説明

ヒトのHIV感染に対して抵抗性のバイオマーカーおよびその生物学的適用

本発明は、ホルミルペプチドレセプタ(FRP)レセプタファミリーおよびホルミルペプチドレセプタ様1(FPRL1)の1以上のアゴニストの、ヒトの感染に対して抵抗性のバイオマーカーとしての使用に関する。前記バイオマーカーは、診断、予防および治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの感染に対して抵抗性のバイオマーカーおよびその生物学的適用、詳細には、診断、予防および治療における適用に関する。
【0002】
本発明は、一般的には病原体に起因する感染、特にはウイルスおよびレトロウイルスに起因する感染、より特定的にはHIV感染に対して抵抗性のバイオマーカーに関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのウイルス性疾患、特に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる後天性免疫不全症候群(AIDS)が20世紀の終わりに現れた。その発見以来20年以上を経ても、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の流行病は、全世界において、依然として、健康上、社会上および経済上の理由のために主要な負担になっている。2002年中、約310万の死が記録される一方で、約500万の新たな感染ケースが記録された。世界中で4千万を超える人が感染し、このウイルスの広がりを防止するため、並びに、現在の治療法を改善するための薬剤を見出すことが緊急に必要である。今日まで、宿主の遺伝子レパートリ、先天性および後天性の免疫応答、ウイルスの突然変異または弱毒化の全てが、より高いまたはより低い感染に対する個々の感受性を説明するために求められた。ヒト免疫不全ウイルスのターゲット細胞への取り込みのメカニズムを理解する際に多くの進歩がなされた。ウイルスのコレセプターの識別およびそのレセプタに結合させられるウイルスのエンベロープタンパク質(Env)の構造等のランドマークとなる発見は、いかにEnVがウイルスおよび細胞膜の融合を媒介するかの重要な見識を図1に記載されるように提供した。
【0004】
反復してHIV露出に遭っているにも拘わらず感染から多少は「免れる」人もいること、並びに、HIVに感染した人の中に疾患の進行が極めて遅い人もいることは、天然のHIV抵抗の基礎をなすメカニズムを解明するための有益な手掛かりを提示する。著しいことに、両方のこのような集団、いわゆる露出血清反応陰性(Exposed Seronegative:ESN)、露出非感染(Exposed Uninfected:EU)および緩慢進行(Slow Progressors:SP)、長期進行(Long Term Progressors:LTP)の各個人は、共通の免疫応答、例えば、共通のターゲットに対抗する生じさせられた中和性抗体の発生を有しており、これは、ウイルスの取り込みおよび/または広がりにおいて防御的な役割を果たし得る。
【0005】
1989年に、Rankiによる論文に、奇妙な現象が記載された:HIV特異的T細胞のHIV、未変性gp(グリコプロテイン)120および組み換えエンベロープおよびコアタンパク質に対する応答が、既知のHIV陽性の男性の抗体陰性および抗原陰性の性パートナーにおいて検出され得たというものである(1,非特許文献1)。2つの他の報告は、当該初期の観測結果を確認し、その著者は、セロコンバージョンおよび感染をもたらさないHIVへの露出がヘルパーTリンパ球の排他的初回刺激と関連する可能性を提起した(2,3,非特許文献2〜3)。親からHIVに露出されたヘルスケアワーカー、およびHIV感染した母親の健康な新生児を含む、HIV感染のリスクが高い異なる個人の集団において行われた分析が示したことは、抗体ではなくHIV特異的ヘルパーT細胞が全ての対象に存在したことである(4,非特許文献4)。これらの観測結果は、HIV特異的ヘルパーT細胞の排他的初回刺激に至るウイルス露出が実際のHIV感染に対する防御に関連し得るという仮説につながった。この仮説は、ナイロビの3の商業的性従業者(Pumwanniの集団)によって大幅に強化され(5,非特許文献5)、自ら売春婦をし始めた大部分の女性が1年以内にHIV感染したが、感染に対して明らかに抵抗性である者が少数ながら比較的多数にのぼった(試験された個人の約15%であると後に推定された)ことによって明らかに証明された。2)Sarah Rowland-Jonesは、HIV感染した母親の健康な新生児の中にHIV特異的CTLが存在することを示した(6,非特許文献6)。これらの新生児中のHIV特異的IFNα分泌CD8 Tリンパ球の検出は、セロコンバージョンに関連しないHIV露出が実際の不発感染と関連することおよび生きている複製しているウイルスが実際に特異的な免疫の刺激の原因となっていることを認識する転換点であった。事実、実際のウイルス感染によってのみ、HLAクラスI分子に関連するウイルス抗原の提示およびCD8媒介免疫応答の惹起をもたらす。(はるか後に、この設定での細胞媒介型免疫の防御的役割は、所定期間にわたり商業的性労働を中断したケニヤ人のHIV抵抗性の性労働者において生ずる遅発性のセロコンバージョンが、低減した抗原露出に起因するHIV特異的CD8+応答の低減に関係するという観測結果によってさらに補強された)(7,非特許文献7)。3)感染に至らない用量のSIVにサル(macaque)がインビボで露出され、このサルにおいて、SIV特異的ヘルパーT細胞が検出された実験により、同一ウイルスの感染用量による次の挑戦に対する防御が証明された(8,非特許文献8)(これらの結果は、他の探索研究者によって明確に確認されたわけではない)。
【0006】
HIV感染に対する防御の免疫相関物の調査分野が生じた。続いて、極めて重要な報告が示したことは、HIVに露出されたが感染しなかった人では、1)CCR5レセプタにおける0.32の欠損によって表される特定の遺伝子的な背景(9,非特許文献9)が存在し得ること(10−12,非特許文献10〜12);2)細胞抗ウイルス因子(CAF)を含む可溶性の因子の産生(13、14,非特許文献13−14)、ベータ・ケモカインおよびアルファ・デフェンシン(15,非特許文献15)が増加すること(16−18,非特許文献16〜18)、3)分泌性HIV特異的IgAおよびヘルパーTおよびCTLが子宮頚膣流体物および射精物において検出され得ること(19−22,非特許文献19−22)、4)NK細胞の活性が特に強力であること(23,非特許文献23)である。このため、血清反応陰性の人におけるHIV特異的ヘルパーT細胞の検出の最初の記載から15年後に、HIV感染に対する可能な抵抗性は、おそらく良好な遺伝子的かつ天然の免疫設定の範囲内で、全身の粘膜細胞媒介免疫および粘膜に閉じ込められたIgAの惹起と相関していると要約され得る。
【0007】
【表1】

【0008】
【非特許文献1】ランキ・エイ(Ranki, A)、マッチネン・エス(Mattinen, S)、ヤーコーン・アール(Yarchoan, R)、ブローダー・エス(Broder, S)、ゲラエブ・ジェイ(Ghrayeb, J.)、ラーデビルタ・ジェイ(Lahdevirta, J)、クローン・ケイ(Krohn,K)著,「T-cell response towards HIV in infected individuals with and without zidovudine therapy, and in HIV-exposed sexual partners」,Aids,1989年,第3巻,p.63−69
【非特許文献2】クレリシ・エム(Clerici, M)、ベルゾフスキー・ジェイ・エイ(Berzofsky, J.A)、シェアラー・ジー・エム(Shearer, G.M)、タケット・シー・オー(Tacket, C.O)著,「Exposure to human immunodeficiency virus (HIV) type I indicated by HIV-specific T helper cell responses before detection of infection by polymerase chain reaction and serum antibodies [corrected]」,1991年,J Infect Dis,第164巻,p.178−182
