説明

パッキン、それを用いた建具、及び建具の組み立て方法

【課題】搬入時の手間を低減出来、納期が速く、コストを低減できるパッキンを提供する。
【解決手段】内部に空間を有する棒状のパッキンであって、内部の空間211と連通した、棒状の長手方向に沿って設けられた開口部212と、長手方向に沿って形成された、内部の空間211の内壁211aから突き出した一対の突起部213とを備え、一対の突起部213の先端213aの間には、隙間が形成されており、隙間の幅h2は、開口部212の幅h1よりも狭い、パッキンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパッキン、それを用いた建具、及び建具の組み立て方法に関し、特にリフォーム用の建具としての引き戸、及び、その組み立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、室内空間の間仕切りに使用する引き戸などの建具が、住まいのリフォームに際して、既存の建物の様々な寸法に個別に対応すべく構成されていることは知られている。
【0003】
ここで、リフォームにおける建具の受注から納入までの一例を具体的に説明する。
【0004】
即ち、リフォーム業者は、住まいのリフォームの注文を受けると、現場で必要な寸法取りをする。例えば、引き戸については、間仕切り部分の要部の寸法取りをして、組み立て工場に連絡する。
【0005】
連絡を受けた組み立て工場側では、引き戸の構成部品である各部のフレーム(縦フレーム、横上フレーム、横下フレーム、中桟)を、既成の定尺部材から適宜上記要部の寸法に応じて切断して組み立ての準備を行う。更に、引き戸に嵌め込むアクリル板等を必要な寸法に応じて切断して組み立ての準備を行う。
【0006】
必要な部材の準備が整った後、アクリル板の四方の辺(即ち、フレーム、及び中桟と嵌合する辺)に、断面が実質上コの字状のゴム製のがたつき防止用パッキンをはめ込み、それをフレーム、及び中桟に形成された溝部にプレス機械等で順次圧入して、最終的に、各フレーム同士をネジ止めして、引き戸を完成させる。
【0007】
組み立てが完了した引き戸は、現場に搬送されて、納入が完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この様な従来の引き戸の構造では、現場に搬送する過程において、引き戸のサイズによっては、狭い廊下や階段を安全に移動させるのが容易ではなく、廊下や階段の壁面に接触して傷を付けたりしない様にするために、搬入時の手間が余計にかかるという課題があった。
【0009】
また、工場で組み立てるため、納期までに時間がかかり、コスト削減が難しいという課題もあった。
【0010】
本発明の目的は、上記従来の建具の上記課題を考慮して、搬入時の手間を低減出来、納期が速く、コストを低減できるパッキン、それを用いた建具、及び建具の組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を実現するため、第1の本発明は、
内部に空間を有する棒状のパッキンであって、
前記内部の空間と連通した、前記棒状の長手方向に沿って設けられた開口部と、
前記長手方向に沿って形成された、前記内部の空間の内壁から突き出した一対の突起部とを備え、
前記一対の突起部の先端の間には、隙間が形成されており、
前記隙間の幅は、前記開口部の幅よりも狭い、パッキンである。
【0012】
第2の本発明は、
前記内部の空間は、板状部材の一端縁部を挿入するための空間である、第1の本発明のパッキンである。
【0013】
第3の本発明は、
第1の本発明のパッキンを用いた建具であって、
前記建具の少なくとも4辺に設けられた枠部材と、
前記枠部材に囲まれた単数又は複数の板状部材と、
前記枠部材と前記板状部材の嵌め合い部分の全部又は一部に介在する前記パッキンとを備えた、建具である。
【0014】
第4の本発明は、
前記パッキンが介在する前記枠部材には、前記パッキンを保持するための保持溝が形成されており、
前記保持溝の開口部分には、前記パッキンの抜け防止用の庇部が形成されている、第3の本発明の建具である。
【0015】
第5の本発明は、
前記溝の断面は実質上コの字形状であり、
対向する前記庇部の隙間の幅は、前記パッキンの開口部の幅よりも広く、且つ前記パッキンの幅よりも狭く、
前記パッキンの前記開口部の幅は、前記板状部材の厚みよりも広く、
前記パッキンの前記隙間の幅は、前記板状部材の厚みよりも狭い、第3の本発明の建具である。
【0016】
第6の本発明は、
前記板状部材は、矩形状であり、
前記枠部材は、
前記板状部材の上辺に設けられた上桟と、
前記板状部材の下辺に設けられた下桟と、
前記板状部材の左辺に設けられた第1縦枠と、
前記板状部材の右辺に設けられた第2縦枠とを有し、
前記上桟、前記第1縦枠、及び前記第2縦枠と前記板状部材との前記嵌め合い部分には、前記パッキンが介在しており、
前記下桟と前記板状部材との前記嵌め合い部分に介在する別のパッキンを備え、
前記別のパッキンは、断面が実質上V字状である溝が形成された棒状である、第3の本発明の建具である。
【0017】
第7の本発明は、
前記板状部材は複数であり、
前記複数の板状部材の間に設けられた中桟を備え、
前記中桟と、その上側に配置されている前記板状部材との嵌め合い部分には、前記別のパッキンが介在しており、
前記中桟と、その下側に配置されている前記板状部材との嵌め合い部分には、前記パッキンが介在している、第6の本発明の建具である。
【0018】
第8の本発明は、
前記下桟の下側に設けられた、前記建具をスライドするためのキャスターと、
前記上桟の上端面に長手方向に沿って形成された溝に設けられた、前記スライドを案内するためのガイド板とを備えた、第6の本発明の建具である。
