説明

パチンコ機

【課題】係着部材と首部材との間に隙間が生じにくく、コイン等が挟み込まれたりしないハンドルを有するパチンコ機を提供する。
【解決手段】係着部材26の外周縁側に係止突起54、54を、中央側に係合突起55、55を夫々設け、首部材25に対して、係止突起54、54をフランジ部32に係止させるとともに、係合突起55、55を係合片33、33に係合させることによって、両部材を一体化し、外周側と中央側との両側において係着部材26を首部材25に係着させた。したがって、係着部材26を強引に前方へ引っ張ったとしても首部材25との間に隙間が生じにくく、首部材25と係着部材26との間へのコインや紙等の挟み込みを防止することができるし、ひいてはハンドル9が壊れる等の問題も防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動操作可能なハンドルを有するパチンコ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なパチンコ機には、回動操作可能なハンドルが備えられており、遊技者がハンドルを回動操作すると、遊技球が遊技領域へ打ち出されるようになっている。そして、このハンドルとしては、たとえば特許文献1に開示されているようなものがあり、パチンコ機本体に差し込まれて固定される首部材と、首部材の前端に係着される係着部材と、係着部材の前方に固定される装飾部材と、係着部材と装飾部材との間で回動可能に取り付けられるレバー部材とを備えている。そして、首部材と係着部材とは、その中央側に設けられた係合部と被係合部とを係合させるとともに、外周面側から1箇所をネジ止めする態様で固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−210704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技者が長時間にわたって遊技を継続する際に、手が疲れる等の理由からレバー部材を所定の回動位置で固定してしまうことが多々ある。そして、レバー部材を固定するにあたっては、係着部材を強引に前方へ引き出すようにして首部材と係着部材との間に隙間を生じさせ、この隙間にコイン等を挟み込むという手法がとられている。この手法に対し、上記特許文献1に記載の構成では、両部材を中央側で係合部と被係合部とにより連結しているものの、外周側においては1箇所をネジ止めしているにすぎないため、首部材と係着部材との間に隙間が生じやすい。そして、首部材と係着部材との隙間にコイン等を挟み込まれると、首部材内に設けられているレバー部材の回動角度を検出する機構が壊れてしまってレバー部材の回動角度を正確に検出できなくなったり、ハンドルがガタついたりするという問題が生じるし、そもそもコイン等の挟み込み自体も現在禁止されている行為となっている。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、係着部材と首部材との間に隙間が生じにくく、コイン等が挟み込まれたりしないハンドルを有するパチンコ機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、パチンコ機本体に差込可能な筒状の首部材と、前記首部材の前部に固定される係着部材と、前記係着部材の前面に回動可能に組み付けられるレバー部材と、前記レバー部材の前面を覆う前方部材とからなるハンドルが設置されており、前記レバー部材の回動位置に応じた打ち出し強度で遊技球を打ち出すパチンコ機であって、前記首部材と前記係着部材との何れか一方の外周縁側に係止部を、何れか他方の外周縁側に前記係止部が係止可能な被係止部を設けるとともに、前記首部材と前記係着部材との何れか一方の中央側に係合部を、何れか他方の中央側に前記係合部が係合可能な被係合部を夫々設けており、前記首部材と前記係着部材とを、外周縁側及び中央側の両側で連結した状態で固定可能としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記係止部と前記被係止部との係止位置と、前記係合部と前記被係合部との係合位置とが径方向で対向するように、前記係止部、前記被係止部、前記係合部、及び前記被係合部を設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記係着部材を円筒状に形成し、前記係着部材と前記首部材とを重ね合わせ、外周面からネジ止めすることにより両部材を固定可能とするとともに、前記係着部材の内周面において、ネジ止め部を基点として右回りに120度となる位置、及び左回りに120度となる位置に前記係止部又は被係止部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、首部材と係着部材との何れか一方の外周縁側に係止部を、何れか他方の外周縁側に係止部が係止可能な被係止部を設けるとともに、首部材と係着部材との何れか一方の中央側に係合部を、何れか他方の中央側に係合部が係合可能な被係合部を夫々設けており、首部材と係着部材とを、外周縁側及び中央側の両側で連結した状態で固定可能としているため、係着部材を強引に前方へ引っ張ったとしても首部材との間に隙間が生じない。