説明

パラジウム媒介カップリング反応を介する7−アルケニル−3キノリンカルボニトリルの調製

本発明は、式(I)(式中のA、R1〜R3、X、s、t、u、mおよびZは本明細書中で定義されている)の化合物またはその塩を調製するための方法に関し、本方法は、式(II)の試薬を、Pd(O)金属の存在下において式(III)の化合物と反応させるステップを含む。本発明の別の態様は、式(VI)の化合物を調製する方法である。
【図面】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年2月8日に出願された米国仮特許出願第60/771,903号の恩典を主張し、前述の仮特許出願の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、パラジウム媒介カップリング反応を用いて7−アルケニル−3−キノリンカルボニトリルおよび2−アルケニル−5−チエノピリジンカルボニトリルを調製するための新規な合成手法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連する背景技術
本発明の方法により合成される化合物は、細胞増殖および細胞分化に必要なタンパク質キナーゼの阻害剤であることが公知である。これらの化合物は、哺乳動物における特定の疾患、例えば癌、骨粗鬆症および多発性嚢胞腎などの治療に有用である。米国特許第6,521,618号および第6,689,772号は、そのような活性を示す3−シアノキノリン化合物を開示している。
【0004】
国際特許公開公報第WO 2004/048286号はチエノ[3,2−b]ピリジンカルボニトリル化合物を開示し、これらの化合物も、哺乳動物における癌の治療に有用なタンパク質キナーゼ阻害活性を有する。
【発明の開示】
【0005】
これまでの参考文献は、これらのタイプの化合物を合成する非立体選択的な方法を開示しているに過ぎない。しかし、本発明は、立体選択的なパラジウム媒介カップリングを用いてこれらの化合物を合成することを含み、そして本発明は、優れた収率で所望のE異性体をもたらし、従って、これまでに開示されている方法論よりも優れている。
【0006】
本発明の簡単な説明
式(I)、
【化10】

(式中、R1は、H、1個から6個の炭素原子のアルキル、C1−C12アルコキシ、F、ClおよびCF3から独立して選択され、R2は、H、1個から6個の炭素原子のアルキル、OH、Cl、F、アセチル、−OSO2−C6−C12アリール、−OSO2−C1−C12アルキルおよび−NR1920の群から選択され、ここで、R19およびR20は独立してHおよび1個から6個の炭素原子のアルキルであってよく、またはR19およびR20は、一緒になって、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する、3員から8員のヘテロ環を形成し、そしてR19およびR20はC1−C6アルキルアミノ、C2−C12ジアルキルアミノ、ならびにO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員のヘテロ環から選択される基で置換されてよく、Aは場合によっては1個から4個の置換基で置換される6個から12個の炭素原子のアリールであって、それらの置換基は独立して、H、J、NO2、NH2、OH、SH、CN、COOH、CONH2、NHC(O)NH2、C(O)H、CF3、OCF3、R5、OR5、NHR5、Q、S(O)m5、NHSO25、R6OH、R6OR5、R6NH2、R6NHR5、R6Q、R6SH、R6S(O)m5、NHR7OH、NHR7OR5、N(R5)R7OH、N(R5)R7OR5、NHR7NH2、NHR7NHR5、NHR7Q、N(R5)R7NH2、N(R5)R7NHR5、N(R5)R7Q、OR7OH、OR7OR5、OR7NH2、OR7NHR5、OR7Q、OC(O)R5、NHC(O)R5、NHC(O)NHR5、OR6C(O)R5、NHR6C(O)R5、C(O)R5、C(O)OR5、C(O)NHR5、C(O)Q、R6C(O)H、R6C(O)R5、R6C(O)OH、R6C(O)OR5、R6C(O)NH2、R6C(O)NHR5、R6C(O)Q、R6OC(O)R5、R6OC(O)NH2、R6OC(O)NHR5、R6OC(O)QおよびYR8から選択され、ここでYは独立して、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NH、NHC(O)、NHSO2、SO2NH、C(OH)H、O(C(R92q、S(O)m(C(R92q、NH(C(R92q、NR10(C(R92q、(C(R92q、(C(R92qO、(C(R92qS(O)m、(C(R92qNH、(C(R92qNR10、C≡C、シスおよびトランスCH=CH、ならびに3個から10個の炭素原子のシクロアルキルから選択され、またはAは、同じか、または異なって、N、OおよびSから選択されえる1個から4個のヘテロ原子を含有する、5個また6個の原子を有するヘテロアリール環であり、ここでヘテロアリール環は、場合によって、1個から4個の置換基で置換されてよく、それらの置換基は、同じか、または異なって、H、J、NO2、NH2、OH、SH、CN、COOH、CONH2、NHC(O)NH2、C(O)H、CF3、OCF3、R5、OR5、NHR5、Q、S(O)m5、NHSO25、R6OH、R6OR5、R6NH2、R6NHR5、R6Q、R6SH、R6S(O)m5、NHR7OH、NHR7OR5、N(R5)R7OH、N(R5)R7OR5、NHR7NH2、NHR7NHR5、NHR7Q、N(R5)R7NH2、N(R5)R7NHR5、N(R5)R7Q、OR7OH、R7OR5、OR7NH2、OR7NHR5、OR7Q、OC(O)R5、NHC(O)R5、NHC(O)NHR5、R6C(O)R5、NHR6C(O)R5、C(O)R5、C(O)OR5、C(O)NHR5、C(O)Q、R6C(O)H、R6C(O)R5、R6C(O)OH、R6C(O)OR5、R6C(O)NH2、R6C(O)NHR5、R6C(O)Q、R6OC(O)R5、R6OC(O)NH2、R6OC(O)NHR5、R6OC(O)QおよびYR8から選択されてもよく、ここでYは独立して、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NH、NHC(O)、NHSO2、SO2NH、C(OH)H、O(C(R92q、S(O)m(C(R92q、NH(C(R92q、NR10(C(R92q、(C(R92qO、(C(R92qS(O)m、(C(R92qNH、(C(R92qNR10、C≡C、シスおよびトランスCH=CH、ならびに3個から10個の炭素原子のシクロアルキルから選択され、またはAは、同じか、または異なって、N、OおよびSから選択されえる1個から4個のヘテロ原子を含有する8個から20個の原子を有する二環式のヘテロアリール環系であり、ここでその二環式のヘテロアリール環系は、場合によって、1個から4個の置換基で置換されてよく、それらの置換基は、同じか、または異なって、H、J、NO2、NH2、OH、SH、CN、COOH、CONH2、NHC(O)NH2、C(O)H、CF3、OCF3、R5、OR5、NHR5、Q、S(O)m5、NHSO25、R6OH、R6OR5、R6NH2、R6NHR5、R6Q、R6SH、R6S(O)m5、NHR7OH、NHR7OR5、N(R5)R7OH、N(R5)R7OR5、NHR7NH2、NHR7NHR5、NHR7Q、N(R5)R7NH2、N(R5)R7NHR5、N(R5)R7Q、OR7OH、OR7OR5、OR7NH2、OR7NHR5、OR7Q、OC(O)R5、NHC(O)R5、NHC(O)NHR5、OR6C(O)R5、NHR6C(O)R5、C(O)R5、C(O)OR5、C(O)NHR5、C(O)Q、R6C(O)H、R6C(O)R5、R6C(O)OH、R6C(O)OR5、R6C(O)NH2、R6C(O)NHR5、R6C(O)Q、R6OC(O)R5、R6OC(O)NH2、R6OC(O)NHR5、R6OC(O)QおよびYR8から選択されてもよく、ここでYは独立して、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NH、NHC(O)、NHSO2、SO2NH、C(OH)H、O(C(R92q、S(O)m(C(R92q、NH(C(R92q、NR10(C(R92q、(C(R92q、(C(R92qO、(C(R92qS(O)m、(C(R92qNH、(C(R92qNR10、C≡C、シスおよびトランスCH=CH、ならびに3個から10個の炭素原子のシクロアルキルから選択され、またはAおよび−YR8は一緒になって三環式の環系を形成してよく、JはFおよびClから選択され、mは0、1または2であり、qは0、1、2、3、4または5であり、sは0、1、2または3であり、tは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり、R5は一価の基であって、ここで各R5は独立して、1〜6個の炭素のアルキル、2〜6個の炭素原子のアルケニル、または2〜6個の炭素原子のアルキニルから選択され、または、1つの窒素原子上に2個のR5が存在するときには、R5は一緒になってヘテロ環式の環を形成してよく、R6は1〜6個の炭素のアルキル、2〜6個の炭素原子のアルケニル、または2〜6個の炭素原子のアルキニルから選択される二価の基であり、R7は2〜6個の炭素原子の二価のアルキル基であり、R8は3〜7個の炭素のシクロアルキル環であって、シクロアルキル環は、場合によって、1個から6個の炭素の1つまたはそれ以上のアルキル基で置換されてよく、またはR8はフェニルもしくはヘテロアリール環であって、そのフェニルまたはヘテロアリール環は付加的なフェニルまたはヘテロアリール環に融合されてよく、ここでヘテロアリールは先で定義されている
とおりであり、そして、場合によっては、−Ph、−CH2Ph、−NHPh、OPh、−S(O)mPh、J、−NO2、−NH2、−OH、−SH、−CN、−COOH、−CONH2、−NHC(O)NH2、−C(O)H、−CF3、−OCF3、−R5、−OR5、−NHR5、−NR55、−S(O)m5、−NHSO25、−R11、−OR11、−NHR11、−R6OH、−R6OR5、−R6NH2、−R6NHR5、−R6NR55、−R6SH、−R6S(O)m5、−NHR7OH、−NHR7OR5、−N(R5)R7OH、−N(R5)R7OR5、−NHR7NH2、−NHR7NHR5、−NHR7NR55、−N(R5)R7NH2、−N(R5)R7NHR5、−N(R5)R7NHR55、−OR7OH、−OR7OR5、−OR7NH2、−OR7NHR5、−OR7NR55、−OC(O)R5、−NHC(O)R5、−NHC(O)NHR5、−OR6C(O)R5、−NHR6C(O)R5、−C(O)R5、−C(O)OR5、−C(O)NHR5、C(O)NR55、−R6C(O)H、−R6C(O)R5、−R6C(O)OH、−R6C(O)OR5、−R6C(O)NH2、−R6C(O)NHR5、−R6C(O)NR55、−R6OC(O)R5、−R6OC(O)NH2、−R6OC(O)NHR5および−R6OC(O)NR55からなる群より選択される1個から4個の置換基で置換されてよく、R9は独立して、H、FまたはR5であり、R10は1〜6個の炭素原子のアルキルであり、R15は独立して、H、−R5、−R11、−(CR92qPh、−(CR92q-2−C9ヘテロアリール、−(CR92q-2−C9ヘテロ環、−(CR92qOH、−(CR92qOR10、(CR92qNH2、−(CR92qNHR10、−(CR92q10、−(CR92qS(O)m10、−(CR92qCO210、−(CR92qCONHR10、−(CR92qCONR1010、−(CR92qCOR10、−(CR92qCO2Hおよび−(CR92qCONH2からなる群より選択され、QはNR55であって、さらに、各R5がC1−C12アルキルおよびC2−C6アルケニルから独立して選択されるときには、各R5は場合によって、それらのR5が付着される窒素原子と一緒になって、3個から8個の原子のヘテロ環式の環を形成してよいことを条件とし、そのヘテロ環式の環は、場合によって、同じか、または異なって、N、OおよびSから選択されえる1個または2個の付加的なヘテロ原子を含有する)
の化合物またはその塩を調製するための方法(プロセス)であって、式(II)、
【化11】