【0019】
第9の本発明は、
第1の本発明のパッキンを用いた建具の少なくとも4辺に設けられた枠部材と、
前記枠部材に囲まれた単数又は複数の板状部材と、
前記枠部材と前記板状部材の嵌め合い部分の全部又は一部に介在する前記パッキンとを備え、
前記パッキンが介在する前記枠部材には、前記パッキンを保持するための保持溝が形成されており、
前記保持溝の開口部分には、前記パッキンの抜け防止用の庇部が形成されている、建具を組み立てる建具の組立方法であって、
前記枠部材に形成されている前記保持溝に前記パッキンを挿入する第1工程と、
前記パッキンの前記開口部に前記板状部材の一辺の縁部を挿入する第2工程とを備えた、建具の組立方法である。
【0020】
第10の本発明は、
前記保持溝の断面は実質上コの字形状であり、
対向する前記庇部の隙間の幅よりも前記パッキンの開口部の幅の方が狭く、
前記パッキンの前記開口部の幅は、前記板状部材の厚みよりも広く、
前記パッキンの前記隙間の幅は、前記板状部材の厚みよりも狭い、第9の本発明の建具の組立方法である。
【発明の効果】
【0021】
以上のような本発明によれば、搬入時の手間を低減出来、納期が速く、コストを低減できるパッキン、それを用いた建具、及び建具の組み立て方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態における引き戸の斜視構成図
【図2】本発明の一実施の形態における上桟の断面構成図
【図3】本発明の一実施の形態におけるパッキンの断面構成図
【図4】本発明の一実施の形態における縦枠にパッキンとガイド板を取り付けた状態を示す断面構成図
【図5】本発明の一実施の形態におけるガイドレールの断面構成図
【図6】図1のAA´間の断面構成図
【図7】本発明の一実施の形態における縦枠の断面構成図
【図8】図1のBB´間の断面構成図
【図9】本発明の一実施の形態における下桟の断面構成図
【図10】本発明の一実施の形態におけるパッキンの断面構成図
【図11】(a)図1のCC´間の断面構成図、(b)本発明の一実施の形態におけるキャスターの構成図、(c)本発明の一実施の形態における下桟へのキャスターの取り付け状態を説明するための模式図
【図12】本発明の一実施の形態における中桟の断面構成図
【図13】図1のDD´間の断面構成図
【図14】本発明の一実施の形態における上桟と縦枠の間の固定を示す断面構成図
【図15(a)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図15(b)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図15(c)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図15(d)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図15(e)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図15(f)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図15(g)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図15(h)】本発明の一実施の形態における引き戸の組立方法を説明するための構成図
【図16】本発明の一実施の形態の引き戸の組立方法における縦枠にパッキンを挿入する工程を説明するための構成図
【図17】本発明の一実施の形態の引き戸の組立方法における下桟と縦枠を固定する工程を説明するための構成図
【図18】(a)〜(c)本発明の一実施の形態の引き戸の組立方法における上桟に化粧パネルを取り付ける工程を説明するための構成図
【図19】(a)、(b)本発明の一実施の形態の引き戸の組立方法における縦枠に化粧パネルを取り付ける工程を説明するための構成図
【図20】(a)本発明の一実施の形態の引き戸の組立方法における縦枠の上端部分の斜視構成図、(b)本発明の一実施の形態の引き戸の組立方法における縦枠の上端部分の平面構成図
【図21】本発明の一実施の形態の引き戸の組立方法のガイド板を取り付けた状態における縦枠の上端部分の斜視構成図
【図22(a)】本発明の一実施の形態のパッキンの異なる例を示す正面構成図
【図22(b)】本発明の一実施の形態のパッキンの異なる例を示す正面構成図
【図22(c)】本発明の一実施の形態のパッキンの異なる例を示す正面構成図
【図22(d)】本発明の一実施の形態のパッキンの異なる例を示す正面構成図
【図22(e)】図22(d)に示すパッキンが配置された中桟の部分断面構成図
【図23】本発明の一実施の形態の引き戸を2枚用いた例を示す構成図
【図24】図23の戸当たりのFF´間の断面構成図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明を行う。
【0024】
(実施の形態1)
以下に、本発明の建具の一例である実施の形態1の引き戸10について説明する。
【0025】
図1は、本発明にかかる実施の形態1における引き戸10の斜視構成図である。本実施の形態1の引き戸10は、正面から視て矩形状であり、その上辺に設けられた上桟11と、その下辺に設けられた下桟12と、図中の左辺に設けられた縦枠13と、図中右辺に設けられた縦枠14とを備えている。この上桟11と下桟12の間には、それらの桟と平行に中桟15が設けられている。そして、上桟11、縦枠13、中桟15、及び縦枠14によって保持されたアクリル板16と、中桟15、縦枠13、下桟12、及び縦枠14によって保持されたアクリル板17が設けられている。尚、アクリル板16、17は、パッキン21、22(詳しくは後述する)を介して桟及び枠によって保持されている。又、上桟11、下桟12、縦枠13、中桟15、及び縦枠14は、アルミニウムを主な材料として形成されている。
