説明

パワーライン通信アダプタ

【課題】 高い汎用性を有する高速ホームネットワークを迅速かつ低コストで構築するパワーライン通信アダプタを提供する。
【解決手段】 導体線路間にチョークコイル1及びコンデンサ2を接続し、導体線路11、12の一方端を第1の入出力ポート21、他方端を第2の入出力ポート22として有し、当該第1の入出力ポート21側の導体線路11、12をそれぞれ分岐させ、分岐線路13上にコンデンサ3を配設し、当該分岐線路の先端を第3の入出力ポート23として有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内の電力線、さらには屋外の低圧引き込み線にも適用することによって、高速なホームネットワークを実現する技術に関し、特に、その劣悪な伝送特性を大幅に改善する「パワーライン通信用アダプタ」技術に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
電力線通信の高速化を主要目的として、「モデム」を中心として開発が進んでいる。それは一般に図12の様なブロック構成になっており、電力と情報信号のカップリング機能と多重変復調通信制御機能を持っており、パソコン等の情報機器と接続して用いられる。従って、電力線自体の総合的な伝送特性改善や他の家電機器からの雑音抑制とその負荷インピーダンス変動の対策、コモンモード抑制等の電力線ネットワーク特性そのものを根本から改善する機能はほとんど期待できない。むしろ、電力線の伝送特性は劣悪であることを前提としていかにそれを克服するかと言う観点からの技術開発が中心となっている。
【0003】
その他、本発明との関連技術としては、図13で示す様な「ノイズフィルター」があるが、家電機器等から発生する雑音の抑制あるいは情報機器への雑音流入阻止がその目的であり、電力線自体の総合的な伝送特性改善を目的としたものではない。
【0004】
また、コモンモード の高周波ノイズフィルターとして、例えば、図14に示す様な分割スリーブ構造のフェライトコアを用いて、主にノイズ吸収型のインダクタンス回路として一般に用いられている。しかしながら、このコモンモードフィルターは、パソコン等の電子情報機器毎のノイズフィルターであり、電子機器直近の電力ケーブルに貫装して使用するものであり、電力線全体の伝送特性改善を目的としたものではない。
【0005】
さらに、家電機器の低負荷インピーダンス対策として、通称「インピーダンスアッパー」と呼ばれるインピーダンス変換回路を電力線と家電機器との間に挿入することも行われているが、これも限定された使用目的であり、電力線伝送特性が有する様々な技術課題の総合的改善策ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電力線通信(PLC)を目的として、現在、その劣悪な伝送特性を克服するためにOFDMやCDMA技術等を駆使したモデムやそれらを組み込んだ情報端末機器の開発が進んでいる。
【0007】
しかしながら、元々、高速通信ネットワークとしては設置されてはいない電力線は、高周波帯になる程、その伝送特性は劣悪となる。即ち、多くの分岐部や不連続部が存在すると共に、接続されている各種の家電機器からの多様な雑音が容易に混入し、さらには家電機器の負荷インピーダンスの時間的変動も大きいので、電力線を通信ネットワークとした場合は極めて劣悪な伝送特性であり、現状では不安定な通信ネットワークを構成しているという課題を有する。詳細には、電力線の不連続部や分岐部等に起因する劣悪な周波数特性、家電機器の負荷インピーダンス特性とそのダイナミックな入力インピーダンス変動、家電機器等からの多様な雑音の混入、不均一な線路構造などに起因するコモンモードによる不要電磁波の放射等の問題を有している。
【0008】
このような問題に対して、モデムや情報通信機器の情報端末技術の改善だけでは限界があり、電力線自体の伝送特性を統合的に改善することが不可欠であるが、現状では電力線自体の伝送特性改善技術の開発はまだ不十分な状況にある。
【0009】
したがって、本発明は電力線自体の伝送特性を総合的に改善することがそのねらいであり、本発明技術の適用によって、高い汎用性を有する高速ホームネットワークを迅速かつ低コストで構築することが可能となる。すなわち、本発明と開発が進展しつつある電力線用モデム技術や情報端末機器と組み合わせることによって、電力線が設置されている部屋であればどこでも高速で高品質のホームネットワーク通信が軽微な費用で迅速に構築することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るパワーライン通信アダプタは、電源側に接続される第1の入力ポートと負荷側に接続される第2の入力ポートとの導体線路間に、当該第1の入力ポート寄りに直列にチョークコイルを接続し、前記第2の入力ポート寄りに並列にコンデンサを接続し、前記第1の入力ポートとチョークコイルとの間の導体線路を各々分岐させ、当該分岐線路にコンデンサを介装すると共に、その端末を第3の入力ポートとするものである。このように本発明においては、導体線路間にチョークコイル及びコンデンサを直列接続し、導体線路の電力側端を第1の入出力ポート、負荷側端を第2の入出力ポートとして、当該第1の入出力ポート側及びチョークコイル間の導体線路をそれぞれ分岐させ、分岐線路上にコンデンサを配設し、当該分岐線路の端末を第3の入出力ポートとしているので、チョークコイル及びコンデンサでローパスフィルターを構成し、第2の入出力ポート側からの高周波もコンデンサ及びチョークコイルで第1の入出力ポート及び第3の入出力ポートに搬送することなく、さらに、分岐線路上のコンデンサにより通信に必要な高周波のみが第3の入出力ポートに到達し、第1の入出力ポートと第3の入出力ポートとの間に高い伝送特性を有する通信路を構成することができる。また、チョークコイルが1つのコアを使用して両導体線路にまたがって形成され、小型化を望むことができる。以上のような小型で高い伝送特性を有する通信路を構成しているにも拘らず、使用している回路部品・素子は安価なものであり、低コストを実現することができる。本発明の場合の具体的使用形態としては、コンセントに嵌装する形態、線路上に構成する形態等がある。ただし、導体線路にもよるが高耐圧のコンデンサを使用する必要がある。
