説明

ヒートシンクと熱伝導性ガラス製カバーを備えたLED光源アセンブリ

ヒートシンクと熱伝導性ガラス部材との間に位置するLED光源と、少なくとも一つの押下部材と、含むLEDアセンブリ。押下部材は、熱伝導性ガラス部材をLED光源に対して保持する圧縮力を提供し、LED光源をヒートシンクに対して押圧する、一例では、LED散光器の表面積の5倍の面積を有する1/8インチのガラス部材を、ヒートシンクの孔に貫通する1以上のスプリングワイヤによってLED光源の上に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年11月18日に出願された米国仮特許出願第61/115790号に関するものであり、その仮特許出願の優先権日を主張する。さらに、本出願は、2008年12月14日に出願された米国仮特許出願第61/122379号に関する。
【0002】
本出願は、LED照明に関し、より詳細には、LED照明用の反射体とヒートシンクのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
LED照明は、蛍光灯照明と同様に効率的になってきており、また、価格競争力もある。しかしながら、技術に対して固有で、変更することができないLED装置構成については技術的課題がある。
【0004】
従来技術として、丸い特徴(round nature)のLED本体に散光用レンズを組み込んだLEDをあげることができる。他にも、平坦な表面を備えた細長部にLEDを有するものもある。本発明は両方の技術に適用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のLED装置の製造業者らは全て、持続的で効率的なLED照明を製造する場合、何らかの形態の強力な冷却を使用する必要がある。特にこれは、赤道から±30度前後の緯度の暑い国で使用する場合に当てはまる。
【0006】
本発明によると、熱放散を大幅に改善し、熱接合性能を向上することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
用語「LED」とは、1以上の発光ダイオードを含む光源部品、かかる光源部品を1以上含む照明モジュール、及び、かかる照明モジュールを複数含む照明システムを意味する。
【0008】
用語「LED光源」とは、1以上の発光ダイオード、及び、発光ダイオードと散光器の組み合わせを意味する。
【0009】
用語「LEDアセンブリ」とは、ヒートシンクと伝導性ガラス製カバー部品と組み合わせた、1以上のLED光源部品を意味する。
【0010】
用語「頂部」と「底部」とは、ヒートシンクをLED光源の下方とした時の上向きの方向性に対するものである。具体的には、アセンブリは、光が上方向に発せられるその上向きの方向性で使用してもよく、又は、天井照明固定具などの光が下方向に発せられる下向きの方向性で使用してもよく、又は、広告用掲示板照明などの水平を基準として角度を付けてアセンブリを設けた用途で使用してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態では、熱伝導性ガラスをLEDのためのカバープレートとして使用し、反射体ヒートシンクに機械的に固定して、LED冷却性能を向上し、発光面を増加させる。増加した発光面は、グレアを低減する。一例では、スプリングワイヤの1以上の部分を反射体の孔に挿入して、LEDに対して熱伝導性ガラスを保持するための圧縮力を提供する。
【0012】
熱伝導性のガラス部品を使用することによって、いくつかの効果を達成することができる。その一例を以下に列挙する。
a)ガラスによって冷却ヒートシンクに対して個別のLED又はLEDのグループを押圧することができるので、最適な接合接触が可能となる。
b)耐食性材料を付加することができる。
c)接合抵抗を改善する材料を添加することができる(アルミニウム化学溶接(aluminum chemical weld))。
d)いくらかのヒートシンク機能がガラスによって追加される。
e)同時に、用途の要件に応じて、ガラスを使用してLEDが生成した光を分散することができる。
【0013】
用途に応じて、必要とされるレンズ又は散光器の形状が異なることがある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aは、代表的な実施形態のヒートシンク反射体と、LED光源と、二つのステンレス製スプリングワイヤによって所定の位置に保持された熱伝導性ガラス製カバープレートの上面斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aの実施形態の側面斜視図である。
【図2A】図2Aは、他の代表的な実施形態のヒートシンク反射体と、LED光源と、複数のステンレス製スプリングワイヤによって所定の位置に保持された熱伝導性ガラス製カバープレートの上面斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの実施形態の上面図である。
【図3】図3は、ダイオードと散光器を有するLED光源と、熱伝導性ガラス製カバープレートと、散光レンズとを有する固定具の概略断面図である。本発明の代表的な実施形態を説明する図面は、以下の参照符号を含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
