説明

ヒドロキシ酪酸縮合物

【課題】 多様な生理活性を有する環状のヒドロキシ酪酸の縮合物を合成する。
【解決手段】 式(1)の化合物又はその塩を環化反応に付して縮合物(2)を合成する。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鎖状又は環状のヒドロキシ酪酸縮合物、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
縮合度3〜19の環状及び/又は鎖状のポリL−乳酸混合物は、抗悪性腫瘍剤として(特開平9−227388号公報および特開平10−130153号公報)、また癌患者のQOL改善剤として(特開2000−239171号公報)有用であることが報告されている。また、縮合度3〜19の環状及び/又は鎖状のポリ乳酸混合物が、血糖低下作用を有し、糖尿病又は糖尿病の合併症の予防及び/又は治療のための医薬として有用であることも判明している(国際公開WO01/010451号公報)。また、上記のポリ乳酸混合物は、過剰な食欲の抑制、基礎代謝増進並びに肥満の改善及び/又は予防、のために有用であることも判明している。さらに、上記のポリ乳酸混合物は、免疫賦活、微生物感染の防御、抗アレルギー、抗ストレス、及び抗癌剤の副作用の軽減など多様な生理活性を示すことが実証されている。
【0003】
上記したように縮合度3〜19の環状及び/又は鎖状のオリゴ乳酸混合物は、多種多様な薬効を示すことが実証されつつあり、今後も医薬品として開発されることが期待されている。オリゴ乳酸を医薬品として開発していくためには、乳酸単位の側鎖に置換基を有する誘導体を合成し、その生理活性を評価することにより、より高い生理活性を有するオリゴ乳酸を同定していくことが望ましい。しかしながら、オリゴ乳酸中の側鎖にエチル基を有する化合物、即ち、ヒドロキシ酪酸の縮合物の合成についての報告はない。
【0004】
【特許文献1】特開平9−227388号公報
【特許文献2】特開平10−130153号公報
【特許文献3】特開2000−239171号公報
【特許文献4】国際公開WO01/010451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ヒドロキシ酪酸の縮合物を合成することを解決すべき課題とした。本発明はまた、当該化合物の製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒドロキシ酪酸を出発物質として使用し、ヒドロキシ酪酸中の水酸基及びカルボキシル基の保護基及び脱保護を適宜組み合わせて行い、縮合反応を複数の段階に渡って行うことにより縮合度2〜8の鎖状のヒドロキシ酪酸縮合物を合成することに成功した。さらにこれらの鎖状のヒドロキシ酪酸縮合物を所定の条件下で分子内環化反応に供することによって、環状のヒドロキシ酪酸縮合物を製造することに成功した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
【0007】
即ち、本発明によれば、下記式(1)で表される化合物又はその塩が提供される。
【化1】

(式中、R1は水素原子又は水酸基の保護基を示す、R2は水素原子又はカルボキシル基の保護基を示す、nは2〜8の整数を示す。)
【0008】
本発明の別の側面によれば、下記式(2)で表される化合物又はその塩が提供される。
【化2】

(式中、mは1から6の整数を示す)
【0009】
本発明の別の側面によれば、下記式(1)で表される化合物:
【化3】

(式中、R1及びR2は水素原子を示し、nは3〜8の整数を示す。)
を分子内脱水縮合による環化反応に付することを特徴とする、下記式(2)で表される化合物を製造する方法が提供される。
【化4】

(式中、mは1から6の整数を示す)
【0010】
好ましくは、分子内脱水縮合による環化反応を、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4−(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ヒドロキシ酪酸縮合物(即ち、側鎖にエチル基を有するオリゴ乳酸)を提供することが可能になった。本発明により提供されるヒドロキシ酪酸縮合物は、医薬品、医薬品原料、食品添加物、香粧料原料、製剤原料、製剤添加物等として有用である。また、本発明のヒドロキシ酪酸縮合物は、二次修飾によってさらに機能性を高めた誘導体の合成が可能となる。例えば、アシル化やアルキル化によって脂溶性を高めたり、ポリエチレングリコール化によって水溶性にすることが可能である。また、シリカや高分子ビーズなどの担体表面に固定化することによって、リガンドの探索や、特殊な分離カラムへの応用や、特殊な金属との選択性を有するセンサーなどの開発に応用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施態様及び実施方法について詳細に説明する。
本発明は、下記式(1)で表される化合物又はその塩に関する。
【化5】

(式中、R1は水素原子又は水酸基の保護基を示す、R2は水素原子又はカルボキシル基の保護基を示す、nは2〜8の整数を示す。)、並びに、下記式(2)で表される化合物又はその塩に関する。
【化6】

(式中、mは1から6の整数を示す)
【0013】
R1で表される水酸基の保護基の種類は特に限定されず、当業者であれば適宜選択することができる。水酸基の保護基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
(エーテル型)
メチル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、ベンジルオキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基;
【0014】
1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−(フェニルセレニル)エチル基、t−ブチル基、アリル基、シンナミル基、p−クロロフェニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−ハロベンジル基、p−シアノベンジル基、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド基、ジフェニルメチル基、5−ジベンゾスベリル基、トリフェニルメチル基、α−ナフチルジフェニルメチル基、p−メトキシフェニルジフェニルメチル基、p−(p’−ブロモフェナシルオキシ)フェニルジフェニルメチル基、9−アントリル基、9−(9−フェニル)キサンテニル基、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル基、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド基、;
【0015】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基(TBDMS基、又はTBS基とも言う)、(トリフェニルメチル)ジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基;
【0016】
(エステル型)
ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、p−P−フェニルアセテート、3−フェニルプロピオネート、3−ベンゾイルプロピオネート、イソブチレート、モノスクシノエート、4−オキソペンタノエート、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、ベンゾエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート、p−P−ベンゾエート、α−ナフトエート;
【0017】
(カーボネート型)
メチルカーボネート、エチルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート、イソブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、シンナミルカーボネート、p−ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p−メトキシベンジルカーボネート、3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、o−ニトロベンジルカーボネート、p−ニトロベンジルカーボネート、S−ベンジルチオカーボネート;
【0018】
(その他)
N−フェニルカルバメート、N−イミダゾリルカルバメート、ボレート、ニトレート、N,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、2,4−ジニトロフェニルスルフェネート:
【0019】
R2で表されるカルボキシル基の保護基の種類は特に限定されず、当業者であれば適宜選択することができる。カルボキシル基の保護基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−,iso−,sec−,tert−ブチル、n−ヘキシル基等のC1-8アルキル基、ブロモ−t−ブチル、トリクロロエチル等のハロゲン(例えば、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等)で1ないし3置換されたC1-6アルキル基、ベンジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル基、p−t−ブチルベンジル等のニトロ、C1-4アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等)またはC1-4アルキル基(例えばメチル、エチル、n−又はiso−プロピル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル等)等で1または2置換されていてもよいC7-14アラルキル基、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、n−,iso−,ブチリルオキシメチル、バレリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、1−(または2−)アセトキシエチル,1−(または2−または3−)アセトキシプロピル,1−(または2−または3−または4−)アセトキシブチル,1−(または2−)プロピオニルオキシエチル,1−(または2−または3−)プロピオニルオキシプロピル,1−(または2−)ブチリルオキシエチル,1−(または2−)イソブチリルオキシエチル,1−(または2−)ピバロイルオキシエチル,1−(または2−)ヘキサノイルオキシエチル、イソブチリルオキシメチル、2−エチルブチリルオキシメチル,3,3−ジメチルブチリルオキシメチル、1−(または2−)ペンタノイルオキシエチル等のC1-4アルカノイルオキシ−C1-4アルキル基、例えば2−メシルエチル基等のC1-4アルカンスルホニル−C1-4アルキル基,例えばメトキシカルボニルオキシメチル,エトキシカルボニルオキシメチル,プロポキシカルボニルオキシメチル,第三級ブトキシカルボニルオキシメチル,1−(または2−)メトキシカルボニルオキシエチル,1−(または2−)エトキシカルボニルオキシエチル,1−(または2−)イソプロポキシカルボニルオキシエチル等のC1-4アルコキシカルボニルオキシ−C1-4アルキル基、t−ブチルジメチルシリル、トリメチルシリル等のトリC1-4アルキルシリル基、アリル、メタ アリル等のC2-6アルケニル基、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシ メチル、イソプロポキシメチル等のC1-4アルコキシ−メチル基、(2−メチル チオ)−エチル等のC1-4アルキルチオC1-4アルキル基、3−メチル−2−ブテニル基、5−インダニル基、3−フタリジル基等が用いられる。
【0020】
なお、上記したような保護基の導入法及び脱保護法は当業者に公知であり、例えば、Teodora, W.Green, Protective Groups in Organic Synthesis, John & Wiley & Sons Inc. (1981) などに記載されている。
【0021】
本発明の化合物は塩としても存在することができる場合もある。このような金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、又は亜鉛塩等が挙げられる。さらに、本発明の化合物の各種の水和物、溶媒和物や結晶多形の物質も本発明の範囲内のものである。
【0022】
本発明の化合物には不斉炭素が含まれるため立体異性体が存在するが、全ての可能な異性体、並びに2種類以上の該異性体を任意の比率で含む混合物も本発明の範囲内のものである。即ち、本発明の化合物は、光学活性体、ラセミ体、ジアステレオマー等の各種光学異性体の混合物及びそれらの単離されたものを含む。
【0023】
本発明の化合物の立体配置は、原料として使用する化合物における乳酸単位の立体配置に依存する。即ち、原料として使用する化合物における乳酸単位としてL体、D体またはその混合物を使用するかにより、本発明の化合物の立体配置も多様なものとなる。本発明においては、乳酸単位の立体配置としてはL体を使用することが好ましい。
【0024】
次に、本発明の化合物の製造方法について説明する。
式(1):
【化7】

