説明

パイプ絶縁用高温硬質ポリウレタン噴霧フォーム

本発明は、シクロペンタンを発泡剤として使用して製造され、および高温(>250°F)に耐えることができることからパイプ絶縁に有用である、硬質ポリウレタン噴霧フォームを提供する。本発明のフォームは、ポリオールとイソシアネートとの比約1:1.25にて反応するため、既存のフォーム噴霧器を用いて噴霧することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、硬質ポリウレタン、より詳細には、発泡剤としてシクロペンタンを使用する高温(>250°F)硬質ポリウレタン噴霧フォームに関する。このようなフォームは、パイプ絶縁に特に適当である。
【背景技術】
【0002】
北アメリカにおける絶縁パイプの製造業者は、伝統的に、アスベスト、ケイ酸カルシウム、ミネラルウールおよびガラス繊維のような材料を使用して、250°Fを超える温度にて材料を運ぶパイプを絶縁している。絶縁材は、通常、パイプを包み込み、そしてパイプに固定される。
【0003】
硬質ポリウレタンフォームは、優れたパイプ絶縁材を製造し、およびパイプの周囲で成形され、バンストックから切断され、そしてパイプに固定され得るか、または回転するパイプ上に噴霧され得る。硬質ポリウレタンフォームは、1960年代前半以来、欧州にて地域暖房パイプを絶縁するのに使用されてきた。また、ポリウレタン絶縁パイプは、化学工場にて液体を送るためにも使用されている。これらの用途は、典型的に、絶縁材が約250〜350°F(121〜177℃)の連続動作温度に耐えることを要求する。
【0004】
硬質ポリウレタンフォームは、絶縁体として、典型的に、約250°Fの最大動作温度を有する。欧州標準EN 253は、特定の動作温度での絶縁パイプの耐用年数を予測するために採用された。この標準は、特定の試験を規定し、およびポリウレタンフォーム絶縁材の最小限の要件を与える。特定の動作温度での耐用年数は、高温での時間に亘る、すなわち、160℃で3,600時間または170℃で1,450時間でのパイプ絶縁材の軸方向および接線方向剪断試験から評価される。アレニウス関係は、剪断試験の結果を使用することによって明らかになり、およびこれを使用して特定の温度での絶縁材の耐用年数が予測される。米国は、比較できる標準検定試験を有しない。したがって、ポリウレタン絶縁パイプ製造業者は、特定の温度でのポリウレタンフォームの性能を確実なものにするためには、ポリウレタンフォーム供給業者を頼りにしなければならない。
【0005】
クロロフルオロ炭素(CFC)、ヒドロクロロフルオロ炭素(HCFC)および水は、硬質ポリウレタンフォームの製造に使用される好ましい発泡剤であった。しかしながら、米国環境保護庁(EPA)は、CFCの使用を禁止し、およびHCFCの製造および使用を制限した。代替の発泡剤の幾つかは、ヒドロフルオロ炭素(HFC)、水および炭化水素である。
【0006】
HFC−245faと水との組合せを使用する噴霧フォーム系が開発されている。しかしながら、多くの既存の噴霧フォーム機械は、1:1または1:1.25の固定されたポリオールとイソシアネートとの体積比(B/A)で動作し、したがって、発泡剤としての水の使用を制限する。シクロペンタンは、オゾン層破壊係数(ODP)0、低蒸気熱伝導率(25℃にて0.012W/mK)、および沸点49.3℃を有し、硬質ポリウレタン噴霧フォーム用の実行可能な発泡剤として提案されている。
【0007】
多くの当業者は、パイプ絶縁体として機能するポリウレタンフォームを提供することを試みた。
Molinaらに付与された米国特許6,281,393は、フェノール、アルカノールアミン、およびホルムアルデヒドを1:1:1〜1:2.2:2.2のモル比で混合して、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物を使用してアルコキシル化されて公称官能価3〜5.4を有するポリオールを製造し得る開始剤を得ることによって製造された、25℃にて粘度300〜3,500cps(0.3〜3.5Pa・s)を有するマンニッヒポリオールを教示する。Molinaらは、このようなポリオールの使用分野の一つは、屋根およびパイプ絶縁用途に使用される噴霧フォーム系であると述べている。水と共に使用される好ましい発泡剤は、HCFC−141b、HCFC−22、HFC−134a、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、HCFC−124およびHFC−245である。
【0008】
米国特許5,064,873中でSniderらは、発泡剤の存在下、イソシアネート末端疑似プレポリマーと、ポリエステルポリオールの約7重量%未満の遊離グリコール含量を有するポリエステルポリオールを含んでなるポリオール成分とを反応させることによって製造される硬質セルラーポリマーを教示する。疑似プレポリマーとポリエステルポリオールとの併用は、フォームの熱絶縁特性を向上させると述べられている。Sniderらのフォーム材料は、フェーシング工具を用いて、または用いずに、パイプ絶縁に有用であると述べられている。
【0009】
Rotermundらに付与された米国特許5,895,792は、a)ポリイソシアネートと、b)イソシアネートに対して反応性の水素原子を含有する化合物とを、c)水、および、所望の場合、d)物理的に作用する発泡剤およびe)触媒および既知の助剤および/または添加剤の存在下、反応させることを含む、改善された加熱耐変形性および低減された熱伝導率を有する硬質ポリウレタンフォームの製造方法を開示する。該イソシアネートに対して反応性の水素原子を含有する化合物b)は、b1)エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドをヘキシトールまたはヘキシトール混合物に付加することによって製造することができる、ポリオール混合物に基づいて15〜30重量%のポリオール混合物の総ヘキシトール含量を有するポリオールと、b2)エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを一以上の芳香族アミンに付加することによって製造することができる、ポリオール混合物に基づいて1〜10重量%のポリオール混合物の総アミン含量を有するポリオールとを含んでなるポリオール混合物であり、および成分b)中のポリオール混合物の量は、成分b)100重量部当たり60〜100重量部である。Rotermundらの特許に開示された方法は、プラスチック被覆パイプにおける使用のための硬質ポリウレタンフォームを提供すると述べられている。該フォームは、高温にて低い熱伝導率および高い加熱耐変形性を有すると述べられ、ハロゲン化炭化水素を使用することなく製造することができ、および低い化学分解を示し得る。しかしながら、Roetemundらのヘキシトール系フォームは、1:1.25の体積比で反応せず、それらのフォームは、噴霧可能であるとも述べられていない。
