説明

ビス(チオ−ヒドラジドアミド)製剤

構造式(I)によって示される化合物を含む組成物(その2gは10分未満に10mLの水の中で再構成可能である)、およびこれら組成物を調製する方法が、本明細書で開示される。また、構造式(I)によって示される化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物であって、該化合物の該賦形剤に対するモル比が1:20から1:1である組成物、ならびにこれら組成物を調製する方法が開示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2005年8月16日出願の米国仮特許出願第60/708,977号の利益を請求する。上記の出願の全体の内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
現在多くの薬剤が、癌の治療に使用するために入手可能である。しかしながら、多くの場合、癌は抗癌治療に反応しないか、またはその成長および/または転移が遅くなるだけである。腫瘍が最初はサイズが小さくなる、または小康状態に入ることによって抗癌治療に反応する場合も、腫瘍はしばしば薬剤に対する抵抗性を発達させる。これらの理由により、新抗癌剤、および多剤耐性癌を治療するために使用されることができる新薬剤の必要性が生じている。
【0003】
特定のビス(チオ-ヒドラジドアミド)化合物は、多剤耐性を持つようになった癌細胞を含む癌細胞に対して、およびタクソールおよびタクソール類似体のような抗癌剤の抗癌活性を強めることに対して、かなりの細胞毒性を持つと表現されてきた(例:米国特許出願10/758589号(特許文献1)、および米国特許第6,762,204号(特許文献2)および第6,800,660号(特許文献3)を参照。それらの全体の内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)。
【0004】
これらのビス(チオ-ヒドラジドアミド)そのものは、水の中でわずかに溶解できるだけである。しかしながら、それらの複塩(米国特許出願第11/157,213号(特許文献4)で開示のとおり。その全体の内容は、参照されることにより本明細書に組み込まれる)は、高い水溶性および生物学的利用能を示す。通常、これらの複塩は水の中での再構成時間が長く、低いガラス転移温度の理由から、これらの複塩の乾燥に関連する費用を増加させる、専用の凍結乾燥装置を必要とする。
【0005】
従って、これらの複塩の乾燥に関連する費用を減らす、および複塩の再構成時間を短くする方法の必要性がある。
【0006】
【特許文献1】米国特許出願10/758589号
【特許文献2】米国特許第6,762,204号
【特許文献3】米国特許第6,800,660号
【特許文献4】米国特許出願第11/157,213号
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
現在、特定のビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩に対する再構成時間が、特定の条件の下、結晶質の充てん用賦形剤の存在下で、複塩を凍結乾燥およびアニールすることによって、大幅に短縮されることが可能であることがわかっている。また、結晶質の充てん用賦形剤の存在下でこれらの複塩を凍結乾燥およびアニールすることによって、専用の凍結乾燥装置は必要なく、従って製造費用は大幅に削減されることもわかっている。
【0008】
一実施例では、本発明は構造式(I)によって示される化合物を含む組成物に関連している。

