出通路が設けられている。
【0009】
前記下型は、基端部に下方へ突出する支持突部を有し、該支持突部が前記下台盤に設けた案内溝に嵌合して、前記下型の前後方向及び左右方向の位置が規制され、上下動可能に支持されている。
【0010】
また、前記パイプ材が角パイプの場合には、該角パイプの4面にナットを固着できるようにするため、角柱状の長尺体からからなる下型の両側面及び下面に、既に前記角パイプに固着されているナットの逃げ溝が前端から後端まで軸方向に延びて設けられる。
【発明の効果】
【0011】
上記構成を有する本発明よれば、パイプ材、特に金属製角パイプに取付孔を穿けることなく、ナットを容易に固着することができ、パイプ材の外側からねじ締結に供し得るものである。
【0012】
また、本発明のプレス装置は、自動化が容易に行なえ、ナットをパイプ材の内側に容易、かつ能率良く固着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1ないし図4は、本発明に係るパイプ材にナットを固着するプレス装置を示しており、該プレス装置は、後述する金属製角パイプ60(図5、図6参照)にピアスナット61を内側から固着するのに使用する。該プレス装置の機枠1は、下台盤2の前端側に並列して立設した2本のガイドポスト4,4と後端側に立設した後側壁5とで上台盤3が支持されている構造である。
【0015】
下台盤2には、角柱状の長尺体からなる下型6が前後方向へ延びてほぼ水平に配設され、上台盤3側には、平板状の上型7がガイドポスト4,4に沿って下型6の軸線に対して直交する上下方向へ可動自在に取り付けられている。
【0016】
下型6は、前端部に傾斜案内面8を有し、基端部(後端部)に下方へ突出する短い直方体形状の支持突部9を有しており、該支持突部9が下台盤2に設けた案内溝9′に嵌合して、下型6が下台盤2に対して前後方向及び左右方向の位置が規制され、かつ上下動可能に支持されている。下型6の上面側には、基端部(後端部)から前端部近傍まで延びるナット供給通路10が設けられ、該ナット供給通路10の基端にナット供給ホース11が接続されている。そして、パーツフィーダ等のナット供給装置(図示せず)から自動供給されるピアスナット(以下、ナットという。)61がナット供給ホース11を通じてナット供給通路10に連続的に供給され、ナット供給通路10前端のナット供給位置12に給送されたナット61を検出するナットセンサ13が下型6の前端部に設けられている。また、角パイプ60の4面にナット61を固着できるようにするため、下型6の両側面及び下面には、既に角パイプ60の内側に固着されているナット61の逃げ溝65が設けられている。該逃げ溝65は下型6の前端から後端まで軸方向に延びており、既にナット61が固着されている角パイプ60を下型6に被嵌したとき、角パイプ60に固着して内側に突出しているナット61が逃げ溝65に沿ってスムーズに移動できるように構成されている。
【0017】
下型6の前端部内側には、図3、図4に示すように、ナット供給位置12にあるナット61を押し上げるプッシャ14が嵌装されいてる。該プッシャ14は、下部に係合溝16を有する断面形状が門形のプッシャ本体15にナット61を押し出すパンチ部17が一体に突設されていて、下型6の軸線に対して直交する方向へ可動自在に下型6に収容され、図9に示すように、パンチ部17がナット供給位置12に連通開口する開口部18を通じてナット供給通路10内に突出するように配置されており、常時は押しばね19により下型6内の待機位置に付勢されている。プッシャ本体15の係合溝16の内側底面には、後述するカム作動杆21の傾斜カム面22と係合する傾斜面20が設けられている。
【0018】
カム作動杆21は、角軸状部材からなり、プッシャ14の係合溝16に係合する先端部分に傾斜面20と摺接する傾斜カム面22を有している。該カム作動杆21は下型6の基端部(後端部)から軸方向に延びる挿通穴24に軸方向へ摺動自在に収容され、後端部に連設した連結片23が、後側壁5に設置した油圧シリンダ25のピストンロッド26に連動連結されている。図10に良く示されているように、連結片23には上下方向に長い長孔27が設けられていて、該長孔27に挿通したピン28を介してピストンロッド26に連結され、下型6の上下動を長孔27とピン28で吸収するように構成されていると共に、油圧シリンダ25の作動時には、図10(b)に示すようにピストンロッド26の前端面でカム作動杆21の後端面29を加圧して、カム作動杆21を下型6の前端側へ押動するようになっている。
