説明

パーツ供給品及び模型

【課題】構成部品の組立を容易にするパーツ供給品とそれを用いる人形体を提供する。
【解決手段】 構成部品(手)を組立てる場合、まず、親指のパーツ110、人差し指のパーツ120、三指のパーツ130(中指のパーツと薬指のパーツと小指のパーツが接続したもの)をランナー10に支持したままでそれらの接続部を手の平のパーツ270の接続部と接続する。次に、手の平のパーツ270を手の甲のパーツ280で挟持して指を固定する。次に、人差し指のパーツ120と三指のパーツ130をランナー10から取り外す。この結果、組立が容易となり組立て時の間違いやパーツの紛失のミスを避けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーツ供給品及び模型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より回転金型を用いたインサート成形を用いて、ランナーの接続部に接続された状態で既に関節部が組み上がっている模型の構成部品を成形する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、腕、脚のパーツが可動可能に組み合わされた状態で一体成形された胴体前面パーツに対して、この胴体前面パーツがランナーに支持されている状態で胴体後面パーツを取り付け可能となっていることで、胴体前面パーツに胴体後面パーツを取り付けた後で、ランナーとの接続部を切り離すだけで組み立てられる模型の構成部品も知られている。
【特許文献1】特開平5−208077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記説明した模型の構成部品は一体成形するため、一体成形専用の成形機や金型加工が必要であり、そのため製造コストが高くなったり、専用の金型を製造する金型製作期間が必要となって模型の構成部品の製造期間が長くなったりする。また、回転金型を用いた場合には、成形できる模型の構成部品成形品の大きさが制限される場合もあった。このように、模型の構成部品の一体成形は、成形品自体の単価が高くなるため高額商品にしか使えないという制約や製造上の問題が発生する。
【0005】
さらに、一体成形で作製した、ランナー状態で既に組みあがっている半完成品(例えば、人形の関節部分を含む手や足など)の模型の構成部品を使用すると、模型自体の組立は容易になるものの、模型を組み立てる楽しみが半減してしまうという別の問題が発生する。
【0006】
そこで、上記説明した種々の問題を解決するために、一体成形を用いずに、例えば、手(模型の構成部品)を指のパーツ、手の平のパーツ、手首のパーツなどに分けて成形し、各パーツを使用者が組み立てて手を形成するようにすると、製造上の問題が解決され、模型を組み立てる楽しみも得られる。
【0007】
しかしながら、一体成形を用いずに作製された指の各パーツはそれぞれが小さくかつ類似していることから、手を組み立てる作業が複雑となったり、指の組み立てを間違えたり、時にはパーツを紛失してしまうという問題が発生する。
【0008】
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものである。その目的は、模型や模型の構成部品を組み立てる楽しみを維持しながら、また一体成形を用いることになく、模型の構成部品の組立を容易にするパーツ供給品及び模型を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成を有する。即ち、1つのパーツの複数の接続部にそれぞれ接続して模型の構成部品を組み立てるための複数のパーツが、ランナーに取り付けられたパーツ供給品であって、前記複数のパーツが前記1つのパーツの前記複数の接続部の間隔と略同じ間隔で前記ランナーに取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