【非特許文献3】クレリシ・エム(Clerici, M)、ジオルジ・ジェイ・ブイ(Giorgi, J.V.)、チョウ・シー・シー(Chou, C.C)、ゲードマン・ブイ・ケイ(Gudeman, V.K)、ザック・ジェイ・エイ(Zack, J.A)、グプタ・ピー(Gupta, P)、ホ・エイチ・エヌ(Ho, H.N)、ニシャニアン・ピー・ジー(Nishanian, P.G)、ベロゾフスキー・ジェイ・エイ(Berzofsky, J.A)、シェアラー・ジー・エム(Shearer, G.M),「Cell-mediated immune response to human immunodeficiency virus (HIV) type 1 in seronegative homosexual men with recent sexual exposure to HIV-1」,1992年,J Infect Dis,第165巻,p.1012−1019
【非特許文献4】クレリシ・エム(Clerici, M)、レビン・ジェイ・エム(Levin, J.M)、ケセル・エイチ・エイ(Kessler, H.A)、ベロゾフスキー・ジェイ・エイ(Berzofsky, J.A)、ランデイ・エイ・エル(Landay, A.L)、シェアラー・ジー・エム(Shearer, G.M),「HIV-specific T-helper activity in seronegative health care workers exposed to contaminated blood」,1994年,Jama,第271巻,p.42−46
【非特許文献5】ホウク・ケイ・アール(Fowke, K.R)、ナゲルケルケ・エヌ・ジェイ(Nagelkerke, N.J.)、キマニ・ジェイ(Kimani, J.)、シモネセン・ジェイ・エヌ(Simonsen, J.N.)、アンザラ・エイ・オー(Anzala, A.O)、ブワヨ・ジェイ・ジェイ(Bwayo, J.J.)、マクドナルド・ケイ・エス(MacDonald, K.S)、ヌグギ・イー・エヌ(Ngugi, E.N.)、プラマー・エフ・エイ(Plummer, F.A.)著,「Resistance to HIV-1 infection among persistently seronegative prostitutes in Nairobi, Kenya」,1996年,Lancet,第348巻,p.1347−1351
【非特許文献6】ローランド−ジョーンズ・エス(Rowland-Jones, S)、サットン・ジェイ(Sutton, J.)、アリヨシ・ケイ(Ariyoshi, K)、ドン・ティー(Dong, T.)、ゴッチ・エフ(Gotch, F.)、マクアダム・エス(McAdam, S.)、ウィトビー・ディー(Whitby, D.)、サバリー・エス(Sabally, S.)、ギルモア・エイ(Gallimore, A.)、コラー・ティー(Corrah, T)著,「HIV-specific cytotoxic Tcells in HIV-exposed but uninfected Gambian women」,1995年,Nat Med,第1巻,p.59−64
【非特許文献7】カウル・アール(Kaul, R)、ローランド−ジョーンズ・エス・エル(Rowland-Jones, S.L.)、キマニ・ジェイ(Kimani, J)、ドン・ティー(Dong, T.)、ヤン・エイチ・ビー(Yang, H.B.)、キアマ・ピー(Kiama, P.)、ロストロン・ティー(Rostron, T.),ニジャビ・イー(Njagi, E)、ブワヨ・ジェイ・ジェイ(Bwayo, J.J)、マクドナルド・ケイ・エス(MacDonald, K.S.)、 マクマイケル・エイ・ジェイ(McMichael, A.J)、プラマー・エフ・エイ(Plummer, F.A.)著,「Late seroconversion in HIV-resistant Nairobi prostitutes despite pre-existing HIVspecific CD8+ responses.」2001年,J Clin Invest,第107巻,p.341−349
【非特許文献8】クレリシ・エム(Clerici, M)、クラーク・イー・エイ(Clark, E.A)、ポラシノ・ピー(Polacino, P)、アクセベルグ・アイ(Axberg, I)、クラー・エル(Kuller, L)、カセイ・エヌ・アイ(Casey, N.I.)、モルトン・ダブリュー・アール(Morton, W.R)、シエラ・ジー・エム(Shearer, G.M.)、ベンベニステ・アール・イー(Benveniste, R.E),「T-cell proliferation to subinfectious SIV correlates with lack of infection after challenge of macaques」,1994年,Aids,第8巻,p.1391−1395
【非特許文献9】サムソン・エム(Samson, M.)、リベルト・エフ(Libert, F.)、ドランツ・ビー・ジェイ(Doranz, B.J.)、ルッカー・ジェイ(Rucker, J.)、リエスナルド・シー(Liesnard, C.)、ファーバー・シー・エム(Farber, C.M.)、サラゴスチ・エス(Saragosti,S.)、ラポウメローリ・シー(Lapoumeroulie, C.)、コグノクス・ジェイ(Cognaux, J.)、フォレセイル・シー(Forceille, C.)、ムイルデルマンス・ジー(Muyldermans, G)、ベルホステッド・シー(Verhofstede, C.)、バートンボーイ・ジー(Burtonboy, G.)、ゲオルゲス・エム(Georges, M.)、イマイ・ティー(Imai, T)、ラナ・エス(Rana, S)、イ・ワイ(Yi, Y.)、シムス・アール・ジェイ(Smyth, R.J.)、コールマン・アール・ジー(Collman, R.G.)、ドンズ・アール・ダブリュー(Doms, R.W.)、バサート・ジー(Vassart, G.)、パーメンティア・エム(Parmentier, M.)著,「Resistance to HIV-1 infection in caucasian individuals bearing mutant alleles of the CCR-5 chemokine receptor gene.」,1996年,Nature,第382巻,p.722−725
【非特許文献10】コストリキス・エル・ジー(Kostrikis, L.G.)、ハン・ワイ(Huang, Y.)、モーレ・ジェイ・ピー(Moore, J.P)、ウォーレンスキー・エス・エム(Wolinsky, S.M.)、チャン・エル(Zhang, L.)、グオ・ワイ(Guo, Y.)、ドイツ・エル(Deutsch,L.)、フェア・ジェイ(Phair, J.)、ノイマン・エイ・ユー(Neumann, A.U)、ホ・ディー・ディー(Ho, D.D.)著,「A chemokine receptor CCR2 allele delays HIV-1 disease progression and is associated with a CCR5 promoter mutation.」,1998年,Nat Med,第4巻,p.350−353
【非特許文献11】パクストン・エイチ(Paxton, H.)、ピンス・エム(Pins, M.)、デントン・ジー(Denton, G.)、マクゴングル・エイ・ディー(McGonigle, A.D.)、メイスナー・ピー・エス(Meisner, P.S.)、ハイル・ジェイ・ピー(Phair, J.P.)著,「Comparison of CD4 cell count by a simple enzyme-linked immunosorbent assay using the TRAx CD4 test kit and by flow cytometry and hematology.」,1995年,Clin Diagn Lab Immunol,第11巻,p.104−114
