説明

ヒトToll様レセプタータンパク質、関連する試薬および方法

【課題】(例えば、免疫系および/または造血細胞の)発生、分化または機能に直接的または間接的に関与する広範囲の変性状態または異常状態のための新規治療法に寄与する、新規の可溶性タンパク質およびそのレセプター(リンホカインに類似のものを含む)の発見および開発であって、具体的には、他のリンホカインの有益な活性を亢進または増強するリンホカイン様分子についての新規レセプターの発見および理解であり、インターロイキン1様組成物と類似性を示すリガンドについての新規レセプターおよび関連する化合物、ならびにこれらの使用のための方法を提供すること。
【解決手段】実質的に純粋なまたは組換えのDTLR2タンパク質。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許出願第USSN60/044,293号、1997年5月7日出願;同USSN60/072,212号、1998年1月22日出願;および同USSN60/076,947号、1998年3月5日出願の優先権を主張し、
これら各々を本明細書において参考として援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、形態形成または免疫系機能を含む哺乳動物の生理学に影響を及ぼす組成物および方法に関する。特に、本発明は、発生および/または免疫系を調節する、核酸、タンパク質、および抗体を提供する。これらの物質の診断および治療での使用もまた、開示される。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
組換えDNA技術は、一般に、宿主への導入を介するような、あとに続く処理のための、
ドナー供給源からの遺伝情報をベクター中へ組込む技術(これにより、移行された遺伝情報は、コピーされ、および/または新規の環境で発現する)をいう。一般的に、遺伝情報は、所望のタンパク質産物をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)由来の相補的DNA(cDNA)の形態で存在する。キャリアは頻繁に、宿主での後の複製のためにcDNAを組込み、いくつかの場合には実際にcDNAの発現を制御し、それにより宿主においてコードされる産物の合成を指向する、能力を有するプラスミドである。
【0004】
かねてから、哺乳動物免疫応答は、一連の複雑な細胞性の相互作用(「免疫ネットワーク」と呼ばれる)に基づくことが知られている。近年の研究は、このネットワークの内部の仕組みについて、新たな洞察を提供した。実際に、免疫応答の多くがリンパ球、マクロファージ、顆粒球、および他の細胞のネットワーク様の相互作用の周りを回ることが、明らかなままであるが、免疫学者は、現在、一般的に、リンホカイン、サイトカイン、またはモノカインとして知られる可溶性タンパク質が、これらの細胞性の相互作用の制御において重要な役割を果たすという見解を有している。従って、かなりの興味が、細胞調節性因子の単離、特徴づけ、および作用機構について存在し、この理解は、多くの医学的な異常(例えば、免疫系障害)の診断および治療において、顕著な利点をもたらす。
【0005】
リンホカインは、明らかに種々の方法で、細胞の活性を媒介する。多能性の造血幹細胞が、非常に多くの前駆体(複雑な免疫系を構成する多様な細胞系統よりなる)への増殖、発達、および/または分化を補助することが、示されている。細胞構成成分間の、適切で、そしてバランスのとれた相互作用は、健常免疫応答のために必要である。異なる細胞系統は、リンホカインが他の薬剤とともに投与される場合、しばしば異なる様式で応答する。
【0006】
細胞系統は、2つのクラスのリンパ球を含む免疫応答にとって特に重要である:免疫グロブリン(外来物質を認識し、そして結合する能力を有し、外来物質の除去を行うタンパク質)を産生および分泌し得るB細胞、ならびにリンホカインを分泌し、そしてB細胞および種々の他の細胞(他のT細胞を含む)を、誘導または抑制し、免疫ネットワークを構成する、種々のサブセットのT細胞。これらのリンパ球は、多くの他の細胞型と相互作用する。
【0007】
別の重要な細胞系統は、肥満細胞(これは、すべての哺乳動物種において、陽性であるとして同定されてはいない)であり、これは顆粒含有性の結合組織細胞であり、全身にわ
たり毛細血管の近位に位置する。これらの細胞は、肺、皮膚、ならびに胃腸管および尿生殖路において、特に高濃度で見出される。肥満細胞は、アレルギー関連障害、特に以下のようなアナフィラキシーにおいて、中心的役割を果たす:選択された抗原が肥満細胞の表面のレセプターに結合した1つのクラスの免疫グロブリンを架橋する場合、肥満細胞は、脱顆粒し、メディエータ(例えば、ヒスタミン、セトロニン、へパリン、およびプロスタグランジン)を放出し、これらがアレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)を起こす。
【0008】
種々の免疫障害をより良く理解し、そして処置するための研究は、一般的にインビトロで免疫系の細胞を維持するのが不可能なために、妨げられてきた。免疫学者は、多くのこれらの細胞の培養は、T細胞および他の細胞の上清(多くのリンホカインを含む種々の増殖因子を含む)を用いることにより達成され得ることを見出した。
【0009】
タンパク質のインターロイキン1ファミリーは、IL-1α、IL-1β、IL-1RAを含みそして近年IL-1γを含む(インターフェロンγ誘導因子、IGIFとまた、命名される)。遺伝子のこの関連するファミリーは、広範囲の生物学的機能と結びつけられてきた。Dinarello(1994)FASEB J. 8:1314-1325: Dinarello (1991) Blood 77:1627-1652; およびOkamuraら、(1995)Nature 378:88-91を参照のこと。
【0010】
さらに、形態形成発生を調節する、種々の増殖因子および調節因子が存在する。これは、例えば、IL-1レセプターに特徴的な構造的、機構的特色を共有するレセプターへの結合を通じて信号を伝達するTollリガンドを含む。例えば、Lemaitreら、(1996)Cell 86:973-983;ならびにBelvinおよびAnderson(1996) Ann. Rev. Cell & Devel. Biol.12:393-416を参照のこと。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述より、新規の可溶性タンパク質およびそのレセプター(リンホカインに類似のものを含む)の発見および開発が、(例えば、免疫系および/または造血細胞の)発生、分化または機能に直接的または間接的に関与する広範囲の変性状態または異常状態のための新規治療法に寄与すべきであることは、明らかである。具体的には、他のリンホカインの有益な活性を亢進または増強するリンホカイン様分子についての新規レセプターの発見および理解が、高度に有利である。本発明は、インターロイキン1様組成物と類似性を示すリガンドについての新規レセプターおよび関連する化合物、ならびにこれらの使用のための方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の要旨
本発明は、9つの新規の関連する哺乳動物レセプター(例えば、ヒト、Tollレセプター様分子構造、DTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、およびDTLR10と命名される)およびその生物学的活性に関する。本発明は、ポリペプチド自体をコードする核酸ならびにそれらの生成および使用方法を含む。本発明の核酸は、部分的に、本明細書が含むクローン化された相補的DNA(cDNA)に対するその相同性によって特徴付けられ
る。
【0013】
特定の実施態様において、本発明は、下記の群より選択される物質の組成物を提供する:実質的に純粋なまたは組換えのDTLR2タンパク質、あるいは配列番号4に対し少なくと
も12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号4の天然配列DTLR2;DTLR2配列を含む融合タンパク質;実質的に純粋なまたは組換えのDTLR3タンパ
ク質、あるいは配列番号6に対し少なくとも12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同
一性を示すペプチド;配列番号6の天然配列DTLR3;DTLR3配列を含む融合タンパク質;実質的に純粋なまたは組換えのDTLR4タンパク質、あるいは配列番号26に対し少なくとも12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号26の天然配
列DTLR4;DTLR4配列を含む融合タンパク質;実質的に純粋なまたは組換えのDTLR5タンパ
ク質、あるいは配列番号10に対し少なくとも12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号10の天然配列DTLR5;DTLR5配列を含む融合タンパク質。
【0014】
別の実施態様において、本発明は、下記の群より選択される物質の組成物を提供する:実質的に純粋なまたは組換えのDTLR6タンパク質、あるいは配列番号12に対し少なくと
も12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号12の天然配列DTLR6;DTLR6配列を含む融合タンパク質;;実質的に純粋なまたは組換えのDTLR7タ
ンパク質、あるいは配列番号16または18に対し少なくとも12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号16または18の天然配列DTLR7;DTLR7配列を含む融合タンパク質;実質的に純粋なまたは組換えのDTLR8タンパク質、あるいは
配列番号32に対し少なくとも12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号32の天然配列DTLR8;DTLR8配列を含む融合タンパク質;;実質的に純粋なまたは組換えのDTLR9タンパク質、あるいは配列番号22に対し少なくとも12アミノ
酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号22の天然配列DTLR9
;DTLR9配列を含む融合タンパク質;実質的に純粋なまたは組換えのDTLR10タンパク質、
あるいは配列番号34に対し少なくとも12アミノ酸長にわたり少なくとも約85%の同一性を示すペプチド;配列番号34の天然配列DTLR10;およびDTLR10配列を含む融合タンパク質。
【0015】
好ましくは、DTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10の対応する部分に対し、配列同一性を示すセグメントを含む、実質的に純粋な、または単離されたタンパク質であって、ここで;相同性は、少なくとも約90%同一性であり、そして部分は少なくとも約9アミノ酸である;相同性は、少なくとも約80%同一性であり、そして部分は少なくとも約17アミノ酸である;または、相同性は、少なくとも約70%同一性であり、そして部分は少なくとも約25アミノ酸である。特定の実施態様において、物質の組成物は:DTLR2であり、配列番号4の成熟配列を含む;または天然のDTLR2とは異なる翻訳後の修飾パターンを示す;DTLR3であり、配列番号6の成熟配列を含む;または
天然のDTLR3とは異なる翻訳後の修飾パターンを示す;DTLR4であり、配列番号26の成熟配列を含む;または天然のDTLR4とは異なる翻訳後の修飾パターンを示す;あるいは、DTLR5であり、配列番号10の完全配列を含む;または天然のDTLR5とは異なる翻訳後の修飾
パターンを示す;あるいは、DTLR6であり、配列番号12の成熟配列を含む;または天然
のDTLR6とは異なる翻訳後の修飾パターンを示す;DTLR7であり、配列番号16もしくは18の成熟配列を含む;または天然のDTLR7とは異なる翻訳後の修飾パターンを示す;DTLR8であり、配列番号32の成熟配列を含む;または天然のDTLR8とは異なる翻訳後の修飾パ
ターンを示す;あるいは、DTLR9であり、配列番号22の完全配列を含む;または天然のDTLR9とは異なる翻訳後の修飾パターンを示す;あるいは、DTLR10であり、配列番号34の完全配列を含む;または天然のDTLR10とは異なる翻訳後の修飾パターンを示す;あるいは、物質の組成物は、タンパク質またはペプチドであり得、これらは:ヒトのような霊長類を含む動物から選択される温血動物由来であり;配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22、または34のポリペプチドセグメントの少なくとも1つを含み;この同一性を示す複数の部分を示し;DTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10の天然の対立遺伝子改変体であり;少なくとも約30アミノ酸長を有し;霊長類のDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10に対し特異的な、少なくとも2つのオーバーラップしないエピトープを示し;霊長類のDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6に対し、少なくとも約20アミノ酸長にわたり、少なくとも約90%
配列同一性を示し;霊長類のDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10に対し特異的な、少なくとも2つのオーバーラップしないエピトープを示し;霊長類のDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10に対し、少なくとも約20アミノ酸長にわたり、少なくとも約90%配列同一性を示し;グリコシル化され;天然のグリコシル化にともない、少なくとも100kDの分子量を有し;
合成ポリペプチドであり;固体基板に付着し;別の化学的部分と結合し;天然の配列より5倍以下の置換であり;あるいは、天然配列由来の欠失または挿入改変体である。
【0016】
別の実施態様は、以下を含む組成物を含む:滅菌DTLR2タンパク質またはペプチド;あ
るいは、DTLR2タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャリアは:水、生理
食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方される;滅菌DTLR3タンパク質また
はペプチド;あるいは、DTLR3タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャリ
アは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方される;滅菌DTLR4
タンパク質またはペプチド;あるいは、DTLR4タンパク質またはペプチドおよびキャリア
、ここでキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方される;滅菌DTLR5タンパク質またはペプチド;あるいは、DTLR5タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化
合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与の
ために処方される;滅菌DTLR6タンパク質またはペプチド;あるいは、DTLR6タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝
液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非
経口的な投与のために処方される;滅菌DTLR7タンパク質またはペプチド;あるいは、DTLR7タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方される;滅菌DTLR8タンパク質またはペプチド;
あるいは、DTLR8タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャリアは:水、生
理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方される;滅菌DTLR9タンパク質ま
たはペプチド;あるいは、DTLR9タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャ
リアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方される;滅菌DTLR10タンパク質またはペプチド;あるいは、DTLR10タンパク質またはペプチドおよびキャリア、ここでキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む水性化合物;およ
び/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方
される。
【0017】
特定の融合タンパク質の実施態様においては、本発明は、以下を含む融合タンパク質を提供する:配列番号4,6,26,10,12,16,18,32,22または34の成熟タンパク質配列;FLAG、His6、またはIg配列を含むタグの検出または精製;あるいは、他のレセプタータンパク質の配列。
【0018】
種々のキットの実施態様は、DTLRタンパク質またはポリペプチド、および;タンパク質またはポリペプチドを含む区画;および/または、キット中の試薬の使用または廃棄のた
めの取扱説明書を含むキットを含む。
【0019】
結合化合物実施態様は、天然のDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10タンパク質に特異的に結合する抗体由来の抗原結合部位を含む実施態
様を含み、ここで:タンパク質は霊長類タンパク質であり;結合化合物は、Fv、Fab、ま
たはFab2フラグメントであり;結合化合物は、別の化学的部分と結合し;あるいは、抗体は:配列番号4,6,26,10,12,16,18,32,22,または34の成熟ポリペプチドのペプチド配列に
対して惹起され;成熟DTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10に対して惹起され;精製ヒトDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10に対して惹起され;免疫選択され;ポリクローナル抗体であり;変性したDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10に結合し;抗原に対し、少なくとも30μMのKdを示し;ビーズまたはプラスチック膜を含む固
体基板に付着し;滅菌組成物中に存在するか;あるいは、検出可能に標識される(放射能標識または蛍光標識を含む)。結合組成物キットは、しばしば、結合化合物、および:この結合化合物を含む区画;および/または、キットの試薬の使用または廃棄のための取扱
説明書を含む。しばしば、このキットは、定性的または定量的分析を行い得る。
【0020】
別の組成物としては、以下を含む組成物が挙げられる:滅菌結合化合物、または結合化合物およびキャリア、ここでキャリアは:水、生理食塩水、および/または緩衝液を含む
水性化合物;および/または経口的な、直腸への、経鼻の、局所的な、または非経口的な投与のために処方される。
【0021】
核酸の実施態様は、DTLR2〜10タンパク質またはペプチドまたは融合タンパク質をコー
ドする単離された核酸または組換え核酸を含み、ここで:DTLRは哺乳動物由来であるか;あるいは、核酸は:配列番号4,6,26,10,12,16,18,32,22,または34の抗原性ペプチド配列
をコードし;配列番号4,6,26,10,12,16,18,32,22,または34の抗原性ペプチド配列の多数
をコードし;このセグメントをコードする天然cDNAに対して少なくとも約80%同一性を示し;発現ベクターであり;さらに、複製起点を含み;天然供給源由来であり;検出可能な標識を含み;合成ヌクレオチド配列を含み;6kb未満であり、好ましくは3kb未満であり;霊長類を含む哺乳動物由来であり;天然の全長コード配列を含み;このDTLRをコードする遺伝子のためのハイブリダイゼーションプローブであり;あるいは、PCRプライマー、PCR産物、または変異誘発プライマーである。そのような組換え核酸を含む、細胞、組織、または器官もまた提供される。好ましくは、細胞は:原核生物細胞;真核生物細胞;細菌細胞;酵母細胞;昆虫細胞;哺乳動物細胞;マウス細胞;霊長類細胞;またはヒト細胞である。このような核酸および:この核酸を含む区画を含むキットが提供され;区画はさらに霊長類DTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10タンパク質またはポリペプチド;および/またはキット中の試薬の使用または廃棄のための取扱説明書を含む。しばしば、キットは、定性的または定量的分析を行い得る。
【0022】
別の実施態様は、核酸を含み、この核酸は:配列番号3に対し、30℃および2M未満の
塩の洗浄条件下でハイブリダイズし;配列番号5に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄
条件下でハイブリダイズし;配列番号25に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄条件下
でハイブリダイズし;配列番号9に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄条件下でハイブ
リダイズし;配列番号11に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄条件下でハイブリダイ
ズし;配列番号15または17に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄条件下でハイブリ
ダイズし;配列番号31に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄条件下でハイブリダイズ
し;配列番号21に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄条件下でハイブリダイズし;配
列番号33に対し、30℃および2M未満の塩の洗浄条件下でハイブリダイズし;霊長類DTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10に対し、少なく
とも約30ヌクレオチドのストレッチにわたり、少なくとも約85%同一性を示す。
【0023】
好ましくは、このような核酸は、以下の性質を有する:洗浄条件は、45℃および/または500mM塩である;あるいは同一性は少なくとも90%であり、および/またはストレッ
チは少なくとも55ヌクレオチドである。より好ましくは、洗浄条件は、55℃および/
または150mM塩であるか;あるいは同一性は少なくとも95%、および/またはストレッチ
は少なくとも75ヌクレオチドである。
【0024】
本発明はまた、哺乳動物DTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、またはDTLR10のアゴニストまたはアンタゴニストと細胞を接触させる工程を包含する、細胞または組織培養細胞の生理学または発生を調節する方法を提供する。
項目1.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR2タンパク質、あるいは配列番号4に対して
少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目2.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR3タンパク質、あるいは配列番号6に対して
少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目3.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR5タンパク質、あるいは配列番号10に対し
て少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目4.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR6タンパク質、あるいは配列番号12に対し
て少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目5.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR7タンパク質、あるいは配列番号16または
18に対して少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目6.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR8タンパク質、あるいは配列番号32に対し
て少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目7.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR9タンパク質、あるいは配列番号22に対し
て少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目8.実質的に純粋なまたは組換えのDTLR10タンパク質、あるいは配列番号34に対して少なくとも約20アミノ酸長にわたり少なくとも約90%の配列同一性を示す複数のオーバーラップしない部分を含むペプチド。
項目9.配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号18、配列番号32、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される、ポリペプチド。
項目10.項目1〜9のいずれか1項に記載のタンパク質またはペプチドを含む、融合タンパク質。
項目11.項目1〜9のいずれか1項に記載のタンパク質またはペプチドに特異的に結合する、抗体または抗体フラグメント。
項目12.項目1〜9のいずれか1項に記載のタンパク質またはペプチドをコードする、核酸。
項目13.項目12に記載の核酸を含む、発現ベクター。
項目14.項目13に記載のベクターを含む、宿主細胞。
項目15.ポリペプチドを組換え的に産生するプロセスであって、ここで該プロセスが、該ポリペプチドが発現する条件下で、項目14に記載の宿主細胞を培養する工程を包含する、プロセス。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
好ましい実施態様の詳細な説明
I.概説
本発明は、哺乳動物、ここでは霊長類のDNAX Toll様レセプター分子(DTLR) のアミノ
酸配列およびDNA配列であって、構造的および生物学的の両方の特定の規定された特性を
有する配列を提供する。これらは、本明細書中で、それぞれDTLR2、DTLR3、DTLR4、DTLR5、DTLR6、DTLR7、DTLR8、DTLR9、およびDTLR10と命名されており、1〜10のヒトToll様レセプターファミリーのメンバーの数を増大させる。これらの分子をコードする種々のcDNAを、霊長類(例えば、ヒト)のcDNA配列ライブラリーから得た。他の霊長類または他の哺乳動物の対応物もまた、所望される。
【0026】
適用可能ないくつかの標準的な方法が、記載されるか、または、例えば、Maniatisら(1982) Molecular Cloning, ALaboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Press;Sambrookら(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual,
(第2版)、第1〜3巻、CSH Press, NY; Ausubelら、Biology, Greene Publishing Associates,Brooklyn, NY; またはAusubelら(1987および定期的補遺)Current Protocols in
Molecular Biology, Greene/Wiley, New York; に参照され、これらの各々は、本明細書中で参考として援用される。
【0027】
ヒトDTLR1コードセグメントの完全なヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は
、配列番号1および2に示される。Nomuraら(1994) DNA Res 1:27-35もまた参照のこと
。ヒトDTLR2コードセグメントの完全なヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は
、配列番号3および4に示される。ヒトDTLR3コードセグメントの完全なヌクレオチド配
列および対応するアミノ酸配列は、配列番号5および6に示される。ヒトDTLR4コードセ
グメントの完全なヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は、配列番号7および8に示される。ヒトDTLR4コードセグメントの代替の核酸配列および対応するアミノ酸配列
は、配列番号25および26に提供される。ヒトDTLR5コードセグメントの部分ヌクレオ
チド配列および対応するアミノ酸配列は、配列番号9および10に示される。ヒトDTLR6
コードセグメントの完全なヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は、配列番号11および12に示され、そしてマウスDTLR6の部分配列は、配列番号13および14に提
供される。さらなるマウスDTLR6配列は、配列番号27および29(ヌクレオチド配列)
ならびに配列番号28および30(アミノ酸配列)に提供される。ヒトDTLR7コードセグ
メントの部分ヌクレオチド配列(配列番号15および17)および対応するアミノ酸配列(配列番号16および18)もまた提供される。ヒトDTLR8コードセグメントの部分ヌク
レオチド配列および対応するアミノ酸配列は、配列番号19および20に示される。ヒトDTLRコードセグメントのより完全なヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は、配列番号31および32に示される。ヒトDTLR9コードセグメントの部分ヌクレオチド配列
および対応するアミノ酸配列は、配列番号21および22に示される。ヒトDTLR10コードセグメントの部分ヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は、配列番号23および24に示される。ヒトDTLR10コードセグメントのより完全なヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列は、配列番号33および34に示される。マウスDTLR10コードセグメントの部分ヌクレオチド配列は、配列番号35に提供される。
【0028】
表1:ヒトDTLRの細胞内ドメインの比較。DTLR1は、配列番号2;DTLR2は、配列番号4;DTLR3は、配列番号6;DTLR4は、配列番号8;DTLR5は、配列番号10;およびDTLR6は、配列番号12。特に重要なそして保存された、例えば、特徴的な残基は、DTLRにわたって、配列番号18の残基tyr10〜tyr13;trp26;cys46;trp52;pro54〜gly55;ser69;lys71;trp134〜pro135;およびphe144〜trp145に対応する。
【0029】
【表1】

