説明

ヒト組織因子に対するヒト抗体

ヒトTFに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体ならびに関連する抗体をベースとする組成物および分子が開示される。この抗体を含む薬学的組成物ならびに抗体を使用するための治療方法および診断方法も開示される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト組織因子に結合するヒト抗体。
【請求項2】
実施例13のアッセイに記載されているように確かめられた時に、3nM以下、例えば、0.50nM以下、例えば、0.35nM以下、例えば、0.20nM以下、例えば、0.1nM以下の見かけの親和性(EC50)で、組織因子の細胞外ドメインに結合する、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
実施例14のアッセイに記載されているように確かめられた時に、好ましくは、10nM以下、例えば、8nM以下、例えば、5nM以下、例えば、2nM以下、例えば、1nM以下、例えば、0.5nM以下、例えば、0.3nM以下の見かけの親和性(EC50)で、組織因子を発現する哺乳動物細胞、例えば、組織因子をコードする構築物でトランスフェクトされたA431細胞に結合する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項4】
実施例20のアッセイに記載されているように確かめられた時に、好ましくは、2nM以下、例えば、1nM以下、例えば、0.7nM以下、または0.3nM以下、例えば、0.2nM以下、または0.1nM以下、または0.05nM以下のEC50値で、A431細胞において抗体依存性細胞傷害を誘導することができる、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項5】
実施例24に記載の方法によって確かめられた時に、確立したMDA-MB-231腫瘍の成長の阻害において有効である、および/または実施例26に記載の方法によって確かめられた時に、確立したBxPC3腫瘍の成長の阻害において有効である、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項6】
実施例19のアッセイに記載されているように確かめられた時に、組織因子によって誘導される血液凝固を、好ましくは、10nM未満、例えば、5nM未満、例えば、2nM未満、例えば、1nM未満の中央値阻害濃度で阻害する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項7】
実施例15のアッセイに記載されているように確かめられた時に、FVIIaと組織因子との結合を、好ましくは、80%超、例えば、90%超の阻害の最大阻害値で阻害する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項8】
実施例17のアッセイに記載されているように確かめられた時に、MDA-MB-231細胞によるFVIIa誘導性IL-8放出を、好ましくは、40%超、例えば、50%超、例えば、60%超の阻害の最大阻害値で阻害する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項9】
実施例18のアッセイに記載されているように確かめられた時に、TF/FVIIa複合体によるFXからFXaへの変換を、好ましくは、50%未満、例えば、40%未満、例えば、1〜30%の範囲で阻害する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項10】
SEQ ID NO:9の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:65の配列を含むVL領域とを含む抗体と、組織因子結合において競合する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項11】
組織因子との結合が、組織因子の位置45にあるアミノ酸W、位置46にあるアミノ酸K、または位置94にあるアミノ酸Yのいずれか1つに関与しない、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項12】
SEQ ID NO:37の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:93の配列を含むVL領域とを含む抗体と、組織因子結合において競合する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項13】
実施例16のアッセイに記載されているように確かめられた時に、FVIIa誘導性ERKリン酸化を、好ましくは、10nM未満、例えば、5nM未満、例えば、2nM未満の中央値阻害濃度で阻害する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項14】
実施例16のアッセイに記載されているように確かめられた時に、ERKリン酸化を、好ましくは、10nM未満、例えば、5nM未満、例えば、2nM未満の中央値阻害濃度で阻害し、実施例17のアッセイに記載のFVII誘導性IL-8放出を最大10%を超えて阻害しない、請求項1〜7および9〜13のいずれか一項記載の抗体。
【請求項15】
C3cおよびC4cの沈着を誘導することができる、好ましくは、実施例21において確かめられた時にC3cおよびC4cの沈着を誘導することができる、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項16】
抗体のFab断片が、実施例28に記載されているようにELISAによって測定された時に、0.1μg/mLより低い、例えば、0.05μg/mLより低い、例えば、0.04μg/mLより低いEC50値で組織因子の細胞外ドメインに結合する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項17】
抗体のFab断片が、実施例28に記載されているようにELISAによって測定された時に、1.0μg/mLを上回るEC50で、組織因子の細胞外ドメインに結合する、請求項1〜15のいずれか一項記載の抗体。
【請求項18】
抗体のFab断片が、実施例28に記載されているように、10μg/mLより低い、例えば、1μg/mLより低い、例えば、0.5μg/mLより低い、または0.2μg/mLより低いEC50値で組織因子の細胞外ドメインに結合する、請求項1〜15のいずれか一項記載の抗体。
【請求項19】
実施例27に記載されているように、ヒト組織因子に結合し、マウス組織因子に結合せず、ヒトTFとの結合を、アミノ酸42-84以外はヒトTF配列を含有し、アミノ酸42-84がマウス配列で置換されているシャッフル構築物42-84mmとの結合と比較した時に弱い結合を示す、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項20】
実施例27に記載されているように、ヒト組織因子に結合し、マウス組織因子に結合せず、ヒトTFとの結合を、アミノ酸85-122以外はヒトTF配列を含有し、アミノ酸85-122がマウス配列で置換されているシャッフル構築物85-122mmとの結合を比較した時に弱い結合を示す、請求項1〜18のいずれか一項記載の抗体。