Yは共有結合、または置換もしくは非置換の直鎖ヒドロカルビル基である。
R1-R4は独立して、-H、脂肪族基、置換された脂肪族基、アリール基または置換されたアリール基であるか、またはR1およびR3は、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、および/またはR2およびR4は、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、任意に芳香環と融合された非芳香族複素環を形成する。
Zは-Oまたは-Sである。
Mは薬学的に許容される一価陽イオンであり、M2+は薬学的に許容される二価陽イオンである。
【0009】
構造式(I)によって示される化合物を含む2gの組成物は、10分未満で10mLの水の中で再構成可能である。
【0010】
別の実施例では、本発明は、構造式(I)によって示される化合物を含む組成物、および薬学的に許容される賦形剤に関連しており、ここで前記化合物の前記賦形剤に対するモル比は1:20から1:1である。
【0011】
別の実施例では、本発明は、構造式(I)によって示される化合物、および薬学的に許容される結晶質の充てん用賦形剤を含む組成物の凍結乾燥物を調製する方法に関連している。方法は次のステップを含む。
(a)化合物および賦形剤の水溶液を調製するステップ(ここで前記化合物の前記賦形剤に対するモル比は1:20から1:1である。)、
(b)凍結濃縮物を形成するために化合物のガラス転移温度以下の温度で、ステップ(a)の溶液を凍結させるステップ、
(c)アニールされた組成物を形成するために、化合物のガラス転移温度以上であるが、凍結濃縮物を含む凍結溶液の融解温度以下である温度で、凍結濃縮物をアニールするステップ、
(d)化合物のガラス転移温度以下の温度で、アニールされた組成物を凍結させるステップ、および
(e)10%未満の含水率を持つ凍結乾燥物を得るために、ステップ(e)のアニールされた組成物を乾燥させるステップ。
【0012】
別の実施例では、本発明は構造式(I)によって示される化合物、および薬学的に許容される結晶質の充てん用賦形剤を含む凍結乾燥物に関連している。凍結乾燥物は、直上で述べたプロセスによって調製される。
【0013】
別の実施例では、本発明は構造式(I)によって示される化合物、およびヒドロキシエチル、デンプン、デキストラン、およびそれらの組み合せからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤を含む組成物の凍結乾燥物を調製する方法に関連している。方法は次のステップを含む。
(a)化合物および賦形剤の水溶液を調製するステップ、
(b)凍結濃縮物を形成するために化合物のガラス転移温度以下の温度で、ステップ(a)の溶液を凍結させるステップ、
(c)10%未満の含水率を持つ凍結乾燥物を得るために、前記凍結濃縮物を乾燥させるステップ。
【0014】
別の実施例では、本発明は構造式(I)によって示される化合物、およびヒドロキシエチル、デンプン、デキストラン、およびそれらの組み合せからなる群から選択された、薬学的に許容される賦形剤を含む凍結乾燥物に関連している。凍結乾燥物は、直上で述べたプロセスによって調製される。
【0015】
別の実施例では、本発明は本明細書で開示される組成物の、例えば抗癌剤としての治療における使用に関連している。
【0016】
本発明はまた、癌を持つ対象の治療方法も提供する。方法は、本明細書で開示される、効果のある分量の組成物を対象へ投与することを含む。組成物は、単剤治療(すなわち、対象に投与される唯一の抗癌剤)として投与される、または1つ以上の他の抗癌剤と同時投与される。
【0017】
別の実施例では、本発明は個人の癌治療のための薬物の製造における、本明細書で開示される組成物または凍結乾燥物の使用に関連している。
【0018】
開示される方法は、本明細書で開示される凍結乾燥された(および任意にアニールされた)組成物が、組成物の劣化なしで、長い時間乾燥および保管されることを可能にする。また、本明細書で開示される凍結乾燥された(および任意にアニールされた)組成物の高い水溶性は、超音波バスのような専用の装置の必要性なく、組成物の速い再構成を可能にする。本明細書で記載される凍結乾燥およびアニーリングプロセスはまた、通常低いガラス転移温度を持つ化合物に必要とされ、凍結乾燥手順に関連する費用を大いに増加させる可能性のある高真空および低温の必要性なく、標準条件下で行われる。
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)化合物を含む組成物に関連しており、その化合物は、構造が以下で記載されるような構造式(I)-(V)から選択された式によって包含される化合物であり、その2gは10分未満で10mL中で再構成可能であり、好ましくは5分未満、より好ましくは2分未満、さらに好ましくは1分未満、よりさらに好ましくは30秒未満で再構成可能である。
【0020】
用語「再構成可能な」および「再構成される」はここで定義されるように、本発明の組成物、またはアニールされた組成物、および/または凍結乾燥組成物が、周囲条件の下、水の中で完全に溶解されることができることを意味する。
【0021】
好ましい実施例では、組成物は薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。用語「薬学的に許容される賦形剤」はここで使用されるように、凍結乾燥ケーキの色、質感、強度および体積のような特性を強化するため、凍結乾燥に先立って溶液に添加される物質を意味する。薬学的に許容される賦形剤は、例えば、緩衝液、pH調整剤、結晶質の充てん用賦形剤、安定剤および等張化剤であってもよい。
【0022】
特定の好ましい実施例では、薬学的に許容される賦形剤は結晶質の充てん用賦形剤である。用語「結晶質の充てん用賦形剤」または「結晶質の充てん用薬剤」はここで使用されるように、凍結乾燥ケーキに容積および構造を提供する賦形剤を意味する。これらの結晶質の充てん用薬剤は不活性であり、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)と反応しない。さらに、結晶質の充てん用薬剤は凍結乾燥条件下での結晶化能力がある。結晶質の充てん用薬剤は、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)と組み合された結晶構造を形成してもよく、またはビス(チオ-ヒドラジドアミド)から独立した結晶構造を形成してもよい。
【0023】
適した結晶質の充てん用薬剤の例は、水溶性高分子などの親水性賦形剤、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、グルシトール、デュシトール、イノシトール、アラビニトール、アラビトール、ガラクチトール、イジトール、アリトール、マルチトール、果糖、ソルボース、グルコース、キシロース、トレハロース、アロース、デキストロース、アルトロース、乳糖、グルコース、果糖、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ショ糖、麦芽糖、乳糖、ラクツロース、フコース、ラムノース、メレジトース、マルトトリオース、ラフィノース、アルトリトール、それらの光学活性形態(D-またはL-形態)、および対応するラセミ化合物などの糖、乳酸、グルコン酸、グリセリルリン酸、クエン酸、一塩基および二塩基リン酸、コハク酸、硫酸および酒石酸などのカルシウム塩、ならびにアルミニウムおよびマグネシウムの同一の塩などの鉱物性および有機鉱物性の無機塩、通常のモノ-およびジ-サッカリドおよび対応する多価アルコールなどの炭水化物、アルブミンなどのタンパク質、グリシンなどのアミノ酸、乳化脂肪およびポリビニルピロリドを含む。
【0024】
好ましい結晶質の充てん用薬剤は、グリシン、マンニトール、デキストラン、デキストロース、乳糖、ショ糖、ポリビニルピロリドン、トレハロース、グルコース、およびそれらの組み合せからなる群より選択される。他の好ましい結晶質の充てん用薬剤、グリシンまたはマンニトールである。特定の他の好ましい実施例では、結晶質の充てん用薬剤はマンニトールである。
【0025】
特定の実施例では、結晶質の充てん用薬剤は、1:20から1:1、好ましくは1:10から1:1のビス(チオ-ヒドラジドアミド)の賦形剤に対するモル比において存在する。通常、賦形剤は、1:20から1:2、好ましくは1:10から1:2、さらに好ましくは1:5.5から1:2.0のビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩の賦形剤に対する過剰のモル比において存在する。
【0026】
他の実施例では、薬学的に許容される賦形剤は、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)と組み合せて使用されることができ、ここで薬学的に許容される賦形剤は、無定形または結晶質であることができるゼラチンまたは高分子構造を形成する。かかる薬学的に許容される賦形剤の例は、ヒドロキシエチルデンプン、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、プラン、デンプン、ペクチン、アミロペクチン、キチン、およびそれらの組み合せを含み、好ましくは、賦形剤はヒドロキシエチルデンプン、デンプン、デキストラン、およびそれらの組み合せから選択される。通常、これらの賦形剤は、1:0.5から1:20、好ましくは1:1から1:10、より好ましくは1:1から1:5、さらに好ましくは1:1から1:2のビス(チオ-ヒドラジドアミド)の賦形剤に対する重量比において存在する。
【0027】
一実施例に関して、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物は、凍結乾燥された、より好ましくは、凍結乾燥およびアニールされた組成物である。あるいは、開示される組成物は凍結乾燥または非凍結乾燥される。非凍結乾燥される場合、これらの組成物は以下で記載されるプロセスを用いて、本発明の凍結乾燥およびアニールされた組成物を調製するために使用される、出発物質であることができる。
【0028】
用語「凍結乾燥」はここで使用されるように、通常、組成物が凍結状態にあるときの高真空下の昇華によって、溶媒、好ましくは水混和性溶媒、さらに好ましくは組成物からの水を取り除くことを伴う、フリーズドライまたは脱水技術である。凍結乾燥は組成物を安定させ、酸化および他の分解プロセスを最小限にし、冷凍以上の温度で組成物を長期間保存することを可能にする。
【0029】
用語「凍結乾燥組成物」、「凍結乾燥ケーキ」または「凍結乾燥物」はここで使用されるように、または上記で定義されるように、凍結乾燥手順後に生成される、または、残る、固形残渣またはケーキである。特定の実施例では、凍結乾燥製剤または凍結乾燥物は、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満、さらに好ましくは1%未満の含水率を持つ。凍結乾燥製剤の最終水分は、カールフィッシャー法または他の方法によって測定される。
【0030】
通常、凍結乾燥は凍結乾燥装置(凍結乾燥機)において行われ、それは可変温度調節、水を貯めるためのコンデンサ、および乾燥チャンバーにおける圧力を減少させるための真空システムのある乾燥チャンバーを備える。
【0031】
凍結乾燥プロセスは、一般的に凍結ステップ、および一次乾燥または昇華ステップの2つのステップを含み、任意に二次乾燥ステップを含むことができる。凍結乾燥プロセスはまた、凍結段階の前に行われる前処理段階、および乾燥段階の前に行われるアニーリング段階を含んでもよい。
【0032】
ここで使用されるように、「前処理」は、凍結前に組成物または溶液を処理するいかなる方法も含む。これは、例えば溶液の濃縮、調合の修正(すなわち、安定性を増す、および/または処理を向上させるための、要素の追加)、または溶液の予冷を含んでもよい。
【0033】
特定の好ましい実施例では、組成物または溶液は、10秒から1時間、好ましくは1分から30分にわたり、10℃から-10℃、好ましくは0℃から-10℃で予冷される。
【0034】
開示される再構成可能な組成物を調製するために、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および薬学的に許容される賦形剤は、適した溶媒において溶解またはけん濁され、好ましくは、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および薬学的に許容される賦形剤は、溶液を形成するために適した溶媒において溶解される。通常、溶媒は水溶液であり、緩衝液、薬学的に許容される塩、またはそこで溶解される他の薬学的に許容される成分のような、他の成分を任意に含むことができる。通常、溶媒は他の成分を持たない滅菌水である。あるいは、溶媒は、例えばメタノール、エタノール、tert-ブチルアルコール、または水/アルコール混合物のようなアルコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、またはジメチルホルムアミド(DMF)のような非水溶媒である。
【0035】
いかなる前処理ステップ後の、開示される凍結乾燥プロセスの第一段階は凍結である。凍結ステップにおいて、溶液は凍結濃縮物を形成するために、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)のガラス転移温度以下の温度で凍結される。
【0036】
ガラス転移温度(Tg)はここで定義されるように、化合物がガラス質の剛性状態から、粘稠液の化合物へと状態を変える温度である。例えば、Tg以下で、物質は通常剛体またはガラス状であり、Tg以上では通常ゴム状または革状である。ガラス転移は必ずしも急な転移ではなく、特定の場合、段階的転移であることもある。構造式(II)のビス(チオ-ヒドラジドアミド)に対して、Tgは-44.7℃である。
【0037】
溶液が凍結すると、化合物および賦形剤の濃度が溶液中で増加する。Tg'は、溶液中の薬剤および賦形剤の最大濃度におけるガラス転移温度である。
【0038】
凍結は、本発明の化合物および賦形剤、または氷晶の間質領域に組み合せられた賦形剤から成る、高濃縮の組成物または混合物の「凍結濃縮物」を生成する。
【0039】
特定の好ましい実施例では、凍結ステップにおいて溶液は、-44.7℃から-80℃、好ましくは-44.7℃から-60℃、好ましくは-44.7℃から-50℃の温度で、10分から10時間、好ましくは30分から3時間、さらに好ましくは30分から2時間にわたり、凍結される。
【0040】
開示される凍結乾燥手順の次のステップにおいて、「凍結濃縮物」は任意にアニールされる。用語「アニールされる」または「アニーリング」はここで使用されるように、一定温度で凍結濃縮物の温度をある一定の時間保ち、結晶質の充てん用賦形剤を結晶化させるプロセスである。通常、凍結濃縮物は、凍結濃縮物を含む凍結溶液の融点から、本発明の化合物のTgの間の温度でアニールされる。凍結濃縮物を含む凍結溶液の融点はここで使用されるように、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および賦形剤を含む凍結溶液が、硬い凍結状態から液体状態に変わる、または融解し始める温度である。通常この温度はおよそ0℃であるが、溶液の濃度によって変化する。本発明の凍結濃縮物がアニールされるとき、結晶質の充てん用賦形剤は、本発明の化合物から独立した結晶構造を形成する。
【0041】
特定の好ましい実施例では、アニーリングステップは1回行われる。特定のさらに好ましい実施例では、アニーリングステップは2回、3回、5回または10回のように、2回以上行われる。通常、アニーリングステップは2回行われる。
【0042】
特定の好ましい実施例では、アニーリングステップにおいて凍結濃縮物は、0℃から-44.7℃、好ましくは0℃から-40℃、および好ましくは0℃から-30℃の温度で、10分から10時間、好ましくは2時間から6時間、さらに好ましくは3時間から5時間にわたり、アニールされる。
【0043】
用語「アニールされた組成物」はここで使用されるように、上記で定義されたようにアニールされたいかなる組成物も指す。
【0044】
開示される凍結乾燥手順の次のステップにおいて、アニールされた組成物は、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)のTg以下の温度に凍結されることができる。この凍結ステップにおいて、溶液は、-44.7℃から-80℃、好ましくは-44.7℃から-60℃、好ましくは-44.7℃から-50℃の温度で、10分から10時間、好ましくは30分から3時間、さらに好ましくは30分から1.5時間にわたり、凍結される。
【0045】
用語「乾燥」はここで使用されるように、凍結濃縮物またはアニールされた組成物のガラス質状態を維持しながら、凍結濃縮物またはアニールされた組成物から水または溶媒を取り除くいかなる方法も包含する。
【0046】
一次乾燥ステップは、凍結濃縮物の破壊を防ぐのに十分低い温度での、真空下での水溶液または溶媒成分の昇華を伴う。ある特定の実施例では、水性または溶媒成分は一次乾燥中の昇華によって取り除かれる。乾燥ステップの温度は、液体成分の十分な昇華率を提供するに十分高いが、凍結濃縮物のすべての成分が凍結されたままであることを保証するに十分低くなければならない。昇華は生成物に相当な冷却を提供することから、乾燥ステップの温度は、一般的に凍結ステップの温度よりかなり高い。
【0047】
一次乾燥ステップでは、凍結濃縮物またはアニールされた組成物は、20℃から-20℃、好ましくは10℃から-10℃、好ましくは10℃から0℃の温度で昇華によって乾燥され、さらなる昇華の温度は、0℃から-30℃、好ましくは0℃から-25℃を含む。通常、昇華は200mTorrから20mTorr、好ましくは200mTorrから100mTorr、さらに好ましくは180mTorrから130mTorrの圧力の真空下で行われる。
【0048】
昇華は、5時間から40時間、好ましくは10時間から30時間、より好ましくは20時間から30時間にわたり行われ、さらなる昇華は、10時間から80時間、好ましくは30時間から60時間にわたり行われる。
【0049】
昇華による氷晶の除去後、残った凍結濃縮物またはアニールされた組成物は、凍結乾燥ケーキを生成するために真空下で任意に行われる緩慢加熱によって除去することができる結合水/溶媒をまだ含んでいることがある。これは、在留水分がもはや生物学的成長や化学反応をサポートしないレベルにまで減少される、凍結乾燥サイクルの最終部分である。このプロセスは二次乾燥である。二次乾燥中の水分の減少は、温度を周囲温度またはそれ以上に上げることによって実現される。
【0050】
二次乾燥ステップでは、凍結濃縮物またはアニールされた組成物は、20℃から80℃、好ましくは30℃から60℃、好ましくは40℃から50℃の温度で脱着によって乾燥され、さらなる脱着の温度は、10℃から80℃、好ましくは10℃から30℃を含む。通常、脱着は200mTorrから20mTorr、好ましくは200mTorrから100mTorr、さらに好ましくは180mTorrから130mTorrの圧力の真空下で行われる。
【0051】
特定の実施例では、脱着は、10分から10時間、好ましくは30分から5時間、より好ましくは1時間から3時間にわたり実行され、さらなる脱着の時間は、10から30時間、好ましくは10から20時間を含む。
【0052】
凍結乾燥製剤または凍結乾燥物は通常、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満、さらに好ましくは1%未満の含水率を有するようになるまで乾燥される。凍結乾燥製剤の最終水分は、カールフィッシャー法または他の方法によって測定される。
【0053】
本発明に基づく有用な典型的凍結乾燥サイクルは、以下に提供される。サイクルは、当業者には周知の形で利用可能な装置および設備によって変化してもよい。
【0054】
1つの実施例では、凍結乾燥組成物は、次の手順によって調製される。チャンバーの温度は任意に10℃から-10℃に下げられ、凍結前5分から5時間の間維持される。チャンバーの温度は次に、-44.7℃から-80℃に下げられ、温度は10分から10時間の間維持される。温度は次に、0℃から-44.7℃に上げられ、10分から10時間の間保たれる。チャンバーの温度は次に、-44.7℃から-80℃に下げられ、温度は10分から10時間の間維持される。温度は次に、任意に0℃から-44.7℃に上げられ、10分から10時間の間保たれる。チャンバーの温度は次に、-44.7℃から-80℃に下げられ、温度は10分から10時間の間維持される。凍結乾燥チャンバー内の圧力は次に、20mTorrから200mTorrに下げられる。チャンバー内の圧力を下げた後、温度は20℃から-20℃に上げられ、4から40時間の間維持される。温度は次に、任意に20℃から80℃に上げられ、10分から10時間の間保たれる。凍結乾燥生成物は、好ましくは約10%未満から約1%未満、通常約1%の最終水分を有する。
【0055】
さらなる実施例では、凍結乾燥組成物は次の手順によって調製される。チャンバーの温度は任意に10℃から0℃に下げられ、凍結前5分から1時間の間維持される。チャンバーの温度は次に、-44.7℃から-60℃に下げられ、温度は30分から3時間の間維持される。温度は次に、0℃から-40℃に上げられ、2時間から6時間の間保たれる。チャンバーの温度は次に、-44.7℃から-60℃に下げられ、温度は30分から3時間の間維持される。温度は次に、任意に0℃から-40℃に上げられ、2時間から6時間の間保たれる。チャンバーの温度は次に、-44.7℃から-60℃に下げられ、温度は30分から3時間の間維持される。凍結乾燥チャンバー内の圧力は次に、100mTorrから200mTorrに下げられる。チャンバー内の圧力を下げた後、温度は10℃から-10℃に上げられ、20から30時間の間維持される。温度は次に、任意に30℃から60℃に上げられ、1時間から3時間の間保たれる。凍結乾燥生成物は、好ましくは約10%未満から約1%未満、通常約1%の最終水分を有する。
【0056】
別のさらなる実施例では、凍結乾燥組成物は次の手順によって調製される。チャンバーの温度は任意に-5℃に下げられ、15分間維持される。チャンバーの温度は次に、-48℃に下げられ、温度は約1時間維持される。温度は次に、-20℃に上げられ、約4時間保たれる。チャンバーの温度は次に、-48℃に下げられ、温度は約1時間維持される。温度は次に、任意に-20℃に上げられ、約3時間保たれる。チャンバーの温度は次に、-48℃に下げられ、温度は約1時間維持される。凍結乾燥チャンバー内の圧力は次に、100〜200mTorrに下げられる。チャンバー内の圧力を下げた後、温度は+5℃にまで上げられ、約25時間維持される。温度は次に、任意に+45℃以上にまで上げられ、3時間保たれる。凍結乾燥生成物は、好ましくは約2%未満、通常約1%の最終水分を有する。
【0057】
さらなる別の実施例では、凍結乾燥組成物は次の手順によって調製される。チャンバーの温度は任意に10℃から0℃に下げられ、5分から1時間の間維持される。チャンバーの温度は次に、-44.7℃から-60℃に下げられ、温度は30分から3時間の間維持される。凍結乾燥チャンバー内の圧力は次に、100mTorrから200mTorrに下げられる。チャンバー内の圧力を下げた後、温度は0℃から-30℃に上げられ、30から60時間の間維持される。温度は次に、任意に10℃から30℃に上げられ、10時間から30時間の間保たれる。凍結乾燥生成物は、好ましくは約10%未満から約1%未満、通常約1%の最終水分を有する。
【0058】
本発明の別の実施例は、本明細書で開示されるような、凍結乾燥および再構成されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)、および薬学的に許容される基材または希釈剤を含む医薬組成物である。
【0059】
ここで記載される、構造式(I)-(V)のビス(チオ-ヒドラジドアミド)に関して、Mは薬学的に許容される一価陽イオンである。M2+は薬学的に許容される二価陽イオンである。「薬学的に許容される」とは、陽イオンが対象への投与に適していることを意味する。MまたはM2+の例は、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Zn2+およびNR4を含み、ここで各Rは独立して、水素、置換または非置換の脂肪族基(例:ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、またはアンモニウムアルキル基)または置換もしくは非置換のアリール基、または2つのR基は共に、任意に芳香環と融合された、置換または非置換の非芳香族複素環を形成する。好ましくは、薬学的に許容される陽イオンは、Li、Na、K、NH3(C2H5OH)、N(CH3)3(C2H5OH)、アルギニン、またはリジンである。より好ましくは、薬学的に許容される陽イオンはNaまたはKである。Naはさらに好ましい。
【0060】
構造式(I)において、Zは好ましくは-Oである。より好ましくは、Zは-O、R1およびR2は同一、ならびにR3およびR4は同一である。
【0061】
一実施例では、構造式(I)のYは共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、trans-(CH=CH)-、cis-(CH=CH)-、または-(CC)-基であり、好ましくは、-C(R5R6)-である。R1-R4は構造式(I)に関して上記で記載されるとおりである。R5およびR6はそれぞれ独立して、-H、脂肪族または置換された脂肪族基、またはR5は-HでありR6は置換または非置換のアリール基、またはR5およびR6は共にC2-C6の置換または非置換のアルキレン基である。薬学的に許容される陽イオンは上記で記載されるとおりである。
【0062】
一実施例では、ここで記載されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)は、構造式(III)によって示される。

