パチンコ機
【課題】時間短縮遊技モードにおいて演出図柄の変動回数を容易に把握することができるパチンコ機を実現する。
【解決手段】パチンコ機1には画像投影装置90が備えられており、画像投影装置90が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが上受け皿6に形成されている。画像投影装置90は時間短縮遊技モードにおいて演出図柄の残りの変動回数を表す変動回数画像を発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの表面H1に投影する。図8(a)に示す例では、残りの変動回数が26回であることを表す変動回数画像A26が投影されている。これを見た遊技者は、残りの変動回数が26回であることを容易に把握することができる。
【解決手段】パチンコ機1には画像投影装置90が備えられており、画像投影装置90が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが上受け皿6に形成されている。画像投影装置90は時間短縮遊技モードにおいて演出図柄の残りの変動回数を表す変動回数画像を発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの表面H1に投影する。図8(a)に示す例では、残りの変動回数が26回であることを表す変動回数画像A26が投影されている。これを見た遊技者は、残りの変動回数が26回であることを容易に把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技球が始動口に入賞したときに大当りかハズレかの大当り判定を行うCPUと、そのCPUの大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置とを備えたパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図27は、従来のパチンコ機の正面説明図である。遊技者が発射ハンドル601を操作して発射された遊技球が始動口603に入賞すると、CPUが、大当りかハズレかの大当り判定を行う。そして、演出表示器(画像表示装置)604が、複数の特別図柄(画像)の変動表示を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した特別図柄の配列(以下、図柄列という)を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては、画面の右から左へ移動するように図柄列を表示したり、図柄列を構成する各特別図柄を順番に出現させたりする。
【0003】
そして、演出表示器604が図柄列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したCPUによる大当り判定の結果に対応する特別図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、大当り判定の結果が大当りであった場合は、「777」などの同一数字から成る大当り図柄が確定表示され、大当り判定の結果がハズレであった場合は、「767」などのハズレ図柄が確定表示される。なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す特別図柄が確定した表示状態のことであり、図柄列が再変動することのない表示状態のことである。以下、図柄列の変動表示が開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでを1回の変動表示と数える。また、図柄列の変動表示が開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでに要する時間を変動時間という。
【0004】
図柄列の変動表示が開始してから変動表示が停止し、各表示領域に特別図柄が確定表示されるまでの期間における図柄列の変動パターンには、大別して通常変動およびリーチ変動が存在する。リーチとは、図柄列が変動表示している1つの表示領域以外の各表示領域において大当り図柄を構成する特別図柄がそれぞれ確定表示されている表示状態のことである。換言すると、大当り図柄が揃うためには特別図柄が1つ未確定になっている表示状態のことである。リーチ変動とはリーチを伴う変動パターンのことであり、通常変動とは、リーチを伴わない変動パターンのことである。
【0005】
演出表示器604は、リーチになると、大当り図柄が揃うか否か、遊技者がスリルを感じる演出を行う。たとえば、特別図柄が確定表示されていない1つの表示領域における図柄列の変動速度を極めて遅くし、配列順で大当り図柄の前後の特別図柄を表示したり、一旦停止しかけた大当り図柄を前後の特別図柄に変化させたりする演出を行う。つまり、大当り図柄が揃いそうであるが、直ぐには揃わないような演出を行う。
また、演出表示器604は、演出効果を高めるために、図柄列の変動表示を行わないときに演出用の動画像を表示したり、変動表示する図柄列の背景に演出用の動画像を表示したりする。演出表示器604が表示する動画像は、物語性を有するものが多く、たとえば、アニメ、テレビドラマおよび映画などに基づいて制作されたものが多く使われる。
【0006】
演出表示器604が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置606が開閉部材607を開作動させ、大入賞口608を開口させる。大入賞口608は、普通の入賞口よりも開口面積が大きく、入賞領域が大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口608に規定数(たとえば、約10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口608の開口時間が規定時間(たとえば、約30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材607が閉成し、大入賞口608が閉口する。パチンコ機600の内部から払出された賞球は、上受け皿605に貯留される。
【0007】
そして、大入賞口608の開口から閉口までを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了までの遊技を大当り遊技という。また、特定の大当り図柄にて大当りが発生した場合は、当該大当りに基づく大当り遊技が終了した以降の遊技状態が、大当りの発生確率の高い遊技状態に変化する。このように大当りの発生確率が低確率から高確率に変化することを確変と呼ぶ。
【0008】
前述したCPUは、大当り判定において大当りと判定したときに、大当り図柄の種類を抽選により決定し、その決定した大当り図柄の種類が特定の大当り図柄であるか否かを判定し、特定の大当り図柄であった場合に確変大当りと判定する。将来、確変が発生することになる大当りのことを確変大当りといい、確変大当り以外の大当りのことを通常大当りという。また、確変大当りが発生する特定の大当り図柄を確変大当り図柄といい、確変大当りか否かの判定を確変大当り判定という。また、確変に変化した遊技状態を確変遊技状態といい、確変遊技状態以外の遊技状態を通常遊技状態という。確変遊技状態は、特別図柄の変動回数が規定回数に達するまで継続し、規定回数に達するまでの残りの変動回数は、演出表示器604に数字で小さく表示される。
【0009】
また、遊技球がゲート612を通過すると、普通図柄表示装置611が普通図柄の変動表示を開始し、その開始から所定時間経過して変動表示を停止したときに確定表示された普通図柄が当り図柄であった場合は、普通電動役物610が作動し、普通電動役物610の両翼を開放する。この開放された両翼から遊技球が入賞すると、演出表示器604が特別図柄の図柄列の変動表示を開始する。つまり、普通電動役物610が作動して両翼が開放すると、始動口603の入賞領域が拡大したことになるため、単位時間当りの図柄列の変動回数が増加する。
【0010】
また、大当り遊技が終了すると、特別図柄の図柄列の変動時間が短縮された遊技モード(以下、時間短縮遊技モードという)に変化する。時間短縮遊技モードは、図柄列の変動回数が特定の回数に達するまで継続する。この時間短縮遊技モードでは、普通図柄表示装置が普通図柄の変動表示を開始してから当り図柄またはハズレ図柄を確定表示するまでに要する時間も短縮されるため、単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加する。
【0011】
このため、普通図柄表示装置が単位時間当りに当り図柄を確定表示する確率が高くなるため、単位時間当りに普通電動役物610が両翼を開放する回数が増加する。さらに、時間短縮遊技モードのときは、普通電動役物610が作動したときに両翼を開放している時間が延長される。つまり、大当り遊技が終了した後の時間短縮遊技モードでは、遊技球が始動口603に入賞する頻度が多くなるため、遊技球の発射による賞球の減少を抑制することができる。
そして、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化してから特別図柄の変動回数が特定の回数に達すると時間短縮遊技モードが終了し、通常遊技モードに復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−265721号公報(第2〜3段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述した従来のパチンコ機600は、時間短縮遊技モードにおいて、演出表示器604は、特別図柄の変動回数が特定の回数に達するまでの残りの変動回数を数字で小さく表示することにより、画面に表示される画像の邪魔にならないようにしている。
しかし、変動回数が小さく表示されるため、変動回数を把握し難いという問題がある。
【0014】
そこでこの発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、時間短縮遊技モードにおける特別図柄の変動回数を容易に把握することができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(請求項1に係る発明)
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4f)と、前記発射装置による遊技球の発射強度を調節する発射ハンドル(4)と、前記遊技盤に設けられた始動口(21,22)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレを判定する大当り判定を行うCPU(52)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに動画像の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置(30)と、前記画像表示装置が前記CPUが前記大当り判定において大当りと判定した結果に対応する大当り画像を表示した場合に大入賞口(24a,25a)を所定回数開閉する入賞装置(24,25)と、遊技球が前記大入賞口に入賞したときに賞球を払出す払出装置(38c)と、前記払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材(6,7)と、を備えており、変化可能な複数種類の遊技モードのうち、前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでに要する表示時間が短縮される時間短縮遊技モードに変化可能に構成されたパチンコ機(1)において、
前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでを1回の表示回数と数える場合に、遊技モードが前記時間短縮遊技モードに変化しているときに前記画像表示装置が行う表示の回数を計数する計数手段(S55)と、前記計数手段により計数された表示回数を表す表示回数画像(A1〜A70)を、前記発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕(H)に投影する画像投影装置(90)と、を備えるという技術的手段を用いる。
【0016】
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記発射ハンドル(4)が前記貯留部材(6,7)の側方に配置されており、前記画像投影装置(90)が前記表示回数画像(A1〜A70)を投影するための光を出射する出射口(6f)が前記貯留部材に設けられているという技術的手段を用いる。
【0017】
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記遊技盤(5)を臨む窓(3)が形成された前枠(2)を備えており、前記発射ハンドル(4)が前記前枠の下方に配置されており、前記画像投影装置(90)が前記表示回数画像(A1〜A70)を投影するための光を出射する出射口(6f)が前記発射ハンドルの近傍の前枠に設けられているという技術的手段を用いる。
【0018】
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、遊技者が前記発射ハンドル(4)に触れたことを検出するタッチセンサ(4d,4j)を備えており、前記画像投影装置(90)は、前記タッチセンサが前記遊技者が前記発射ハンドルに触れたことを検出していることを条件として前記表示回数画像(A1〜A70)を投影する機能を有するという技術的手段を用いる。
【0019】
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記時間短縮遊技モードは、前記計数手段(S55)により計数された表示回数が特定の回数に達したときに終了するように構成されているという技術的手段を用いる。
【0020】
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明では、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記計数手段(S55)は、前記特定の回数に達するまでの残りの表示回数を計数するように構成されているという技術的手段を用いる。
【0021】
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明では、請求項6に記載のパチンコ機(1)において、前記画像投影装置(90)は、前記計数手段(S55)により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに表示回数画像の色を変えるように構成されているという技術的手段を用いる。
【0022】
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明では、請求項6または請求項7に記載のパチンコ機(1)において、前記計数手段(S55)により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに、前記画像投影装置(90)が表示回数画像を投影するときにその表示回数画像により示される表示回数を音声で報知する音声報知手段(10〜12,70)を備えるという技術的手段を用いる。
【0023】
なお、請求項1ないし請求項8において、腕とは、遊技者の肩から指先までの範囲を意味する。また、各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0024】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明を実施すれば、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに画像表示装置が行う画像の表示回数を表す表示回数画像を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影することができるため、時間短縮遊技モードにおいて画像表示装置による画像の表示回数を容易に把握することができる。
しかも、画像の表示回数を画像表示装置に表示しないようにすることができるため、表示回数を表す画像が他の画像の邪魔になるおそれがない。
【0025】
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明を実施すれば、発射ハンドルが貯留部材の側方に配置されており、画像投影装置が表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が貯留部材に設けられているため、出射口から発射ハンドルを握る遊技者の腕までの距離を短くすることができるので、鮮明な大当り表示回数画像を効率良く投影することができる。
しかも、出射口から出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口が貯留部材に設けられているため、出射口を設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機の製造コストを低減することができる。
【0026】
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明を実施すれば、発射ハンドルが前枠の下方に配置されており、画像投影装置が表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が発射ハンドルの近傍の前枠に設けられているため、出射口から発射ハンドルを握る遊技者の腕までの距離を短くすることができるので、鮮明な表示回数画像を効率良く投影することができる。
しかも、出射口から出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口が前枠に設けられているため、出射口を設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機の製造コストを低減することができる。
【0027】
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明を実施すれば、画像投影装置は、遊技者が発射ハンドルに触れていることを条件として表示回数画像を投影することができるため、発射ハンドルを握る遊技者の腕に表示回数画像を確実に投影することができる。
【0028】
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明のように、計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達したときに時間短縮遊技モードが終了するように構成されたパチンコ機では、時間短縮遊技モードに変化する前の大当り遊技において獲得した賞球を時間短縮遊技モードが終了するまでに減らさないようにすることが遊技者に重要な課題となるため、画像の表示回数は、時間短縮遊技モードによる利益を享受することができる期間を知る上で重要なパラーメータとなる。
そこで、そのようなパチンコ機において、画像の表示回数を表す表示回数画像を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影することができるため、遊技者は表示回数を容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0029】
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明を実施すれば、時間短縮遊技モードが終了することになる特定の回数に達するまでの残りの表示回数を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影することができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間を容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0030】
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明を実施すれば、計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに表示回数画像の色を変えることができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0031】
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明を実施すれば、計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに、画像投影装置が表示回数画像を投影するときにその表示回数画像により示される表示回数を音声で報知することができる。
つまり、視覚に加えて聴覚によっても表示回数を遊技者に報知することができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の第1実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。
【図3】図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。
【図4】図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。
【図5】(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【図6】(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図7】ボタン演出の流れを示す説明図である。
【図8】変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が26回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が25回であることを示す変動回数画像を示す。
【図9】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図10】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図11】画像投影装置90の主な電気的構成についてそれをブロックで示す説明図である。
【図12】図10に示す画像音声制御用ROM73の主な記憶内容を示す説明図である。
【図13】変動パターンテーブル73bの構成を示す説明図である。
【図14】変動回数画像テーブル73cの構成を示す説明図である。
【図15】(a)は特別図柄保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は特別図柄保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【図16】図9に示す主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図17】主制御用CPU52が図16のS502において実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】図17に示す処理の続きを示すフローチャートである。
【図19】主制御用CPU52が図16のS504において実行する変動開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】図10に示す画像音声制御用CPU72が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図21】画像音声制御用CPU72が図20のS601において実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】画像音声制御用CPU72が図20のS602において実行する変動パターン抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】画像音声制御用CPU72が図20のS605において実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】第2実施形態において画像音声制御用CPU72が図20のS605において実行する演出処理2の流れを示すフローチャートである。
【図25】第3実施形態のパチンコ機を斜め前方から見た斜視図である。
【図26】第4実施形態において変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が4回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が3回であることを示す変動回数画像を示す。
【図27】従来のパチンコ機600の正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
〈第1実施形態〉
[パチンコ機の主要構成]
この発明の第1実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。
図1は、この第1実施形態のパチンコ機を斜め前方から見た斜視図である。
【0034】
パチンコ機1の左側には、プリペイドカードまたはプリペイドコインなどのプリペイド記録媒体を読取るプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。パチンコ機1は、パチンコ機1をパチンコホールの島設備に取付けるための枠状の外枠8を備える。外枠8を構成する天板8aの左端には、金属製の蝶番8bが取付けられている。蝶番8bの前端寄りの部分には、前枠2がヒンジ軸8cを介して回動可能に軸支されている。前枠2には遊技盤5(図2)が設けられており、遊技盤5は、前枠2の開口部に設けられたガラス3によって覆われている。つまり、前枠2の窓であるガラス3を通して遊技盤5を臨む構造である。
【0035】
前枠2の右下には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射強度を調節するための発射ハンドル4が設けられており、発射ハンドル4には、発射強度を調節するための発射レバー4bが回動可能に設けられている。ガラス3の下方の前枠2には、排出口6bから排出される賞球および貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。
【0036】
上受け皿6には、時間短縮遊技モードにおいて、演出図柄の変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の腕に投影するための画像投影装置(図11において符号90で示す)が内蔵されている。変動回数画像は、遊技状態が時間短縮遊技モードに変化しているときに、時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの変動回数を表す画像である。上受け皿6の表面には、画像投影装置が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが開口形成されている。この実施形態では、出射口6fは、上受け皿6の側面のうち、発射ハンドル4に近い側面に開口形成されている。つまり、出射口6fは、変動回数画像を発射ハンドル4を握る遊技者の腕に効率良く鮮明に投影することができる位置に設けられている。
【0037】
上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aと、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100のカード挿入口108に挿入されているプリペイド記録媒体を返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。度数表示部6eは、残り度数を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。たとえば、度数表示部6eは、残り度数を3桁の数字で表示するように構成されており、たとえば、度数の最小表示単位が100円である場合に500円分が残っているときには、005と表示する。
【0038】
上受け皿6の下方には、上受け皿6から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7の底部には遊技球を排出するための球抜き孔7bが開閉可能に形成されており、下受け皿7の前端には、球抜き孔7bを開閉させる球抜きレバー7aがスライド可能に設けられている。また、前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14と、効果音を出力する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択可能なタイミングになったときに、演出内容を選択するために操作する演出ボタン9が設けられている。この実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のスイッチである。
【0039】
プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体の利用が可能であることを示す利用ランプ101と、貸出金額の単位(たとえば、100円、200円、300円、500円)の選択を行うための金額設定ボタン102と、金額設定ボタン102により選択した貸出金額を表示する貸出金額表示部103と、100円未満の残高およびメンテナンス情報を度数表示部6eに表示させる場合に押す端数表示ボタン104と、プリペイド記録媒体読取装置100が接続されるパチンコ機1の連結方向を示す連結台方向表示ランプ105とが設けられている。
【0040】