LED光源を備えたヒートシンク反射体と、熱伝導性ガラス製カバープレート
図1A及び図1Bは、代表的な実施形態のヒートシンク反射体130と、LED光源120と、二つステンレス製スプリングワイヤ152を含む押下部材150によって所定の位置に保持されている熱伝導性ガラス製カバープレート140と、の上面斜視図と側面斜視図である。この例では、反射体であるヒートシンクは、第1と第2の上向きの側部132、134を含む。スプリングワイヤ部は、反射体ヒートシンクの側部の孔133、135に挿入される。ヒートシンクは、様々な厚さのLED光源又はカバープレートを許容できるように様々な孔を有してもよい。
【0016】
この例では、LED光源は、単一のフラットファイン散光レンズ125によって覆われる1以上のダイオードを含む。熱伝導製ガラス製カバープレート140は、散光レンズの表面積より2〜5倍広い表面積を有する。
【0017】
平坦な熱伝導性ガラス部材140は、頂部表面と底部表面を有し、略1/16〜3/16インチ(1.6〜4.8mm)の範囲の厚さを有するIndustrex(商標名)ガラスでもよい。熱伝導性ガラス部材の頂部表面は、LED光源の散光器よりも略2〜10.5倍広い面積を有する。略1/8インチ(3.2mm)の厚さで、LED散光器の面積の5倍の面積を有する熱伝導性ガラス部材はよく機能した。
【0018】
押下部材として、径が0.032インチ(0.8mm)の20ゲージ、タイプ302のステンレス製スプリングワイヤ材料は効果的に機能した。他の例では、スプリングなどを押下部材を用いてもよい。
【0019】
図2Aは、他の代表的な実施形態のヒートシンク反射体130と、LED光源120と、複数のステンレス製スプリングワイヤによって所定の位置に保持されている熱伝導性ガラス製カバープレート140と、の上面斜視図である。図2Bは、図2Aの実施形態の上面図である。
【0020】
LED光源と熱伝導性ガラス製カバープレートを有するヒートシンク反射体を有するLED照明固定具
図3は、ダイオード122と散光器124を有するLED光源120と、熱伝導性ガラス製カバープレート140と、散光レンズ82とを有する照明固定具80の一部の概略断面図である。
【0021】
従来のLED光源は、通常、ダイオードと散光器を備えている。従来のLED照明固定器具は、通常、ヒートシンク反射体に装着した複数の比較的小型のLEDを備え、LED光源から離間した大型の散光レンズ82を備えている。複数のLEDを使用することにより、グレアの削減を助けている。
【0022】
本発明の実施形態では、1以上のLEDをヒートシンク反射体に装着し、大型の散光レンズ82を設けている。LED散光器124の面積の2〜5倍の表面積を有する熱伝導性ガラス製カバープレート140によってさらなる光拡散を行っている。この大型カバープレートは、LED光源の点光源の「不快感(harshness)」を軽減し、オプションの固定具の散光レンズ82に到達する前に光の散光を助けている。熱伝導性ガラス製カバープレート140の頂部表面に散光パターンを設けることによって、さらに散光を促進することができる。いくつかの例では、カバープレートは、LED光源の側部から発せられる望ましくない黄色光を反射又はブロックし、LED光源用の頂部側部側のヒートシンクともなる。ある例では、カバープレートは、上向きに細かく散光するパターンを有した1/8インチのIndustrex(商標名)ガラスである。散光レンズ82は、LED光源を向いて細かく散光するパターンを有するIndustrex(商標名)ガラスでもよい。
【0023】
本発明は、上述の個別の例及び実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0024】
80 LED固定具
82 散光レンズ
100 LEDアセンブリ
120 LED光源
122 発光ダイオード
124 散光器
125 フラットファイン散光レンズ
126 「バルブ」散光器
130 ヒートシンク反射体
132、134 側壁
133、135 孔
140 伝導性ガラス製カバー部品
142 頂部表面
144 散光パターン144
146 底部表面
150 押下部材
152 スプリングワイヤ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンクと、
熱伝導性ガラス部材と、
前記ヒートシンクと前記熱伝導性ガラス部材との間に位置するLED光源と、
前記熱伝導性ガラス部材を前記LED光源に対して保持する圧縮力を提供し、前記LED光源を前記ヒートシンクに対して押圧する、少なくとも一つの押下部材と、
を備える、LEDアセンブリ。
【請求項2】
前記LED光源は、単一のダイオードである、請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項3】
前記LED光源は、前記ダイオードの上方に配置された散光器をさらに有する、請求項2記載のLEDアセンブリ。
【請求項4】
前記LED光源は、複数のダイオードを有する、請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項5】