また本発明の模型は、上記に記載のパーツ供給品を用いて組み立てられた構成部品を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、模型や模型の構成部品を組み立てる楽しみを維持しながら、また一体成形を用いることになく、模型の構成部品の組立を容易にするパーツ供給品及び模型を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の一実施形態の模型の構成部品を組み立てるパーツ供給品、その製造方法、それを用いる模型、それを用いる構成部品の組立方法について詳細に説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、模型の一例として人形体を、模型の構成部品の一例として手を、パーツ供給品の一例として手の各指のパーツ、手の平のパーツ、手の甲のパーツ、手首のパーツを例にとり説明することにする。
【0014】
しかしながら、模型の構成部品は手に限ることが無く、例えば、足などでもよい。また模型は人形体に限ることはなく、種々の模型、例えば、自動車、建築物、動物などの模型にも適用することができる。
【0015】
<第1の実施形態>
[パーツ供給品の特徴]
本願発明のパーツ供給品(例:ランナーの接続部に接続された状態の、手の各指のパーツ)は、模型(例:人形体)や模型の構成部品(例:手)として組み立てる楽しみを維持しながら、また一体成形を用いることなく、模型の構成部品としての組立を容易にすることを可能としたものである。
【0016】
すなわち、本願発明のパーツ供給品は、1つのパーツ(手の平)の複数の接続部に接続して1つの構成部品(手)を組み立てるための複数のパーツ(各指)が、ランナーに取り付けられたパーツ供給品である。そして、複数のパーツ(各指)が1つのパーツ(手の甲)の複数の接続部の間隔と略同じ間隔でランナーに取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
そのため本願発明のパーツ供給品を用いて構成部品を組み立てる場合、複数のパーツ(各指)は、ランナーに取り付けたまま、すなわち、ランナーから切り離すことなく、1つのパーツ(手の平)に接続することができ、接続後に複数のパーツをランナーから取り外すことで構成部品(手)を組み立てることができる。その結果、本願発明のパーツ供給品を用いると、小さな類似した形状の複数のパーツ(各指)から構成部品を組み立てる際に、組立の間違えやパーツの紛失のミスを無くして簡単な組立作業で構成部品を組み立てることができる。そのため、使用者は、模型を組み立てる楽しみを享受することができる。
【0018】
また、本願発明の構成部品は一体成形を用いて作製していないため、一体成形専用の成形機や金型加工が不要であり製造コストを低く抑えることもできる。
【0019】
以下、模型の一例として人形体を、模型の構成部品の一例として手を例にとり詳しく説明する。
【0020】
<人形体の外観構成:図1>
図1は、本実施形態のパーツ供給品を用いて組み立てられた構成部品(手)を使用して形成された人形体1の一例を示す外観構成を示す斜視図である。同図において、101は頭部、102は胸部、103は腰部、104は上腕部、105は下腕部、106は大腿部、107は脚部、108は手である。なお、図9に図1の人形体1の手(パーツ供給品を用いて組み立てられた構成部品)の詳細を示す。
【0021】
<パーツ供給品の製造方法>
以下、本実施形態のパーツ供給品の製造方法、パーツ供給品を用いた構成部品の組立方法について順次説明する。
【0022】
まず、本実施形態のパーツ供給品の製造方法について説明すると、最初に本実施形態のパーツ供給品を成形することができる金型を設計し加工する。金型の設計では、複数のパーツ(各指)が1つのパーツ(手の平)の複数の接続部の間隔と略同じ間隔でランナーに取り付けらた状態で成形されるように設計する。さらに、手の指のパーツは、ランナーに取り付けられている状態での「各指の並び順と位置と取り付け角度」とが、手の平のパーツの「各指のパーツを接続する接続部の並び順と位置と取り付け角度」に対応して成形されるように設計する。このように設計すると、親指、人差し指、中指、薬指、小指の各指のパーツにおいては、ランナーに取り付けられている状態、すなわち、切り離される前の状態で、各指のパーツに設けられたボール状の接続部と手の平のパーツの接続部の位置関係をそれぞれ略同一にすることができる。すなわち、ランナーから切り離すことなく、ボール状の接続部を手の平のパーツの接続部にはめ込むことが可能となっている。そのため、各指のパーツをランナーに取り付けたまま、各指のパーツのボール状の接続部を手の平パーツの接続部にはめ込んで接続して、各指のパーツを手の平パーツの接続部に固定することができる。次に、この金型を成型機に設置した後、金型を所望の温度に加熱する。次に、粉末成形材料を所望温度と圧力にして流動化し、公知の成形技術を用いて金型内に注入し成形した後、パーツ供給品を金型から取り出す。その結果、本実施形態のパーツ供給品を製造することができる。
