説明

パネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手

【課題】温水パイプの接続・固定を容易かつ簡単に行うことが可能なパイプ継手を提供するものであり、接続施工性と漏水に対する信頼性を格段に向上するものである。
【解決手段】一方側に温水パイプ26との接続手段Aを有し、他方側に継手Pとの接続手段Bを有する接続継手1であって、接続手段Aがワンプッシュ型接続手段Eであり、接続手段Bが前記継手Pと接続するユニオン型ソケットEであるパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手に関するものであり、更にいえば温水パイプを無理なく容易に接続できる継手にかかるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、北海道等の寒冷地では暖房用器具としてパネルヒ−タ−が広く用いられるようになってきた。これは金属製パイプをすだれ状に連続して配置し、内部に温水を通過させて熱源とするものであり、室内の壁面に備えられる構造である。そして、温水は床下に敷設された温水パイプより供給される。
【0003】
かかるパネルヒ−タ−の設置にあっては、通常は床下の温水パイプの敷設と室内の壁面に備えられるパネルヒ−タ−の装着とは当初別体に行われ、最後にパネルヒ−タ−の金属パイプと床下の温水パイプとをパネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手(以下、問題のない限り継手Pという)を介して接続されて工事が完成するものである。
【0004】
この継手Pは特に規定はないが、メ−カ−側の指定により床上12cmの位置に装着されるのが通常であって、このスペ−スの狭いなかで温水パイプを接続しなくてはならなかった。勿論、この接続部位からの漏水は許されるものではなく、温水パイプの先端がパネルヒ−タ−継手の所定位置に確実にセットされ、これが確実に(漏水のないように)固定されなくてはならない。しかるに、従来では温水パイプのセットと継手Pへの固定を同時に加締め作業により行っていた。
【0005】
上記したように、温水パイプの接続と継手Pの接続を加締め作業にて同時に行っているため、場合によっては夫々の接続の確実性が損なわれる危険性があり、漏水する可能性があった。例えば、加締め作業によって両者が接続・固定されたものの、温水パイプが継手Pに対して正しく差し込まれず、やや斜めに差し込まれてしまっている場合でも、又、差し込み量が不足している場合でも、加締めによってそのまま固定されてしまうことなる。これは、加締め作業終了後では温水パイプの差し込みの状態が確認できず、そのままの使用によって漏水が発生する危険性がある。更にいえば、両者を同時に加締め接続させることから、かえって接続作業に慎重さが求められ、作業性の悪化を招いていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来の接続・固定の技術に鑑みてなされたもので、継手Pと温水パイプとの接続を確実かつ簡単に行うことができる継手を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨は、一方側に温水パイプとの接続手段Aを有し、他方側に継手Pとの接続手段Bを有する接続継手であって、接続手段Aがワンプッシュ型接続手段であり、接続手段Bが前記継手Pと接続するユニオン型ソケットである(請求項1)ことを特徴とするパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手にかかるものである。
【0008】
本発明の具体的な構成の第1(以下、第1具体例という)は、一方側に温水パイプの接続手段Aを有し、他方側にパネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手Pの接続手段Bを有する接続継手であって、温水パイプ側の継手基体内に先端より大径の段部と小径の段部を形成し、小径の段部が温水パイプに差し込み位置を特定し、大径の段部内に温水パイプの表面に接触する止水リングと、その表面に食い込む爪を備えたロックリングが内蔵され、当該ロックリングの先端外表面が傾斜面をなし、かつ先端側より複数の縦スリットを備え、このロックリングの傾斜面と接するように内表面を傾斜面とした抜け防止用のキャップDが継手基体に装着された温水パイプの接続手段Aと、継手P側の継手基体の先端外表面に継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に対向する傾斜面を形成し、継手基体に前記継手Pに設けた雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を備えたユニオン型ソケットEが備えられ、当該ソケットEが継手Pに装着された際、前記両傾斜面が接する構造の接続手段B、としたことを特徴とするパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手(請求項18)である。
【0009】
