説明

パレタイザ

【課題】コスト低下が図れるとともに、装置の設置スペースも縮小可能なパレタイザを提供する。
【解決手段】パレット群をパレットコンベア16の受け取り位置aまで下降させ、最下段のパレットのみを分離し、搬送路Aを傾けて最下段のパレットのみを受け取り位置aから受け渡し位置bまで自重滑走させ、受け渡し位置bのパレットをポップアップ部材35によりパレット保持位置cに持ち上げるまでの全ての作動を、リフタ14に設けられた1台の油圧シリンダ13により行う。よって、複数の駆動源を必要とした従来のパレタイザよりも装置が簡素化し、小型となる。その結果、コスト低下が図れるとともに装置の設置スペースも縮小できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パレタイザ、詳しくは例えば機械の組み立て工場などにおいて、機械の部品を収納したパレットをパレット格納部に段積みし、段積みされたパレット群から最下段のパレットのみを分離し、その後、分離されたパレットを、パレットから作業者が部品を取り出し易い高さのパレット保持位置まで自動的に持ち上げるパレタイザに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパレタイザとして、例えば特許文献1が知られている。
特許文献1は、複数のパレットを、段積みされたパレット群として格納するパレット格納部と、パレット群を昇降させるリフタと、このリフタの内側に設けられ、垂直案内部および傾斜案内部が上下に配置されたカム部品と、カム部品の下方に離間して配置され、パレットの移動を規制する移動規制部品と、パレットの上昇を許容する解放位置と所要段目のパレットを側方からクランプするクランプ位置との間で回動可能な係合爪と、カム部品の傾斜案内部と移動規制部品とにより操作されて係合爪の回動を制御する制御リンクと、パレット格納部の下方に配置され、制御リンクの操作によりパレット群から分離された最下段のパレットのみを、リフタにより降下させて搬送路の受け取り位置で受け、その後、搬送路上のパレットを、搬送路のうち、受け取り位置よりパレット搬出側に配置された受け渡し位置まで強制的に搬出する油圧シリンダと、受け渡し位置に達したパレットを所定の高さ位置まで持ち上げる別のリフタとを備えている。
【0003】
この特許文献1にあっては、まず、リフタに設けられたカム部品の傾斜案内部と移動規制部品とにより、制御リンクを閉位置または開位置へ回動させる。制御リンクの回動に伴い、係合爪が、パレットの上昇を許容する解放位置と、所定のパレットの側部に係合するクランプ位置との間で回動する。これにより、例えば2段目のパレットが係合爪によりクランプされ、最下段のパレットがパレット群から分離される。分離後の最下段のパレットは、リフタによる下降により搬送路の受け取り位置に載置され、その後、油圧シリンダにより受け渡し位置まで強制的に搬出される。ここで、受け渡し位置に達したパレットは、別のリフタにより所定の高さ位置まで持ち上げられる。
このように、特許文献1は、例えば搬送路の受け取り位置に載置されたパレット群から、油圧シリンダ付きの水平押し出し機構により、最下段のパレットをだるま落とし式に側方に押し出して分離する場合に比べて、その分離時のパレットの落下に伴う衝撃および衝撃音を解消することができる。
【特許文献1】特開平5−4720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1によれば、その装置構成上、搬送路の受け取り位置から受け渡し位置まで、最下段のパレットを強制的に搬出する油圧シリンダを必要としていた。また、受け渡し位置に達したパレットを所定の高さ位置まで持ち上げる別のリフタも備えなければならなかった。
これにより、装置構成が複雑化し、また装置が大型化してコスト高を招くとともに、設置スペースが大きくなっていた。
【0005】
この発明は、従来のパレタイザに比べて、装置構成が簡単でかつ装置の大きさもコンパクトで、その結果、コスト低下が図れるとともに、装置の設置スペースも縮小することができるパレタイザを提供することを目的としている。
この発明は、両掛止爪を所定タイミングで駆動源により自動回動させる専用の爪回動機構を不要とすることができるパレタイザを提供することを目的としている。
この発明は、移動手段を駆動源により自動傾倒させる専用のコンベア傾倒機構を不要とすることができるパレタイザを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、昇降駆動部を有し、複数のパレットを段積み状態のパレット群として前記昇降駆動部により昇降させるリフタと、前記パレット群の昇降に伴って、前記パレット群から最下段のパレットのみを分離する分離手段と、前記リフタの下方に配置され、分離された最下段のパレットを搬送路の受け取り位置で受けた後、該搬送路のうち、前記受け取り位置よりパレット搬出側の受け渡し位置まで移動させる移動手段と、前記リフタに設けられ、前記受け渡し位置に達したパレットを、前記昇降駆動部を駆動源として、前記受け渡し位置より上方のパレット保持位置まで前記パレット群の上昇に伴って上昇させるポップアップ部材とを備えたパレタイザである。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、パレット群をリフタにより移動手段の受け取り位置まで下降させるとともに、分離手段によりパレット群から最下段のパレットのみを分離する。分離された最下段のパレットは、搬送路の受け取り位置に到達後、移動手段により受け渡し位置まで移動される。次に、パレット群の上昇に伴い、受け渡し位置に達したパレットがポップアップ部材により支持され、パレット保持位置まで持ち上げられる。