【0011】
また、本発明に係るパワーライン通信アダプタは必要に応じて、前記第3の入出力ポートに抵抗を接続したものである。このように本発明においては、第3の入出力ポートに抵抗を接続しているので、情報通信機器等を接続する第3の入出力ポートを使用しない環境下では第2の入出力ポートからの雑音抑制と負荷インピーダンス対策を実現することができる。ここで、情報通信機器を接続した場合には入出力ポートして働き、接続しない場合にはポートを前記したように抵抗で接続するように切り替えて使用することもできる。
【0012】
また、本発明に係るパワーライン通信アダプタは必要に応じて、前記分岐線路間にコモンモード用チョークコイルを接続したものである。このように本発明においては、前記分岐線路間にコモンモード用チョークコイルを接続したので、主伝送モードであるディファレンシャルモードにとって不要信号となるコモンモードの注入抽出を抑制すると共に、他の機器への干渉雑音の原因となる不要電磁放射を抑制することができる。本発明の場合の具体的使用形態としては、低圧引き込み線や屋内配線系の分岐部等に装荷した形態とすることもできる。
【0013】
また、本発明に係るパワーライン通信アダプタは必要に応じて、前記コモンモード用チョークコイルのコアに抵抗を接続したコイルを配設したものである。このように本発明においては、前記コモンモード用チョークコイルのコアに抵抗を接続したコイルを配設したので、コモンモードの発生をさらに抑圧することができる。
【0014】
また、本発明に係るパワーライン通信アダプタは、第1の導体線路、第2の導体線路、第3の導体線路があり、第1の導体線路と第2の導体線路との間、並びに、第2の導体線路と第3の導体線路との間にチョークコイル及びコンデンサを接続し、第1の導体線路、第2の導体線路及び第3の導体線路の一方端を第1の入出力ポート、他方端を第4の入出力ポートとして有し、当該第1の入出力ポート側の第1の導体線路と第2の導体線路間を2つのコンデンサを介して接続し、かかる2つのコンデンサの間の線路と第1の入出力ポート側の第2導体線路とをそれぞれ分岐させ、当該分岐線路の先端を第3の入出力ポートとして有しているものである。このように本発明においては、第1の導体線路、第2の導体線路、第3の導体線路があり、第1の導体線路と第2の導体線路との間、並びに、第2の導体線路と第3の導体線路との間にチョークコイル及びコンデンサを接続し、第1の導体線路、第2の導体線路及び第3の導体線路の一方端を第1の入出力ポート、他方端を第4の入出力ポートとして有し、当該第1の入出力ポート側の第1の導体線路と第2の導体線路間を2つのコンデンサを介して接続し、かかる2つのコンデンサの間の線路と第1の入出力ポート側の第2導体線路とをそれぞれ分岐させ、当該分岐線路の先端を第3の入出力ポートとして有しているので、単相三線にパワーライン通信アダプタを実装でき、屋外からの雑音の流入を阻止すると同時に、自宅内の高周波情報信号の屋外への流出も阻止することができる。ここで、第1の導体線路と第2の導体線路との間、並びに、第2の導体線路と第3の導体線路との間のチョークコイルは2つのコア又は1つのコアで実装することができる。自宅内の高周波情報信号の屋外への流出も阻止するということは、自宅内の通信内容を外部に漏らさないというセキュリティの面からも望まれる。
【0015】
また、本発明に係る高周波終端機能パワーライン通信アダプタは、抵抗を2つのコンデンサで挟んで直列接続して高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成したものである。このように本発明においては、抵抗を2つのコンデンサで挟んで直列接続して高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成したことを特徴とする高周波終端機能を有するので、コンセントあるいは前記基本パワーライン通信アダプタに接続することによって高周波帯における定在波の発生を抑制して、伝送特性を大幅に改善することができる。より詳細には、コンセント部分でオープンになっている場合には反射が発生し、また、進行波と後進波とが共存し共振波となって定在波が発生するため、かかるコンセント部分に対して安価な終端機能を持たせた。基本パワーライン通信アダプタのように通信ポートを有することがなく、簡易な構成であるため使用しないコンセント部分には基本パワーライン通信アダプタではなく、高周波終端機能パワーライン通信アダプタを嵌装することで全体として安価なシステムとなる。樹脂モールド等によってコネクターと小型一体化を行うことによって本高周波終端機能パワーライン通信アダプタを構成した場合には、低コスト化及び小型化の目的を達成することができる。
【0016】
また、本発明に係る高周波終端機能パワーライン通信アダプタは、抵抗とコンデンサーを直列接続して1端子の高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成したものである。このように本発明においては、抵抗とコンデンサを直列接続して1端子の高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成したことを特徴とする高周波終端機能を有するので、コンセントあるいは前記基本パワーライン通信アダプタに接続することによって高周波帯における定在波の発生を抑制して、伝送特性を大幅に改善することができる。
【0017】