【0019】
また、下台盤2には、下型6の前端部位を僅かに持ち上げた姿勢で当接支持する上下動可能なリフター30と、下型6の中間部位ないし後端部位を僅かに持ち上げるように当接支持し、かつ、後述するように下型6に被嵌した角パイプ60の端面62が当接して位置決めされる上下動可能なストッパ31とが設けられている。
【0020】
リフター30は、図11に示すように、上端に円錐状頂部33を有し、下端にフランジ部34を有する円筒状本体32が下台盤2に上下動自在に取り付けられ、かつ、押し上げばね35により円錐状頂部33が下台盤2から突出するように付勢されており、該円錐状頂部33により下型6の前端部位を僅かに持ち上げた姿勢で当接支持すると共に、押し上げばね35に抗して円筒状本体32を押し下げ可能になっている。一方、フランジ部34により円錐状頂部33の突出量が規制されている。該リフター30は、単一であってもよいが、下型6の下面には前述のように既に角パイプ60が固着されているナット61の逃げ溝65が設けられているので、該逃げ溝65を避けるため、図3に示すように、横方向に並列して2つ配設されている。
【0021】
ストッパ31は、図12に示すように、上端に扁平頂部37を有し、下端にフランジ部38を有する円筒状本体36が下台盤2に上下動自在に取り付けられ、かつ、押し上げばね39により扁平頂部37が下台盤2から突出するように付勢されており、扁平頂部37により下型6の中間部位ないし後端部位を僅かに持ち上げるように当接支持し、かつ、下型6に被嵌した角パイプ60の端面62を円筒状本体36の側面に当接させて位置決めするようになっている(図6参照)。また、ストッパ31にタッチセンサ機能をもたせるため、円筒状本体36を導電性金属材料により製造し、図12に示すように、円筒状本体36と下台盤2及び下型6との接触部位に絶縁体40を介装しておき、下型6に被嵌した角パイプ60の端面62がストッパ31の円筒状本体36の側面に当接して位置決めされると同時に、ストッパ31がタッチセンサとして機能し、油圧シリンダ25と後述する油圧シリンダ50を作動させるように構成することも可能である。
【0022】
さらに、図13に示すように、ストッパ31をエアシリンダ41で構成し、そのピストンロッド42を下台盤2から突出させて、該ピストンロッド42により下型6を僅かに持ち上げるように当接支持させるようにしてもよい。この場合、複数のエアシリンダ41を下型6の長手方向に所定間隔を隔てて並列状態に下台盤2に配設しておき、各エアシリンダ41のピストンロッド42の突出及び後退を制御して、下型6に被嵌した角パイプ60の停止位置を変更することにより、複数のナット61を一定間隔を隔てて自動的に角パイプ60に固着することも可能である。
【0023】
一方、上型7には、バックプレート45を介してダイスホルダ46が取り付けられ、該ダイスホルダ46にかしめダイス47が取り付けられている。バックプレート45には、かしめダイス47の中空孔48に連通し、かつ斜上方に延びて横外側方に開口するスクラップ排出通路49が設けられている。該上型7は、上台盤3に設置した油圧シリンダ50のピストンロッド51に連動連結され、油圧シリンダ50によりガイドポスト4,4に沿って上下動せしめられる。かしめダイス47は、下型6のナット供給位置12を挟んでプッシャ14に対向位置するように配設され、油圧シリンダ50のピストンロッド51で上型7を押し下げることにより、かしめダイス47が下型6に被嵌した角パイプ60を加圧して、下台盤2に押し付けるようになっている。そして、油圧シリンダ50がかしめダイス47を押し下げる加圧力が、油圧シリンダ25によりプッシャ14を押し上げる加圧力より大きく設定されている。
【0024】
次に、上記のように構成された本発明によるプレス装置の作動について説明する。
【0025】
図5、図6は、金属製角パイプ60が下型6に被嵌され所定位置に保持された準備状態を示している。角パイプ60の前端開口を下型6前端の傾斜案内面8により案内誘導して下型6に被嵌し、後端側へ挿入すると、開口端面62がリフター30の円錐状頂部33の傾斜面に沿って移動する際に押しばね35に抗してリフター30を押し下げながら移動し、開口端面62がストッパ31の側面に当接した位置で停止して、図5、図6に示す準備状態が完了する。
【0026】
次に、図示しない運転制御装置のスタートスイッチを押して油圧シリンダ50と油圧シリンダ25を順次作動させるが、ナットセンサ13によりナット61が供給位置12に供給されていることを検出しない限り油圧シリンダ50及び油圧シリンダ25は作動しない。