【0026】
また、引き戸10を図中左右方向にスライドさせるためのキャスター18が下桟12の下側に設けられている。一方、天井には、スライドのためのガイドレール19が設けられており、ガイドレール19の溝191に、上桟11に設けられたガイド板20(図中点線参照)が挿入され、矢印方向にスライド可能に構成されている。
【0027】
次に、上桟11の構成について説明する。
【0028】
図2は、上桟11の断面構成図である。尚、図2における上下方向は図1と同様である。図2に示すように、上桟11は、その断面形状が実質上矩形状である、その上端面には、上記ガイド板20が挿入されるガイド板用溝111が設けられており、上桟11の下端面には、パッキン21(後述する)を保持するための保持溝112が設けられている。保持溝112の開口部115には、対向する庇部116が突出している。又、上桟11の中央部分には、ネジ止め部113が形成されている。このネジ止め部113は、その断面形状が実質上円環状であり、下方に開放部113aを有している。又、ガイド板用溝111の内側壁には、ガイド板20が抜け難くするために、表面が凹凸形状に形成された凹凸部114が設けられている。
【0029】
図3は、保持溝112に挿入される、本発明のパッキンの一例であるパッキン21の斜視構成図である。パッキン21は、その断面が矩形状であり、内部に空間211を有する棒状部材であり、樹脂によって形成されている。棒状の長手方向に沿って、開口部212が形成されており、この開口部212と、空間211は連通している。そして、空間211内には2つの突起部213が設けられている。これら2つの突起部213は、空間211の対向する内壁211aから突出して形成されている。この突起部213は、空間211の開口部212と反対側に向かって斜めに形成されている。また、開口部212の幅h1は、2つの突起部213の先端213aの間の隙間の幅h2よりも広くなっている。更に、開口部212の幅h1は、アクリル板16、17の厚みW(後述する図6参照)よりも広く、隙間の幅h2は、アクリル板16、17の厚みWよりも狭くなっている。尚、本発明の一対の突起部の先端の隙間の幅の一例は、本実施の形態の隙間の幅h2に相当する。本発明の開口部の幅の一例は、本実施の形態の開口部212の幅h1に相当する。本発明の板状部材の厚みの一例は、本実施の形態のアクリル板16、17の厚みWに相当する。
【0030】
又、パッキン21の上面には、開口部212の縁に沿って突出するように形成された突条部214が設けられている。
【0031】
図4は、保持溝112にパッキン21を配置した状態を示す断面構成図である。図4に示すように、一対の庇部116の隙間の幅h3は、パッキン21の幅h4よりも小さくなっており、パッキン21の開口部212の幅h1よりも大きくなっている。そして、パッキン21は、その突条部214が庇部116に挟まれるように保持溝112に配置されている。このように庇部116によって、パッキン21が保持溝112から落下することが防がれている。尚、図4には、ガイド板用溝111にガイド板20が挿入されている状態も示されている。
【0032】
又、図2及び図4の断面構成図に示すように、図中において上桟11の4角には、側面1101a、1101bに化粧パネル23を保持するための保持部117、118が設けられている。上桟11の上側の2角には保持部117が設けられており、下側に2角には、保持部118が設けられている。
【0033】
この保持部117、118は、それぞれ側面1101a、1101bに沿って形成された、化粧パネル23の端が挿入される凹部117a、118aを有しているが、上方に配置されている凹部117aの方が、下方に配置されている凹部118aよりも深くなるように形成されている。詳しくは後述するが、保持部117、118は、化粧パネル23を一旦凹部117aの奥まで挿入することで、化粧パネル23を着脱可能になるように構成されている。尚、保持溝112の左右の窪み119は、下桟12の重さをへらすためのものであり、形成されていなくても良い。
【0034】
図5は、ガイドレール19の断面構成図である。図5に示すように、ガイドレール19には、長手方向に沿って溝191が設けられており、その溝191には、図6の断面構成図に示すように、ガイド板20が挿入される。又、2箇所のネジ止め部192が設けられている。
【0035】
次に、縦枠13、14の構成について説明する。
【0036】
図7は、縦枠13の断面構成図である。図7において上方が、図1の紙面奥行き方向となる。図7に示すように、縦枠13の断面形状は、実質上矩形状であり、図7において、縦枠13の右端面には、パッキン21を保持するための保持溝131が設けられている。この保持溝131の開口部132には、図2の庇部116と同様の一対の庇部133が設けられている。この対向する庇部133の先端の間の距離は、図2で述べたh3となっている。又、保持溝131の底面が131aとして示されており、開口部132を有する側面に対向する側面が138として示されている。又、側面138に隣接する2つの側面が、139a、139bとして示されている。図8は、図1のBB´間の断面構成図である。図8には、保持溝131にパッキン21が挿入され、パッキン21の内側の空間211にアクリル板16の一辺の端部が挿入されている状態が示されている。又、図7及び図8に示すように、縦枠13には、4箇所のネジ止め部134が形成されている。縦枠13の開口部132を有する側面以外の側面138、139a、139bには化粧パネル23が配置されており、これらの化粧パネル23を保持するために、保持部135、136が設けられている。そして、図8に示すように、側面139a、139bに化粧パネル23を配置するために、保持部135、136のそれぞれには、側面139a、139bに沿って凹部135a、136aが設けられている。又、側面138に化粧パネル23を配置するために、保持部136には、側面138に沿って凹部136bが設けられている。なお、凹部135a、136aは同じ深さである。