【請求項21】
実施例27に記載されているように、ヒト組織因子に結合し、マウス組織因子に結合せず、ヒトTFとの結合を、アミノ酸123-137以外はヒトTF配列を含有し、アミノ酸123-137がマウス配列で置換されているシャッフル構築物123-137mmとの結合と比較した時に弱い結合を示す、請求項1〜18のいずれか一項記載の抗体。
【請求項22】
実施例27に記載されているように、ヒト組織因子に結合し、マウス組織因子に結合せず、ヒトTFとの結合を、アミノ酸185-225以外はヒトTF配列を含有し、アミノ酸185-225がマウス配列で置換されているシャッフル構築物185-225mmとの結合と比較した時に弱い結合を示す、請求項1〜18のいずれか一項記載の抗体。
【請求項23】
実施例27に記載されているように、ヒト組織因子に結合し、マウス組織因子に結合せず、ヒトTFとの結合を、アミノ酸226-250以外はヒトTF配列を含有し、アミノ酸226-250がマウス配列で置換されているシャッフル構築物226-250mmとの結合と比較した時に弱い結合を示す、請求項1〜18のいずれか一項記載の抗体。
【請求項24】
ヒトTFと複数のシャッフル構築物との結合を比較した時に弱い結合を示す、例えば、
●請求項19において定義されたシャッフル構築物42-84mmおよび請求項20において定義されたシャッフル構築物85-122mmとの結合を比較した時に弱い結合を示す、または
●請求項21において定義されたシャッフル構築物123-137mm、および請求項22において定義されたシャッフル構築物185-225mm、および請求項23において定義されたシャッフル構築物226-250mmとの結合を比較した時に弱い結合を示す、
請求項19〜23のいずれか一項記載の抗体。
【請求項25】
-SEQ ID NO:9の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:65の配列を含むVL領域とを含む抗体と組織因子結合において競合する、
-SEQ ID NO:37の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:93の配列を含むVL領域とを含む抗体と、組織因子結合において競合しない、
前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項26】
a)
-SEQ ID NO:12、
-SEQ ID NO:16、
-SEQ ID NO:20、
-SEQ ID NO:24、
-SEQ ID NO:28
に示した配列、または
b)該配列のいずれかの変異体、例えば、最大で1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸修飾、好ましくは、置換、例えば、保存的置換を有する変異体
を有するVH CDR3領域を含む、請求項25記載の抗体。
【請求項27】
SEQ ID NO:12に示した配列またはその変異体を有するVH CDR3領域を含み、該変異体が、位置2、3、6、9、および11の1つまたは複数において修飾を含み、好ましくは、修飾が置換であり、より好ましくは、該置換が、
a)Rが位置2にある時の、RからKへの置換、
b)Sが位置3にある時の、SからAまたはTへの置換、
c)Gが位置6にある時の、GからTへの置換、
d)Lが位置9にある時の、LからFへの置換、および
e)Sが位置11にある時の、SからYへの置換
からなる群より選択される、請求項26記載の抗体。
【請求項28】
a)SEQ ID NO:10、11および12のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:66、67および68のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:14、15、および16のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:70、71および72のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:18、19、20のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:74、75および76のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
d)SEQ ID NO:22、23、および24のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:78、79および80のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
e)SEQ ID NO:26、27、および28のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:82、83、および84のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、または
f)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項1または26記載の抗体。
【請求項29】
a)SEQ ID NO:9、13、17、21、および25からなる群より選択されるVH領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:9、13、17、21、21および25からなる群より選択されるVH領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVHを含む、請求項26記載の抗体。
【請求項30】
a)SEQ ID NO:65、69、73、77、および81からなる群より選択されるVL領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:65、69、73、77、および81からなる群より選択されるVH領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVLを含む、請求項26記載の抗体。
【請求項31】
a)SEQ ID NO:9の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:65の配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:13の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:69の配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:17の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:73の配列を含むVL領域、
d)SEQ ID NO:21の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:77の配列を含むVL領域、
e)SEQ ID NO:25の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:81の配列を含むVL領域、または
f)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項26記載の抗体。