これら全ての作動は、リフタに設けられた昇降駆動部により行われる。そのため、受け渡し位置に達したパレットを所定の高さ位置まで持ち上げる別のリフタを必要とした従来のパレタイザに比べて、装置構成が簡素化するとともに装置も小型化する。その結果、コスト低下が図れるとともに、装置の設置スペースも縮小することができる。
【0008】
パレットの素材としては、各種の合成樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ウレタン樹脂、PEEK、ポリ塩化ビニルなど)、各種の金属(鉄、鋼、アルミニウム、銅、青銅、黄銅など)、各種のセラミックス(石英、シリカ、ガラスなど)、各種の木(杉、松、檜、樫、桐など)を採用することができる。
パレットの形状としては、例えば平面視して、矩形状、円形状、楕円形状などを採用することができる。その他、任意の形状のものでもよい。
パレット群を構成するパレットの数は、2つまたは3つ以上でもよい。
パレットの段積み状態とは、2つ以上のパレットを、それぞれの開口部を上に向けて重ね合わせた状態をいう。各パレットは、同一形状で同一大きさのものが段積みし易い。
パレット格納部の形状としては、例えば箱形、門形などを採用することができる。
昇降駆動部としては、例えば油圧シリンダ、油圧モータ、電動シリンダ、電動モータなどを採用することができる。
【0009】
リフタによるパレット群の昇降機構としては、例えばシリンダ機構、ねじ送り機構、スライダ・クランク機構、四節機構、パンタグラフ機構、カム機構、ラチェット機構、鎖伝動機構などを採用することができる。
分離手段としては、パレット群から、最下段のパレットのみを2段目以降のパレットから分離することができるものであれば限定されない。最下段のパレットのみを分離する機構としては、例えば、掛止爪を利用したものなどを採用することができる。
移動手段としては、例えばベルトコンベア、ローラコンベア、チェーンコンベアなどを採用することができる。これらのコンベアは、駆動部を有するものでもよいし、駆動部を有しないもの(例えば、パレットの自重で搬送路を滑走する構造を有したもの)でもよい。
【0010】
移動手段におけるパレットの受け取り位置は限定されないが、パレット格納部の直下またはその近傍とした方が装置構成が容易である。パレットの受け渡し位置は、パレタイザ内でもよいし、その外でもよい。
コンベア傾倒手段の構成は、昇降駆動部により移動手段を傾倒させるものであれば限定されない。
移動手段の傾倒は、コンベアのヘッド側を下げてもよいし、コンベアのテール側を上げてもよい。または、コンベアのヘッド側を下げるとともに、コンベアのテール側を上げてもよい。
ポップアップ部材の形状、大きさおよび使用個数は、受け渡し位置でパレットを支持し、その状態のまま、パレットを上昇可能であれば限定されない。例えば、パレットの底板の全体または一部を下方から支持する受け皿形状のものでもよいし、パレットを一側方から片持ち状態で掛止したり、両側方から掛止する掛止爪形状のものでもよい。ポップアップ部材は1つでもよいし、複数でもよい。
受け渡し位置は、パレット保持位置より上方であれば限定されない。具体的には、作業者がパレット内の収納物を取り扱い易い位置などである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記リフタは、最下段のパレットのみを掛止可能で、かつ前記昇降駆動部により昇降される掛止爪を有し、前記分離手段は、前記パレット群の移動手段への受け渡し直後、前記掛止爪による最下段のパレットの掛止状態を解除する爪掛止解除部材と、前記リフタによって上昇中の前記掛止爪が、前記受け取り位置に配された最下段のパレットを通過した直後に、2段目のパレットを最下段のパレットとし、前記掛止爪により掛止する爪掛止部材とを有した請求項1に記載のパレタイザである。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、最下段のパレットに掛止爪を掛止し、この状態のまま、昇降駆動部により掛止爪を昇降させることで、パレット群が昇降する。
また、最下段のパレットの分離は、パレット群が移動手段への受け取り位置に達した直後、爪掛止解除部材により、掛止爪による最下段のパレットの掛止状態を解除することで行われる。
さらに、最下段のパレットを分離してからのパレット群の上昇(持ち上げ)は、リフタにより上昇中の掛止爪が、受け取り位置の最下段のパレットを通過した直後、2段目のパレットを最下段のパレットとし、これを掛止爪により掛止することで行われる。
【0013】
