説明

パーソナルケア組成物のためのシリコーン堆積助剤

シリコーンおよびエチレンアクリル酸コポリマーを含む水性分散体、および少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤または化粧用活性物質を含むパーソナルケア組成物を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本件はパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
シリコーンの堆積は、パーソナルケア組成物,特にコンディショナー、シャンプー、およびボディウォッシュにおいて滑らかさの知覚を増大させることが知られている。しかし、シリコーンを落ち易くするのと対照的にシリコーンの堆積を促進させる方法でパーソナルケア成分をバランスすることは当該分野での主要な検討である。よって、シリコーンの堆積を増大させる堆積助剤が必要とされている。よって、新たな配合物を作ることが当該分野での重要な目標である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
要約
一態様において、本発明は、シリコーンおよびエチレンアクリル酸コポリマーを含む水性分散体、ならびに少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤、または化粧用活性物質を含むパーソナルケア組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
一態様において、本発明は、シリコーンおよびエチレンアクリル酸コポリマーを含む水性分散体、ならびに少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤、または化粧用活性物質を含むパーソナルケア組成物を提供する。
【0005】
「パーソナルケア」は、人間(例えば口、耳、および鼻腔、しかし摂取されない)に局所的に適用される組成物に関する。パーソナルケア組成物の例としては、スキンケア製品(例えばフェイシャルクリーム、モイスチャライザー、洗い流さないおよび洗い流すローション、サンスクリーン、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、リップスティック、クレンザー等)、ならびにヘアケア製品(例えばシャンプー、洗い流さないおよび洗い流すコンディショナー、スタイリングジェルおよびヘアスプレー)が挙げられる。好ましくは、パーソナルケア組成物は、シャンプー、洗い流すコンディショナー、洗い流さないコンディショナー、またはボディウォッシュである。
【0006】
「化粧用に許容可能な」は、パーソナルケア組成物において典型的に用いられる含有成分を意図し、そしてパーソナルケア組成物中に典型的に見出される量で存在する場合に有害である物質が本発明の部分として考慮されないことを強調することを意図する。
【0007】
エチレンをアクリル酸と共重合することにより、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマーが得られる。これはブリスター包装等のための可撓性熱可塑性物質として公知である。好ましいエチレンアクリル酸コポリマーは、約15質量%超のアクリル酸、好ましくは約17質量%超のアクリル酸、より好ましくは約20質量%のアクリル酸を含む。本開示で列挙する範囲は、範囲の全ての下位組合せを包含することを理解すべきである。
【0008】
好ましいEAAコポリマーは、PRIMACOR 5990コポリマー(20質量%アクリル酸)であり、これはメルトインデックス1300g/10分(ASTM法 D−1238、190℃にて)、およびブルックフィールド粘度13,000cps(350°Fにて)を有し、The Dow Chemical Companyから入手可能である。別の好ましいEAAコポリマーは、PRIMACOR 5980iコポリマー(20.5質量%アクリル酸)であり、これはメルトインデックス300g/10分(ASTM法 D−1238、190℃にて)を有し、The Dow Chemical Companyから入手可能である。EAAコポリマーはまた、商品名NUCREL 2806で、E.I. du Pont de Nemours and Company,Inc.から入手可能である。エチレン−アクリル酸およびエチレン−メタクリル酸のコポリマーは、米国特許第4,599,392号,第4,988,781号,および第5,938,437号(これらのそれぞれは参照により全部を本明細書に組入れる)記載されている。
【0009】
