ヒストン脱アセチル化酵素を阻害するためのシナミック化合物とその誘導体
【課題】ヒストン脱アセチル化酵素を阻害するための誘導体の提供。
【解決手段】式(I)によって表される化合物、
ならびに薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物。本化合物は、軸索の伸長促進剤として、またHDACに関連した疾病、特に腫瘍や細胞増殖性疾病の予防剤又は治療剤として有用である。抗ガン剤、抗糖尿病薬、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)及びヒト脊髄性筋委縮症(SMA)等の抗神経変性疾病に対する薬剤として使用することができる。
【解決手段】式(I)によって表される化合物、
ならびに薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物。本化合物は、軸索の伸長促進剤として、またHDACに関連した疾病、特に腫瘍や細胞増殖性疾病の予防剤又は治療剤として有用である。抗ガン剤、抗糖尿病薬、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)及びヒト脊髄性筋委縮症(SMA)等の抗神経変性疾病に対する薬剤として使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連する疾病の予防と治療のための薬剤として有用な新規なシナミック化合物に関する。又、本発明は軸索の伸長促進剤としても使用できる。特に、本発明は、抗ガン剤、抗糖尿病薬、又は、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)、脊髄性筋委縮症(SMA)といった抗神経変性疾病に対する薬剤として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
真核生物のDNAは、高度に組織化されて核内にパッケージングされている。このような組織化及びパッケージングは、コアヒストンであるH2A、H2B、H3及びH4を含むタンパク質を付加し、DNAとともにクロマチンという複雑な構造を形成することによって達成される。コアヒストンの修飾は、クロマチンの立体配座を変化させるために不可欠に重要である。アセチル化のレベルは転写活性と関係しており、アセチル化によってクロマチンは開構造の立体構造をとり、転写機構がプロモーターにアクセスすることが可能となる。ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)及びヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)は、コアヒストンタンパク質のアミノ末端付近に位置するリシンのε−アミノ基を選択的にアセチル化又は脱アセチル化することによって転写に影響を及ぼす酵素である。HDACは18種類の酵素のファミリー(アイソフォーム)であり、遺伝子の発現制御に関与していることから、ガンなどの多くの疾患におけるマスター調節因子として働くと考えられている。HDACの欠損は広範な種類のガンとの関連が指摘されてきた。HDAC酵素又はそのアイソフォームは様々なタイプのガンと関連しているものと思われる。
【0003】
固形性及び血液性悪性腫瘍の治療への応用が期待される新しい抗ガン剤としてヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤が注目を浴びている。近年、構造的に異なる様々な種類のHDAC阻害剤が同定されているが、これらは培養又は動物モデルにおいて腫瘍細胞の増殖を阻害し、分化やアポトーシスを誘導するものである。HDACが阻害されるとアセチル化された核内ヒストンが腫瘍及び正常組織に蓄積することから、生体内でのHDAC阻害剤の生物活性の代用マーカーとなる。HDAC阻害剤の遺伝子発現に対する作用は極めて選択性が高く、サイクリン依存型キナーゼ阻害剤であるp21WAF1/CIP1など特定の遺伝子の転写を活性化する一方で他の遺伝子の発現を抑制する。HDACの阻害によってヒストン以外にも、p53、GATA−1及びエストロゲン受容体アルファなどの転写因子がアセチル化される。非ヒストンタンパク質のアセチル化の機能的な意義、ならびにHDAC阻害剤が腫瘍細胞に対して、その成長を停止し、細胞分化やアポトーシスを誘導する正確なメカニズムは、現在、重点的に研究が進められている。HDAC阻害剤は、現在、臨床試験においてその効果が認められており、分子を標的とする抗腫瘍剤の代表的分野として、今までにない作用メカニズムに基づく効果が期待されている。
【0004】
メディシナルリサーチレビュー誌(Medicinal Research Reviews、Vol.26、No.4、397−413頁、2006)掲載のレビュー論文によると、これまでに、短鎖脂肪酸、ヒドロキサム酸、ベンズアミド、環状ペプチドのHDAC阻害剤の4つのクラスが報告されている。ヒドロキサム酸系のハイブリッド極性化合物(HPCs)は、HDACの阻害剤であり、マイクロモル以下の濃度で細胞分化を誘導する(Journal of the National Cancer Institute、Vol.92、No.15、2000年8月2日、1210−1216頁)。米国特許第6,174,905号、欧州特許第0847992号、日本国特許第258863/96号ならびに日本国特許出願第10138957号の各明細書には、細胞分化を誘導し、HDACを阻害するベンズアミド誘導体が開示されている。特に、米国特許6、174,905号明細書の実施例48に開示されているSNDX−275(Entinostat)は、ガン治療薬の候補となっている。国際公開第01/38322号は、HDAC阻害剤として作用する付加化合物を開示している。Hum Genet誌(2006、120、101〜110頁)には、SMA患者由来の繊維芽細胞において、ベンズアミドM344によってSMN2タンパク質の発現が処理後64時間後に7重にまで増幅するという報告がなされている。酪酸ナトリウムによって脊髄及び延髄筋萎縮症の遺伝子組み換えマウスモデルにおける形質発現が改善されることが報告されている(Human Molecular Genetics、2004、Vol.13、No.11、1183−1192頁)。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるトリコスタチンAは、MCF−7乳癌細胞においてサイクリンD1のユビキチン依存性分解を誘導することが示されている(Molecular Cancer 2006、5:8)米国特許第7、169、801号明細書には、式Z−Q−L−M又はZ−L−Mで表されるヒストン脱アセチル化酵素の阻害に用いることが可能な化合物が開示されている。米国特許第6、888、027号明細書には、PXD101などのスルフォンアミド系HDAC阻害剤のファミリーが開示されている。欧州特許第1301184号明細書には、固形腫瘍の治療におけるバルプロ酸及びその誘導体のHDAC阻害剤としての使用が開示されている。国際公開WO0222577は、ヒドロキサメート化合物がヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であり、増殖性疾患の治療の医薬品として有用であることを示唆している。更に、HDAC阻害剤の抗糖尿病活性については、『FASEB Journal、2008、Vol.22、944〜945頁』及び『Diabetes、2008、Vol.57、860−867頁』に開示されている。
【0005】
N、N‘−ヘキサメチレンビスアミド(HMBA)は多数の形質転換した細胞株の効果的な分化促進剤である。米国特許第6,087,367号及び米国特許RE38506号によると、非極性結合によって分離される極性基を持つHMBAに関連する化合物の数はモル基準で、HMBAと同様又はそれよりも100倍の活性である。さらに、米国特許第7,399,787号ではスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)のようなHMBAに関連するヒストン脱アセチル化酵素は、腫瘍細胞の増殖停止、分化、アポトーシスを促す作用があるとしている。Laurence Catley他は、NVP−LAQ824(ヒドロキサム酸誘導体)及びNVP-LAQ824(4−アミノメチルシンナミックヒドロキサム酸の誘導体)がヒストン脱アセチル化酵素として有力であると報告している(Blood、2003年10月1日、Vol.102、No.7、2615−2622頁)。George P他は、LBH589はアポトーシスを誘因して腫瘍細胞株の増殖停止と退化を促すとし、現在、LBH589は抗ガン剤として第1段階の臨床試験をうけている(Blood105(4)、1768−76頁、2005月2月15日)。従来技術によって周知のその他のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、ヒドロキサミド、M−カルボキシル桂皮酸ビスヒドロキサミド(CBHA)、トリコスタチンA(TSA)、トリコスタチンC、サリチルヒドロミサム酸(SBHA)、アゼラインービスヒドロキサム酸(ABHA)、アゼライン−1−ヒドロキサム−9−アニリド(AAHA)、6−(3−クロロフェニルウレイド)カルポイックヒドロキサム酸(3C1−UCHA)、オキサムフラチン、A−161906、スクリプタイド、PXD−101、環状ヒドロキサム酸含有ペプチド(CHAP)、ITF−2357、MW2796、MW2996、トラポキシンA、FR901228(FK228又はデプシペプチド)、FR225497、アピシジン、CHAP、HCトキシン、WF27082、クラミドシン、ナトリウムブチラート、イソバレラート、バレラート、4−フェニルブチラート(4−PBA)、4−フェニルブチラートナトリウム(PBS)、アルギニンブチラート、プロピオン酸塩、ブチルアミド、イソブチルアミド、フェニルアセタート、3−ブロモプロピオナート、トリブチリン、バルプロ酸、バルプロエート、CI−994、MS−27−275の3’−アミノ誘導体、MGCD0103、デプデシンがある(米国公開第20080242648号)。
【0006】
しかしながら、ガンや他のHDACに係る疾病を予防し、治療する新しい分類のHDAC阻害剤を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,174,905号
【特許文献2】欧州特許第0847992号
【特許文献3】日本国特許第258863/96号
【特許文献4】日本国特許出願第10138957号
【特許文献5】国際公開第01/38322号
【特許文献6】米国特許第7,169,801号
【特許文献7】米国特許第6,888,027号
【特許文献8】欧州特許第1301184号
【特許文献9】国際公開WO0222577号
【特許文献10】米国特許第6,087,367号
【特許文献11】米国特許第RE38506号
【特許文献12】米国特許第7,399,787号
【特許文献13】米国公開20080242648号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】メディシナルリサーチレビュー誌(Medicinal Research Reviews、Vol.26、No.4、397−413頁、2006)
【非特許文献2】Journal of the National Cancer Institute、Vol.92、No.15、2000年8月2日、1210−1216頁)。
【非特許文献3】Hum Genet誌(2006、120、101〜110頁)
【非特許文献4】Human Molecular Genetics、2004、Vol.13、No.11、1183−1192頁)
【非特許文献5】Molecular Cancer 2006、5:8
【非特許文献6】FASEB Journal、2008、Vol.22、944〜945頁
【非特許文献7】Diabetes、2008、Vol.57、860−867頁
【非特許文献8】Blood、2003年10月1日、Vol.102、No.7、2615−2622頁
【非特許文献9】Blood105(4)、1768−76頁、2005月2月15日
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は下記の式(I)によって表される化合物群、及び薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物を提供することである。この化合物は神経突起伸長の促進剤、及びHDACに係る疾病の予防剤及び治療剤として有用である。
【0010】
【化1】
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1(a)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞におけるガン細胞を各濃度のNBM−HB−OS01で48時間処理した阻害結果を示す。
【図1(b)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。結腸ガンHT−29細胞におけるガン細胞を各濃度のNBM−HB−OS01で48時間処理した阻害結果を示す。
【図1(c)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−HB−OS01で24時間処理したA549のフロー分析の結果を示す。
【図1(d)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。NBM−HB−OS01がp21遺伝子発現を増加させたことを示す。ラットC6グリオーマ細胞にNBM−HB−OS01を48時間処理し、GAPDHを内部コントロールとして使用した。
【図1(e)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞に各濃度のNBM−HB−OS01を72時間処理した結果を示す。
【図1(f)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。ウェスタンブロットを用い、高アセチル化ヒストンH3、高アセチル化ヒストンH4及びp21を用量依存的に検出した。ラットC6グリオーマ細胞にNBM−HB−OS01(10μg/mL)を、1、2、3及び4時間処理した結果を示す。アセチル化H3、アセチル化H4、アセチル化チューブリン及びp21が用量依存的に蓄積したことを観察した。β-アクチンは内部コントロールであった。
【図1(g)】各種ガン細胞系列の細胞増殖を阻害するNBM−HB−OS01(2h)の効果を示す。ヒト乳ガンMCF−7(エストロゲン受容体陽性)細胞に、NBM−HB−OS01(10μg/mL)を24時間処理した結果を示す。ゲルソリンタンパク質の過剰発現が見られた。
【図2(a)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−C−BX−OS01を、ラットC6グリオーマ細胞に24時間処理した後、ガン細胞の成長が阻害された結果を示す。
【図2(b)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−C−BX−OS01を、ヒト乳ガンMCF−7細胞に24時間処理した後、ガン細胞の成長が阻害された結果を示す。
【図2(c)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−C−BX−OS01を、ヒト肺ガンA549細胞に48時間処理した後、ガン細胞の成長が阻害された結果を示す。
【図2(d)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。MCF−7細胞にNBM−C−BX−OS01(10μg/mL)を1、2、3及び4時間処理した結果を示す。アセチル化H3、アセチル化H4、アセチル化チューブリン及びp21の発現が用量依存的に増加した。β―アクチンは内部コントロールであった。
【図2(e)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞にNBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)を6時間処理した結果を示し、アセチル化チューブリンタンパク質の過剰発現が見られた。
【図3(a)】ガン細胞系列に対するNBM−C−BA−OS01(17a)の細胞増殖阻害効果を示し、ヒト乳ガンMCF−7細胞の形態変化を示す。NBM−C−BA−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)をヒト乳ガンMCF−7細胞に72時間処理したことによる細胞の形態変化を示す。
【図3(b)】ガン細胞系列に対するNBM−C−BA−OS01(17a)の細胞増殖阻害効果を示し、ラットC6グリオーマ細胞の形態変化を示す。NBM−C−BA−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)をラットC6グリオーマ細胞に72時間処理したことによる細胞の形態変化を示す。
【図3(c)】ガン細胞系列に対するNBM−C−BA−OS01(17a)の細胞増殖阻害効果を示し、NBM−C−BA−OS01(7.5μg/mL)を、ヒト肺ガンA549細胞に6時間処理したところ、ヒストンH3タンパク質の高アセチル化を検出した結果を示す。
【図4】各種NBM−C−BA−OS01誘導体を処理したことによる細胞増殖阻害を示す。NBM−C−BA−OS01、NBM−C−BCA−OS01(17d)及びNBM−C−BMA−OS01(17b)(7.5μg/mL)で処理したところ、48時間後にはラットC6グリオーマ細胞の増殖が阻害された。
【図5(a)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。NBM−C−BA−OS01(5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(4d)(2.5、5.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(4b)(2.5、5.0μg/mL)がラットC6グリオーマ細胞の細胞増殖を24時間後に阻害したことを示す。
【図5(b)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。NBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)で処理して72時間でA549細胞の増殖阻害を用量依存的に誘発したことを示す。
【図5(c)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞を各濃度のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で24時間処理することによって上記と同様の結果が見られた。
【図5(d)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BX−OS01(1.25、2.5、5.0μg/mL)で72時間処理した結果を示す。
【図5(e)】細胞増殖の阻害に対するNBM−HB−OS01誘導体の効果を示す。ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した結果を示す。細胞増殖の阻害が認められた。
【図5(f)】細胞増殖の阻害に対するNBM−HB−OS01誘導体の効果を示す。処理細胞をトリパンブルー排除法で計数し、プロットした。
【図6(a)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対して、各濃度のNBM−C−BCX−OS01、NBM−C−BMX−OS01及びNBM−C−BFX−OS01(4c)を72時間処理した後に、細胞増殖の阻害を観察した様子を示す。NBM−HB−OS01は、ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞増殖の阻害を顕著に誘導する。
【図6(b)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。処理細胞をトリパンブルー排除法で計数した結果を示す。
【図6(c)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。ヒト肺ガンA549細胞をNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した結果を示す。
【図6(d)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞をNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した結果を示す。
【図6(e)】ヒトガン細胞系列の生物活性に対するNBM−HB−OS01誘導体の効果を示す。NBM−C−BCX−OS01がヒトグリオーマHs683細胞の増殖を阻害したことを示す。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した。
【図7(a)】ヒストン及び関連するタンパク質に対するNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01の効果を示す。ヒトグリオーマHs683細胞を各濃度のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した。アセチル化Hsp90及びゲルソリンタンパク質の誘発を用量依存的に検出したことを示す。即ち、Hsp90及びCTPSタンパク質が用量依存的に減少したことを示す。
【図7(b)】ヒストン及び関連するタンパク質に対するNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01の効果を示す。ヒトグリオーマHs683細胞を各濃度のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した。P21、アセチル化チューブリン、アセチル化ヒストンH3及びアセチル化ヒストンH4の発現が用量依存的に顕著に増加したことを示す。SAHAをポジティブコントロールとして使用し、β―アクチンを内部コントロールとして使用した。
【図8(a)】NBM−T−BMX−OS01(4b)の細胞増殖阻害効果を示す。
【図8(b)】NBM−T−BCX−OS01(4d)の細胞増殖阻害効果を示す。
【図8(c)】NBM−T−BBX−OS01(4e)の細胞増殖阻害効果を示す。
【図8(d)】NBM−I−BCX−OS01の効果を示す。
【図8(e)】ヒトグリオーマHs683細胞を、各濃度(1.0、2.0及び4.0μg/mL)の上記化合物の存在下で72時間培養した。処理細胞をトリパンブルー排除法で計数して、プロットした。
【図9(a)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−C−BBX−OS01及びNBM−T−BCX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(b)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−T−BBX−OS01及びNBM−I−BCX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(c)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−T−BMX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(d)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−I−BCX−OS01及びNBM−T−BMX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(e)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−T−BBX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(f)】トリパンブルー色素排除法の結果を示す。
【図10(a)】NBM−I−BCX−OS01及びNBM−T−BMX−OS01がS期及びG2/M期のヒト肺ガンA549細胞を抑制したことを示す。
【図10(b)】NBM−T−BBX−OS01及びNBM−C−BBX−OS01がS期及びG2/M期のヒト肺ガンA549細胞を抑制したことを示す。
【図10(c)】ヒト乳ガンMCF−7細胞でも同様の結果であることを示す。
【図10(d)】ヒト乳ガンMCF−7細胞でも同様の結果であることを示す。
【図10(e)】(記載なし)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、軸索の伸長促進剤であるとともに、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連する疾病、特に、神経変性性疾病、脳梗塞、糖尿病、その他の細胞増殖性疾病の予防と治療のための薬剤として有用な新規なシナミック化合物に関する。本発明の化合物は分化経路を介してガン細胞の増殖を阻害する作用を有する。特に、本発明の化合物は、抗ガン剤、抗糖尿病薬、又は、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)、脊髄性筋委縮症(SMA)といった抗神経変性疾病に対する薬剤として使用することができる。
【0013】
〔本発明の化合物〕
すなわち、本発明は下記式(I)によって表される化合物:
【化2】
【0014】
式中、R1は水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XはC、O、N又はS;
YはO、NH又はN−C1−4アルキル;
nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mは0、1、2、3、4及び5からなる群から選択された整数;
RaはH又はC1−10アルキル(ヒドロキシ、C2−10アルケニル又は複素環で置換されてもよい);
R4はH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8で置換されてもよい)、その際、R7及びR8は独立して水素又はC1−6アルキル;
R5はH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(アルキル、シクロアルキル、炭素環及び複素環は任意でハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキチオ、OR7、NR7R8、CF3、CCl3又はCBr3で置換されてもよい);及び、
R6はH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2−10アルキニル、又はR1と共同して−C2H2−で置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である。
【0015】
式(I)の化合物の好適な実施形態は、以下の式(II)によって表される。
【化3】
【0016】
式中、
R1は水素、アルキル、アルケニル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XはC、O、N又はS;
YはO、NH又はN−C1−4アルキル;
nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mは0、1、2、3、4、及び5からなる群から選択された整数;
R2及びR3は独立してC1−6アルキル;
R4はH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル又は5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8と置換されてもよい)、その際、R7及びR8は独立して水素又はC1−6アルキル;
R5はH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環、その際、アルキル、シクロアルキル、炭素環及びテロ環は任意にハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、OR7、NR7R8、CF3CCl3又はCBr3と置換されてもよい);及び
R6はH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2−10アルキニル、若しくは―C2H2−であるR1と共同して置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である。
【0017】
本明細書の文脈において、「アルキル」なる語は、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。アルキルは好ましくはC1−10アルキルである。好ましくはアルキルの炭素数は1〜8からなる群から選択される。更に好ましくは、C1−6アルキル又はC1−4アルキルである。アルキル基の例としては、メチル(―CH3)、エチル(―CH2CH3)、プロピル(―CH2CH2CH3)、イソプロピル(CH3)2CH及びブチル(―C4H9)が挙げられる。
【0018】
本明細書の文脈において、「アルキニル」なる語は、直鎖及び分枝鎖両方の不飽和炭化水素基を意味し、不飽和結合は二重結合としてのみ存在する。本発明によれば、アルケニルは1以上の二重結合を含む。アルケニルは好ましくはC2−16アルケニルである。更に好ましくは、アルケニルの炭素数は、2〜12からなる群から選択される。アルケニル基の例としては、エテニル(−CH=CH2)、プロペニル(−CH=CHCH3又は−CH2CH=CH2)、ブテニル(−CH2CH=CHCH3又はCH=CHCH2CH3又はCH2CH2CH=CH2)、−CH2CH=C(CH3)CH3、−CH2−CH=CH−CH2−CH2−CH=CH−CH3及び−CH2−CH=C(CH3)−CH2−CH2−CH=C(CH3)−CH3が挙げられる。
【0019】
本明細書の文脈において「シクロアルキル」なる語は、脂環式環(飽和炭素環)を意味する。好ましくはシクロアルキルの炭素数は3〜8からなる群から選択される。更に好ましくは、シクロアルキルの炭素数は、5〜6からなる群から選択される。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0020】
本明細書の文脈において、「不飽和炭素環」なる語は、炭素原子と水素原子とからなる環状置換基を含み、環状部分は、例えばアリール、シクロアリールなどのような不飽和環である。「シクロアルキニル」なる語は、一つ以上の二重結合を有するシクロアルキルであるアルケニルを含む。例えば、シクロプロペニル(例えば、1−シクロプロペニル)、シクロブテニル(1−シクロブテニル)、シクロペンテニル(例えば1−シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、及び3−シクロペンテン−1−イル)、シクロヘキセニル(例えば1−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン-1−イル、及び3−シクロヘキセン−1−イル)、シクロヘプテニル(例えば1−シクロヘプテニル)、シクロオクテニル(例えば1−シクロオクテニル)等である。特に好ましくは1−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、又は3−シクロヘキセン−1−イルである。用語「アリール」は単一又は縮合環を含み、ここで、少なくとも一つのリングは芳香族であり、例えばフェニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフタレニルである。
【0021】
本明細書の文脈において、「5又は6員の複素環」の句は、5又は6原子の環状リングを称し、ここでリングの少なくとも一つの原子はヘテロ原子である。5又は6員の複素環は飽和又は不飽和の芳香族あるいは非芳香族でありうる。好ましくは、ヘテロ原子はN、O、Sから選択される原子である。ヘテロ環の例としては、フリル(例えば、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例えば、2−チエニル、3−チエニル)、ピロリル(例えば、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)イミダゾリル(例えば、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、トリアゾリル(例えば、1、2、4−トリアゾール−1−イル、1、2、4−トリアゾール−3−イル、1、2、4−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例えば、1−テトラゾリル、2−テトラゾリル、5−テトラゾリル)、オキサゾリル(例えば、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例えば、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、チアゾリル(例えば、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、チアジアゾリル、イソチアゾリル(例えば、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例えば、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、フラザニル(例えば3−フラザニル)、ピラジニル(例えば、2−ピラジニル)、オキサジアゾリル(例えば、1、3、4−オキサジアゾ−ル−2−イル)、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジノ、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、1−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、ピペラジノ、2−ピペラジニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、モルホリノ、テトラヒドロピラニル等であるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書の文脈において「ハロゲン」なる語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0023】
本明細書の文脈において「薬学的に許容される塩」なる語は、有機及び無機の酸及び塩基で形成される塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸などの無機酸、ならびに、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、琥珀酸、蓚酸、蟻酸、フマル酸、マレイン酸、オキザロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びイセチオン酸などの有機酸からなる酸付加塩が含まれる。薬学的に許容される塩基塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、及び1級、2級、及び3級アミン塩などの有機塩基との塩が含まれる。
【0024】
本明細書の文脈において「プロドラッグ」なる語は、血中で加水分解されることなどによって体内で薬理作用を有する活性型に変換される化合物を意味する。
【0025】
本明細書の文脈において「溶媒和物」なる語は、本発明の化合物と溶媒とからなる複合体であって、本発明の化合物と溶媒とが反応しているか、これらが沈殿又は析出される複合体を意味する。
【0026】
本明細書の文脈において「立体異性体」なる語は、結合する原子は同じであるが原子の空間的配置が異なる異性体分子を指す。
【0027】
本明細書の文脈において「鏡像異性体」なる語は、左手と右手が「同じ」であるけれども反対であるように、互いに重ね合わせることのできない鏡像関係にある立体異性体を指す。
【0028】
本発明によれば、本発明の式(I)の好適な化合物は、以下からなる群から選択される。
【0029】
【化4】
NBM−HB−OS01(2h)
【0030】
【化5】
NBM−C−BCA−OS01(17d)
【0031】
【化6】
NBM−C−BA−OS01(17a)
【0032】
【化7】
NBM−C−BMA−OS01(17b)
【0033】
【化8】
NBM−C−BX−OS01(4a)
【0034】
【化9】
NBM−C−BCX−OS01(4d)
【0035】
【化10】
NBM−C−BMX−OS01(4b)
【0036】
【化11】
NBM−C−BFX−OS01(4c)
【0037】
【化12】
NBM−C−BBX−OS01(4e)
【0038】
【化13】
NBM−T−BX−OS01(4a)
【0039】
【化14】
NBM−T−BA−OS01(17a)
【0040】
【化15】
NBM−T−BCA−OS01(17d)
【0041】
【化16】
NBM−T−BBA−OS01(17e)
【0042】
【化17】
NBM−T−BFA−OS01(17c)
【0043】
【化18】
NBM−T−BMA−OS01(17b)
【0044】
【化19】
NBM−T−BCX−OS01(4d)
【0045】
【化20】
NBM−T−L−BCX−OS01(4d−Li+)
【0046】
【化21】
NBM−T−BMX−OS01(4b)
【0047】
【化22】
NBM−T−K−BMX−OS01(4b−K+)
【0048】
【化23】
NBM−T−L−BMX−OS01(4b−Li+)
【0049】
【化24】
NBM−T−BTX−OS01(4f)
【0050】
【化25】
NBM−T−L−BTX−OS01(4f−Li+)
【0051】
【化26】
NBM−T−TCX−OS01(4i)
【0052】
【化27】
NBM−T−L−TCX−OS01(4i−Li+)
【0053】
【化28】
NBM−T−TBX−OS01(4j)
【0054】
【化29】
NBM−T−L−TBX−OS01(4j−Li+)
【0055】
【化30】
NBM−T−BBX−OS01(4e)
【0056】
【化31】
NBM−T−L−BBX−OS01(4e−Li+)
【0057】
【化32】
NBM−T−BFX−OS01(4c)
【0058】
【化33】
NBM−C−BBX−OS01(4e)
【0059】
【化34】
NBM−C−BFX−OS01(4c)
【0060】
【化35】
NBM−T−TMX−OS01(4g)
【0061】
【化36】
NBM−T−BMX−L−OS01(4b−Lysine+)
【0062】
【化37】
NBM−I−BCX−OS01(20)
【0063】
【化38】
NBM−T−I−BMX−OS01(33a)
【0064】
【化39】
NBM−T−L−I−BMX−OS01(33a−Li+)
【0065】
【化40】
NBM−T−I−BBX−OS01(33c)
【0066】
【化41】
NBM−T−L−I−BBX−OS01(33c−Li+)
【0067】
【化42】
NBM−T−I−BCX−OS01(33b)
【0068】
【化43】
NBM−T−L−I−BCX−OS01(33b−Li+)
【0069】
【化44】
NBM−T−I−MCX−OS01(26b)
【0070】
【化45】
NBM−L1027(16h−Li+)
【0071】
【化46】
(14i)
【0072】
【化47】
(15i)
【0073】
【化48】
(16i)
及び
【0074】
【化49】
。
【0075】
本発明によれば、本発明の式(I)による化合物は、HDACを阻害することができる、つまり、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連する疾病の予防と治療のための薬剤として使用することができる。更に、本発明の化合物は、ラットC6グリオーマ、ヒト膠芽腫、ヒト乳ガン細胞、ヒト白血病細胞、ヒト悪性黒色腫細胞などの多発性ガン細胞株の成長を顕著に阻害することができる。ガン細胞の増殖を阻害するメカニズムは、分化経路、特に誘導分化及びp21やサイクリンB1などにみられるような細胞周期調節遺伝子の発現の調節を介したものと考えられる。更に、本発明の式(I)の化合物は、神経幹細胞の神経分化を仲介するので、脳梗塞、ハンチントン病やポリグルタミン病等の抗神経変性疾患に対する薬剤として使用することができる。これらの化合物は長期記憶を改善するためにも用いられる。更に、本発明の式(I)の化合物は、GLUT4の転写を調製することによって、全身のエネルギーバランスをコントロールすることもでき、従って、2型糖尿病治療の新規な治療目標を提供する。
【0076】
本発明の化合物の治療的使用に際し、投薬量は使用する化合物、投与方法、所望の処置や症状によって異なることは言うまでもない。式(I)の化合物の連日投与は、1〜20mg/kgの範囲で可能である。本発明は、HDAC阻害方法、腫瘍並びに細胞増殖性疾患、脳卒中、糖尿病、又は、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)及び脊髄性筋委縮症(SMA)等の神経変性疾病の治療方法、対象の神経伸長を促進する方法を、本発明の化合物を治療的に効果的な量を主体に投与する方法も含めて各々提供する。
【0077】
〔本発明の式Iの化合物の一般的合成法〕
本発明の化合物は、いずれの従来法によって調製してもよい。これらの化合物を合成する適切な方法の一例を挙げる。一般的に、式(I)の化合物は、下記に示す合成スキームの何れかに従って調製することができる。
【0078】
【化50】
【0079】
【化51】
【0080】
〔2の調製の一般的方法〕
1(2g、8.20mmol、従来技術によって周知)及びt−ブトキシカリウム(1.84g、16.4mmol)の乾燥DMF(20mL)混合物に、各種の塩化ベンジル(16.4mmol)を加え、得られた溶液を室温にて窒素下で6時間撹拌し、その後、EtOAc(50mL)で希釈し、dis−H2O(25mLx3)で洗浄、Na2SO4下で乾燥させた。減圧下でEtOACを除去し、得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:10〜1:1)で精製して2を得た。
【0081】
同様の方法を90℃で反応させることによって、2hを得た。
【0082】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル−4−メトキシ−t−ブチルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-t-butylcinamate)(2a)
【0083】
【化52】
【0084】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.50(1H、d、J=8.7Hz)、7.43−7.32(5H、m)、7.06(1H、d、J=12.4Hz)、6.67(1H、d、J=8.7Hz)、5.82(1H、d、J=12.4Hz)、5.15(1H、t、J=6.5Hz)、4.82(2H、s)、3.84(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.7Hz)、1.70(3H、s)、1.65(3H、s)、1.44(9H、s).(cis)