R1-R6および薬学的に許容される陽イオンは、構造式(I)に関して上記で記載されるとおりである。
【0063】
別の実施例では、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は構造式(III)によって示され、ここでR1およびR2はそれぞれ、置換または非置換のアリール基、好ましくは置換または非置換のフェニル基であり、R3およびR4はそれぞれ、置換または非置換の脂肪族基、好ましくはアルキル基、より好ましくはメチルまたはエチルであり、R5およびR6は上記で記載されるとおりであるが、R5は好ましくは-H、およびR6は好ましくは-H、脂肪族または置換された脂肪族基である。
【0064】
さらに、R1およびR2はそれぞれ、置換または非置換のアリール基であり、R3およびR4はそれぞれ、置換または非置換の脂肪族基であり、R5は-H、およびR6は-H、脂肪族または置換された脂肪族基である。好ましくは、R1およびR2はそれぞれ、置換または非置換のアリール基であり、R3およびR4はそれぞれアルキル基であり、R5は-H、およびR6は-Hまたはメチルである。さらに好ましくは、R1およびR2はそれぞれ、置換または非置換のフェニル基であり、R3およびR4はそれぞれメチルまたはエチルであり、R5は-H、およびR6は-Hまたはメチルである。R1およびR2によって示されるアリール基およびR3、R4およびR6によって示される脂肪族基の適した置換基は、アリールおよび脂肪族基に関して以下に記載されるとおりである。
【0065】
別の実施例では、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩は構造式(III)によって示され、ここでR1およびR2はそれぞれ、置換または非置換の脂肪族基、好ましくは、少なくとも1つのアルキル基で任意に置換されたC3-C8シクロアルキル基であり、より好ましくはシクロプロピルまたは1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4は構造式(I)に関して上記で記載されるとおりであり、好ましくは両方とも、置換または非置換のアルキル基であり、R5およびR6は上記で記載されるとおりであるが、R5は好ましくは-H、およびR6は好ましくは-H、脂肪族または置換された脂肪族基、より好ましくは-Hまたはメチルである。
【0066】
さらに、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩は構造式(III)によって示され、ここでR1およびR2はそれぞれ、置換または非置換の脂肪族基であり、R3およびR4は構造式(I)に関して上記で記載されるとおりであり、好ましくは両方とも、置換または非置換のアルキル基であり、R5は-H、およびR6は-H、または任意に置換された脂肪族基である。好ましくは、R1およびR2は両方とも、少なくとも1つのアルキル基で任意に置換されたC3-C8シクロアルキル基であり、R3およびR4は両方とも構造式(I)に関して上記で記載されるとおりであり、好ましくはアルキル基であり、R5は-H、およびR6は-H、または脂肪族もしくは置換された脂肪族基である。より好ましくは、R1およびR2は両方とも、少なくとも1つのアルキル基で任意に置換されたC3-C8シクロアルキル基であり、R3およびR4は両方ともアルキル基であり、R5は-H、およびR6は-Hまたはメチルである。さらに好ましくは、R1およびR2は両方とも、シクロプロピルまたは1-メチルシクロプロピルであり、R3およびR4は両方ともアルキル基であり、好ましくはメチルまたはエチルであり、R5は-H、およびR6は-Hまたはメチルである。
【0067】
次は、構造式(III)によって示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩の具体的な例である。R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6エチル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4両方ともフェニル、ならびにR5およびR6は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2-チニエル;R3およびR4は両方ともフェニル、ならびにR5およびR6は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも4-シアノフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はベンジル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はエチル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともエチル;R5は-HおよびR6はn-ブチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はイソ-プロピル;R1およびR2は両方とも3-ニトロフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方とも4-クロロフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-H、およびR6はメチル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6は3-チエニル;R1およびR2は両方ともフェニル;R3およびR4は両方ともメチル、ならびにR5およびR6は共にプロピレン;R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方とも2-クロロ-5-メトキシフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方とも2,6-ジメトキシフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5は-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル;R3およびR4は両方ともエチル;R5は-HおよびR6はメチル、ならびにR1およびR2は両方とも2,5-エトキシフェニル;R3およびR4は両方ともメチル;R5-HおよびR6はメチル;R1およびR2は両方ともシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともシクロプロピル;R3およびR4は両方ともエチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5はメチル;R6は-H;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5はメチルおよびR6は-H;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5はエチルおよびR6は-H;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5はn-プロピルおよびR6は-H;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともエチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル;R3はメチルおよびR4はエチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともシクロブチル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともシクロペンチル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともシクロヘキシル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともシクロヘキシル;R3およびR4は両方ともフェニル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともメチル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともメチル;R3およびR4は両方ともt-ブチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともメチル;R3およびR4は両方ともフェニル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともt-ブチル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2はエチル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H;R1およびR2は両方ともn-プロピル;R3およびR4は両方ともメチル;R5およびR6は両方とも-H。これらの例では、MおよびM2+で示される薬学的に許容される陽イオンは、構造式(I)で記載され、好ましくはLi、Na、K、NH3(C2H5OH)、またはN(CH3)3(C2H5OH)で、より好ましくはNaまたはK、さらに好ましくはNaである。
【0068】
構造式(III)によって示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩の多くは、R5およびR6は両方とも-Hである。例には以下が含まれる。R1およびR2は両方ともフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともo-CH3-フェニル;R1およびR2は両方ともo-CH3C(O)O-フェニル、ならびにR3およびR4はフェニル;R1およびR2は両方ともフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともエチル;R1およびR2は両方ともフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともn-プロピル;R1およびR2は両方ともp-シアノフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともp-ニトロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともn-ブチル;R1およびR2は両方ともp-クロロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも3-ニトロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも3-シアノフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも3-フルオロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2-フラニル、ならびにR3およびR4は両方ともフェニル;R1およびR2は両方とも2-メトキシフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも3-メトキシフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2-メトキシ-5-クロロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともエチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2-メトキシ-5-クロロフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも3,6-ジメトキシフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともフェニル、ならびにR3およびR4は両方とも2-エチルフェニル;R1およびR2は両方とも2-メチル-5-プリジル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;またはR1はフェニル;R2は2,5-ジメトキシフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともメチル、ならびにR3およびR4は両方ともp-CF3-フェニル;R1およびR2は両方ともメチル、ならびにR3およびR4は両方ともo-CH3-フェニル;R1およびR2は両方とも-CH2)3COOH;ならびにR3およびR4は両方ともフェニル;R1およびR2は両方とも以下の構造式によって示され、

ならびにR3およびR4は両方ともフェニル;R1およびR2は両方ともn-ブチル、ならびにR3およびR4は両方ともフェニル;R1およびR2は両方ともn-ペンチル、R3およびR4は両方ともフェニル;R1およびR2は両方ともメチル、ならびにR3およびR4は両方とも2-プリジル;R1およびR2は両方ともシクロヘキシル、ならびにR3およびR4は両方ともフェニル;R1およびR2は両方ともメチル、ならびにR3およびR4は両方とも2-エチルフェニル;R1およびR2は両方ともメチル、ならびにR3およびR4は両方とも2,6-ジクロロフェニル;R1からR4まで全てメチル;R1およびR2は両方ともメチル、ならびにR3およびR4は両方ともt-ブチル;R1およびR2は両方ともエチル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともt-ブチル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともシクロプロピル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともシクロプロピル、ならびにR3およびR4は両方ともエチル;R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともシクロブチル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1およびR2は両方ともシクロペンチル、ならびにR3およびR4は両方ともメチル;R1はシクロプロピル、R2はフェニル、ならびにR3およびR4は両方ともメチルである。これらの例では、MおよびM2+で示される薬学的に許容される陽イオンは、構造式(I)で記載され、好ましくはLi、Na、K、NH3(C2H5OH)、またはN(CH3)3(C2H5OH)で、より好ましくはNaまたはK、さらに好ましくはNaである。
【0069】
本発明における使用では、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩の好ましい例は、以下の構造式によって示される。

2MおよびM2+は構造式(I)に関して上記で記載されるとおりである。好ましくは、薬学的に許容される陽イオンは2Mであり、MはLi、Na、K、NH3(C2H5OH)、またはN(CH3)3(C2H5OH)である。より好ましくは、MはNaまたはKである。さらに好ましくは、MはNaである。
【0070】
構造式(I)および(III)において、R1およびR2は同一または異なり、および/またはR3およびR4は同一または異なる。好ましくは、R1およびR2は同一、ならびにR3およびR4は同一である。
【0071】
開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩は、互変異性形態を有してもよい。一例として、例えばYが-CH2-である構造式(I)によって示される化合物の互変異性形態は以下に示される。

