説明

ビスマス系酸化物超電導線材およびその製造方法

Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:1:2である超電導相、およびPbを含む非超電導相を含み、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3である原料粉末であり、かつ該超電導相に対する該非超電導相の比率が5重量%以下である原料粉末、または(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:1:2であり、かつ斜方晶である超電導相を含み、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3である原料粉末に、塑性加工および熱処理を施す工程を有することにより、Bi−2223結晶の配向性を改善するとともに、非超電導相の凝集を抑制して高い臨界電流密度を得ることのできるビスマス系酸化物超電導体の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ビスマス系酸化物超電導線材の製造方法に関する。より詳細には、Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuの組成比(モル比)がほぼ2:2:2:3であるBi−2223相を主相とするビスマス系酸化物超電導線材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
ビスマス系酸化物超電導線材は、高い臨界温度と臨界電流密度を有し、特にBi−2223相を主相とするBi−2223線材は、110K程度の高い臨界温度を有するものとして知られている。
このBi−2223線材は、Bi、PbO、SrCO、CaCO、CuOなどを粉末状にした原料粉末を、金属シース(金属管)に充填し、該金属シースに伸線加工や圧延加工などの塑性加工を施すことによりBi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなるフィラメントを得た後、熱処理を行うことにより製造することができる。ここで、熱処理は、Bi−2223相の生成や、生成した結晶粒同士を強固に結合させる目的で行われる。
このBi−2223線材の製造方法について、高い臨界電流値、高い臨界電流密度を得るための方法が種々提案されている。
例えば、特許第3074753号公報には、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuの組成比(モル比)がほぼ2:2:1:2であるBi−2212相を主体としながら、部分的にBi−2223相や非超電導相を含む原料粉末を金属シース中に充填し、原料が充填された金属シースに対して、塑性加工および熱処理を施す方法が提案されている。この方法は、熱処理によるBi−2223相の生成を促進し、かつ非超電導相を微細に分散させることにより、高い臨界電流値、高い臨界電流密度と、優れた臨界電流密度の磁場特性を得るものである。
また、特開2002−75091号公報では、一軸方向への圧縮加工前のフィラメント断面の短径よりも、最大粒径が小さい原料粉末を用いることを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法が記載されている。フィラメントの径に応じた最適の最大粒径を選択することにより、臨界電流値を最大限度まで高める方法である。
しかし、本発明者の検討の結果、これらの従来の方法では、以下に述べる問題があることが判明した。
例えば、特開2002−75091号公報などの方法に基づき、微細化して粒径を調整した原料粉末を使用しても、Bi−2223相の生成過程で、非超電導相が凝集して粗大化し、臨界電流密度が低下する。
すなわち、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体の原料粉末に含まれる構成相の中で、(Ca+Sr)PbO、(Pb+Bi)(Sr+Ca+Bi)CuO12+δなどのPbを含む非超電導相は、Bi−2212やCa−Sr−Cu−Oなどの他の構成相よりも溶融温度が低く、Bi−2223相の生成過程で凝集しやすい。そこで最終製品の超電導線材中では、これらの非超電導相が凝集して粗大化した組織となるため、臨界電流密度が低下するのである。
また、塑性加工後熱処理前のフィラメントに含まれる超電導相は、必ずしも配向しておらず、フィラメントの周囲を覆うマトリックスとの界面に対して、大きな角度を持った非配向結晶が存在する。しかも、正方晶Bi−2212超電導相は、a−b軸方向に結晶成長しやすく、Bi−2223相が生成するよりも低温、短時間でa−b軸方向に大きく結晶成長する。従って、Bi−2223相の生成熱処理の過程で、Bi−2212の結晶が、界面からマトリックス中へ突き出るように成長し界面の平滑度が乱れ、また方位の異なる結晶の衝突によって空間が生じフィラメント内部の密度が低下する。その結果、その後に形成されるBi−2223相は、配向性,密度がともに低くなり、c軸方向には結晶が大きく成長しないため、臨界電流密度が低下する。
【発明の開示】