【非特許文献12】キレント・シー(Quillent, C.)、オバーリン・イー(Oberlin, E.)、ブラウン・ジェイ(Braun, J.)、ロウセット・ディー(Rousset, D.)、ゴンザレス−カナリ・ジー(Gonzalez-Canali, G.)、メタイス・ピー(Metais, P.)、モンタグニア・エル(Montagnier, L.)、ビアリチア・ジェイ・エル(Virelizier, J.L.)、アレンザナ−セイスデドス・エフ(Arenzana-Seisdedos, F.)、ベレッタ・エイ(Beretta, A.)著,「HIV-1-resistance phenotype conferred by combination of two separate inherited mutations of CCR5 gene.」,1998年,Lancet,第351巻,p.14−18
【非特許文献13】ヒュシェ・エフ・ダブリュー(Hsueh, F.W.)、ウォーカー・シー・エム(Walker, C.M.)、ブラックボーン・ディー・ジェイ(Blackbourn, D.J.)、レビー・ジェイ・エイ(Levy, J.A.)著,「Suppression of HIV replication by CD8+ cell clones derived from HIV-infected and uninfected individuals」,1996年,Cell Immunol,第159巻,p.271−279
【非特許文献14】マクケビック・シー・イー(Mackewicz, C.E.)、ブラックボーン・ディー・ジェイ(Blackbourn, D.J.)、レビー・ジェイ・エイ(Levy, J.A.)著,「CD8+ T cells suppress human immunodeficiency virus replication by inhibiting viral transcription.」,1995年,Proc Natl Acad Sci U S A,第92巻,p.2308−2312
【非特許文献15】トラバットニ・ディー(Trabattoni, D.)、カプト・エス・エル(Caputo, S.L.)、マフェイス・ジー(Maffeis, G.)、ビッチ・エフ(Vichi, F.)、ビアシン・エム(Biasin, M.)、ピエロッティ・ピー(Pierotti, P.)、ファサーノ・エフ(Fasano, F.)、サレセッラ・エム(Saresella, M)、フランキーニ・エム(Franchini, M.)、フェランテ・ピー(Ferrante, P.)、マゾッタ・エフ(Mazzotta, F.)、クレリチ・エム(Clerici, M.)著,「Human alpha Defensin in HIV-Exposed But Uninfected Individuals.」,2004年,J Acquir Immune Defic Syndr,第35巻,p.455−463
【非特許文献16】ストランフォード・エス・エイ(Stranford, S.A.)、スカーニック・ジェイ(Skurnick, J.)、ロウリア・ディー(Louria, D.)、オスモンド・ディー(Osmond, D.)、チャン・エス・ワイ(Chang, S.Y.)、スニスキー・ジェイ(Sninsky, J.)、フェラーリ・ジー(Ferrari, G.)、ワインホウルド・ケイ(Weinhold, K.)、リンドクイスト・シー(Lindquist, C.)、レビー・ジェイ・エイ(Levy, J.A.)著,「Lack of infection in HIVexposed individuals is associated with a strong CD8(+) cell noncytotoxic anti-HIV response.」,1999年,Proc Natl Acad Sci U S A,第96巻,p.1030−1035
【非特許文献17】レビー・ジェイ・エイ(Levy, J.A.)、マクケビック・シー・イー(Mackewicz, C.E.)、バーカー・イー(Barker, E.)著,「Controlling HIV pathogenesis: the role of the noncytotoxic anti-HIV response of CD8+ T cells.」,1996年,Immunol Today,第17巻,p.217−224
【非特許文献18】フルチ・エル(Furci, L.)、スカラッチ・ジー(Scarlatti, G.)、ブラステロ・エス(Burastero, S.)、タンブッシ・ジー(Tambussi, G.)、コログネシ・シー(Colognesi, C.)、キレント・シー(Quillent, C.)、ロンギ・アール(Longhi, R.)、ロベッロ・ピー(Loverro, P.)、ボゴノボ・ビー(Borgonovo, B.)、ガッフィ・ディー(Gaffi, D.)、カロウ・イー(Carrow, E.)、マルナチ・エム(Malnati, M.)、ルッソ・ピー(Lusso, P.)、シカルディ・エイ・ジー(Siccardi, A.G.)、ラザリン・エイ(Lazzarin, A.)、ベレッタ・エイ(Beretta, A.)著,「Antigen-driven C-C chemokinemediated HIV-1 suppression by CD4(+) T cells from exposed uninfected individuals expressing the wild-type CCR-5 allele.」,1997年,J Exp Med,第186巻,p.455−460
【非特許文献19】リゼング・キュー(Lizeng, Q.)、ニルソン・シー(Nilsson, C.)、ソウリアル・エス(Sourial, S.)、アンダーソン・エス(Andersson, S.)、ラーセン・オー(Larsen, O.)、アーバイ・ピー(Aaby, P.)、エーンルント・エム(Ehnlund, M.)、ブジョリンク・イー(Bjorling, E.)著,「Potent neutralizing serum immunoglobulin A (IgA) in human immunodeficiency virus type 2-exposed IgG-seronegative individuals.」,2004年,J Virol,第78巻,p.7016−7022
【非特許文献20】マゾーリ・エス(Mazzoli, S.)、トラバットーニ・ディー(Trabattoni, D.)、ロカプート・エス(Lo Caputo, S.)、ピコーニ・エス(Piconi, S.)、ブレ・シー(Ble, C.)、メアッシ・エフ(Meacci, F.)、ルザンテ・エス(Ruzzante,S.)、サルビ・エイ(Salvi, A.)センピシ・エフ(Semplici, F.)、ロンギ・アール(Longhi, R.)、フシ・エム・エル(Fusi, M.L.)、トファニ・エヌ(Tofani, N.)、ビアシン・エム(Biasin, M.)、ビア・エム・エル(Villa, M.L.)マゾッタ・エフ(Mazzotta, F.)、クレリシ・エム(Clerici, M.)著,「HIV-specific mucosal and cellular immunity in HIVseronegative partners of HIV-seropositive individuals.」,1997年,Nat Med,第3巻,p.1250−1257
