説明

パーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物

【課題】 エチルアルコール特有の刺激性のある臭いが有効に防止されるパーソナルケア製品、化粧品及び香水用の組成物を提供する。
【解決手段】 組成物に対して、0.1〜99質量%のぶどう酒(vinic alclhol)を含むパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア製品、化粧品及び香水用の組成物に関するものである。より詳細には、本発明は、さらさら感、揮発性、収斂性、清浄性、他の成分の溶解性、抗菌性などを付与するために、パーソナルケア製品、化粧品及び香水に、特定のタイプのアルコール、即ち、ぶどう酒を使用することに関するものである。ぶどう酒が特徴的な香りがあり、また、最終的な嗅覚による知覚に寄与することにより、本発明のぶどう酒を含む組成物から、様々な製品が得られる。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア製品、化粧品及び香水は、皮膚、粘膜及び髪に与える特性のうち、特に洗浄、保護、処置、カラーリング、フラグランス、デオドラント等の効果を与える製品群を意味する。
【0003】
化粧品は、クリーム、美容用ローション、ハンドクリーム、フェイシャルマスク、乳液またはクリーミーな溶液、アストリンゼン、ハンドローション、メークアップ製品、化粧用オイル、太陽光保護剤(anti-solar preparation)、日焼け防止剤、毛髪用染料(capillary dye)、毛髪のカラーリング剤、毛髪にウェーブをつけたり、固めたりするための製品、ヘアスプレー、整髪用のオイル、毛髪用のローション(capillary lotion)、脱毛剤、爪用製剤等の、様々な体の部分を保護するまたは飾り立てるための、外用製品である。
【0004】
パーソナルケア製品は、石鹸、シャンプー、毛髪用の定着剤(capillary fixative)、歯磨剤、口腔洗浄剤、制汗剤、デオドラント、シェービング製品やアフターシェービング製品等の、体をきれいにしたり(neatness)または洗ったりすること(corporal decontamination)を目的とした、防腐剤が入っているあるいは入っていない、外用の製品であると理解される。
【0005】
香水は、最終目的が人、物体あるいは環境にフラグランスを付与することである、適当な濃度及びベヒクルにおける、天然または合成物質から得られる芳香性の組成物を含む製品であると理解される。このような香水としては、エキス、化粧水、クリーミーな香水、入浴用製品や室内用のフラグランス等があり、一般的に、液体、ゲル、粘性のある形態や固体状で製造される。
【0006】
このような組成物には、たいてい、爽快である点、乾燥時間、揮発性、維持性、溶解性などを考慮して、エチルアルコールが用いられている。
【0007】
しかしながら、一般的に使用されているエチルアルコールは、このような配合物での好ましい特徴はあるものの、特徴的で強い臭いがあり、製品の嗅覚による知覚に影響を与え、場合によっては、刺激的で鼻にツンとくるような臭いがする場合がある。香水、デオドラント、アフターシェービングローションや他のこのような製品に関する限り、エチルアルコール濃度が90%にまで到達するほど高くなると、従来使用されているエチルアルコールは、フラグランスの性能を妨げる場合がある。このため、エチルアルコールの刺激的で鼻にツンとくるような臭いを一緒に認識することによって、純粋な状態でフラグランスが示す場合に比べて不快な臭いとして嗅覚で知覚してしまう。
【0008】
しかしながら、エチルアルコールは、上記用途では他の溶剤に置き換えることは容易ではないので、このように嗅覚による不都合があるものの、非常によく使用されている。
【0009】
このような分野では、従来のエチルアルコールの欠点である好ましくない鼻にツンとくるような臭いを示すことなく、揮発性のあるさらさら感や適当な清涼感があり、さらに、フラグランス及び他の基本成分を組み合わせて、異なる製品を作ることにより、嗅覚による知覚をより快適なものにできる、エチルアルコールの代わりとなりえる溶剤を使用して、配合物を開発することに高い関心がある。加えて、このようなエチルアルコールの代替になる溶剤は、パーソナルケア製品、化粧品または香水に使用される場合に、当該溶剤の使用を実行できなくする原因となりうる、皮膚や粘膜にアレルギーを引き起こしたり、刺激を与えるものであってはならない。上記したような特徴の組み合わせは、このような用途の開発にあたって固有である。
【0010】
特許文献1には、ワインの製造プロセスから得られるぶどうのアルコール発酵の固体残渣とエチルアルコールを接触させることによって修飾されたエチルアルコールを含む化粧用組成物が開示されている。当該公報には、エチルアルコール中に存在する鼻にツンとくるような臭いを除くことを目的として、当該目的を達成するために、様々な物質の化学合成または発酵から得られるエチルアルコールを使用することが記載されている。しかしながら、組成物の嗅覚による知覚に特徴的な臭いを付与するためにぶどうの発酵から得られるぶどう酒を使用することは、上記特許文献1には記載されていない。