【0085】
(Z)−2−(4−メトキシベンゾキシ)−3−プレニル−4−メトキシ−t−ブチルシンナメート((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-t-butyl cinamate)(2b)
【0086】
【化53】
【0087】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.50(1H、d、J=8.6Hz)、7.35−7.30(2H、m)、7.06(1H、d、J=12.3Hz)、6.90(2H、d、J=8.4Hz)、6.67(1H、d、J=8.6Hz)、5.83(1H、d、J=12.4Hz)、5.15(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、3.86(3H、s)、3.82(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.6Hz)、1.71(3H、s)、1.65(3H、s)、1.44(9H、s).(cis)
【0088】
(Z)−2−ベンゾキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−2−メチルブチル)ベンジルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-4-methoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)benzyl
cinamate)(2h)
【0089】
【化54】
【0090】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.35(1H、d、J=8.6Hz)、7.25−7.12(10H、m)、7.01(1H、d、J=12.3Hz)、6.45(1H、d、J=8.6Hz)、5.77(1H、d、J=12.3Hz)、4.98(2H、s)、4.66(2H、s)、3.68(3H、s)、1.47(2H、m)、1.04(6H、s)
【0091】
〔3の調製の一般的方法〕
2(11.36mmol)と10%のKOH/MeOH(40mL)の混合物をN2下で一晩還流させ、その後dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAC(50mLx3)を用いて各々抽出した。混合EtOAc層を、Na2SO4上で乾燥し、減圧下で凝縮した。残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製し、3を得た。
【0092】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル−4−メトキシ−シンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(3a)
【0093】
【化55】
【0094】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.63(1H、d、J=8.6Hz)、7.42−7.26(5H、m)、7.25(1H、d、J=12.5Hz)、6.80(1H、d、J=8.7Hz)、5.88(1H、d、J=12.5Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.85(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.7Hz)、1.65(3H、s)、1.62(3H、s).(cis)
【0095】
〔4の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(637mg、11.36mmol)のMeOH(4mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(790mg、11.36mmol)を数滴ずつ加え、氷浴中1時間撹拌した。精製塩をろ過して除去し、フリーヒドロキシルアミンのMeOH溶液にした。3a(1g、2.84mmol)の乾燥THF(25mL)混合物に、エチルクロロギ酸エステル(0.6mL、5.68mmol)及びトリエチルアミン(0.6mL、5.68mmol)を加え、その溶液を0.5時間撹拌し、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。3時間反応させた後、反応混合物を減圧下濃縮して残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製して4aを得た。
【0096】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシ―シナミド((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy-cinamide)(4a)
【0097】
【化56】
【0098】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.40−7.33(5H、m)、7.30(1H、d、J=8.6Hz)、7.01(1H、d、J=12.5Hz)、6.66(1H、d、J=8.7Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.17(1H、t.J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.83(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.7Hz)、1.69(3H、s)、1.66(3H、s);13C−NMR(100MHz、CDCl3):δ159.7(s)、159.2(s)、155.9(s)、136.9(s)、135.9(d)、131.8(s)、128.6(d)、128.5(d)、128.2(d)、128.1(d)、128.0(d)、123.9(s)、122.7(d)、121.1(s)、118.2(d)、106.8(d)、76.6(t)、55.7(q)、25.7(q)、23.2(t)、17.9(q)、14.4(q).(cis)
【0099】
(Z)−2−(4-メトキシベンゾキシ)−3−プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4b)
【0100】
【化57】
【0101】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.35(1H、d、J=8.6)、7.29(2H、d、J=8.5Hz)、6.99(1H、d、J=12.5Hz)、6.89(2H、d、J=8.6Hz)、6.66(1H、d、J=8.6Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.17(1H、t、J=6.8Hz)、4.76(2H、s)、3.83(3H、s)、3.81(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.6Hz)、1.71(3H、s)、1.67(3H、s).(cis)
【0102】
(Z)―2―(4―フルオロベンゾキシ)―3―プレニル-4-メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Fluorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4c)
【0103】
【化58】
【0104】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.40(1H、d、J=7.8Hz)、7.36(2H、d、J=8.5Hz)、7.06(2H、d、J=8.5Hz)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.65(1H、d、J=7.8Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t、J=6.2Hz)、4.76(2H、s)、3.80(3H、s)、3.33(2H、d、J=6.5Hz)、1.67(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0105】
(Z)―2―(4-クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4d)
【0106】
【化59】
【0107】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.34−7.31(4H、m)、6.99(1H、d、J=12.2Hz)、6.69(2H、d、J=8.3Hz)、5.81(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(1H、t、J=6.2Hz)、4.77(2H、s)、3.85(3H、s)、3.33(2H、d、J=6.5Hz)、1.67(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0108】
(Z)―2―(4-ブロモベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4e)
【0109】
【化60】
【0110】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.47(2H、d、J=8.1Hz)、7.40(1H、d、J=8.4Hz)、7.28(2H、d、J=8.1Hz)、6.95(1H、d、J=12.5Hz)、6.62(1H、d、J=8.4Hz)、5.76(1H、d、J=12.4Hz)、4.73(2H、s)、3.76(3H、s)、3.31(2H、d、J=6.1Hz)、1.64(6H、s).(cis)
【0111】
(Z)―2―(4-トリフルオロメチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Trifluoromethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4f)
【0112】
【化61】
【0113】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.64(2H、d、J=8.1Hz)、7.52(2H、d、J=8.0Hz)、7.43(1H、d、J=8.4Hz)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、5.80(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t、J=6.4Hz)、4.86(2H、s)、3.84(3H、s)、3.41(2H、d、J=6.6Hz)、1.66(3H、s)、1.63(3H、s).(cis)
【0114】
(Z)―2―(3、4、5−トリメトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4g)
【0115】
【化62】
【0116】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.41(1H、d、J=8.3Hz)、6.70(1H、d、J=12.5Hz)、6.65(1H、d、J=8.4Hz)、6.62(1H、s)、6.61(1H、s)、5.77(1H、d、J=12.3Hz)、5.17(1H、t、J=6.6Hz)、4.75(2H、s)、3.84(9H、s)、3.80(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.4Hz)、1.69(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0117】
一般式(I)中の物質Yは、更に、下記に例示するスキームによって変更可能であることを付記する。
【0118】
【化63】
【0119】
【化64】
【0120】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.85(1H、d、J=15.5Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.37(2H、d、J=7.8Hz)、7.20(2H、d、J=7.8Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.37(1H、d、J=15.5Hz)、5.17(1H、t、J=6.4Hz)、4.76(2H、s)、3.83(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.4Hz)、3.21(3H、s)、2.36(3H、s)、1.71(3H、s)、1.66(3H、s).
【0121】
【化65】
【0122】
〔5の調製の一般的方法〕
3(17.04mmol)、HOBT(2.76g、20.44mmol)及びDCC(4.22g、20.44mmol)の乾燥THF(30mL)混合物を室温にて0.5時間撹拌した後、o−フェニレンジアミン(1.84g、17.04mmol)を加えた。得られた溶液を一晩継続的に撹拌した後、減圧下で濃縮して残留物を得た。得られた残留物をCH2Cl2(50ml)で溶解し、飽和NaHCO3(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。この有機層を減圧下で蒸発させ、シリカゲル(EtOAc:n―ヘキサン=1:3〜1:1)で精製して5を得た。
【0123】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル―4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(5a)
【0124】
【化66】
【0125】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.43−7.38(5H、m)、7.37(1H、d、J=8.6Hz)、7.03(1H、d、J=12.5Hz)、7.01−7.02(2H、m)、6.74−6.72(2H、m)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、6.06(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t.J=6.6Hz)、4.90(2H、s)、3.84(3H、s)、3.65(2H、s)、3.38(2H、d、J=6.5Hz)、1.72(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0126】
(Z)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(5b)
【0127】
【化67】
【0128】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.41(1H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.3Hz)、7.00(1H、d、J=12.9Hz)、6.88(2H、d、J=8.4Hz)、6.73−6.72(2H、m)、6.67(1H、d、J=8.6Hz)、6.04(1H、d、J=12.4Hz)、5.15(1H、t、J=6.6Hz)、4.83(2H、s)、3.87(3H、s)、3.77(3H、s)、3.38(2H、d、J=6.3Hz)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).(cis)
【0129】
(Z)―2―(4-クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(5c)
【0130】
【化68】
【0131】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.44(1H、d、J=8.6Hz)、7.35(4H、m)、7.12(1H、d、J=12.4Hz)、7.00(2H、d、J=10.5Hz)、6.74(2H、m)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、6.07(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(1H、t、J=6.6Hz)、4.85(2H、s)、3.84(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.3Hz)、1.65(3H、s)、1.59(3H、s).(cis)
【0132】
〔6の調製の一般的方法〕
5(1mmol)のTHF(15mL)溶液に、49%H2SO4(10mL)を加え、室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mLx3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥し残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=2:1)で精製した。
【0133】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2−ヒドロキシ―2−メチルブチル)―4−メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-Benzoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(6a)
【0134】
【化69】
【0135】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.43−7.38(5H、m)、7.37(1H、d、J=8.6Hz)、7.03(1H、d、J=12.5Hz)、7.01−7.02(2H、m)、6.74−6.72(2H、m)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、6.06(1H、d、J=12.4Hz)、4.92(2H、s)、3.81(3H、s)、2.68(2H、m)、1.62(2H、m)、1.18(6H、s).(cis)
【0136】
(Z)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―(2―ヒドロキシ―2―メチルブチル)4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(6b)
【0137】
【化70】
【0138】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.41(1H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.3Hz)、7.00(2H、d、J=12.9Hz)、6.88(2H、d、J=8.4Hz)、6.73−6.72(4H、m)、6.67(1H、d、J=8.6Hz)、6.04(1H、d、J=12.4Hz)、4.83(2H、s)、3.87(3H、s)、3.77(3H、s)、2.67(2H、m)、1.64(2H、m)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).(cis)
【0139】
(Z)―2―(4―クロロベンゾキシ)―3―(2―ヒドロキシ―2―メチルブチル)−4−メトキシ―N−(2−アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(6c)
【0140】
【化71】
【0141】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.44(1H、d、J=8.6Hz)、7.35(4H、m)、7.12(1H、d、J=12.4Hz)、7.00(2H、d、J=10.5Hz)、6.74(2H、m)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、6.07(1H、d、J=12.4Hz)、4.85(2H、s)、3.84(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.3)、2.68−2.64(2H、m)、1.65(3H、s)、1.63−1.57(2H、m)、1.59(3H、s).(cis)
【0142】
【化72】
【0143】
(Z)―2,4−ジメトキシ―3−プレニルシンナメート((Z)-2,4-Dimethoxy-3-prenyl cinamate)(7)
【0144】
1(2.44g、10mmol)及びKOH(4.20g、75mmol)のEtOH(100ml)溶液に、MeI(2.51ml、40mmol)を数滴ずつ加えた後、24時間90oCで加熱した。この混合物をdis−H2O(100ml)で希釈し、1NのHClでpH3−4に酸性化した後、EtOAc(50mlx3)で抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥して、減圧下でろ過して濃縮した。残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=6:1)で精製し、7を得た。
【0145】
【化73】
【0146】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.62(1H、d、J=8.6Hz)、7.23(1H、d、J=12.5Hz)、6.64(1H、d、J=8.7Hz)、5.92(1H、d、J=12.5Hz)、5.17(1H、t、J=6.3Hz)、3.84(3H、s)、3.71(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.7Hz)、1.77(3H、s)、1.67(3H、s).
【0147】
(Z)―2,4−ジメキトシ―3―プレニル―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2,4-Dimethoxy-3-prenyl-N-hydroxy cinamide)(8)
【0148】
4と同様の方法で処理し、更に、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して8を得た。
【0149】
【化74】
【0150】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.36(1H、d、J=8.6Hz)、7.02(1H、d、J=12.5Hz)、6.65(1H、d、J=8.6Hz)、5.87(1H、d、J=12.5Hz)、5.16(1H、t.J=6.9Hz)、3.82(3H、s)、3.70(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.8Hz)、1.77(3H、s)、1.68(3H、s).
【0151】
(Z)―2,4−ジメキトシ―3―プレニル―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2,4-Dimethoxy-3-prenyl-N-(2-aminophenyl)cinamide)(9)
【0152】
5と同様の方法で処理し、更に、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=2:3)で精製して9を得た。
【0153】
【化75】
【0154】
1H−NMR(500MHz、CD3OD):δ7.48(1H、d、J=8.6Hz)、7.09(1H、d、J=12.4Hz)、7.00−6.97(2H、m)、6.83(1H、d、J=8.1Hz)、6.72−6.70(2H、m)、6.16(1H、d、J=12.4Hz)、5.12(1H、t、J=6.9Hz)、3.81(3H、s)、3.73(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.7Hz)、1.75(3H、s)、1.63(3H、s).
【0155】
【化76】
【0156】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2―ヒドロキシ―2―メチルブチル)―4―メトキシ―t―ブチルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-t-butyl cinamate)(10)
【0157】
2a(0.27mmol)のTHF(15mL)溶液に49%H2SO4(10mL)加え、室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mL×3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥させ残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製した。
【0158】
【化77】
【0159】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.38(1H、d、J=8.7Hz)、7.36−7.27(5H、m)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.60(1H、d、J=8.7Hz)、5.94(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(2H、s)、4.81(2H、s)、3.82(3H、s)、2.67(2H、t、J=8.2Hz)、1.61(2H、t、J=8.2Hz)、1.44(9H、s)、1.18(6H、s).
【0160】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2、3―エポキシ―2―メチルブチル)―4―メトキシ―t―ブチルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-(2,3-epoxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-t-butyl cinamate)(11)
【0161】
2a(1g、2.67mmol)のCH2Cl2(10ml)溶液に、70%MCPBA(553mg、3.20mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。この反応溶液を1NaHSO3及び10%NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。CH2Cl2を減圧下で蒸発し、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=9:1)で精製して11を得た。
【0162】
【化78】
【0163】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.55(1H、d、J=8.6Hz)、7.43(2H、d、J=7.1Hz)、7.38−7.32(3H、m)、7.08(1H、d、J=12.4Hz)、6.69(1H、d、J=8.7Hz)、5.86(1H、d、J=12.4Hz)、4.92(1H、d、J=11.1Hz)、4.83(1H、d、J=11.1Hz)、3.86(3H、s)、2.97−2.94(2H、m)、2.83−2.79(1H、m)、1.44(9H、s)、1.33(3H、s)、1.25(3H、s).
【0164】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2,3−ジヒドロキシ-2-メチルブチル)−4−メトキシ―シンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-(2,3-dihydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-cinamate)(12)
【0165】
5と同様の反応方法で処理し、更に、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:4)で精製して12を得た。
【0166】
【化79】
【0167】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.57(1H、d、J=8.6Hz)、7.40−7.34(5H、m)、7.23(1H、d、J=12.6Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、5.97(1H、d、J=12.4Hz)、4.91(1H、d、J=11.1Hz)、4.81(1H、d、J=11.1Hz)、3.88(1H、t、J=10.5Hz)、3.85(3H、s)、2.63(2H、d、J=10.5Hz)、1.22(3H、s)、1.16(3H、s).
【0168】
【化80】
【0169】
(E)2−ヒドロキシ―3−プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)
2-Hydroxy-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(13)
【0170】
1(2.40g、10mmol)の乾燥EtOH(20mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(1.36g、20mmol)の乾燥EtOH(20mL)混合物を数滴ずつ加え、得られた溶液を窒素下で6時間加熱し、dis−H2O(50mL)で希釈し、1NのHCl(aq)でpH4−5に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で抽出し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOAcを除去した後、残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=10:1)で精製して13を得た。
【0171】
【化81】
【0172】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.92(1H、d、J=16.1Hz)、7.33(1H、d、J=8.7Hz)、6.49(1H、d、J=8.7Hz)、6.44(1H、d、J=16.1Hz)、6.10(1H、s)、5.20(1H、t、J=7.0Hz)、4.23(2H、q、J=7.2Hz)、3.82(3H、s)、3.42(1H、d、J=7.1Hz)、1.82(3H、s)、1.75(3H、s)、1.31(3H、t、J=7.2Hz).(trans)
【0173】
〔14の調製の一般的方法〕
13(1.72mmol)及びK2CO3(4.3mmol)のアセトン(20mL)混合物に適当な臭化ベンジル(3.44mmol)を加え、得られた溶液をN2下で一晩加熱した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をゲル(EtOAc:n−ヘキサン=15:1)で精製して14を得た。
【0174】
(E)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14a)
【0175】
【化82】
【0176】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.98(1H、d、J=16.1Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.40(2H、d、J=8.4Hz)、6.92(2H、d、J=8.4Hz)、6.71(1H、d、J=8.7Hz)、6.34(1H、d、J=16.1Hz)、5.17(1H、t、J=6.4Hz)、4.74(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.1Hz)、3.86(3H、s)、3.83(3H、s)、3.39(2H、d、J=6.5Hz)、1.73(3H、s)、1.67(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.1Hz).(trans)
【0177】
(E)―2―(4―クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14b)
【0178】
【化83】
【0179】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.92(1H、d、J=16.1Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.41(2H、d、J=8.4Hz)、7.37(2H、d、J=8.4Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.34(1H、d、J=16.0Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.77(2H、s)、4.23(2H、q、J=7.2Hz)、3.86(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.6Hz)、1.69(3H、s)、1.67(3H、s)、1.31(3H、t、J=7.2Hz).(trans)
【0180】
(E)―2―(4―ブロモベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14c)
【0181】
【化84】
【0182】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.91(1H、d、J=16.1Hz)、7.52(2H、d、J=8.4Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.34(2H、d、J=8.4Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.34(1H、d、J=16.0Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.75(2H、s)、4.23(2H、q、J=7.1Hz)、3.87(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.6Hz)、1.70(3H、s)、1.68(3H、s)、1.31(3H、t、J=7.1Hz).(trans)
【0183】
(E)―2―(3,4,5−トリメトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14d)
【0184】
【化85】
【0185】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.96(1H、d、J=16.1Hz)、7.45(1H、d、J=8.6Hz)、6.72(1H、d、J=8.8Hz)、6.70(2H、s)、6.38(1H、d、J=16.0Hz)、5.20(1H、t、J=6.6Hz)、4.74(2H、s)、4.22(2H、q、J=7.1Hz)、3.90(6H、s)、3.87(3H、s)、3.86(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.5Hz)、1.74(3H、s)、1.68(3H、s)、1.30(3H、t、J=7.2Hz).(trans)
【0186】
(E)―2―(4―メチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ-エチルシンナメート((E)-2-(4-Methylbenzoxy)- 3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14h)
【0187】
【化86】
【0188】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.01(1H、d、J=16.5Hz)、7.46(1H、d、J=8.6Hz)、7.38(2H、d、J=7.8Hz)、7.22(2H、d、J=7.7Hz)、6.72(1H、d、J=8.6Hz)、6.37(1H、d、J=16.0Hz)、5.20(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.1Hz)、3.86(3H、s)、3.41(2H、d、J=6.5Hz)、2.38(3H、s)、1.72(3H、s)、1.67(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.1Hz).
【0189】
2−(4−エチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―トランス―エチルシンナメート(2-(4-ethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-trans-ethyl cinamate)(14i)
【0190】
【化87】
【0191】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.00(1H、d、J=16.1Hz)、7.45(1H、d、J=8.7Hz)、7.40(2H、d、J=7.9Hz)、7.23(2H、d、J=7.9Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.36(1H、d、J=16.0Hz)、5.17(1H、t、J=6.6Hz)、4.76(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.1Hz)、3.86(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.6Hz)、2.68(2H、q、J=7.6Hz)、1.72(3H、s)、1.66(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.1Hz)、1.26(3H、t、J=7.6Hz).
【0192】
〔15の調製の一般的方法〕
14(1.81mmol)及び10%KOH/MeOH(20mL)の混合物をN2下で一晩還流した後、dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して15を得た。
【0193】
(E)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―シンナメート((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15a)
【0194】
【化88】
【0195】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.06(1H、d、J=16.1Hz)、7.47(1H、d、J=8.7Hz)、7.39(2H、d、J=8.5Hz)、6.93(2H、d、J=8.5Hz)、6.73(1H、d、J=8.7Hz)、6.35(1H、d、J=16.0Hz)、5.18(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、3.88(3H、s)、3.82(3H、s)、3.39(1H、d、J=6.5Hz)、1.73(3H、s)、1.68(3H、s).(trans)
【0196】
(E)―2―(4-クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ-シンナメート((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15b)
【0197】
【化89】
【0198】
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ7.69(1H、d、J=16.0Hz)、7.64(1H、d、J=8.8Hz)、7.47(2H、d、J=9.3Hz)、7.44(2H、d、J=9.3Hz)、6.87(1H、d、J=8.8Hz)、6.37(1H、d、J=16.0Hz)、5.06(1H、t、J=6.4Hz)、4.75(2H、s)、3.82(3H、s)、3.25(1H、d、J=6.6Hz)、1.58(6H、s).(trans)
【0199】
(E)―2―(4―ブロモベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―シンナメート((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15c)
【0200】
【化90】
【0201】
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ7.71(1H、d、J=16.1Hz)、7.65(1H、d、J=8.7Hz)、7.60(2H、d、J=8.3Hz)、7.40(2H、d、J=8.3Hz)、6.88(1H、d、J=8.8Hz)、6.38(1H、d、J=16.1Hz)、5.06(1H、t、J=6.5Hz)、4.74(2H、s)、3.82(3H、s)、3.26(2H、d、J=6.6Hz)、1.59(6H、s).(trans)
【0202】
(E)―2―(3,4,5−トリメトキシベンゾキシ)―3−プレニル―4―メトキシ-シンナメート((E)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15d)
【0203】
【化91】
【0204】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.96(1H、d、J=16.1Hz)、7.45(1H、d、J=8.6Hz)、6.72(1H、d、J=8.8Hz)、6.70(2H、s)、6.38(1H、d、J=16.0Hz)、5.20(1H、t、J=6.6Hz)、4.74(2H、s)、3.90(6H、s)、3.87(3H、s)、3.86(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.5Hz)、1.74(3H、s)、1.68(3H、s).(trans)
【0205】
(E)―2―(4―メチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ-シンナメート((E)-2-(4-Methylbenzoxy)- 3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15h)
【0206】
【化92】
【0207】
1H−NMR(500MHz、アセトン−d6):δ7.98(1H、d、J=16.0Hz)、7.64(1H、d、J=8.7Hz)、7.41(2H、d、J=7.9Hz)、7.22(2H、d、J=7.8Hz)、6.89(1H、d、J=8.7Hz)、6.43(1H、d、J=16.2Hz)、5.16(1H、t、J=6.8Hz)、4.78(2H、s)、3.89(3H、s)、3.39(2H、d、J=7.0Hz)、
2.33(3H、s)、1.68(3H、s)、1.62(3H、s).