【0010】
UTECH 2003(2003年3月25日〜27日)にて提供された「Global opportunities in Pipe in Pipe technology」中でMortonらは、高温耐性を有する変性ポリイソシアヌレートポリウレタンフォームを開示している。これは、工業的プレ絶縁パイプの製造に有用であると述べられる。Mortonらのポリウレタンフォームは、連続製造法ならびに従来の不連続法において、健全な加工可能性を有すると述べられている。さらに、高温での初期耐熱性および予備老化研究は、10年間の期間に亘って172℃より高い計算連続動作温度を示すと述べられている。Mortonらのフォームは、体積比1:1.25で反応しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、当該分野において、高温(>250°F)に耐えることができ、および既存のフォーム噴霧器において、ポリオールとイソシアネートとの比約1:1.25にて噴霧することができる、発泡剤としてシクロペンタンを使用するパイプ絶縁用の硬質ポリウレタン噴霧フォームに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、シクロペンタンを発泡剤として使用し、および高温(>250°F)に耐えるそれらの能力のために、パイプ絶縁に有用である、このような硬質ポリウレタン噴霧フォームを提供する。本発明のフォームは、既存のフォーム噴霧器を使用し得る。なぜなら、該フォームは、約1:1.25のポリオールとイソシアネートとの比にて反応するからである。本発明のこれらのおよび他の利点および利益は、以下の本発明の詳細な説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を限定する目的ではなく、説明する目的で記載する。実施例を除いて、または他に示さない限り、本明細書中に示された量、百分率、OH価、官能価などの全ての数は、いずれの場合も、用語「約」によって修飾されていると理解すべきである。本明細書中にダルトン(Da)で示される当量および分子量は、他に示さない限り、それぞれ数平均当量および数平均分子量である。
【0014】
本発明の硬質ポリウレタンフォームは、
ポリオール成分の重量に基づいて70%〜40重量%の少なくとも一つのポリエーテルポリオールと、
ポリオール成分の重量に基づいて30%〜60重量%の350mgKOH/g未満のOH価を有する少なくとも一つのポリエステルポリオールと
を含んでなるポリオール成分と、
少なくとも一つのイソシアネートとを、
ポリオール成分とイソシアネートとの体積比1:1.25にて、
n−ペンタン、イソペンタンおよびシクロペンタンから選択される発泡剤の存在下、および必要に応じて、触媒、充填剤、添加剤および界面活性剤の少なくとも一つの存在下、
反応させた反応生成物であり、
該硬質ポリウレタンフォームは、2.6未満の架橋密度を有する。
【0015】
さらに、本発明は、硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
ポリオール成分の重量に基づいて70%〜40重量%の少なくとも一つのポリエーテルポリオールと、
ポリオール成分の重量に基づいて30%〜60重量%の350mgKOH/g未満のOH価を有する少なくとも一つのポリエステルポリオールと
を含んでなるポリオール成分と、
少なくとも一つのイソシアネートとを、
ポリオール成分とイソシアネートとの体積比1:1.25にて、
n−ペンタン、イソペンタンおよびシクロペンタンから選択される発泡剤の存在下、および必要に応じて、触媒、充填剤、添加剤および界面活性剤の少なくとも一つの存在下、
反応させることを含み、
該硬質ポリウレタンフォームは、2.6未満の架橋密度を有する、
方法を提供する。
【0016】
さらにまた、本発明は、硬質ポリウレタンフォームをパイプ上に噴霧することを含むパイプの絶縁方法であって、該硬質ポリウレタンフォームは、
ポリオール成分の重量に基づいて70%〜40重量%の少なくとも一つのポリエーテルポリオールと、
ポリオール成分の重量に基づいて30%〜60重量%の350mgKOH/g未満のOH価を有する少なくとも一つのポリエステルポリオールと
を含んでなるポリオール成分と、
少なくとも一つのイソシアネートとを、
ポリオール成分とイソシアネートとの体積比1:1.25にて、
n−ペンタン、イソペンタンおよびシクロペンタンから選択される発泡剤の存在下、および必要に応じて、触媒、充填剤、添加剤および界面活性剤の少なくとも一つの存在下、
反応させた反応生成物を含んでなり、
該硬質ポリウレタンフォームは、2.6未満の架橋密度を有する、
方法を提供する。
【0017】
本発明の硬質フォームの製造において、二つの予め処方された成分、一般に、いわゆるA成分(Aサイドとも呼ばれる)およびB成分(またはBサイド)が使用され得る。典型的に、A成分は、ポリオールを含有するB成分と反応してフォームを形成するイソシアネート化合物を含有し、およびこれらの二つの成分またはさらに別の成分に分配されたフォーム形成成分の残りを含有する。
【0018】
芳香族、脂肪族および脂環族ポリイソシアネートおよびそれらの組合せを含む、任意の有機ポリイソシアネートを、本発明の硬質フォームの製造に用いることができる。適当なポリイソシアネートは、例えば、米国特許4,795,763、4,065,410、3,401,180、3,454,606、3,152,162、3,492,330、3,001,973、3,394,164および3,124,605(その内容は、参照により本明細書中に組み込まれる)中に記載されている。
【0019】
