説明

ヒソップ抽出物の血液流動性改善剤、血流改善剤およびその利用

【課題】 生体内において血液流動性改善作用、血流改善作用を発揮し、その結果微小循環を向上させ、末梢部位における冷え、肩こりあるいは腰痛などの改善、高脂血症、糖尿病、肥満、さらには動脈硬化症、脳梗塞や脳出血後遺症などに優れた効果を奏する天然物由来物質の解明、およびその利用方法を提供する。
【解決手段】 シソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする血液流動性改善剤および血流改善剤、前記血液流動性改善剤または前記血流改善剤を添加したことを特徴とする食品または飲料、並びに医薬品または医薬部外品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液流動性改善剤、血流改善作用を有するヒソップの抽出物の血液流動性改善剤、血流改善剤およびその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
血液の流動性は、循環の受動的素因であるが、毛細血管など血管径が小さくなるほど流動性への影響は大きくなり、血流量を左右する要因となる。高脂血症、糖尿病、肥満、高血圧、喫煙など様々な病状等が要因となって血液流動性が低下(血液粘度が上昇)すると、体内の血液循環、とくに指先等の毛細血管や血管狭窄部位、あるいは脳血管など、末梢血管における血液循環を悪化させる。
この血液循環は、体内組織に酸素や栄養素を供給するばかりでなく、免疫系を主とした生体機能の維持に重要な役割を担い、酸化ストレス、血行不良、肩こり、腰痛、冷え性、低血圧などの引き金となる。
すなわち、健康を維持するには血液の流動性を改善し、円滑な血液循環の維持を図ることが重要、かつ必須である。
【0003】
血液は、血球(赤血球、白血球、血小板)と血漿成分から構成され、このなかで赤血球は容易に変形する特性(変形能)をもっている。
直径約7μmの赤血球は、その円盤状の形を変形させながら直径約3〜5μmの毛細血管の中を自由に流動する。この毛細血管や直径100μm以下の細動脈などは、微小循環と呼ばれ、生体機能維持に重要な役割を果たしており、循環器系疾患などの生活習慣病と密接な関係がある。
赤血球の変形能は、赤血球が毛細血管内に詰まることなく、また、赤血球以外の血液成分が毛細血管内を滞りなく流動するためにも重要である。
例えば、直径約7〜25μmの白血球は血管内皮上を横転しながら流動するが、血液粘度の悪化時などには血管内皮の壁面に容易に付着する。また、直径約2μm前後の血小板も容易に凝集塊を形成して壁面に付着する。
【0004】
このように、赤血球の変形能が低下すると、見かけ上の血液粘度が悪化(血液の流動性が低下)して血液循環不良を引き起こし、これが引き金となって血栓が形成し易くなり、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの原因になることが知られている。
すなわち、赤血球変形能を向上させることや、これら個々の要因を正常化させることは、微小循環を向上させ、末梢部位における冷え、肩こりあるいは腰痛などを改善するばかりではなく、高脂血症、糖尿病、肥満、さらには動脈硬化症、脳梗塞や脳出血後遺症などの緩和など、多くの生活習慣病に対して有効であると考えられている。
【0005】
従来から、血液流動性改善剤として多くの化合物が報告されている。例えば、ヒドロキシメチルフラール誘導体(特許文献1参照)、5−ヒドロキシメチルフラン誘導体(特許文献2参照)、カテキン(特許文献3参照)、サフランまたはサフランの組織培養物(特許文献4参照)、シトラール(特許文献5参照)といった化合物が挙げられる。
また、赤血球変形能改善作用を有する薬剤として、ヘキストジャパン株式会社からベントキシフィリン(商品名トレンタール)、東京田辺製薬株式会社からサルボグレラート(商品名アンブラーグ)などが市販され、臨床応用されている。また、ビンボセチン、ニセルゴリン、マレイン酸シネバジド、トラビジル、塩酸フルナリジン、シンナリジンなども赤血球変形能を有することが知られている。
しかしながら、これらは、使用に際しては注意が必要であり、医師の処方が必要であり、副作用等の問題も指摘されている。そこで、より安全性が高く、改良された医薬品、医薬部外品、食品、飲料等の開発が望まれている。
【0006】
一方、活性酸素による酸化傷害が生活習慣病を含む多くの疾患の原因であることが解明されており、毛細血管や細動脈などの微小循環に障害が発生すると、活性化した白血球・血小板の凝集塊が虚血再環流障害を引き起こすことが知られている。
このような状況から、活性酸素等が原因となる白血球や血小板の粘着能・凝集能を抑制する、いわゆる抗酸化作用を有する血液流動性改善剤及び血流改善剤を、より安全、かつ容易に摂取するための、天然物、特に、食品の原料となる天然植物等に由来する成分の探索・開発が試みられているが、生体内で十分機能する物質は未だ見出されていない。
【0007】
【特許文献1】特許第2979305号公報
【特許文献2】特開平9−216821号公報
【特許文献3】特開平10−72460号公報
【特許文献4】特開平10−287576号公報