【0037】
尚、縦枠14は、縦枠13を左右反対に配置したものであり、同様の構成であるため説明を省略する。
【0038】
次に、下桟12の構成について説明する。
【0039】
図9は、下桟12の断面構成図である。図9に示すように、下桟12の断面形状は実質上矩形状であり、上面にはパッキンを保持するための保持溝121が設けられており、下面にはキャスター18が挿入されるキャスター挿入部122が設けられている。保持溝121は、上方に開口部123を有しており、開口部123には、パッキンが抜けるのを防止するために、対向する庇部124が設けられている。この対向する庇部124は、それらの先端の隙間の幅がh3になるように形成されている。また、下桟12の中央であって、内側の空間を上下に区切るように形成されている壁部1201には実質上円環形状のネジ止め部125が形成されており、ネジ止め部125には、上方に開放部125aが形成されている。また、上面側の両角にはパネル保持部126が設けられ、下面側の両角にはパネル保持部127が設けられている。これらパネル保持部126、127によって、下桟12の左右の側面1201a、1201bに化粧パネル23が保持される。尚、パネル保持部126、127には、側面1201a、1201bに沿って凹部126a、127aが形成されており、上桟11と同様に、上方の凹部126aの方が、下方の凹部127aよりも深さが深くなっている。
【0040】
次に、保持溝121に保持されるパッキンの構成について説明する。
【0041】
図10は、本発明の別のパッキンの一例であるパッキン22の斜視構成図である。図10に示すように、パッキン22は断面が実質上矩形状の棒状部材であって、断面がV字状の溝221が形成されている。また、パッキン22の上面には、溝221の縁に沿って突出するように形成された突条部222が設けられている。また、パッキン22の幅h5は、本実施の形態では、幅h4と同じ長さに形成されており、V字形状の溝221の開口部223の幅h7は、アクリル板16、17の厚みWよりも広く、V字形状の溝221の底の幅h6は、アクリル板16、17の厚みWよりも狭くなるように形成されている。
【0042】
図11(a)は、図1のCC´間の断面構成図である。図11(a)に示すように、保持溝121に、パッキン22が保持されており、パッキン22の溝221にアクリル板17の下端が挿入されている。また、キャスター挿入部122にはキャスター18が設けられている。図11(b)はキャスター18の側面構成図である。図11(b)に示すように、キャスター18には、車輪181と、車輪181を覆うように形成された車輪支持部183と、車輪181を貫通し、車輪支持部183に回転可能に支持された車軸181aが設けられている。又、車輪支持部183の両端には、キャスター挿入部122にキャスター18を固定するために、ネジを挿入するネジ孔184aを有するネジ孔部184が形成されている。図11(c)は、キャスター挿入部122にキャスター18が固定された状態を示す模式図である。図11(c)に示すように、ネジ185がネジ孔184aを通って壁部1201に挿入されることによって、キャスター18は、キャスター挿入部122に固定されている。又、床には溝25が形成されており、車輪181の周方向の側面182が嵌っている。この側面182は、端から中央に向けて徐々に突出するような形状に形成されており、溝25は、その形状に対応するように形成されている。このように、図1の矢印方向に引き戸10がスライド可能に構成されている。尚、保持溝121の左右の窪み129は、下桟12の重さをへらすためのものであり、形成されていなくても良い。
【0043】
次に、中桟15の構成について説明する。
【0044】
図12は、中桟15の断面構成図である。図12に示すように、中桟15の断面は実質上矩形状であり、中桟15の上面側及び下面側のそれぞれには、パッキンを保持するための保持溝151、152が設けられている。そして、中桟15の中央部分には、ネジが嵌められるネジ止め部153が設けられている。図に示すように、ネジ止め部153は、下方に開放部153aが形成されている。また、側面1501a、1501bに化粧パネル23を保持するために、中桟15の矩形状の上面側の両角にパネル保持部154が設けられており、下面側の両角にパネル保持部155が設けられている。尚、パネル保持部154、155には、側面1501a、1501bに沿って凹部154a、155aが形成されており、上桟11と同様に、上方の凹部154aの方が、下方の凹部155aよりも深さが深くなっている。また、保持溝151の開口部158には、対向する一対の庇部156が形成されており、保持溝152の開口部159には、対向する一対の庇部157が形成されている。これら一対の庇部156、157の間の隙間は、h3となるように形成されている。
【0045】
図13は、図1のDD´間の断面構成図である。図13に示すように、中桟15の上側のパッキン保持溝151には、パッキン22が保持されており、中桟15の下側の保持溝152には、パッキン21が保持されている。そして、パッキン22の溝221には、アクリル板16の下辺の端が挿入されており、パッキン21の内部の空間211には、アクリル板17の上辺の端が挿入されている。そして、パネル保持部154、155の凹部154a、155aに両端が挿入されて、化粧パネル23が保持されている。