【0030】
本明細書中で使用される用語DNAX Toll様レセプター2(DTLR2)は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するかまたは共有するタンパク質またはペプチドセグメントを含むタンパク質あるいはその実質的フラグメントを記載するために使用される。DTLR3および
配列番号6;DTLR4および配列番号26;DTLR5および配列番号10;DTLR6および配列番号12
;DTLR7および配列番号16および18;DTLR8および配列番号32;DTLR9および配列番号22;
ならびにDTLR10および配列番号34についても同様である。
【0031】
本発明はまた、その配列が提供されるそれぞれのDTLR対立遺伝子のタンパク質改変体、例えば、ムテインアゴニストまたはアンタゴニストを含む。代表的には、このようなアゴニストまたはアンタゴニストは、約10%未満の配列差異を示し、従って、しばしば1重と11重との間の置換、例えば、2、3、5、7重、その他の置換を有する。記載されたタンパク質の対立遺伝子および他の改変体(例えば、天然の多型性)もまた含まれる。代表的には、高親和性(例えば、少なくとも約100nM、通常約30nMよりも低く、好ましくは約10n
Mよりも低く、そしてより好ましくは約3nMよりも低い)を有するその対応する生物学的
レセプターに結合する。用語はまた、関連する天然に生じる形態(例えば、哺乳動物タンパク質の対立遺伝子、多型性改変体、および代謝改変体)をいうために本明細書中で使用される。
【0032】
本発明はまた、配列番号4のアミノ酸配列と実質的なアミノ酸配列同一性を有するタンパク質またはペプチドを包含する。比較的少数(例えば、好ましくは、約3〜5未満)の置換を有する配列改変体を含む。同様な特徴が、配列番号6、26、10、12、16、18、32、22、および34に提供される他のDTLR配列に当てはまる。
【0033】
実質的なポリペプチド「フラグメント」または「セグメント」は、少なくとも約8アミノ酸のアミノ酸残基のストレッチ、一般的に少なくとも10アミノ酸、より一般的には少なくとも12アミノ酸、しばしば少なくとも14アミノ酸、よりしばしば少なくとも16アミノ酸、代表的には少なくとも18アミノ酸、より代表的には少なくとも20アミノ酸、通常少なくとも22アミノ酸、より通常には少なくとも24アミノ酸、好ましくは少なくとも26アミノ酸、より好ましくは少なくとも28アミノ酸、そして特に好ましい実施態様において、少なくとも約30以上のアミノ酸のアミノ酸残基のストレッチである。異なるタンパク質のセグメントの配列は、適切な長さのストレッチにわたって互いに比較され得る。
【0034】
アミノ酸配列相同性または配列同一性は、残基の整合を最適化することによって、必要な場合には、ギャップを必要なだけ導入することによって決定される。例えば、Needlehamら、(1970)J. Mol. Biol. 48:443-453; Sankoffら、(1983) Time Warps, String Edits, andMacromolecules: The Theory and Practice of Sequence Comparisonの第1章,Addison-Wesley, Reading, MA;およびIntelliGenetics, Mountain View, CA;およびUniversityof Wisconsin Genetics Computer Group (GCG), Madison, WIのソフトウェアパッケ
ージ;(この各々は、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。これは、保存的置換を整合として考慮する場合に変化する。保存的置換は、代表的には、以下のグループ内での置換を含む:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アルパラギン酸、グルタミン酸;アルパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;ならびにフェニルアラニン、チロシン。相同なアミノ酸配列は、天然の対立遺伝子および種間改変を、サイトカイン配列中に含むことが意図される。代表的な相同タンパク質またはペプチドは、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22、または34のアミノ酸配列セグメントと、50〜100%相同性(ギャップが導入され得る場合)から、60〜100%相同性(保存的置換が含まれる場合)までを有する。相同性の程度は、少なくとも約70%、一般に少なくとも76%、より一般には少なくとも81%、しばしば少なくとも85%、よりしばしば少なくとも約88%、代表的には少なくとも90%、より代表的には少なくとも92%、通常少なくとも94%、より通常には少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、そしてより好ましくは少なくとも97%、ならびに特に好ましい実施態様において、少なくとも98%以上である。相同性の程度は、比較するセグメントの長さにより変化する。対立遺伝子改変体のような相同なタンパク質またはペプチドは、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22、または34に記載される実施態様と、ほとんどの生物学的活性を共有する。特に興味深い比較の領域は、アミノ酸または核酸レベルで、ブロック1〜10の各々内の領域、またはブロック内領域に対応し、図2Aに示されるものに対応する。
【0035】
本明細書中で使用される用語「生物学的活性」は、限定することなしに、それぞれのリガンドによる炎症性応答、先天性免疫、および/または形態学的発達に対する効果を記載
するために使用される。例えば、これらのレセプターは、IL-1レセプターと同様に、ホスファターゼまたはホスホリラーゼ活性を媒介し、この活性は、標準的な手順によって容易に測定される。例えば、Hardieら(1995、編)Theprotein Kinase FactBook、第IおよびII巻、Academic Press, San Diego, CA; Hanksら(1991)Meth. Enzymol. 200: 38-62; Hu
nterら(1992) Cell 70: 375-388; Lewin (1990) Cell 61: 743-752; Pinesら(1991) ColdSpring Harbor Symp. Ouant. Biol. 56: 449-463; およびParkerら(1993) Nature 363:736-738を参照のこと。レセプターは、リガンド結合によって調節される調節可能な酵素に良く似た生物学的活性を示す。しかし、酵素の代謝回転数は、レセプター複合体よりも酵素に近い。さらに、このような酵素活性を誘導するのに必要な占有されるレセプターの数は、ほとんどのレセプター系よりも少なく、そして細胞あたり数千の数で誘発するほとんどのレセプターとは対照的に、細胞あたり数ダース近くの数であり得る。レセプターまたはその部分は、一般的なまたは特定の基質を標識するためのホスフェート標識酵素として有用であり得る。
【0036】
用語リガンド、アゴニスト、アンタゴニスト、およびアナログ(例えば、DTLRの)は、Tollリガンド様タンパク質に対する特徴的な細胞性応答を調節する分子、ならびに、例えば、レセプターが天然のレセプターまたは抗体である場合には、リガンド‐レセプター相互作用のより標準的な構造的結合競合特徴を有する分子を含む。細胞性応答は、種々のTollリガンドの、I型またはII型IL-1レセプターに関連するが、おそらく異なる細胞性レセ
プターへの結合を介して媒介されるようである。例えば、BelvinおよびAnderson (1996) Ann. Rev. Cell Dev. Biol.12:393-416; MorisatoおよびAnderson (1995) Ann. Rev. Genetics 29:371-3991およびHultmark(1994) Nature 367: 116-117を参照のこと。
【0037】
また、リガンドは、それにレセプターまたはそのアナログが結合する天然のリガンドとして作用する分子であるか、または天然のリガンドの機能的なアナログである分子として作用する分子である。機能的なアナログは、構造的な改変を有するリガンドであり得るか、または適切なリガンド結合決定基と相互作用する分子の形状を有する全体的に関連していない分子であり得る。リガンドは、アゴニストまたはアンタゴニストとして作用し得る。例えば、Goodmanら、(編)(1990)Goodman & Gilman's: The Pharmacological Bases of Therapeutics, PergamonPress, New Yorkを参照のこと。
【0038】
合理的な薬物設計もまた、レセプターまたは抗体および他のエフェクターまたはリガンドの分子形状の構造的な研究に基づき得る。エフェクターは、リガンド結合に応答して他の機能を媒介する他のタンパク質、または通常レセプターと相互作用する他のタンパク質であり得る。どの部位が特定の他のタンパク質と相互作用するかを決定するための1つの手段は、物理的な構造の決定(例えば、X線結晶解析または二次元NMR技術)である。こ
れらは、どのアミノ酸残基が分子接触領域を形成するかに関する指針を提供する。タンパク質構造決定の詳細な記載については、例えば、BlundellおよびJohnson(1976)Protein Crystallography, Academic Press, New York(これは、本明細書中で参考として援用さ
れる)を参照のこと。
【0039】
II. 活性
Toll様レセプタータンパク質は、例えば、ホスフェート代謝において多くの異なる生物学的活性を有し、特定の基質、代表的にはタンパク質に添加されるかまたはそこから除去される。このようなものは、一般に、炎症性の機能の調節、他の先天的免疫応答、または形態学的効果を生じる。DTLR2、3、4、5、6、7、8、9、または10タンパク質は、他のToll様レセプタータンパク質に対して相同であるが、各々は、構造的な差異を有する。例えば、ヒトDTLR2遺伝子コード配列は、おそらくマウスDTLR2のヌクレオチドコード配列と約70%同一性を有する。アミノ酸レベルで、合理的な同一性も存在するようである。
【0040】
DTLRの生物学的活性は、代表的には特異的な様式で、しかし時折非特異的な様式で、基質に対するホスフェート部分の付加または除去に関連する。基質は、同定され得るか、または酵素活性についての条件が標準的な方法(例えば、Hardieら(1995、編)TheProtein Kinase FactBook IおよびII巻、Academic Press, San Diego, CA; Hanksら(1991)Meth
. Enzymol. 200:38-62; Hunterら(1992) Cell 70:372-388; Lewin (1990) Cell 61: 743-752; Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp. Ouant. Biol. 56:449-463; およびParkerら(1993) Nature363:736-738に記載される)によってアッセイされ得る。
【0041】
III. 核酸
本発明は、例えば、これらのタンパク質またはそのフラグメントまたは密接に関連するタンパク質またはそのフラグメントをコードする単離された核酸またはフラグメントの、例えば、対応するポリぺプチド、好ましくは生物学的に活性であるポリぺプチドをコードするための使用を意図する。さらに、本発明は、それぞれのDTLRの特徴的配列を個々にまたはグループとして有するこのようなタンパク質またはポリぺプチドをコードする単離されたまたは組換えのDNAを包含する。代表的には、核酸は、適切な条件下で、配列番号3
、5、25、9、11、15、17、31、21、または33に示される核酸配列セグメントとハイブリダイズし得るが、好ましくは配列番号1の対応するセグメントとはハイブリダイズしない。上記の生物学的に活性なタンパク質またはポリぺプチドは、全長タンパク質、またはフラグメントであり得、そして代表的には、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22、または34に示されるアミノ酸配列に高度に相同なアミノ酸配列のセグメントを有する。さらに、本発明は、DTLR2〜10タンパク質に等価なフラグメントを有するタンパク質をコ
ードする単離されたまたは組換えの核酸またはそのフラグメントの使用を包含する。単離された核酸は、例えば、天然の遺伝子からのプロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナル、その他、5’および3’フランクにおいてそれぞれの調節配列を有し得る。
【0042】
「単離された」核酸は、例えば、元々の種からのリボゾーム、ポリメラーゼ、および隣接するゲノム配列のような天然の配列にもともと付随する他の成分から分離された、実質的に純粋な核酸(例えば、RNA、DNA、または混合ポリマー)である。この用語は、その天然に生じる環境から除去されている核酸配列を包含し、そして組換えまたはクローン化DNA単離体を包含し、これらはそれにより天然に生じる組成物、および化学的に合成された
アナログ、または異種系によって生物学的に合成されたアナログから区別される。実質的に純粋な分子には、完全に純粋または実質的に純粋のいずれかの分子の単離された形態が含まれる。
【0043】
単離された核酸は、一般に、分子の均一な組成物であるが、いくつかの実施態様においては、不均一性(好ましくは少量)を含む。この不均一性は、代表的には、所望の生物学的な機能または活性に対して重要でないポリマー末端または部分で見出される。
【0044】
「組換え」核酸は、代表的には、その産生方法またはその構造のいずれかによって規定されている。その産生(例えば、プロセスによって生成される産物)の方法に関して、プロセスは、組換え核酸技術(例えば、ヌクレオチド配列における人為的介入を含む)の使用である。代表的には、この介入には、インビトロ操作を含むが、特定の状況下では、それはより古典的な動物繁殖技術を含み得る。あるいは、それは互いに天然には連続しない2つのフラグメントの融合を含む配列を生成することによって作製される核酸であり得るが、天然の産物(例えば、その天然の状態に見出されるような天然に生じる変異体)は除外することを意味する。従って、例えば、天然に生じない任意のベクターで細胞を形質転換することによって作製される産物が、任意の合成的オリゴヌクレオチドプロセスを使用して誘導される配列を含む核酸と同様に含まれる。このようなプロセスは、しばしば、代表的には制限酵素配列認識部位を導入または除去しながら、同一または保存されたアミノ酸をコードする縮重コドンでコドンを置換するためになされる。あるいは、所望の機能の核酸セグメントを一緒に結合して、一般に入手できる天然の形態において見出されない機能の所望の組み合わせを含む単一の遺伝子部分(例えば、融合タンパク質をコードする)を生成するために行われる。制限酵素認識部位は、しばしば、このような人為的な操作の標的であるが、他の部位特異的な標的(例えば、プロモーター、DNA複製部位、調節配列
、制御配列、または他の有用な特徴)は、設計によって取り込まれ得る。類似の概念が、組換え、例えば、融合のポリぺプチドについて意図される。これには、二量体反復が含まれる。具体的に包含されるものは、遺伝子コードの縮重によって、種々の異なる関連する分子(例えば、他のIL-1レセプターファミリーメンバー)由来の配列のDTLR2〜10のフラ
グメントおよび融合物に等価なポリぺプチドをコードする合成核酸である。
【0045】
核酸の状況における「フラグメント」は、少なくとも約17ヌクレオチド、一般には少なくとも21ヌクレオチド、より一般的には少なくとも25ヌクレオチド、通常少なくとも30ヌクレオチド、より通常には少なくとも35ヌクレオチド、しばしば少なくとも39ヌクレオチド、よりしばしば少なくとも45ヌクレオチド、代表的には少なくとも50ヌクレオチド、より代表的には少なくとも55ヌクレオチド、通常少なくとも60ヌクレオチド、より通常には少なくとも66ヌクレオチド、好ましくは少なくとも72ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも79ヌクレオチドの連続するセグメントであり、そして特に好ましい実施態様において、少なくとも85以上のヌクレオチドである。代表的には、異なる遺伝子配列のフラグメントは、適切な長さのストレッチにわたって互いに、特に以下に記載するドメインような規定されたセグメントと比較され得る。
【0046】
DTLR2〜10をコードする核酸は、それ自体または密接に関連するタンパク質をコードす
る遺伝子、mRNA、およびcDNA種、ならびに多型性の、対立遺伝子の、または他の遺伝的改変体(例えば、異なる個体または関連する種由来の)をコードするDNAを同定するために
特に有用である。このようなスクリーニングにとって好ましいプローブは、異なる多型性改変体間で保存されるかまたは特異性を欠失するヌクレオチドを含有するインターロイキンの領域であり、そして好ましくは全長またはそれに近い。他の状況では、多型性改変体特異的配列はより有用である。
【0047】
本発明は、本明細書中に示される単離されたDNAに同一または高度に相同な核酸配列を
有する組換え核酸分子およびフラグメントをさらに包含する。特に、配列は、しばしば、転写、翻訳、およびDNA複製を制御するDNAセグメントに作動可能に連結している。これらのさらなるセグメントは、代表的には、所望の核酸セグメントの発現を補助する。
【0048】
相同な、または高度に同一の核酸配列は、互いに、または配列番号3、5、25、9、11、15、17、31、21、または33に示される配列と比較された場合、有意な類似性を示す。核酸における相同性の標準は、配列比較のために当該分野で一般に使用される相同性の尺度であるか、またはハイブリダイゼーション条件に基づくいくつかである。比較ハイブリダイゼーション条件は、より詳細に以下に記載される。
【0049】
核酸配列比較の状況における実質的な同一性とは、セグメントまたはその相補鎖が、比較される場合、適切なヌクレオチド挿入または欠失と最適に整列された場合、ヌクレオチドの少なくとも約60%、一般的にはヌクレオチドの少なくとも66%、通常少なくとも71%、しばしば少なくとも76%、よりしばしば少なくとも80%、通常少なくとも84%、より通常には少なくとも88%、代表的には少なくとも91%、より代表的には少なくとも約93%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約96%〜98%以上において、そして特定の実施態様では、ヌクレオチドの約99%以上までの高さにおいて、同一であることのいずれかを意味し、例えば、以下に記載されるのセグメントような構造的ドメインをコードするセグメントを包含する。あるいは、実質的な同一性は、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で、鎖またはその相補鎖に、代表的には配列番号3、5、25、9、11、15、17、31、21、または33に由来する配列を使用して、ハイブリダイズする場合に存在する。代表的には、選択的なハイブリダイゼーションは、少なくとも約14ヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約55%の相同性、より代表的には少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、そしてより好ましくは少なくとも約90%の相同性が
存在する場合に生じる。Kanehisa(1984)Nuc. Acids Res. 12:203-213(本明細書中で参
考として援用される)を参照のこと。相同性の比較の長さは、記載されるように、より長いストレッチにわたり得、そして特定の実施態様においては、少なくとも約17ヌクレオチド、一般的には少なくとも約20ヌクレオチド、通常(ordinarily)少なくとも約24ヌクレオチド、通常(usually)少なくとも約28ヌクレオチド、代表的には少なくとも約32ヌク
レオチド、より代表的には少なくとも約40ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドのストレッチにわたり、そしてより好ましくは少なくとも約75%〜100以上のヌ
クレオチドにわたる。
【0050】
ストリンジェントな条件は、ハイブリダイゼーションの状況において相同性をいう場合、ハイブリダイゼーション反応において代表的に制御される塩、温度、有機溶媒、および他のパラメーターを組み合わせたストリンジェントな条件である。ストリンジェントな温度条件は、通常、約30℃を超える温度、より通常には約37℃を超える温度、代表的には約45℃を超える温度、より代表的には約55℃を超える温度、好ましくは約65℃を超える温度、そしてより好ましくは約70℃を超える温度を含む。ストリンジェントな塩条件は、通常、約500mM未満、通常、約400mM未満、より通常には、約300mM未満、代表的には、約200mM未満、好ましくは、約100mM未満、そしてより好ましくは約80mM未満、さらに約20mM未満
までである。しかし、パラメーターの組み合わせは、任意の単一のパラメーターの尺度よりも重要である。例えば、WetmurおよびDavidson(1968) J.Mol. Biol. 31:349-370(本
明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0051】
あるいは、配列比較について、代表的には、1つの配列は、それに対して試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験および参照配列は、コンピューターに入力され、必要な場合には部分列座標が設計され、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターが設計される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列についてのパーセント配列同一性を計算する。
【0052】
比較のための配列の最適な(optical)整列は、例えば、SmithおよびWaterman(1981) Adv. Appl. Math. 2:482の局所的相同性アルゴリズムによって、NeedlmanおよびWunsch(1970) J. Mol. Biol. 48:443の相同性整列アルゴリズムによって、PearsonおよびLipman (1988) Proc. Nat'lAcad. Sci. USA 85:2444の類似性方法の検索によって、これらのアルゴリズムをコンピューターにより実行することによって(WisconsinGenetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または視覚的な検査によって(一般には、Ausubelら、前出を参照のこと)行われ得る。
【0053】
有用なアルゴリズムの1つの例は、PILEUPである。PILEUPは、進行的な、対の、整列を使用して、関連性およびパーセント配列同一性を示すために、関連する配列の群から複数の配列の整列を作製する。また、整列を作製するために使用される集積した関連性を示すツリーまたは樹形図をプロットする。PILEUPは、FengおよびDoolittle(1987) J. Mol. Evol. 35:351-360の進行的な整列方法の単純化を使用する。使用される方法は、HigginsおよびSharp(1989)CABIOS 5:151-153によって記載される方法に類似する。プログラムは、300個の配列までを整列し得、各々最大長5,000ヌクレオチドまたはアミノ酸であり得る。複数整列手順は、2つの整列した配列のクラスターを生成する2つの最も類似する配列の対の整列で開始する。次いで、このクラスターは、整列された配列の次に最も関連する配列またはクラスターに整列される。配列の2つのクラスターは、2つの個々の配列の対の整列の単純な伸張によって整列される。最終的な整列は、一連の進行的な、対の整列によって達成される。プログラムは、配列比較の領域についての特定の配列およびそれらのアミノ酸またはヌクレオチド座標を指定することによって、およびプログラムパラメーター
を指定することによって使用される。例えば、参照配列は、以下のパラメーター:ディフォールトギャップ重み(3.00)、ディフォールトギャップ長重み(0.10)、および重み付き末端ギャップを使用して、パーセント配列同一性関係を決定するために、他の試験配列に比較され得る。
【0054】
パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために適切であるアルゴリズムの別の例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschulら、(1990)J. Mol. Biol. 215: 403-410によって記載される。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Center forBiotechnology Information (http:www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公共的に利
用可能である。このアルゴリズムは、最初に照合配列における長さWの短いワード(これは、データベース配列における同じ長さのワードと整列される場合、ある正の値の閾値スコアTにマッチするか、それらを満たすかのいずれかである)を同定することによって、高スコア配列(HCP)ペアを同定する工程を包含する。Tは、隣接ワードスコア閾値という(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSP
を見出すための検索を開始するための元として作用する。次いで、ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加され得る限り、各配列に沿って両方向に伸長する。各方向におけるワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアが、その最大が達成された値から量Xで減少する場合;1つ以上の負のスコアの残基アラインメントの蓄積に起因して、累積スコアが0以下になる場合;またはいずれかの配列の末端が到達される場合。BLASTアルゴリズム変数W、T、およびXは、アラインメントの感度
および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11のワード長(W)、50
のBLOSUM62スコアリングマトリクス(HenikoffおよびHenikoff (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915を参照のこと)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、および両方の鎖の比較を使用する。
【0055】
パーセント配列同一性を算定することに加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配
列間の類似性の統計的分析を実施する(例えば、KarlinおよびAltschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5787を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの基準は、最も小さい合計確率(sum probability)であり(P(N))、これ
は、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のマッチが偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸の参照核酸との比較における最も小さい合計確率が約0.1より小さい、より好ましくは約0.01より小さい、そして最も好ましくは約0.001より小さい場合、参照配列に類似であると考えられる。
【0056】
ポリペプチドの2つの核酸配列が実質的に同一であるというさらなる指標は、第1の核酸によってコードされるポリペプチドが、以下に記載されるように、第2の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。従って、ポリペプチドは、代表的には、例えば2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合、第2のポリペプチドに実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、以下に記載されるように、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0057】
単離されたDNAは、ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入、および
ヌクレオチドストレッチの反転によって容易に改変され得る。これらの改変は、本発明のタンパク質またはその誘導体をコードする新規なDNA配列を生じる。これらの改変された
配列は、変異体タンパク質(ムテイン)を生成するために、または改変種の発現を増強するために使用され得る。増強された発現は、遺伝子増幅、増加された転写、増加された翻訳、および他の機構を含み得る。このような変異体DTLR様誘導体は、タンパク質またはそのフラグメントの予め決定された変異または部位特異的な変異を包含し、遺伝コード縮重を使用するサイレント変異を含む。本明細書中で使用される場合「変異体DTLR」は、欠失
、置換、または挿入のいずれかの手段によって、天然において見出されるような他のDTLR様タンパク質のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するものを除き、そうでなければ上述に記載されるようなDTLRの相同性の定義の中にあるポリぺプチドを含む。特に、「部位特異的変異体DTLR」は、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22、または34のタンパク質と実質的な相同性を有するタンパク質を含み、および代表的に、本明細書中で開示される形態の生物学的活性または効果の大部分を共有する。
【0058】
部位特異的変異部位は、予め決定されるが、変異は部位特異的である必要はない。哺乳動物DTLR変異誘発は、発現と関連して、遺伝子においてアミノ酸挿入または欠失を作製することによって達成され得る。置換、欠失、挿入、または任意の組合わせが、最終的な構築物に到達するために作製され得る。挿入は、アミノ末端またはカルボキシ末端の融合を含む。ランダムな変異誘発は、標的コドンで行われ得、次いで、発現される哺乳動物DTLR変異体は、所望の活性についてスクリーニングされ得る。既知の配列を有するDNAにおい
て予め決定された部位で置換変異を作製するための方法は、当該分野において周知であり、例えば、M13プライマー変異誘発による。Sambrookら(1989)およびAusubelら(1987および定期的な補遺)をまた参照のこと。
【0059】
DNAにおける変異は、通常、リーディングフレームの外側にコード配列を置くべきでは
なく、好ましくは、ループまたはヘアピンのようなmRNAの2次構造を生成するハイブリダイズし得る相補的な領域を作製しない。
【0060】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts.22:1859-1862によって記載されるホ
スホロアミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。2本鎖フラグメントは
、しばしば、相補的な鎖を合成し、そして適切な条件下で、鎖を共にアニーリングすることによって、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを使用して、相補的
な鎖を付加することによってのいずれかで、得られる。
【0061】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、しばしば、変異誘発において適用され得る。あ
るいは、変異誘発プライマーは、予め決定された部位で規定された変異を作製するために一般に使用される方法である。例えば、Innisら(編、1990)PCRProtocols:A Guide to
Method and Applications Academic Press、San Diego、CA;ならびにDieffenbachおよ
びDveksler(1995;編)PCR Primer:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Press、CSH、NYを参照のこと。
【0062】
IV.タンパク質、ペプチド
上記されるように、本発明は、霊長類DTLR2〜10を含み、例えば、その配列は、配列番
号4、6、26、10、12、16、18、32、22、または34において開示され、および上記される。対立遺伝子および他の改変体もまた意図され、例えば、他の配列(エピトープタグおよび機能的ドメインを含む)と、このような配列の部分とを組合わせる融合タンパク質を含む。
【0063】
本発明はまた、組換えタンパク質(例えば、これらの齧歯類タンパク質からのセグメントを使用する異種融合タンパク質)を提供する。異種融合タンパク質は、天然で同じ様式において通常融合されないタンパク質またはセグメントの融合である。従って、IL-1レセプターとDTLRとの融合産物は、代表的なペプチド結合において融合される配列を有する連続的なタンパク質分子であり、代表的に単一の翻訳産物として作製され、そして各供給源ペプチドに由来する特性(例えば、配列または抗原性)を示す。同様の概念が、異種核酸配列に適用される。
【0064】
さらに、新規な構築物は、他の関連のタンパク質(例えば、種の改変体を含むIL-1レセ
プターまたは他のDTLR)からの類似の機能的または構造ドメインを組合わせることから作製され得る。例えば、リガンド結合セグメントまたは他のセグメントは、異なる新規な融合ポリぺプチドまたはフラグメント間で「交換され」得る。例えば、Cunninghamら(1989)Science243:1330-1336;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem.263:15985-15992(
