説明

パッシブソナー信号処理装置、パッシブソナー信号処理方法及びパッシブソナー信号処理プログラム

【課題】ブラインドゾーンもゴーストも発生しないパッシブソナー信号処理装置を提供する。
【解決手段】信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理手段と、前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理手段と、前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッシブソナー信号処理装置、パッシブソナー信号処理方法及びパッシブソナー信号処理プログラムに関し、特に目標が放射する信号の方位を検出する処理に用いられるパッシブソナー信号処理装置、パッシブソナー信号処理方法及びパッシブソナー信号処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に知られている通常のパッシブソナー装置は、例えば、特許文献1及び2に記載されている。
【0003】
特許文献1及び2の例に限らず、パッシブソナー装置の基本的な原理としては、複数のアレイを配置し、整相処理によって特定の方位に受波指向性を持たせたうえで、その受波信号に対して、
(1)周波数分析によって特徴周波数を抽出する
(2)位相差あるいは、受信信号のエネルギー分布から信号到来方位を算出する
ための処理を行う。いかなる前処理や後処理を行うにしても、最終的には目標が放つ音の特徴周波数とその方位を検出することに集約される。
【0004】
ところで、背景雑音レベルはランダムな雑音によって常に変化するため、単純な閾値設定を行うことによって信号検出を行うことは困難である。そのため、いかなる処理系であろうとも、S/N比(Signal/Noise比)を抽出する処理が必須である。
【0005】
一般的には、現在取得しているデータから移動平均等の統計処理によって背景雑音レベルを推定し、その値で正規化するAGC処理が良く知られている。
【0006】
しかし、統計処理によって背景雑音レベルを推定する方法では、常に過去のデータに依存しているので、背景雑音レベルに大きな変動があった場合や異常値が混入した場合には、正常に信号検出が出来なくなる問題がある。
【0007】
この課題を解決するための技術として、特許文献3に記載されている技術が提案されている。
【0008】
特許文献3に記載されている技術は、3つの積分出力信号を用い、最小値検出回路を備え、最小値検出回路の出力信号を用いてダイナミックレンジの広い受信信号の背景雑音レベルを均一にするための自動利得調整回路に関するものである。
【0009】
その他に、特許文献4及び5に記載されている技術が本願発明に関連したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公平6−93016号公報
【特許文献2】特開平4−143683号公報
【特許文献3】特開昭62−245173号公報
【特許文献4】特開平5−66256号公報
【特許文献5】特開平8−184661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
通常の技術では、目標が放射する信号の方位を検出するための処理方法として、BDAGC処理が用いられてきた。これは、任意の時刻における方位毎の周波数処理帯域加算データに対し、処理を行う両隣の方位データを用いて2次曲線回帰計算を行い、その結果を背景雑音レベルの推定値とし、その値で正規化することによりS/N比を算出する方法である。
【0012】
しかし、BDAGCを用いた場合、ある方位に強い信号レベルが検出されると(図1参照)、その方位の両側における推定背景雑音レベルが2次曲線回帰計算によって高くなってしまうことから、信号S/N比が算出されないブラインドゾーンとなってしまう問題点がある(図2参照)。
さらに、ブラインドゾーンとなる方位の直近の方位については、推定背景雑音レベルが2次曲線回帰計算によって著しく低下することから、その値で正規化が行われることによって信号S/N比が算出され、意図しない方位に信号S/N比が検出されるゴーストが発生する問題点がある(図2参照)。
【0013】
本発明の目的は、ブラインドゾーンもゴーストも発生しないパッシブソナー信号処理装置、パッシブソナー信号処理方法及びパッシブソナー信号処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の観点によれば、信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理手段と、前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理手段と、前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理手段と、を備えることを特徴とするパッシブソナー信号処理装置が提供される。
【0015】
また、本発明の第2の観点によれば、信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理ステップと、前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理ステップと、前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理ステップと、を有することを特徴とするパッシブソナー信号処理方法が提供される。
【0016】