そこで本発明者は、これらの問題を解決し、より高い臨界電流値、臨界電流密度を達成する酸化物超電導線材の製造方法の開発すべく鋭意検討し、本発明と完成した。
すなわち、この発明の主たる目的は、Bi−2223結晶の配向性を改善するとともに、非超電導相の凝集を抑制して高い臨界電流密度を得ることのできるビスマス系酸化物超電導体の製造方法を提供することである。
上記の課題は、先ず、原料粉末中のBi−2212相に対する非超電導相の比率を一定値以下とすることにより達成される。
すなわち、本発明の第一の態様は、Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:1:2である超電導相、およびPbを含む非超電導相を含み、かつ該超電導相に対する該非超電導相の比率が5重量%以下である原料粉末に、塑性加工および熱処理を施す工程を有することを特徴とするビスマス系酸化物超電導線材の製造方法である。
本発明者は、原料粉末中の、Bi−2212相に対するPbを含む非超電導相の比率が5重量%以下である場合、Bi−2223相の生成過程での、Pbを含む非超電導相の凝集を抑えることができることを見出した。非超電導相の凝集を抑えられる結果、非超電導相の粗大化した組織の形成も抑えられ、高い臨界電流密度が得られる。
ここで、Pbを含む非超電導相とは、原料粉末中の非超電導相であって、かつPbを含むものであり、(Ca+Sr)PbO、(Pb+Bi)(Sr+Ca+Bi)CuO12+δなどが挙げられる。なお、Pbを含まない非超電導相としては、Sr−Ca−Cu−O、Ca−Cu−Oなどが挙げられる。
なお、本明細書中で原料粉末とは、金属シースに充填される直前のものを言い、Bi、PbO、SrCO、CaCO、CuOなどの原料を、粉砕、混合することにより得られる。
粉砕と混合はいずれが先であってもよいし、また同時に行ってもよい。粉末を構成する粒子の径が大きいと、熱処理によるBi−2223相の生成や、生成した結晶粒同士の強固な結合が妨げられる傾向がある。特に、最大粒径が、後述の超電導線材中の超電導体フィラメントの径に近い大きさかそれより大きい場合、この傾向は著しくなるので、通常は、最大粒径が、10μm以下であり、平均粒径が3μm以下であることが好ましい。
本発明の第一の態様における原料粉末は、Bi−2212相およびPbを含む非超電導相を必須の構成要素とし、それらを特定の割合で含有するものであるが、この原料粉末は、上記の粉砕、混合後、さらに所定の条件で熱処理をすることにより得ることができる。例えば、後述するように、温度範囲および酸素分圧を所定範囲とする方法によっても得ることができる。
本発明の第一の態様における原料粉末は、Bi−2212相およびPbを含む非超電導相以外に、他の相、例えばBi−2223相を少量含んでもよい。
上記のようにして得られた原料粉末は、金属シースに充填され、塑性加工および熱処理が施される。
この金属シースの材質としては、ビスマス系酸化物超電導体と反応せず、かつ電気抵抗の低い金属または合金が好ましく使用される。中でも銀または銀合金が好ましい。銀合金としては、銀マンガン合金などが挙げられる。金属管の外周部に銀マンガン合金を配置し、ビスマス系酸化物超電導体に接する内周側には純銀を配置するなどの工夫がされたものなどを使用してもよい。
好ましくは、金属シースに充填される前の原料粉末に、脱ガス処理が施される。脱ガス処理により、熱処理中のガスの膨張による金属シースの膨らみや、超電導体のクラックの発生などを防止することができる。脱ガス処理は、高温短時間の熱処理、例えば、600〜850℃で10分〜1時間程度の熱処理により行われる。
原料粉末を充填した金属シースには、塑性加工が施されて、フィラメント(線材)が形成される。この線材化工程は、例えば、以下のようにして行われる。
まず、原料粉末を充填した金属シースを伸線加工して、原料粉末を芯材とし、金属シースの材質で被覆されたクラッド線を得る。こうして得た複数のクラッド線を束ねて、再び金属管に挿入し、伸線加工することによって、原料粉末がフィラメント状となり、多数の該フィラメントが金属シースに埋め込まれた多芯線(線材)が得られる。
このようにして得られた多芯線を、機械的に上下から加圧してテープ状にする(圧延加工)。テープのアスペクト比(テープ形状の幅/厚み)は特に限定されないが、10〜30程度のものがよく用いられる。
圧延加工により得られたテープ状の線材は、テープ状の金属シース(マトリックス)中に、リボン状の原料粉末混合物フィラメントが埋め込まれたものである。このフィラメント中には、Bi−2212相などが多結晶体として存在する。
このテープ状の線材に対し熱処理が行われる。ここで言う熱処理とは、Bi−2223相生成のための熱処理であり、後述する原料粉末生成のための熱処理とは異なるものである。
この熱処理は、通常、再圧延加工を挟んで、二段階行われ(特許第2855869号公報、第1欄。SEIテクニカルレビュー、住友電気工業株式会社、2001年9月、第159号第124頁)、Bi−2223相は、第一段階の熱処理(1次熱処理)で、主に生成する。
1次熱処理後、通常、この熱処理により形成された空隙を押し潰すため、加工率の小さい再圧延が行われる。再圧延後、生成した結晶粒同士を強固に結合させることを主な目的として、2次熱処理が行われる。