これらのそれぞれは本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。従って、特異性の新規な組合わせを示す新規なキメラポリぺプチドは、レセプター結合特異性の機能的な結合から生じる。例えば、他の関連のレセプター分子からのリガンド結合ドメインは、付加され得るか、または本発明のタンパク質または関連のタンパク質の他のドメインと置換され得る。得られるタンパク質は、しばしば、ハイブリッド機能および特性を有する。例えば、融合タンパク質は、特定の細胞オルガネラへの、融合タンパク質の隔離を提供するように作用し得る、標的化ドメインを含み得る。
【0065】
候補融合パートナーおよび配列は、種々の配列データベース(例えば、GenBank、c/o IntelliGenetics、Mountain View、CA;およびBCG、Universityof Wisconsin Biotechnology Computing Group、Madison、WI(これらは、各々本明細書中に参考として援用される)から選択され得る。
【0066】
本発明は特に、Tollリガンドに結合し、そして/またはシグナル伝達において影響されるムテインを提供する。IL-1ファミリーの他のメンバーと、ヒトDTLR1〜10との構造アラ
インメントは、保存された特徴/残基を示す。例えば、図3Aを参照のこと。IL-1ファミ
リーの他のメンバーとのヒトDTLR配列のアラインメントは、種々の構造的および機能的に共有された特徴を示す。Bazanら、(1996) Nature 379:591; Lodiら、(1994) Science 263: 1762-1766; SayleおよびMilner-White (1995) TIBS 20:374-376; ならびにGronenbergら (1991) Protein Engineering 4: 263-269もまた参照のこと。
【0067】
IL-1αおよびIL-1βリガンドは、一次レセプターとしてIL-1レセプターI型を結合し、次いで、この複合体は、IL-1レセプターIII型と高い親和性のレセプター複合体を形成す
る。このようなレセプターサブユニットは、おそらく、新規なIL-1ファミリーメンバーと共有される。
【0068】
例えば、対応する領域における、 DTLR2〜10配列の他の種の対応物における類似の改変は、リガンドまたは基質と類似の相互作用を提供するべきである。マウス配列またはヒト配列のいずれかでの置換が特に好ましい。逆に、リガンド結合相互作用領域から離れた保存的な置換は、おそらく、大部分のシグナル伝達活性を保存する。
【0069】
霊長類DTLR2-10の「誘導体」は、アミノ酸配列変異体、グリコシル化改変体、代謝誘導体、および他の化学部分との共有結合体または凝集結合体を含む。共有結合誘導体は、例えば、当該分野において周知である手段によって、DTLRアミノ酸側鎖において、または
NもしくはC末端で見出される基への、機能性の連結によって調製され得る。これらの誘導体としては、カルボキシル末端、またはカルボキシル側鎖を含む残基の脂肪族エステルまたはアミド、ヒドロキシル基を含有する残基のO-アシル誘導体、およびアミノ末端アミノ酸もしくはアミノ基を含有する残基(例えば、リジンまたはアルギニン)のN-アシル誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。アシル基は、C3〜C18の通常のアルキル
を含むアルキル部分の群から選択され、それによってアルカノイルアロイル種を形成する。
【0070】
特に、グリコシル化改変が含まれ、例えば、その合成およびプロセシングの間に、またはさらなるプロセシング工程において、ポリぺプチドのグリコシル化パターンを改変することによって作製される。これを達成するための特に好ましい手段は、このようなプロセシングを通常提供する細胞に由来するグリコシル化酵素(例えば、哺乳動物グリコシル化
酵素)に、ポリぺプチドを曝露することによる。脱グリコシル化酵素もまた、意図される。他のマイナーな改変(リン酸化アミノ酸残基(例えば、ホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホスレオニン)を含む)を有する、同じ一次アミノ酸配列のバージョンがまた、包含される。
【0071】
誘導体の主要な群は、ポリぺプチドの他のタンパク質と、レセプターまたはそのフラグメントとの共有結合体である。これらの誘導体は、NまたはC末端融合のような組換え培養において、または反応性の側鎖を介するタンパク質の架橋におけるそれらの有用性について当該分野において公知の薬剤の使用によって、合成され得る。架橋剤での好ましい誘導体化部位は、フリーのアミノ基、炭水化物部分、およびシステイン残基である。
【0072】
レセプターと、他の同種タンパク質または異種タンパク質との間の融合ポリぺプチドもまた、提供される。同種ポリぺプチドは、異なるレセプター間の融合物であり得、例えば、複数の異なるTollリガンドに結合特異性を示すハイブリッドタンパク質、または基質効果の広げられた特異性または弱められた特異性を有し得るレセプターを生じる。同様に、異種融合物が構築され得、これは誘導体タンパク質の特性または活性の組合せを示す。代表的な例は、レポーターポリぺプチド(例えば、ルシフェラーゼ)と、レセプターのセグメントまたはドメイン(例えば、リガンド結合セグメント)との融合物であり、それによって、所望のリガンドの存在または位置が、容易に決定され得る。例えば、Dullら、米国特許第4,859,609号(これは、それによって本明細書中に参考として援用される)を参照
のこと。他の遺伝子融合パートナーとしては、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、細菌のβガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、β-ラクタマーゼ、αアミラーゼ
、アルコールデヒドロゲナーゼ、および酵母α接合因子が挙げられる。例えば、Godowskiら(1988)Science241:812-816を参照のこと。
【0073】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra. Letts. 22:1859-1862によって記載されるホスホロアミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。2本鎖フラグメントは
、しばしば、相補的な鎖を合成し、そして適切な条件下で、鎖を共にアニーリングすることによるか、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを使用して、相補的
な鎖を付加することによってのいずれかで、得られる。
【0074】
このようなポリぺプチドはまた、リン酸化、スルホン化、ビオチン化、または他の部分(特に、リン酸基に類似の分子形状を有する部分)の付加もしくは除去によって化学的に改変されたアミノ酸残基を有し得る。いくつかの実施態様において、改変は、有用な標識化試薬であるか、または精製標的(例えば、親和性リガンド)として役立つ。
【0075】
融合タンパク質は、代表的に、組換え核酸法によってまたは合成ポリぺプチド法によってのいずれかで作製される。核酸操作および発現についての技術は、例えば、Sambrookら(1989)MolecularCloning:A Laboratory Manual(第2版)第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、およびAusubelら(編)(1987および定期的な補遺)CurrentProtocols in Molecular Biology、Greene/Wiley、New York(これらはそれぞれ、本明細書中に参考として援用される)において、一般に記載される。ポリぺプチドの合成についての技術は、例えば、Merrifield(1963)J.Amer. Chem.Soc. 85:2149-2156;Merrifield(1986)Science 232:341-347;およびAthertonら(1989)SolidPhase Peptide Synthesis: A Practical Approach、IRL Press、Oxford;(これらのそれぞれは、本明細書中に参考
として援用される)において記載される。より長いポリぺプチドを作製するための方法について、Dawsonら(1994)Science266:776-779もまた参照のこと。
【0076】
本発明はまた、アミノ酸配列またはグリコシル化における改変以外のDTLR2-10の誘導体の使用を意図する。このような誘導体は、化学部分との共有結合的なまたは凝集的な会合
を含み得る。これらの誘導体は、一般に、3つのクラスに分類される:(1)塩、(2)側鎖および末端残基の共有結合的な改変、ならびに(3)例えば、細胞膜との、吸着複合体。このような共有結合誘導体または凝集誘導体は、免疫原として、イムノアッセイにおける試薬として、またはレセプターまたは他の結合分子(例えば、抗体)のアフィニティー精製のためのような精製方法において、有用である。例えば、Tollリガンドは、 DTLR
レセプター、抗体、または他の類似の分子のアッセイまたは精製における使用のために、当該分野において周知である方法により、臭化シアン活性化SEPHAROSEのような固体支持
体へ共有結合によって固定化され得るか、または、グルタルアルデヒド架橋を用いるかまたは用いないで、ポリオレフィン表面上に吸着され得る。リガンドはまた、検出可能な基で標識され得、例えばクロラミンT手順によって放射性ヨウ素化(radioiodinate)され得
るか、希土類キレートに共有結合され得るか、または診断アッセイにおける使用のために、別の蛍光部分に結合され得る。
【0077】
本発明のDTLRは、DTLRまたはその種々のフラグメントに特異的な(例えば、他のIL-1レセプターファミリーメンバーの間を区別し得る)、抗血清または抗体の生成のための免疫原として使用され得る。精製されたDTLRは、モノクローナル抗体、またはタンパク質を含有する不純な調製物の種々の形態での免疫によって調製されたモノクローナル抗体または抗原結合フラグメントをスクリーニングするために使用され得る。特に、用語「抗体」はまた、天然の抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fab、Fab2、Fvなど)を包含する。
精製されたDTLRはまた、上昇したレベルの発現の存在に応答して産生された抗体、または内因性レセプターに対する抗体産生を導く免疫障害を検出するための試薬として使用され得る。さらに、DTLRフラグメントはまた、すぐ下に記載されるように、本発明の抗体を産生するための免疫原として役立ち得る。例えば、本発明は、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22、または34において示されるアミノ酸配列、そのフラグメント、または種々の相同なペプチドに対して結合親和性を有する、またはそれに対して惹起される抗体を意図する。特に、本発明は、ネイティブなDTLRの外部タンパク質表面で曝露されることが予測されるか、または実際に曝露される、特異的なフラグメントに対し、結合親和性を有するかまたはそれに対して惹起された抗体を意図する。
【0078】
レセプターリガンドに応答する生理学的応答のブロックは、おそらく競合的阻害を介する、レセプターに対するリガンドの結合の阻害から生じ得る。従って、本発明のインビトロアッセイにおいて、抗体、またはこれらの抗体の抗原結合セグメント、または固相基体に付着されるフラグメントを、しばしば使用する。これらのアッセイはまた、リガンド結合領域の変異および改変、または他の変異および改変(例えば、シグナル伝達または酵素機能に影響する)のいずれかの効果の診断的な決定を許容する。
【0079】
本発明はまた、競合的な薬物スクリーニングアッセイの使用を意図し、例えば、レセプターまたはフラグメントに対する中和抗体は、リガンドまたは他の抗体への結合について、試験化合物と競合する。この様式において、中和抗体またはフラグメントは、レセプターに対する1つ以上の結合部位を共有するポリぺプチドの存在を検出するために使用され得、そしてそうでなければリガンドを結合し得る、レセプターにおける結合部位を占有するためにまた使用され得る。
【0080】
V.核酸およびタンパク質の作製
タンパク質またはそのフラグメントをコードするDNAは、化学合成、cDNAライブラリー
のスクリーニングによって、または広範な種々の細胞株もしくは組識サンプルから調製されたゲノムライブラリーのスクリーニングによって入手され得る。天然の配列は、標準的な方法、および本明細書中に提供される配列を使用して、単離され得る。他の種対応物は、ハイブリダイゼーション技術によって、または種々のPCR技術によって、配列データベ
ース(例えば、GenBank)における検索と組合わせて、またはこの検索によって、同定され
得る。
【0081】
このDNAは、完全長のレセプターまたはフラグメントの合成のために、広範な種々の宿
主細胞において発現され得、次いで完全長のレセプターまたはフラグメントは、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を生成するために;結合研究のために;改変されたリガンド結合またはキナーゼ/ホスファターゼドメインの構築および発現のために;および構造/機能研究のために、使用され得る。改変体またはそのフラグメントは、適切な発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞において発現され得る。これらの分子は、組換え宿主に由来する分子以外のタンパク質または細胞性の夾雑物を実質的に含有しないかもしれず、それゆえ、薬学的に受容可能なキャリアおよび/または希釈剤と組合わされる場合、薬学的組成物において特に有用である。タンパク質、またはその部分は、他のタンパク質との融合物として発現され得る。
【0082】
発現ベクターは、代表的には、所望のレセプター遺伝子またはそのフラグメント(通常、適切な宿主細胞において認識される適切な遺伝子制御エレメントに作動可能に連結される)を含有する自己複製するDNAまたはRNA構築物である。これらの制御エレメントは、適切な宿主内における発現をもたらし得る。発現をもたらすために必要な制御エレメントの特定の型は、結果として使用される宿主細胞に依存する。一般に、遺伝子制御エレメントは、原核生物プロモーター系または真核生物プロモーター発現制御系を含み得、そして代表的に、転写プロモーター、必要に応じて、転写の開始を制御するオペレーター、mRNAの発現のレベルを上昇する転写エンハンサー、適切なリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳を終結する配列を含み得る。発現ベクターはまた、通常、ベクターが宿主細胞から独立して複製することを許容する、複製の起点を含む。
【0083】
本発明のベクターとしては、記載されるようなタンパク質をコードするDNA、または生
物学的活性な等価なポリぺプチドをコードするそのフラグメントを含むベクターが挙げられる。DNAは、ウイルスプロモーターの制御下にあり得、そして選択マーカーをコードし
得る。本発明はさらに、原核生物宿主または真核生物宿主において、このようなタンパク質をコードする真核生物cDNAを発現し得る、このような発現ベクターの使用を意図し、ここでベクターは、宿主と適合性であり、およびここでレセプターをコードする真核生物cDNAはベクターに挿入され、それによってベクターを含む宿主の増殖は、問題のcDNAを発現する。通常、発現ベクターは、それらの宿主細胞における安定な複製のために、または細胞あたりの所望の遺伝子の総コピー数を非常に増加する増幅のために、設計される。発現ベクターが、宿主細胞において複製することが、いつも必要であるわけではなく、例えば、宿主細胞によって認識される複製起点を含まないベクターを使用して、種々の宿主において、タンパク質またはそのフラグメントの一過性の発現を生じることが可能である。組換えによる、宿主DNAへの、タンパク質をコードする部分またはそのフラグメントの組込
みを引き起こすベクターの使用はまた、可能である。
【0084】
本明細書中で使用される場合、ベクターは、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組込み可能なDNAフラグメント、および宿主のゲノムへのDNAフラグメントの組込みを可能にする他のビヒクルを含む。発現ベクターは、作動可能に連結された遺伝子の発現をもたらす遺伝子制御エレメントを含む特殊化されたベクターである。プラスミドは、ベクターの最も一般に使用される形態であるが、等価な機能を提供し、および当該分野において公知であるか、または公知になる、全ての他の形態は、本明細書における使用に適切である。例えば、Pouwelsら(1985および補遺)CloningVectors:A Laboratory Manual、Elsevier、N.Y.、およびRodriquezら(編)Vectors:ASurvey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、1988(これらは本明細書中に参考として
援用される)を参照のこと。
【0085】
形質転換された細胞は、組換えDNA技術を使用して構築されたレセプターベクターで形
質転換されたまたはトランスフェクトされた細胞、好ましくは哺乳動物細胞である。形質転換された宿主細胞は、通常、所望のタンパク質またはそのフラグメントを発現するが、そのDNAのクローニング、増幅、および操作の目的のために、本発明のタンパク質を発現
する必要はない。本発明はさらに、栄養培地において、形質転換された細胞を培養することを意図し、従って、レセプターが、細胞膜中に蓄積することを許容する。タンパク質は、培養物または特定の場合において培養培地のいずれかから、回収され得る。
【0086】
本発明の目的のために、核酸配列は、互いに機能的に関連する場合、作動可能に連結される。例えば、プレ配列または分泌リーダーのDNAは、DNAがプレタンパク質として発現されるか、またはポリぺプチドの細胞膜への方向付けに関与するか、もしくはポリぺプチドの分泌に関与する場合、ポリぺプチドに作動可能に連結される。プロモーターは、これがポリぺプチドの転写を制御する場合、コード配列に作動可能に連結され;リボソーム結合部位は、これが翻訳を許容するように配置される場合、コード配列に作動可能に連結される。通常、作動可能に連結されるというのは、連続なこと、およびリーディングフレーム内を意味するが、特定の遺伝的エレメント(例えば、リプレッサー遺伝子)は、連続して連結されないが、次いで発現を制御するオペレーター配列になお結合する。
【0087】
適切な宿主細胞は、原核生物、下等真核生物、および高等真核生物を含む。原核生物は、グラム陽性生物およびグラム陰性生物(例えば、E.coliおよびB.subtilis)の両方を含む。下等真核生物は、酵母(例えば、S.cerevisiaeおよびPichia)、およびDictyostelium属の種を含む。高等真核生物は、非哺乳動物起源(例えば、昆虫細胞、およびトリ)、
ならびに哺乳動物起源(例えば、ヒト、霊長類、および齧歯類)の両方の、動物細胞から樹立された組織培養細胞株を含む。
【0088】
原核生物宿主−ベクター系は、多くの異なる種についての広範な種々のベクターを含む。本明細書中で使用されるように、E.coliおよびそのベクターは一般に使用され、他の原核生物において使用される等価なベクターを含む。DNAを増幅するための代表的なベクタ
ーは、pBR322または多くのその誘導体である。レセプターまたはそのフラグメントを発現するために使用され得るベクターとしては、lacプロモーター(pUCシリーズ);trpプロ
モーター(pBR322-trp);Ippプロモーター(pINシリーズ);λpPまたはpRプロモーター(pOTS);またはptacのようなハイブリッドプロモーター(pDR540)を含むベクターが挙げられるが、これらに限定されない。Brosiusら(1988)「ExpressionVectors Employing Lambda-, trp-, lac-, and Ipp-derived Promoters」、Vactors:ASurvey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、(RodriguezおよびDenhardt編)Buttersworth、Boston、10章、205-236頁(これは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0089】
下等真核生物(例えば、酵母およびDictyostelium)は、DTLR配列を含有するベクター
で形質転換され得る。本発明の目的のための最も一般的な下等真核生物宿主は、パン酵母、Saccharomycescerevisiaeである。これは下等真核生物を一般的に代表するために使用
されるが、多くの他の株および種もまた利用可能である。代表的に、酵母ベクターは、複製起点(組込み型でない限り)、選択遺伝子、プロモーター、レセプターまたはそのフラグメントをコードするDNA、ならびに翻訳終結、ポリアデニル化、および転写終結の配列
からなる。酵母に対する適切な発現ベクターとしては、3-ホスホグリセリン酸キナーゼおよび種々の他の解糖酵素遺伝子のプロモーターのような構成性プロモーター、またはアルコールデヒドロゲナーゼ2プロモーターまたはメタロチオネインプロモーターのような誘導性のプロモーターを含む。適切なベクターは、以下の型の誘導体を含む:自己複製低コピー数型(例えば、YRpシリーズ)、自己複製高コピー数型(例えば、YEpシリーズ);組込み型(例えば、YIpシリーズ)またはミニ染色体(例えば、YCpシリーズ)。
【0090】
高等真核生物組織培養細胞は、通常、機能的に活性なインターロイキンタンパク質の発現のための、好ましい宿主細胞である。原則として、無脊椎動物供給源由来であろうと、または脊椎動物供給源由来であろうと、任意の高等真核生物組織培養細胞株(例えば、昆虫バキュロウイルス発現系)が、実行可能である。しかし、哺乳動物細胞が好ましい。このような細胞の形質転換またはトランスフェクション、および増殖は、日常的な手順となっている。有用な細胞株の例としては、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)
細胞株、ベビーラット腎臓(BRK)細胞株、昆虫細胞株、トリ細胞株、およびサル(COS)細胞株が挙げられる。このような細胞株についての発現ベクターは、通常、複製起点、プロモーター、翻訳開始部位、RNAスプライス部位(ゲノムDNAが使用される場合)、ポリアデニル化部位、および転写終結部位を含む。これらのベクターはまた、通常、選択遺伝子または増幅遺伝子を含む。適切な発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、またはレトロウイルス(例えば、アデノウイルス、SV40、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、またはサイトメガロウイルスのような、供給源に由来する、プロモーターを保有する)であり得る。適切な発現ベクターの代表的な例としては、pCDNA1;pCD(Okayamaら(1985)Mol.
Cell Biol. 5:1136-1142を参照のこと);pMC1neo ポリA(Thomasら(1987)Cell51:503-512を参照のこと);およびpAC373またはpAC610のようなバキュロウイルスベクターが挙げられる。
【0091】
分泌されるタンパク質について、オープンリーディングフレームは、通常、そのN末端で、シグナルペプチドに共有結合される、成熟産物または分泌産物からなるポリぺプチドをコードする。シグナルペプチドは、成熟な、または活性な、ポリぺプチドの分泌の前に切断される。切断部位は、経験則から非常に高い程度の正確さで予測され得(例えば、von-Heijne(1986)NucleicAcids Research 14:4683-4690)、そしてシグナルペプチドの正確なアミノ酸組成は、その機能に重要でないようである(例えば、Randallら(1989)Science243:1156-1159;Kaiserら(1987)Science235:312-317)。
【0092】
特定のまたは規定されたグリコシル化パターンを提供する系において、これらのポリぺプチドを発現することが、しばしば所望される。この場合において、通常のパターンは、発現系によって天然に提供されるパターンである。しかし、このパターンは、ポリぺプチド(例えば、非グリコシル化形態)を、異種発現系に導入された適切なグリコシル化するタンパク質に曝露することによって、改変可能である。例えば、レセプター遺伝子は、哺乳動物または他のグリコシル化酵素をコードする1つ以上の遺伝子と同時トランスフェクトされ得る。このアプローチを使用して、特定の哺乳動物のグリコシル化パターンが、原核生物または他の細胞において達成される。
【0093】
DTLRの供給源は、上記のような、組換えDTLRを発現する真核生物宿主または原核生物宿主であり得る。供給源はまた、マウス Swiss 3T3線維芽細胞のような細胞株であり得るが、他の哺乳動物細胞株もまた、本発明によって意図され、好ましい細胞株は、ヒト種由来である。
【0094】
現在、配列が公知であるので、霊長類DTLR、そのフラグメントまたは誘導体は、ペプチド合成のための従来のプロセスによって調製され得る。これらとしては、StewartおよびYoung(1984)SolidPhase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.、Rockford、IL;BodanszkyおよびBodanszky(1984)ThePractice of Peptide Synthesis、Springer-Verlag、New York;ならびにBodanszky(1984)ThePrinciples of Peptide Synthesis、Springer-Verlag、New York;(これら全ての各々は、本明細書中に参考として援用される)、
に記載されるプロセスを含む。例えば、アジ化物プロセス、酸塩化物プロセス、および酸無水物プロセス、混合無水物プロセス、活性エステルプロセス(例えば、p-ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、またはシアノメチルエステル)、カルボジイミダゾールプロセス、酸化-還元プロセス、またはジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(DCCD)/付加プロセスが、使用され得る。固相および液相合成は、上述のプロセス
に共に適応可能である。類似の技術が、DTLR部分配列とともに使用され得る。
【0095】
DTLRタンパク質、フラグメント、または誘導体は、一般的に、配列中に1つずつ、末端アミノ酸にアミノ酸を縮合する工程を包含するいわゆる段階プロセスによって、または末端のアミノ酸にペプチドフラグメントを結合することによってのいずれかで、ペプチド合成において代表的に用いられる上述のプロセスに従って、適切に調製される。カップリング反応において使用されないアミノ基は、代表的に、不正確な位置でのカップリングを防ぐために、保護されなくてはならない。
【0096】
固相合成が採用される場合、C末端アミノ酸は、不溶性のキャリアまたは支持体に、そのカルボキシル基を介して結合される。不溶性のキャリアは、反応性のカルボキシル基に対する結合能力を有する限り、特に制限されない。このような不溶性のキャリアの例としては、ハロメチル樹脂(例えば、クロロメチル樹脂またはブロモメチル樹脂)、ヒドロキシメチル樹脂、フェノール樹脂、tert-アルキルオキシカルボニルヒドラジド化(tert-alkyloxycarbonylhydrazidated)樹脂などが挙げられる。
【0097】
アミノ基が保護されたアミノ酸は、以前に形成されたペプチドまたは鎖の、その活性化されたカルボキシル基および反応性アミノ基の縮合を介して、配列中に結合され、漸増的にペプチドを合成する。完全な配列を合成した後、ペプチドは不溶性のキャリアから分離され、ペプチドを生成する。この固相アプローチは、一般に、Merrifieldら(1963)J.Am. Chem. Soc. 85:2149-2156(これは、本明細書中に参考として援用される)によって記載される。
【0098】
調製されたタンパク質およびそのフラグメントは、ペプチド分離の手段によって(例えば、抽出、沈殿、電気泳動、種々の形態のクロマトグラフィー、などによって)、反応混合物から単離および精製され得る。本発明のレセプターは、その所望の使用に依存する、種々の程度の純度において得られ得る。精製は、本明細書中に開示されるタンパク質精製技術を使用することによって(以下を参照のこと)、または免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーの方法において、本明細書中に記載される抗体の使用によって、達成され得る。この免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーは、先ず、抗体を固相支持体に連結し、次いで連結された抗体と、適切な細胞の可溶化された溶解物、レセプターを発現する他の細胞の溶解物、またはDNA技術の結果としてタンパク質を生成する細胞の溶解物も
しくは上清とを、接触することによって行われる(以下を参照のこと)。
【0099】
一般に、精製されたタンパク質は、少なくとも約40%純粋であり、通常少なくとも約50%純粋であり、通常少なくとも約60%純粋であり、代表的に少なくとも約70%純粋であり、より代表的には少なくとも約80%純粋であり、好ましくは少なくとも約90%純粋であり、より好ましくは少なくとも約95%純粋であり、および特定の実施態様において、97%〜99%以上
純粋である。純度は、通常、重量基準であるが、またモル基準でもあり得る。異なるアッセイが、適切な場合、適用される。
【0100】
VI.抗体
抗体は、種々の哺乳動物(例えば、霊長類)のDTLRタンパク質ならびにそのフラグメント(天然に存在するネイティブな形態においておよびそれらの組換え形態においての両方)に対して、惹起され得、その差異は、活性なレセプターに対する抗体が、ネイティブな立体構造においてのみ存在するエピトープを、より認識するようであるということである。変性された抗原の検出はまた、例えば、ウエスタン分析において、有用であり得る。抗イディオタイプ抗体がまた、意図され、これは、天然のレセプターまたは抗体のアゴニストまたはアンタゴニストとして有用である。
【0101】
タンパク質の予め決定されたフラグメントに対する、抗体(結合フラグメントおよび単鎖バージョンを含む)は、免疫原性タンパク質とフラグメントとの結合体での、動物の免疫化によって惹起され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。これらの抗体は、正常なタンパク質もしくは不完全なタンパク質への結合についてスクリーニングされ得るか、またはアゴニスト活性もしくはアンタゴニスト活性についてスクリーニングされ得る。これらのモノクローナル抗体は通常、少なくとも約1mM、より通常には少なくとも約300μM、代表的には少なくとも約100μM、より代表的には少なくとも約30μM、好ましくは少なくとも約10μM、およびより好ましくは少なくとも約3μM
またはそれよりも良好なKDで結合する。
【0102】
本発明の抗体(抗原結合フラグメントを含む)は、有意な診断的または治療学的な価値を有し得る。それらは、レセプターに結合し、そしてリガンドへの結合を阻害するか、または、例えば、その基質に作用して、生物学的応答を誘発するレセプターの能力を阻害する、強力なアンタゴニストであり得る。それらはまた、非中和抗体として有用であり得、そしてトキシンまたは放射性核種に結合されて、産生細胞、またはインターロイキンの供給源に局在化される細胞と結合し得る。さらに、これらの抗体は、薬物または他の治療学的薬剤に、直接的に、またはリンカーの手段によって間接的にのいずれかで、結合され得る。
【0103】
本発明の抗体はまた、診断的適用において有用であり得る。捕獲抗体または非中和抗体として、これらは、リガンド結合または基質結合を阻害することなくレセプターに結合し得る。中和抗体として、これらは、競合結合アッセイにおいて有用であり得る。これらはまた、リガンドを検出、または定量するのに有用である。これらは、ウエスタンブロット分析のための、またはそれぞれのタンパク質の免疫沈降もしくは免疫精製のための、試薬として使用され得る。
【0104】
タンパク質フラグメントは、免疫原として使用される融合または共有結合的に結合されたポリぺプチドのように、他の物質(特にポリぺプチド)に結合され得る。哺乳動物DTLRおよびそのフラグメントは、種々の免疫原(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、破傷風トキソイドなど)に融合されるか、または共有結合的に連結され得る。ポリクローナル抗血清を調製する方法の記載については、Microbiology、HoeberMedical Division、Harper and Row、1969;Landsteiner(1962)Specificity ofSerological Reactions、Dover Publications、New York;およびWilliamsら(1967)Methodsin Immunology and Immunochemistry、第1巻 Academic Press、New York;(これらは各々、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。代表的な方法は、抗原での動物の過剰免疫化を含む。次いで、動物の血液は、反復された免疫化のすぐ後に回収され、そしてγグロブリンが、単離される。
【0105】
いくつかの例において、種々の哺乳動物宿主(例えば、マウス、齧歯類、霊長類、ヒトなど)からモノクローナル抗体を調製することが望ましい。このようなモノクローナル抗体を調製するための技術の記載は、例えば、Stitesら(編)Basicand Clinical Immunology(第4版)、Lange Medical Publications、Los Altos、CAおよびそこに引用される参考文献;HarlowおよびLane(1988)Antibodies:ALaboratory Manual、CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principlesand Practice(第2版)Academic Press、New York;および特に、KohlerおよびMilstein(1975)Nature256:495-497(これは、
