説明

パットホット低燃費装置

【課題】従来の自動車のヒーターは、エンジン始動直後は、効かず冷たい風しか出てこなかった、その為、寒冷地などでは、フロントガラスの氷がなかなか溶けず、出発までにかなりの時間を要していた、また、エンジン始動直後の冷間時は、暖機後より多くの燃料を必要とし、燃費が悪化していたため、近い距離を移動した場合特に、燃費が悪くなっていた。
【解決手段】走行後に暖められた冷却水を保温ポットに蓄えておき、次回エンジン始動時に暖められた冷却水をエンジン及び室内ヒーターコアに流し込み、室内ヒーター及びエンジンを瞬時に暖めることにより室内ヒーターからすぐに暖かい風が提供されるようになるのと、同時にエンジン始動直後の燃費の悪化を軽減できるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車のヒーターは、エンジンの冷却水をヒーターコアに循環させて暖めるものがある。
【0003】
以下、図1により従来の自動車のヒーターについて説明する。図において、1は、エンジン、2は、室内ヒーターコア、3は、ラジエター、4は、サーモスタッド、5は、ラジエターアッパーホース、6は、ラジエターロアホース、7は、ヒーターコアインレットホース、8は、ヒーターコアアウトレットホース、9は、ウォーターポンプで、エンジン始動直後の冷間時、冷却水は、4のサーモスタッドが閉じているため、1のエンジン及び、2の室内ヒーターコア内を循環している、冷却水温が上昇してくると4のサーモスタットが開き冷却水が、5のアッパーホースを通り3のラジエターに流れ冷却され、6のロアホースを通り1のエンジンに戻ってくる。又7のヒーターコアインレットホースを通り、2の室内ヒーターコア内を循環し、8のヒーターコアアウトレットホースを通り1のエンジンに戻り循環を繰り返している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の自動車のヒーターでは、エンジン、1が暖まるまで、室内ヒーターコア2は、冷たいままでヒーターをつけても冷たい風しか出てこない。又、冷間時は、通常より多くの燃料を消費するため燃費も悪化してしまうものであった。
【0005】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、エンジン始動直後から暖かい風を室内ヒーターから提供することと、始動直後の燃費の悪化を軽減することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記目的を達成するために、保温ポットを設け、エンジン始動時に保温ポット用入口弁及び、保温ポット用出口弁を開き、保温ポット内の温水ヒーターで暖められた冷却水を保温ポット用電動ポンプでエンジン及び室内ヒーターコアに流し込み、同時にエンジン及び室内ヒーターコア内の冷たい冷却水を保温ポット内に導入し、導入後、保温ポット用入口弁及び保温ポット用出口弁を閉じ、保温ポット用電動ポンプを停止させ冷たい冷却水がエンジン内に再び流れ込まないようにし、室内ヒーターコア及びエンジンを暖める構造にし、暖かい空気を瞬時に運転室内に提供できるようにしたものである。
【0007】
又、エンジン暖機後には、保温ポット用入口弁及び、保温ポット用出口弁を開放し、エンジンで暖められた冷却水を保温ポット内に導入する。エンジン稼動時は、保温ポット内の温水ヒーターは、必要ないので、電気をカットできる構造にする。エンジン停止時は、エンジン稼動により暖められた冷却水を保温ポット内に保温するために、保温ポット用入口弁及び、保温ポット用で口弁を閉じ、保温ポット内に暖められた冷却水を貯め、温水ヒーターでバッテリーの電気を使い保温を開始する。
【0008】
また、日中の走行及び停車中は、ソーラーパネルによりバッテリーを充電し、長期間停車する場合及び、天候が悪い場合にバッテリー上がりを防止するために、電圧センサーを設け、電圧異常低下時は、保温を停止する。
【発明の効果】
【0009】
上述したように本発明の自動車のヒーターは、エンジン始動直後でも暖かい風を室内に提供できるとともに、エンジン始動直後でもエンジンを早期に暖機させ燃費の悪化を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来のエンジン冷却サイクル簡略図
