説明

パッケージキャリアおよびその製造方法

【課題】パッケージキャリアの製造方法を提供する。
【解決手段】第1表面111、第2表面113、および互いに背向する第1表面111と第2表面113が連結する開口116を有する基板110が提供される。第1粘着層は基板110の第1表面111上に形成される。第1粘着層と基板110は窪みを定義する。熱伝導素子130は窪みに配置され、第1粘着層を介し窪みに固定される。第2粘着層と第2粘着層上に位置する金属層150aは基板110の第2表面113に形成される。金属層150aは熱伝導素子130の底面に接続される。熱伝導素子130は金属層150aと第1粘着層との間に位置する。第1粘着層は基板110の第1表面111を露出するために取り除かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パッケージ構造およびその製造方法に関する。特に、この発明はパッケージキャリア(package carrier)およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップパッケージは、チップに適切な信号伝導経路、熱伝導経路およびチップ構造の保護を提供する。リードフレーム(leadframe)は、従来のワイヤーボンディング(wire bonding)技術が採用されるとき、しばしばチップのキャリア(carrier)としての役割を務める。チップの接点密度(contact density)が次第に増大するに従い、リードフレームでは更に高い接点密度を提供できないため、好ましい接点密度を達成できるパッケージキャリアに置き換えられる。また、チップは金属伝導ワイヤーまたはバンプ(bump)といった導電媒体によってパッケージキャリア上にパッケージされる。
【0003】
一般的な発光ダイオード(light emitting diode = LED)パッケージ構造においては、LEDチップが使用される前にLEDチップはパッケージされる必要があり、そしてLEDチップは発光時に、大量の熱を発生させる。もしも熱が散逸されず、LEDパッケージ構造内に継続して蓄積されると、LEDパッケージ構造の温度がますます上昇する。こうして、過度に熱せられたLEDチップは輝度を減衰させ、寿命を短縮させ、あるいは恒久的な損傷を受けかねない。そのため、既存のLEDパッケージ構造には、ヒートシンク(heat sink 散熱装置)が組み込まれており、LEDチップの熱を散逸させている。
【0004】
従来のパッケージキャリアは、複数のパターン化導電層と、少なくとも1つの絶縁層から成る。電気絶縁のため、絶縁層は2つの隣接するパターン化導電層の間に配置される。熱伝導ブロックはパッケージキャリア底面上に粘着層を介し固定される。多くの場合、LEDチップはパッケージキャリアに電気接続され、LEDチップにより発生された熱は、パターン化導電層および絶縁層を通して熱伝導ブロックへ伝導される。粘着層と絶縁層の熱伝導率は好ましくないため、LEDチップによって発生された熱が絶縁層と粘着層を通して熱伝導ブロックへ伝導されるとき、熱抵抗(heat resistance)が上昇し、満足のできない熱散逸をもたらす。従って、LEDチップによって発生された熱を如何に外界へ効果的に散逸させるかが、この領域の研究者および設計者の焦点となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、熱発生素子を積載するためのパッケージキャリアを提供することを目的とする。
【0006】
この発明は、さらにパッケージキャリアの製造方法を提供することを目的とする。この製造方法を適用することにより、前述のパッケージキャリアを形成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の実施形態において、パッケージキャリアの製造方法には以下のステップを含む。基板が提供される。基板は、第1表面、第2表面、互いに背向する第1表面と第2表面を連結する開口を有する。第1粘着層は基板の第1表面上に形成される。第1粘着層と基板は窪み(notch)を定義する。熱伝導素子はその窪みに組み込まれ、第1粘着層を介し窪みに固定される。第2粘着層と、第2粘着層上に位置する金属層は、基板の第2表面上に形成される。ここで、金属層は熱伝導素子の底面に接続され、熱伝導素子は金属層と第1粘着層との間に位置する。第1粘着層は基板の第1表面を露出するために取り除かれる。
【0008】
この発明の実施形態において、この製造方法はさらに以下のステップを含む。第2粘着層と金属層が基板の第2表面上に形成されるとき、熱伝導素子の底面は第2粘着層によって覆われ、熱伝導素子は第1粘着層と第2粘着層との間に位置する。金属層の一部と第2粘着層の一部は熱伝導素子の底面の一部を露出させるために取り除かれる。複数の伝導柱が熱伝導素子底面の露出部上に形成される。ここで、熱伝導素子は伝導柱を介し金属層に接続され、熱伝導素子から離れた側の伝導柱の表面と、第2粘着層から離れた側の金属層の表面は実質共面である。