開示される化合物の1つの互変異性形態が構造的に表現されるとき、他の互変異性形態も包含されることは、理解されるべきである。
【0072】
「直鎖ヒドロカルビル基」は、連結基で任意に置き換えられた1つ以上(好ましくは1つ)の内部メチレン基を持つアルキレン基、すなわち-(CH2)y-である。yは正の整数(例:1から10)であり、好ましくは1から6、より好ましくは1または2である。「連結基」は、直鎖ヒドロカルビル中のメチレンを置き換える官能基を意味する。適した連結基の例は、ケトン(-C(O)-)、アルケン、アルキン、フェニレン、エーテル(-O-)、チオエーテル(-S-)、またはアミン(-N(Ra)-)であり、ここでRaは以下に定義される。好ましい連結基は-C(R5R6)-であり、ここでR5およびR6は上記に定義される。アルキレン基およびヒドロカルビル基の適した置換基は、開示される化合物の抗癌活性を実質的に妨害しない置換基である。R5およびR6は、Yによって示されるアルキレンまたはヒドロカルビル基の好ましい置換基である。
【0073】
脂肪族基は、完全に飽和した、または1つ以上の不飽和部分を含む、直鎖、分岐または環状の非芳香族炭化水素である。通常、直鎖または分岐脂肪族基は、1つから約20、好ましくは1つから約10の炭素原子を有し、環状脂肪族基は3つから約10、好ましくは3つから約8つの炭素原子を有する。脂肪族基は、好ましくは直鎖または分岐アルキル基(例:メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチルまたはオクチル)、または3つから約8つの炭素原子を有するシクロアルキル基である。C1-C8直鎖または分岐アルキル基またはC3-C8環状アルキル基はまた、「低アルキル」基といわれる。
【0074】
用語「芳香族基」は、「アリール」、「アリール環」、「芳香環」、「アリール基」および「芳香族基」と交互に用いられてもよい。芳香族基は、フェニル、ナフチルおよびアントラシルなどの炭素環式芳香族基、およびイミダゾリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピリミジ、ピラニル、ピラゾリル、ピロイル、ピラジニル、チアゾール、オキサゾリル、およびテトラゾールなどのヘテロアリール基を含む。用語「ヘテロアリール基」は、「ヘテロアリール」、「ヘテロアリール環」、「芳香族複素環」、および「複素環式芳香族基」と交互に用いられてもよい。ヘテロアリール基は、環状構造中に硫黄、酸素および窒素などの1つ以上のヘテロ原子を含む、芳香族基である。好ましくは、ヘテロアリール基は1つから4つのヘテロ原子を含む。
【0075】
芳香族基はまた、炭素環式芳香環またはヘテロアリール環が1つ以上の他のヘテロアリール環と融合される、融合多環式芳香環システムを含む。例は、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、キノリニル、イソキノリニル、およびイソインドリルを含む。
【0076】
用語「アリーレン」は、2つの他の結合によって分子の残りと結合されるアリール基を意味する。一例として、1,4-フェニレン基の構造は以下に示される。