の試薬を、Pd(0)金属の存在下において、式(III)、
【化12】

(式中、XはO−トリフラート、Br、IおよびClから選択され、MはSnまたはBであり、Zは、MがSnであるときにはZは単結合でしかあり得ず、また、MがBであるときにはZは酸素原子でしかあり得ないことを条件として、単結合または酸素原子であり、uは1、2または3であり、R3は独立して、Hおよび1個から12個の炭素原子のアルキルから選択され、または2つのR3基がZおよびMと共に一緒になって3員から8員の環を形成してよく、ここでその環の原子は炭素、窒素、酸素および硫黄から選択することができ、本明細書で言及されているあらゆる置換基は、C1−C12アルキル、F、Cl、C1−C12フルオロアルキル、C1−C12クロロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C8アルキルアミノ、C2−C16ジアルキルアミノ、C1−C12アルコキシ、C1−C12フルオロアルコキシ、C1−C12クロロアルコキシ、−S−C1−C12アルキル、−SH、−S−C1−C12フルオロアルキル、−S−C1−C12−アルキル、クロロC6−C12アリール、C6−C12アリールオキシ、−S−C6−C12アリール、C2−C9ヘテロアリール、C2−C9ヘテロアリールオキシ、−S−C2−C9ヘテロアリールおよびC1−C8アシルから選択される基によってさらに置換されてよい)の化合物と反応させるステップを含む、前記方法。
【0007】
また、本発明は、式(IV)、
【化13】

(式中、AはフェニルおよびC2−C9ヘテロアリールから選択され、そのいずれもがH、F、Cl、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、1個から4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシル、1個から4個の炭素原子のフルオロアルキル、1個から4個の炭素原子のクロロアルキル、C6−C12アリールオキシ、C2−C9ヘテロアリールオキシ、1個から4個の炭素原子の−S−アルケニル、−S−C6−C12アリールおよび−S−C2−C9ヘテロアリールから選択される置換基によって置換されてよく、RA、RBおよびRCは、独立して、H、1個から4個の炭素原子のアルキル、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、F、ClおよびCF3から選択され、tは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、R2はOH、C1−C4アルキル−C(O)O−、1個から4個の炭素原子のアルキルアミノ、2個から8個の炭素のジアルキルアミノ、C6−C12アリール、3個から8個の炭素原子のシクロアルキル、C2−C9ヘテロシクロアルキルおよび3個から12個の炭素原子を含有する(アルキル)3Si−O−から選択される)
の化合物またはその塩を調製する方法にも関し、該方法は式(II)、
【化14】

の試薬を、Pd(0)金属のソースの存在下において、式(V)、
【化15】

(式中、XはO−トリフラート、Br、IおよびClから選択され、MはSnまたはBであり、Zは、MがSnであるときにはZは単結合であり、また、MがBであるときにはZは酸素であることを条件として、単結合または酸素原子であり、uは1、2または3であり、R3は独立して、Hおよび1個から12個の炭素原子のアルキルから選択され、または2つのR3基がZおよびMと共に一緒になって3員から8員の環を形成してよく、その環の原子は炭素、窒素、酸素および硫黄から選択される)
の化合物と反応させるステップを含む。
【0008】
本発明の別の態様は、式(VI)、
【化16】

(式中、AはフェニルおよびC2−C9ヘテロアリールから選択され、そのいずれもがH、F、Cl、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、1個から4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシル、1個から4個の炭素原子のフルオロアルキル、1個から4個の炭素原子のクロロアルキル、C6−C12アリールオキシ、C2−C9ヘテロアリールオキシ、1個から4個の炭素原子の−S−アルケニル、−S−C6−C12アリールおよび−S−C2−C9ヘテロアリールから選択される置換基によって置換されてよく、RBは、H、F、Cl、1個から4個の炭素原子のアルキル、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、1個から4個の炭素原子のフルオロアルキル、1個から4個の炭素原子のクロロアルキル、OH、SHおよび1個から4個の炭素原子の−S−アルキルから選択され、tは1または2であり、R2は、OH、C1−C4アルキル−C(O)O−、1個から4個の炭素原子のアルキルアミノ、2個から8個の炭素のジアルキルアミノ、C6−C12アリール、3個から8個の炭素原子のシクロアルキル、C1−C9ヘテロシクロアルキルおよび3個から12個の炭素原子を含有する(アルキル)3Si−O−から選択される)
の化合物またはその塩を調製する方法であり、該方法は式(II)、
【化17】