【0208】
2―(4―エチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―トランス―シンナメート(2-(4-ethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-trans-cinamate)(15i)
【0209】
【化93】
【0210】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.07(1H、d、J=16.0Hz)、7.47(1H、d、J=8.7Hz)、7.39(2H、d、J=7.9Hz)、7.24(2H、d、J=7.9Hz)、6.73(1H、d、J=8.7Hz)、6.37(1H、d、J=16.0Hz)、5.18(1H、t、J=6.5Hz)、4.79(2H、s)、3.87(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.5Hz)、2.69(2H、q、J=7.6Hz)、1.71(3H、s)、1.63(3H、s)、1.23(3H、t、J=7.7Hz).
【0211】
〔16の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(637mg、11.36mmol)のMeOH(4mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(790mg、11.36mmol)を数滴ずつ加えた後、氷浴中1時間撹拌した。ろ過して精製塩を除去し、MeOH溶液中にフリーヒドロキシルアミンを得た。15(2.84mmol)の乾燥THF(25mL)混合物にエチルクロロギ酸エステル(0.6mL、5.68mmol)及びトリエチルアミン(0.6mL、5.68mmol)を加え、0.5時間撹拌した後、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。3時間反応させた後、反応溶液を減圧下で濃縮して残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して16を得た。
【0212】
(E)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16a)
【0213】
【化94】
【0214】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.83(1H、d、J=15.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.4Hz)、7.27(1H、d、J=8.6Hz)、6.88(2H、d、J=8.3Hz)、6.52(1H、d、J=8.6Hz)、6.28(1H、d、J=15.5Hz)、5.12(1H、t、J=5.7Hz)、4.64(2H、s)、3.76(3H、s)、3.74(3H、s)、3.33(2H、d、J=6.2Hz)、1.70(3H、s)、1.64(3H、s) (trans)
【0215】
(E)―2−(4−クロロベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16b)
【0216】
【化95】
【0217】
1H−NMR(500MHz、MeOH−d4):δ7.83(1H、d、J=15.8Hz)、7.47(1H、d、J=8.7Hz)、7.44(2H、d、J=8.2Hz)、7.37(2H、d、J=8.3Hz)、6.81(1H、d、J=8.7Hz)、6.36(1H、d、J=15.8Hz)、5.09(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、3.84(3H、s)、3.32(1H、d、J=6.6Hz)、1.63(3H、s)、1.62(3H、s).(trans)
【0218】
(E)―2−(4−ブロモベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16c)
【0219】
【化96】
【0220】
1H−NMR(500MHz、アセトン−d6):δ7.86(1H、d、J=15.8Hz)、7.60(2H、d、J=8.4Hz)、7.51(1H、d、J=8.7Hz)、7.49(2H、d、J=8.3Hz)、6.86(1H、d、J=8.7Hz)、6.50(1H、d、J=15.8Hz)、5.14(1H、t、J=6.7Hz)、4.80(2H、s)、3.87(3H、s)、3.36(1H、d、J=6.7Hz)、1.65(3H、s)、1.61(3H、s)(trans)
【0221】
(E)―2―(3,4,5−トリメトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16d)
【0222】
【化97】
【0223】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.88(1H、d、J=15.7Hz)、7.35(1H、d、J=8.6Hz)、6.68(2H、s)、6.62(1H、d、J=8.7Hz)、6.28(1H、d、J=15.7Hz)、5.18(1H、t、J=6.0Hz)、4.68(2H、s)、3.86(6H、s)、3.84(3H、s)、3.82(3H、s)、3.38(2H、d、J=6.4Hz)、1.73(3H、s)、1.66(3H、s).(trans)
【0224】
(E)―2−(4−メチルベンゾキシ)―3−プレニル-4-メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Methylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16h)
【0225】
【化98】
【0226】
1H−NMR(500MHz、アセトン−d6):δ7.92(1H、d、J=15.7Hz)、7.51(1H、d、J=8.4Hz)、7.42(2H、d、J=7.8Hz)、7.22(2H、d、J=7.8Hz)、6.85(1H、d、J=8.7Hz)、6.50(1H、d、J=15.0Hz)、5.15(1H、t、J=6.7Hz)、4.76(2H、s)、3.86(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.7Hz)、
2.34(3H、s)、1.66(3H、s)、1.61(3H、s).
【0227】
2−(4−エチルベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―ヒドロキシトランスシナミド(2-(4-ethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy trans cinamide)(16i)
【0228】
【化99】
【0229】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.80(1H、d、J=15.8Hz)、7.37(2H、d、J=7.9Hz)、7.32(1H、d、J=8.6Hz)、7.23(2H、d、J=7.9Hz)、6.64(1H、d、J=8.6Hz)、6.33(1H、d、J=15.8Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.72(2H、s)、3.82(3H、s)、3.38(2H、d、J=6.5Hz)、1.70(3H、s)、1.65(3H、s)、1.23(3H、t、J=7.6Hz).
【0230】
(E)―2−ベンゾキシ―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)(17a)
【0231】
【化100】
【0232】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.87(1H、d、J=15.1Hz)、7.40−7.35(5H、m)、7.32(1H、d、J=7.8Hz)、7.03(2H、m)、6.77(2H、m)、6.67(1H、d、J=8.1Hz)、6.49(1H、d、J=15.6Hz)、5.19(1H、m)、4.79(2H、s)、3.85(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.1Hz)、1.70(3H、s)、1.67(3H、s)
【0233】
(E)―2−(4−メトキシベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2-アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)
【0234】
【化101】
【0235】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.85(1H、d、J=15.1Hz)、7.39(4H、d、J=7.6Hz)、7.12−7.04(2H、m)、6.90(1H、d、J=8.2Hz)、6.78(2H、d、J=7.3Hz)、6.68(1H、d、J=8.1Hz)、6.54(1H、d、J=15.2Hz)、5.19(1H、m)、4.73(2H、s)、3.86(3H、s)、3.77(3H、s)、3.41(2H、m)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s)
【0236】
(E)―2−(4−フルオロベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Fluorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)(17c)
【0237】
【化102】
【0238】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.90(1H、d、J=15.2Hz)、7.43−7.38(4H、m)、7.07−7.03(4H、m)、6.76(2H、d、J=7.0Hz)、6.65(1H、d、J=8.4Hz)、6.51(1H、d、J=15.7Hz)、5.16(1H、m)、4.76(2H、s)、3.84(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.5Hz)、1.69(3H、s)、1.66(3H、s)
【0239】
(E)―2−(4−クロロベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamid)(17d)
【0240】
【化103】
【0241】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.88(1H、d、J=15.4Hz)、7.39−7.35(4H、m)、7.34(1H、d、J=7.9)、7.05(2H、m)、6.78(2H、m)、6.69(1H、d、J=8.0Hz)、6.50(1H、d、J=15.4Hz)、5.15(1H、m)、4.78(2H、s)、3.86(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.3Hz)、1.68(3H、s)、1.66(3H、s)
【0242】
(E)―2−(4−ブロモベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)(17e)
【0243】
【化104】
【0244】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.88(1H、d、J=15.3Hz)、7.50(2H、d、J=7.8Hz)、7.40(1H、d、J=7.4Hz)、7.34(2H、m)、7.05(2H、m)、6.81(2H、m)、6.71(1H、d、J=7.6Hz)、6.52(1H、d、J=15.5Hz)、5.15(1H、m)、4.77(2H、s)、3.86(3H、s)、3.37(2H、m)、1.66(3H、s)、1.57(3H、s)
【0245】
【化105】
【0246】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]4―クロロベンジルアクリレート((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl] 4-chlorobenzyl acrylate)(18)
【0247】
【化106】
【0248】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]4―クロロベンジルアクリレート((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl] 4-chlorobenzyl acrylate)(18)
【0249】
周知のaを用い、これを材料として、2に記載した手順に従って18を得た。
【0250】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.44(1H、s)、7.36(2H、d、J=8.3Hz)、7.31(2H、d、J=8.3Hz)、7.23(2H、d、J=8.3Hz)、7.18(1H、d、J=12.3Hz)、7.11(2H、d、J=8.3Hz)、6.66(1H、d、J=1.9Hz)、5.99(1H、d、J=12.3Hz)、5.58(1H、t、J=7.1Hz)、5.06(2H、s)、5.02(2H、s)、4.86(2H、d、J=7.1Hz)、1.78(3H、s)、1.71(3H、s).
【0251】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]アクリレート((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl]acrylate)(19)
【0252】
【化107】
【0253】
3に記載した手順に従って19を得た。
【0254】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)7.58(1H、d、J=2.0Hz)、7.53(1H、s)、7.33(2H、d、J=8.3Hz)、7.30(2H、d、J=8.3Hz)、7.22(1H、d、J=12.5Hz)、6.71(1H、d、J=2.1Hz)、5.92(1H、d、J=12.4Hz)、5.56(1H、t、J=7.2Hz)、5.02(2H、s)、4.85(2H、d、J=7.1Hz)、1.75(3H、s)、1.66(3H、s).
【0255】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]―N―ヒドロキシアクリミド((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl]-N-hydroxyacrylmide)(20)
【0256】
【化108】
【0257】
4に記載した手順に従って20を得た。
【0258】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ7.58(1H、s)、7.35〜7.30(4H、m)、7.32(1H、s)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、(1H、s)、5.86(1H、d、J=12.5Hz)、5.56(1H、t、J=6.9Hz)、5.50(2H、s)、4.89(2H、d、J=7.1Hz)、1.76(3H、s)、1.69(3H、s)
【0259】
【化109】
【0260】
a(18.51mmol)のTHF(150mL)溶液に、49%H2SO4(100mL)を加え、室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mL×3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製した。
【0261】
【化110】
キサントトキソール
【0262】
1H−NMR(500MHz、d6−アセトン): δ8.02(1H、d、J=9.5Hz)、7.91(1H、d、J=2.1Hz)、7.41(1H、s)、6.96(1H、d、J=2.1Hz)、6.32(1H、d、J=9.5Hz)
【0263】
〔8−メチル―キサントトキソール(22)の調製〕
化合物21(1g、4.95mmol)をアセトン(150mL)に溶解した。1の溶液及びK2CO3(1.7g、12.4mmol)の混合物に硫酸ジメチル(0.96mL、5.85mmol)を加え、得られた溶液を窒素下で2時間還流した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮後、EtOAc(50mL)で希釈し、dis-H2O(25mLx3)で洗浄、Na2SO4上で乾燥した。EtOAcを減圧下で除去した後、残留物をシリカゲル(EtOAc:n-ヘキサン=1:2)で精製して22をを得た。
【0264】
【化111】
メチル-キサントトキソール(22)
【0265】
1H−NMR(500MHz、CDCl3): δ7.75(1H、d、J=9.5Hz)、7.67(1H、d、J=5.0Hz)、7.32(1H、s)、6.80(1H、d、J=5.0Hz)、6.35(1H、d、J=9.5Hz)
【0266】
22(1.06g、4.94mmol)の乾燥EtOH(25mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(0.50g、7.41mmol)の乾燥EtOH(25mL)混合物を数滴ずつ加え、得られた溶液を窒素下で一晩還流させ、dis−H2O(50mL)で希釈し、1NのHCl(aq)でpH4−5に中和し、EtOAc(50mLx3)で抽出し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOAcを除去した後、得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=2:1)で精製して23を得た。
【0267】
(E)―3―(6―ヒドロキシ―5―メトキシベンゾフラン―5―イル)―4―エチルアクリレート((E)-3-(6-Hydroxy-5-methoxybenzofuran-5-yl)-4-ethyl acrylate)(23)
【0268】
【化112】
【0269】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ8.03(1H、d、J=16.0Hz)、7.51(1H、d、J=2.0Hz)、7.35(1H、s)、6.68(1H、d、J=2.0Hz)、6.63(1H、d、J=16.5Hz)、4.29(2H、q、J=7.1Hz)、4.21(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.2Hz).
【0270】
〔24の調製の一般的方法〕
23(1.96mmol)及びK2CO3(4.9mmol)のアセトン(20mL)混合物に、適当な臭化ベンジル(3.92mmol)を加え、得られた溶液を窒素下で一晩還流した。ろ過してK2CO3を除去し、ろ液を減圧下で濃縮してから、EtOAc(50mL)で希釈し、dis−H2O(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOAcを除去した後、残留物を(EtOAc:n−ヘキサン=1:10)で精製して24を得た。
【0271】
(E)―3−[6−(4−ブロモベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5―イル]―4−エチルアクリレート((E)-3-[6-(4-Bromobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl]-4-ethyl acrylate)(24a)
【0272】
【化113】
【0273】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ8.00(1H、d、J=16.1Hz)、7.60(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.3Hz)、7.43(1H、s)、7.35(2H、d、J=8.3Hz)、6.72(1H、d、J=2.0Hz)、6.41(1H、d、J=16.1Hz)、5.00(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、4.17(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.1Hz).
【0274】
(E)―3―[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5―イル]―4―エチルアクリレート((E)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl]-4-ethyl acrylate)(24b)
【0275】
【化114】
【0276】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ8.00(1H、d、J=16.0Hz)、7.61(1H、d、J=2.5Hz)、7.44(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.0Hz)、7.34(2H、d、J=8.0Hz)、6.73(1H、d、J=2.0Hz)、6.41(1H、d、J=16.0Hz)、5.02(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、4.18(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.0Hz).
【0277】
〔25の調製の一般的方法〕
24(1.68mmol)及び10%KOH/MeOH(20mL)の混合物をN2下で6時間還流した後、dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH2〜3に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出する。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して25を得た。
【0278】
(E)―3−[6−(4−ブロモベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5−イル]アクリレート((E)-3-[6-(4-Bromobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl] acrylate)(25a)
【0279】
【化115】
【0280】
1H−NMR(500MHz、d6−アセトン): 8.02(1H、d、J=16.1Hz)、7.89(1H、d、J=2.1Hz)、7.79(1H、s)、7.58(2H、d、J=8.3Hz)、7.49(2H、d、J=8.2Hz)、6.92(1H、d、J=2.1Hz)、6.50(1H、d、J=16.0Hz)、5.10(2H、s)、4.19(3H、s)
【0281】
(E)−3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5−イル]−アクリレート((E)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl]-acrylate)(25b)
【0282】
【化116】
【0283】
1H−NMR(500MHz、CDCl3): δ8.11(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.36(2H、d、J=8.0Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.04(2H、s)、4.19(3H、s)
【0284】
〔26の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(379mg、6.76mmol)のMeOH(1.8mL)溶液にMeOH(4.7mL)中の塩酸ヒドロキシルアミン(470mg、6.76mmol)を数滴ずつ1時間加える。精製塩をろ過して除去し、フリーヒドロキシルアミンのMeOH溶液を得た。25(1.69mmol)の乾燥THF(25mL)混合物にエチルクロロギ酸エステル(0.3mL、2.62mmol)及びトリエチルアミン(0.4mL、6.38mmol)を加え、0.5時間撹拌した後、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液をN2下で加えた。2時間反応させた後、反応溶液をdis−H2O(100mL)で希釈し、1NのHClでpH2〜3に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して26を得た。
【0285】
(E)−3−[6−(4−ブロモベンゾキシ)―5−メタオキシベンソフラン―5−イル]―N―ヒドロキシアクリミド((E)-3-[6-(4-Bromobenzoxy)-5-Methoxybenzofuran-5-yl]-N-hydroxyacrylmide)(26a)
【0286】
【化117】
【0287】
1H−NMR(500MHz、CD3OD)δ7.92(1H、d、J=16.0Hz)、7.75(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.0Hz)、7.47(1H、s)、7.39(2H、d、J=8.0Hz)、6.81(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.07(2H、s)、4.14(3H、s)
【0288】
(E)―3―[6−(4-クロロベンゾキシ)―5−メトキシベンソフラン―5−イル]―N―ヒドロキシアクリミド((E)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-Methoxybenzofuran-5-yl]-N-hydroxyacrylmide)(26b)
【0289】
【化118】
【0290】
1H−NMR(500MHz、d6−アセトン)δ7.96(1H、d、J=15.8Hz)、7.83(1H、d、J=2.0Hz)、7.53(2H、d、J=8.1Hz)、7.52(1H、s)、7.38(2H、d、J=8.1Hz)、6.85(1H、d、J=2.0Hz)、6.59(1H、d、J=15.5Hz)、5.05(2H、s)、4.15(3H、s)
【0291】
【化119】
【0292】
〔8−メトキシメチル-キサントトキソール(8-Methoxymethyl-xanthotoxol)(27)〕
キサントトキソール(21)、K2CO3(2.5eq.)及びアセトンの混合物に、MOMCl(2eq.)を加え、得られた溶液を室温にて12時間撹拌した。アセトンを除去した後、残留物をEtOAcで希釈し、dis−H2Oで洗浄してNa2SO4上で乾燥した。このEtOAC層を減圧下で濃縮した。この残留物からシリカゲルクロマトグラフィーによって27を得た。
【0293】
【化120】
【0294】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.75(1H、d、J=9.6Hz)、7.67(1H、d、J=2.0Hz)、7.40(1H、s)、6.80(1H、d、J=2.0Hz)、6.35(1H、d、J=9.6Hz)、5.48(2H、s)、3.67(3H、s).
【0295】
(E)―エチル3―(6−ヒドロキシ−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-hydroxy-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(28)
【0296】
27(900mg、3.08mmol)の無水EtOH(20mL)溶液に、無水EtOH(10mL)中のNaOEt(419mg、6.16mmol)を数滴ずつ加え、得られた溶液をN2下にて78℃で6時間加熱した。その後、反応混合物をdis−H2O(50mL)で希釈し、1NのHCl(aq)でpH4−5に中和し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層を、Na2SO4上で乾燥し、減圧下で蒸発した。残留物をSiO2(EtOAc:n−ヘキサン=1:4)で精製して28を得た。
【0297】
【化121】
【0298】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.03(1H、d、J=15.0Hz)、7.51(1H、d、J=2.0Hz)、7.43(1H、s)、6.94(IH、brs)、6.69(1H、d、J=2.0Hz)、6.60(1H、d、J=15.0Hz)、5.40(2H、s)、4.26(2H、q、J=7.2Hz)、3.61(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.5Hz).
【0299】
〔29の調製の一般的方法〕
28(3mmol)、K2CO3(7.5mmol)及びアセトン(30mL)の混合物に適当な臭化ベンジル(6mmol)を加え、N2下にて56℃で一晩加熱した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:5)で精製して29を得た。
【0300】
(E)―エチル3−(6−ベンゾキシ-7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-benzoxy-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(29a)
【0301】
【化122】
【0302】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.06(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.51(1H、s)、7.50〜7.34(5H、m)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.5Hz)、5.42(2H、s)、5.06(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、3.61(3H、s)、1.35(3H、t、J=7.0Hz).
【0303】
(E)―エチル3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-bromobenzoxy)-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(29b)
【0304】
【化123】
【0305】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=15.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(1H、s)、7.40(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.40(1H、d、J=16.0Hz)、5.41(2H、s)、5.03(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.2Hz)、3.60(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.2Hz).
【0306】
(E)―エチル3―(6−(4-クロロベンゾキシ)−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-chlorobenzoxy)-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(29c)
【0307】
【化124】
【0308】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=15.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(1H、s)、7.40(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.40(1H、d、J=16.0Hz)、5.41(2H、s)、5.03(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.2Hz)、3.60(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.2Hz).
【0309】
(E)―エチル3―(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-trifluoromethoxybenzoxy)-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl) acrylate)(29d)
【0310】
【化125】
【0311】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.00(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.51(2H、d、J=7.5Hz)、7.50(1H、s)、7.23(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=1.5Hz)、6.42(1H、d、J=16.5Hz)、5.42(2H、s)、5.05(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.2Hz)、3.60(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0312】
〔30の調製の一般的方法〕
【0313】
【化126】
【0314】
29(2mmol)及びMeOH(10mL)の混合物に12NのHCl(6mmol)を加え、N2下にて室温で一晩撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、その残留物をゲルで(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)精製して30を得た。
【0315】
(E)―エチル3―(6−ベンゾキシ−7−ヒドロキシベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-benzoxy-7-hydroxybenzofuran-5-yl)acrylate)(30a)
【0316】
【化127】
【0317】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.05(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.45〜7.37(5H、m)、7.36(1H、s)、6.73(1H、d、J=2.0Hz)、6.53(1H、d、J=16.0Hz)、4.96(2H、s)、4.30(2H、q、J=7.0Hz)、1.36(3H、t、J=7.0Hz).
【0318】
(E)―エチル3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−ヒドロキシベンゾフラン-5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-bromobenzoxy)-7-hydroxybenzofuran-5-yl)acrylate)(30b)
【0319】
【化128】
【0320】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.37(2H、d、J=7.0Hz)、7.35(2H、d、J=7.0Hz)、7.32(1H、s)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.48(1H、d、J=16.0Hz)、5.59(1H、brs)、4.93(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.34(3H、t、J=7.2Hz).
【0321】
(E)―エチル3―(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−ヒドロキシ-ベンゾフラン-5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-chlorobenzoxy)-7-hydroxy-benzofuran-5-yl)acrylate)(30c)
【0322】
【化129】
【0323】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.37(2H、d、J=7.0Hz)、7.35(2H、d、J=7.0Hz)、7.32(1H、s)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.48(1H、d、J=16.0Hz)、5.59(1H、brs)、4.93(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.34(3H、t、J=7.2Hz).
【0324】
(E)―エチル3―(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−ヒドロキシベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-trifluoromethoxybenzoxy)-7-hydroxybenzofuran-5-yl)acrylate)(30d)
【0325】
【化130】
【0326】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.00(1H、d、J=15.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.5Hz)、7.49(2H、d、J=8.5Hz)、7.36(1H、s)、7.25(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.50(1H、d、J=16.0Hz)、5.60(1H、brs)、4.96(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.35(3H、t、J=7.2Hz).
【0327】
〔31の調製の一般的方法〕
30(2mmol)、K2CO3(5mmol)及びアセトン(30mL)の混合物に臭化イソプレニル(4mmol)を加え、N2下にて56oCで一晩加熱した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。この残留物をゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:5)で精製して31を得た。
【0328】
(E)―エチル3−(6−ベンゾキシ−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-benzoxy-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(31a)
【0329】
【化131】
【0330】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.06(1H、d、J=16.5Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.50〜7.33(5H、m)、7.46(1H、s)、6.73(1H、d、J=2.0Hz)、6.42(1H、d、J=16.0Hz)、5.60(1H、t、J=7.0Hz)、5.08(2H、s)、4.89(2H、d、J=7.0Hz)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.68(3H、s)、1.35(3H、t、J=7.0Hz).
【0331】
(E)―エチル3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-bromobenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(31b)
【0332】
【化132】
【0333】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.80(1H、d、J=16.0Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.49(2H、d、J=8.0Hz)、7.45(1H、s)、7.35(2H、d、J=8.0Hz)、6.73(1H、d、J=2.5Hz)、6.41(1H、d、J=16.0Hz)、5.55(1H、t、J=7.2Hz)、5.02(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、4.26(2H、q、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0334】
(E)―エチル3−(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシ―ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-chlorobenzoxy)-7-isoprenyloxy-benzofuran-5-yl)acrylate)(31c)
【0335】
【化133】
【0336】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.80(1H、d、J=16.5Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.45(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.5Hz)、6.73(1H、d、J=2.5Hz)、6.39(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.0Hz)、5.04(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、4.25(2H、q、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0337】
(E)―エチル3−(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5―イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-trifluoromethoxybenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl) acrylate)(31d)
【0338】
【化134】
【0339】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.80(1H、d、J=16.5Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.45(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.5Hz)、6.73(1H、d、J=2.5Hz)、6.39(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.0Hz)、5.04(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、4.25(2H、q、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0340】
〔32の調製の一般的方法〕
31(2mmol)、LiOH(20mmol)及びMeOH(30mL)の混合物をN2下で63oCにて一晩加熱した。得られた溶液をdis−H2O(6mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAc(30mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して32を得た。
【0341】
(E)―3―(6−ベンゾキシ−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)アクリレート((E)-3-(6-Benzoxy-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(32a)
【0342】
【化135】
【0343】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.14(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.50〜7.33(5H、m)、7.48(1H、s)、6.74(1H、d、J=2.5Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.60(1H、t、J=7.0Hz)、5.10(2H、s)、4.90(2H、d、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.69(3H、s).
【0344】
(E)−3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン−5−イル)アクリレート((E)-3-(6-(4-Bromobenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(32b)
【0345】
【化136】
【0346】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.10(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.2Hz)、5.06(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.68(3H、s).
【0347】
(E)―3―(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシ−ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-3-(6-(4-Chlorobenzoxy)-7-isoprenyloxy-benzofuran-5-yl)acrylate)(32c)
【0348】
【化137】
【0349】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.10(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.2Hz)、5.06(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.68(3H、s).
【0350】
(E)―3―(6―(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン−5−イル)アクリレート((E)-3-(6-(4-Trifluoromethoxybenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(32d)
【0351】
【化138】
【0352】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.12(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.52(2H、d、J=8.5Hz)、7.49(1H、s)、7.23(2H、d、J=8.5Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.0Hz)、5.09(2H、s)、4.90(2H、d、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s).
【0353】
〔33の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(2mmol)及びMeOH(10mL)の混合物に、塩酸ヒドロキシルアミン(2mmol)を加えた後、氷浴中1時間撹拌した。精製塩を除去してフリーヒドロキシルアミン溶液を得た。32(1mmol)及び無水THF(10mL)の混合物にエチルクロロギ酸エステル(2mmol)及びEt3N(2mmol)を加え、室温にて0.5時間撹拌した。得られた溶液に、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。更に、3時間反応させた後、反応溶液を1NのHCl(aq)でpH2−3に酸性化し、EtOAc(20mLx3)で抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をSiO2(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して33を得た。
【0354】
(E)―3―(6−ベンゾキシ−7−イソプレニルオキシベンソフラン−5−イル)―N―ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-Benzoxy-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)-N-hydroxy-acrylamide)(33a)
【0355】
【化139】
【0356】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.89(1H、d、J=16.0Hz)、7.58(1H、d、J=2.0Hz)、7.46〜7.30(5H、m)、7.44(1H、s)、6.66(1H、d、J=1.5Hz)、6.40(1H、d、J=16.0Hz)、5.58(1H、t、J=7.5Hz)、5.04(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).