このようなポリイソシアネートの例は、ジイソシアネート、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,4−および2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI(PMDI)、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;トリイソシアネート、例えば、4,4’,4’−トリフェニルメタン−トリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート;およびテトライソシアネート、例えば、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートである。
【0020】
また、プレポリマーも、本発明のフォームの製造に用いることができる。プレポリマーは、過剰の有機ポリイソシアネートまたはそれらの混合物と、Kohlerにより「Journal of the American Chemical Society」49、3181(1927年)に記載されるような、よく知られたツェレビチノフ試験によって決定されるより少ない量の活性水素含有化合物を反応させることによって製造することができる。これらの化合物およびそれらの製造方法は、当業者によく知られている。いずれか一つの特定の活性水素化合物の使用は重要ではなく、任意のこのような化合物を、本発明の実施に用いることができる。
【0021】
本発明のフォームに含ませるのに特に好ましいイソシアネートは、ポリマーMDI(PMDI)、またはPMDIプレポリマーである。
【0022】
これまで、絶縁材としてのポリウレタンの使用は、通常、250°F未満の動作温度を伴う用途に限定されてきた。フォームへのイソシアヌレート構造の組み込みは、熱安定性を高めることが知られている。しかしながら、多くの古い噴霧フォーム機械は、1:1または1:1.25の体積比に固定されたB/Aにて動作するので、高いNCO/OH基系を処方してフォームの三量体含量を増大させる可能性を排除している。したがって、高耐熱性フォームの特性は、概して、ポリオール成分によって決定される。2.6の架橋密度は、160℃より高い軟化温度を有するフォームを与えると報告されている。架橋密度は、ポリオールのヒドロキシル価および官能価、およびイソシアネートの官能価に依存する。本発明のフォームのポリオール成分は、少なくとも一つのポリエステルポリオールと少なくとも一つのポリエーテルポリオールとのポリオールブレンドである。ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールは、70:30〜40:60の比のブレンドの形態で存在する。
【0023】
本発明に有用なポリエーテルポリオールとしては、多官能性活性水素開始剤と、モノマー単位、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびそれらの混合物、好ましくはプロピレンオキシド、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物、との反応生成物が挙げられる。多官能性活性水素開始剤は、好ましくは2〜8の官能価を有し、およびより好ましくは3以上(例えば、4〜8)の官能価を有する。
【0024】
広範な開始剤は、アルコキシル化されて有用なポリエーテルポリオールを形成し得る。したがって、例えば、以下のタイプの多官能性アミンおよびアルコールがアルコキシル化され得る:モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、蔗糖および他の炭水化物。特に好ましくは、蔗糖またはソルビトールに基づくポリエーテルポリオールである。このようなアミンまたはアルコールは、当業者に既知の技術を使用してアルキレンオキシドと反応し得る。完成品ポリオールについて所望されるヒドロキシル価は、開始剤との反応に使用されるアルキレンオキシドの量を決定する。ポリエーテルポリオールは、開始剤と、単一のアルキレンオキシド、または逐次的に添加されてブロックポリマー鎖を与えるか、または一度に添加されてこのようなアルキレンオキシドのランダム分布を達成する、二以上のアルキレンオキシドとを、反応させることによって製造することができる。ポリオールブレンド、例えば、高分子量ポリエーテルポリオールと、より低い分子量のポリエーテルポリオールとの混合物も、用いることができる。
【0025】
ポリオールの製造に使用され得るアルキレンオキシドとしては、環式エーテル基、好ましくはα,β−オキシランを有する任意の化合物が挙げられ、およびこれは、非置換であるか、あるいはポリオールの製造において遭遇する条件下、化学的に反応しない不活性基で置換される。適当なアルキレンオキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−または2,3−ブチレンオキシド、ヘキサンオキシドの種々の異性体、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エポキシクロロヘキサン、エポキシクロロペンタンなどが挙げられる。性能、利用可能性および費用に基づいて最も好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびそれらの混合物であり、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはそれらの混合物が最も好ましい。アルキレンオキシドの組合せを用いてポリオールを製造する場合、アルキレンオキシドは、ポリオールのオキシド鎖内にオキシアルキレン単位のランダム分布を提供する完全な混合物として反応させることができる。あるいは、それらは、ポリオールのオキシアルキレン鎖内にブロック分布を与えるように、段階的な方法で反応させることができる。
【0026】
本発明に有用なポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸または酸誘導体、例えば、ポリカルボン酸の無水物またはエステル、および多価アルコールから、既知の手順によって製造することができる。酸および/またはアルコールは、ポリエステルポリオールの製造において、二以上の化合物の混合物として使用することができる。350mgKOH/g未満、より好ましくは300mgKOH/g未満のOH価を有するポリエステルは、本発明のフォームに含有させるのに好ましい。
【0027】