シリコーンとしては、シリコーンオイル,例えば揮発性または不揮発性のポリメチルシロキサン(PDMS)(直鎖または環状のシリコーン鎖を含むもの)(室温で液体またはペースト状)、特にシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン),例えばシクロペンタシロキサンおよびシクロヘキサジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン(アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を含むものであり、これらがシリコーン鎖の側鎖または末端であり、これらの基が2〜24個の炭素原子を含むもの)、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、およびポリメチルフェニルシロキサン、フルオロオイル,例えば部分炭化水素系および/または部分シリコーン系フルオロオイル、好ましくはジメチコーンが挙げられる。ジメチコーン、ラウレス−23、およびC12−15パレス−3の好ましいブレンド物は、ダウコーニングから商品名DOW CORNING 2−1491シリコーンエマルションで市販で入手可能であり、超高分子量ポリジメチルシロキサンゴムおよび中間分子量ポリジメチルシロキサン流体のブレンド物の60%大粒子サイズ非イオン性エマルションとも記載される。
【0010】
一態様において、エチレンアクリル酸コポリマーおよびシリコーンは押出機内で水および中和剤,例えばアンモニア、水酸化カリウム、または2つの組合せ、とともに溶融混練して、水性分散体を形成する。
【0011】
機械的分散(例えばParr反応器)を用いて水性分散体を生成する。
【0012】
エチレンアクリル酸コポリマーは、水性分散体の質量基準で約0.5質量%〜約15質量%の範囲、好ましくは約2質量%〜約10質量%の範囲で存在する。
【0013】
一態様において、シリコーンは、水性分散体の質量基準で約10質量%〜約50質量%の範囲、好ましくは約20質量%〜約30質量%の範囲で存在する。
【0014】
好ましくは、エチレンアクリル酸コポリマーおよびシリコーンは、ポリマー比で、約1:4、より広範には、約1:2〜約1:8の範囲である。水性分散体の固形分量は、約10質量%〜約30質量%、好ましくは約20質量%である。
【0015】
同じく、水性分散体は、パーソナルケア組成物の質量基準で、約0.1質量%〜約10質量%の範囲の固形分、好ましくは約0.5質量%〜約5質量%で存在する。
【0016】
一態様において、組成物は、カチオン性ポリマーを更に含む。カチオン性ポリマーは、本開示で、正電荷を有するように変性された多糖、例えばカチオン性セルロース誘導体(例えばPQ 10,PQ 24,およびPQ 67が挙げられる)、カチオン性グアー誘導体、カチオン性メタクリルアミドポリマー、および合成カチオン性ポリマー,例えばPQ6およびPQ7と規定する。好ましい態様において、カチオン性ポリマーは、カチオン変性されたヒドロキシエチルセルロースであり、これはThe Dow Chemical Companyから商品名UCAREにて市販で入手可能である。
【0017】
代替として、一態様において、パーソナルケア組成物は、カチオン性ポリマーを実質的に含まない。すなわち、正電荷を持つように変性された多糖,例えばカチオン性セルロース誘導体またはカチオン性グアー誘導体である。
【0018】
一態様において、界面活性剤はアニオン性、ノニオン性、もしくは両性の界面活性剤、またはこれらの混合物である。
【0019】
一態様において、界面活性剤は洗剤界面活性剤である。この態様において、界面活性剤は、組成物の質量基準で約2質量%〜約30質量%、好ましくは組成物の質量基準で約5質量%〜約25質量%、最も好ましくは組成物の質量基準で約7質量%〜約20質量%の量で存在する。
【0020】
好ましくは、洗剤界面活性剤は、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との組合せである。一態様において、アニオン性界面活性剤はラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、またはラウリル硫酸ナトリウムである。
【0021】
一態様において、混合物は、アニオン性界面活性剤と、ジナトリウムココアンホジアセテート、デシルグルコシドまたはコカミドプロピルベタインである第2の界面活性剤との組合せである。
【0022】
好ましい態様において、界面活性剤は、ラウレス硫酸ナトリウム(例えば、Cognisから商品名STANDAPOL ESで市販で入手可能であるもの)、およびジナトリウムココアンホジアセテート(例えばHenkelから商品名VELVETEX CDCで市販で入手可能であるもの)の混合物である。界面活性剤がラウレス硫酸ナトリウムおよびジナトリウムココアンホジアセテートの混合物である場合、ラウレス硫酸ナトリウムのジナトリウムココアンホジアセテートに対する比は、約9:1〜約2:1、最も好ましくは約6:1である。
【0023】