【特許文献5】特開2000−44467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、生体内において血液流動性改善作用、血流改善作用を発揮し、その結果微小循環を向上させ、末梢部位における冷え、肩こりあるいは腰痛などの改善、高脂血症、糖尿病、肥満、さらには動脈硬化症、脳梗塞や脳出血後遺症などに優れた効果を奏する天然物由来物質の解明、及びその利用方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述目的の達成のため詳細な検討を進める過程で、シソ科植物の一つであるヒソップに着目した。ヒソップは、抗菌、抗ウイルス作用があり、外傷の治療や身の回りの殺菌・消毒にも用いられているほか、精油、香辛料、お茶などにも応用されており、天然物由来のハーブ抽出物として安全性も高いことが知られている。
本発明者らは、ヒソップの抽出物を健常者に飲用させたところ、飲用前後にて血液の通過時間の著しい改善が観察されたことから、該抽出物に血液流動性改善作用を有することを見出した。
そして、ヒソップの抽出物を冷え性の女性に飲用させたところ、手足の指先及び甲において、飲用前後にて皮膚表面温度の顕著な上昇が観察されると共に、血流量が増大することを見出した。
これらの知見に基き、ヒソップの抽出物は血液流動性改善剤や血流改善剤として有効であることを見出し、本発明に到達した。
尚、本発明者らの一人が先に発明した新規化合物、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体(特願2003−050400号明細書参照)は、ヒソップに含まれているが、該化合物にはα−グルコシダーゼ活性を阻害することが知られているに過ぎず、それ以外の機能、特に血液流動性や血流に対する影響については、全く知られていない。
【0010】
請求項1記載の本発明は、シソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする血液流動性改善剤である。
請求項2記載の本発明は、シソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする血流改善剤である。
請求項3記載の本発明は、請求項1記載の血液流動性改善剤を添加したことを特徴とする食品または飲料である。
請求項4記載の本発明は、請求項2記載の血流改善剤を添加したことを特徴とする食品または飲料である。
請求項5記載の本発明は、請求項1記載の血液流動性改善剤を添加したことを特徴とする医薬品または医薬部外品である。
請求項6記載の本発明は、請求項2記載の血流改善剤を添加したことを特徴とする医薬品または医薬部外品である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高脂血症、糖尿病、肥満、高血圧、喫煙など様々な病状等が要因となって引き起こされる血液流動性の低下を改善させることができると共に、体内の血液循環、特に指先等の毛細血管や血管狭窄部位、あるいは脳血管など末梢血管における血流を亢進させ血液循環悪化の改善、予防に資することができる新規の血液流動性改善剤及び血流改善剤が提供される。
また、本発明の血液流動性改善剤及び血流改善剤は、天然物であるヒソップ由来のヒソップの抽出物を含有することから、安全、かつ安心した摂取が可能であり、様々な食品、飲料の他、医薬品、医薬部外品等に広く応用され、生活習慣病等の予防や国民の健康の維持・増進により国民生活の向上に資することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、血液流動性改善剤及び血流改善剤に関するものであるが、いずれもシソ科植物ヒソップの抽出物を含有する点で共通する。
ヒソップとは、シソ科の植物で半常緑小低木に分類されており、古くから薬用ハーブとして利用されている。ヒソップの効用の一つとして、苦味成分「マルビイン」は風邪、気管支炎など呼吸器系の疾患に効果があり、該効能が民間医療などに用いられてきた経緯があるが、血液流動性改善機能や血流改善機能については、従来知られていなかった。
【0013】
本発明に使用することができるヒソップの品種としては、ヒソップ(Hyssopus officinalis、和名:ヤナギハッカ)のほかに、ホワイト・ヒソップ、ピンク・ヒソップなどを例示することができるが、これらの品種に限定されるものではない。
原料であるヒソップの植物体としては、葉、茎、芽、花などの地上部が好ましく、葉が特に好ましい。また、ヒソップの植物体の水分量についても特に限定はなく、いわゆる生の状態、湿潤状態、および乾燥状態(例えば、乾燥葉)のいずれであっても用いることが可能である。
【0014】
ヒソップの抽出物は、上記のようなヒソップの植物体から、例えば、特願2003−050400号明細書に記載されている製造方法に従って得ることができる。以下に具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。また、使用目的や使用濃度に応じて、各抽出段階における精製物をヒソップの抽出物として使用することができる。
まず、ヒソップの植物体を、水(熱水を含む)、親水性有機溶媒(エタノール、メタノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど)、これらの混合溶媒等を用いて抽出し、濾紙で残渣を分離して、濾液をエバポレーター等で減圧濃縮し、粗抽出物(黒色のシロップ)を得ることができる。