また、本発明に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタは、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアであり、低圧引き込み線およびその接地線、あるいは屋内電力線系の不等長部、分岐部さらには不連続部に装荷するものである。このように本発明においては、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアであり、低圧引き込み線およびその接地線、あるいは屋内電力線系の不等長部、分岐部さらには不連続部に装荷するので、主伝送モードであるディファレンシャルモードにとって不要信号となるコモンモードの注入抽出を抑制し、不要電磁波放射の抑制や伝送特性改善に有効である。本コモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタでは磁性体コアを使用するのであるが、吸収レベルを高めるためにスリーブ型コアが望ましい。また、分割可能としていることにより、既設設備の電力線への適用を容易にしている。
【0018】
また、本発明に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタは、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアに、抵抗を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交するものである。このように本発明においては、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアに、抵抗を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交するので、コモンモードを抵抗で吸収することができる。
【0019】
また、本発明に係るコモンモード抑圧パワーライン通信アダプタは、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアに、リアクタンス素子を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交したものである。このように本発明においては、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアに、リアクタンス素子を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交したので、コモンモードの抑圧度を向上させることができる。とくに、コイルとコンデンサの並列回路を構成し、LC反共振特性を利用可能とし、特定周波数のコモンモードを強く抑制することができる。
【0020】
また、本発明に係るパワーラインアダプタは、屋内配線内の1対の線路間で亘長差が生じる場合、その電気長が長い線路において誘導電磁コアで環囲してバイパス電磁結合した構成である。このように本発明は、入力スイッチ線路及び出力スイッチ線路等の屋内配線内で亘長差が生じる線路間であって、その電気長が長い経路において誘導電磁コアで環囲したので、亘長に差が生じたこと等を原因とする信号の位相差を改善し,良好な通信状態を確保できる。
【0021】
また、本発明に係るパワーラインアダプタは、屋内配線内の1対の線路間で亘長差が生じる場合、その電気長が長い線路においてコンデンサを介してバイパス電磁結合した構成である。このように本発明は、入力スイッチ線路と出力スイッチ線路等の屋内配線内で亘長差が生じる線路間であって、その電気長が長い経路においてコンデンサを介して接続しているので、高周波成分のみがコンデンサを通過し少なくとも通信帯域の信号の位相差を改善し、良好な通信状態を確保することができる。
【0022】
また、本発明に係るパワーライン通信ネットワークは、前記各種パワーライン通信アダプタの全て、あるいは一部を適用して構築したものである。このように本発明においては、前記各種パワーライン通信アダプタの全て、あるいは一部を適用して構築しているので、各環境に応じた柔軟な設計が可能となる。また、前記パワーライン通信アダプタのほとんどのものが既設設備に容易に導入することができるものであり、コスト面からも有利である。さらに柱上や集合住宅電力室等の引き込み線分岐部において、この単相三線PLAを加入者毎に設置することによって、アクセス系を含めた高速加入者ネットワークを迅速かつ低コストで構築することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、前述の課題の全てに有効である共に、電力線通信の持つ簡易・低コストでどこでもだれでも高速ネットワークが迅速に構築できるという本来の実用上の特徴を損なわない汎用技術でもある。
【0024】
即ち、本発明のパワーライン通信アダプタは、コンセントや電力線に接続するだけで誰でも容易に利用できること、どんな家電機器もそれに接続できること、パワーライン通信アダプタ自体は極力簡易な構造と施工性があること、低コストで簡単に高品質なホームネットワークを構築できることがその特徴である。また、単相三線構造のパワーライン通信アダプタは、低圧引き込み線と屋内電力線の間に設置すれば屋外からの雑音流入の抑制ならびに屋内の情報信号の屋外への漏洩を阻止することができる。さらに、この単相三線パワーライン通信アダプタを電柱上や集合住宅電力室等の低圧引き込み線分岐部に設置すれば、加入者間に干渉のない高速アクセス系ネットワーク構築のためのアダプタとしても大変有効できる。
【0025】
また、コモンモードに起因する不要電磁放射の課題についても、コモンモード抑制吸収機能のパワーライン通信アダプタあるいは高周波抵抗終端のパワーライン通信アダプタによって、低圧引き込み線も含めて大幅に改善することができる。
【0026】
なお、家屋の新築や改築の場合には、これらの各パワーライン通信アダプタを屋内配線系や低圧引き込み線に設置し、さらにはこれら各パワーライン通信アダプタを予め組み込んだコンセントを用いて施工すれば、さらに有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタ(以下、PLAと呼ぶ)について、図1ないし図3に基づき説明する。図1は本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの基本構成、図2は本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの等価回路及び適用例、並びに、図3は本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの高周波終端抵抗を組み込んだ別適用例である。