【0009】
この発明の実施形態において、第2粘着層は基板の第2表面と金属層との間に位置し、金属層は収容凹部を有し、熱伝導素子の底面は収容凹部に配置される。
【0010】
この発明の実施形態において、第2粘着層は基板の第2表面と金属層との間に位置し、金属層は突出部を有し、熱伝導素子の底面は突出部上に配置される。
【0011】
この発明の実施形態において、熱伝導素子は、第1伝導層、第2伝導層、および第1伝導層と第2伝導層との間に位置する絶縁材層を含む。
【0012】
この発明の実施形態において、絶縁材層の材料はセラミックスである。
【0013】
この発明の実施形態において、基板は絶縁層と、絶縁層上に位置するパターン化銅層を含む。ここで、パターン化銅層は絶縁層の一部を露出し、そしてこの製造方法は更に、第1粘着層が取り除かれた後、パターン化銅層上および絶縁層の一部上にソルダーマスク層を形成することを含む。
【0014】
この発明の実施形態において、熱発生素子を積載するためのパッケージキャリアが提供される。パッケージキャリアは、基板、粘着層、金属層、熱伝導素子を含む。基板は第1表面、第2表面、互いに背向する第1表面と第2表面を連結する開口を有する。粘着層は基板の第2表面に配置される。金属層は、粘着層を介し基板に接着され、金属層と開口は収容空間を定義する。熱伝導素子は収容空間に配置され、頂面と底面を有する。頂面と底面は互いに背向する。金属層は熱伝導素子の底面に接続される。熱発生素子は熱伝導素子の頂面に配置される。
【0015】
この発明の実施形態において、熱伝導素子は、第1伝導層、第2伝導層、および第1伝導層と第2伝導層との間に位置する絶縁材層を含む。
【0016】
この発明の実施形態において、絶縁材層の材料はセラミックスである。
【0017】
この発明の実施形態において、パッケージキャリアは更に複数の伝導柱を含む。粘着層は熱伝導素子の底面と金属層との間に拡張される。伝導柱は金属層と粘着層を貫通し、伝導柱は熱伝導素子の底面の一部に接続される。
【0018】
この発明の実施形態において、粘着層は基板の第2表面と金属層との間に位置し、金属層は収容凹部を有し、熱伝導素子の底面は収容凹部に配置される。
【0019】
この発明の実施形態において、粘着層は基板の第2表面と金属層との間に位置し、金属層は突出部を有し、熱伝導素子の底面は突出部上に配置される。
【0020】
この発明の実施形態において、基板は絶縁層と、絶縁層上に位置するパターン化銅層を含む。パターン化銅層は絶縁層の一部を露出する。
【0021】
この発明の実施形態において、パッケージキャリアは更に、パターン化銅層上および絶縁層の一部上に配置されるソルダーマスク層を含む。
【発明の効果】
【0022】
上記の実施形態で説明されるパッケージキャリアは熱伝導素子を有する。従って、熱発生素子がパッケージキャリアの熱伝導素子上に配置されたとき、熱発生素子により発生された熱は、熱伝導素子と金属層を通して外界へ急速に伝送される。このように、この発明の実施形態中で説明されるパッケージキャリアは、熱発生素子により発生された熱を効果的に散逸することができ、熱発生素子の効率と寿命は共に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1B】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1C】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1D】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1E】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1F】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1G】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1H】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1I】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。
【図1J】図1Iに描写されたパッケージキャリアに熱発生素子を積載したところを示す概略的な断面図である。
【図2】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの熱発生素子積載を示す概略的な断面図である。
【図3】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの別例を示す概略的な断面図である。