【0357】
(E)―3―(6―(4―ブロモベンゾキシ)―7―イソプレニルオキシベンソフラン―5―イル)N−ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-(4-Bromobenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)N-hydroxy-acrylamide)(33b)
【0358】
【化140】
【0359】
1H−NMR(500MHz、CD3OD):δ7.94(1H、d、J=16.0Hz)、7.76(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.0Hz)、6.81(1H、d、J=1.6Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.50(1H、t、J=7.0Hz)、5.03(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、1.71(3H、s)、1.63(3H、s).
【0360】
(E)―3−(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシ―ベンゾフラン―5−イル)N−ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-(4-Chlorobenzoxy)-7-isoprenyloxy-benzofuran-5-yl)N-hydroxy-acrylamide)(33c)
【0361】
【化141】
【0362】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.93(1H、d、J=16.5Hz)、7.60(1H、d、J=2.0Hz)、7.39(2H、d、J=8.5Hz)、7.35(1H、s)、7.32(2H、d、J=8.5Hz)、6.70(1H、d、J=2.5Hz)、6.36(1H、d、J=16.5Hz)、5.54(1H、t、J=7.0Hz)、5.02(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).
【0363】
(E)―3−(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)N−ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-(4-Trifluoromethoxybenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)N-hydroxy-acrylamide)(33d)
【0364】
【化142】
【0365】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.96(1H、d、J=15.5Hz)、7.57(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.5Hz)、7.35(1H、s)、7.19(2H、d、J=8.5Hz)、6.62(1H、d、J=2.0Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.51(1H、t、J=7.5Hz)、4.99(2H、s)、4.84(2H、d、J=7.0Hz)、1.73(3H、s)、1.67(3H、s).
【0366】
〔塩〕
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、いずれかの従来技術によって調製することができる。それらの塩の合成手順を下記に例示する。
【0367】
(E)―2−(4-メトキシベンゾキシ)―4―メトキシ―3―プレニル―N―ヒドロキシシナミドリシン塩((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-4-methoxy-3-prenyl-N-hydroxycinamide lysine salt)
【0368】
【化143】
【0369】
ヒドロキサマート(hydroxamte)(1mmole)及びEtOH(15mL)の混合物に、H2O(10mL)のL―リシン(1mmole)の溶液を加えた。得られた溶液を40°Cで4時間撹拌し、室温に冷却した後、12時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOHから沈殿させた。ろ過後の固体をdis−H2Oで洗浄し、真空オーブンで乾燥した。
【0370】
【化144】
【0371】
ヒドロキサマート(hydroxamte)(1mmole)及びEtOH(15mL)の混合物に、H2O(5mL)の水酸化リチウム又は水酸化カリウム(1.2mmole)の溶液を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOHから凝結(沈殿)させた。ろ過後の固体をdis−H2Oで洗浄し、真空オーブンで乾燥した。
【0372】
〔本発明の医薬組成物〕
式(I)の化合物及び薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物はそれ自体でも使用可能であるが、一般的には式(I)の化合物/塩/溶媒和物(有効成分)を薬学的に許容される補助剤、希釈剤又は担体と組み合わせた医薬組成物として投与される。投与形態に応じ、医薬組成物は、10〜30wt%(重量パーセント)、より好ましくは30〜50wt%、更に好ましくは50〜70wt%、更により好ましくは70〜100wt%の有効成分を含有する(重量%はすべて全組成物に対して)。更に本発明の医薬組成物は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連した疾患の他の予防剤又は治療剤を含有していてもよい。
【0373】
本発明の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤や顆粒剤による経口投与、溶液や懸濁液による非経口投与、皮下投与、坐剤による直腸内投与、経皮投与によって全身的に投与することが可能である。
【0374】
本発明の化合物ならびに医薬組成物はHDAC阻害剤であり、細胞内に長期にわたって保持され、ヒストンH4のアセチル化を継続的に誘導する。本発明の化合物ならびに医薬組成物は細胞及び神経幹細胞の分化を誘導するHDAC阻害剤である。更に本発明の化合物は、HDAC活性を大きく阻害する。本発明の化合物は細胞のS期及びG2/M期を用量依存的に大幅に短縮し、癌細胞の形態を変化させる。したがって本発明の化合物によって腫瘍や細胞増殖性疾患を治療することが可能である。更に本発明の化合物によって神経突起伸長を促進し、ハンチントン病やポリグルタミン病等の神経変性疾患やヒト脊髄性筋萎縮症(SMA)を治療することが可能である。
【実施例】
【0375】
以下、実施例で本発明の化合物の好適な合成法及び使用法を説明する。
【0376】
〔実施例1:2―(4−ニトロベンゾキシ)―4―メトキシ―3−プレニル−4−ニトロンジルシンナメート(2-(4-Nitrobenzoxy)-4-methoxy-3-prenyl-4-nitrobenzyl cinamate)の調製〕
1(2g、8.20mmol)及びカリウムt―ブトキシド(potassiumt-butoxide)(1.84g、16.4mmol)の乾燥DMF(20mL)混合物に、各種の塩化ベンジル(16.4mmol)を加え、得られた溶液を室温にて窒素下6時間撹拌した。その後、EtOAc(50mL)で希釈し、dis−H2O(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOACを除去した後、残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:10〜1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)8.24−8.22(4H、m)、7.59−7.46(4H、m)、7.45(1H、d、J=8.6Hz)、6.98(1H、d、J=12.3Hz)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、5.81(1H、d、J=12.3Hz)、5.12(1H、t、J=6.5Hz)、4.91(2H、s)、4.64(2H、s)、3.85(3H、s)、3.32(2H、d、J=6.6Hz)、1.61(3H、s)、1.57(3H、s).
【0377】
〔実施例2:2−ベンゾキシ−4−メトキシ―3−プレニルシンナメート(2-Benzoxy-4-methoxy-3-prenyl cinamate)の調製〕
2(11.36mmol)及び10%KOH/MeOH(40mL)の混合物をN2下で一晩還流した後、dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAC(50mLx3)で抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製し、タイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)
7.63(1H、d、J=8.6Hz)、7.42−7.26(5H、m)、7.25(1H、d、J=12.5Hz)、6.80(1H、d、J=8.7Hz)、5.88(1H、d、J=12.5Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.85(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.7Hz)、1.65(3H、s)、1.62(3H、s).ESIMSm/z[M−H]−351.13(100).
【0378】
〔実施例3:2−ベンゾキシ−4−メトキシ-3-プレニル―N―ヒドロキシシナマミド(Benzoxy-4-methoxy-3-prenyl-N-hydroxy cinamamide)の調製〕
水酸化カリウム(637mg、11.36mmol)のMeOH(4mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(790mg、11.36mmol)を数滴ずつ加えた後、その溶液を氷浴中1時間撹拌した。ろ過して、精製塩を除去し、MeOH溶液中フリーヒドロキシルアミンを得た。3a(1g、2.84mmol)3a(1g、2.84mmol)の乾燥THF(25mL)混合物にエチルクロロギ酸エステル(0.6mL、5.68mmol)及びトリエチルアミン(0.6mL、5.68mmol)を加え、0.5時間撹拌した後、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。3時間反応させた後、反応溶液を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)7.40−7.33(5H、m)、7.30(1H、d、J=8.6Hz)、7.24(1H、d、J=8.7Hz)、7.01(1H、d、J=12.5Hz)、6.66(1H、d、J=8.7Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.17(1H、t.J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.83(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.7Hz)、1.69(3H、s)、1.66(3H、s);13C−NMR(100MHz、CDCl3)159.7(s)、159.2(s)、155.9(s)、136.9(s)、135.9(d)、131.8(s)、128.6(d)、128.5(d)、128.2(d)、128.1(d)、128.0(d)、123.9(s)、122.7(d)、121.1(s)、118.2(d)、106.8(d)、76.6(t)、55.7(q)、25.7(q)、23.2(t)、17.9(q)、14.4(q);ESIMSm/z[M+H]+368.13(100).
【0379】
〔実施例4:2−ベンゾキシ−4−メトキシ―3−(2−ヒドロキシ―2−メチルブチル)―N―ヒドロキシシナマミド(2-Benzoxy-4-methoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl) ―N―hydroxy cinamamide)の調製〕
4a(100mg、0.27mmol)のTHF(15mL)溶液に49%H2SO4(10mL)を加え、その溶液を室温で6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mLx3)で抽出し、その後、Na2SO4上で乾燥して残留物を得た。その残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3) 7.40−7.33(5H、m)、7.30(1H、d、J=8.6Hz)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、5.89(1H、d、J=12.4Hz)、4.83(2H、s)、3.82(3H、s)、2.66(2H、t、J=7.8Hz)、1.65(2H、t、J=7.8Hz)、1.16(6H、s)..
【0380】
〔実施例5:2−ベンゾキシ−4−メトキシ―3−プレニル―N―(2−アミノフェニル)シナマミド(2-Benzoxy-4-methoxy-3-prenyl-N-(2-aminophenyl)cinamamide)の調製〕
3(17.04mmol)、HOBT(2.76g、20.44mmol)及びDCC(4.22g、20.44mmol)の乾燥THF(30mL)混合物を、室温下で0.5時間撹拌した後、o−フェニレンジアミン(1.84g、17.04mmol)を加えた。得られた溶液を継続的に一晩撹拌し、その後、減圧下で濃縮して残留物を得た。その残留物をCH2Cl2(50ml)に溶解し、飽和NaHCO3(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で蒸発し、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:3−1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)7.43−7.38(5H、m)、7.37(1H、d、J=8.6Hz)、7.26(1H、d、J=8.7Hz)、7.03(1H、d、J=12.5Hz)、7.01−7.02(2H、m)、6.74−6.72(2H、m)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、6.06(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t.J=6.6Hz)、4.90(2H、s)、3.84(3H、s)、3.65(2H、s)、3.38(2H、d、J=6.5Hz)、1.72(3H、s)、1.65(3H、s).
【0381】
〔実施例6:2―ベンゾキシ−4−メトキシ―3−(2−ヒドロキシ―2−メチルブチル)―ベンジルシナマメート(2-Benzoxy-4-methoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)
–benzyl cinamamate)の調製〕
2(0.27mmol)のTHF(15mL)溶液に、49%H2SO4(10mL)を加え、その溶液を室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mLx3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:
1H−NMR(400MHz、CDCl3) 7.38(1H、d、J=8.7Hz)、7.36−7.27(10H、m)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.60(1H、d、J=8.7Hz)、5.94(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(2H、s)、4.81(2H、s)、3.82(3H、s)、2.67(2H、t、J=8.2Hz)、1.61(2H、t、J=8.2Hz)、1.18(6H、s);ESIMSm/z[M+Na]+483.6(100).
【0382】
〔実施例7:本発明の化合物によるガン細胞成長の阻害〕
三つのガン細胞系列、即ち、ラットC6グリオーマ細胞、ヒト乳ガンMCF−7細胞、ヒト肺ガンA549細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Gibco)中で培養した。これらの細胞系列を全て、37℃で、95%の空気及び5%の二酸化炭素の加湿環境にて維持した。各実験で細胞は6穴プレートに播種した。24時間後に細胞を異なる濃度の各種化合物で処理した。細胞を24時間後、48時間後、72時間後に観察した。48時間後、各種濃度でNBM−HB−OS01がラットC6グリオーマ細胞のガン細胞の増殖を阻害し(図1(a)参照)、又、ヒト結腸ガンHT−29細胞のガン細胞の増殖を停止させた(図1(b)参照)ことが確認された。各種濃度において、NBM−C−BX−OS01は、48時間でラットC6グリオーマ細胞(図2(a)参照)、24時間でヒト乳ガンMCF−7細胞(図2(b)参照)、48時間でヒト肺ガンA549細胞(図2(c)参照)のガン細胞の増殖を抑制した。一定の濃度(7.5μg/mL)の、NBM−C−BA−OS01、NBM−C−BCA−OS01及びNBM−C−BMA−OS01で処理することによって、48時間でラットC6グリオーマ細胞の増殖を阻害した。NBM−C−BA−OS01(5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5.0μg/mL)は、24時間でラットC6グリオーマ細胞の増殖を阻害した(図5(a)参照)。
【0383】
〔実施例8:本発明の化合物によるガン細胞の成長阻害と形態変化〕
5つのガン細胞系列、即ち、ラットC6グリオーマ細胞、ヒト乳ガンMCF−7細胞、ヒトグリオーマHs683細胞、ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞及びヒト肺ガンA549細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Gibco)中で培養し、37℃で、95%の空気及び5%の二酸化炭素の加湿環境にて維持した。ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン及び2mMグルタミンを含むL−15培地(Gibco)中で培養し、37℃で、95%の空気及び0%の二酸化炭素の加湿環境にて維持した。各実験で細胞は6穴プレート又は60mmの培養皿に播種した。24時間後、細胞を異なる濃度の各種化合物で処理した。細胞を24時間後、48時間後、72時間後に観察した。ヒト乳ガンMCF−7細胞(図3(a)参照)及びラットC6グリオーマ細胞(図3(b)参照)は、NBM−C−BA−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)で72時間処理することによって、形態的な変化が見られた。NBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)で処理することによって、A549細胞の増殖が72時間で用量依存的に阻害され(図5(b)参照)、ラットC6グリオーマ細胞でも24時間の処理で同様の結果となった(図5(c)参照)。ヒトグリオーマHs683細胞を(1.25、2.5、5.0μg/mL)で72時間処理した(図5(d)参照)。ヒト膠芽細胞腫をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した(図5(e)参照)。細胞計数の結果は、同一傾向であった(図5(f)参照)。NBM−C−BCX−OS01、NBM−C−BMX−OS01及びNBM−C−BFX−OS01は、ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞の増殖を阻害し、72時間で形態を変化させた(図6(a)参照)。結果をトリパンブルー色素排除法によって計数した(図6(b)参照)。
【0384】
〔実施例9:ラットC6グリオーマ細胞のmRNAに与える本発明(NBM−HB−OS01)の効果〕
mRNAの発現に関連する細胞周期をRT−PCRにより調べた。製造元の記載に従ってRNeasy-Mini-Kit(Qiagen)を使用し、処理ラットC6グリオーマ細胞から全RNAを単離した。ReverTra−Plus−TM(TOYOBO)を用いて全RNAのうち500ngからcDNAを作成した。GAPDHを内部コントロールとして用い、細胞周期を分析するための幾つかの遺伝子(p21、サイクリンB1及びサイクリンD1)の増幅に対するプライマーを用いたPCRによってRT産物(1μl)を増幅した。ラットC6グリオーマ細胞をNBM−HB−OS01で48時間処理した。図1(d)に示すように、NBM−HB−OS01はp21のmRNA発現を誘因した。
【0385】
〔実施例10:各種ヒトガン細胞の細胞周期に与える本発明の効果〕
ヒト肺ガンA549細胞、ヒトグリオーマHs683細胞及びヒト膠芽細胞腫05−MG細胞を、100mmの培養皿毎に1×106個を播種した。DMEM+10%BSAで24時間培養した後、ヒト肺ガンA549細胞をNBM−HB−OS01(2.5、5.0、7.5、10.0μg/mL)で24時間処理し、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5、7.5μg/mL)で72時間処理した。ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞を、NBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で処理した。細胞周期分析のために、細胞を80%エタノールで1時間(又は一晩)、−20°Cで固定した後、2μg/mL、RNaseAで30分、37°Cで培養した。細胞をPBSのヨウ化プロピジウム(5g/mLPI)溶液で染色し、FACScanサイトメトリー(BectonDickinson)及びCellQuest収集・分析プログラムにより調べた。図1(c)の結果は、NBM−HB−OS01が、ヒト肺ガンA549細胞をG0/G1期において用量依存的に阻害することを示す。各濃度(2.5、5、7.5μg/mL)のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01が、72時間でヒト肺ガンA549細胞を阻害し(図6(c)参照)、各濃度(1.0、2.0、4.0μg/mL)のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01が、72時間でヒト膠芽細胞腫05−MG細胞を阻害した(図6(d)参照)。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した。NBM−C−BCX−OS01は、ヒトグリオーマHs683細胞の増殖を停止することができた(図6(e))。
【0386】
〔実施例11:本発明の化合物の処理後に観察される、HDACに関連するタンパク質の発現上昇〕
ラットC6グリオーマ細胞、ヒト乳ガンMCF−7細胞及びヒト肺ガンA549細胞を6穴プレートに播種した。24時間培養後、培養地+10%BSAで24時間培養後、ヒト乳ガンMCF−7細胞をNBM−HB−OS01(10.0μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で24時間処理した。ラットC6グリオーマ細胞をNBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で6時間処理した。ヒト肺ガンA549細胞をNBM−C−BA−OS01(7.5μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で6時間処理した。処理細胞を80%メタノールで30分固定し、PBS溶液で3回洗浄した。細胞を0.3%トリトンX−100で30分透過性を上昇し、その後PBS−T(PBS中0.1%ツイン20)の10%ウシ胎児血清(FBS)で1時間ブロックした。処理細胞を、アセチル化ヒストンH3、アセチル‐チューブリン及びゲルゾリンに対して一次抗体で保護した。Nikonの顕微鏡で写真撮影した。結果は、本発明の化合物が、各種のガン細胞のタンパク質発現に関連するHDACを誘因することを示した(図1(g)、図2(e)、図3(c))。
【0387】
〔実施例12:高アセチル化ヒストン及びチューブリンの蓄積増加と本発明の化合物の処理による各種細胞株のp21〕
ラットC6グリオーマ細胞及びヒト乳ガンMCF−7細胞を60mm培養皿毎5×105又は100mm培養皿毎1×106で播種した。24時間後、ラットC6グリオーマ細胞を、各濃度のNBM−HB−OS01(2.5、5.0、7.5、10.0μg/mL)で72時間処理し、10.0μg/mLのNBM−HB−OS01で、1、2、3、4時間処理した。ヒト乳ガンMCF−7細胞を7.5μg/mLのNBM−C−BX−OS01で、1、2、3、4時間処理した。C6の溶解物及びMCF−7細胞をアセチル化ヒストンH3(Cell Signaling Technology,Inc.)、アセチル化ヒストンH4(Upstate)、アセチル化チューブリン(SigmaChemical Co.)、 p21(BD Pharmingen Technology,Inc.)、及びアクチン(Sigma Chemical Co.)の免疫ブロット法用に用意した。タンパク質をケミルミネッセンス(ECL、 Amersham)で検出した。結果は、ラットC6グリオーマ及びMCF−7細胞で高アセチル化ヒストンH3、高アセチル化ヒストンH4、アセチル化チューブリン及びp21の蓄積が誘発されることを示した(図1(e)、図1(f)、図2(d)参照)。βアクチンは、内部コントロールである。
【0388】
〔実施例13:ヒストン及びHDACに関連するタンパク質へのNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01の効果〕
60mm培養皿毎に5×105個、100mm培養皿毎に1×106個のヒトグリオーマHs683細胞を播種した。24時間後、ヒトグリオーマHs683細胞を、異なる投薬量のNBM−C−BCX−OS01、NBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で72時間処理した。Hs683細胞ライセートを、アセチル化ヒストンH3(Cell Signaling Technology,Inc.)、アセチル化ヒストンH4(Upstate)、アセチル化チューブリン(Sigma Chemical Co.)、p21 (BD Pharmingen Technology,Inc.)、CTPS(ABNOVA TAIWAN Corporation)、ゲルソリン(Sigma Chemical Co.)、Hsp90(Cell Signaling Technology,Inc.)、アセチル化Hsp90(ROCKLAND,Inc.)及びアクチン(Sigma Chemical Co.)の免疫ブロット法用に準備した。プロテインをケミルミネッサンス(ECL、Amersham)で検出した。アセチル化Hsp90及びゲルソリンタンパク質が用量依存的に増加することを観察した。Hsp90及びCTPSタンパク質は用量依存的に減少した(図7(a))。用量依存的にp21、アセチル化チューブリン、アセチル化ヒストンH3及びアセチル化ヒストンH4の発現が誘発された。SAHAをポジティブコントロールとして用い、β―アクチンを内部コントロールとして用いた(図7(b)参照)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連する疾病の予防と治療のための薬剤として有用な新規なシナミック化合物に関する。又、本発明は軸索の伸長促進剤としても使用できる。特に、本発明は、抗ガン剤、抗糖尿病薬、又は、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)、脊髄性筋委縮症(SMA)といった抗神経変性疾病に対する薬剤として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
真核生物のDNAは、高度に組織化されて核内にパッケージングされている。このような組織化及びパッケージングは、コアヒストンであるH2A、H2B、H3及びH4を含むタンパク質を付加し、DNAとともにクロマチンという複雑な構造を形成することによって達成される。コアヒストンの修飾は、クロマチンの立体配座を変化させるために不可欠に重要である。アセチル化のレベルは転写活性と関係しており、アセチル化によってクロマチンは開構造の立体構造をとり、転写機構がプロモーターにアクセスすることが可能となる。ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)及びヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)は、コアヒストンタンパク質のアミノ末端付近に位置するリシンのε−アミノ基を選択的にアセチル化又は脱アセチル化することによって転写に影響を及ぼす酵素である。HDACは18種類の酵素のファミリー(アイソフォーム)であり、遺伝子の発現制御に関与していることから、ガンなどの多くの疾患におけるマスター調節因子として働くと考えられている。HDACの欠損は広範な種類のガンとの関連が指摘されてきた。HDAC酵素又はそのアイソフォームは様々なタイプのガンと関連しているものと思われる。
【0003】
固形性及び血液性悪性腫瘍の治療への応用が期待される新しい抗ガン剤としてヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤が注目を浴びている。近年、構造的に異なる様々な種類のHDAC阻害剤が同定されているが、これらは培養又は動物モデルにおいて腫瘍細胞の増殖を阻害し、分化やアポトーシスを誘導するものである。HDACが阻害されるとアセチル化された核内ヒストンが腫瘍及び正常組織に蓄積することから、生体内でのHDAC阻害剤の生物活性の代用マーカーとなる。HDAC阻害剤の遺伝子発現に対する作用は極めて選択性が高く、サイクリン依存型キナーゼ阻害剤であるp21WAF1/CIP1など特定の遺伝子の転写を活性化する一方で他の遺伝子の発現を抑制する。HDACの阻害によってヒストン以外にも、p53、GATA−1及びエストロゲン受容体アルファなどの転写因子がアセチル化される。非ヒストンタンパク質のアセチル化の機能的な意義、ならびにHDAC阻害剤が腫瘍細胞に対して、その成長を停止し、細胞分化やアポトーシスを誘導する正確なメカニズムは、現在、重点的に研究が進められている。HDAC阻害剤は、現在、臨床試験においてその効果が認められており、分子を標的とする抗腫瘍剤の代表的分野として、今までにない作用メカニズムに基づく効果が期待されている。
【0004】
メディシナルリサーチレビュー誌(Medicinal Research Reviews、Vol.26、No.4、397−413頁、2006)掲載のレビュー論文によると、これまでに、短鎖脂肪酸、ヒドロキサム酸、ベンズアミド、環状ペプチドのHDAC阻害剤の4つのクラスが報告されている。ヒドロキサム酸系のハイブリッド極性化合物(HPCs)は、HDACの阻害剤であり、マイクロモル以下の濃度で細胞分化を誘導する(Journal of the National Cancer Institute、Vol.92、No.15、2000年8月2日、1210−1216頁)。米国特許第6,174,905号、欧州特許第0847992号、日本国特許第258863/96号ならびに日本国特許出願第10138957号の各明細書には、細胞分化を誘導し、HDACを阻害するベンズアミド誘導体が開示されている。特に、米国特許6、174,905号明細書の実施例48に開示されているSNDX−275(Entinostat)は、ガン治療薬の候補となっている。国際公開第01/38322号は、HDAC阻害剤として作用する付加化合物を開示している。Hum Genet誌(2006、120、101〜110頁)には、SMA患者由来の繊維芽細胞において、ベンズアミドM344によってSMN2タンパク質の発現が処理後64時間後に7重にまで増幅するという報告がなされている。酪酸ナトリウムによって脊髄及び延髄筋萎縮症の遺伝子組み換えマウスモデルにおける形質発現が改善されることが報告されている(Human Molecular Genetics、2004、Vol.13、No.11、1183−1192頁)。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるトリコスタチンAは、MCF−7乳癌細胞においてサイクリンD1のユビキチン依存性分解を誘導することが示されている(Molecular Cancer 2006、5:8)米国特許第7、169、801号明細書には、式Z−Q−L−M又はZ−L−Mで表されるヒストン脱アセチル化酵素の阻害に用いることが可能な化合物が開示されている。米国特許第6、888、027号明細書には、PXD101などのスルフォンアミド系HDAC阻害剤のファミリーが開示されている。欧州特許第1301184号明細書には、固形腫瘍の治療におけるバルプロ酸及びその誘導体のHDAC阻害剤としての使用が開示されている。国際公開WO0222577は、ヒドロキサメート化合物がヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であり、増殖性疾患の治療の医薬品として有用であることを示唆している。更に、HDAC阻害剤の抗糖尿病活性については、『FASEB Journal、2008、Vol.22、944〜945頁』及び『Diabetes、2008、Vol.57、860−867頁』に開示されている。
【0005】
N、N‘−ヘキサメチレンビスアミド(HMBA)は多数の形質転換した細胞株の効果的な分化促進剤である。米国特許第6,087,367号及び米国特許RE38506号によると、非極性結合によって分離される極性基を持つHMBAに関連する化合物の数はモル基準で、HMBAと同様又はそれよりも100倍の活性である。さらに、米国特許第7,399,787号ではスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)のようなHMBAに関連するヒストン脱アセチル化酵素は、腫瘍細胞の増殖停止、分化、アポトーシスを促す作用があるとしている。Laurence Catley他は、NVP−LAQ824(ヒドロキサム酸誘導体)及びNVP-LAQ824(4−アミノメチルシンナミックヒドロキサム酸の誘導体)がヒストン脱アセチル化酵素として有力であると報告している(Blood、2003年10月1日、Vol.102、No.7、2615−2622頁)。George P他は、LBH589はアポトーシスを誘因して腫瘍細胞株の増殖停止と退化を促すとし、現在、LBH589は抗ガン剤として第1段階の臨床試験をうけている(Blood105(4)、1768−76頁、2005月2月15日)。従来技術によって周知のその他のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、ヒドロキサミド、M−カルボキシル桂皮酸ビスヒドロキサミド(CBHA)、トリコスタチンA(TSA)、トリコスタチンC、サリチルヒドロミサム酸(SBHA)、アゼラインービスヒドロキサム酸(ABHA)、アゼライン−1−ヒドロキサム−9−アニリド(AAHA)、6−(3−クロロフェニルウレイド)カルポイックヒドロキサム酸(3C1−UCHA)、オキサムフラチン、A−161906、スクリプタイド、PXD−101、環状ヒドロキサム酸含有ペプチド(CHAP)、ITF−2357、MW2796、MW2996、トラポキシンA、FR901228(FK228又はデプシペプチド)、FR225497、アピシジン、CHAP、HCトキシン、WF27082、クラミドシン、ナトリウムブチラート、イソバレラート、バレラート、4−フェニルブチラート(4−PBA)、4−フェニルブチラートナトリウム(PBS)、アルギニンブチラート、プロピオン酸塩、ブチルアミド、イソブチルアミド、フェニルアセタート、3−ブロモプロピオナート、トリブチリン、バルプロ酸、バルプロエート、CI−994、MS−27−275の3’−アミノ誘導体、MGCD0103、デプデシンがある(米国公開第20080242648号)。
【0006】
しかしながら、ガンや他のHDACに係る疾病を予防し、治療する新しい分類のHDAC阻害剤を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,174,905号
【特許文献2】欧州特許第0847992号
【特許文献3】日本国特許第258863/96号
【特許文献4】日本国特許出願第10138957号
【特許文献5】国際公開第01/38322号
【特許文献6】米国特許第7,169,801号
【特許文献7】米国特許第6,888,027号
【特許文献8】欧州特許第1301184号
【特許文献9】国際公開WO0222577号
【特許文献10】米国特許第6,087,367号
【特許文献11】米国特許第RE38506号
【特許文献12】米国特許第7,399,787号
【特許文献13】米国公開20080242648号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】メディシナルリサーチレビュー誌(Medicinal Research Reviews、Vol.26、No.4、397−413頁、2006)
【非特許文献2】Journal of the National Cancer Institute、Vol.92、No.15、2000年8月2日、1210−1216頁)。
【非特許文献3】Hum Genet誌(2006、120、101〜110頁)
【非特許文献4】Human Molecular Genetics、2004、Vol.13、No.11、1183−1192頁)
【非特許文献5】Molecular Cancer 2006、5:8
【非特許文献6】FASEB Journal、2008、Vol.22、944〜945頁
【非特許文献7】Diabetes、2008、Vol.57、860−867頁
【非特許文献8】Blood、2003年10月1日、Vol.102、No.7、2615−2622頁
【非特許文献9】Blood105(4)、1768−76頁、2005月2月15日
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は下記の式(I)によって表される化合物群、及び薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物を提供することである。この化合物は神経突起伸長の促進剤、及びHDACに係る疾病の予防剤及び治療剤として有用である。
【0010】
【化1】
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1(a)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞におけるガン細胞を各濃度のNBM−HB−OS01で48時間処理した阻害結果を示す。
【図1(b)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。結腸ガンHT−29細胞におけるガン細胞を各濃度のNBM−HB−OS01で48時間処理した阻害結果を示す。
【図1(c)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−HB−OS01で24時間処理したA549のフロー分析の結果を示す。
【図1(d)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。NBM−HB−OS01がp21遺伝子発現を増加させたことを示す。ラットC6グリオーマ細胞にNBM−HB−OS01を48時間処理し、GAPDHを内部コントロールとして使用した。
【図1(e)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞に各濃度のNBM−HB−OS01を72時間処理した結果を示す。
【図1(f)】各種ガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01(2h)の細胞増殖阻害効果を示す。ウェスタンブロットを用い、高アセチル化ヒストンH3、高アセチル化ヒストンH4及びp21を用量依存的に検出した。ラットC6グリオーマ細胞にNBM−HB−OS01(10μg/mL)を、1、2、3及び4時間処理した結果を示す。アセチル化H3、アセチル化H4、アセチル化チューブリン及びp21が用量依存的に蓄積したことを観察した。β-アクチンは内部コントロールであった。
【図1(g)】各種ガン細胞系列の細胞増殖を阻害するNBM−HB−OS01(2h)の効果を示す。ヒト乳ガンMCF−7(エストロゲン受容体陽性)細胞に、NBM−HB−OS01(10μg/mL)を24時間処理した結果を示す。ゲルソリンタンパク質の過剰発現が見られた。
【図2(a)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−C−BX−OS01を、ラットC6グリオーマ細胞に24時間処理した後、ガン細胞の成長が阻害された結果を示す。