モノクローナル抗体を作製する1つの方法を議論する)において、見出され得る。これらの参考文献のそれぞれは、本明細書中に参考として援用される。簡潔にまとめると、この方法は、免疫原を動物に注射する工程を包含する。次いで、動物は屠殺され、そして細胞はその脾臓から採取され、次いで、細胞は骨髄腫細胞と融合される。結果は、ハイブリッ
ド細胞すなわち「ハイブリドーマ」であり、これはインビトロで増殖させる(reproducing)ことが可能である。次いで、ハイブリドーマの集団は、個々のクローンを単離するた
めにスクリーニングされ、そのそれぞれが、免疫原に対する単一の抗体種を分泌する。この様式において、得られる個々の抗体種は、免疫原性物質において認識される特異的な部位に応答して作製される、免疫動物からの、不死化およびクローン化された単一のB細胞の産物である。
【0106】
他の適切な技術としては、抗原性ポリぺプチドへの、あるいはファージまたは同様のベクターにおける抗体のライブラリーの選択への、インビトロでのリンパ球の曝露を含む。Huseら(1989)「Generationof a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertorie in PhargeLambda」、Science 246:1275-1281;およびWardら(1989)Nature341:544-546(これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこ
と。本発明のポリぺプチドおよび抗体は、改変を伴うか、または伴わないで使用され得、これにはキメラ抗体またはヒト化抗体を含む。しばしば、ポリぺプチドおよび抗体は、共有結合的にまたは非共有結合的にのいずれかで、検出可能なシグナルを提供する物質を結合することによって標識される。広範な種々の標識および結合技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において、広範に報告される。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;
同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンまたはキメラ免疫グロブリンが生成され得るか(Cabilly、米国特許第4,816,567号を参照のこと);またはトランスジェニックマウスにおいて作製され得る(Mendezら(1997)NatureGenetics 15:146-156を参照のこと)。これらの参考文献は、本明細書中に参考として援用される。
【0107】
本発明の抗体はまた、DTLRの単離において、アフィニティークロマトグラフィーについて使用され得る。カラムが調製され得、抗体は固体支持体(例えば、アガロース、Sephadexなどのような粒子)に連結され、細胞溶解物は、カラムを介して通過され得、カラムは洗浄され、続いて、漸増濃度の軽度の変性剤で洗浄され、これにより、精製されたタンパク質は放出される。タンパク質は、抗体を精製するために使用され得る。
【0108】
抗体はまた、特定の発現産物について、発現ライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。通常、このような手順において使用される抗体は、抗体の結合によって抗原の存在の容易な検出を可能にする部分で標識される。
【0109】
DTLRに対して惹起される抗体はまた、抗イディオタイプ抗体を惹起するために使用される。これらは、タンパク質の発現、またはそのタンパク質を発現する細胞に関連する、種々の免疫学的状態を検出または診断するのに有用である。これらはまた、リガンドのアゴニストまたはアンタゴニストとして有用であり、天然に存在するリガンドについての、競合的なインヒビターまたは置換体であり得る。
【0110】
例えば、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22または34のアミノ酸配列から成る免疫原のような、規定された免疫原に対して生成された抗体と特異的に結合する、すなわち特異的に免疫反応性であるDTLRタンパク質は、代表的にイムノアッセイにおいて測定される。イムノアッセイは、代表的には、例えば、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22または34のタンパク質に対して惹起されたポリクローナル抗血清を使用する。この抗血清は、他のIL-1Rファミリーメンバー、例えば、DTLR1(好ましくは同じ種由来)に対して低い交差反応性を有するように選択され、そしてこのような交差反応性はいずれも、イムノアッセイで使用する前に、免疫吸着法により除去される。
【0111】
イムノアッセイで使用する抗血清を生成するため、配列番号4、6、26、10、12、16
、18、32、22または34のタンパク質あるいはそれらの組合せを本明細書に記載されるように単離する。例えば、組換えタンパク質を哺乳動物細胞株で生成し得る。適切な宿主、例えば、balb/cのようなマウスの同系交配系統を、代表的にはフロイントのアジュバントなどの標準的アジュバント、および標準的マウス免疫プロトコル(HarlowおよびLane、前述を参照のこと)を使用して、選択されたタンパク質で免疫する。あるいは、本明細書中に開示された配列に由来し、そしてキャリアタンパク質に結合させた合成ペプチドを免疫原に使用し得る。ポリクローナル血清を収集し、イムノアッセイ(例えば、固体支持体上に固定化した免疫原による固相イムノアッセイ)で免疫原タンパク質に対して力価測定する。力価が104以上のポリクローナル抗血清が選択され、他のIL-1Rファミリーメンバー、例えば、マウスDTLRまたはヒトDTLR1に対する交差反応性について、HarlowおよびLane、前
述、570-573頁に記載されるような競合結合イムノアッセイを使用して試験される。好ま
しくは、少なくとも二つのDTLRファミリーメンバーは、ヒトDTLR2〜10のいずれかまたはいくつかとともにこの測定において使用される。これらのIL-1Rファミリーメンバーは組
換えタンパク質として生成され得、そして本明細書に記載される標準的分子生物学およびタンパク質化学技術を使用して単離され得る。
【0112】
競合結合フォーマットにおけるイムノアッセイを交差反応性測定に使用され得る。例えば、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22または34のタンパク質あるいはそれらの種々のフラグメントを固体支持体に固定化し得る。このアッセイに添加されるタンパク質は、固定化された抗原に対する抗血清の結合と競合する。固定化されたタンパク質に対する抗血清との結合と競合する上記タンパク質の能力を配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22および/または34のタンパク質と比較する。上記タンパク質に対するパーセント交差反応性を、標準的算出法を使用して算出する。上記に列挙した各タンパク質との交差反応性が10%より低い抗血清を選択およびプールする。次いで、上記に列挙したタンパク質との免疫吸着法により、交差反応抗体をプール抗血清から除去する。
【0113】
次に、免疫吸着およびプールした抗血清は、上記のように、競合結合イムノアッセイ
で使用され、第二のタンパク質を免疫原タンパク質(例えば、配列番号4、6、26、10、12、16、18、32、22および/または34のIL-1様タンパク質)と比較する。この比較を行うため、二つのタンパク質を広範囲の濃度でそれぞれアッセイし、そして固定化されたタンパク質への抗血清の結合を50%阻害するのに必要な各タンパク質量を測定する。必要とされる第二のタンパク質量が、必要とされる分泌タンパク質のタンパク質量の二倍より少ない場合、第二のタンパク質は、免疫原に対して生成した抗体と特異的に結合すると言われる。
【0114】
これらのDTLRタンパク質は、これまで同定された少なくとも10個の遺伝子を含む相同性タンパク質のファミリーのメンバーであることが理解される。DTLR2〜10のような特定の遺伝子生成物に対して、この用語は、本明細書に開示したアミノ酸配列だけではなく、対立遺伝子、非対立遺伝子または種改変体である他のタンパク質をもいう。また、この用語は、単一の部位変異のような従来の組換え技術を使用する意図的な変異により、または各タンパク質をコードするDNAの短部分を切除することにより、または新規アミノ酸の置換
により、または新規アミノ酸の付加により導入された非天然の変異を含むことが理解される。このようなマイナーな改変は、本来の分子の免疫学的同一性および/またはその生物学的活性を実質的に維持しなければならない。従って、これらの改変には、示された天然に存在するIL-1R関連タンパク質と特異的に免疫反応性であるタンパク質(例えば、配列
番号4、6、26、10、12、16、18、32、22または34で示したDTLRタンパク質)が含まれる。タンパク質を適切な細胞株で発現させ、そしてリンパ球に及ぼす適切な作用を測定することにより、改変タンパク質の生物学的特性が決定され得る。マイナーと考えられる特定のタンパク質の改変には、IL-1Rファミリーについて、上で総括して記載したように、類
似した化学特性を有するアミノ酸の保存的置換が含まれる。タンパク質をDTLR2〜10のタンパク質と最適にアラインメントさせることにより、および本明細書に記載した従来のイムノアッセイを使用して免疫学的同一性を測定することにより、本発明のタンパク質組成物を決定し得る。
【0115】
VII.キットおよび定量
本発明のIL-1R様分子の天然に存在する形態および組換え形態は共に、キットおよびア
ッセイ法において特に有用である。例えば、これらの方法もまた、結合活性(例えば、これらのタンパク質のリガンド)についてのスクリーニングに適用される。最近、いくつかの自動化アッセイ法が開発されており、1年当たり何万もの化合物のスクリーニングを可能にしている。例えば、BIOMEK自動化ワークステーション、BeckmanInstruments,Palo Alto,California、およびFodorら、(1991)Science 251:767-773(これは、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。後者は、固体基質上に合成された複数の規定されたポリマーによる結合を試験する手段を記載している。リガンドまたはアゴニスト/アンタゴニスト相同性タンパク質のスクリーニングに適したアッセイの開発は、本発明により提供されるように、大量の精製可溶性DTLRが活性状態で入手可能なことにより、非常に容易にされ得る。
【0116】
前述のリガンドスクリーニング技術での使用のために、精製DTLRはプレート上に直接コートされ得る。しかし、これらのタンパク質に対する非中和抗体は、例えば、診断的な使用において、有用な固相上に各レセプターを固定化する捕獲抗体として使用され得る。
【0117】
本発明は、様々な診断用キットにおける、DTLR2〜10、そのフラグメント、ペプチド
、およびそれらの融合産物の使用、ならびにタンパク質またはそのリガンドの存在を検出する方法もまた意図される。あるいは、またはさらに、この分子に対する抗体が、キットおよび方法に組み込まれ得る。代表的には、キットは、規定されたDTLRペプチド、または遺伝子セグメント、あるいは一方もしくは他方を認識する試薬のいずれかを含む区画を有する。代表的には、ペプチドの場合、認識試薬はレセプターまたは抗体であり、あるいは遺伝子セグメントの場合には、通常、ハイブリダイゼーションプローブである。
【0118】
サンプル(例えば、DTLR4)の濃度測定に好ましいキットは、代表的には、DTLR4に対する公知の結合親和性を有する標識化化合物(例えば、リガンドまたは抗体)、ポジティブコントロールとしてDTLR4の供給源(天然に存在する、または組換え体)、および遊離の
標識化化合物(例えば、試験サンプル中のDTLR4を固定化する固相)から結合を分離する
手段、を含む。試薬を含む区画、および説明書もまた、通常提供される。
【0119】
哺乳動物DTLRまたはペプチドフラグメントに特異的な抗体(抗原結合フラグメントを含む)、あるいはレセプターフラグメントは、上昇したレベルのリガンドおよび/またはそのフラグメントの存在を検出するための診断的な適用に有用である。診断アッセイは、均質性(遊離試薬と抗体-抗原複合体との間の分離工程を含まない)または異質性(分離工
程を含む)であり得る。種々の市販のアッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素増幅イムノアッセイ技術(EMIT)、基質-標識化蛍光イムノアッセイ(SLFIA)など)が存在する。例えば、標識され、かつDTLRに対するまたはその特定のフラグメントに対する抗体を認識する二次抗体を使用することにより、非標識化抗体が使用され得る。これらのアッセイもまた、文献で広範囲に議論されている。例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies:ALaboratory Manual,CSH.、ならびにColigan(編)(1991)および定期的な補遺、Current Protocols InImmunology Greene/Wiley,New Yorkを参照のこと。
【0120】
抗イディオタイプの抗体は、DTLRのアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する
類似の利用法を有し得る。これらは、適切な状況下で治療用試薬として有用である。
【0121】
しばしば、診断アッセイのための試薬は、アッセイの感受性を最適化するために、キ
ットに補充される。本発明について、アッセイの性質、プロトコル、および標識に依存して、標識化または非標識化抗体あるいは標識化リガンドのいずれかが提供される。これは、通常、緩衝剤、安定化剤、酵素の基質などのようなシグナルの産生に必要な材料などの他の添加物と組み合わされる。好ましくは、キットはまた、適切な使用および使用後の含有物の廃棄についての説明書もまた包含する。代表的には、キットは、有用な各試薬の区画を有し、そして適切な使用および試薬の廃棄についての説明書を含む。望ましくは、試薬は乾燥した凍結乾燥粉末として提供され、試薬は、アッセイを行うのに適した濃度を有する水性媒体中で再構成され得る。
【0122】
診断アッセイの上記の構成成分は、改変を行うことなく使用され得るか、または種々の方法において改変され得る。例えば、標識は、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分を共有結合または非共有結合することによって達成され得る。これらのアッセイのいずれにおいても、試験化合物であるDTLRまたはそれに対する抗体は、直接または間接のいずれかで標識され得る。直接標識についての可能性は、標識基:放射標識(例えば、125I)、酵素(米国特許第3,645,090号)(例えば、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼ、ならびに蛍光標識(米国特許第3,940,475号)(これは、蛍光強度における変化、波長シフト、または蛍光局在化をモニターし得る)を含む。これらの特許の両方を、本明細書において参考として援用する。間接標識についての可能性は、1つの構成成分のビオチン化、続いて上記の標識基の一つに結合したアビジンへの結合を含む。
【0123】
遊離のリガンドから結合したもの、あるいは遊離の試験化合物から結合したものを分離する多くの方法もまた存在する。DTLRは、種々のマトリクスに固定され得,続いて洗浄され得る。適切なマトリクスは、ELISAプレート、フィルター、およびビーズのようなプラスチックを含む。レセプターをマトリクスに固定する方法は、限定されることなく、プラスチックへの直接接着、捕捉抗体の使用、化学結合、およびビオチン−アビジンを含む。このアプローチの最後の工程は、いくつかの方法(これは、例えばポリエチレングリコールのような有機溶媒または硫酸アンモニウムのような塩を利用する方法を含む)のいずれかによる抗体/抗原複合体の沈殿を含む。他の適切な分離技術は、Rattleら(1984)Clin.Chem.30(9)1457−1461に記載される蛍光抗体磁性化粒子方法、および米国特許第4,659,678号に記載されるような二重抗体磁性粒子分離を含むが、これに限定されない。これらの各々は、本明細書において参考として援用される。
【0124】
種々の標識へ、タンパク質またはフラグメントを連結するための方法は,文献において広範に報告されており、そしてここでは詳細な議論を必要としない。これらの技術の多くは,ペプチド結合を形成するためのカルボジイミドの使用または活性エステルのいずれかを介した活性化カルボキシル基の使用、連結のために、活性化ハロゲン(例えば、クロロアセチル)または活性化オレフィン(例えば、マレイミド)を用いたメルカプト基の反応によるチオエーテルの形成などを含む。融合タンパク質もまた、これらの適用において使用が見出される。
【0125】
本発明の別の診断的局面は、DTLRの配列から採取したオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列の使用を含む。これらの配列は、免疫障害を有すると疑われる患者におけるそれぞれのDTLRのレベルを検出するためのプローブとして使用され得る。RNAおよびDNAヌクレオチド配列の両方の調製、配列の標識、および好ましいサイズの配列は、文献において、充分な記載および議論がなされている(receive)。通常、
オリゴヌクレオチドプローブは、少なくとも約14ヌクレオチド、通常少なくとも約18ヌクレオチドを有するべきであり、そしてポリヌクレオチドプローブは数キロベースにまで及び得る。種々の標識、最も一般的には、放射性核種、特に32Pが使用され得る。しかし、他の技術もまた、使用され得る。例えば、ポリヌクレオチドへの導入のためのビオチン改変ヌクレオチドの使用である。次いで、ビオチンは、アビジンまたは抗体への結合のための部位として作用し、これは、広範で種々の標識(例えば、放射性核種、蛍光、酵素など)で標識され得る。あるいは、特定の二重鎖(DNA二重鎖、RNA二重鎖、DNA−RNAハイブリッド二重鎖、またはDNA−タンパク質二重鎖を含む)を認識し得る抗体が使用され得る。次いで抗体は、標識され得、そして二重鎖が表面に結合し、その結果、表面上の二重鎖の形成に際して二重鎖に結合した抗体の存在が検出され得るアッセイが、行われる。新規のアンチセンスRNAに対するプローブの使用は、任意の従来の技術(例えば、核酸ハイブリダイゼーション、プラスおよびマイナススクリーニング、組換えプロービング、ハイブリッド遊離翻訳(HRT)、およびハイブリッド拘束翻訳(HART))において行われ得る。これはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅技術を含む。
【0126】
他のマーカーの定性的存在または定量的存在についてもまた試験する診断キットもまた、意図される。診断または予後は、マーカーとして使用される多重指標の組合せに依存し得る。従って、キットはマーカーの組み合わせについて試験し得る。例えば、Vialletら、(1989)Progress in Growth Factor Res.1;89−97を参照のこと。
【0127】
VIII.治療的有用性
本発明は、有意な治療的価値を有する試薬を提供する。DTLR(天然に存在するかまたは組換え)、そのフラグメント、ムテインレセプター、および抗体、ならびにこのレセプターまたは抗体に対する結合親和性を有するとして同定された化合物は、それらのリガンドのレセプターの異常な発現を示す条件の処理において有用であり得るはずである。このような異常性は、代表的には、免疫障害によって認められる。さらに、本発明は、リガンドへの応答の異常な発現または異常な誘発と関連する、種々の疾患または障害において治療的価値を提供するはずである。Tollリガンドは、形態発生(例えば、背腹極性決定および免疫応答、特に初期の生得性応答)に関与することが示唆されている。例えば、Sunら(1991)Eur.J.Biochem.196:247−254;Hultmark(1994)Nature 367:116−117を参照のこと。
【0128】
組換えDTLR、ムテイン、アゴニスト、またはアンタゴニスト、それらに対する抗体、あるいは抗体は精製され、次いで患者に投与され得る。これらの試薬は、さらなる活性成分とともに治療的使用のために、例えば、従来の薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤中で、生理的に無害な安定剤および賦形剤とともに合わされ得る。これらの組み合わせは、例えば、濾過により滅菌され得、そして投薬バイアル中における凍結乾燥によるような投薬形態または安定化した水性調製物中における保存物へと配置される。本発明はまた、相補的結合ではない抗体またはその結合フラグメントの使用を意図する。
【0129】
DTLRまたはそのフラグメントを用いたリガンドスクリーニングを行って、レセプターに対する結合親和性を有する分子を同定し得る。次いで、続く生物学的アッセイを利用して推定リガンドが競合的な結合(これは、内因性の刺激活性をブロックし得る)を提供し得るか否かを決定し得る。レセプターフラグメントは、これがリガンドの活性をブロックするという点で、ブロッカーまたはアンタゴニストとして使用され得る。同様に、内因性刺激活性を有する化合物は、レセプターを活性化し、従って、それがリガンドの活性を刺激(例えば、シグナル伝達の誘発)するという点で、アゴニストであり得る。本発明はさらに、DTLRに対する抗体のアンタゴニストとしての治療的使用を意図する。
【0130】
有効な治療に必要な試薬の量は、多くの異なる因子に依存し、これには、投与手段、標的部位、患者の生理的状態、および投与される他の医薬が含まれる。従って、処置用量を、力価測定して、安全性および効力を最適化するべきである。代表的には、インビトロで使用される投薬量によって、これらの試薬のインサイチュでの投与のために有用な量における有用なガイダンスを提供し得る。特定の障害の処置についての有効用量の動物試験は、ヒトの投薬量の予測的な指標をさらに提供する。種々の考慮事項が以下に記載されている。例えば、Gilmanら(編)(1990)GoodmanおよびGilman:The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences(現行版)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennを参照のこと。これらは、各々が本明細書において参考として援用される。投与のための方法は、そこに議論されており、そして以下、例えば、経口、静脈内、腹腔内、または筋肉内投与、経皮拡散などである。薬学的に受容可能なキャリアには、水、生理食塩水、緩衝液および、例えば、Merck Index,Merck & Co.Rahway,New Jerseyに記載された他の化合物などが挙げられる。推定リガンドとそのレセプターとの間の予想される高親和性結合またはターンオーバー数のために、まず、低用量のこれらの試薬が、初期的に有効であることが予想される。そして、シグナル伝達経路により、極めて少量のリガンドが効果を有し得ることが示唆される。従って、投薬量範囲は、通常、1mM濃度よりも低い量であり、代表的には、約10μM濃度より低く、通常、約100nMより低く、好ましくは約10pM(ピコモル濃度)より低く、そして最も好ましくは約1fM(フェムトモル濃度)より低い量で、適切なキャリアと共に存在することが予想される。徐放性処方物または徐放性装置が、しばしば、連続投与に利用される。
【0131】
DTLR、そのフラグメント、および抗体またはそのフラグメント、アンタゴニストおよびアゴニストが、処置される宿主に直接投与され得るか、または化合物のサイズに依存して、オボアルブミンまたは血清アルブミンなどのキャリアタンパク質にそれらを結合させた後、投与されるのが望ましくあり得る。治療用処方物を、従来の任意の投薬量処方において投与し得る。有効成分を単独投与することは可能であるが、薬学的処方物として有効成分を提示させるのが好ましい。処方物は、上記に規定したような少なくとも一種の有効成分を、一種以上のその受容可能なキャリアと共に含む。各キャリアは、他の成分と適合性があり、患者にとって有害ではないという意味で、薬学的および生理学的の両方で受容可能でなければならない。処方物は、経口、直腸内、鼻腔内または非経口的(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与に適したものを含む。処方物は、都合良く、単位投薬量形態で存在し得、そして薬学分野において周知の任意の方法により調製され得る。例えば、Gilman,ら(編)(1990年)Goodman and Gilman:The Pharmacological Bases of Therapeutics,第8版,Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences,現行版,Mack Publishing Co.,Easton,Penn.;Avisら(編、1993年)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker,NY;Liebermanら(編、1990年)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker,NY;およびLiebermanら(編、1990年)Pharmaceutical Dosage
Forms:Disperse Systems Dekker,NYを参照のこと。本発明の治療は、他の治療的薬剤(特に、他のIL−1ファミリーメンバーのアゴニストまたはアンタゴニスト)と組み合わせられ得るか、またはそれらに付随して使用され得る。
【0132】
IX.リガンド
本明細書におけるTollレセプターの説明は、上記のように、リガンドを同定する手段を提供する。このようなリガンドは、適度に高い親和性を有するそれぞれのレセプターと特異的に結合するはずである。種々の構築物が、利用可能となり、これによっていずれのレセプターの標識方法によってもそのリガンドを検出し得る。例えば、 DTLRの直接標識、すなわち二次標識のためのマーカー(例えば、FLAGまたは他のエピトープタグ等)を融合させることにより、レセプターの検出を可能にする。これは、生化学的精製のための親和性方法、または発現クローニングアプローチでの標識化もしくは選択のように、組織学的であり得る。2ハイブリッド選択系もまた、利用可能なDTLR配列を有する適切な構築物の作製に応用され得る。例えば、FieldsおよびSong(1989)Nature 340:245−246を参照のこと。
【0133】
一般的に、DTLRの説明は、DTLR2、 DTLR3、 DTLR4、 DTLR5、 DTLR6、 DTLR7、 DTLR8、 DTLR9および/またはDTLR10の試薬および組成物に関するそれぞれ特定の実施態様に同様に適用され得る。
【0134】
本発明の広い範囲は、以下の実施例を参照することにより最も良く理解されるが、これらは発明を特定の実施態様に限定することを意図するものではない。
【0135】
実施例
I.一般的方法
いくつかの標準的な方法は、例えば、Maniatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press;Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A
Laboratory Manual,(第二版),1−3巻、CSH Press,NY;Ausubelら,Biology,Greene Publishing Associates,Brooklyn,NY;またはAusubelら(1987および補遺)Current Protocols in Molecular Biology,Greene/Wiley,New Yorkに記載され、これらにおいて参照される。タンパク質の精製のための方法には、硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化等の方法が挙げられる。例えば、Ausubelら(1987および定期補遺);Coliganら(編、1996)および定期補遺、Current Protocols In Protein Science Greene/Wiley、New York;Deutscher(1990)「Guide to
Protein Purification」Methods in Enzymology,182巻およびこのシリーズの他の巻;およびタンパク質精製製品の使用に関する製造業者の文献(例えば、Pharmacia,Piscataway,N.J.またはBio−Rad,Richmond,CA)を参照のこと。組換え技術を併用する組換えにより、適切なセグメント(例えば、プロテアーゼ除去(protease−removable)配列を介して融合され得るFLAG配列または等価物)への融合を可能にする。例えば、Hochuli(1989)Chemische Industrie 12:69−70;Hochuli(1990)「Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent」Setlow(編)Genetic Engineering,Principle and Methods 12:87−98,Plenum Press,N.Y.;およびCroweら(1992)QIAexpress:The High
Level Expression & Protein Purification
System QIAGEN,Inc.,Chatsworth,CAを参照のこと。
【0136】
標準的な免疫学的技術およびアッセイは、例えば、Hertzenbergら(編、1996)Weir’s Handbook of Experimental Immunology、第1〜4巻、Blackwell Science;Coligan(1991)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene、NY;およびMethods in Enzymology、第70、73、74、84、92、93、108、116、121、132、150、162および163巻に記載される。
【0137】
血管系生物学的活性についてのアッセイは、当該分野で周知である。それらは、腫瘍または他の組織(例えば、動脈平滑筋増殖(例えば、Koyamaら、(1996)Cell 87:1069−1078を参照のこと)、血管上皮への単球接着(McEvoyら(1997)J.Exp.Med.185:2069−2077を参照のこと)などにおける脈管形成活性または脈管形成静止(angiostatic)活性に及ぶ。Ross(1993)Nature 362:801−809;RekhterおよびGordon(1995)Am.J.Pathol.147:668−677;Thybergら(1990)Atherosclerosis 10:966−990;およびGumbiner(1996)Cell 84:345−357もまた参照のこと。
【0138】
神経細胞生物学的活性についてのアッセイは、例えば、Wouterlood(編、1995)Neuroscience Protocols modules 10、Elsevier;Methods in Neurosciences Academic
Press;およびNeuromethods Humana Press、Totowa、NJに記載される。発生系の方法論は例えば、Meisami(編)Handbook of Human Growth and Developmental Biology CRC Press;およびChrispeel(編)Molecular Techniques and Approaches in Developmental Biology Interscienceに記載される。
【0139】
コンピューター配列分析を、例えば、利用可能なソフトウエアプログラム(GCG(U.Wisconsin)およびGenBankからのプログラムを含む)、を使用して行う。例えば、GenBank、NCBI、EMBOなどの公の配列データベースもまた使用した。
【0140】
IL−10レセプターに適用可能な多くの技術を、例えば、USSN 08/110,683(IL−10レセプター)に記載のように、DTLRに適用し得る。これは、あらゆる目的のため、本明細書中に参照として援用される。
【0141】
II.ヒトレセプターの新規のファミリー
略語:DTLR、Toll様レセプター;IL−1R、インターロイキン−1レセプター;TH、Toll相同性;LRR、ロイシンリッチ反復;EST、発現配列タグ;STS、配列タグ化部位;FISH、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション。
【0142】
Drosophila Tollの細胞質ドメインとヒトインターロイキン−1(IL−1)レセプターとの間の配列相同性の発見は、両方の分子がRel型転写因子の核転移に結びついた関連シグナル伝達経路を開始する(trigger)ことを確信するきっかけである。この保存されたシグナル伝達スキームは、昆虫および脊椎動物の両方における進化的に先祖となる免疫応答を支配する。本発明者らは、細胞内セグメントおよび細胞外セグメントの両方において、Drosophila Tollに密接に類似するタンパク質構造を有する新規のクラスの推定ヒトレセプターの分子クローニングを報告する。5つのヒトToll様レセプター(DTLR1〜5と命名した)は、ハエ分子の直接の相同体
であるようであり、そしてそれ自体ヒトにおいて先天性の免疫の重要かつ認識されていない成分を構成し得;興味深いことに、脊椎動物におけるDTLRの進化的な保持は、Drosophila胚の背腹化におけるTOllに類似する、初期形態形成パターン化の調製因子としての別の役割を示唆し得る。複数の組織mRNAブロットは、ヒトDTLRについての発現の顕著に異なるパターンを示す。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションおよび配列タグ化部位データベース分析を用いて、本発明者らはまた、コグネートDTLR遺伝子が第4染色体(DTLR1、2、および3)、第9染色体(DTLR4)、ならびに第1染色体(DTLR5)に存在することを示した。種々の昆虫DTLRおよびヒトDTLR、脊椎動物IL−1レセプター、およびMyD88因子、ならびに植物疾患抵抗タンパク質からの整列させたToll相同体(TH)ドメインの構造予測は、酸性活性部位との並列なβ/α折り畳みを認識し;同様の構造は、細菌における感覚情報の伝達に広く関連する応答調節因子のクラスに顕著に繰り返される。
【0143】
ヒトからハエをこのように劇的に分離させる形成学的な隔たりの基(seed)を、よく知られている胚性形状およびパターンに移植したが、非常に異なる細胞複合性を生じた。DeRobertisおよびSasai(1996)Na
【0144】
【数1】