の試薬を、Pd(0)金属のソースの存在下において、式(VII)、
【化18】

(式中、XはO−トリフラート、Br、IおよびClから選択され、MはSnまたはBであり、Zは、MがSnであるときにはZは単結合であり、また、MがBであるときにはZは酸素であることを条件として、単結合または酸素原子であり、uは1、2または3であり、R3は独立して、Hおよび1個から12個の炭素原子のアルキルから選択され、または2つのR3基がZおよびMと共に一緒になって3員から8員のヘテロ環式の環を形成してよい)
の化合物と反応させるステップを含む。
【0009】
詳細な説明
本発明は、触媒量のパラジウム金属の存在下において、式(III)、(V)および(VII)の化合物を、それぞれ式(II)のビニルボロン酸エステル、または酸、またはビニルスタンナンと反応させることにより、式(I)、(IV)および(VI)の化合物を合成する方法に関する。
【0010】
本発明の1つの重要な特徴は、ビニルボロン酸エステルまたはビニルスタンナンと式(III)、(V)または(VII)の化合物とのカップリングが立体選択的に起こることであり、このときE異性体が優勢な生成物である。
【0011】
本発明の目的上、「アルキル」という用語は、直鎖状または分岐状のいずれかのアルキル部分を含む。直鎖アルキル部分の長さは1個から12個の炭素原子であってよいが、好ましくは1個から8個の炭素原子であり、より好ましくは1個から4個の炭素原子である。分岐アルキル部分は3個から12個の炭素原子を含有してよい。これらのアルキル部分は非置換型または置換型であってよい。「アルケニル」という用語は、1つの二重結合を含有する置換型または非置換型のラジカル脂肪族炭化水素を指し、好ましくは2個から6個の炭素原子の直鎖状および好ましくは2個から6個の炭素原子の分岐状の両方のアルケニル部分を含む。そのようなアルケニル部分はEまたはZ立体配置で存在することができ、本発明の化合物はこれらの両立体配置を含む。「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を有する、2個から6個の炭素原子を含有する直鎖状および2個から6個の炭素原子を含有する分岐状の両方の置換および非置換アルキニル部分を含む。「シクロアルキル」という用語は、3個から12個の炭素原子を有する置換または非置換脂環式炭化水素基を指し、これらに限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルまたはアダマンチルを含む。最も好ましくは、シクロアルキル基は3個から6個の炭素原子を含む。
【0012】
本発明の目的上、「アリール」という用語は芳香族炭化水素部分として定義され、置換型または非置換型であってよい。アリールは、これらに限定するものではないが、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、テトラヒドロナフチル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インダニル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、アセナフチレニル基またはフェナントレニル基、からなる群より選択することができる。好ましくは、アリール基は6個から12個の炭素原子を含有する。
【0013】
本発明の目的上、「ヘテロアリール」という用語は、芳香族のヘテロ環式の環系(単環式または二環式)として定義され、置換型または非置換型であってよく、そのヘテロアリール部分はS、NおよびOからなる群より選択される1個から4個のヘテロ原子を含有する5員または6員の環であり、これらに限定するものではないが、(1)フラン、チオフェン、インドール、アザインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、N−メチルピロール、ピラゾール、N−メチルピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、1−メチルテトラゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイミダゾール、N−メチルベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、インダゾール、キナゾリン、キノリン、ピロリジニル;(2)二環式の芳香族ヘテロ環であって、フェニル、ピリジン、ピリミジンまたはピリジジン環が、(i)1つの窒素原子を有する6員の芳香族(不飽和)ヘテロ環式の環に融合されている;(ii)2つの窒素原子を有する5員もしくは6員の芳香族(不飽和)ヘテロ環式の環に融合されている;(iii)1つの酸素原子もしくは1つの硫黄原子のいずれかと共に1つの窒素原子を有する5員の芳香族(不飽和)ヘテロ環式の環に融合されている;または(iv)O、NもしくはSから選択される1つのヘテロ原子を有する5員の芳香族(不飽和)ヘテロ環式の環に融合されている、二環式の芳香族ヘテロ環を含む。好ましくは、ヘテロアリール部分は2個から9個の炭素原子を含有し、より好ましくは合計で5個または6個の原子を含有する。
【0014】
本発明の目的上、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、置換型または非置換型の脂環式環系(単環式または二環式)を指し、そのヘテロシクロアルキル部分は、S、NおよびOからなる群より選択される1個から6個のヘテロ原子を含有する3員から12員の環である。その例は、これらに限定するものではないが、1,3−ジオキソラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、チオモルホリンおよびピペラジンを含む。典型的には、そのような部分は1個から9個の炭素原子を含有する。
【0015】
本発明の目的上、「ヘテロ環」という用語は、本明細書で定義されているとおりヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルのいずれかであると定義される。
【0016】
本発明の目的上、「アルコキシ」という用語はアルキル−O−として定義され;「アリールオキシ」という用語はアリール−O−として定義され;「ヘテロアリールオキシ」という用語はヘテロアリール−O−として定義され;ここでアルキル、アリールおよびヘテロアリールは上記で定義されているとおりである。
【0017】
「アルキルアミノ」および「ジアルキルアミノ」という用語は、それぞれ、1個または2個のアルキル基を有する部分を指し、そのアルキル鎖は1個から8個の炭素、より好ましくは1個から4個の炭素原子であり、それらの基は同じか、または異なっていてもよい。アルキルアミノアルキルおよびジアルキルアミノアルキルという用語は、それぞれ、1個から8個の炭素原子のアルキル基に付着された窒素原子に結合されている1個または2個のアルキル基(同じか、または異なっていてもよい)を有するアルキルアミノ部分およびジアルキルアミノ部分を指す。
【0018】
「アシル」は、式−(C=O)−アルキル、−(C=O)−アリールまたは−(C=O)−ペルフルオロアルキルのラジカルであり、そのアルキルラジカルまたはペルフルオロアルキルラジカルは1個から8個の炭素原子であり、アリールラジカルは本明細書で定義されているとおりである;好ましい例は、これらに限定するものではないが、アセチル、プロピオニル、ブチリル、トリフルオロアセチルを含む。
【0019】
「フルオロアルキル」および「クロロアルキル」という用語は、それぞれ、少なくとも1つのフッ素原子または塩素原子でさらに置換されるアルキルラジカルを指し、そのアルキルラジカルは完全に置換されていてもよく、例えば−CF3であってよい。「フルオロアルコキシ」および「クロロアルコキシ」という用語は、それぞれ、少なくとも1つのフッ素原子または塩素原子でさらに置換されるアルコキシラジカルを指し、そのアルコキシラジカルは完全に置換されていてもよく、例えば−OCF3であってよい。
【0020】
「置換基」という用語は、本明細書では、分子上の水素ラジカルを置き換える原子ラジカル、官能基ラジカルまたは部分ラジカルを指すように使用される。明示的に別の言及をしない限り、あらゆる置換基は、場合によって、アルキル、F、Cl、フルオロアルキル、クロロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、フルオロアルコキシ、クロロアルコキシ、−S−アルキル、−SH、−S−フルオロアルキル、−S−クロロアルキル、アリール、アリールオキシ、−S−アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−S−ヘテロアリールまたはアシル、から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されてよいものと見なされるべきである。
【0021】
本発明の目的上、「置換型」または「置換された」という用語は、分子上の水素ラジカルが別の原子ラジカル、官能基ラジカルまたは部分ラジカルによって置き換えられている場合を指し;これらのラジカルは一般的に「置換基」と呼ばれる。
【0022】
本発明の方法により生成される化合物は不斉炭素原子を含有することがあり、また、本発明の幾つかの化合物は1つまたはそれ以上の不斉中心を含有する場合があり、従って、立体異性体、例えばエナンチオマーおよびジアステレオマーなどをもたらすことがある。式(I)、(IV)および(VI)においては立体化学を顧慮せずに示されているが、本発明は、すべての個々の可能な立体異性体;さらにはラセミ混合物、ならびにRおよびS立体異性体の他の混合物(エナンチオマーの不等量の混合物であるスカレミック(scalemic)混合物)ならびにそれらの塩の合成を含む。それにもかかわらず、キラル中心において同じ相対配置を有する本発明の立体異性体は、指示されているキラル中心における置換によって異なるRおよびSの指定を有することに留意すべきである。
【0023】
2つのキラル中心を含有する、本発明の方法により生成された化合物の場合、4つの取り得る立体異性体が可能である;これら4つの立体異性体は、ジアステレオマーの2つのラセミペアーとして分類される。これらの化合物は、1997 Chemical Abstracts Index Guide, Appendix IV (Columbus, OH)に記載されている慣例に従って指定され得るラセミ型ジアステレオマーとして存在してもよく、一方、最初に言及されるキラル原子はR*と指定され、次に言及されるキラル原子は、最初に言及された立体中心と同じキラリティーを有する場合にはR*と指定され、または最初に言及された立体中心と反対のキラリティーを有する場合にはS*と指定される。あるいは、本発明のこれらの化合物は、予め定められた立体中心の存在により、2つのジアステレオマーの非ラセミ混合物として存在してもよく。これらの場合、その予め定められた立体中心はCahan-Ingold-Prelog Systemに基づいて指定され、定められていない立体中心は、この中心におけるRおよびSの両立体異性体の混合物を表すためにR*と指定される。
【0024】
本発明の方法により生成される化合物はアルケンであり、従って、(E)−(Z)系を用いて指定することができる。当業者であればこの命名システムについて熟知している。アルケン化合物が立体特異性を伴うことなく開示されている場合、それらの両ジアステレオマーが本開示によって包含されることが意図されている。
【0025】
本発明の方法により生成される化合物は、有機または無機の酸を加えることによりもたらされる塩として形成されてよい。例えば、塩は、これらに限定するものではないが、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸および同様に公知の許容可能な酸を含む酸の付加から形成することができる。
一般的な合成経路:
スキームI
【化19】

