説明

ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法

本発明は、モノアルキルヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法に関する。本発明の方法は、ヒドロキシカルボン酸又はその塩と、一般式(I)R1-OH 及び(II)R2-(C2H4)n-OH[式中、R1 及び R2 は、相互に独立に、6〜22 個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、分枝又は直鎖アルキル基を表し、n は 1〜20 の範囲である。]に相当するアルコールの混合物との、120〜180 ℃の温度範囲での反応からなり、式(I)及び(II)の化合物は、10:1〜1:10 の範囲の重量比で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選ばれたヒドロキシカルボン酸エステル及びヒドロキシカルボン酸エステル混合物の製造方法、並びに化粧用組成物へのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキシカルボン酸は、よく知られている化合物である。特に、モノアルキルヒドロキシカルボン酸エステルは、化粧品製剤に長く使用されてきている。従って、例えば EP 282 289 A1 は、モノアルキルクエン酸塩含有化粧用組成物を記載している。純粋なアルキル化合物に加えて、クエン酸のアルキルオキシド化合物もまた、同明細書に開示されている。
【0003】
WO 94/10970 は、香料、化粧用組成物(例えば身体及び繊維の洗浄及び手入れ用製剤)の材料としての、C7〜10 アルキル基を有するモノアルキルシトレート含有可溶化剤を記載している。DE 199 45 478 A1 は、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドに加えて、ヒドロキシカルボン酸部分エステル又はそれらの塩を含む、化粧品及び/又は医薬品製剤を記載している。
【0004】
残念ながら、既知の製品は、様々な欠点を伴う。例えば、既知のアルキルシトレートは、しばしば、アニオン性界面活性剤との組み合わせでは透明な製剤にすることができず、特定の非イオン性界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシドと組み合わせた場合でさえ、製剤化問題はなお発生し得る。更に、純粋なアルキルシトレートは、室温で高融点ペーストとして存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、既知のアルキルシトレート及びヒドロキシカルボン酸エステルの欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記したいずれの欠点も有さないアルキルシトレートが、アルコール成分の選択によって得られることが見出された。
本発明は、ヒドロキシカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸塩を、一般式(I)R1-OH 及び(II)R2-(C2H4)n-OH[式中、R1 及び R2 は、相互に独立に、飽和又は不飽和の、分枝又は直鎖 C6〜22 アルキル基を表し、n は 1〜20 の数である。]に相当するアルコールの混合物と、120〜180 ℃の温度で反応させる、ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法であって、式(I)及び(II)のアルコールを 10:1〜1:10 の重量比で使用することを特徴とする方法に関する。本発明はまた、様々な異性体エステルの混合物である、得られた組成物にも関する。
【0007】
基本的に、本発明の方法は、いかなるヒドロキシカルボン酸を用いても実施でき、特に好ましくは、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸及びそれらの自己縮合生成物からなる群から選ばれるヒドロキシカルボン酸を用いて実施し得る。本発明の目的のために、クエン酸が特に好ましい。
【0008】
本発明において、ヒドロキシカルボン酸の部分エステルは界面活性剤であり、好ましくは遊離カルボキシル基をまだ含む。従って、部分エステルは、酸性エステル又はその中和生成物でもあり得る。この場合、部分エステルは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩及び/又はグルカンモニウム塩の形で存在する。
【0009】
エステル自体は、好ましくは、一般式(II)に相当するエトキシル化脂肪アルコールと混合して使用される、式(I)の脂肪アルコールから誘導される。本発明において、式(I)のアルコール及び式(II)のエトキシル化アルコールの重量比は、10:1〜1:10 の範囲でなければならない。特に好ましい態様では、式(I)及び(II)のアルコールは、10:1〜1:1、好ましくは 9:1〜1:1、より好ましくは 4:1〜1:1、最も好ましくは 1:1 の重量比で使用される。
【0010】
複数のカルボキシル官能基がエステル化され得るので、本発明におけるエステルはポリエステルである。一般的に、エステルは、約 25〜30 %のモノエステル、30〜40 %のジエステル、5〜15 %のトリエステルの混合物状である。残りは、遊離ヒドロキシカルボン酸によって 100 %となる。
従って、本発明は、一般式(III):
【化1】

[式中、R'、R" 及び R''' は、水素原子、C6〜22 アルキル基、エトキシル化 C6〜22 アルキル基、アルキル基 1 個あたり 2〜20 部のエチレンオキシドを含むエトキシル化アルキル基を表す。ただし、置換基 R'、R" 及び R''' の少なくとも 1 個は、このようなエトキシル化アルキル基を表し、エステル分子 1 個あたりのエチレンオキシド単位の総数は 20 までである。]