更に、本発明の第3の観点によれば、パッシブソナー信号処理装置としてコンピュータを機能させるためのパッシブソナー信号処理プログラムであって、コンピュータを、信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理手段と、前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理手段と、前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理手段と、として機能させるためのパッシブソナー信号処理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ブラインドゾーンもゴーストも発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の有効性を示すための、入力信号の一例を示す図である。
【図2】通常の技術を用いた場合の問題点を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態によるパッシブソナー信号処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す微分処理部の出力信号である方位チャネル毎の増減比を示す図である。
【図5】図3に示すワンクロス積分処理部の出力信号である方位チャネル毎の合計増減比を示す図である。
【図6】図3に示すS/N検出処理部の出力信号である方位チャネル毎のS/N比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0020】
図2に本実施形態によるパッシブソナー信号処理装置の全体構成を示す。
【0021】
図2を参照すると、本実施形態によるパッシブソナー信号処理装置は、パッシブソナーで受信した方位チャネル毎の信号の方位チャネル間の増減比を計算する微分処理部1、増減比が1である区間、増減比が1を超える区間及び増減比が1未満である区間毎にその区間に含まれる方位チャネルの増減比を掛け合わせることにより合計増減比を計算するワンクロス積分処理部2、1を超える合計増減比と1を超えない合計増減比をペアとして抽出し、1を超える合計増減比と1を超えない合計増減比の逆数との相乗平均をとることによって、方位チャネル毎の信号S/N比を計算するS/N算出処理部3を含む。
【0022】
次に、本実施形態によるパッシブソナー信号処理装置により行なわれるパッシブソナー信号処理方法について説明する。
【0023】
微分処理部1は(1)式により、方位チャネル毎の信号増減比diff[ch+1]を算出する。
【0024】
【数1】

ch:受信チャネル(方位) (ch=0,1,・・・,N)
ワンクロス積分処理部2は、(2)式により、信号増減比が1未満であることが続く区間、信号増減比が1を超えることが続く区間及び信号増減比が1である区間毎にその区間に含まれる方位チャネルの増減器を掛け合わせることにより合計増減比Integral[j+1]を算出する。
【0025】
【数2】

但し、
信号増減比が1未満であることが続く区間については、
Diff[i-1]=>1, Diff[i]<1, Diff[i+1]<1,・・・,Diff[j]<1, Diff[j+1]=>1
信号増減比が1を超えることが続く区間については、
Diff[i-1]=<1, Diff[i]>1, Diff[i+1]>1,・・・,Diff[j]>1, Diff[j+1]=<1
信号増減比が1である区間については、
Diff[i]=Diff[i+1]=…Diff[j]=1
なおそのとき、(2)式によっては、i番目の方位チャネルからj番目の方位チャネルについての合計増減比を計算することができないが、それらのチャネルについての合計増減比を1とする。すなわち、
Integral[i]=integral[i+1]=integral[j]=1
とする。
【0026】
S/N比検出処理部3は、合計増減比が1を超える方位チャネルについて、2つの合計増減比に基づいて、信号S/N比を計算する。すなわち、S/N比検出処理部3は、全ての方位チャネルの合計増減比を調べる。そして、合計増減比が1を超える各方位チャネル(以下、「第1次着目方位チャネル」という。)について、合計増減比が1未満である方位チャネルのうち着目方位チャネルから最も近い方位チャネル(以下、「第2次着目方位チャネル」という。)を探す。そして、第1次着目方位チャネルの合計増減比と、第2次着目方位チャネルの合計増減比の逆数と、の相乗平均を第1次着目方位チャネルの隣の方位チャネルの信号S/N比S/N[ch-1]として計算する。この計算のための計算式を(3)式に表す。
【0027】
【数3】

ch :第1次着目方位チャネル
ch’:第2次着目方位チャネル
合計増減比が1を超えない方位チャネルについては、信号S/N比率を1とする。
【0028】
本実施形態によれば、ブラインドゾーンもゴーストも発生しないという効果が奏される。
【0029】
その理由は、本実施形態における処理において、入力信号から背景雑音レベル等を推定する処理ではなく、微分処理によって方位毎の増減比を直接算出し、ワンクロス積分処理によって合計増減比の算出を行い、S/N比検出処理によって合計増減比に基づいて方位毎のS/N比を算出するため、入力信号において確認できるピークとその増減比を、雑音レベル等を推定することなく直接算出するということである。
【実施例1】
【0030】
次に、具体例を用いてパッシブソナー信号処理装置により行なわれるパッシブソナー信号処理方法について説明をする。
【0031】
図3に示すように、ある時刻において、受信方位チャネル毎にある周波数帯域でエネルギー加算されたデータが36方位チャネル分入力されたとする。図3を参照すると、第33方位チャネルの信号レベルが約650であり、第34方位チャネルの信号レベルが約1700であり、第35方位チャネルの信号レベルが約550であり、その他の方位チャネルの信号レベルが約100である。
【0032】
微分処理部1は、前述の(1)式により、方位毎の信号増減比を算出する。その結果を図4に示す。図4を参照すると、第33方位チャネルの増減比が約6.5(=650/100)であり、第34方位チャネルの増減比が約2.6(=1700/650)であり、第35方位チャネルの増減比が約0.3(=550/1700)であり、第36方位チャネルの増減比が約0.2(=100/550)であり、他の方位チャネルの増減比が1(=100/100)である。
