説明

パルプの白色度の増進及び漂白薬品の使用における最適化の方法

機械又は化学パルプを約0.01wt%〜約5wt%の混合液で処理する。該混合液には、水、ジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩、ポリアクリル酸又はその公知の塩、及び、任意で1以上の不活性化合物が含まれる。該混合液によって、パルプの白色度を所望の度合に維持す、又は、パルプの白色度を増加する。また、該混合液によって、通常パルプに添加される過酸化水素、ハイドロサルファイト、ケイ酸ナトリウム及びマグネシウムなど他の材料の量が減少しても、パルプを所望の白色度に維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してパルプ及び製紙に関し、さらに詳しくは、パルプを過酸化物及びハイドロサルファイトで漂白する際に白色度を増進する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パルプ及び製紙業において知られているパルプ化の方法としては主に3種類の方法がある。第1の方法は化学的、第2の方法は機械的、及び第3の方法は化学的と機械的の組み合わせである。3種類のパルプ化方法のいずれにおいても効率を向上させる方法が常に求められている。
【0003】
化学パルプにおいては、充分なリグニンを溶解し、必要であれば機械動作を少し行って、繊維を分離する。しかしながら、リグニンの一部が繊維に残り、該リグニンを蒸解中に除去しようとすると、パルプが分解し過ぎてしまう。分解は、セルロースの解重合であり、特定の溶媒に溶解したセルロースの粘度を決定することによって測定される。このような理由から、蒸煮(cook)又は蒸解(digestion)後、通常広葉樹化学パルプには約3wt%〜約4wt%のリグニンが残留し、通常針葉樹化学パルプには約4wt%〜約10wt%のリグニンが残留する。リグニンはその後完全に蒸解した時に別のパルプ製造機での漂白作業によって取り除かれ、漂白パルプが作製される。
【0004】
主要な化学木材パルプ化方法は、クラフト法(「クラフト」とは、ドイツ語で力を意味する)又は硫酸塩法である。クラフト法において、アルカリパルプ液又は蒸解液には、約3:1の水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムが含まれる。硫化ナトリウムを水酸化ナトリウムと組み合わせて用いると、より強度の高いパルプが得られる。これは、本来のソーダ法のように、水酸化ナトリウムのみを用いて得られたパルプと比べた場合である。クラフト法においては、水酸化ナトリウム溶液で木材を脱リグニン(パルプ化)する。硫化ナトリウムも添加すると、パルプ化に有益である。クラフト法の主要な利点は、異なる種類の木材のパルプ化に広く適用できること、及び、様々な用途に用いるパルプを生産できることである。
【0005】
化学パルプ化の他の方法は、「亜硫酸法」である。亜硫酸法は、クラフト法よりも有利な点がいくつかある。利点としては、より良好な歩留り(45〜55%)、低価格の蒸煮薬品、高い白色度を有するパルプ、及び容易に漂白が可能なパルプが含まれる。しかしながら、亜硫酸法には2つの明らかな不利益が存在する。具体的には、限られた種類しかパルプ化できないこと、及び、生産されるパルプが、クラフト法又は硫酸塩法によって生産されたパルプと比べて、明らかに弱いことである。
【0006】
機械パルプ化において、パルプは主に機械的な方法を用いて作製される。機械パルプの質を評価する時に用いられる必須の基準は、生産単位当たりの消費エネルギー量である。このエネルギーを定量化することは難しいため、プロセス管理のパラメータとしてパルプの濾水度が最も広く用いられている。一般的に、エネルギー消費が高い程、パルプの濾水度は低い。
【0007】
機械パルプ化法の最初の工程は、木材を磨砕又は精製することである。
【0008】