に相当する異性体化合物の混合物にも関する。この混合物は、モノ-、ジ-及びトリエステルを含み、モノ-及びジエステルは好ましくは 1:1〜1:2 の割合で存在する。遊離クエン酸の含有率は、混合物に基づいて 20 %までであり得る。しかしながら、好ましくは、混合物は少量の、好ましくは 10 %未満の遊離クエン酸を含む。
【0011】
このような製造方法は、従来技術に相当する。反応を窒素雰囲気中で行うことが必須である。加えて、反応を 150〜170 ℃、好ましくは 160 ℃の温度で行うことが有利である。本発明のヒドロキシカルボン酸のモノアルキルエステルは、最終生成物として得られ、例えば蒸留によって混合物から取り出され得る。エステルは、遊離形又は塩として存在し得る。本発明の方法において、少量の、好ましくは多くて 20 重量%の、より好ましくは多くて 10 重量%のヒドロキシカルボン酸がエステル化されないままである。多くて 8 %、より好ましくは多くて 5 %の非エステル化クエン酸を含む反応生成物が、特に好ましい。
【0012】
本発明の方法によって得られた生成物の酸価(DIN 51963)は、好ましくは 200〜300 の範囲であり、一方、OH 価は好ましくは 180〜250 の範囲、エステル価は好ましくは 100〜160 の範囲、鹸化価は好ましくは 380〜500 の範囲である(全て DIN に従って測定)。
【0013】
本発明の方法によって製造されたヒドロキシカルボン酸エステル及び好ましくはクエン酸のエステルは、アニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤と、水溶液を形成するため、有利に配合され得る。
【0014】
特に好ましい非イオン性界面活性剤は、とりわけ、脂肪アルコール、アルコールエトキシレート及びアルキルポリグリコシドである。アニオン性界面活性剤の選択肢がアルキルエーテルスルフェートに限定されるわけではないが、特に適当なアニオン性界面活性剤はアルキルエーテルスルフェートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
脂肪アルコール
本発明のヒドロキシカルボン酸の合成に使用される脂肪アルコールは、式(I):
R1-OH (I)
[式中、R1 は 6〜22 個の炭素原子及び 0 及び/又は 1、2 又は 3 個の二重結合を含む直鎖又は分枝脂肪族炭化水素基である。]
に相当する。典型例は、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルへキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、べヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール、並びにそれらの工業用混合物(例えば、脂肪及び油ベースの工業用メチルエステル又は Roelen のオキソ合成由来のアルデヒドを高圧水素化することによって、及び不飽和脂肪アルコールの二量化においてモノマー留分として得られる)である。好ましい脂肪アルコールは、例えば、ヤシ油、パーム油、パーム核油又は獣脂脂肪アルコールのような工業用 C12〜18 脂肪アルコールである。
【0016】
アルコールエトキシレート
アルコールエトキシレートは、それらの製造から脂肪アルコール又はオキソアルコールエトキシレートとして知られており、好ましくは式(II):
R2O(CH2CH2O)nH (II)
[式中、R2 は、6〜22 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝の、アルキル及び/又はアルケニル基であり、n は 1〜50 の整数である。]
に相当する。1〜20 のエトキシル化度を有する式(II)の化合物を、ヒドロキシカルボン酸エステルの製造のための本発明の合成方法に使用する。典型例は、平均 1〜20 mol、好ましくは 1〜10 mol、より好ましくは 1〜5 mol のエチレンオキシドと、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルへキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、べヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール、並びにそれらの工業用混合物(例えば、脂肪及び油ベースの工業用メチルエステル又は Roelen のオキソ合成由来のアルデヒドを高圧水素化することによって、及び不飽和脂肪アルコールの二量化においてモノマー留分として得られる)との付加生成物である。1〜10 mol のエチレンオキシドと、例えば、ヤシ油、パーム油、パーム核油又は獣脂脂肪アルコールのような工業用 C12〜18 脂肪アルコールとの付加生成物が好ましい。
【0017】
アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド
アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドは、式(IV):
R3O-[G]p (IV)
[式中、R3 は 4〜22 個の炭素原子を含むアルキル及び/又はアルケニル基であり、G は 5 又は 6 個の炭素原子を含む糖単位であり、p は 1〜10 の数である。]
に相当する既知の非イオン性界面活性剤である。それらは、有機化学合成の適当な方法によって得ることができる。
【0018】
アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドは、5 又は 6 個の炭素原子を含むアルドース又はケトース、好ましくはグルコースから誘導され得る。従って、好ましいアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドは、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(IV)の添え字 p は、オリゴマー度(DP)、即ちモノ-及びオリゴグリコシドの分布を示しており、1〜10 の数である。特定の化合物中の p は常に整数でなくてはならず、とりわけ 1〜6 の値をとり得るのに対して、あるアルキルオリゴグリコシドの値 p は、一般的に整数でない分析的に決定された計算値である。平均オリゴマー度 p が 1.1〜3.0 である、アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドが好ましく使用される。オリゴマー度が 1.7 未満、更に好ましくは 1.2〜1.4 であるアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシドは、応用の観点から好ましい。
【0019】
アルキル又はアルケニル基 R3 は、4〜11 個、好ましくは 8〜10 個の炭素原子を含む第一級アルコールから誘導され得る。典型例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール及びウンデシルアルコール並びにそれらの工業用混合物(例えば、工業用脂肪酸メチルエステルを水素化することによって、又は Roelen のオキソ合成由来のアルデヒドを水素化することによって得られる。)である。工業用 C8〜18 ヤシ油脂肪アルコールの蒸留分離の初留として得られ、不純物として 6 重量%未満の C12 アルコールを含み得る C8〜C10(DP = 1〜3)の鎖長を有するアルキルオリゴグルコシド、及び工業用 C9/11 オキソアルコール(DP = 1〜3)ベースのアルキルオリゴグルコシドが好ましい。加えて、アルキル又はアルケニル基 R3 は、12〜22 個、好ましくは 12〜14 個の炭素原子を含む第一級アルコールからも誘導され得る。典型例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール並びに上記に示したように得られるそれらの工業用混合物である。DP が 1〜3 である水素化 C12/14 ヤシ油脂肪アルコールベースのアルキルオリゴグルコシドが好ましい。
【0020】
アルキルエーテルスルフェート
アルキルエーテルスルフェート(「エーテルスルフェート」)は、既知のアニオン性界面活性剤であり、工業規模で、脂肪アルコール又はオキソアルコールポリグリコールエーテルの SO3 又はクロロスルホン酸(CSA)による硫酸化及びその後の中和によって製造される。本発明での使用に適したエーテルスルフェートは、式(V):
R4O-(CH2CH2O)mSO3X (V)
[式中、R4 は、6〜22 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル及び/又はアルケニル基であり、m は 1〜10 の数であり、X はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム又はグルカンモニウムである。]
に相当する。典型例は、平均 1〜10 mol、より好ましくは 2〜5 mol のエチレンオキシドと、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルへキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、べヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール、並びにそれらの工業用混合物のナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩との付加生成物の硫酸塩である。エーテルスルフェートは、従来の同族体分布及び狭い同族体分布の両方を有し得る。平均 2〜3 mol のエチレンオキシドと、工業用 C12/14 又は C12/18 ヤシ油脂肪アルコール画分のナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩との付加生成物ベースのエーテルスルフェートを使用することが特に好ましい。
【0021】
本発明の界面活性剤混合物は、例えば、ヘアシャンプー、ヘアローション、フォームバス、シャワーバス、クリーム、ジェル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪配合物、スティック状製剤、粉剤又は軟膏のような、化粧品製剤の製造に使用され得る。本発明のヒドロキシカルボン酸エステルは、例えば、穏やかな界面活性剤、油成分、乳化剤、過脂肪剤、パール化ワックス、粘稠要素、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、安定剤、生物起源剤、防臭剤、制汗剤、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、UV 保護剤などのような、化粧品製剤に典型的に使用される他の助剤及び添加剤と組み合わせて使用され得る。本発明のもう 1 つの態様は、化粧品製剤の製造における助剤としての、請求項1に記載の方法によって製造されたヒドロキシカルボン酸エステルの使用であり、好ましくは、この化粧品製剤は、アルキルエーテルスルフェート、アルキルオリゴグリコシド、脂肪アルコールエトキシレート又はそれら界面活性剤の混合物を含む。
【0022】
化粧品製剤製造のために、式(IV)に相当する APG 化合物と本発明のヒドロキシカルボン酸エステルとの混合物を、APG のヒドロキシカルボン酸エステル又はその混合物に対する重量比を 3:1〜1:3 の範囲として、使用することが有利である。水性製剤が特に好ましく、特に穏やかな酸性、とりわけ 5〜6.5 の pH を有する場合が好ましい。
【実施例】
【0023】
1. モノアルキルクエン酸の調製