ここで、上昇中の掛止爪が、受け取り位置に配された最下段のパレットを通過した直後、2段目のパレットを最下段のパレットとし、掛止爪により掛止するとは、以下のことを意味する。すなわち、パレット群は、掛止爪により最下段のパレットが掛止されたまま下降し、これが搬送路の受け取り位置に達した時、パレット群は移動手段上に載置される。その後、掛止爪は、パレットから掛止が解除される高さ位置までさらに下降し、ここで掛止爪によるパレット群の掛止状態が解除される。次に、掛止爪が搬送路上の最下段のパレットを通過した直後、掛止爪がパレット掛止位置まで移動し、この状態のまま、掛止爪が上昇し続けることで2段目のパレットが掛止される。上述した2段目のパレットを最下段のパレットとして掛止するとは、このような一連の動作に基づき、2段目のパレットを掛止することをいう。
その後、リフタによる掛止爪の上昇を継続させることで、最下段のパレットが受け取り位置に残った状態で、2段目のパレットを最下段とするパレット群が持ち上げられる。
【0014】
両掛止爪としては、パレットに対する掛止位置とその掛止解除位置との間で、自重により移動、または各種の駆動部(例えば油圧シリンダ、電動シリンダ、電動モータなど)により移動可能なものを採用することができる。
掛止爪の移動としては、回動、直線的な移動または曲線的な移動などを採用することができる。
爪掛止部材としては、例えば、自重または前記各種の駆動部により、掛止爪をパレットに対する掛止位置まで移動可能なものを採用することができる。
爪掛止解除部材としては、例えば、自重または前記各種の駆動部により、掛止爪をパレットに対する掛止解除位置まで移動可能なものを採用することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、各パレットの上端の開口部にはフランジが形成され、前記リフタはパレット格納部に設けられ、該パレット格納部は、長さ方向を垂直に向けて離間した1対の側枠部の上端同士を、長さ方向が水平な上枠部により連結した門形の固定枠を有し、前記リフタは、長さ方向を垂直に向けて離間した1対の昇降用側枠部の上端同士を、長さ方向が水平な昇降用上枠部により連結した門形の昇降枠と、該昇降枠を昇降させる前記昇降駆動部と、両昇降用側枠部に1つずつ設けられ、かつ前記最下段のパレットのフランジの両端部に掛止される1対の前記掛止爪と、前記昇降用両側枠部に1つずつ設けられ、かつ前記受け渡し位置に達したパレットのフランジの両端部にそれぞれ掛止される1対の前記ポップアップ部材とを有し、前記両掛止爪は、前記両昇降用側枠部に対して、それぞれ水平軸を介して、前記両昇降用側枠部内の起立収納位置と、両昇降用側枠部の対向側より外方のフランジ掛止位置との間で回動可能に配設され、前記爪掛止解除部材は、両掛止爪の元部に配設され、前記水平軸を中心にして、両掛止爪を自重により起立側へ回動させることで、両掛止爪を対応する起立収納位置に自動的に収納可能なウエイトを有し、前記爪掛止部材は、前記固定枠の両側枠部に配設され、かつ前記リフタにより上昇中の両掛止爪が受け取り位置に配置された最下段のパレットを通過後に両掛止爪の一部にそれぞれ当接され、このときの当接圧で弾性変形しながら、前記両掛止爪の一部を乗り越えて2段目の前記パレットのフランジの高さに達するまでの間に、水平軸を中心にして両掛止爪を前記フランジ掛止位置までそれぞれ回動させる1対の弾性突起を有した請求項2に記載のパレタイザである。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、昇降駆動部により昇降枠を昇降させることで、両掛止爪と両ポップアップ部材とが同時に昇降する。
また、両掛止爪は、それぞれの元部に配設されたウエイトにより、対応する水平軸を中心にして起立側へ回動し、両起立収納位置にそれぞれ自動的に収納される。
さらに、最下段のパレットの分離後におけるパレット群の上昇時には、両掛止爪が受け取り位置の最下段のパレットを通過後、対応する掛止爪の一部に弾性突起がそれぞれ当接される。これにより、両弾性突起は、その当接圧により弾性変形しながら両掛止爪の一部を乗り越え、さらに両弾性突起が2段目のパレットのフランジの高さに達するまでの間に、両回動爪を、対応する起立収納位置からフランジ掛止位置までそれぞれ回動させる。
【0017】
このように、昇降枠には両掛止爪と両ポップアップ部材とを配設し、両掛止爪をウエイトによる自動起立構造とし、さらにリフタによる両掛止爪の上昇に伴い、両弾性突起を両掛止爪の一部に当接して両掛止爪を開方向に回動させる構造としたので、両掛止爪を所定タイミングで回動させる回動駆動部を有した専用の爪回動機構が不要となる。その結果、装置構成がさらに簡単になるとともに、装置コストもさらに低下させることができる。
【0018】
昇降駆動部としては、例えば油圧シリンダ、電動シリンダなどを採用することができる。
ポップアップ部材としては、例えば、パレットのフランジの両端部を下方から支持する1対の支持アームを採用することができる。
ウエイトの重さは、対応する掛止爪を、自重により起立側へ回動させることできれば限定されない。