【0046】
次に、桟と縦枠の接続について、上桟11と縦枠13を例に挙げて説明する。
【0047】
図14は、上桟11と縦枠13の接続状態を上方から視た平面構成図である。尚、図中化粧パネル23は省略されている。図14に示すように、縦枠13の右側面に上桟11が当接されている。また、ネジ止め部113に対応した縦枠13の側面138の位置に貫通孔137が形成されており、この貫通孔137を通してネジ24が保持溝131の底面131aを貫通して、上桟11のネジ止め部113へと挿入されている。このようにして縦枠13と上桟11は固定されている。同様に、中桟15と縦枠13が接続され、下桟12と縦枠13が接続されている。また、同様に、縦枠14と上桟11、縦枠14と中桟15、及び縦枠14と下桟12が接続されている。
【0048】
尚、本発明の枠部材の一例は、本実施の形態の上桟11、下桟12、縦枠13、又は縦枠14に相当する。本発明の第1縦枠の一例は、本実施の形態の縦枠13に相当し、本発明の第2縦枠の一例は、本実施の形態の縦枠14に相当する。又、本発明の枠部材と板状部材の嵌め合い部分の一例は、本実施の形態の保持溝112、131、152及び縦枠14の保持溝のアクリル板16、17が挿入される領域に相当する。より具体的には、例えば縦枠13の場合には、保持溝131の上桟11、中桟15、及び下桟12との接続部分以外の部分が上記挿入される領域に相当する。また、例えば中桟15及び上桟11の場合には、保持溝112、152の実質上全ての領域が上記挿入される領域に相当する。
【0049】
次に、本実施の形態1の引き戸の組立方法について説明するとともに、本発明の建具の組立方法の一例についても同時に述べる。図15(a)〜(h)は、本実施の形態1の引き戸の組立方法を説明するための斜視構成図である。
【0050】
はじめに、上桟11、下桟12、縦枠13、14、中桟15、アクリル板16、17、キャスター18,ガイドレール19、ガイド板20、並びにパッキン21、22用の部材及び溝25を形成するための部材が、家屋内に搬入される。
【0051】
そして、引き戸10を設置する場所に合わせた長さに上桟11、下桟12、縦枠13、14、及び中桟15用、アクリル板16、17、ガイドレール19、ガイド板20、及びパッキン21、22等が切断される。尚、例えば、所定サイズの引き戸用に予め切断された各部材を搬入し、設置する場所の寸法に応じて必要により、逆算してカットするようにしてもよい。所定サイズの引き戸としては、例えば、2500mm×880mmのMサイズや、2600mm×1280mmのLサイズなどが挙げられる。
【0052】
次に、図15(a)に示すように、所定の長さに切断された2つのパッキン21が、縦枠13の保持溝131に挿入される。2つのパッキン21は、上桟11、中桟15、下桟12との接続される位置を除くように保持溝131に配置されている。ここで、図16に示すように、パッキン21は、矢印E方向にスライドされて、保持溝131に挿入される。所定の長さとは、アクリル板16、17の縦方向(図1における上下方向)の長さに相当する。尚、図15(a)に示すように、縦枠13の上端には切り欠き139が形成される。この切り欠き139については、詳しくは後述する。
【0053】
続いて、上桟11、中桟15、及び下桟12のネジ止め部113、153、125に対応する、縦枠13の側面138に貫通孔137が形成されるが、パッキン21の挿入前に貫通孔137を形成してもよい。
【0054】
そして、下桟12の保持溝121に、下桟12と実質上同じ長さに切断されたパッキン22が、図16と同様の方法で挿入される。このようにパッキン22が挿入された下桟12の端と縦枠13の端が図17のように配置される。そして、縦枠13の側面138に形成された貫通孔137を通して、ネジ24が保持溝131の底面131aを貫き、下桟12のネジ止め部125へと挿入されることによって、下桟12と縦枠13は固定される。このようにして下桟12と縦枠13を固定した状態が、図15(b)に示されている。尚、縦枠13の下端には、カバー26が取り付けられる。
【0055】
次に、図15(c)に示すように、アクリル板17が、下桟12のパッキン22の溝221と、縦枠13のパッキン21の内側の空間211に差し込まれる。
【0056】
続いて、中桟15の保持溝151に、中桟15と実質上同じ長さに切断されたパッキン22がスライドされて挿入される。また、保持溝152に、中桟15と実質上同じ長さに切断されたパッキン21がスライドされて挿入される。そして、図15(d)に示すように、中桟15は、パッキン21の内側の空間211がアクリル板17の上辺に差し込まれるように配置される。続いて、図17と同様に、縦枠13の側面に形成された貫通孔137を通して、ネジが縦枠13の保持溝131の底面131aを貫き、中桟15のネジ止め部153へと挿入されることによって、縦枠14に中桟15が固定される。
【0057】
次に、図15(e)に示すように、アクリル板16が、パッキン21、22を介して縦枠13と中桟15に嵌め込まれて配置される。
【0058】
続いて、上桟11に、上桟11の長さと実質的に同じ長さに切断されたパッキン21が保持溝112にスライドされて挿入される。そして、図15(f)に示すように、パッキン21が保持溝112に挿入された上桟11が、アクリル板16の上辺に配置される。尚、図17と同様に、縦枠13に形成された貫通孔137を通してネジ24が上桟11のネジ止め部113に挿入され、縦枠13と上桟11は固定される。
【0059】