【0145】
ung(1997)Mech.Develop.61:7−21。昆虫と脊椎動物との間の発生設計図のこの相違は、顕著に類似するシグナル伝達経路により編成され、これにより等しくない遺伝子レパートリに由来するタンパク質ネットワーク、および生化学的機構のより大きな保存性を強調する。MiklosおよびRubin(1996)Cell 86:521−529;ならびにChothia(1994)Develop.1994補遺、27−33。これらの調節経路の進化的設計を作図するための有力な方法は、タンパク質配列および構造の種間の比較を通じた、それらの可能性の高い分子成分(および生物学的機能)を推測することによるものである。MiklosおよびRubin(1996)Cell 86:521−529;Chothia(1994)Develop.1994補遺、27−33(3−5);ならびにBanfiら(1996)Nature Genet. 13:167−174。
【0146】
胚発生において普遍的に重要な工程は、生来の非対称性に由来して生じるか、または外的刺激(cue)によって誘発されるかのいずれかによる体軸の特定化である。DeRobertisおよびSasai(1996)Nature
【0147】
【数2】

【0148】
997)Mech.Develop.61:7−21。モデル系として、特に注目を浴びてきたのは、背腹分極の系統学的原理および細胞機構である。 DeRobertisおよびSasai(1996)Nature 380:37−4
【0149】
【数3】