【請求項32】
-SEQ ID NO:9の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:65の配列を含むVL領域とを含む抗体と組織因子結合において競合する、および
-SEQ ID NO:37の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:93の配列を含むVL領域とを含む抗体と組織因子結合において競合する、
請求項1〜24のいずれか一項記載の抗体。
【請求項33】
a)
-SEQ ID NO:8、
-SEQ ID NO:52
に示した配列、または
b)該配列のいずれかの変異体、例えば、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、好ましくは、置換、例えば、保存的置換を有する変異体
を有するVH CDR3領域を含む、請求項32記載の抗体。
【請求項34】
a)SEQ ID NO:6、7および8のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:62、63および64のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:50、51および52のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:106、107、および108のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、または
c)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項1または32のいずれか一項記載の抗体。
【請求項35】
a)SEQ ID NO:5および49からなる群より選択されるVH領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:5および49からなる群より選択されるVH領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVHを含む、請求項32記載の抗体。
【請求項36】
a)SEQ ID NO:61および105からなる群より選択されるVL領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:61および105からなる群より選択されるVH領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVLを含む、請求項32記載の抗体。
【請求項37】
a)SEQ ID NO:5の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:61の配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:49の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:105の配列を含むVL領域、または
c)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項32記載の抗体。
【請求項38】
-SEQ ID NO:9の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:65の配列を含むVL領域とを含む抗体と、組織因子結合において競合しない、ならびに
-SEQ ID NO:37の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:93の配列を含むVL領域とを含む抗体と組織因子結合において競合する、
請求項1〜24のいずれか一項記載の抗体。
【請求項39】
a)
-SEQ ID NO:32、
-SEQ ID NO:36、
-SEQ ID NO:40、
-SEQ ID NO:56
に示した配列、または
b)該配列のいずれかの変異体、例えば、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、好ましくは、置換、例えば、保存的置換を有する変異体
を有するVH CDR3領域を含む、請求項38記載の抗体。
【請求項40】
a)SEQ ID NO:30、31および32のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:86、87および88のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:34、35および36のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:90、91および92のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:38、39および40のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:94、95および96のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
d)SEQ ID NO:54、55および56のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:110、11および112のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、または
e)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項1または38記載の抗体。
【請求項41】
a)SEQ ID NO:29、33、37および53からなる群より選択されるVH領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:29、33、37および53からなる群より選択されるVH領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVHを含む、請求項38記載の抗体。
【請求項42】
a)SEQ ID NO:85、89、93、および109からなる群より選択されるVL領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:85、89、93、および109からなる群より選択されるVL領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVLを含む、請求項38記載の抗体。
【請求項43】
a)SEQ ID NO:29の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:85の配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:33の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:89の配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:37の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:93の配列を含むVL領域、