【0027】
先ず油圧シリンダ50が作動して、図7、図8に示すように、上型3と共にかしめダイス47が下降し、角パイプ60を下台盤2押し付ける。次に油圧シリンダ25が作動して、ピストンロット26によりカム作動杆21を下型6の前端側に押動すると、傾斜カム面22によりプッシャ14が押し上げられ、そのパンチ部17でナット供給位置12に位置しているナット61を角パイプ60の内側面に押圧すると共に、さらに押し上げられるナット61がかしめダイス47と共働して、角パイプ60を打ち抜き、その開口周縁部をかしめダイス47によりかしめて、ナット61が角パイプ60の内側に固着される。このとき油圧シリンダ50により押し下げられているかしめダイス47の加圧力が、油圧シリンダ25によりカム作動杆21を介してプッシャ14により押し上げられるナット61の加圧力より大きく設定されていることによって、ナット61による角パイプ60の打ち抜きと、かしめダイス47によるかしめ工程が実現するものである。一方、ナット61により打ち抜かれた角パイプ60のスクラップ片63は、図9に示すように、かしめダイス47の中空孔48からバックプレート45のスクラップ排出通路49を経て外部に排出される。
【0028】
角パイプ60にナット61が固着されると、油圧シリンダ25と油圧シリンダ50は、図5、図6に示す位置に戻る。続いて、ナット61が固着された角パイプ60を下型6から抜き取り、次の角パイプ60を上記同様に下型6に被嵌して準備する。なお、角パイプ60に複数のナット61を固着する場合には、上記したナット61の固着作業が完了したのち、角パイプ60を下型6に沿って所定距離移動変位させた状態で、上記同様にしてナット61の固着作業を行なえばよい。さらに、角パイプ60の他の3面にナット61を固着する場合には、上述のようにしてナット61が固着された角パイプ60を下型6から抜き取り、ナット61を固着する側面が上側になるように向きを替えて再び下型6に被嵌し、上記同様にしてナット61を固着すればよい。このとき、既に角パイプ60に固着され内側に突出しているナット61は逃げ溝65に沿って移動するから、固着作業に支障を来たすおそれはない。
【0029】
上記の実施の形態においては、角パイプ60にピアスナット61を固着する実施例について説明したが、下型6の外観形状を変えることで丸パイプ材や異形の断面形状を有するパイプ材にも適用することが可能である。また、カム駆動手段及びかしめダイス駆動手段としては、実施形態に採用した油圧シリンダの他、空圧シリンダやサーボモータ等の他の加圧装置を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るパイプ材にナットを固着するプレス装置の正面図である。
【図2】同上プレス装置の側面図である。
【図3】同上プレス装置の要部縦断正面図である。
【図4】同上プレス装置の要部縦断側面図である。
【図5】同上プレス装置に金属製角パイプをセットした準備工程を示す要部縦断正面図である。
【図6】同上準備工程を示す要部縦断側面図である。
【図7】同上プレス装置にセットした金属製角パイプにピアスナットを固着する工程を示す要部縦断正面図である。
【図8】同上固着工程を示す要部縦断側面図である。
【図9】同上固着工程の要部を拡大して示す縦断側面図である。
【図10】同上プレス装置のカム作動杆と油圧シリンダとの連結部分を示す側面図である。
【図11】同上プレス装置におけるリフターの縦断側面図である。
【図12】同上プレス装置におけるストッパの縦断側面図である。
【図13】同上プレス装置におけるストッパの別の実施形態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 機枠
2 下台盤
3 上台盤
4 ガイドポスト
5 後側壁
6 下型
7 上型
9 支持突部
9′ 案内溝
10 ナット供給通路
11 ナット供給ホース
12 ナット供給位置
13 ナットセンサ
14 プッシャ
17 パンチ部
21 カム作動杆
22 傾斜カム面
25 油圧シリンダ
30 リフター
31 ストッパ
45 バックプレート
46 ダイスホルダ
47 かしめダイス
50 油圧シリンダ
60 金属製角パイプ
61 ピアスナット
62 角パイプ60の端面
63 角パイプ60のスクラップ片
65 逃げ溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下台盤の前端側に立設したガイドポストと後端側に立設した後側壁とで上台盤が支持されている機枠と、