スキームII
【化20】

スキームIII
【化21】

スキームIV
【化22】

スキームV
【化23】

【0026】
スキームIは、式(III)の開始材料3−キノリンカルボニトリルから式(I)の化合物への一般的な合成経路を示している。この開始材料3−キノリンカルボニトリルが、触媒量のパラジウム金属、例えばPd(PPh34の存在下において、式(II)のビニルボロン酸エステルまたはスタンナンとカップリングされる。式中のA、R1〜R3、X、s、t、u、mおよびZについては本明細書で定義されている。
【0027】
アリールハライドとアルク−1−エニルボランとのパラジウム媒介カップリングは当業者にとって公知である。そのようなカップリングは、Suzuki et al., J.C.S. Chem. Comm., 1979, No.19, pp.866-867に開示された。本文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
これらのカップリング反応は、通常、室温以上の温度、典型的には約60℃から約120℃の範囲の温度、但し、好ましくは約80℃から約120℃の範囲の温度に加熱される。好ましくは、その温度は少なくとも約90℃にまで上げられ、より好ましくは少なくとも約105℃にまで上がる。しかし、この反応は、約120℃の高い温度で実施することもできる。
【0029】
ビニルボロン酸エステルまたは酸は、4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランおよび触媒量のビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド水和物を用いる、対応するアルキンのハイドロボレーションにより形成することができる。この調製方法は、Pereira and Siebnik,Organicmetallics 1995, 14, pp.3127-3128に開示された。本文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
ビニルスタンナンは、アルキンを(アルキル)3Sn、例えばトリブチルスタンナンおよび触媒量のAIBNと反応させることにより、対応するアルキンから調製することができる。ビニルスタンナンを調製する本方法は、Jung et al., Tetrahedron Letters, Vol.23 (38), pp.3851-3854, 1982に開示された。本文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
この反応は様々な溶媒中において実施することができる。当業者であれば、この反応に適した適切な溶媒または溶媒の混合物について熟知している。好ましい溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン、ベンゼン、トルエン/エタノール/水(10:1:1)、DMF、THFおよびDMF/THF(50:50)を含む。
【0032】
本発明の1つの実施形態においては、Aは、式(I)および(III)の化合物において、フェニルまたは置換型のフェニルである。
【0033】
本発明の別の実施形態においては、R1は、式(I)および(III)の化合物において、H、F、ClおよびCH3Oから選択される。
【0034】
本発明のさらに別の実施形態においては、R2は、モルホリニル、OH、CH3C(O)O−、ピロリジニル、ピペリジニル、n−メチルピペラジニル、n−エチルピペラジニル、4−(N−ピロリジニル)ピペリジニル、2−テトラヒドロピラノキシ、(CH33CSi(CH32O−および−NR1920から選択される。より好ましい1つの実施形態は、R2が−NR1920の場合である。
【0035】
本発明の別の実施形態は、MがSnであってZが単結合の場合、あるいはMがBであってZがOの場合である。
【0036】
スキームIIは、式(V)の開始材料3−キノリンカルボニトリルを触媒量のパラジウム金属の存在下においてビニルボロン酸エステルと反応させることによる、式(IV)の化合物を合成するさらに特定的な合成方法を示している。この反応での好ましい溶媒は、トルエン、エタノールおよび水の混合物(10:1:1)である。より詳しい反応条件が、本出願の「一般的な方法」の節における「方法I」の項で説明されている。
【0037】
スキームIIIは、式(V)の開始材料3−キノリンカルボニトリルを触媒量のパラジウム金属の存在下においてビニルスタンナンと反応させることによる、式(IV)の化合物に対するさらに特定的な合成方法を示している。この反応での最も好ましい溶媒はNMPである。より詳しい反応条件が、本明細書の「一般的な方法」の節における「方法II」の項で説明されている。
【0038】
本発明の1つの実施形態においては、Aは、式(IV)および(V)の化合物において、フェニルであり、このフェニルが置換されてもよい。また、AがH、Cl、OCH3または−S−ヘテロアリールで置換されることも好ましい。
【0039】
本発明の別の実施形態においては、RAおよびRCは、式(IV)および(V)の化合物においてHである。
【0040】
本発明の別の実施形態は、R2が、式(IV)の化合物において、ジアルキルアミノの場合である。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態においては、MはSnであってZは単結合であり、あるいはMはBであってZは酸素である。
【0042】
スキームIVは、式(VII)の開始材料5−チエノピリジンカルボニトリルを、触媒量のパラジウム金属の存在下において、ビニルボロン酸エステルまたは酸とカップリングさせることによる、式(VI)の2−アルケニル−5−チエノピリジンカルボニトリルを合成するための本発明の一般的な方法を示している。この反応での最も好ましい溶媒は、トルエン、エタノールおよび水の混合物(10:1:1)である。本方法は、スキームIIの下で開示されている方法と類似のものであり、従って、より詳しい条件を本明細書の「一般的な方法」の節における「方法I」の項の下で見出すことができる。
【0043】
スキームVは、式(VII)の開始材料5−チエノピリオリンカルボニトリルを、触媒量のパラジウム金属の存在下において、ビニルスタンナンと反応させることによる、式(VI)の化合物を合成するための一般的な方法を示している。この反応での好ましい溶媒はNMPである。本方法は、スキームIIIで示されている方法と類似のものであり、従って、本明細書の「一般的な方法」の節における「方法II」の項の下で記載されているのと同じ条件を適用することができる。
【0044】
本発明の1つの実施形態においては、Aは、式(VI)および(VII)の化合物において、フェニルであり、このフェニルは置換されてもよい。また、AがH、Cl、OCH3または−S−ヘテロアリールで置換されることも好ましい。
【0045】
本発明の別の実施形態においては、RBは、式(VI)および(VII)の化合物において、Hである。
【0046】
本発明の別の実施形態は、R2が、式(VI)の化合物において、ジアルキルアミノの場合である。
【0047】
本発明のさらに別の実施形態においては、MはSnであってZは単結合であり、あるいはMはBであってZは酸素である。
【0048】
同様に、スキームII〜Vで例証されているカップリングは、通常、室温より高い温度、典型的には約60℃から約120℃の範囲の温度、但し、好ましくは約80℃から約120℃の範囲の温度で実施される。好ましくは、その温度は少なくとも約90℃にまで上げられ、より好ましくは少なくとも約105℃にまで上がる。しかし、この反応は、約120℃の高い温度で実施することもできる。
一般的な方法:
方法I
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0049】
1−ブト−3−イニル−4−メチル−ピペラジン(1.85g、14.4mmol)(この化合物の調製については、国際特許公開公報第WO 2002/002558号に記載されている)および4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(1.46g、9.6mmol)の混合物に、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドヒドリド(124mg、0.48mmol)を加えた。結果として得られた混合物を室温で24時間攪拌し、トルエン/エタノール/水(80mL/8mL/8mL)で希釈した。3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナート(2.50g、4.70mmol)およびPd(PPh34(285mg、0.238mmol)を加えた。反応混合物を90℃で4時間加熱し、飽和NaHCO3水溶液およびCH2Cl2の間で分配した。それらを合わせた有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(10:1のCH2Cl2−MeOH)で精製することにより、1.92gのオフホワイトの固体(融点142〜143℃、MS(ESI)m/z 526.1)を得た。
方法II
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−5−(ジエチルアミノ)ペント−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0050】
7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリル(377mg、0.80mmol)、(0.50g、1.12mmol)、ジエチル[E−5−(トリブチルスタンニル)−4−ペンテン−1−イル]アミン(0.48g、1.12mmol)(この化合物の調製については、国際特許公開公報第WO2004/033419号に開示されている)およびNMP(4.0mL)の混合物を窒素下においてPd(PPh34(92mg、0.08mmol)で処理し、105℃で3時間攪拌した。冷却された混合物をCH2Cl2およびNaHCO3水溶液の間で分配した。有機層をH2Oで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残留物を1:1のヘキサン−Et2Oで粉末化してNMPを除去し、その後、10:1のCH2Cl2−MeOHを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけることにより、オフホワイトの固体(融点220〜225℃(dec))を得た。MS(ES+)m/z 533.1(M+H)+1
方法III
(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタート
【0051】
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル(1.87g、3.2.mmol)(実施例4)、24mlのAc2Oおよび24mlのHOAcの溶液を50℃で19時間攪拌し、トルエンの存在下において濃縮し、NaHCO3水溶液中で攪拌した。結果として得られた固体を60:30:1の−EtOAc−HOAc中に溶解し、シリカゲルのパッドを通じて濾過した。蒸発させて得られた残留物を、NaHCO3を含有するMcOH−H2O中において攪拌し、濾過し、H2Oで洗浄し、乾燥させることにより、薄黄色の固体(融点 181−193℃(dec);m/z 492.1-(M+H)+1)を得た。
方法IV
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−(ジエチルアミノ)プロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0052】
窒素下における(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタート(196mg、0.40mmol)、ジエチルアミン(165μl、1.6mmol)および0.80mlのNMPの混合物をPd(PPh34(46mg、0.04mmol)で処理し、25℃で1時間攪拌した。その混合物をNaHCO3水溶液および4:1のヘキサン−EtOAcと共に攪拌し、濾過した。固体生成物を10:1のCH2Cl2−MeOH中に溶解し、シリカゲルの短いカラム中に通した。生成物を含有した洗浄液を蒸発させることにより、93mgのオフホワイトの固体(融点223〜228℃;MS(ES+)m/z 505.0(M+H)+1)を得た。
方法V
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0053】
DMF/THF(2mL/2mL)中における4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル(150mg、0.351mmol)およびEt3N(178mg、1.76mmol)の混合物に、THF(1mL)中におけるメタンスルホニルクロリド(121mg、1.05mmol)を加えた。結果として得られた混合物を室温で一晩攪拌し、その後、75℃において48時間、N−エチルピペラジン(200mg、1.76mmol)で処理した。その冷却された反応混合物を水およびCH2Cl2の間で分配した。それらを合わせた有機物を乾燥させ、濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフで精製することにより、95mgのオフホワイトの固体(融点129〜131℃;MS(ESI)m/z 540.1)を得た。
方法VI
N−[E−4−(トリブチルスタンニル)−3−ブテン−1−イル]ピロリジン
【0054】
25℃における3.0mlのTHF中のE−4−(トリブチルスタンニル)−3−ブテン−1−イルトシラート(1.55g、3.0mmol)(この化合物の調製については、Heterocycles (1997), 46, 523で開示された。本文献は、参照により本明細書に組み込まれる)の攪拌溶液にピロリジン(1.0ml、12mmol)を加えた。18時間後、揮発性材料を真空下で蒸発させ、残留物をNaHCO3水溶液および1:1のヘキサン−Et2Oを用いて分配した。有機層をH2Oで洗浄し、乾燥させ、蒸発させることにより、オイルを得た;1H NMR(CDCl3)δ5.95(m、2H、ビニル)、2.53(m、8H)、2.37(m、4H)、1.78(m、6H)、1.49(m、6H)、1.30(m、6H)、0.89(t、J=7.3Hz、9H)。
【実施例】
【0055】
実施例1
4−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−7−[(1E)−5−モルホリン−4−イルペント−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0056】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ペンテニル]モルホリンから調製される(融点142〜144℃;MS(ESI)m/z 467.1)。
実施例2
4−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−7−[(1E)−6−モルホリン−4−イルヘクス−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0057】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(5E)−6−(トリブチルスタンニル)ヘクス−5−エニル]モルホリンから調製される(融点139〜140℃;MS(ESI)m/z 481.2)。
実施例3
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−5−モルホリン−4−イルペント−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0058】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナートおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ペンテニル]モルホリンから調製される(融点110〜112℃;MS(ESI)m/z 527.2)。
実施例4
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0059】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよび3−(E)−トリブチルスタンナニル−プロプ−2−エン−1−オールから調製される(融点220〜240℃;MS(ESI)m/z 448)。
実施例5
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0060】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよび4−(E)−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エン−1−オールから調製される(融点205〜210℃;MS(ESI)m/z 462.2)。
実施例6
(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタート
【0061】
標記化合物は、方法IIIで記載されているように、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリルから調製される(181−193℃;MS(ESI)m/z 490.1)。
実施例7
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−モルホリン−4−イルプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0062】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよびモルホリンから調製される(融点235〜240℃;MS(ESI)m/z 517.1)。
実施例8
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(ジエチルアミノ)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0063】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよびN,N−ジエチル−N−[(3E)−4−(トリブチルスタンニル)ブト−3−エニル]アミンから調製される(融点200〜210℃;MS(ESI)m/z 517.1)。
実施例9
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0064】