【0023】
ここで、成形材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、金属などの各種粉末等を用いることができる。また成形技術としては、例えば、射出成形、押出成形、鋳込み成形などを用いることができる。
【0024】
<パーツ供給品:図2>
次に、上記説明したパーツ供給品の製造方法で成形されたパーツ供給品1000について説明する。図2は、本実施形態の人形体1で使用する構成部品(左手、右手)の組立に使用するパーツ供給品1000の一部(左手、右手のパーツ)を示した図である。同図において、100〜300は左手を構成する各パーツをランナー(支持部材)10が支持している部分であり、400〜600は右手部を構成する各パーツをランナー10が支持している部分である。
【0025】
すなわち、100は左手の指のパーツをランナー10で支持した部分、200は左手の甲と平のパーツをランナー10で支持した部分、300は左手の指先のパーツをランナー10で支持した部分であり、400は右手の指のパーツをランナー10で支持した部分、500は右手の甲と平のパーツをランナー10で支持した部分、600は右手の指のパーツをランナー10で支持した部分である。
【0026】
<左手の指:図3>
次に、上記説明したパーツ供給品1000に含まれる各パーツについて説明する。なお以下の説明では、左手のパーツである左手の各指のパーツ、左手の平と平のパーツ、左手の指先のパーツについて説明するが、右手のパーツの説明も同様である。
【0027】
まず図3を用いて左手の指のパーツ100について説明する。同図において、左手の指のパーツ100には、親指のパーツ110、人差し指の第3関節部のパーツ120、中指の第3関節部のパーツ140、薬指の第3関節部のパーツ150、小指の第3関節部のパーツ160が含まれる。なお、中指と薬指と小指の第3関節部のパーツをまとめて三指のパーツ130と呼ぶ。三指のパーツ130は、接続部143と153によって中指と薬指と小指の第3関節部のパーツ140、150、160が切り離し可能に接続されて成形されている。中指と薬指と小指の第3関節部を三指として接続して一体化したのは、中指と薬指と小指の第3関節部は形状が類似しており小さいため最初に別々のパーツとして分離してしまうと、使用者が組み立てるとき組立ての間違いやパーツの紛失のミスが生じ得るので、そのような間違いやミスを避けるためである。
【0028】
次に、親指のパーツ110について説明する。親指のパーツ110は、手の平のパーツ270と回転可能に接続するためのボール状の接続部112をもつ。また親指のパーツ110は支持部113Aと113Bによってランナー10に支持されている。支持部113Aと113Bは細いため使用者は親指のパーツ110を支持部113Aと113Bでランナー10から簡単に切り離すことができる。
【0029】
次に、人差し指のパーツ120について説明する。人差し指のパーツ120は手の平のパーツ270と回転可能に接続するためのボール状の接続部122と人差し指の指先のパーツ320(図5)と接続するための角状の接続部121とを持つ。人差し指のパーツ120は支持部123Aと123Bによってランナー10に支持されている。支持部123Aと123Bは細いため使用者は人差し指のパーツ120を支持部123Aと123Bでランナー10から簡単に切り離すことができる。
【0030】
次に、三指のパーツ130について説明する。三指のパーツ130は支持部133Aと323Bによってランナー10と接続している。中指のパーツ140、薬指のパーツ150、小指のパーツ160には、それぞれ手の平のパーツ270と回転可能に接続するためのボール状の接続部142、152,162と、中指と薬指と小指の指先のパーツ340,350,360(図5)と接続するための角状の接続部141,151,161とを有する。
【0031】