ポリカルボン酸成分(これは好ましくは二塩基性である)は、脂肪族、脂環族、芳香族および/またはヘテロ環式であり得、および、例えば、ハロゲン原子によって置換されていてもよく、および/または不飽和であってもよい。ポリエステルポリオール製造用のカルボン酸およびその誘導体の適当な例としては、シュウ酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;アジピン酸;ピメリン酸;スベリン酸;アゼライン酸;セバシン酸;フタル酸;イソフタル酸;トリメリト酸;テレフタル酸;フタル酸無水物;テトラヒドロフタル酸無水物;ピロメリト酸二無水物;ヘキサヒドロフタル酸無水物;テトラクロロフタル酸無水物;エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物;グルタル酸無水物;マレイン酸;マレイン酸無水物;フマル酸;必要に応じて一塩基性不飽和脂肪酸と混合した二塩基性および三塩基性不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸;テレフタル酸ジメチルエステルおよびテレフタル酸−ビス−グリコールエステルが挙げられる。
【0028】
任意の適当な多価アルコールを、ポリエステルポリオールの製造に使用することができる。ポリオールは、脂肪族、脂環族、芳香族および/またはヘテロ環式であり得、および好ましくはジオール、トリオールおよびテトラオールからなる群から選択される。20個以下の炭素原子を有する脂肪族二価アルコールが、高く満足できるものである。ポリオールは、必要に応じて反応に不活性な置換基、例えば、塩素および臭素置換基を含み得、および/または不飽和であり得る。適当なアミノアルコール、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど、も使用することができる。さらに、ポリカルボン酸は、多価アルコールとアミノアルコールとの混合物によって縮合され得る。
【0029】
適当な多価アルコールの例としては、限定されないが、エチレングリコール;プロピレングリコール−(1,2)および−(1,3);ブチレングリコール−(1,4)および−(2,3);ヘキサンジオール−(1,6);オクタンジオール−(1,8);ネオペンチルグリコール;1,4−ビス−ヒドロキシメチルシクロヘキサン;2−メチル−1,3−プロパンジオール;グリセリン;トリメチロールプロパン;トリメチロールエタン;ヘキサントリオール−(1,2,6);ブタントリオール−(1,2,4);ペンタエリスリトール;キニトール;マンニトール;ソルビトール;ホルミトール;α−メチル−グリコシド;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;テトラエチレングリコールおよびより高級のポリエチレングリコール;ジプロピレングリコールおよびより高級のポリプロピレングリコールならびにジブチレングリコールおよびより高級のポリブチレングリコールが挙げられる。特に好ましくは、オキシアルキレングリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、トリメチレングリコールおよびテトラメチレングリコールである。
【0030】
本発明におけるポリウレタンフォームを製造するのに有用な他の成分としては、当業界で既知のもの、例えば、界面活性剤、触媒、顔料、着色剤、充填剤、抗酸化剤、難燃剤、安定剤などが挙げられる。
【0031】
パイプ絶縁用噴霧フォーム処方物は、迅速に反応する必要がある。フォームは、回転するパイプから垂れ下がるのを、または振り落とされるのを避けるために、迅速に接着しなければならない。幾つかのプレ絶縁パイプ供給業者の製造方法は、ポリウレタンフォームが迅速に生強度を確立するのを要求する。
【0032】
フォームの反応性は、触媒濃度で調整することができる。アミン系触媒を使用してポリウレタン反応を開始させ、およびゲル化時間を低減させる。しかしながら、非常に高濃度のアミン系触媒は、高温にて促進されたポリウレタンフォーム分解反応を導き得るので、長期間の熱安定性を低減させ得る。本発明のフォームにおける好ましい触媒は、アミン触媒と金属系触媒との組合せである。
【0033】
適当な第3級アミン触媒の例としては、1,3,5−トリス(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノール−アミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミンおよびジメチル−ベンジルアミンが挙げられる。適当な有機金属触媒の例としては、有機水銀、有機鉛、有機鉄および有機錫触媒が挙げられ、有機錫触媒が好ましい。適当な有機錫触媒としては、カルボン酸の錫塩、例えば、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキサノエートおよびジブチル錫ジラウレートが挙げられる。また、金属塩、例えば、塩化第一錫も、ウレタン反応用触媒として作用し得る。また、ポリイソシアネートの三量体化用触媒、例えば、アルカリ金属アルコキシドまたはカルボキシレートも必要に応じて用いることができる。また、カルボン酸のカリウム塩、例えば、カリウムオクトエートおよび酢酸カリウムも有用である。このような触媒は、ポリイソシアネートの反応速度を測定できる程度に増大させる量で使用される。典型量は、ポリオール100重量部当たり触媒0.01〜5.0重量部である。
【0034】
ポリイソシアネート系フォームを製造する場合、より少ない量の界面活性剤を使用して、フォーム形成反応混合物を、それが剛性を得るまで安定化することが有利であり得る。シリコーン/エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーを含む任意の適当な界面活性剤を本発明に用いることができる。本発明に有用な界面活性剤の例としては、とりわけ、ポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマーNIAX L−5420、NIAX L−5340、およびNIAX Y10744(GE Siliconesから市販);DABCO DC−193(Air Products and Chemicals, Inc);およびTEGOSTAB B84PIおよびTEGOSTAB B−8433(Goldschmidt Chemical Corp)が挙げられる。他の適当な界面活性剤は、米国特許4,365,024および4,529,745に記載されている。他の、余り好ましくない界面活性剤としては、長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、長鎖アルキル酸スルフェートエステルの第3級アミンまたはアルカノールアミン塩、アルキルスルホン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸が挙げられる。このような界面活性剤は、フォーム形成反応混合物を、崩壊および大きく一様でないセルの形成に対して安定化するのに十分な量で用いられる。通常、界面活性剤は、フォーム形成組成物の0.05〜10重量%、および好ましくは0.1〜6重量%を含んでなる。