標記化合物は、方法VIに類似の手順を用いて、トルエン−4−スルホン酸4−{4−[3−クロロ−4−(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イルスルファニル)−フェニルアミノ]−3−シアノ−キノリン−7−イル}−ブト−3−エニルエステルおよびジメチルアミンから調製される(融点191〜198℃;MS(ESI)m/z 489)。
トルエン−4−スルホン酸4−{4−[3−クロロ−4−(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イルスルファニル)−フェニルアミノ]−3−シアノ−キノリン−7−イル}−ブト−3−エニルエステルは、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよびE−4−(トリブチルスタンニル)−3−ブテン−1−イルトシラートから調製された。
E−4−(トリブチルスタンニル)−3−ブテン−1−イルトシラート:
【0065】
30mlの2,6−ルチジン中におけるE−(4−ヒドロキシブテン−1−イル)トリブチルスタンナン(5.42g、15mmol、この化合物の調製についてはJ. Org. Chem. 1998, 63, pp.7811に開示された)の攪拌溶液に25℃でトシルクロリド(8.58g、45mmol)を加えた。20時間後、その混合物を、冷却しながら、30mlのH2Oおよび5mlのピリジンで処理した。25℃において15分後、その混合物をDCMおよびNaHCO3水溶液を用いて分配した。
有機層をH2Oで洗浄し、乾燥させ、濃縮することにより、オイルが得られた;1H NMR(DMSO−d6)δ7.76(d、J=8.0Hz、2H)、7.48(d、J=8.0Hz、2H)。
実施例10
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0066】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ペンテニル]モルホリンから調製された(融点232〜238℃;MS(ESI)m/z 531)。
実施例11
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−(ジエチルアミノ)プロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0067】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよびジエチルアミンから調製される(融点223〜228℃;MS(ESI)m/z 503)。
実施例12
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−ピロリジン−1−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0068】
標記化合物は、方法VIに類似の手順を用いて、トルエン−4−スルホン酸4−{4−[3−クロロ−4−(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イルスルファニル)−フェニルアミノ]−3−シアノ−キノリン−7−イル}−ブト−3−エニルエステルおよびピロリジンから調製される(融点185〜191℃;MS(ESI)m/z 515.1)。
実施例13
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0069】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよびジメチルアミンから調製される(融点157〜165℃;MS(ESI)m/z 475)。
実施例14
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−ピペリジン−1−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0070】
標記化合物は、方法VIに類似の手順を用いて、トルエン−4−スルホン酸4−{4−[3−クロロ−4−(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イルスルファニル)−フェニルアミノ]−3−シアノ−キノリン−7−イル}−ブト−3−エニルエステルおよびピペリジンから調製される(融点205〜210℃;MS(ESI)m/z 529)。
実施例15
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−ピロリジン−1−イルプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0071】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよびピロリジンから調製される(融点182〜190℃;MS(ESI)m/z 501.1)。
実施例16
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0072】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノ−6−メトキシキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナートおよび4−(E)−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エン−1−オールから調製される(融点273〜278℃;MS(ESI)m/z 492)。
実施例17
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−5−ピロリジン−1−イルペント−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0073】
標記化合物は、方法VIに類似の手順を用いて、トルエン−4−スルホン酸4−{4−[3−クロロ−4−(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イルスルファニル)−フェニルアミノ]−3−シアノ−キノリン−7−イル}−ペント−3−エニルエステルおよびピロリジンから調製される(融点217〜222℃;MS(ESI)m/z 529.2)。
トルエン−4−スルホン酸4−{4−[3−クロロ−4−(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イルスルファニル)−フェニルアミノ]−3−シアノ−キノリン−7−イル}−ペント−3−エニルエステルは、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよびE−4−(トリウチルスタンニル)−3−ペント−1−イルトシラートから調製された。
実施例18
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(ジエチルアミノ)ブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0074】
標記化合物は、方法VIに類似の手順を用いて、トルエン−4−スルホン酸4−{4−[3−クロロ−4−(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イルスルファニル)−フェニルアミノ]−6−メトキシ−3−シアノ−キノリン−7−イル}−ブト−3−エニルエステルおよびジエチルアミンから調製される(融点194〜202℃;MS(ESI)m/z 547.2)。
実施例19
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−6−メトキシ−7−[(1E)−4−ピロリジン−1−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0075】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノ−6−メトキシキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナートおよび1−メチル−4−(4−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エニル)−ピペラジンから調製される(融点230〜234℃;MS(ESI)m/z 545.1)。
実施例20
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0076】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよび1−メチル−4−(E)−(4−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エニル)ピペラジンから調製された(融点225〜235℃;MS(ESI)m/z 544.2)。
実施例21
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−6−メトキシ−7−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0077】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノ−6−メトキシキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナートおよび1−メチル−4−(E)−(4−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エニル)−ピペラジンから調製される(融点223〜203℃;MS(ESI)m/z 574.2)。
実施例22
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0078】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノ−6−メトキシキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナートおよびジメチル−4−(E)−(トリブチルスタンナニル−ブト−3−エニル)−アミンから調製される(融点215〜225℃)。
実施例23
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0079】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−3−キノリンカルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ブテニル]モルホリンから調製される(融点88〜89℃;MS(ESI)m/z 483.1)。
実施例24
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0080】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナートおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ブテニル]モルホリンから調製される(融点141〜143℃;MS(ESI)m/z 513.1)。
実施例25
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−5−(ジエチルアミノ)ペント−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0081】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよびジエチル−(E)−(5−トリブチルスタンナニル−ペント−4−エニル)−アミンから調製された(融点220〜225℃;MS(ESI)m/z 531.1)。
実施例26
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−5−(ジエチルアミノ)ペント−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0082】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノ−6−メトキシキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナートおよびジエチル−(E)−(5−トリブチルスタンナニル−ペント−4−エニル)−アミンから調製される(融点229〜233℃;MS(ESI)m/z 561.1)。
実施例27
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0083】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよび1−メチル−4−(E)−(5−トリブチルスタンナニル−ペント−4−エニル)−ピペラジンから調製された(融点219〜227℃;MS(ESI)m/z 558.1)。
実施例28
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−6−メトキシ−7−[(1E)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペント−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0084】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノ−6−メトキシキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナートおよび1−メチル−4−(E)−(5−トリブチルスタンナニル−ペント−4−エニル)−ピペラジンから調製される(融点215〜221℃;MS(ESI)m/z 588.1)。
実施例29
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0085】
標記化合物は、方法Iで記載されているように、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナート、1−ブト−3−イニル−4−メチル−ピペラジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製され、または、方法IIに類似の手順を用いて、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナートおよび1−メチル−4−(E)−(4−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エニル)−ピペラジンから調製された(融点142〜143℃;MS(ESI)m/z 526.1)。
実施例30
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0086】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナート、tert−ブチル−ブト−3−イニルオキシ−ジメチル−シランおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから、続いて酸加水分解を行うことにより調製された(融点186〜188℃;MS(ESI)m/z 444.1)。
実施例31
7−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]−4−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]キノリン−3−カルボニトリル
【0087】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(3,4,5−トリメトキシアニリノ)−3−キノリンカルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ペンテニル]モルホリンから調製された(融点128〜130℃;MS(ESI)m/z 475.2)。
実施例32
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−3−モルホリン−4−イルプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0088】
標記化合物は、方法IIで記載されているように、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナートおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−プロペニル]モルホリンから調製された(融点105〜106℃;MS(ESI)m/z 499.1)。
実施例33
6−メトキシ−7−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エン−1−イル]−4−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]キノリン−3−カルボニトリル
【0089】
標記化合物は、方法Iで記載されているように、3−シアノ−6−メトキシ−4−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]キノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナート、1−ブト−3−イニル−4−メチル−ピペラジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点122〜124℃;MS(ESI)m/z 518.2)。
実施例34
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−4−ピペリジン−1−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0090】
標記化合物は、方法Vに類似の手順を用いて、4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリルおよびピペリジンから調製される(融点140〜142℃;MS(ESI)m/z 511.1)。
実施例35
4−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0091】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(5E)−6−(トリブチルスタンニル)ブト−5−エニル]モルホリンから調製される(融点129〜131℃;MS(ESI)m/z 453.1)。
実施例36