又、第2具体例としては、一方側に温水パイプの接続手段Aを有し、他方側にパネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手Pの接続手段Bを有する接続継手であって、温水パイプ側の継手基体にこのパイプ内に差し込まれる内筒を備え、内筒の外表面に周溝を形成して止水リングが嵌め込まれ、この内筒を覆って継手基体に外筒が備えられ、外筒の先端に温水パイプの外表面に食い込む爪を備えたロックリングを配置し、当該ロックリングの先端外表面が傾斜面をなし、かつ、ロックリングの先端側にロックリングの爪を押圧する解放リングを備え、このロックリングの傾斜面と接するように内表面を傾斜面とした抜け防止用のキャップDを外筒に装着した温水パイプの接続手段Aと、継手P側の継手基体の先端外表面に継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に対向する傾斜面を形成し、継手基体に前記継手Pに設けた雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を備えたユニオン型ソケットEが備えられ、当該ユニオン型ソケットEが継手Pに装着された際、前記両傾斜面が接する構造の接続手段B、としたことを特徴とするパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手(請求項19)である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記の通りであり、継手Pと温水パイプの接続・固定を容易かつ簡単に行うことが可能となったもので、温水パイプの接続施工性と漏水に対する信頼性が格段に向上した(請求項1)ものである。
【0011】
温水パイプ接続手段Aとして、ワンプッシュ型接続継手を採用したことによって、その接続が極めて簡単かつ確実となり、作業性も困難性をほとんど伴わないという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
かかる接続手段Aとしてのワンプッシュ型接続継手の第1具体例としては、継手基体内に内蔵された止水リングとロックリングと、これらの抜けを防止するキャップDよりなる構成(請求項2)であって、継手基体内に先端より大径の段部と小径の段部を形成し、大径の段部内に温水パイプの表面に接触する止水リングと、その表面に食い込む爪を備えたロックリングが内蔵され、これらの抜けを防止するキャップDが継手基体に装着された(請求項3)接続継手である。尚、継手基体内の小径の段部が温水パイプに差し込み位置とした(請求項6)とするもので、これによって温水パイプの完全な差し込みが確認でき、差し込み不良による漏水の発生は極めて低減したものである。
【0013】
ロックリングについて述べれば、その先端外表面が傾斜面をなし、これと接するようにキャップD内表面を傾斜面とした(請求項4)もので、更に、その先端より傾斜面部に縦スリットを形成した(請求項5)ものである。これによって、温水パイプの内部に温水が流された場合、パイプが抜け出す方向に動くが、この動きによってロックリングの爪が温水パイプの表面に食い込み、更にキャップDとロックリングとの両傾斜面が接触し合って、ロックリングを温水パイプ側に縮径するものであり、これによって更に固定が確実となるものである。
【0014】
接続手段Aとしてのワンプッシュ型接続継手の第2具体例としては、継手基体より伸び、温水パイプ内に差し込まれる内筒と、内筒の外表面に備えられた止水リングと、内筒を覆って外筒が備えられ、外筒の先端に温水パイプの外表面に食い込む爪を備えたロックリングを配置し、ロックリングの抜けを防止するため外筒に装着したキャップDと、よりなる(請求項7)接続手段である。
【0015】
尚、この例における外筒は、継手基体と別体の樹脂にて構成されるのもよく、例えばトロガミド樹脂のような透明な樹脂にて構成する(請求項8〜9)ことも可能であり、この場合には、温水パイプの差し込みが目視できるという特徴がある。
【0016】
ロックリング及びキャップDの関係は前例と同様の関係にあり、ここでは説明を省略する。勿論、ロックリングに縦スリットを形成すれば、温水パイプの抜けが防止されることは言うまでもない。
【0017】
温水パイプは内筒と外筒の間隔に差し込まれ、止水リングが温水パイプの内表面に接触して漏水が防止され、ロックリングの爪は温水パイプの外表面に食い付くこととなる。特に、温水パイプの外表面は他の部材に接触しやすくここにくずがつくこともある。従って、外表面に止水リングを接触させても漏水が起こってしまうことも考えられるが、この例では止水リングを傷の付きにくい内側の表面に接触するため、より止水性は確実となる。上記したように温水パイプは内筒と外筒の間に差し込まれるものであり、両者の間隔は温水パイプの厚さとほぼ同じとするものである。
【0018】