【0035】
本発明のフォームに含まれる発泡剤は、n−ペンタン、シクロペンタンまたはイソペンタンおよび必要に応じてより少ない量の水を含有する。発泡剤は、好ましくは、フォーム形成処方物の重量に基づいて2〜12重量部(pbw)、より好ましくは3〜8pbwの量で存在する。シクロペンタンは、本発明のフォームにおける発泡剤として特に好ましい。
【実施例】
【0036】
本発明を、限定されないが、以下の実施例によってさらに説明する。「部」および「%」で与えられる全ての量は、他に示さない限り、重量基準であると理解される。
【0037】
高温シクロペンタン発泡硬質ポリウレタン噴霧フォームを、ポリオールとイソシアネートとの体積比(B/A)1:1.25にて評価した。フォーム処方物を手でかき混ぜ、および箱(10.5x10.5x2.5インチ)中に注いだ。ゲル化時間を、25℃の化学温度によって、15〜25秒に調整した。自由発泡密度は、3.0〜4.0lb/ftであった。フォーム試料を、以下にまとめるように、ASTM試験方法にしたがって、コア密度(ASTM D 1622)、熱伝導率−k因子(ASTM C 518)、引張接着(ASTM D 1623)および圧縮強度(ASTM D 1621)について試験した。また、試料を、欧州標準EN 253:1994 5.3.5試験方法にしたがって、吸水率について試験した。
【0038】
熱安定性を、ホットプレート試験を使用して評価した。試験方法は、ASTM C 411−97およびASTM C 447−85に基づいた。試料(4ix4ix2インチ)を、完全な表面接触を確保するために、頂面上に鋼板を有するホットプレート表面に直接置いた。ASTM D 2126に基づいて、予備加熱オーブン試験を使用して、高温での寸法安定性を評価した。
【0039】
高温スクリーニング試験
上記ホットプレート試験を使用して、96時間の熱面への暴露の後の熱絶縁材の性能を評価した。試料を、亀裂および亀裂の深さについて調べた。ASTM C−447−85(1995)は、試験後に、性能基準、例えば、圧縮強度、寸法変化、および重量損失を測定することを要求する。
【0040】
市販の熱安定性HCFC−141bフォーム処方物を、ホットプレート試験を使用して評価した。試料(4ix4ix2インチ)を切断し、寸法を測り、重さを量り、および163℃に予備加熱したホットプレート上に置いた。96時間後、この試料を取り上げ、重さを量り、寸法を測り、そして炭化および亀裂について調べた。試料は破損せず、および少しの表面炭化が存在したことに気付いた。体積変化は+1.5%、および重量損失は1.3%であった。
【0041】
ホットプレート試験を、高温硬質フォーム用のスクリーニング手段として該試験を使用したことの正当性を立証するため、試験の継続時間を延長し、および温度を変化させることにより改変した。硬質フォームの熱安定性に対する所定の温度での時間の効果を決定することを決めた。試料を候補高温ポリウレタンフォーム処方物から製造し、および163℃のホットプレート上に置いた。試料を、定期的に取り上げおよび元に戻し、その結果、試験の継続時間は4日間〜180日間の範囲で変化した。試料を取り上げた後、それらを、重さを量り、寸法を測り、および半分に切断し、炭化/変色深さを決定した。30、60、90、120、150および180日間後に取り上げた試料は、同じ炭化/変色深さ、同様の重量損失、および体積変化を有した。このことは、ホットプレート試験の継続時間を少なくとも30日間とすべきであることを示す。
【0042】
温水器を絶縁するための別の市販のHCFC−141bフォームを、163℃にてホットプレート試験した。温水器フォームは、高温に対する耐性を必要としない。4日間後、試料を取り上げ、および寸法を測った。体積損失は、崩壊した試料の中央で約50%であった。この試験を行って、ホットプレート試験が硬質ポリウレタン高温フォームを評価するために実行可能な試験であることを立証した。
【0043】
フォーム処方物の反応性を15〜25秒間のゲル化時間に調整し、および自由膨張密度を、シクロペンタンを用いて3.0〜4.0lb/ftに調整した。得られたフォームの試料を、163℃にてホットプレート試験した。96時間後、試料を取り上げ、重さを量りおよび寸法を測った。重量損失は、2%未満であった。しかしながら、体積増加は、約50%であった。これらの試料は、ポリエステルポリオールおよび難燃剤によりもたらされる膨張のため、膨れ、炭化し、および破損した。フォームをASTM E−84トンネル試験の間に燃焼試験する場合、膨張は所望されるが、高温パイプ絶縁のために使用されるフォームに所望される特性ではない。なぜなら、膨張はフォームのパイプへの接着を弱め得るからである。
【0044】
以下の成分を、実施例の処方物に使用した:
ポリオールA:蔗糖系ポリエーテルポリオール(OH価約380mgKOH/g)、
ポリオールB:芳香族ポリエステルポリオール(OH価約240mgKOH/g)、
界面活性剤:ケイ素界面活性剤、Goldschmidt CompanyからTEGOSTAB B−8433として市販、
触媒A:第3級アミン触媒、Air ProductsからPOLYCAT 41として市販、
触媒B:酢酸カリウム触媒、Air ProductsからPOLYCAT 46として市販、および
イソシアネートA:ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(NCO含量約30.6%および25℃でのブルックフィールド粘度約700mPa・s)。
本発明の高温硬質ポリウレタン噴霧フォームの処方物を以下にまとめる。
【0045】
【表1】

【0046】
フォーム噴霧器の1:1.25B/A比の要件のため、300mgKOH/g未満のOH価を有するポリエステルを、ポリエーテルポリオールと組み合わせて、ホットプレート試験を使用して評価した。フタル酸系ポリエステルとポリエーテルポリオールとを含有するフォーム処方物は、良好なホットプレート試験結果を示した。体積変化は、極めて小さい炭化深さと共に、10%未満であった。ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールとの比を変動させ、およびポリマーMDIをイソシアネートとして選択して計算フォーム架橋密度2.6に近づけた。