上記のような、塑性加工、熱処理は、臨界電流密度を向上させるなどの目的のため、数回繰り返してもよい。例えば、1パスあたりの加工度をある程度抑えた加工を数回繰り返して、高い加工度を得る方法も採用できる。
本発明の第二の態様は、Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:1:2であり、かつ斜方晶である超電導相を含む原料粉末に、塑性加工および熱処理を施す工程を有することを特徴とするビスマス系酸化物超電導線材の製造方法である。
斜方晶のBi−2212相は、正方晶のBi−2212相よりも溶融温度が高く、a−b軸方向に結晶成長が遅い。従って、上記の正方晶のBi−2212相において見られた問題、すなわち、Bi−2223相生成の熱処理の過程で、Bi−2212の結晶が、界面からマトリックス中へ突き出るように成長し界面の平滑度が乱れる、方位の異なる結晶の衝突によって空間が生じフィラメント内部の密度が低下するなどの問題が低減する。その結果、その後に形成されるBi−2223相の、配向性,密度が向上し、臨界電流密度を向上させることができる。
本第二の態様における原料粉末は、斜方晶であるBi−2212相を構成要素とするものであるが、斜方晶は、Pbを含まない原料からは得られず、通常、Biに対してPbを10at%程度以上含む原料から得られる。
斜方晶であるBi−2212相を構成要素とする原料粉末は、Biに対してPbを10at%程度以上含む原料を用い、第一の態様について説明したものと同様な条件での粉砕、混合後、さらに所定の条件で熱処理をすることにより得ることができる。例えば、後述するように、温度範囲および酸素分圧を所定範囲とする方法によっても得ることができる。
本第二の態様においても、原料粉末に、塑性加工および熱処理が施されて酸化物超電導線材が得られる。
塑性加工および熱処理の条件、使用される器具、前処理の条件などは、第一の態様の場合と同じである。
上記のように、第一の態様の原料粉末、すなわちBi−2212相とPbを含む非超電導相を含み、かつBi−2212相に対する該非超電導相の比率が5重量%以下である原料粉末や、第二の態様の原料粉末、すなわち斜方晶であるBi−2212相に、Bi、PbO、SrCO、CaCO、CuOなどを混合した原料粉末を、さらに所定の条件で熱処理をすることにより得ることができる。好ましい例としては、650〜730℃、酸素分圧0.02気圧以下で熱処理を施す方法を挙げることができる。本発明の第三の態様は、この好ましい例に該当するものであり、上記の条件で原料粉末を用いることを特徴とする製造方法である。
すなわち、本発明の第三の態様は、Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3である原料粉末に、650〜730℃、酸素分圧0.02気圧以下で熱処理を施す工程、および該熱処理後の原料粉末に、さらに塑性加工および熱処理を施す工程を有することを特徴とするビスマス系酸化物超電導線材の製造方法である。
Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3である原料粉末としては、Bi−2212相およびCa−Sr−Cu−O、(Ca+Sr)PbO、(Pb+Bi)(Sr+Ca+Bi)CuO12+δなどの非超電導相を含むものが好ましい。このような粉末は、Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOなどの原料を、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3となるように粉砕、混合して、適当な熱処理を施すことにより得ることができる。
このような粉末に、600〜750℃、酸素分圧0.02気圧以下で、好ましくは30分〜20時間程度熱処理を施すことにより、Bi−2212相とPbを含む非超電導相を含み、かつBi−2212相に対する該非超電導相の比率が5重量%以下である原料粉末を得ることができる。また、Biに対してPbを10at%程度以上含む原料を用いた場合は、Bi−2212相として斜方晶であるものを含む原料粉末を得ることができる。従って、この原料に塑性加工や熱処理を施すことにより、優れた臨界電流密度を有するビスマス系酸化物超電導線材を得ることができる。
なお、原料粉末中のBi−2212相に対するPbを含む非超電導相の比率は、脱ガス処理、塑性加工、Bi−2223相生成のための熱処理前に行われる各種熱処理の過程で増大することがある。また、斜方晶のBi−2212相もこの過程で他の晶型に変わることがある。
従って、好ましくは、Bi−2223相生成のための熱処理前の線材において、Bi−2212相とPbを含む非超電導相を含み、かつBi−2212相に対する該非超電導相の比率が5重量%以下である、または斜方晶であるBi−2212相を含むことが好ましい。
しかし、通常採用される条件で、脱ガス処理、塑性加工、Bi−2223相生成のための熱処理前に行われる各種熱処理を行う場合は、原料粉末において、本発明の第一の態様、第二の態様に規定される条件に該当すれば、優れた臨界電流密度を有するビスマス系酸化物超電導線材を得ることができる。