【0033】
ワンクロス積分処理部2は、具体的には、第33方位チャネルと第34方位チャネルよりなる区間が増減比が1を超えることが続く区間であるので、第33方位チャネルの増減比(=約6.5)と第34方位チャネルの増減比(=約2.6)とを掛け合わせることにより得た値(=約16.9)を、第34方位チャネルの次の方位チャネルである第35方位チャネルの合計増減比として計算する。また、ワンクロス積分処理部2は、具体的には、第35方位チャネルから第36方位チャネルを経由して第1方位チャネルまでの区間が増減比が1未満であることが続く区間であるので、第35方位チャネルの増減比(=約0.3)と第36方位チャネルの増減比(=約0.2)と第1方位チャネルの増減比(=約0.99)とを掛け合わせることにより得た値(=約0.06)を、第1方位チャネルの次の方位チャネルである第2方位チャネルの合計増減比として計算する。
【0034】
S/N検出処理部3は、具体的には、第1次着目方位チャネルが第35方位チャネルであり、第2次着目方位チャネルが第2方位チャネルであるので、第35方位チャネルの合計増減比(=約16.9)と、第2チャネルの合計増減比(=0.06)の逆数の相乗平均(=約16.8)を、第35方位チャネルの1つ下の隣接方位チャネルである第34方位チャネルの信号S/N比として計算する。
【0035】
なお、上記のパッシブソナー信号処理装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記のパッシブソナー信号処理装置により行なわれるパッシブソナー信号処理方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0036】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0037】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0038】
(付記1)
信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理手段と、
前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理手段と、
前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理手段と、
を備えることを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【0039】
(付記2)
付記1に記載のパッシブソナー信号処理装置であって、
前記微分処理手段は、前記信号のレベルの隣接する方位チャネル間の比率を前記増減比として計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【0040】
(付記3)
付記1又は2に記載のパッシブソナー信号処理装置であって、
前記積分処理手段は、前記増減比が1未満であることが続く各区間毎、前記増減比が1を超えることが続く各区間毎及び前記増減比が1である各区間毎にその区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を掛け合わせることにより各区間毎の前記合計増減比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【0041】
(付記4)
付記1乃至3の何れか1に記載のパッシブソナー信号処理装置であって、
前記S/N検出処理手段は、1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネル毎に、前記1を超える前記合計増減比と、1未満の前記合計増減比に対応する方位チャネルのうちの1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネルの直近の方位チャネルに対応する前記合計増減比との比率に基づいて前記信号のS/N比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【0042】
(付記5)
信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理ステップと、
前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理ステップと、
前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理ステップと、
を有することを特徴とするパッシブソナー信号処理方法。
【0043】
(付記6)
付記5に記載のパッシブソナー信号処理方法であって、
前記微分処理ステップでは、前記信号のレベルの隣接する方位チャネル間の比率を前記増減比として計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理方法。
【0044】
(付記7)
付記5又は6に記載のパッシブソナー信号処理方法であって、
前記積分処理ステップでは、前記増減比が1未満であることが続く各区間毎、前記増減比が1を超えることが続く各区間毎及び前記増減比が1である各区間毎にその区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を掛け合わせることにより各区間毎の前記合計増減比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理方法。
【0045】
(付記8)
付記5乃至7の何れか1に記載のパッシブソナー信号処理方法であって、