【0047】
アミン系触媒と金属系触媒との組合せを、本発明の高温硬質ポリウレタン噴霧フォームにおいて評価した。フォームをBスケール生硬度ゲージを使用して分析した。結果を以下の表Iにまとめる。
【0048】
【表2】

【0049】
小スケール実験室試験および結果
パイプ絶縁用の本発明の硬質ポリウレタンシクロペンタン発泡噴霧フォームの高温性能を、小スケール実験室試験を使用して評価した。
試料をフォームから製造した。試料をブロック(4x4x2インチ)に切断し、寸法を測り、および重さを量った。試料を圧縮強度について試験した。試料を163℃に予備加熱したホットプレート上に置いた。30日間後、試料を取り上げ、重さを量り、および180℃のホットプレート上に置いた。別の30日間後、試料を、重さを量り、寸法を測り、およびさらなる30日間、205℃のホットプレート上に置いた。試料を取り上げ、重さを量り、および寸法を測った。試料を圧縮強度について試験した。結果を以下の表IIにまとめる。
【0050】
【表3】

【0051】
オーブン老化試験のためのフォーム試料を、試験箱中に製造した。引張接着試験のために、ポリウレタンフォーム処方物を、115〜120°Fに予備加熱したスケジュール40鋼鉄片上で発泡させた。コアフォーム試料を、寸法を測り、重さを量り、および170℃の予備加熱オーブン中に置いた。また、鋼板上で発泡させた試料もオーブン中に置いた。170℃にて77日間後、試料を取り上げ、重さを量り、寸法を測り、および圧縮強度について試験した。引張接着を、50日間後に試験した。結果を以下の表IIIにまとめる。
【0052】
また、150℃にて50日間ホットプレート試験した試料についても、引張接着を試験した。これらの結果も表IIIに含める。170℃の試料の引張接着の失敗は、フォーム対フォームであった。
【0053】
【表4】

【0054】
本発明のフォームからの試料を、ブロック(7x7x2インチ)に切断し、重さを量り、寸法を測り、およびk因子について試験した。また、試料を圧縮強度についても試験した。試料を、150℃に予備加熱したホットプレート上に置いた。試料を7日間毎に取り上げ、重さを量り、およびk因子について試験した。重量損失%およびk因子を、以下の表IV−Aに示す。
【0055】
【表5】

【0056】
91日間後、試料を取り上げ、および圧縮強度について試験した(表IV−B)。試料を炭化深さおよび亀裂について調べた。フォームについての変色の程度は、元の厚みの約30%であった。
【0057】
【表6】

【0058】
フォームの試料を、EN 253.1994 5.3.5試験手順を使用して、吸水率について試験した。結果を以下の表Vにまとめる。
【0059】
【表7】

【0060】
本発明の上記の実施例は、本発明を制限する目的ではなく、例示の目的で提供される。本明細書に記載された実施態様は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の方法で変形または修正され得ることは当業者には明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって判定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質ポリウレタンフォームであって、
ポリオール成分の重量に基づいて約70%〜約40重量%の少なくとも一つのポリエーテルポリオールと、
ポリオール成分の重量に基づいて約30%〜約60重量%の約350mgKOH/g未満のOH価を有する少なくとも一つのポリエステルポリオールと
を含んでなるポリオール成分と、
少なくとも一つのイソシアネートとを、
ポリオール成分とイソシアネートとの体積比約1:1.25にて、
n−ペンタン、イソペンタンおよびシクロペンタンから選択される発泡剤の存在下、および必要に応じて、触媒、充填剤、添加剤および界面活性剤の少なくとも一つの存在下、
反応させた反応生成物を含んでなり、
該硬質ポリウレタンフォームは、約2.6未満の架橋密度を有する、
硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項2】
少なくとも一つのイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよびそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項3】
少なくとも一つのイソシアネートは、m−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン2,4−および2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI(PMDI)、PMDIプレポリマー、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’,4’−トリフェニルメタン−トリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネートおよび4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートから選択される、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項4】
少なくとも一つのイソシアネートは、ポリマーMDI(PMDI)およびPMDIプレポリマーから選択される、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項5】