砕木機による砕木(SGW)処理には、原木やチップを回転する研磨用の面に押圧してパルプを作成する工程が含まれる。何年も前は、本当の石を研削用の面に用いていた。現在の慣習としては、特別に設計された「人口のパルプ用石」を研削に利用することができる。
【0009】
加圧式砕木(PFW)処理においては、完全に加圧されて研削作業が行われる。
【0010】
別の機械パルプ化の種類としては、木材チップの前処理を行わず、常圧精製を行うことを特徴とするリファイナーによる機械パルプ(RMP)が挙げられる。
【0011】
サーモメカニカルパルプ化(TMP)は、機械パルプ化処理である。RMP及びアプスランド法(Apslund process)として知られる高温処理から発展した。サーモリファイナーメカニカルパルプ化(TRMP)は、サーモメカニカルパルプ化のバリエーションである。この場合、チップを予め加圧下で加熱し、常圧で精製を行う。TMP及びTRMPパルプは、SFW又はRMPパルプよりも強度が高い。
【0012】
第3のパルプ化の方法は、化学及び機械パルプ化法の組み合わせである。2種類を組み合わせた処理としては、化学機械パルプ化及びセミメカニカルパルプ化がある。化学機械パルプ化(CMP)及びセミケミカルメカニカルパルプ化(SCMP)に相違点はほとんどない。両方の処理とも、薬品によるチップの前処理及びその後の機械精製を含む。この処理には、4種類の化学処理剤が関係する。化学処理剤としては、水酸化ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酸又はその塩の亜硫酸処理剤が挙げられる。これらの処理は一般的に広葉樹に用いられる。化学処理によって、機械的にパルプ化された針葉樹と同じように繊維が裂け、繊維構造が弱くなる。
【0013】
ケミサーモメカニカルパルプ化(CTMP)は、全ての機械パルプ化法が発展したもののようにみえる。CTMPは、蒸解温度を上げて化学処理を行った後に機械精製を行う。この処理においては、亜硫酸ナトリウムの濃度、pH、温度などの処理条件によって、特性の全く異なる繊維状の原料を生産することができる。
【0014】
全てのパルプにおいて、「パルプの白色度」は、サンプルが単色光(457nm)を反射する能力を測定し、酸化マグネシウム(MgO)を用いた既知の標準と比較して求める。セルロース及びヘミセルロースは白色であるため、パルプの発色に寄与しない。一般的に、パルプ化後にパルプに残留したリグニンがパルプの色に寄与していると考えられている。このような未漂白のパルプの外観は、茶色の食料雑貨入れの袋に似た色を有している。発色団は、酸化機構により、リグニンのフェノール基から形成されるキノンのような材料である考えられている。更に、重金属イオン、特に鉄及び銅が、フェノール基を有する有色の錯体を形成することもある。
【0015】
一般的に、脱色には2種類のアプローチがある。第1は、機械パルプに典型的に用いられる処理であるが、所定の薬品を用いて発色団を破壊する。但し、リグニンは破壊しない。別のアプローチは、化学パルプに典型的に用いられる処理であるが、漂白法を用いてリグニンの残渣を除去する。パルプの漂白は、パルプを脱色する方法として標準的な方法である。昨今の技術では、全ての化学パルプ及び機械パルプが漂白される。
【0016】
化学パルプにおいては、通常、パルプの漂白及びその後のパルプの脱リグニンが、いくつかの化学的段階で行われる。各段階をアルファベットの記号で示す。ここで、全てのパルプが漂白されるが、化学パルプのみにおいて酸素処理で脱リグニンが行われる。
【0017】
下記の表は、典型的な化学漂白処理において最も一般的な段階を簡潔に説明するものである。尚、表に記載された段階は必ずしもここで実施されている順序通りでなくてもよい。例えば、酸素脱リグニンは、酸素脱リグニンによってパルプが黄色がかった色になるため、通常、工程における最後の段階にはならない。そのため、酸素脱リグニンの後には、所定の段階の漂白を行う。
【0018】
【表1】