また、プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体がパチンコ機1に対応していることを示す表示ランプ106と、プリペイド記録媒体を挿入する挿入口108と、挿入口108にプリペイド記録媒体が挿入されていることを示す挿入中ランプ107とが設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100の内部には、挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体を装置内部に装填する装填装置(図示省略)が設けられている。
【0041】
挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体は、その端部が挿入口108から突出しない状態で上記の装填装置に装填されるため、装填装置が故障すると、プリペイド記録媒体を返却することができなくなる。そこで、装填装置は、挿入口108を含む前面パネルの一部と共に前方へ引き出し可能に構成されている。装填装置は、普段はロック機構によって引き出し不能になっているが、プリペイド記録媒体読取装置100に設けられた鍵穴109から鍵を差し込んでロック状態を解除することができるように構成されている。
【0042】
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤の主要構成について図を参照して説明する。
図2は図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。図3は図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図4は図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図5(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【0043】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技球の流下経路は、遊技盤5の盤面に打ち込まれた多数の遊技釘28によって規制されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図9において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0044】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図3に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、動画像および静止画像などを表示する画像表示装置としての演出表示器30が設けられている。演出表示器30が表示する動画像とは、演出図柄の変動表示を表す動画像、変動表示する演出図柄の背景に表示する動画像、演出図柄の変動表示が行われていないときに表示する動画像、遊技者が付いていないときに表示する客待ち用の動画像などである。
この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機EL表示器などを演出表示器30として用いることもできる。
【0045】
盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。
【0046】
図4に示すように、センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
【0047】
図3に示すように、センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、第1始動口21が設けられている(図3)。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域へ案内される。
【0048】
盤面の右側には、右サイド飾り37が設けられており、その右サイド飾り37には、ゲート23および右肩入賞口20が設けられている。右寄り遊技領域のセンター飾り16には、普通電動役物27が設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。
【0049】
開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に第2始動口22が形成される。図4は、開閉翼片27cが外方へ開き、第2始動口22が形成された状態を示す。また、図2に示すように、遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
【0050】
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、LEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図4に示すように、可動役物40の両端は、支持部材40a,40aによって支持されている。図4に示すように、可動役物40は、所定の演出タイミングになると演出表示器30の前面に自然落下し、図2に示すように、モータ(図10において右リフトモータ40dおよび左リフトモータ40fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する。
【0051】
また、可動役物40は、モータ(図10において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図4に示すように、可動役物40の背面には、LEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図10において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物41,42が設けられている。可動役物41,42は、それぞれモータ(図10において左竜モータ41aおよび右竜モータ42aで示す)などの駆動装置によって作動する。
【0052】
また、図3に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図4に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図10において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
【0053】
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、LEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
【0054】
この実施形態では、演出表示器30は戦国時代で活躍した武将の物語をアニメ(動画像)で表示する。また、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物41,42は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
【0055】
図4は、可動役物41,42が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物41,42の内部には、それぞれLED41c,42cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
【0056】
上述した各可動役物40〜45は、遊技中の所定のタイミングで動作して演出効果を高める。また、各可動役物40〜45は、動作することにより、大当りの発生の予告、大当りの発生の示唆、演出表示器30が大当り発生の確率が高い演出画像を表示することの予告など、各種の予告を行う。
【0057】
図2において第1始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、図5(a)に示すように、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている。第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図9において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放すると、第1大入賞口24aが開口する。
【0058】
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図9において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放すると、第2大入賞口25aが開口する。図5(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
【0059】
図2おいて左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図5(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33、特別図柄保留数表示装置32および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0060】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図5(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
【0061】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。
また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
【0062】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、特別図柄保留数表示装置32によって表示される。この実施形態では、特別図柄保留数表示装置32は4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって特別図柄保留数を表示する。つまり、この実施形態では、特別図柄保留数は最大4個である。
【0063】
演出表示器30は、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、特別図柄表示装置31は、複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示器30が演出図柄を変動表示したり、演出用の動画像などの演出画像を表示したりすることによって演出効果を高めている。
【0064】
演出図柄とは、LEDによって表示される特別図柄に代わって表示する演出用の図柄のことであり、複数の識別情報を表現した図柄である。たとえば、0〜9などの数字(アラビア数字または漢数字など)を表現した図柄である。演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出図柄の変動表示を開始する。また、演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出図柄の変動表示を終了し、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
【0065】
図6(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
演出表示器30は、横方向に配列された3つの表示領域D1,D2,D3を有する。各表示領域は、それぞれ演出図柄を変動表示する。この実施形態では、演出表示器30は、0〜9の数字を表した複数の演出図柄を数字の昇順に画面の上から下へ移動するように変動表示する。
【0066】
図6(a)に示す例は、各表示領域D1〜D3においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のある瞬間を表現したものであり、表示領域D1に演出図柄「7」が確定表示され、表示領域D2,D3は演出図柄の変動表示中になっている。また、同図(b)に示す例は、表示領域D1,D3に演出図柄「7」が確定表示され、表示領域D2のみにおいて演出図柄が変動表示されている状態のある瞬間を表現したものであり、いわゆるリーチの状態になっている。
【0067】
リーチになると、演出表示器30は、大当り図柄が確定表示されるか否か、遊技者をハラハラドキドキさせる演出を行う。たとえば、図6(b)に示す例において、表示領域D2における変動速度を遅くし、演出図柄6が画面の上端から出現したときに変動速度をより一段と遅くする。また、一旦、演出図柄7で停止するように見せかけて、再度、表示領域D2のみが変動表示を開始したりする。図6(c)に示す例は、表示領域D1〜D3にそれぞれ演出図柄「7」が確定表示された状態、つまり、大当り図柄の一例である「777」が確定表示された状態を示す。
【0068】
また、演出表示器30は、演出図柄を変動表示する他、演出用の動画像(以下、演出用動画像という)を表示する。この実施形態では、演出表示器30は、戦国武将にまつわる物語をアニメで表現した演出用動画像を表示する。演出表示器30は、複数種類の演出用動画像の中から抽選で所定の演出用動画像を選択して表示するように構成されている。
また、演出図柄の変動パターンには、リーチ変動および通常変動が選択可能に設定されており、各変動には、それぞれ複数種類の変動パターンが選択可能に設定されている。
【0069】
また、変動パターンの種類によって、演出図柄の変動表示が開始されてから大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでに要する時間(以下、変動時間という)が異なる。特に、リーチ変動は、リーチの部分で費やす時間が長いため、通常変動よりも変動時間が長く設定されている。また、リーチ変動の中でも、大当り発生に対する期待度の高いリーチ変動の場合は、リーチの状態における演出が凝っているため、特に変動時間が長く設定されている。なお、大当り発生に対する期待度とは、大当りに繋がるリーチ変動の出現率と、ハズレに繋がるリーチ変動の出現率とを合算した全体出現率に対し、大当りに繋がるリーチ変動の出現率の割合を示すものである。
【0070】
また、演出用動画像は、選択された変動パターンに応じて選択され、演出表示器30は、演出図柄の変動パターンがリーチ変動の場合と通常変動の場合とで異なる演出用動画像を表示することができる。特に、リーチ変動の場合は、通常変動の場合よりも表示時間が長く、凝った演出内容の演出用動画像を表示する。また、リーチ変動の中でも、出現率の低いリーチ変動ほど、演出内容が凝っているために表示時間が長く設定されている。また、出現率の低いリーチ変動のときに表示される演出用動画像は、希少価値が高いため、遊技者間で話題となることがある。
【0071】
また、演出用動画像は、その種類により、変動表示される演出図柄の背景に表示されたり、演出図柄が表示されていないときに表示されたりする。また、演出用動画像には、変動表示している演出図柄の背景に透けて見えるように表示されるものがある。また、演出用動画像の邪魔にならないように、画面の片隅で演出図柄を変動表示し、リーチになったときに画面の中央に演出図柄を拡大して変動表示する場合もある。また、演出用動画像の表示タイミングは、選択された演出図柄の変動パターンに応じて異なり、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに表示するタイミング、演出図柄の変動途中で表示するタイミング、リーチになったときに表示するタイミングなどが存在する。
【0072】
また、演出表示器30は、ボタン演出の内容を表示する。図7は、ボタン演出の流れを示す説明図である。
ボタン演出とは、演出ボタン9が操作されたことに応じて開始される演出、あるいは、演出ボタン9が操作されたことに応じて内容の変化する演出のことである。この実施形態では、遊技球が始動口21に入賞すると、演出表示器30が物語性を有する動画を表示し、その途中でボタン演出を実行するタイミングになると、演出ボタン9を操作することにより、物語に登場する人物のセリフを変更することができるように構成されている。
【0073】
たとえば、図7に示すように、演出表示器30は、ボタン演出を実行するタイミングになると、画面に「ボタンプッシュ」という遊技者に演出ボタン9の操作を促すメッセージ画像G1と、物語の登場人物および登場人物のセリフE,Fを表した画像G2とを表示する。そして、ボタン演出を実行するタイミングになってから制限時間内に遊技者が演出ボタン9を操作し、照光付演出スイッチ9a(図10)がオンすると、図7の右側に示すように、登場人物のセリフがE,FからJ1,K1に変わる。
【0074】
そして、さらに、セリフがJ1,K1に変わってから制限時間内に演出ボタン9が操作されると、セリフがJ2,K2に変わる。また、メッセージ画像G1が表示されてから制限時間内に演出ボタン9が操作されなかった場合は、図7の左側に示すように、セリフがE1,F1に変わる。また、セリフがE1,F1に変わってから制限時間内に演出ボタン9が操作されなかった場合は、セリフがE2,F2に変わる。
【0075】
また、ボタン演出を行う期間が経過すると、再び、演出用動画像が表示され、リーチ変動が出現することを示唆するリーチ予告画像、または、大当り発生を示唆する大当り予告画像などが表示され、その後、通常変動またはリーチ変動が表示される。また、各予告画像は、通常変動またはリーチ変動の中に含まれることもある。
また、ボタン演出において制限時間内に演出ボタン9が操作されていた場合は、操作されていなかった場合よりも期待度の高い演出用動画像が表示される。
【0076】
つまり、ボタン演出が実行されている期間に演出ボタン9を押して登場人物のセリフを変えた方が、後に、期待度の高い演出用動画像が表示されるため、殆どの遊技者がボタン演出期間中は制限時間内に演出ボタン9を押す。なお、大当りかハズレかは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに決定されているため、演出ボタン9を押したか否かによって、大当り判定の結果が変わることはない。
【0077】
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、図5(b)に示すように2個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物27の開閉翼片27cが開放され、普通電動役物27への入賞が可能になる。
【0078】
普通電動役物27に入賞した遊技球は、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する第2始動口スイッチ27a(図9)によって検出される。また、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに当りの普通図柄が確定表示されると、開閉翼片27cの開放時間が延長され、普通電動役物27への入賞確率が高くなる。つまり、時間短縮遊技モードにおける入賞数が増加するため、遊技球の発射による賞球の減少が抑制される。また、単位時間当りに特別図柄が変動表示を開始する回数が多くなるため、大当りが発生する確率が高くなる。
【0079】
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって保留数を表示する。つまり、この実施形態では、普通図柄保留数は最大4個である。
また、時間短縮遊技モードでは、普通図柄の変動時間が短縮されるため、単位時間当りの当り図柄が確定表示される確率が高くなるので、単位時間当りの普通電動役物27が開閉翼片27cを開放する回数が増加する。
【0080】
[画像投影装置による演出]
次に、画像投影装置90(図11)による演出について図を参照して説明する。
図8は、変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が26回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が25回であることを示す変動回数画像を示す。なお、この実施形態では、通常大当りが発生すると第1変動入賞装置24が作動して第1大入賞口24aを開閉し、確変大当りが発生すると第2変動入賞装置25が作動して第2大入賞口25aを開閉するものとする。
【0081】
発射ハンドル4は、前面カバー4aと、発射レバー4bと、回動部材4hと、タッチセンサホルダ4dと、内部に設けられたタッチセンサ4j(図9)とを備える。前面カバー4aは、遊技者の掌をあてがう部分であり、前方へ膨出した球面に形成されている。前面カバー4aは回動不能に固定されている。回動部材4hは、円筒形状に形成されており、回動自在に設けられている。回動部材4hの周面には、遊技者の指を掛けるための3個の発射レバー4bが突出形成されている。前面カバー4aと回動部材4hとの間には、遊技者の手が触れたことを検出するためのタッチセンサホルダ4dが設けられている。発射ハンドル4の内部には、タッチセンサホルダ4dと電気的に接続されたタッチセンサ4jが設けられている。
【0082】
演出表示器30が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、第1変動入賞装置24が作動し、大当り遊技が開始する。そして、第1大入賞口24aが開口し、第1ラウンドが開始し、第1大入賞口24aに入賞すると所定個数の賞球が上受け皿6に払出される。第1大入賞口24aが開口してから所定時間(たとえば、約30秒)経過するか、あるいは、第1大入賞口24aへの入賞数が所定個数(たとえば、10個)に達すると、第1大入賞口24aが閉口し、第1ラウンドが終了する。
【0083】
そして、所定ラウンド数(たとえば、15ラウンド)に達すると第1変動入賞装置24の作動が停止し、大当り遊技が終了する。また、演出表示器30が確定表示した大当り図柄が特定の図柄であった場合は、この大当り遊技が終了した後の遊技状態が確変遊技状態に変化するとともに、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化する。この実施形態では、時間短縮遊技モードは、演出表示器30による演出図柄の変動回数が70回に達するまで継続する。遊技モードが時間短縮遊技モードに変化すると、画像投影装置90が演出図柄の変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに投影する。この実施形態では、画像投影装置90は、演出図柄の変動回数が70回に達するまでの残りの変動回数を表す変動回数画像を投影する。
【0084】
図8(a)に示す例では、残りの変動回数が26回であることを表す変動回数画像A26が遊技者の腕Hの表面H1に投影されている。そして、演出図柄の変動が1回終了し、残りの変動回数が25回に減少すると、図8(b)に示すように、残りの変動回数が25回であることを表す変動回数画像A25が遊技者の腕Hの表面H1に投影される。図8に示す例では、変動回数画像は遊技者の腕Hのうち手首H2の近傍に投影されているため、遊技者の視界に入り易い。
【0085】
このように、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに、時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに投影することができるため、時間短縮遊技モードにおいて演出図柄の残りの変動回数を容易に把握することができる。
【0086】
変動回数画像の色は、任意の色に設定することができるが、遊技者が見落とさないようにするためには、腕Hの表面H1に投影したときに目立つ色に設定することが望ましい。たとえば、赤色または黄色などの彩度の高い色に設定する。また、季節に応じて色を設定することもできる。たとえば、初夏から初秋にかけて、腕を露出することが多い場合は、腕Hの表面H1に投影したときに目立つ色に設定する。たとえば、赤色または黄色などの彩度の高い色に設定する。
【0087】
また、長袖を着る季節では、遊技者によって袖の色がまちまちであるため、袖の色によっては設定した色の変動回数画像を投影しても目立たない場合がある。そこで、長袖を着る季節では、変動回数画像を点滅させれば、投影する領域の色に関係無く、良く目立たせることができる。
【0088】
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図9および図10を参照して説明する。
【0089】
図10に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。主制御用CPU52は、大当り判定、大当り図柄の抽選、確変大当り判定、ハズレ図柄の抽選、変動時間の抽選、演出図柄の変動回数の計数、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技の進行に必要な処理を実行する。また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子(図示省略)とを備える。
【0090】
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、主制御基板50と電気的に接続された各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定または確変大当り判定を行う際に参照する大当り値、大当り図柄の抽選の際に参照するテーブル、ハズレ図柄の抽選の際に参照するテーブルなどが読出し可能に記憶されている。
【0091】
主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、主制御用RAM54は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果などの記憶しているデータを記憶保持する。
【0092】
また、主制御基板50には、第1始動口21に入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ21aと、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する第2始動口スイッチ27aと、外部端子板503とが電気的に接続されている。主制御用CPU52は、大当りの発生回数、入賞数および特別図柄の変動回数などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータ(図示省略)へ送信する。ホールコンピュータは、パチンコホールの管理室などに配置されている。
【0093】
また、主制御基板50には、図柄表示基板84が電気的に接続されている。図柄表示基板84には、特別図柄表示装置31と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板76とが電気的に接続されている。
【0094】
セキュリティ中継端子板89には、不正行為において発生する誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為において発生する磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
【0095】
また、払出制御基板60には、払出中継端子板83が電気的に接続されており、払出中継端子板83には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が切れていることを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。これらの前部払出センサ38a〜後部球切れスイッチ38eが賞球払出装置を構成している。
【0096】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38cを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子(図示省略)とを備える。
【0097】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0098】
さらに、払出制御用RAM64は、未払いの賞球数および貸球数を記憶し、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、未払いの賞球数および貸球数を記憶保持する。また、払出制御基板60には、度数表示部6e(図1)が搭載された度数表示基板504が貸出装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。貸出装置接続端子板78には、プリペイド記録媒体読取装置100(図1)が電気的に接続されている。
【0099】
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射ソレノイド4fの発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出するためのタッチセンサ4jと、タッチセンサ4jがオンしているときに発射レバー4bの回動によってオンし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。
【0100】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
【0101】