次に、縦枠13と同様に、縦枠14に切断された2つのパッキン21が挿入される。また、縦枠14の側面には、縦枠13と同様に、上桟11、中桟15、及び下桟12と固定するための貫通孔が形成される。そして、図15(g)に示すようにアクリル板16、17の右辺側に縦枠14が固定される。
【0060】
続いて、各桟及び枠の側面に化粧パネル23が配置される。
【0061】
上桟11、中桟15、及び下桟12の側面に化粧パネル23を取り付ける工程について説明する。図18(a)〜(c)は、上桟11に化粧パネル23を取り付ける工程を説明するための図である。図18(a)に示すように、化粧パネル23の上端が、凹部117aに差し込まれる。上端を凹部117aの奥まで差し込むことによって、化粧パネル23の下端が保持部118に干渉せず、上桟11の側面1101bに化粧パネル23を沿わせることが出来る(図18(b)参照)。この図18(b)の状態から、化粧パネル23の下端を凹部118aに差し込むこと、上端が保持部117と干渉するため、化粧パネル23は外れなくなる(図18(c)参照)。尚、側面1101aにも、同様に化粧パネル23が保持される。
【0062】
又、中桟15の表裏の側面1501a、1501bと下桟12の表裏の側面1201a、1201bにも、上枠11と同様に化粧パネル23が取り付けられる。
【0063】
次に、縦枠13、14の側面に化粧パネル23を取り付ける工程について説明する。図19(a)、(b)は、縦枠13に化粧パネル23を取り付ける工程を説明するための図である。図19(a)に示すように、縦枠13の保持部135、136の凹部135a、136aの深さは、同じ深さであり、図19(b)に示すように、化粧パネル23を上方から下方にスライドさせて凹部135a、136aに両端が挿入され、側面139bに化粧パネル23が配置される。尚、縦枠13の下端は、カバー26によって覆われているため、化粧パネル23はカバー26に当接し、下方に落下しない。尚、同様に、側面139a、及び側面138にも化粧パネル23が配置される(図7、8参照)。
【0064】
次に、上桟11にガイド板20(図1参照)が配置される。図20(a)は縦枠13と上桟11の接続部分近傍の拡大構成図であり、図20(b)は側面138側から縦枠13を視た構成図である。図20(a)、(b)に示すように、縦枠13の上端部分には、切り欠き139が形成される。この切り欠き139は、保持溝131の底面131aを切り欠いて形成されている。そして、図21に示すように、ガイド板20が、上桟11のガイド板用溝111と縦枠13の切り欠き139に挿入される。尚、縦枠14の上端にも、縦枠13と同様に切り欠きが設けられている。
【0065】
又、キャスター18が、下桟12のキャスター挿入部122に取り付けられる。この取り付けは、ネジによって下桟12に固定される。
【0066】
以上のように引き戸10が組み立てられ、化粧パネル23、ガイド板20、及びキャスター18が取り付けられた状態の引き戸10が図15(h)に示されている。
【0067】
続いて、引き戸10を設置する場所の天井側にガイドレール19が取り付けられ、床側に溝25が形成され、引き戸10が設置される。
【0068】
以上のように、本実施の形態では、パッキンの形状が、一対の庇部216の隙間の幅h1が、アクリル板16、17の厚みWよりも広く、一対の突起部213の先端213aの隙間の幅h2がアクリル板16、17の厚みWよりも狭くなっており、アクリル板16、17を挿入しやすい構成となっているため、枠及び桟に先にパッキンを挿入し、その後にアクリル板を挿入することが可能となる。そのため、工場ではなく家屋内で組み立てることが可能となり、搬入時の手間を低減出来、納期が速く、コストを低減することが出来る。
【0069】
尚、本実施の形態では、化粧パネル23としてメラニン化粧パネルを配置していたが、レザーなどであってもよく、更に、枠及び桟の側面にレザーなどを直接貼り付ける構成を用いてもよい。このように貼り付ける場合、各枠及び桟にパネル保持部が形成されていなくてもよい。
【0070】
又、アクリル板16、17の上辺及び左右辺に配置されるパッキンとしては、図3に示すパッキン21を用い、下辺に配置されるパッキンとしては、図10に示すパッキン22を用いたが、下辺に配置されるパッキンとしてパッキン21を用いてもよい。
【0071】
又、本実施の形態では、本発明の板状部材としてアクリル板を一例に挙げて説明しているが、ガラス板であってもよい。
【0072】
又、本実施の形態では、パッキン21の内部の空間211には、一対の突起部213が一組形成されているが、一組に限らず、複数組設けられていても良い。
【0073】
又、本実施の形態では、パッキン21の突起部213の先端部は曲面に形成されているが、図22(a)に示すパッキン41の突起部213´のように、先端213a´が鋸状に形成されていてもよい。又、パッキン21は、断面が実質矩形状に形成されているが、矩形状に限らなくてもよく、例えば、図22(b)のパッキン42に示すような円形状であってもよい。又、図22(c)に示すパッキン43のように、溝に挿入される前の状態では、台形状に形成されていてもよい。又、パッキン21の突条部214が形成されていなくてもよい。又、パッキン21、22を保持する保持溝の断面形状も矩形状に限らなくてもよく、例えば、円形状、多角形状等であってもよい。要するに、溝に挿入された後に、開口部212の幅h1が、アクリル板16、17の厚みWよりも厚く、突起部213の先端部の隙間の幅h2が、アクリル板16、17の厚みWよりも狭ければよい。
【0074】