一方、継手P側は基本的にはユニオン型と継手基体と一体型の継手接続手段Bがある。先ず、ユニオン型接続手段Bであるが、継手基体に回転自在に装着され、継手Pの雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が刻設されたユニオン型ソケットE(請求項13)であり、継手P側の継手基体の先端外表面を傾斜面とし、ユニオン型ソケットEが継手Pに装着された際に、継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に接する構造(請求項14)とするものである。
【0019】
一体型接続手段Bは、継手基体と一体で継手Pと螺合される雌ねじ部が刻設されたユニオン型ソケットE(請求項15)が備えられたものである。そして、この場合には、継手P側の継手基体の先端部材を、この継手基材とは別体の先端部材とし、当該先端部材の外表面を傾斜面とし、ユニオン型ソケットEが継手Pに装着された際に、継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に接する構造(請求項16)とし、かかる先端部材と継手基体の本体との間に止水パッキンを配置(請求項17)する構造の接続継手が好ましい。
【0020】
本発明にあって、接続継手Aと接続継手Bとの組み合わせは自由であり、接続継手Bに付いていえば、ユニオン型ソケットを採用するのが装着作業の上から好適である。従って、好ましい具体例としては、請求項18及び請求項19に記載した継手であり、これらの継手は温水パイプの接続と継手Pに対する接続とが夫々別々に行われ、しかもその装着作業は簡単かつ確実である。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を図面をもって更に詳細に説明する。図1は請求項18にて示すパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手の全体図であり、図2はその主要部の一部切断図である。1は本発明のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手であり、Pはパネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手である。
【0022】
先ず継手Pであるが、床面Fより12cmの高さのところに設置され、壁に添って立ち上がる図示しないパネルヒ−タ−に接続されるものである。即ち、パネルヒ−タ−取付口21、温水入口22及び出口23、水抜き口24、サ−モバルブ25とからなっている。26は床スラブS上に敷設された温水パイプであり、この温水パイプ26を、本発明の接続継手1を介して温水入口22(及び温水出口23)に接続することとなる。
【0023】
さて、第1発明のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手1は、温水パイプの接続手段(ワンプッシュ型接続)Aと、パネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手の接続手段(ユニオン型継手接続)Bとを備えたものであって、夫々が別々の独立した作業によって接続されるようになっている。
【0024】
次に、図2に基づき第1発明の接続継手1の具体的形態を示す請求項10に則って述べると、継手基体2には貫通する流路3が設けられ、この流路3の一方側が温水パイプ26と接続(接続手段A)され、他方側が継手Pに接続(接続手段B)されるものである。
【0025】
温水パイプ側の接続手段Aは、継手基体2の流路3内に先端より大径の段部4と小径の段部5を形成し、このうち、小径の段部5は温水パイプに差し込み位置を特定するものである。そして、大径の段部5内に温水パイプの表面に接触する止水リング6と、その表面に食い込む爪7を備えたロックリングCが内蔵され、このロックリングCの先端側の外表面が傾斜面8としたものである。好ましくは、ロックリングCには先端方向より複数のスリット9が形成されている。接続継手基体2にはこれらの抜けを防止するためのキャップDが螺合にて装着されており、前記のロックリングCの傾斜面8と接するように内表面を傾斜面10としたものである。
【0026】
継手P側の接続手段Bは、継手基体2の先端外表面に傾斜面11が形成されており、これは継手Pの内表面に形成された傾斜面27と対向し、両者が接触して漏水を防止する面である。そして、継手基体2に回転自在にユニオン型ソケットEがストップリング12aを介して加締め装着され、回転を自在にしたユニオン型としたものである。かかるユニオン型ソケットEの内表面には、継手Pの外表面に刻設された雄ねじ部28に螺合する雌ねじ部13を備えている。
【0027】
本発明の接続継手1の使用法を述べれば、接続手段A及びBのどちらを先に接続するかは任意であるが、ここでは先ず接続手段Aより説明する。床Fの下側に敷設された温水パイプ26の先端を床Fよりやや引き出し、必要であればこのパイプ26の先端にカラ−26aを嵌め込み、その後にキャップD内に差し込む。温水パイプ26の先端を小径の段部5にまで差し込んで装着が終了する。温水パイプ26の外表面に止水リング6が接触して漏水の発生が阻止され、かつ、温水パイプ26の外表面にロックリングCの爪7が食い込んで温水パイプ26の抜けが防止されることとなる。
【0028】