【0019】
89〜91%MgOの「完全に漂白された(full bleach)」白色度を得るまでには、5又は6段階が必要である。最も一般的な段階の順序はCEDED、CEHDED及びOCEDEDである。65%MgOの白色度は、より少ない段階数で得られる。通常はCEHである。その中間の白色度は、CED、CEHH、CEHD又はCEHPによって得られる。パルプの漂白において白色度を向上させること、及び、化学(クラフト)パルプについては更に酸素脱リグニンにおいて選択的な脱リグインを向上させることが、パルプ及び製紙業においては重要である。白色度の向上は機械パルプにおいても有用である。
【0020】
当然のことながら、パルプの漂白における技術的な側面以外に環境問題がある。環境問題は、代替処理剤が支持されて塩素化がほぼ完全に排除されるほど、影響を及ぼしている。
【0021】
昨今のパルプ及び製紙工場においては、機械パルプで酸素脱リグニンを行わない。
【0022】
近年、過酸化水素が機械パルプの主要な漂白剤である。ヒドロ亜硫酸ナトリウムも漂白に用いられる。遷移金属イオンが触媒となる非生産性の副反応によって、過酸化水素及びハイドロサルファイトは処理中に徐々に分解することが知られている。したがって、キレート化を通じた金属の調整が白色度の向上の鍵を握ると考えられている。
【0023】
適切な結果を得るためには、数種類の助剤薬品が必要である。これらの助剤薬品には、安定性及びキレート化のためのケイ酸ナトリウム、アルカリ化のための水酸化ナトリウム、遷移金属の調整のためのエチレンジアミン四酢酸又はその公知の塩(EDTA)及びジエチレントリアミンペンタ酢酸又はその公知の塩(DTPA)等のキレート剤、及びセルロースの安定性のための硫酸マグネシウムが含まれる。各薬品を添加することによって、漂白方法のコストが増加する。漂白用薬品の大きい負担によって、抄紙の下流工程でしばしば問題が生じる。
【0024】
パルプ及び製紙業においてキレート剤を用いる利点は知られているが、過酸化物による漂白に用いられる公知のキレート剤は、
(1)目的の遷移金属イオンについて選択的である(例えば、マンガンは除去するが鉄は除去しない、逆もまた同様)。
(2)顕著な効果が現れるまで大量に使用しなければならない。
(3)処理中に形成された錯体を洗浄する必要がある。
【0025】
酸素脱リグニンにおける選択性は、脱リグニンの変化(κ数(kappa number)は除去したリグニンを表す;より小さいことが好ましい)を粘度の変化(炭水化物の解重合を表す;より大きいことが好ましい)で除した比として定義される。近年、酸素脱リグニンの選択性を向上させるために一般的に用いられる薬品は、硫酸マグネシウムである。硫酸マグネシウムは脱リグニンに影響を与えないが、パルプの粘度を維持する作用を与える。DTPA及びEDTAなどの従来のキレート剤もこの目的に用いられるが、これらのいずれもκ数に影響を与えると報告されていない。したがって、近年、酸素脱リグニンにおいてリグニンの除去に顕著な改善を示す公知の添加剤はない。
【0026】
特願平4−114853号には、特定の水溶性重合体を用いる木材パルプの漂白前処理方法が開示されている。望ましい目標は、毒性のほとんどない安価な前処理剤で木材パルプを漂白前処理することである。それによって、続く漂白段階において、木材パルプをかなり高い程度まで漂白することができる。特願平4−114853号が推奨するポリマー量は、「絶乾」パルプに対して0.04〜0.8wt%である。
【0027】
米国特許第6,702,921号は2004年3月9日に登録され、発明の名称はパルプの漂白及び脱リングニンを促進する方法である。米国特許第6,702,921号の明細書及び特許請求の範囲には、蒸解装置で木材チップを蒸解して(化学パルプ)又は機械的研削技術を用いて研削木材チップを研削して(機械パルプ)、未漂白のパルプを作製する工程、続く、該パルプを漂白する工程、及び任意で該パルプを加圧下で酸素脱リグニンする(化学パルプのみ)工程を含む化学又は機械パルプの製造方法であって、漂白前又は最中、又は任意でパルプの酸素脱リグニンの前に、約0.002wt%〜約0.02wt%の有機硫化物キレート剤を用いてパルプを処理することを特徴とする製造方法が記載されている。
【0028】
機械又は化学パルプの漂白中に白色度の向上が可能な追加する又は替わりの化合物を明らかにすることが望まれている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の第1形態は、
蒸解装置で木材チップを蒸解して未漂白パルプを作製する工程、及び、その後漂白剤として過酸化物を用いて該パルプを漂白する工程を含む化学パルプの製造方法であって、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む混合液、約0.01wt%〜約5wt%で該パルプを処理する工程を含み、該混合液が漂白前又は漂白中に添加されることを特徴とする化学パルプの製造方法である。
【0030】
本発明の第2形態は、
木材を磨砕又は精製して未漂白パルプを作製する工程、及び、その後漂白剤として過酸化物又はハイドロサルファイトを用いて該パルプを漂白する工程を含む機械パルプの製造方法であって、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む混合液、約0.01wt%〜約5wt%で該パルプを処理する工程を含み、該混合液が漂白前又は漂白中に添加されることを改良の特徴とする機械パルプの製造方法である。
【0031】
本発明の第3形態は、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む組成物である。
【本発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本願において、以下の用語は次のように記載する意味を有する。
「アルドリッチ」は、アルドリッチ社(Aldrich;住所:P. O. Box 2060, Milwaukee, WI 53201、アメリカ合衆国)を意味する。
AMPは、アミノトリス(メチレンホスホン酸)又はその公知の塩を意味する。
CAS登録番号は、ケミカルアブストラクトサービスの登録番号である。
CMPは、化学機械パルプ化を意味する。
【0033】
【数1】