【0028】
前記図1において本実施形態に係るPLAは、導体線路11、12間にチョークコイル1及びコンデンサ2を接続し、導体線路11、12の一方端を第1の入出力ポート21、他方端を第2の入出力ポート22として有し、当該第1の入出力ポート21側の導体線路11、12をそれぞれ分岐させ、分岐線路13上にコンデンサ3を配設し、当該分岐線路の先端を第3の入出力ポートとして有している構成である。そして、第1の入出力ポート21が電力線へ、第2の入出力ポート22が負荷側へ、第3の入出力ポート23が通信機器へ接続されている。
【0029】
図1(a)に示す様に、構成を徹底して簡易化すると同時に、必要な機能と性能および経済性を実現している。即ち、チョークコイル1とコンデンサ2で構成したLPFに2個のコンデンサ3を介して高周波情報信号ポート23を接続した3端子のインターフェース回路である。特に、高周波情報信号ポート23形成に2個のコンデンサ3のみの簡易な構成がその特徴である。その結果、従来のノイズフィルターやモデム入出力回路に比べて大幅な簡易小型化と低コスト化が可能となる。さらに、このコンデンサ3を介した回路構成は、本来、平衡伝送モードである電力線へ注入抽出する高周波信号にとっては電気的インターフェース特性も良好となる。図2(a)はその等価回路であり、図2(b)は情報通信機器を接続した場合の基本的接続形態である。極めて簡易な回路構造であるにもかかわらず、以下の(1)ないし(3)の諸機能を実現することができる。(1)第1の入出力ポート21の電力と高周波信号を、第2の入出力ポート22と第3の入出力ポート23へそれぞれ分離あるいは合成する。(2)第2の入出力ポート22へ接続する家電機器あるいは情報通信機器からの機器雑音漏洩を抑制すると共に、高周波帯における接続機器のダイナミックな負荷インピーダンス変動の電力線伝送特性への影響を抑制することもできる。従って、特に問題となる家電機器の低インピーダンス負荷に対する信号伝送特性の劣化を克服することもできる。(3)2つのコンデンサーを介しただけの極めて簡易な高周波帯信号ポート23の構成は、本発明の重要ポイントの一つであり、高周波情報信号が平衡信号あるいは不平衡信号に拘わらず、良好に注入・抽出することができる。
【0030】
また、この第3の入出力ポート23を使用しない場合は、後述の「高周波終端PLA」を第3の入出力ポート23に接続するだけで、高周波帯における開放終端を整合終端に簡単に切り替えることもできる。なお、高周波情報信号端子である第3の入出力ポート23が不要な一般家電機器の接続の場合には、家電機器雑音抑制と負荷インピーダンス対策を目的として、予め第3の入出力ポート23に終端抵抗を組み込んだ図3に示す構造のPLAが望ましい。
以上の様に、PLAは簡易な構造にもかかわらず、パワーライン通信伝送特性の主要な技術課題を大幅に改善し解決することができる。
【0031】
本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタによれば、導体線路11、12間にチョークコイル1及びコンデンサ2を接続し、導体線路11、12の一方端を第1の入出力ポート21、他方端を第2の入出力ポート22として有し、当該第1の入出力ポート21側の導体線路11、12をそれぞれ分岐させ、分岐線路13上にコンデンサ3を配設し、当該分岐線路13の先端を第3の入出力ポート23として有しているので、チョークコイル1及びコンデンサ2でローパスフィルターを構成し不要な低周波を低減させ、第2の入出力ポート22側からの高周波もコンデンサ2及びチョークコイル1で第1の入出力ポート及び第3の入出力ポートに搬送することなく、さらに、分岐線路上のコンデンサ3により通信に必要な高周波のみが第3の入出力ポート23に到達し、第1の入出力ポート21と第3の入出力ポート23との間に高い伝送特性を有する通信路を構成することができる。
【0032】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタについて、図4または図5に基づき説明する。図4または図5は本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの基本構成である。
前記図4において本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタは、前記第1の実施形態に係る基本PLAと同様に構成され、前記分岐線路13間にコモンモード用チョークコイルを接続したことを異にする構成である。主伝送モードであるディファレンシャルモードにとって不要信号となるコモンモードの注入抽出を抑制すると同時に、他システムへの干渉雑音の原因となる電磁放射の抑制にも有効である。
【0033】
このように本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタによれば、前記分岐線路間にコモンモード用チョークコイルを接続したので、主伝送モードであるディファレンシャルモードにとって不要信号となるコモンモードの注入抽出を抑制すると共に、他の機器への干渉雑音の原因となる不要電磁放射を抑制することができる。本発明の場合の具体的使用形態としては、低圧引き込み線や屋内配線系の分岐部等に装荷した形態とすることもできる。
なお、図5は、第3の入出力ポート23の磁性体コアにコモンモード の吸収抵抗を付加することによって、コモンモード の発生をさらに抑圧する効果がある。
【0034】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタについて、図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの基本構成である。