【図4】この発明の実施形態によるパッケージキャリアの更なる別例を示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1Aから図1Iは、この発明の実施形態によるパッケージキャリアの製造方法を示す概略的な断面図である。図1に示されるように、この実施形態によるパッケージキャリアの製造方法では、基板110が提供される。基板110は、第1表面111と、第1表面111と背向する第2表面113を有する。基板110は絶縁層112と、絶縁層112上に位置する銅層114で構成される。ここでは、絶縁層112は、例えばPI(polyimide = PI ポリイミド)製あるいはエポキシ樹脂製である。図面により示されていない実施形態では、基板は、1つの絶縁層と、その絶縁層の各面上に位置する2つの銅箔(copper foil)層で構成される両面基板とすることもできる。
【0025】
図1Bにおいて、基板110の第1表面111と第2表面113が連結する開口116は、例えばスタンプ(stamping 抜き打ち)処理あるいはルーティング(routing 溝堀り)処理によって形成される。
【0026】
図1Cにおいて、第1粘着層120は、基板110の第1表面111上に形成される。ここで、第1粘着層120と基板110は窪みCを定義する。熱伝導素子130は窪みCに配置される。熱伝導素子130は、互いに背向する頂面131と底面133を有し、熱伝導素子130は第1粘着層120を介し窪みCに固定される。熱伝導素子130は、第1伝導層132、絶縁材層134、第2伝導層136を含む。絶縁材層134は、第1伝導層132と第2伝導層136との間に位置する。加えて、絶縁材層134は、例えばAI、AIN(aluminum nitride = AIN 窒化アルミニウム)、SiN(silicon nitride = SiN 窒化珪素)、もしくは石墨、といったセラミックス材質製である。熱伝導素子130の第1伝導層132はパターン化伝導層とすることもでき、第1粘着層120に接着される。
【0027】
図1Dにおいて、第2粘着層140aと、第2粘着層140a上に位置する金属層150aは、基板110の第2表面113上に形成される。第2粘着層140aは、熱伝導素子130の底面133を覆い、熱伝導素子130は第1粘着層120と第2粘着層140aとの間に位置する。金属層150aは、例えば単一金属層、合金層、あるいは金属化合物層である。
【0028】
図1Eにおいて、第1粘着層120は、基板110の第1表面111を露出させるために取り除かれる。第2粘着層140aと開口116は、収容空間S1を定義し、熱伝導素子130は、収容空間S1内に位置する。金属層150aの一部は、第2粘着層140aの一部を露出させるために取り除かれる。金属層150aは、例えば物理的エッチングあるいは化学的エッチングによって取り除かれる。
【0029】
図1Fにおいて、第2粘着層140aの一部は、熱伝導素子130の底面133の一部を露出させるために取り除かれる。ここでは、第2粘着層140aを取り除く方法としては、レーザー処理あるいはプラズマ処理が含まれる。
【0030】
この実施形態中、第1粘着層120、金属層150aの一部、および第2粘着層140aの一部は順に取り除かれるが、第1粘着層120、金属層150aの一部、および第2粘着層140aの一部を取り除く順序については当発明で制限されないことを言及しておく。当発明の別の実施形態においては、金属層150aと第2粘着層140aが部分的に取り除かれ、その後、第1粘着層120が取り除かれる。
【0031】
図1Gにおいて、複数の伝導柱160が、熱伝導素子130の底面133の露出された部分上に形成される。熱伝導素子130の第2伝導層136は、伝導柱160を介し金属層150aに接続される。ここで、熱伝導素子130から離れた側の伝導柱160の表面と、第2粘着層140aから離れた側の金属層150aの表面151は、実質共面である。ここでは、伝導柱160の形成方法は、電解めっき(electroplating)あるいは無電解めっき(electroless plating)を含む。
【0032】
図1Hにおいて、基板110の銅層114は、パターン化銅層115を形成するためにパターン化される。ここでは、パターン化銅層115は絶縁層112の一部を露出する。
【0033】
図1Iにおいて、ソルダーマスク層170は、パターン化銅層115上と絶縁層112の一部の上に形成される。これにて、パッケージキャリア100aの製造は実質的に完成される。
【0034】