【非特許文献21】ベイラー・シー(Beyrer, C.)、アーテンスタイン・エイ・ダブリュー(Artenstein, A.W.)、ルグパオ・エス(Rugpao, S.)、ステフェンズ・エイチ(Stephens, H.)、バンコット・ティー・シー(VanCott, T.C.)、ロブ・エム・エル(Robb, M.L.)、リンコウ・エム(Rinkaew, M.)、ビルクス・ディー・エル(Birx, D.L.)、カームブーンラング・シー(Khamboonruang, C.)、ジマー・ピー・エイ(Zimmerman, P.A.)、ネルソン・ケイ・イー(Nelson, K.E.)、ナトプラタン・シー(Natpratan, C.)著,「Epidemiologic and biologic characterization of a cohort of human immunodeficiency virus type 1 highly exposed, persistently seronegative female sex workers in northern Thailand. Chiang Mai HEPS Working Group.」,1999年,J Infect Dis,第179巻,p.59−67
【非特許文献22】ベルク・エル(Belec, L.)、ガイス・ピー・ディー(Ghys, P.D.)、ホキニ・エイチ(Hocini, H.)、ヌケヌガソング・ジェイ・エヌ(Nkengasong, J.N.)、トランコート−ディアロウ・ジェイ(Tranchot-Diallo, J.)、ディアロウ・エム・オー(Diallo, M.O.)、エッチグネ−トラオレ・ブイ(Ettiegne-Traore, V.)、マウリス・シー(Maurice, C.)、ベッカート・ピー(Becquart, P.)、マッタ・エム(Matta, M.)、シ−モハムト・エイ(Si-Mohamed, A.)、チョモント・エヌ(Chomont,N.)、コウリバリ・アイ・エム(Coulibaly, I.M.)、ウィクトー・エス・ゼット(Wiktor, S.Z)、カザッチキネ・エム・ディー(Kazatchkine, M.D.),「Cervicovaginal secretory antibodies to human immunodeficiency virus type 1 (HIV-1) that block viral transcytosis through tight epithelial barriers in highly exposed HIV-1-seronegativ African women.」,2001年,J Infect Dis,第184巻,p.1412−1422
【非特許文献23】スコット−アルガラ・ディー(Scott-Algara)、トルオング・エル・エックス(Truong, L.X.)、ベルスミッセ・ピー(Versmisse, P.)、デデビット・エイ(David, A.)、ルオング・ティー・ティー(Luong, T.T.)、ヌグイエン・エヌ・ブイ(Nguyen, N.V.)、セオドロウ・アイ(Theodorou, I.)、バレ−シノウッシ・エフ(Barre-Sinoussi)、パンシノ・ジー(Pancino, G.)著,「Cutting edge: increased NK cell activity in HIV-1-exposed but uninfected Vietnamese intravascular drug users.」,2003年,J Immunol,第171巻,p.5663−5667
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
HIV感染に対する天然の抵抗性のメカニズムの理解は、抗ウイルスの新規な戦略の識別、特には、革新的な診断法、治療法およびワクチン設計の開発の意味合いを持つかもしれない。
【0010】
本発明者らは、HIVに露出されたが未感染の人(EU)、HIVに露出されかつ感染した人(HIV+)および健康なドナー(HC)からのタンパク質のプロファイル(プロテオーム)およびゲノム発現(トランスクリプトーム)に関する研究を比較し、HIV感染に対する抵抗メカニズムを説明し得るEUからのバイオマーカーを識別した。
【0011】
本発明者らは、ウイルス抵抗性に関係するタンパク質の誘導の原因となるらしいキーとなるサイトカインを識別した。
【0012】
本発明者らはまた、別のサイトカインが研究された集団の中で多形性を示し、EUの中で特定のパターンを示すことを見出した。次いで、他の等価物も、FRRまたはFPRL1レセプタについてのそれらの作用によってHIV抵抗性プロセスおよび続くCCR5またはCXCR4 HIVコレセプタの多形性に関与するようである。次いで、これらのサイトカインの組み合わせは、ウイルス感染の遮断に間接的に関与する要素であると考えられた。個々におよび組み合わせて、それらはまた、HIV抵抗メカニズムに関与するようである。
【0013】
そこで、本発明の目的は、このようなサイトカインおよびその誘導されたカスケードのタンパク質を含む、HIV感染に対して抵抗性のバイオマーカーを提供することにある。
【0014】
別の目的によると、本発明は、前記サイトカインおよびそれらが誘導したカスケードのタンパク質の個々にまたは組み合わせての使用を含む、診断、予防および治療に有用な新しいツールを提供することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明は、ホルミルペプチドレセプタ(Formyl peptide receptor:FPR)のレセプタファミリーおよびホルミルペプチドレセプタ様1(Formyl peptide receptors-like 1:FRPL1)の1以上のアゴニストの、ヒトのHIV感染に対して抵抗性のバイオマーカーとしての使用に関する。より詳細には、前記アゴニストは、可溶性のSAA、WKYMWVmペプチド、細菌走化性ペプチドfMLFおよび約8.6kDaのそのフラグメントを含む群から選択される。
【0016】
本発明は、より具体的には、IL−22、Jack/STAT経路、SOCS3、ベータデフェンシン(2および3)および急性期アポリポタンパク質血清アミロイドAcまたはA−SAAまたはそのフラグメント、IL−8サイトカインおよびその等価体を含む少なくとも1種の先天性免疫応答タンパク質の、VIH感染に対して抵抗性のバイオマーカーとしての使用に関する。
【0017】
有利には、バイオマーカーは、IL−22および/またはSOCS1および/またはSTAT3および/または血漿においてSELDI−TOFによって識別される約8.6kDaの可溶性タンパク質および/またはIL−8およびその等価体を含む群から選択される。
【0018】
本発明はまた、リン酸化されたSTATおよび/またはSOCSタンパク質の使用に関する。
【0019】
あるいはおよび/または加えて、本発明は、GRO−α、MIP−3β、SDF1−βおよびガンマケモカイン・リンフォタクチン(lymphotactin)およびその等価体を含む群から選択されるケモカインの、バイオマーカーとしての使用に関する。
【0020】
前記タンパク質は、HIV感染に対して抵抗性のバイオマーカーとしてのそれらの性質の観点から生物学的な適用において非常に有用である。特に、それらは、診断、治療および予防において非常に興味深い。
【0021】
このように、本発明は、前記タンパク質を使用することを含む診断ツールとしてのそれらの使用にも関する。
【0022】
本発明はまた、病原体に起因するあらゆる感染、特にウイルスまたはレトロウイルス感染、特定的にはHIV感染を予防または治療するための医薬組成物に関する。
【0023】
このような組成物は、バイオマーカーとして定義された上記タンパク質の少なくとも1種の有効量を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含む。
【0024】
好ましい医薬組成物は、IL−22、Jack/STAT経路、SOCS3、ベータ・デフェンシン(2および3)および急性期アポリポタンパク質血清アミロイドAcまたはA−SAAまたはそのフラグメント、IL−8サイトカインおよびその等価体を含むカスケードの1以上のタンパク質の有効量を、薬学的に不活性な賦形剤と組み合わせて含む。
【0025】
本発明の医薬組成物は、有利には、経口、筋肉内、静脈内または粘膜ルートによる投与用に調製される。
【0026】
経口投与用に、それらは、錠剤、丸剤、カプセル剤、滴剤、パッチまたはスプレーの形態で提示される。
【0027】
注射による投与用には、医薬組成物は、静脈内、皮下または筋肉内ルートによる注射溶液の形態下で、滅菌または滅菌可能な溶液または懸濁液または乳液から製造される。