前記図6において本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタは、第1の導体線路、第2の導体線路、第3の導体線路があり、第1の導体線路14と第2の導体線路15との間、並びに、第2の導体線路15と第3の導体線路14との間にチョークコイル1及びコンデンサ3を接続し、第1の導体線路14、第2の導体線路15及び第3の導体線路14の一方端を第1の入出力ポート21、他方端を第4の入出力ポート24として有し、当該第1の入出力ポート21側の第1の導体線路14と第2の導体線路15間を2つのコンデンサ2を介して接続し、かかる2つのコンデンサ2の間の線路と第1の入出力ポート21側の第2導体線路15とをそれぞれ分岐させ、当該分岐線路の先端を第3の入出力ポート23として有している構成である。端的には、単相三線PLAの実施例であり、2個の基本PLAのそれぞれの導体線路の片方を単相三線の中性線15(接地線)として共用する構造である。屋外の低圧引き込み線と屋内電力線の接続部(例えば配電盤入力部)に設置することによって、屋外からの雑音流入を阻止すると共に、屋内の情報信号の屋外への流出も阻止することが可能な屋内単相三線PLAである。ここで第4の入出力ポート24へは屋外の低圧引き込み線を接続し、第1の入出力ポート21は屋内電力線(2系統)と接続する。また、第3の入出力ポート23は高周波情報信号用ポートであり、2個のコンデンサ3を介して2系統の屋内電力線へ高周波情報信号を注入抽出することができる。ここで、2個のコンデンサ3は2系統間の高周波信号伝送にとっても不可欠であるが、第3の入出力ポート23自体は必ずしも必要ではない。また、その場合は1個のコンデンサ2だけでもよい。この単相三線PLAは、電柱上や集合住宅の電力室等の低圧引き込み線分岐部に加入者毎に設置することによって、アクセス系とホームネットワークを含めた高速アクセス・ホームネットワークを一体的に容易に構築することができる。
【0035】
このように本実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタによれば、第1の導体線路14、第2の導体線路15、第3の導体線路14があり、第1の導体線路14と第2の導体線路15との間、並びに、第2の導体線路15と第3の導体線路14との間にチョークコイル1及びコンデンサ3を接続し、第1の導体線路14、第2の導体線路15及び第3の導体線路14の一方端を第1の入出力ポート21、他方端を第4の入出力ポート24として有し、当該第1の入出力ポート21側の第1の導体線路14と第2の導体線路15間を2つのコンデンサ2を介して接続し、かかる2つのコンデンサ2の間の線路と第1の入出力ポート21側の第2導体線路15とをそれぞれ分岐させ、当該分岐線路の先端を第3の入出力ポート23として有しているので、単相三線にパワーライン通信アダプタを実装でき、屋外からの雑音の流入を阻止すると同時に、自宅内の高周波情報信号の屋外への流出も阻止することができる。
なお、本実施形態に係る単相三線PLAは磁性体コアを2個用いた構造であるが、磁気飽和特性に余裕がある場合には、1個のコアに簡易化してまとめることもできる。
【0036】
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る高周波終端機能パワーライン通信アダプタについて、図7に基づき説明する。図7は本実施形態に係る高周波終端機能パワーライン通信アダプタの基本構成である。
前記図7(a)において本実施形態に係る高周波終端機能PLAは、抵抗33を2つのコンデンサ31、32で挟んで直列接続して高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化した構成である。このように2個の高耐圧コンデンサーと終端抵抗を直列接続した極めて簡易な構造であるために安価に製造可能である。従って、わずかの経費で設置可能であり、電力線の伝送特性向上に大変有効である。樹脂モールド等によってコネクターと小型一体化を行うことによって、低コスト化と小型化を図ることができる。多くの分岐部からなる電力線の一部が開放終端あるいは短絡終端に近い場合は、高周波帯においては分岐電力線上に定在波を生じて伝送周波数特性が著しく劣化する。分岐線路全てに基本PLAを接続すればよいが、多数のPLAを設置すると経済性が損なわれる可能性がある。その解決策として、家電機器等を接続していないコンセント等には低コストで実現できるこの高周波終端機能PLAを接続するだけで不要な定在波を抑制することができる。従って、基本PLAと高周波終端機能PLAの併用は設備コストの低減策として大変有効である。さらに、基本PLAの第3の入出力ポート23を情報信号ポートして使用しない場合も、同ポート23にこの高周波終端機能PLAを挿入することで、高周波帯のおけるインピーダンス整合を容易に実現することもできる。
【0037】
このように本実施形態に係る高周波終端機能PLAによれば、抵抗33を2つのコンデンサ31、32で挟んで直列接続して高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成したことを特徴とする高周波終端機能を有するので、コンセントあるいは前記基本パワーライン通信アダプタに接続することによって高周波帯における定在波の発生を抑制して、伝送特性を大幅に改善することができる。より詳細には、コンセント部分でオープンになっている場合には反射が発生し、また、進行波と後進波とが共存し共振波となって定在波が発生するため、かかるコンセント部分に対して安価な終端機能を持たせた。基本パワーライン通信アダプタのように通信ポートを有することがなく、簡易な構成であるため使用しないコンセント部分には基本パワーライン通信アダプタではなく、高周波終端機能パワーライン通信アダプタを嵌装することで全体として安価なシステムとなる。
【0038】