ここまでの抽出温度は4〜100℃、好ましくは20〜35℃、抽出時間は1日から10日ほど、好ましくは3〜9日を例示できるが、これに限ったものではない。
【0015】
次に、上記粗抽出物を、酢酸エチル等を用いる液−液分離手段で有機層と水層に分配し、水層を得る。続いて水層を、再び酢酸エチル等を用いる液−液分離手段で有機層と水層に分配し、有機層を得る。これを濃縮後、シリカゲル処理に供して得られるエタノール等の有機溶媒について、抗酸化活性を指標とした、活性の高い溶出区を減圧濃縮して精製抽出物を得ることができる。
ここで、抗酸化活性の測定は、一般的な方法で行うことができるが、例えば、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルの消去能を指標にした方法(Yamaguchi,T.,Takamura,H.,Matoba,T.and Terao,J.,HPLC method for evaluation of the free-radical scavenging activity of foods by using 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl.Biosci.Biotechnol.Biochem.62,1201-1204,1998)で行うことができる。
また、この精製抽出物は、特願2003−50400号明細書に示すように、α−グルコシダーゼ阻害活性も有することが明らかであるから、該酵素阻害活性を指標としても良い。ここで、α−グルコシダーゼ阻害活性の測定は、一般的な方法で行うことができるが、例えば、ラット腸アセトンパウダーによりα−グルコシダーゼ活性を指標とした方法(Nishioka,T.,Kawabata,J.and Aoyama,Y.Baicalein,an β-glucosidase inhibitor from Scutellaria baicalensis.J.Nat.Prod.61,1413-1415,1989.;Toda,M.,Kawabata,J.and Kasai,T.Inhibitory effects of ellagi- and gallotannins on rat intestinal α-glucosidase complexes.Biocsci.Biotechnol.Biochem.65,542-547,2001.)で行うことができる。
【0016】
このようなヒソップの抽出物は、下記の化学構造式(A)および(B)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体を、どちらか一方、或いは双方の合計で1〜20%、好ましくは5〜15%含有する。双方を含む場合の配合割合について、特に限定はない。
また、該誘導体に加えて、ロスマリン酸、コーヒー酸のほか、タンニンなどのポリフェノール等、上記誘導体以外の抗酸化物質も、1種類、或いは2種類以上の合計で1〜80%、好ましくは5〜80%含有することが好ましい。ヒソップの抽出物が発揮する高い血液流動性改善作用や血流改善作用は、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体の他、上記抗酸化物質の存在に起因するものと考えられる。
尚、上記の例示した抽出方法により得られる抽出物が、下記の化学構造式(A)および(B)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体を含むことは、上記方法が特願2003−050400号明細書に記載されている製造方法に従っていることから明らかである。さらに、該抽出物について各種クロマトグラフィー等を利用して更に精製を進めた後、NMR、IR、赤外線スペクトルの測定などを行うことにより確認することができる。
また、抗酸化物質を含んでいることについても、該抽出物について各種クロマトグラフィー等を利用して更に精製を進めた後、NMR、IR、赤外線スペクトルの測定などを行うことにより確認することができる。
【化1】


【化2】

【0017】
また、上記構造式(A)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体、及び上記構造式(B)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体のそれぞれを多く含むヒソップの抽出物についても、やはり特願2003−050400号明細書記載の方法に従って得ることができる。
すなわち、上記と同様にして得た粗抽出物(黒色のシロップ)について、エタノール等の有機溶媒を用いて抽出し、抽出液と残渣を濾紙やガラスフィルター等で分離し、濾液を濃縮して、得られた濃縮液を水可溶部と有機溶媒可溶部に分配する。水溶媒可溶部と有機可溶部の双方ともα−グルコシダーゼ阻害活性を有している点で共通するが、水可溶部には上記構造式(A)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体が、有機溶媒可溶部には上記構造式(B)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体が含まれている。