4−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−7−[(1E)−3−モルホリン−4−イルプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0092】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(5E)−6−(トリブチルスタンニル)プロプ−5−エニル]モルホリンから調製される(融点175〜176℃;MS(ESI)m/z 439.1)。
実施例37
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0093】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよびN−メチルピペラジンから調製される(MS(ESI)m/z 530)。
実施例38
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−6−モルホリン−4−イルヘクス−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0094】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(5E)−6−(トリブチルスタンニル)ヘクス−5−エニル]モルホリンから調製される(融点99〜100℃;MS(ESI)m/z 541.1)。
実施例39
4−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−7−[(1E)−11−モルホリン−4−イルウンデカ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0095】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(5E)−6−(トリブチルスタンニル)ウンデカ−5−エニル]モルホリンから調製される(融点105〜106℃;MS(ESI)m/z 551.2)。
実施例40
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−11−モルホリン−4−イルウンデカ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0096】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナートおよび4−[(5E)−6−(トリブチルスタンニル)ウンデカ−5−エニル]モルホリンから調製される(融点98〜99℃;MS(ESI)m/z 611.3)。
実施例41
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−ピペリジン−1−イルプロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0097】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよびピペリジンから調製される(MS(ESI)m/z 515.1)。
実施例42
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)プロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0098】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよび4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンから調製される(MS(ESI)m/z 584.1)。
実施例43
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−3−(4−エチルピペラジン−1−イル)プロプ−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0099】
標記化合物は、方法IVに類似の手順を用いて、(2E)−3−[4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノキノリン−7−イル]プロプ−2−エニルアセタートおよびN−エチルピペラジンから調製される(融点232〜236℃;MS(ESI)m/z 544.1)。
実施例44
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0100】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリル、1−ブト−3−イニル−4−メチル−ピペラジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点194〜204℃;MS(ESI)m/z 558.1)。
実施例45
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0101】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリルおよび2−{[(3E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]オキシ}テトラヒドロ−2H−ピランから調製された(融点217〜220℃;MS(ESI)m/z 546.1)。
実施例46
7−((1E)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブト−1−エニル)−4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0102】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、3−シアノ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−キノリニルトリフルオロメタンスルホナート、(3−ブチニルオキシ)−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点97〜99℃;MS(ESI+)m/z 558.1)。
実施例47
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−7−[(1E)−4−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0103】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−{3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)スルファニル]アニリノ}−3−キノリンカルボニトリル、1−ブト−3−イニル−4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点214〜216℃;MS(ESI+)m/z 598.2)。
実施例48
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0104】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、7−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび1−メチル−4−[(3E)−4−(トリブチルスタンニル)ブト−3−エニル]ピペラジンから調製される(融点152〜154℃;MS(ESI+)m/z 496.1)。
実施例49
4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−6−フルオロ−7−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0105】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、4−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−3−シアノ−6−フルオロキノリン−7−イルトリフルオロメタンスルホナートおよび1−メチル−4−(E)−(4−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エニル)−ピペラジンから調製される(融点188〜194℃;MS(ESI+)m/z 562.1)。
実施例50
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0106】
標記化合物は、方法Vに類似の手順を用いて、4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリルおよびジメチルアミンから調製される(融点119〜121℃;MS(ESI)m/z 471.1)。
実施例51
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル
【0107】
標記化合物は、方法Vに類似の手順を用いて、4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリルおよびN−エチルピペラジンから調製される(融点129〜131℃;MS(ESI)m/z 540.1)。
実施例52
7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−6−メトキシ−4−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]キノリン−3−カルボニトリル
【0108】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、4−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリル、tert−ブチル−ブト−3−イニルオキシ−ジメチル−シランおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから、続いて、酸加水分解を行うことにより調製された(融点184〜185℃;MS(ESI)m/z 436.1)。
実施例53
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−メトキシ−7−[(1E)−4−ピロリジン−1−イルブト−1−エン−1−イル]キノリン−3−カルボニトリル
【0109】
標記化合物は、方法Vに類似の手順を用いて、4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−7−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−メトキシキノリン−3−カルボニトリルおよびピロリジンから調製される(融点158〜159℃;MS(ESI)m/z 497.1)。
実施例54
7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−[(1E)−4−ピロリジン−1−イルブト−1−エニル]チエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル
【0110】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−ヨードチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル、1−ブト−3−イニル−ピロリジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された;MS(ESI+)m/z 521.1。
実施例55
7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−[(1E)−4−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)ブト−1−エニル]チエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル
【0111】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−ヨードチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル、1−ブト−3−イニル−4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点213〜216℃;MS(ESI+)m/z 604.2)。
実施例56
7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−[(1E)−4−(4−エチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]チエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル
【0112】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−({3−クロロ−4−((1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ)フェニル}アミノ}−2−ヨードチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル、1−ブト−3−イニル−4−エチル−ピペラジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点179〜182℃(dec.);MS(ESI+)m/z 564.1)。
実施例57
7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エン−1−イル]チエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル
【0113】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−ヨードチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル、1−ブト−3−イニル−4−メチル−ピペラジンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点160〜163℃(dec.);MS(ESI+)m/z 550.1)。
実施例58
7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−[(1E)−3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−エン−1−イル]チエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル
【0114】
標記化合物は、方法Iに類似の手順を用いて、7−({3−クロロ−4−[(1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)チオ]フェニル}アミノ)−2−ヨードチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボニトリル、ブト−3−イニル−ジメチル−アミンおよび4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランから調製された(融点208〜210℃(dec.);MS(ESI)m/z 481.1)。
実施例59
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−8−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0115】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、8−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ブテニル]モルホリンから調製された(融点176〜179℃;MS(ESI)m/z 483.1)。
実施例60
4−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−6−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0116】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、6−ブロモ−4−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ブテニル]モルホリンから調製された(融点115〜116℃;MS(ESI)m/z 453.1)。
実施例61
4−[(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]−6−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0117】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、6−ブロモ−4−(2,4−ジクロロ−5−メトキシフェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ブテニル]モルホリンから調製された(融点95〜96℃;MS(ESI)m/z 483.1)。
実施例62
4−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−6−[(1E)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブト−1−エニル]キノリン−3−カルボニトリル
【0118】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、6−ブロモ−4−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび1−メチル−4−(E)−(4−トリブチルスタンナニル−ブト−3−エニル)−ピペラジンから調製された(融点97〜98℃;MS(ESI)m/z 466.1)。
実施例63
6−[(1E)−4−モルホリン−4−イルブト−1−エニル]−4−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]キノリン−3−カルボニトリル
【0119】
標記化合物は、方法IIに類似の手順を用いて、6−ブロモ−4−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)−キノリン−3−カルボニトリルおよび4−[(E)−5−(トリブチルスタンニル)−4−ブテニル]モルホリンから調製された(融点86〜87℃;MS(ESI)m/z 475.2)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)、
【化1】