【0028】
粘膜ルートによる投与用に、医薬組成物は、ゲルの形態下である。
【0029】
投与用量は、患者の状態に応じて当業者によって容易に調整されるだろう。
【0030】
さらに別の態様によると、本発明は、ウイルス感染に対する先天性の宿主抵抗性を良好にする方法であって、バイオマーカーとして上記に定義された少なくとも1種のタンパク質、特に、IL−22を、感染に対する先天性の免疫応答を助ける開始サイトカインとして用いる工程を包含する、方法に関する。
【0031】
本発明の他の特徴および利点は、以下の実施例において、図1〜10を参照しながら与えられることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(材料および方法)
(露出されたが未感染(EU)である人の採用)
HIVに露出されたが未感染である人が研究に登録された。各場合において、ESNは、HIV感染患者の性パートナーであった:各カップルにおいて、コンドームなしの性交の長期にわたる履歴が報告された(他の既知の危険因子はない)。EUの試験対象患者基準は、少なくとも4年間にわたり保護なしで性交したことが複数回あって、研究期間の前の4月以内にリスクのある挿入をしたことが少なくとも4回ある履歴であった。EUは、培養およびRNAウイルス負荷法により繰り返してHIV血清反応陰性であった。HIV感染した人および健康なコントロールも研究に登録された。HIV患者およびHCは、EUと年齢および性の点で適合した。全てのEU、HIV+およびHCの人は、フランスにあるSanta Maria Annunziatta病院の感染病部門によって少なくとも4年(研究期間に先行して)にわたり長期追跡された。これにより、我々は、該当する期間中に性的に伝染させられた病気または任意の他の病状が報告されたESNおよびHCを研究から除外することができた。EUは、CCR5−Δ32アレルの存在を基礎として特徴付けられた;1人に異型接合の欠失が検出された。全てのEU、HIV患者および低リスクの未感染の人は、末梢血単核細胞を寄付することに同意した。
【0033】
(細胞)
頻繁に無防御の性交をしたまたはシリンジ交換により侵襲的な薬物注射をしたEUおよびHIV+である不調和のカップルからのT細胞についてプロテオミクスおよびトランスクリプトーム比較研究が行われた。HCからのT細胞は、これらの分析のコントロールであった。3の集団;HC、EUおよびHIV+から得られた末梢血単核細胞(PBMC)が収集され、フィコール−ハイパックにより分離され、短期(6日)に培養され(Yssel, H. and Spits, H, in Current Protocols in Immunology, Chapter 7.19)、次いで、Tリンパ球(CD4+およびSD8+)が、CD3/CD28活性化され、10%のFCSが補給されたRPMI中で培養された。簡単には、CD3−TCR複合体を活性化するために、10μg/mLの抗CD3、SPV−T3bモノクローナル抗体(MAb)を用いて、4時間にわたり37℃で24ウェルのプレートをコーティングした。続いて、1%のAB+ヒト血清および1μg/mLの抗CD28 L293 MAbを含有する培地(Yssel’s medium, Irvine scientific, Santa Ana, CA)の存在下にこれらのコーティングされたウェル中に106の細胞が沈着させられた。3種のT細胞活性化時間が、それぞれ、2、6および18時間になされた。T細胞の遺伝子発現の研究のために、活性化された細胞が1集団当たり5人からプールされた(それぞれ、等価数の細胞および全RNAを有する、表2)。この研究は、Serial Analysis Gene Expression (SAGE, Velculescu 1995, [24]).を用いて行われた。続いて、SAGEの結果を個々に確認するためのさらなる使用のために、プールの各個人の全RNAのセットが凍結された。これらの細胞のセットはまた、パワー・ウェスタン(Power and Western)ブロット分析を行うために用いられた(下記参照)。3集団からの人(n=25、表2)の血漿中に存在する可溶性のタンパク質がSELDI−TOF Ciphergen(登録商標)アプローチによって分析された。
【0034】
樹状細胞は、健康なドナーからの単核細胞から誘導された。簡単には、高度に精製された単核細胞を得るために、バフィーコートが処理され、この単核細胞は、10ng/mLのIL−4および150ngのGM−CSF(Becton and Dickinson)の存在下に10%のFCSが補給されたDMEM培養液中で7日間にわたり、適切なMAb(抗DCサイン(sign)、抗CD1a、抗CD83および抗CD86 MAbs)を用いて良好に特徴付けられるようになり、また、ホルミルペプチドレセプタ−様1(Formyl peptide receptor-like 1:FRPL1)(ホルミルペプチドレセプタ(FPR)ファミリーに属するレセプタ)の未成熟樹状細胞(iDC)の存在を示すまで培養された。細胞は、5%COの湿った雰囲気中に37℃で維持された。
【0035】
(抗体および試薬)
組み換えヒトIL−22、抗−CCR5ポリクローナルAb、抗ヒトIL−22ポリクローナルがR&D Systems(オックスフォード大学,英国)から購入され、血清アミロイドA(A−SAA)およびIL−8タンパク質がPeprotech(Rocky Hill,NJ)から購入され、MIP−1βが、Francoise Baleux(パスツール研究所、パリ、フランス)から得られ、抗IL−8 MAbがBenderから購入され、抗CXCR4、抗SAA1および2 MAb(Biosorce)、抗SAA MAb(Calbiochem)、抗−アクティブSTAT−1ポリクローナル Ab、抗−STAT1 MAb、抗−アクティブSTAT−3ポリクローナル Ab、抗−STAT−3 pAb、抗−アクティブ S
TAT−5 ポリクローナル Ab、抗−STAT−5 MAbは、Becton and Dickinson(Palo Alto,CA)から購入された。抗−SOCS 3 ポリクローナル Ab(Santa Cruz研究所、Santa Cruz、CA)。
【0036】
(プロテイン−チップ SELDI−TOFアプローチによる血漿分析)
分析前に、血漿サンプルは、13000rpmで15分間遠心分離され、沈殿は廃棄され、上清は、最適化された結合バッファー(binding buffer(BB):NaCl 0.250M、Hepes 50mM,pH7.5)に希釈された(1:10)。希釈された血漿サンプルは、1時間中に、予め飽和された強アニオン交換(SAX2)プロテイン−チップ(登録商標)上に、5分の2のBB浴によって塗布された。未結合のタンパク質は、洗浄バッファ(WB:NaCl 1M,Hepes 50mM,pH7.5)による5分の3回の洗浄および5μLの純粋な2回の蒸留水による最後の洗浄を用いて洗い流された。チップに捕捉されたタンパク質は、続いて、室温(RT)で空気乾燥させられた後、レーザエネルギーを吸収するために、マトリクス(99.9%アセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸中のSPA(3,5-dimethoxy-4-hydroxycinnapynic acid)によりそれらを被覆した。マトリクスが調合されたサンプルは室温で乾燥させられた。その後、これらのサンプルは、捕捉したタンパク質を脱着させるために、10000〜40000ショット(不定単位)で変化するレーザ強度で平均で100実時間(real time)のレーザ発射を受け、タンパク質スペクトル(プロテオグラム)を生じさせた。イオン化されかつ脱着されたタンパク質が検出され、プロテオグラム像上に示されたそれらの分子質量は、Protein-Chip Biology System IIソフトウェア(PBS II;Ciphergen)およびCiphergen PeaksソフトウェアによるTOF分析を用いて決定された。チップ表面によって捕捉された各タンパク質の質量対電荷比(m/z)は、外部較正標準:ヒト・アンギオテンシンI(1.2965キロダルトン,kDa)、ヒトACTH(2.9335kDa)、ヒト・α−エンドルフィン(3.4650kDa)、ウシ・インシュリン(5.7336kDa)およびウシ・ユビキチン(8.5648kDa)によって決定された。