(式中、R1は水素原子又は水酸基の保護基を示す、R2は水素原子又はカルボキシル基の保護基を示す、nは2〜8の整数を示す。)
で表される化合物においてnが2である化合物は、例えば、以下の方法により合成することができる。
【0025】
【化8】

【0026】
窒素雰囲気下、イミダゾール、tert-ブチルジメチルクロロシランの塩化メチレン溶液に、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸(1)の塩化メチレン溶液を加え撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、ヘキサンで抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去した後、再び窒素雰囲気下、0℃にて生成物の塩化メチレン溶液に、2M-塩化オキサリル・塩化メチレン溶液とN,N-ジメチルホルムアミド1滴を加え撹拌した後、室温で撹拌する。溶媒を除去し再び窒素雰囲気下、0℃にてピリジンのエーテル溶液、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステルのエーテル溶液を加え撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離すると、エーテル:ヘキサン(1:10)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)を得ることができる。
【0027】
上記で得られた(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)の水酸基の保護基とカルボキシル基の保護基は、それぞれの保護基に好適な脱保護反応を行うことにより選択的に脱保護することができる。脱保護反応は、例えば、以下のように行うことができる。
【0028】
【化9】

【0029】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)のアセトリニトリル溶液にフッ化水素酸を加え室温で撹拌し、さらに40℃で撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸を加えpH=4に調整する。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(4)を得ることができる。
【0030】
【化10】

【0031】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステルの酢酸エチル溶液に10%-Pd/Cを加え撹拌する。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体を得ることができる。
【0032】
式(1)で表される化合物においてnが3である化合物は、例えば、末端の水酸基が保護されているヒドロキシ酪酸縮合物(2量体)と、カルボキシル基が保護されているヒドロキシ酪酸(1量体)とを反応することにより合成することができる。この縮合反応は例えば、以下の通り行うことができる。
【化11】

【0033】
窒素雰囲気下、0℃にて、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体(5)の塩化メチレン溶液に、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステルの塩化メチレン溶液を加え、4-ジメチルアミノピリジンの塩化メチレン溶液、N,N'-ジシクロへキシルカルボジイミドの塩化メチレン溶液を加え撹拌する。室温に戻しさらに3.5時間撹拌する。飽和塩化アンモニウム溶液を加えた後、酢酸エチルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離すると、エーテル:ヘキサン(1:10)溶出部に無色透明油状の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体ベンジルエステルを得ることができる。
【0034】
式(1)で表される化合物においてnが4〜8である化合物については、上記反応に準じて、所定の縮合度を有するヒドロキシ酪酸縮合物を用いて合成することができる。
【0035】
例えば、式(1)で表される化合物においてnが4である化合物は、nが2である式(1)の化合物(末端のカルボキシル基のみが保護されている化合物と末端の水酸基のみが保護されている化合物を用いる)を用いて縮合反応を行うことにより合成することができる。
【0036】
式(1)で表される化合物においてnが5である化合物は、nが4である式(1)の化合物とnが1である式(1)の化合物を用いることにより合成することができる。
【0037】
式(1)で表される化合物においてnが6である化合物は、nが4である式(1)の化合物とnが2である式(1)の化合物を用いることにより合成することができる。
【0038】
式(1)で表される化合物においてnが7である化合物は、nが5である式(1)の化合物とnが3である式(1)の化合物を用いることにより合成することができる。
【0039】
式(1)で表される化合物においてnが8である化合物は、nが4である式(1)の化合物(末端のカルボキシル基のみが保護されている化合物と末端の水酸基のみが保護されている化合物を用いる)を用いることにより合成することができる。
【0040】
一方、式(2):
【化12】

(式中、mは1から6の整数を示す)
で表される化合物は、式(1):
【化13】

(式中、R1及びR2は水素原子を示し、nは3〜8の整数を示す。)
で表される化合物を分子内脱水縮合による環化反応に付することによって製造することができる。
【0041】
ここで、分子内脱水縮合による環化反応は、分子内脱水反応を伴うエステル化反応が進行できる条件下であれば任意の条件下で行うことができるが、好ましくは、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4−(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行うことができる。
【0042】
反応温度は、反応が進行する限り特に限定されないが、好ましくは−50℃〜室温である。
また、反応は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施される。反応溶媒は反応に不活性な溶媒であれば特に制限されないが、好ましくは、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン等を用いることができる。
また、反応雰囲気としては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気を使用することができる。
【0043】
上記反応の好ましい具体例としては、窒素雰囲気下などの不活性ガス雰囲気下において、室温で、上記式(1)で表される鎖状のヒドロキシ酪酸縮合物の溶液(例えば、塩化メチレン溶液など)にジイソプロピルエチルアミンと塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイルを加え、数時間撹拌し、この混合物を4−(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の溶液(例えば、塩化メチレン溶液)に一定の時間をかけて加え、撹拌する。反応後に溶媒を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルなど)を用いて分離する。これにより、酢酸エチル:ベンゼン溶出部より、環状のヒドロキシ酪酸縮合物の混合物を得ることができる。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【実施例】
【0044】
実施例1: (S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステル(2)の合成
【化14】

【0045】
窒素雰囲気下、塩化メチレン(2ml)溶媒中、0.9950g(9.56mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸(1)にトリエチルアミン1.6065g(15.88mmol)存在下、臭化ベンジル1.7ml(14.01mmol)を7時間作用させた。飽和塩化アンモニウム(10ml)を加えた後、酢酸エチル(20ml)で4回抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ酢酸エチル:ヘキサン(1:2)の溶出部より無色透明油状の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステル(2)を1.6336g(87%)得た。
【0046】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステル(2)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.943 (3H, t, J=7.25Hz) 1.702 (1H, ddq, J=7.25, 22.0, 7.5Hz) 1.858 (1H, ddq, J=7.21, 19.0, 4.0Hz) 2.794 (1H, brs) 4.207 (1H, dd, J=6.5, 4.5Hz) 5.218 (2H, dd, J=12.0, 17.0Hz) 7.331-7.402 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.85, 27.43, 67.26, 71.38, 128.30, 128.53, 128.62, 135.14, 175.08
IR(cm-1) : 3482(OH), 1735(C=O), 1455(C=C)
[α]D19.1 = -19.0 (c=1.435, EtOH)
【0047】
実施例2:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)の合成
【化15】

【0048】
窒素雰囲気下、イミダゾール3.0749g(45.17mmol)、tert-ブチルジメチルクロロシラン4.7850g(31.75mmol)の塩化メチレン溶液(6ml)に、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸(1)0.9753g(9.369mmol)の塩化メチレン溶液(12ml)を加え16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)を加え、ヘキサン(30ml)で3回抽出し無水硫酸マグネシウムで30分乾燥した。溶媒を除去した後、再び窒素雰囲気下、0℃にて生成物の塩化メチレン溶液(3ml)に、2M-塩化オキサリル・塩化メチレン溶液10ml(20.0mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド1滴を加え1時間撹拌した後、室温で3時間撹拌した。溶媒を除去し再び窒素雰囲気下、0℃にてピリジン2.3688g(29.95mmol)のエーテル溶液(5ml)、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステル(2)1.5600g(8.032mmol)のエーテル溶液(5ml)を加え2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)を加え酢酸エチル(20ml)で4回抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、エーテル:ヘキサン(1:10)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)を2.6929g(72%)得た。
【0049】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.056 (3H, s) 0.084 (3H, s) 0.907 (9H, s) 0.953 (3H, t, J=7.5Hz) 0.967 (3H, t, J=7.5Hz) 1.725 (1H, ddq, J=7.08, 21.5, 7.25Hz) 1.769-1.971 (3H, m) 4.217 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.034 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.159 (1H, dd, J=12.5, 18.0Hz) 7.309-7.378 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.42, -4.96, 9.43, 9.48, 18.29, 24.52, 25.68, 28.36, 66.94, 72.81, 73.39, 128.32, 128.39, 128.54, 135.25, 169.73, 173.43
IR(cm-1) : 1753(C=O), 1463(C=C)
[α]D25.6 = -53.5 (c=1.26, CHCl3)
【0050】
実施例3:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(4)の合成
【化16】

【0051】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)0.8036g(2.037mmol)のアセトリニトリル溶液(40ml)にフッ化水素酸40滴を加え室温で2時間撹拌し、さらに40℃で0.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸(6ml)を加えpH=4に調整した。酢酸エチル(30ml)で4回抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(4)を0.5681g(99%)得た。
【0052】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(4)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.966 (3H, t, J=7.5Hz) 0.986 (3H, t, J=7.5Hz) 1.714 (1H, ddq, J=7.08, 21.5, 7.5Hz) 1.839-1.992 (3H, m) 4.225 (1H, dd, J=6.75, 4.75Hz) 5.093 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.178 (2H, dd, J=12.5, 24.0Hz) 7.325-7.388 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.75, 9.37, 67.16, 71.29, 74.05, 128.35, 128.53, 128.60, 135.05, 169.38, 174.95
IR(cm-1) : 1747(C=O), 1455(C=C)
[α]D26.0 = -32.1 (c=1.775, CHCl3)
【0053】
実施例4:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体(5)の合成
【化17】

【0054】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(3)1.2086g(3.063mmol)の酢酸エチル溶液(10ml)に10%-Pd/C 0.1844gを加え15分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体(5)を0.8941g(95%)得た。
【0055】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体(5)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.061 (3H, s) 0.087 (3H, s) 0.907 (9H, s) 0.975 (3H, t, J=7.25Hz) 1.023 (3H, t, J=7.5Hz) 1.756 (1H, ddq, J=7.08, 21.25, 7.0Hz) 1.796-2.002 (3H, m) 4.230 (1H, dd, J=7.0, 4.75Hz) 4.994 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.42, -4.98, 9.39, 9.49, 18.28, 24.37, 25.67, 28.31, 72.84, 72.98, 173.46, 175.60
IR(cm-1) : 1762(C=O), 1731(C=O)
[α]D25.6 = -53.0 (c=1.46, CHCl3)
【0056】
実施例5:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(6)の合成
【化18】

【0057】
窒素雰囲気下、0℃にて、0.4605g(1.513mml)の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体(5)の塩化メチレン溶液(3ml)に、0.2977g(1.533mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステル(2)の塩化メチレン溶液(2ml)を加え、4-ジメチルアミノピリジン0.2263g(1.852mmol)の塩化メチレン溶液(2ml)、N,N'-ジシクロへキシルカルボジイミド0.4977g(2.412mmol)の塩化メチレン溶液(3ml)を加え1.5時間撹拌し、室温に戻しさらに3.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)を加えた後、酢酸エチル(20ml)で4回抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところエーテル:ヘキサン(1:10)溶出部に無色透明油状の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(6)を0.5659g(78%)得た。
【0058】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(6)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.067 (3H, s) 0.098 (3H, s) 0.911 (9H, s) 0.962 (3H, t, J=7.25Hz) 0.984 (3H, t, J=7.5Hz) 1.004 (3H, t, J=7.25Hz) 1.764 (1H, ddq, J=7.21, 22.0, 7.75Hz) 1.809-2.017 (5H, m) 4.230 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.019 (1H, dd, J=8.25, 5.25Hz) 5.077 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.152 (2H, dd, J=12.0, 31.5Hz) 7.318-7.378 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.41, -4.93, 9.32, 9.39, 9.42, 18.29, 24.46, 25.69, 28.40, 67.05, 72.76, 73.09, 73.63, 128.34, 128.45, 128.57, 135.15, 169.48, 173.46
IR(cm-1) : 1756(C=O), 1463(C=C)
[α]D27.8 = -66.5 (c=1.33, CHCl3)
【0059】
実施例6:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(7)の合成
【化19】

【0060】
窒素雰囲気下、0℃にて、2.2880g(7.515mml)の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸2量体(5)の塩化メチレン溶液(5ml)に、1.9080g(6.807mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(4)の塩化メチレン溶液(6ml)を加え、4-ジメチルアミノピリジン1.1127g(9.108mmol)の塩化メチレン溶液(5ml)、N,N'-ジシクロへキシルカルボジイミド2.4603g(11.92mmol)の塩化メチレン溶液(7ml)を加え5分間撹拌し、室温に戻しさらに3時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(30ml)を加えた後、酢酸エチル(50ml)で4回抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところエーテル:ヘキサン(1:10)溶出部に無色透明油状の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(7)を3.3353g(86%)得た。
【0061】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(7)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.066 (3H, s) 0.095 (3H, s) 0.908 (9H, s) 0.952 (3H, t, J=7.5Hz) 0.982 (3H, t, J=7.5Hz) 1.004 (3H, t, J=7.5Hz) 1.048 (3H, t, J=7.5Hz) 1.764 (1H, ddq, J=7.17, 22.0, 8.0Hz) 1.721-2.060 (7H, m) 4.233 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.035 (1H, dd, J=7.75, 5.25Hz) 5.055 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.064 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.154 (2H, dd, J=12.25, 32.75Hz) 7.310-7.308 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.41, -4.94, 9.21, 9.27, 9.39, 9.41, 18.28, 24.41, 24.50, 25.68, 28.38, 67.07, 72.74, 73.06, 73.33, 73.76, 128.33, 128.47, 128.57, 135.10, 169.27, 169.38, 169.47, 173.45
IR(cm-1) : 1758(C=O), 1463(C=C)
[α]D24.2 = -84.5 (c=1.28, CHCl3)
【0062】
実施例7:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(8)の合成
【化20】

【0063】
窒素雰囲気下、0℃にて、0.3501g(0.735mml)の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体(19)の塩化メチレン溶液(4ml)に、0.1748g(0.900mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸ベンジルエステル(2)の塩化メチレン溶液(2ml)を加え、4-ジメチルアミノピリジン0.0970g(0.794mmol)の塩化メチレン溶液(2ml)、N,N'-ジシクロへキシルカルボジイミド0.2228g(1.080mmol)の塩化メチレン溶液(2ml)を加え10分間撹拌し、室温に戻しさらに3時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)を加えた後、酢酸エチル(20ml)で3回抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところエーテル:塩化メチレン:ヘキサン(2:2:7)溶出部に無色透明油状の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(8)を0.3365g(70%)得た。
【0064】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(8)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.066 (3H, s) 0.096 (3H, s) 0.909 (9H, s) 0.953 (3H, t, J=7.25Hz) 0.982 (3H, t, J=7.25Hz) 0.996 (3H, t, J=7.0Hz) 1.045 (3H, t, J=7.5Hz) 1.050 (3H, t, J=7.5Hz) 1.765 (1H, ddq, J=7.13, 21.5 ,7.25Hz) 1.722-2.067 (9H, m) 4.233 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.037 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.047 (1H, dd, J=7.0, 5.0Hz) 5.057 (1H, dd, J=7.0, 5.0Hz) 5.080 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.155 (2H, dd, J=12.25, 31.75Hz) 7.309-7.378 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.41, -4.94, 9.21, 9.27, 9.39, 9.41, 18.28, 24.41, 24.50, 25.68, 28.38, 67.07, 72.74, 73.06, 73.33, 73.76, 128.33, 128.47, 128.57, 135.10, 169.27, 169.38, 169.47, 173.45
IR(cm-1) : 1758(C=O), 1463(C=C)
[α]D24.2 = -84.5 (c=1.28, CHCl3)
【0065】
実施例8:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(9)の合成
【化21】

【0066】
窒素雰囲気下、0℃にて、0.4514g(0.947mml)の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体(19)の塩化メチレン溶液(5ml)に、0.3058g(1.091mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(4)の塩化メチレン溶液(4ml)を加え、4-ジメチルアミノピリジン0.1488g(1.218mmol)の塩化メチレン溶液(2ml)、N,N'-ジシクロへキシルカルボジイミド0.3470g(1.682mmol)の塩化メチレン溶液(3ml)を加え10分間撹拌し、室温に戻しさらに6時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)を加えた後、塩化メチレン(20ml)で4回抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところエーテル:塩化メチレン:ヘキサン(1:1:9)溶出部に無色透明油状の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(9)を0.4843g(69%)得た。
【0067】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(9)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.066 (3H, s) 0.095 (3H, s) 0.909 (9H, s) 0.952 (3H, t, J=7.5Hz) 0.982 (3H, t, J=7.25Hz) 0.996 (3H, t, J=7.25Hz) 1.041 (3H, t, J=7.5Hz) 1.016 (6H, t, J=7.25Hz) 1.764 (1H, ddq, J=7.13, 21.75, 7.25Hz) 1.809-2.060 (11H, m) 4.233 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.037 (1H, dd, J=7.75, 4.75Hz) 5.047 (1H, dd, J=7.25, 5.25Hz) 5.058 (1H, dd, J=7.5, 5.5Hz) 5.060 (1H, dd, J=6.25, 4.75Hz) 5.083 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.150 (2H, dd, J=12.5, 27.0Hz) 7.308-7.377 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.41, -4.94, 9.16, 9.18, 9.23, 9.26, 9.41, 18.29, 24.38, 24.41, 24.46, 24.50, 25.69, 28.39, 67.09, 72.75, 73.07, 73.32, 73.45, 73.48, 73.79, 128.33, 128.48, 128.57, 135.10, 169.16, 169.26, 169.35, 169.47, 173.44
IR(cm-1) : 1758(C=O), 1463(C=C)
[α]D23.6 = -88.7 (c=1.565, CHCl3)
【0068】
実施例9:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(10)の合成
【化22】

【0069】
窒素雰囲気下、0℃にて、0.5669g(1.452mml)の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体(18)の塩化メチレン溶液(4ml)に、0.4537g(1.003mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(13)の塩化メチレン溶液(4ml)を加え、4-ジメチルアミノピリジン0.2153g(1.762mmol)の塩化メチレン溶液(3ml)、N,N'-ジシクロへキシルカルボジイミド0.4749g(2.302mmol)の塩化メチレン溶液(3ml)を加え10分間撹拌し、室温に戻しさらに3時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)を加えた後、塩化メチレン(20ml)で4回抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところエーテル:塩化メチレン:ヘキサン(1:1:9)溶出部に無色透明油状の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(10)を0.4167g(50%)得た。
【0070】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(10)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.065 (3H, s) 0.094 (3H, s) 0.908 (9H, s) 0.951 (3H, t, J=7.75Hz) 0.981 (3H, t, J=7.25Hz) 0.995 (3H, t, J=7.0Hz) 1.037 (3H, t, J=7.5Hz) 1.040 (3H, t, J=7.25Hz) 1.045 (6H, t, J=7.25Hz) 1.763 (1H, ddq, J=7.25, 22.25, 8.0Hz) 1.809-2.060 (13H, m) 4.232 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.036 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.047 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.055 (1H, dd, J=7.25, 4.25Hz) 5.060 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.061 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.081 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.153 (2H, dd, J=12.0, 32.0Hz) 7.307-7.377 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.41, -4.94, 9.16, 9.18, 9.23, 9.26, 9.40, 9.41, 18.28, 24.37, 24.41, 24.45, 24.49, 25.68, 28.38, 67.09, 72.74, 73.06, 73.31, 73.44, 73.47, 73.49, 73.79128.32, 128.48, 128.57, 135.08, 169.15, 169.18, 169.26, 169.34, 169.47, 173.45
IR(cm-1) : 1758(C=O), 1463(C=C)
[α]D23.0 = -95.0 (c=0.78, CHCl3)
【0071】
実施例10:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(11)の合成
【化23】

【0072】
窒素雰囲気下、0℃にて、0.7032g(1.475mml)の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体(19)の塩化メチレン溶液(4ml)に、0.4552g(1.006mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(13)の塩化メチレン溶液(4ml)を加え、4-ジメチルアミノピリジン0.2177g(1.782mmol)の塩化メチレン溶液(3ml)、N,N'-ジシクロへキシルカルボジイミド0.4858g(2.354mmol)の塩化メチレン溶液(3ml)を加え10分間撹拌し、室温に戻しさらに4時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)を加えた後、塩化メチレン(20ml)で4回抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところエーテル:塩化メチレン:ヘキサン(1:1:9)溶出部に無色透明油状の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(11)を0.4472g(48%)得た。
【0073】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(11)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.065 (3H, s) 0.094 (3H, s) 0.908 (9H, s) 0.951 (3H, t, J=7.75Hz) 0.981 (3H, t, J=7.25Hz) 0.995 (3H, t, J=7.0Hz) 1.037 (6H, t, J=7.5Hz) 1.040 (3H, t, J=7.5Hz) 1.045 (6H, t, J=7.5Hz) 1.763 (1H, ddq, J=7.25, 22.25, 8.0Hz) 1.809-2.067 (15H, m) 4.232 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.036 (1H, dd, J=7.75, 4.75Hz) 5.046 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.055 (2H, dd, J=7.25, 4.25Hz) 5.061 (2H, dd, J=7.75, 4.75Hz) 5.080 (1H, dd, J=8.0, 5.5Hz) 5.154 (2H, dd, J=12.0, 32.5Hz) 7.300-7.377 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.41, -4.94, 9.16, 9.18, 9.23, 9.26, 9.42, 18.29, 24.42, 24.46, 24.50, 25.69, 28.39, 67.10, 72.75, 73.07, 73.32, 73.48, 73.80, 128.33, 128.49, 128.58, 135.09, 169.15, 169.48, 173.45
IR(cm-1) : 1760(C=O), 1463(C=C)
[α]D23.8 = -103.6 (c=0.67, CHCl3)
【0074】
実施例11:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(12)の合成
【化24】

【0075】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(6)0.3590g(0.747mmol)のアセトリニトリル溶液(14ml)にフッ化水素酸14滴を加え40℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(12ml)を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸(4.5ml)を加えpH=4に調整した。酢酸エチル(30ml)で4回抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、酢酸エチル:ヘキサン(1:3)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(12)を0.2652g(96%)得た。
【0076】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(12)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.974 (3H, t, J=7.5Hz) 1.007 (3H, t, J=7.5Hz) 1.028 (3H, t, J=7.5Hz) 1.767 (1H, ddq, J=7.13, 21.25, 7.0Hz) 1.845-2.032 (5H, m) 2.636 (1H, brs) 4.236 (1H, dd, J=6.5, 4.5Hz) 5.084 (1H, dd, J=7.25, 4.5Hz) 5.089 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 7.315-7.382 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.77, 9.27, 9.31, 24.43, 27.64, 67.14, 71.30, 73.77, 73.85, 128.36, 128.51, 128.59, 135.08, 169.18, 169.33, 174.93
IR(cm-1) : 3527(OH), 1751(C=O), 1457(C=C)
[α]D25.1 = -60.3 (c=1.56, CHCl3)
【0077】
実施例12:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(13)の合成
【化25】

【0078】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(7)0.2235g(0.398mmol)のアセトリニトリル溶液(8ml)にフッ化水素酸8滴を加え40℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5ml)を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸(2ml)を加えpH=4に調整した。酢酸エチル(10ml)で4回抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、酢酸エチル:ヘキサン(1:3)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(13)を0.1760g(98%)得た。
【0079】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(13)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.956 (3H, t, J=7.5Hz) 1.017 (3H, t, J=7.5Hz) 1.027 (3H, t, J=7.25Hz) 1.050 (3H, t, J=7.5Hz) 1.773 (1H, ddq, J=7.13, 21.5, 7.25Hz) 1.834-2.091 (7H, m) 2.270 (1H, brs) 4.242 (1H, dd, J=6.5, 4.5Hz) 5.064 (1H, dd, J=6.75, 5.25Hz) 5.076 (1H, dd, J=7.25, 5.25Hz) 5.099 (1H, dd, J=7.75, 5.25Hz) 5.157 (2H, dd, J=12.0, 33.0Hz) 7.311-7.380 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.81, 9.25, 9.32, 24.44, 24.51, 27.67, 67.15, 71.34, 73.59, 73.80, 73.86, 128.37, 128.53, 128.62, 135.12, 169.18, 169.23, 169.38, 174.98
IR(cm-1) : 1751(C=O), 1457(C=C)
[α]D27.3 = -69.0 (c=1.58, CHCl3)
【0080】
実施例13:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(14)の合成
【化26】

【0081】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(8)0.1002g(0.153mmol)のアセトリニトリル溶液(10ml)にフッ化水素酸10滴を加え40℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸(6.5ml)を加えpH=4に調整した。酢酸エチル(20ml)で4回抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、酢酸エチル:塩化メチレン:ヘキサン(2:1:5)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(14)を0.0762g(92%)得た。
【0082】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(14)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.953 (3H, t, J=7.5Hz) 0.999 (3H, t, J=7.5Hz) 1.028 (3H, t, J=7.25Hz) 1.047 (3H, t, J=7.5Hz) 1.062 (3H, t, J=7.5Hz) 1.773 (1H, ddq, J=7.17, 21.5, 7.25Hz) 1.874 (1H, ddq, J=7.21, 21.75, 7.5Hz) 1.874-2.085 (8H, m) 2.638 (1H, d, J=6.5Hz) 4.240 (1H, dd, J=10.75, 6.75Hz) 5.055 (1H, dd, J=7.0, 5.0Hz) 5.059 (1H, dd, J=7.0, 5.0Hz) 5.092 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.101 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.099 (1H, dd, J=7.75, 5.25Hz) 5.156 (2H, dd, J=12.25, 32.25Hz) 7.309-7.378 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.78, 9.17, 9.22, 9.27, 9.29, 24.38, 24.41, 24.47, 27.64, 67.10, 71.31, 73.55, 73.77, 73.82, 128.33, 128.49, 128.58, 135.09, 169.14, 169.18, 169.34, 174.94
IR(cm-1) : 3529(OH), 1754(C=O), 1457(C=C)
[α]D21.8 = -77.1 (c=1.525, CHCl3)
【0083】
実施例14:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(15)の合成
【化27】

【0084】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(9)0.0797g(0.108mmol)のアセトリニトリル溶液(10ml)にフッ化水素酸20滴を加え40℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(23ml)を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸(10ml)を加えpH=5に調整した。酢酸エチル(30ml)で4回抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、酢酸エチル:塩化メチレン:ヘキサン(2:1:5)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(15)を0.0569g(84%)得た。
【0085】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(15)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.951 (3H, t, J=7.5Hz) 0.996 (3H, t, J=7.5Hz) 1.028 (3H, t, J=7.75Hz) 1.042 (3H, t, J=7.5Hz) 1.044 (3H, t, J=6.75Hz) 1.771 (1H, ddq, J=7.17, 21.5, 7.25Hz) 1.829-2.083 (11H, m) 2.653 (1H, d, J=6.5Hz) 4.238 (1H, dd, J=11.0, 6.0Hz) 5.048 (1H, dd, J=6.75, 4.25Hz) 5.057 (1H, dd, J=6.5, 4.0Hz) 5.070 (1H, dd, J=6.5, 4.5Hz) 5.094 (1H, dd, J=7.27, 4.75Hz) 5.100 (1H, dd, J=7.0, 4.0Hz) 5.154 (2H, dd, J=12.0, 32.0Hz) 7.307-7.376 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.77, 9.15, 9.18, 9.22, 9.25, 9.28, 24.37, 24.39, 24.41, 24.44, 24.46, 27.63, 67.09, 71.31, 73.51, 73.54, 73.75, 73.80, 128.32, 128.48, 128.57, 135.09, 169.13, 169.17, 169.32, 174.92
IR(cm-1) : 3529(OH), 1754(C=O), 1459(C=C)
[α]D22.7 = -85.0 (c=1.565, CHCl3)
【0086】
実施例15:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(16)の合成
【化28】

【0087】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(10)0.0505g(0.0711mmol)のアセトリニトリル溶液(10ml)にフッ化水素酸20滴を加え40℃で2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸(14ml)を加えpH=4に調整した。酢酸エチル(35ml)で4回抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、酢酸エチル:塩化メチレン:ヘキサン(2:1:3)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(16)を0.0411g(94%)得た。
【0088】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(16)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.949 (3H, t, J=7.5Hz) 0.995 (3H, t, J=7.75Hz) 1.025 (3H, t, J=7.5Hz) 1.041 (6H, t, J=7.75Hz) 1.045 (3H, t, J=7.25Hz) 1.056 (3H, t, J=7.75Hz) 1.770 (1H, ddq, J=7.17, 21.5, 7.25Hz) 1.827-2.079 (13H, m) 2.667 (1H, d, J=6.0Hz) 4.237 (1H, dd, J=11.0, 6.0Hz) 5.047 (1H, dd, J=7.75, 4.75Hz) 5.055 (1H, dd, J=6.75, 4.25Hz) 5.063 (1H, dd, J=7.5, 4.0Hz) 5.071 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.092 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.098 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.152 (2H, dd, J=12.0, 32.0Hz) 7.300-7.374 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.76, 9.14, 9.16, 9.21, 9.24, 9.27, 24.36, 24.39, 24.40, 24.43, 24.45, 27.62, 67.08, 71.30, 73.49, 73.53, 73.74, 73.79, 128.31, 128.47, 128.56, 135.08, 169.12, 169.17, 169.32, 174.91
IR(cm-1) : 3527(OH), 1760(C=O), 1457(C=C)
[α]D22.1 = -88.5 (c=0.54, CHCl3)
【0089】
実施例16:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(17)の合成
【化29】

【0090】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(11)0.2054g(0.226mmol)のアセトリニトリル溶液(50ml)にフッ化水素酸100滴を加え40℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(70ml)を加えpH=8とし、さらに10%-塩酸(30ml)を加えpH=4に調整した。塩化メチレン(100ml)で4回抽出し、飽和食塩水(50ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、酢酸エチル:塩化メチレン:ヘキサン(2:1:9)溶出部に無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(17)を0.1537g(85%)得た。
【0091】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(17)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.951 (3H, t, J=7.5Hz) 0.995 (3H, t, J=7.75Hz) 1.028 (3H, t, J=7.25Hz) 1.042 (9H, t, J=7.5Hz) 1.048 (3H, t, J=7.5Hz) 1.058 (3H, t, J=7.75Hz) 1.058 (3H, t, J=7.75Hz) 1.773 (1H, ddq, J=7.13, 21.25, 7.0Hz) 1.829-2.067 (13H, m) 2.625 (1H, d, J=6.0Hz) 4.240 (1H, dd, J=11.0, 6.5Hz) 5.047 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.057 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.062 (1H, dd, J=7.75, 4.75Hz) 5.072 (1H, dd, J=8.0, 5.0Hz) 5.077 (1H, dd, J=7.25, 5.25Hz) 5.093 (1H, dd, J=7.25, 3.75Hz) 5.100 (1H, dd, J=6.75, 3.25Hz) 5.154 (2H, dd, J=12.0, 32.0Hz) 7.311-7.377 (5H, m)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.77, 9.15, 9.18, 9.22, 9.25, 9.28, 24.37, 24.39, 24.41, 24.44, 24.46, 27.63, 67.09, 71.31, 73.51, 73.54, 73.75, 73.80, 128.32, 128.48, 128.57, 135.09, 169.13, 169.17, 169.32, 174.92
IR(cm-1) : 3527(OH), 1760(C=O), 1461(C=C)
[α]D21.6 = -101.2 (c=0.50, CHCl3)
【0092】
実施例17:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体(18)の合成
【化30】

【0093】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(6)0.2069g(0.430mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0545gを加え10分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体(18)を0.1442g(91%)得た。
【0094】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸3量体(18)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.068 (3H, s) 0.097 (3H, s) 0.910 (9H, s) 0.984 (3H, t, J=7.5Hz) 1.024 (3H, t, J=8.0Hz) 1.040 (3H, t, J=7.75Hz) 1.770 (1H, ddq, J=7.08, 21.5, 7.5Hz) 1.823-2.033 (5H, m) 4.240 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.033 (2H, dd, J=7.5, 4.5Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.40, -4.94, 9.35, 3.40, 18.29, 24.33, 24.42, 25.68, 28.39, 72.76, 73.14, 169.49, 173.62
IR(cm-1) : 1758(C=O)
[α]D23.1 = -60.1 (c=1.62, CHCl3)
【0095】
実施例18:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体(19)の合成
【化31】

【0096】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(7)1.2409g(2.189mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.1060gを加え10分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体(19)を0.9529g(93%)得た。
【0097】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸4量体(19)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.066 (3H, s) 0.095 (3H, s) 0.909 (9H, s) 0.985 (3H, t, J=7.25Hz) 1.021 (3H, t, J=7.5Hz) 1.045 (3H, t, J=7.5Hz) 1.052 (3H, t, J=7.75Hz) 1.766 (1H, ddq, J=7.17, 22.0, 8.0Hz) 1.811-2.050 (7H, m) 4.237 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.035 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.055 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.081 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.43, -4.96, 9.17, 9.30, 9.35, 9.39, 18.27, 24.29, 24.34, 24.48, 25.67, 28.36, 72.74, 73.10, 73.35, 73.55, 169.31, 169.53, 173.54
IR(cm-1) : 1760(C=O)
[α]D24.9 = -71.2 (c=1.54, CHCl3)
【0098】
実施例19:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体(20)の合成
【化32】

【0099】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(8)0.0984g(0.151mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0545gを加え30分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体(20)を0.0760g(89%)得た。
【0100】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸5量体(20)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.065 (3H, s) 0.093 (3H, s) 0.907 (9H, s) 0.979 (3H, t, J=7.25Hz) 1.001 (3H, t, J=7.5Hz) 1.023 (3H, t, J=7.5Hz) 1.043 (3H, t, J=7.5Hz) 1.046 (3H, t, J=7.25Hz) 1.761 (1H, ddq, J=7.13, 21.75, 7.5Hz) 1.814-2.064 (9H, m) 4.234 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 4.981 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.037 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.046 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.078 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.40, -4.94, 9.16, 9.24, 9.37, 9.40, 18.29, 24.33, 24.50, 25.69, 28.38, 72.76, 73.12, 73.38, 73.63, 73.87, 169.28, 169.38, 169.50, 173.52
IR(cm-1) : 1758(C=O)
[α]D22.8 = -78.7 (c=1.12, CHCl3)
【0101】
実施例20:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体(21)の合成
【化33】

【0102】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(9)0.2076g(0.281mmol)のエタノ-ル溶液(15ml)に、10%-Pd/C 0.0659gを加え30分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体(21)を0.1669g(91%)得た。
【0103】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸6量体(21)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.064 (3H, s) 0.092 (3H, s) 0.906 (9H, s) 0.979 (3H, t, J=7.25Hz) 1.009 (3H, t, J=7.75Hz) 1.023 (3H, t, J=8.25Hz) 1.039 (3H, t, J=7.25Hz) 1.042 (3H, t, J=6.75Hz) 1.045 (3H, t, J=7.25Hz) 1.761 (1H, ddq, J=7.17, 21.75, 7.5Hz) 1.815-2.048 (11H, m) 4.232 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.006 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.037 (1H, dd, J=8.0, 4.5Hz) 5.052 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.061 (1H, dd, J=7.25, 4.25Hz) 5.080 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.41, -4.95, 9.14, 9.17, 9.23, 9.32, 9.39, 9.40, 18.28, 24.31, 24.40, 24.45, 24.49, 25.68, 28.38, 72.75, 73.09, 73.34, 73.48, 73.55, 73.63, 169.20, 169.27, 169.29, 169.50, 173.48
IR(cm-1) : 1758(C=O)
[α]D23.2 = -84.1 (c=1.635, CHCl3)
【0104】
実施例21:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体(22)の合成
【化34】

【0105】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(10)0.0541g(0.0656mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0513gを加え50分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体(22)を0.0398g(82%)得た。
【0106】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸7量体(22)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.065 (3H, s) 0.094 (3H, s) 0.909 (9H, s) 0.933 (3H, t, J=7.5Hz) 0.981 (3H, t, J=7.25Hz) 0.987 (3H, t, J=7.5Hz) 1.022 (3H, t, J=7.5Hz) 1.029 (3H, t, J=7.25Hz) 1.043 (6H, t, J=7.25Hz) 1.763 (1H, ddq, J=7.21, 22.0, 7.75Hz) 1.808-2.041 (13H, m) 4.233 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 4.886 (1H, brs) 5.037 (2H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.056 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.080 (2H, dd, J=7.25, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.43, 4.97, 9.16, 9.19, 9.36, 9.37, 9.50, 18.26, 24, 25, 24.35, 24.42, 24.47, 25.66, 28..35, 72.72, 73.04, 73.30, 73.44, 73.48, 73.91, 169.13, 169.27, 169.40, 169.45, 169.55, 173.43
IR(cm-1) : 1766(C=O)
[α]D20.5 = -83.3 (c=0.15, CHCl3)
【0107】
実施例22:(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体(23)の合成
【化35】

【0108】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(11)0.0529g(0.0581mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0537gを加え40分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体(23)を0.0411g(86%)得た。
【0109】
(S)-(-)-2-tert-ブチルジメチルシロキシ酪酸8量体(23)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.066 (3H, s) 0.095 (3H, s) 0.909 (9H, s) 0.960 (3H, t, J=7.5Hz) 0.982 (3H, t, J=7.5Hz) 1.011 (3H, t, J=7.5Hz) 1.019 (3H, t, J=7.0Hz) 1.029 (3H, t, J=7.25Hz) 1.035 (3H, t, J=7.25Hz) 1.044 (6H, t, J=7.5Hz) 1.764 (1H, ddq, J=7.17, 22.0, 7.75Hz) 1.801-2.048 (15H, m) 4.233 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 4.901 (1H, dd, J=6.0, 4.5Hz) 5.037 (1H, dd, J=7.75, 4.75Hz) 5.047 (1H, dd, J=7.25, 5.25Hz) 5.052 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.057 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.062 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.082 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = -5.43, 4.97, 9.16, 9.19, 9.36, 9.37, 9.50, 18.26, 24, 25, 24.35, 24.42, 24.47, 25.66, 28.35, 72.72, 73.04, 73.30, 73.44, 73.48, 73.91, 169.13, 169.27, 169.40, 169.45, 169.55, 173.43
IR(cm-1) : 1766(C=O)
[α]D21.2 = -126.4 (c=0.11, CHCl3)
【0110】
実施例23:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体(24)の合成
【化36】

【0111】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体ベンジルエステル(4)0.4403g(1.571mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0452gを加え10分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体(24)を0.2751g(92%)得た。
【0112】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸2量体(24)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.019 (3H, t, J=7.5Hz) 1.031 (3H, t, J=7.5Hz) 1.766 (1H, ddq, J=7.13, 21.25, 7.0Hz) 1.888-2.032 (3H, m) 4.259 (1H, dd, J=6.5, 4.5Hz) 4.259 (1H, dd, J=6.5, 4.5Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.70, 9.38, 24.32, 27.50, 71.32, 73.52, 174.81, 174.91
IR(cm-1) : 3448(OH), 1743(C=O)
[α]D27.8 = -30.6 (c=0.84, CHCl3)
【0113】
実施例24:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体(25)の合成
【化37】

【0114】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体ベンジルエステル(12)0.1612g(0.440mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0705gを加え5分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体(25)を0.1082g(89%)得た。
【0115】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体(25)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.031 (3H, t, J=7.25Hz) 1.033 (3H, t, J=7.25Hz) 1.042 (3H, t, J=7.25Hz) 1.775 (1H, ddq, J=7.21, 21.75, 7.5Hz) 1.872-2.068 (5H, m) 4.250 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.059 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.097 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.82, 9.24, 9.36, 24.32, 24.40, 27.60, 71.40, 73.52, 73.83, 169.27, 175.04
IR(cm-1) : 3455(OH), 1747(C=O)
[α]D25.0 = -51.1 (c=1.61, CHCl3)
【0116】
実施例25:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体(26)の合成
【化38】

【0117】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体ベンジルエステル(13)0.3033g(0.670mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、5%-Pd/C 0.0961gを加え5分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体(26)を0.2263g(98%)得た。
【0118】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体(26)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.018 (3H, t, J=7.75Hz) 1.024 (3H, t, J=7.5Hz) 1.048 (6H, t, J=7.25Hz) 1.771 (1H, ddq, J=7.13, 21.5, 7.25Hz) 1.859-2.080 (7H, m) 4.248 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.028 (1H, dd, J=7.0, 5.0Hz) 5.091 (1H, dd, J=8.25, 5.75Hz) 5.100 (1H, dd, J=8.0, 5.5Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.80, 9.17, 9.26, 9.31, 24.30, 24.36, 24.46, 27.58, 71.38, 73.52, 73.59, 73.79, 169.16, 169.27, 174.95
IR(cm-1) : 3517(OH), 1754(C=O)
[α]D24.7 = -67.5 (c=1.51, CHCl3)
【0119】
実施例26:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体(27)の合成
【化39】

【0120】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体ベンジルエステル(14)0.0262g(0.0486mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0545gを加え45分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体(27)を0.0191g(87%)得た。
【0121】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体(27)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.026 (6H, t, J=7.25Hz) 1.033 (3H, t, J=6.75Hz) 1.047 (3H, t, J=7.25Hz) 1.061 (3H, t, J=7.0Hz) 1.770 (1H, ddq, J=7.08, 21.24, 7.0Hz) 1.843-2.100 (9H, m) 4.246 (1H, dd, J=6.75, 4.75Hz) 5.003 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.065 (1H, dd, J=7.0, 5.0Hz) 5.095 (1H, dd, J=7.5, 4.5Hz) 5.104 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.83, 9.15, 9.25, 9.29, 24.30, 24.34, 24.43, 24.47, 27.59, 71.35, 73.58, 73.81, 169.15, 169.22, 174.99
IR(cm-1) : 3507(OH), 1758(C=O)
[α]D22.1 = -79.7 (c=0.64, CHCl3)
【0122】
実施例27:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体(28)の合成
【化40】

【0123】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体ベンジルエステル(15)0.1646g(0.263mmol)のエタノ-ル溶液(10ml)に、10%-Pd/C 0.0534gを加え35分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体(28)を0.1340g(95%)得た。
【0124】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体(28)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.016 (3H, t, J=7.5Hz) 1.031 (3H, t, J=7.25Hz) 1.037 (3H, t, J=7.5Hz) 1.045 (3H, t, J=7.25Hz) 1.048 (3H, t, J=7.5Hz) 1.060 (3H, t, J=7.25Hz) 1.772 (1H, ddq, J=7.38, 22.0, 7.25Hz) 1.860-2.079 (11H, m) 4.242 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.044 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.066 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.081 (1H, dd, J=7.5, 5.0Hz) 5.100 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.105 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.82, 9.15, 9.20, 9.24, 9.29, 9.32, 24.33, 24.35, 24.43, 24.48, 27.61, 71.37, 73.60, 73.81, 169.14, 169.18, 174.96
IR(cm-1) : 3507(OH), 1754(C=O)
[α]D22.1 = -77.0 (c=1.65, CHCl3)
【0125】
実施例28:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体(29)の合成
【化41】

【0126】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体ベンジルエステル(16)0.0672g(0.0945mmol)のエタノ-ル溶液(30ml)に、10%-Pd/C 0.0960gを加え50分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体(29)を0.0582g(99%)得た。
【0127】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体(29)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.958 (3H, t, J=7.5Hz) 1.011 (3H, t, J=7.25Hz) 1.025 (3H, t, J=7.5Hz) 1.031 (3H, t, J=7.75Hz) 1.036 (6H, t, J=7.0Hz) 1.047 (3H, t, J=7.75Hz) 1.760 (1H, ddq, J=7.25, 22.0, 7.75Hz) 1.805-2.039 (13H, m) 4.255 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 4.905 (1H, dd, J=6.25, 4.75Hz) 5.048 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.053 (1H, dd, J=7.5, 5.5Hz) 5.056 (1H, dd, J=6.5, 4.0Hz) 5.063 (1H, dd, J=8.0, 4.5Hz) 5.069 (1H, dd, J=8.0, 5.0Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 9.02, 9.29, 9.31, 9.33, 9.39, 9.61, 24.35, 24.39, 24.47, 24.50, 27.46, 71.27, 73.76, 73.80, 73.85, 73.96, 74.09, 169.23, 169.26, 169.39, 169.53, 175.27
IR(cm-1) : 3507(OH), 1770(C=O)
[α]D21.0 = -66.0 (c=0.48, CHCl3)
【0128】
実施例29:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体(30)の合成
【化42】

【0129】
水素雰囲気下、(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体ベンジルエステル(17)0.1012g(0.127mmol)のエタノ-ル溶液(30ml)に、10%-Pd/C 0.1060gを加え50分間撹拌した。ロ過後、溶媒を除去し、無色透明の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体(30)を0.0857g(95%)得た。
【0130】
(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体(30)
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 0.961 (3H, t, J=7.5Hz) 1.008 (3H, t, J=7.5Hz) 1.023 (3H, t, J=7.25Hz) 1.028 (3H, t, J=7.5Hz) 1.037 (6H, t, J=6.75Hz) 1.040 (3H, t, J=7.5Hz) 1.050 (3H, t, J=7.75Hz) 1.764 (1H, ddq, J=7.17, 21.25, 7.5Hz) 1.808-2.057 (15H, m) 4.248 (1H, dd, J=6.75, 4.75Hz) 4.906 (1H, dd, J=6.75, 4.75Hz) 5.034 (1H, dd, J=7.25, 4.75Hz) 5.058 (2H, dd, J=7.0, 5.0Hz) 5.072 (1H, dd, J=6.75, 4.25Hz) 5.093 (1H, dd, J=7.0, 4.5Hz) 5.093 (1H, dd, J=6.75, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 8.89, 9.23, 9.29, 9.56, 24.32, 24.39, 24.46, 27.56, 71.30, 73.63, 73.68, 73.79, 169.17, 169.25, 169.28, 169.35, 175.07
IR(cm-1) : 3509(OH), 1770(C=O)
[α]D20.7 = -80.3 (c=0.39, CHCl3)
【0131】
実施例30:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体(25)の環化反応(1.8mmol/l条件)
【化43】

【0132】
窒素雰囲気下、室温で、0.1166g(0.422mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3量体(25)の塩化メチレン溶液(117ml)にジイソプロピルエチルアミン0.225ml(1.226mmol)、塩化2,4,6-トリクロロベンゾイル0.135ml(0.849mmol)を加え3時間撹拌した。これを4-ジメチルアミノピリジン0.2113g(1.730mmol)の塩化メチレン溶液(117ml)に16時間かけて加え、さらに1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離し、エーテル:ベンゼン(1:5)溶出部より、環状(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸3n量体の混合物を0.0606g(51%)得た。
【0133】
実施例31:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体(26)の環化反応(1.8mmol/l条件)
【化44】

【0134】
窒素雰囲気下、室温で、0.3461g(0.955mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4量体(26)の塩化メチレン溶液(265ml)にジイソプロピルエチルアミン0.509ml(2.864mmol)、塩化2,4,6-トリクロロベンゾイル0.305ml(1.913mmol)を加え2時間撹拌した。これを4-ジメチルアミノピリジン0.2113g(1.730mmol)の塩化メチレン溶液(117ml)に19時間かけて加え、さらに1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離し、酢酸エチル:ベンゼン(1:8)溶出部およびエーテル:ベンゼン(1:5)より、環状(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸4n量体の混合物を0.1683g(57%)得た。
【0135】
環状物1
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.009 (t, J=7.5Hz) 1.908 (ddq, J=7.38, 22.0, 7.5Hz) 2.004 (ddq, J=7.23, 19.95, 5.0Hz) 5.167 (dd, J=8.0, 5.0Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 9.64, 24.46, 73.98, 168.41
IR(cm-1) : 1739(C=O)
[α]D25.3 = -62.0 (c=0.10, CHCl3)
【0136】
環状物2
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.016 (t, J=7.5Hz) 1.920 (ddq, J=7.33, 22.0, 7.25Hz) 1.998 (ddq, J=7.23, 19.75, 5.0Hz) 5.118 (dd, J=7.5, 5.0Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 9.28, 24.40, 73.64, 168.75
IR(cm-1) : 1747(C=O)
[α]D24.9 = -129.5 (c=0.21, CHCl3)
【0137】
実施例32:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体(27)の環化反応(1.8mmol/l条件)
【化45】

【0138】
窒素雰囲気下、室温で、0.0748g(0.167mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5量体(27)の塩化メチレン溶液(41.5ml)にジイソプロピルエチルアミン0.120ml(0.675mmol)、塩化2,4,6-トリクロロベンゾイル0.089ml(0.558mmol)を加え3時間撹拌した。これを4-ジメチルアミノピリジン0.0881g(0.721mmol)の塩化メチレン溶液(51.5ml)に16時間かけて加え、さらに2.5時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離し、エーテル:ベンゼン(1:5)溶出部に、環状(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸5n量体の混合物を0.0437g(58%)得た。
【0139】
環状物1
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.017 (t, =7.25Hz) 1.923 (ddq, J=7.38, 22.5, 8.0Hz) 1.996 (ddq, J=7.45, 20.5, 5.0Hz) 5.137 (dd, J=7.5, 4.5Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 9.31, 24.39, 73.76, 168.67
IR(cm-1) : 1749(C=O)
[α]D23.1 = -88.5 (c=0.46, CHCl3)
【0140】
実施例33:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体(28)の環化反応(1.8mmol/l条件)
【化46】

【0141】
窒素雰囲気下、室温で、0.1152g(0.216mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6量体(28)の塩化メチレン溶液(60ml)にジイソプロピルエチルアミン0.08ml(0.450mmol)、塩化2,4,6-トリクロロベンゾイル0.10ml(0.627mmol)を加え3時間撹拌した。これを4-ジメチルアミノピリジン0.1060g(0.868mmol)の塩化メチレン溶液(60ml)に14時間かけて加え、さらに4時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離し、酢酸エチル:ベンゼン(1:10)溶出部に、環状(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸6n量体の混合物を0.1683g(56%)得た。
【0142】
実施例34:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体(29)の環化反応(1.8mmol/l条件)
【化47】

【0143】
窒素雰囲気下、室温で、0.0534g(0.0860mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7量体(29)の塩化メチレン溶液(24ml)にジイソプロピルエチルアミン0.060ml(0.338mmol)、塩化2,4,6-トリクロロベンゾイル0.040ml(0.251mmol)を加え3時間撹拌した。これを4-ジメチルアミノピリジン0.0462g(0.378mmol)の塩化メチレン溶液(24ml)に16時間かけて加え、さらに2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離し、エーテル:ベンゼン(1:8)溶出部に、環状(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸7n量体の混合物を0.0401g(58%)得た。
【0144】
環状物1
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.015 (t, J=7.5Hz) 1.915 (ddq, J=7.42, 22.25, 7.25Hz) 2.023 (ddq, J=7.25, 19.5, 5.0Hz) 5.157 (dd, J=8.25, 4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 9.69, 24.41, 74.03, 168.09
IR(cm-1) : 1747(C=O)
[α]D25.9 = -84.5 (c=0.88, CHCl3)
【0145】
実施例35:(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体(30)の環化反応(1.8mmol/l条件)
【化48】

【0146】
窒素雰囲気下、室温で、0.0818g(0.116mmol)の(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8量体(30)の塩化メチレン溶液(32ml)にジイソプロピルエチルアミン0.080ml(0.450mmol)、塩化2,4,6-トリクロロベンゾイル0.060ml(0.376mmol)を加え3時間撹拌した。これを4-ジメチルアミノピリジン0.0585g(0.479mmol)の塩化メチレン溶液(32ml)に16時間かけて加え、さらに1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離し、エーテル:ベンゼン(1:10)溶出部に、環状(S)-(-)-2-ヒドロキシ酪酸8n量体の混合物を0.0690g(84%)得た。
【0147】
環状物1
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.025 (t, J=7.25Hz) 1.929 (ddq, J=7.25, 21.75, 7.25Hz) 2.009 (ddq, J=7.23, 19.5, 4.5Hz) 5.095 (dd, J=4.75Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 9.28, 24.42, 73.61, 168.89
IR(cm-1) : 1749(C=O)
[α]D25.3 = -109.0 (c=1.42, CHCl3)
【0148】
環状物2
1H-NMR (500MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 1.013 (t, J=7.5Hz) 1.911 (ddq, J-7.38, 22.25, 7.5Hz) 2.009 (ddq, J=7.27, 20.0, 5.5Hz) 5.170 (dd, J=8.0, 5.0Hz)
13C-NMR (125MHz, CDCl3)
δ(ppm) = 9.63, 24.48, 74.01, 168.41
IR(cm-1) : 1747(C=O)
[α]D22.2 = -86.0 (c=0.20, CHCl3)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物又はその塩。
【化1】

(式中、R1は水素原子又は水酸基の保護基を示す、R2は水素原子又はカルボキシル基の保護基を示す、nは2〜8の整数を示す。)
【請求項2】
下記式(2)で表される化合物又はその塩。
【化2】

(式中、mは1から6の整数を示す)
【請求項3】
下記式(1)で表される化合物:
【化3】

(式中、R1及びR2は水素原子を示し、nは3〜8の整数を示す。)
を分子内脱水縮合による環化反応に付することを特徴とする、下記式(2)で表される化合物を製造する方法。
【化4】

(式中、mは1から6の整数を示す)
【請求項4】
分子内脱水縮合による環化反応を、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4−(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行う、請求項3に記載の製造方法。




【公開番号】特開2006−232692(P2006−232692A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46886(P2005−46886)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】