前記LED光源は、複数のダイオードを含む細長部を有する、請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項6】
前記押下部材は、ワイヤを有する、請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項7】
前記ワイヤは、
前記ヒートシンクに設けられた第1の孔に挿入された第1のワイヤ部と、
前記ヒートシンクに設けられた第2の孔に挿入された第2のワイヤ部と、を有する、
請求項6記載のLEDアセンブリ。
【請求項8】
前記押下部材は、複数のワイヤを有する、請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項9】
前記押下部材は、少なくとも一つのスプリングを有する、請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項10】
前記ヒートシンクは、凹形の上部表面をさらに有する、請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項11】
前記ヒートシンクは、
上部表面を有する基部と、
前記基部から上方に突出した第1の側部と、
前記基部から上方に突出した第2の側部と、を有し、
前記LED光源は、前記基部の前記上部表面であって、前記第1の側部と前記第2の側部との間に位置し、
前記熱伝導性ガラス部材は、前記LED光源の上方に位置し、
前記押下部材は、
前記ヒートシンクの前記第1の側部に取り付けられた第1の端部と、
前記ヒートシンクの前記第2の側部に取り付けられた第2の側部とを、さらに含む、
請求項1記載のLEDアセンブリ。
【請求項12】
前記熱伝導性ガラス部材は、頂部表面と底部表面を有し、1/16〜3/16インチ(1.6〜4.8mm)の範囲の厚さを有する平坦なガラス部材であって、
前記熱伝導性ガラス部材の頂部表面は、前記LED光源の前記散光器の表面積より2〜6倍広い面積を有する、請求項3記載のLEDアセンブリ。
【請求項13】
LEDアセンブリの熱制御と拡散光特性を改善する方法であって、前記方法は、
凹形の反射性の上部表面を含むヒートシンクを提供するステップと、
発光ダイオードと散光器を含むLED光源を前記ヒートシンクの前記上部表面に配置するステップと、
頂部表面と底部表面を有し、1/16〜3/16インチ(1.6〜4.8mm)の範囲の厚さを有する平坦な熱伝導性ガラス部材であって、前記熱伝導性ガラス部材の前記頂部表面は、前記LED光源の前記散光器より略5倍の面積を有する、熱伝導性ガラス部材を提供するステップと、
前記熱伝導性ガラス部材を前記LED光源の上に配置して、前記LED光源からの光の散光を増加させるステップと、
前記ヒートシンクに押下部材の第1の部分を取り付けるステップと、
前記押下部材によって、前記LED光源に対して前記平坦な熱伝導性ガラス部材を押圧して、前記LED光源を前記ヒートシンクに押しつけ、前記LED光源から前記ヒートシンクと前記熱伝導性ガラス部材の両方への熱伝導を改善するステップとを、含む、方法。
【請求項14】
前記ヒートシンクに押下部材の第1の部分を取り付けるステップと、
前記押下部材によって、前記LED光源に対して前記平坦な熱伝導性ガラス部材を押圧するステップと、は、
前記LED光源の一方の側部に前記ヒートシンクの第1の孔を設けるステップと、
前記LED光源の第2の側部に前記ヒートシンクの第2の孔を設けるステップと、
前記第1の孔と前記第2の孔にワイヤを貫通して、前記熱伝導性ガラス部材に前記LED光源に対する圧縮力を与えるステップと、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記熱伝導性ガラス部材の前記頂部表面に散光パターンを形成して、前記LED光源からの光の散光を増加させるステップをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記押下部材によって、前記LED光源が前記ヒートシンクに対して押しつけられるように、前記LED光源に対して前記平坦な熱伝導性ガラス部材を押圧することによって、
前記LED光源と前記ヒートシンクの間、又は、前記LED光源と前記熱伝導性ガラス部材との間にシーリング材又はその他の材料を用いることなく、前記LED光源から前記ヒートシンクと前記熱伝導性ガラス部材の両方への熱伝導を改善するステップとを、含む、請求項13記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−509600(P2012−509600A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537591(P2011−537591)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/065020
【国際公開番号】WO2010/059748
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(511121791)リンデール インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】