【0011】
特許文献2には、ぶどう酒中の糖類、アミノ酸及びペプチドは、エチルアルコールの刺激性のある臭いをマスクし、さらに皮膚にうるおいを与えるため、カルシウム塩で処理したワインを香水やオーデコロン中に用いることが記載されている。しかしながら、そのままの状態のワインを使用しているため、最終組成物の着色や清潔感を損なう可能性のある他の分子を混入させるおそれがある。
【特許文献1】欧州特許第0196340号明細書
【特許文献2】特開昭61−204116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、エチルアルコール特有の刺激性のある臭いが有効に防止されるパーソナルケア製品、化粧品及び香水用の組成物を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の他の目的は、さらさら感、揮発性、収斂性、清浄性、他の成分の溶解性、抗菌性を有する、パーソナルケア製品、化粧品及び香水用の組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的は、組成物に対して、0.1〜99質量%のぶどう酒(vinic alclhol)を含むパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物、特に上記組成を有する特定の嗅覚特性を示すパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物によって達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物は、エチルアルコール特有の刺激性のある臭いが有効に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、組成物に対して、0.1〜99質量%のぶどう酒(vinic alclhol)を含むパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物、特に上記組成を有する特定の嗅覚特性を示すパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物を提供する。
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明は、パーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物におけるエタノール(エチルアルコール)の代替となる溶剤を提供するものである。本発明の組成物は、明確な目的を有する製品の配合に関して従来使用される成分を、ぶどう酒、さらには必要であればぶどう酒及びエチルアルコールと組み合わせて含むものである。この際、エチルアルコールは、組成物中に添加されてもあるいは添加されなくともいずれでもよい。後者の場合には、エチルアルコールは、フラグランスの揮発性を促進して嗅覚による知覚を向上するために、または爽快感、収斂性若しくは清潔感を促進する若しくは配合物の維持に作用する機能を行なうことを目的として、または可溶化剤として使用される。本発明の組成物にエチルアルコールを添加する場合の、エチルアルコールの含量は、上記効果が得られるものであれば特に制限されないが、好ましくは組成物に対して、1〜90質量%、より好ましくは5〜85質量%である。
【0019】
エチルアルコールを使用する場合のエチルアルコールは、特に制限されず、パーソナルケア製品、化粧品及び香水の分野で通常使用されているエチルアルコールが同様に使用できる。このようなエチルアルコールとしては、主に、糖やアミドを多く含む植物、特にサトウキビ、ビート、トウモロコシ、米等の発酵により得られるエチルアルコールが好ましい。発酵中、グリセリンや有機酸等の、副産物が生成する場合がある。パーソナルケア製品、化粧品及び香水工業では、アルコールは、最終製品中に含まれるこれらの副産物からの影響を防ぐために、一般的に精製されることが好ましい。この場合の精製方法は、特に制限されず、当該分野において通常使用されている公知の方法が同様にして使用できる。
【0020】
または、エチルアルコールの他の公知の製造方法としては、合成による方法があり、このような合成によって得られるエチルアルコールを使用してもよい。この際のエチルアルコールの合成方法は、特に制限されず、公知の合成方法が使用できるが、より具体的には、ガス状の合成(CO+O)により石油由来のアセチレンまたはエチレンから合成される方法がある。
【0021】