なお、Bi−2223相生成のための熱処理前の線材において、Bi−2212相とPbを含む非超電導相を含み、かつBi−2212相に対する(Ca+Sr)PbOの比率が5重量%以下であれば、優れた臨界電流密度を有するビスマス系酸化物超電導線材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、Bi−2212相に対するPbを含む非超電導相の比率と臨界電流密度(Jc)との関係を示す図である。
図2は、Bi−2212相が斜方晶、正方晶の場合の、熱処理温度と臨界電流密度(Jc)との関係を示す図である。
図3は、Bi−2212相を各種酸素分圧下で熱処理した場合の、熱処理温度と臨界電流密度(Jc)との関係を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次に本発明の態様を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実験例
Bi、PbO、SrCO、CaCO、およびCuOを、Bi:Pb:Sr:Ca:Cuが1.8:0.33:1.9:2.0:3.0になるように混合した。この混合粉末を700〜860℃の範囲内の温度での熱処理と、粉砕・混合を複数回繰り返すことによって、(Bi+Pb)SrCaCu超電導相(Bi−2212相)、Ca−Sr−Cu−O、(Ca+Sr)PbO、(Pb+Bi)(Sr+Ca+Bi)CuO12+δ(3321相)などを含む、平均粒径が2μm,最大粒径が10μm以下の原材料粉末を作製した。この粉末に、所定の酸素分圧で、所定温度で、10時間の熱処理を行ない、熱処理後、X線回折法により、リードベルト法に従って、Bi−2212相に対するPbを含む非超電導相の比率を求めた。また、Bi−2212相のモジュレーションピーク(021、114など)が完全に消滅しており、なおかつ200および020のピークが分離している場合に斜方晶とした。
得られた原料粉末を銀パイプに充填したものを伸線加工して単芯線材を作製した。単芯線材を切断して55本束ねて銀パイプに挿入して多芯化してさらに伸線加工を行い、多芯線材を作製した。多芯線材を圧延して、幅4mm,厚さ0.2mmのテープ状に加工した。835℃,酸素分圧0.08気圧の雰囲気下で、30時間の熱処理によりBi−2223相を生成し、中間圧延を行った後に、さらに825℃,酸素分圧0.08気圧の雰囲気下で、50時間の熱処理を実施した。得られた線材の臨界電流を、77K,自己磁場中で測定した。 図1に示すように、鉛を含む非超電導相の比率が5重量%以下である場合に、約40kA/cmの高い臨界電流密度が得られた。
また,図2に示すように,Bi−2212相が斜方晶である場合に,25kA/cm以上の高い臨界電流密度が得られた。
また.図3に示すように,粉末に、600〜750℃、酸素分圧0.02気圧以下で熱処理を施すことにより,約30kA/cm以上の高い臨界電流密度が得られた。
【産業上の利用可能性】
以上説明したように本発明の製造方法により、高い臨界電流密度を有するビスマス系酸化物超電導線材を製造することができる。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:1:2である超電導相、およびPbを含む非超電導相を含み、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3である原料粉末であり、かつ該超電導相に対する該非超電導相の比率が5重量%以下である原料粉末に、塑性加工および熱処理を施す工程を有することを特徴とするビスマス系酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項2】
Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:1:2であり、かつ斜方晶である超電導相を含み(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3である原料粉末に、塑性加工および熱処理を施す工程を有することを特徴とするビスマス系酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項3】
Bi、Pb、Sr、Ca、CuおよびOからなり、(Bi+Pb):Sr:Ca:Cuがほぼ2:2:2:3である原料粉末に、600〜750℃、酸素分圧0.02気圧以下で熱処理を施す工程、および該熱処理後の原料粉末に、さらに塑性加工および熱処理を施す工程を有することを特徴とするビスマス系酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とするビスマス系酸化物超電導線材。

【国際公開番号】WO2005/001852
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【発行日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511006(P2005−511006)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008668
【国際出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】