温水パイプ26内に温水が流された際、流圧によって温水パイプ26が抜け出す方向に動くが、ロックリングCが一緒に動き、キャップDとロックリングCとの両傾斜面8、9が接触し合って、ロックリングCを温水パイプ26側に縮径するものであり、これによって更に固定が確実となるものである。
【0029】
他方、接続手段Bにあっては、継手基体2の先端を継手P内に添え、ユニオン型ソッケトEの雌ねじ部13と継手Pの雄ねじ部28とを螺合させて装着が終了する。この際、継手基体2の先端の傾斜面11は継手Pの傾斜面27と面接触し、ここに漏水が生じない構造とされるものである。
【0030】
このように、本発明の接続継手を用いれば、両側の接続が夫々別々の機構によって行うこととなるので、夫々の接続が確実に行うことができることとなったものである。しかもその接続作業は比較的簡単であり、作業時の熟練度もほとんど必要がない。従来のように、スぺ−スのない極めて狭い範囲での作業と、温水パイプの接続と加締め作業とを一つの作業にて行う必要があったために、二つの接続に十分配慮できない傾向にあったが、本発明の接続継手を用いることによりこれが解決できたものである。
【0031】
そして、温水が流された場合、その内部圧力で温水パイプ26が抜け出そうとする方向に移動しようとすると、ロックリングCがそのまま同じように移動し、ロックリングCの傾斜面8とキャップDの傾斜面10接触し、これ以上の移動を阻止する。しかも、ロックリングCには傾斜面8側にスリット9があるため、温水パイプ26が抜け出そうとする力がこのスリット9を埋めるようにロックリングCの先端が変形(縮径)し、これによって温水パイプ26の外表面がより強く周囲より押え込まれて更に抜け出さないような力が働くこととなる。
【0032】
図3は請求項19にて示すパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手の主要部の一部切断図である。この接続継手31は継手基体32より伸び、温水パイプ26内に差し込まれる内筒33と、内筒33の外表面に備えられた止水リング34と、内筒34を覆って継手基体32と一体の外筒35が備えられている。そして、外筒35の先端に温水パイプ26の外表面に食い込む爪36を備えた断面「く」状のロックリング37を配置し、ロックリング37の抜けを防止するため外筒35に装着したキャップDと、よりなる接続継手31である。符号38は解放リングであり、温水パイプ26をこの継手より取り外す際にロックリング37の爪36を押圧して食い込みを解除させるものである。ロックリング37の外表面には前例と同じく傾斜面39とされ、これと対応してキャップDの内表面に傾斜面40を備えている。尚、接続手段B側は前例と同じ構造である。尚、この例では外筒35は例えばトロガミド等の透明な樹脂製のものであり、差し込まれた温水パイプ26の先端が目視できるようにされており、温水パイプ26の差し込み不足による漏水の危険性を取り除こうとするものである。
【0033】
本接続継手31の温水パイプ26との接続法を述べれば、床Fの下側に敷設された温水パイプ26の先端を床Fよりやや引き出しキャップD内に差し込む。温水パイプ26の内部に内筒33を差し込んで装着が終了する。温水パイプ26の内表面に止水リング34が接触して漏水の発生が阻止され、かつ、温水パイプ26の外表面にロックリングCの爪36が食い込んで温水パイプ26の抜けが防止されることとなる。
【0034】
温水パイプ26内に温水が流された際も前例と同様な動きとなり、流圧によって温水パイプ26が抜け出す方向に動くが、ロックリングCが一緒に動き、キャップDとロックリングCとの両傾斜面39、40が接触し合って、ロックリングCを温水パイプ26側に縮径するものであり、これによって更に固定が確実となるものである。
【0035】
本例の接続継手を用いれば、前例と同様に両側の接続が夫々別々の機構によって行うこととなるので、夫々の接続が確実に行うことができることとなったものである。しかもその接続作業は比較的簡単であり、作業時の熟練度もほとんど必要がない。従来のように、スぺ−スのない極めて狭い範囲での作業と、温水パイプの接続と加締め作業とを一つの作業にて行う必要があったために、二つの接続に十分配慮できない傾向にあったが、本発明の接続継手を用いることによりこれが解決できたものである。
【0036】
図4は接続手段Bの他の例(一体型接続手段)を示す一部切断図である。即ち、継手基体50と一体で継手Pと螺合される雌ねじ部51が刻設されたユニオン型ソケットE(請求項15)が備えられたものである。そして、この場合には、継手P側の継手基体50の先端部材を、この継手基材50とは別体の先端部材52とし、当該先端部材52の外表面を傾斜面53とし、ユニオン型ソケットEが継手Pに装着された際に、継手Pの先端内表面に形成された傾斜面61に接する構造としたもので、かかる先端部材52と継手基体50の本体との間に止水パッキン54を配置する構造である。
【0037】