d)SEQ ID NO:53の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:109の配列を含むVL領域、または
e)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項38記載の抗体。
【請求項44】
SEQ ID NO:41の配列を含むVH領域とSEQ ID NO:97の配列を含むVL領域とを含む抗体と組織因子結合において競合する、前記請求項1〜24のいずれか一項記載の抗体。
【請求項45】
a)
-SEQ ID NO:4、
-SEQ ID NO:44、
-SEQ ID NO:48
に示した配列、または
b)該配列のいずれかの変異体、例えば、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、好ましくは、置換、例えば、保存的置換を有する変異体
を有するVH CDR3領域を含む、請求項44記載の抗体。
【請求項46】
a)SEQ ID NO:2、3および4のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:58、59および60のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:42、43および44のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:98、99および100のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:46、47および48のCDR1、2、および3配列を含むVH領域、ならびにSEQ ID NO:102、103および104のCDR1、2、および3配列を含むVL領域、または
d)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項1または44記載の抗体。
【請求項47】
a)SEQ ID NO:1、41および45からなる群より選択されるVH領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:1、41および45からなる群より選択されるVH領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVHを含む、請求項44記載の抗体。
【請求項48】
a)SEQ ID NO:57、97、および101からなる群より選択されるVL領域配列と、少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも98%、もしくは100%の同一性、または
b)SEQ ID NO:57、97および101からなる群より選択されるVH領域配列と比較して、最大で20個、例えば、15個、または10個、または5個、4個、3個、2個、もしくは1個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換
を有するVLを含む、請求項44記載の抗体。
【請求項49】
a)SEQ ID NO:1の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:57の配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:41の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:97の配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:45の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:101の配列を含むVL領域、または
d)該配列内に、好ましくは、最大で1個、2個、もしくは3個のアミノ酸修飾、より好ましくは、アミノ酸置換、例えば、保存的アミノ酸置換を有する、該抗体のいずれかの変異体
を含む、請求項44記載の抗体。
【請求項50】
本明細書の実施例22に記載されているように確かめられた時に、5nM未満、例えば、3.5nM未満、例えば、2nM未満の、組織因子に対する親和性を有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項51】
本明細書の実施例22に記載の方法によって確かめられた時に10-3sec-1を超えるkdを有する、および/または本明細書の実施例22に記載の方法によって確かめられた時に5x104,mol-1sec-1を超えるkaを有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項52】
本明細書の実施例22に記載の親和性方法によって確かめられた時に10-3sec-1を超えるkdを有し、本明細書の実施例22に記載のアビディティ方法によって確かめられた時に、5nM未満、例えば、1nM未満、例えば、0.2nM未満のアビディティを有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項53】
実施例23に記載のアッセイにおいて確かめられた時に健康組織への結合を示さず、特に、ヒト糸球体への結合を示さないが、例えば、本明細書の実施例23に記載のアッセイにおいて確かめられた時に膵臓腫瘍への結合を示す、請求項1〜5のいずれか一項、または51、または52記載の抗体。
【請求項54】
本明細書の実施例26に記載の方法によって確かめられた時に、確立したBX-PC3腫瘍の成長の阻害において有効である、請求項1〜5または51〜53のいずれか一項記載の抗体。
【請求項55】
以下の特性:増殖の阻害、腫瘍血管形成の阻害、腫瘍細胞アポトーシスの誘導、オルタナティブスプライシングされた組織因子との結合の1つまたは複数をさらに有する、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項56】
a)SEQ ID NO:9の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:65の配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:1の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:57の配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:5の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:61の配列を含むVL領域、
d)SEQ ID NO:13の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:69の配列を含むVL領域、
e)SEQ ID NO:17の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:73の配列を含むVL領域、
f)SEQ ID NO:21の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:77の配列を含むVL領域、
g)SEQ ID NO:25の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:81の配列を含むVL領域、
