説明

パックと棒状物を保持する容器

【課題】片手でパックを開封し、パック及び棒状物を持った状態でパックの内蔵物を付着・飛散なく取り出す。また周囲の汚染物がパック及び棒状物に付着することを防止し、使用済みのパック及び棒状物による汚染を防止する。
【解決手段】上面板310と側面板A320と側面板B330からなり、パック保管部311でパック100を、棒保管部A323及び棒保管部B333で棒状物200を保持及び保管及び個々に出し入れし、片手でパック100を開封し、かつ保持した状態で傾斜してパック100の内蔵物を取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パック及び棒状物を保持する構造と、パック及び棒状物を保持した状態で容器を持つ構造と、パック開封時に内蔵物の付着や飛散を防止する構造と、容器を保管する構造の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なパック及び棒状物の使用方法は、以下の通りである。
飲み物と、パック及び棒状物をテーブルに置く。
棒状物を手に取り、開封し、飲み物に内蔵物を入れる。
使用済みの棒状物をテーブルに置く。
パックを手に取り、カップを手指で保持し、非接着部Aを他方の手指で摘み、非接着部Aを引っ張ってカップから蓋を分離して一部開封する。
パックを傾斜し、飲み物に内蔵物を入れる。
使用済みのパックをテーブルに置く。
【0003】
このパックの開封方法では、パックを開封するために両手を使用して開封する必要があった。
パック開封時に内蔵物が手指に付着、または飛散することがあった。
パック及び棒状物にテーブル上の水滴や汚れが付着することがあった。
使用済みのパックや棒状物の内蔵物でテーブルを汚染することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2008−265878
【特許文献2】特開2008−143599
【特許文献3】特開2000−281134
【特許文献4】特開平11−147519
【特許文献5】特開平10−192148
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下に特許文献による従来技術に関して述べる。
例えば特開2008−265878は、棒形状のものを漏斗で収集し閉止システムで振分けするもので、容器自体に保持及び保管する構造にない。
また特開2008−143599は、棒状物を収納し保持する袋体であり、傾斜すると内蔵物だけでなく棒状物も一緒に落下してしまう。
更に特開2000−281134は、包装体の内部で棒状食品と液状食品に収納しているが、傾斜すると棒状食品と液状食品共に落下する。
次に特開平11−147519は、蓋部を持つ包装容器で、内装部材で蓋部受けを分離し、内容物を収納する構造であるが、蓋を開けて傾斜すると内容物全てが落下し、蓋を閉じて傾斜すると何も取り出せない。
最後に特開平10−192148は、パックは保持するが、棒状物に引っ掛ける構造で、棒状物を保持するものではない。
以上より、パックと棒状物を保持する容器として従来技術には問題点があり、不十分であることが分かる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題及び目的を以下に示す。
片手でパックを開封し、かつパック及び棒状物を持った状態でパックの内蔵物を取り出す。
パック開封時及び使用後の内蔵物の付着・飛散を防止する。
テーブルの水滴や汚れがパック及び棒状物に付着することを防止する。
使用済みのパック及び棒状物によるテーブルの汚染を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上面板310と、側面板A320と、側面板B330からなり、前記上面板310のパック保管部311で前記パック100を保持及び保管し、前記側面板A320の棒保管部A323または棒副保管部A325及び前記側面板B330の棒保管部B333または棒副保管部B335で前記棒状物200を保持及び保管するもので、
前記パック100及び前記棒状物200を個々に出し入れ可能とし、かつ該パック100及び該棒状物200を保持した状態で前面端312または後面端313の一方が他方に対して下方となるように傾斜して前記パック100の内蔵物の取り出しを可能にする手段を有した容器である。
【発明の効果】
【0007】
以下に本発明の効果を示す。
パックを片手で開封し、内蔵物を片手で取り出すことができる。
パックの内蔵物の付着や飛散、汚染を防止できる。
パック及び棒状物に、テーブルの水滴や汚れの付着を防止できる。
パック及び棒状物を1つの容器に分別して収納し、パック及び棒状物を保持した状態で傾斜し、パックの内蔵物を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パックの概略斜視図である。
【図2】容器の概略斜視図である。