図10に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面演出中継端子板82と、盤面LED中継端子板81と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板79とが電気的に接続されている。演出制御基板400には、演出制御用CPU402を備えた演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用CPU402は、主制御用CPU52(図9)から送信された演出制御信号を受信し、その受信した演出制御信号を対応する基板に振り分ける処理などを行う。
【0102】
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、画像投影装置90が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、盤面演出中継端子板82が電気的に接続されており、その盤面演出中継端子板82には、枠部演出中継端子板85を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。また、枠部演出中継端子板85には、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。照光付演出スイッチ9aは、演出ボタン9を押圧操作したときにオンし、演出ボタン9に内蔵されているLEDを点灯させるスイッチである。
【0103】
画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71および音量調節装置75が搭載されている。画像音声制御用MPU71は、画像音声制御用CPU72と、画像音声制御用ROM73と、画像音声制御用RAM74とを備える。画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って演出表示器30を制御し、演出制御信号に対応する画像を演出表示器30に表示させる。
【0104】
また、画像音声制御用CPU72は、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化したときに画像投影装置90が遊技者の腕Hに変動回数画像を投影するための画像データを画像投影装置90へ送信する。さらに、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って各スピーカ10〜12を駆動し、演出制御信号に対応する効果音などを各スピーカ10〜12から出力させる。
【0105】
画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、パチンコ機1が画像、LEDおよび音声により演出を行うためのデータがテーブル形式で記憶されている(図12)。画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。音量調節装置75は、各スピーカ10〜12が出力する効果音などの音量を調節する音量調節つまみを備える。
【0106】
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物40の背面に配置された可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物42を駆動する右竜モータ42aと、可動役物42が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ42bと、可動役物41を駆動する左竜モータ41aと、可動役物41が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ41bとが電気的に接続されている。
【0107】
補助演出右中継端子板68には、可動役物40を振動させる家紋モータ40bと、可動役物40の位置を検出する家紋位置確認センサ40cと、可動役物40を上昇させる右リフト(図示省略)を駆動する右リフトモータ40dと、右リフトが原点に復帰したことを検出する右リフト原点センサ40eとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、可動役物40を上昇させる左リフト(図示省略)を駆動する左リフトモータ40fと、左リフトが原点に復帰したことを検出する左リフト原点センサ40gと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、その可動役物が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、その可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
【0108】
補助演出駆動基板410には、補助演出制御用MPU420が搭載されている。補助演出制御用MPU420は、補助演出制御用CPU421と、補助演出制御用ROM422と、補助演出制御用RAM423とを備える。補助演出制御用CPU421は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って可動役物40〜45などの動作を制御する。補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(たとえば、可動役物40〜45などの動作パターン)が読出し可能に記憶されている。
【0109】
補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0110】
また、電源基板76は、主電源77(AC/24V)から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、貸出装置接続端子板78と、演出電源基板79(図10)とに供給する。演出電源基板79は、電源基板76から供給される電源を演出電源基板79と電気的に接続された各基板へ分配する。盤面LED中継端子板81には、遊技盤5に設けられた各種のLEDが搭載されている。
【0111】
[画像投影装置の主な電気的構成]
次に、画像投影装置90の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図11を参照して説明する。
【0112】
画像投影装置90は、LD(Laser Diode)91,92と、偏光ビームスプリッタ93aと、レンズ93bと、スキャナミラー93cと、ハーフミラー93dと、ミラー検出器96と、調整部97と、アクチュエータ98aと、ドライバ98bと、レーザ検出器94と、レーザ制御回路95と、制御回路99とを備える。制御回路99は、CPU、ROM、RAMおよびビデオRAMなどを備える。
【0113】
LD91は、赤色および青色のレーザ光を出射するダイオードであり、LD92は、緑色のレーザ光を出射するダイオードであり、LD91,92は、レーザ制御回路95により制御される。なお、LD91は、赤色のレーザ光を出射するLDと青色のレーザ光を出射するLDとを一体として構成しているLDであるが、別個に構成されているものを用いることもできる。このように、LD91,92は、入力される画像信号に応じてレーザ光を出射するレーザ光源を構成する。
【0114】
レーザ制御回路95は、制御回路99から送られる信号に基づいてLD91,92の出射量および出射タイミングなどを制御する。また、レーザ制御回路95は、後述のレーザ検出器94にて検出されるレーザ光の出力量よりレーザ光の出射状態を検知し、その出射状態に基づいてLD91,92の出射量の調整を行う。また、レーザ制御回路95は、後述するように、制御回路99からの制御信号に応じてLD91,92にレーザ光を出射させる制御を行う。
【0115】
偏光ビームスプリッタ93aは、LD92から出射されるレーザ光の光路上に配置されており、入射されたレーザ光をP偏光とS偏光とに分離する光学部材である。そして、偏光ビームスプリッタ93aは、LD92から出射された緑色のレーザ光の一部をレンズ93bに向けて透過させ、残りをレーザ検出器94に向けて反射させる。一方で、偏光ビームスプリッタ93aは、LD91から出射された赤色および青色のレーザ光の一部をレーザ検出器94に向けて透過させ、残りをレンズ93bに向けて反射させる。
【0116】
レーザ検出器94は、たとえば、レーザ光の出力量(強度)を検出するセンサであり、LD91から出射されるレーザ光の光路上に配置されている。レンズ93bは、偏光ビームスプリッタ93aを透過したレーザ光を集光する。スキャナミラー93cは、後述のアクチュエータ98aにより所定の駆動力が付与されることにより共振し、この共振によって2軸方向に独立して回動するガルバノミラーであり、その回動によりミラー傾斜角を水平方向及び垂直方向に調整することで、入射された光の反射方向を調整することができる。
【0117】
そのため、レンズ93bを透過したレーザ光の反射方向をスキャナミラー93cにより順次調整することで、遊技者の腕Hの表面H1にレーザ光を走査することにより、変動回数画像を投影することができる。このように、スキャナミラー93cは、レーザ光源から出射されたレーザ光を遊技者の腕Hの表面H1に向けて反射させ、共振させて走査を行う走査部を構成する。
【0118】
ドライバ98bは、たとえば、制御回路99から送信される命令に応じて、アクチュエータ98aに駆動周波数に対応するパルス信号を与えることで、スキャナミラー93cを共振させ、レーザ光の走査を制御する。アクチュエータ98aは、たとえば、スキャナミラー93cの2軸各々に接続された2つのパルスモータであり、それぞれが後述のドライバ98bから指示される駆動周波数(共振周波数)に基づいて駆動し、スキャナミラー93cを所定角回動させるように構成されている。また、アクチュエータ98aは、スキャナミラー93cの駆動に際し、電力を供給するように構成されている。
【0119】
ハーフミラー93dは、スキャナミラー93cにて反射したレーザ光の一部を出射口6fに向けて透過させるとともに、残りをミラー検出器96に向けて反射させる。ミラー検出器96は、たとえば、ハーフミラー93dにて反射したレーザ光を受光し、スキャナミラー93cの2軸方向の傾斜角(振れ角)を検出する傾斜角検出器である。このミラー検出器96にて検出された傾斜角はアナログ電気信号として調整部97に入力される。
【0120】
調整部97は、たとえば、図示は省略するが、四則算用の演算器、コンパレータ、アナログ信号増幅用のアンプ、A/D変換器などを備えており、ミラー検出器96から入力されるスキャナミラー93cの傾斜角に関するアナログ電気信号について、増幅、四則算、比較などを介して所望の値に調整し、デジタル信号に変換して制御回路99に送信するように構成されている。
【0121】
つまり、スキャナミラー93cは、設置環境(たとえば、温度、湿度、気圧など)によって共振周波数が変動し、レーザ光の走査位置にずれが生じるおそれがあるため、ミラー検出器96および調整部97によりスキャナミラー93cの傾斜角を検出して制御回路99に送信することにより、制御回路99がドライバ98bの出力する駆動周波数を逐次調整出来る様に構成されている。
【0122】
画像音声制御基板70に搭載された画像音声制御用CPU72は、変動回数画像を遊技者の腕Hに投影するタイミングになると、変動回数画像を投影するための変動回数画像データを制御回路99へ送信する。そして、制御回路99は、レーザ制御回路95へ起動命令を送信し、レーザ制御回路95がLD91,92を起動してレーザ光を出射させる。また、制御回路99は、ドライバ98bへ起動命令を送信し、ドライバ98bがアクチュエータ98aを駆動し、スキャナミラー93cを回動させる。そして、LD91,92から出射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ93aおよびレンズ93bを通過してスキャナミラー93cによって反射され、ハーフミラー93dを通して出射口6fから出射し、遊技者の腕Hの表面H1に走査され、変動回数画像が投影される。
【0123】
[各種テーブル]
次に、画像音声制御用ROM73に記憶されている各種のテーブルの構成について図を参照して説明する。図12は、図10に示す画像音声制御用ROM73の主な記憶内容を示す説明図である。図13は変動パターンテーブルの構成を示す説明図である。図14は変動回数画像テーブルの構成を示す説明図である。
【0124】
画像音声制御用ROM73には、演出図柄テーブル73a、変動パターンテーブル73b、変動回数画像テーブル73c、LED点灯パターンテーブル73e、音楽テーブル73f、大当り遊技テーブル73g、客待ち画像テーブル73hおよびボタン演出画像テーブル73iなどがデータ読出し可能に記憶されている。
【0125】
演出図柄テーブル73aは、演出表示器30がハズレ図柄または大当り図柄を確定表示するときに画像音声制御用CPU72が参照するテーブルである。変動パターンテーブル73bは、演出表示器30が変動表示する演出図柄の変動パターンを画像音声制御用CPU72が抽選で決定するときに参照するテーブルである。この実施形態では、変動パターンテーブル73bは、図13に示すように、演出図柄の変動パターンを抽選により決定するための乱数A〜乱数Dおよび変動パターンを対応付けて構成されている。
【0126】
乱数A〜乱数Dは、それぞれカウンタがカウントするカウント値であり、各乱数は、カウンタがカウントするカウント値の範囲に等しい。つまり、画像音声制御用CPU72が所定のタイミングでカウンタから取得したカウント値が乱数となる。そのカウンタは、たとえば、複数の連続した数値(たとえば、0〜239)をカウントするリングカウンタである。乱数A〜乱数Dは、それぞれグループ1〜グループnに分けられている。
【0127】
乱数Aを構成するグループ1にはそれぞれ乱数Bの複数のグループが対応付けられており、乱数Aを構成するグループnには乱数Dのグループnが対応付けられている。乱数Bを構成する各グループにはそれぞれ乱数Cの複数のグループが対応付けられている。乱数Cを構成する各グループにはそれぞれ乱数Dの複数のグループが対応付けられている。また、乱数Dの各グループを構成する各乱数には、それぞれ種類の異なる変動パターンが対応付けられている。
【0128】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動パターンを決定するタイミングになると、乱数A〜乱数Dを発生する各カウンタから乱数(カウント値)を1つずつ取得する。そして、乱数Aを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループのうち、乱数Bを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Bのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Cを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Cのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Dを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Dのグループに対応付けられている変動パターンを選択する。
【0129】
つまり、乱数A、乱数B、乱数C、乱数Dの順に選択し、最終的に乱数Dに対応付けられている変動パターンを選択する。このように複数の乱数と変動パターンとを対応付けて構成することにより、同じ種類の変動パターンが選択される確率が低くなっているため、遊技者が飽きないように工夫されている。
また、変動パターンのうち、リーチに発展する変動パターンであるリーチパターンには、複数種類のリーチパターンが設定されている。リーチパターンの呼称は、パチンコ機の製造メーカーや機種によって異なるが、たとえば、リーチパターンは、その出現確率の違いにより、ノーマルリーチパターン、スーパーリーチパターンおよびプレミアムリーチパターンなどと呼ばれる。
【0130】
ノーマルリーチパターンとは、リーチパターンの中でも出現確率の高い変動パターンのことであり、スーパーリーチパターンとは、ノーマルリーチパターンよりも出現確率の低い変動パターンのことであり、プレミアムリーチパターンとは、スーパーリーチパターンよりも出現確率の低い変動パターンのことである。また、大当りは、リーチパターンを経て発生するようになっており、特に、プレミアムリーチパターンが出現したときに大当りの発生確率が高くなるように構成されている。
つまり、遊技者から見ると、プレミアムリーチパターンが出現したときの大当り発生に対する期待度が最も高くなるように構成されている。
【0131】
なお、乱数Dのグループnには、演出図柄の変動途中でリーチに発展しない通常変動パターンが対応付けられており、乱数Aのグループnに属する乱数が選択された場合は、通常変動パターンが選択される。
また、図示しないが、画像音声制御用ROM73には、通常遊技状態、確変遊技状態、大当り判定の結果、確変大当り判定の結果および特別図柄保留数によって異なる構成の変動パターンテーブルが記憶されており、遊技状態に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
【0132】
変動回数画像テーブル73cは、画像音声制御用CPU72が画像投影装置90に変動回数画像を投影させるための変動回数画像データを読出すときに参照するテーブルである。変動回数画像テーブル73cは、時間短縮遊技モードが終了するまでに変動可能な変動回数の上限に対して残りの変動回数と、変動回数画像(変動回数画像データ)とを対応付けて構成されている。この実施形態では、残りの変動回数70〜1回と、変動回数画像A70〜A1とを対応付けて構成されている。
【0133】
たとえば、残りの変動回数が26回に達したときは、変動回数画像テーブル73cにおいて残りの変動回数の26回に対応付けられている変動回数画像A26を読出し、それを画像投影装置90へ送信する。これにより、画像投影装置90は、図8(a)に示したように、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの表面H1に、残りの変動回数が26回であることを表す変動回数画像A26を投影する。また、残りの変動回数が25回に減少すると、変動回数画像テーブル73cから変動回数画像A25を読出して画像投影装置90へ送信し、図8(b)に示したように、残りの変動回数が25回であることを表す変動回数画像A25を遊技者の腕Hに投影する。
【0134】
画像音声制御用ROM73に記憶されているLED点灯パターンテーブル73eは、画像音声制御用CPU72がパチンコ機1に設けられた各種のLEDの点灯パターンを抽選で決定するときに参照するテーブルである。LEDの点灯パターンの抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするLED点灯パターン抽選カウンタを用いて行う。
LED点灯パターンテーブル73dは、LED点灯パターン抽選カウンタのカウント値と、LEDの点灯パターンとを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、LED点灯パターン抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているLEDの点灯パターンをLED点灯パターンテーブル73dから読出し、その点灯パターンに従ってLEDを点灯するように演出制御用CPU402に指示する。
【0135】
音楽テーブル73fは、画像音声制御用CPU72が各スピーカ10〜12が出力する音楽または効果音などを抽選で決定するときに参照するテーブルである。音楽の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする音楽抽選カウンタを用いて行う。
音楽テーブル73fは、音楽抽選カウンタのカウント値と、音楽とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、音楽抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている音楽を音楽テーブル73fから読出し、それを出力するように、スピーカ10〜12と電気的に接続された音声出力装置(図示省略)に指示する。
【0136】
大当り遊技テーブル73gは、大当り遊技中における演出表示器30の表示内容、音楽およびLEDの点灯パターンなどの演出内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出内容の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り演出内容抽選カウンタを用いて行う。大当り遊技テーブル73gは、大当り演出内容抽選カウンタのカウント値と、演出内容の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、大当り演出内容抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている演出内容を大当り遊技テーブル73gから読出し、その読出した演出内容に応じた演出を行う。
【0137】
客待ち画像テーブル73hは、遊技者がパチンコ機1にて遊技を行っていない、いわゆる客待ち状態のときに画像音声制御用CPU72が演出表示器30に客待ち画像の表示を指示するためのデータが記憶されたテーブルである。客待ち画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする客待ち画像抽選カウンタを用いて行う。客待ち画像テーブル73hは、客待ち画像抽選カウンタのカウント値と、客待ち画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、特別図柄の保留数が0になってから所定時間経過したときに客待ち画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている客待ち画像の種類を客待ち画像テーブル73hから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0138】
ボタン演出画像テーブル73iは、演出ボタン9(図1)が押下され、照光付演出スイッチ9a(図10)がオンしたときに画像音声制御用CPU72がボタン演出画像(ボタン演出を表す画像)の内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。ボタン演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするボタン演出画像抽選カウンタを用いて行う。ボタン演出画像テーブル73iは、ボタン演出画像抽選カウンタのカウント値と、ボタン演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、演出ボタン9を押下することにより、ボタン演出を選択可能な有効時間内に照光付演出スイッチ9aがオンしたときにボタン演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているボタン演出画像の種類をボタン演出画像テーブル73iから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0139】
[保留発生時の記憶内容]
次に、特別図柄の保留が発生したときに画像音声制御用RAM74に記憶される内容について図を参照して説明する。
図15(a)は特別図柄保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は特別図柄保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【0140】
なお、特別図柄保留テーブルは、第1始動口21および第2始動口22に対してそれぞれ設けられているが、ここでは、第1始動口21に対する特別図柄保留テーブルを代表にして説明する。また、この実施形態では、第1始動口21および第2始動口22に対する特別図柄保留数の上限はそれぞれ4個であるとする。
【0141】
特別図柄保留テーブル74aは、遊技球が第1始動口21に入賞したときに発生した各種のデータを記憶する。図中の「保留順位」は、保留が発生した順番を示す。また、特別図柄保留テーブル74aは、特別図柄保留数U1を記憶する。「判定結果」は、遊技球が第1始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が行った大当り判定および確変大当り判定の結果である。「確定図柄」は、遊技球が第1始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が決定した確定図柄であり、通常大当り図柄、確変大当り図柄およびハズレ図柄のいずれかを指す。「変動パターン」は、画像音声制御用CPU72が決定した演出図柄の変動パターンである。「残りの変動回数」は、時間短縮遊技モードにおいて演出表示器30が実行可能な演出図柄の残りの変動回数を示す。
【0142】
判定結果および確定図柄は、主制御用CPU52から画像音声制御用CPU72へ送信され、画像音声制御用CPU72によって特別図柄保留テーブル74aに記憶される。
なお、画像音声制御用CPU72は、特別図柄の変動パターンおよび確定図柄、音楽およびLEDの点灯パターンなども抽選により決定し、それらも特別図柄保留テーブルに記憶するが、ここではそれらの説明を省略し、判定結果、演出図柄の確定図柄、演出図柄の変動パターンおよび残りの変動回数を記憶する場合を例に挙げて説明する。
【0143】
図15(a)は、ある遊技状態における特別図柄保留テーブル74aの記憶内容を示す一例である。保留順位3番目(※)には、主制御用CPU52の確変大当り判定結果として「確変大当り」が記憶されており、演出図柄の確定図柄として「777」が記憶されており、変動パターンとして「プレミアムリーチパターン」が記憶されており、残りの変動回数として「24」が記憶されている。また、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている特別図柄保留数U1は上限の4個に達している。
そして、特別図柄の変動表示が1回終了すると、図15(b)に示すように、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている各データは、保留順位が1つずつ繰り上がる。
【0144】
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用CPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図16は、図9に示す主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。以下の説明では、CPUが実行する処理のステップをSと略す。
【0145】
主制御用CPU52は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S500)。この初期設定では、セキュリティチェックなどの処理を行う。次に、主制御用CPU52は、入賞検出処理(S501)、始動口処理(S502)、ゲート処理(S503)、変動開始処理(S504)、普通電動役物処理(S505)、大入賞口処理(S506)および遊技情報送信処理(S507)などを実行する。
【0146】
入賞検出処理(S501)では、入賞口スイッチ17a〜20a、始動口スイッチ21a,27aおよび大入賞口スイッチ24c,25c(図9)からの出力信号の変化を検出し、入賞が発生したことを検出する。ゲート処理(S503)では、ゲートスイッチ23a(図9)からの出力信号の変化を検出し、遊技球がゲート23を通過したことを検出し、普通図柄の当り判定を行う。普通電動役物処理(S505)では、ゲート処理(S503)における普通図柄の当り判定が当りであった場合に普通電動役物ソレノイド27b(図9)を作動させ、普通電動役物27の開閉翼片27c(図3)を開放させる。
【0147】
大入賞口処理(S506)では、通常大当りが発生したときの第1大入賞口24aの開閉制御と、第1または第2確変大当りが発生したときの第2大入賞口25aの開閉制御とを実行する。遊技情報送信処理(S507)では、通常大当りの発生回数、確変大当りの発生回数、特別図柄の変動回数、賞球数の合計(出玉数)などの遊技中に発生する遊技情報をパチンコホールの管理室に設けられたホールコンピュータへ送信する。
【0148】
(始動口処理)
次に、主制御用CPU52が実行する始動口処理(図16のS502)の流れについて図を参照して説明する。
図17は、主制御用CPU52が図16のS502において実行する始動口処理の流れを示すメインフローチャートであり、図18は、図17に示す処理の続きを示すフローチャートである。なお、主制御用CPU52は、第1始動口スイッチ21aまたは第2始動口スイッチ27aがオンしたときに始動口処理を実行するが、ここでは、第1始動口スイッチ21aがオンしたときの始動口処理を代表にして説明する。
【0149】
主制御用CPU52は、第1始動口スイッチ21a(図9)がオンしたか否か、つまり遊技球が第1始動口21(図2)に入賞したか否かを判定する(S20)。ここで、肯定判定すると(S20:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている特別図柄保留数U1を参照し(S21)、特別図柄保留数U1が上限の4個未満であるか否かを判定する(S22)。ここで、肯定判定すると(S22:Yes)、このとき大当り抽選カウンタがカウントしたカウント値を1つ取得する(S23)。
【0150】