したがって、首部材と係着部材との間へのコインや紙等の挟み込みを防止することができるし、ひいてはハンドルが壊れる等の問題も防ぐことができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、係止部と被係止部との係止位置と、係合部と被係合部との係合位置とが径方向で対向するように、係止部、被係止部、係合部、及び被係合部を設けているため、特に係止位置及び係合位置において首部材と係着部材との連結が強固となり、コイン等の挟み込みをより確実に防止することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、係着部材を円筒状に形成し、係着部材と首部材とを重ね合わせ、外周面からネジ止めすることにより両部材を固定可能とするとともに、係着部材の内周面において、ネジ止め部を基点として右回りに120度となる位置、及び左回りに120度となる位置に係止部又は被係止部を設けている。したがって、周方向で係着部材全体を均等に首部材へ連結することができ、コイン等の挟み込みを一層確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パチンコ機を正面側から示した説明図である。
【図2】パチンコ機を後面側から示した説明図である。
【図3】カバー部材の内部を示した説明図である。
【図4】ハンドルを分解した状態を前方からの斜視説明図である。
【図5】ハンドルを分解した状態を後方からの斜視説明図である。
【図6】(a)は首部材の斜視説明図、(b)は首部材を正面側から示した説明図である。
【図7】首部材のA−A線断面説明図である。
【図8】(a)は係着部材の斜視説明図、(b)は係着部材を正面側から示した説明図である。
【図9】係着部材のB−B線断面説明図である。
【図10】前板及び装飾部材を上方から示した説明図である。
【図11】前板、装飾部材、及びレバー部材を一体化した状態における断面説明図である。
【図12】係着部材を首部材に組み付ける様子を示した説明図である。
【図13】係着部材を首部材に組み付けた状態における断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
(パチンコ機の説明)
図1は、パチンコ機1を正面側から示した説明図である。また、図2は、パチンコ機1を後面側から示した説明図であり、図3は、カバー部材44の内部を示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域2a内へ遊技球を打ち込み、遊技領域2a内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス扉を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域2aとされている。
【0011】
当該遊技領域2aは、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール及び内レール等によって囲まれており、両レール間が遊技球を遊技領域2a内へ打ち込むための発射通路とされている。また、遊技領域2aの略中央には、「0」〜「9」の数字や絵柄等からなる「図柄」を表示するための図柄表示部6が設けられている。さらに、遊技領域2aには、遊技球が通過可能なゲート部材41、一対の爪片を開閉動作可能に備えたチューリップ式電動役物17、開閉可能な扉部材を有する大入賞装置18、多数の遊技釘42、42・・や風車43等が設置されている。
【0012】
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、どちらもミドル枠5の開放等に伴い機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
【0013】
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置64、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置65等が設置されている。また、44は、合成樹脂製のカバー部材であって、当該カバー部材44の内部には、図柄表示部6に「図柄」を表示させるための液晶表示装置(図示せず)、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂「大当たり抽選」等)を実行するためのメイン制御装置20、図柄表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置63、及び払出装置12や表示制御装置63、スピーカ14やランプ部材15等の動作を統合的に制御するサブ制御装置22等が設置されている。尚、61は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、62は、アースである。
【0014】
以上のようなパチンコ機1では、遊技者によってハンドル9が回動操作されると、発射装置10が作動して遊技球が遊技領域2a内へ打ち込まれる。そして、遊技領域2a内を流下する遊技球がチューリップ式電動役物17へ入賞すると、メイン制御装置20にて「大当たり抽選」を行い、所謂「大当たり」である場合には、図柄表示部6に「図柄」を所定態様(たとえば、「7、7、7」等)で表示させた後、大入賞装置18の扉部材を所定回数にわたって断続的に開成させるといった所謂「大当たり状態」を生起させる。