【0018】
上記構造式(A)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体を含む水可溶部については、さらに各種クロマトグラフィー等の精製手段を用いて精製することができ、例えば、以下の5つの抽出段階における各段階の抽出物を、用途に合った精製度に応じて用いることができる。
上記構造式(A)で表される誘導体の抽出第一段階として、水可溶部を濃縮し、適当な有機溶媒濃度になるように調製する。得られた濃縮液を、−25℃程度で2日間静置する。沈殿が生じた場合は、濾紙やガラスフィルター等を用いて除去する。
上記構造式(A)で表される誘導体の抽出第二段階として、濃縮液を活性炭やダイヤイオンHP−20(三菱化成工業)を担体に用いた吸着カラムクロマトグラフィーに供する。吸着物質を含水有機溶剤、例えば、含水メタノール溶液を用いて溶出する。α−グルコシダーゼ阻害活性を有する溶出区を濃縮する。
上記構造式(A)で表される誘導体の抽出第三段階として、この分画をゲル濾過クロマトグラフィー、例えば、Sephadex LH-20(Amersham Biosciences社)に供して、含水有機溶媒を用いて溶出し、α−グルコシダーゼ阻害活性の高い分画を得る。
上記構造式(A)で表される誘導体の抽出第四段階として、この分画を、逆相系中圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムは,例えばLpbar LiChroprep RP-18 (Merck社)等を使用することができる。含水有機溶媒、例えば、メタノール:水:酢酸混液等を用いて溶出して、α−グルコシダーゼ阻害活性の高い分画を得る。
さらに、上記構造式(A)で表される誘導体の抽出第五段階として、この分画を濃縮し、逆相高圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムは、例えばInertsil ODS カラム(GL Science社)等を使用することができる。移動層としては、含水有機溶媒、例えば、メタノール:水:酢酸混液を用いて、α−グルコシダーゼ阻害活性の高い溶出区を得る。これを濃縮し上記構造式(A)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体をシラップ状にて得る。
【0019】
一方、上記構造式(B)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体を含む有機溶媒可溶部についても、さらに各種クロマトグラフィー等の精製手段を用いて精製することができ、例えば、以下の4つの抽出段階における各段階の抽出物を、用途に合った精製度に応じて用いることができる。
例えば、構造式(B)で表される誘導体の抽出第一段階として、有機溶媒可溶部を濃縮し、これを活性炭、ダイヤイオンHP−20(三菱化成工業)等を担体に用いた吸着カラムクロマトグラフィーに供し、水、含水メタノール溶液、メタノール等を用いて溶出し、阻害活性を有する含水メタノール溶液溶出区を濃縮する。これをシリカゲル(例えば、Wakogel C−200(和光純薬工業製)など)を用いたシリカゲル担体カラムクロマトグラフィーに供し、有機溶媒混合液、例えば、CHCl:MeOH:CHClの混合液で溶出する。ここで、α−グルコシダーゼ阻害活性の確認される溶出区を減圧し、濃縮する。
上記構造式(B)で表される誘導体の抽出第二段階として、この分画をゲル濾過クロマトグラフィー、例えばセファデックスLH-20(Amersham Pharmacia Biotech社)に供して、有機溶媒を用いて溶出し、α−グルコシダーゼ阻害活性の高い溶出区を濃縮する。
上記構造式(B)で表される誘導体の抽出第三段階として、この分画を逆相中圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムは、例えばLpbar LiChroprep RP-18(Merck社)等を使用することができる。含水有機溶媒、例えば、メタノール:水:酢酸混液を用いて溶出し、α−グルコシダーゼ阻害活性の高い溶出区を濃縮する。
さらに、上記構造式(B)で表される誘導体の第四段階として、この分画を逆相高圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムは、例えば、YMC-Pack ODS-AMカラム(YMC社)等を使用することができる。移動層としては、含水有機溶媒、例えば、メタノール:水:酢酸混液を用いて、α−グルコシダーゼ阻害活性の高い溶出区を得る。これを濃縮し、上記構造式(B)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体をシラップ状にて得る。
【0020】
尚、上記の例示した抽出方法により得られる抽出物が、下記の化学構造式(A)および(B)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体を含むことは、上記方法が特願2003−050400号明細書に記載されている製造方法に従っていることから明らかである。さらに、該抽出物について各種クロマトグラフィー等を利用して更に精製を進めた後、NMR、IR、赤外線スペクトルの測定などを行うことにより確認することができる。