【0034】
この濃度の定義は、タッピ(Tappi)が推奨する工程(T240om−93)に基づく。本願において、濃度は10進数又は同等の百分率のいずれかで表示されている。
【0035】
CTMPは、ケミサーモメカニカルパルプ化を意味する。
DTPAは、ジエチレントリアミンペンタ酢酸又はその公知の塩を意味する。
DTMPAは、ジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩を意味する。
EDTAは、エチレンジアミン四酢酸又はその公知の塩を意味する。
MgOは、酸化マグネシウムを意味する。
ナルコは、ナルコカンパニー社(Nalco Company;住所:1601 W. Diehl Road, Naperville, IL 60563、アメリカ合衆国;電話番号:(630)305-1000)を意味する。
PAは、ポリアクリル酸又はその公知の塩を意味する。
PGWは、加圧式砕木パルプを意味する。
RMPは、リファイナーによる機械パルプを意味する。
SCMPは、セミケミカルメカニカルパルプ化を意味する。
SGWは、砕木機による砕木パルプを意味する。
TMPは、サーモメカニカルパルプ化を意味する。
TRMPは、サーモリファイナーメカニカルパルプ化を意味する。
wt%は、乾燥パルプの重量当たりの活性材料の重量を意味する。
【0036】
本発明の第1形態は、
蒸解装置で木材チップを蒸解して未漂白パルプを作製する工程、及び、その後漂白剤として過酸化物を用いて該パルプを漂白する工程を含む化学パルプの製造方法であって、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む混合液、約0.01wt%〜約5wt%で該パルプを処理する工程を含み、該混合液が漂白前又は漂白中に添加されることを改良の特徴とする化学パルプの製造方法である。
【0037】
ジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸(「DTMPA」)は、公知のキレート剤であって、現在機械パルプ及び化学パルプの生産のいずれにおいても、白色度の向上に用いられている。本発明で発見されたことは、DTMPAとポリアクリル酸の間に相乗作用があり、混合液のpHの調整に用いられる塩基によってDTMPAの一部がポリアクリル酸に置き換えられ、その結果、DTMPA自身が機能するだけでなく、混合液も機能できることである。ポリアクリル酸はDTMPAよりも著しく安価であるため、これは非常に意味のある発見である。
【0038】
DTMPAは当業者にとって公知であり、公知の化学供給会社から入手可能である。本発明の混合液に用いるDTMPAの好ましい塩としては、水酸化ナトリウム等のナトリウム系が用いられている場合にはナトリウム塩、及び、水酸化カリウム等のカリウム系が用いられている場合にはカリウム塩が挙げられる。
【0039】
ポリアクリル酸は、公知の化学物質であり、公知の化学物質卸売業者から入手可能である。ポリアクリル酸の好ましい塩としては、水酸化ナトリウム等のナトリウム系が用いられている場合にはポリアクリル酸ナトリウム、及び、水酸化カリウム等のカリウム系が用いられている場合にはポリアクリル酸カリウムが挙げられる。
【0040】
本発明の混合物を調製する1つの方法としては次のものが挙げられる:DTMPA(55.9%、47%のDTMPAを含む原料)、ポリアクリル酸又はその公知の塩(24.5%、46%のポリアクリル酸又はその公知の塩を含む原料)、及び、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウムなど商業的に入手可能な塩基を混合する。好ましい塩基は水酸化ナトリウム(19.6%、50%のNaOHを含む原料)である。
【0041】
その結果、生成物はやや酸性よりの水系混合液であって、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む。
【0042】
前記混合液の好ましい処方は、
a)約50wt%の水;
b)約29wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約14wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約7wt%の1以上の不活性化合物
を含む。
【0043】