【図2(b)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−C−BX−OS01を、ヒト乳ガンMCF−7細胞に24時間処理した後、ガン細胞の成長が阻害された結果を示す。
【図2(c)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。各濃度のNBM−C−BX−OS01を、ヒト肺ガンA549細胞に48時間処理した後、ガン細胞の成長が阻害された結果を示す。
【図2(d)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。MCF−7細胞にNBM−C−BX−OS01(10μg/mL)を1、2、3及び4時間処理した結果を示す。アセチル化H3、アセチル化H4、アセチル化チューブリン及びp21の発現が用量依存的に増加した。β―アクチンは内部コントロールであった。
【図2(e)】各種細胞系列に対するNBM−C−BX−OS01(4a)の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞にNBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)を6時間処理した結果を示し、アセチル化チューブリンタンパク質の過剰発現が見られた。
【図3(a)】ガン細胞系列に対するNBM−C−BA−OS01(17a)の細胞増殖阻害効果を示し、ヒト乳ガンMCF−7細胞の形態変化を示す。NBM−C−BA−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)をヒト乳ガンMCF−7細胞に72時間処理したことによる細胞の形態変化を示す。
【図3(b)】ガン細胞系列に対するNBM−C−BA−OS01(17a)の細胞増殖阻害効果を示し、ラットC6グリオーマ細胞の形態変化を示す。NBM−C−BA−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)をラットC6グリオーマ細胞に72時間処理したことによる細胞の形態変化を示す。
【図3(c)】ガン細胞系列に対するNBM−C−BA−OS01(17a)の細胞増殖阻害効果を示し、NBM−C−BA−OS01(7.5μg/mL)を、ヒト肺ガンA549細胞に6時間処理したところ、ヒストンH3タンパク質の高アセチル化を検出した結果を示す。
【図4】各種NBM−C−BA−OS01誘導体を処理したことによる細胞増殖阻害を示す。NBM−C−BA−OS01、NBM−C−BCA−OS01(17d)及びNBM−C−BMA−OS01(17b)(7.5μg/mL)で処理したところ、48時間後にはラットC6グリオーマ細胞の増殖が阻害された。
【図5(a)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。NBM−C−BA−OS01(5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(4d)(2.5、5.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(4b)(2.5、5.0μg/mL)がラットC6グリオーマ細胞の細胞増殖を24時間後に阻害したことを示す。
【図5(b)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。NBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)で処理して72時間でA549細胞の増殖阻害を用量依存的に誘発したことを示す。
【図5(c)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。ラットC6グリオーマ細胞を各濃度のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で24時間処理することによって上記と同様の結果が見られた。
【図5(d)】NBM−HB−OS01誘導体の細胞増殖阻害効果を示す。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BX−OS01(1.25、2.5、5.0μg/mL)で72時間処理した結果を示す。
【図5(e)】細胞増殖の阻害に対するNBM−HB−OS01誘導体の効果を示す。ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した結果を示す。細胞増殖の阻害が認められた。
【図5(f)】細胞増殖の阻害に対するNBM−HB−OS01誘導体の効果を示す。処理細胞をトリパンブルー排除法で計数し、プロットした。
【図6(a)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対して、各濃度のNBM−C−BCX−OS01、NBM−C−BMX−OS01及びNBM−C−BFX−OS01(4c)を72時間処理した後に、細胞増殖の阻害を観察した様子を示す。NBM−HB−OS01は、ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞増殖の阻害を顕著に誘導する。
【図6(b)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。処理細胞をトリパンブルー排除法で計数した結果を示す。
【図6(c)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。ヒト肺ガンA549細胞をNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した結果を示す。
【図6(d)】ヒトガン細胞系列に対するNBM−HB−OS01誘導体の生物活性に関する効果を示す。ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞をNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した結果を示す。
【図6(e)】ヒトガン細胞系列の生物活性に対するNBM−HB−OS01誘導体の効果を示す。NBM−C−BCX−OS01がヒトグリオーマHs683細胞の増殖を阻害したことを示す。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した。
【図7(a)】ヒストン及び関連するタンパク質に対するNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01の効果を示す。ヒトグリオーマHs683細胞を各濃度のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した。アセチル化Hsp90及びゲルソリンタンパク質の誘発を用量依存的に検出したことを示す。即ち、Hsp90及びCTPSタンパク質が用量依存的に減少したことを示す。
【図7(b)】ヒストン及び関連するタンパク質に対するNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01の効果を示す。ヒトグリオーマHs683細胞を各濃度のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01で72時間処理した。P21、アセチル化チューブリン、アセチル化ヒストンH3及びアセチル化ヒストンH4の発現が用量依存的に顕著に増加したことを示す。SAHAをポジティブコントロールとして使用し、β―アクチンを内部コントロールとして使用した。
【図8(a)】NBM−T−BMX−OS01(4b)の細胞増殖阻害効果を示す。
【図8(b)】NBM−T−BCX−OS01(4d)の細胞増殖阻害効果を示す。
【図8(c)】NBM−T−BBX−OS01(4e)の細胞増殖阻害効果を示す。
【図8(d)】NBM−I−BCX−OS01の効果を示す。
【図8(e)】ヒトグリオーマHs683細胞を、各濃度(1.0、2.0及び4.0μg/mL)の上記化合物の存在下で72時間培養した。処理細胞をトリパンブルー排除法で計数して、プロットした。
【図9(a)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−C−BBX−OS01及びNBM−T−BCX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(b)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−T−BBX−OS01及びNBM−I−BCX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(c)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−T−BMX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(d)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−I−BCX−OS01及びNBM−T−BMX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(e)】ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞に対するNBM−T−BBX−OS01の阻害効果を示す。
【図9(f)】トリパンブルー色素排除法の結果を示す。
【図10(a)】NBM−I−BCX−OS01及びNBM−T−BMX−OS01がS期及びG2/M期のヒト肺ガンA549細胞を抑制したことを示す。
【図10(b)】NBM−T−BBX−OS01及びNBM−C−BBX−OS01がS期及びG2/M期のヒト肺ガンA549細胞を抑制したことを示す。
【図10(c)】ヒト乳ガンMCF−7細胞でも同様の結果であることを示す。
【図10(d)】ヒト乳ガンMCF−7細胞でも同様の結果であることを示す。
【図10(e)】(記載なし)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、軸索の伸長促進剤であるとともに、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連する疾病、特に、神経変性性疾病、脳梗塞、糖尿病、その他の細胞増殖性疾病の予防と治療のための薬剤として有用な新規なシナミック化合物に関する。本発明の化合物は分化経路を介してガン細胞の増殖を阻害する作用を有する。特に、本発明の化合物は、抗ガン剤、抗糖尿病薬、又は、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)、脊髄性筋委縮症(SMA)といった抗神経変性疾病に対する薬剤として使用することができる。
【0013】
〔本発明の化合物〕
すなわち、本発明は下記式(I)によって表される化合物:
【化2】
【0014】
式中、R1は水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XはC、O、N又はS;
YはO、NH又はN−C1−4アルキル;
nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mは0、1、2、3、4及び5からなる群から選択された整数;
RaはH又はC1−10アルキル(ヒドロキシ、C2−10アルケニル又は複素環で置換されてもよい);
R4はH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8で置換されてもよい)、その際、R7及びR8は独立して水素又はC1−6アルキル;
R5はH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(アルキル、シクロアルキル、炭素環及び複素環は任意でハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキチオ、OR7、NR7R8、CF3、CCl3又はCBr3で置換されてもよい);及び、
R6はH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2−10アルキニル、又はR1と共同して−C2H2−で置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である。
【0015】
式(I)の化合物の好適な実施形態は、以下の式(II)によって表される。
【化3】
【0016】
式中、
R1は水素、アルキル、アルケニル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XはC、O、N又はS;
YはO、NH又はN−C1−4アルキル;
nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mは0、1、2、3、4、及び5からなる群から選択された整数;
R2及びR3は独立してC1−6アルキル;
R4はH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル又は5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8と置換されてもよい)、その際、R7及びR8は独立して水素又はC1−6アルキル;
R5はH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環、その際、アルキル、シクロアルキル、炭素環及びテロ環は任意にハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、OR7、NR7R8、CF3CCl3又はCBr3と置換されてもよい);及び
R6はH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2−10アルキニル、若しくは―C2H2−であるR1と共同して置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である。
【0017】
本明細書の文脈において、「アルキル」なる語は、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。アルキルは好ましくはC1−10アルキルである。好ましくはアルキルの炭素数は1〜8からなる群から選択される。更に好ましくは、C1−6アルキル又はC1−4アルキルである。アルキル基の例としては、メチル(―CH3)、エチル(―CH2CH3)、プロピル(―CH2CH2CH3)、イソプロピル(CH3)2CH及びブチル(―C4H9)が挙げられる。
【0018】
本明細書の文脈において、「アルキニル」なる語は、直鎖及び分枝鎖両方の不飽和炭化水素基を意味し、不飽和結合は二重結合としてのみ存在する。本発明によれば、アルケニルは1以上の二重結合を含む。アルケニルは好ましくはC2−16アルケニルである。更に好ましくは、アルケニルの炭素数は、2〜12からなる群から選択される。アルケニル基の例としては、エテニル(−CH=CH2)、プロペニル(−CH=CHCH3又は−CH2CH=CH2)、ブテニル(−CH2CH=CHCH3又はCH=CHCH2CH3又はCH2CH2CH=CH2)、−CH2CH=C(CH3)CH3、−CH2−CH=CH−CH2−CH2−CH=CH−CH3及び−CH2−CH=C(CH3)−CH2−CH2−CH=C(CH3)−CH3が挙げられる。
【0019】
本明細書の文脈において「シクロアルキル」なる語は、脂環式環(飽和炭素環)を意味する。好ましくはシクロアルキルの炭素数は3〜8からなる群から選択される。更に好ましくは、シクロアルキルの炭素数は、5〜6からなる群から選択される。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0020】
本明細書の文脈において、「不飽和炭素環」なる語は、炭素原子と水素原子とからなる環状置換基を含み、環状部分は、例えばアリール、シクロアリールなどのような不飽和環である。「シクロアルキニル」なる語は、一つ以上の二重結合を有するシクロアルキルであるアルケニルを含む。例えば、シクロプロペニル(例えば、1−シクロプロペニル)、シクロブテニル(1−シクロブテニル)、シクロペンテニル(例えば1−シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、及び3−シクロペンテン−1−イル)、シクロヘキセニル(例えば1−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン-1−イル、及び3−シクロヘキセン−1−イル)、シクロヘプテニル(例えば1−シクロヘプテニル)、シクロオクテニル(例えば1−シクロオクテニル)等である。特に好ましくは1−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、又は3−シクロヘキセン−1−イルである。用語「アリール」は単一又は縮合環を含み、ここで、少なくとも一つのリングは芳香族であり、例えばフェニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフタレニルである。
【0021】
本明細書の文脈において、「5又は6員の複素環」の句は、5又は6原子の環状リングを称し、ここでリングの少なくとも一つの原子はヘテロ原子である。5又は6員の複素環は飽和又は不飽和の芳香族あるいは非芳香族でありうる。好ましくは、ヘテロ原子はN、O、Sから選択される原子である。ヘテロ環の例としては、フリル(例えば、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例えば、2−チエニル、3−チエニル)、ピロリル(例えば、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)イミダゾリル(例えば、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、トリアゾリル(例えば、1、2、4−トリアゾール−1−イル、1、2、4−トリアゾール−3−イル、1、2、4−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例えば、1−テトラゾリル、2−テトラゾリル、5−テトラゾリル)、オキサゾリル(例えば、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例えば、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、チアゾリル(例えば、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、チアジアゾリル、イソチアゾリル(例えば、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例えば、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、フラザニル(例えば3−フラザニル)、ピラジニル(例えば、2−ピラジニル)、オキサジアゾリル(例えば、1、3、4−オキサジアゾ−ル−2−イル)、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジノ、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、1−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、ピペラジノ、2−ピペラジニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、モルホリノ、テトラヒドロピラニル等であるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書の文脈において「ハロゲン」なる語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0023】
本明細書の文脈において「薬学的に許容される塩」なる語は、有機及び無機の酸及び塩基で形成される塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸などの無機酸、ならびに、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、琥珀酸、蓚酸、蟻酸、フマル酸、マレイン酸、オキザロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びイセチオン酸などの有機酸からなる酸付加塩が含まれる。薬学的に許容される塩基塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、及び1級、2級、及び3級アミン塩などの有機塩基との塩が含まれる。
【0024】
本明細書の文脈において「プロドラッグ」なる語は、血中で加水分解されることなどによって体内で薬理作用を有する活性型に変換される化合物を意味する。
【0025】
本明細書の文脈において「溶媒和物」なる語は、本発明の化合物と溶媒とからなる複合体であって、本発明の化合物と溶媒とが反応しているか、これらが沈殿又は析出される複合体を意味する。
【0026】
本明細書の文脈において「立体異性体」なる語は、結合する原子は同じであるが原子の空間的配置が異なる異性体分子を指す。
【0027】
本明細書の文脈において「鏡像異性体」なる語は、左手と右手が「同じ」であるけれども反対であるように、互いに重ね合わせることのできない鏡像関係にある立体異性体を指す。
【0028】
本発明によれば、本発明の式(I)の好適な化合物は、以下からなる群から選択される。
【0029】
【化4】
NBM−HB−OS01(2h)
【0030】
【化5】
NBM−C−BCA−OS01(17d)
【0031】
【化6】
NBM−C−BA−OS01(17a)
【0032】
【化7】
NBM−C−BMA−OS01(17b)
【0033】
【化8】
NBM−C−BX−OS01(4a)
【0034】
【化9】
NBM−C−BCX−OS01(4d)
【0035】
【化10】
NBM−C−BMX−OS01(4b)
【0036】
【化11】
NBM−C−BFX−OS01(4c)
【0037】
【化12】
NBM−C−BBX−OS01(4e)
【0038】
【化13】
NBM−T−BX−OS01(4a)
【0039】
【化14】
NBM−T−BA−OS01(17a)
【0040】
【化15】
NBM−T−BCA−OS01(17d)
【0041】
【化16】
NBM−T−BBA−OS01(17e)
【0042】
【化17】
NBM−T−BFA−OS01(17c)
【0043】
【化18】
NBM−T−BMA−OS01(17b)
【0044】
【化19】
NBM−T−BCX−OS01(4d)
【0045】
【化20】
NBM−T−L−BCX−OS01(4d−Li+)
【0046】
【化21】
NBM−T−BMX−OS01(4b)
【0047】
【化22】
NBM−T−K−BMX−OS01(4b−K+)
【0048】
【化23】
NBM−T−L−BMX−OS01(4b−Li+)
【0049】
【化24】
NBM−T−BTX−OS01(4f)
【0050】
【化25】
NBM−T−L−BTX−OS01(4f−Li+)
【0051】
【化26】
NBM−T−TCX−OS01(4i)
【0052】
【化27】
NBM−T−L−TCX−OS01(4i−Li+)
【0053】
【化28】
NBM−T−TBX−OS01(4j)
【0054】
【化29】
NBM−T−L−TBX−OS01(4j−Li+)
【0055】
【化30】
NBM−T−BBX−OS01(4e)
【0056】
【化31】
NBM−T−L−BBX−OS01(4e−Li+)
【0057】
【化32】
NBM−T−BFX−OS01(4c)
【0058】
【化33】
NBM−C−BBX−OS01(4e)
【0059】
【化34】
NBM−C−BFX−OS01(4c)
【0060】
【化35】
NBM−T−TMX−OS01(4g)
【0061】
【化36】
NBM−T−BMX−L−OS01(4b−Lysine+)
【0062】
【化37】
NBM−I−BCX−OS01(20)
【0063】
【化38】
NBM−T−I−BMX−OS01(33a)
【0064】
【化39】
NBM−T−L−I−BMX−OS01(33a−Li+)
【0065】
【化40】
NBM−T−I−BBX−OS01(33c)
【0066】
【化41】
NBM−T−L−I−BBX−OS01(33c−Li+)
【0067】
【化42】
NBM−T−I−BCX−OS01(33b)
【0068】
【化43】
NBM−T−L−I−BCX−OS01(33b−Li+)
【0069】
【化44】
NBM−T−I−MCX−OS01(26b)
【0070】
【化45】
NBM−L1027(16h−Li+)
【0071】
【化46】
(14i)
【0072】
【化47】
(15i)
【0073】
【化48】
(16i)
及び
【0074】
【化49】
。
【0075】
本発明によれば、本発明の式(I)による化合物は、HDACを阻害することができる、つまり、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連する疾病の予防と治療のための薬剤として使用することができる。更に、本発明の化合物は、ラットC6グリオーマ、ヒト膠芽腫、ヒト乳ガン細胞、ヒト白血病細胞、ヒト悪性黒色腫細胞などの多発性ガン細胞株の成長を顕著に阻害することができる。ガン細胞の増殖を阻害するメカニズムは、分化経路、特に誘導分化及びp21やサイクリンB1などにみられるような細胞周期調節遺伝子の発現の調節を介したものと考えられる。更に、本発明の式(I)の化合物は、神経幹細胞の神経分化を仲介するので、脳梗塞、ハンチントン病やポリグルタミン病等の抗神経変性疾患に対する薬剤として使用することができる。これらの化合物は長期記憶を改善するためにも用いられる。更に、本発明の式(I)の化合物は、GLUT4の転写を調製することによって、全身のエネルギーバランスをコントロールすることもでき、従って、2型糖尿病治療の新規な治療目標を提供する。
【0076】
本発明の化合物の治療的使用に際し、投薬量は使用する化合物、投与方法、所望の処置や症状によって異なることは言うまでもない。式(I)の化合物の連日投与は、1〜20mg/kgの範囲で可能である。本発明は、HDAC阻害方法、腫瘍並びに細胞増殖性疾患、脳卒中、糖尿病、又は、アルツハイマー病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症(SCA)及び脊髄性筋委縮症(SMA)等の神経変性疾病の治療方法、対象の神経伸長を促進する方法を、本発明の化合物を治療的に効果的な量を主体に投与する方法も含めて各々提供する。
【0077】
〔本発明の式Iの化合物の一般的合成法〕
本発明の化合物は、いずれの従来法によって調製してもよい。これらの化合物を合成する適切な方法の一例を挙げる。一般的に、式(I)の化合物は、下記に示す合成スキームの何れかに従って調製することができる。
【0078】
【化50】
【0079】
【化51】
【0080】
〔2の調製の一般的方法〕
1(2g、8.20mmol、従来技術によって周知)及びt−ブトキシカリウム(1.84g、16.4mmol)の乾燥DMF(20mL)混合物に、各種の塩化ベンジル(16.4mmol)を加え、得られた溶液を室温にて窒素下で6時間撹拌し、その後、EtOAc(50mL)で希釈し、dis−H2O(25mLx3)で洗浄、Na2SO4下で乾燥させた。減圧下でEtOACを除去し、得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:10〜1:1)で精製して2を得た。
【0081】
同様の方法を90℃で反応させることによって、2hを得た。
【0082】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル−4−メトキシ−t−ブチルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-t-butylcinamate)(2a)
【0083】
【化52】
【0084】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.50(1H、d、J=8.7Hz)、7.43−7.32(5H、m)、7.06(1H、d、J=12.4Hz)、6.67(1H、d、J=8.7Hz)、5.82(1H、d、J=12.4Hz)、5.15(1H、t、J=6.5Hz)、4.82(2H、s)、3.84(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.7Hz)、1.70(3H、s)、1.65(3H、s)、1.44(9H、s).(cis)
【0085】
(Z)−2−(4−メトキシベンゾキシ)−3−プレニル−4−メトキシ−t−ブチルシンナメート((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-t-butyl cinamate)(2b)
【0086】
【化53】
【0087】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.50(1H、d、J=8.6Hz)、7.35−7.30(2H、m)、7.06(1H、d、J=12.3Hz)、6.90(2H、d、J=8.4Hz)、6.67(1H、d、J=8.6Hz)、5.83(1H、d、J=12.4Hz)、5.15(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、3.86(3H、s)、3.82(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.6Hz)、1.71(3H、s)、1.65(3H、s)、1.44(9H、s).(cis)
【0088】
(Z)−2−ベンゾキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−2−メチルブチル)ベンジルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-4-methoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)benzyl
cinamate)(2h)
【0089】
【化54】
【0090】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.35(1H、d、J=8.6Hz)、7.25−7.12(10H、m)、7.01(1H、d、J=12.3Hz)、6.45(1H、d、J=8.6Hz)、5.77(1H、d、J=12.3Hz)、4.98(2H、s)、4.66(2H、s)、3.68(3H、s)、1.47(2H、m)、1.04(6H、s)
【0091】
〔3の調製の一般的方法〕
2(11.36mmol)と10%のKOH/MeOH(40mL)の混合物をN2下で一晩還流させ、その後dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAC(50mLx3)を用いて各々抽出した。混合EtOAc層を、Na2SO4上で乾燥し、減圧下で凝縮した。残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製し、3を得た。
【0092】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル−4−メトキシ−シンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(3a)
【0093】
【化55】
【0094】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.63(1H、d、J=8.6Hz)、7.42−7.26(5H、m)、7.25(1H、d、J=12.5Hz)、6.80(1H、d、J=8.7Hz)、5.88(1H、d、J=12.5Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.85(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.7Hz)、1.65(3H、s)、1.62(3H、s).(cis)
【0095】
〔4の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(637mg、11.36mmol)のMeOH(4mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(790mg、11.36mmol)を数滴ずつ加え、氷浴中1時間撹拌した。精製塩をろ過して除去し、フリーヒドロキシルアミンのMeOH溶液にした。3a(1g、2.84mmol)の乾燥THF(25mL)混合物に、エチルクロロギ酸エステル(0.6mL、5.68mmol)及びトリエチルアミン(0.6mL、5.68mmol)を加え、その溶液を0.5時間撹拌し、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。3時間反応させた後、反応混合物を減圧下濃縮して残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製して4aを得た。
【0096】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシ―シナミド((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy-cinamide)(4a)
【0097】
【化56】
【0098】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.40−7.33(5H、m)、7.30(1H、d、J=8.6Hz)、7.01(1H、d、J=12.5Hz)、6.66(1H、d、J=8.7Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.17(1H、t.J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.83(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.7Hz)、1.69(3H、s)、1.66(3H、s);13C−NMR(100MHz、CDCl3):δ159.7(s)、159.2(s)、155.9(s)、136.9(s)、135.9(d)、131.8(s)、128.6(d)、128.5(d)、128.2(d)、128.1(d)、128.0(d)、123.9(s)、122.7(d)、121.1(s)、118.2(d)、106.8(d)、76.6(t)、55.7(q)、25.7(q)、23.2(t)、17.9(q)、14.4(q).(cis)
【0099】
(Z)−2−(4-メトキシベンゾキシ)−3−プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4b)
【0100】
【化57】
【0101】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.35(1H、d、J=8.6)、7.29(2H、d、J=8.5Hz)、6.99(1H、d、J=12.5Hz)、6.89(2H、d、J=8.6Hz)、6.66(1H、d、J=8.6Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.17(1H、t、J=6.8Hz)、4.76(2H、s)、3.83(3H、s)、3.81(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.6Hz)、1.71(3H、s)、1.67(3H、s).(cis)
【0102】
(Z)―2―(4―フルオロベンゾキシ)―3―プレニル-4-メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Fluorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4c)
【0103】
【化58】
【0104】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.40(1H、d、J=7.8Hz)、7.36(2H、d、J=8.5Hz)、7.06(2H、d、J=8.5Hz)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.65(1H、d、J=7.8Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t、J=6.2Hz)、4.76(2H、s)、3.80(3H、s)、3.33(2H、d、J=6.5Hz)、1.67(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0105】
(Z)―2―(4-クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4d)
【0106】
【化59】
【0107】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.34−7.31(4H、m)、6.99(1H、d、J=12.2Hz)、6.69(2H、d、J=8.3Hz)、5.81(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(1H、t、J=6.2Hz)、4.77(2H、s)、3.85(3H、s)、3.33(2H、d、J=6.5Hz)、1.67(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0108】
(Z)―2―(4-ブロモベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4e)
【0109】
【化60】
【0110】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.47(2H、d、J=8.1Hz)、7.40(1H、d、J=8.4Hz)、7.28(2H、d、J=8.1Hz)、6.95(1H、d、J=12.5Hz)、6.62(1H、d、J=8.4Hz)、5.76(1H、d、J=12.4Hz)、4.73(2H、s)、3.76(3H、s)、3.31(2H、d、J=6.1Hz)、1.64(6H、s).(cis)
【0111】
(Z)―2―(4-トリフルオロメチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(4-Trifluoromethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4f)
【0112】
【化61】
【0113】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.64(2H、d、J=8.1Hz)、7.52(2H、d、J=8.0Hz)、7.43(1H、d、J=8.4Hz)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、5.80(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t、J=6.4Hz)、4.86(2H、s)、3.84(3H、s)、3.41(2H、d、J=6.6Hz)、1.66(3H、s)、1.63(3H、s).(cis)
【0114】
(Z)―2―(3、4、5−トリメトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxycinamide)(4g)
【0115】
【化62】
【0116】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.41(1H、d、J=8.3Hz)、6.70(1H、d、J=12.5Hz)、6.65(1H、d、J=8.4Hz)、6.62(1H、s)、6.61(1H、s)、5.77(1H、d、J=12.3Hz)、5.17(1H、t、J=6.6Hz)、4.75(2H、s)、3.84(9H、s)、3.80(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.4Hz)、1.69(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0117】
一般式(I)中の物質Yは、更に、下記に例示するスキームによって変更可能であることを付記する。
【0118】
【化63】
【0119】
【化64】
【0120】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.85(1H、d、J=15.5Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.37(2H、d、J=7.8Hz)、7.20(2H、d、J=7.8Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.37(1H、d、J=15.5Hz)、5.17(1H、t、J=6.4Hz)、4.76(2H、s)、3.83(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.4Hz)、3.21(3H、s)、2.36(3H、s)、1.71(3H、s)、1.66(3H、s).