【0021】
このようにして得られるヒソップの抽出物は、顕著な血液流動性改善活性および血流改善活性を有する。ここで、血液流動性改善作用とは、体内の血液循環を改善させ、血液をサラサラ状態にすることを意味すると共に、血流改善作用とは、指先などの毛細血管の血流量を増大させることを意味する。
このようなヒソップの抽出物の性質を利用した血液流動性改善剤および血流改善剤を提供するものが、請求項1および2に係る本発明である。
すなわち、請求項1に係る本発明は、シソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする血液流動性改善剤を提供するものであり、請求項2に係る本発明は、シソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする血流改善剤を提供するものである。
請求項1に係る本発明の血液流動性改善剤、および請求項2に係る本発明の血流改善剤において、上記ヒソップの抽出物の有効成分としての含有量は、使用目的や抽出の程度によって異なるが、天然物に由来する成分であるため、副作用の心配はなく、厳しく定める必要はない。ここで、上記の抽出例における精製抽出物を用いる場合には、0.1〜100重量%とすることができる。
【0022】
請求項1に係る本発明の血液流動性改善剤、および請求項2に係る本発明の血流改善剤は、食品および飲料の成分として有用であり、これらを提供するのが請求項3および請求項4に係る本発明である。
すなわち、請求項3に係る本発明は、請求項1記載の血液流動性改善剤を添加したことを特徴とする食品または飲料であり、請求項4に係る本発明は、請求項2記載の血流改善剤を添加したことを特徴とする食品または飲料である。
請求項3に係る本発明において、請求項1記載の血液流動性改善剤の添加量は、ヒソップの抽出物の添加量として0.1〜100重量%の範囲で適宜定めることができる。また、請求項4に係る本発明においても、請求項2記載の血流改善剤の添加量は、ヒソップの抽出物の添加量として0.1〜100重量%の範囲で適宜定めることができる。
【0023】
請求項3および請求項4に係る本発明においては、ヒソップの抽出物を、ハム・ソーセージ・かまぼこなどの水産・畜産加工食品、加工乳や発酵乳などの乳製品、パン類、麺類、菓子・スナック類等の食品;清涼飲料、炭酸飲料、乳酸飲料、栄養飲料、茶飲料などの飲料;その他種々の形態の一般食品(飲料)、健康・栄養補助食品(飲料)、保健機能性食品(飲料)等の原料に添加して利用することができる。これらの食品または飲料を製造するに当たり通常用いられる補助的な原料や添加物を利用することができる。
また、ヒソップの植物体としてのヒソップ乾燥葉を熱水抽出していわゆるお茶などの形態とし、これを他のお茶(ハーブ茶など)とブレンドして飲料とすることもできる。この場合、ヒソップの抽出物の熱水に対する添加量は0.1〜100質量%の範囲で適宜定めることができる。
【0024】
一方、請求項1に係る本発明の血液流動性改善剤、および請求項2に係る本発明の血流改善剤は、医薬品および医薬部外品の成分として有用であり、これらを提供するのが請求項5および請求項6に係る本発明である。
すなわち、 請求項5に係る本発明は、請求項1記載の血液流動性改善剤を添加したことを特徴とする医薬品または医薬部外品を提供するものであり、請求項6に係る本発明は、請求項2記載の血流改善剤を添加したことを特徴とする医薬品または医薬部外品を提供するものである。
【0025】
請求項5および6に係る本発明の医薬品または医薬部外品は、経口的に投与されるものとすることができる。ヒソップの抽出物を、医薬用担体と共に製剤化し、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ、液剤、顆粒剤、散剤等の形態で用いることができる。その場合には、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、懸濁化剤、安定化剤、着色料、甘味剤等の常用成分を適宜添加することができる。
【実施例】
【0026】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0027】
製造例〔プロパン−1,2,3−トリオール誘導体を含むヒソップの抽出物の製造〕
ヒソップの葉から、特願2003−050400号明細書に記載されている製造方法に従って、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体を含む抽出物を製造した。
すなわち、ヒソップ乾燥葉3.4kgを80%エタノールを用いて、室温で1週間抽出し、抽出液と残渣を濾紙で分離し、濾液はエバポレーター(R200、SHIBATA製)で減圧濃縮し、得られた濃縮液を酢酸エチルと蒸留水で液液分配し、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体を約10%含む抽出物155.2gを製造し、実施例に供した。