【図3】パックと棒状物を保持した容器の概略斜視図である。
【図4】複数のパックと棒状物を保持できる容器の概略斜視図である。
【図5】陶磁器で製造した容器の概略斜視図である。
【図6】軟性材で製造した容器の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
実施例は、コーヒーなどの飲み物に付属するミルクなどのパック100と、スティックシュガーやマドラーなどの棒状物200を容器300で保持及び保管したものである。
【実施例】
【0010】
図1よりパック100は、蓋110と内蔵物を入れたカップ120を接着部130で接着して密閉し、蓋110とカップ120が接着していない非接着部A111及び非接着部B121を持つ構造である。
【0011】
図2より本発明の容器300は、上面板310と、側面板A320と、側面板B330からなる。
上面板310は、パック保管部311と、前面端312と、後面端313と、取手314を持つ。側面板A320は、接地部A321と、棒挿入口A322と、棒保管部A323と、屈曲部A324と、棒副保管部A325を持つ。側面板B330は、接地部B331と、棒挿入口B332と、棒保管部B333と、屈曲部B334と、棒副保管部B335を持つ。
【0012】
パック保管部311は、中央にあり、上部からカップ120を挿入させ、接着部130を引っ掛けてパック100を保持及び保管する。
側面板A320と側面板B330は、互いに対となる構造である。
接地部A321及び接地部B331は、テーブル等に接地して容器300を置くための足台である。
棒挿入口A322及び棒挿入口B332は、パック保管部311を中央に挟んで開口し、パック保管部311にパック100を保持していない状態で、棒状物200を棒挿入口A322と棒挿入口B332を結んだ線と平行にして、上部から棒状物200を挿入する入り口である。
棒保管部A323及び棒保管部B333は、棒挿入口A322及び棒挿入口B332から挿入した棒状物200を保持及び保管する。棒保管部A323または棒保管部B333の側面方向から棒状物200を出し入れすることも可能である。
屈曲部A324及び屈曲部B334は、容器300をコの字型に屈曲する。
上部中央にパック保管部311、下部両端に棒保管部A323及び棒保管部B333を装備するための屈曲で、パック100と棒状物200を分離して保管する。また屈曲部A324から屈曲部B334の長さより接地部A321から接地部B331の長さを長くした台形構造を取ることで、容器300を安定した状態で立位を保持し、上部に容器300を複数積み重ねることができる。
棒副保管部A325及び棒副保管部B335は、容器300の前面または後面にあり、棒状物200を出し入れかつ保持及び保管する。
【0013】
図3よりパック100及び棒状物200を容器300に出し入れかつ保持及び保管する方法と、パック100の内蔵物を取り出す方法を説明する。
棒状物200のスティックシュガーを棒挿入口A322及び棒挿入口B332から落下して挿入し、棒保管部A323及び棒保管部B333で棒状物200の両端を保持して保管する。
パック100をパック保管部311に挿入し、接着部130を引っ掛けて保持及び保管する。このとき非接着部A111を前面端312側に向ける。
他の棒状物200のマドラーを棒副保管部A325及び棒副保管部B335に入れて保持及び保管する。
このパック100及び棒状物200を容器300に保管した状態で、飲み物と一緒にテーブルに置く。
棒状物200のマドラーを前面または後面から取り出し、飲み物に入れる。
棒状物200のスティックシュガーを棒保管部A323または棒保管部B333側から取り出し、開封して中身のシュガーを飲み物に入れる。
使用済みの棒状物200のスティックシュガーを後面の棒副保管部A325及び棒副保管部B335に挿入して保管する。
【0014】
一方の手で蓋110の上部から接着部130を押して圧迫固定し、他方の手で非接着部A111を把持し、蓋110とカップ120を分離してパック100を半分程度開封する。片手でパック100の開封作業を行うときは、第1指と第2指で非接着部A111を把持し、第2指で蓋110を上部から圧迫しながら回転し、蓋110とカップ120を分離して開封する。
片手で取手314を把持して容器300を持ち上げ、飲み物の上部で前面端312を下方に傾斜してパック100の内蔵物のミルクを飲み物へ注ぐ。このとき取手314だけでなくパック100の未開封部分も一緒に把持し、パック100を容器300に固定しても良い。
棒状物200のマドラーで飲み物をかき混ぜる。使用後は前面の棒副保管部A325及び棒副保管部B335に挿入して保管する。
飲み物を飲む。
飲料後の片付けは、片手で取手314を把持して持ち上げ移動する。
使用済みのパック100及び棒状物200を取り出す方法は、片手で取手314を把持して容器300を逆さまにし、パック100及び棒状物200を落下させる。これにより、使用済みのパック100及び棒状物200に触れることなく廃棄でき、手などの汚染を防止する。