更に、図22(d)に示すような構成のパッキン44が用いられても良い。このパッキン44は、底壁441と、底壁441に実質上垂直に形成された2つの側壁442を有している。この底壁441と2つの側壁442に囲まれた内部の空間443が、本発明の内部の空間の一例に相当する。そして、側壁442の上端の間によって、空間443と連通した開口部444が形成されている。また、それぞれの側壁442の上端には、内側に向かって庇部445が形成されている。更に、内部の空間443には、対向する一対の突起部446と突起部447が設けられている。突起部446、447は、図中上から庇部445、突起部446、突起部447の順に配置されている。そして、庇部445、突起部446,突起部447は、下方に向かって斜めに形成されている。尚、本発明の突起部の一例は、突起部446に相当する。又、それぞれの側壁442には、外側に向かって、上下方向に3つの突起部448a、448b、448cが形成されている。庇部445の間の距離が、上述したh1となり、一対の突起部446の先端446aの隙間がh2となり、パッキン44の幅がh4に形成されている。尚、一対の突起部447の先端447aの隙間は、h2よりも狭くなっている。図22(e)は、中桟15の保持溝152にパッキン44を配置し、パッキン44にアクリル板17を差し込んだ状態を示す断面構成図である。このようなパッキン44では、パッキン21と比較して、パッキンを保持溝に挿入する際、パッキン21のように側面全体で保持溝の内側壁と接触せず、突起部448a、448b、448cによって保持溝の内側壁に接触するため、パッキンと保持溝の間に生じる摩擦が少なくなり挿入しやすくなる。このように、パッキン21に代わり、パッキン41、42、43、44等を用いてもよい。
【0075】
尚、上述したように、本実施の形態では、パッキン21、パッキン41、パッキン42、パッキン43(保持溝への挿入時)、パッキン44の開口部212、444の幅h1はアクリル板16、17の厚みWよりも大きくなっているが、アクリル板16、17の厚みWよりも狭くなっていてもよい。
【0076】
又、本実施の形態では、保持溝112、131、121、151、152の開口部には対向した一対の庇部116、133、124、156、157が形成されているが、一方にのみ設けられていてもよいし、パッキンと溝の間の摩擦が強い場合には、庇部が形成されていなくても良い。
【0077】
又、本実施の形態では、パッキン21の幅h4とパッキン22の幅h5が一致しているが、パッキン毎に異なっており、それに合わせて保持溝の形状も異なっていてもよい。また、パッキン21の突状部212とパッキン22の突条部222の幅も異なっていてもよく、それに合わせて保持溝112の一対の庇部の間の幅と、保持溝121の一対の庇部124の間の幅が異なっていてもよい。
【0078】
又、本実施の形態では、中桟15が設けられていたが、中桟15が設けられず、アクリル板16、17が一枚のアクリル板であってもよい。又、中桟15が更に設けられており、3枚のアクリル板が配置されていてもよい。
【0079】
又、本実施の形態では、一枚の引き戸10だけを図示しているが、図23に示すように引き戸10を2枚用いてもよい。この場合、ガイドレール19及び溝25は、前後に2本配置されている。更に、図23のように、戸当たり30が設置されていてもよい。戸当たり30は、ガイドレール19を用いて組み立てることが出来る。図24は、図23のFF´断面図である。図24に示すように、ガイドレール19に用いる部材が2本配列されており、その溝191を埋めるようにパッキン31が配置されている。引き戸10をスライドさせた際には、パッキン31に引き戸10が接触するため、接触音が小さくなり、引き戸10に傷が付くことを防ぐことが出来る。更に、戸当たり30にガイドレール19と同じ部材を用いることによって、コストを削減することが可能となる。尚、戸当たり30とガイドレール19の接続は、ビス及びビス止め部192を用いて行えばよい。
【0080】
尚、縦枠13におけるビス止め部134は、カバー26を取り付ける際に用いても良いし、カバーをゴムで形成し、ビス止め部134を用いなくても良い。また、ビス止め部134を用いない場合には、ビス止め部134は形成されていなくても良い。
【0081】
又、本実施の形態では、上桟11のガイド板用溝111にガイド板20が配置されていたが、ガイド板用溝111に車輪が配置されていても良い。この場合、ガイド板用溝111の底面111a(図2参照)にビスなどで車輪を固定することが出来る。また、本実施の形態では、床に溝を形成していたが、床に溝を形成しない上吊タイプであってもよい。
【0082】
又、本発明の第1工程の一例は、上桟11、又は縦枠13、14にパッキン21を挿入する工程に相当し、本発明の第2工程の一例は、アクリル板16、17の上辺、下辺、左辺、右辺の縁部分を上桟11、又は縦枠13、14の保持溝に挿入する工程に相当する。本実施の形態では、1つの桟又は枠にパッキンを挿入し、組み立てた後に、他の桟又は枠にパッキンを挿入していたが、はじめに全ての桟又は枠にパッキンを挿入してもよい。
【0083】
又、本発明の建具の一例として、本実施の形態では引き戸10を用いて説明したが、スライドしなくてもよく、部屋を仕切るための仕切りであってもよい。この場合、キャスター18等が設けられていなくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明にかかるパッキン、それを用いた建具、及び建具の組立方法は、搬入時の手間を低減出来、納期が速く、コストを低減できるという効果を有し、リフォーム用の建具としての引き戸、及び、その組み立て方法等として有用である。
【符号の説明】
【0085】
10 引き戸
11 上桟
12 下桟
13、14 縦枠
15 中桟
16、17 アクリル板
18 キャスター
19 ガイドレール
20 ガイド板
21、22、31 パッキン