【0150】
Develop.61:7−21。この変化のための原型となる分子ストラテジーは、Drosophila胚から明らかになり、ここで、少数の遺伝子の一連の働きにより転写因子Dorsalの腹方化勾配が生じる。St.Johnst
【0151】
【数4】

【0152】
01−219;ならびにMorisatoおよびAnderson(1995)Ann.Rev.Genet.29:371−399。
【0153】
このシグナル伝達経路は、膜貫通レセプターであるTollを中心に据える。
【0154】
【数5】

【0155】
セサリー分子であるTubeの細胞質へのかみ合い(engagement)、およびインヒビターCactusからのDorsalの解離を触媒し、そしてDorsalを腹側核へ移動させるSer/ThrキナーゼであるPelleの活性化へと伝達する。 MorisatoおよびAnderson(1995)Ann.Rev.Genet.29:371−399;ならびにBelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev.Cell Develop.Biol.12:393−416。Toll経路はまた、成体ハエにおける強力な抗細菌因子の誘導を制御する(Lemaitreら(1996)Cell 86:973−983);Drosphila免疫防御におけるこの役割は,脊椎動物における宿主の免疫応答および炎症応答を支配するIL−1経路との機構的類似点を強調する。 BelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev.Cell Develop. Biol.12:393−416;ならびにWasserman(1993)Molec.Biol.Cell 4:767−771。IL−1レセプターにおけるToll関連細胞質ドメインは、Pelle様キナーゼであるIRAKの結合、およびDorsalおよびCactusの包含を映す潜在的なNF−κB/I−κB複合体の活性化を指向する。 BelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev.Cell Develop. Biol.12:393−416;ならびにWasserman(1993)Molec.Biol.Cell 4:767−771。
【0156】
本発明者らは、(ChiangおよびBeachy(1994)Mech.Develop.47:225−239に従って)DTLR2〜5と命名する、ヒトにおける4つの新規なToll様分子のクローニングおよび分子的特徴付けを記載する。これらは、脊椎動物IL−1レセプターに対するよりもDrosophila Toll相同体により密接に関連するレセプターファミリーであることを示す。DTLR配列は、ヒトESTに由来する;これらの部分的cDNAを使用して、5つのDTLRについてのヒト組織中の完全な発現プロフィールを描き、コグネート遺伝子の染色体位置をマッピングし、そして全長cDNAの取り出しのためのcDNAライブラリーの選択肢を狭めた。他者(Banfiら(1996)Nature Genet. 13:167−174、ならびにWangら(1996)J.Biol.Chem.271:4468−4476)の努力によって刺激され、本発明者らは、構造的保存性および分子的節減(parsimony)によって、Drosophilaにおける強制的な調節スキームの対応物であるヒトの生物学的系を構築している。さらに、Tollシグナル伝達を駆動する生化学的機構は、Toll相同体(TH)ドメインの提唱されている三次元折り畳み、DTLRと共有されるコアモジュール、IL−1レセプターの広範なファミリー、哺乳動物MyD88因子および植物疾患抵抗性タンパク質によって示唆されている。Mitchamら(1996)J.Biol.Chem.271:5777−5783;ならびにHardimanら(1996)Oncogene 13:2467−2475。本発明者らは、形態形成および初期免疫と関連する昆虫、植物、および動物におけるシグナル伝達ルート(BelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev.Cell Develop. Bio
l.12:393−416;ならびにWilsonら(1997)Curr.Biol.7:175−178)が細菌の二成分経路に源を有し得ることを提唱する。
【0157】
コンピューター分析
昆虫DTLRと関連するヒト配列は、National Center for Biotechnology Information(NCBI)におけるESTデータベース(dbEST)から、BLASTサーバー(Altschulら(1994)Nature Genet.6:119−129)用いて、同定された。より感度のよいパターンおよびプロフィールに基づく方法(BorkおよびGibson(1996)Meth.Enzymol.266:162−184)を使用して、重複しないデータベースに存在する脊椎動物および植物タンパク質と共有されるDTLRファミリーのシグナル伝達ドメインを単離した。DTLR細胞内または細胞外ドメイン配列の連続的な整列を、ClustalW(Thompsonら(1994)Nucleic Acids Res.22:4673−4680)により実施した;このプログラムはまた、Neighbor−Joiningアルゴリズムによって整列された配列の分岐順序を計算した(5000のブートストラップ複製は、系図グループ分けについての信頼性の値を提供した)。
【0158】
ストリンジェンシーのいくつかの程度で識別される、保存された整列パターンを、Consensusプログラム(インターネットURL http://www .bork.embl−heidelberg.de/Alignment/consensus.html)によって描いた。タンパク質フィンガープリントのPRINTSライブラリー(http://www.biochem.ucl.ac.uk/bsm/dbbrowser/PRINTS/PRINTS.html)(Attwoodら(1997)Nucleic Acids Res.25:212−217)は、DTLRの細胞外セグメントに存在する無数のロイシンリッチ反復(LRR)を、多岐のLRRのN末端およびC末端の特徴と柔軟に一致する化合物モチーフ(PRINTSコードLeurichrpt)とともに信頼性高く同定した。3つの状態の正確さが約72%である2つの予測アルゴリズムを使用して、細胞内ドメイン整列についてのコンセンサス二次構造を、折り畳み認識の成果への橋渡し(Fischerら(1996)FASEB J.10:126−136)として得た。神経ネットワークプログラムPHD(RostおよびSander(1994)Proteins 19:55−72)および統計的な予測方法であるDSC(KingおよびSternberg(1996)Protein Sci.5:2298−2310)はともに、インターネットサーバー(URLはそれぞれ、http://www.embl−heidelberg.de/predictprotein/phd_pred.htmlおよびhttp://bonsai.lif.icnet.uk/bmm/dsc/dsc_read_align.html)を有する。細胞内領域は、例えば、Hardimanら(1996)Oncogene 13:2467−2575;およびRockら(1998)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:588−593(これらの各々は、本明細書において参考として援用される)に議論されるTHD領域をコードする。このドメインは、リン酸基を基質に移す、レセプターによるシグナル伝達の機構において非常に重要である。
【0159】
全長ヒトDTLR cDNAのクローニング
Toll様Humrsc786配列由来のPCRプライマー(Genbank 受託番号D13637)(Nomuraら、(1994)DNA Res. 1:27-35)を使用して、ヒト赤白血病TF-1細胞株由来のcDNAライブラリー(Kitamuraら、(1989)Blood73:375-380)をプローブして、DTLR1 cDNA配列を得た。残りのDTLR配列は、dbEST、およびResearch Genetics(Huntsville,AL)を介してI.M.A.G.E.コンソーシアム(Lennonら、(1996)Genomics 33:151-152)から得られる関連ESTクローン:クローンID番号80633および117262(DTLR2)、144675(DTLR3)、202057(DTLR4)および277229(DTLR5)から検索された(flag)。ヒトDTLR2〜4についての全長cDNAを、それぞれ、λg
t10ファージのヒト成人肺、胎盤、および胎児肝臓の5'-ストレッチおよびcDNAライブリー(Clontech)のDNAハイブリダイゼーションスクリーニングによりクローニングし;DTLR5配列、ヒト多発性硬化症斑(multiple-sclerosisplaque)EST由来である。全てのポジティブクローンを、配列決定し、そしてこれらを整列して、個々のDTLR ORF:DTLR1(2366bpクローン、786アミノ酸ORF)、DTLR2(2600bpクローン、784アミノ酸)、DTLR3(3029bpクローン、904アミノ酸)、DTLR4(3811bpクローン、879アミノ酸)、およびDTLR5(1275bpクローン、370アミノ酸)を同定した。DTLR3およびDTLR4のハイブリダイゼーションの
ためのプローブを、鋳型としてヒト胎盤(Stratagene)および成人肝臓(Clontech)cDNAライブラリーをそれぞれ用いるPCRにより生成し;プライマー対はそれぞれのEST配列由来であった。PCR反応を、T.aquaticusTaqplus DNA ポリメラーゼ(Stratagene)を使用し
て以下の条件下で行った:1×(94℃、2分)、30×(55℃、20秒;72℃、30秒;94℃、20秒)、1×(72℃、8分)。DTLR2全長cDNAスクリーニングのために、第1のESTクローン(ID番号80633)のEcoRI/XbaI消化により生成される900bpフラグメントを、プローブとして使用した。
【0160】
mRNAブロットおよび染色体上の位置決め
1レーンあたり約2μgのポリ(A)+RNAを含む、ヒト複合(multiple)組織(Cat番号1,2)およびガン細胞株のブロット(Cat番号7757-1)を、Clontech(PaloAlto, CA)から購入した。DTLR1〜4について、単離された全長cDNAがプローブとして作用し、DTLR5につい
ては、ESTクローン(ID番号277229)プラスミド挿入物を使用した。簡潔には、プローブ
を、Amersham Rediprime ランダムプライマー標識キット(RPN1633)を使用して、[α-32P]dATPで放射標識した。プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを、0.5MNa2HPO4、7% SDS、0.5M EDTA(pH 8.0)中、65℃にて行った。全てのストリンジェン
トな洗浄を、最初に2回、2×SSC、0.1% SDSで40分間、続いて0.1×SSC、0.1% SDSで20
分間、65℃にて行った。次いで、メンブレンを増感スクリーンの存在下で-70℃にてX線
フィルム(Kodak)に曝露した。cDNAライブラリーのサザン(Southern)によるより詳細
な研究(14)を、選択されたヒトDTLRクローンを用いて行って、造血細胞のサブセットにおけるそれらの発現を調べた。
【0161】
ヒト染色体マッピングを、種々の全長(DTLR2〜4)または部分的な(DTLR5)cDNAクロ
ーンをプローブとして使用して、HengおよびTsui(1994)Meth. Molec. Biol. 33:109-122
に記載されるような蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)法により行った。これらの分析を、SeeDNA Biotech Inc.(Ontario,Canada)によるサービスとして行った。マッピングしたDTLR遺伝子に関連するヒト症候群(または、シンテニー遺伝子座におけるマウスの欠損)についての検索をインターネットサーバーによるDysmorphicHuman-Mouse Homology Database(http://www.hgmp.mrc.ac.uk/DHMHD/hum_chrome1.html)において行った。
【0162】
昆虫およびヒトDTLR外部ドメインの保存された構造
DrosophilaにおけるTollファミリーは、少なくとも4つの異なる遺伝子産物を含む:Toll、ハエの胚の背腹側のパターン化に関するプロトタイプレセプター(MorisatoおよびAnderson(1995)Ann.Rev. Genet. 29:371-399)、および第二の「18Wheeler」(18W)と名
付けられたもの、これもまた初期胚発生に関与し得る(Chiang およびBeachy(1994) Mech. Develop. 47:225-239;Eldonら(1994)Develop. 120:885-899);2つのさらなるレセプ
ターは、雄特異的な転写(Mst)遺伝子座(Genbank番号X67703)の不完全なToll様ORF下
流により予測されるか、または「配列タグ化部位」(STS)Dm2245(Genbank番号G01378)によりコードされる(Mitchamら、(1996)J.Biol.Chem.271:5777-5783)。Tollおよび18wの細胞外セグメントは、示差的に、不完全な約24アミノ酸LRRモチーフからなる(ChiangおよびBeachy(1994)Mech.Develop. 47:225-239; およびEldonら、(1994)Meth. Develop. 120:885-899)。LRRの同様の縦列アレイは、一般的に変化した細胞表面分子の接着性
アンテナを形成し、そしてそれらの包括的な三次構造は、17のLRRが、反復するβ/αヘアピン(28残基モチーフ)を示すリボヌクレアーゼインヒビターの折り畳み(fold)の馬蹄の形をしたゆりかご(cradle)を模倣すると推定される(BuchananおよびGay(1996)Prog.Biophys. Molec. Biol. 65:1-44)。
【0163】
【数6】

【0164】
行性(serpentine)レセプターの多重LRR外部ドメインによるシステイン-ノット折り畳み糖タンパク質ホルモンの結合について提唱されたモデル(Kajavaら、(1
【0165】
【数7】

【0166】
ステインのパターンおよびオーファンDrosophilaリガンドであるTrunkは、同様のシステ
イン-ノット三次構造を予想する(BelvinおよびAnderson(1996) Ann. Rev.Cell Develop. Biol. 12:393-416;ならびにCasanovaら、(1995)Genes Develop. 9:2539-2544)。
【0167】
Tollおよび18wのそれぞれ22個のLRR外部ドメインおよび31個のLRRの外部ドメイン(Mst
ORFフラグメントは、16LRRを提示する)は、配列決定およびパターン分析(Altschulら
、(1994)Nature Genet. 6:119-129; ならびにBorkおよびGibson(1996)Meth. Enzymol.266:162-184)により、DTLR1〜4の比較可能な18、19、24、および22 LRRアレイ(不完全なDTLR5鎖は、現在4つの膜近位のLRRを含む)に最も密接に関連している(図1)。しかし、ヒトDTLR鎖における著しい差異は、Toll、18w、およびMstORFの外部ドメイン(膜の境界からそれぞれ、4、6および2LRR離れている)に可変的に包埋されている約90残基の
システインリッチな領域の共通した欠落である。これらのシステインのクラスターは、異なる「頂部」(LRRの終わり)および「底部」(LRRを頂部へ積み重ねられる)の半端を有する二つの部分である(ChiangおよびBeachy(1994)Mech.Develop. 47:225-239; Eldonら、(1994)Develop. 120:855-899; ならびにBuchananおよびGay(1996)Prog.Biophys. Molec. Biol. 65:1-44);「頂部」モジュールは、DrosophilaおよびヒトDTLRの両方において保存された膜近傍のスペーサーとして繰り返される(図1)。本発明者らは、Drosophilaレセプター(および他のLRRタンパク質)において柔軟に配置されたシステインのクラス
ターが、「頂部」と「底部」が結び合わされた場合、DTLRの外部ドメインの全体的な折り畳みを変化させずにLRRの任意のペアの間に挿入され得る、対になった終端を有するコン
パクトなモジュールを形成することを提唱する;類似の「突出した(extruded)」ドメインは、他のタンパク質の構造を修飾する(Russel(1994)ProteinEngin. 7:1407-1410)。
【0168】
THシグナル伝達ドメインの分子設計。
【0169】
TollとIL-1 I型(IL-1R1)レセプターとの配列比較は、おそらく類似のRel型転写因子
によりシグナル伝達を媒介する約200アミノ酸の細胞質ドメインのかすかな類似を明らか
にした。BelvinおよびAnderson(1996)Ann. Rev. Cell. Develop. Biol. 12:393-416; な
らびに(BelvinおよびAnderson(1996)Ann. Rev. Cell Develop. Biol. 12:393-416; およびWasserman(1993)Molec.Biol. Cell 4:767-771)。この機能的なパラダイムに、最近になって加えられたものは、N末端THモジュールに続き、ヌクレオチド結合(NTPase)セグメントおよびLRRセグメントを特徴とするタバコおよびアマ由来の植物病害抵抗性タンパ
ク質の対を含む(Wilsonら、(1997)Curr. Biol. 7:175-178);対照的に、「死ドメイン
」は、細胞内骨髄性分化マーカーであるMyD88nのTH鎖に先行する(Mitchamら、(1996)J. Biol. Chem. 271:5777-5783; およびHardimanら、(1996)Oncogene13:2467-2475)(図1)。新規のIL-1型レセプターには、IL-1R3(アクセサリーシグナル伝達分子)、およびオ
ーファンレセプターIL-1R4(ST2/Fit-1/T1とも呼ばれる)、IL-1R5(IL-1R関連タンパク
質)、およびIL-1R6(IL-1R関連タンパク質2)(Mitchamら、(1996)J. Biol. Chem. 271:5777-5783;Hardimanら、(1996)Oncogene 13:2467-2475)が挙げられる。新規のヒトDTLR配列を用いて、本発明者らは、共通のTHモジュールの立体配座を分析することにより、
この進化的な道筋の構造的な定義を探求した:128アミノ酸を含む保存された配列の10
個のブロックは、最小THドメイン折り畳みを形成する;整列中のギャップは、配列および長さの変化するループおよびその位置を表示する(図2a)。
【0170】
多重整列された配列における、保存および改変のパターンを利用する2つの予測アルゴリズム(PHD(RostおよびSander(1994)Proteins19:55-72)ならびにDSC(KingおよびSternberg(1996)Proteins Sci. 5:2298-2310))は、THシグナル伝達モジュールについて強
力に一致する結果を生じた(図2a)。各ブロックは、別個の二次構造エレメントを含み
:交互のβ鎖(A〜Eで表示された)およびαヘリックス(1〜5の番号が付けられた)のインプリントは、平行βシートの両面においてαヘリックスを有するβ/αクラスの折り畳
みの特徴である。疎水性β鎖A、C、およびDは、βシートにおいて「内部」段を形成すると予測され、一方より短く両親媒性のβ鎖BおよびEは代表的な「エッジ」単位に似ている(図2a)。この割り当ては、コアβシートにおけるB-A-C-D-Eの鎖の順序と一致する(図2b);折り畳みの比較(「マッピング」)および認識(「筋道立て」)プログラム
(Fischerら、(1996)FASEB J. 10:126-136)は、この二重に曲折したβ/αトポロジーを
強く報告する。THドメインについてのこの輪郭的な構造の驚くべき機能の予測は、多重アラインメントにおける多くの保存さた荷電残基がβシートのC末端にマッピングされるということである:βAの末端での残基Asp16(ブロック番号付けスキーム-図2a)、βBに
続くArg39およびAsp40、α3の最初のターンにおけるGlu75、ならびにBD-α4ループまたはβEの後においてより不正確に保存されたGlu/Asp残基(図2a)。4つの他の保存された
残基(Asp7、Glu28、およびArg57-Arg/Lys58対)の位置は、反対(βシートのN末端)での塩架橋ネットワークに適合する(図2a)。
【0171】
シグナル伝達機能は、THドメインの構造整合性(integrity)に依存する。モジュール
の境界内での不活化変異または欠失(図2a)は、IL-1R1およびTollについてまとめられ
た。Heguyら、(1992)J. Biol. Chem. 267:2605-2609;Crostonら、(1995)J. Biol. Chem.270:16514-16517; Schneiderら、(1991)Genes Develop 5:797-807; NorrisおよびManley
、(1992)Genes Develop. 6:1654-1667; NorrisおよびManley、(1995)Genes Develop.9:358-369; ならびにNorrisおよびManley、(1996)Genes Develop. 10:862-872。最小THドメ
インを超えて伸長するヒトDTLR1〜5鎖(それぞれ、8、0、6、22、および18残基長)は、Mst ORFの切り株状の4アミノ酸「テイル(tail)」に最も密接に類似している。Tollお
よび18wは、融合したTHドメインのシグナル伝達をネガティブに調節し得る無関係な102および207残基テイルを提示する(図2a)。NorrisおよびManley(1995)GenesDevelop. 9:358-369; ならびにNorrisおよびManley、(1996)Genes Develop. 10:862-872。
【0172】
THドメインを保有する異なるタンパク質間の進化的な関係性は、多重整列由来の系統樹により最も良く認識され得る(図3)。4つの主な分枝は、植物性タンパク質、MyD88因子、IL-1レセプター、およびToll様分子を分離し;後の方の分枝は、Drosphilaおよびヒ
トDTLRの群をなす。
【0173】
ヒトDTLR遺伝子の染色体分散(dispersal)。
【0174】
初期(nascent)ヒトDTLR遺伝子ファミリーの遺伝子連鎖を研究するために、本発明者
らは、FISHにより5つの遺伝子のうち4つの染色体遺伝子座をマッピングした(図4)。DTLR1遺伝子は、ヒトゲノムプロジェクトにより、以前に示されていた:STSデータベース遺伝子座(dbSTS受託番号G06709、これはSTS WI-7804またはSHGC-12827に対応する)が
、Humrsc786cDNA(Nomuraら(1994)DNA Res 1:27-35)に対して存在し、そしてその遺伝
子を、第4染色体マーカー間隔、D4S1587-D42405(50-56cM)(ほぼ4p14)に固定する。こ
の割り当ては、最近FISH分析により実証された。Taguchiら、(1996)Genomics 32:486-488。本研究において、本発明者らは、残りのDTLR遺伝子を、染色体4q32(DTLR2)、染色体4q35(DTLR3)、染色体9q32-33(DTLR4)、染色体1q33.3(DTLR5)に信頼性良く割り当て
る。本研究の過程の間に、親(parent)DTLR2 EST(クローンID番号80633)に対するSTS
が、生成され(STS SHGC-33147について、bdSTS受託番号T57791)、そして本発明者らの
知見と一致する、第4染色体マーカー間隔、4q32でD4S2424〜D4S1548(143〜153cM)にマッピングされる。第4染色体のロングアーム(longarm)上のDTLR2とDTLR遺伝子との間
に約50cMのギャップが存在する。
【0175】
DTLR遺伝子は、差示的に発現される。
【0176】
Tollおよび18wの両方が、Drosophilaにおいて、胚性パターン付けを越える機能を示し
得る複合性の空間的および時間的な発現パターンを有する。St. Johnst
【0177】
【数8】

【0178】
995)Ann. Rev. Genet. 29:371-399; BelvinおよびAnderson(1996)Ann. Rev. Cell.Develop. Biol. 12:393-416; Lemaitreら、(1996)Cell 86:973-983; ChiangおよびBeachy(1994)Mech.Develop. 47:225-239; ならびにEldonら、(1994)Develop. 120:885-899。本発明
者らは、放射標識したDTLR cDNAを用いて、種々のヒト組織およびガン細胞株を用いたmRNAブロット分析により、DTLR転写物の空間的分布を調べた(図5)。DTLR1は、遍在的に発現され、そして他のレセプターよりも高レベルであることが見出されている。おそらく選択的スプライシングを反映して、「短い」3.0kbおよび「長い」8.0kbのDTLR1転写形態が
、それぞれ卵巣および脾臓において存在する(図5、パネルAおよびB)。ガン細胞mRNAのパネルはまた、バーキットリンパ種のRaji細胞株において顕著なDTLR1の過剰発現を示
す(図5、パネルC)。肺において検出される4.0kb種、および心臓、脳、および筋肉に
おいて顕著な4.4kb転写物を伴うDTLR2 mRNAは、DTLR1ほど広範には発現されない。DTLR3
の組織分布パターンは、DTLR2の分布に類似する(図5、パネルE)。DTLR3はまた、約4.0kbおよび6.0kbのサイズの2つの主要な転写物として存在し、そしてその最も高い発現レベルは、胎盤および膵臓において観察される。対照的に、DTLR4およびDTLR5のメッセージは、極端に組織特異的であると考えられる。DTLR4は、胎盤においてのみ、約7.0kbのサイズの単一の転写物として検出された。DTLR5について、かすかな4.0kbのシグナルが、卵巣および末梢血単球おいて観察された。
【0179】
進化的に古代の調節系の成分
起源分子の青写真およびシグナル伝達経路の分枝運命(divergent fate)は、比較ゲノムアプローチにより再構築され得る。MiklosおよびRubin(1996)Cell86:521-529; Chothia(1994)Develop. 1994 補遺, 27-33; Banfiら、(1996)Nature Genet.13:167-174; なら
びにWangら、(1996)J. Biol. Chem. 271:4468-4476。本発明者らは、この論理を用いて、Tollにより代表されるDrosophila遺伝子ファミリーの直接的な進化的対応物である、現在5つのレセプターパラログ(paralog)(DTLR1〜5)をコードする新生の遺伝子ファミリ
ーをヒトにおいて同定した(図1〜3)。ヒトおよびハエのDTLR、保存されたLRR外部ド
メインおよび細胞内THモジュールの保存された構造(図1)は、Drosophila(6,7)におい
てTollに関連する確固とした経路が脊椎動物において生き残っていることを暗示する。最も良い証拠は、反復経路を借用する:多種多様なIL-1系、ならびにレセプター融合THドメイン、IRAK、NFκB、およびI-κBホモログのそのレパートリー(BelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev. Cell Develop. Biol. 12:393-416; Wasserman(1993)Molec. Biol. Cell 4
:767-771;Hardimanら、(1996)Oncogene 13:2467-2475; ならびにCaoら、(1996)Science 271:1128-1131);Tube様因子もまた特徴付けられている。DTLRが、生産的にIL-1Rシグナル伝達の仕組みに関連し得るのか、または代わりに、タンパク質の並行するセットが使用されるのかどうかは、知られていない。IL-1レセプターと異なり、ヒトDTLRのLRR揺りか
ご(cradle)は、S
【0180】
【数9】