なお、本実施形態に係る高周波終端機能PLAは、図7(b)に示すように、抵抗35とコンデンサ34を直列接続して1端子の高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成することもでき、同様に、コンセントあるいは前記基本パワーライン通信アダプタに接続することによって高周波帯における定在波の発生を抑制して、伝送特性を大幅に改善することができる。
【0039】
(本発明の第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタについて、図8に基づき説明する。図8は本実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタの基本構成である。
前記図8において本実施形態に係るコモンモード抑制吸収PLAは複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コア41であり、低圧引き込み線およびその接地線、あるいは屋内電力線系の不等長部、分岐部さらには不連続部に装荷する構成である。
【0040】
既設の電力線に装荷可能とするために、図8(a)に示すように分割可能な磁性体コア41を用いる。電力線上の不要なコモンモードが和同結合となる様に磁束鎖交させた上で磁性体同士を互いに密着して磁気回路を形成してコモンモード吸収抑制インダクタンスを実現する(図8(b)参照)。さらに、電力線に余裕があれば図8(c)に示すように複数回の磁束鎖交を行えば、自己インダクタンス値が大きくなって、それだけコモンモードの抑制効果を向上させることができる。従来技術では、コモンモードノイズフィルターとして、分割スリーブ構造のフェライトコアを用いて電子機器毎にその直近の電力ケーブルに装荷して広く使用されており、電力線全体の伝送特性改善を目的としたものではない。本実施形態では、電力線を高周波ネットワークとして、不要なコモンモード抑圧に有効な低圧引き込み線や屋内電力線の分岐部や不連続部に複数装荷して、統合的な伝送特性改善と不要電磁法放射を抑制するものである。
【0041】
このように本実施形態に係るコモンモード抑制吸収PLAは、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コア41であり、低圧引き込み線およびその接地線、あるいは屋内電力線系の不等長部、分岐部さらには不連続部に装荷するので、主伝送モードであるディファレンシャルモードにとって不要信号となるコモンモードの注入抽出を抑制し、不要電磁波放射の抑制や伝送特性改善に有効である。
【0042】
(本発明の第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る表示パネル装置の製造方法について、図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係るコモンモード抑制パワーライン通信アダプタの基本構成である。
前記図9(a)において本実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタは、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コア42に、抵抗43を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交する構成である。
【0043】
基本的な作用は前記第5の実施形態に係るコモンモード抑制吸収PLAと同じであるが、コモンモードを吸収させる抵抗43を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交していることがその特徴である。なお、ここでは既設設備である電力線への適用を目的としているために分割した強磁性体を使用しているが、新たな配線工事に際して設置する場合には、分割型でない通常の磁性体コアの使用が可能なことは言うまでもない。
【0044】
このように本実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタによれば、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コア42に、抵抗43を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交するので、コモンモードを抵抗で吸収することができる。
【0045】
(本発明の第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係るコモンモード抑圧パワーライン通信アダプタについて、図9に基づき説明する。
前記図9(b)において本実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタは、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コア42に、リアクタンス素子44を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交した構成である。
【0046】
前記図9(b)においてコモンモード抑圧PLAは、基本的な作用は前記第5の実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタと同じであるが、コモンモードの抑圧度をさらに向上するためにここでは容量性素子44を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交していることがその特徴である。すなわち、そのLC反共振特性を活用して不要なコモンモードを強く抑制するものである。
なお、これら前記第5の実施形態ないし本実施形態に係るパワーライン通信アダプタは、不要電磁放射が課題となっている低圧引き込み線への適用が最も有効である。
【0047】