ここで、大当り抽選カウンタとは、連続した複数の異なる数値をカウントするカウンタであり、この実施形態では、0〜399の計400個の数値をカウントするリングカウンタである。続いて、主制御用CPU52は、遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定する(S24)。ここで、肯定判定した場合は(S24:Yes)、確変大当り用大当り値テーブルを参照し(S25)、否定判定した場合は(S24:No)、通常大当り用大当り値テーブルを参照する(S26)。確変大当り用大当り値テーブルは、確変遊技状態のときに参照する大当り値が設定されたテーブルであり、通常大当り用大当り値テーブルは、通常遊技状態のときに参照する大当り値が設定されたテーブルである。
【0151】
確変大当り用大当り値テーブルには、通常大当り用大当り値テーブルよりも多くの大当り値が設定されており、確変遊技状態のときに大当りが発生する確率が高くなっている。
この実施形態では、確変大当り用大当り値テーブルには、7,53,89,113,137,157,197,257,307,359の計10個の大当り値が設定されており、通常大当り用大当り値テーブルには、大当り値7のみが設定されている。
つまり、大当りが発生する確率は、通常時が、1/400であり、確変時が、10/400=1/40であり、確変遊技状態のときに大当りが発生する確率は、通常遊技状態のときよりも10倍高くなっている。
【0152】
続いて、主制御用CPU52は、大当りかハズレかを判定する大当り判定を行う(S27)。ここで、先のS24において肯定判定した場合は、先のS23において大当り抽選カウンタから取得したカウント値と同じ数値の大当り値が確変大当り用大当り値テーブルに設定されている場合は大当りと判定する。また、先のS24において否定判定した場合は、先のS23において大当り抽選カウンタから取得したカウント値と同じ数値の大当り値が通常大当り用大当り値テーブルに設定されている場合は大当りと判定する。
【0153】
ここで、大当りと判定した場合は(S27:Yes)、大当り図柄の抽選を実行する(S28)。大当り図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り図柄抽選カウンタと、大当り図柄テーブルとを用いて行う。大当り図柄テーブルは、大当り図柄抽選カウンタのカウント値と大当り図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルから読出す。
【0154】
たとえば、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9をカウントし、大当り図柄テーブルは、0〜9のカウント値と、大当り図柄000・111〜999とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタから取得したカウント値が、たとえば7であった場合は、そのカウント値7と対応付けられている大当り図柄「777」を大当り図柄テーブルから読出す。
【0155】
また、S27において大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S27:No)、ハズレ図柄の抽選を実行する(S29)。ハズレ図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするハズレ図柄抽選カウンタと、ハズレ図柄テーブルとを用いて行う。ハズレ図柄テーブルは、ハズレ図柄抽選カウンタのカウント値とハズレ図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、ハズレ図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから読出す。
【0156】
また、主制御用CPU52は、大当り図柄を抽選により決定すると、その決定した大当り図柄の種類に応じて通常大当りであるか確変大当りであるかを判定する(図18のS34)。つまり、確変大当り判定を行う。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が000や222などの偶数を表した大当り図柄であった場合は、通常大当りであると判定する。ここで、通常大当りであると判定すると(S34:Yes)、通常大当りであると判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S35)。
【0157】
また、通常大当りではないと判定した場合は(S34:No)、第1確変大当りであるか否かを判定する(S36)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が777であった場合は、第1確変大当りであると判定する。ここで、第1確変大当りであると判定すると(S36:Yes)、第1確変大当りであると判定したことを示す第1確変大当りフラグをオンする(S37)。
【0158】
また、第1確変大当りではないと判定した場合は(S36:No)、第2確変大当りであるか否かを判定する(S38)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が偶数を表した大当り図柄および777以外の大当り図柄であった場合は、第2確変大当りであると判定する。ここで、第2確変大当りであると判定すると(S38:Yes)、第2確変大当りであると判定したことを示す第2確変大当りフラグをオンする(S39)。
【0159】
ここで、通常大当りは、第1変動入賞装置24が作動する大当りであり、第1大入賞口24aが開閉するラウンドをn3ラウンド実行する大当りである。また、第1確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn1ラウンド実行する大当りである。また、第2確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn2(n2<n1)ラウンド実行する大当りである。たとえば、n1=16、n2=2、n3=15である。
【0160】
また、大当り遊技中に第1大入賞口21または第2大入賞口22に入賞することによって払出される賞球数の総数の平均値を、第1確変大当りがp1個、通常大当りがp3個、第2確変大当りがp2個とすると、p2<p3<p1となるように構成されている。また、p2/p1=rとすると、0.125≦r<1となるように構成されている。
つまり、遊技者が第2確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p2が、第1確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p1の0.125倍(1/8)未満にならないように構成されている。
【0161】
そして、主制御用CPU52は、特別図柄保留数U1に1を加算し(S40)、特別図柄保留数U1、大当り判定の結果、確変大当り判定の結果、大当り図柄、ハズレ図柄および大当りの種類などの抽選結果を示すデータを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S41)。
【0162】
(変動開始処理)
次に、主制御用CPU52が実行する変動開始処理(図16のS504)の流れについて、それを示す図19のフローチャートを参照して説明する。
【0163】
主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を計測中であるか否かを判定し(S50)、計測中ではないと判定した場合は(S50:No)、特別図柄保留数U1を参照する(S51)。そして、特別図柄保留数U1が1個以上であるか否かを判定し(S52)、1個以上であると判定した場合は(S52:Yes)、特別図柄保留数U1から1を減算する(S53)。続いて、現在の遊技モードが時間短縮遊技モードであるか否かを判定し(S54)、時間短縮遊技モードであると判定した場合は(S54:Yes)、特別図柄および演出図柄の変動回数が70回に達するまでの残りの変動回数Nから1回を減算する(S55)。
【0164】
続いて、残りの変動回数Nが0回になったか否かを判定し(S56)、0回になっていないと判定すると(S56:No)、特別図柄および演出図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドと、現在の特別図柄保留数U1を示すデータと、残りの変動回数Nを示すデータとを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S58)。続いて、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の計測を開始する(S59)。また、S56において、残りの変動回数Nが0になったと判定した場合は(S56:Yes)、時間短縮遊技モードを終了する(S57)。
【0165】
(画像音声制御用CPUが実行する主な処理)
次に、画像音声制御用CPU72(図10)が実行する主な処理の流れについて、それを示す図20のフローチャートを参照して説明する。
【0166】
画像音声制御用CPU72は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S600)。この初期設定では、セキュリティチェックなどの処理を行う。次に、画像音声制御用CPU72は、データ受信処理(S601)、変動パターン抽選処理(S602)、音楽抽選処理(S603)、LED点灯パターン抽選処理(S604)、演出処理(S605)、大当り演出処理(S606)および可動役物処理(S607)などを実行する。
【0167】
(データ受信処理)
画像音声制御用CPU72が実行するデータ受信処理(図20のS601)の流れについて、それを示す図21のフローチャートを参照して説明する。
【0168】
画像音声制御用CPU72は、演出制御基板400を介して主制御用CPU52からデータを受信したか否かを判定し(S200)、受信したと判定すると(S200:Yes)、その受信したデータを解析する(S201)。そして、その解析の結果、受信したデータが変動開始コマンドであるか、あるいは、変動パターンの抽選結果、変動時間の抽選結果、大当り判定の結果および確変大当り判定の結果などの抽選結果であるかを判定する(S202,S203)。
【0169】
ここで、変動開始コマンドではない、つまり、受信したデータは抽選結果であると判定すると(S202:No、S203:Yes)、その受信した抽選結果を画像音声制御用RAM74に記憶し(S204)、変動パターン抽選処理を実行する(S205)。受信した抽選結果は、特別図柄保留数U1の発生した順位に対応して画像音声制御用RAM74の特別図柄保留テーブル74a(図15)に記憶される。また、S202において変動開始コマンドであると判定した場合は、演出処理を実行する(S220)。
【0170】
(変動パターン抽選処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する変動パターン抽選処理(図20のS602)の流れについて、それを示す図22のフローチャートを参照して説明する。
【0171】
画像音声制御用CPU72は、特別図柄保留テーブル74a(図15)を参照し(S206)、判定結果および特別図柄保留数などのデータに対応する変動パターンテーブル73b(図13)を参照する(S207)。続いて、画像音声制御用CPU72は、変動パターンテーブル73bについて前述したように、乱数A〜乱数Dを用いて変動パターンを選択し、その選択した変動パターンを画像音声制御用RAM74の特別図柄保留テーブル74a(図15)に記憶する(S208)。
【0172】
(演出処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する演出処理(図20のS605)の流れについて、それを示す図23のフローチャートを参照して説明する。
【0173】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動時間を計測中であるか否かを判定し(S221)、計測中ではないと判定した場合は(S221:No)、特別図柄保留テーブル74a(図15)を参照し、特別図柄保留数U1の発生順位の1番目に記憶されている変動パターンを読出し(S222)、その読出した変動パターンに従った演出図柄の変動表示を演出表示器30に開始させる(S223)。続いて、演出図柄の変動時間をセットし(S224)、演出図柄の変動時間の計測を開始する(S225)。
【0174】
続いて、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている各データの記憶順位を1つずつ繰り上げ(S226)、特別図柄保留数U1から1を減算して特別図柄保留数U1を更新する(S227)。続いて、現在の遊技モードが時間短縮遊技モードであるか否かを判定し(S228)、時間短縮遊技モードであると判定した場合は(S228:Yes)、演出図柄の残りの変動回数Nが0になっているか否かを判定する(S229)。
【0175】
ここで、残りの変動回数Nが0になっていないと判定した場合は(S229:No)、現在の残りの変動回数Nに対応する変動回数画像データを変動回数画像テーブル73c(図14)から読出し、それを画像投影装置90へ送信し、画像投影装置90により残りの変動回数を表す変動回数画像を遊技者の腕Hに投影させる(S231)。これにより、遊技者は自身の腕Hに投影された変動回数画像を見ることにより、残りの変動回数を容易に把握することができる。
【0176】
そして、次のサイクルでこの演出処理を実行するときに、S221において変動時間を計測中であると判定した場合は(S221:Yes)、計測している時間がタイムアップしたか否かを判定し(S232)、タイムアップしたと判定した場合は(S232:Yes)、特別図柄および演出図柄の変動を停止させ(S233)、先のS222において読出した変動パターンと特別図柄保留テーブル74a(図15)において対応付けられている確定図柄を演出表示器30に確定表示させる(S234)。
【0177】
また、画像音声制御用CPU72は、音楽抽選処理(S603)では、音楽テーブル73f(図12)に基いて音楽を抽選により決定し、LED点灯パターン抽選処理(S604)では、LED点灯パターンテーブル73e(図12)に基いてLED点灯パターンを抽選により決定し、大当り演出処理では、大当り遊技テーブル73g(図12)に基いて大当り発生時の演出内容を抽選により決定し、可動役物処理(S607)では、各種の可動役物の動作を制御する。
【0178】
[第1実施形態の効果]
(1)上述したように、第1実施形態のパチンコ機1を実施すれば、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに演出表示器30が行う演出図柄の残りの変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の少なくとも腕Hに投影することができるため、時間短縮遊技モードにおいて演出表示器30による演出図柄の残りの変動回数を容易に把握することができる。
【0179】
(2)特に、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化してからの演出図柄の変動回数が特定の回数に達したときに時間短縮遊技モードが終了するように構成されたパチンコ機では、時間短縮遊技モードに変化する前の大当り遊技において獲得した賞球を時間短縮遊技モードが終了するまでに減らさないようにすることが遊技者に重要な課題となるため、演出図柄の変動回数は、時間短縮遊技モードによる利益を享受することができる期間を知る上で重要なパラーメータとなる。
そこで、前述した第1実施形態のパチンコ機1を実施すれば、演出図柄の変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕Hに投影することができるため、遊技者は変動回数を容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0180】
(3)しかも、演出図柄の残りの変動回数を演出表示器30に表示しないようにすることができるため、残りの変動回数を表す画像が他の画像の邪魔になるおそれがない。
【0181】
(4)さらに、第1実施形態のパチンコ機1を実施すれば、発射ハンドル4が上受け皿6の側方に配置されており、画像投影装置90が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが上受け皿6に設けられているため、出射口6fから発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hまでの距離を短くすることができるので、鮮明な変動回数画像を効率良く投影することができる。
【0182】
(5)さらに、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに投影される変動回数画像は遊技者の視界に入り、よく目立つため、演出効果を高め易い。
さらに、出射口6fから出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口6fが上受け皿6に設けられているため、出射口6fを設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機1の製造コストを低減することができる。
【0183】
〈第2実施形態〉
次に、この発明の第2実施形態について図を参照して説明する。
図24は、この実施形態のパチンコ機に備えられた画像音声制御用CPU72が実行する演出処理2の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態に係るパチンコ機は、画像音声制御用CPU72が実行する演出処理2の一部以外は、前述した第1実施形態のパチンコ機1と同じ構成および機能であるため、同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0184】
画像音声制御用CPU72は、現在の遊技モードが時間短縮遊技モードであるか否かを判定し(S228)、時間短縮遊技モードであると判定した場合は(S228:Yes)、演出図柄の残りの変動回数Nが0になっているか否かを判定する(S229)。ここで、残りの変動回数Nが0になっていないと判定した場合は(S229:No)、タッチセンサ4j(図9)がオンしているか否か、つまり、遊技者が発射ハンドル4を握っているか否かを判定する(S230)。ここで、タッチセンサ4jがオンしていると判定すると(S230:Yes)、現在の残りの変動回数Nに対応する変動回数画像データを変動回数画像テーブル73c(図14)から読出し、それを画像投影装置90へ送信し、画像投影装置90により残りの変動回数を表す変動回数画像を遊技者の腕Hに投影させる(S231)。
【0185】
[第2実施形態の効果]
上述したように、第2実施形態のパチンコ機1を実施すれば、画像投影装置90は、遊技者が発射ハンドル4に触れていることを条件として変動回数画像を投影することができるため、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに変動回数画像を確実に投影することができる。
【0186】
〈第3実施形態〉
次に、この発明の第3実施形態について図を参照して説明する。
図25は、この実施形態のパチンコ機を斜め前方から見た斜視図である。なお、この実施形態に係るパチンコ機は、出射口6fの配置位置以外は、前述した第1実施形態のパチンコ機1と同じ構成および機能であるため、同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0187】
図25に示すように、パチンコ機1に設けられた前枠2の前面であって発射ハンドル4の近傍上方に出射口6fが形成されている。換言すると、出射口6fが、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの表面H1のうち、主として上面に変動回数画像を投影することができる位置に形成されている。
【0188】
[第3実施形態の効果]
上述したように、第3実施形態のパチンコ機1を実施すれば、画像投影装置90が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが発射ハンドル4の近傍の前枠2に設けられているため、出射口6fから発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hまでの距離を短くすることができるので、鮮明な変動回数画像を効率良く投影することができる。
しかも、出射口6fから出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口6fが前枠2に設けられているため、出射口6fを設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機1の製造コストを低減することができる。
【0189】
〈第4実施形態〉
次に、この発明の第4実施形態について図を参照して説明する。
図26は、変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が4回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が3回であることを示す変動回数画像を示す。
【0190】
この実施形態のパチンコ機1は、時間短縮遊技モードにおいて演出図柄の残りの変動回数が少なくなったときに、残りの変動回数に対応する数の画像を変動回数画像として遊技者の腕Hに投影することを特徴とする。図26に示す例では、円形の画像を変動回数画像として遊技者の腕Hに投影している。同図(a)に示す例では、4つの円形の画像から構成された変動回数画像A4を遊技者の腕Hに投影しており、残りの変動回数が4回であることを表している。
【0191】
そして、残りの変動回数が4回のときに演出図柄の変動表示が1回終了し、残りの変動回数が3回に減少すると、同図(b)に示すように、3つの円形の画像から構成された変動回数画像A3を遊技者の腕Hに投影する。また、残りの変動回数が3回に減少したときに変動回数画像A3の色が変化する。たとえば、残りの変動回数が4回以上のときは、青色の変動回数画像を投影し、残りの変動回数が3回に減少した以降は、赤色の変動回数画像を投影する。
【0192】
[第4実施形態の効果]
上述したように、第4実施形態のパチンコ機1を実施すれば、残りの変動回数が所定回数以下となったときに変動回数画像の色を変えることができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
なお、残りの変動回数を数字で表した変動回数画像を投影する場合に、残りの変動回数が所定回数以下となったときに変動回数画像の色を変えるように構成することもできる。
【0193】
〈第5実施形態〉
次に、この発明の第5実施形態について説明する。
この実施形態のパチンコ機1は、残りの変動回数が所定回数以下となったときに、画像投影装置90が変動回数画像を遊技者の腕Hに投影するときにその変動回数画像により示される残りの変動回数を音声で報知する音声報知手段を備えることを特徴とする。たとえば、図26(b)に示したように、画像投影装置90が、残りの変動回数が3回であることを表す変動回数画像A3を遊技者の腕Hに投影するときに、スピーカ10〜12(図1)から「残り3回!!」という効果音を出力するように構成する。
【0194】
[第5実施形態の効果]
上述したように、第5実施形態のパチンコ機1を実施すれば、視覚に加えて聴覚によっても残りの変動回数を遊技者に報知することができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0195】
〈他の実施形態〉
(1)前述の各実施形態では、画像投影装置90が、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hのうち、主として手首H2の近傍に変動回数画像を投影する場合を説明したが、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの指先から肘H3に亘る領域に変動回数画像を投影することもできる。また、変動回数画像を投影する領域が、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hからはみ出ても良い。たとえば、発射ハンドル4の表面にはみ出ても良いし、遊技者の肘H3から上腕の方へはみ出ても良い。また、遊技者の胸や肩まではみ出ても良い。
【0196】
(2)残りの変動回数が所定回数以下となった以降は、変動回数画像を点滅させることにより、目立たせるように構成することもできる。
(3)前述の各実施形態では、残りの変動回数を表す変動回数画像を投影する場合を説明したが、終了した変動の回数を合計した変動回数を表す変動回数画像を投影するように構成することもできる。
【0197】
(4)出射口6fを下受け皿7に設けることもできる。また、上受け皿および下受け皿が一体成形されており、外見上、上受け皿および下受け皿の区別が付かない貯留部材構造の場合は、貯留部材のうち、変動回数画像を効率良く投影することができる位置を選択して出射口6fを設ける。
【0198】
(5)前述の各実施形態では、画像投影装置として、レーザ光を出射するレーザダイオードを用いた光源を有する装置を説明したが、LED光を出射するLEDを光源として有する装置を画像投影装置として使用することもできる。
【符号の説明】
【0199】
1・・パチンコ機、4・・発射ハンドル、4f・・発射ソレノイド(発射装置)、
5・・遊技盤、6・・上受け皿(貯留部材)、6f・・出射口、7・・下受け皿、
21・・第1始動口(始動口)、22・・第2始動口(始動口)、
24・・第1変動入賞装置(入賞装置)、24a・・第1大入賞口(大入賞口)、
25・・第2変動入賞装置(入賞装置)、25a・・第2大入賞口(大入賞口)、
30・・演出表示器(画像表示装置)、38c・・払出モータ(払出装置)、
52・・主制御用CPU(CPU)、90・・画像投影装置、
A3,A4,A25,A26・・変動回数画像、H・・腕。
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技球が始動口に入賞したときに大当りかハズレかの大当り判定を行うCPUと、そのCPUの大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置とを備えたパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図27は、従来のパチンコ機の正面説明図である。遊技者が発射ハンドル601を操作して発射された遊技球が始動口603に入賞すると、CPUが、大当りかハズレかの大当り判定を行う。そして、演出表示器(画像表示装置)604が、複数の特別図柄(画像)の変動表示を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した特別図柄の配列(以下、図柄列という)を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては、画面の右から左へ移動するように図柄列を表示したり、図柄列を構成する各特別図柄を順番に出現させたりする。
【0003】
そして、演出表示器604が図柄列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したCPUによる大当り判定の結果に対応する特別図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、大当り判定の結果が大当りであった場合は、「777」などの同一数字から成る大当り図柄が確定表示され、大当り判定の結果がハズレであった場合は、「767」などのハズレ図柄が確定表示される。なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す特別図柄が確定した表示状態のことであり、図柄列が再変動することのない表示状態のことである。以下、図柄列の変動表示が開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでを1回の変動表示と数える。また、図柄列の変動表示が開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでに要する時間を変動時間という。
【0004】
図柄列の変動表示が開始してから変動表示が停止し、各表示領域に特別図柄が確定表示されるまでの期間における図柄列の変動パターンには、大別して通常変動およびリーチ変動が存在する。リーチとは、図柄列が変動表示している1つの表示領域以外の各表示領域において大当り図柄を構成する特別図柄がそれぞれ確定表示されている表示状態のことである。換言すると、大当り図柄が揃うためには特別図柄が1つ未確定になっている表示状態のことである。リーチ変動とはリーチを伴う変動パターンのことであり、通常変動とは、リーチを伴わない変動パターンのことである。
【0005】
演出表示器604は、リーチになると、大当り図柄が揃うか否か、遊技者がスリルを感じる演出を行う。たとえば、特別図柄が確定表示されていない1つの表示領域における図柄列の変動速度を極めて遅くし、配列順で大当り図柄の前後の特別図柄を表示したり、一旦停止しかけた大当り図柄を前後の特別図柄に変化させたりする演出を行う。つまり、大当り図柄が揃いそうであるが、直ぐには揃わないような演出を行う。
また、演出表示器604は、演出効果を高めるために、図柄列の変動表示を行わないときに演出用の動画像を表示したり、変動表示する図柄列の背景に演出用の動画像を表示したりする。演出表示器604が表示する動画像は、物語性を有するものが多く、たとえば、アニメ、テレビドラマおよび映画などに基づいて制作されたものが多く使われる。
【0006】