【0181】
る;この型にあてはまる候補DTLRリガンド(PENと呼ばれる)が単離されている。
【0182】
シグナル伝達の生化学的な機構は、経路において相互作用するタンパク質折り畳みの保存により評価され得る。MiklosおよびRubin(1996)Cell86:521-529; Chothia(1994)Develop. 1994 補遺, 27-33。現在、Tollのシグナル伝達パラダイムは、いくつかの分子(この分子の役割は、それらの構造、作用、または運命により狭く定義される)を含む:Pellは、Ser/Thrキナーゼ(リン酸化)であり、Dorsalは、NFκB様転写因子(DNA結合)であり
、そしてCactusは、アンキリン反復(ankylin-repeat)インヒビター(Dorsal結合、分解)である。BelvinおよびAnderson(1996)Ann.Rev. Cell Develop. Biol. 12:393-416。対照的に、Toll THドメインおよびTubeの機能は、謎のままである。他のサイトカインレセ
プター(Heldin(1995)Cell 80:213-223)のように、リガンド媒介性のTollの二量体化は
、誘因事象であると考えられる:Tollの膜近傍の領域における遊離のシステインは、構成的に活性なレセプター対(Schneiderら、(1991)GenesDevelop. 5:797-807)を作製し、
そしてキメラTorso-Tollレセプターは、二量体としてシグナルを伝える(Galindoら、(1995)Develop. 121:2209-2218);さらに、Tollの外部ドメインの厳密な切断または大規模
な欠損は、触媒ドメインを有する発ガン性レセプター(Heldin(1995)Cell 80:213-223)
を暗示する、無差別な細胞内シグナル伝達を生じる(NorrisおよびManley(1995)Genes Develop. 9:358-369; ならびにWinansおよびHashimoto(1995)Molec. Biol. Cell 6:587-596)。Tubeは、膜に局在しており、PelleのN末端(死)ドメインを係合し、そしてリン酸化される。しかし、Toll-TubeおよびToll-Pelleのいずれもの相互作用もツーハイブリッ
ド分析により示されない(Galindoら、(1995)Develop. 121:2209-2218; ならびにGroshansら、(1994)Nature372:563-566);この後者の結果は、Toll THドメインの立体配座「状態」が、どういうわけか、因子の補充に影響を与えることを示唆する。NorrisおよびManley(1996)GenesDevelop. 10:862-872; ならびにGalindoら、(1995)Develop. 121:2209-2218。
【0183】
これらの悩ましい問題の核心は、Toll THモジュールの構造的性質である。この問題に
取り組むために、本発明者らは、ヒトDTLR鎖を組み込んで、昆虫、植物および脊椎動物由来のTH配列の進化的多様性を利用し、そして構造予測および折り畳み認識のための最小の保存されたタンパク質のコアを抽出した(図2)。酸性残基の対称的なクラスターを伴う強力に予測された(β/α)5THドメインの折り畳みは、細菌の2成分シグナル伝達経路における応答レギュレーターの構造とトポロジー学的に同一である(Volz(1993)Biochemistry
32:11741-11753;およびParkinson(1993) Cell 73:857-871)(図2)。プロトタイプの
走化性レギュレーターであるCheYは、コアβシートのC末端での「アスパラギン酸ポケット」中の二価の陽イオンに一過的に結合する;この陽イオンは静電的な安定性を提供し、そして不変のAspのリン酸化活性化を容易にする。Volz(1993)Biochemistry32:11741-11753。同様に、THドメインは、その酸性の場所において陽イオンを捕捉し得るが、活性化および下流のシグナル伝達は、負に荷電した部分の特異的な結合に依存し得る:陰イオン性リガンドは、正確な水素結合ネットワークに固定することにより、強度に負の結合部位電位を克服する。Ledvinaら、(1996)Proc.Natl. Acad. Sci. USA 93:6786-6791。興味深いことに、THドメインは、Toll、または植物および脊椎動物における同様の系についてのTu
be/Pelle複合体のアセンブリのための受動的な骨格としても単純に作用しないかもしれないが、代わりに、シグナル伝達の仕組みにおいて、本当の立体配座の誘因として積極的に関与し得る。おそらく、Tube/Pelle複合体の条件付き結合を説明する場合、Tollの二量体化は、調節的なレセプターのテイルによりアンマスキングを促進し得る(NorrisおよびManley(1995)GenesDevelop. 9:358-369; NorrisおよびManley(1996)Genes Develop. 10:862-872)か、またはTHポケットの低分子アクチベーターによる結合を促進し得る。しかし
、細胞内の「遊離」THモジュール(NorrisおよびManley(1995) Genes Develop. 9:358-369; WinansおよびHashimoto(1995)Molec.Biol. Cell 6:587-596)は、誤ったTube/Pelle
複合体の活性化およびドッキングにより触媒的CheY様誘因として作用する。
【0184】
形態形成レセプターおよび免疫防御
昆虫の免疫系と脊椎動物の免疫系との間の進化的関係が、DNAにおいて特徴付けられて
いる:昆虫において抗菌因子をコードする遺伝子は、哺乳動物においてNFκB転写因子を
結合することが公知の急性期応答エレメントに類似する上流モチーフを提示する。Hultmark(1993)Trends Genet. 9:178-183。Dorsalおよび2つのDorsal関連因子(DifおよびRelish)は、細菌感作後のこれらの防御タンパク質の誘導を促進する(Reichhartら、(1993)C.R.Acad. Sci. Paris 316:1218-1224; Ipら、(1993)Cell 75:753-763; およびDushayら
、(1996)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:10343-10347);Toll、または他のDTLRは、成
体のDrosophilaにおけるこれらの迅速な免疫応答を調節するようである(Lemaitreら、(1996)Cell 86:973-983; およびRosettoら、(1995)Biochem.Biophys. Res. Commun. 209:111-116)。脊椎動物におけるIL-1炎症応答と類似するこれらの機構は、Tollシグナル伝達経路の機能的多能性の証拠であり、そして胚パターン化と先天性免疫との間の古代の相乗作用を示唆する(BelvinおよびAnderson(1996)Ann. Rev. Cell Develop. Biol. 12:393-416; Lemaitreら、(1996)Cell 86:973-983;Wasserman(1993)Molec. Biol. Cell 4:767-771; Wilsonら、(1997)Curr. Biol.7:175-178; Hultmark(1993)Trends Genet. 9:178-183; Reichhartら、(1993)C. R. Acad.Sci. Paris 316:1218-1224; Ipら、(1993)Cell 75:753-763; Dushayら、Proc. Natl. Acad.Sci. USA 93:10343-10347; Rossetoら、(1995)Biochem. Biophys. Res. Commun.209:111-116; MedzhitovおよびJaneway(1997) Curr. Opin. Immunol. 9:4-9; ならびにMedzhitovおよびJaneway(1997)Curr.Opin. Immunol. 9:4-9)。昆虫DTLRタンパク質とヒトDTLRタンパク質とのより近い相同性は、IL-1系に類似す
る純粋な免疫にとって代わる生物学的機能のさらに強力な重複を招き、そして潜在的な分子レギュレーターを、ショウジョウバエの脊椎動物の胚の背腹側および他の形質転換を加える。DeRobertisおよびSasai(1996)Nature380:37-4
【0185】
【数10】

【0186】
ヒトにおける新生の強力なレセプターファミリーについての本発明の記載は、Wntパタ
ーン化因子に対する脊椎動物Frizzledレセプターの最近の発見を反映する。Wangら、(1996)J. Biol. Chem. 271:4468-4476。多数の他のサイトカインレセプター系が、初期発生における役割を有するので(LemaireおよびKodjabachian(1996)TrendsGenet. 12:525-531
)、おそらく、コンパクトな胚およびひょろ長い成体の異なる細胞の状況は、周知のシグナル伝達経路および異なる時間で異なる生物学的結果(例えば、DTLRについての形態形成対免疫防御)を有するそれらの拡散性の誘因を生じる。昆虫、植物、およびヒトのToll関連系について(Hardimanら、(1996)Oncogene13:2467-2475; Wilsonら、(1997)Curr. Biol. 7:175-178)、これらのシグナルは、興味深く細菌性伝達機関に似ている調節性THドメインを通って進む(Parkinson(1993)Cell73:857-871)。
【0187】
特に、DTLR6は、そのファミリーにおいてそのメンバーシップを確立する構造的特徴を
表す。さらに、そのファミリーのメンバーは、多くの重大な発生の疾患状態および先天性
免疫系の機能に関係している。特に、DTLR6は、主要な発生異常性についてのホットスポ
ットである位置に対するX染色体にマッピングされている。例えば、Sanger Center:ヒ
トX染色体ウェブサイト(http://www.sanger.ac.uk./HGP/ChrX/index.shtml);およびBaylor College ofMedicine Human Genome Sequencingウェブサイト(http://gc.bcm.tmc.edu:8088/cgi-bin/seq/home)を参照のこと。
【0188】
寄託されたPACについての受託番号は、AC003046である。この受託番号は、2つのPAC由来の配列:RPC-164K3およびRPC-263P4を含む。これらの2つのPAC配列は、STSマーカーDXS704とDXS7166との間のBaylorウェブサイトでヒト染色体Xp22上にマッピングされていた
。この領域は、重篤な発生異常についての「ホットスポット」である。
【0189】
III. PCRによるDTLRフラグメントの増幅
2つの適切なプライマー配列を選択する(表1〜10)。RT-PCRを、部分的または全長cDNAを生成するために、メッセージの存在について選択された適切なmRNAサンプル(例えば、その遺伝子を発現するサンプル)において用いる。例えば、Innisら、(編、1990年)PCR
Protocols: A Guide to Methods and Applications Academic Press, San Diego, CA;
およびDiffenbachおよびDveksler(1995年;編)PCR Primer:A Laboratory Manual Cold SpringHarbor Press, CSH, NY.。これらは、有用な配列の決定が、cDNAライブラリーにおける全長遺伝子をプローブすることを可能にする。TLR6は、ゲノムにおいて連続した配列であり、このことは、他のTLRもまたそうであることを示唆し得る。従って、ゲノムDNA上でのPCRは、全長の連続した配列を生成し得、次いで、染色体歩行(walking)方法論が適用可能である。あるいは、配列データベースは、記載された実施態様の一部に対応する配列を含むか、または密接に関連した形態(例えば、選択的スプライシング)などを含む。発現クローニング技術もまた、cDNAライブラリーにおいて適用され得る。
【0190】
IV. DTLRの組織分布
これらのDTLRをコードする各遺伝子のメッセージが検出されている。図5A-5Fを参照。他の細胞ならびに組織は適切な技術(例えば、PCR、イムノアッセイ、ハイブリダイゼー
ション、または他の方法)によりアッセイされる。組織および器官のcDNAの調製は、例えば、Clontech , Mountain View, CAから入手可能である。天然発現の源の同定は記載されるように有用である。
【0191】
サザン分析:一次増幅cDNAライブラリー由来のDNA(5μg)を適切な制限酵素で消化し、挿入物を放出させ、1%アガロースゲルで分析し、そしてナイロン膜に移す(Schleicherand Schuell,Keene,NH)。
【0192】
ヒトmRNAの単離のための試料としては、代表的には、例えば、以下が挙げられる:末
梢血単核細胞(単球、T細胞、NK細胞、顆粒球、B細胞)(休止)(T100);末梢血単核細
胞(抗CD3で2、6、12時間活性化し、プールした)(T101);T細胞TH0クローンMot72(休止)(T102); T細胞TH0クローンMot72(抗CD28および抗CD3で3、6、12時間活性化し、
プールした)(T103);T細胞TH0クローンMot72(特異的ペプチドで2、7、12時間アネル
ギー処理し、プールした)(T104);T細胞TH1クローンHY06(休止)(T107);T細胞TH1クローンHY06(抗CD28および抗CD3で3、6、12時間活性化し、プールした)(T108);T細胞TH1クローンHY06(特異的ペプチドで2、6、12時間アネルギー処理し、プールした)(T109);T細胞TH2クローンHY935(休止)(T110);T細胞TH2クローンHY935(抗CD28および抗CD3で2、7、12時間活性化し、プールした)(T111); T細胞CD4+CD45RO- T細胞(抗CD28
、IL-4、および抗IFN-γにおいて27日間極性化し、TH2極性化し、抗CD3および抗CD28で4時間活性化した)(T116);T細胞腫瘍株JurkatおよびHut78(休止)(T117);T細胞クローン、プールしたAD130.2、Tc783.12、Tc783.13、Tc783.58、Tc782.69(休止)(T118);T細胞ランダムγδT細胞クローン(休止)(T119);脾細胞(splenocyte)(休止)(B100);脾
細胞(抗CD40およびIL-4で活性化した)(B101);B細胞EBV株、プールしたWT49、RSB、JY
、CVIR、721.221、RM3、HSY(休止)(B102); B細胞株JY(PMAおよびイオノマイシンで1、6時間活性化し、プールした)(B103);プールしたNK20クローン(休止)(K100);プー
ルしたNK20クローン(PMAおよびイオノマイシンで6時間活性化した)(K101); NKLクローン(LGL白血病患者の末梢血由来、IL-2処理した)(K106);NK細胞傷害性クローン640-A30-1(休止)(K107);造血前駆株TF1(PMAおよびイオノマイシンで1、6時間活性化し、プ
ールした)(C100);U937前単球株(休止)(M100); U937前単球株(PMAおよびイオノマイシンで1、6時間活性化し、プールした)(M101); 溶離した単球(elutriatedmonocyte)(LPS、IFNγ、抗IL-10で1、2、6、12、24時間活性化し、プールした)(M102); 溶離し
た単球(LPS、IFNγ、IL-10で1、2、6、12、24時間活性化し、プールした)(M103);
溶離した単球(LPS、IFNγ、抗IL-10で4、16時間活性化し、プールした)(M106); 溶離
した単球(LPS、IFNγ、IL-10で4、16時間活性化し、プールした)(M107); 溶離した単
球(LPSで1時間活性化した(M108); 溶離した単球、LPSで6時間活性化した)(M109); DC70%CD1a+(CD34+GM-CSF、TNFα12日間由来、休止)(D101);DC 70%CD1a+(CD34+ GM-CSF、TNFα12日間由来、PMAおよびイオノマイシンで1時間活性化した)(D102); DC 70%CD1a+(CD34+GM-CSF、TNFα12日間由来、PMAおよびイオノマイシンで6時間活性化した)(D103); DC 95%CD1a+(CD34+ GM-CSF、TNFα12日間FACS選別由来、PMAおよびイオノマイ
シンで1、6時間活性化し、プールした)(D104); DC 95%CD14+(CD34+ GM-CSF、TNFα12日間FACS選別由来、PMAおよびイオノマイシンで1、6時間活性化し、プールした)(D105);DC CD1a+ CD86+(CD34+ GM-CSF、TNFα12日間FACS選別由来、PMAおよびイオノマイシンで1、6時間活性化し、プールした)(D106);DC(単球GM-CSF、IL-4 5日間由来、休止)(D107); DC(単球GM-CSF、IL-4 5日間由来、休止)(D108); DC(単球GM-CSF、IL-45日間由来、LPSで4、16時間活性化し、プールした)(D109); DC(単球GM-CSF、IL-4 5日間
由来、TNFα、単球上清(supe)で4、16時間活性化し、プールした)(D110);平滑筋腫L11良性腫瘍(X101);正常子宮筋層M5(0115); 悪性平滑筋肉腫GS1(X103);肺繊維芽細胞肉腫株MRC5(PMAおよびイオノマイシンで1、6時間活性化し、プールした)(C101); 腎臓上皮
癌細胞株CHA(PMAおよびイオノマイシンで1、6時間活性化し、プールした)(C102);28
週齢雄性胎児腎(O100); 28週齢雄性胎児肺(O101); 28週齢雄性胎児肝臓(O102); 28週齢雄性胎児心臓(O103); 28週齢雄性胎児脳(O104);28週齢雄性胎児胆嚢(O106); 28週齢雄性胎児小腸(O107) ;28週齢雄性胎児脂肪組織(O108); 25週齢雌性胎児卵巣(O109); 25週齢雌性胎児子宮(O110);28週齢雄性胎児精巣(O111); 28週齢雄性胎児脾臓(O112);成人の(adult)28週齢胎盤(O113);および12歳由来の炎症扁桃(X100)。
【0193】
マウスmRNAの単離のための試料としては、例えば、以下が挙げられ得る:休止マウス繊維芽細胞性L細胞株(C200); Braf:ER(エストロゲンレセプターに対するBraf融合物)トランスフェクト細胞(コントロール)(C201);T細胞(TH1極性化した)(Mel14明,脾臓由来で、IFNγおよび抗IL-4で7日間極性化したCD4+細胞; T200);T細胞(TH2極性化した)(Mel14明, 脾臓由来で、IL-4および抗IFNγで7日間極性化したCD4+細胞;T201); T細胞(高度
にTH1極性化した)(Openshawら(1995) J. Exp. Med. 182:1357-1367を参照; 抗CD3で2、6、16時間活性化し、プールした;T202); T細胞(高度にTH2極性化した)(Openshawら(1995) J. Exp. Med. 182:1357-1367を参照; 抗CD3で2、6、16時間活性化し、プールした;T203);CD44-CD25+pプレT細胞(胸腺から分類した)(T204); TH1 T細胞クローン D1.1(抗
原による最後の刺激後3週間休止した)(T205);TH1 T細胞クローンD1.1(10 μg/mL ConA
を15時間刺激した)(T206); TH2 T細胞クローンCDC35(抗原による最後の刺激後3週間休
止)(T207); TH2 T細胞クローンCDC35(10 μg/mL ConAを15時間刺激した)(T208); Mel14+脾臓由来ナイーブT細胞(休止)(T209);Mel14+ T細胞(IFN-γ/IL-12/抗IL-4でTh1
極性化し、6、12、24時間プールした)(T210); Mel14+ T細胞(IL-4/抗IFN-γでTh2極性
化し、6、13、24時間プールした)(T211); 刺激を受けていない成熟B細胞白血病細胞株A20(B200); 刺激を受けていないB細胞株CH12(B201);刺激を受けていない脾臓由来大B細胞(B202); 全脾臓由来B細胞(LPS活性化した)(B203); 脾臓由来のメトリザマイド富化樹状
細胞を(休止)(D200);骨髄由来の樹状細胞(休止)(D201); LPSで4時間活性化した単球細胞株RAW264.7(M200); GMおよびM-CSF由来骨髄マクロファージ(M201);マクロファージ
細胞株J774(休止)(M202); マクロファージ細胞株J774+LPS+抗IL10(0.5、1、3、6、12時間プールした)(M203);マクロファージ細胞株J774+LPS+IL10(0.5、1、3、5、12時間
プールした)(M204); エアロゾルでチャレンジしたマウス肺組織(Th2プライマー、エア
ロゾルOVAチャレンジを7、14、23時間し、プールした)(Garlisiら、(1995) Clinical Immunology andImmunopathology 75:75-83を参照; X206); Nippostrongulus-感染肺組織(Coffmanら、(1989)Science 245: 308-310を参照; X200); 全成人肺(正常)(O200); 全肺rag-1 (Schwartら(1993)Immunodeficiency 4: 249-252を参照; O205); IL-10 K.O.脾臓(Kuhn ら、(1991) Cell 75:263-274を参照; X201); 全成人脾臓(正常)(O201); 全脾臓rag-1(O207); IL-10 K.O.パイアー斑(O202); 全パイアー斑(正常)(O210);IL-10 K.O.
腸間膜リンパ節(X203); 全腸間膜リンパ節(正常)(O211); IL-10 K.O.結腸(X203); 全結腸(正常)(O212); NOD マウス膵臓(Makinoら、(1980)Jikken Dobutsu 29: 1-13を参照;
X205); 全胸腺rag-1(O208); 全腎臓rag-1(0209); 全心臓rag-1(O202); 全脳rag-1(O203); 全精巣rag-1(O204);全肝臓rag-1(O206);ラット正常関節組織(O300); ラット関節炎関
節組織(X300)。
【0194】
V. DTLRの種相対物のクローニング
種々の戦略を用いて、これらのDTLRの種相対物を、好ましくは他の霊長類から得る。
方法の一つは、密接に関連した種のDNAプローブを使用するクロスハイブリダイゼーショ
ンによる。中間段階として、進化的に類似した種を検討するのは有用であり得る。別の方法は、特定種(例えばヒト)の遺伝子(例えば、高度に保存されたかまたは保存されていないポリペプチドまたはヌクレオチド配列の領域間)の類似性または相違のブロックの同定に基づく特異的PCRプライマーを用いることによる。あるいは、抗体を発現クローニン
グに使用し得る。
【0195】