なお、得られた抽出物について、抗酸化活性を次の操作により確認を行った。すなわち、得られた抽出物をエバポレーター等を用いて減圧濃縮後、シリカゲル(Wakogel C-200、和光純薬製)を担体に用いたカラムクロマトグラフィーに供して得られた140gについて、溶剤混合により15画分に分画した。このうち、抗酸化活性を指標として、活性の高い8つの溶出区を減圧・濃縮した。抗酸化活性の測定は、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルの消去能を指標にした方法(Yamaguchi,T.,Takamura,H.,Matoba,T.and Terao,J.,HPLC method for evaluation of the free-radical scavenging activity of foods by using 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl.Biosci.Biotechnol.Biochem.62,1201-1204,1998)で行った。
また、得られた上記精製物について、特願2003−050400号明細書に例示のとおり、α−グルコシダーゼ活性を次の操作により確認を行い、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体が含有することを確認した。すなわち、得られた抽出物をダイアイオンHP-20(三菱化学(株)製)を担体としたカラムクロマトグラフィーに供し、水、含水メタノール溶液(メタノール:水=1:1および7:3)およびメタノールを用いて溶出し、得られた溶出区を減圧・濃縮した。なお、α−グルコシダーゼ阻害活性の測定は、ラット腸アセトンパウダーによりα−グルコシダーゼ活性を指標とした方法(Nishioka,T.,Kawabata,J.and Aoyama,Y.Baicalein,an β-glucosidase inhibitor from Scutellaria baicalensis.J.Nat.Prod.61,1413-1415,1989.;Toda,M.,Kawabata,J.and Kasai,T.Inhibitory effects of ellagi- and gallotannins on rat intestinal α-glucosidase complexes.Biocsci.Biotechnol.Biochem.65,542-547,2001.)で行った。
【0028】
実施例1〔ヒソップの抽出物における血液流動性改善試験〕
製造例に示すヒソップの抽出物の血液流動性改善作用について、毛細血管モデルであるマイクロチャンネルアレイ・フローアナライザー(血液流動性測定装置、MC−FAN、室町製作所製)を用いて、ヒソップの抽出物飲用前後の血液通過時間を測定した。マイクロチャンネルの流路幅は7μmとし、100μlのヘバリン採血血液が通過する時間を測定することで血液流動性の評価を行った。
【0029】
被験者は健常男性7名で、データへの食事等の影響を避けるため、少なくとも食事の2時間以上経過後に、室温(23℃)と湿度(40%)を管理された室内で実験を行った。
実験は、まず、座位安静状態にて肘正中皮静脈より真空採血管を用いてヘパリン採血を行い、上記の血液流動性測定装置を用いて、飲用前の血液について血液流動性を測定した。その後、上記製造例にて製造したヒソップの抽出物を含む飲料水100mlを約1分かけて飲用し、抽出物飲用の30分後に同様に、飲用前と同様にしてヘパリン採血を行い、血液流動性を測定した。
なお、対照として、ヒソップの抽出物の代わりに市販ミネラルウォータを同量飲用し、同様に飲用前後の血液流動性を測定した。
ヒソップの抽出物飲用前後、並びに対照であるミネラルウォータ飲用前後の血液流動性は、表1に示すとおりである。なお、表中の*印は統計学的有意差(P<0.05)を表している。
【0030】
【表1】

【0031】
表1から明らかなように、対照としてミネラルウォータを飲用した場合の血液流動性は、飲用前後でそれぞれ約45秒、約47秒と変化が認められなかったのに対し、ヒソップの抽出物を飲用した場合は、飲用前約47秒であったのに対し、飲用後は約40秒にまで減少し、有意な血液流動性の亢進が認められた。
実施例1の結果から、ヒソップの抽出物を摂取することにより血液流動性の亢進あるいは改善作用が示されること、すなわち、いわゆる血液サラサラ状態を実現することが可能であることが明らかとなった。
【0032】
実施例2〔ヒソップの抽出物における手・足皮膚表面温度改善試験〕
製造例に示すヒソップの抽出物の皮膚温度改善効果について、デジタル式放射温度計(DP−5000,ホリバ)を用いて、ヒソップの抽出物飲用前後の皮膚表面温度を経時的に測定することで評価を行った。
【0033】
被験者は、女性10名で、普段から手足が冷たいと感じ、自分は冷え性であると自覚している女性(冷え性自覚被験者)4名と冷え性自覚のない女性(健常被験者)6名から構成される。データへの食事等の影響を避けるため、少なくとも食事の2時間以上経過後に、室温(23℃)と湿度(40%)を管理された室内で実験を行った。