爪掛止部材は、前記固定枠の両側枠部に配設された1対の弾性突起を、少なくとも有していればよい。弾性突起としては、例えばコイルばねなどの各種のばね、ゴムまたは弾性を有する合成樹脂体などを採用することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記リフタには、該リフタによるパレット群の上昇に伴い、前記昇降駆動部を駆動源として、前記移動手段をそのヘッド側を下に向けて傾倒させることで、前記受け取り位置のパレットを前記受け渡し位置まで自重で滑走させるコンベア傾倒手段が設けられ、該コンベア傾倒手段は、一端部が前記リフタに連結され、かつ他端部が前記移動手段の一部に連結された伸縮自在なコンベア傾倒操作部材を有している請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のパレタイザである。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、リフタによるパレット群の上昇に伴い、移動手段をそのヘッド側を下に向けて傾倒させる。これにより、受け取り位置のパレットが受け渡し位置まで自重で滑走する。
コンベア傾倒手段として、リフタ(その昇降部分)と移動手段との間に伸縮自在に連結されるコンベア傾倒操作部材を採用したので、傾倒駆動部を有したコンベア傾倒専用の傾倒機構が不要となる。その結果、装置構成がさらに簡素化するとともに、装置コストもさらに安価となる。
【0021】
コンベア傾倒操作部材としては、例えば、複数の隣接するリンク片同士を回動軸により連結したリンク部材などを採用することができる。その他、外筒に内筒が出し入れ自在に連結されたテレスコピック構造体を採用することができる。
コンベア傾倒操作部材は、使用数は1つでもよいし、複数でもよい。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載された発明によれば、パレット群を移動手段の受け取り位置まで下降させるとともに、最下段のパレットのみを分離し、最下段のパレットのみを受け取り位置から受け渡し位置まで移動させ、受け渡し位置のパレットをポップアップ部材によりパレット保持位置に持ち上げるまでの全ての作動を、リフタに設けられた昇降駆動部により行う。これにより、受け渡し位置に達したパレットを所定の高さ位置まで持ち上げる別のリフタを必要とした従来のパレタイザに比べて、装置構成が簡素化し、装置も小型化する。その結果、コスト低下が図れるとともに装置の設置スペースも縮小させることができる。
【0023】
特に、請求項3に記載の発明によれば、昇降枠に両掛止爪と両ポップアップ部材とを配設し、両掛止爪をウエイトによる自動起立構造とし、さらにリフタによる両掛止爪の上昇に伴い、両弾性突起を両掛止爪の一部に当接して両掛止爪を開方向に回動させる構造としたので、両掛止爪を所定タイミングで回動させる回動駆動部を有した専用の爪回動機構が不要となる。その結果、装置構成がさらに簡単になるとともに、装置コストもさらに低下させることができる。
【0024】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、コンベア傾倒手段として、昇降枠の側枠部と移動手段との間に伸縮自在に連結されたコンベア傾倒操作部材を採用したので、移動手段を傾倒させる傾倒駆動部を有した専用の傾倒機構が不要となる。その結果、装置構成がさらに簡素化するとともに、装置コストもさらに安価となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。なお、ここでは説明の都合上、移動手段によるパレットの搬出方向をパレタイザの前方向、その反対方向を後方向、その搬出方向と直交する一方向を右方向、その他方向を左方向とする。
【実施例1】
【0026】
図1〜図3において、10はこの発明の実施例1に係るパレタイザで、このパレタイザ10は、同一形状、同一大きさの複数のパレット11を、段積み状態のパレット群11Aとして格納するパレット格納部12と、パレット格納部12に設けられ、1台のみの油圧シリンダ(昇降駆動部)13を有してパレット群11Aを昇降させるリフタ14と、パレット群11Aから、最下段のパレット11のみを分離する分離手段15と、パレット格納部12の下方に配置され、分離された最下段のパレット11を搬送路Aの受け取り位置aで受けた後、搬送路Aのうち、受け取り位置aよりパレット11搬出側の受け渡し位置bまで移動させるパレットコンベア(移動手段)16と、リフタ14によるパレット群11Aの上昇に伴い、油圧シリンダ13を駆動源として、パレットコンベア16をそのヘッド側を下に向けて傾倒させることで、受け取り位置aのパレット11を前記受け渡し位置bまで自重により滑走させるコンベア傾倒手段17と、リフタ14に設けられ、受け渡し位置bに達したパレット11を、油圧シリンダ13を駆動源として、受け渡し位置bより上方のパレット保持位置cまでパレット群11Aの上昇に伴って上昇させる1対のポップアップ部材18とを備えている。
【0027】
以下、これらの構成を具体的に説明する。