23 化粧パネル
24 ネジ
30 戸当たり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間を有する棒状のパッキンであって、
前記内部の空間と連通した、前記棒状の長手方向に沿って設けられた開口部と、
前記長手方向に沿って形成された、前記内部の空間の内壁から突き出した一対の突起部とを備え、
前記一対の突起部の先端の間には、隙間が形成されており、
前記隙間の幅は、前記開口部の幅よりも狭い、パッキン。
【請求項2】
前記内部の空間は、板状部材の一端縁部を挿入するための空間である、請求項1記載のパッキン。
【請求項3】
請求項1記載のパッキンを用いた建具であって、
前記建具の少なくとも4辺に設けられた枠部材と、
前記枠部材に囲まれた単数又は複数の板状部材と、
前記枠部材と前記板状部材の嵌め合い部分の全部又は一部に介在する前記パッキンとを備えた、建具。
【請求項4】
前記パッキンが介在する前記枠部材には、前記パッキンを保持するための保持溝が形成されており、
前記保持溝の開口部分には、前記パッキンの抜け防止用の庇部が形成されている、請求項3記載の建具。
【請求項5】
前記溝の断面は実質上コの字形状であり、
対向する前記庇部の隙間の幅は、前記パッキンの開口部の幅よりも広く、且つ前記パッキンの幅よりも狭く、
前記パッキンの前記開口部の幅は、前記板状部材の厚みよりも広く、
前記パッキンの前記隙間の幅は、前記板状部材の厚みよりも狭い、請求項3記載の建具。
【請求項6】
前記板状部材は、矩形状であり、
前記枠部材は、
前記板状部材の上辺に設けられた上桟と、
前記板状部材の下辺に設けられた下桟と、
前記板状部材の左辺に設けられた第1縦枠と、
前記板状部材の右辺に設けられた第2縦枠とを有し、
前記上桟、前記第1縦枠、及び前記第2縦枠と前記板状部材との前記嵌め合い部分には、前記パッキンが介在しており、
前記下桟と前記板状部材との前記嵌め合い部分に介在する別のパッキンを備え、
前記別のパッキンは、断面が実質上V字状である溝が形成された棒状である、請求項3記載の建具。
【請求項7】
前記板状部材は複数であり、
前記複数の板状部材の間に設けられた中桟を備え、
前記中桟と、その上側に配置されている前記板状部材との嵌め合い部分には、前記別のパッキンが介在しており、
前記中桟と、その下側に配置されている前記板状部材との嵌め合い部分には、前記パッキンが介在している、請求項6記載の建具。
【請求項8】
前記下桟の下側に設けられた、前記建具をスライドするためのキャスターと、
前記上桟の上端面に長手方向に沿って形成された溝に設けられた、前記スライドを案内するためのガイド板とを備えた、請求項6記載の建具。
【請求項9】
請求項1記載のパッキンを用いた建具の少なくとも4辺に設けられた枠部材と、
前記枠部材に囲まれた単数又は複数の板状部材と、
前記枠部材と前記板状部材の嵌め合い部分の全部又は一部に介在する前記パッキンとを備え、
前記パッキンが介在する前記枠部材には、前記パッキンを保持するための保持溝が形成されており、
前記保持溝の開口部分には、前記パッキンの抜け防止用の庇部が形成されている、建具を組み立てる建具の組立方法であって、
前記枠部材に形成されている前記保持溝に前記パッキンを挿入する第1工程と、
前記パッキンの前記開口部に前記板状部材の一辺の縁部を挿入する第2工程とを備えた、建具の組立方法。
【請求項10】
前記保持溝の断面は実質上コの字形状であり、
対向する前記庇部の隙間の幅よりも前記パッキンの開口部の幅の方が狭く、
前記パッキンの前記開口部の幅は、前記板状部材の厚みよりも広く、
前記パッキンの前記隙間の幅は、前記板状部材の厚みよりも狭い、請求項9記載の建具の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図15(c)】
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【図15(d)】
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【図15(e)】
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【図15(f)】
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【図15(g)】
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【図15(h)】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22(a)】
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【図22(b)】
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【図22(c)】
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【図22(d)】
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【図22(e)】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−17606(P2012−17606A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155847(P2010−155847)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(510189444)
【Fターム(参考)】