このように本実施形態に係るコモンモード抑圧パワーライン通信アダプタによれば、複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コア42に、リアクタンス素子44を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交したので、コモンモードの抑圧度を向上させることができる。とくに、コイルとコンデンサ44の並列回路を構成し、LC反共振特性を利用可能とし、特定周波数のコモンモードを強く抑制することができる。
【0048】
(本発明の第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係るパワーラインアダプタについて、図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係るパワーラインアダプタの概要図である。
本実施形態に係るパワーラインアダプタは、図10(a)に示すように、電力線上の照明等の家電機器の投入・開放のためのスイッチ線路70である入力スイッチ線路71及び出力スイッチ線路72を誘導電磁コア73で環囲した構成である。電灯線搬送は電灯線の2線を活用するが,スイッチ74等の分岐により2線の亘長に差が生じた場合,信号の位相がずれてコモンモードが発生すると共に、高速通信には不具合が発生する恐れがある。したがって、以上のような構成にすることで、信号の位相差を改善し,良好な通信状態を確保できる。なお、亘長差やそのインピーダンス終端条件によっては磁気コアを位置を変えて複数個装荷する必要があり、その結果、広帯域にわたってコモンモード発生を抑制することができる。
【0049】
なお、本実施形態に係るパワーラインアダプタは、図10(b)に示すように、誘導電磁コア73でスイッチ線路70を環囲した構成であるが、誘導電磁コア73で環囲する代わりに入力スイッチ線路71と出力スイッチ線路72とをコンデンサ75を介して接続する構成にすることもできる。この場合は、高周波成分のみがコンデンサ75を通過し少なくとも通信帯域の信号の位相差を改善し、良好な通信状態を確保することができる。ここで、スイッチ線路70上で入力スイッチ線路71と出力スイッチ線路72とを接続する場所であるが、分岐線路となるスイッチ線路70の分岐基部70aであることが望ましい。また、磁気コアと同様に、場合によっては位置を変えて複数のコンデンサを装荷することによって、広帯域にわたってコモンモード発生を抑制することができる。
【0050】
(本発明の第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態に係るパワーライン通信ネットワークについて、図11に基づき説明する。図11は本実施形態に係るパワーライン通信ネットワークの概観図である。
本実施形態に係るパワーライン通信ネットワークは、前記各種パワーライン通信アダプタの全てを適用して構築した構成である。言い換えれば、前記第1の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタ51、前記第3の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタ52、前記第4の実施形態に係る高周波終端機能パワーライン通信アダプタ53、並びに、前記第5の実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタ54を配設したパワーライン通信ネットワークである。その余のパワーライン通信ネットワークの構成要素は、PLCサーバモデム61、電力量計62、分電盤63、コンセント64、PLCサーバ親モデム65であるが、環境によりかかる構成要素は変わってくる場合もある。
【0051】
通信範囲を屋内に限定する場合は、単相三線PLAを例えば分電盤の入力部に設置する。一方、アクセス系も含めた高速アクセス・ホームネットワークを一体的に構築する場合は、単相三線PLAを光ファイバと接続する電柱上などに設置する。その場合、PLAを戸別に設置することによって隣接干渉のない高速アクセス系が迅速に構築できる。
【0052】
このように本実施形態に係るパワーライン通信ネットワークによれば、前記各種パワーライン通信アダプタの全て、あるいは一部を適用して構築しているので、各環境に応じた柔軟な設計が可能となる。また、前記パワーライン通信アダプタのほとんどのものが既設設備に容易に導入することができるものであり、コスト面からも有利である。さらに柱上や集合住宅電力室等の引き込み線分岐部において、この単相三線PLAを加入者毎に設置することによって、アクセス系を含めた高速加入者ネットワークを迅速かつ低コストで構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの基本構成である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの等価回路及び適用例である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの高周波終端抵抗を組み込んだ別適用例である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの基本構成である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの基本構成である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る基本パワーライン通信アダプタの基本構成である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る高周波終端機能パワーライン通信アダプタの基本構成である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係るコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタの基本構成である。
【図9】本発明の第6又は第7の実施形態に係るコモンモード抑制パワーライン通信アダプタの基本構成である。
【図10】本発明の第8の実施形態に係るパワーラインの概要図である。
【図11】本発明の第9の実施形態に係るパワーライン通信ネットワークの概観図である。