基端部が前記下台盤の後端側に上下動可能に支持され、前端部が前記下台盤の前端側へ延びている、パイプ材を被嵌して保持する長尺体の下型と、
前記下型の前端部位を僅かに持ち上げた姿勢で当接支持する上下動可能なリフターと、 前記下型の中間部位を僅かに持ち上げるように当接支持し、かつ、前記下型に被嵌した前記パイプ材の端面が当接して位置決めされる上下動可能なストッパと、
前記下型の外側面に設けられ、該下型の基端部から前端部まで軸方向へ延びるナット供給通路と、
前記ナット供給通路の基端に接続されたナット供給ホースと、
前記ナット供給通路前端のナット供給位置にあるナットを検出するナットセンサと、
前記下型の前端部内側に軸線に対して直交する方向へ可動自在に収容され、前記ナット供給位置に押し出されるプッシャと、
前記下型の内側に軸方向へ可動自在に収容され、先端部に設けた傾斜カム面が前記プッシャに係合して、該プッシャを前記ナット供給位置に押し出すカム作動杆と、
該カム作動杆を軸方向へ往復動させるカム駆動手段と、
前記ガイドポストに沿って前記下型の軸線に対して直交する方向に可動自在に設けられた上型と、
前記上型に取り付けられ、前記ナット供給位置を挟んで前記プッシャと対向位置するかしめダイスと、
前記上台盤に設置され、前記上型を前記下型の軸線に対して直交する方向に往復動させ、かつ、前記かしめダイスを加圧する力が前記プッシャを押し出す力より大きく設定されているダイス駆動手段と、
を備えていることを特徴とするパイプ材にナットを固着するプレス装置。
【請求項2】
前記リフターは、頂部に山形の傾斜案内面を有し、前記下台盤に収容したスプリングによって前記下型に当接支持するように付勢されており、前記下型にパイプ材を被嵌する際、該パイプ材が前記傾斜案内面に沿って移動することにより前記リフターを押し下げるように構成されている請求項1記載のパイプ材にナットを固着するプレス装置。
【請求項3】
前記ストッパはタッチセンサ機能を有し、前記下型に被嵌したパイプ材の端面が前記ストッパに当接して位置決めされると同時に、これに連動して前記カム駆動手段と前記ダイス駆動手段が自動的に作動するように構成されている請求項1又は2記載のパイプ材にナットを固着するプレス装置。
【請求項4】
前記かしめダイスは、ダイスホルダとバックプレートを介して前記上型に取り付けられ、前記バックプレートには前記かしめダイスの中空孔に連通し、かつ横外側方に開口するスクラップ排出通路が設けられている請求項1、2又は3記載のパイプ材にナットを固着するプレス装置。
【請求項5】
前記下型は、基端部に下方へ突出する支持突部を有し、該支持突部が前記下台盤に設けた案内溝に嵌合して、前記下型の前後方向及び左右方向の位置が規制され、上下動可能に支持されている請求項1ないし4のいずれかに記載のパイプ材にナットを固着するプレス装置。
【請求項6】
前記パイプ材が角パイプであって、前記下型が角柱状の長尺体からなり、該下型の両側面及び下面に、既に前記角パイプに固着されているナットの逃げ溝が前端から後端まで軸方向に延びて設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のパイプ材にナットを固着するプレス装置。
【請求項7】
前記カム駆動手段が、前記後側壁に取り付けた油圧シリンダであって、該油圧シリンダのピストンロッドが、ピンと長孔を介して前記下型の後端に連結され、作動時に前記下型の後端面を前記ピストンロッドの前端面で押圧するように構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のパイプ材にナットを固着するプレス装置。
【請求項8】
前記ダイス駆動手段が、前記上台盤に設置された油圧シリンダであって、該油圧シリンダのピストンロッドが前記上型に連結されている請求項1ないし7のいずれかに記載のパイプ材にナットを固着するプレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−297416(P2006−297416A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−119406(P2005−119406)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000248886)有限会社新城製作所 (9)
【Fターム(参考)】