【0037】
(〜8.6kDaのタンパク質のEU血漿からの欠失)
1mLのPBSにより3回洗浄された25マイクロリットルの磁気ビーズ(Dynal)が、Clinisciencesからの抗−A−SAA(SAA−1 & SAA−2)MAb 25μgに加えられ、100μg/mLの濃度とされ、回転(orbital)振とうして18時間にわたり4℃でインキュベートされた。抗−A−SAA MAbをコーティングしたビーズは、続いて、1mLのPBSにより3回洗浄された。次いで、500マイクロリットルのEU血漿が加えられ、37℃で3時間振とうしながらインキュベートされた。次いで、この血漿の上清は、特定のCiphergen Chipを用いて再分析された。抗−A−SAA 1&2 MAbと共に予めインキュベートされたかまたはされなかった5マイクロリットルのEUが適用され、先に示されたようにSELDI−Tof(Ciphergen(登録商標))によって分析された。
【0038】
(組換えA−SAAタンパク質によるHIV−1感染の阻害)
HIV−1感染の前に、1時間にわたり、所定の濃度で、EPRL1のアゴニストである急性期のヒトアポリポタンパク質血清アミロイドA(Peprotec(登録商標)からのSSA)と共にiDC細胞がインキュベートされた。続いて、細胞は、0.1のMOIで2時間にわたりHIV−1 ADAまたはHXB2に感染させられた。細胞は、広範囲にわたって洗浄され、完全培地においてインキュベートされた。HIV−1 p24レベルは、感染から4日後に酵素結合免疫吸着検定法(Beckman-Coulter,フランス)によって測定された。
【0039】
(SAGE分析)
SAGEは、原則的に、URL:WWW.sagenet.orgにおいて入手できるVelculescuのプロトコール(7)の詳説に概説されるように、Powell(9)およびKenzelmann(9)の改変により行われた。
【0040】
(パワーブロット分析)
タンパク質の免疫ブロット分析は、(www.translab.com/shtml)に記載されるように行われた。簡潔には、3集団からのCD3/CD28刺激されたT細胞が、溶解バッファ(Tris 10mM pH7.4 オルトバナジン酸ナトリウム 1mM,SDS 1%)によって溶解させられ、超音波処理がなされ、遠心分離によって浄化された。1ゲル中で広いサイズ範囲のタンパク質を検出するために、タンパク質は5〜15%勾配のSDS−ポリアクリルアミドゲルに移された。400マイクログラムのタンパク質が、ゲルの全体幅にわたって長型ウェルに装填された。これは、標準25ウェルのゲル上のレーン毎に電気泳動にかけられる約15μgのタンパク質になる。続いて、ゲルは、終夜、Immobilon(登録商標)−P膜(Millipore,Bedford,MA)に転写された。転写後、膜は、1時間にわたり5%のミルクにより閉塞された。続いて、膜は、膜全体を45のチャネルに分けるウェスタンブロッッティング・マニホルドに挿入された。各チャネルにおいて、種々の複合抗体反応混液が加えられ、1時間にわたりハイブリダイズすることができるようにされた。染色の後、膜は洗浄され、30分にわたり、二次的なヤギ抗マウス西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase:HRP)とハイブリダイズさせられた。全ての抗体は、マウスのモノクローナルである。膜は洗浄され、SuperSignal West Pico(Pierce,Santa Clara,CA)により展開された。
【0041】
(RT−PCR分析)
逆転写によって、活性化されたT細胞から単離された全RNAがcDNAに変換された。42℃で50分にわたる各全RNAサンプルの逆転写のために、次の試薬が用いられた:1μgの全RNAおよび200単位のSuperscript II逆転写酵素(RT,Gibco-BRL);供給されたような(as aupplied)RTバッファ;100mmol/Lのジチオトレイトール(DTT)、40単位のRnasin(Promega,Madison,WI,米国);1.25mmol/Lの各dNTP;および500ngのオリゴdTs。PCRは、次のように行われた;2μLのcDNA;1.25mmol/Lの各dNTP,2.5単位のTaqポリメラーゼ(Promega);2.5mmol/LのMgCl,2.5μLの10Xバッファおよび20pmolの各プライマー対;25μLの全容積中。以下の特定のプライマーが用いられた:IL−22:配列番号1のセンス5’-TGACAAGTCCAACTTCCAGCAG-3’、配列番号2のアンチセンス5’-TCTGGATATGCAGGTCATCACC-3’;IL−8:配列番号3のセンス5’-AACTTCTCCACAACCCTCTG-3’、配列番号4のアンチセンス5’-TTGGCAGCCTTCCTGATT-3’;GAPDH:配列番号5のセンス5’- CCA-CCC-ATG-GCA-AAT-TCC-ATGGCA-3および配列番号6のアンチセンス5’-TCTAGACGGCAGGTCAGGTCCACC-3’。事前のインキュベーション(94℃、5分)の後、各PCRサンプルは、変性(94℃、1分)、プライマーのアニーリング(56℃、1分)および最終的な伸長(72℃、10分)を伴うプライマーの伸長(72℃、10分)の29サイクルの増幅養生を経た。
【0042】
(ウェスタンブロット分析)
各集団(HC、EUおよびHIV+)からの100万のCD3/CD28活性化T細胞(上記に示されたような)が、1% NP40バッファに溶解させられた。各群について、還元条件下に等量のタンパク質が電気泳動にかけられ、電気泳動によりニトロセルロール膜に転写された。膜は、5%のBSAおよび0.1%のTween20を含有するTBS(50mmol/LのNaCl、20mmol/LのTris HCl,pH7.5)中で30分にわたりインキュベートされ、次いで、一次抗体と共に4℃で終夜インキュベートされた。タンパク質は、ECLシステム(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)を用いて視覚化された。ブロットは、0.1%のTween20を含有するTBSで洗浄され、HRP接合ヤギ抗ウサギまたは抗マウス二次抗体(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)と共にインキュベートされた。別の抗体による再ブロットのために、フィルタは、以前に記載されたように取り除かれた(10)。
【0043】
(HIV−1 コレセプターのリン酸化評価)
未成熟樹状細胞がMIP−1αまたは急性期A−SAA(Peprotec(登録商標))により、(図7において)示されたような濃度で、示された期間にわたって37℃で刺激された。次いで、細胞は、20分後に、氷を用いて周期的に混合しながら、ホスファターゼインヒビター(1mMのフェニルスルホニル・フルオリド、5μg/mLのアプロチニン、5μg/mLのロイペプチン、1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、1mMのEGTA)を含有する溶解バッファ(1%のTriton X−100、20mMのTris HCl pH8.0、137mMのNaCl、15%のグリセロール、5mMのEDTA)に溶解させられた。細胞溶解液は、30μLの洗浄されたタンパク質A セファロースビーズ(15μLの充填状ビーズ)により4℃で1時間にわたり事前清浄化され、1μgのポリクローナル抗ホスホセリン抗体(BD)が200μgの細胞溶解液に加えられた。反応混合物は、4℃で終夜インキュベートされた。免疫複合体は、50μLの洗浄されたタンパク質A セファロースビーズ(25μLの充填状ビーズ)を加えることにより捕捉された。反応混合物は、さらに2時間にわたり4℃でインキュベートされた。ビーズは、スパンダウンされ(14000rpmで10秒)、上清が排出され、氷冷の1XIPバッファにより3回洗浄され、その後、30μLの2X レムリサンプル・バッファ中に再懸濁させられ、免疫複合体を取り除くために5分にわたり煮沸された。10%のSDS−PAGE precast gel(Invitrogen)上の電気泳動の後、タンパク質は、ニトロセルロース膜に転写された。CCR5は、ポリクローナル抗CCR5(R & D Systems)およびECLシステム(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)を用いて視覚化された。