VI.哺乳動物DTLRタンパク質の生成
適切な(例えば、GST)融合構築物を、例えば、E.coliで発現させるために操作する。例えば、マウスIGIF pGexプラスミドを構築し、そしてE.coliに形質転換する。新たに形
質転換した細胞を、50μg/mlアンピシリン含有LB培地で増殖させ、そしてIPTG(Sigma,St.Louis,MO)で誘導する。一晩の誘導後、細菌を収集し、そしてDTLRタンパク質を含むペレ
ットを単離する。ペレットを、TE緩衝液(50mM Tris-塩基 pH8.0, 10mM EDTAおよび2mMペファブロック(pefabloc))2リットル中でホモジナイズする。この物質を微量流動化装置(microfluidizer)(Microfluidics,Newton,MA)を三回通過させる。流動化上清を、Sorvall
GS-3ローターにより13,000rpmで1時間スピンダウンさせる。得られたDTLRタンパク質含有上清を濾過し、そして50mM Tris-塩基 pH8.0で平衡化したグルタチオン-SEPHAROSEカラムに通す。DTLR-GST融合タンパク質を含む画分をプールし、そしてトロンビン(EnzymeResearch Laboratories,Inc., South Bend,IN)で切断する。次に、切断したプールを、50mM Tris-塩基で平衡化したQ-SEPHAROSEカラムに通す。DTLRを含む画分をプールし、そし
て冷却した蒸留H2Oで希釈して伝導率を低下させ、そして新鮮なQ-Sepharoseカラムのみに、または続いて免疫アフィニティー抗体カラムに戻して通した。DTLRタンパク質を含む画分をプールし、アリコートにし、そして-70℃の冷凍庫で保存する。
【0196】
DTLR1タンパク質とCDスペクトルとの比較により、タンパク質が正確に折り畳まれることが示唆され得る。Hazudaら、(1969)J.Biol.Chem.264:1689-1693を参照。
【0197】

VII. DTLRに関する生物学的アッセイ
生物学的アッセイは、一般的に、タンパク質のリガンド結合特性またはレセプターのキ
ナーゼ/ホスファターゼ活性に関する。この活性は、代表的には他の多くの酵素作用がそ
うであるように可逆的であり、ホスファターゼ活性またはホスホリラーゼ活性を媒介し、その活性は標準的手順により容易に測定される。例えば、Hardieら(編集1995)TheProtein Kinase FactBook第I巻および第II巻, Academic Press, San Diego, CA; Hanksら (1991)Meth. Enzymol. 200:38-62; Hunterら (1992) Cell 70:375-388; Lewin (1990) Cell 61:743-752; Pinesら(1991)Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 56:449-463;およ
びParkerら(1993)Nature 363: 736-738を参照。
【0198】
インターロイキン1のファミリーは、その各々が炎症性疾患の重要な媒介物質である分子を含む。包括的な概説については、Dinarello(1996)「Biologicbasis for interleukin-1 in disease」Blood 87:2095-2147を参照。種々のTollリガンドが、疾患、特に炎症性応答の開始において重要な役割を果たし得るという示唆がある。IL-1ファミリーに関連した新規タンパク質の知見は、疾患の開始に関する分子学的基礎(molecularbasis)を提供し、そして増加した範囲および効力の治療戦略の開発を可能にする分子の同定を促進する。
【0199】
VIII. 例えばDTLR4に特異的な抗体の調製
近交系Balb/cマウスを、組換え形態のタンパク質(例えば、精製したDTLR4または安定
にトランスフェクトしたNIH-3T3細胞で腹腔内免疫する。動物を、適切な時点で、タンパ
ク質(さらなるアジュバントを含むか、または含まない)で追加免疫し、抗体の産生をさらに刺激する。血清を収集するか、またはハイブリドーマを収集した脾臓で生成する。
【0200】
あるいは、Balb/cマウスを、遺伝子もしくはそのフラグメントで形質転換した細胞(内因性または外因性細胞のいずれか)で免疫するか、または抗原の発現を富化した単離された膜で免疫する。血清を適切な時点で、代表的には多くのさらなる投与後に収集する。種々の遺伝子治療技術は、例えば、免疫応答を生成するためのインサイチュでのタンパク質産生において有用であり得る。
【0201】
モノクローナル抗体を作製し得る。例えば、脾細胞を、適切な融合パートナーと融合し、そしてハイブリドーマを標準手順により増殖培地で選択する。ハイブリドーマの上清を、所望のDTLRに結合する抗体の存在について、例えば、ELISAまたは他のアッセイにより
スクリーニングする。特定のDTLRの実施態様を特異的に認識する抗体もまた、選択または調製され得る。
【0202】
別の方法において、合成ペプチドまたは精製タンパク質を免疫系に提示し、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を生成する。例えば、Coligan(1991)CurrentProtocols in Immunology, Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:ALaboratory Manual, Cold Spring Harbor Pressを参照。適切な状況において、結合試薬を上記のように(例えば、蛍光または他の方法で)標識するか、またはパンニング法のための基体に固定化するかのいずれかである。核酸はまた、動物の細胞に導入されて抗原(これは、免疫応答を誘発するのに役立つ)を産生し得る。例えば、Wangら、(1993)Proc.Nat’l.Acad.Sci.90:4156-4160;Barryら、(1994)BioTechniques16:616-619;およびXiangら、(1995)Immunity2:129-135を参照。
【0203】
IX. 例えばDTLR5を有する融合タンパク質の生成
様々な融合構築物を、DTLR5を用いて作製する。この部分の遺伝子を、エピトープタグ
(例えば、FLAGタグ)、またはツーハイブリッドシステム構築物に融合する。例えば、FieldsおよびSong(1989)Nature 340:245-246を参照。
【0204】
エピトープタグを、結合パートナー(例えば、それぞれのDTLR5についてのリガンド)
を検出する抗FLAG抗体での検出を用いる発現クローニング手順に使用し得る。ツーハイブリッドシステムはまた、DTLR5に特異的に結合するタンパク質を単離するために使用され
得る。
【0205】
X. DTLRの染色体マッピング
染色体スプレッドを調製した。インサイチュハイブリダイゼーションを、72時間培養
したフィトヘマグルチニン刺激リンパ球から入手された染色体調製物で実施した。培養の最後の7時間に、5-ブロモデオキシウリジンを添加し(60μg/ml培地)、良質のハイブリダイゼーション後染色体バンディングを確実にさせた。
【0206】
全B細胞cDNA鋳型でプライマーの助けをかりて増幅した適切なフラグメント(例えば
、PCRフラグメント)を、適切なベクターにクローン化した。3Hを用いるニックトランス
レーション(nick-translation)により、ベクターを標識した。放射標識プローブを、Matteiら、(1985)Hum.Genet.69:327-331に記載のように、中期スプレッドにハイブリダイズ
させる。
【0207】
核トラックエマルジョン(nuclear track emulsion)(KODAK NTB2)で被覆後、スライドを、例えば、4℃で18日間曝露する。バンディング手順の間の銀粒子のすべりを回避するため、染色体スプレッドをまず、緩衝化Giemsa溶液で染色し、中期を写真撮影した。次いで、R-バンディングを、蛍光色素光分解Giemsa(FPG)法によって行い、そして中期を再度
写真撮影した後、分析した。
【0208】
あるいは、上に記載したように、FISHを実施し得る。DTLR遺伝子は異なる染色体上に
位置する。DTLR2およびDTLR3はヒト第4染色体に位置し;DTLR4はヒト第9染色体に、そ
してDTLR5はヒト第1染色体に位置する。図4A-4Dを参照。
【0209】
XI. 構造活性関係
特定の残基の臨界に関する情報を、標準的手順および分析を使用して決定する。標準
的変異誘発分析を、例えば、所定の位置、例えば、上記で同定した位置で多くの異なる改変体を生成し、そして改変体の生物学的活性を評価することにより行う。これを、活性を改変する位置を決定する程度まで、または生物学的活性を保持、ブロック、もしくは調節させるために置換され得る残基を決定するために特定の位置に焦点をあてるまで実施され得る。
【0210】
あるいは、天然の改変体の分析は、どの位置が天然の変異に寛容かを示し得る。これ
は、個体間、または株間もしくは種間の変化の集団分析から生じ得る。選択した個体からの試料を、例えば、PCR分析および配列決定により分析する。これにより、集団多型の評
価が可能になる。
【0211】
XI. DTLRについてのリガンドの単離
DTLRを、特異的結合試薬として使用し、抗体が使用されるのと同様に、その結合特異
性の利点を利用することにより、その結合パートナーを同定し得る。結合試薬は、上記のように(例えば、蛍光または他の方法で)標識するか、またはパンニング方法の基体に固定化するかのいずれかである。
【0212】
結合組成物を使用して、結合パートナー(すなわち、好ましくは膜と会合した、リガ
ンド)を発現する細胞株から作製した発現ライブラリーのスクリーニングを行う。標準的染色技術を使用して、表面に発現されるリガンドを検出または選別するか、または表面に発現する形質転換細胞をパンニングによりスクリーニングする。細胞内発現のスクリーニングを、種々の染色または免疫蛍光手順により行う。McMahanら、(1991)EMBOJ.10:2821-
2832もまた参照。
【0213】
例えば、0日目に、2チャンバーパーマノックス(permanox)スライドを、チャンバー
あたり1mlのフィブロネクチン(PBS中10ng/ml)で、室温にて30分間、予め被覆する。PBSで1回リンスする。次に、COS細胞を、1.5mlの増殖培地中、2〜3×105細胞/チャンバー
でプレーティングする。37℃で一晩インキュベートする。
【0214】
各試料について、1日目に、無血清DME中の66μg/ml DEAE-デキストラン、66μMクロ
ロキン、および4μg DNAの溶液0.5mlを調製する。各セットについて、例えば、1および1/200希釈のDTLR-FLAG cDNAの陽性コントロール、ならびに陰性モックを調製する。細胞
を無血清DMEでリンスする。DNA溶液を添加し、そして37℃で5時間インキュベートする。培地を除去し、そしてDME中の10%DMSOの0.5mlを2.5分間添加する。これを除去し、DMEで一度洗浄する。1.5mlの増殖培地を添加し、そして一晩インキュベートする。
【0215】
2日目、培地を交換する。3または4日目、細胞を固定し、そして染色する。細胞をHank緩衝化生理食塩水溶液(Hank's Buffered SalineSolution)(HBSS)で二回リンスし、そして4%パラホルムアルデヒド(PFA)/グルコースで5分間固定する。HBSSで3回洗浄する。すべての液体を除去した後、スライドを-80℃で保存し得る。各チャンバーについて
、0.5mlインキュベーションを以下のように行う。32μl/mlの1M NaN3を含むHBSS/サポニ
ン(0.1%)を、20分間添加する。次に、細胞をHBSS/サポニンで1回洗浄する。適切なDTLRまたはDTLR/抗体複合体を細胞に添加し、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSS/サポニンで二回洗浄する。適切な場合、第1の抗体を30分間添加する。第2の抗体、例
えば、ベクター抗マウス抗体を1/200希釈で添加し、そして30分間インキュベートする。ELISA溶液(例えば、Vector Elite ABC西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液)を調製し、そして30分間プレインキュベートする。例えば、HBSS/サポニン2.5ml当たり、溶液A(アビジン)1滴および溶液B(ビオチン)1滴を使用する。細胞をHBSS/サポニンで二回洗浄す
る。ABC HRP溶液を添加し、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSSで二回洗浄し
、二回目の洗浄を2分間行い、これは細胞を閉鎖する。次いで、Vectorジアミノ安息香酸(DAB)を5〜10分間添加する。ガラス蒸留水5ml当たり、緩衝液2滴に加えてDAB4滴およ
びH2O2 2滴を使用する。チャンバーを注意深く除去し、そしてスライドを水中でリンスする。数分間、風乾し、次いでCrystalMount1滴を添加し、そしてカバースリップを加え
る。85〜90℃で5分間焼く。
【0216】
プールの陽性染色を評価し、そして結合の原因となる単一遺伝子を単離するまで進行
的にサブクローニングする。
【0217】
あるいは、DTLR試薬を使用し、推定リガンドを発現する細胞をアフィニティー精製す
るか、または選別する。例えば、Sambrookら、またはAusubelらを参照。
【0218】
別の戦略は、パンニングにより膜結合型レセプターについてスクリーニングすること
である。レセプターcDNAを、上記のように構築する。リガンドを、固定化し、使用して、発現細胞を固定化し得る。固定化は、例えば、DTLR融合構築物のFLAG配列を認識する適切な抗体を使用するか、または第1の抗体に対して惹起された抗体を使用することにより達成され得る。選択および増幅の反復周期により、適切なクローンが富化され、その結果、レセプターを発現するクローンが単離される。
【0219】
ファージ発現ライブラリーを、哺乳動物DTLRによりスクリーニングし得る。適切な標
識技術、例えば、抗FLAG抗体は、適切なクローンの特異的な標識を可能にする。
【0220】
本明細書中におけるすべての引用物は、各個々の刊行物または特許出願が、参考とし
て援用されることが特別にかつ個々に示されるのと同程度に、本明細書中において参考として援用される。
【0221】
当業者にとって明白なように、本発明の多くの改変および変更は、本発明の精神およ
び範囲から逸脱することなく行なわれ得る。本明細書中に記載される特定の実施態様は、例示として提供するだけであり、そして本発明は、このような請求の範囲が権利を付与される等価物の全範囲を伴う添付の請求の範囲の用語により制限される;そして本発明は本明細書に実施例として提示した特定の実施態様により制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】図1は、DrosophilaおよびヒトDTLRのタンパク質構造の比較の模式図、ならびにそれらの脊椎動物IL-1レセプターおよび植物疾患耐性タンパク質との関連を示す。3つのDrosophila(Dm)DTLR(Toll,18w, およびMst ORFフラグメント)(MorisatoおよびAnderson(1995)Ann. Rev. Genet. 29:371-399;ChiangおよびBeachy (1994) Mech. Develop. 47:225-239; Mitchamら、(1996) J. Biol.Chem. 271:5777-5783; ならびに Eldonら、(1994) Develop. 120:885-899)は、4つの完全な(DTLR1〜4)および1つの部分的な(DTLR5)ヒト(Hu)レセプターの横に並べた。刊行物(Attwoodら、(1997)Nucleic Acids Res. 25:212-217)によって示されているレセプター外部ドメインにおける個々のLRRを、箱で明記した:LRRアレイのC末端またはN末端に隣接する「上部」および「下部」のシステインリッチクラスターは、それぞれ並べた半円により描いた。DTLR1〜5における内部のシステインリッチ領域の欠損は、Tollおよび18wの784および977アミノ酸延長と比較した場合、主としてその小さな外部ドメインを説明する(それぞれ558, 570, 690, および652アミノ酸)。DmMstおよびHuDTLR5(それぞれ519および153アミノ酸外部ドメイン)の不完全な鎖を、点線で示した。DTLRおよびIL-1型レセプター(IL-1R)、細胞内タンパク質Myd88、およびタバコ疾患耐性遺伝子N産物(DRgN)に共通な細胞内シグナル伝達モジュールを、膜の下に示した。例えば、Hardimanら、(1996)Oncogene 13:2467-2475; およびRockら、(1998)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:588-を参照のこと。さらなるドメインとして、IL-1Rにおける3つのIg様モジュール(ジスルフィド結合ループ)が挙げられ; DRgNタンパク質はNTPaseドメイン(箱)の特徴を有し、そしてMyd88は、死ドメイン(death domain)(黒楕円)を有する。
【図2】図2A〜2Bは、TollおよびIL-1様サイトカインレセプター、ならびに2つの相違するモジラータンパク質のシグナル伝達ドメインの保存された構造的パターンを示す。図2Aは、共通のTHドメインの配列アラインメントを示す。DTLRは、図1のように表示される;ヒト(Hu)またはマウス(Mo)IL-1ファミリーレセプター(IL-1R1-6)は、初期に提案されたように、連続して番号付けされる(Hardimanら、(1996)Oncogene 13:2467-2475);Myd88ならびにタバコ(To)およびアマ(L.usitatissimum(Lu))由来の配列は、より大きなマルチドメイン分子のC末端およびN末端ドメインをそれぞれあらわす。ギャップのない配列のブロックを箱で囲んだ(1〜10と番号付けした)。三角は、欠失変異を示し、一方、矢印のN末端短縮は、ヒトIL-1R1の生物活性を除去する(Heguyら、(1992) J. Biol. Chem. 267:2605-2609)。αヘリックス(H)、β鎖(E)、またはコイル(L)のPHD(RostおよびSander (1994) Proteins 19:55-72)およびDSC(KingおよびSternberg(1996)Protein Sci. 5:2298-2310)2次構造予測が、マークされる。アミノ酸の影をつけた模式図は、化学的に類似の残基を示す:疎水的、酸性、塩基性、システイン、芳香族、構造破壊的、および極めて小さい。IL-1R、DTLR、および全てのアラインメント(ALL)の診断配列パターンは、75%の厳密さでコンセンサスに由来する。アミノ酸の部分集合のシンボルは(詳細についてはインターネットのサイトを参照のこと):○、アルコール;l、脂肪族;・、任意のアミノ酸;a、芳香族;c、荷電した;h、疎水的;−、負;p、極性;+、正;s、小さい;u、極めて小さい;t、ターン様。図2Bは、提案されるTHβ/αドメイン折り畳みのトポロジーの図示を示す。平行なβシート(黄色い三角としてβ鎖A〜Eを用いる)は、そのC末端に見られる;αヘリックス(1〜5と示した丸)は、β鎖に連結する;鎖の連結は、前面に(可視的)または背面に(隠れた)に存在する。βシートのC末端の保存された荷電残基は、灰色(Asp)または唯一の黒(Arg)残基で記述した(本文を参照のこと)。
【図3】図3は、シグナル伝達ドメインスーパーファミリーの進化を示す。図2Aの複数のTHモジュールのアラインメントを使用し、隣接参加法(Neighbor-Joiningmethod)(Thompsonら、(1994)Nucleic Acids Res. 22:4673-4680)による系統樹を導き出した。タンパク質は、アラインメントのように表記した;系統樹は、TreeViewにより与えられた。
【図4】図4A〜4Dは、ヒトDTLR遺伝子のFISH染色体マッピングを示す。ヒトリンパ球の同調培養由来の変性染色体を、局在位置決めのためのビオチン化DTLRcDNAプローブとハイブリダイズした。染色体バンドを用いたFISHマッピングのデータ(左、図4A、DTLR2;4B、DTLR3;4C、DTLR4;4D、DTLR5)の評価は、DAPIバンドの現れた染色体(中央パネル)を有するFISHシグナルとの重ね合わせにより、達成された。HengおよびTsui(1994) Meth. Molec. Biol.33:109-122。分析を、ヒト染色体イデオグラムの形態で要約した(右パネル)。
【図5】図5A〜5Fは、ヒトDTLRのmRNAブロット分析を示す。ヒトの複数の組織ブロット(He、心臓;Br、脳;Pl、胎盤;Lu、肺;Li、肝臓;Mu、筋肉;Ki、腎臓;Pn、膵臓;Sp、脾臓;Th、胸腺;Pr、前立腺;Te、精巣;Ov、卵巣;SI、小腸;Co、結腸;PBL、末梢血リンパ球)および癌細胞株(前骨髄球白血病、HL60;子宮頚癌、HELAS3;慢性骨髄性白血病、K562;リンパ芽球性白血病、Molt4;結腸直腸腺癌、SW480;メラノーマ、G361;バーキットリンパ腫ラージ、結腸直腸腺癌、SW480、バーキット;肺癌、A549)は、レーンあたり約2μgのポリ(A)RNAを含み、記載されるように、DTLR1(図5A〜5C)、DTLR2(図5D)、DTLR3(図5E)、およびDTLR4(図5F)をコードする放射能標識したcDNAで探索した。ブロットをX線フィルムに2日間(図5A〜5C)〜1週間(図5D〜5F)、-70℃で増感スクリーンを用い、露光した。異常な0.3kBの種が、いくつかのレーンに現れた;ハイブリダイゼーション実験は、DTLR細胞質フラグメントコードするメッセージを除外した。
【0223】
(配列表)
【0224】
【数11】

【0225】

【0226】

【0227】

【0228】

【0229】

【0230】

【0231】

【0232】

【0233】

【0234】

【0235】

【0236】

【0237】

【0238】

【0239】

【0240】

【0241】

【0242】

【0243】

【0244】

【0245】

【0246】

【0247】

【0248】

【0249】

【0250】

【0251】

【0252】

【0253】

【0254】

【0255】

【0256】

【0257】

【0258】

【0259】

【0260】

【0261】

【0262】

【0263】

【0264】

【0265】

【0266】

【0267】

【0268】

【0269】

【0270】

【0271】

【0272】

【0273】

【0274】

【0275】

【0276】

【0277】

【0278】

【0279】

【0280】

【0281】

【0282】

【0283】

【0284】

【0285】

【0286】

【0287】

【0288】

【0289】

【0290】

【0291】

【0292】

【0293】

【0294】

【0295】

【0296】

【0297】

【0298】

【0299】

【0300】

【0301】

【0302】

【0303】

【0304】

【0305】

【0306】

【0307】

【0308】

【0309】

【0310】

【0311】

【0312】

【0313】

【0314】

【0315】

【0316】

【0317】

【0318】

【0319】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号8を含む単離されたまたは組み換えのポリペプチド。
【請求項2】
請求項1に記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体または抗体フラグメント。
【請求項3】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする核酸。
【請求項4】
請求項3に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項5】
請求項4に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項6】
ポリペプチドを組み換え生産するための方法であって、請求項5に記載の宿主細胞を、該ポリペプチドが発現される条件下で培養する工程を包含する、方法。
【請求項7】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−89713(P2009−89713A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326610(P2008−326610)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【分割の表示】特願2005−307907(P2005−307907)の分割
【原出願日】平成10年5月7日(1998.5.7)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】