【0015】
(ハンドルの説明)
ここで、本発明の要部となるハンドル9について、図4〜図11にもとづき詳細に説明する。図4及び図5は、ハンドル9の分解斜視図であり、図4は前方からの斜視図、図5は後方からの斜視図である。また、図6(a)は首部材25の斜視図、図6(b)は首部材25の正面図であり、図7は首部材25のA−A線断面説明図である。さらに、図8(a)は係着部材26の斜視図、図8(b)は係着部材26の正面図であり、図9は係着部材26のB−B線断面説明図である。加えて、図10は前板29及び装飾部材30を上方から示した説明図であり、図11は前板29、装飾部材30、及びレバー部材27を一体化した状態における断面説明図である。
【0016】
ハンドル9は、パチンコ機1から前方へ突出するような姿勢で設置されるものであり、図4及び図5に示す如く、首部材25と、係着部材26と、レバー部材27と、スペーサ28と、前板29と、装飾部材30とを組み付けてなる。首部材25は、前後方向に長い筒状体であって、その後端をパチンコ機1本体に差し込むようにして取り付けられる。首部材25の内部空間25aには、レバー部材27の回動量を検知するためのボリューム部材(図示せず)が設置されている。該ボリューム部材は、発射装置10と電気的に接続されており、ボリューム部材が検知したレバー部材27の回動量に応じて、発射装置10では遊技球の打ち出し強度を調整するようになっている。また、首部材25の前端面には、前方へ突出するリブ31がレバー部材27の回動軸周りに周設されており、リブ31の前端外周縁には径方向外側へ突出するフランジ部32が設けられている。一方、リブ31の前端内周縁には、径方向内側へ突出する一対の係合片33、33が設けられている。そして、フランジ部32の後面側に後述する係着部材26の係止突起54を、係合片33、33の後面側に係着部材26の係合突起55を夫々係止又は係合させることにより、係着部材26を首部材25に係着可能としている。さらに、リブ31にはネジ止め部37が設けられており、係着部材26を係着させた後、図示しないネジを利用してネジ止め可能としている。尚、34は、係止突起54をフランジ部32の後面側へ導くための切り欠きであり、35は、レバー部材27の軸部70を挿通させるための挿通孔である。また、36は、発射装置10の作動を停止させ、遊技球の打ち出しを停止させるためのストップボタンである。
【0017】
係着部材26は、首部材25のリブ31に係着される部材であって、首部材25と略同径で前後方向へ延びる筒状の本体51と、当該本体51の略中央に設けられ、本体51を前部51aと後部51bとに仕切る仕切板52とからなる。本体51の後部51b(すなわち、係着部材26の外周側)には、首部材25のネジ止め部37にネジ止めするためのネジ孔53が設けられているとともに、ネジ孔53を基点として右回りへ120度の位置及び左周りへ120度の位置に、それぞれ係止突起54が径方向内側へ突設されている。各係止突起54は、首部材25のリブ31に設けられた切り欠き34よりも小さく形成されており、切り欠き34を介してフランジ部32の後面側へ進入可能となっている。また、各係止突起54は先端へ向けて先細りする形状に形成され(すなわち、各係止突起54の両側面及び後面がテーパ面とされ)ており、切り欠き34内へスムーズに進入可能となっている。一方、仕切板52(すなわち、係着部材26の中央側)には、一対の係合突起55が下方へ切り起こし状に設けられている。各係合突起55は、径方向外側へ折り曲げられるL字状で、レバー部材27の回動軸を中心とした円弧状に形成されており、首部材25のリブ31の内側に嵌め込み可能とされている。また、各係合突起55は、その一部が上記係止突起54と径方向で対向するような位置に設けられている。加えて、仕切板52には、その前面に後述する前板29を固定するための3つの固定部56、56・・が設けられているとともに、中央にレバー部材27の軸部70を挿通させるための挿通孔57が開設されている。
【0018】
レバー部材27は、遊技者が把持して回動させる部材であって、略中心位置から後方へ突設された軸部70と、軸部70の前端から径方向外側へ拡がるように延設された板部71と、板部71の外周縁から一旦前方へ立ち上げられた後に後方へ折り返された把持部72とを一体的に形成してなる。軸部70の後端部は断面D字状に形成されており、首部材25内に設置されたボリューム部材に接続される。また、板部72には、その前面略中央に後述するスペーサ28を外装可能な案内突起74が前方へ突設されているとともに、案内突起74を囲むようにレバー部材27の回動を許容するための円弧状のスリット73、73が設けられている。また、把持部72は、その周面が波状に形成されており、遊技者が把持しやすい形状とされている。さらに、把持部72の前面内周縁には、後方へ僅かに凹む凹部75が内周縁に沿って周設されている一方、把持部72の前面外周縁には、前方へ僅かに突出する被り部76が外周縁に沿って周設されている。
【0019】