C12 脂肪アルコール 299.6 g(1.6 mol)を、脂肪アルコール 1 mol あたり 3 mol のエチレンオキシドと反応させた C12〜14 脂肪アルコール 127.2 g(0.4 mol)及び水不含有クエン酸 384.2 g(2.0 mol)と共に、水分離器を備えた撹拌容器に導入し、窒素雰囲気中 160 ℃に加熱した。反応の完了と同時に、反応混合物を 100 ℃まで冷却し、最終生成物を蒸留によって得た。黄色の粘性透明エステル(775.0 g)を得た。
鹸化価 は 432、酸価は 284、OH 価は 210、エステル価は 148 であった。遊離クエン酸の含有率は、3.7 重量%であった。
【0024】
2. 性能試験
エーテルスルフェート(Texapon N、Cognis Deutschland GmbH & Co. KG 製)と、純粋なラウリルシトレート(C1)及び 3:1 又は 9:1 の重量比(活性物質に基づいて)であるラウリル-C12〜14-脂肪アルコール + 3EO シトレート(E1 及び E4)両方との混合物を水中で調製し、溶液の pH を 6 に調整した。
【表1】

本発明の生成物のみが有効な生成物を導くことが、明らかである。アルキルシトレート及びアルキルオキシシトレートの逐次混合物(C3)でさえ、望ましい結果を生じなかった。
【0025】
更に、市販アルキル(オリゴ)グリコシド(APG)である Cognis Deutschland GmbH & Co. KG 製 Plantacare(登録商標)1200 を、様々なアルキルシトレートと共に水性配合物にした(pH 6)。APG のアルキルシトレートに対する重量比は、3:1 であった。溶液の総活性物質含有量は 30 %であった。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸塩を、一般式(I)R1-OH 及び(II)R2-(C2H4)n-OH[式中、R1 及び R2 は、相互に独立に、飽和又は不飽和の、分枝又は直鎖 C6〜22 アルキル基を表し、n は 1〜20 の数である。]に相当するアルコールの混合物と、120〜180 ℃の温度で反応させる、ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法であって、式(I)及び(II)のアルコールを 10:1〜1:10 の重量比で使用することを特徴とする方法。
【請求項2】
ヒドロキシカルボン酸としてクエン酸を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(I)及び(II)のアルコールを、10:1〜1:1、好ましくは 9:1〜1:1、より好ましくは 4:1〜1:1、最も好ましくは 1:1 の重量比で使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ヒドロキシカルボン酸の遊離カルボキシル基の、アルコールの遊離 OH 基に対するモル比が、最大 3.5:1、好ましくは 3:1 であるような量で、ヒドロキシカルボン酸を使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
反応を 150〜170 ℃、好ましくは 160 ℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ヒドロキシカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸塩と、一般式(I)R1-OH 及び(II)R2-(C2H4)n-OH[式中、R1 及び R2 は、相互に独立に、飽和又は不飽和の、分枝又は直鎖 C6〜22 アルキル基を表し、n は 1〜20 の数である。]に相当するアルコールの混合物との、120〜180 ℃の温度での反応によって製造されたヒドロキシカルボン酸エステルの、化粧用水含有製剤への使用であって、式(I)及び(II)のアルコールを 10:1〜1:10 の重量比で使用することを特徴とする使用。
【請求項7】
化粧品製剤が、アルキルエーテルスルフェート、アルキルオリゴグリコシド、脂肪アルコールエトキシレート又はこれら界面活性剤の混合物のいずれかを含むことを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
ヒドロキシカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸塩を、一般式(I)R1-OH 及び(II)R2-(C2H4)n-OH[式中、R1 及び R2 は、相互に独立に、飽和又は不飽和の、分枝又は直鎖 C6〜22 アルキル基を表し、n は 1〜20 の数である。]に相当するアルコールの混合物と、120〜180 ℃の温度で反応させることを特徴とする、ヒドロキシカルボン酸エステルであって、式(I)及び(II)のアルコールを 10:1〜1:10 の重量比で使用することを特徴とするヒドロキシカルボン酸エステル。
【請求項9】
ヒドロキシカルボン酸がクエン酸であることを特徴とする請求項8に記載のヒドロキシカルボン酸エステル。
【請求項10】
一般式(III):
【化1】

[式中、R'、R" 及び R''' は、水素原子、C6〜22 アルキル基、エトキシル化 C6〜22 アルキル基、アルキル基 1 個あたり 2〜10 部のエチレンオキシドを含むエトキシル化アルキル基を表す。ただし、置換基 R'、R" 及び R''' の少なくとも 1 個は、このようなエトキシル化アルキル基を表す。]
に相当するエステルを含み、混合物中のモノエステルのジエステルに対する割合が 1:1〜1:2 である、異性体クエン酸エステル及び任意に遊離であってもよい非エステル化クエン酸の混合物。

【公表番号】特表2006−512341(P2006−512341A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561258(P2004−561258)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013978
【国際公開番号】WO2004/056741
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】