前記混合液は、化学の当業者によって説明されている方法で調製することができる。
【0044】
水酸化ナトリウムを塩基として用いた場合には、不活性化合物は典型的には塩化ナトリイウム、硫酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムアンモニウムからなる群より選択される。水酸化カリウムを塩基として用いた場合には、不活性化合物は典型的には塩化カリウム、硫酸カリウム及び硫酸カリウムアンモニウムからなる群より選択される。
【0045】
前記混合液の調製においては、ハイドロスルファイトによる漂白は、やや酸性のpHで行うことに注意が必要である。過酸化物による漂白は、強アルカリの環境で行うことが知られている。したがって、前記混合液にとって好ましい選択肢は、混合液が用いられるパルプにおいて該混合液ができる限り中性に近づくように充分な塩基を用いることである。pHが低すぎたり高すぎたりすると、漂白液のpHに影響を与え、白色度を低減する。
【0046】
中性生成物は、生成物自身がパルプ化工程で用いられる金属機器の腐食を引き起こす又は寄与する可能性を低減するために好ましい。
【0047】
前記混合液に含まれる不活性化合物は、典型的には塩及び硫酸塩であり、元々のDTMPA又はその公知の塩に少量に、ポリアクリル酸及びその公知の塩、又は、用いられる塩基に存在する。例えば、水酸化ナトリウムが塩基として用いられている場合には、典型的には、不活性材料として、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及び硫酸アンモニウムが挙げられる。前記混合液に存在する不活性化合物は、本願の混合液の活性には寄与しない。
【0048】
化学パルプに前記混合液を添加した場合には、パルプに添加する薬品に他に何も変更がないとすれば、パルプの白色度を維持する又はやや増進するように作用すること、又は、典型的に用いられる他の薬品の量を減らした時に、該混合液をパルプの白色度を維持するために用いることができることが分かった。
【0049】
前記混合液は、化学パルプ又は化学及び機械パルプの混合を含む古紙パルプにおいて白色度の増進又は維持にも作用する。
【0050】
本発明の混合液を化学パルプに添加することによるその他の利点としては、過酸化水素などの漂白薬品の量を混合液に置き換えることができることである。いくつかの漂白薬品を前記混合液で置き換えることによって、パルプ会社及び製紙会社は、所望の化学パルプの白色度を達成しながら、生産コストを削減することができる。
【0051】
本発明の混合液を化学パルプに添加することによるその他の利点としては、該混合液の使用によって、より少量でマグネシウムと同様の粘度の向上が可能であるため、該混合液を化学パルプに添加する時に化学パルプに添加するマグネシウムの量を削減できることである。これによって、マグネシウムは白色度に不利な作用を有するが、該混合液は白色度を向上させるという別の有益な効果がある。数種のマグネシウムを前記混合液に置き換えることによって、パルプ会社及び製紙会社は、所望の化学パルプの白色度を達成しながら、生産コストを削減し、マグネシウムの総含有量を低減することができる。
【0052】
ある種の化学パルプにおいて、及び、常に任意の工程として、ある状況においては、全漂白工程の前又はその最中に化学パルプに対して加圧酸素脱リグニンを行うことができる。加圧酸素脱リグニンは、水酸化ナトリウムを含む溶液及び加圧酸素を用いて行われる。この好ましい実施形態においては、有機リン酸及び/又は界面活性剤などの添加剤を含む溶液が好ましい。
【0053】
脱リグニンは、「リグニン除去(lignin removal)」としても知られており、パルプのκ数で表される。パルプのκ数は、TAPPI法T236om−99に規定された条件下で1gの絶対乾燥のパルプが消費する0.1Nの過マンガン酸カリウム溶液の体積であり、通常mlで表される。κ数はパルプに残留するリグニンの量に比例する。パルプの粘度は、TAPPI法T23om−99による毛細管粘度計を用いた方法によって決定することができる。
【0054】
前記混合液を加圧酸素脱リグニンの前に化学パルプに添加すると、脱リグニンが促進されることが分かった。白色度の向上に有用な前記混合物は、酸素脱リグニンの促進にも有用である。相対的に言って、白色度の向上に用いられる量と同量の混合液が酸素脱リグニンの促進に用いられる。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、前記混合液中のDTMPAの量は、DTMMPAのみを用いた場合の白色度と同じ白色度を発揮する量であることが好ましい。