実験は、最初に30分間の座位安静状態にて緊張感や悪寒等のないことを確認した上で、被験者各1名づつ、上記製造例にて製造したヒソップの抽出物を含む飲料水100mlを約1分かけて飲用し、飲用前、飲用から10分後、30分後および60分後、安静状態で上記のデジタル式放射温度計を用いて経時的に測定した。皮膚表面温度の測定部位は、手に関しては指先(左手中指第一から第二関節部)および手の甲、足に関しては足の甲とした。
対照として、ヒソップの抽出物の代わりにミネラルウォータを同量飲用し、同様に皮膚表面温度を測定した。
まず、ヒソップの抽出物並びに対照であるミネラルウォータ飲用前、飲用後10分、30分、60分の各時点における冷え性自覚被験者の手の指先の皮膚表面温度を、表2および図1に示す。
【0034】
【表2】


単位:℃
【0035】
表2および図1から明らかなように、冷え性自覚被験者の手の指先の皮膚表面温度に関し、対照としてミネラルウォータを飲用した場合は、飲用前後で顕著な温度変化は認められなかったのに対し、ヒソップの抽出物を飲用した場合は、飲用前は約22℃前後と冷たさを感じる温度であったのに対し、飲用10分後から表面温度は上昇し、60分後では約26℃まで上昇した。
次に、ヒソップの抽出物並びに対照であるミネラルウォータ飲用前、飲用後10分、30分、60分の各時点における健常被験者の手の指先の皮膚表面温度を、表3および図2に示す。
【0036】
【表3】


単位:℃
【0037】
表3および図2から明らかなように、健常被験者の手の指先の皮膚表面温度に関し、対照としてミネラルウォータを飲用した場合およびヒソップの抽出物を飲用した場合と共に、飲用前後で顕著な変化は見られず、体温に近い34℃前後を示していた。
次に、ヒソップの抽出物並びに対照であるミネラルウォータ飲用前、飲用後10分、30分、60分の各時点における冷え性自覚被験者の手の甲の皮膚表面温度を、表4および図3に示す。
【0038】
【表4】


単位:℃
【0039】
表4および図3から明らかなように、冷え性自覚被験者の手の甲における皮膚表面温度に関し、対照としてミネラルウォータを飲用した場合は、飲用前後で顕著な温度変化は認められなかったのに対し、ヒソップの抽出物を飲用した場合は、飲用前は約25℃であったのに対し、飲用10分後から表面温度は上昇し、60分後では約27℃まで上昇した。
次に、ヒソップの抽出物並びに対照であるミネラルウォータ飲用前、飲用後10分、30分、60分の各時点における冷え性自覚被験者の足の甲の皮膚表面温度を、表5および図4に示す。
【0040】
【表5】


単位:℃
【0041】
表5および図4から明らかなように、冷え性自覚被験者の足の甲における皮膚表面温度に関し、対照としてミネラルウォータを飲用した場合は、飲用前後で約1.5℃の温度上昇が認められたに留まり、顕著な温度変化は認められなかったのに対し、ヒソップの抽出物を飲用した場合は、飲用前は約26℃であったのに対し、飲用10分後から表面温度は上昇し、60分後では約30℃まで上昇した。
【0042】
以上の実施例2の結果から、ヒソップの抽出物を摂取することにより、冷え性自覚被験者の手や足の皮膚温度を上昇させて顕著な冷え性改善効果を実現可能であることが明らかとなった。
【0043】
実施例3〔ヒソップの抽出物における血流改善試験〕
製造例に示すヒソップの抽出物の血流改善作用について、デジタルレーザー血流計(CyberMed CDF-2000、オー・エイ・エス株式会社製)を用いて、ヒソップの抽出物飲用前後の手足の血流量を経時的に測定することで評価を行った。
【0044】
被験者は、女性10名で、普段から手足が冷たいと感じ、自分は冷え性であると自覚している女性(冷え性自覚被験者)4名と冷え性の自覚のない女性(健常被験者)6名から構成される。データへの食事等の影響を避けるため、少なくとも食事の2時間以上経過後に、室温(23℃)と湿度(40%)を管理された室内で実験を行った。
実験は、最初に30分間の座位安静状態にて緊張感や悪寒等のないことを確認した上で、被験者各1名づつ、上記製造例にて製造したヒソップの抽出物を含む飲料水100mlを約1分かけて飲用し、飲用前、飲用から10分後、30分後および60分後、安静状態で上記のデジタル式放射温度計を用いて経時的に測定した。皮膚表面温度の測定部位は、手に関しては指先(左手中指第一から第二関節部)、足に関しては足の甲とした。
対照として、ヒソップの抽出物の代わりにミネラルウォータを同量飲用し、同様に皮膚表面温度を測定した。
まず、ヒソップの抽出物並びに対照であるミネラルウォータ飲用前、飲用後10分、30分、60分の各時点における冷え性自覚被験者の手の指先の血流量を、表6および図5に示す。
【0045】
【表6】


単位:ml/分
【0046】
表6および図5から明らかなように、冷え性自覚被験者の手の指先の血流量に関し、対照としてミネラルウォータを飲用した場合は、飲用前後で顕著な血流量変化は認められなかったのに対し、ヒソップの抽出物を飲用した場合は、飲用前は約23ml/minであったのに対し、飲用10分後から血流量は増大し、10分後には約49ml/min、60分後には約45ml/minを示した。
次に、ヒソップの抽出物並びに対照であるミネラルウォータ飲用前、飲用後10分、30分、60分の各時点における健常被験者の手の指先の血流量を、表7および図6に示す。
【0047】
【表7】


単位:ml/分
【0048】