本発明の主な特徴は、パーソナルケア製品、化粧品及び香水において、公知のエチルアルコールの一部あるいはすべてをぶどう酒で置換することである。本発明で使用されるぶどう酒は、アルコール飲料工業では既知であり、一般的に使用されており、特に制限されず、上記したのと同様のものが使用できる。また、ぶどう酒は、以下に詳述されるような発酵により得てもあるいは市販のぶどう酒を使用してもよい。具体的には、ぶどう酒の主な用途の一つとしては、飲料のアルコール度数を調節することがある。ぶどう酒は、糖を微生物で変換(発酵)した後、マストを蒸留するぶどう(ヴィティス・ヴィニヘラ種(Vitis vinifera sp))の発酵により得られるアルコールである。この段階では、マスト成分が様々な沸点を示すため、最初の流れは、通常、もとの液体から放出されるより揮発性のものにより製造される。このため、上記場合は、発酵源として使用される材料または副産物などの分子が混入したアルコールの場合である。この態様では、ぶどう酒は嗅覚の点で有益な製品になる。また、この態様は、他の生物源若しくは合成源由来のアルコールとは異なり、フラグランス及び製品ベースの他の原材料と合わせても、快適な嗅覚による組み合わせが得られる。しかしながら、本発明で使用されるぶどう酒は、上記種などに制限されず、また、発酵方法や条件についても、特に制限されず、公知と同様の方法及び条件が適用できる。また、ぶどう酒は、上述したように、ぶどうを発酵した後、蒸留により精製することによって得られる製品であり、本発明では、従来使用されているエチルアルコールの一部または全部の代わりに使用される。この際、ぶどう酒は、そのぶどうの発酵工程上、エチルアルコールに特徴的な臭いがして、嗅覚により異なるものとして知覚させてしまう物質が残存する場合がある。このため、発酵や合成、特に発酵によりぶどう酒を製造する場合では、製造されたぶどう酒から副産物などを除去する目的で、精製工程をさらに行なってもよく、このような場合の精製方法もまた、特に制限されず、公知と同様の方法及び条件が適用できる。
【0022】
本発明において、組成物におけるぶどう酒の含量は、十分エチルアルコールに代われる量であれば特に制限されない。好ましくは、ぶどう酒の含量は、組成物に対して、0.1〜99質量%、より好ましくは1〜90質量%、特に好ましくは1〜60質量%である。または、ぶどう酒の含量は、組成物に対して、10〜90質量%、より好ましくは40〜90質量%であることもまた好ましい。
【0023】
以下、本発明の組成物としてオーデコロンを用いた場合の実施態様を説明する。しかしながら、本発明は下記実施態様に限定されるものではなく、請求項1に包含されるものであればいずれの用途や組成であってもよい。
【0024】
下記表1に示される基本組成で、ぶどう酒をオーデコロン(cologne deodorant)に使用して、公知のエチルアルコールと比較した。
【0025】
【表1】

【0026】
これらのプロトタイプについて、三角評価(triangular evaluation)を嗅覚による評価における専門家のパネルによって行なった。結果を、2項分布に基づいて統計学的に分析して、下記表2に示す。
【0027】
【表2】

【0028】
このパネルの結果を評価してみると、ぶどう酒とフラグランスとの組み合わせは、サトウキビ由来のエチルアルコールをフラングランスと組み合わせて使用した場合に比べて、差異が容易に知覚できることが分かった。さらに、エチルアルコールの鼻にツンとくるような臭いは、ぶどう酒を含む配合物ではあまり感じられなかった。
【0029】
事実、本発明は、フラグランスの揮発性を向上し、清涼感、維持性、成分の溶解性、清潔感、収斂性を付与するという点でエチルアルコールの適用によっては得られない効果を発揮する。本発明はまた、パーソナルケア製品、化粧品及び香水の配合において、フラグランスや他の基本原材料中に嗅覚特性を組み合わせて、異なる嗅覚特性を有するぶどう酒を入れることに関するものである。本発明の組成物は、消費者が本発明のパーソナルケア製品、化粧品及び香水を使用する際に、実際の技術的な利点とワインの製造の分野の好ましい利点との間を結ぶ役割を果たしているため、本発明はさらに、製品の開発及び開示に概念上重要に寄与している。
【0030】
本発明の組成物は、パーソナルケア製品、化粧品及び香水のベースに対して、0.1〜99質量%の濃度でぶどう酒を含むものである。本発明の組成物は、他の源由来のエチルアルコール、例えば、他の基質の発酵または化学合成によって得られるエチルアルコールを含んでもよい。
【0031】
本発明においては、天然および/または合成成分または植物由来のエッセンシャルオイルを含む、フラグランス、芳香性組成物を、添加してもよく、その添加量は、特に制限されないが、上記したようなフラグランス、芳香性組成物が、組成物の全質量に対して、0.01〜30質量%の濃度となるように添加されることが好ましい。なお、上記したようなフラグランス、芳香性組成物は、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水の種類によって適宜選択できる。
【0032】
防腐剤を本発明の組成物に添加してもよい。防腐剤としては、特に制限されずパーソナルケア製品、化粧品及び香水の分野において通常使用されるのと同様のものが使用できるが、例えば、トリクロサン等が挙げられる。また、防腐剤を使用する際の防腐剤の添加量もまた、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0033】