パレタイザ10は、四隅の裏側にキャスタ19が配設された手押し式の台車20を本体とする。台車20の左右側には、前部より後部が高くなった側板21が立設されている。台車20の後端部上には、前記パレット格納部12が立設されている。パレット格納部12は、長さ方向を垂直に向けて離間した1対の側枠部22の上端同士を、長さ方向が水平な上枠部により連結した門形の固定枠28を有している。両側枠部22は、台車20の後端部の両角部にそれぞれ立てられている。
両側枠部22は、互いの開口側を対向させた溝形鋼からなる。両側枠部22の奥板(両側枠部22の対向側とは反対側の板)23の内側には、側枠部22の上端部から下部にかけてガイドレール24が配設されている。上枠部の長さ方向の中間部には、ロッドを下向きにした前記油圧シリンダ13が立設されている。
【0028】
また、両側枠部22の下端部の奥板23には、垂直方向に長い長孔23aがそれぞれ形成されている。両長孔23aには、外方に突出した先端部に操作レバー24が固定された締結ねじ25がそれぞれ挿入されている。両締結ねじ25の元部は、対応する側枠部22の内部空間へそれぞれ突出している。両突出部分は、側枠部22の長さ方向に長い矩形状を有した1対の高さ調整板片26の下端部のねじ孔26aにそれぞれ螺合されている。これらの高さ調整板片26の幅は、対応する長孔23aのそれよりも長い。また、両高さ調整板片26の上端部には、軸線方向が高さ調整板片26の厚さ方向に向けられ、かつ対応する長孔23aに昇降自在に挿入されたナット27が配設されている。
両ナット27には、対応する固定枠28の内部空間に収納されるコイルばね(弾性突起)29の元部がそれぞれ螺合されている。各コイルばね29の長さは、対応する側枠部22の奥板23と後述する昇降用側枠部30の奥板31との最端距離と略同じである。各コイルばね29の高さ調整には、両操作レバー24をねじ緩め方向に回して締結ねじ25を緩め、その後、両操作レバー24を握ったまま、対応する長孔23aに沿ってこれらをそれぞれ上下動させることで行う。高さ調整後は、両操作レバー24を締結方向に回して締結ねじ25を締め、各コイルばね29を所望の高さ位置に固定する。
【0029】
前記リフタ14は、油圧シリンダ13を駆動源とした門形の昇降枠32を有している。昇降枠32は、長さ方向を垂直に向けて離間した1対の昇降用側枠部30の上端同士を、長さ方向が水平な昇降用上枠部33により連結した構造となっている。両昇降用側枠部30は、各開口側を、対応する側枠部22の開口側と対向させた状態で、それぞれの側枠部22に収納されている。ただし、両昇降用側枠部30の高さ(開口端から奥板までの最端長さ)は、側枠部22のそれよりも長い。そのため、両昇降用側枠部30の奥側の部分は、全長にわたって両側枠部22の開口部よりそれぞれ外方に配置される。
【0030】
両昇降用側枠部30のうち、その下端部付近と、その長さ方向の中間部付近とには、前記ガイドレール24Aを転動するガイドローラ25Aが配設されている。また、昇降用上枠部33の上板の長さ方向の中間部には、前記油圧シリンダ13のロッドの先端部が連結されている。よって、このロッドの出し入れにより、ガイドレール24Aをガイドローラ25Aが転動しつつ、昇降枠32が固定枠28に沿って昇降する(図1〜図3)。
両昇降用側枠部30の下端部の前側には、前方向に延びた同じ長さの水平アーム34が1対突設されている。両水平アーム34の先端部の上側には、箱形ブラケット35が配設されている。両箱形ブラケット35の対向側には、前記ポップアップ部材18がそれぞれ対向方向に突設されている。両ポップアップ部材18は、先部が上側縁に向かって徐々に先細化し、元部が両箱形ブラケット35の対向配置された側板の前,後部に固定された1対の平行側板36と、両端部が外方に突出状態で、両側板の先端部間に水平に横架されたパレット掛止バー37とを有している。
【0031】
また、両昇降用側枠部30の奥板(両側枠部22の奥板と対応する板)31の下端部には、対応する奥板31の幅と同じ長さの水平溝部38aと、水平溝部38aの両端に各上端が連通された1対の垂直溝部38bとを有する門形溝38が配設さている。これらの門形溝38は、各奥板31の両側に配置された1対の側板39の下端部のうち、前記水平溝部38aに連通された小さな矩形溝部38cをそれぞれ含む(図5)。
両昇降用側枠部30の各側板39の下端部間、具体的には各側板39の奥板31側の領域のうち、両垂直溝部38bの下端部の高さに該当する部分間には、掛止爪40の回動軸となる水平軸41が回動自在にそれぞれ横架されている。以下、これらの掛止爪40を具体的に説明する。1対の掛止爪40の構造および作用は同じである。よって、ここでは一方の掛止爪40のみ説明する。
【0032】
掛止爪40は、先部が上側縁に向かって徐々に先細化した1対の平行側板42と、両平行側板42の長さ方向の略中間部間に横架された前記水平軸41と、両端部が外方に突出状態で、両平行側板42の先端部間に横架されたパレット掛止バー37と、両平行側板42の先部の上側縁近傍間に横架された細長いばね当接バー43と、両平行側板42の元部の内側にそれぞれ固定された1対の円柱状のウエイト(爪掛止解除部材)44とを有している。パレット掛止バー37は、掛止爪40が昇降用側枠部30内の起立収納位置eに略直立した状態で収納される際(以下、爪閉時)、その両端部を、対応する矩形溝部38cに収納可能な直径を有している(図2)。