【0121】
【化65】
【0122】
〔5の調製の一般的方法〕
3(17.04mmol)、HOBT(2.76g、20.44mmol)及びDCC(4.22g、20.44mmol)の乾燥THF(30mL)混合物を室温にて0.5時間撹拌した後、o−フェニレンジアミン(1.84g、17.04mmol)を加えた。得られた溶液を一晩継続的に撹拌した後、減圧下で濃縮して残留物を得た。得られた残留物をCH2Cl2(50ml)で溶解し、飽和NaHCO3(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。この有機層を減圧下で蒸発させ、シリカゲル(EtOAc:n―ヘキサン=1:3〜1:1)で精製して5を得た。
【0123】
(Z)−2−ベンゾキシ−3−プレニル―4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(5a)
【0124】
【化66】
【0125】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.43−7.38(5H、m)、7.37(1H、d、J=8.6Hz)、7.03(1H、d、J=12.5Hz)、7.01−7.02(2H、m)、6.74−6.72(2H、m)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、6.06(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t.J=6.6Hz)、4.90(2H、s)、3.84(3H、s)、3.65(2H、s)、3.38(2H、d、J=6.5Hz)、1.72(3H、s)、1.65(3H、s).(cis)
【0126】
(Z)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(5b)
【0127】
【化67】
【0128】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.41(1H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.3Hz)、7.00(1H、d、J=12.9Hz)、6.88(2H、d、J=8.4Hz)、6.73−6.72(2H、m)、6.67(1H、d、J=8.6Hz)、6.04(1H、d、J=12.4Hz)、5.15(1H、t、J=6.6Hz)、4.83(2H、s)、3.87(3H、s)、3.77(3H、s)、3.38(2H、d、J=6.3Hz)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).(cis)
【0129】
(Z)―2―(4-クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(5c)
【0130】
【化68】
【0131】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.44(1H、d、J=8.6Hz)、7.35(4H、m)、7.12(1H、d、J=12.4Hz)、7.00(2H、d、J=10.5Hz)、6.74(2H、m)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、6.07(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(1H、t、J=6.6Hz)、4.85(2H、s)、3.84(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.3Hz)、1.65(3H、s)、1.59(3H、s).(cis)
【0132】
〔6の調製の一般的方法〕
5(1mmol)のTHF(15mL)溶液に、49%H2SO4(10mL)を加え、室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mLx3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥し残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=2:1)で精製した。
【0133】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2−ヒドロキシ―2−メチルブチル)―4−メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-Benzoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(6a)
【0134】
【化69】
【0135】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.43−7.38(5H、m)、7.37(1H、d、J=8.6Hz)、7.03(1H、d、J=12.5Hz)、7.01−7.02(2H、m)、6.74−6.72(2H、m)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、6.06(1H、d、J=12.4Hz)、4.92(2H、s)、3.81(3H、s)、2.68(2H、m)、1.62(2H、m)、1.18(6H、s).(cis)
【0136】
(Z)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―(2―ヒドロキシ―2―メチルブチル)4―メトキシ―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(6b)
【0137】
【化70】
【0138】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.41(1H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.3Hz)、7.00(2H、d、J=12.9Hz)、6.88(2H、d、J=8.4Hz)、6.73−6.72(4H、m)、6.67(1H、d、J=8.6Hz)、6.04(1H、d、J=12.4Hz)、4.83(2H、s)、3.87(3H、s)、3.77(3H、s)、2.67(2H、m)、1.64(2H、m)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).(cis)
【0139】
(Z)―2―(4―クロロベンゾキシ)―3―(2―ヒドロキシ―2―メチルブチル)−4−メトキシ―N−(2−アミノフェニル)シナミド((Z)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-N-(2-aminophenyl)cinamide)(6c)
【0140】
【化71】
【0141】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.44(1H、d、J=8.6Hz)、7.35(4H、m)、7.12(1H、d、J=12.4Hz)、7.00(2H、d、J=10.5Hz)、6.74(2H、m)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、6.07(1H、d、J=12.4Hz)、4.85(2H、s)、3.84(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.3)、2.68−2.64(2H、m)、1.65(3H、s)、1.63−1.57(2H、m)、1.59(3H、s).(cis)
【0142】
【化72】
【0143】
(Z)―2,4−ジメトキシ―3−プレニルシンナメート((Z)-2,4-Dimethoxy-3-prenyl cinamate)(7)
【0144】
1(2.44g、10mmol)及びKOH(4.20g、75mmol)のEtOH(100ml)溶液に、MeI(2.51ml、40mmol)を数滴ずつ加えた後、24時間90oCで加熱した。この混合物をdis−H2O(100ml)で希釈し、1NのHClでpH3−4に酸性化した後、EtOAc(50mlx3)で抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥して、減圧下でろ過して濃縮した。残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=6:1)で精製し、7を得た。
【0145】
【化73】
【0146】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.62(1H、d、J=8.6Hz)、7.23(1H、d、J=12.5Hz)、6.64(1H、d、J=8.7Hz)、5.92(1H、d、J=12.5Hz)、5.17(1H、t、J=6.3Hz)、3.84(3H、s)、3.71(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.7Hz)、1.77(3H、s)、1.67(3H、s).
【0147】
(Z)―2,4−ジメキトシ―3―プレニル―N―ヒドロキシシナミド((Z)-2,4-Dimethoxy-3-prenyl-N-hydroxy cinamide)(8)
【0148】
4と同様の方法で処理し、更に、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して8を得た。
【0149】
【化74】
【0150】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.36(1H、d、J=8.6Hz)、7.02(1H、d、J=12.5Hz)、6.65(1H、d、J=8.6Hz)、5.87(1H、d、J=12.5Hz)、5.16(1H、t.J=6.9Hz)、3.82(3H、s)、3.70(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.8Hz)、1.77(3H、s)、1.68(3H、s).
【0151】
(Z)―2,4−ジメキトシ―3―プレニル―N―(2―アミノフェニル)シナミド((Z)-2,4-Dimethoxy-3-prenyl-N-(2-aminophenyl)cinamide)(9)
【0152】
5と同様の方法で処理し、更に、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=2:3)で精製して9を得た。
【0153】
【化75】
【0154】
1H−NMR(500MHz、CD3OD):δ7.48(1H、d、J=8.6Hz)、7.09(1H、d、J=12.4Hz)、7.00−6.97(2H、m)、6.83(1H、d、J=8.1Hz)、6.72−6.70(2H、m)、6.16(1H、d、J=12.4Hz)、5.12(1H、t、J=6.9Hz)、3.81(3H、s)、3.73(3H、s)、3.35(2H、d、J=6.7Hz)、1.75(3H、s)、1.63(3H、s).
【0155】
【化76】
【0156】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2―ヒドロキシ―2―メチルブチル)―4―メトキシ―t―ブチルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-t-butyl cinamate)(10)
【0157】
2a(0.27mmol)のTHF(15mL)溶液に49%H2SO4(10mL)加え、室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mL×3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥させ残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製した。
【0158】
【化77】
【0159】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.38(1H、d、J=8.7Hz)、7.36−7.27(5H、m)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.60(1H、d、J=8.7Hz)、5.94(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(2H、s)、4.81(2H、s)、3.82(3H、s)、2.67(2H、t、J=8.2Hz)、1.61(2H、t、J=8.2Hz)、1.44(9H、s)、1.18(6H、s).
【0160】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2、3―エポキシ―2―メチルブチル)―4―メトキシ―t―ブチルシンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-(2,3-epoxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-t-butyl cinamate)(11)
【0161】
2a(1g、2.67mmol)のCH2Cl2(10ml)溶液に、70%MCPBA(553mg、3.20mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。この反応溶液を1NaHSO3及び10%NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。CH2Cl2を減圧下で蒸発し、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=9:1)で精製して11を得た。
【0162】
【化78】
【0163】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.55(1H、d、J=8.6Hz)、7.43(2H、d、J=7.1Hz)、7.38−7.32(3H、m)、7.08(1H、d、J=12.4Hz)、6.69(1H、d、J=8.7Hz)、5.86(1H、d、J=12.4Hz)、4.92(1H、d、J=11.1Hz)、4.83(1H、d、J=11.1Hz)、3.86(3H、s)、2.97−2.94(2H、m)、2.83−2.79(1H、m)、1.44(9H、s)、1.33(3H、s)、1.25(3H、s).
【0164】
(Z)―2―ベンゾキシ―3―(2,3−ジヒドロキシ-2-メチルブチル)−4−メトキシ―シンナメート((Z)-2-Benzoxy-3-(2,3-dihydroxy-2-methylbutyl)-4-methoxy-cinamate)(12)
【0165】
5と同様の反応方法で処理し、更に、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:4)で精製して12を得た。
【0166】
【化79】
【0167】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.57(1H、d、J=8.6Hz)、7.40−7.34(5H、m)、7.23(1H、d、J=12.6Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、5.97(1H、d、J=12.4Hz)、4.91(1H、d、J=11.1Hz)、4.81(1H、d、J=11.1Hz)、3.88(1H、t、J=10.5Hz)、3.85(3H、s)、2.63(2H、d、J=10.5Hz)、1.22(3H、s)、1.16(3H、s).
【0168】
【化80】
【0169】
(E)2−ヒドロキシ―3−プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)
2-Hydroxy-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(13)
【0170】
1(2.40g、10mmol)の乾燥EtOH(20mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(1.36g、20mmol)の乾燥EtOH(20mL)混合物を数滴ずつ加え、得られた溶液を窒素下で6時間加熱し、dis−H2O(50mL)で希釈し、1NのHCl(aq)でpH4−5に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で抽出し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOAcを除去した後、残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=10:1)で精製して13を得た。
【0171】
【化81】
【0172】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.92(1H、d、J=16.1Hz)、7.33(1H、d、J=8.7Hz)、6.49(1H、d、J=8.7Hz)、6.44(1H、d、J=16.1Hz)、6.10(1H、s)、5.20(1H、t、J=7.0Hz)、4.23(2H、q、J=7.2Hz)、3.82(3H、s)、3.42(1H、d、J=7.1Hz)、1.82(3H、s)、1.75(3H、s)、1.31(3H、t、J=7.2Hz).(trans)
【0173】
〔14の調製の一般的方法〕
13(1.72mmol)及びK2CO3(4.3mmol)のアセトン(20mL)混合物に適当な臭化ベンジル(3.44mmol)を加え、得られた溶液をN2下で一晩加熱した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をゲル(EtOAc:n−ヘキサン=15:1)で精製して14を得た。
【0174】
(E)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14a)
【0175】
【化82】
【0176】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.98(1H、d、J=16.1Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.40(2H、d、J=8.4Hz)、6.92(2H、d、J=8.4Hz)、6.71(1H、d、J=8.7Hz)、6.34(1H、d、J=16.1Hz)、5.17(1H、t、J=6.4Hz)、4.74(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.1Hz)、3.86(3H、s)、3.83(3H、s)、3.39(2H、d、J=6.5Hz)、1.73(3H、s)、1.67(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.1Hz).(trans)
【0177】
(E)―2―(4―クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14b)
【0178】
【化83】
【0179】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.92(1H、d、J=16.1Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.41(2H、d、J=8.4Hz)、7.37(2H、d、J=8.4Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.34(1H、d、J=16.0Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.77(2H、s)、4.23(2H、q、J=7.2Hz)、3.86(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.6Hz)、1.69(3H、s)、1.67(3H、s)、1.31(3H、t、J=7.2Hz).(trans)
【0180】
(E)―2―(4―ブロモベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14c)
【0181】
【化84】
【0182】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.91(1H、d、J=16.1Hz)、7.52(2H、d、J=8.4Hz)、7.44(1H、d、J=8.7Hz)、7.34(2H、d、J=8.4Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.34(1H、d、J=16.0Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.75(2H、s)、4.23(2H、q、J=7.1Hz)、3.87(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.6Hz)、1.70(3H、s)、1.68(3H、s)、1.31(3H、t、J=7.1Hz).(trans)
【0183】
(E)―2―(3,4,5−トリメトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―エチルシンナメート((E)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14d)
【0184】
【化85】
【0185】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.96(1H、d、J=16.1Hz)、7.45(1H、d、J=8.6Hz)、6.72(1H、d、J=8.8Hz)、6.70(2H、s)、6.38(1H、d、J=16.0Hz)、5.20(1H、t、J=6.6Hz)、4.74(2H、s)、4.22(2H、q、J=7.1Hz)、3.90(6H、s)、3.87(3H、s)、3.86(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.5Hz)、1.74(3H、s)、1.68(3H、s)、1.30(3H、t、J=7.2Hz).(trans)
【0186】
(E)―2―(4―メチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ-エチルシンナメート((E)-2-(4-Methylbenzoxy)- 3-prenyl-4-methoxy-ethyl cinamate)(14h)
【0187】
【化86】
【0188】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.01(1H、d、J=16.5Hz)、7.46(1H、d、J=8.6Hz)、7.38(2H、d、J=7.8Hz)、7.22(2H、d、J=7.7Hz)、6.72(1H、d、J=8.6Hz)、6.37(1H、d、J=16.0Hz)、5.20(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.1Hz)、3.86(3H、s)、3.41(2H、d、J=6.5Hz)、2.38(3H、s)、1.72(3H、s)、1.67(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.1Hz).
【0189】
2−(4−エチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―トランス―エチルシンナメート(2-(4-ethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-trans-ethyl cinamate)(14i)
【0190】
【化87】
【0191】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.00(1H、d、J=16.1Hz)、7.45(1H、d、J=8.7Hz)、7.40(2H、d、J=7.9Hz)、7.23(2H、d、J=7.9Hz)、6.72(1H、d、J=8.7Hz)、6.36(1H、d、J=16.0Hz)、5.17(1H、t、J=6.6Hz)、4.76(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.1Hz)、3.86(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.6Hz)、2.68(2H、q、J=7.6Hz)、1.72(3H、s)、1.66(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.1Hz)、1.26(3H、t、J=7.6Hz).
【0192】
〔15の調製の一般的方法〕
14(1.81mmol)及び10%KOH/MeOH(20mL)の混合物をN2下で一晩還流した後、dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して15を得た。
【0193】
(E)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―シンナメート((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15a)
【0194】
【化88】
【0195】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.06(1H、d、J=16.1Hz)、7.47(1H、d、J=8.7Hz)、7.39(2H、d、J=8.5Hz)、6.93(2H、d、J=8.5Hz)、6.73(1H、d、J=8.7Hz)、6.35(1H、d、J=16.0Hz)、5.18(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、3.88(3H、s)、3.82(3H、s)、3.39(1H、d、J=6.5Hz)、1.73(3H、s)、1.68(3H、s).(trans)
【0196】
(E)―2―(4-クロロベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ-シンナメート((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15b)
【0197】
【化89】
【0198】
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ7.69(1H、d、J=16.0Hz)、7.64(1H、d、J=8.8Hz)、7.47(2H、d、J=9.3Hz)、7.44(2H、d、J=9.3Hz)、6.87(1H、d、J=8.8Hz)、6.37(1H、d、J=16.0Hz)、5.06(1H、t、J=6.4Hz)、4.75(2H、s)、3.82(3H、s)、3.25(1H、d、J=6.6Hz)、1.58(6H、s).(trans)
【0199】
(E)―2―(4―ブロモベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―シンナメート((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15c)
【0200】
【化90】
【0201】
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6):δ7.71(1H、d、J=16.1Hz)、7.65(1H、d、J=8.7Hz)、7.60(2H、d、J=8.3Hz)、7.40(2H、d、J=8.3Hz)、6.88(1H、d、J=8.8Hz)、6.38(1H、d、J=16.1Hz)、5.06(1H、t、J=6.5Hz)、4.74(2H、s)、3.82(3H、s)、3.26(2H、d、J=6.6Hz)、1.59(6H、s).(trans)
【0202】
(E)―2―(3,4,5−トリメトキシベンゾキシ)―3−プレニル―4―メトキシ-シンナメート((E)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15d)
【0203】
【化91】
【0204】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.96(1H、d、J=16.1Hz)、7.45(1H、d、J=8.6Hz)、6.72(1H、d、J=8.8Hz)、6.70(2H、s)、6.38(1H、d、J=16.0Hz)、5.20(1H、t、J=6.6Hz)、4.74(2H、s)、3.90(6H、s)、3.87(3H、s)、3.86(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.5Hz)、1.74(3H、s)、1.68(3H、s).(trans)
【0205】
(E)―2―(4―メチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ-シンナメート((E)-2-(4-Methylbenzoxy)- 3-prenyl-4-methoxy-cinamate)(15h)
【0206】
【化92】
【0207】
1H−NMR(500MHz、アセトン−d6):δ7.98(1H、d、J=16.0Hz)、7.64(1H、d、J=8.7Hz)、7.41(2H、d、J=7.9Hz)、7.22(2H、d、J=7.8Hz)、6.89(1H、d、J=8.7Hz)、6.43(1H、d、J=16.2Hz)、5.16(1H、t、J=6.8Hz)、4.78(2H、s)、3.89(3H、s)、3.39(2H、d、J=7.0Hz)、
2.33(3H、s)、1.68(3H、s)、1.62(3H、s).
【0208】
2―(4―エチルベンゾキシ)―3―プレニル―4―メトキシ―トランス―シンナメート(2-(4-ethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-trans-cinamate)(15i)
【0209】
【化93】
【0210】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.07(1H、d、J=16.0Hz)、7.47(1H、d、J=8.7Hz)、7.39(2H、d、J=7.9Hz)、7.24(2H、d、J=7.9Hz)、6.73(1H、d、J=8.7Hz)、6.37(1H、d、J=16.0Hz)、5.18(1H、t、J=6.5Hz)、4.79(2H、s)、3.87(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.5Hz)、2.69(2H、q、J=7.6Hz)、1.71(3H、s)、1.63(3H、s)、1.23(3H、t、J=7.7Hz).
【0211】
〔16の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(637mg、11.36mmol)のMeOH(4mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(790mg、11.36mmol)を数滴ずつ加えた後、氷浴中1時間撹拌した。ろ過して精製塩を除去し、MeOH溶液中にフリーヒドロキシルアミンを得た。15(2.84mmol)の乾燥THF(25mL)混合物にエチルクロロギ酸エステル(0.6mL、5.68mmol)及びトリエチルアミン(0.6mL、5.68mmol)を加え、0.5時間撹拌した後、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。3時間反応させた後、反応溶液を減圧下で濃縮して残留物を得た。得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して16を得た。
【0212】
(E)―2―(4―メトキシベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16a)
【0213】
【化94】
【0214】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.83(1H、d、J=15.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.4Hz)、7.27(1H、d、J=8.6Hz)、6.88(2H、d、J=8.3Hz)、6.52(1H、d、J=8.6Hz)、6.28(1H、d、J=15.5Hz)、5.12(1H、t、J=5.7Hz)、4.64(2H、s)、3.76(3H、s)、3.74(3H、s)、3.33(2H、d、J=6.2Hz)、1.70(3H、s)、1.64(3H、s) (trans)
【0215】
(E)―2−(4−クロロベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16b)
【0216】
【化95】
【0217】
1H−NMR(500MHz、MeOH−d4):δ7.83(1H、d、J=15.8Hz)、7.47(1H、d、J=8.7Hz)、7.44(2H、d、J=8.2Hz)、7.37(2H、d、J=8.3Hz)、6.81(1H、d、J=8.7Hz)、6.36(1H、d、J=15.8Hz)、5.09(1H、t、J=6.5Hz)、4.76(2H、s)、3.84(3H、s)、3.32(1H、d、J=6.6Hz)、1.63(3H、s)、1.62(3H、s).(trans)
【0218】
(E)―2−(4−ブロモベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16c)
【0219】
【化96】
【0220】
1H−NMR(500MHz、アセトン−d6):δ7.86(1H、d、J=15.8Hz)、7.60(2H、d、J=8.4Hz)、7.51(1H、d、J=8.7Hz)、7.49(2H、d、J=8.3Hz)、6.86(1H、d、J=8.7Hz)、6.50(1H、d、J=15.8Hz)、5.14(1H、t、J=6.7Hz)、4.80(2H、s)、3.87(3H、s)、3.36(1H、d、J=6.7Hz)、1.65(3H、s)、1.61(3H、s)(trans)
【0221】
(E)―2―(3,4,5−トリメトキシベンゾキシ)―3―プレニル―4−メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(3,4,5-Trimethoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16d)
【0222】
【化97】
【0223】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.88(1H、d、J=15.7Hz)、7.35(1H、d、J=8.6Hz)、6.68(2H、s)、6.62(1H、d、J=8.7Hz)、6.28(1H、d、J=15.7Hz)、5.18(1H、t、J=6.0Hz)、4.68(2H、s)、3.86(6H、s)、3.84(3H、s)、3.82(3H、s)、3.38(2H、d、J=6.4Hz)、1.73(3H、s)、1.66(3H、s).(trans)
【0224】
(E)―2−(4−メチルベンゾキシ)―3−プレニル-4-メトキシ―N−ヒドロキシシナミド((E)-2-(4-Methylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy cinamide)(16h)
【0225】
【化98】
【0226】
1H−NMR(500MHz、アセトン−d6):δ7.92(1H、d、J=15.7Hz)、7.51(1H、d、J=8.4Hz)、7.42(2H、d、J=7.8Hz)、7.22(2H、d、J=7.8Hz)、6.85(1H、d、J=8.7Hz)、6.50(1H、d、J=15.0Hz)、5.15(1H、t、J=6.7Hz)、4.76(2H、s)、3.86(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.7Hz)、
2.34(3H、s)、1.66(3H、s)、1.61(3H、s).
【0227】
2−(4−エチルベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―ヒドロキシトランスシナミド(2-(4-ethylbenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-hydroxy trans cinamide)(16i)
【0228】
【化99】
【0229】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.80(1H、d、J=15.8Hz)、7.37(2H、d、J=7.9Hz)、7.32(1H、d、J=8.6Hz)、7.23(2H、d、J=7.9Hz)、6.64(1H、d、J=8.6Hz)、6.33(1H、d、J=15.8Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.72(2H、s)、3.82(3H、s)、3.38(2H、d、J=6.5Hz)、1.70(3H、s)、1.65(3H、s)、1.23(3H、t、J=7.6Hz).