上記に加えて、あるいは上記に代えて、本発明では、トコフェロール若しくは酢酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール等のビタミン若しくはその誘導体、または他の活性成分、例えば、抗酸化剤、抗炎症剤や植物のエッセンスを、皮膚の処置を促進するために添加してもよい。上記成分は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよく、また、その使用量もまた、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0034】
上記に加えて、あるいは上記に代えて、本発明では、本組成物を酸化から保護することを目的として、抗酸化剤を添加してもよい。抗酸化剤としては、特に制限されず、パーソナルケア製品、化粧品及び香水の分野で使用されるのと同様の公知の抗酸化剤が使用できるが、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、植物由来の抗酸化剤などが挙げられる。この際、抗酸化剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、抗酸化剤の使用量もまた、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0035】
本発明の組成物に太陽光からの保護特性を与えるために、上記成分に代えてあるいは上記成分に加えて、長波長紫外線(UVA)や中波長紫外線(UVB)に対する有機太陽光フィルター剤を使用してもよい。この際使用できる有機太陽光フィルター剤としては、特に制限されず、公知の有機太陽光フィルター剤が使用できるが、例えば、2−エチルヘキシルのp−メトキシケイ皮酸塩(p-methoxycynamate of 2-ethylhexyl)、ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどが好ましく使用できる。この際、有機太陽光フィルター剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよく、また、適当な溶剤に可溶化されて使用されてもよい。また、有機太陽光フィルター剤の使用量もまた、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0036】
本発明では、上述したように、公知のエチルアルコールを、ぶどう酒と部分的に組み合わせて使用してもよい。
【0037】
鉱油、これらの画分や副産物、炭水化物、グリセリド、エステル及び化粧用エーテル、シリコーン、エラストマー、ゲルベルトアルコール(Guerbert alcohol)、植物油、酸及び脂肪族アルコールなどの、油性成分を使用してもよい。これらの油性成分は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、上記油性成分の使用量もまた、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0038】
本発明の組成物は、上記に加えて、あるいは上記に代えて、界面活性剤を含んでもよい。この際使用できる界面活性剤としては、特に制限されずパーソナルケア製品、化粧品及び香水の分野において通常使用されるのと同様のものが使用できるが、例えば、乳化剤および/または可溶化剤が挙げられる。この際、界面活性剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、上記界面活性剤の使用量もまた、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0039】
本発明の組成物は、上記に加えて、あるいは上記に代えて、増粘剤を含んでもよい。この際使用できる増粘剤としては、特に制限されずパーソナルケア製品、化粧品及び香水の分野において通常使用されるのと同様のものが使用できるが、例えば、植物または生物学的な源由来のゴム、アクリレート、スチレンポリマー、セルロースなどが挙げられる。これらの増粘剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、上記増粘剤の使用量は、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0040】
本発明の組成物は、上記に加えて、あるいは上記に代えて、湿潤化成分または湿潤化剤を含んでもよい。この際使用できる湿潤化成分または湿潤化剤としては、特に制限されずパーソナルケア製品、化粧品及び香水の分野において通常使用されるのと同様のものが使用できるが、例えば、グリコール、多糖、タンパク質またはこれらの画分などが挙げられる。これらの湿潤化成分または湿潤化剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、上記湿潤化成分または湿潤化剤の使用量は、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0041】