【0056】
前記混合液は、化学パルプを漂白するEOP段階を含む過酸化物においても、機械パルプを漂白する過酸化物及びハイドロサルファイトにおいても、効果的に作用することが分かった。上述したように、前記混合液は、酸素脱リグニンの促進にも用いることができる。
【0057】
最大の効果を得るために、前記混合液は、前処理において又は直接漂白液に加えることが望ましい。該混合液の添加量は、パルプの約0.01wt%〜約5wt%である。該混合液の好ましい量は、約0.10wt%〜約1wt%である。該混合液の最も好ましい量は約0.20wt%である。
【0058】
本発明の好ましい実施形態は、前記混合液に最小限量のDTMPAを用いながらも、同様又は許容範囲にあるパルプの白色度を達成することである。上述したように、パルプによっては、前記混合液を用いることによって、パルプに用いる他の添加剤の量及び種類を変えない場合に、化学パルプの白色度を増加することができる。
【0059】
本発明の第2形態は、木材を磨砕又は精製して未漂白パルプを作製する工程、及び、その後漂白剤として過酸化物又はハイドロサルファイトを用いて該パルプを漂白する工程を含む機械パルプの製造方法であって、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む混合液、約0.01wt%〜約5wt%で該パルプを処理する工程を含み、該混合液が漂白前又は漂白中に添加されることを改良の特徴とする機械パルプの製造方法である。
【0060】
機械パルプは、SGW及びPFWパルプ、RMP、TMP及びTRMPからなる群より選択することができる。
【0061】
本発明の第2形態において用いる好適な混合液は、本発明の第1形態で用いられるものと同じである。
【0062】
前記混合液は、最大の効果を得るために、前処理において又は直接漂白液に加えることが望ましい。該混合液の添加量は、パルプの約0.01wt%〜約5wt%である。該混合液の好ましい量は、約0.10wt%〜約1wt%である。該混合液の最も好ましい量は約0.20wt%である。
【0063】
本発明の好ましい実施形態は、前記混合液に最小限量のDTMPAを用いながらも、同様又は許容範囲にあるパルプの白色度を達成することである。上述したように、パルプによっては、前記混合液を用いることによって、パルプに用いる他の添加剤の量及び種類を変えない場合に、機械パルプの白色度を増加することができる。
【0064】
機械パルプに前記混合液を添加した場合には、パルプに添加する薬品に他に何も変更がないとすれば、パルプの白色度を維持する又はやや増進するように作用すること、又は、典型的に用いられる他の薬品の量を減らした時に、該混合液をパルプの白色度を維持するために用いることができることが分かった。
【0065】
前記混合液は、古紙パルプにおける白色度の増進又は維持にも作用する。古紙パルプは、機械パルプ又は化学及び機械パルプの混合を含む。
【0066】
本発明の混合液を機械パルプに添加することによるその他の利点としては、漂白薬品の量を低減することができることである。すなわち、必要であれば、機械パルプの漂白に用いられる過酸化水素及びハイドロサルファイトなどの高価な漂白薬品の少なくともいくつかを前記混合液で置き換えることができる。過酸化水素及びハイドロサルファイトなどの高価な漂白薬品のいくつかを前記混合液で置き換えることによって、パルプ会社及び製紙会社は、許容範囲にある機械パルプの白色度を達成しながら、生産コストを削減することができる。
【0067】
本発明の混合液を機械パルプに添加することによるその他の利点としては、EDTAなどの他のキレート化合物の量を低減することができることである。いくつかのEDTAを前記混合液で置き換えることによって、パルプ会社及び製紙会社は、許容範囲の機械パルプの白色度を達成しながら、生産コストを削減し、EDTAの総含有量を低減することができる。
【0068】
前記混合液は、パルプ中のケイ酸ナトリウムの総含有量が低減された機械パルプに添加した場合においても作用する。ケイ酸ナトリウムの総含有量が低減された機械パルプにおいても、該混合液の使用によって、機械パルプの所望の白色度を達成することができる。
【0069】