【0230】
(E)―2−ベンゾキシ―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-Benzoxy-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)(17a)
【0231】
【化100】
【0232】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.87(1H、d、J=15.1Hz)、7.40−7.35(5H、m)、7.32(1H、d、J=7.8Hz)、7.03(2H、m)、6.77(2H、m)、6.67(1H、d、J=8.1Hz)、6.49(1H、d、J=15.6Hz)、5.19(1H、m)、4.79(2H、s)、3.85(3H、s)、3.40(2H、d、J=6.1Hz)、1.70(3H、s)、1.67(3H、s)
【0233】
(E)―2−(4−メトキシベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2-アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)
【0234】
【化101】
【0235】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.85(1H、d、J=15.1Hz)、7.39(4H、d、J=7.6Hz)、7.12−7.04(2H、m)、6.90(1H、d、J=8.2Hz)、6.78(2H、d、J=7.3Hz)、6.68(1H、d、J=8.1Hz)、6.54(1H、d、J=15.2Hz)、5.19(1H、m)、4.73(2H、s)、3.86(3H、s)、3.77(3H、s)、3.41(2H、m)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s)
【0236】
(E)―2−(4−フルオロベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Fluorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)(17c)
【0237】
【化102】
【0238】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.90(1H、d、J=15.2Hz)、7.43−7.38(4H、m)、7.07−7.03(4H、m)、6.76(2H、d、J=7.0Hz)、6.65(1H、d、J=8.4Hz)、6.51(1H、d、J=15.7Hz)、5.16(1H、m)、4.76(2H、s)、3.84(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.5Hz)、1.69(3H、s)、1.66(3H、s)
【0239】
(E)―2−(4−クロロベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Chlorobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamid)(17d)
【0240】
【化103】
【0241】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.88(1H、d、J=15.4Hz)、7.39−7.35(4H、m)、7.34(1H、d、J=7.9)、7.05(2H、m)、6.78(2H、m)、6.69(1H、d、J=8.0Hz)、6.50(1H、d、J=15.4Hz)、5.15(1H、m)、4.78(2H、s)、3.86(3H、s)、3.34(2H、d、J=6.3Hz)、1.68(3H、s)、1.66(3H、s)
【0242】
(E)―2−(4−ブロモベンゾキシ)―3−プレニル−4−メトキシ―N―(2−アミノフェニル)シナミド((E)-2-(4-Bromobenzoxy)-3-prenyl-4-methoxy-N-(2-aminophenyl) cinamide)(17e)
【0243】
【化104】
【0244】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.88(1H、d、J=15.3Hz)、7.50(2H、d、J=7.8Hz)、7.40(1H、d、J=7.4Hz)、7.34(2H、m)、7.05(2H、m)、6.81(2H、m)、6.71(1H、d、J=7.6Hz)、6.52(1H、d、J=15.5Hz)、5.15(1H、m)、4.77(2H、s)、3.86(3H、s)、3.37(2H、m)、1.66(3H、s)、1.57(3H、s)
【0245】
【化105】
【0246】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]4―クロロベンジルアクリレート((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl] 4-chlorobenzyl acrylate)(18)
【0247】
【化106】
【0248】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]4―クロロベンジルアクリレート((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl] 4-chlorobenzyl acrylate)(18)
【0249】
周知のaを用い、これを材料として、2に記載した手順に従って18を得た。
【0250】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.44(1H、s)、7.36(2H、d、J=8.3Hz)、7.31(2H、d、J=8.3Hz)、7.23(2H、d、J=8.3Hz)、7.18(1H、d、J=12.3Hz)、7.11(2H、d、J=8.3Hz)、6.66(1H、d、J=1.9Hz)、5.99(1H、d、J=12.3Hz)、5.58(1H、t、J=7.1Hz)、5.06(2H、s)、5.02(2H、s)、4.86(2H、d、J=7.1Hz)、1.78(3H、s)、1.71(3H、s).
【0251】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]アクリレート((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl]acrylate)(19)
【0252】
【化107】
【0253】
3に記載した手順に従って19を得た。
【0254】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)7.58(1H、d、J=2.0Hz)、7.53(1H、s)、7.33(2H、d、J=8.3Hz)、7.30(2H、d、J=8.3Hz)、7.22(1H、d、J=12.5Hz)、6.71(1H、d、J=2.1Hz)、5.92(1H、d、J=12.4Hz)、5.56(1H、t、J=7.2Hz)、5.02(2H、s)、4.85(2H、d、J=7.1Hz)、1.75(3H、s)、1.66(3H、s).
【0255】
(Z)―3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル]―N―ヒドロキシアクリミド((Z)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-isoprenyloxybenzofuran-5-yl]-N-hydroxyacrylmide)(20)
【0256】
【化108】
【0257】
4に記載した手順に従って20を得た。
【0258】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ7.58(1H、s)、7.35〜7.30(4H、m)、7.32(1H、s)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、(1H、s)、5.86(1H、d、J=12.5Hz)、5.56(1H、t、J=6.9Hz)、5.50(2H、s)、4.89(2H、d、J=7.1Hz)、1.76(3H、s)、1.69(3H、s)
【0259】
【化109】
【0260】
a(18.51mmol)のTHF(150mL)溶液に、49%H2SO4(100mL)を加え、室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mL×3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製した。
【0261】
【化110】
キサントトキソール
【0262】
1H−NMR(500MHz、d6−アセトン): δ8.02(1H、d、J=9.5Hz)、7.91(1H、d、J=2.1Hz)、7.41(1H、s)、6.96(1H、d、J=2.1Hz)、6.32(1H、d、J=9.5Hz)
【0263】
〔8−メチル―キサントトキソール(22)の調製〕
化合物21(1g、4.95mmol)をアセトン(150mL)に溶解した。1の溶液及びK2CO3(1.7g、12.4mmol)の混合物に硫酸ジメチル(0.96mL、5.85mmol)を加え、得られた溶液を窒素下で2時間還流した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮後、EtOAc(50mL)で希釈し、dis-H2O(25mLx3)で洗浄、Na2SO4上で乾燥した。EtOAcを減圧下で除去した後、残留物をシリカゲル(EtOAc:n-ヘキサン=1:2)で精製して22をを得た。
【0264】
【化111】
メチル-キサントトキソール(22)
【0265】
1H−NMR(500MHz、CDCl3): δ7.75(1H、d、J=9.5Hz)、7.67(1H、d、J=5.0Hz)、7.32(1H、s)、6.80(1H、d、J=5.0Hz)、6.35(1H、d、J=9.5Hz)
【0266】
22(1.06g、4.94mmol)の乾燥EtOH(25mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(0.50g、7.41mmol)の乾燥EtOH(25mL)混合物を数滴ずつ加え、得られた溶液を窒素下で一晩還流させ、dis−H2O(50mL)で希釈し、1NのHCl(aq)でpH4−5に中和し、EtOAc(50mLx3)で抽出し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOAcを除去した後、得られた残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=2:1)で精製して23を得た。
【0267】
(E)―3―(6―ヒドロキシ―5―メトキシベンゾフラン―5―イル)―4―エチルアクリレート((E)-3-(6-Hydroxy-5-methoxybenzofuran-5-yl)-4-ethyl acrylate)(23)
【0268】
【化112】
【0269】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ8.03(1H、d、J=16.0Hz)、7.51(1H、d、J=2.0Hz)、7.35(1H、s)、6.68(1H、d、J=2.0Hz)、6.63(1H、d、J=16.5Hz)、4.29(2H、q、J=7.1Hz)、4.21(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.2Hz).
【0270】
〔24の調製の一般的方法〕
23(1.96mmol)及びK2CO3(4.9mmol)のアセトン(20mL)混合物に、適当な臭化ベンジル(3.92mmol)を加え、得られた溶液を窒素下で一晩還流した。ろ過してK2CO3を除去し、ろ液を減圧下で濃縮してから、EtOAc(50mL)で希釈し、dis−H2O(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOAcを除去した後、残留物を(EtOAc:n−ヘキサン=1:10)で精製して24を得た。
【0271】
(E)―3−[6−(4−ブロモベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5―イル]―4−エチルアクリレート((E)-3-[6-(4-Bromobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl]-4-ethyl acrylate)(24a)
【0272】
【化113】
【0273】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ8.00(1H、d、J=16.1Hz)、7.60(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.3Hz)、7.43(1H、s)、7.35(2H、d、J=8.3Hz)、6.72(1H、d、J=2.0Hz)、6.41(1H、d、J=16.1Hz)、5.00(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、4.17(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.1Hz).
【0274】
(E)―3―[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5―イル]―4―エチルアクリレート((E)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl]-4-ethyl acrylate)(24b)
【0275】
【化114】
【0276】
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ8.00(1H、d、J=16.0Hz)、7.61(1H、d、J=2.5Hz)、7.44(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.0Hz)、7.34(2H、d、J=8.0Hz)、6.73(1H、d、J=2.0Hz)、6.41(1H、d、J=16.0Hz)、5.02(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、4.18(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.0Hz).
【0277】
〔25の調製の一般的方法〕
24(1.68mmol)及び10%KOH/MeOH(20mL)の混合物をN2下で6時間還流した後、dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH2〜3に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出する。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して25を得た。
【0278】
(E)―3−[6−(4−ブロモベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5−イル]アクリレート((E)-3-[6-(4-Bromobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl] acrylate)(25a)
【0279】
【化115】
【0280】
1H−NMR(500MHz、d6−アセトン): 8.02(1H、d、J=16.1Hz)、7.89(1H、d、J=2.1Hz)、7.79(1H、s)、7.58(2H、d、J=8.3Hz)、7.49(2H、d、J=8.2Hz)、6.92(1H、d、J=2.1Hz)、6.50(1H、d、J=16.0Hz)、5.10(2H、s)、4.19(3H、s)
【0281】
(E)−3−[6−(4−クロロベンゾキシ)―5−メトキシベンゾフラン―5−イル]−アクリレート((E)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-methoxybenzofuran-5-yl]-acrylate)(25b)
【0282】
【化116】
【0283】
1H−NMR(500MHz、CDCl3): δ8.11(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.36(2H、d、J=8.0Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.04(2H、s)、4.19(3H、s)
【0284】
〔26の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(379mg、6.76mmol)のMeOH(1.8mL)溶液にMeOH(4.7mL)中の塩酸ヒドロキシルアミン(470mg、6.76mmol)を数滴ずつ1時間加える。精製塩をろ過して除去し、フリーヒドロキシルアミンのMeOH溶液を得た。25(1.69mmol)の乾燥THF(25mL)混合物にエチルクロロギ酸エステル(0.3mL、2.62mmol)及びトリエチルアミン(0.4mL、6.38mmol)を加え、0.5時間撹拌した後、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液をN2下で加えた。2時間反応させた後、反応溶液をdis−H2O(100mL)で希釈し、1NのHClでpH2〜3に酸性化し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して26を得た。
【0285】
(E)−3−[6−(4−ブロモベンゾキシ)―5−メタオキシベンソフラン―5−イル]―N―ヒドロキシアクリミド((E)-3-[6-(4-Bromobenzoxy)-5-Methoxybenzofuran-5-yl]-N-hydroxyacrylmide)(26a)
【0286】
【化117】
【0287】
1H−NMR(500MHz、CD3OD)δ7.92(1H、d、J=16.0Hz)、7.75(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.0Hz)、7.47(1H、s)、7.39(2H、d、J=8.0Hz)、6.81(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.07(2H、s)、4.14(3H、s)
【0288】
(E)―3―[6−(4-クロロベンゾキシ)―5−メトキシベンソフラン―5−イル]―N―ヒドロキシアクリミド((E)-3-[6-(4-Chlorobenzoxy)-5-Methoxybenzofuran-5-yl]-N-hydroxyacrylmide)(26b)
【0289】
【化118】
【0290】
1H−NMR(500MHz、d6−アセトン)δ7.96(1H、d、J=15.8Hz)、7.83(1H、d、J=2.0Hz)、7.53(2H、d、J=8.1Hz)、7.52(1H、s)、7.38(2H、d、J=8.1Hz)、6.85(1H、d、J=2.0Hz)、6.59(1H、d、J=15.5Hz)、5.05(2H、s)、4.15(3H、s)
【0291】
【化119】
【0292】
〔8−メトキシメチル-キサントトキソール(8-Methoxymethyl-xanthotoxol)(27)〕
キサントトキソール(21)、K2CO3(2.5eq.)及びアセトンの混合物に、MOMCl(2eq.)を加え、得られた溶液を室温にて12時間撹拌した。アセトンを除去した後、残留物をEtOAcで希釈し、dis−H2Oで洗浄してNa2SO4上で乾燥した。このEtOAC層を減圧下で濃縮した。この残留物からシリカゲルクロマトグラフィーによって27を得た。
【0293】
【化120】
【0294】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.75(1H、d、J=9.6Hz)、7.67(1H、d、J=2.0Hz)、7.40(1H、s)、6.80(1H、d、J=2.0Hz)、6.35(1H、d、J=9.6Hz)、5.48(2H、s)、3.67(3H、s).
【0295】
(E)―エチル3―(6−ヒドロキシ−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-hydroxy-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(28)
【0296】
27(900mg、3.08mmol)の無水EtOH(20mL)溶液に、無水EtOH(10mL)中のNaOEt(419mg、6.16mmol)を数滴ずつ加え、得られた溶液をN2下にて78℃で6時間加熱した。その後、反応混合物をdis−H2O(50mL)で希釈し、1NのHCl(aq)でpH4−5に中和し、EtOAc(50mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層を、Na2SO4上で乾燥し、減圧下で蒸発した。残留物をSiO2(EtOAc:n−ヘキサン=1:4)で精製して28を得た。
【0297】
【化121】
【0298】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.03(1H、d、J=15.0Hz)、7.51(1H、d、J=2.0Hz)、7.43(1H、s)、6.94(IH、brs)、6.69(1H、d、J=2.0Hz)、6.60(1H、d、J=15.0Hz)、5.40(2H、s)、4.26(2H、q、J=7.2Hz)、3.61(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.5Hz).
【0299】
〔29の調製の一般的方法〕
28(3mmol)、K2CO3(7.5mmol)及びアセトン(30mL)の混合物に適当な臭化ベンジル(6mmol)を加え、N2下にて56℃で一晩加熱した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:5)で精製して29を得た。
【0300】
(E)―エチル3−(6−ベンゾキシ-7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-benzoxy-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(29a)
【0301】
【化122】
【0302】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.06(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.51(1H、s)、7.50〜7.34(5H、m)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.5Hz)、5.42(2H、s)、5.06(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、3.61(3H、s)、1.35(3H、t、J=7.0Hz).
【0303】
(E)―エチル3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-bromobenzoxy)-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(29b)
【0304】
【化123】
【0305】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=15.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(1H、s)、7.40(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.40(1H、d、J=16.0Hz)、5.41(2H、s)、5.03(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.2Hz)、3.60(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.2Hz).
【0306】
(E)―エチル3―(6−(4-クロロベンゾキシ)−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-chlorobenzoxy)-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl)acrylate)(29c)
【0307】
【化124】
【0308】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=15.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(1H、s)、7.40(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.40(1H、d、J=16.0Hz)、5.41(2H、s)、5.03(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.2Hz)、3.60(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.2Hz).
【0309】
(E)―エチル3―(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−(メトキシメトキシ)ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-trifluoromethoxybenzoxy)-7-(methoxymethoxy)benzofuran-5-yl) acrylate)(29d)
【0310】
【化125】
【0311】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.00(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.51(2H、d、J=7.5Hz)、7.50(1H、s)、7.23(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=1.5Hz)、6.42(1H、d、J=16.5Hz)、5.42(2H、s)、5.05(2H、s)、4.25(2H、q、J=7.2Hz)、3.60(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0312】
〔30の調製の一般的方法〕
【0313】
【化126】
【0314】
29(2mmol)及びMeOH(10mL)の混合物に12NのHCl(6mmol)を加え、N2下にて室温で一晩撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、その残留物をゲルで(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)精製して30を得た。
【0315】
(E)―エチル3―(6−ベンゾキシ−7−ヒドロキシベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-benzoxy-7-hydroxybenzofuran-5-yl)acrylate)(30a)
【0316】
【化127】
【0317】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.05(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.45〜7.37(5H、m)、7.36(1H、s)、6.73(1H、d、J=2.0Hz)、6.53(1H、d、J=16.0Hz)、4.96(2H、s)、4.30(2H、q、J=7.0Hz)、1.36(3H、t、J=7.0Hz).
【0318】
(E)―エチル3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−ヒドロキシベンゾフラン-5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-bromobenzoxy)-7-hydroxybenzofuran-5-yl)acrylate)(30b)
【0319】
【化128】
【0320】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.37(2H、d、J=7.0Hz)、7.35(2H、d、J=7.0Hz)、7.32(1H、s)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.48(1H、d、J=16.0Hz)、5.59(1H、brs)、4.93(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.34(3H、t、J=7.2Hz).
【0321】
(E)―エチル3―(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−ヒドロキシ-ベンゾフラン-5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-chlorobenzoxy)-7-hydroxy-benzofuran-5-yl)acrylate)(30c)
【0322】
【化129】
【0323】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.97(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.37(2H、d、J=7.0Hz)、7.35(2H、d、J=7.0Hz)、7.32(1H、s)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.48(1H、d、J=16.0Hz)、5.59(1H、brs)、4.93(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.34(3H、t、J=7.2Hz).
【0324】
(E)―エチル3―(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−ヒドロキシベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-trifluoromethoxybenzoxy)-7-hydroxybenzofuran-5-yl)acrylate)(30d)
【0325】
【化130】
【0326】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.00(1H、d、J=15.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.5Hz)、7.49(2H、d、J=8.5Hz)、7.36(1H、s)、7.25(2H、d、J=8.5Hz)、6.74(1H、d、J=2.0Hz)、6.50(1H、d、J=16.0Hz)、5.60(1H、brs)、4.96(2H、s)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.35(3H、t、J=7.2Hz).
【0327】
〔31の調製の一般的方法〕
30(2mmol)、K2CO3(5mmol)及びアセトン(30mL)の混合物に臭化イソプレニル(4mmol)を加え、N2下にて56oCで一晩加熱した。K2CO3をろ過して除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。この残留物をゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:5)で精製して31を得た。
【0328】
(E)―エチル3−(6−ベンゾキシ−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-benzoxy-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(31a)
【0329】
【化131】
【0330】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.06(1H、d、J=16.5Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.50〜7.33(5H、m)、7.46(1H、s)、6.73(1H、d、J=2.0Hz)、6.42(1H、d、J=16.0Hz)、5.60(1H、t、J=7.0Hz)、5.08(2H、s)、4.89(2H、d、J=7.0Hz)、4.27(2H、q、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.68(3H、s)、1.35(3H、t、J=7.0Hz).
【0331】
(E)―エチル3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-bromobenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(31b)
【0332】
【化132】
【0333】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.80(1H、d、J=16.0Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.49(2H、d、J=8.0Hz)、7.45(1H、s)、7.35(2H、d、J=8.0Hz)、6.73(1H、d、J=2.5Hz)、6.41(1H、d、J=16.0Hz)、5.55(1H、t、J=7.2Hz)、5.02(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、4.26(2H、q、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0334】
(E)―エチル3−(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシ―ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-chlorobenzoxy)-7-isoprenyloxy-benzofuran-5-yl)acrylate)(31c)
【0335】
【化133】
【0336】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.80(1H、d、J=16.5Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.45(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.5Hz)、6.73(1H、d、J=2.5Hz)、6.39(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.0Hz)、5.04(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、4.25(2H、q、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0337】
(E)―エチル3−(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5―イル)アクリレート((E)-Ethyl 3-(6-(4-trifluoromethoxybenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl) acrylate)(31d)
【0338】
【化134】
【0339】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.80(1H、d、J=16.5Hz)、7.61(1H、d、J=2.0Hz)、7.45(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.33(2H、d、J=8.5Hz)、6.73(1H、d、J=2.5Hz)、6.39(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.0Hz)、5.04(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、4.25(2H、q、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s)、1.33(3H、t、J=7.0Hz).
【0340】
〔32の調製の一般的方法〕
31(2mmol)、LiOH(20mmol)及びMeOH(30mL)の混合物をN2下で63oCにて一晩加熱した。得られた溶液をdis−H2O(6mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAc(30mLx3)で各々抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して32を得た。
【0341】
(E)―3―(6−ベンゾキシ−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)アクリレート((E)-3-(6-Benzoxy-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(32a)
【0342】
【化135】
【0343】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.14(1H、d、J=16.0Hz)、7.62(1H、d、J=2.0Hz)、7.50〜7.33(5H、m)、7.48(1H、s)、6.74(1H、d、J=2.5Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.60(1H、t、J=7.0Hz)、5.10(2H、s)、4.90(2H、d、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.69(3H、s).
【0344】
(E)−3−(6−(4−ブロモベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン−5−イル)アクリレート((E)-3-(6-(4-Bromobenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(32b)
【0345】
【化136】
【0346】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.10(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.2Hz)、5.06(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.68(3H、s).
【0347】
(E)―3―(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシ−ベンゾフラン―5−イル)アクリレート((E)-3-(6-(4-Chlorobenzoxy)-7-isoprenyloxy-benzofuran-5-yl)acrylate)(32c)
【0348】
【化137】
【0349】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.10(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.5Hz)、7.34(2H、d、J=8.5Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.43(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.2Hz)、5.06(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、1.76(3H、s)、1.68(3H、s).
【0350】
(E)―3―(6―(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン−5−イル)アクリレート((E)-3-(6-(4-Trifluoromethoxybenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)acrylate)(32d)
【0351】
【化138】
【0352】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ8.12(1H、d、J=16.0Hz)、7.63(1H、d、J=2.0Hz)、7.52(2H、d、J=8.5Hz)、7.49(1H、s)、7.23(2H、d、J=8.5Hz)、6.75(1H、d、J=2.0Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.56(1H、t、J=7.0Hz)、5.09(2H、s)、4.90(2H、d、J=7.0Hz)、1.75(3H、s)、1.68(3H、s).
【0353】
〔33の調製の一般的方法〕
水酸化カリウム(2mmol)及びMeOH(10mL)の混合物に、塩酸ヒドロキシルアミン(2mmol)を加えた後、氷浴中1時間撹拌した。精製塩を除去してフリーヒドロキシルアミン溶液を得た。32(1mmol)及び無水THF(10mL)の混合物にエチルクロロギ酸エステル(2mmol)及びEt3N(2mmol)を加え、室温にて0.5時間撹拌した。得られた溶液に、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。更に、3時間反応させた後、反応溶液を1NのHCl(aq)でpH2−3に酸性化し、EtOAc(20mLx3)で抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をSiO2(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製して33を得た。
【0354】
(E)―3―(6−ベンゾキシ−7−イソプレニルオキシベンソフラン−5−イル)―N―ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-Benzoxy-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)-N-hydroxy-acrylamide)(33a)
【0355】
【化139】
【0356】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.89(1H、d、J=16.0Hz)、7.58(1H、d、J=2.0Hz)、7.46〜7.30(5H、m)、7.44(1H、s)、6.66(1H、d、J=1.5Hz)、6.40(1H、d、J=16.0Hz)、5.58(1H、t、J=7.5Hz)、5.04(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).
【0357】
(E)―3―(6―(4―ブロモベンゾキシ)―7―イソプレニルオキシベンソフラン―5―イル)N−ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-(4-Bromobenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)N-hydroxy-acrylamide)(33b)
【0358】
【化140】
【0359】
1H−NMR(500MHz、CD3OD):δ7.94(1H、d、J=16.0Hz)、7.76(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.0Hz)、7.48(1H、s)、7.41(2H、d、J=8.0Hz)、6.81(1H、d、J=1.6Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.50(1H、t、J=7.0Hz)、5.03(2H、s)、4.88(2H、d、J=7.0Hz)、1.71(3H、s)、1.63(3H、s).
【0360】
(E)―3−(6−(4−クロロベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシ―ベンゾフラン―5−イル)N−ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-(4-Chlorobenzoxy)-7-isoprenyloxy-benzofuran-5-yl)N-hydroxy-acrylamide)(33c)
【0361】
【化141】
【0362】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.93(1H、d、J=16.5Hz)、7.60(1H、d、J=2.0Hz)、7.39(2H、d、J=8.5Hz)、7.35(1H、s)、7.32(2H、d、J=8.5Hz)、6.70(1H、d、J=2.5Hz)、6.36(1H、d、J=16.5Hz)、5.54(1H、t、J=7.0Hz)、5.02(2H、s)、4.87(2H、d、J=7.0Hz)、1.74(3H、s)、1.67(3H、s).
【0363】
(E)―3−(6−(4−トリフルオロメトキシベンゾキシ)−7−イソプレニルオキシベンソフラン―5−イル)N−ヒドロキシ―アクリルアミド((E)-3-(6-(4-Trifluoromethoxybenzoxy)-7-isoprenyloxybenzofuran-5-yl)N-hydroxy-acrylamide)(33d)
【0364】
【化142】
【0365】
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ7.96(1H、d、J=15.5Hz)、7.57(1H、d、J=2.0Hz)、7.50(2H、d、J=8.5Hz)、7.35(1H、s)、7.19(2H、d、J=8.5Hz)、6.62(1H、d、J=2.0Hz)、6.44(1H、d、J=16.0Hz)、5.51(1H、t、J=7.5Hz)、4.99(2H、s)、4.84(2H、d、J=7.0Hz)、1.73(3H、s)、1.67(3H、s).
【0366】
〔塩〕
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、いずれかの従来技術によって調製することができる。それらの塩の合成手順を下記に例示する。
【0367】
(E)―2−(4-メトキシベンゾキシ)―4―メトキシ―3―プレニル―N―ヒドロキシシナミドリシン塩((E)-2-(4-Methoxybenzoxy)-4-methoxy-3-prenyl-N-hydroxycinamide lysine salt)
【0368】
【化143】
【0369】
ヒドロキサマート(hydroxamte)(1mmole)及びEtOH(15mL)の混合物に、H2O(10mL)のL―リシン(1mmole)の溶液を加えた。得られた溶液を40°Cで4時間撹拌し、室温に冷却した後、12時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOHから沈殿させた。ろ過後の固体をdis−H2Oで洗浄し、真空オーブンで乾燥した。
【0370】
【化144】
【0371】
ヒドロキサマート(hydroxamte)(1mmole)及びEtOH(15mL)の混合物に、H2O(5mL)の水酸化リチウム又は水酸化カリウム(1.2mmole)の溶液を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOHから凝結(沈殿)させた。ろ過後の固体をdis−H2Oで洗浄し、真空オーブンで乾燥した。
【0372】
〔本発明の医薬組成物〕
式(I)の化合物及び薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物はそれ自体でも使用可能であるが、一般的には式(I)の化合物/塩/溶媒和物(有効成分)を薬学的に許容される補助剤、希釈剤又は担体と組み合わせた医薬組成物として投与される。投与形態に応じ、医薬組成物は、10〜30wt%(重量パーセント)、より好ましくは30〜50wt%、更に好ましくは50〜70wt%、更により好ましくは70〜100wt%の有効成分を含有する(重量%はすべて全組成物に対して)。更に本発明の医薬組成物は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に関連した疾患の他の予防剤又は治療剤を含有していてもよい。
【0373】
本発明の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤や顆粒剤による経口投与、溶液や懸濁液による非経口投与、皮下投与、坐剤による直腸内投与、経皮投与によって全身的に投与することが可能である。
【0374】
本発明の化合物ならびに医薬組成物はHDAC阻害剤であり、細胞内に長期にわたって保持され、ヒストンH4のアセチル化を継続的に誘導する。本発明の化合物ならびに医薬組成物は細胞及び神経幹細胞の分化を誘導するHDAC阻害剤である。更に本発明の化合物は、HDAC活性を大きく阻害する。本発明の化合物は細胞のS期及びG2/M期を用量依存的に大幅に短縮し、癌細胞の形態を変化させる。したがって本発明の化合物によって腫瘍や細胞増殖性疾患を治療することが可能である。更に本発明の化合物によって神経突起伸長を促進し、ハンチントン病やポリグルタミン病等の神経変性疾患やヒト脊髄性筋萎縮症(SMA)を治療することが可能である。
【実施例】
【0375】
以下、実施例で本発明の化合物の好適な合成法及び使用法を説明する。
【0376】
〔実施例1:2―(4−ニトロベンゾキシ)―4―メトキシ―3−プレニル−4−ニトロンジルシンナメート(2-(4-Nitrobenzoxy)-4-methoxy-3-prenyl-4-nitrobenzyl cinamate)の調製〕
1(2g、8.20mmol)及びカリウムt―ブトキシド(potassiumt-butoxide)(1.84g、16.4mmol)の乾燥DMF(20mL)混合物に、各種の塩化ベンジル(16.4mmol)を加え、得られた溶液を室温にて窒素下6時間撹拌した。その後、EtOAc(50mL)で希釈し、dis−H2O(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。減圧下でEtOACを除去した後、残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:10〜1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)8.24−8.22(4H、m)、7.59−7.46(4H、m)、7.45(1H、d、J=8.6Hz)、6.98(1H、d、J=12.3Hz)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、5.81(1H、d、J=12.3Hz)、5.12(1H、t、J=6.5Hz)、4.91(2H、s)、4.64(2H、s)、3.85(3H、s)、3.32(2H、d、J=6.6Hz)、1.61(3H、s)、1.57(3H、s).