一態様において、組成物は、pHを調整するためにクエン酸を含む。
【0024】
本発明のパーソナルケア組成物のための他の任意の含有成分としては、化粧用に許容可能なエモリエント剤、サンスクリーン、界面活性剤、乳化剤、保存料、レオロジー調整剤、着色剤、染料、保存料、pH調整剤、推進剤、還元剤、香料、発泡剤、タンニング剤、脱毛剤、芳香剤、収斂剤、消毒剤、消臭剤、制汗剤、虫除け剤、脱色剤、ライトナー、フケ防止剤、接着剤、ポリッシュ、強化剤、フィラー、バリア物質、または殺生剤が挙げられる。
【0025】
幾つかの態様において、パーソナルケア組成物は、増粘剤として、任意のレオロジー調整剤を更に含む。増粘剤の例としては、ポリマー,例えば、変性または非変性のカルボキシビニルポリマー,例えば名称CARBOPOLおよびPEMULEN(INCI名:アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー;Noveonから入手可能)で販売される製品、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート,例えば名称LUBRAJELおよびNORGEL(Guardianから市販で入手可能)またはHISPAGEL(Hispano Chimicaから市販で入手可能)で販売される製品、ポリアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよび複数ポリマーであって任意に架橋および/または中和されているもの,例えばポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−スルホン酸)であってClariantから販売されるもの(INCI名:アンモニウムポリアクリルジメチルタウルアミド)、アクリルアミドおよびAMPSの乳化架橋アニオン性ポリマー,例えば名称SEPIGEL 305(INCI名:ポリアクリルアミド/C13−14イソパラフィン/ラウレス−7;Seppicより)および名称SIMULGEL 600(INCI名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートポリマー/イソへキサデカン/ポリソルベート80;Seppicより)で販売されるもの、多糖バイオポリマー,例えばキサンタンガム、グアーガム、キャロブガム、アカシアガム、スクレログルカン、キチンおよびキトサンの誘導体、カラギーナン、ジェラン、アルギネート、セルロース類,例えば微結晶セルロース、セルロース誘導体、会合性ポリマー,例えば会合性ポリウレタン、少なくとも2つの、6〜30個の炭素原子を含む炭化水素系親油性鎖を含むポリマー,親水性配列で分離されるもの,例えば品名SERAD FX1010,SERAD FX1100およびSERAD FX1035(Huels Americaから市販で入手可能)、RHEOLATE 255,RHEOLATE 278およびRHEOLATE 244(INCI名:ポリエーテル−ウレア−ポリウレタン;Rheoxより)、DW 1206F,DW 1206J,DW 1206B,DW 1206G,およびACRYSOL RM 2020(Roehm&Haasより市販で入手可能)で販売されるポリウレタンが挙げられる。
【0026】
着色剤としては、顔料,特にメイクアップで使用されるもの,例えば金属酸化物顔料、二酸化チタン、任意に表面処理されているもの、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄または赤)、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物および第二鉄ブルー、カーボンブラック、バリウム、ストロンチウム、カルシウムまたはアルミニウムの顔料(例えばD&CまたはFD&C)、コチニールカーミン、チタンまたはビスマスオキシクロリドでコートされたマイカ、チタンマイカ(酸化鉄を伴うもの)、チタンマイカ(特に第二鉄ブルーまたは酸化クロムを伴うもの)、チタンマイカ(有機顔料を伴うもの)、パール顔料であってビスマスオキシクロリドを基にするもの、ゴニオクロマチック(goniochromatic)顔料,例えば、多層干渉構造を有する顔料、反射顔料,例えば銀コートされたガラス物質、ニッケル/クロム/モリブデン合金でコートされたガラス物質、茶酸化鉄でコートされたガラス物質を有する粒子、少なくとも2つのポリマー層の積層物を含む粒子,例えばMIRROR GLITTER(3Mより市販で入手可能)が挙げられる。
【0027】
染料としては、水溶性染料,例えば硫酸銅、硫酸鉄、水溶性スルホポリエステル、ローダミン、天然染料,例えばカロテンおよびビート根汁、メチレンブルー、カラメル、タートラジンの二ナトリウム塩およびフスチン(fuschin)の二ナトリウム塩、ならびにその混合物が挙げられる。上記の列挙からの脂溶性染料もまた任意に使用できる。