【0015】
図4はパック保管部311を2箇所設け、パック100を2個挿入できる変形例である。同様にパック100及び棒状物200を保持及び保管する。
図5は陶磁器で製造した容器300の一例である。陶磁器では製造時、上面板310と、側面板A320及び側面板B330の変形を防止するため、前面補強板315及び後面補強板316を設けて補強する。同様にパック100及び棒状物200を保持及び保管する。
図6は軟性材の紙で製造した容器300の一例である。組立て方法を説明する。
1枚の平板状で、4箇所の折れ線340と、両端に止め具A326及び止め具B336を持つ。
4箇所の折れ線340を裏側に折り曲げ、止め具A326と止め具B336を接続し、容器300を構成する。同様にパック100及び棒状物200を保持及び保管する。
【0016】
以下に本発明の応用例を示す。
パック100の接着部130は、カップ120に蓋110を乗せた接触しているだけの状態でも良い。パック100は、蓋110のないカップ120だけの構造でも良い。
棒挿入口A322及び棒挿入口B332がなく、棒保管部A323及び棒保管部B333の穴だけの構造でも良い。
棒挿入口A322及び棒挿入口B332は、パック保管部311にパック100を保持していない状態であれば、棒状物200を挿入するだけでなく、取り出すこともできる。
棒保管部A323及び棒保管部B333は、棒状物200を複数保持及び保管できる。同様に棒副保管部A325及び棒副保管部B335も、棒状物200を複数保持及び保管できる。
【0017】
パック100は、ミルク・ガムシロップ・バター・マーガリン・ジャム・プリン・ヨーグルト・豆腐・調味料・飲料水などの食料品の内蔵物を入れた包装物は勿論、カップ・コップ・ピッチャー・御椀・皿・桶・樽・ザル・ボトル・、ビンなどの入れ物、食料品以外の気体・液体・ゼリー状物・固形物などを入れた入れ物であっても良い。
棒状物200は、スティックシュガー・マドラー・ストロー・スプーン・フォーク・ナイフ・箸・串・楊枝などの食料品や台所用品及びこれらの包装物は勿論、ピンセット・ハサミ・ペン・綿棒などの器具、食器及び器具以外の棒状物、軟性材や硬性材による棒状の形状物であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0018】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明を、パック100及び棒状物200の食料品に適用した場合について述べたが、この発明はそれに限定されるものではなく、保持可能なもの全般に利用できる。
【符号の説明】
【0019】
100・・・パック
110・・・蓋
111・・・非接着部A
120・・・カップ
121・・・非接着部B
130・・・接着部
200・・・棒状物
300・・・容器
310・・・上面板
311・・・パック保管部
312・・・前面端
313・・・後面端
314・・・取手
315・・・前面補強板
316・・・後面補強板
320・・・側面板A
321・・・接地部A
322・・・棒挿入口A
323・・・棒保管部A
324・・・屈曲部A
325・・・棒副保管部A
326・・・止め具A
330・・・側面板B
331・・・接地部B
332・・・棒挿入口B
333・・・棒保管部B
334・・・屈曲部B
335・・・棒副保管部B
336・・・止め具B
340・・・折れ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵物を入れたカップ120を有するパック100、及び棒状物200を保持する容器300であって、
上面板310と、側面板A320と、側面板B330からなり、
前記上面板310のパック保管部311で前記パック100を保持及び保管し、前記側面板A320の棒保管部A323または棒副保管部A325及び前記側面板B330の棒保管部B333または棒副保管部B335で前記棒状物200を保持及び保管するもので、
前記パック100及び前記棒状物200を個々に出し入れ可能とし、かつ該パック100及び該棒状物200を保持した状態で前面端312または後面端313の一方が他方に対して下方となるように傾斜して前記パック100の内蔵物の取り出しを可能にすることを特徴とするパックと棒状物を保持する容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−126594(P2011−126594A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299430(P2009−299430)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(307029397)株式会社ボーダーヒル (5)
【Fターム(参考)】