(式中、
1は、H、1個から6個の炭素原子のアルキル、C1−C12アルコキシ、F、ClおよびCF3から独立して選択され;
2は、H、1個から6個の炭素原子のアルキル、OH、Cl、F、アセチル、−OSO2−C6−C12アリール、−OSO2−C1−C12アルキルおよび−NR1920の群から選択され、ここで、R19およびR20は独立してHおよび1個から6個の炭素原子のアルキルであってよく、またはR19およびR20は、一緒になって、O、SまたはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する、3員から8員のヘテロ環を形成してよく、ここでR19およびR20はC1−C6アルキルアミノ、C2−C12ジアルキルアミノおよびO、SまたはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員のヘテロ環から選択される基で置換されてよく;
Aは6個から12個の炭素原子のアリールであって、場合によっては1個から4個の置換基で置換されてよく、前記置換基は独立して、H、J、NO2、NH2、OH、SH、CN、COOH、CONH2、NHC(O)NH2、C(O)H、CF3、OCF3、R5、OR5、NHR5、Q、S(O)m5、NHSO25、R6OH、R6OR5、R6NH2、R6NHR5、R6Q、R6SH、R6S(O)m5、NHR7OH、NHR7OR5、N(R5)R7OH、N(R5)R7OR5、NHR7NH2、NHR7NHR5、NHR7Q、N(R5)R7NH2、N(R5)R7NHR5、N(R5)R7Q、OR7OH、OR7OR5、OR7NH2、OR7NHR5、OR7Q、OC(O)R5、NHC(O)R5、NHC(O)NHR5、OR6C(O)R5、NHR6C(O)R5、C(O)R5、C(O)OR5、C(O)NHR5、C(O)Q、R6C(O)H、R6C(O)R5、R6C(O)OH、R6C(O)OR5、R6C(O)NH2、R6C(O)NHR5、R6C(O)Q、R6OC(O)R5、R6OC(O)NH2、R6OC(O)NHR5、R6OC(O)QおよびYR8から選択され、ここで、Yは、独立して、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NH、NHC(O)、NHSO2、SO2NH、C(OH)H、O(C(R92q、S(O)m(C(R92q、NH(C(R92q、NR10(C(R92q、(C(R92q、(C(R92qO、(C(R92qS(O)m、(C(R92qNH、(C(R92qNR10、C≡C、シスおよびトランスCH=CH、ならびに3個から10個の炭素原子のシクロアルキルから選択され;または、
Aは、同じか、または異なって、N、OおよびSから選択されてもよい1個から4個のヘテロ原子または特には1個もしくは2個のヘテロ原子を含有する、5個または6個の原子を有するヘテロアリール環であり、ここで前記ヘテロアリール環は、場合によって、1個から4個の置換基で置換されてよく、前記置換基は、同じか、または異なって、H、J、NO2、NH2、OH、SH、CN、COOH、CONH2、NHC(O)NH2、C(O)H、CF3、OCF3、R5、OR5、NHR5、Q、S(O)m5、NHSO25、R6OH、R6OR5、R6NH2、R6NHR5、R6Q、R6SH、R6S(O)m5、NHR7OH、NHR7OR5、N(R5)R7OH、N(R5)R7OR5、NHR7NH2、NHR7NHR5、NHR7Q、N(R5)R7NH2、N(R5)R7NHR5、N(R5)R7Q、OR7OH、R7OR5、OR7NH2、OR7NHR5、OR7Q、OC(O)R5、NHC(O)R5、NHC(O)NHR5、R6C(O)R5、NHR6C(O)R5、C(O)R5、C(O)OR5、C(O)NHR5、C(O)Q、R6C(O)H、R6C(O)R5、R6C(O)OH、R6C(O)OR5、R6C(O)NH2、R6C(O)NHR5、R6C(O)Q、R6OC(O)R5、R6OC(O)NH2、R6OC(O)NHR5、R6OC(O)QおよびYR8から選択されてもよく、ここでYは独立して、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NH、NHC(O)、NHSO2、SO2NH、C(OH)H、O(C(R92q、S(O)m(C(R92q、NH(C(R92q、NR10(C(R92q、(C(R92qO、(C(R92qS(O)m、(C(R92qNH、(C(R92qNR10、C≡C、シスおよびトランスCH=CH、ならびに3個から10個の炭素原子のシクロアルキルから選択され;または、
Aは、同じか、または異なって、N、OおよびSから選択されてもよい1個から4個のヘテロ原子を含有する、8個から20個の原子を有する二環式のヘテロアリール環系であり、ここで、前記二環式のヘテロアリール環系は、場合によって、1個から4個の置換基で置換されてよく、前記置換基は、同じか、または異なって、H、J、NO2、NH2、OH、SH、CN、COOH、CONH2、NHC(O)NH2、C(O)H、CF3、OCF3、R5、OR5、NHR5、Q、S(O)m5、NHSO25、R6OH、R6OR5、R6NH2、R6NHR5、R6Q、R6SH、R6S(O)m5、NHR7OH、NHR7OR5、N(R5)R7OH、N(R5)R7OR5、NHR7NH2、NHR7NHR5、NHR7Q、N(R5)R7NH2、N(R5)R7NHR5、N(R5)R7Q、OR7OH、OR7OR5、OR7NH2、OR7NHR5、OR7Q、OC(O)R5、NHC(O)R5、NHC(O)NHR5、OR6C(O)R5、NHR6C(O)R5、C(O)R5、C(O)OR5、C(O)NHR5、C(O)Q、R6C(O)H、R6C(O)R5、R6C(O)OH、R6C(O)OR5、R6C(O)NH2、R6C(O)NHR5、R6C(O)Q、R6OC(O)R5、R6OC(O)NH2、R6OC(O)NHR5、R6OC(O)QおよびYR8から選択されてもよく、ここでYは、独立して、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)NH、NHC(O)、NHSO2、SO2NH、C(OH)H、O(C(R92q、S(O)m(C(R92q、NH(C(R92q、NR10(C(R92q、(C(R92q、(C(R92qO、(C(R92qS(O)m、(C(R92qNH、(C(R92qNR10、C≡C、シスおよびトランスCH=CH、ならびに3個から10個の炭素原子のシクロアルキルから選択され;または、
Aおよび−YR8は一緒になって三環式の環系を形成してよく;
JはFおよびClから選択され;
mは0、1または2であり;
qは0、1、2、3、4または5であり;
sは0、1、2または3であり;
tは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;
5は一価の基であって、ここで各R5は独立して、1〜6個の炭素のアルキル、2〜6個の炭素原子のアルケニル、もしくは2〜6個の炭素原子のアルキニルから選択され、または、1つの窒素原子上に2個のR5が存在するときには、前記R5は一緒になってヘテロ環式の環を形成してよく;
6は1〜6個の炭素のアルキル、2〜6個の炭素原子のアルケニルまたは2〜6個の炭素原子のアルキニルから選択される二価の基であり;
7は2〜6個の炭素原子の二価のアルキル基であり;
8は3〜7個の炭素のシクロアルキル環であって、前記シクロアルキル環は、場合によって、1個から6個の炭素の1つまたはそれ以上のアルキル基で置換されてよく;または、
8はフェニルまたはヘテロアリール環であって、前記フェニルまたはヘテロアリール環は付加的なフェニルまたはヘテロアリール環に融合されてよく、ここで、ヘテロアリールは先で定義されているとおりであり、場合によっては、−Ph、−CH2Ph、−NHPh、OPh、−S(O)mPh、J、−NO2、−NH2、−OH、−SH、−CN、−COOH、−CONH2、−NHC(O)NH2、−C(O)H、−CF3、−OCF3、−R5、−OR5、−NHR5、−NR55、−S(O)m5、−NHSO25、−R11、−OR11、−NHR11、−R6OH、−R6OR5、−R6NH2、−R6NHR5、−R6NR55、−R6SH、−R6S(O)m5、−NHR7OH、−NHR7OR5、−N(R5)R7OH、−N(R5)R7OR5、−NHR7NH2、−NHR7NHR5、−NHR7NR55、−N(R5)R7NH2、−N(R5)R7NHR5、−N(R5)R7NHR55、−OR7OH、−OR7OR5、−OR7NH2、−OR7NHR5、−OR7NR55、−OC(O)R5、−NHC(O)R5、−NHC(O)NHR5、−OR6C(O)R5、−NHR6C(O)R5、−C(O)R5、−C(O)OR5、−C(O)NHR5、C(O)NR55、−R6C(O)H、−R6C(O)R5、−R6C(O)OH、−R6C(O)OR5、−R6C(O)NH2、−R6C(O)NHR5、−R6C(O)NR55、−R6OC(O)R5、−R6OC(O)NH2、−R6OC(O)NHR5および−R6OC(O)NR55からなる群より選択される1個から4個の置換基で置換されてよく;
9は独立して、H、FまたはR5であり;
10は1〜6個の炭素原子のアルキルであり;
15は独立して、H、−R5、−R11、−(CR92qPh、−(CR92q−C2−C9ヘテロアリール、−(CR92q2−C9ヘテロ環、−(CR92qOH、−(CR92qOR10、(CR92qNH2、−(CR92qNHR10、−(CR92q10、−(CR92qS(O)m10、−(CR92qCO210、−(CR92qCONHR10、−(CR92qCONR1010、−(CR92qCOR10、−(CR92qCO2Hおよび−(CR92qCONH2からなる群より選択され、
QはNR55であり、さらに、各R5がC1−C12アルキルおよびC2−C6アルケニルから独立して選択されるときには、各R5は、場合によって、前記R5が付着される窒素原子と一緒になって、3個から8個の原子のヘテロ環式の環を形成してよいことを条件とし、前記ヘテロ環式の環は、場合によって、同じか、または異なって、N、OおよびSから選択されてもよい1個または2個の付加的なヘテロ原子を含有する)
の化合物またはその塩を調製する方法であって、
式(II)、
【化2】