【図2】本実施例のエンジン冷却サイクル簡略図
【図3】保温ポットの断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施形態を図2〜図3に基づいて説明する。
【0012】
図2においては、1は、エンジン、2は、室内ヒーターコア、3は、ラジエター、4は、サーモスタッド、5は、ラジエターアッパーホース、6は、ラジエターロアホース、7は、ヒーターコアインレットホース、8は、ヒーターコアアウトレットホース、9は、エンジンウォーターポンプ、10は、保温ポット、11は、バッテリー、12は、電圧センサー、13は、ソーラーパネル、14は、保温ポット用電動ポンプ、15は、保温ポット用出口弁、16は、保温ポット用入口弁、17は、保温ポット用温水ヒーター。
【0013】
図3においては、14は、保温ポット用電動ポンプ、15は、保温ポット用出口弁、16は、保温ポット用入口弁、17は、保温ポット用温水ヒーター、18は、真空断熱加工ガラス、19は、プラスチックカバー、20は、発泡スチロールカバー。
【0014】
以下、図2、により上記構成の動作を説明する。エンジン始動直後、保温ポット用入口弁16及び保温ポット用出口弁15が開き保温ポット10の中で、保温ポット用温水ヒーター17により暖められていた冷却水が、保温ポット用電動ポンプ14により送り出され、エンジン1内を循環し、エンジン1を早期に暖機させる、また同時に、ヒーターコアインレットホース7を通り、室内ヒーターコア2を早期に暖め、室内に暖かい風を提供する、冷却水は、ヒーターコアアウトレットホース8を通り、再びエンジン1内を循環する、この時点で、保温ポット用電動ポンプ14は、停止し、冷たい冷却水は、保温ポット10内に一時的に貯水される。また、保温ポット用入口弁16及び保温ポット用出口弁15が閉じ、冷たい冷却水がエンジン1内に流れ込まないようにする。この動作により、瞬時にエンジン1は、暖められエンジン始動直後の燃費の悪化を軽減できるうえ、運転室内に瞬時に暖かい風を提供できるようにしたものである。
【0015】
また、走行中、エンジン暖機後は、保温ポット用入口弁16及び保温ポット用出口弁15を開き、エンジン1で暖められた冷却水を保温ポット10内に導入するが、エンジン稼動中は、保温ポット用温水ヒーター17は、エンジン稼動による熱で暖められているため、必要なくなるため電気は、カットされる。走行後エンジン停止時には、エンジン稼動により、暖められた冷却水を、保温ポット10内に次回走行時まで貯水するために、保温ポット用入口弁16及び保温ポット用出口弁15を閉じ、保温ポット用温水ヒーター17でバッテリー11に蓄えられた電気を使い再び保温を開始する。
【0016】
また、日中に停車している時、及び走行中は、ソーラーパネル13の発電により、バッテリー11に充電して、次回停車時に保温用の電力を貯めるようにしたものである。長期間運転しない場合などは、バッテリー上がりを防止するため、電圧センサー12により電圧を監視し、電圧が一定以下になったときは、保温を停止できるようにしたものである。
【産業上の利用可能性】
【0017】
エコカーに利用されれば更なる低燃費が実現できるのは、もちろん、現在使用している愛着のある古い車にも改造して装着でき、燃費を向上させることができる、また、寒冷地などで、冬にフロントガラスなどが凍結している場合、今までよりも早く氷を溶かすことができる、また近距離を繰り返し運転する場合もそれほど燃費が悪化することもなくなる可能性がある。
【符号の説明】
【0018】
21 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な弁を備え、エンジン及び室内ヒーターコア内の冷えた冷却水と保温ポット内の暖かい冷却水を電動ポンプにより循環し、全量を交換できる構造にした、自動車用暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−162172(P2011−162172A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44673(P2010−44673)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(510056548)
【Fターム(参考)】