図1Iに示されるように、この実施形態のパッケージキャリア100aは、構造的に、基板110、熱伝導素子130、第2粘着層140a、金属層150a、伝導柱160、および、ソルダーマスク層170を含む。基板110は、互いに背向する第1表面111と第2表面113を有する。また、基板110は第1表面111と第2表面113を連結する開口116を有する。基板110は絶縁層112とパターン化銅層115から成る。パターン化銅層115は、絶縁層112の一部を露出する。熱伝導素子130は、互いに背向する頂面131と底面133を有する。ここでは、熱伝導素子130は、第1伝導層132、絶縁材層134、第2伝導層136を含む。絶縁材層134は、第1伝導層132と第2伝導層136との間に位置する。第1伝導層132はパターン化伝導層でありうる。第2粘着層140aは、基板110の第2表面113上と、熱伝導素子130の底面133上に配置される。ここで、第2粘着層140aと開口116は、収容空間S1を定義し、熱伝導素子130は、収容空間S1内に配置される。金属層150aは、第2粘着層140aを介して基板110に接着される。伝導柱160は、金属層150aと第2粘着層140aを貫通し、熱伝導素子130の底面133の一部に接続される。ソルダーマスク層170は、基板110のパターン化銅層115上と絶縁層112の一部上に配置される。
【0035】
図1Jは、図1Iに描写されたパッケージキャリアに熱発生素子を積載したところを示す概略的な断面図である。図1Jにおいて、この実施形態中、パッケージキャリア100aは熱発生素子200aを積載するのに適している。熱発生素子200aは、熱伝導素子130の第1伝導層132上に配置される。ここでは、熱発生素子200aは、例えば電子チップもしくは光電デバイスであり、これらは本発明を制限するものとして解釈されてはならない。例えば、電子チップは集積回路チップ、例を挙げると、チップモジュールあるいはグラフィックチップやメモリーチップ等を含む単一チップでもよい。光電デバイスは、例えばLED、レーザーダイオード、あるいはガス放電光源(gas discharge light source)である。この実施形態中、熱発生素子200aは、例えばLEDとして述べられる。
【0036】
具体的に述べると、熱発生素子200a(例:LED)は、フリップチップボンディング(flip-chip bonding)によって熱伝導素子130の第1伝導層132に電気接続されうる。熱発生素子200aとパッケージキャリア100aの一部は、熱発生素子200aとパッケージキャリア100aとの間の電気接続を保護するために、モールドコンパウンド(molding compound)210によって封入(encapsulated)されうる。この実施形態の熱発生素子200aは、パッケージキャリア110aの熱伝導素子130上に直接配置される。このため、熱発生素子200aにより発生された熱は、熱伝導素子130、伝導柱160、金属層150aを介し外界へ急速に伝送される。このように、当発明のこの実施形態で説明されるパッケージキャリア100aは、熱発生素子200aにより発生された熱を効果的に散逸することができ、熱発生素子200aの効率と寿命は共に向上する。
【0037】
この実施形態で説明される熱発生素子200aはパッケージキャリア100aの熱伝導素子130にフリップチップボンディング(flip-chip bonding)によって電気接続されるが、熱発生素子200aとパッケージキャリア110aとの接続方法および熱発生素子200aの形態は、本発明では制限されない。図2で示される、もうひとつの実施形態では、熱発生素子200bは、パッケージキャリア100aの熱伝導素子130aの第1伝導層132aに、複数のボンディングワイヤー220を通して接続される(即ち、ワイヤーボンディング)。熱発生素子は、ここに示されない別の実施形態ではチップパッケージでありえ、パッケージキャリア100a上に表面実装技術(surface mount technology = SMT)を行うことで配置される。熱発生素子200aおよび200bとパッケージキャリア100aの接続方法と、熱発生素子200aおよび200bの形態は、代表的なものであり、本発明を制限するものとして解釈されてはならない。
【0038】
パッケージキャリア100bおよび100cと、それらの製造方法は、いくつかの実施形態にて以下に説明される。いくつかの参照番号と、前述の実施形態中に提供されたいくつかの解説は、以下の代表的な実施形態の中でも使用されることを言及しておく。同一の参照番号は、同一あるいは類似する構成要素を示し、同一の技術的内容の解説は省略される。前述の代表的実施形態によって省略部分の解説は参照できることから、後述の代表的実施形態のなかでは省略部分は解説されない。
【0039】
図3は、本発明の実施形態による別のパッケージキャリアを示す概略的な断面図である。図3では、この実施形態のパッケージキャリア100bは、図1Iに示されるパッケージキャリア100aに類似しているが、これらの差異は、図3に示されるパッケージキャリア110bが図1Iに示される伝導柱160を有しないことと、熱伝導素子130の底面133が直接金属層150bに接続される点にある。更に明確に述べると、この実施形態中パッケージキャリア100bの第2粘着層140bは、基板110の第2表面113と金属層150bとの間に位置する。金属層150bは、熱伝導素子130が配置される収容凹部152を有する。熱伝導素子130の底面133は、金属層150bに直接接触している。