【0077】
アリーレン基の置換基は、アリール基に関して以下に記載されるとおりである。
【0078】
非芳香族複素環は、環中に窒素、酸素および硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含む、非芳香環である。環は、5、6、7または8員であることができる。好ましくは、複素環基は1つから約4つのへテロ原子を含む。例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、およびチアゾリジニルを含む。
【0079】
脂肪族基(アルキレン基を含む)、非芳香族複素環基、ベンジルまたはアリール基(炭素環式およびヘテロアリール)の適した置換基は、開示される化合物の抗癌活性を実質的に妨害しない置換基である。置換基は、置換基のない化合物と比較して、置換基のある化合物において抗癌活性が約50%を超えて減少されるとき、抗癌活性を実質的に妨害する。適した置換基の例は、-Ra、-OH、-Br、-Cl、-I、-F、-ORa、-O-CORa、-CORa、-CN、-NO2、-COOH、-SO3H、-NH2、-NHRa、-N(RaRb)、-COORa、-CHO、-CONH2、-CONHRa、-CON(RaRb)、-NHCORa、-NRcCORa、-NHCONH2、-NHCONRaH、-NHCON(RaRb)、-NRcCONH2、-NRcCONRaH、-NRcCON(RaRb)、-C(=NH)-NH2、-C(=NH)-NHRa、-C(=NH)-N(RaRb)、-C(=NRc)-NH2、-C(=NRc)-NHRa、-C(=NRc)-N(RaRb)、-NH-C(=NH)-NH2、-NH-C(=NH)-NHRa、-NH-C(=NH)-N(RaRb)、-NH-C(=NRc)-NH2、-NH-C(=NRc)-NHRa、-NH-C(=NRc)-N(RaRb)、-NRdH-C(=NH)-NH2、-NRd-C(=NH)-NHRa、-NRd-C(=NH)-N(RaRb)、-NRd-C(=NRc)-NH2、-NRd-C(=NRc)-NHRa、-NRd-C(=NRc)-N(RaRb)、-NHNH2、-NHNHRa、-NHRaRb、-SO2NH2、-SO2NHRa、-SO2NRaRb、-CH=CHRa、-CH=CRaRb、-CRc=CRaRb、-CRc=CHRa、-CRc=CRaRb、-CCRa、-SH、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Raを含む。
【0080】
Ra-Rdはそれぞれ独立して、アルキル基、芳香族基、非芳香族複素環基であるか、または-N(RaRb)で共に置換または非置換の非芳香族複素環基を形成する。Ra-Rdによって示されるアルキル、芳香族、および非芳香族の複素環基、および-N(RaRb)によって示される非芳香族複素環基はそれぞれ任意に、および独立してRによって示される1つ以上の基で置換される。
【0081】
Rは、R、-OR、-O(ハロアルキル)、-SR、-NO2、-CN、-NCS、-N(R)2、-NHCO2R、-NHC(O)R、-NHNHC(O)R、-NHC(O)N(R)2、-NHNHC(O)N(R)2、-NHNHCO2R
-C(O)C(O)R、-C(O)CH2C(O)R、-CO2R、-C(O)R、-C(O)N(R)2、-OC(O)R、-OC(O)N(R)2、-S(O)2R、-SO2N(R)2、-S(O)R、-NHSO2N(R)2、-NHSO2R、-C(=S)N(R)2、または-C(=NH)-N(R)2である。
【0082】
Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、-CN、-NO2、アミン、アルキルアミン、またはジアルキルアミンで任意に置換された、-H、C1-C4アルキル基、単環式ヘテロアリール基、非芳香族複素環基、またはフェニル基である。任意に、-N(R)2の基は、二次的な環アミンを含むRおよび-N(R)2によって示される非芳香族複素環基が任意にアシル化またはアルキル化されるという条件で、非芳香族複素環基である。
【0083】
R1-R4によって示されるフェニル基を含む、フェニル基の好ましい置換基は、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、フェニル、ベンジル、ピリジル、-OH、-NH2、-F、-Cl、-Br、-I、-NO2、または-CNを含む。
【0084】
R1およびR2によって示されるシクロアルキル基を含む、シクロアルキル基の好ましい置換基は、メチルまたはエチル基のようなアルキル基である。
【0085】
適した薬学的に許容される基材は、開示される複塩の生物活性を抑制しない不活性成分を含んでもよい。薬学的に許容される基材は、生体適合性、すなわち非毒性、非炎症性、非免疫原性、および対象への投与における他の好ましくない反応のない性質を有するべきである。Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PAに記載されるような、標準的な製剤処方技術が用いられることができる。投与される化合物の調合は、選択される投与方法(例:液剤、乳剤、カプセル)によって異なる。非経口投与の適した薬剤基材は、例えば滅菌水、生理食塩水、静菌食塩水(約0.9%mg/mlのベンジルアルコールを含む生理食塩水)、リン酸緩衝生理食塩水、ハンクス液、乳酸リンゲル液などを含む。組成物をカプセル化する方法(硬ゼラチンまたはシクロデキストリンのコーティングにおけるような)は、当技術分野で既知である(Bakerら、「Controlled Release of Biological Active Agents」、John Wiley and Sons、1986)。
【0086】
本発明の別の実施例は、癌を持つ対象の治療方法である。任意に、本発明の方法は、以下に記載されるような多剤耐性癌に対して使用されることができる。方法は、ここで記載される、効果のある分量の再構成および凍結乾燥されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩を投与するステップを含む。好ましくは、1つ以上のさらなる抗癌剤が、再構成および凍結乾燥されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩と同時投与される。抗癌剤の例は以下に記載される。好ましくは、同時投与される抗癌剤は、タクソールまたはタクソールの類似体などの、微小管を安定させる薬剤である。
【0087】
「対象」は哺乳類、好ましくはヒトであるが、例えば、ペット(例:犬、猫など)、家畜(例:乳牛、羊、豚、馬など)、および実験動物(ネズミ、ハツカネズミ、モルモットなど)のような、獣医治療を必要としている動物であることもできる。
【0088】
上述のとおり、本発明の一実施例は癌を持つ対象の治療に向けられる。「癌を持つ対象の治療」は、次の1つ以上を部分的に、または実質的に達成することを含む。癌の成長または転移の抑止、癌の範囲の縮小(例:腫瘍のサイズの縮小、または関係部位の数の縮小)、癌の成長率の抑制、および臨床症状または癌に関連する指標(組織または血清成分など)の改善または向上。
【0089】
本発明の方法によって治療する、または防ぐことができる癌は、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、へん平上皮癌、基底細胞、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、例えば急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病)のような白血病、慢性白血病(慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ球性白血病)、および真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症および重鎖病のような、ヒト肉腫および癌腫を含むがそれに限らない。
【0090】
白血病の他の例は、例えばリンパ性白血病(例:p388(マウス)細胞株など)、大型顆粒リンパ性白血病、およびリンパ芽球性白血病、例えばT細胞白血病(例:CEM、ジャーカットおよびHSB-2(急性)、YAC-1(マウス)細胞株など)、Tリンパ性白血病およびTリンパ芽球性白血病のようなT細胞白血病、B細胞白血病(例:SB(急性)細胞株など)、およびBリンパ性白血病、例えばBおよびT細胞白血病、ならびにBおよびTリンパ性白血病のような混合型白血病、例えば顆粒球性白血病、骨髄球性白血病(例:HL-60(前骨髄球)細胞株など)、および骨髄性白血病(例:K562(慢性)細胞株など)のような骨髄性白血病、好中球性白血病、好酸球性白血病、単球性白血病(例:THP-1(急性)細胞株)、骨髄単球性白血病、ネーゲリ型骨髄性白血病、および非リンパ性白血病のような、急性および/または慢性白血病を含む。白血病の他の例は、「The Chemotherapy Sourcebook」、Michael C.Perry編集、Williams & Williams(1992)の第60章、および「Holland Frie Cancer Medicine第5版」、Bast等編集、B.C.Decker Inc.(2000)の第36項に記載されている。前参考文献の全体の内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0091】
一実施例では、開示される方法は、多発性骨髄腫などの非固形腫瘍を持つ対象の治療に特に効果的であると見られている。別の実施例では、開示される方法は、T細胞白血病(ジャーカット細胞、およびCEM細胞株など)、B細胞白血病(SB細胞株など)、前骨髄球(HL-60細胞株など)、子宮肉腫(MES-SA細胞株など)、単球性白血病(THP-1(急性)細胞株)、およびリンパ腫(U937細胞株など)に対する治療に特に効果的であると見られており、最も好ましくは、本方法の実施例に組成物(1)の二ナトリウム塩を用いることである。
【0092】
開示される方法は、癌が「多剤耐性」を持つようになった対象の治療に特に効果的である。抗癌剤に最初反応していた癌は、抗癌剤がもはや癌を持つ対象の治療に効果的ではなくなったとき、抗癌剤に対する抵抗性を持つようになる。例えば、多くの腫瘍はサイズを小さくする、またはさらに小康状態に入ることによって、最初は抗癌剤での治療に反応するが、結局ただ薬剤への抵抗性を発達する結果となる。薬剤耐性腫瘍は、用量を増やした抗癌剤の投与にもかかわらず、一見小康状態に入った後のそれらの増殖が再開および/または再発することによって特徴づけられる。2種類以上の抗癌剤に対する抵抗性が発現した癌は、「多剤耐性」を持つといわれている。例えば、癌が3種類以上の抗癌剤に対して抵抗性を持つようになることは、よくあることであり、しばしば5種類以上の抗癌剤、および時には10種類以上の抗癌剤に対する抵抗性を持つようになる。
【0093】
用語「効果のある分量」および投与の方法は、前述の米国特許出願11/157,213号で示され、その全体の内容は参照されることにより本明細書に組み込まれる。
【0094】
任意で、開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩は、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アンスラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシラート;ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カーベタイマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;クリスナトールメシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジコン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;エトポシドホスフェート;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキンII(組み換え型インターロイキンIIまたはrIL2など);インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトジリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンのような他の抗癌剤と同時投与することができる。
【0095】
他の抗癌剤には、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレライド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血管新生抑制剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1;前立腺癌用抗アンドロゲン;抗エストロゲン;抗ネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調整剤;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレシン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF抑制剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビザジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルフォスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来抑制剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ抑制剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シスポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ディデムニンB;ディドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステライド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシドホスフェート;エクスメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステライド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン;フォルフェニメックス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ抑制剤;ゲムシタビン;グルタチオン抑制剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体抑制剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;4-イポメアノール;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制要素;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;レウプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン抑制剤;マトリックスメタロプロティナーゼ抑制剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF抑制剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;不適合塩基配列を有する二重鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン繊維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリア細胞壁サブスタンス sk;モビダモール;多剤耐性遺伝子抑制剤;多腫瘍サプレッサ1-基剤療法;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナイオキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキザウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;パーフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸;ホスファターゼ抑制剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター抑制剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム抑制剤;プロテインAベースの免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC抑制剤;プロテインキナーゼC抑制剤(微細藻類);プロテインチロシンホスファターゼ抑制剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ抑制剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼ抑制剤;ras抑制剤;ras-GAP抑制剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;セイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣剤;セムスチン;老化由来抑制剤1;センスオリゴヌクレオチド;信号伝達抑制剤;シグナル変換モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞抑制剤;幹細胞分裂抑制剤;スチピアミド;ストロメライシン抑制剤;スルフィノシン;超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ抑制剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣剤;チマルファシン;サイモポエチンレセプターアンタゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳抑制剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;テュロステライド;チロシンキナーゼ抑制剤;チロホスチン;UBC抑制剤;ウベニメクス;尿生殖洞-由来成長抑制因子;ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;赤血球遺伝子治療用ベクター系;ベラレソール;ベラミン;バーディン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;バイタクシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマーを含むが、それらに限らない。さらに好ましい抗癌剤は、5-フルオロウラシルとロイコボリンである。
【0096】
使用できる治療抗体の例には、転移性乳癌患者の治療用のヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるHERCEPTINR(トラスツズマブ)(Genentech、カリフォルニア州);血餅形成を予防する血小板の抗糖タンパクIIb/IIIa受容体であるREOPROR(アブシキシマブ)(Centocor);急性腎同種移植片拒絶を予防する免疫抑制剤のヒト化抗CD25モノクローナル抗体であるZENAPAXR(ダクリズマブ)(Roche Pharmaceuticals、スイス);マウス抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるPANOREX?(Glaxo Wellcome/Centocor);抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2(ImClone System);キメラ抗上皮成長因子受容体IgG抗体であるIMC-C225(ImClone System);ヒト化抗aVβ3インテグリン抗体であるVITAXIN?(Applied Molecular Evolution/MedImmune);ヒト化抗CD52IgG1抗体であるキャンパス1H/LDP-03(Leukosite);ヒト化抗CD33IgG抗体であるスマートM195(Protein Design Lab/カネボウ);キメラ抗CD20IgG1抗体であるRITUXAN?(IDEC Pharm/Genentech、Roche/Zettyaku);ヒト化抗CD22IgG抗体であるLYMPHOCIDE?(Immunomedics);LYMPHOCIDE?Y-90(Immunomedics);リンホスカン(Tc-99mでラベル化、放射性造影、Immunomedics);ヌビオン(CD3抗体、Protein Design Labs);ヒト化抗ICAM3抗体であるCM3(ICOS Pharm);霊長類化抗CD80抗体であるIDEC-114(IDEC Pharm/三菱);放射標識されたマウス抗CD20抗体ZEVALIN?(IDEC/Schering AG);ヒト化CD40L抗体であるIDEC-131(IDEC/エーザイ);霊長類化抗CD4抗体であるIDEC-151(IDEC);霊長類化抗CD23抗体であるIDEC-152(IDEC/生化学);ヒト化抗CD3IgGであるスマート抗CD3(Protein Design Lab);ヒト化抗補体因子5(C5)抗体である5Gl.1(Alexion Pharm);ヒト化抗TNF-α抗体であるD2E7(CAT/BASF);ヒト化抗TNF-αFabフラグメントであるCDP870(Celltech);霊長類化抗CD4IgGl抗体であるIDEC-151(IDEC Pharm/SmithKline Beecham);ヒト化抗CD4IgG抗体であるMDX-CD4(Medarex/エーザイ/Genmab);CD20-ストレプトアビジン(+ビオチン-イットリウム90、NeoRx);ヒト化TNF-αIgG4抗体であるCDP571(Celltech);ヒト化抗α4β7抗体であるLDP-02(LeukoSite/Genentech);ヒト化抗CD4 IgG抗体であるオルソクローンOKT4A(Ortho Biotech);ヒト化抗CD40L IgG抗体であるANTOVA?(Biogen);ヒト化抗VLA-4IgG抗体であるANTEGREN?(Elan);およびヒト化抗TGF-β2抗体CAT-152(Cambridge Ab Tech)を含むが、それらに限らない。
【0097】
本発明の方法および組成物において使用できる化学療法薬には、アルキル化剤、代謝拮抗物質、天然物またはホルモンを含むが、これらに限らない。本発明の方法および化合物におけるT細胞性悪性腫瘍の治療および予防に有益なアルキル化剤の例にはナイトロジェンマスタード(例:メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシルなど)、スルホン酸アルキル(例:ブスルファン)、ニトロソ尿素(例:カルムスチン、ロムスチンなど)、またはトリアゼン(ダカルバジンなど)を含むが、これらに限らない。本発明の方法および化合物におけるT細胞性悪性腫瘍の治療および予防に有益な代謝拮抗物質の例には、葉酸類似体(例:メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例:シタラビン)、プリン類似体(例:メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)を含むが、これらに限らない。本発明の方法および化合物におけるT細胞性悪性腫瘍の治療および予防に有益な天然物の例には、ビンカアルカロイド(例:ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例:エトポシド)、抗生物質(例:ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例:L-アスパラギナーゼ)、または生物学的応答調節物質(例:インターフェロンα)を含むが、これらに限らない。
【0098】
本発明の方法および組成物において癌の治療または予防に有益なアルキル化剤の例には、ナイトロジェンマスタード(例:メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファランなど)、エチレンイミンとメチルメラミン(例:ヘクサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例:ブスルファン)、ニトロソ尿素(例:カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンなど)、またはトリアゼン(ダカルバジンなど)を含むが、これらに限らない。本発明の方法および化合物における癌の治療および予防に有益な代謝拮抗物質の例には、葉酸類似体(例:メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例:フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例:メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)を含むが、これらに限らない。本発明の方法および化合物における癌の治療および予防に有益な天然物の例には、ビンカアルカロイド(例:ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例:エトポシド、テニポシド)、抗生物質(例:アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン)、酵素(例:L-アスパラギナーゼ)または生物学的応答調節物質(例:インターフェロンα)を含むが、これらに限らない。本発明の方法および化合物における癌の治療および予防に有益なホルモンおよびアンタゴニストの例には、副腎皮質ステロイド(例:プレドニゾン)、プロゲスチン(例:カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例:ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例:タモキシフェン)、アンドロゲン(例:プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロジェン(例:フルタミド)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体(例:ロイプロリド)を含むが、これらに限らない。癌治療および予防に対し、本発明の方法および化合物において使用できるその他の薬剤には、白金配位錯体(例:シスプラチン、カルボブラチン)、アントラセンジオン(例:ミトキサントロン)、置換尿素(例:ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例:プロカルバジン)、副腎皮質抑制薬(例:ミトタン、アミノグルテチミド)を含む。
【0099】
ここで使用されるように、「ミクロチューブリン安定剤」は微小管の安定化のためG2-M相で細胞を抑止して機能する抗癌剤を意味する。ミクロチューブリン安定剤の例には、タクソールおよびタクソール類似体を含む。ミクロチューブリン安定剤のさらなる例には、以下の市販薬剤および開発中の薬剤を含むが、これらに限定されない。ジスコデルモライド(NVP-XX-A-296としても知られる)、エポチロン(エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デオキシエポチロンAまたはdEpoAとしても知られる)、エポチロンD(KOS-862、dEpoB、およびデオキシエポチロンBとも呼ばれる)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(BMS-310705としても知られる)、21-ヒドロキシエポチロンD(デオキシエポチロンFおよびdEpoFとしても知られる)、26-フルオロエポチロン)、FR-182877(藤沢薬品工業、WS-9885Bとしても知られる)、BSF-223651(BASF、ILX-651およびLU-223651としても知られる)、AC-7739(味の素、AVE-8063A、およびCS-39.HClとしても知られる)、AC-7700(味の素、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-セリン.HCl、およびRPR-258062Aとしても知られる)、フィジアノリドB、ラウリマリド、カリバエオシド、カリバエオリン、タッカロノリド、エリュテロビン、サルコジクチン、ラウリマリド、ジサイトスタチン-1、ジャトロファン、エステル、ならびにそれらの類似体および誘導体である。
【0100】
ここで使用されるように、「ミクロチューブリン抑制剤」はチューブリンポリマー化または微小管形成を抑止して機能する抗癌剤を意味する。ミクロチューブリン抑制剤の例には、以下の市販薬剤および開発中の薬剤を含むが、これらに限定されない。エルブロゾー(R-55104としても知られる)、ドラスタチン10(DLS-10またはNSC-376128としても知られる)、ミボブリンイセチオネート(CI-980としても知られる)、ビンクリスチン、NSC-639829、ABT-751(Abbot、E-7010としても知られる)、アルトリーチン(アルトリーチンA、アルトリーチンCなど)、スポンジスタチン(スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8、スポンジスタチン9など)、塩酸セマドチン(LU-103793およびNSC-D-669356としても知られる)、アウリスタチンPE(NSC-654663としても知られる)、ソブリドチン(TZT-1027としても知られる)、LS-4559-P(Pharmacia、LS-4577としても知られる)、LS-4578(Pharmacia、LS-477-Pとしても知られる)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ-3358(第一製薬)、GS-164(武田薬品)、GS-198(武田薬品)、KAR-2(ハンガリー科学アカデミSAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/協和発酵)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/協和発酵)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン52(LY-355703としても知られる)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール;センタウレイジン(NSC-106969としても知られる)、T-138067(Tularik、T-67、TL-138067およびTI-138067としても知られる)、COBRA-1(パーカーヒューズインスティテュート、DDE-261およびWHI-261としても知られる)、H10(カンザス州立大学)、H16(カンザス州立大学)、オンコシジンA1(BTO-956およびDIMEとしても知られる)、DDE-313(パーカーヒューズインスティテュート)、SPA-2(パーカーヒューズインスティテュート)、SPA-1(パーカーヒューズインスティテュート、スピケット-Pとしても知られる)、3-IAABU(Cytoskeleton/マウントサイナイ医科大学、MF-569としても知られる)、ナルコシン(NSC-5366としても知られる)、ナスカピン、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアステリン、3-BAABU(Cytoskeleton/マウントサイナイ医科大学、MF-191としても知られる)、TMPN(アリゾナ州立大学)、バナドセンアセチルアセトナート、T-138026(Tularik)、モンサトロール、イナノシン(NSC-698666としても知られる)、3-IAABE(Cytoskeleton/マウントサイナイ医科大学)、A-204197(Abbott)、T-607(Tularik、T-900607としても知られる)、RPR-115781(Aventis)、ロイセロビン(ジスメチレロイセロビン、ジサエチレロイセロビン、イソエレロイセロビンA、およびZ-ロイセロビンなど)、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾンアミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(-)-フェニラヒスチン(NSCL-96F037としても知られる)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D-43411(Zentaris、D-81862としても知られる)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(トリフルオロ酢酸塩SPA-110としても知られる)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、レスベラスタチンリン酸ナトリウムBPR-0Y-007(ナショナルヘルスリサーチインスティテューツ)、SSR-250411(Sanofi)、コンブレタスタチンA4、ならびにそれらの類似体および誘導体である。
【0101】
タクソールは「パクリタキセル」ともいわれ、微小管形成を強化および安定させることによって作用する、周知の抗癌剤である。タキソテールを含む、多くのタクソール類似体が既知である。タキソテールは「ドセタキソール」ともいわれる。他のタクソール類似体の構造は、米国特許出願11/157,213号で示され、その全体の内容は参照されることにより本明細書に組み込まれる。これらの化合物は、共通の構造特徴としてタキサンの基本骨格を有し、また微小管の安定化により、G2-M期における細胞を抑止する能力を持つことを示してきた。従って、様々な置換基が生物活性に悪影響を与えることなく、タキサン骨格を修飾することができる。タクソール類似体のシクロヘキサン環の0、1つまたは両方が、指示された位置に二重結合を有することができることも明らかである。明確にするために、タキサンの基本骨格が以下で構造式(VI)に示される。