【図12】背景技術となるパワーライン通信モデムの機能ブロック図である。
【図13】背景技術となるノイズフィルターの回路構成図である。
【図14】背景技術となる分割スリーブコアフィルターの使用態様図である。
【符号の説明】
【0054】
1 チョークコイル
2 コンデンサ
3 コンデンサ
4 終端抵抗
5 コモンモード用チョークコイル
11、12 導体線路
13 分岐線路
14 導体線路
15 中性線
21 第1の入出力ポート
22 第2の入出力ポート
23 第3の入出力ポート
24 第4の入出力ポート
31 コンデンサ
32 コンデンサ
33 抵抗
34 コンデンサ
35 抵抗
41 磁性体コア
42 磁性体コア
43 抵抗
44 コンデンサ
51 基本パワーライン通信アダプタ
52a、52b 基本パワーライン通信アダプタ
53 高周波終端機能パワーライン通信アダプタ
54 コモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタ
61 PLCサーバモデム
62 電力量計
63 分電盤
64 コンセント
65 PLCサーバ親モデム
66 柱上変圧器
70 スイッチ線路
70a 分岐基部
71 入力スイッチ線路
72 出力スイッチ線路
73 誘導電磁コア
74 スイッチ
75 コンデンサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源側に接続される第1の入力ポートと負荷側に接続される第2の入力ポートとの導体線路間に、当該第1の入力ポート寄りに直列にチョークコイルを接続し、前記第2の入力ポート寄りに並列にコンデンサを接続し、前記第1の入力ポートとチョークコイルとの間の導体線路を各々分岐させ、当該分岐線路にコンデンサを介装すると共に端末を第3の入力ポートとすることを
特徴とする基本パワーライン通信アダプタ。
【請求項2】
前記請求項1に記載の基本パワーライン通信アダプタにおいて、
前記第3の入出力ポートに抵抗を接続したことを
特徴とする基本パワーライン通信アダプタ。
【請求項3】
前記請求項1に記載の基本パワーライン通信アダプタにおいて、
前記分岐線路間にコモンモード用チョークコイルを接続したことを
特徴とする基本パワーライン通信アダプタ。
【請求項4】
前記請求項3に記載の基本パワーライン通信アダプタにおいて、
前記コモンモード用チョークコイルのコアに抵抗を接続したコイルを配設したことを
特徴とする基本パワーライン通信アダプタ。
【請求項5】
第1の導体線路、第2の導体線路、第3の導体線路があり、第1の導体線路と第2の導体線路との間、並びに、第2の導体線路と第3の導体線路との間にチョークコイル及びコンデンサを接続し、第1の導体線路、第2の導体線路及び第3の導体線路の一方端を第1の入出力ポート、他方端を第4の入出力ポートとして有し、当該第1の入出力ポート側の第1の導体線路と第2の導体線路間を2つのコンデンサを介して接続し、かかる2つのコンデンサの間の線路と第1の入出力ポート側の第2導体線路とをそれぞれ分岐させ、当該分岐線路の先端を第3の入出力ポートとして有していることを
特徴とする基本パワーライン通信アダプタ。
【請求項6】
抵抗を2つのコンデンサで挟んで直列接続して高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成したことを
特徴とする高周波終端機能パワーライン通信アダプタ。
【請求項7】
抵抗とコンデンサーを直列接続して1端子の高周波インピーダンス終端機能回路をコネクターと一体化して構成したことを
特徴とする高周波終端機能パワーライン通信アダプタ。
【請求項8】
複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアであり、低圧引き込み線およびその接地線、あるいは屋内電力線系の不等長部、分岐部さらには不連続部に装荷することを
特徴とするコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタ。
【請求項9】
複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアに、抵抗を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交することを
特徴とするコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタ。
【請求項10】
複数の電力線のコモンモードを和同結合する様に磁束鎖交させた分割可能な磁性体コアに、リアクタンス素子を接続したコイルを磁性体に磁束鎖交したことを
特徴とするコモンモード抑制吸収パワーライン通信アダプタ。
【請求項11】
屋内配線内の1対の線路間で亘長差が生じる場合、その電気長が長い線路において誘導電磁コアで環囲してバイパス電磁結合した構成であることを
特徴とするパワーラインアダプタ。
【請求項12】
屋内配線内の1対の線路間で亘長差が生じる場合、その電気長が長い線路においてコンデンサを介してバイパス電磁結合した構成であることを
特徴とするパワーラインアダプタ。
【請求項13】
請求項1ないし12に記載の各種パワーライン通信アダプタの全て、あるいは一部を適用して構築したことを
特徴とするパワーライン通信ネットワーク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−33113(P2006−33113A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205474(P2004−205474)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年1月30日 社団法人映像情報メディア学会発行の「社団法人映像情報メディア学会技術報告」に発表
【出願人】(504209655)国立大学法人佐賀大学 (176)
【出願人】(000164438)九州電力株式会社 (245)
【Fターム(参考)】