分離手段15は、コイルばね29およびばね当接バー(それぞれ爪掛止部材)43と、ウエイト44とにより構成される。
【0033】
なお、ばね当接バー43には、掛止爪40の爪開時に、上方から近接したコイルばね29をスムーズに変形可能な傾斜ガイド(爪掛止部材)45を設けてもよい。傾斜ガイド板45の先端は、水平軸41の近傍に配置される。爪開時の両掛止爪40間の距離は、パレット11のフランジ11aを両掛止爪40により両側方から掛止可能な距離である。爪開時とは、掛止爪40の爪先部が前記奥板31の外に水平状態で配置されるフランジ掛止位置dに達したときをいう(図2)。
【0034】
次に、前記パレットコンベア16を詳細に説明する。
パレットコンベア16は、前記台車20の幅方向の中央部一帯に、パレット11の搬送方向を台車20の前後方向に向けて搭載されている。台車20の底板46には、両昇降用側枠部30とパレットコンベア16の両側との間に、それぞれ台車20の前後方向に長い1対のガイド板47が立設されている。両ガイド板47は、台車20の前後方向の長さを有し、パレットコンベア16の傾倒をガイドする。両ガイド板47のうち、両昇降用側枠部30と対向する部分の上部には、後述する傾倒操作軸48の昇降を妨げない切欠部がそれぞれ形成されている。
【0035】
パレットコンベア16は、そのヘッド部(前端部)が、台車20の左右方向(幅方向)に長い水平軸70を介して、両ガイド板47の前端部間に軸支されている。パレットコンベア16は、左右1対の側板49と、両側板49の前端部間に横架された前側板50と、両側板49の長さ方向の中間部間に横架された補強板51とからなるコンベア基台52を有している。このうち、両側板49の上側には、それぞれの全長にわたって、多数の小径なローラが互いの軸線方向を平行にして配列されたローラ群53が配設されている。台車20の底板の前端には、パレット11を搬送路Aの受け渡し位置bに停止させる図示しないストッパ部材が突設されている。
【0036】
台車20の底板には、その前後方向における両昇降用側枠部30の立設部分付近で、かつコンベア基台52の内側の領域に、1対のブラケット54を介して、門形のパレットキック部材55が軸支されている。パレットキック部材55は、パレットコンベア16の傾倒時、搬送路Aの受け取り位置aで静止したパレット11を、後方から搬出方向にキックして自重による滑走を促す部材である。パレットキック部材55は、1対の側枠56と、両側枠56の上端部間に横架されたキック板57とを有している。両側枠56は、ブラケット54にピン支持された短尺な元側リンク58と、残りの本体リンク59とをピン支持したリンク構造体である。両本体リンク59の元部付近は、前記両側枠56の後部の下側に形成された突出片56aにそれぞれピン支持されている。これにより、パレットキック部材55がコンベア基台52に連結される。
【0037】
また、両側枠56の突出片56aの形成部間には、両端部を外方に突出させた状態で、台車20の左右方向に長い前記傾倒操作軸48が横架されている。傾倒操作軸48の長さは、前記昇降枠32の両昇降用側枠部30間の長さより若干短い。傾倒操作軸48の両端部には、一端部が昇降枠32の両昇降用側枠部30の下端部にそれぞれ軸支された伸縮自在な1対のコンベア傾倒操作部材60の他端部がそれぞれ軸支されている。両コンベア傾倒操作部材60は、ピン支持された1対のリンク61により構成されている。
油圧シリンダ13により昇降枠32が上昇すると、それに伴い、折り畳まれていた両コンベア傾倒操作部材60が徐々に伸長する。これにより、傾倒操作軸48を介して、パレットコンベア16(コンベア基台52)のテール部が徐々に引き上げられる。その結果、パレットコンベア16が水平軸70を中心にして、そのヘッド側を下に向けて傾倒するように徐々に回動する。しかも、傾倒操作軸48の引き上げに伴い、前記パレットキック部材55の折り畳まれていた両側枠56が徐々に立ち上がり、搬送路Aの受け取り位置aで静止していたパレット11の後側をキック板57により蹴る。
【0038】
次に、この発明の実施例1に係るパレタイザ10の装置作動を説明する。なお、説明の都合上、予めパレット格納部12には、所定の装置部品が収納された多数のパレット11を段積みしたパレット群11Aが格納されているものとする。
図1に示すように、まず油圧シリンダ13のロッドを突出させ、ガイドレール24Aおよびガイドローラ25Aを介して、両ポップアップ部材18と両掛止爪40とを有した昇降枠32を徐々に下降させる。これにより、両掛止爪40により最下段のパレット11のフランジ11aが掛止されたパレット群11Aが徐々に下降する。
そして、パレット群11Aが搬送路Aの受け取り位置aに達した時、パレット群11Aはパレットコンベア16上に載置される。その後も、ロッドの突出は若干のストローク量だけ継続される。これにより、両掛止爪40はパレット11のフランジ11aの掛止が解除される高さ位置までさらに下降される。ここで、両掛止爪40はそれぞれの元部に配設されたウエイト44により、対応する水平軸41を中心にして起立側へ回動する。これにより、両昇降用側枠部30内の起立収納位置eにそれぞれ自動的に収納される。よって、両掛止爪40によるパレット群11Aの掛止状態が解除される。