二重結合は、構造式(VI)によって示されるタキサン骨格内のシクロヘキサン環から削除されている。タキサンの基本骨格は、以下の構造式(VII)および(VIII)に示されるように、1つまたは両方のシクロヘキサン環中に0または1つの二重結合を含むことができる。多くの原子もまた、タクソール類似体のうちで構造変動がよく生じる場所を示すために、構造式(VI)から削除している。例えば、酸素原子だけのタキサン骨格上の置換は、ヒドロキシル、アシル、アルコキシ、または別の酸素含有の置換基がその場所でよく見られることを示す。タキサン骨格上のこれらおよび他の置換は、微小管形成を強化および安定化させる能力を失うことなく行われることができる。従って、用語「タクソール類似体」は、タクソールの基本骨格を有し、微小管形成を促進する化合物を意味すると、ここで定義される。タクソール類似体は、注入時間を改善し、一部の患者の超過敏反応を引き起こすクレモフォールを有する薬剤を供給する必要性をなくすために、ナノ粒子コロイド組成物として調合することができる。ナノ粒子コロイド組成物として調合されるタクソール類似体の例は、生理食塩水の中で再構成される、タンパク質で安定化されたパクリタキセルのナノ粒子コロイド組成物であるABI-007である。
【0102】
通常、ここで使用されるタクソール類似体は、構造式(VII)または(VIII)によって示される。


R10は低アルキル基、置換された低アルキル基、フェニル基、置換されたフェニル基、-SR19、-NHR19、または-OR19である。
R11は低アルキル基、置換された低アルキル基、アリール基、置換されたアリール基である。
R12は-H、-OH、低アルキル、置換された低アルキル、低アルコキシ、置換された低アルコキシ、-O-C(O)-(低アルキル)、-O-C(O)-(置換された低アルキル)、-O-CH2-O-(低アルキル)-S-CH2-O-(低アルキル)である。
R13は-H、-CH3、またはR14と共に-CH2-である。
R14は-H、-OH、低アルコキシ、-O-C(O)-(低アルキル)、置換された低アルコキシ、-O-C(O)-(置換された低アルキル)、-O-CH2-O-P(O)(OH)2、-O-CH2-O-(低アルキル)、-O-CH2-S-(低アルキル)、またはR20と共に二重結合である。
R15は-H、低アシル、低アルキル、置換された低アルキル、アルコキシメチル、アルクチオメチル、-OC(O)-O(低アルキル)、-OC(O)-O(置換された低アルキル)、-OC(O)-NH(低アルキル)、または-OC(O)-NH(置換された低アルキル)である。
R16は、フェニルまたは置換されたフェニルである。
R17は-H、低アシル、置換された低アシル、低アルキル、置換された低アルキル、(低アルコキシ)メチル、または(低アルキル)チオメチルである。
R18は-H、-CH3、またはR17およびR17とR18が結合する炭素原子と共に、5または6員の非芳香族複素環である。
R19は低アルキル基、置換された低アルキル基、フェニル基、置換されたフェニル基である。
R20は、-Hまたはハロゲンである。
R21は-H、低アルキル、置換された低アルキル、低アシル、または置換された低アシルである。
【0103】
好ましくは、構造式(VII)および(VIII)の変数は次のように定義される。R10はフェニル、tert-ブトキシ、-S-CH2-CH-(CH3)2、-S-CH(CH3)3、-S-(CH2)3CH3、-O-CH(CH3)3、-NH-CH(CH3)3、-CH=C(CH3)2、またはpara-クロロフェニルであり、R11はフェニル、(CH3)2CHCH2-、-2-フラニル、シクロプロピル、またはpara-トルイルであり、R12は-H、-OH、CH3CO-、または-(CH2)2-N-モルホリノであり、R13はメチル、またはR13およびR14は共に-CH2-であり、
R14は-H、-CH2SCH3、または-CH2-O-P(O)(OH)2であり、R15はCH3CO-であり、
R16はフェニルであり、R17は-H、またはR17およびR18は共に-O-CO-O-であり、
R18は-Hであり、R20は-Hまたは-Fであり、R21は-H、-C(O)-CHBr-(CH2)13-CH3または-C(O)-(CH2)14-CH3、-C(O)-CH2-CH(OH)-COOH、
-C(O)-CH2-O-C(O)-CH2CH(NH2)-CONH2、-C(O)-CH2-O-CH2CH2OCH3、または-C(O)-O-C(O)-CH2CH3である。
【0104】
タクソール類似体はまた、ポリアクリルアミドなどの薬学的に許容される高分子に結合されるか、そこに付着することもできる。この種類の高分子の一例は、米国特許出願11/157,2213号に示される。用語「タクソール類似体」はここで使用されるように、かかる高分子を含む。
【0105】
本明細書で開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩は、本発明の方法によって調製されることができる。開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩を調製する方法は、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成するために、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、有機溶媒および塩基を混合するステップ、および溶液と有機抗溶媒を混合し、それによりビス(チオ-ヒドラジドアミド)の複塩を沈殿させるステップを含む(例:構造式(I)-(V)によって示される化合物)。開示されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩の中性形態は、米国公開第2003/0045518号および2003/0119914(共に題名「SYNTHESIS OF TAXOL ENHANCERS」)、および米国公開第2004/0225016 A1号(題名「TREATMENT FOR CANCERS」)に記載される方法に従って調製されることができる。これらの公開の全体の内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0106】
通常、塩基の少なくとも約2モル当量が中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)の各モル当量に用いられ、より典型的には約2から約5当量、または好ましくは約2.0から約2.5当量が用いられる。
【0107】
適した塩基は、複塩を生成するためにビス(チオ-ヒドラジドアミド)と反応するに十分、強くなることができる。様々な実施例では、塩基はアミン(例:トリエチルアミン、ジフェニルアミン、ブチルアミンなど)、水酸化アンモニウム(例:水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなど)、水酸化アルカリ金属(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ金属C1-C6アルコキシド、またはアルカリ金属アミド(例:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなど)である。いくつかの実施例では、塩基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC1-C6アルコキシド、カリウムC1-C6アルコキシド、ナトリウムアミド、またはカリウムアミド、または好ましくは、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、またはナトリウムエトキシドである。
【0108】
様々な実施例では、塩基は水素化アルカリ金属(例:水素化ナトリウム、水素化カリウムなど)、二価金属塩基(例:マグネシウムオキシド)、C1-C6アルキルアルカリ金属(例:ブチルリチウム)、またはアリールアルカリ金属(例:フェニルリチウム)であることができる。より典型的に、塩基は水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ブチルリチウム、ブチルナトリウム、ブチルカリウム、フェニルリチウム、フェニルナトリウム、またはフェニルカリウムである。
【0109】
ここで使用されるように、アルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、およびルビジウムを含む。
【0110】
有機溶媒は、塩基がビス(チオ-ヒドラジドアミド)および有機溶媒の混合に添加されるとき安定している、いかなる有機溶媒であることができる。通常、有機溶媒は、溶液を形成する方法によって形成されたビス(チオ-ヒドラジドアミド)塩を溶解させるに十分な極性を持つ。様々な実施例では、有機溶媒は水混和性である。有機溶媒は一般的に、C1-C4脂肪族アルコール(例:メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなど)、C1-C4脂肪族ケトン(例:アセトン、メチルエチルケトン、2-ブタノンなど)、C2-C4脂肪族エーテル(例:ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテルなど)、C2-C4シクロ脂肪族エーテル(例:テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、グリコール(例:エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなど)、アルキルグリコールエーテル(例:エチレングリコールジメチルエーテルなど)、およびアセトニトリルから選択されることができる。より典型的に、有機溶媒はメタノール、エタノール、プロパノール(例:1-プロパノール、2-プロパノール)、ブタノール(例:1-ブタノール、tert-ブチルアルコールなど)、アセトン、テトラヒドロフラン、およびメチルエチルケトンから選択されることができる。好ましくは、有機溶媒はメタノール、エタノール、アセトン、およびメチルエチルケトンから選択されることができる。
【0111】
ここで使用されるように、有機抗溶媒は、塩基、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および有機溶媒を混合することによって作られる溶液に添加されるとき、溶液からビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩を沈殿させる溶媒である。通常、有機抗溶媒は、C5-C10アルカン(例:ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなど)、C5-C10シクロアルカン(例:シクロヘキサン、シクロペンタンなど)、C3-C10アルキルエステル(例:酢酸エチル、酢酸プロピル、酪酸メチルなど)、C3-C10アルキル エーテル(例:メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテルなど)、ベンゼン、トルエン、およびキシレンから選択されることができる。より典型的には、有機抗溶媒は、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル(例:プロピルが1-プロピルまたは2-プロピル)、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、および石油エーテルから選択されることができる。いくつかの実施例では、有機抗溶媒は、C5-C10アルカンまたはC5-C10シクロアルカンであることができる。様々な好ましい実施例では、有機抗溶媒はヘプタンであることができるか、有機抗溶媒はジエチルエーテルまたは酢酸エチルであることができる。様々な好ましい実施例では、有機抗溶媒はメチルtert-ブチルエーテルであることができる。
【0112】
様々な実施例では、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は有機溶媒中で実質的に不溶性であることができ、それにより混合物を形成し、混合物と塩基を混合させることでビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液を形成する。通常、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液は透明であることができる。一般的に、約0.25から約2.5モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が1リットルの有機溶媒につき混合されるか、通常0.75から1.5モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が1リットルの有機溶媒につき混合される。好ましくは、約1モルの中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)が1リットルの有機溶媒につき混合される。
【0113】
ここで使用されるように、有機溶媒、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)および塩基から形成されるときの「ビス(チオ-ヒドラジドアミド)溶液」は、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)単塩、ビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩などの1つ以上の種類を含むことができる。
【0114】
好ましい実施例では、有機溶媒はエタノールである。好ましくは、塩基は約2モルから約5モル、またはより好ましくは約2から約2.5モルの水性水酸化ナトリウムである。
【0115】
好ましい実施例では、有機溶媒はアセトンである。好ましくは、塩基は約2モルから約5モル、またはより好ましくは約2から約2.5モルのエタノール性ナトリウムエトキシドである。
【0116】
本発明によって調製されるビス(チオ-ヒドラジドアミド)複塩は、構造式(I)〜(V)によって示される複塩を含む、本明細書で開示される複塩である。構造式(I)〜(II)によって示される複塩を調製するための開示される方法に用いられる中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は、次の構造式(I')〜(II')によって示されることができ、ここで変数は構造式(I)〜(II)それぞれと同じ値および同じ好ましい値を持つ。