【0377】
〔実施例2:2−ベンゾキシ−4−メトキシ―3−プレニルシンナメート(2-Benzoxy-4-methoxy-3-prenyl cinamate)の調製〕
2(11.36mmol)及び10%KOH/MeOH(40mL)の混合物をN2下で一晩還流した後、dis−H2O(100mL)で希釈し、2NのHClでpH5〜6に酸性化し、EtOAC(50mLx3)で抽出した。混合EtOAc層をNa2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製し、タイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)
7.63(1H、d、J=8.6Hz)、7.42−7.26(5H、m)、7.25(1H、d、J=12.5Hz)、6.80(1H、d、J=8.7Hz)、5.88(1H、d、J=12.5Hz)、5.16(1H、t、J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.85(3H、s)、3.36(2H、d、J=6.7Hz)、1.65(3H、s)、1.62(3H、s).ESIMSm/z[M−H]−351.13(100).
【0378】
〔実施例3:2−ベンゾキシ−4−メトキシ-3-プレニル―N―ヒドロキシシナマミド(Benzoxy-4-methoxy-3-prenyl-N-hydroxy cinamamide)の調製〕
水酸化カリウム(637mg、11.36mmol)のMeOH(4mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(790mg、11.36mmol)を数滴ずつ加えた後、その溶液を氷浴中1時間撹拌した。ろ過して、精製塩を除去し、MeOH溶液中フリーヒドロキシルアミンを得た。3a(1g、2.84mmol)3a(1g、2.84mmol)の乾燥THF(25mL)混合物にエチルクロロギ酸エステル(0.6mL、5.68mmol)及びトリエチルアミン(0.6mL、5.68mmol)を加え、0.5時間撹拌した後、用意したフリーヒドロキシルアミン溶液を加えた。3時間反応させた後、反応溶液を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:2)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)7.40−7.33(5H、m)、7.30(1H、d、J=8.6Hz)、7.24(1H、d、J=8.7Hz)、7.01(1H、d、J=12.5Hz)、6.66(1H、d、J=8.7Hz)、5.79(1H、d、J=12.4Hz)、5.17(1H、t.J=6.6Hz)、4.82(2H、s)、3.83(3H、s)、3.37(2H、d、J=6.7Hz)、1.69(3H、s)、1.66(3H、s);13C−NMR(100MHz、CDCl3)159.7(s)、159.2(s)、155.9(s)、136.9(s)、135.9(d)、131.8(s)、128.6(d)、128.5(d)、128.2(d)、128.1(d)、128.0(d)、123.9(s)、122.7(d)、121.1(s)、118.2(d)、106.8(d)、76.6(t)、55.7(q)、25.7(q)、23.2(t)、17.9(q)、14.4(q);ESIMSm/z[M+H]+368.13(100).
【0379】
〔実施例4:2−ベンゾキシ−4−メトキシ―3−(2−ヒドロキシ―2−メチルブチル)―N―ヒドロキシシナマミド(2-Benzoxy-4-methoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl) ―N―hydroxy cinamamide)の調製〕
4a(100mg、0.27mmol)のTHF(15mL)溶液に49%H2SO4(10mL)を加え、その溶液を室温で6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mLx3)で抽出し、その後、Na2SO4上で乾燥して残留物を得た。その残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3) 7.40−7.33(5H、m)、7.30(1H、d、J=8.6Hz)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.69(1H、d、J=8.6Hz)、5.89(1H、d、J=12.4Hz)、4.83(2H、s)、3.82(3H、s)、2.66(2H、t、J=7.8Hz)、1.65(2H、t、J=7.8Hz)、1.16(6H、s)..
【0380】
〔実施例5:2−ベンゾキシ−4−メトキシ―3−プレニル―N―(2−アミノフェニル)シナマミド(2-Benzoxy-4-methoxy-3-prenyl-N-(2-aminophenyl)cinamamide)の調製〕
3(17.04mmol)、HOBT(2.76g、20.44mmol)及びDCC(4.22g、20.44mmol)の乾燥THF(30mL)混合物を、室温下で0.5時間撹拌した後、o−フェニレンジアミン(1.84g、17.04mmol)を加えた。得られた溶液を継続的に一晩撹拌し、その後、減圧下で濃縮して残留物を得た。その残留物をCH2Cl2(50ml)に溶解し、飽和NaHCO3(25mLx3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で蒸発し、シリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:3−1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:1H−NMR(400MHz、CDCl3)7.43−7.38(5H、m)、7.37(1H、d、J=8.6Hz)、7.26(1H、d、J=8.7Hz)、7.03(1H、d、J=12.5Hz)、7.01−7.02(2H、m)、6.74−6.72(2H、m)、6.68(1H、d、J=8.6Hz)、6.06(1H、d、J=12.4Hz)、5.14(1H、t.J=6.6Hz)、4.90(2H、s)、3.84(3H、s)、3.65(2H、s)、3.38(2H、d、J=6.5Hz)、1.72(3H、s)、1.65(3H、s).
【0381】
〔実施例6:2―ベンゾキシ−4−メトキシ―3−(2−ヒドロキシ―2−メチルブチル)―ベンジルシナマメート(2-Benzoxy-4-methoxy-3-(2-Hydroxy-2-methylbutyl)
–benzyl cinamamate)の調製〕
2(0.27mmol)のTHF(15mL)溶液に、49%H2SO4(10mL)を加え、その溶液を室温にて6時間撹拌した。得られた溶液をCH2Cl2(50mLx3)で抽出した後、Na2SO4上で乾燥して残留物を得た。この残留物をシリカゲル(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)で精製してタイトルの化合物を得た:
1H−NMR(400MHz、CDCl3) 7.38(1H、d、J=8.7Hz)、7.36−7.27(10H、m)、7.00(1H、d、J=12.4Hz)、6.60(1H、d、J=8.7Hz)、5.94(1H、d、J=12.4Hz)、5.13(2H、s)、4.81(2H、s)、3.82(3H、s)、2.67(2H、t、J=8.2Hz)、1.61(2H、t、J=8.2Hz)、1.18(6H、s);ESIMSm/z[M+Na]+483.6(100).
【0382】
〔実施例7:本発明の化合物によるガン細胞成長の阻害〕
三つのガン細胞系列、即ち、ラットC6グリオーマ細胞、ヒト乳ガンMCF−7細胞、ヒト肺ガンA549細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Gibco)中で培養した。これらの細胞系列を全て、37℃で、95%の空気及び5%の二酸化炭素の加湿環境にて維持した。各実験で細胞は6穴プレートに播種した。24時間後に細胞を異なる濃度の各種化合物で処理した。細胞を24時間後、48時間後、72時間後に観察した。48時間後、各種濃度でNBM−HB−OS01がラットC6グリオーマ細胞のガン細胞の増殖を阻害し(図1(a)参照)、又、ヒト結腸ガンHT−29細胞のガン細胞の増殖を停止させた(図1(b)参照)ことが確認された。各種濃度において、NBM−C−BX−OS01は、48時間でラットC6グリオーマ細胞(図2(a)参照)、24時間でヒト乳ガンMCF−7細胞(図2(b)参照)、48時間でヒト肺ガンA549細胞(図2(c)参照)のガン細胞の増殖を抑制した。一定の濃度(7.5μg/mL)の、NBM−C−BA−OS01、NBM−C−BCA−OS01及びNBM−C−BMA−OS01で処理することによって、48時間でラットC6グリオーマ細胞の増殖を阻害した。NBM−C−BA−OS01(5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5.0μg/mL)は、24時間でラットC6グリオーマ細胞の増殖を阻害した(図5(a)参照)。
【0383】
〔実施例8:本発明の化合物によるガン細胞の成長阻害と形態変化〕
5つのガン細胞系列、即ち、ラットC6グリオーマ細胞、ヒト乳ガンMCF−7細胞、ヒトグリオーマHs683細胞、ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞及びヒト肺ガンA549細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Gibco)中で培養し、37℃で、95%の空気及び5%の二酸化炭素の加湿環境にて維持した。ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン及び2mMグルタミンを含むL−15培地(Gibco)中で培養し、37℃で、95%の空気及び0%の二酸化炭素の加湿環境にて維持した。各実験で細胞は6穴プレート又は60mmの培養皿に播種した。24時間後、細胞を異なる濃度の各種化合物で処理した。細胞を24時間後、48時間後、72時間後に観察した。ヒト乳ガンMCF−7細胞(図3(a)参照)及びラットC6グリオーマ細胞(図3(b)参照)は、NBM−C−BA−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)で72時間処理することによって、形態的な変化が見られた。NBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)で処理することによって、A549細胞の増殖が72時間で用量依存的に阻害され(図5(b)参照)、ラットC6グリオーマ細胞でも24時間の処理で同様の結果となった(図5(c)参照)。ヒトグリオーマHs683細胞を(1.25、2.5、5.0μg/mL)で72時間処理した(図5(d)参照)。ヒト膠芽細胞腫をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した(図5(e)参照)。細胞計数の結果は、同一傾向であった(図5(f)参照)。NBM−C−BCX−OS01、NBM−C−BMX−OS01及びNBM−C−BFX−OS01は、ヒト乳ガンMDA−MB−231細胞の増殖を阻害し、72時間で形態を変化させた(図6(a)参照)。結果をトリパンブルー色素排除法によって計数した(図6(b)参照)。
【0384】
〔実施例9:ラットC6グリオーマ細胞のmRNAに与える本発明(NBM−HB−OS01)の効果〕
mRNAの発現に関連する細胞周期をRT−PCRにより調べた。製造元の記載に従ってRNeasy-Mini-Kit(Qiagen)を使用し、処理ラットC6グリオーマ細胞から全RNAを単離した。ReverTra−Plus−TM(TOYOBO)を用いて全RNAのうち500ngからcDNAを作成した。GAPDHを内部コントロールとして用い、細胞周期を分析するための幾つかの遺伝子(p21、サイクリンB1及びサイクリンD1)の増幅に対するプライマーを用いたPCRによってRT産物(1μl)を増幅した。ラットC6グリオーマ細胞をNBM−HB−OS01で48時間処理した。図1(d)に示すように、NBM−HB−OS01はp21のmRNA発現を誘因した。
【0385】
〔実施例10:各種ヒトガン細胞の細胞周期に与える本発明の効果〕
ヒト肺ガンA549細胞、ヒトグリオーマHs683細胞及びヒト膠芽細胞腫05−MG細胞を、100mmの培養皿毎に1×106個を播種した。DMEM+10%BSAで24時間培養した後、ヒト肺ガンA549細胞をNBM−HB−OS01(2.5、5.0、7.5、10.0μg/mL)で24時間処理し、NBM−C−BCX−OS01(2.5、5.0、7.5μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(2.5、5、7.5μg/mL)で72時間処理した。ヒト膠芽細胞腫05−MG細胞を、NBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びNBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で処理した。細胞周期分析のために、細胞を80%エタノールで1時間(又は一晩)、−20°Cで固定した後、2μg/mL、RNaseAで30分、37°Cで培養した。細胞をPBSのヨウ化プロピジウム(5g/mLPI)溶液で染色し、FACScanサイトメトリー(BectonDickinson)及びCellQuest収集・分析プログラムにより調べた。図1(c)の結果は、NBM−HB−OS01が、ヒト肺ガンA549細胞をG0/G1期において用量依存的に阻害することを示す。各濃度(2.5、5、7.5μg/mL)のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01が、72時間でヒト肺ガンA549細胞を阻害し(図6(c)参照)、各濃度(1.0、2.0、4.0μg/mL)のNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01が、72時間でヒト膠芽細胞腫05−MG細胞を阻害した(図6(d)参照)。ヒトグリオーマHs683細胞をNBM−C−BCX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)で72時間処理した。NBM−C−BCX−OS01は、ヒトグリオーマHs683細胞の増殖を停止することができた(図6(e))。
【0386】
〔実施例11:本発明の化合物の処理後に観察される、HDACに関連するタンパク質の発現上昇〕
ラットC6グリオーマ細胞、ヒト乳ガンMCF−7細胞及びヒト肺ガンA549細胞を6穴プレートに播種した。24時間培養後、培養地+10%BSAで24時間培養後、ヒト乳ガンMCF−7細胞をNBM−HB−OS01(10.0μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で24時間処理した。ラットC6グリオーマ細胞をNBM−C−BX−OS01(7.5μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で6時間処理した。ヒト肺ガンA549細胞をNBM−C−BA−OS01(7.5μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で6時間処理した。処理細胞を80%メタノールで30分固定し、PBS溶液で3回洗浄した。細胞を0.3%トリトンX−100で30分透過性を上昇し、その後PBS−T(PBS中0.1%ツイン20)の10%ウシ胎児血清(FBS)で1時間ブロックした。処理細胞を、アセチル化ヒストンH3、アセチル‐チューブリン及びゲルゾリンに対して一次抗体で保護した。Nikonの顕微鏡で写真撮影した。結果は、本発明の化合物が、各種のガン細胞のタンパク質発現に関連するHDACを誘因することを示した(図1(g)、図2(e)、図3(c))。
【0387】
〔実施例12:高アセチル化ヒストン及びチューブリンの蓄積増加と本発明の化合物の処理による各種細胞株のp21〕
ラットC6グリオーマ細胞及びヒト乳ガンMCF−7細胞を60mm培養皿毎5×105又は100mm培養皿毎1×106で播種した。24時間後、ラットC6グリオーマ細胞を、各濃度のNBM−HB−OS01(2.5、5.0、7.5、10.0μg/mL)で72時間処理し、10.0μg/mLのNBM−HB−OS01で、1、2、3、4時間処理した。ヒト乳ガンMCF−7細胞を7.5μg/mLのNBM−C−BX−OS01で、1、2、3、4時間処理した。C6の溶解物及びMCF−7細胞をアセチル化ヒストンH3(Cell Signaling Technology,Inc.)、アセチル化ヒストンH4(Upstate)、アセチル化チューブリン(SigmaChemical Co.)、 p21(BD Pharmingen Technology,Inc.)、及びアクチン(Sigma Chemical Co.)の免疫ブロット法用に用意した。タンパク質をケミルミネッセンス(ECL、 Amersham)で検出した。結果は、ラットC6グリオーマ及びMCF−7細胞で高アセチル化ヒストンH3、高アセチル化ヒストンH4、アセチル化チューブリン及びp21の蓄積が誘発されることを示した(図1(e)、図1(f)、図2(d)参照)。βアクチンは、内部コントロールである。
【0388】
〔実施例13:ヒストン及びHDACに関連するタンパク質へのNBM−C−BCX−OS01及びNBM−C−BMX−OS01の効果〕
60mm培養皿毎に5×105個、100mm培養皿毎に1×106個のヒトグリオーマHs683細胞を播種した。24時間後、ヒトグリオーマHs683細胞を、異なる投薬量のNBM−C−BCX−OS01、NBM−C−BMX−OS01(1.0、2.0、4.0μg/mL)及びvorinostat(SAHA、5μM)で72時間処理した。Hs683細胞ライセートを、アセチル化ヒストンH3(Cell Signaling Technology,Inc.)、アセチル化ヒストンH4(Upstate)、アセチル化チューブリン(Sigma Chemical Co.)、p21 (BD Pharmingen Technology,Inc.)、CTPS(ABNOVA TAIWAN Corporation)、ゲルソリン(Sigma Chemical Co.)、Hsp90(Cell Signaling Technology,Inc.)、アセチル化Hsp90(ROCKLAND,Inc.)及びアクチン(Sigma Chemical Co.)の免疫ブロット法用に準備した。プロテインをケミルミネッサンス(ECL、Amersham)で検出した。アセチル化Hsp90及びゲルソリンタンパク質が用量依存的に増加することを観察した。Hsp90及びCTPSタンパク質は用量依存的に減少した(図7(a))。用量依存的にp21、アセチル化チューブリン、アセチル化ヒストンH3及びアセチル化ヒストンH4の発現が誘発された。SAHAをポジティブコントロールとして用い、β―アクチンを内部コントロールとして用いた(図7(b)参照)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)によって表される化合物:
【化1】
式中、
R1が水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XがC、O、N又はS;
YがO、NH又はN−C1−4アルキル;
nが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mが0、1、2、3、4及び5からなる群から選択された整数;
RaがH又はC1−10アルキル(ヒドロキシ、C2−10アルケニル又は複素環で置換されてもよい);
R4がH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8で置換されてもよい)、その際、R7及びR8が独立して水素又はC1−6アルキル;
R5がH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(アルキル、シクロアルキル、炭素環及び複素環が任意でハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキチオ、OR7、NR7R8、CF3、CCl3又はCBr3で置換されてもよい);及び、
R6がH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2-10アルキニル、又はR1と共同して−C2H2−で置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である化合物。
【請求項2】
下記式(II)に表されるクレーム1に記載の化合物:
【化2】
式中、
R1が水素、アルキル、アルケニル、C3−8シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XがC、O、N又はS;
YがO、NH又はN−C1−4アルキル;
nが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mが0、1、2、3、4、及び5からなる群から選択された整数;
R2及びR3が独立してC1−6アルキル;
R4がH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル又は5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8と置換されてもよい)、その際、R7及びR8が独立して水素又はC1−6アルキル;
R5がH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環、その際、アルキル、シクロアルキル、炭素環及びヘテロ環は任意にハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、OR7、NR7R8、CF3CCl3又はCBr3と置換されてもよい);及び
R6がH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2−10アルキニル、若しくは―C2H2−であるR1と共同して置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である化合物。
【請求項3】
R1、R2及びR3が独立してC1−4アルキル;R4がフェニル、ハロゲンで置換されたフェニル、CF3、CCl3、CBr3、OC1−4アルキル;R5がOH、フェニル又はNH2で置換されたフェニル、且つ、R6が水素である請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1、R2及びR3が独立してメチル、R4がフェニル又はF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3、OCH3で置換されたフェニル、R5がOH又はNH2で置換されたフェニル、且つR6が水素である請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
Xが炭素である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
n及びmが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
炭素環がシクロアルキニル又はアリールである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記シクロアルキニルはシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル及びシクロオクテニルからなる群から選択され、前記アリールは、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフタレニルからなる群から選択される請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
前記5員又は6員の不飽和複素環がフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、キサゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラザニル、ピラジニル、オキサジアゾリル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジノ、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、1−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、ピペラジノ、2−ピペラジニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、モルホリノ及びテトラヒドロピラニルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
【化3】
、
【化4】
、
【化5】
、
【化6】
、
【化7】
、
【化8】
、
【化9】
、
【化10】
、
【化11】
、
【化12】
、
【化13】
、
【化14】
、
【化15】
、
【化16】
、
【化17】
、
【化18】
、
【化19】
、
【化20】
、
【化21】
、
【化22】
、
【化23】
、
【化24】
、
【化25】
、
【化26】
、
【化27】
、
【化28】
、
【化29】
、
【化30】
、
【化31】
、
【化32】
、
【化33】
、
【化34】
、
【化35】
、
【化36】
、
【化37】
、
【化38】
、
【化39】
、
【化40】
、
【化41】
、
【化42】
、
【化43】
、
【化44】
、
【化45】
、
【化46】
、
【化47】
、
及び
【化48】
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
有効成分及び薬学的に許容される担体として、請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物からなる医薬組成物。
【請求項12】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する方法。
【請求項13】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者の糖尿病の治療方法。
【請求項14】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者の腫瘍又は細胞増殖性疾患の治療方法。
【請求項15】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者の軸索伸長を促進する方法。
【請求項16】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を前記患者に投与することを含む神経変性疾患及びヒト脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療方法。
【請求項17】
前記神経変性疾患はハンチントン病又はポリグルタミン病である請求項16の方法。
【請求項18】
請求項1の化合物又はその薬学的に許容される塩を調整するのに有効な媒介化合物であって、該媒介化合物は以下、
【化49】
、
【化50】
、
【化51】
、
【化52】
及び
【化53】
(式中、RはP−H、p−Cl、p−Br又はOCF3)
からなる群から選択される媒介化合物。
【請求項1】
下記式(I)によって表される化合物:
【化1】
式中、
R1が水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XがC、O、N又はS;
YがO、NH又はN−C1−4アルキル;
nが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mが0、1、2、3、4及び5からなる群から選択された整数;
RaがH又はC1−10アルキル(ヒドロキシ、C2−10アルケニル又は複素環で置換されてもよい);
R4がH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8で置換されてもよい)、その際、R7及びR8が独立して水素又はC1−6アルキル;
R5がH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は複素環(アルキル、シクロアルキル、炭素環及び複素環が任意でハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキチオ、OR7、NR7R8、CF3、CCl3又はCBr3で置換されてもよい);及び、
R6がH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2-10アルキニル、又はR1と共同して−C2H2−で置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である化合物。
【請求項2】
下記式(II)に表されるクレーム1に記載の化合物:
【化2】
式中、
R1が水素、アルキル、アルケニル、C3−8シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環又は5又は6員の複素環;
XがC、O、N又はS;
YがO、NH又はN−C1−4アルキル;
nが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択された整数;
mが0、1、2、3、4、及び5からなる群から選択された整数;
R2及びR3が独立してC1−6アルキル;
R4がH、C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル又は5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環(ハロゲン、CF3、CCl3、CBr3、OR7又はNR7R8と置換されてもよい)、その際、R7及びR8が独立して水素又はC1−6アルキル;
R5がH、OH、NH2、C1−4アルキル又はC5−6シクロアルキル、5員又は6員の不飽和炭素環並びに複素環、その際、アルキル、シクロアルキル、炭素環及びヘテロ環は任意にハロゲン、NH2、C1−4アルキル、NO2、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、OR7、NR7R8、CF3CCl3又はCBr3と置換されてもよい);及び
R6がH、C1−10アルキル(ヒドロキシ又はC2−10アルキニル、若しくは―C2H2−であるR1と共同して置換されてもよい);
及びこれらの薬学的に許容される塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ並びに溶媒和物である化合物。
【請求項3】
R1、R2及びR3が独立してC1−4アルキル;R4がフェニル、ハロゲンで置換されたフェニル、CF3、CCl3、CBr3、OC1−4アルキル;R5がOH、フェニル又はNH2で置換されたフェニル、且つ、R6が水素である請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1、R2及びR3が独立してメチル、R4がフェニル又はF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3、OCH3で置換されたフェニル、R5がOH又はNH2で置換されたフェニル、且つR6が水素である請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
Xが炭素である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
n及びmが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
炭素環がシクロアルキニル又はアリールである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記シクロアルキニルはシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル及びシクロオクテニルからなる群から選択され、前記アリールは、フェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフタレニルからなる群から選択される請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
前記5員又は6員の不飽和複素環がフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、キサゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラザニル、ピラジニル、オキサジアゾリル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジノ、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、1−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、ピペラジノ、2−ピペラジニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、モルホリノ及びテトラヒドロピラニルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
【化3】
、
【化4】
、
【化5】
、
【化6】
、
【化7】
、
【化8】
、
【化9】
、
【化10】
、
【化11】
、
【化12】
、
【化13】
、
【化14】
、
【化15】
、
【化16】
、
【化17】
、
【化18】
、
【化19】
、
【化20】
、
【化21】
、
【化22】
、
【化23】
、
【化24】
、
【化25】
、
【化26】
、
【化27】
、
【化28】
、
【化29】
、
【化30】
、
【化31】
、
【化32】
、
【化33】
、
【化34】
、
【化35】
、
【化36】
、
【化37】
、
【化38】
、
【化39】
、
【化40】
、
【化41】
、
【化42】
、
【化43】
、
【化44】
、
【化45】
、
【化46】
、
【化47】
、
及び
【化48】
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
有効成分及び薬学的に許容される担体として、請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ及び溶媒和物からなる医薬組成物。
【請求項12】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する方法。
【請求項13】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者の糖尿病の治療方法。
【請求項14】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者の腫瘍又は細胞増殖性疾患の治療方法。
【請求項15】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を患者に投与することを含む、該患者の軸索伸長を促進する方法。
【請求項16】
請求項1の化合物又は薬学的に許容されるその塩、立体異性体、鏡像異性体、プロドラッグ、溶媒和物の治療上の有効量を前記患者に投与することを含む神経変性疾患及びヒト脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療方法。
【請求項17】
前記神経変性疾患はハンチントン病又はポリグルタミン病である請求項16の方法。
【請求項18】
請求項1の化合物又はその薬学的に許容される塩を調整するのに有効な媒介化合物であって、該媒介化合物は以下、
【化49】
、
【化50】
、
【化51】
、
【化52】
及び
【化53】
(式中、RはP−H、p−Cl、p−Br又はOCF3)
からなる群から選択される媒介化合物。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図1(d)】
【図1(e)】
【図1(f)】
【図1(g)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図5(e)】
【図5(f)】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図8(d)】
【図8(e)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図9(e)】
【図9(f)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図10(d)】
【図10(e)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図1(d)】
【図1(e)】
【図1(f)】
【図1(g)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図5(e)】
【図5(f)】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図8(d)】
【図8(e)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図9(e)】
【図9(f)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図10(d)】
【図10(e)】
【公開番号】特開2011−20999(P2011−20999A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−86420(P2010−86420)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(506107726)彦臣生技藥品股▲ふん▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86420(P2010−86420)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(506107726)彦臣生技藥品股▲ふん▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】
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