【0028】
保存料としては、アルコール、アルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノン、p−ヒドロキシベンゾエート、および特にメチルパラベン、プロピルパラベン、グルタルアルデヒドおよびエチルアルコールが挙げられる。
【0029】
pH調整剤としては、無機および有機の酸および塩基、ならびに特に水性のアンモニア、クエン酸、リン酸、酢酸および水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0030】
還元剤としては、アンモニウムチオグリコレート、ハイドロキノンおよびナトリウムチオグリコレートが挙げられる。
【0031】
香料は、天然物質の抽出によって得られるかまたは人工的に製造される(上記のように)アルデヒド、ケトン、または油であることができる。しばしば、芳香剤は補助的な物質,例えば定着剤、増量剤、安定剤および溶媒を伴う。
【0032】
殺生剤としては、抗菌剤、殺バクテリア剤、防カビ剤、殺藻剤、殺菌剤(mildicide)、消毒剤、防腐剤、および殺虫剤が挙げられる。
【0033】
任意の含有成分の、所望の特性(このような含有成分により与えられる)を実現するために有効な量は当業者により容易に決定できる。
【0034】
好ましい態様において、パーソナルケア組成物はシャンプー、ボディウォッシュ、またはフェイシャルクレンザーであり、好ましくはシャンプーである。
【0035】
任意の含有成分の、所望の特性(このような含有成分により与えられる)を実現するために有効な量は当業者により容易に決定できる。
【0036】
使用において、パーソナルケア組成物は、毛(hair)または皮膚に適用する。
【0037】

以下の例は、例示のみのためであって、本発明の範囲の限定を意図しない。全てのパーセントは特記がない限り質量基準である。
【0038】
例1
本発明のパーソナルケア組成物は、エチレンアクリル酸コポリマーを含む水性分散体を含む。このような水性分散体の例は以下を含む:
バッチ1: PRIMCAORTM 5980i樹脂(30.1g)、水酸化カリウム(3.9g)および水(90g)を、Cowlesブレードを取り付けたParr反応容器内に入れる。材料を、ゆっくり混合しながら約120℃まで加熱する。所望温度に到達したならば、ミキサーを高(約1800rpm)で約25分間運転する。混合物を撹拌しながら少なくとも30℃に到達するまで冷やす。
【0039】
46.5gのこの混合物をDow Corning DC−200ポリジメチルシロキサン(約60,000cSt)(42g)と組合せ、Parr反応器に入れ、高(約1800rpm)で室温にて約25分間混合する。高でなお混合しながら、HPLCポンプで反応器に供給した水でサンプルを所望固形分濃度の約20%固形分まで希釈する。次いで最終水性分散体を収集する。
【0040】
例2
例のパーソナルケアシャンプー組成物は、質量/質量基準(wt%)の表1に列挙する成分を含有する。
【0041】
【表1】

【0042】
バッチ1をベース界面活性剤と組合せる。オーバーヘッド撹拌器(約500rpm)で混合しながら74℃までゆっくり加熱する。界面活性剤が溶液になるまで撹拌を継続する。パール化剤を約500rpmで添加し、速度は15分間維持し、次いでゆっくり約35℃まで冷やす。撹拌速度を750rpmまで増大させ、バッチ1を添加する。約15分間撹拌する。ゆっくりカチオン性ポリマーを添加し、約30分間撹拌する。10%クエン酸を添加し、約10分間撹拌する。Glydant保存料を添加し、適量の水で100gにする。15分間、約500rpmで撹拌する。
【0043】
例3(比較)
従来のシャンプー組成物は、質量/質量基準(wt%)の表2に列挙する成分を含有する。
【0044】
【表2】

【0045】
シリコーンをベース界面活性剤と組合せる。オーバーヘッド撹拌器(約500rpm)で混合しながら74℃までゆっくり加熱する。界面活性剤が溶液になるまで撹拌を継続する。パール化剤を約500rpmで添加し、速度を15分間維持し、次いで約35℃までゆっくり冷やす。撹拌速度を750rpmに増大させ、バッチ1を添加する。約15分間撹拌する。カチオン性ポリマーをゆっくり添加し、約30分間撹拌する。10%クエン酸を添加し、約10分間撹拌する。Glydant保存料を添加し、適量の水で100gにする。15分間、約500rpmで撹拌する。
【0046】
例4
例2および3のプロトコルに実質的に従った組成物を調製した。前洗浄および前抱水させた、ヨーロッパ人のバージンの茶毛または8時間脱色した毛の束(International Hair Importers and Products Inc.から入手可能)を0.5gのこれらのシャンプー配合物で処理した。シャンプーは毛に1分間入れ込み、次いで流水の水道水で38℃、0.4gal/分の水流にて洗い流した。