の試薬を、Pd(0)金属の存在下において、式(III)、
【化3】

(式中、
XはO−トリフラート、Br、IおよびClから選択され;
MはSnまたはBであり;
Zは、MがSnであるときにはZは単結合でしかあり得ず、また、MがBであるときにはZは酸素原子でしかあり得ないことを条件として、単結合または酸素原子であり;
uは1、2または3であり;そして、
3は独立して、Hおよび1個から12個の炭素原子のアルキルから選択され、または2つのR3基がZおよびMと共に一緒になって3員から8員の環を形成してよく、ここで前記環の原子は炭素、窒素、酸素および硫黄から選択することができ;
ここで言及されているあらゆる置換基は、C1−C12アルキル、F、Cl、C1−C12フルオロアルキル、C1−C12クロロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、C1−C8アルキルアミノ、C2−C16ジアルキルアミノ、C1−C12アルコキシ、C1−C12フルオロアルコキシ、C1−C12クロロアルコキシ、−S−C1−C12アルキル、−SH、−S−C1−C12フルオロアルキル、−S−C1−C12クロロアルキル、C6−C12アリール、C6−C12アリールオキシ、−S−C6−C16アリール、C2−C9ヘテロアリール、C2−C9ヘテロアリールオキシ、−S−C2−C9ヘテロアリールおよびC1−C8アシルから選択される基によってさらに置換されてよい)
の化合物と反応させるステップを含む、前記方法。
【請求項2】
Aがフェニルまたは置換型のフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1がH、F、Clおよび−OCH3から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
2がモルホリニル、OH、CH3C(O)O−、ピロリジニル、ピペリジニル、n−メチルピペラジニル、n−エチルピペラジニル、4−(N−ピロリジニル)ピペリジニル、2−テトラヒドロピラノキシ、(CH33CSi(CH32O−および−NR1920から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
2が−NR1920である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
MがSnであり、Zが単結合である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
MがBであり、ZがOである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
Pd(0)金属のソースがPd(PPh34である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
式(IV)、
【化4】

(式中、
AはフェニルおよびC2−C9ヘテロアリールから選択され、そのいずれもがH、F、Cl、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、1個から4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシル、1個から4個の炭素原子のフルオロアルキル、1個から4個の炭素原子のクロロアルキル、C6−C12アリールオキシ、C2−C9ヘテロアリールオキシ、1個から4個の炭素原子の−S−アルケニル、−S−C6−C12アリールおよび−S−C2−C9ヘテロアリールから選択される置換基によって置換されてよく;
A、RBおよびRCは、独立して、H、1個から4個の炭素原子のアルキル、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、F、ClおよびCF3から選択され;
tは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり;
2は、OH、C1−C4アルキル−C(O)O−、1個から4個の炭素原子のアルキルアミノ、2個から8個の炭素のジアルキルアミノ、C6−C12アリール、3個から8個の炭素原子のシクロアルキル、C1−C9ヘテロシクロアルキルおよび3個から12個の炭素原子を含有する(アルキル)3Si−O−から選択される)
の化合物またはその塩を調製する方法であって、
式(II):
【化5】

の試薬を、Pd(0)金属のソースの存在下において、式(V)、
【化6】

(式中、
XはO−トリフラート、Br、IおよびClから選択され;
MはSnまたはBであり;
Zは、MがSnであるときにはZは単結合であり、また、MがBであるときにはZは酸素であることを条件として、単結合または酸素原子であり;
uは1、2または3であり;そして、
3は独立して、Hおよび1個から12個の炭素原子のアルキルから選択され、または2つのR3基がZおよびMと共に一緒になって3員から8員の環を形成してよく、ここで前記環の原子は炭素、窒素、酸素および硫黄から選択される)
の化合物と反応させるステップを含む、前記方法。
【請求項10】
Aがフェニルであり、前記フェニルが置換されてもよい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
AおよびRCがHである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
AがH、Cl、OCH3または−S−ヘテロアリールで置換される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
2がジアルキルアミノである、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
MがSnであり、Zが単結合である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
MがBであり、Zが酸素である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記Pd(0)のソースがPd(PPh34である、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
式(VI)、
【化7】

(式中、
AはフェニルおよびC2−C9ヘテロアリールから選択され、そのいずれもがH、F、Cl、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、1個から4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシル、1個から4個の炭素原子のフルオロアルキル、1個から4個の炭素原子のクロロアルキル、C6−C12アリールオキシ、C2−C9ヘテロアリールオキシ、1個から4個の炭素原子の−S−アルケニル、−S−C6−C12アリールおよび−S−C2−C9ヘテロアリールから選択される置換基によって置換されてよく;
Bは、H、F、Cl、1個から4個の炭素原子のアルキル、1個から4個の炭素原子のアルコキシ、1個から4個の炭素原子のフルオロアルキル、1個から4個の炭素原子のクロロアルキル、OH、SHおよび1個から4個の炭素原子の−S−アルキルから選択され;
tは1または2であり;
2は、OH、C1−C4アルキル−C(O)O−、1個から4個の炭素原子のアルキルアミノ、2個から8個の炭素のジアルキルアミノ、アリール、3個から8個の炭素原子のシクロアルキル、C1−C9ヘテロシクロアルキルおよび3個から12個の炭素原子を含有する(アルキル)3Si−O−から選択される)
の化合物またはその塩を調製する方法であって、
式(II)、
【化8】

の試薬を、Pd(0)金属のソースの存在下において、式(VII)、
【化9】

(式中、
XはO−トリフラート、Br、IおよびClから選択され;
MはSnまたはBであり;
Zは、MがSnであるときにはZは単結合であり、また、MがBであるときにはZは酸素であることを条件として、単結合または酸素原子であり;
uは1、2または3であり;そして、
3は独立して、Hおよび1個から12個の炭素原子のアルキルから選択され、または2つのR3基がZおよびMと共に一緒になって3員から8員のヘテロ環式の環を形成してよい)
の化合物と反応させるステップを含む、前記方法。
【請求項18】
Aがフェニルであり、前記フェニルが置換されてもよい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
BがHである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
AがH、Cl、OCH3または−S−ヘテロアリールで置換される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
MがSnであり、Zが単結合である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
MがBであり、Zが酸素である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記Pd(0)のソースがPd(PPh34である、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
さらに、NMP、トルエン、ベンゼン、トルエン/エタノール/水(10:1:1)、DMF、THFおよびDMF/THF(1:1)からなる群より選択される溶媒を使用することを含む、請求項1、9または17のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
溶媒がトルエン/エタノール/水(10:1:1)である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
溶媒がNMPである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
さらに、前記反応を約80℃から約120℃の範囲の温度に加熱するステップを含む、請求項1、9または17のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
温度が少なくとも90℃である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
温度が少なくとも105℃である、請求項27に記載の方法。

【公表番号】特表2009−526048(P2009−526048A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554250(P2008−554250)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/001750
【国際公開番号】WO2007/092153
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】