【0039】
次に、油圧シリンダ13のロッド13aを引き込ませ、両ポップアップ部材18および両掛止爪40を昇降枠32とともに徐々に上昇させる。これにより、両掛止爪40が搬送路A上の最下段のパレット11を通過した直後、両掛止爪40がパレット11掛止位置まで移動し、両掛止爪40が開く。具体的には、両掛止爪40が受け取り位置aの最下段のパレット11を通過後、対応する掛止爪40の一部にコイルばね29がそれぞれ当接される。これにより、両コイルばね29は、その当接圧により弾性変形しながら両掛止爪40の一部を乗り越え、さらに両コイルばね29が2段目のパレット11のフランジ11aの高さに達するまでの間に、両掛止爪40を起立収納位置eからフランジ掛止位置dまでそれぞれ回動させる(図5)。その後、両掛止爪40の上昇が継続されることで、2段目のパレット11のフランジ11aが両掛止爪40により掛止される。それから、最下段のパレット11を受け取り位置aに残した状態で、2段目のパレット11を最下段としてパレット群11Aが徐々に持ち上げられる。
【0040】
一方、油圧シリンダ13による昇降枠32の上昇に伴い、折り畳まれていた両コンベア傾倒操作部材60が徐々に伸長する。これにより、傾倒操作軸48を介して、パレットコンベア16のテール部が徐々に引き上げられ、パレットコンベア16が水平軸70を中心にして、そのヘッド側を下に向けて傾倒するように徐々に回動する。しかも、傾倒操作軸48の引き上げに伴い、パレットキック部材55の折り畳まれていた両側枠56も徐々に立ち上がり、搬送路Aの受け取り位置aで静止していた最下段のパレット11の後側をキック板57によりキックする。これにより、最下段のパレット11は両ローラ群53の上を自重により滑走し、パレット11が図示しないストッパ部材に衝突することで、パレット11は搬送路Aの受け渡し位置bまで移動し、ここで停止する。
【0041】
受け渡し位置bに達したパレット11は、昇降枠32と一体的に上昇する爪形状の両ポップアップ部材18により、フランジ11aの両側方から掛止される。その後、昇降枠32の上昇が継続されることで、このパレット11は、作業者がパレット11中から装置部品を取り出し易いパレット保持位置cまで上昇される。そこで、作業者は、パレット11から装置部品を順に取り出し、それらを組み立て中の装置(図示せず)の所定箇所に組み付けて行く。
保持中のパレット11が空になったときには、油圧シリンダ13のロッドを突出して昇降枠32を徐々に下降させ、両掛止爪40および両ポップアップ部材18を同時に下げて行く。これに伴い、コンベア傾倒操作部材60とパレットキック部材55とが徐々に折り畳まれ、かつパレットコンベア16も徐々に水平状態に戻される。
【0042】
以上説明した全ての装置作動は、1台の油圧シリンダ13により行われる。そのため、受け渡し位置に達したパレットを所定の高さ位置まで持ち上げる別のリフタを必要とした従来のパレタイザよりも装置構成が簡素化し、装置も小型化する。その結果、コスト低下が図れるとともに、装置の設置スペースを縮小することができる。
このように、昇降枠32には両掛止爪40と両ポップアップ部材18とを配設し、両掛止爪40をウエイト44による自動起立構造とし、さらにリフタ14による両掛止爪40の上昇に伴い、両コイルばね29を両掛止爪40の一部に当接して両掛止爪40を開方向に回動させる構造としたので、両掛止爪40を所定タイミングで回動させる回動駆動部を有した専用の爪回動機構が不要となる。その結果、装置構成がさらに簡単になるとともに、装置コストもさらに低下させることができる。
また、ここではコンベア傾倒手段17として、リフタ(両昇降用側枠部30)14とパレットコンベア16との間に伸縮自在に連結されるコンベア傾倒操作部材60を採用したので、傾倒駆動部を有するコンベア傾倒専用の傾倒機構が不要となる。その結果、装置構成がさらに簡素化するとともに、装置コストもさらに安価となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施例1に係るパレタイザの全体斜視図である。
【図2】この発明の実施例1に係るパレタイザの要部拡大側面図である。
【図3】この発明の実施例1に係るパレタイザの要部拡大正面図である。
【図4】この発明の実施例1に係るパレタイザの掛止爪の拡大斜視図である。
【図5】この発明の実施例1に係るパレタイザの掛止爪の動きを示す要部拡大側面図である。
【図6】この発明の実施例1に係るパレタイザの掛止爪の取り付け部分を示す要部拡大横断面図である。
【図7】この発明の実施例1に係るパレタイザの掛止爪の起立収納状態を示す要部拡大断面図である。
【図8】この発明の実施例1に係るパレタイザの掛止爪の傾倒途中の状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】この発明の実施例1に係るパレタイザの掛止爪の傾倒完了状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】この発明の実施例1に係るパレタイザの掛止爪によるパレットの掛止状態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 パレタイザ、