演出表示器604が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置606が開閉部材607を開作動させ、大入賞口608を開口させる。大入賞口608は、普通の入賞口よりも開口面積が大きく、入賞領域が大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口608に規定数(たとえば、約10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口608の開口時間が規定時間(たとえば、約30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材607が閉成し、大入賞口608が閉口する。パチンコ機600の内部から払出された賞球は、上受け皿605に貯留される。
【0007】
そして、大入賞口608の開口から閉口までを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了までの遊技を大当り遊技という。また、特定の大当り図柄にて大当りが発生した場合は、当該大当りに基づく大当り遊技が終了した以降の遊技状態が、大当りの発生確率の高い遊技状態に変化する。このように大当りの発生確率が低確率から高確率に変化することを確変と呼ぶ。
【0008】
前述したCPUは、大当り判定において大当りと判定したときに、大当り図柄の種類を抽選により決定し、その決定した大当り図柄の種類が特定の大当り図柄であるか否かを判定し、特定の大当り図柄であった場合に確変大当りと判定する。将来、確変が発生することになる大当りのことを確変大当りといい、確変大当り以外の大当りのことを通常大当りという。また、確変大当りが発生する特定の大当り図柄を確変大当り図柄といい、確変大当りか否かの判定を確変大当り判定という。また、確変に変化した遊技状態を確変遊技状態といい、確変遊技状態以外の遊技状態を通常遊技状態という。確変遊技状態は、特別図柄の変動回数が規定回数に達するまで継続し、規定回数に達するまでの残りの変動回数は、演出表示器604に数字で小さく表示される。
【0009】
また、遊技球がゲート612を通過すると、普通図柄表示装置611が普通図柄の変動表示を開始し、その開始から所定時間経過して変動表示を停止したときに確定表示された普通図柄が当り図柄であった場合は、普通電動役物610が作動し、普通電動役物610の両翼を開放する。この開放された両翼から遊技球が入賞すると、演出表示器604が特別図柄の図柄列の変動表示を開始する。つまり、普通電動役物610が作動して両翼が開放すると、始動口603の入賞領域が拡大したことになるため、単位時間当りの図柄列の変動回数が増加する。
【0010】
また、大当り遊技が終了すると、特別図柄の図柄列の変動時間が短縮された遊技モード(以下、時間短縮遊技モードという)に変化する。時間短縮遊技モードは、図柄列の変動回数が特定の回数に達するまで継続する。この時間短縮遊技モードでは、普通図柄表示装置が普通図柄の変動表示を開始してから当り図柄またはハズレ図柄を確定表示するまでに要する時間も短縮されるため、単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加する。
【0011】
このため、普通図柄表示装置が単位時間当りに当り図柄を確定表示する確率が高くなるため、単位時間当りに普通電動役物610が両翼を開放する回数が増加する。さらに、時間短縮遊技モードのときは、普通電動役物610が作動したときに両翼を開放している時間が延長される。つまり、大当り遊技が終了した後の時間短縮遊技モードでは、遊技球が始動口603に入賞する頻度が多くなるため、遊技球の発射による賞球の減少を抑制することができる。
そして、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化してから特別図柄の変動回数が特定の回数に達すると時間短縮遊技モードが終了し、通常遊技モードに復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−265721号公報(第2〜3段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述した従来のパチンコ機600は、時間短縮遊技モードにおいて、演出表示器604は、特別図柄の変動回数が特定の回数に達するまでの残りの変動回数を数字で小さく表示することにより、画面に表示される画像の邪魔にならないようにしている。
しかし、変動回数が小さく表示されるため、変動回数を把握し難いという問題がある。
【0014】
そこでこの発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、時間短縮遊技モードにおける特別図柄の変動回数を容易に把握することができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(請求項1に係る発明)
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4f)と、前記発射装置による遊技球の発射強度を調節する発射ハンドル(4)と、前記遊技盤に設けられた始動口(21,22)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレを判定する大当り判定を行うCPU(52)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに動画像の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置(30)と、前記画像表示装置が前記CPUが前記大当り判定において大当りと判定した結果に対応する大当り画像を表示した場合に大入賞口(24a,25a)を所定回数開閉する入賞装置(24,25)と、遊技球が前記大入賞口に入賞したときに賞球を払出す払出装置(38c)と、前記払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材(6,7)と、を備えており、変化可能な複数種類の遊技モードのうち、前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでに要する表示時間が短縮される時間短縮遊技モードに変化可能に構成されたパチンコ機(1)において、
前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでを1回の表示回数と数える場合に、遊技モードが前記時間短縮遊技モードに変化しているときに前記画像表示装置が行う表示の回数を計数する計数手段(S55)と、前記計数手段により計数された表示回数を表す表示回数画像(A1〜A70)を、前記発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕(H)に投影する画像投影装置(90)と、を備えるという技術的手段を用いる。
【0016】
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記発射ハンドル(4)が前記貯留部材(6,7)の側方に配置されており、前記画像投影装置(90)が前記表示回数画像(A1〜A70)を投影するための光を出射する出射口(6f)が前記貯留部材に設けられているという技術的手段を用いる。
【0017】
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記遊技盤(5)を臨む窓(3)が形成された前枠(2)を備えており、前記発射ハンドル(4)が前記前枠の下方に配置されており、前記画像投影装置(90)が前記表示回数画像(A1〜A70)を投影するための光を出射する出射口(6f)が前記発射ハンドルの近傍の前枠に設けられているという技術的手段を用いる。
【0018】
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、遊技者が前記発射ハンドル(4)に触れたことを検出するタッチセンサ(4d,4j)を備えており、前記画像投影装置(90)は、前記タッチセンサが前記遊技者が前記発射ハンドルに触れたことを検出していることを条件として前記表示回数画像(A1〜A70)を投影する機能を有するという技術的手段を用いる。
【0019】
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記時間短縮遊技モードは、前記計数手段(S55)により計数された表示回数が特定の回数に達したときに終了するように構成されているという技術的手段を用いる。
【0020】
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明では、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記計数手段(S55)は、前記特定の回数に達するまでの残りの表示回数を計数するように構成されているという技術的手段を用いる。
【0021】
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明では、請求項6に記載のパチンコ機(1)において、前記画像投影装置(90)は、前記計数手段(S55)により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに表示回数画像の色を変えるように構成されているという技術的手段を用いる。
【0022】
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明では、請求項6または請求項7に記載のパチンコ機(1)において、前記計数手段(S55)により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに、前記画像投影装置(90)が表示回数画像を投影するときにその表示回数画像により示される表示回数を音声で報知する音声報知手段(10〜12,70)を備えるという技術的手段を用いる。
【0023】
なお、請求項1ないし請求項8において、腕とは、遊技者の肩から指先までの範囲を意味する。また、各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0024】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明を実施すれば、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに画像表示装置が行う画像の表示回数を表す表示回数画像を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影することができるため、時間短縮遊技モードにおいて画像表示装置による画像の表示回数を容易に把握することができる。
しかも、画像の表示回数を画像表示装置に表示しないようにすることができるため、表示回数を表す画像が他の画像の邪魔になるおそれがない。
【0025】
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明を実施すれば、発射ハンドルが貯留部材の側方に配置されており、画像投影装置が表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が貯留部材に設けられているため、出射口から発射ハンドルを握る遊技者の腕までの距離を短くすることができるので、鮮明な大当り表示回数画像を効率良く投影することができる。
しかも、出射口から出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口が貯留部材に設けられているため、出射口を設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機の製造コストを低減することができる。
【0026】
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明を実施すれば、発射ハンドルが前枠の下方に配置されており、画像投影装置が表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が発射ハンドルの近傍の前枠に設けられているため、出射口から発射ハンドルを握る遊技者の腕までの距離を短くすることができるので、鮮明な表示回数画像を効率良く投影することができる。
しかも、出射口から出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口が前枠に設けられているため、出射口を設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機の製造コストを低減することができる。
【0027】
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明を実施すれば、画像投影装置は、遊技者が発射ハンドルに触れていることを条件として表示回数画像を投影することができるため、発射ハンドルを握る遊技者の腕に表示回数画像を確実に投影することができる。
【0028】
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明のように、計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達したときに時間短縮遊技モードが終了するように構成されたパチンコ機では、時間短縮遊技モードに変化する前の大当り遊技において獲得した賞球を時間短縮遊技モードが終了するまでに減らさないようにすることが遊技者に重要な課題となるため、画像の表示回数は、時間短縮遊技モードによる利益を享受することができる期間を知る上で重要なパラーメータとなる。
そこで、そのようなパチンコ機において、画像の表示回数を表す表示回数画像を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影することができるため、遊技者は表示回数を容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0029】
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明を実施すれば、時間短縮遊技モードが終了することになる特定の回数に達するまでの残りの表示回数を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影することができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間を容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0030】
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明を実施すれば、計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに表示回数画像の色を変えることができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0031】
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明を実施すれば、計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに、画像投影装置が表示回数画像を投影するときにその表示回数画像により示される表示回数を音声で報知することができる。
つまり、視覚に加えて聴覚によっても表示回数を遊技者に報知することができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の第1実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。
【図3】図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。
【図4】図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。
【図5】(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【図6】(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図7】ボタン演出の流れを示す説明図である。
【図8】変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が26回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が25回であることを示す変動回数画像を示す。
【図9】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図10】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図11】画像投影装置90の主な電気的構成についてそれをブロックで示す説明図である。
【図12】図10に示す画像音声制御用ROM73の主な記憶内容を示す説明図である。
【図13】変動パターンテーブル73bの構成を示す説明図である。
【図14】変動回数画像テーブル73cの構成を示す説明図である。
【図15】(a)は特別図柄保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は特別図柄保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【図16】図9に示す主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図17】主制御用CPU52が図16のS502において実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】図17に示す処理の続きを示すフローチャートである。
【図19】主制御用CPU52が図16のS504において実行する変動開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】図10に示す画像音声制御用CPU72が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図21】画像音声制御用CPU72が図20のS601において実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】画像音声制御用CPU72が図20のS602において実行する変動パターン抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】画像音声制御用CPU72が図20のS605において実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】第2実施形態において画像音声制御用CPU72が図20のS605において実行する演出処理2の流れを示すフローチャートである。
【図25】第3実施形態のパチンコ機を斜め前方から見た斜視図である。
【図26】第4実施形態において変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が4回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が3回であることを示す変動回数画像を示す。
【図27】従来のパチンコ機600の正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
〈第1実施形態〉
[パチンコ機の主要構成]
この発明の第1実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。
図1は、この第1実施形態のパチンコ機を斜め前方から見た斜視図である。
【0034】
パチンコ機1の左側には、プリペイドカードまたはプリペイドコインなどのプリペイド記録媒体を読取るプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。パチンコ機1は、パチンコ機1をパチンコホールの島設備に取付けるための枠状の外枠8を備える。外枠8を構成する天板8aの左端には、金属製の蝶番8bが取付けられている。蝶番8bの前端寄りの部分には、前枠2がヒンジ軸8cを介して回動可能に軸支されている。前枠2には遊技盤5(図2)が設けられており、遊技盤5は、前枠2の開口部に設けられたガラス3によって覆われている。つまり、前枠2の窓であるガラス3を通して遊技盤5を臨む構造である。
【0035】
前枠2の右下には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射強度を調節するための発射ハンドル4が設けられており、発射ハンドル4には、発射強度を調節するための発射レバー4bが回動可能に設けられている。ガラス3の下方の前枠2には、排出口6bから排出される賞球および貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。
【0036】
上受け皿6には、時間短縮遊技モードにおいて、演出図柄の変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の腕に投影するための画像投影装置(図11において符号90で示す)が内蔵されている。変動回数画像は、遊技状態が時間短縮遊技モードに変化しているときに、時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの変動回数を表す画像である。上受け皿6の表面には、画像投影装置が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが開口形成されている。この実施形態では、出射口6fは、上受け皿6の側面のうち、発射ハンドル4に近い側面に開口形成されている。つまり、出射口6fは、変動回数画像を発射ハンドル4を握る遊技者の腕に効率良く鮮明に投影することができる位置に設けられている。
【0037】
上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aと、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100のカード挿入口108に挿入されているプリペイド記録媒体を返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。度数表示部6eは、残り度数を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。たとえば、度数表示部6eは、残り度数を3桁の数字で表示するように構成されており、たとえば、度数の最小表示単位が100円である場合に500円分が残っているときには、005と表示する。
【0038】
上受け皿6の下方には、上受け皿6から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7の底部には遊技球を排出するための球抜き孔7bが開閉可能に形成されており、下受け皿7の前端には、球抜き孔7bを開閉させる球抜きレバー7aがスライド可能に設けられている。また、前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14と、効果音を出力する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択可能なタイミングになったときに、演出内容を選択するために操作する演出ボタン9が設けられている。この実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のスイッチである。
【0039】
プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体の利用が可能であることを示す利用ランプ101と、貸出金額の単位(たとえば、100円、200円、300円、500円)の選択を行うための金額設定ボタン102と、金額設定ボタン102により選択した貸出金額を表示する貸出金額表示部103と、100円未満の残高およびメンテナンス情報を度数表示部6eに表示させる場合に押す端数表示ボタン104と、プリペイド記録媒体読取装置100が接続されるパチンコ機1の連結方向を示す連結台方向表示ランプ105とが設けられている。
【0040】
また、プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体がパチンコ機1に対応していることを示す表示ランプ106と、プリペイド記録媒体を挿入する挿入口108と、挿入口108にプリペイド記録媒体が挿入されていることを示す挿入中ランプ107とが設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100の内部には、挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体を装置内部に装填する装填装置(図示省略)が設けられている。
【0041】
挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体は、その端部が挿入口108から突出しない状態で上記の装填装置に装填されるため、装填装置が故障すると、プリペイド記録媒体を返却することができなくなる。そこで、装填装置は、挿入口108を含む前面パネルの一部と共に前方へ引き出し可能に構成されている。装填装置は、普段はロック機構によって引き出し不能になっているが、プリペイド記録媒体読取装置100に設けられた鍵穴109から鍵を差し込んでロック状態を解除することができるように構成されている。
【0042】
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤の主要構成について図を参照して説明する。
図2は図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。図3は図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図4は図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図5(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【0043】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技球の流下経路は、遊技盤5の盤面に打ち込まれた多数の遊技釘28によって規制されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図9において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0044】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図3に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、動画像および静止画像などを表示する画像表示装置としての演出表示器30が設けられている。演出表示器30が表示する動画像とは、演出図柄の変動表示を表す動画像、変動表示する演出図柄の背景に表示する動画像、演出図柄の変動表示が行われていないときに表示する動画像、遊技者が付いていないときに表示する客待ち用の動画像などである。
この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機EL表示器などを演出表示器30として用いることもできる。
【0045】
盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。
【0046】
図4に示すように、センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
【0047】
図3に示すように、センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、第1始動口21が設けられている(図3)。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域へ案内される。
【0048】
盤面の右側には、右サイド飾り37が設けられており、その右サイド飾り37には、ゲート23および右肩入賞口20が設けられている。右寄り遊技領域のセンター飾り16には、普通電動役物27が設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。
【0049】
開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に第2始動口22が形成される。図4は、開閉翼片27cが外方へ開き、第2始動口22が形成された状態を示す。また、図2に示すように、遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
【0050】
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、LEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図4に示すように、可動役物40の両端は、支持部材40a,40aによって支持されている。図4に示すように、可動役物40は、所定の演出タイミングになると演出表示器30の前面に自然落下し、図2に示すように、モータ(図10において右リフトモータ40dおよび左リフトモータ40fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する。