従って、ここで使用されるように、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は、複塩を形成するためにここで記載される塩基と反応することができる、少なくとも2つの水素(例:構造式(I')および(II')において窒素原子に結合する水素)を持つ。
【0117】
構造式(I)では、Mは薬学的に許容される一価陽イオンである。M2+は、上記で記載されるように、薬学的に許容される二価陽イオンである。
【0118】
様々な好ましい実施例では、有機溶媒はアセトンであることができ、塩基はエタノール性ナトリウムエトキシドであることができ、有機溶媒はエタノールであることができ、塩基は水性水酸化ナトリウムであることができ、抗溶媒はヘプタンであることができ、中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は、

および/または中性ビス(チオ-ヒドラジドアミド)は、

であることができる。
【0119】
本発明は、次の例によって説明されるが、決して制限するよう意図されていない。
【0120】
例示
例1 フリーズドライ・パラメータの開発
凍結乾燥機の棚は、0.1℃/分、0.2℃/分、0.4℃/分、1.0℃/分、および-80℃の冷凍庫でバイアルを急速に凍結させることによって冷却された。最も見た目の悪いケーキは、生成物が-80℃の冷凍庫で凍結された時生成された。この熱処理は、本研究の全期間を間を通して、サンプルの上部に「フレーク」といわれる分離した層をもたらした。フレーク形成は、ケーキの残りを形作る物質と比較して、ケーキの上部の気体流へのはるかに高い抵抗性によって説明されることができるであろう。棚が1℃/分で冷却された時、より薄いフレークが乾燥ケーキの上部から分離した。棚が0.1℃/分、0.2℃/分、0.4℃/分の速度で冷却された時、(表1で概説されたパラメータを使用して乾燥されたような)製剤の最適化を使用してのフレーキングは見られなかった。注目すべきは、冷却速度が落とされた時、他の変数も変更されたという事実である(例:一次乾燥中の加熱速度)。
【0121】
アニーリングステップは、マンニトールの結晶化を促し、結晶のサイズをコントロールするために含められた。2つのアニーリング温度、-8℃および-20℃がテストされた。さらに、マンニトールの結晶化およびケーキの様態への、アニーリング時間およびアニーリングサイクル数の影響が評価された。アニーリングに選択された最終的な温度は、-20℃であった。フリーズドライサイクルは、1つまたは2つのアニーリングステップを使用して行われた。2つのアニーリングステップを使用するサイクルは、より優れたケーキを生成した。
【0122】
一次乾燥は、(一次乾燥の開始時における-34℃から-24℃の生成物温度に相互して)-10℃から10℃の範囲の棚温度で行われた。-10℃の棚温度での一次乾燥は、たいへん長い乾燥時間を要した(生成物温度は、17時間後も棚温度を12℃下回っていた)。一次乾燥中5℃を超える棚温度は、バイアルの底層にメルトバックをもたらした。5℃の棚温度が、最終的な一次乾燥温度に選択された。サンプルの速すぎる加熱を防ぐために、0.5℃/分で-48℃から-15℃、および0.1℃/分で-15℃から5℃の緩慢加熱昇温が導入された。初期の冷却速度および一次乾燥の加熱速度が落とされた後、選択された製剤において、ケーキのフレーキングは、もはや問題ではなくなる。これらの2つのパラメータの影響を十分に見分けるために、さらなる研究が必要であろうが、製剤がより急速に冷却された時の、一次乾燥サイクルの初めのフレーク形成の目視観察は、生成物の相分離を防ぐ適切な冷却速度の重要性を示唆する。
【0123】
二次乾燥は、5℃から45℃の昇温、および45℃での保持ステップから構成された。45℃は、その温度での二次乾燥の実行が、マンニトール水和物を無水マンニトールに変えるであろうことから選択された。選択された最終的な昇温率は、3時間続く保持ステップを伴い、1℃/分であった。
【0124】
この生成物に選択された、推奨されるフリーズドライサイクルは、表1に示される。
【0125】
(表1)推奨されるフリーズドライサイクル

【0126】
DSC分析は、ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラート製剤のガラス転移温度の特性を示すために行われた。およそ-34℃のTg'が、アニーリングステップが熱処理に導入されなかった時、55mg/mlのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートおよび11%(w/v)のマンニトールに対して検出された。1時間の-8℃におけるアニーリングステップ後、Tg'は認められなかった。アニーリングの目的は、製剤においてマンニトールを結晶化させることである。アニーリングステップを受けた製剤においてTg'(非晶質マンニトールの特性)がないことは、アニーリングがマンニトールの結晶化に十分であったことを明示した。
【0127】
DSC分析はまた、Tg'を決定し、マンニトール水和物がないことを確認するために、フリーズドライしたサンプルに対して行われた。マンニトール水和物の濃度は、それ特有の80℃での吸熱融解に基づいて予測される。フリーズドライしたジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラート-マンニトール製剤のTg'は、およそ56℃であった。マンニトール水和物の融解は乾燥生成物に認められず、二次乾燥ステップが順安定性のマンニトール水和物を無水形態のマンニトールに変えるに十分であったことを示す。また、結晶化発熱は熱量検知で検出されず、マンニトールが凍結およびアニーリングプロセス中に結晶化したことを示した。
【0128】
フリーズドライした生成物において、1%(w/w)の在留水分が、完全に乾燥された生成物の特性と見なされる。1%未満の水分レベルの生成物を得るために必要とされる、二次乾燥時間を予測するために、製剤は、二次乾燥の異なる時点の間、サンプル採取器を使用して凍結乾燥機から取り出された。最終サイクルの二次乾燥ステップ(45℃の棚温度で3時間)は、乾燥生成物を得るのに適切であった。この研究に選択された最終的なフリーズドライサイクルは、0.9%の在留水分を有する生成物を生成した。
【0129】
フリーズドライ中のジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの安定性は、逆相HPLC分析で評価された。ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートは、分解産物が検出されなかったので、テストされたフリーズドライサイクルのすべてを通して安定していることを証明した。平均して97%の主要ピーク純度が、ケーキの固まりよりも、ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートに認められた。
【0130】
フリーズドライの実行の多くで生成されたフレークは有効性に関してテストされ、ケーキの固まりと比較された。両方の同等の重量が、同じ体積の脱イオン水中で再構成された。この分析は、フレークが、ケーキの固まりより高濃度のジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートを含むことを示した。これは、凍結中のわずかな相分離による可能性がある。分離は、生成物の安定性に影響を与えるようには見えない。
【0131】
RP-HPLC分析は、この研究で使用されたフリーズドライプロセスが、ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの安定性に悪影響を及ぼさなかったことを示した。
【0132】
フリーズドライした生成物(55.5mg/mLのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラート、および11%のマンニトール)のオスモル濃度は、注射用蒸留水(WFI)、WFI中0.9%(w/v)のNaCl、またはWFI中5%(w/v)のデキストロースの中での再構成に続き評価された。オスモル濃度は、10mLの溶媒での再構成、および150mLへの希釈に続き、測定された。NaClまたはデキストロース溶液での150mLへの希釈の後、生成物は等張性の範囲内である。
【0133】
例2 フリーズドライ中のジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートのフリーズドライ、および賦形剤、充てん容積、およびバイアルのサイズの選択
フリーズドライは、Genesis 25EL凍結乾燥機(Virtis)で行われた。サンプルバイアルは棚の上に直接置かれた。棚の上に残った空間は、からのバイアルで満たされた。バイアルの上部にできた空間は、空気で満たされた。Tg'およびTgは、PYRIS Diamond DSCを使用して評価された。Tg'決定のサンプルは、50μLのサンプルを50μLのアルミ製の皿にのせ、次に密閉プレスを使用して皿を密閉することによって準備された。Tg'(アニーリングなし)を特定するために使用された加熱過程は、以下のとおりである。
1. 10℃/分で20℃から-50℃へ降温
2. -50℃で4分間保持
3. 10℃/分で-50℃から20℃へ昇温
【0134】
アニーリングステップを含んだTg'を特定するために使用された加熱過程は、以下のとおりである。
1. 10℃/分で20℃から-45℃へ降温
2. -45℃の10分間保持
3. 10℃/分で-45℃から-8℃へ昇温
4. -8℃で1時間保持
5. 10℃/分で-8℃から-70℃へ降温
6. -70℃で5分間保持
7. 10℃/分で-70℃から20℃へ昇温
【0135】
Tg'は転移の中間点とした。
【0136】
Tg'の決定に使用されたフリーズドライしたサンプルは、サンプルを数ミリグラムだけ、50μLのアルミ製の皿に量り分け、それを密封することによって調製された。Tg'を決定するために使用された加熱過程は、10℃/分で温度を25℃から150℃に昇温した。
【0137】
在留水分は、カールフィッシャー法を使用して分析された。乾燥サンプルは、メタノールで再構成された。サンプルを含むバイアルは重量測定された。サンプルは電量計に注入され、含水量は測定された。サンプルバイアルは次に、電量計に加えられたサンプルの量を決定するために重量測定された。そこでサンプル内の水の割合を決定することができた。
【0138】
フリーズドライに続いて、ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの有効性および純度を定量化するために、逆相HPLCが使用された。分析は、分析方法で詳述されるように実行された。
【0139】
55.5mg/mLのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラート、および11%のマンニトールを含む製剤のオスモル濃度は、注射用蒸留水(WFI)、WFI中0.9%のNaCl、またはWFI中5%のデキストロースの中での再構成の後、テストされた。Osmette XLが、10mLの溶媒中の再構成および150mLへの希釈の後、オスモル濃度を測るために使用された。オスモル濃度測定はまた、溶媒についても行われた。
【0140】
フリーズドライした製剤における使用のために調査された結晶質の充てん用薬剤は、マンニトールおよびグリシンであった。55.5mg/mL、および1:1、2.5:1、4:1または5:1のいずれかのモル比のマンニトール:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラート、または0.5:1、1:1または2.5:1のモル比のグリシン:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートを含む製剤が、最初の製剤開発実験に使用された。
【0141】
マンニトール:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートが1:1および2.5:1の製剤は、フリーズドライ上の相分離およびいくらかの崩壊をもたらした。マンニトール:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートが4:1および5:1の製剤両方が丈夫なケーキを生成した一方で、5:1の製剤は薬学的により優れたケーキを形成した。非常に薄いフレークは、これら2つの製剤におけるケーキの上部から分離した。
【0142】
製剤を含むグリシンに関して、0.5:1のグリシン:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートのサンプルは、著しい縮小および一部の崩壊を示した。グリシン:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートが2.5:1の製剤は、優れたケーキを生成したが、完全に再構成しなかった。グリシン:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートが1:1のサンプルが、最初の発生において優れたケーキを生成したものの、激しい振盪でそれらは粉状になった。
【0143】
これらの結果に基づき、マンニトールがさらなる開発研究に選択された。マンニトール:ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートが5:1の製剤は、55mg/mLのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラート溶液に対する11%(w/v)のマンニトール溶液と等しく、これは次の製剤研究の開始点として利用された。
【0144】
11%(w/v)のマンニトール溶液を使用して、フリーズドライしたケーキの性質へのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの濃度の影響をテストするために、ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの濃度は、42mg/mL、55.5mg/mL、および83mg/mLと変えられた。すべての製剤は製剤として優れたケーキを生成し、ほとんどの場合その上部から薄いフレークが別離した。83mg/mLの製剤の再構成時間はほぼ3分であり、これは長すぎて好ましくない。他の製剤は約20秒で再構成した。67mg/mLのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラート、およびその11%のマンニトールを含む製剤もまた評価され、およそ20秒で再構成した優れたケーキを生成した。
【0145】
賦形剤、およびジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの種類および濃度を絞り込んだ後、より小範囲にわたってマンニトールおよびジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの濃度を変化する、より集中的な研究が行われた。この研究の主要目的は、薬学的に最も優れたケーキを生成するであろう、マンニトールおよびジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの濃度を決定することであった。バイアルのサイズもまた、これらの研究において、20mLおよび50mLの凍結乾燥バイアルを使用して変えられた。本研究で使用された製剤は、表2に記載されている。
【0146】
(表2)製剤研究において使用された製剤