スペーサ28は、レバー部材27を滑らかに回動させるための筒状体である。そして、当該スペーサ28は、その後端部の内周面を案内突起74の外周面に当接させた状態で案内突起74に外装させる一方、前端部の外周面を後述する前板28の案内凹部46内へ嵌入させて取り付けられる。
【0020】
前板29は、レバー部材27の前方位置で係着部材26に固定され、当該前板29と係着部材26によりレバー部材27を前後から挟み込むための円板状部材であって、レバー部材27よりも一回り小径とされ、外周縁がレバー部材27の被り部76の内周面に当接した状態で組み付け可能となっている。当該前板29の後面中央部には、スペーサ28を嵌入可能な案内凹部46が設けられている。また、前板29の後面で案内凹部46の周囲には、前板29を係着部材26に固定するための3つの固定突起47、47・・が後方へ突設されており、各固定突起47はレバー部材27のスリット73内を貫通して後方へ突出可能となっている。さらに、前板29の後面の更に外周部には、後方へ僅かに突出する複数の塞止リブ48、48・・が同一円周上に設けられている。各塞止リブ48は、レバー部材27の回動軸を中心とした円弧状に形成されており、前板29をレバー部味27の前面に組み付けた際、レバー部材27の凹部75内に位置するようになっている。加えて、前板29の前面外周縁には、前方へ突出する被りリブ45が設けられている。尚、49は、装飾部材30を係止させるための係止孔である。また、案内凹部46内には、嵌入したスペーサ28を支持するための支持突起46a、46a・・が設けられている。さらに、前板29の後面は板金29aで被覆されている。
装飾部材30は、前板29の前面に取り付けられる円板状部材であって、係止孔49に係止可能な係止片50を備えているとともに、前板29より僅かに小径とされ、前板29の被りリブ45の内側に嵌め込むようにして取付可能となっている。
【0021】
以上のように構成されるハンドル9の組み立てについて説明する。
まず、上述の如く装飾部材30を被りリブ45の内側に嵌め込みながら、係止片50、50・・を係止孔49、49・・へ係止させ、前板29の前面に組み付ける。次に、前板29とレバー部材27との間に上述の如き態様でスペーサ28を介在させながら、前板29の固定突起47、47・・を、レバー部材27の前面側からスリット73、73を介して後方へ突出させ、レバー部材27の前面に前板29を組み付ける。また、係着部材26をレバー部材27の後方から近づけ、固定突起47、47・・を係着部材26の前面に設けられている固定部56、56・・にネジ止めし、前板29、レバー部材27、及び係着部材26を一体化する。尚、この状態においては、前板29がレバー部材27の前面において被り部76の内側に嵌め込まれ、前板29の外周縁が被り部76の内周面に当接しているとともに、前板29の塞止リブ48、48・・がレバー部材27の凹部75内に位置している。
【0022】
さらに、レバー部材27等と一体化された係着部材26を、図12及び図13に示す(尚、図12及び図13においてはレバー部材27等を省略している)ようにして、首部材25の前面に設けられたリブ31へ外装させて組み付ける。すなわち、係着部材26の係止突起54、54をリブ31の切り欠き34、34に対応させ、係着部材26を首部材25側へ押し込む。すると、係止突起54、54がフランジ部32の後方側へ移動して首部材25と係着部材26とが重なり合うとともに、係合突起55、55がリブ31の内側で係合片33、33よりも後方側へ移動する。その後、係着部材26を回転させると、係止突起54、54がフランジ部32の後面に係止するとともに、係合突起55、55が係合片33、33に係合する。そして、ネジ孔53及びネジ止め部37において首部材25と係着部材26とをネジ止めすれば、ハンドル9の組み立ては完了となる。
【0023】
(本実施形態による効果)
上述の如き構成を有するハンドル9を備えたパチンコ機1によれば、係着部材26の外周縁側に係止突起54、54を、中央側に係合突起55、55を夫々設けており、首部材25に対して、係止突起54、54をフランジ部32に係止させるとともに、係合突起55、55を係合片33、33に係合させることによって、両部材を一体化している。このように、外周側と中央側との両側において係着部材26を首部材25に係着しているため、係着部材26を強引に前方へ引っ張ったとしても首部材25との間に隙間が生じない。したがって、首部材25と係着部材26との間へのコインや紙等の挟み込みを防止することができるし、ひいてはハンドル9が壊れる等の問題も防ぐことができる。
【0024】
また、係止突起54と係合突起55とが径方向で対向するように設けており、係止突起54の係止位置と係合突起55の係合位置とが径方向で対向するように構成している。したがって、特に係止位置及び係合位置において首部材25と係着部材26との連結が強固となり、コイン等の挟み込みをより確実に防止することができる。
さらに、係着部材26において、係止突起54、54及び首部材25へネジ止めするためのネジ孔53を120度間隔で設けている。したがって、周方向で係着部材26全体を均等に首部材25へ連結することができ、コイン等の挟み込みを一層確実に防止することができる。
【0025】