【0051】
また、可動役物40は、モータ(図10において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図4に示すように、可動役物40の背面には、LEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図10において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物41,42が設けられている。可動役物41,42は、それぞれモータ(図10において左竜モータ41aおよび右竜モータ42aで示す)などの駆動装置によって作動する。
【0052】
また、図3に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図4に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図10において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
【0053】
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、LEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
【0054】
この実施形態では、演出表示器30は戦国時代で活躍した武将の物語をアニメ(動画像)で表示する。また、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物41,42は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
【0055】
図4は、可動役物41,42が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物41,42の内部には、それぞれLED41c,42cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
【0056】
上述した各可動役物40〜45は、遊技中の所定のタイミングで動作して演出効果を高める。また、各可動役物40〜45は、動作することにより、大当りの発生の予告、大当りの発生の示唆、演出表示器30が大当り発生の確率が高い演出画像を表示することの予告など、各種の予告を行う。
【0057】
図2において第1始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、図5(a)に示すように、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている。第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図9において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放すると、第1大入賞口24aが開口する。
【0058】
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図9において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放すると、第2大入賞口25aが開口する。図5(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
【0059】
図2おいて左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図5(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33、特別図柄保留数表示装置32および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0060】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図5(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
【0061】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。
また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
【0062】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、特別図柄保留数表示装置32によって表示される。この実施形態では、特別図柄保留数表示装置32は4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって特別図柄保留数を表示する。つまり、この実施形態では、特別図柄保留数は最大4個である。
【0063】
演出表示器30は、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、特別図柄表示装置31は、複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示器30が演出図柄を変動表示したり、演出用の動画像などの演出画像を表示したりすることによって演出効果を高めている。
【0064】
演出図柄とは、LEDによって表示される特別図柄に代わって表示する演出用の図柄のことであり、複数の識別情報を表現した図柄である。たとえば、0〜9などの数字(アラビア数字または漢数字など)を表現した図柄である。演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出図柄の変動表示を開始する。また、演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出図柄の変動表示を終了し、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
【0065】
図6(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
演出表示器30は、横方向に配列された3つの表示領域D1,D2,D3を有する。各表示領域は、それぞれ演出図柄を変動表示する。この実施形態では、演出表示器30は、0〜9の数字を表した複数の演出図柄を数字の昇順に画面の上から下へ移動するように変動表示する。
【0066】
図6(a)に示す例は、各表示領域D1〜D3においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のある瞬間を表現したものであり、表示領域D1に演出図柄「7」が確定表示され、表示領域D2,D3は演出図柄の変動表示中になっている。また、同図(b)に示す例は、表示領域D1,D3に演出図柄「7」が確定表示され、表示領域D2のみにおいて演出図柄が変動表示されている状態のある瞬間を表現したものであり、いわゆるリーチの状態になっている。
【0067】
リーチになると、演出表示器30は、大当り図柄が確定表示されるか否か、遊技者をハラハラドキドキさせる演出を行う。たとえば、図6(b)に示す例において、表示領域D2における変動速度を遅くし、演出図柄6が画面の上端から出現したときに変動速度をより一段と遅くする。また、一旦、演出図柄7で停止するように見せかけて、再度、表示領域D2のみが変動表示を開始したりする。図6(c)に示す例は、表示領域D1〜D3にそれぞれ演出図柄「7」が確定表示された状態、つまり、大当り図柄の一例である「777」が確定表示された状態を示す。
【0068】
また、演出表示器30は、演出図柄を変動表示する他、演出用の動画像(以下、演出用動画像という)を表示する。この実施形態では、演出表示器30は、戦国武将にまつわる物語をアニメで表現した演出用動画像を表示する。演出表示器30は、複数種類の演出用動画像の中から抽選で所定の演出用動画像を選択して表示するように構成されている。
また、演出図柄の変動パターンには、リーチ変動および通常変動が選択可能に設定されており、各変動には、それぞれ複数種類の変動パターンが選択可能に設定されている。
【0069】
また、変動パターンの種類によって、演出図柄の変動表示が開始されてから大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでに要する時間(以下、変動時間という)が異なる。特に、リーチ変動は、リーチの部分で費やす時間が長いため、通常変動よりも変動時間が長く設定されている。また、リーチ変動の中でも、大当り発生に対する期待度の高いリーチ変動の場合は、リーチの状態における演出が凝っているため、特に変動時間が長く設定されている。なお、大当り発生に対する期待度とは、大当りに繋がるリーチ変動の出現率と、ハズレに繋がるリーチ変動の出現率とを合算した全体出現率に対し、大当りに繋がるリーチ変動の出現率の割合を示すものである。
【0070】
また、演出用動画像は、選択された変動パターンに応じて選択され、演出表示器30は、演出図柄の変動パターンがリーチ変動の場合と通常変動の場合とで異なる演出用動画像を表示することができる。特に、リーチ変動の場合は、通常変動の場合よりも表示時間が長く、凝った演出内容の演出用動画像を表示する。また、リーチ変動の中でも、出現率の低いリーチ変動ほど、演出内容が凝っているために表示時間が長く設定されている。また、出現率の低いリーチ変動のときに表示される演出用動画像は、希少価値が高いため、遊技者間で話題となることがある。
【0071】
また、演出用動画像は、その種類により、変動表示される演出図柄の背景に表示されたり、演出図柄が表示されていないときに表示されたりする。また、演出用動画像には、変動表示している演出図柄の背景に透けて見えるように表示されるものがある。また、演出用動画像の邪魔にならないように、画面の片隅で演出図柄を変動表示し、リーチになったときに画面の中央に演出図柄を拡大して変動表示する場合もある。また、演出用動画像の表示タイミングは、選択された演出図柄の変動パターンに応じて異なり、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに表示するタイミング、演出図柄の変動途中で表示するタイミング、リーチになったときに表示するタイミングなどが存在する。
【0072】
また、演出表示器30は、ボタン演出の内容を表示する。図7は、ボタン演出の流れを示す説明図である。
ボタン演出とは、演出ボタン9が操作されたことに応じて開始される演出、あるいは、演出ボタン9が操作されたことに応じて内容の変化する演出のことである。この実施形態では、遊技球が始動口21に入賞すると、演出表示器30が物語性を有する動画を表示し、その途中でボタン演出を実行するタイミングになると、演出ボタン9を操作することにより、物語に登場する人物のセリフを変更することができるように構成されている。
【0073】
たとえば、図7に示すように、演出表示器30は、ボタン演出を実行するタイミングになると、画面に「ボタンプッシュ」という遊技者に演出ボタン9の操作を促すメッセージ画像G1と、物語の登場人物および登場人物のセリフE,Fを表した画像G2とを表示する。そして、ボタン演出を実行するタイミングになってから制限時間内に遊技者が演出ボタン9を操作し、照光付演出スイッチ9a(図10)がオンすると、図7の右側に示すように、登場人物のセリフがE,FからJ1,K1に変わる。
【0074】
そして、さらに、セリフがJ1,K1に変わってから制限時間内に演出ボタン9が操作されると、セリフがJ2,K2に変わる。また、メッセージ画像G1が表示されてから制限時間内に演出ボタン9が操作されなかった場合は、図7の左側に示すように、セリフがE1,F1に変わる。また、セリフがE1,F1に変わってから制限時間内に演出ボタン9が操作されなかった場合は、セリフがE2,F2に変わる。
【0075】
また、ボタン演出を行う期間が経過すると、再び、演出用動画像が表示され、リーチ変動が出現することを示唆するリーチ予告画像、または、大当り発生を示唆する大当り予告画像などが表示され、その後、通常変動またはリーチ変動が表示される。また、各予告画像は、通常変動またはリーチ変動の中に含まれることもある。
また、ボタン演出において制限時間内に演出ボタン9が操作されていた場合は、操作されていなかった場合よりも期待度の高い演出用動画像が表示される。
【0076】
つまり、ボタン演出が実行されている期間に演出ボタン9を押して登場人物のセリフを変えた方が、後に、期待度の高い演出用動画像が表示されるため、殆どの遊技者がボタン演出期間中は制限時間内に演出ボタン9を押す。なお、大当りかハズレかは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したときに決定されているため、演出ボタン9を押したか否かによって、大当り判定の結果が変わることはない。
【0077】
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、図5(b)に示すように2個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物27の開閉翼片27cが開放され、普通電動役物27への入賞が可能になる。
【0078】
普通電動役物27に入賞した遊技球は、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する第2始動口スイッチ27a(図9)によって検出される。また、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに当りの普通図柄が確定表示されると、開閉翼片27cの開放時間が延長され、普通電動役物27への入賞確率が高くなる。つまり、時間短縮遊技モードにおける入賞数が増加するため、遊技球の発射による賞球の減少が抑制される。また、単位時間当りに特別図柄が変動表示を開始する回数が多くなるため、大当りが発生する確率が高くなる。
【0079】
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって保留数を表示する。つまり、この実施形態では、普通図柄保留数は最大4個である。
また、時間短縮遊技モードでは、普通図柄の変動時間が短縮されるため、単位時間当りの当り図柄が確定表示される確率が高くなるので、単位時間当りの普通電動役物27が開閉翼片27cを開放する回数が増加する。
【0080】
[画像投影装置による演出]
次に、画像投影装置90(図11)による演出について図を参照して説明する。
図8は、変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が26回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が25回であることを示す変動回数画像を示す。なお、この実施形態では、通常大当りが発生すると第1変動入賞装置24が作動して第1大入賞口24aを開閉し、確変大当りが発生すると第2変動入賞装置25が作動して第2大入賞口25aを開閉するものとする。
【0081】
発射ハンドル4は、前面カバー4aと、発射レバー4bと、回動部材4hと、タッチセンサホルダ4dと、内部に設けられたタッチセンサ4j(図9)とを備える。前面カバー4aは、遊技者の掌をあてがう部分であり、前方へ膨出した球面に形成されている。前面カバー4aは回動不能に固定されている。回動部材4hは、円筒形状に形成されており、回動自在に設けられている。回動部材4hの周面には、遊技者の指を掛けるための3個の発射レバー4bが突出形成されている。前面カバー4aと回動部材4hとの間には、遊技者の手が触れたことを検出するためのタッチセンサホルダ4dが設けられている。発射ハンドル4の内部には、タッチセンサホルダ4dと電気的に接続されたタッチセンサ4jが設けられている。
【0082】
演出表示器30が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、第1変動入賞装置24が作動し、大当り遊技が開始する。そして、第1大入賞口24aが開口し、第1ラウンドが開始し、第1大入賞口24aに入賞すると所定個数の賞球が上受け皿6に払出される。第1大入賞口24aが開口してから所定時間(たとえば、約30秒)経過するか、あるいは、第1大入賞口24aへの入賞数が所定個数(たとえば、10個)に達すると、第1大入賞口24aが閉口し、第1ラウンドが終了する。
【0083】
そして、所定ラウンド数(たとえば、15ラウンド)に達すると第1変動入賞装置24の作動が停止し、大当り遊技が終了する。また、演出表示器30が確定表示した大当り図柄が特定の図柄であった場合は、この大当り遊技が終了した後の遊技状態が確変遊技状態に変化するとともに、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化する。この実施形態では、時間短縮遊技モードは、演出表示器30による演出図柄の変動回数が70回に達するまで継続する。遊技モードが時間短縮遊技モードに変化すると、画像投影装置90が演出図柄の変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに投影する。この実施形態では、画像投影装置90は、演出図柄の変動回数が70回に達するまでの残りの変動回数を表す変動回数画像を投影する。
【0084】
図8(a)に示す例では、残りの変動回数が26回であることを表す変動回数画像A26が遊技者の腕Hの表面H1に投影されている。そして、演出図柄の変動が1回終了し、残りの変動回数が25回に減少すると、図8(b)に示すように、残りの変動回数が25回であることを表す変動回数画像A25が遊技者の腕Hの表面H1に投影される。図8に示す例では、変動回数画像は遊技者の腕Hのうち手首H2の近傍に投影されているため、遊技者の視界に入り易い。
【0085】
このように、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに、時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに投影することができるため、時間短縮遊技モードにおいて演出図柄の残りの変動回数を容易に把握することができる。
【0086】
変動回数画像の色は、任意の色に設定することができるが、遊技者が見落とさないようにするためには、腕Hの表面H1に投影したときに目立つ色に設定することが望ましい。たとえば、赤色または黄色などの彩度の高い色に設定する。また、季節に応じて色を設定することもできる。たとえば、初夏から初秋にかけて、腕を露出することが多い場合は、腕Hの表面H1に投影したときに目立つ色に設定する。たとえば、赤色または黄色などの彩度の高い色に設定する。
【0087】
また、長袖を着る季節では、遊技者によって袖の色がまちまちであるため、袖の色によっては設定した色の変動回数画像を投影しても目立たない場合がある。そこで、長袖を着る季節では、変動回数画像を点滅させれば、投影する領域の色に関係無く、良く目立たせることができる。
【0088】
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図9および図10を参照して説明する。
【0089】
図10に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。主制御用CPU52は、大当り判定、大当り図柄の抽選、確変大当り判定、ハズレ図柄の抽選、変動時間の抽選、演出図柄の変動回数の計数、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技の進行に必要な処理を実行する。また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子(図示省略)とを備える。
【0090】
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、主制御基板50と電気的に接続された各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定または確変大当り判定を行う際に参照する大当り値、大当り図柄の抽選の際に参照するテーブル、ハズレ図柄の抽選の際に参照するテーブルなどが読出し可能に記憶されている。
【0091】
主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、主制御用RAM54は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果などの記憶しているデータを記憶保持する。
【0092】
また、主制御基板50には、第1始動口21に入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ21aと、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する第2始動口スイッチ27aと、外部端子板503とが電気的に接続されている。主制御用CPU52は、大当りの発生回数、入賞数および特別図柄の変動回数などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータ(図示省略)へ送信する。ホールコンピュータは、パチンコホールの管理室などに配置されている。
【0093】
また、主制御基板50には、図柄表示基板84が電気的に接続されている。図柄表示基板84には、特別図柄表示装置31と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板76とが電気的に接続されている。
【0094】
セキュリティ中継端子板89には、不正行為において発生する誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為において発生する磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
【0095】
また、払出制御基板60には、払出中継端子板83が電気的に接続されており、払出中継端子板83には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が切れていることを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。これらの前部払出センサ38a〜後部球切れスイッチ38eが賞球払出装置を構成している。
【0096】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38cを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBB(図示省略)と、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子(図示省略)とを備える。
【0097】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0098】
さらに、払出制御用RAM64は、未払いの賞球数および貸球数を記憶し、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、未払いの賞球数および貸球数を記憶保持する。また、払出制御基板60には、度数表示部6e(図1)が搭載された度数表示基板504が貸出装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。貸出装置接続端子板78には、プリペイド記録媒体読取装置100(図1)が電気的に接続されている。
【0099】
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射ソレノイド4fの発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出するためのタッチセンサ4jと、タッチセンサ4jがオンしているときに発射レバー4bの回動によってオンし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。
【0100】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
【0101】
図10に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面演出中継端子板82と、盤面LED中継端子板81と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板79とが電気的に接続されている。演出制御基板400には、演出制御用CPU402を備えた演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用CPU402は、主制御用CPU52(図9)から送信された演出制御信号を受信し、その受信した演出制御信号を対応する基板に振り分ける処理などを行う。
【0102】
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、画像投影装置90が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、盤面演出中継端子板82が電気的に接続されており、その盤面演出中継端子板82には、枠部演出中継端子板85を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。また、枠部演出中継端子板85には、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。照光付演出スイッチ9aは、演出ボタン9を押圧操作したときにオンし、演出ボタン9に内蔵されているLEDを点灯させるスイッチである。
【0103】
画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71および音量調節装置75が搭載されている。画像音声制御用MPU71は、画像音声制御用CPU72と、画像音声制御用ROM73と、画像音声制御用RAM74とを備える。画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って演出表示器30を制御し、演出制御信号に対応する画像を演出表示器30に表示させる。
【0104】
また、画像音声制御用CPU72は、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化したときに画像投影装置90が遊技者の腕Hに変動回数画像を投影するための画像データを画像投影装置90へ送信する。さらに、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って各スピーカ10〜12を駆動し、演出制御信号に対応する効果音などを各スピーカ10〜12から出力させる。
【0105】
画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、パチンコ機1が画像、LEDおよび音声により演出を行うためのデータがテーブル形式で記憶されている(図12)。画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。音量調節装置75は、各スピーカ10〜12が出力する効果音などの音量を調節する音量調節つまみを備える。
【0106】
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物40の背面に配置された可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物42を駆動する右竜モータ42aと、可動役物42が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ42bと、可動役物41を駆動する左竜モータ41aと、可動役物41が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ41bとが電気的に接続されている。
【0107】
補助演出右中継端子板68には、可動役物40を振動させる家紋モータ40bと、可動役物40の位置を検出する家紋位置確認センサ40cと、可動役物40を上昇させる右リフト(図示省略)を駆動する右リフトモータ40dと、右リフトが原点に復帰したことを検出する右リフト原点センサ40eとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、可動役物40を上昇させる左リフト(図示省略)を駆動する左リフトモータ40fと、左リフトが原点に復帰したことを検出する左リフト原点センサ40gと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、その可動役物が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、その可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
【0108】
補助演出駆動基板410には、補助演出制御用MPU420が搭載されている。補助演出制御用MPU420は、補助演出制御用CPU421と、補助演出制御用ROM422と、補助演出制御用RAM423とを備える。補助演出制御用CPU421は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って可動役物40〜45などの動作を制御する。補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(たとえば、可動役物40〜45などの動作パターン)が読出し可能に記憶されている。