11 パレット、
11A パレット群、
11a フランジ、
12 パレット格納部、
13 油圧シリンダ(昇降駆動部)、
14 リフタ、
15 分離手段、
16 パレットコンベア(移動手段)、
17 コンベア傾倒手段、
18 ポップアップ部材、
21 上枠部、
22 側枠部、
28 固定枠、
29 コイルばね(弾性突起、爪掛止部材)、
30 昇降用側枠部、
32 昇降枠、
33 昇降用上枠部、
40 掛止爪、
41 水平軸、
43 ばね当接バー(それぞれ爪掛止部材)、
44 ウエイト(爪掛止解除部材)、
45 傾斜ガイド(爪掛止部材)、
60 コンベア傾倒操作部材、
A 搬送路、
a 受け取り位置、
b 受け渡し位置、
c パレット保持位置、
d フランジ掛止位置、
e 起立収納位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降駆動部を有し、複数のパレットを段積み状態のパレット群として前記昇降駆動部により昇降させるリフタと、
前記パレット群の昇降に伴って、前記パレット群から最下段のパレットのみを分離する分離手段と、
前記リフタの下方に配置され、分離された最下段のパレットを搬送路の受け取り位置で受けた後、該搬送路のうち、前記受け取り位置よりパレット搬出側の受け渡し位置まで移動させる移動手段と、
前記リフタに設けられ、前記受け渡し位置に達したパレットを、前記昇降駆動部を駆動源として、前記受け渡し位置より上方のパレット保持位置まで前記パレット群の上昇に伴って上昇させるポップアップ部材とを備えたパレタイザ。
【請求項2】
前記リフタは、最下段のパレットのみを掛止可能で、かつ前記昇降駆動部により昇降される掛止爪を有し、
前記分離手段は、
前記パレット群の移動手段への受け渡し直後、前記掛止爪による最下段のパレットの掛止状態を解除する爪掛止解除部材と、
前記リフタによって上昇中の前記掛止爪が、前記受け取り位置に配された最下段のパレットを通過した直後に、2段目のパレットを最下段のパレットとし、前記掛止爪により掛止する爪掛止部材とを有した請求項1に記載のパレタイザ。
【請求項3】
各パレットの上端の開口部にはフランジが形成され、
前記リフタはパレット格納部に設けられ、
該パレット格納部は、長さ方向を垂直に向けて離間した1対の側枠部の上端同士を、長さ方向が水平な上枠部により連結した門形の固定枠を有し、
前記リフタは、長さ方向を垂直に向けて離間した1対の昇降用側枠部の上端同士を、長さ方向が水平な昇降用上枠部により連結した門形の昇降枠と、該昇降枠を昇降させる前記昇降駆動部と、両昇降用側枠部に1つずつ設けられ、かつ前記最下段のパレットのフランジの両端部に掛止される1対の前記掛止爪と、前記昇降用両側枠部に1つずつ設けられ、かつ前記受け渡し位置に達したパレットのフランジの両端部にそれぞれ掛止される1対の前記ポップアップ部材とを有し、
前記両掛止爪は、前記両昇降用側枠部に対して、それぞれ水平軸を介して、前記両昇降用側枠部内の起立収納位置と、両昇降用側枠部の対向側より外方のフランジ掛止位置との間で回動可能に配設され、
前記爪掛止解除部材は、両掛止爪の元部に配設され、前記水平軸を中心にして、両掛止爪を自重により起立側へ回動させることで、両掛止爪を対応する起立収納位置に自動的に収納可能なウエイトを有し、
前記爪掛止部材は、前記固定枠の両側枠部に配設され、かつ前記リフタにより上昇中の両掛止爪が受け取り位置に配置された最下段のパレットを通過後に両掛止爪の一部にそれぞれ当接され、このときの当接圧で弾性変形しながら、前記両掛止爪の一部を乗り越えて2段目の前記パレットのフランジの高さに達するまでの間に、水平軸を中心にして両掛止爪を前記フランジ掛止位置までそれぞれ回動させる1対の弾性突起を有した請求項2に記載のパレタイザ。
【請求項4】
前記リフタには、該リフタによるパレット群の上昇に伴い、前記昇降駆動部を駆動源として、前記移動手段をそのヘッド側を下に向けて傾倒させることで、前記受け取り位置のパレットを前記受け渡し位置まで自重で滑走させるコンベア傾倒手段が設けられ、
該コンベア傾倒手段は、一端部が前記リフタに連結され、かつ他端部が前記移動手段の一部に連結された伸縮自在なコンベア傾倒操作部材を有している請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のパレタイザ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−137550(P2007−137550A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330874(P2005−330874)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(396008934)松本工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】