一方、前板29の後面の外周縁側に複数の塞止リブ48、48・・を突設させるとともに、レバー部材27の前面に、前板29を組み付けた際に塞止リブ48、48・・を受け入れ可能な凹部75を設けている。したがって、レバー部材27と前板29との隙間へコインや紙等を挟み込むことを防止することができ、ひいてはハンドル9が壊れる等の問題も防止することができる。
また、レバー部材27の前面外周縁に沿って被り部76を前方へ突設させており、前板29を被り部76内へ嵌め込むようにして組み付け、組み付け状態において前板29の外周縁を被り部76の内周面に当接可能としている。したがって、レバー部材27と前板29との間へのコイン等の挟み込みをより確実に防止することができる。
【0026】
さらに、前板29の後面は、板金29aによって覆われているため、たとえコインや紙等が挟み込まれたとしても傷がつきにくくなっており、前板29や装飾部材30が損傷しにくい。
加えて、前板29の前面外周縁に沿って被りリブ45を前方へ突設させており、装飾部材30を被りリブ45の内側に嵌め込むようにして組み付け可能としている。したがって、装飾部材30と前板29との間へのコインや紙等の挟み込みも防止することができる。
【0027】
(本発明の変更例)
なお、本発明のパチンコ機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、ハンドルに係る構成や遊技機本体の構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0028】
たとえば、係着部材26に設ける係止突起54や係合突起55の数や位置、形状等は適宜変更可能であって、上記実施形態とは異なり、係止突起54による係止位置と係合突起55による係合位置とが周方向で交互になるように係止突起54や係合突起55を設けてもよい。
また、係止突起54を係止させる構成についても、上記実施形態の構成に限定されることはなく、リブ31の外周面に、係止突起54が係止可能な係止溝を刻設してもよいし、リブ31を設ける代わりに、首部材25の前面に係止突起54や係合突起55が係止・係合可能な係止凹部及び係合凹部を設ける構成を採用することも可能であり、係止構造や係合構造についても適宜変更可能である。尚、上記実施形態とは逆に、係着部材26側に凹部等の被係止部や被係合部を、首部材25側に突起等の係止部や係合部を夫々設ける構成についても当然採用可能である。
さらに、上記実施形態では、前板29と装飾部材30とを別体としているが、1つの部材として一体成形しても何ら問題はない。
【符号の説明】
【0029】
1・・パチンコ機、9・・ハンドル、25・・首部材、26・・係着部材、27・・レバー部材、28・・スペーサ、29・・前板(前方部材)、29a・・板金、30・・装飾部材(前方部材)、31・・リブ、32・・フランジ部(被係止部)、33・・係合片(被係合部)、34・・切り欠き、37・・ネジ止め部、45・・被りリブ、46・・案内凹部、46a・・支持突起、47・・固定突起、48・・塞止リブ、51・・本体、52・・仕切板、53・・ネジ孔(ネジ止め部)、54・・係止突起(係止部)、55・・係合突起(係合部)、56・・固定部、70・・軸部、71・・板部、72・・把持部、73・・スリット、74・・案内突起、75・・凹部、76・・被り部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ機本体に差込可能な筒状の首部材と、前記首部材の前部に固定される係着部材と、前記係着部材の前面に回動可能に組み付けられるレバー部材と、前記レバー部材の前面を覆う前方部材とからなるハンドルが設置されており、前記レバー部材の回動位置に応じた打ち出し強度で遊技球を打ち出すパチンコ機であって、
前記首部材と前記係着部材との何れか一方の外周縁側に係止部を、何れか他方の外周縁側に前記係止部が係止可能な被係止部を設けるとともに、前記首部材と前記係着部材との何れか一方の中央側に係合部を、何れか他方の中央側に前記係合部が係合可能な被係合部を夫々設けており、
前記首部材と前記係着部材とを、外周縁側及び中央側の両側で連結した状態で固定可能としたことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記係止部と前記被係止部との係止位置と、前記係合部と前記被係合部との係合位置とが径方向で対向するように、前記係止部、前記被係止部、前記係合部、及び前記被係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
前記係着部材を円筒状に形成し、前記係着部材と前記首部材とを重ね合わせ、外周面からネジ止めすることにより両部材を固定可能とするとともに、前記係着部材の内周面において、ネジ止め部を基点として右回りに120度となる位置、及び左回りに120度となる位置に前記係止部又は被係止部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−120631(P2011−120631A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278653(P2009−278653)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000241234)豊丸産業株式会社 (428)
【Fターム(参考)】