【0047】
毛束を吊るして乾燥させた。束が完全に乾燥した後、乾燥感覚評価を実施した。毛上の化粧用製品の性能を評価するために訓練された10人の熟練したパネリストに、乾燥状態での櫛通り性および感触を評価してもらった。各パネリストは1組の束を評価した。1つの束は本発明の組成物で処理されたものであるのに対し、1つは比較組成物で処理されたものである。パネリストに、優れた効果を有する1つの束を取ってもらった。結果を表3に与える。
【0048】
【表3】

【0049】
結果は、比較的低濃度でも、本発明の配合物はシリコーンポリマーと統計的に同じかより良好なコンディショニングを与えることを示す。
【0050】
シリコーンの堆積をバッチA、バッチC,および比較バッチZについて評価した。バッチAは、1066±58ppmのシリコーン堆積を有し、比較バッチZは872±46ppmのシリコーン堆積を有し、バッチCは261±4ppmのシリコーン堆積を有した。更に、湿潤および乾燥のパネル検討は、バージンおよび脱色した毛の両者で、バッチAのバッチCに対する明瞭な優位性を示した。従って、本発明の1つの好ましい態様において、パーソナルケア組成物は、カチオン性ポリマー(例えばカチオン性グアー)を実質的に含まない。
【0051】
本発明は、本明細書で具体的に開示および例示した態様に限定されないと理解される。発明の種々の改変が当業者に明らかとなろう。このような変更および改変は、特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく行なうことができる。
【0052】
更に、各々の列挙した範囲は、範囲の全ての組合せおよび下位組合せ、更にそれに含まれる具体的な数を包含する。加えて、本明細書で引用または記載する各特許、特許出願および公報の開示はその全部を参照により本明細書に組入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンおよびエチレンアクリル酸コポリマーを含む水性分散体;ならびに
少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤、または化粧用活性物質;
を含む、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
シリコーンが、水性分散体の質量基準で約5質量%〜約35質量%の範囲、好ましくは約10質量%〜約25質量%の範囲で存在する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
エチレンアクリル酸コポリマーが、水性分散体の質量基準で約0.5質量%〜約15質量%の範囲、好ましくは約2質量%〜約10質量%の範囲で存在する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
水性分散体が、パーソナルケア組成物の質量基準で約0.1質量%〜約10質量%の範囲、好ましくは約0.5質量%〜約5質量%の範囲の固形分で存在する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
界面活性剤が存在する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
界面活性剤が、約1質量%〜約30質量%の範囲、好ましくは約5質量%〜約25質量%の範囲、およびより好ましくは約7質量%〜約20質量%の範囲で存在する、請求項5に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
パーソナルケア組成物が、シャンプーまたはボディウォッシュ組成物である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
毛上のシリコーンの堆積を増大させる方法であって:
エチレンアクリル酸コポリマーを含む水性分散体中にシリコーンを分散させること;
カチオン性ポリマーを実質的に有さないパーソナルケア組成物中に該水性分散体を含ませること;および
該パーソナルケア組成物を毛に適用すること;
を含む、方法。
【請求項9】
該堆積が少なくとも20%増大する、請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2013−504627(P2013−504627A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529861(P2012−529861)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/048860
【国際公開番号】WO2011/034877
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】