【0109】
補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0110】
また、電源基板76は、主電源77(AC/24V)から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、貸出装置接続端子板78と、演出電源基板79(図10)とに供給する。演出電源基板79は、電源基板76から供給される電源を演出電源基板79と電気的に接続された各基板へ分配する。盤面LED中継端子板81には、遊技盤5に設けられた各種のLEDが搭載されている。
【0111】
[画像投影装置の主な電気的構成]
次に、画像投影装置90の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図11を参照して説明する。
【0112】
画像投影装置90は、LD(Laser Diode)91,92と、偏光ビームスプリッタ93aと、レンズ93bと、スキャナミラー93cと、ハーフミラー93dと、ミラー検出器96と、調整部97と、アクチュエータ98aと、ドライバ98bと、レーザ検出器94と、レーザ制御回路95と、制御回路99とを備える。制御回路99は、CPU、ROM、RAMおよびビデオRAMなどを備える。
【0113】
LD91は、赤色および青色のレーザ光を出射するダイオードであり、LD92は、緑色のレーザ光を出射するダイオードであり、LD91,92は、レーザ制御回路95により制御される。なお、LD91は、赤色のレーザ光を出射するLDと青色のレーザ光を出射するLDとを一体として構成しているLDであるが、別個に構成されているものを用いることもできる。このように、LD91,92は、入力される画像信号に応じてレーザ光を出射するレーザ光源を構成する。
【0114】
レーザ制御回路95は、制御回路99から送られる信号に基づいてLD91,92の出射量および出射タイミングなどを制御する。また、レーザ制御回路95は、後述のレーザ検出器94にて検出されるレーザ光の出力量よりレーザ光の出射状態を検知し、その出射状態に基づいてLD91,92の出射量の調整を行う。また、レーザ制御回路95は、後述するように、制御回路99からの制御信号に応じてLD91,92にレーザ光を出射させる制御を行う。
【0115】
偏光ビームスプリッタ93aは、LD92から出射されるレーザ光の光路上に配置されており、入射されたレーザ光をP偏光とS偏光とに分離する光学部材である。そして、偏光ビームスプリッタ93aは、LD92から出射された緑色のレーザ光の一部をレンズ93bに向けて透過させ、残りをレーザ検出器94に向けて反射させる。一方で、偏光ビームスプリッタ93aは、LD91から出射された赤色および青色のレーザ光の一部をレーザ検出器94に向けて透過させ、残りをレンズ93bに向けて反射させる。
【0116】
レーザ検出器94は、たとえば、レーザ光の出力量(強度)を検出するセンサであり、LD91から出射されるレーザ光の光路上に配置されている。レンズ93bは、偏光ビームスプリッタ93aを透過したレーザ光を集光する。スキャナミラー93cは、後述のアクチュエータ98aにより所定の駆動力が付与されることにより共振し、この共振によって2軸方向に独立して回動するガルバノミラーであり、その回動によりミラー傾斜角を水平方向及び垂直方向に調整することで、入射された光の反射方向を調整することができる。
【0117】
そのため、レンズ93bを透過したレーザ光の反射方向をスキャナミラー93cにより順次調整することで、遊技者の腕Hの表面H1にレーザ光を走査することにより、変動回数画像を投影することができる。このように、スキャナミラー93cは、レーザ光源から出射されたレーザ光を遊技者の腕Hの表面H1に向けて反射させ、共振させて走査を行う走査部を構成する。
【0118】
ドライバ98bは、たとえば、制御回路99から送信される命令に応じて、アクチュエータ98aに駆動周波数に対応するパルス信号を与えることで、スキャナミラー93cを共振させ、レーザ光の走査を制御する。アクチュエータ98aは、たとえば、スキャナミラー93cの2軸各々に接続された2つのパルスモータであり、それぞれが後述のドライバ98bから指示される駆動周波数(共振周波数)に基づいて駆動し、スキャナミラー93cを所定角回動させるように構成されている。また、アクチュエータ98aは、スキャナミラー93cの駆動に際し、電力を供給するように構成されている。
【0119】
ハーフミラー93dは、スキャナミラー93cにて反射したレーザ光の一部を出射口6fに向けて透過させるとともに、残りをミラー検出器96に向けて反射させる。ミラー検出器96は、たとえば、ハーフミラー93dにて反射したレーザ光を受光し、スキャナミラー93cの2軸方向の傾斜角(振れ角)を検出する傾斜角検出器である。このミラー検出器96にて検出された傾斜角はアナログ電気信号として調整部97に入力される。
【0120】
調整部97は、たとえば、図示は省略するが、四則算用の演算器、コンパレータ、アナログ信号増幅用のアンプ、A/D変換器などを備えており、ミラー検出器96から入力されるスキャナミラー93cの傾斜角に関するアナログ電気信号について、増幅、四則算、比較などを介して所望の値に調整し、デジタル信号に変換して制御回路99に送信するように構成されている。
【0121】
つまり、スキャナミラー93cは、設置環境(たとえば、温度、湿度、気圧など)によって共振周波数が変動し、レーザ光の走査位置にずれが生じるおそれがあるため、ミラー検出器96および調整部97によりスキャナミラー93cの傾斜角を検出して制御回路99に送信することにより、制御回路99がドライバ98bの出力する駆動周波数を逐次調整出来る様に構成されている。
【0122】
画像音声制御基板70に搭載された画像音声制御用CPU72は、変動回数画像を遊技者の腕Hに投影するタイミングになると、変動回数画像を投影するための変動回数画像データを制御回路99へ送信する。そして、制御回路99は、レーザ制御回路95へ起動命令を送信し、レーザ制御回路95がLD91,92を起動してレーザ光を出射させる。また、制御回路99は、ドライバ98bへ起動命令を送信し、ドライバ98bがアクチュエータ98aを駆動し、スキャナミラー93cを回動させる。そして、LD91,92から出射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ93aおよびレンズ93bを通過してスキャナミラー93cによって反射され、ハーフミラー93dを通して出射口6fから出射し、遊技者の腕Hの表面H1に走査され、変動回数画像が投影される。
【0123】
[各種テーブル]
次に、画像音声制御用ROM73に記憶されている各種のテーブルの構成について図を参照して説明する。図12は、図10に示す画像音声制御用ROM73の主な記憶内容を示す説明図である。図13は変動パターンテーブルの構成を示す説明図である。図14は変動回数画像テーブルの構成を示す説明図である。
【0124】
画像音声制御用ROM73には、演出図柄テーブル73a、変動パターンテーブル73b、変動回数画像テーブル73c、LED点灯パターンテーブル73e、音楽テーブル73f、大当り遊技テーブル73g、客待ち画像テーブル73hおよびボタン演出画像テーブル73iなどがデータ読出し可能に記憶されている。
【0125】
演出図柄テーブル73aは、演出表示器30がハズレ図柄または大当り図柄を確定表示するときに画像音声制御用CPU72が参照するテーブルである。変動パターンテーブル73bは、演出表示器30が変動表示する演出図柄の変動パターンを画像音声制御用CPU72が抽選で決定するときに参照するテーブルである。この実施形態では、変動パターンテーブル73bは、図13に示すように、演出図柄の変動パターンを抽選により決定するための乱数A〜乱数Dおよび変動パターンを対応付けて構成されている。
【0126】
乱数A〜乱数Dは、それぞれカウンタがカウントするカウント値であり、各乱数は、カウンタがカウントするカウント値の範囲に等しい。つまり、画像音声制御用CPU72が所定のタイミングでカウンタから取得したカウント値が乱数となる。そのカウンタは、たとえば、複数の連続した数値(たとえば、0〜239)をカウントするリングカウンタである。乱数A〜乱数Dは、それぞれグループ1〜グループnに分けられている。
【0127】
乱数Aを構成するグループ1にはそれぞれ乱数Bの複数のグループが対応付けられており、乱数Aを構成するグループnには乱数Dのグループnが対応付けられている。乱数Bを構成する各グループにはそれぞれ乱数Cの複数のグループが対応付けられている。乱数Cを構成する各グループにはそれぞれ乱数Dの複数のグループが対応付けられている。また、乱数Dの各グループを構成する各乱数には、それぞれ種類の異なる変動パターンが対応付けられている。
【0128】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動パターンを決定するタイミングになると、乱数A〜乱数Dを発生する各カウンタから乱数(カウント値)を1つずつ取得する。そして、乱数Aを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループのうち、乱数Bを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Bのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Cを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Cのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Dを発生するカウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Dのグループに対応付けられている変動パターンを選択する。
【0129】
つまり、乱数A、乱数B、乱数C、乱数Dの順に選択し、最終的に乱数Dに対応付けられている変動パターンを選択する。このように複数の乱数と変動パターンとを対応付けて構成することにより、同じ種類の変動パターンが選択される確率が低くなっているため、遊技者が飽きないように工夫されている。
また、変動パターンのうち、リーチに発展する変動パターンであるリーチパターンには、複数種類のリーチパターンが設定されている。リーチパターンの呼称は、パチンコ機の製造メーカーや機種によって異なるが、たとえば、リーチパターンは、その出現確率の違いにより、ノーマルリーチパターン、スーパーリーチパターンおよびプレミアムリーチパターンなどと呼ばれる。
【0130】
ノーマルリーチパターンとは、リーチパターンの中でも出現確率の高い変動パターンのことであり、スーパーリーチパターンとは、ノーマルリーチパターンよりも出現確率の低い変動パターンのことであり、プレミアムリーチパターンとは、スーパーリーチパターンよりも出現確率の低い変動パターンのことである。また、大当りは、リーチパターンを経て発生するようになっており、特に、プレミアムリーチパターンが出現したときに大当りの発生確率が高くなるように構成されている。
つまり、遊技者から見ると、プレミアムリーチパターンが出現したときの大当り発生に対する期待度が最も高くなるように構成されている。
【0131】
なお、乱数Dのグループnには、演出図柄の変動途中でリーチに発展しない通常変動パターンが対応付けられており、乱数Aのグループnに属する乱数が選択された場合は、通常変動パターンが選択される。
また、図示しないが、画像音声制御用ROM73には、通常遊技状態、確変遊技状態、大当り判定の結果、確変大当り判定の結果および特別図柄保留数によって異なる構成の変動パターンテーブルが記憶されており、遊技状態に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
【0132】
変動回数画像テーブル73cは、画像音声制御用CPU72が画像投影装置90に変動回数画像を投影させるための変動回数画像データを読出すときに参照するテーブルである。変動回数画像テーブル73cは、時間短縮遊技モードが終了するまでに変動可能な変動回数の上限に対して残りの変動回数と、変動回数画像(変動回数画像データ)とを対応付けて構成されている。この実施形態では、残りの変動回数70〜1回と、変動回数画像A70〜A1とを対応付けて構成されている。
【0133】
たとえば、残りの変動回数が26回に達したときは、変動回数画像テーブル73cにおいて残りの変動回数の26回に対応付けられている変動回数画像A26を読出し、それを画像投影装置90へ送信する。これにより、画像投影装置90は、図8(a)に示したように、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの表面H1に、残りの変動回数が26回であることを表す変動回数画像A26を投影する。また、残りの変動回数が25回に減少すると、変動回数画像テーブル73cから変動回数画像A25を読出して画像投影装置90へ送信し、図8(b)に示したように、残りの変動回数が25回であることを表す変動回数画像A25を遊技者の腕Hに投影する。
【0134】
画像音声制御用ROM73に記憶されているLED点灯パターンテーブル73eは、画像音声制御用CPU72がパチンコ機1に設けられた各種のLEDの点灯パターンを抽選で決定するときに参照するテーブルである。LEDの点灯パターンの抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするLED点灯パターン抽選カウンタを用いて行う。
LED点灯パターンテーブル73dは、LED点灯パターン抽選カウンタのカウント値と、LEDの点灯パターンとを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、LED点灯パターン抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているLEDの点灯パターンをLED点灯パターンテーブル73dから読出し、その点灯パターンに従ってLEDを点灯するように演出制御用CPU402に指示する。
【0135】
音楽テーブル73fは、画像音声制御用CPU72が各スピーカ10〜12が出力する音楽または効果音などを抽選で決定するときに参照するテーブルである。音楽の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする音楽抽選カウンタを用いて行う。
音楽テーブル73fは、音楽抽選カウンタのカウント値と、音楽とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、音楽抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている音楽を音楽テーブル73fから読出し、それを出力するように、スピーカ10〜12と電気的に接続された音声出力装置(図示省略)に指示する。
【0136】
大当り遊技テーブル73gは、大当り遊技中における演出表示器30の表示内容、音楽およびLEDの点灯パターンなどの演出内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出内容の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り演出内容抽選カウンタを用いて行う。大当り遊技テーブル73gは、大当り演出内容抽選カウンタのカウント値と、演出内容の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、大当り演出内容抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている演出内容を大当り遊技テーブル73gから読出し、その読出した演出内容に応じた演出を行う。
【0137】
客待ち画像テーブル73hは、遊技者がパチンコ機1にて遊技を行っていない、いわゆる客待ち状態のときに画像音声制御用CPU72が演出表示器30に客待ち画像の表示を指示するためのデータが記憶されたテーブルである。客待ち画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする客待ち画像抽選カウンタを用いて行う。客待ち画像テーブル73hは、客待ち画像抽選カウンタのカウント値と、客待ち画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、特別図柄の保留数が0になってから所定時間経過したときに客待ち画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている客待ち画像の種類を客待ち画像テーブル73hから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0138】
ボタン演出画像テーブル73iは、演出ボタン9(図1)が押下され、照光付演出スイッチ9a(図10)がオンしたときに画像音声制御用CPU72がボタン演出画像(ボタン演出を表す画像)の内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。ボタン演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするボタン演出画像抽選カウンタを用いて行う。ボタン演出画像テーブル73iは、ボタン演出画像抽選カウンタのカウント値と、ボタン演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、演出ボタン9を押下することにより、ボタン演出を選択可能な有効時間内に照光付演出スイッチ9aがオンしたときにボタン演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているボタン演出画像の種類をボタン演出画像テーブル73iから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0139】
[保留発生時の記憶内容]
次に、特別図柄の保留が発生したときに画像音声制御用RAM74に記憶される内容について図を参照して説明する。
図15(a)は特別図柄保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は特別図柄保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【0140】
なお、特別図柄保留テーブルは、第1始動口21および第2始動口22に対してそれぞれ設けられているが、ここでは、第1始動口21に対する特別図柄保留テーブルを代表にして説明する。また、この実施形態では、第1始動口21および第2始動口22に対する特別図柄保留数の上限はそれぞれ4個であるとする。
【0141】
特別図柄保留テーブル74aは、遊技球が第1始動口21に入賞したときに発生した各種のデータを記憶する。図中の「保留順位」は、保留が発生した順番を示す。また、特別図柄保留テーブル74aは、特別図柄保留数U1を記憶する。「判定結果」は、遊技球が第1始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が行った大当り判定および確変大当り判定の結果である。「確定図柄」は、遊技球が第1始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が決定した確定図柄であり、通常大当り図柄、確変大当り図柄およびハズレ図柄のいずれかを指す。「変動パターン」は、画像音声制御用CPU72が決定した演出図柄の変動パターンである。「残りの変動回数」は、時間短縮遊技モードにおいて演出表示器30が実行可能な演出図柄の残りの変動回数を示す。
【0142】
判定結果および確定図柄は、主制御用CPU52から画像音声制御用CPU72へ送信され、画像音声制御用CPU72によって特別図柄保留テーブル74aに記憶される。
なお、画像音声制御用CPU72は、特別図柄の変動パターンおよび確定図柄、音楽およびLEDの点灯パターンなども抽選により決定し、それらも特別図柄保留テーブルに記憶するが、ここではそれらの説明を省略し、判定結果、演出図柄の確定図柄、演出図柄の変動パターンおよび残りの変動回数を記憶する場合を例に挙げて説明する。
【0143】
図15(a)は、ある遊技状態における特別図柄保留テーブル74aの記憶内容を示す一例である。保留順位3番目(※)には、主制御用CPU52の確変大当り判定結果として「確変大当り」が記憶されており、演出図柄の確定図柄として「777」が記憶されており、変動パターンとして「プレミアムリーチパターン」が記憶されており、残りの変動回数として「24」が記憶されている。また、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている特別図柄保留数U1は上限の4個に達している。
そして、特別図柄の変動表示が1回終了すると、図15(b)に示すように、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている各データは、保留順位が1つずつ繰り上がる。
【0144】
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用CPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図16は、図9に示す主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。以下の説明では、CPUが実行する処理のステップをSと略す。
【0145】
主制御用CPU52は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S500)。この初期設定では、セキュリティチェックなどの処理を行う。次に、主制御用CPU52は、入賞検出処理(S501)、始動口処理(S502)、ゲート処理(S503)、変動開始処理(S504)、普通電動役物処理(S505)、大入賞口処理(S506)および遊技情報送信処理(S507)などを実行する。
【0146】
入賞検出処理(S501)では、入賞口スイッチ17a〜20a、始動口スイッチ21a,27aおよび大入賞口スイッチ24c,25c(図9)からの出力信号の変化を検出し、入賞が発生したことを検出する。ゲート処理(S503)では、ゲートスイッチ23a(図9)からの出力信号の変化を検出し、遊技球がゲート23を通過したことを検出し、普通図柄の当り判定を行う。普通電動役物処理(S505)では、ゲート処理(S503)における普通図柄の当り判定が当りであった場合に普通電動役物ソレノイド27b(図9)を作動させ、普通電動役物27の開閉翼片27c(図3)を開放させる。
【0147】
大入賞口処理(S506)では、通常大当りが発生したときの第1大入賞口24aの開閉制御と、第1または第2確変大当りが発生したときの第2大入賞口25aの開閉制御とを実行する。遊技情報送信処理(S507)では、通常大当りの発生回数、確変大当りの発生回数、特別図柄の変動回数、賞球数の合計(出玉数)などの遊技中に発生する遊技情報をパチンコホールの管理室に設けられたホールコンピュータへ送信する。
【0148】
(始動口処理)
次に、主制御用CPU52が実行する始動口処理(図16のS502)の流れについて図を参照して説明する。
図17は、主制御用CPU52が図16のS502において実行する始動口処理の流れを示すメインフローチャートであり、図18は、図17に示す処理の続きを示すフローチャートである。なお、主制御用CPU52は、第1始動口スイッチ21aまたは第2始動口スイッチ27aがオンしたときに始動口処理を実行するが、ここでは、第1始動口スイッチ21aがオンしたときの始動口処理を代表にして説明する。
【0149】
主制御用CPU52は、第1始動口スイッチ21a(図9)がオンしたか否か、つまり遊技球が第1始動口21(図2)に入賞したか否かを判定する(S20)。ここで、肯定判定すると(S20:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている特別図柄保留数U1を参照し(S21)、特別図柄保留数U1が上限の4個未満であるか否かを判定する(S22)。ここで、肯定判定すると(S22:Yes)、このとき大当り抽選カウンタがカウントしたカウント値を1つ取得する(S23)。
【0150】
ここで、大当り抽選カウンタとは、連続した複数の異なる数値をカウントするカウンタであり、この実施形態では、0〜399の計400個の数値をカウントするリングカウンタである。続いて、主制御用CPU52は、遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定する(S24)。ここで、肯定判定した場合は(S24:Yes)、確変大当り用大当り値テーブルを参照し(S25)、否定判定した場合は(S24:No)、通常大当り用大当り値テーブルを参照する(S26)。確変大当り用大当り値テーブルは、確変遊技状態のときに参照する大当り値が設定されたテーブルであり、通常大当り用大当り値テーブルは、通常遊技状態のときに参照する大当り値が設定されたテーブルである。
【0151】
確変大当り用大当り値テーブルには、通常大当り用大当り値テーブルよりも多くの大当り値が設定されており、確変遊技状態のときに大当りが発生する確率が高くなっている。
この実施形態では、確変大当り用大当り値テーブルには、7,53,89,113,137,157,197,257,307,359の計10個の大当り値が設定されており、通常大当り用大当り値テーブルには、大当り値7のみが設定されている。
つまり、大当りが発生する確率は、通常時が、1/400であり、確変時が、10/400=1/40であり、確変遊技状態のときに大当りが発生する確率は、通常遊技状態のときよりも10倍高くなっている。
【0152】
続いて、主制御用CPU52は、大当りかハズレかを判定する大当り判定を行う(S27)。ここで、先のS24において肯定判定した場合は、先のS23において大当り抽選カウンタから取得したカウント値と同じ数値の大当り値が確変大当り用大当り値テーブルに設定されている場合は大当りと判定する。また、先のS24において否定判定した場合は、先のS23において大当り抽選カウンタから取得したカウント値と同じ数値の大当り値が通常大当り用大当り値テーブルに設定されている場合は大当りと判定する。
【0153】
ここで、大当りと判定した場合は(S27:Yes)、大当り図柄の抽選を実行する(S28)。大当り図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り図柄抽選カウンタと、大当り図柄テーブルとを用いて行う。大当り図柄テーブルは、大当り図柄抽選カウンタのカウント値と大当り図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルから読出す。
【0154】
たとえば、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9をカウントし、大当り図柄テーブルは、0〜9のカウント値と、大当り図柄000・111〜999とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタから取得したカウント値が、たとえば7であった場合は、そのカウント値7と対応付けられている大当り図柄「777」を大当り図柄テーブルから読出す。
【0155】
また、S27において大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S27:No)、ハズレ図柄の抽選を実行する(S29)。ハズレ図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするハズレ図柄抽選カウンタと、ハズレ図柄テーブルとを用いて行う。ハズレ図柄テーブルは、ハズレ図柄抽選カウンタのカウント値とハズレ図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、ハズレ図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから読出す。
【0156】
また、主制御用CPU52は、大当り図柄を抽選により決定すると、その決定した大当り図柄の種類に応じて通常大当りであるか確変大当りであるかを判定する(図18のS34)。つまり、確変大当り判定を行う。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が000や222などの偶数を表した大当り図柄であった場合は、通常大当りであると判定する。ここで、通常大当りであると判定すると(S34:Yes)、通常大当りであると判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S35)。
【0157】
また、通常大当りではないと判定した場合は(S34:No)、第1確変大当りであるか否かを判定する(S36)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が777であった場合は、第1確変大当りであると判定する。ここで、第1確変大当りであると判定すると(S36:Yes)、第1確変大当りであると判定したことを示す第1確変大当りフラグをオンする(S37)。
【0158】
また、第1確変大当りではないと判定した場合は(S36:No)、第2確変大当りであるか否かを判定する(S38)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が偶数を表した大当り図柄および777以外の大当り図柄であった場合は、第2確変大当りであると判定する。ここで、第2確変大当りであると判定すると(S38:Yes)、第2確変大当りであると判定したことを示す第2確変大当りフラグをオンする(S39)。