次に、図3を用いて上記説明した左手の指のパーツ100の特徴的な配置構成について説明する。図3から明らかなように、左手の指のパーツ100は、ライナー10によって囲まれる内部空間内に、左手の5本の指を左手が完成したときに配置される位置にそれぞれ配置している。そして、左手の指のパーツ100には、左手が完成したときに手の平や手の甲が配置される内部空間の位置にはパーツを配置せず、空間として残しておく。この部分は左手の甲と平のパーツ200で作製した手の平のパーツ270や手の甲のパーツ280を切り離して配置するためのものである。左手の指のパーツ100を用いた本願発明の特徴的な組み立て方法については図6〜図9を用いて後で詳しく説明する。
【0032】
<左手の平と甲:図4>
次に、図4を用いて左手の甲と平のパーツ200について説明する。同図において、左手の甲と平のパーツ200には、左手の平のパーツ270と左手の甲のパーツ280が含まれ、それらはランナー10によって支持されている。左手の甲のパーツ280と左手の平のパーツ270は一対をなすものであり、左手の平のパーツ270の接続部で左手の5本の指を接続し、その上から左手の甲のパーツ280を重ねて左手の5本の指を、左手の平のパーツ270と左手の甲のパーツ280との間で固定するものである。
【0033】
次に、左手の平のパーツ270について説明する。左手の平のパーツ270は、親指のパーツ110のボール状の接続部112と回転可能に接続するための接続部212、人差し指のパーツ120のボール状の接続部122と接続するための接続部222を備えている。また、中指のパーツ130のボール状の接続部142と回転可能に接続するための接続部242、薬指のパーツ150のボール状の接続部152と回転可能に接続するための接続部252、小指のパーツ160のボール状の接続部162と回転可能に接続するための接続部262を備えている。左手の平のパーツ270は、支持部213A、213B、213Cによってランナー10に支持されている。支持部213Aと213B、213Cは細いため使用者は左手の平のパーツ270を支持部213A、213B、213Cでランナー10から簡単に切り離すことができる。一方、左手の甲のパーツ280は左手の平のパーツ270との間で各指のパーツの接続部を挟持可能な挟持部(不図示)を有し、左手の平のパーツ270に接続した各指のパーツの上から、左手の平のパーツ270の接続部に重ねて、各指のパーツを左手の平のパーツ270との間で挟むようにして固定する。左手の甲のパーツ280は、支持部293A、293B、293Cによってランナー10と切り離し可能に支持されている。
【0034】
<左手の指先:図5>
次に、図5を用いて左手の指先のパーツ300について説明する。同図において、左手の指先のパーツ300は、人差し指の指先のパーツ320と三指の指先のパーツ330(中指の指先のパーツ340と薬指の指先のパーツ350と小指の指先のパーツ360)の指先(第1および第2関節部を合体したもの)をそれぞれ人差し指先のパーツ320、三指の指先のパーツ330に分けて成形したものである。
【0035】
次に、人差し指先のパーツ320について説明する。人差し指先のパーツ320は人差し指のパーツ120の接続部121と接続するための接続部322を持つ。人差し指先のパーツ320は支持部323Aと323Bによってランナー10によって支持されている。支持部323Aと323Bは細いため使用者は人差し指先のパーツ320を支持部323Aと323Bでランナー10から簡単に切り離すことができる。
【0036】
次に、三指の指先のパーツ330について説明する。三指の指先のパーツ330は、中指の指先のパーツ340、薬指の指先のパーツ350、小指の指先のパーツ360を接続および切離部343、353で接続して一体化したものである。三指の指先のパーツ330は支持部333A、333B、333Cでランナー10に支持されている。中指と薬指と小指の指先(第1および第2関節部を合体したもの)を三指の指先として接続して一体化したのは、中指と薬指と小指の指先は形状が類似しかつ小さいため分離すると使用者が組み立てるときに組立ての間違えや紛失のミスが生じ得るが、そのような間違えやミスを避けるためである。人差し指の指先のパーツ320、中指の指先のパーツ340、薬指の指先のパーツ350、小指の指先のパーツ360は、それぞれ人差し指のパーツ120、中指のパーツ140、薬指のパーツ150、小指のパーツ160と接続するための接続部322,342、352,362を持つ。
【0037】
<手の組み立て方法:図6〜図9>
次に、本実施形態のパーツ供給品の一例である手の組立方法について図6〜図9を用いて説明する。本実施形態の人形体1には付属品として組立説明シートが添付されている。組立説明シートには使用者に本実施形態の構成部品の組立方法が容易に理解できるように、例えば、図6〜図9に示すような説明図と構成部品の組立手順が記載されている。