少なくとも一つのポリエーテルポリオールは、蔗糖またはソルビトールに基づく、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項6】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリト酸、テレフタル酸、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ピロメリト酸二無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物およびフマル酸から選択されるポリカルボン酸に基づく、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項7】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、フタル酸またはフタル酸無水物に基づく、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項8】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール−(1,2)および−(1,3)、ブチレングリコール−(1,4)および−(2,3)、ヘキサンジオール−(1,6)、オクタンジオール−(1,8)、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール−(1,2,6)、ブタントリオール−(1,2,4)、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、ホルミトール、α−メチル−グリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、トリメチレングリコールおよびテトラメチレングリコールから選択されるポリアルコールに基づく、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項9】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、約300mgKOH/g以下のOH価を有する、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項10】
触媒は、1,3,5−トリス(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノール−アミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジラウレート、塩化第一錫、カリウムオクトエートおよび酢酸カリウムの少なくとも一つである、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項11】
発泡剤はn−ペンタンを含んでなる、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項12】
発泡剤はシクロペンタンを含んでなる、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項13】
フォームは、約250〜約350°Fの温度に少なくとも約30日間耐えることができ、かつ、構造的完全性を維持することができる、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項14】
請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームで絶縁されたパイプ。
【請求項15】
硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
ポリオール成分の重量に基づいて約70%〜約40重量%の少なくとも一つのポリエーテルポリオールと、
ポリオール成分の重量に基づいて約30%〜約60重量%の約350mgKOH/g未満のOH価を有する少なくとも一つのポリエステルポリオールと
を含んでなるポリオール成分と、
少なくとも一つのイソシアネートとを、
ポリオール成分とイソシアネートとの体積比約1:1.25にて、
n−ペンタン、イソペンタンおよびシクロペンタンから選択される発泡剤の存在下、および必要に応じて、触媒、充填剤、添加剤および界面活性剤の少なくとも一つの存在下、
反応させることを含み、
該硬質ポリウレタンフォームは、約2.6未満の架橋密度を有する、
方法。
【請求項16】
少なくとも一つのイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよびそれらの組合せから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも一つのイソシアネートは、m−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン2,4−および2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI(PMDI)、PMDIプレポリマー、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’,4’−トリフェニルメタン−トリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネートおよび4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも一つのイソシアネートは、ポリマーMDI(PMDI)およびPMDIプレポリマーから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも一つのポリエーテルポリオールは、蔗糖またはソルビトールに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリト酸、テレフタル酸、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ピロメリト酸二無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物およびフマル酸から選択されるポリカルボン酸に基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、フタル酸またはフタル酸無水物に基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール−(1,2)および−(1,3)、ブチレングリコール−(1,4)および−(2,3)、ヘキサンジオール−(1,6)、オクタンジオール−(1,8)、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール−(1,2,6)、ブタントリオール−(1,2,4)、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、ホルミトール、α−メチル−グリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、トリメチレングリコールおよびテトラメチレングリコールから選択されるポリアルコールに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、約300mgKOH/g以下のOH価を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