h)SEQ ID NO:29の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:85の配列を含むVL領域、
i)SEQ ID NO:33の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:89の配列を含むVL領域、
j)SEQ ID NO:37の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:93の配列を含むVL領域、
k)SEQ ID NO:41の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:97の配列を含むVL領域、
l)SEQ ID NO:45の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:101の配列を含むVL領域、
m)SEQ ID NO:49の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:105の配列を含むVL領域、または
n)SEQ ID NO:53の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:109の配列を含むVL領域
を含む抗体と組織因子結合において競合する、請求項1〜5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項57】
a)SEQ ID NO:9の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:65の配列を含むVL領域、
b)SEQ ID NO:1の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:57の配列を含むVL領域、
c)SEQ ID NO:5の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:61の配列を含むVL領域、
d)SEQ ID NO:13の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:69の配列を含むVL領域、
e)SEQ ID NO:17の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:73の配列を含むVL領域、
f)SEQ ID NO:21の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:77の配列を含むVL領域、
g)SEQ ID NO:25の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:81の配列を含むVL領域、
h)SEQ ID NO:29の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:85の配列を含むVL領域、
i)SEQ ID NO:33の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:89の配列を含むVL領域、
j)SEQ ID NO:37の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:93の配列を含むVL領域、
k)SEQ ID NO:41の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:97の配列を含むVL領域、
l)SEQ ID NO:45の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:101の配列を含むVL領域、
m)SEQ ID NO:49の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:105の配列を含むVL領域、または
n)SEQ ID NO:53の配列を含むVH領域およびSEQ ID NO:109の配列を含むVL領域
を有する抗体と同じ、組織因子上のエピトープに結合する、請求項1〜5のいずれか一項記載の抗体。
【請求項58】
-IGHV1-18*01、IGHV3-23*01、IGHV3-30*01、IGHV3-33*01、IGHV3-33*03、IGHV1-69*02、IGHV1-69*04、およびIGHV5-51*01からなる群より選択されるヒト生殖系列VH配列に由来する重鎖可変領域、ならびに/または
-IGKV3-20*01、IGKV1-13*02、IGKV3-11*01、およびIGKV1D-16*01からなる群より選択されるヒト生殖系列Vκ配列に由来する軽鎖可変領域
を含む、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項59】
完全長抗体、好ましくは、IgG1抗体、特に、IgG1,κ抗体である、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項60】
別の部分、例えば、細胞傷害性部分、放射性同位体、または薬物と結合体化している、前記請求項のいずれか一項記載の抗体。
【請求項61】
エフェクター機能欠損性抗体である、請求項1〜3または15〜49のいずれか一項記載の抗体。
【請求項62】
エフェクター機能欠損性の抗組織因子抗体が、安定化されたヒトIgG4抗体、例えば、ヒトIgG4の重鎖定常領域にある位置409のアルギニンが、リジン、スレオニン、メチオニン、もしくはロイシン、好ましくは、リジンで置換されている、および/またはヒンジ領域がCys-Pro-Pro-Cys配列を含む抗体である、請求項61記載の抗体。
【請求項63】
一価抗体である、請求項1〜3または15〜49のいずれか一項記載の抗体。
【請求項64】
一価抗体が、
i)一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物を準備する工程であって、該構築物は、選択された抗原特異的抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列、およびIgの定常CL領域をコードするヌクレオチド配列を含み、該選択された抗原特異的抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列および該IgのCL領域をコードするヌクレオチド配列は一緒に機能的に連結され、IgG1サブタイプの場合、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された時に、CL領域の同一のアミノ酸配列を含む他のペプチドとジスルフィド結合または共有結合を形成することができるアミノ酸をCL領域が含有しないように、CL領域をコードするヌクレオチド配列は修飾されている、前記工程;