【0038】
そのため、使用者は、組立説明シートを参照しながら本実施形態の構成部品、例えば、以下に詳しく説明する左手の組立方法を、上記説明した左手の指のパーツ100、手の平のパーツ270、手の甲のパーツ280、人差し指の指先のパーツ320、三指の指先のパーツ330、手首のパーツ700を用いて行うことができる。本実施形態の組立方法は、組立の間違えやパーツの紛失を軽減することができるので使用者は組み立てる楽しみを享受しながら構成部品の組み立てを行うことができる。
【0039】
以下、図6〜図9を参照しながら本実施形態のパーツ供給品1000を用いた構成部品(左手900)の組立手順を具体的に説明するが、右手も同様に組み立てることができる。
【0040】
<組立手順1:図6>
まず、組立手順1について説明する。図6は、組立手順1を説明する図である。組立手順1では左手を組み立てるために、まずパーツ供給品1000から左手の指のパーツ100を図6に示すような位置に配置する。次に、左手を構成する他のパーツ(人差し指の指先のパーツ320、三指の指先のパーツ330、左手の甲のパーツ280、左手の平のパーツ270および左手の手首のパーツ700)をそれぞれランナー10から切り離し、図6に示すように左手の指のパーツ100の周囲に配置する。
【0041】
<組立手順2:図6,7>
次に、組立手順2について説明する。組立手順2では、まず図6のように配置した手の平のパーツ270を図の矢印(S1)に示すように左手の指のパーツ100の空間部(手の平または手の甲のパーツを配置するために空けてある空の空間)の位置に配置する。次に、手の平のパーツ270の接続部に親指のパーツ110、人差し指のパーツ120、三指のパーツ130の各接続部をはめ込んで接続する。この結果、親指のパーツ110のボール状の接続部112は手の平のパーツ270の接続部212の位置関係が略同一となるように固定される。同様に、人差し指のパーツ120のボール状の接続部122は手の平のパーツ270の接続部222の位置関係が略同一となるように固定される。また、中指のボール状の接続部142は手の平のパーツ270の接続部242の位置関係と略同一となるように固定される。また、薬指のボール状の接続部152は手の平のパーツ270の接続部252の位置関係も略同一となるように固定される。また、小指のボール状の接続部162は手の平のパーツ270の接続部262の位置関係も略同一となるように固定される。このことは、本実施形態のパーツ供給品1000では、複数のパーツ(指)が1つのパーツ(手の平)の複数の接続部の間隔と略同じ間隔でランナーに取り付けられているために実現される。言い換えれば、本実施形態のパーツ供給品1000では、複数のパーツ(指)の並び順(親指→人差し指→中指→薬指→小指)と位置と取り付け角度とが、1つのパーツ(手の平)の接続部の並び順(親指→人差し指→中指→薬指→小指)と位置と取り付け角度に対応してランナーに取り付けられているために実現される。すなわち、複数のパーツにおいて、ランナーに取り付けられている状態で、複数のパーツの各接続部間の位置関係が、1つのパーツの接続部にはめ込むことが可能な位置関係となっていることにより実現される。
【0042】
次に、図7の矢印(S2)で示すように手の甲のパーツ280を手の平のパーツ270の上に配置し、不図示の手の甲のパーツ700の係合部と手の平のパーツ270の係合部とを係合することにより指を手の甲のパーツ700と手の平のパーツ270で挟んで固定する。
【0043】
次に、手の甲のパーツ280と手の平のパーツ270に固定された親指のパーツ110、人差し指のパーツ120、三指のパーツ130をランナー10から切り離す。
【0044】
<組立手順3:図8、図9>
次に、組立手順3について説明する。組立手順3では、図7で切り離した5つの指を挟持して固定する手の平のパーツ270と手の甲のパーツ280(図8の中央参照)に、矢印(S3)で示すように人差し指の指先のパーツ320、三指の指先のパーツ330、手首のパーツ700をはめ込む。すなわち、人差し指のパーツ120に人差し指の指先のパーツ320を、三指のパーツ130に三指の指先のパーツ330を、手の平のパーツ270と手の甲のパーツ280の間に手首のパーツ700をはめ込んで、図9に示すように左手900を組み上げる。最後に、左手900の三指のパーツ130および三指の指先のパーツ330の接続および切離部から中指および中指の指先のパーツと薬指および薬指の指先のパーツと小指および小指の指先のパーツを切り離すことにより左手900(構成部品)が完成する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のパーツ供給品を用いて組み立てられた構成部品を使用して形成されている人形体を示す外観構成を示す斜視図である。