【0040】
この実施形態のパッケージキャリア100bの製造方法は、前述の実施形態で説明されたパッケージキャリア100aの製造方法と、おおよそ同一でありうる。すなわち、図1Cに示されるように、第1粘着層120は基板110の第1表面111上に形成され、第1粘着層120と基板110は窪みCを定義する。そして、第2粘着層140bと、第2粘着層140b上に位置する金属層150bは、基板110の第2表面113上に形成される。金属層150bは、熱伝導素子130が配置される収容凹部152を有する。熱伝導素子130の底面133は、金属層150bに直接接触している。第1粘着層120は(図1Dに示されるように)取り除かれ、図1Hと図1Iに示されるステップは、パッケージキャリア100bの製作を完成させるために、順に実行される。
【0041】
その後、例えばLEDチップ(図示せず)といった熱発生素子がワイヤー・ボンディングまたはフリップチップボンディングによってパッケージキャリア100bの熱伝導素子130の第1伝導層132に接続されたとき、熱発生素子によって発生された熱は、直接熱伝導素子130と金属層150bを介して外界へ急速に伝送される。要するに、この実施形態中説明されるパッケージキャリア100bは、熱発生素子により発生された熱を効果的に散逸することができ、熱発生素子の効率と寿命は共に向上する。
【0042】
図4は、本発明の実施形態による別のパッケージキャリアを示す概略的な断面図である。図4では、この実施形態のパッケージキャリア100cは、図3に示されるパッケージキャリア100bに類似しているが、これらの差異は、図4中のパッケージキャリア100cの第2金属層150cは、熱伝導素子130が配置される突出部154を有し、熱伝導素子130の底面133は突出部に直接接触している点にある。
【0043】
この実施形態でのパッケージキャリア100cの製造方法は、前述の実施形態のパッケージキャリア100bの製造方法と、おおよそ同一でありうる。すなわち、図1Cに示されるように、第1粘着層120は基板110の第1表面111上に形成され、第1粘着層120と基板110は窪みCを定義する。第2粘着層140bと、第2粘着層140b上に位置する金属層150cは、基板110の第2表面113上に形成される。金属層150cは、熱伝導素子130が配置される突出部154を有する。熱伝導素子130の底面133は、突出部154に直接接触している。第1粘着層120は(図1Dに示されるように)取り除かれ、図1Hと図1Iに示されるステップは、パッケージキャリア100cの製作を完成させるために、順番に実行される。
【0044】
その後、例えばLEDチップ(図示せず)といった熱発生素子がワイヤー・ボンディングまたはフリップチップボンディングによってパッケージキャリア100cの熱伝導素子130の第1伝導層132に接続されたとき、熱発生素子によって発生された熱は、直接熱伝導素子130と金属層150cを介して外界へ急速に伝送される。要するに、この実施形態中説明されるパッケージキャリア100bは、熱発生素子により発生された熱を効果的に散逸することができ、熱発生素子の効率と寿命は共に向上する。
【0045】
要約すると、上述の実施形態によるパッケージキャリアは熱伝導素子を有する。このため、熱発生素子が熱伝導素子上に配置されたとき、熱発生素子により発生された熱は、直接熱伝導素子と金属層を介して外界へ急速に伝送される。要するに、この発明の実施形態中説明されるパッケージキャリアは、熱発生素子により発生された熱を効果的に散逸することができ、熱発生素子の効率と寿命は共に向上する。
【0046】
この発明は上記の実施形態において説明されているが、当業者による説明された実施形態の変更は当発明の技術思想から離れることなくなされうることは明白である。従って、本発明の範囲は、上記の詳細説明ではなく、添付の請求項によって定義される。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、LED等の熱発生素子の積載に用いることのできるパッケージキャリアとその製造方法に関するものである。
【符号の説明】
【0048】
100a、100b、100c パッケージキャリア
110 基板
111 第1表面
112 絶縁層
113 第2表面
114 銅層
115 パターン化銅層
116 開口
120 第1粘着層
130、130a 熱伝導素子
131 頂面
132、132a 第1伝導層
133 底面
134 絶縁材層
136 第2伝導層
140a、140b 第2粘着層
150a、150b、150c 金属層
151 表面
152 収容凹部
154 突出部
160 伝導柱
170 ソルダーマスク層
200a、200b 熱発生素子
210 モールドコンパウンド(molding compound)
220 ボンディングワイヤー