ユニオン型ソケットEが継手Pに装着された際、先端部材52と継手Pの両傾斜面53と61とが接触し、止水パッキン54が押圧され、漏水効果をもたらすものである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、一つの継手に温水パイプの接続と継手Pへの接続を個々に行うことができる構造を設け、かつ、温水パイプの接続にはワンプッシュ構造を採用し、作業性の向上と接続の信頼性を高めることを可能としたもので、作業上の熟練度もさほど要さず、その利用価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は請求項18に記載した接続継手の全体図である。
【図2】図2は図1の主要部の一部切断図である。
【図3】図3は請求項19に記載した接続継手の主要部の一部切断図である。
【図4】図4は接続手段Bの他の例を示す主要部の一部切断図である。
【符号の説明】
【0040】
1‥本発明の接続継手、
2‥継手基体、
3‥流路、
4‥大径の段部、
5‥小径の段部、
6‥止水リング、
7‥ロックリングCの爪、
8‥ロックリングCの傾斜面、
9‥ロックリングCのスリット、
10‥キャップDの傾斜面、
11‥継手基体の傾斜面、
12‥ストップリング、
13‥ソケットEの雌ねじ部、
21‥パネルヒ−タ−取付口、
22‥温水入口、
23‥温水出口、
24‥水抜き口、
25‥サ−モバルブ、
26‥温水パイプ、
26a‥カラ−、
27‥継手Pの内表面の傾斜面、
28‥継手Pの外表面の雄ねじ部、
31‥接続継手、
32‥継手基体、
33‥内筒、
34‥止水リング、
35‥外筒、
36‥爪、
37‥ロックリング、
38‥解放リング、
39‥ロックリングの傾斜面、
40‥キャップDの傾斜面、
50‥継手基体、
51‥ソケットEの雌ねじ部、
52‥先端部材、
53‥先端部材の傾斜面、
54‥止水パッキン、
61‥継手Pの傾斜面、
A‥温水パイプの接続手段、
B‥継手Pの接続手段、
C‥ロックリング、
D‥キャップ、
E‥ユニオン型ソケット、
F‥床、
P‥パネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手、
S‥スラブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側に温水パイプとの接続手段Aを有し、他方側に継手Pとの接続手段Bを有する温水パイプの接続継手であって、接続手段Aがワンプッシュ型接続手段であり、接続手段Bが前記継手Pと接続するユニオン構造であることを特徴とするパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項2】
接続手段Aが、継手基体内に内蔵された止水リングと、ロックリングと、これらの抜けを防止するキャップDと、よりなるワンプッシュ型接続手段である請求項1記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項3】
接続手段Aが、継手基体内に先端より大径の段部と小径の段部を形成し、大径の段部内に温水パイプの表面に接触する止水リングと、その表面に食い込む爪を備えたロックリングが内蔵され、これらの抜けを防止するキャップDが継手基体に装着されたワンプッシュ型接続手段である請求項1又は2記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項4】
継手手段Aにおいて、ロックリングの先端外表面が傾斜面をなし、キャップD内表面にこの傾斜面と接する傾斜面を形成した請求項1乃至3いずれか1記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項5】
継手手段Aにおいて、ロックリングの先端より傾斜面部に縦スリットを形成した請求項1乃至4いずれか1記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項6】
継手手段Aにおいて、継手基体内の小径の段部が温水パイプに差し込み位置とした請求項1記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項7】
接続手段Aが、継手基体より伸び、温水パイプ内に差し込まれる内筒と、内筒の外表面に備えられた止水リングと、内筒を覆って外筒が備えられ、外筒の先端に温水パイプの外表面に食い込む爪を備えたロックリングを配置し、ロックリングの抜けを防止するため外筒に装着したキャップDと、よりなるワンプッシュ型接続手段である請求項1記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項8】
継手手段Aにおいて、外筒が樹脂にて構成された請求項7記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項9】
継手手段Aにおいて、外筒が透明な樹脂にて構成された請求項8記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項10】
継手手段Aにおいて、ロックリングの先端外表面が傾斜面をなし、キャップD内表面にこの傾斜面と接する傾斜面を形成した請求項7記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項11】