【0044】
(ヒト・ケモカイン、Searchlight(登録商標)アレイ)
ケモカインSearchlight(登録商標)アレイ(Pierce Endogen,Perbio,ホ゛ストン)の製造業者の指示に従って、8のケモカインの血漿含有量について、各研究対象の集団からの4つの異なる血漿が分析された。
【0045】
(結果)
性的または全身性のルートを介してヒト免疫不全タイプ1ウイルス(HIV−1)に繰り返し露出されているにも拘わらず、特定の人は、未感染のままである。HIV−1感染に対する抵抗性の基礎をなしている分子レベルでのメカニズムを調査するために、本発明者らは、HIV−1に露出されたが未感染の人(EU)、彼らのHIV−1感染した性的パートナーおよび健康なコントロールの集団からのCD3/CD28活性化末梢血T細胞(細胞シグナリングおよび遺伝子発現を高めるため)および血漿(それらの可溶性のタンパク質を研究するため)についての比較研究を行った(表2)。
【0046】
【表2】

【0047】
相補的なゲノム、プロテオミックなおよび細胞のシグナリング分析は、Serial Analysis Gene Expression(SAGE)、Surface-Enhanced Laser Desorption lonisation and Time Of Fly Mass Spectrophotometry(SELDI−TOF,Ciphergen(登録商標)およびPower blotting(登録商標)をそれぞれ用いて行われた(材料および方法の項を参照)。天然の抗ウイルスメカニズムに関してLong term non progressors(LTNP)およびEUの人の遺伝子および生理学の理解は、HIV感染に対する治療の基礎を提供し得る。そこで、本発明者らは、EUの人において頻繁にHIVの露出を受けた人に感染がないことに基づいて、生理病理学的メカニズムを研究した。
【0048】
SAGE法によるトランスクリプトーム分析の遺伝子タグの多数(HC:21193タグ、EU:22697タグ、およびHIV+:17285タグ)から得られた最初の結果が示したことは、EUでは、Th1 IL−22およびSOCS1を過剰に発現することが見出され、Granzyme Bは、HIV+では、類似のレベルを示したEUおよびHC集団に比較して過小に発現することであり(表3)、これらの過程の結果は、「推測的な(priori)」考えを全く有することなく得られたものである。
【0049】
【表3】

【0050】
3集団からのプールされたT細胞からのタンパク質のパワーブロット分析を並行して用いる際、急性期応答因子STAT3が検出された。1集団当たり25人からの血漿分析(SELDI−TOFアプローチを利用)は、分子量約8.6kDaの可溶性タンパク質の発現の増加を示した(図2)。
【0051】
IL−22が、Jack/STAT経路、SOCS 3、ベータ・デフェンシンおよび急性期アポリポタンパク質血清アミロイドA(A−SAA):SAA−1およびSAA−2を含む先天性の免疫応答(25)のカスケード(図3)を開始することを考慮に入れると、これらのデータは、それらの意義を確認および拡張するための種々の方法を用いてさらに展開される(材料および方法の項を参照)。肝臓および他の組織において、血管上皮として合成されると、ASAAは、血漿中でHDL(26)およびHDL不含有と関連して見出される。A−SAAプロモーターは、LPSによって誘導され得る炎症性サイトカイン、例えば、IL1α、TNFα、IFNαおよびIL6に対して高い応答性である。さらに最近、Th1 IL−22サイトカインがA−SAA発現に関与し得ることが示された。これらの観察が示唆したことは、A−SAAは、局所部位における免疫の先天性の防御分子としての役割を果たし得るということである(27)。A−SAAの形質導入後開裂(post transductional cleavage)は、約8.5kDaの分子量のC末端(term)フラグメントを生じさせる(28、29)。SELDI−TOF分析から得られた約8.6kDaのタンパク質を識別するために、血漿SELDI−TOFプロファイリング前の特異的な抗A−SAA MAbが図4に示すように用いられ、約8.6kDaに対応する像がこの抗A−SAA MAbを用いて激減させられていた。興味深いことに、A−SAAがIL−8サイトカインを誘導することができることも知られており(30)、そこで、このサイトカインがEUカスケードを特徴付けていることを確認するために、各集団の5人からIL−8特異的RT−PCRが行われた。図5は、PCRが2つの他の群(HIV+およびHC)と比較してEUにおいてIL−8の特異的な多形性を証明していことを明らかに示している。特異的なIL−22 RT−PCRも、プールを形成した各人において行われ(図6)、我々は、EUのみがこの重要なTh1サイトカインを有意に過剰発現したことを観察することができた。
【0052】
他の制御および検証がなされ、ウェスタンブロット分析が、プールされたサンプルからのタンパク質についてなされた。EU群においてSTAT1およびSTAT3がリン酸化された(図7Aおよび7B)のに対して、HIV+においてSTAT5がダウンレギュレートされたが、HCおよびEU群の両方において同等以上の高さの活性化レベルであったことも観察された(図7C)。SOCS3タンパク質の発現(図7D)、STAT3応答性遺伝子は、EUにおいてアップレギュレートされた。さらに、これらのEUの人は、アルファ・デフェンシンを過剰発現することを示した(15)。さらに、IL−8がFPRレセプタファミリーを通じてHIVコレセプターを脱感作することができること(31、32)およびSTAT1が細胞の抗ウイルス因子(CAF)媒介型のHIV−1長期繰り返し(LTR)活性化およびHIV複製の阻害に必要であることが示された(33)。
【0053】
FPRおよびFPRL1のアゴニスト、可溶性のA−SAA、WKYMWVmペプチド、細菌走化性ペプチドfMLF、および可能性なその約8.6kDaのフラグメントは、A−SAAを用いた特異的ウェスタンブロット法での我々の実験に示されるようにリン酸化(図8)およびFPR活性化によるHIV−1コレセプターCCR5およびCXCR4の両方のダウン修飾(34−37)を誘導する。それで、報告されるように(31、37、38)、A−SAAタンパク質がHIV−1感染を阻害したことが示された(図9)。Peprotec(登録商標)から購入された、これらのアッセイに用いられたA−SAAは、約8.6kDaのフラグメントを示す(図10)。
【0054】
これらの結果により、EUを特徴付ける先天性のHIV感染に対する宿主の抵抗性を良好にする事象のカスケードを識別することが可能となった。IL−22は、JAK/STATを介して、ベータ・デフェンシン、A−SAAを誘導することができ、当該A−SAAは、その発現のIL8分泌を誘導する(30)ので、これらの結果は、このカスケードを明らかに示した。さらに、IL−8(31)およびα−デフェンシン(39)は、HIV−1感染を減少させることを示した。我々の結果は、IL−22が先天性の免疫応答を助け、HIV感染に対する抵抗メカニズムを提供する開始サイトカインであることを示す(図2)。
【0055】
他の探索的アプローチは、Serchlight(Perbio(登録商標))ヒト・ケモカインアレイ(表4)を用いることによって、集団(EU、HC、HIV+)当たり4人からの血漿中のいくつかのケモカインをチェックすることであった(表4)。
【0056】
【表4A】

【0057】