前記混合液は、パルプ中のケイ酸ナトリウム及び過酸化物の総含有量が低減された機械パルプに添加した場合においても作用する。ケイ酸ナトリウム及び過酸化物の総含有量が低減された機械パルプにおいても、該混合液の使用によって、機械パルプの所望の白色度を達成することができる。
【0070】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明した。明らかな改良及び変更は、他の者が上記詳細な説明を参照及び理解した時に生じるものである。そのような改良や変更又はその均等物は、特許請求の範囲に記載の範囲から外れない限り、本発明に含まれると解釈されるものとする。
【実施例】
【0071】
実施例において、頭文字語「EXAMDTMPA」は、47%DTMPAが混合された水溶液を意味し、頭文字語「EXAMPAA」は、46%アクリル酸の水溶液を意味する。各実施例において、充分な塩基が添加され、試験に用いる前記混合液にとって適切なpHに達していた。該塩基は、水酸化ナトリムであり、50%NaOH水溶液であった。実施例における百分率は乾燥パルプのwt%に基づく。白色度はパルプの白さを表し、次の基準を有する。0%からは完全な黒色を意味する。100%まではMgO基準に比例し、完全白色度はca.96%である。パルプで作製された紙における青色光(457mm)の反射率に依る。
【0072】
各実施例において、比較製品Aは、DTPA及び不特定のホスホン酸塩である。
頭文字語「PREFMIX」は、次の組成を有する混合液を意味する:
a)約50wt%の水;
b)約29wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)ナトリウム;
c)約14wt%のポリアクリル酸;
d)約7wt%の1以上の不活性化合物であって、該不活性化合物は塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムアンモニウム及び硫酸ナトリウムである。
【0073】
実施例における漂白条件
過酸化物による漂白
テスト1. パルプ:パルプミルブルー、TMP、4.5%。漂白:70℃、1時間、濃度10%、2%NaOH、2.5%H
テスト2. パルプ:パルプミルレッド、PGW、8.2%。漂白:70℃、1時間、濃度10%、1.5%NaOH、2.0%H
テスト3. パルプ:パルプミルグリーン、TMP29.7%。濃度調整に脱イオン水を使用した。漂白:65℃、1時間、濃度10%、1.5%NaOH、2%H
テスト4. パルプ:パルプミルオレンジ、PGW、7.9%。前処理(試料1〜5のみ):15分、50℃、濃度2%、水道水。漂白:70℃、1時間、濃度10%、2%NaOH、2.5%H
【0074】
ハイドロサルファイトによる漂白
テスト1. パルプ:パルプミルパープル、cTMP、10.3%。漂白:75℃、1.5時間、瓶、窒素下、濃度5%、1%ヒドロ亜硫酸ナトリウム。
テスト2. パルプ:パルプミルイエロー、cTMP、10.3%。ミルの白水を加えて濃度を4%とした。漂白:60℃、30分、瓶、窒素下、濃度4%、1%ヒドロ亜硫酸ナトリウム。
【0075】
OP処理、過酸化物段階
テスト1. パルプ:パルプミルブラウン、クラフト広葉樹パルプ(アスペン)、35.7%。漂白:85℃、1.5時間、濃度10%、1.3%NaOH、0.1%MgSO、0.4%又は1%H。濃度調整にミルの水を使用した。
テスト2. パルプ:パルプミルブラウン、クラフト広葉樹パルプ(カエデ)、34.5%。漂白:85℃、1.5時間、濃度10%、1.3%NaOH、0.1%MgSO、0.4%又は1%H。濃度調整にミルの水を使用した。
テスト3. パルプ:パルプミルライムグリーン、クラフト16.3%。濃度調整に脱イオン水を使用した。漂白:75℃、1時間15分、濃度10%、1.8%NaOH、0.75%H
【0076】
実施例I. EXAMDTMPA/EXAMPAの混合の異なる組成比における性能
以下の試験結果において、行に付されたアスタリスク*記号は、その行の作業は比較例であり、本発明の実施例ではないことを意味する。「調整(Control)」は、パルプ中に各種漂白として上述した漂白薬剤以外に薬品が存在しないことを意味する。
【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【0080】
実施例II. PREFMIXの性能
【0081】
【表5】