継手手段Aにおいて、前記ロックリングの先端より傾斜面部に縦スリットを形成した請求項7記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項12】
継手手段Aにおいて、内筒と外筒の間隔が差し込まれる温水パイプの厚さとほぼ同じである請求項7記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項13】
接続手段Bが、継手基体に回転自在に装着され、継手Pの雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が刻設されたユニオン型ソケットEである請求項1記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項14】
接続手段Bにおいて、継手P側の継手基体の先端外表面を傾斜面とし、ユニオン型ソケットEが継手Pに装着された際に、継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に接する構造とした請求項13記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項15】
接続手段Bが、継手基体と一体で、継手Pと螺合される雌ねじ部が刻設されたユニオン型ソケットEである請求項1記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項16】
接続手段Bにおいて、継手P側の継手基体の先端部材を、この継手基材とは別体の先端部材とし、当該先端部材の外表面を傾斜面とし、ユニオン型ソケットEが継手Pに装着された際に、継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に接する構造とした請求項15記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項17】
継手手段Bにおいて、継手基体の先端部材と継手基体の本体との間に止水パッキンを配置した請求項15記載のパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項18】
一方側に温水パイプの接続手段Aを有し、他方側にパネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手Pの接続手段Bを有する接続継手であって、温水パイプ側の継手基体内に先端より大径の段部と小径の段部を形成し、小径の段部が温水パイプに差し込み位置を特定し、大径の段部内に温水パイプの表面に接触する止水リングと、その表面に食い込む爪を備えたロックリングが内蔵され、当該ロックリングの先端外表面が傾斜面をなし、かつ先端側より複数の縦スリットを備え、このロックリングの傾斜面と接するように内表面を傾斜面とした抜け防止用のキャップDが継手基体に装着された温水パイプの接続手段Aと、継手P側の継手基体の先端外表面に継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に対向する傾斜面を形成し、継手基体に前記継手Pに設けた雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を備えたユニオン型ソケットEが備えられ、当該ソケットEが継手Pに装着された際、前記両傾斜面が接する構造の接続手段B、としたことを特徴とするパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。
【請求項19】
一方側に温水パイプの接続手段Aを有し、他方側にパネルヒ−タ−用サ−モバルブ付継手Pの接続手段Bを有する接続継手であって、温水パイプ側の継手基体にこのパイプ内に差し込まれる内筒を備え、内筒の外表面に周溝を形成して止水リングが嵌め込まれ、この内筒を覆って継手基体に外筒が備えられ、外筒の先端に温水パイプの外表面に食い込む爪を備えたロックリングを配置し、当該ロックリングの先端外表面が傾斜面をなし、かつ、ロックリングの先端側にロックリングの爪を押圧する解放リングを備え、このロックリングの傾斜面と接するように内表面を傾斜面とした抜け防止用のキャップDを外筒に装着した温水パイプの接続手段Aと、継手P側の継手基体の先端外表面に継手Pの先端内表面に形成された傾斜面に対向する傾斜面を形成し、継手基体に前記継手Pに設けた雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を備えたユニオン型ソケットEが備えられ、当該ソケットEが継手Pに装着された際、前記両傾斜面が接する構造の接続手段B、としたことを特徴とするパネルヒ−タ−用温水パイプの接続継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−101701(P2008−101701A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284999(P2006−284999)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】