触媒は、1,3,5−トリス(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノール−アミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジラウレート、塩化第一錫、カリウムオクトエートおよび酢酸カリウムの少なくとも一つである、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
発泡剤はn−ペンタンを含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
発泡剤はシクロペンタンを含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
請求項15に記載の方法によって製造された硬質ポリウレタンフォームで絶縁されたパイプ。
【請求項28】
硬質ポリウレタンフォームをパイプ上に噴霧することを含むパイプの絶縁方法であって、該硬質ポリウレタンフォームは、
ポリオール成分の重量に基づいて約70%〜約40重量%の少なくとも一つのポリエーテルポリオールと、
ポリオール成分の重量に基づいて約30%〜約60重量%の約350mgKOH/g未満のOH価を有する少なくとも一つのポリエステルポリオールと
を含んでなるポリオール成分と、
少なくとも一つのイソシアネートとを、
ポリオール成分とイソシアネートとの体積比約1:1.25にて、
n−ペンタン、イソペンタンおよびシクロペンタンから選択される発泡剤の存在下、および必要に応じて、触媒、充填剤、添加剤および界面活性剤の少なくとも一つの存在下、
反応させた反応生成物を含んでなり、
該硬質ポリウレタンフォームは、約2.6未満の架橋密度を有する、
方法。
【請求項29】
少なくとも一つのイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよびそれらの組合せから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも一つのイソシアネートは、m−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン2,4−および2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI(PMDI)、PMDIプレポリマー、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’,4’−トリフェニルメタン−トリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネートおよび4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも一つのイソシアネートは、ポリマーMDI(PMDI)およびPMDIプレポリマーから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも一つのポリエーテルポリオールは、蔗糖またはソルビトールに基づく、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリト酸、テレフタル酸、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ピロメリト酸二無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物およびフマル酸から選択されるポリカルボン酸に基づく、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、フタル酸またはフタル酸無水物に基づく、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール−(1,2)および−(1,3)、ブチレングリコール−(1,4)および−(2,3)、ヘキサンジオール−(1,6)、オクタンジオール−(1,8)、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール−(1,2,6)、ブタントリオール−(1,2,4)、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、ホルミトール、α−メチル−グリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、トリメチレングリコールおよびテトラメチレングリコールから選択されるポリアルコールに基づく、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも一つのポリエステルポリオールは、約300mgKOH/g以下のOH価を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
触媒は、1,3,5−トリス(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノール−アミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジラウレート、塩化第一錫、カリウムオクトエートおよび酢酸カリウムの少なくとも一つである、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
請求項28に記載の方法によって製造された、硬質ポリウレタンフォームで絶縁されたパイプ。

【公表番号】特表2008−517094(P2008−517094A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536797(P2007−536797)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/036504
【国際公開番号】WO2006/044365
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】