本発明の組成物はさらに、製品の外観を変えるために、着色剤を含んでもよい。この際使用できる着色剤としては、特に制限されずパーソナルケア製品、化粧品及び香水の分野において通常使用されるのと同様のものが使用でき、これらは、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、上記着色剤の使用量は、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0042】
本発明の組成物には、組成物のおよび/または皮膚や粘膜の保護及び装飾を目的として、懸濁液中に粒子が存在していてもよく、粒子としては、特に制限されず、化粧分野に通常使用されるのと同様の粒子材料が使用できる。具体的には、酸化鉄、マイカ、ポリエチレンテレフタレート(光沢剤)、シリカ誘導体、二酸化チタン、酸化亜鉛または他の分散固体等が挙げられる。これらの粒子は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、上記粒子材料/懸濁液の使用量は、特に制限されず、使用しようとするパーソナルケア製品、化粧品及び香水に応じて適宜選択できる。
【0043】
以下、本発明の組成物の好ましい実施態様を説明するが、本発明は、下記実施態様に限定されるものではない。
【0044】
(組成物1)
オーデコロン(cologne deodorant)(組成物1)を、下記表3に示される成分及び量で混合する。この際、量は、質量部で表わされる。なお、下記組成において、ぶどう酒は、発酵により得られたものを使用した。
【0045】
【表3】

【0046】
(組成物2)
ゲル状の太陽光保護剤(組成物2)を下記表4に示される成分及び量で混合する。この際、量は、質量部で表わされる。なお、下記組成において、ぶどう酒及びサトウキビ由来のエチルアルコールは、発酵により得られたものを使用した。
【0047】
【表4】

【0048】
本発明は、上記好ましい実施態様や詳細な説明に制限されるものではなく、広範な概念で理解されるべきである。数多くの修飾や本発明の他の実施態様が、前記説明を参照して、当業者により理解されるであろう。さらに、本発明は、開示される特定の形態に限定されるものではなく、修飾形態や他の形態もまた特許請求の範囲に包含されると理解されるべきである。本明細書中では特定のことばが使用されているが、これらは一般的に使用されるのと同様の意味で使用され、特に制限されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物に対して、0.1〜99質量%のぶどう酒(vinic alclhol)を含むパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物。
【請求項2】
エチルアルコールをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ぶどう酒の含量が、組成物に対して、1〜90質量%である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ぶどう酒の含量が、組成物に対して、1〜60質量%である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
ぶどう酒の含量が、組成物に対して、10〜90質量%である、請求項1または2に記載の組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物に対して、1〜90質量%のぶどう酒(vinic alclhol)を含むパーソナルケア製品、化粧品及び香水用組成物。
【請求項2】
組成物に対して、1〜85質量%の量のエチルアルコールをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ぶどう酒の含量が、組成物に対して、1〜60質量%であり、かつ該組成物はパーソナルケア製品に使用される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ぶどう酒の含量が、組成物に対して、1〜60質量%であり、かつ該組成物は化粧品に使用される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
ぶどう酒の含量が、組成物に対して、10〜90質量%であり、かつ該組成物は香水に使用される、請求項1または2に記載の組成物。

【公開番号】特開2006−1932(P2006−1932A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−173734(P2005−173734)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(505123941)ボティカ コマーシャル ファーマシューティカ エルティーディーエー (2)
【氏名又は名称原語表記】BOTICA COMERCIAL FARMACEUTICA LTDA.
【住所又は居所原語表記】AV. RUI BARBOSA,1450 AFONSO PENA,SAO JOSE DOS PINHAIS,PR 8306 5−620,BRAZIL
【Fターム(参考)】