【0082】
【表6】

【0083】
【表7】

【0084】
【表8】

【0085】
【表9】

【0086】
【表10】

【0087】
比較例
【0088】
実施例III.パルプに添加する他の薬品の低減
前記混合液をPREFMIXの状態で添加することによって、ミルにおいて白色度の増進という結果を得られるだけでなく、更に、ケイ酸の削減(下流における問題の低減、費用削減)及び過酸化水素の削減(費用削減)などが可能である。
【0089】
【表11】

【0090】
【表12】

【0091】
【表13】

【0092】
【表14】

【0093】
【表15】

【0094】
【表16】

【0095】
上記においては好ましい又は実例となる実施形態を以て本発明を説明しているが、これらの実施形態によって本発明を網羅する又は限定するものではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲に規定するその思想及び範囲に含まれる全ての代替物、改良物及び均等物に及ぶものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸解装置で木材チップを蒸解して未漂白パルプを作製する工程、及び、その後漂白剤として過酸化物を用いて該パルプを漂白する工程を含む化学パルプの製造方法であって、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む混合液、約0.01wt%〜約5wt%で該パルプを処理する工程を含み、該混合液が漂白前又は漂白中に添加されることを改良の特徴とする化学パルプの製造方法。
【請求項2】
前記パルプが再生パルプであり、該再生パルプが、化学パルプ、機械パルプ、又は、化学パルプと機械パルプの混合を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パルプに含まれる過酸化物の総量を減量しながら、前記パルプを所望の白色度とすることができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パルプの白色度が増加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記改良において実現されることが、酸素脱リグニンの改良であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パルプに含まれるマグネシウムの総量を減量しながら、前記パルプを所望の白色度とすることができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パルプに含まれるマグネシウムの総量を減量しながら、前記パルプを所望の粘度とすることができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
木材を磨砕又は精製して未漂白パルプを作製する工程、及び、その後漂白剤として過酸化物又はハイドロサルファイトを用いて該パルプを漂白する工程を含む機械パルプの製造方法であって、
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む混合液、約0.01wt%〜約5wt%で該パルプを処理する工程を含み、該混合液が漂白前又は漂白中に添加されることを改良の特徴とする機械パルプの製造方法。
【請求項9】
前記パルプが再生パルプであり、該再生パルプが、化学パルプ、機械パルプ、又は、化学パルプと機械パルプの混合を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パルプに含まれるケイ酸ナトリウムの総量を減量しながら、前記パルプを所望の白色度とすることができることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パルプに含まれるエチレンジアミン四酢酸又はその公知の塩の総量を減量しながら、前記パルプを所望の白色度とすることができることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記パルプに含まれる過酸化物又はハイドロサルファイトの総量を減量しながら、前記パルプを所望の白色度とすることができることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記パルプに含まれるケイ酸ナトリウム及び過酸化物の総量を減量しながら、前記パルプを所望の白色度とすることができることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
a)約40wt%〜約60wt%の水;
b)約20wt%〜約95wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約5wt%〜約50wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び任意で
d)約1wt%〜約20wt%の1以上の不活性化合物
を含む組成物。
【請求項15】
a)約50wt%の水;
b)約29wt%のジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩;
c)約14wt%のポリアクリル酸又はその公知の塩;及び
d)約7wt%の1以上の不活性化合物
を含むことを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記ジエチレントリアミンペンタキス(メチル)ホスホン酸又はその公知の塩が、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレン)ホスホン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記ポリアクリル酸又はその公知の塩が、ポリアクリル酸ナトリウムであることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記約7wt%の1以上の不活性化合物が、硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウムアンモニウム及び塩化ナトリウムからなる群より選択される不活性化合物であり、約4.5wt%の塩化ナトリウム、約0.25wt%の硫酸ナトリウムアンモニウム及び約2.25wt%の硫酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求項14に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−530818(P2007−530818A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506177(P2007−506177)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/006143
【国際公開番号】WO2005/103135
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(503270032)ナルコ カンパニー (22)
【氏名又は名称原語表記】NALCO COMPANY
【住所又は居所原語表記】1601 W.Diehl Road,Naperville,IL 60563−1198,United States of America
【Fターム(参考)】