【0159】
ここで、通常大当りは、第1変動入賞装置24が作動する大当りであり、第1大入賞口24aが開閉するラウンドをn3ラウンド実行する大当りである。また、第1確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn1ラウンド実行する大当りである。また、第2確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn2(n2<n1)ラウンド実行する大当りである。たとえば、n1=16、n2=2、n3=15である。
【0160】
また、大当り遊技中に第1大入賞口21または第2大入賞口22に入賞することによって払出される賞球数の総数の平均値を、第1確変大当りがp1個、通常大当りがp3個、第2確変大当りがp2個とすると、p2<p3<p1となるように構成されている。また、p2/p1=rとすると、0.125≦r<1となるように構成されている。
つまり、遊技者が第2確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p2が、第1確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p1の0.125倍(1/8)未満にならないように構成されている。
【0161】
そして、主制御用CPU52は、特別図柄保留数U1に1を加算し(S40)、特別図柄保留数U1、大当り判定の結果、確変大当り判定の結果、大当り図柄、ハズレ図柄および大当りの種類などの抽選結果を示すデータを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S41)。
【0162】
(変動開始処理)
次に、主制御用CPU52が実行する変動開始処理(図16のS504)の流れについて、それを示す図19のフローチャートを参照して説明する。
【0163】
主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を計測中であるか否かを判定し(S50)、計測中ではないと判定した場合は(S50:No)、特別図柄保留数U1を参照する(S51)。そして、特別図柄保留数U1が1個以上であるか否かを判定し(S52)、1個以上であると判定した場合は(S52:Yes)、特別図柄保留数U1から1を減算する(S53)。続いて、現在の遊技モードが時間短縮遊技モードであるか否かを判定し(S54)、時間短縮遊技モードであると判定した場合は(S54:Yes)、特別図柄および演出図柄の変動回数が70回に達するまでの残りの変動回数Nから1回を減算する(S55)。
【0164】
続いて、残りの変動回数Nが0回になったか否かを判定し(S56)、0回になっていないと判定すると(S56:No)、特別図柄および演出図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドと、現在の特別図柄保留数U1を示すデータと、残りの変動回数Nを示すデータとを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S58)。続いて、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の計測を開始する(S59)。また、S56において、残りの変動回数Nが0になったと判定した場合は(S56:Yes)、時間短縮遊技モードを終了する(S57)。
【0165】
(画像音声制御用CPUが実行する主な処理)
次に、画像音声制御用CPU72(図10)が実行する主な処理の流れについて、それを示す図20のフローチャートを参照して説明する。
【0166】
画像音声制御用CPU72は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S600)。この初期設定では、セキュリティチェックなどの処理を行う。次に、画像音声制御用CPU72は、データ受信処理(S601)、変動パターン抽選処理(S602)、音楽抽選処理(S603)、LED点灯パターン抽選処理(S604)、演出処理(S605)、大当り演出処理(S606)および可動役物処理(S607)などを実行する。
【0167】
(データ受信処理)
画像音声制御用CPU72が実行するデータ受信処理(図20のS601)の流れについて、それを示す図21のフローチャートを参照して説明する。
【0168】
画像音声制御用CPU72は、演出制御基板400を介して主制御用CPU52からデータを受信したか否かを判定し(S200)、受信したと判定すると(S200:Yes)、その受信したデータを解析する(S201)。そして、その解析の結果、受信したデータが変動開始コマンドであるか、あるいは、変動パターンの抽選結果、変動時間の抽選結果、大当り判定の結果および確変大当り判定の結果などの抽選結果であるかを判定する(S202,S203)。
【0169】
ここで、変動開始コマンドではない、つまり、受信したデータは抽選結果であると判定すると(S202:No、S203:Yes)、その受信した抽選結果を画像音声制御用RAM74に記憶し(S204)、変動パターン抽選処理を実行する(S205)。受信した抽選結果は、特別図柄保留数U1の発生した順位に対応して画像音声制御用RAM74の特別図柄保留テーブル74a(図15)に記憶される。また、S202において変動開始コマンドであると判定した場合は、演出処理を実行する(S220)。
【0170】
(変動パターン抽選処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する変動パターン抽選処理(図20のS602)の流れについて、それを示す図22のフローチャートを参照して説明する。
【0171】
画像音声制御用CPU72は、特別図柄保留テーブル74a(図15)を参照し(S206)、判定結果および特別図柄保留数などのデータに対応する変動パターンテーブル73b(図13)を参照する(S207)。続いて、画像音声制御用CPU72は、変動パターンテーブル73bについて前述したように、乱数A〜乱数Dを用いて変動パターンを選択し、その選択した変動パターンを画像音声制御用RAM74の特別図柄保留テーブル74a(図15)に記憶する(S208)。
【0172】
(演出処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する演出処理(図20のS605)の流れについて、それを示す図23のフローチャートを参照して説明する。
【0173】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動時間を計測中であるか否かを判定し(S221)、計測中ではないと判定した場合は(S221:No)、特別図柄保留テーブル74a(図15)を参照し、特別図柄保留数U1の発生順位の1番目に記憶されている変動パターンを読出し(S222)、その読出した変動パターンに従った演出図柄の変動表示を演出表示器30に開始させる(S223)。続いて、演出図柄の変動時間をセットし(S224)、演出図柄の変動時間の計測を開始する(S225)。
【0174】
続いて、特別図柄保留テーブル74aに記憶されている各データの記憶順位を1つずつ繰り上げ(S226)、特別図柄保留数U1から1を減算して特別図柄保留数U1を更新する(S227)。続いて、現在の遊技モードが時間短縮遊技モードであるか否かを判定し(S228)、時間短縮遊技モードであると判定した場合は(S228:Yes)、演出図柄の残りの変動回数Nが0になっているか否かを判定する(S229)。
【0175】
ここで、残りの変動回数Nが0になっていないと判定した場合は(S229:No)、現在の残りの変動回数Nに対応する変動回数画像データを変動回数画像テーブル73c(図14)から読出し、それを画像投影装置90へ送信し、画像投影装置90により残りの変動回数を表す変動回数画像を遊技者の腕Hに投影させる(S231)。これにより、遊技者は自身の腕Hに投影された変動回数画像を見ることにより、残りの変動回数を容易に把握することができる。
【0176】
そして、次のサイクルでこの演出処理を実行するときに、S221において変動時間を計測中であると判定した場合は(S221:Yes)、計測している時間がタイムアップしたか否かを判定し(S232)、タイムアップしたと判定した場合は(S232:Yes)、特別図柄および演出図柄の変動を停止させ(S233)、先のS222において読出した変動パターンと特別図柄保留テーブル74a(図15)において対応付けられている確定図柄を演出表示器30に確定表示させる(S234)。
【0177】
また、画像音声制御用CPU72は、音楽抽選処理(S603)では、音楽テーブル73f(図12)に基いて音楽を抽選により決定し、LED点灯パターン抽選処理(S604)では、LED点灯パターンテーブル73e(図12)に基いてLED点灯パターンを抽選により決定し、大当り演出処理では、大当り遊技テーブル73g(図12)に基いて大当り発生時の演出内容を抽選により決定し、可動役物処理(S607)では、各種の可動役物の動作を制御する。
【0178】
[第1実施形態の効果]
(1)上述したように、第1実施形態のパチンコ機1を実施すれば、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化しているときに演出表示器30が行う演出図柄の残りの変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドル4を握る遊技者の少なくとも腕Hに投影することができるため、時間短縮遊技モードにおいて演出表示器30による演出図柄の残りの変動回数を容易に把握することができる。
【0179】
(2)特に、遊技モードが時間短縮遊技モードに変化してからの演出図柄の変動回数が特定の回数に達したときに時間短縮遊技モードが終了するように構成されたパチンコ機では、時間短縮遊技モードに変化する前の大当り遊技において獲得した賞球を時間短縮遊技モードが終了するまでに減らさないようにすることが遊技者に重要な課題となるため、演出図柄の変動回数は、時間短縮遊技モードによる利益を享受することができる期間を知る上で重要なパラーメータとなる。
そこで、前述した第1実施形態のパチンコ機1を実施すれば、演出図柄の変動回数を表す変動回数画像を、発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕Hに投影することができるため、遊技者は変動回数を容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0180】
(3)しかも、演出図柄の残りの変動回数を演出表示器30に表示しないようにすることができるため、残りの変動回数を表す画像が他の画像の邪魔になるおそれがない。
【0181】
(4)さらに、第1実施形態のパチンコ機1を実施すれば、発射ハンドル4が上受け皿6の側方に配置されており、画像投影装置90が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが上受け皿6に設けられているため、出射口6fから発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hまでの距離を短くすることができるので、鮮明な変動回数画像を効率良く投影することができる。
【0182】
(5)さらに、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに投影される変動回数画像は遊技者の視界に入り、よく目立つため、演出効果を高め易い。
さらに、出射口6fから出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口6fが上受け皿6に設けられているため、出射口6fを設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機1の製造コストを低減することができる。
【0183】
〈第2実施形態〉
次に、この発明の第2実施形態について図を参照して説明する。
図24は、この実施形態のパチンコ機に備えられた画像音声制御用CPU72が実行する演出処理2の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態に係るパチンコ機は、画像音声制御用CPU72が実行する演出処理2の一部以外は、前述した第1実施形態のパチンコ機1と同じ構成および機能であるため、同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0184】
画像音声制御用CPU72は、現在の遊技モードが時間短縮遊技モードであるか否かを判定し(S228)、時間短縮遊技モードであると判定した場合は(S228:Yes)、演出図柄の残りの変動回数Nが0になっているか否かを判定する(S229)。ここで、残りの変動回数Nが0になっていないと判定した場合は(S229:No)、タッチセンサ4j(図9)がオンしているか否か、つまり、遊技者が発射ハンドル4を握っているか否かを判定する(S230)。ここで、タッチセンサ4jがオンしていると判定すると(S230:Yes)、現在の残りの変動回数Nに対応する変動回数画像データを変動回数画像テーブル73c(図14)から読出し、それを画像投影装置90へ送信し、画像投影装置90により残りの変動回数を表す変動回数画像を遊技者の腕Hに投影させる(S231)。
【0185】
[第2実施形態の効果]
上述したように、第2実施形態のパチンコ機1を実施すれば、画像投影装置90は、遊技者が発射ハンドル4に触れていることを条件として変動回数画像を投影することができるため、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hに変動回数画像を確実に投影することができる。
【0186】
〈第3実施形態〉
次に、この発明の第3実施形態について図を参照して説明する。
図25は、この実施形態のパチンコ機を斜め前方から見た斜視図である。なお、この実施形態に係るパチンコ機は、出射口6fの配置位置以外は、前述した第1実施形態のパチンコ機1と同じ構成および機能であるため、同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0187】
図25に示すように、パチンコ機1に設けられた前枠2の前面であって発射ハンドル4の近傍上方に出射口6fが形成されている。換言すると、出射口6fが、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの表面H1のうち、主として上面に変動回数画像を投影することができる位置に形成されている。
【0188】
[第3実施形態の効果]
上述したように、第3実施形態のパチンコ機1を実施すれば、画像投影装置90が変動回数画像を投影するための光を出射する出射口6fが発射ハンドル4の近傍の前枠2に設けられているため、出射口6fから発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hまでの距離を短くすることができるので、鮮明な変動回数画像を効率良く投影することができる。
しかも、出射口6fから出射する光が遊技者の目に入らないため、遊技者の遊技の邪魔になるおそれがない。
さらに、出射口6fが前枠2に設けられているため、出射口6fを設けるための専用の部材を設ける必要がないので、パチンコ機1の製造コストを低減することができる。
【0189】
〈第4実施形態〉
次に、この発明の第4実施形態について図を参照して説明する。
図26は、変動回数画像が発射ハンドルを握る遊技者の腕に投影された状態を示す説明図であり、(a)は残りの変動回数が4回であることを示す変動回数画像を示し、(b)は残りの変動回数が3回であることを示す変動回数画像を示す。
【0190】
この実施形態のパチンコ機1は、時間短縮遊技モードにおいて演出図柄の残りの変動回数が少なくなったときに、残りの変動回数に対応する数の画像を変動回数画像として遊技者の腕Hに投影することを特徴とする。図26に示す例では、円形の画像を変動回数画像として遊技者の腕Hに投影している。同図(a)に示す例では、4つの円形の画像から構成された変動回数画像A4を遊技者の腕Hに投影しており、残りの変動回数が4回であることを表している。
【0191】
そして、残りの変動回数が4回のときに演出図柄の変動表示が1回終了し、残りの変動回数が3回に減少すると、同図(b)に示すように、3つの円形の画像から構成された変動回数画像A3を遊技者の腕Hに投影する。また、残りの変動回数が3回に減少したときに変動回数画像A3の色が変化する。たとえば、残りの変動回数が4回以上のときは、青色の変動回数画像を投影し、残りの変動回数が3回に減少した以降は、赤色の変動回数画像を投影する。
【0192】
[第4実施形態の効果]
上述したように、第4実施形態のパチンコ機1を実施すれば、残りの変動回数が所定回数以下となったときに変動回数画像の色を変えることができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
なお、残りの変動回数を数字で表した変動回数画像を投影する場合に、残りの変動回数が所定回数以下となったときに変動回数画像の色を変えるように構成することもできる。
【0193】
〈第5実施形態〉
次に、この発明の第5実施形態について説明する。
この実施形態のパチンコ機1は、残りの変動回数が所定回数以下となったときに、画像投影装置90が変動回数画像を遊技者の腕Hに投影するときにその変動回数画像により示される残りの変動回数を音声で報知する音声報知手段を備えることを特徴とする。たとえば、図26(b)に示したように、画像投影装置90が、残りの変動回数が3回であることを表す変動回数画像A3を遊技者の腕Hに投影するときに、スピーカ10〜12(図1)から「残り3回!!」という効果音を出力するように構成する。
【0194】
[第5実施形態の効果]
上述したように、第5実施形態のパチンコ機1を実施すれば、視覚に加えて聴覚によっても残りの変動回数を遊技者に報知することができるため、遊技者は時間短縮遊技モードが終了するまでの残りの期間をより一層容易に把握することができるので、安心して遊技を楽しむことができる。
【0195】
〈他の実施形態〉
(1)前述の各実施形態では、画像投影装置90が、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hのうち、主として手首H2の近傍に変動回数画像を投影する場合を説明したが、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hの指先から肘H3に亘る領域に変動回数画像を投影することもできる。また、変動回数画像を投影する領域が、発射ハンドル4を握る遊技者の腕Hからはみ出ても良い。たとえば、発射ハンドル4の表面にはみ出ても良いし、遊技者の肘H3から上腕の方へはみ出ても良い。また、遊技者の胸や肩まではみ出ても良い。
【0196】
(2)残りの変動回数が所定回数以下となった以降は、変動回数画像を点滅させることにより、目立たせるように構成することもできる。
(3)前述の各実施形態では、残りの変動回数を表す変動回数画像を投影する場合を説明したが、終了した変動の回数を合計した変動回数を表す変動回数画像を投影するように構成することもできる。
【0197】
(4)出射口6fを下受け皿7に設けることもできる。また、上受け皿および下受け皿が一体成形されており、外見上、上受け皿および下受け皿の区別が付かない貯留部材構造の場合は、貯留部材のうち、変動回数画像を効率良く投影することができる位置を選択して出射口6fを設ける。
【0198】
(5)前述の各実施形態では、画像投影装置として、レーザ光を出射するレーザダイオードを用いた光源を有する装置を説明したが、LED光を出射するLEDを光源として有する装置を画像投影装置として使用することもできる。
【符号の説明】
【0199】
1・・パチンコ機、4・・発射ハンドル、4f・・発射ソレノイド(発射装置)、
5・・遊技盤、6・・上受け皿(貯留部材)、6f・・出射口、7・・下受け皿、
21・・第1始動口(始動口)、22・・第2始動口(始動口)、
24・・第1変動入賞装置(入賞装置)、24a・・第1大入賞口(大入賞口)、
25・・第2変動入賞装置(入賞装置)、25a・・第2大入賞口(大入賞口)、
30・・演出表示器(画像表示装置)、38c・・払出モータ(払出装置)、
52・・主制御用CPU(CPU)、90・・画像投影装置、
A3,A4,A25,A26・・変動回数画像、H・・腕。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置による遊技球の発射強度を調節する発射ハンドルと、
前記遊技盤に設けられた始動口と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定を行うCPUと、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに動画像の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置と、
前記画像表示装置が前記CPUが前記大当り判定において大当たりと判定した結果に対応する大当り画像を表示した場合に大入賞口を所定回数開閉する入賞装置と、
遊技球が前記大入賞口に入賞したときに賞球を払出す払出装置と、
前記払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材と、を備えており、
変化可能な複数種類の遊技モードのうち、前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでに要する表示時間が短縮される時間短縮遊技モードに変化可能に構成されたパチンコ機において、
前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでを1回の表示回数と数える場合に、
遊技モードが前記時間短縮遊技モードに変化しているときに前記画像表示装置が行う表示の回数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された表示回数を表す表示回数画像を、前記発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影する画像投影装置と、を備えることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記発射ハンドルが前記貯留部材の側方に配置されており、
前記画像投影装置が前記表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が前記貯留部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
前記遊技盤を臨む窓が形成された前枠を備えており、
前記発射ハンドルが前記前枠の下方に配置されており、
前記画像投影装置が前記表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が前記発射ハンドルの近傍の前枠に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項4】
遊技者が前記発射ハンドルに触れたことを検出するタッチセンサを備えており、
前記画像投影装置は、前記タッチセンサが前記遊技者が前記発射ハンドルに触れたことを検出していることを条件として前記表示回数画像を投影する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項5】
前記時間短縮遊技モードは、前記計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達したときに終了するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項6】
前記計数手段は、前記特定の回数に達するまでの残りの表示回数を計数するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項7】
前記画像投影装置は、前記計数手段により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに表示回数画像の色を変えるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のパチンコ機。
【請求項8】
前記計数手段により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに、前記画像投影装置が表示回数画像を投影するときにその表示回数画像により示される表示回数を音声で報知する音声報知手段を備えることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のパチンコ機。
【請求項1】
遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置による遊技球の発射強度を調節する発射ハンドルと、
前記遊技盤に設けられた始動口と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定を行うCPUと、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに動画像の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記CPUの大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置と、
前記画像表示装置が前記CPUが前記大当り判定において大当たりと判定した結果に対応する大当り画像を表示した場合に大入賞口を所定回数開閉する入賞装置と、
遊技球が前記大入賞口に入賞したときに賞球を払出す払出装置と、
前記払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材と、を備えており、
変化可能な複数種類の遊技モードのうち、前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでに要する表示時間が短縮される時間短縮遊技モードに変化可能に構成されたパチンコ機において、
前記画像表示装置が前記動画像の表示を開始してから前記大当り判定の結果に対応する画像を表示するまでを1回の表示回数と数える場合に、
遊技モードが前記時間短縮遊技モードに変化しているときに前記画像表示装置が行う表示の回数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された表示回数を表す表示回数画像を、前記発射ハンドルを握る遊技者の少なくとも腕に投影する画像投影装置と、を備えることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記発射ハンドルが前記貯留部材の側方に配置されており、
前記画像投影装置が前記表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が前記貯留部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
前記遊技盤を臨む窓が形成された前枠を備えており、
前記発射ハンドルが前記前枠の下方に配置されており、
前記画像投影装置が前記表示回数画像を投影するための光を出射する出射口が前記発射ハンドルの近傍の前枠に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項4】
遊技者が前記発射ハンドルに触れたことを検出するタッチセンサを備えており、
前記画像投影装置は、前記タッチセンサが前記遊技者が前記発射ハンドルに触れたことを検出していることを条件として前記表示回数画像を投影する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項5】
前記時間短縮遊技モードは、前記計数手段により計数された表示回数が特定の回数に達したときに終了するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項6】
前記計数手段は、前記特定の回数に達するまでの残りの表示回数を計数するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項7】
前記画像投影装置は、前記計数手段により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに表示回数画像の色を変えるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のパチンコ機。
【請求項8】
前記計数手段により計数された表示回数が前記特定の回数に達するまでに所定回数以下となったときに、前記画像投影装置が表示回数画像を投影するときにその表示回数画像により示される表示回数を音声で報知する音声報知手段を備えることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のパチンコ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−90791(P2013−90791A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234569(P2011−234569)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
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