ii)該一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物を準備する工程であって、該構築物は、選択された抗原特異的抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列およびヒトIgの定常CH領域をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒンジ領域に対応する領域、およびIgサブタイプにより必要とされる場合には、CH領域の他の領域、例えば、CH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された時に、ヒトIgのCH領域の同一のアミノ酸配列を含む他のペプチドとのジスルフィド結合または共有結合もしくは安定した非共有結合による重鎖間結合の形成に関与するアミノ酸残基を含まないように、CH領域をコードするヌクレオチド配列は修飾されており、該選択された抗原特異的抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列および該IgのCH領域をコードするヌクレオチド配列は一緒に機能的に連結されている、前記工程;
iii)該一価抗体を産生するための細胞発現系を準備する工程;
iv)(iii)の細胞発現系の細胞において、(i)および(ii)の核酸構築物を同時発現させることによって、該一価抗体を産生する工程
を含む方法によって構築される、請求項63記載の抗体。
【請求項65】
一価抗体が、
(i)請求項1〜26のいずれか一項記載の抗体の可変領域または該領域の抗原結合部分、ならびに
(ii)ヒンジ領域に対応する領域および、免疫グロブリンがIgG4サブタイプでない場合は、CH領域の他の領域、例えば、CH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で同一のCH領域とジスルフィド結合を形成することができるアミノ酸残基、または同一のCH領域と他の共有結合もしくは安定した非共有結合による重鎖間結合をすることができるアミノ酸残基を含まないように修飾されている、免疫グロブリンのCH領域、またはCH2領域およびCH3領域を含むその断片
を含む、請求項63記載の抗体。
【請求項66】
ヒンジ全体が欠失されるように重鎖が修飾されている、請求項63〜65のいずれか一項記載の抗体。
【請求項67】
請求項1〜62のいずれか一項記載の抗体、および第2の結合特異性、例えば、ヒトエフェクター細胞、ヒトFc受容体、またはT細胞受容体に対する結合特異性を含む、二重特異性分子。
【請求項68】
SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:112からなる群より選択されるアミノ酸配列の1つまたは複数をコードするヌクレオチド配列を含む、発現ベクター。
【請求項69】
ヒト抗体の軽鎖、重鎖、または軽鎖および重鎖の両方の定常領域をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項68記載の発現ベクター。
【請求項70】
請求項1〜59または61〜66のいずれか一項において定義された抗体を産生する、組換え真核宿主細胞または組換え原核宿主細胞。
【請求項71】
請求項1〜54のいずれか一項において定義された抗体、請求項67において定義された二重特異性分子、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項72】
医用薬剤として使用するための、請求項1〜66のいずれか一項において定義された抗体または請求項67において定義された二重特異性分子。
【請求項73】
使用が、癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項74】
癌が、中枢神経系の腫瘍、頭頚部癌、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、肝臓癌および胆道癌、膵臓癌、結腸直腸癌、膀胱癌、腎臓癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、悪性黒色腫、肉腫、原発起源不明の腫瘍、骨髄癌、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ芽球性白血病、および非ホジキンリンパ腫、皮膚癌、神経膠腫、脳癌、子宮癌、および直腸癌からなる群より選択される、請求項73記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項75】
使用が、膵臓癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項76】
使用が、結腸直腸癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項77】
使用が、卵巣癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項78】
使用が、乳癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項79】
使用が、前立腺癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項80】
使用が、膀胱癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項81】
医用薬剤が、1種類または複数の種類のさらなる治療剤、例えば、化学療法剤と組み合わせて癌を治療するためのものである、請求項72記載の抗体または二重特異性分子。
【請求項82】
癌を治療するための医用薬剤を製造するための、請求項1〜66のいずれか一項記載の抗体または請求項697記載の二重特異性分子の使用。
【請求項83】
請求項74〜81のいずれか一項記載のさらなる特徴を含む、請求項82記載の使用。
【請求項84】
組織因子を発現する腫瘍細胞の成長および/または増殖を阻害するための方法であって、以下の工程を含む方法:
組織因子を発現する腫瘍細胞の成長および/または増殖の阻害を必要とする個体に、請求項1〜66のいずれか一項記載の抗体または請求項67において定義された二重特異性分子を投与する工程。
【請求項85】
請求項1〜59または61〜66のいずれか一項記載の抗体を産生するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)請求項70記載の宿主細胞を培養する工程、および
b)培地から抗体を精製する工程。
【請求項86】
請求項1〜67のいずれか一項において定義された抗体を含む、診断用組成物。
【請求項87】
試料中の組織因子の存在を検出するための方法であって、以下の工程を含む方法:
-試料と、請求項1〜66のいずれか一項記載の抗体または請求項67記載の二重特異性分子とを、抗体または二重特異性分子と組織因子との複合体が形成する条件下で接触させる工程;および
-複合体が形成したかどうか分析する工程。
【請求項88】
-請求項1〜66のいずれか一項記載の抗体または請求項67記載の二重特異性分子;および
-キットを使用するための説明書
を含む、試料中の組織因子の存在を検出するためのキット。

【公表番号】特表2012−511314(P2012−511314A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540083(P2011−540083)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066755
【国際公開番号】WO2010/066803
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(507316398)ゲンマブ エー/エス (18)
【Fターム(参考)】