表7および図6から明らかなように、健常被験者の手の指先の血流量に関し、対照としてミネラルウォータを飲用した場合は、冷え性自覚被験者に比較して約2倍の血流量が示されたが、飲用前後で顕著な変化は見られなかった。これに対し、ヒソップの抽出物を飲用した場合は、飲用前は約53ml/minであったのに対し、飲用10分後から血流量は増大し、10分後には約70ml/min前後を示し、その後も高い値が維持された。
次に、ヒソップの抽出物並びに対照であるミネラルウォータ飲用前、飲用後10分、30分、60分の各時点における冷え性自覚被験者の足の甲の血流量を、表8および図7に示す。
【0049】
【表8】


単位:ml/分
【0050】
表8および図7から明らかなように、冷え性自覚被験者の足の甲における血流量に関し、対照としてミネラルウォータを飲用した場合は、飲用前後で顕著な変化は認められなかったのに対し、ヒソップの抽出物を飲用した場合は、飲用前は約4ml/minであったのに対し、飲用10分後から表面温度は約25ml/minまで上昇し、顕著な血流量改善効果が認められたが、60分後には約7ml/min前後に減少した。
【0051】
以上の実施例3の結果から、ヒソップの抽出物を摂取することにより、冷え性自覚被験者の手や足の血流量を改善させて、顕著な冷え性改善効果を実現可能であると共に、健常人においても血流量を改善する効果があることが明らかとなった。
【0052】
このように、ヒソップの抽出物は、体内の血液循環を改善させ、血液をサラサラ状態にする(血液流動性改善作用)と共に、指先などの毛細血管の血流量を増大させ(血流改善作用)、その結果代謝の活性化とともに、手・足皮膚表面体温の上昇をもたらすものである。
従って、係るヒソップの抽出物を含有する本発明の血液流動性改善剤は、血液流動性改善剤として微小血管や動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞等における血管の障害時、あるいはこれら生活習慣病の予防および治療に有効であることが証明された。また、係るヒソップの抽出物を含有する本発明の血流改善剤は、抽出物をさらに血流改善剤として冷え性をはじめ、血行不良等が引き金となって現れる肩こりや腰痛などの諸症状に対する改善効果を有することが証明された。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、高脂血症、糖尿病、肥満、高血圧、喫煙など様々な病状等が要因となって引き起こされる血液流動性の低下を改善させることができると共に、体内の血液循環、特に指先等の毛細血管や血管狭窄部位、あるいは脳血管など末梢血管における血流を亢進させ血液循環悪化の改善、予防に資することができる新規の血液流動性改善剤および血流改善剤が提供される。
また、本発明の血液流動性改善剤および血流改善剤は、天然物であるヒソップ由来のヒソップの抽出物を含有することから、安全、かつ安心した摂取が可能であり、様々な食品、飲料の他、医薬品、医薬部外品等に広く応用され、生活習慣病等の予防や国民の健康の維持・増進により国民生活の向上に資することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】ヒソップの抽出物並びにミネラルウォータ飲用前後の各時点における冷え性自覚被験者の手の指先の皮膚表面温度を示す図である。
【図2】ヒソップの抽出物並びにミネラルウォータ飲用前後の各時点における健常被験者の手の指先の皮膚表面温度を示す図である。
【図3】ヒソップの抽出物並びにミネラルウォータ飲用前後の各時点における冷え性自覚被験者の手の甲の皮膚表面温度を示す図である。
【図4】ヒソップの抽出物並びにミネラルウォータ飲用前後の各時点における冷え性自覚被験者の足の甲の皮膚表面温度を示す図である。
【図5】ヒソップの抽出物並びにミネラルウォータ飲用前後の各時点における冷え性自覚被験者の手の甲の血流量を示す図である。
【図6】ヒソップの抽出物並びにミネラルウォータ飲用前後の各時点における健常被験者の手の甲の血流量を示す図である。
【図7】ヒソップの抽出物並びにミネラルウォータ飲用前後の各時点における冷え性自覚被験者の足の甲の血流量を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする血液流動性改善剤。
【請求項2】
シソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする血流改善剤。
【請求項3】
請求項1記載の血液流動性改善剤を添加したことを特徴とする食品または飲料。
【請求項4】
請求項2記載の血流改善剤を添加したことを特徴とする食品または飲料。
【請求項5】
請求項1記載の血液流動性改善剤を添加したことを特徴とする医薬品または医薬部外品。
【請求項6】
請求項2記載の血流改善剤を添加したことを特徴とする医薬品または医薬部外品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−8575(P2006−8575A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187189(P2004−187189)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】