GRO−α、MIP−3β、SDF1−βおよびガンマ・ケモカイン・リンフォタクチンが、HIV+と比較していくつかのEUおよび時にはHCにおいてより大きく過剰発現されることが見出された。HIV感染でのこれらのケモカインの役割が明瞭に解明されたわけではないが、リンフォタクチンは、抗HIV活性を示す(1)。しかしながら、我々の研究対象集団のEUにおいて、我々が、EUに特異的なIL−8の多形性を見出したことを考慮に入れて、いくつかのEUの抗ウイルス作用を(個々にまたは組み合わせて)持ち得るこれらのケモカインの特異的な多形性の存在を考慮することが可能である。
【0058】
加えて、SAGE分析は、興味深いことに、HIV+ではGranzyme Bがダウンレギュレートされるが、EUおよびHCの人では維持されることを示す。これは、HIV−HAART治療された人においてつくられたgranzymeの損失の観察を確認する(2、3)。本発明者らはまた、SAGE分析において、HCおよびHIV+よりもEUでのIFN−ガンマのより高い産生を観察した。これらのサイトカインは、典型的には、抗ウイルス性であり、これは、他者によってなされたEUについてのいくつかの研究において見出された。
【0059】
【表4B】

【0060】
事象のカスケードが先天性の免疫の複数かつ主要な要素を誘導することが見出されたことを考慮すると、本発明の範囲は、HIV以外の他のウイルスおよびレトロウイルスにも及ぶ。
【0061】
EUがより大量のリン酸化されたSTAT1を示すことおよび重要なことに、この要素が、CD8 T細胞によって分泌される「細胞の抗ウイルス因子」(CAF)の活性に必須であることも考慮されるだろう。EUおよびHCと比較してHIV+がGranzymes Bを遊離するらしいことも示された。Granzyme Bは、感染した細胞を殺すために、CD8 T細胞およびNKによって産生される。CAF Granzymes BのSTAT−1依存性の産生は、HIV感染に拘わらずAIDSの伸展に抵抗する人での抗HIV活性において主要な役割を果たす。SAGE分析において、HCおよびHIV+よりもEUにおいてIFN−ガンマのより高い産生も観察された。これらのサイトカインは、典型的には、抗ウイルス性である。これらのカスケード要素は、ウイルス感染に対する抵抗性の要素としてだけでなく、誘導された疾患に対する抵抗性の要素としても含まれるべきである。
【0062】
(参照)
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【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】細胞のレセプタに対するウイルスのエンベロープ付着の種々の工程。
【図2】種々の集団からの人からのSELDI−TOFタンパク質プロファイル。
【図3】カスケード感染EUのHIV−1感染についての阻害効果。
【図4】抗A−SAA Mabを用いる約8.6kDaのタンパク質の欠失。
【図5】比較としての、種々の集団からの人からのIL−8 RT−PCR。
【図6】比較としての、種々の集団からの人からのIL−22 RT−PCR。
【図7】種々の集団からの人からのSAGE分析のウエスタン確認。
【図8】急性期SAAタンパク質をFPRレセプタに結合させることによるVIH−1 CCR5 コレセプタリン酸化の誘導。
【図9】未発達樹状細胞のHIV−1 R5感染性。
【図10】約8.6kDaフラグメントを示すSAA調製のSELDI−TOFプロファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルミルペプチドレセプタ(FRP)レセプタファミリーおよびホルミルペプチドレセプタ様1(FRP1)の1以上のアゴニストの、ヒトのHIV感染に対して抵抗性のバイオマーカーとしての使用。
【請求項2】
前記アゴニストは、可溶性SAA、WKYMWVmペプチド、細菌走化性ペプチドfMLFおよび約8.6kDaのそのフラグメントからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
IL−22、Jack/STAT経路、SOCS3、ベータ・デフェンシン(2および3)および急性期アポリポタンパク質血清アミロイドAcまたはA−SAAまたはそのフラグメント、IL−8サイトカインおよびその等価物を含む少なくとも1種の先天性免疫応答タンパク質を含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
バイオマーカーは、IL−22および/またはSOCS1および/またはSTAT3および/またはSELDI−TOFによって血漿中に確認される約8.6kDaの可溶性タンパク質および/またはIL−8およびその等価物を含む群から選択される、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
バイオマーマーは、リン酸化されたSTATおよび/またはSOCSタンパク質である、請求項3に記載の使用。
【請求項6】
ケモカインのバイオマーカーは、GRO−α、MIP−3β、SDF1−β、およびガンマ・ケモカイン・リンフォタクチンおよびその等価物を含む群から選択される、請求項1〜5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項7】
診断ツールとしての請求項1〜6のいずれか1つに記載のバイオマーカーの使用。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載されたタンパク質の少なくとも1種の有効量を含む、ウイルスまたはレトロウイルス感染、特にはHIV感染を予防または治療するための医薬組成物。
【請求項9】
IL−22、Jack/STAT経路、SOCS3、ベータ・デフェンシンおよび急性期アポリポタンパク質血清アミロイドA−SAAまたはそのフラグメント、IL−8サイトカインおよびその等価物を含む群から選択される1以上のタンパク質の有効量を、薬学的に不活性な賦形剤と組み合わせて含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
経口、筋肉内、静脈内または粘膜ルートによる投与用の、請求項8または9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
経口用に、医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、滴剤、パッチまたはスプレーの形態で提示される、請求項8または9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
注射による投与用に、医薬組成物は、滅菌または滅菌可能な溶液または懸濁液または乳液から製造される静脈内、皮下または筋肉内ルートによる注射用溶液の形態下にあり、粘膜適用のためにゲルの形態下にある、請求項8または9に記載の医薬組成物。
【請求項13】
ウイルス感染に対する先天性の宿主の抵抗性を良好にする方法であって、
請求項1〜7のいずれか1つにおいてバイオマーカーとして定義されたタンパク質の少なくとも1種、IL−22を、先天性の免疫応答を助ける開始サイトカインとして用いる工程を包含する、方法。
【請求項14】
感染に対する先天性の免疫応答を助ける開始サイトカインとしてIL−22が用いられる、請求項13に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−516701(P2007−516701A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538829(P2006−538829)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013393
【国際公開番号】WO2005/044292
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(501321992)アンスティテュ ドゥ ルシェルシュ プール ル デヴロップマーン (イ エール デ) (5)
【出願人】(504441152)イムノクリン・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】