C 窪み
S1 収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面、第2表面、および互いに背向する第1表面と第2表面が連結する開口を有する基板を提供することと、
前記基板の第1表面上に第1粘着層を形成し、前記第1粘着層と前記基板が窪みを定義することと、
前記窪みに熱伝導素子を配置し、前記熱伝導素子は前記第1粘着層を介し前記窪みに固定されることと、
第2粘着層と、前記第2粘着層上に位置する金属層を前記基板の第2表面上に形成し、前記金属層は前記熱伝導素子の底面に接続され、前記熱伝導素子は前記金属層と前記第1粘着層の間に位置することと、
前記第1粘着層が前記基材の前記第1表面を露出させるために取り除かれることと、
を備えるパッケージキャリアの製造方法。
【請求項2】
前記基板の第2表面上に前記第2粘着層と前記金属層を形成するときに、前記第2粘着層により前記熱伝導素子の底面を覆い、前記熱伝導素子は前記第1粘着層と前記第2粘着層の間に位置することと、
前記熱伝導素子底面の一部を露出させるために前記金属層の一部と前記第2粘着層の一部を取り除くことと、
前記熱伝導素子の底面の露出された部分に複数の伝導柱を形成し、そのうち前記熱伝導素子は前記伝導柱により前記金属層に接続され、前記伝導柱の前記熱伝導素子から離れた側の表面と前記金属層の第2粘着層から離れた側の表面は実質共面であることと、
を更に備える請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第2粘着層は前記基板の第2表面と前記金属層との間に位置し、前記金属層は収容凹部を有し、前記熱伝導素子の底面は前記収容凹部に配置される請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第2粘着層は前記基板の第2表面と前記金属層との間に位置し、前記金属層は突出部を有し、前記熱伝導素子の底面は前記突出部上に配置される請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記熱伝導素子は、第1伝導層、第2伝導層、および前記第1伝導層と前記第2伝導層との間に位置する絶縁層を含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁層の材料がセラミックスである請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記基板が、絶縁層と、前記絶縁層上に位置するパターン化銅層を含み、前記パターン化銅層は前記絶縁層の一部を露出し、更に、前記第1粘着層を取り除いた後、前記パターン化銅層上と前記絶縁層の一部上にソルダーマスク層を形成することを備える請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
熱発生素子を積載するパッケージキャリアであって、
第1表面、第2表面、互いに背向する第1表面と第2表面が連結する開口を有する基板と、
前記基板の前記第2表面上に配置される粘着層と、
前記粘着層を介し前記基板に接着され、前記開口と収容空間を定義する金属層と、
収容空間に配置され、互いに背向する頂面と底面を有する熱伝導素子とを含み、
前記金属層は前記熱伝導素子の底面に接続され、前記熱発生素子は前記熱伝導素子の頂面に配置される、
パッケージキャリア。
【請求項9】
前記熱伝導素子は、第1伝導層、第2伝導層、前記第1伝導層と前記第2伝導層との間に位置する絶縁層を含む請求項8に記載のパッケージキャリア。
【請求項10】
前記絶縁層の材料がセラミックスである請求項9に記載のパッケージキャリア。
【請求項11】
更に、複数の伝導柱を含み、
前記粘着層が、前記熱伝導素子の底面と前記金属層との間に拡張され、前記伝導柱が前記金属層と前記粘着層を貫通し前記熱伝導素子の底面の一部に接続する請求項8に記載のパッケージキャリア。
【請求項12】
前記粘着層は、前記基板の第2表面と前記金属層との間に位置し、前記金属層は前記収容凹部を有し、前記熱伝導素子の底面は前記収容凹部に配置される請求項8に記載のパッケージキャリア。
【請求項13】
前記粘着層は、前記基板の第2表面と前記金属層との間に位置し、前記金属層は突出部を有し、前記熱伝導素子の底面は前記突出部に配置される請求項8に記載のパッケージキャリア。
【請求項14】
前記基板が、絶縁層と、前記絶縁層上に位置するパターン化銅層を含み、前記パターン化銅層が前記絶縁層の一部を露出する請求項8に記載のパッケージキャリア。
【請求項15】
前記パターン化銅層上と前記絶縁層の一部上に配置されるソルダーマスク層を更に備える請求項14に記載のパッケージキャリア。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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