前記S/N検出処理ステップでは、1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネル毎に、前記1を超える前記合計増減比と、1未満の前記合計増減比に対応する方位チャネルのうちの1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネルの直近の方位チャネルに対応する前記合計増減比との比率に基づいて前記信号のS/N比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理方法。
【0046】
(付記9)
パッシブソナー信号処理装置としてコンピュータを機能させるためのパッシブソナー信号処理プログラムであって、
コンピュータを、
信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理手段と、
前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理手段と、
前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理手段と、
として機能させるためのパッシブソナー信号処理プログラム。
【0047】
(付記10)
付記9に記載のパッシブソナー信号処理プログラムであって、
前記微分処理手段は、前記信号のレベルの隣接する方位チャネル間の比率を前記増減比として計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理プログラム。
【0048】
(付記11)
付記9又は10に記載のパッシブソナー信号処理プログラムであって、
前記積分処理手段は、前記増減比が1未満であることが続く各区間毎、前記増減比が1を超えることが続く各区間毎及び前記増減比が1である各区間毎にその区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を掛け合わせることにより各区間毎の前記合計増減比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理プログラム。
【0049】
(付記12)
付記9乃至11の何れか1に記載のパッシブソナー信号処理プログラムであって、
前記S/N検出処理手段は、1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネル毎に、前記1を超える前記合計増減比と、1未満の前記合計増減比に対応する方位チャネルのうちの1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネルの直近の方位チャネルに対応する前記合計増減比との比率に基づいて前記信号のS/N比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理プログラム。
【符号の説明】
【0050】
1 微分処理部
2 ワンクロス積分処理部
3 S/N比算出処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理手段と、
前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理手段と、
前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理手段と、
を備えることを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパッシブソナー信号処理装置であって、
前記微分処理手段は、前記信号のレベルの隣接する方位チャネル間の比率を前記増減比として計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパッシブソナー信号処理装置であって、
前記積分処理手段は、前記増減比が1未満であることが続く各区間毎、前記増減比が1を超えることが続く各区間毎及び前記増減比が1である各区間毎にその区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を掛け合わせることにより各区間毎の前記合計増減比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1に記載のパッシブソナー信号処理装置であって、
前記S/N検出処理手段は、1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネル毎に、前記1を超える前記合計増減比と、1未満の前記合計増減比に対応する方位チャネルのうちの1を超える前記合計増減比に対応する方位チャネルの直近の方位チャネルに対応する前記合計増減比との比率に基づいて前記信号のS/N比を計算することを特徴とするパッシブソナー信号処理装置。
【請求項5】
信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理ステップと、
前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理ステップと、
前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理ステップと、
を有することを特徴とするパッシブソナー信号処理方法。
【請求項6】
パッシブソナー信号処理装置としてコンピュータを機能させるためのパッシブソナー信号処理プログラムであって、
コンピュータを、
信号のレベルの方位チャネル間の増減比を計算する微分処理手段と、
前記増減比の値に基づいて決められた区間毎に、該区間に含まれる方位チャネルの前記増減比を基に、合計増減比を計算する積分処理手段と、
前記合計増減比の値に基づいて選択された相互に異なった複数の方位チャネルの前記合計増減比に基づいて、前記信号のS/N比を計算するS/N検出処理手段と、
として機能させるためのパッシブソナー信号処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate