説明

ヒューマンインターフェースシステム

ユーザーの向かい合わせになっている親指と他の指との生体機械学の効果を最適化するよう構成したヒューマンインターフェースであって、一面には、ユーザーの親指又はスタイラスにより操作できるソフトウエア構成可能な1つ以上の入力要素を含み、別の面には、ユーザーの4本の指により操作できるソフトウエア構成可能な1つ以上の選択要素を含む。選択要素は、1つ以上の入力機能に割り当てられる輪郭が描かれたアクティブ領域を表すように構成可能な圧力センサーパッドとすることができる。輪郭が描かれた複数のアクティブ領域をユーザーが触覚で判別できるように形状変化媒体を提供してもよい。触知可能なデテント、振動又は力を発生するユニットにより、ユーザーに触覚フィードバックを提供することができる。データの入力には、各選択要素をシフト機能へ割り当てることと、各入力要素をテキスト機能へ割り当てることと、選択要素を用いて入力要素と関連付けられるテキスト機能間においてシフトして、所望のテキスト機能を入力することとを含めることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
以下の説明は、電子装置、特に携帯電話、携帯情報端末(PDA、パーソナルデジタルアシスタント)、ポケット型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯ゲーム機、バーコードリーダー、リモートコントロール、及び、キーパッドまたは1つ以上の入力要素を有する他の同様な入力装置等の、携帯型電子装置用のヒューマンインターフェース及び入力システムに関する。
【0002】
電子装置は、処理能力の低価格化、及び、それに伴って装置の小型化を求める消費者の要求の増大もあって、高性能化が進むとともに物理的には小型化される一方である。しかし、このような装置は、データ入力(例えば、テキスト、数字及び機能の入力)及び/又は装置の操作のためにユーザーが装置と対話(インターフェース)する能力により、機能面及び実用性において制約を受ける傾向にある。データ入力及び/又は装置操作に用いる入力要素を配置するための装置表面の利用可能なスペースが減少し続けているので、装置と対話することが益々困難となるからである。
【0003】
携帯型電子装置(hand-held
electronic device)用の各種のヒューマンインターフェース、入力システム及び技法は、データ入力及び装置操作のために開発されてきた。これらには、コーダル(chordal)入力技法、モーダル(modal)入力技法、及び/又は、スマートキーと組み合わせて用いられる小型のキーボード及びキーパッド、並びにオンスクリーンの(スクリーン上の)キーボード、キーパッドのソフトウエア又は手書き認識ソフトウエアと組み合わせて用いられるタッチスクリーンが含まれる。
【0004】
<コーダル、モーダル及びスマートキー技法と併用されるキーボード又はキーパッド>
小型のキーボード及びキーパッドは、それらの標準的なフルサイズバージョンと類似している。即ち、キーボードは概して、フルセット又は実施的にフルセットの数字、文字及び機能入力要素を有している。一方、キーパッドは、キーボードと比較すると、数字、文字、及び/又は、機能入力要素のセット数が少ないのが普通である。これらの小型入力装置は、携帯型電子装置の一面の利用可能なスペースに合うように設計されるか、又は小型で可搬性に優れる外部プラグイン装置として設計されるのが普通である。従って、携帯型電子装置が小さくなるにつれ、所望の数の入力要素がその電子装置の一面に入るように、一般に入力要素のサイズが小さくされてきている。
【0005】
小型のキーボード及びキーパッドは、一般に、2つの入力技法のいずれかによりデータの入力及び装置の操作を行わなければならない。すなわち、その2つの入力技法の一つは、1本以上の親指または他の指を用いて所望の入力要素を押す技法である。他の一つは、スタイラス(ペン型入力機器)を用いて所望の入力要素を「つつく」技法である(この技法は、通常、入力要素がより小さい場合に用いられる。)。コーダル入力技法、モーダル入力技法及びスマートキー等の各種技法が開発および実装されて、小型のキーボード及びキーパッドを用いた操作の効率及び効果が改良されている。
【0006】
<コーダル入力技法>
コーダル入力技法は、一般に、少ないセットの入力要素により、文字、シンボル、ワード、フレーズ又は概念を表すことができるという原理に基づく。従って、入力要素の僅かな組合せを押すだけで、機能性を増大することができ、より速く且つより正確なデータ入力が実現できる。コーダル入力技法は、任意のキーボード又はキーパッド構成、若しくは2つ以上の入力要素を有する任意の装置、において用いることができ、通常、従来のキーボード又はキーパッドと比較して、入力要素をより少なくするか又は機能をより多くする。両手のコーダル入力技法を用いる電子装置の例は、法廷記者または速記者用のタイプライタである。少ない操作回数で多くの機能を達成するキーパッドを用いるコーダル入力技法の一つが、Levyに与えられた米国特許第5,973,621号、名称「小型キー入力装置」に記載されている。当該特許を参照により本明細書に組み込む。
【0007】
<モーダル入力技法>
モーダル入力技法は、キーボード又はキーパッド上の特定入力要素(又は複数の要素の組合せ)を押すことにより、例えば、携帯電話又はPDAにおけるテキストメッセージ作成機能等の電子装置の機能にアクセスできるという考えに基づいている。その特定入力要素が一旦押されると、キーボード又はキーパッド上の入力要素の全てまたは一部の機能が変化する。モーダル技法は、電卓、携帯電話及びPDAで用いられるのが典型的である。例えば、携帯電話においては、マルチタップと呼ばれるモーダル技法が広く用いられている。マルチタップにおいては、キーパッド上の個々の入力要素が、文字(characters)、字(letters)、数字、アイコン又はその他形式のシンボル等の複数のシンボルと関係付けられる。それにより、所望の機能を達成するのに必要な入力要素の数を減少させている。例えば、入力要素が12個のキーパッドを用いて、英語のアルファベット及び10進数の全文字を表すことができる。ユーザーは、親指、他の指又はスタイラスで特定の入力要素を一回以上タップして所望の文字を入力することにより、その特定の入力要素と関係付けられる一組のシンボル内の所望のシンボルを入力することができる。従って、ユーザーがテキストメッセージを送信したい場合、ユーザーは、例えばモードキー等の機能的入力要素を押して携帯電話のテキストメッセージ作成機能にアクセスし、次いで、個々の入力要素を一回以上タップして、関係付けられた入力すべきシンボルを選択することができる。特定のシンボルを入力するのに必要なタップ回数は、選択されている言語の文字セットにより異なるであろう。例えば、日本語のキーパッド又はキーボードは、通常、テキスト入力に最低46の文字セットを必要とし、一方、英語又は米語のキーボード及びキーパッドは、通常、テキスト入力に最低26の文字セットを必要とする。これらのモーダル入力技法は、ユーザーがより頻繁にテキスト機能を実行するようになるにつれ、ある程度の人気を得ている。
【0008】
<スマートキー>
スマートキーはキーパッドに用いるのが典型的であり、押されたときに、ユーザーの次の論理的なアクションを予測するキー又はキーの組合せに注目させる。幾つかの実装例は他よりも良好に動作し、幾つかのアプリケーションは、ある機能を完遂するのに必要なキーストローク数を他のアプリケーションよりも減少させる。例えば、ワード予測ソフトウエアは、ユーザーが入力した1つ以上の文字及び所与の言語内で起こりそうな蓋然性に基づいて、ユーザーが入力しようとしているワードまたは文字の予測を試みる。そのソフトウエアが正しく推測する確率は、入力したワード長、字数又は文字数とともに増加する。キーパッド上でスマートキーを用いる装置においては、ユーザーはキー2、2及び8を順にタップしてワード「cat」を生成でき、その装置はそのワードを一番目に表示する。なぜなら、それが最もよく用いられる組合せだからである。一方、同じ複数のキーを押すことにより生成できるワード「bat」は、それほどよく用いられないので、一番目には表示されない。また、2のキーを2回押した後、ワード予測ソフトウエアの推測に基づいて、ワード「cat」が表示されるようにもできる。
【0009】
スマートキーは日本語データ入力にも一般に用いられ、ユーザーは日本語の文字(character)(例えば、漢字)の音を表す字(letter)を発音通りに入力する。入力した字に基づいて、予測ソフトウエアは日本語の文字を推測する。その文字を選択するには、ユーザーは、承認ボタンを押すか又はスクロール機能を用いて発音入力が類似している次の文字に移行する。
【0010】
<オンスクリーンキーボード又は手書き認識ソフトウエアを用いるタッチスクリーン>
オンスクリーンのキーボード又はキーパッドのソフトウエアをタッチスクリーンととたは他の指を置いてデータを入力することができ、スタイラス又は物理的なキーボード若しくはキーパッドアクセサリがなくても、より速くデータを入力することができる。一方、PalmオペレーティングシステムのGraffitiO等の手書き認識ソフトウエアをタッチスクリーンとともに用いると、ユーザーは、スタイラスを用いてタッチスクリーン上にテキストを直接書くことにより、そのテキストを入力することができる。タッチスクリーンは、通常、より多くの電力を消費し、接触感応式スクリーンでないものよりも高価である。一般に限られた電力源しか持たない携帯型電子装置に対しては、この電力消費量が多いことが問題となることがある。さらに、タッチスクリーンは、通常、ユーザーに両手を使うことを要求するので(例えば、一方の手で装置を保持・固定する一方、他方の手でスタイラスを掴む)、携帯電話等の片手用の携帯型電子装置とインターフェースし、それを操作するのには、概して好ましくない。手書き認識ソフトウエアは、スタイラス、親指又は他の指の入力に本質的に存在している入力の遅さ及び不便さを改善してきたが、大きな電力消費量、両手を使う必要性及び入力要素が(操作された)時にユーザーに知らせる触覚フィードバックの欠如等、他の欠点は依然として残っている。さらに、認識ソフトウエアは、適切に使用するための訓練を必要とし、訓練してもなおエラー率が高い。
【0011】
<ゲーム操作(制御)>
ゲーム制御には上記手法の多くが用いられているが、大部分の携帯型電子装置において、ユーザーは、小型のキーパッド及び/又は方向パッド(「Dパッド」)等の通常には装置の前面に配置された何らかの形式の入力要素を用いてゲームプレイを制御するのが普通である。携帯電話等のある種の携帯型電子装置でのゲーム制御は、その装置のサイズに起因して、本質的に片手で行うか、せいぜい両親指で行われる。一方、PDAおよび従来型ゲームコンソールコントローラ等の他の種の携帯型電子装置でのゲーム制御は、両手操作が通常である。これらの携帯型電子装置でのゲーム制御と関係付けられる入力要素は、デジタル式とするのが普通である。尤も、マイクロソフトのXboxやソニーのPlay Station 2等のPC型およびコンソール型ゲームシステムに対するゲームコントローラには、アナログ入力要素が用いられている。
【0012】
概要
本発明者の認識によれば、携帯型電子装置(hand-held electronic device)用の従来のヒューマンインターフェース及び入力システムは、使用に際して比較的柔軟性がなく、面倒で、かつ非効率であるという傾向がある。他にも理由があるが、その理由は、それらが、人の手の生物機械学(バイオメカニクス)、特に、親指(thumb)が他の指(親指以外の指,fingers)と向かい合わせであることに関連している長所、例えば広い範囲に動けることや大きな保持力を付与する能力等の親指の有用な属性、及び、例えば精緻な運動が制御できることや空間的な記憶ができることや動きが速いこと等の他の指の有用な属性、を生かすようには設計されていなかったからである。
【0013】
また、本発明者の認識によれば、データ入力および装置コントロール(装置操作、装置制御)の効率を改善するように開発されたコーダル及びモーダル技法等の入力技法は、従来の入力システムが本質的にもつ非効率性により制約を受けている。例えば、コーダル入力技法と組み合わせて用いられる小型のキーボードおよびキーパッドは、典型的なQWERTYキーボードと比較して、少ない数の入力要素を操作してはるかに複雑な機能性を提供するために、ユーザーに対して数多くの入力の組合せを記憶し且つ必要な運動スキルを発達させることを要求するだけでなく、人の手の親指および他の指を効率的に用いていない、つまり、入力タスクを人の手の親指および他の指に効率的に割り当てていない。さらに、モーダル入力技法と組み合わせて用いられる小型のキーボードおよびキーパッドは、ユーザーが効率的にデータを入力する能力−その能力は特定のシンボルを入力するのに必要なタップ回数とユーザーが親指又はスタイラスでいかに速く入力要素をタップしてその特定シンボルを選択できるかとに依存するのだが−を制限する恐れがある。
【0014】
また、本発明者の認識によれば、かかる装置においてゲームプレイを制御するユーザー能力は大きく制限されていた。例えば、アナログ式のゲーム制御はPC型およびコンソール型ゲームシステムのユーザーには利用可能であるが、携帯電話及びPDA等の携帯型電子装置については概して広く利用されていない。さらに、従来の携帯型電子装置用のゲーム制御部は、通常、装置の前面に配置されていたので、一般に、ユーザーがビデオスクリーンを眺めるのをユーザーの手が邪魔していた。また、ユーザーがコンソール型またはPC型ゲームシステムにおいて期待するようになってきた射撃用の又は特別な目的のゲーム制御作動用の「素早く引く(fast twitch)」制御(例えば、引き金)は、ゲーム制御用より寧ろデータ入力用に最適化されている従来のインターフェース及び入力システムの性質に一部に起因して、このような携帯型電子装置のユーザーには利用可能でないのが普通であった。
【0015】
その結果、本発明者は、(片手を用いるか両手を用いるかに関わらず)携帯型電子装置用のフレキシブルかつ効率的なヒューマンインターフェース及び入力システム、並びに技法を開発した。それらは、手が本質的にもつ向かい合わせの親指と他の指の人間工学(エルゴノミクス)を利用するとともに、従来の入力技法を用いることに対して今までに発達してきた技能を利用し、タイムリー、効率的、快適、且つ、直感的なやり方でデータ入力、装置制御及びゲーム制御を達成する。従って、新規に購入される携帯装置について通常予測されるトレーニングを超えるような特別なトレーニングは全く要求されない。
【0016】
本明細書に記載の携帯型電子装置用のヒューマンインターフェース及び入力システムの実装例には、以下の特徴の様々な組合せが含まれ得る。
【0017】
携帯型電子装置用の本ヒューマンインターフェースおよび入力システムは、ユーザーの片方若しくは両方の親指、又は、スタイラスにより操作され得る複数の入力要素を第1の面上に含むように構成できる。入力要素の少なくとも1つは、ソフトウエアにおいて、複数の入力機能へのアクセスを提供するように構成されてもよい。例えば、普通の携帯電話のキーパッドに見られるように、入力要素の1つが、テキストシンボル5、j、k及びlへのアクセスを提供し、一方、別の入力要素の一つがテキストシンボル3、d、e及びfへのアクセスを提供してもよい。このヒューマンインターフェースおよび入力システムは、また、ユーザーの4本指(親指以外の指)のどれかで操作され得る1つ以上の選択要素を第2の面上に含む。その選択要素は、ソフトウエアで構成することができる1つ以上の入力機能と関係付けられてもよい。例えば、選択要素は特定のシフト位置に対応するように構成してもよい。従って、ユーザーが、例えば、第3のシフト位置に対応するように構成された選択要素を操作すると、特定の入力要素によりアクセスされる入力機能は、その入力要素と関連付けられている第3の入力機能になるであろう。上記の例において、第3の入力機能は、テキストシンボル5、j、k及びlへのアクセスを提供する入力要素に対してテキストシンボル「k」となるであろう。
【0018】
選択要素の1つは、輪郭が描かれた複数のアクティブ領域及び非アクティブ領域を表すように構成され得る圧力センサーパッドとすることができる。これらの輪郭が描かれたアクティブ領域は、同様に、ソフトウエアによって1つ以上の入力機能に相当するように構成されることができる。輪郭が描かれた複数のアクティブ領域及び/又は非アクティブ領域を人間ユーザーが触覚で判別できるように、形状が変化する媒体(shape changing media)がその圧力センサーパッドに提供されてもよい。
【0019】
その入力要素及び/又は選択要素は、ユーザーがその要素を操作したとき又はプロセッサ上で実行されるソフトウエアアプリケーションにおいて発生するイベントに応答して、触覚上のフィードバックをユーザーにもたらすことができる触知可能なデテント(爪、detent)、振動ユニット及び/又は力発生ユニットと関連させることもできる。
【0020】
本ヒューマンインターフェース及び入力システムは、第1入力アセンブリ及び第2入力アセンブリを含むようにも構成することができる。第1入力アセンブリは、電子装置の1つ以上の面に位置するとともに人間ユーザーの片方若しくは両方の親指又はスタイラスにより容易且つ快適に作動されるように構成された複数の入力要素又は選択要素を含むことができる。第2入力アセンブリは、電子装置の1つ以上の面に位置するとともに人間ユーザーの4本指(親指以外の指)の1本以上の指により容易且つ快適に作動されるように構成された1つ以上の入力要素又は選択要素を含むことができる。その第1入力及び第2入力アセンブリは、携帯型電子装置の1つ以上の面に配置されていて、親指と他の指との向かい合わせの構成の利点を最大限生かすことができる。入力コントローラ等の感知回路を設け、第1及び/又は第2の入力アセンブリの要素が人間ユーザーにより操作されたときにその要素が生成する信号を受信するとともに、これらの信号を、受信した信号に基づいてその人間ユーザーにより与えられた入力の種類を決定することができるアプリケーションソフトウエアを実行するプロセッサが受信するのに適切な形式に変換してもよい。
【0021】
第1入力アセンブリは電子装置の前面に配置され得、一方、第2入力アセンブリは親指と他の指とが向かい合っているという利点を生かすことができるようにその電子装置の背面に配置され得る。このように構成すると、ユーザーは、第2入力アセンブリの要素を4本指(親指以外の指)の1本以上で操作しながら、第1入力アセンブリの入力要素を片方若しくは両方の親指又はスタイラスで操作することができる。
【0022】
第1及び/又は第2入力アセンブリの入力要素の入力機能は、その電子装置上で実行されているアプリケーションに依存して変更できる。テキストアプリケーション(例えば、電子メール、ワードプロセッシング又はテキストメッセージ作成)が電子装置上で実行されているとき、第1及び/又は第2入力アセンブリの要素は、シンボル等のデータ入力キーと関連付けられることができる。ゲームアプリケーションが電子装置上で実行されているとき、第1及び/又は第2入力アセンブリの入力要素は、方向制御、アクションボタン及び引き金ボタン等のゲーム制御と関連付けられることができる。第1及び/又は第2入力アセンブリの1つ以上の入力要素のソフトウエアアプリケーションへの割り当て(即ち、その1つ以上の入力要素をデータ入力キー、ゲーム制御又は装置制御のいずれとして動作させるか)は、ソフトウエアアプリケーション開発者またはユーザーが、ダウンロード又は他のプログラミング様式によってカスタマイズすることができる。更に、多数の国で用いられる携帯型電子装置を生産するコストを低減するために、所望の国の言語に特有の入力要素のセットがソフトウエアにより提供され得る。
【0023】
本明細書に記載のシステム及び技法は、以下の利点の1つ以上を提供する。本ヒューマンインターフェースおよび入力システム並びに関連する技法は、最も過酷なゲーム入力要件をサポートできる高性能ゲームコントローラの機能と、従来の標準QWERTYキーボードの使用により得ることができるデータ入力の速度および正確さと、を大きな面積を伴うことなく提供する。また、本ヒューマンインターフェースおよび入力システム並びに関係する技法は、必要なキーストロークまたはタップの回数を増加させずに、所与の数の入力要素と関係付けられる機能の数を増加することもできる。更に、入力要素のサイズが、従来の入力システムと比較して、その入力システムの使用法を学習するのにかかる時間を増加させることなく、人間の手の人間工学との調和を維持することを可能とする。
【0024】
1つ以上の実装例の詳細を、付帯の図面および下記の説明で述べる。他の特徴及び利点は、説明、図面及び請求項から明らかであろう。
【0025】
各図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0026】
詳細な説明
<人間の手の生物機械学(バイオメカニクス)>
人間の手は、対向させることが可能な親指と他の4本の指とを備える。即ち、親指は、他の4本の指のいずれかと、対向した状態で、協同し、組み合わせ又は機能的に関連して、用いられる。人間の親指以外の指と比較すると、人間の親指は、動きの範囲が広く、強い保持力を発生する動作ができ、そして器用さが劣ると特徴付けることができる。親指の付け根の関節は、3つの自由度、即ち、横から横への動き、上下の動き及び親指の長軸廻りの回転、を有し、一方、他の指の付け根の関節は、2つの自由度、即ち、横から横の動き及び上下の動きを有する。従って、親指は、一般に、他の指のどれよりも動きの領域が良好であると考えられる。また、人間の親指は他の指のどれよりも、より大きな動作筋肉を有しているので、他の指より大きな保持力を提供する。反面、その大きな筋肉に起因して、人間の親指は発揮され得る細かな運動制御及び動きの素早さが他の指と比較した場合に低いのが難点である。従って、人間の4本の指(親指以外の指)は、細かな動きの調整、或いは、位置を正確に狙う能力又は動作を迅速に反復する能力が要求されるタスクを実行するのに、より適している。
【0027】
<携帯型電子装置のハードウエア概観>
図1は、ヒューマンインターフェース、携帯電話、PDA、ポケット型PC又はスマートフォン、若しくは本明細書に記載の入力システム及び関連する入力技法が実装され得る他の同様な入力装置等の携帯型電子装置(hand-held electronic device;手持ちサイズの電子装置)100を説明するブロック図である。電子装置100は、情報通信のためのバス102または他の通信メカニズムと、ARM、OMAP又は他の類似プロセッサ等のプロセッサ104と、を含む。プロセッサ104は、バス102と接続され、組み込まれたソフトウエア、ファームウエア、文字伝達アプリケーション(text messaging application)又はビデオゲーム等のソフトウエアアプリケーションである1つ以上の命令を含む1つ以上のシーケンス等の情報処理を行う。電子装置100は、また、バス102に接続されるとともに、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的格納装置等の、プロセッサ104が実行する情報や命令を格納する主メモリ106を含んでもよい。主メモリ106は、プロセッサ104による命令の実行中に、一時的な変数又は他の中間情報を格納するために用いられ得る。電子装置100は、更に、バス102に接続されるとともに、プロセッサ104のための静的情報や命令を格納するリードオンリーメモリ(ROM)108又は他の静的格納装置を含んでもよい。情報および命令を格納するためにバス102に接続される格納装置110を設けてもよい。電子装置100は、情報をユーザーに表示するための液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ112と、情報および命令選択をプロセッサ104に伝達するヒューマンインターフェース及び入力システム114と、を含んでもよい。電子装置100は、バス102に接続された通信インターフェース118を含んでもよい。通信インターフェース118は、基地局と接続される双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース118は、無線リンク、対応する形式の電話線へのデータ通信接続を提供するモデム又は当業者に周知の任意の他の通信インターフェースでもよい。別の実施例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。無線リンクの実装例では、通信インターフェース118は、各種情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁気又は光信号を送受信できる。
【0028】
<ヒューマンインターフェースおよび入力システム概観>
図2は、ヒューマンインターフェース及び入力システム114の主要サブシステムを説明するブロック図である。入力システム114は、第1入力アセンブリ206、第2入力アセンブリ208及び入力コントローラ216を含むことができる。第1入力アセンブリ206及び第2入力アセンブリ208は、1つ以上の入力要素又は選択要素を含むことができる。その入力または選択要素は、その入力又は選択要素が作動させられると1つ以上の電気信号214を発生する1つ以上のセンサと関係付けられたキー、ボタン、圧力センサーパッド、タッチパッド又は他のアクチュエータであってよい。1つ以上のプロセッサを含むこともある入力コントローラ216は、1つ以上の電気信号214を受信するとともに、バス102を通過した後でプロセッサ104が受信し解釈するのに適した形式にそれらの信号を変換する。
【0029】
組み込み型のソフトウエア、ファームウエア又は文字伝達アプリケーション等のソフトウエアアプリケーションを実行しているプロセッサ104に応答して、1つ以上のコンテクスト信号222がバス102を介して入力コントローラ216に提供される。コンテクスト信号222は、入力コントローラ216に受信され、第1入力アセンブリ206及び/又は第2入力アセンブリ208の入力要素又は選択要素を、1つ以上のアプリケーションの入力機能及び応答へ割り当てるのに使用される。例えば、テキストアプリケーションがプロセッサ104により実行されている場合、入力コントローラ216は、第1入力アセンブリ206の1つ以上の入力要素を、文字(character)、字(letter)、数字、アイコン、他の種類のシンボル又は異なる種類のシンボルの組合せ等の、1つ以上のシンボルに割り当てるとともに、第2入力アセンブリ208の1つ以上の入力要素又は選択要素を、シフト又はインデックス機能に割り当てることができる。プロセッサ104がゲームアプリケーションを実行している場合、入力コントローラ216は、入力アセンブリ206、208の入力要素又は選択要素をゲーム機能に割り当てることができる。その入力要素又は選択要素の所与のソフトウエアアプリケーションに対する特定の入力機能への割り当ては、入力コントローラ216又はプロセッサ104のいずれが実行するにせよ、アプリケーション開発者又はユーザーがダウンロード又は他のプログラミング様式を介してカスタマイズすることができる。更に、入力要素または選択要素の割り当ては、言語キー設定変更のために行われてもよく、それは多くの国でサービスを提供する製造者にとって携帯型電子装置の生産コストを低減させることができる。
【0030】
入力システム114の代替の実装例は、特に、コストが重要な場合、入力コントローラ216を有することを必要としない。この例では、プロセッサ104が入力コントローラ216の機能を担うことになる。つまり、プロセッサ104は上述した割り当て機能を実行することができる。
【0031】
<ヒューマンインターフェースおよび入力システムならびに技法の実装例>
図3の(a)及び図3の(b)は、ヒューマンインターフェース及び入力システムの実装例を実装可能な携帯型電子装置302の前面および背面の等角投影法図である。電子装置302は、6つの平面又は曲面を含む。即ち、前面312、背面314、左側面316、右側面318、上面320及び底面322である。しかし、他の実装例においては、電子装置302は6面より多くの又は6面より少ない平面及び/又は曲面を有してもよい。前面312には、LCD等のディスプレイ330及び第1入力アセンブリ340が互いに隣接して配置されている。その代わりとして、ディスプレイ330は、軸に回転可能に取り付けられたスクリーン又は折りたたみ式携帯電話(flip-phone)の構成をもつPDA及び携帯電話のディスプレイのように、別のアセンブリ上にあってもよい。また、第1入力アセンブリ340は2面以上に配置されてもよい。第1入力アセンブリは、12個の入力要素342を含む典型的な携帯電話キーパッドでよいが、任意の数の入力要素が備えられていてもよい。ユーザーの片方若しくは両方の親指、又は、スタイラスで入力要素342を動作させることができる。
【0032】
第2入力アセンブリ350は、背面314、左側面316及び右側面318に配置される。その代わりとして、第2入力アセンブリは、これらの面の1つ又はこれらの面の組合せに配置してもよい。本実装例において、第1入力アセンブリ340は、第2入力アセンブリ350に対して、人間の親指と他の指とが向かい合わせになっている利点を生かすよう相対配置される。第2入力アセンブリ350は、ユーザーの4本指(親指以外の指)の1本以上の指により作動させられ、ソフトウエアによって構成変更が可能な複数のアクティブ領域を有する圧力センサーパッド354を含んでいる。本実装例の圧力センサーパッド354は、力感知抵抗アレイ、容量型マット又はアレイ、若しくは、パッド354の表面上の複数のアクティブ領域の圧力読み取りに対応する複数の出力を提供できる他の類似の圧力感知装置又はグリッドに取り付けられる、エラストマ材料等からなるアクチュエータを含むことができる。ここで、圧力センサーパッド354は、左側面316から、背面314を横切って、右側面318まで回り込んでいる。
【0033】
本実装例および他の任意の実装例における入力要素342、354は、アナログ式及び/又はデジタル式ボタン、キー、揺れ動くようにできたもの(ロッカ;1つ以上の位置ボタン又はアナログ式ジョイスティック型ボタン)、スライダ、圧力センサ(力感知抵抗器、ピエゾ抵抗型センサ及び容量型センサ等)又は位置センサ(ロータリーエンコーダ、リニアポテンショメータ等)又は他のセンサと組み合わせて使用されるダイヤル若しくはタッチパッド、或いは、それらの任意の組み合わせとすることができることは言うまでもない。
【0034】
図3cは、1つ以上のテキスト機能を表すように割り当てられている第1入力アセンブリ340の入力要素342の分解図を示す。ここで、その入力要素は、携帯電話の典型的なキーパッドに見られるように、数字7、ならびに字p、q、r及びsを表すよう割り当てられている。他の入力要素342は、他の字、数字及び/又はアイコンと関係付けられることになる。例えば、ある入力要素は、数字4、並びに字g、h及びiと関係付けられ、一方、別の入力要素は数字2、並びに字a、b及びcと関係付けられる。
【0035】
図3dに示すように、圧力センサーパッド354は、アプリケーションによって異なるようにプログラム可能な機能に対応する1つ以上の輪郭が描かれた(区切られた)アクティブ領域を表すようにソフトウエアによって構成されてもよい。この場合、逆U字形のアクティブ領域360がアクティブ領域を形成する。すなわち、逆U字形のアクティブ領域360の垂直部362は左側面316及び右側面318上にあり、逆U字形アクティブ領域360の水平部362は背面314上において圧力センサーパッド354の上縁に沿っている。背面314上の逆U字形アクティブ領域360の下部には、1から5までのラベルが付けられた5つの長円形アクティブ領域372がある。左側面316および右側面318の両方の下部には、圧力センサーパッド354の背面314に延伸する矩形アクティブ領域374、376、378、380がある。圧力センサーパッド354の残りの領域は非アクティブとなるように構成される。
【0036】
本実装例においては、逆U字形アクティブ領域360はナビゲーションに用いられる。即ち、y方向の動きには垂直部362を、x方向の動きには水平部364を用いる。長円形アクティブ領域372は、文字、字及び/又は数字等のシンボル間のシフト又はインデックス用、或いは、テキスト入力用に使用される。矩形アクティブ領域374、376、378、380は、即ち、左利きユーザー用の2つのアクティブ領域374、376と左右利きユーザー用の2つのアクティブ領域378、380とは、モード間をシフトするために使用される。圧力センサーパッド354の別の構成においては、所望の数のアクティブ領域を実現するために、圧力センサーパッド354の全面が、小さな矩形の水平な非アクティブ領域の間に点在させられた水平の矩形アクティブ領域により覆われてもよい。圧力センサーパッド354の他の構成は、所望のアプリケーションの要件に応じて実現できる。
【0037】
圧力センサーパッド354の輪郭が描かれたアクティブ領域は、ユーザーの4本指(親指以外の指)の1本以上によって、パッド354の輪郭が描かれたアクティブ領域に対して、所定の又はユーザーが調整可能な閾値圧力を超える圧力を加える等により、作動させることができる。同様に、圧力が存在しないことを作動イベントとして用いることができる。また、圧力センサーパッド354は、ユーザーが1つ以上の輪郭が描かれたアクティブ領域の間を触覚によって判別することができるようにする、例えば、電子レアスタティック流体(electrorheastatic fluid)、形状記憶金属のアレイ又は類似の材料等の、形状変化媒体を含んでもよく、或いは、その形状変化媒体の上又は下に取り付けられてもよい。これにより、ユーザーは、1つ以上の輪郭が描かれたアクティブ領域が物理的なボタンであるかの如く同アクティブ領域を知覚することができる。また、パッド354の輪郭が描かれたアクティブ領域の構成をコンピューターグラフィックで表現(不図示)したものを一時的に(またはある所定の時間)ディスプレイ330の一部に表示して、ユーザーが、パッド354の輪郭が描かれたアクティブ領域どこに配置されているかを確認するのを視覚的に支援してもよい。更に、第1入力アセンブリ340の入力要素342に、コンピューターグラフィック表現の表示のアクティブ化及び/又は非アクティブ化を割り当ててもよい。
【0038】
前面312上の第1入力アセンブリ340、背面314、左側面316及び右側面318上の第2入力アセンブリ350を有する上述した入力アーキテクチャは、ユーザーが左利きであろうと右利きであろうとに関わらず、手の生体機械学(生体力学、バイオメカニックス)の利点を生かすよう構成される。例えば、この構成は、従来のテキスト入力システムで見られるようなモーダル入力技法を用いた典型的なキーパッドだけを使用して入力する際に必要とされる親指のタップ回数又はスタイラスの押下回数と比較して、特定のシンボルを入力するのに必要な親指のタップ回数を減少させることができる。更に、この構成は、既存の携帯電話用の典型的なキーパッドと比較して、第1入力アセンブリ340上の入力要素をより少なくし、且つ、入力要素間の間隔をより広くして入力し易さを向上しつつ、フルキーボードの能力をもたらしている。また、この構成は、最も厳しいゲーム入力要件をサポートできる高性能ゲームコントローラの総ての機能を可能にする。
【0039】
フルキーボードの能力を実装し且つ親指のタップ回数を減少させる方法は、長円形アクティブ領域372のような圧力センサーパッド354の輪郭が描かれたアクティブ領域を、インデックス機能又はシフト機能にソフトウエアで割り当て、人の4本の指(親指以外の指)の能力、即ち、速い動き、空間的な記憶力及び精緻な動きができるという4本の指の利点を活用し、並びに、第1入力アセンブリ340の入力要素342を、テキスト機能にソフトウエアで割り当て、人の親指の能力、即ち、範囲の広い動き及び保持力動作の利点を活用する方法である。
【0040】
文字伝達アプリケーションが電子装置302上で実行され且つスクリーン330上に表示されている場合、第1入力アセンブリ340及び第2入力アセンブリ350は文字伝達機能を実行するために共に使用される。第1入力アセンブリ340の各入力要素342は、1つ以上のテキスト機能を表すことができる。例えば、典型的なキーパッドに見られるように、ある入力要素は10進数2と字a、b及びcとに関係付けられ、一方別の入力要素は10進数7と字p、q、r及びs(図3cに示す)と関係付けられ得る。
【0041】
この実装例では、入力要素342は、携帯電話の典型的なキーパッドと同様に構成されている。特定の入力要素342に対してユーザーによって入力される特定のテキスト機能は、圧力センサーパッド354の輪郭が描かれたアクティブ領域のどれが押されるかにより決定される。例えば、左から右に向かって、各長円形アクティブ領域372は別々のインデックスまたはシフト位置を表すように割り当てられ、その結果、インデックス位置1が最も左の長円形アクティブ領域(1とラベル付けされた領域)に割り当てられ、インデックス位置2が隣の長円形アクティブ領域372(2とラベル付けされた領域)に割り当てられ、順に進んで、インデックス位置5が最も右の長円形アクティブ領域372(5とラベル付けされた領域)に割り当てられる。従って、ワード「yes」を入力するには、ユーザーは、4本の指(親指以外の指)のどれかでインデックス位置4を表す長円形アクティブ領域372を押すとともに親指で字「y」を表す特定の入力要素342を押し、次いで、ユーザーは、4本指(親指以外の指)のどれかでインデックス位置3を表す長円形アクティブ領域372を押すとともに親指で字「e」を表す入力要素342を押し、そして次に、ユーザーは、4本指(親指以外の指)のどれかでインデックス位置5を表す長円形アクティブ領域372を押すとともに親指で字「s」を表す入力要素342を押せばよい。
【0042】
握る動き以外の親指の動きと他の指の動きとの協調は、ほとんどの人にとって困難かもしれない。一般に、2種類の別々の動きを同時に行うのは、困難なことがある。しかしながら、ここに開示されたヒューマンインターフェースおよび入力システムは、システムのフレキシビリティに起因して、この種の動きを要求しない。一般に、親指および他の指(親指以外の指)の両方でタップするか、親指又は他の指(親指以外の指)のどちらかを入力要素又は輪郭が描かれたアクティブ領域に接触させたままにして、他方を動かすことは容易である。例えば、ユーザーの親指が第1入力アセンブリ340の入力要素342をタップするのと同時に又は殆ど同時に、ユーザーの他の指(親指以外の指)は長円形アクティブ領域372を押すことができる。
【0043】
また、ユーザーは、長円形アクティブ領域372を押しながら、親指で入力要素342をタップすることもできる。典型的には、第1入力アセンブリ340の入力要素342をタップしながら、長円形アクティブ領域372を押す又は長円形アクティブ領域372にタッチすることは、自然に、快適に且つ容易に行うことができる。同様に、親指が第1入力アセンブリ340の入力要素342をタップする間に、人差し指が、ある長円形アクティブ領域372から次の領域に、一般には左から右へ又はその逆に、ほぼ直線的に動く場合も同じことが言える(自然、快適且つ容易に行える。)。
【0044】
4本指/親指の協調を実装する別の方法は、4本指(親指以外の指)のタップと親指のタップとの間の非同期又は連続的に起こる(シーケンシャルな)タップを容認することである。例えば、長円形アクティブ領域372を押して離した後、所定の時間(例えば、1秒)以内に入力要素342を押すと、あたかも両方を同時に押したのと同じ動作を構成する。この時間枠は、タイピングの上達、又は、異なるアプリケーションの種類を容易にするようにユーザーが構成できる。つまり、ゲームアプリケーションでは、時間枠を非常に短く、テキスト入力アプリケーションでは、時間枠をずっと長くできる。その時間枠は、描かれたアクティブ領域に対して所与のアプリケーションにおいて意図された機能に基づいて、その輪郭が描かれたアクティブ領域毎に変えてもよい。
【0045】
フルキーボードの能力を実装し且つ親指のタップ回数を減少させる別の方法は、第2入力アセンブリ350の輪郭が描かれたアクティブ領域をソフトウエアで以下のように割り当てる方法である。逆U字形アクティブ領域360の左の垂直部362をシフト位置1に、水平部364に沿ういずれかの部分をシフト位置2に、左上矩形アクティブ領域378をシフト位置3に、右上矩形アクティブ領域374をシフト位置4に、左下矩形アクティブ領域380をシフト位置5に割り当て、必要に応じて、右下矩形アクティブ領域376を割り当てる。第1入力アセンブリ340の入力要素342は、ここでもテキスト機能に割り当てられる。
【0046】
従って、ワード「yes」を入力するには、ユーザーは、4本指(親指以外の指)のどれかでシフト位置4を表す右上矩形アクティブ領域374を押すとともに、親指で字「y」を表す特定の入力要素342を押し、次いで、ユーザーは、4本指(親指以外の指)のどれかでインデックス位置3を表す左上矩形アクティブ領域378を押すとともに、親指で字「e」を表す入力要素342を押し、その後、ユーザーは、4本指(親指以外の指)のどれかでインデックス位置5を表す左下矩形アクティブ領域380を押すとともに、親指で字「s」を表す入力要素342を押せばよい。
【0047】
ゲームコントローラの機能を実装する方法は、第1入力アセンブリ340の入力要素342を、特定のゲーム機能にソフトウエアで割り当て、人間の親指の能力、即ち、動きの範囲、保持力動作の利点を生かすとともに、第2入力アセンブリ350の圧力センサーパッド354の輪郭が描かれたアクティブ領域をソフトウエアでアナログ操作に割り当て、人間の4本指(親指以外の指)の能力、即ち、速い動き、空間的記憶力及び精緻な動き制御の利点を生かす方法である。従って、ユーザーの人差し指または中指が、長円形アクティブ領域372、逆U字形アクティブ領域360の水平部364及び/又は矩形アクティブ領域370に亘って左から右にスライドする際、入力コントローラ(不図示)は、その動きを、速度、大きさ、位置等のパラメータが「増大している」と解釈することができる。その代わりとして、入力コントローラは、これらの輪郭が描かれたアクティブ領域に加えられる異なるレベルの圧力を、パラメータが「増大している」と解釈するようにプログラムされ得る。即ち、圧力の増加が、速度、大きさ、位置等の増加を表すと解釈するようにプログラムされ得る。
【0048】
この実装例では、逆U字形アクティブ領域360の垂直部362が、ゲームにおけるキャラクタ制御のy方向(垂直)の動きを表し、一方、U字形アクティブ領域360の水平部364が、x方向(水平)の動きを表すようにプログラムされ得る。視野に入る、または視野から出る動きは、左右の矩形ボタン374、376、378、380により制御できるので、3D(三次元)制御が可能である。武器の迅速な発射は、第1入力アセンブリ340の入力要素342、又は、それぞれが異なる武器又はアクションを表す5つの長円形アクティブ領域372の1つを用いることにより達成され得る。複雑な動き又はモードのシフトは、第1入力アセンブリ340の入力要素342を、第2入力アセンブリ350の輪郭が描かれたアクティブ領域のどれかと組み合わせることによって達成され得る。このように、ゲーム開発者は、特定のゲームに対する最良の構成に基づいて、輪郭が描かれたアクティブ領域の割り当てを最適化することができる。例えば、ゲーム開発者は、初めてのプレイヤーでも短い学習時間で上達し且つゲーム制御が簡単にできるようにするために、異なる数またはサイズの輪郭が描かれたアクティブ領域を割り当てる等、上級ユーザー用と異なる初級ユーザー用の制御構成を設定できる。
【0049】
図4の(a)及び図4の(b)は、第2入力アセンブリ450が、矩形のタッチパッドとすることができる3つの入力または選択要素454、456、458を含む点を除いて、図3の(a)及び図3の(b)に示した装置と類似の携帯型電子装置402の前面および背面の等角図をそれぞれ示す。各タッチパッド454、456、458は、その表面上のどこであっても、物体またはユーザーの指(親指以外の指)の接触場所を変換できる。また、各タッチパッド454、456、458は、プログラミング可能な異なる機能と対応してもよい。ここで、タッチパッド454は背面414上に配置し、タッチパッド456は左側面416上に配置し、そしてタッチパッド458は右側面418上に配置してもよい。
【0050】
携帯電話またはPDA等の携帯装置においては、第2入力アセンブリ450は、背面414上に対角線状に配置されたタッチパッドを、左側面416上の別のタッチパッドとともに含んでもよい。何故なら、右利きのユーザーの人差し指は、通常、背面414の対角線に沿って置かれ、左側面416にまで回り込むからである。その場合、第2入力アセンブリ450は、タッチパッド454及びタッチパッド456を含むことができる。ユーザーの指(親指以外の指)は、所望の機能を選択するためにタッチパッドの帯454の最も長い長さに沿って動く。例えば、タッチパッド454の左端部はインデックス位置1に割り当てられ、タッチパッド454の右端部はインデックス位置5に割り当てられることができ、そして、タッチパッド454の左端部と右端部との間の部分は中間のインデックス位置に割り当てられることができる。その代わりとして、インデックス位置1は、右利きユーザー用にタッチパッド456に割り当てられ、左利きユーザー用にタッチパッド458に割り当てられることができる。従って、この実装例においては、テキスト入力は、図3(a)及び図3の(b)について説明した場合と類似している。タッチパッド454、456、458のアクティブ領域の他の構成が可能であり、特定のアプリケーションに適応させることができる。
【0051】
図5の(a)及び図5の(b)は、第2入力アセンブリ550が、ユーザーの4本の指(親指以外の指)のどれか、典型的には、ユーザーの人差し指又は中指、若しくはその両方の組合せにより作動させられる3つの入力要素又は選択要素554を含む点を除いて、図3の(a)及び図3の(b)に示す装置と類似の携帯型電子装置502の前面及び背面の等角図をそれぞれ示す。この実装例の入力要素554は、従来の二位置ロッカ(二つの位置を取るもの)である。従って、第2入力アセンブリ550は、パッシブな触覚フィードバックを内蔵するとともに、比較的低価格にて6つのインデックス位置を提供できる。
【0052】
図6の(a)及び図6の(b)は、第2入力アセンブリ650が、3つの入力要素又は選択要素654、656、658を含む点を除いて、図3の(a)及び図3の(b)に示す装置と類似の携帯型電子装置602の前面及び背面の等角図をそれぞれ示す。入力要素654はDパッド入力装置であってよく、入力要素656、658はデジタル式またはアナログ式の接触センサでもよい。Dパッド654は、背面614の中心に取り付けられ、1つ以上のインデックスまたはシフト位置を表すようにソフトウエアで割り当てられ得る。例えば、Dパッド654は、4つのインデックス位置を、それぞれが異なるインデックス位置を表すDパッドの各コンパスヘッド(例えば、北、南、東及び西)とともに表すように割り当てられてもよい。第5のインデックス位置は、Dパッド654の中心の、装置602の内方への垂直な動きに割り当てられ得る。その代わりとして、Dパッド654に8つのインデックス位置、例えば、コンパスの方向、北、南、東、西、北東、北西、南東及び南西を表すように割り当てることができる。接触センサ656、658は、モード機能、武器の発射、又はアプリケーション開発者が規定する他の機能として用いることができる。
【0053】
図7の(a)及び図7の(b)は、両手用携帯型電子装置702の前面および背面の等角図をそれぞれ示す。複数の入力要素742を含む第1入力アセンブリ740が、前面712上に配置されている。2つの入力要素又は選択要素754、756を含む第2入力アセンブリ750が、背面714上に配置されている。この実装例では、その2つの入力要素754、756はロータリーダイヤル(回転式ダイヤル、回転式センサ)である。その代わりとして、ロータリーダイヤル754は左側面716上に配置され、ロータリーダイヤル756は右側面718上に配置されてもよい。携帯電話等の片手用携帯型電子装置においては、ロータリーダイヤルを背面714に配置する場合は1つのロータリーダイヤルが必要であり、ロータリーダイヤルを左右側面716、718に配置する場合は2つのロータリーダイヤルが必要であるのが典型的である。ロータリーダイヤル754、756の回転は、1つ以上のインデックス位置を表すようにソフトウエアで割り当てられ得る。ロータリーダイヤル754、756にデテントを実装することにより、ユーザーが別々のインデックス位置を判別することができる。即ち、ユーザーの指(親指以外の指)に触覚フィードバックを与えることができる。
【0054】
図8は、本明細書に開示されたヒューマンインターフェース及び入力システム、並びに関係する技法を実装可能な、通信システムにおける携帯電話又はPDA等の携帯型電子装置800を説明するブロック図である。ネットワークリンク820は、1つ以上のネットワークを介して、他の装置へのデータ通信を提供するのが典型的である。例えば、ネットワークリンク820は、ローカルネットワーク822を介して、ホストコンピュータ824への又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)826が運営するデータ設備への接続を提供する。次いで、ISP826は、現在では一般に「インターネット」828と呼ばれるワールドワイドのパケットデータ通信ネットワークを介するデータ通信サービスを順に提供する。ネットワークリンク820は、ISP826及びインターネット828への直接的なデータ通信を提供することもできる。ローカルネットワーク822及びインターネット828は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁気又は光信号を用いる。各種のネットワークを通る信号と、電子装置800へのデジタルデータ及び電子装置800からのデジタルデータを搬送するネットワークリンク820上の信号とは、情報を伝送する例示的な形式の搬送波である。
【0055】
電子装置800は、ネットワーク及びネットワークリンク820を通して、メッセージを送信し、且つ、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを含むプログラムコードを含んだデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ830は、インターネット828、ISP826、ローカルネットワーク822及びネットワークリンク820を介して、アプリケーションプログラム用に要求されたコードを送信することもある。一態様では、このようなダウンロードした一つのアプリケーションは、搬送波の形式でアプリケーションコードを取得することができる電子装置800上で実施されるソフトウエアゲーム用であり得る。
【0056】
上記実装例のいずれにおいても、アクティブ及び/又はパッシブな触覚フィードバックが実装され得る。パッシブな触覚フィードバックを提供するために、第1及び/又は第2の入力アセンブリの入力要素を、ドーム型キャップまたはドーム型スプリング等のユーザーが触知することができるデテントと組み合わせることが可能であり、それにより、ユーザーは、入力要素のアクティブ化及び/又は非アクティブ化を、4本指(親指以外の指)又は親指により触覚で知覚できる。一実装例においては、とりわけ、触知可能なデテントが、入力要素のアクチュエータとセンサ構成部品との間に配置される。アクティブな触覚フィードバックを提供するために、1つ以上の振動ユニット又は力発生ユニットが携帯型電子装置に搭載され且つアクティブ化され、タップ、インデックスレベル又は他の情報をユーザーに提供することができる。振動ユニットは、偏心した質量体をモーター軸に取り付けた電気モーター、ソレノイド、可変リラクタンス装置、音声スピーカー又は触覚フィードバックを提供可能な任意の他の振動器でもよい。力発生ユニットは、非振動モードのソレノイド、モーター、非振動アクチュエータ又は力を発生可能な任意の他のアクチュエータでもよい。振動ユニット及び/又は力発生ユニットは、各入力要素毎に提供されてもよい。その場合、振動ユニット及び/又は力発生ユニットは、入力要素の下に取り付けられ得、それにより、振動ユニット及び/又は力発生ユニットが作動されられると、振動ユニット及び/又は力発生ユニットは、電子装置の表面を、知らせるべき情報に応じて異なるレベル又は位置に押し出すことができる。従って、圧力センサーパッド又はタッチパッドを入力要素として用いる態様においては、段のついたアレイが、タッチパッド又は圧力センサーパッドを横切る方向に、段々と高くなるインデックス位置のレベルを示すように構成され得る。振動ユニット及び/又は力発生ユニットを用いて、触覚フィードバックを提供し、ゲームアプリケーションの標的ロック等、目標の瞬間的な獲得を知らせることもできる。触覚フィードバックは、また、入力要素の硬さ(スティフネス)を電気的に変化させたり又はユーザーの手もしくは指を押したりしてソフトウエアアプリケーションにおける対象となるイベントを示すソレノイド等のアクチュエータにより、達成することもできる。
【0057】
本明細書に開示された計算に関する特徴は、アナログ式又はデジタル式の電子回路、又はコンピューターハードウエア、ファームウエア、ソフトウエア若しくはそれらの組合せで実現できる。適切な場合、これらのシステムおよび技法の特徴は、プログラマブルプロセッサにより実行されるために機械可読格納装置に実際に組み込まれるコンピュータープログラム製品に実装でき、方法ステップは、入力データを操作するとともに出力を生成することにより機能を実行するためにプログラムの命令を実行するプログラマブルプロセッサによって実施され得る。
【0058】
上記のシステムおよび技法は、親指と他の指(親指以外の指)の生体機械学(生体力学)を利用している。即ち、上記のシステムおよび技法は、それらが向かい合わせになっている機能、4本指(親指以外の指)の精緻な動き制御及び親指が提供する範囲の広い動きと力の強い動作を使用している。4本指(親指以外の指)と親指とを協調させて用いることにより、所与の機能を達成するのに必要なタップ回数及び時間を減少させられ、正確さが向上させられ、更に、人間の手に本質的な自然なプログラミングが、他のシステムで要求される訓練に取って代わる。
【0059】
幾つかの実装例について説明した。他の実装例は、異なる又は追加の特徴を含んでもよい。例えば、第1および第2の入力アセンブリの1つ以上の入力要素の他の構成が実現できる。また、本明細書に記載の携帯型電子装置は、6面より多くの又は6面未満の平面若しくは曲面を有してもよい。更に、第1および第2の入力アセンブリの入力要素の数は、上記実装例で説明した入力要素の数に限定されない。
【0060】
また、第1及び第2の入力アセンブリの1つ以上の入力要素は、キー、ボタン、タッチパッド、他の種類のパッド、ロッカ、スライダ、ダイヤル、接触センサ又は任意のセンサと関連付けられた他のアクチュエータ等、当業者に知られた任意の入力又は選択形式としてもよい。アクチュエータと関連付けられた各センサには、デジタル式瞬時ON/OFFスイッチ、圧力センサ(例えば、力感知抵抗器、ピエゾフィルムセンサ又は容量性センサ)や位置センサ(例えば、回転式又は直線式ポテンショメータ、若しくは、エンコーダ)等のアナログセンサ、又は当業者に知られた他のアナログセンサ、或いは、加速度メーターやジャイロスコープが含まれる。第1および第2の入力アセンブリには、これらの様々な種類の入力要素又は選択要素の組合せが含まれ、それは図に示された構成で取り付けられるか、又は、携帯型電子装置の内部に組み込まれ、その装置全体の動きによる制御を可能としてもよい。
【0061】
更に、データ入力、装置制御又はゲーム制御を提供する方法は、異なる順序で実行されることができ、その場合でも所望の結果を達成することができる。従って、他の実施例は、請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、ヒューマンインターフェース及び入力システムを実装可能な典型的な携帯型電子装置のブロック図である。
【図2】図2は、ヒューマンインターフェース及び入力システムの実装例のブロック図である。
【図3】図3の(a)は、携帯型電子装置の前面の等角図、図3の(b)は、携帯型電子装置の背面の等角図(第2入力アセンブリには、複数の構成可能アクティブ領域を有する圧力センサーパッドが含まれる。)である。
【図3c】図3cは、第1入力アセンブリの入力要素の実施例の分解図を示す。
【図3d】図3dは、第2入力アセンブリの圧力センサーパッドの複数の構成可能アクティブ領域の構成の一実装例を示す。
【図4】図4の(a)は、携帯型電子装置の前面の等角図、図4の(b)は、携帯型電子装置の背面の等角図を(第2入力アセンブリには、3つのタッチパッドが含まれる。)を示す。
【図5】図5の(a)は、携帯型電子装置の前面の等角図、図5の(b)は、携帯型電子装置の背面の等角図(第2入力アセンブリには、3つの二位置ロッカが含まれる。)を示す。
【図6】図6の(a)は、携帯型電子装置の前面の等角図、図6の(b)は、携帯型電子装置の背面の等角図(第2入力アセンブリには、Dパッドおよび2つの接触センサが含まれる。)を示す。
【図7】図7は、両手持ちの携帯型電子装置(第2入力アセンブリには、2つの回転式ダイヤルが含まれる。)を示す。
【図8】図8は、本明細書に記載のヒューマンインターフェース及び入力システム並びに技法を実装するために用いる通信システムの文脈における携帯型電子装置のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子装置であって、
人間ユーザーの片方若しくは両方の親指、又は、スタイラスによる、複数の入力要素の操作によって、同ユーザーから入力を受け取るように構成された同複数の入力要素を有する第1面であって、同入力要素の少なくとも1つは、2つ以上の入力機能への選択的なアクセスを提供するように更に構成された第1面と、
前記ユーザーの親指以外の指の1本以上の指で操作するように構成された1つ以上の選択要素を有する第2面であって、選択要素の操作は、1つ以上の入力要素の前記入力機能を変化させる第2面と、
を備える携帯型電子装置。
【請求項2】
前記第1面および前記第2面は、前記ユーザーの向き合わせの親指と親指以外の指との生体機械学効果を最適化するよう配列された、請求項1の装置。
【請求項3】
前記選択要素の少なくとも1つは、複数の輪郭が描かれたアクティブ領域を表すように構成可能な圧力センサーパッドであり、その輪郭が描かれたアクティブ領域の操作は、1つ以上の入力要素の前記入力機能を変化させる、請求項1の装置。
【請求項4】
前記複数の輪郭が描かれたアクティブ領域間を前記ユーザーが触覚で判別できるように、前記圧力センサーパッドに対して構成した形状変化媒体を更に備える、請求項3の装置。
【請求項5】
プロセッサを更に備え、前記プロセッサは、前記入力要素および選択要素が前記ユーザーにより操作された時に、前記入力要素および選択要素が生成する信号を受信する、請求項1の装置。
【請求項6】
入力コントローラを更に備え、前記入力コントローラは、前記入力要素および選択要素が前記ユーザーにより操作された時に、前記入力要素および選択要素が生成する信号を受信するとともに、前記受信した信号を、プロセッサが解釈するのに適した形式に変換する、請求項1の装置。
【請求項7】
前記選択要素の少なくとも1つが回転式ダイヤルである、請求項1の装置。
【請求項8】
前記選択要素の少なくとも1つがDパッドである、請求項1の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの触知可能なデテントを更に備え、前記デテントは、前記入力要素または選択要素の少なくとも1つと関連付けられ、前記ユーザーが前記触知可能なデテントと関連付けられる前記要素を操作する時に、前記ユーザーに触覚フィードバックを提供する、請求項1の電子装置。
【請求項10】
1つ以上の振動ユニット又は力発生ユニットを更に備え、前記振動ユニット又は力発生ユニットの少なくとも1つは、前記入力要素または選択要素の少なくとも1つを前記ユーザーが操作すると、触覚フィードバックを提供することができる、請求項1の電子装置。
【請求項11】
前記振動ユニットの少なくとも1つが、プロセッサ上で実行されるソフトウエアアプリケーションで発生するイベントに応答して触覚フィードバックを提供する、請求項10の電子装置。
【請求項12】
携帯型電子装置であって、
人間ユーザーの片方若しくは両方の親指又はスタイラスによる複数の入力要素の操作によって同ユーザーから入力を受け取るように構成された複数の入力要素を有する第1面であって、前記入力要素の少なくとも1つは、2つ以上のテキストシンボルに対する選択的なアクセスを提供するように更に構成された、第1面と、
前記ユーザーの親指以外の指の1本以上の指で操作されるように構成される1つ以上の選択可能なアクティブ領域を有する1つ以上の入力要素を備えた第2面であって、アクティブ領域の操作は、1つ以上の入力要素の前記テキストシンボルを変化させる、第2面と、
を備える携帯型電子装置。
【請求項13】
コントローラを更に備え、前記コントローラは、前記入力要素又は前記アクティブ領域の前記ユーザーによる操作によって生成される信号を受け取る、請求項12の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの入力要素の上方に配置されたドーム型キャプであって、前記ドーム型キャップに関連付けられる前記入力要素が操作される時に、触覚フィードバックを前記ユーザーに提供することができる前記ドーム型キャップを更に備える請求項13の装置。
【請求項15】
触覚フィードバックを提供できる1つ以上の振動ユニットを更に備える請求項13の電子装置。
【請求項16】
触覚フィードバックを提供できる1つ以上の力発生ユニットを更に備える請求項13の電子装置。
【請求項17】
携帯型電子装置で用いるためのヒューマンインターフェース及び入力システムを構成するための方法であって、前記方法は、
人間ユーザーの片方若しくは両方の親指又はスタイラスによる複数の入力要素の操作によって、前記ユーザーからの入力を受け取るように構成された同複数の入力要素を第1面に配置するステップであって、前記入力要素の少なくとも1つは、2つ以上の入力機能に対する選択的アクセスを提供するように更に構成される、ステップと、
前記ユーザーの親指以外の指の1本以上の指により操作されるように構成された1つ以上の選択要素を第2面に配置するステップであって、選択要素の操作は、1つ以上の入力要素の前記入力機能を変化させる、ステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記各入力要素にラベルが付されて、前記入力要素によって選択的にアクセスされることができる各入力機能を示す、請求項17の方法。
【請求項19】
コントローラを前記入力要素及び選択要素に接続するステップを更に含み、前記コントローラは、前記入力要素または選択要素の1つ以上の、ユーザーによる操作によって生成される信号を受け取ることができる、請求項17の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの選択要素が、複数の輪郭が描かれたアクティブ領域を形成するように前記コントローラが構成可能な同複数のアクティブ領域を有する、請求項19の方法。
【請求項21】
複数のアクティブ領域を有する前記1つの選択要素に対して形状変化媒体を配置して、前記複数の輪郭が描かれたアクティブ領域間をユーザーが触覚で判別できるようにするステップを更に含む、請求項20の方法。
【請求項22】
前記第1面および前記第2面は、前記人間ユーザーの向き合わせになっている親指と親指以外の指との生体機械学効果を最適化するように配置される、請求項17の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの入力要素または選択要素に触知可能なデテントを配置して、ユーザーが操作した時に、触覚フィードバックを提供するステップを更に含む、請求項17の方法。
【請求項24】
第1面および第2面を有する携帯型電子装置にデータを入力するための方法であって、前記第1面は、人間ユーザーの片方若しくは両方の親指又はスタイラスによる複数の入力要素の操作によって、ユーザーからの入力を受け取るように構成された複数の入力要素を有し、前記入力要素の少なくとも1つは、データ入力モードで複数のシンボルに対する選択的アクセスを提供するよう更に構成され、前記複数のシンボルのそれぞれは、一意のインデックス位置識別子と関連付けられ、前記第2面は、前記ユーザーの親指以外の指の1本以上の指により操作されるように構成された1つ以上の選択要素を有し、前記各選択要素は、前記一意のインデックス位置識別子の1つと対応し、
前記方法は、
入力される予定の所望のシンボルの前記インデックス位置識別子を決定するステップと、
前記所望のシンボルの前記インデックス位置識別子と対応する前記選択要素を、任意の親指以外の指で押すステップと、
前記所望のシンボルに対する選択的なアクセスを提供するように構成された前記入力要素を、任意の親指またはスタイラスで押すステップと、
を含む方法。
【請求項25】
前記各入力要素にラベルを付けて、前記入力要素により選択的にアクセスすることができる前記各シンボル及び選択的にアクセスされ得る前記各シンボルの位置の順序を示す、請求項24の方法。
【請求項26】
入力する前記所望の文字の前記インデックス位置識別子を決定するステップが、
前記所望のシンボルに対する選択的なアクセスを提供するように構成された前記入力要素の位置を特定するステップと、
前記位置を特定した入力要素にラベル付けされた前記所望のシンボルに先行するシンボルの数を左から右にカウントするステップであって、前記所望のシンボルの前記インデックス位置識別子は、前記所望のシンボルに先行するシンボルの数に1を加えた数である、ステップと、
を含む請求項24の方法。
【請求項27】
前記入力要素または選択要素の少なくとも1つが、複数のモードに対する選択的アクセスを提供するように更に構成され、前記モードの少なくとも1つはデータ入力モードであり、前記データ入力モードをイネーブル化するステップを更に含む、請求項24の方法。
【請求項28】
インターフェースおよび入力システムを用いてユーザーが携帯型電子装置にデータを入力する方法であって、前記電子装置は、親指で操作するアセンブリに複数の入力要素を備え、前記入力要素の少なくとも1つは、2つ以上のテキスト機能に割り当てられており、親指以外の指で操作する入力アセンブリに1つ以上の選択要素を備え、前記各選択要素は、一意のシフト位置に割り当てられており、前記方法は、
親指以外の指で所望の選択要素を押し、所望のシフト位置を選択するステップと、
親指で操作する入力アセンブリの所望の入力要素を親指で押し、所望のテキスト文字を入力するステップと、
を含む方法。
【請求項29】
携帯型電子装置であって、
前記電子装置の面に配置され、人間ユーザーの親指で作動させられるように構成された複数の入力要素を備える第1入力アセンブリと、
前記ユーザーの向き合わせになっている親指と親指以外の指の生体機械学効果を最適化するように、前記第1入力アセンブリと異なる面に配置され、前記ユーザーの親指以外の指の1本以上の指で操作されるように構成された1つ以上の入力要素を備える第2入力アセンブリと、
を備え、
少なくとも1つの入力要素は、複数の輪郭が描かれたアクティブ領域を提供するように構成可能な感知面であり、
更に、前記構成可能な感知面の、前記複数の輪郭が描かれたアクティブ領域への割り当てを備えるメモリと、
を備える携帯型電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3d】
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【公表番号】特表2007−510233(P2007−510233A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538366(P2006−538366)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/036163
【国際公開番号】WO2005/043371
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(506148316)ジートゥー インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】