【図2】本発明のパーツ供給品を示す正面図である。
【図3】左手の指のパーツを支持したライナーを示す図である。
【図4】左手の平と甲のパーツを支持したライナーを示す図である。
【図5】左手の指先のパーツを支持したライナーを示す図である。
【図6】本発明の構成部品(手)の組立手順1を説明する図である。
【図7】本発明の構成部品(手)の組立手順2を説明する図である。
【図8】本発明の構成部品(手)の組立手順3を説明する図である。
【図9】本発明の構成部品(手)を説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
1 人形体
100 左手の各指のパーツ
110 親指パーツ
120 人差し指パーツ
130 三指パーツ
140 中指パーツ
150 薬指パーツ
160 小指パーツ
200 左手の甲と平のパーツ
270 左手の平のパーツ
280 左手の甲のパーツ
300 左手の指先のパーツ
320 人差し指の指先のパーツ
330 三指の指先のパーツ
340 中指の指先のパーツ
350 薬指の指先のパーツ
360 小指の指先のパーツ
400 右手の各指のパーツ
500 右手の甲と平のパーツ
600 右手の指先のパーツ
700 手首
900 左手
1000 パーツ供給品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのパーツの複数の接続部にそれぞれ接続して模型の構成部品を組み立てるための複数のパーツが、ランナーに取り付けられたパーツ供給品であって、
前記複数のパーツが前記1つのパーツの前記複数の接続部の間隔と略同じ間隔で前記ランナーに取り付けられていることを特徴とするパーツ供給品。
【請求項2】
前記ランナーに前記複数のパーツが取り付けられたままの状態で前記1つのパーツの前記複数の接続部に前記複数のパーツを接続させた場合に、前記ランナーと前記1つのパーツとが接触しないように空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパーツ供給品。
【請求項3】
前記複数のパーツが更に、前記1つのパーツの前記複数の接続部の取り付け角度と略同じ取り付け角度で前記ランナーに取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパーツ供給品。
【請求項4】
前記複数のパーツの少なくとも2つが切り離し可能に接続されて成形されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパーツ供給品。
【請求項5】
前記1つのパーツは挟持可能な一対のサブパーツから構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパーツ供給品。
【請求項6】
前記一対のサブパーツが手の平のパーツと手の甲のパーツであり、
前記複数のパーツが手の指のパーツであり、
前記手の指のパーツの各指の並び順と位置と取り付け角度とが、
前記手の平のパーツの接続部の各指の並び順と位置と取り付け角度に対応して前記ランナーに取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載のパーツ供給品。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のパーツ供給品を用いて組み立てられた構成部品を備える模型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−107275(P2009−107275A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283741(P2007−283741)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】