【0147】
製剤8および9は、振盪により粉状に変化した。製剤4および5は丈夫なケーキを生成しなかった。他の製剤は丈夫なケーキを生成した。フレーキングは多くのバイアルに存在したが、製剤1および6は他の製剤より少ないフレーキングを示した。
【0148】
フレーキングを最小化するために、製剤1、2、6、および表1で概説されたフリーズドライサイクルによって、67mg/mlのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートおよび14%のマンニトールの製剤(製剤10)を使用して、さらなる研究が行われた。製剤1および2の両方とも、フレーキングを全く示さなかった薬学的に許容されるケーキをもたらしたが、製剤2はより優れたケーキを生成した。
【0149】
このプロジェクトで行われた製剤研究の結果は、注射用蒸留水の中の11%(w/v)のマンニトールを含む55.5mg/mLのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートから成る、最適にフリーズドライした(表1で概説のとおり)ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの製剤に帰着した。この製剤のpHは、約10.9である。この製剤は、表1に概説されるような最適化されたフリーズドライサイクルを用いることによって、丈夫で薬学的に優れた生成物をもたらすこととなる。20mLのバイアルを12mLの55.5mg/mLのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートで満たすことにより、670mgのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートの望ましい投与量を単一のバイアルで供給することができ、この製剤にさらなる経済的利点を提供する。
【0150】
例3
ガラスのビーカーで、160gの浄水がおよそ65℃まで加熱された。9.06gのヒドロキシエチルデンプン(HES)が上記水にゆっくりと加えられ、混合された。混合はHESが溶解するまで続けられた(10分未満)。溶液は室温まで冷やされ、次に11.70gのジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-l-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートが添加された。これは、ジナトリウム2-(N'-メチル-N'-チオベンゾイル-ヒドラジノカルボニル)-1-(メチル-チオベンゾイル-ヒドラゾノ)-エタノラートがすべて溶解するまで混合された(10分未満)。溶液のすべては、200mLの容量フラスコに適量で移動され、浄水で200mLに希釈された。最終的な単位製剤は、STA-4783ナトリウム55.5mg/mlおよびHES45mg/mlであった。8.0mLの溶液は、20mLのタイプIガラスバイアルに満たされた。フリーズドライ用ストッパーが満たされたバイアルの上に置かれ、それは次に凍結乾燥機に取り付けられた。フリーズドライサイクルは、表3のとおりであった。
【0151】
【表3】

【0152】
得られたフリーズドライしたケーキの発生および再構成時間が、評価された。
【0153】
本発明が、特にその好ましい実施例を参照して示され、記載されてきたが、添付の特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細がその中で様々に変化されてもよいことは、当業者によって理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式中、
Yが共有結合、または置換もしくは非置換の直鎖ヒドロカルビル基であり;
R1-R4が独立して、-H、脂肪族基、置換された脂肪族基、アリール基、もしくは置換されたアリール基であるか、またはR1およびR3が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、ならびに/もしくはR2およびR4が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、任意に芳香環と融合された非芳香族複素環を形成し;
Zが-Oまたは-Sであり;ならびに
Mが薬学的に許容される一価陽イオンであり、M2+が薬学的に許容される二価陽イオンである、次の構造式:

によって示される化合物を含む組成物であって、2gの該組成物が10分以内に10mLの水の中で再構成可能である組成物。
【請求項2】
薬学的に許容される賦形剤をさらに含み、前記化合物の該賦形剤に対するモル比が1:20から1:1である、請求項1の組成物。
【請求項3】
薬学的に許容される賦形剤が結晶質の充てん用賦形剤である、請求項2の組成物。
【請求項4】
薬学的に許容される陽イオンがNaまたはKである、請求項3の組成物。
【請求項5】
ZがOであり;R1およびR2が同一であり;ならびにR3およびR4が同一である、請求項4の組成物。
【請求項6】
Yが共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、trans-(CH=CH)-、cis-(CH=CH)-、または-(CC)-基であり;ならびに
R5およびR6がそれぞれ独立して、-H、脂肪族基、もしくは置換された脂肪族基であるか、またはR5が-HでありR6が置換もしくは非置換のアリール基であるか、またはR5およびR6が共にC2-C6の置換もしくは非置換のアルキレン基である、
請求項5の組成物。
【請求項7】
Yが-C(R5R6)-であり;
R1およびR2がそれぞれ、置換または非置換のアリール基であり;ならびに
R3およびR4がそれぞれ、置換または非置換の脂肪族基である、
請求項6の組成物。
【請求項8】
R3およびR4がそれぞれアルキル基であり;R5が-Hであり;ならびにR6が-Hまたはメチルである、請求項7の組成物。
【請求項9】
R1およびR2がそれぞれ置換または非置換のフェニル基、ならびにR3およびR4がそれぞれメチルまたはエチルである、請求項8の組成物。
【請求項10】
Yが-CR5R6-であり;
R1およびR2が両方とも、置換または非置換の脂肪族基であり;
R5が-Hであり;ならびに
R6が-Hまたは任意に置換された脂肪族基である、
請求項6の組成物。
【請求項11】
R1およびR2が両方とも、任意で少なくとも1つのアルキル基で置換されたC3-C8シクロアルキル基であり;R3およびR4が両方ともアルキル基であり;ならびにR6が-Hまたはメチルである、請求項10の組成物。
【請求項12】
R1およびR2が両方とも、シクロプロピルまたは1-メチルシクロプロピルである、請求項11の組成物。
【請求項13】
前記化合物が次の構造式によって示される、請求項3の組成物:

式中、
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-メトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともエチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-フルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-クロロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-メトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はエチル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はn-プロピル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方ともメチルであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3はメチル、ならびにR4はエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロブチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロペンチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロヘキシル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロヘキシル、R3およびR4は両方ともフェニル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともt-ブチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともフェニル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともt-ブチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2はエチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;または
R1およびR2は両方ともn-プロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hである。
【請求項14】
2分未満で水の中で再構成可能である、請求項9の組成物。
【請求項15】
1分未満で水の中で再構成可能である、請求項9の組成物。
【請求項16】
凍結乾燥物である、請求項14の組成物。
【請求項17】
結晶質の充てん用賦形剤が、グリシン、マンニトール、デキストラン、デキストロース、乳糖、ショ糖、ポリビニルピロリドン、トレハロース、グルコース、およびそれらの組み合せからなる群より選択される、請求項16の組成物。
【請求項18】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:10から1:1である、請求項17の組成物。
【請求項19】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:5.5から1:2である、請求項18の組成物。
【請求項20】
結晶質の充てん用賦形剤がグリシンまたはマンニトールである、請求項19の組成物。
【請求項21】
結晶質の充てん用賦形剤がマンニトールである、請求項20の組成物。
【請求項22】
アニールされた組成物である、請求項21の組成物。
【請求項23】
30秒未満で水の中で再構成可能である、請求項22の組成物。
【請求項24】
式中、
Yが共有結合、または置換もしくは非置換された直鎖ヒドロカルビル基であり;
R1-R4が独立して、-H、脂肪族基、置換された脂肪族基、アリール基、もしくは置換されたアリール基であるか、またはR1およびR3が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、ならびに/もしくはR2およびR4が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、任意に芳香環と融合された非芳香族複素環を形成し;
Zが-Oまたは-Sであり;ならびに
Mが薬学的に許容される一価陽イオンであり、M2+が薬学的に許容される二価陽イオンである、次の構造式:

によって示される化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物であって、該化合物の該賦形剤に対するモル比が1:20から1:1である組成物。
【請求項25】
式中、
Mが薬学的に許容される一価陽イオンであり、M2+が薬学的に許容される二価陽イオンである、次の構造式:

によって示される化合物を含む組成物であって、2gの該組成物が10分未満で10mLの水の中で再構成可能である組成物。
【請求項26】
薬学的に許容される賦形剤をさらに含み、前記化合物の該賦形剤に対するモル比が1:20から1:1である、請求項25の組成物。
【請求項27】
薬学的に許容される賦形剤が結晶質の充てん用賦形剤である、請求項26の組成物。
【請求項28】
薬学的に許容される陽イオンがNaまたはKである、請求項27の化合物。
【請求項29】
2分未満で水の中で再構成可能である、請求項28の組成物。
【請求項30】
1分未満で水の中で再構成可能である、請求項29の組成物。
【請求項31】
凍結乾燥物である、請求項29の組成物。
【請求項32】
結晶質の充てん用賦形剤が、グリシン、マンニトール、デキストラン、デキストロース、乳糖、ショ糖、ポリビニルピロリドン、トレハロース、グルコース、およびそれらの組み合せからなる群より選択される、請求項31の組成物。
【請求項33】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:10から1:1である、請求項32の組成物。
【請求項34】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:5.5から1:2.0である、請求項33の組成物。
【請求項35】
結晶質の充てん用賦形剤がグリシンまたはマンニトールである、請求項34の組成物。
【請求項36】
結晶質の充てん用賦形剤がマンニトールである、請求項35の組成物。
【請求項37】
アニールされた組成物である、請求項36の組成物。
【請求項38】
30秒未満で水の中で再構成可能である、請求項37の組成物。
【請求項39】
式中、
Mが薬学的に許容される一価陽イオンであり、M2+が薬学的に許容される二価陽イオンである、次の構造式:

によって示される化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物であって、該化合物の該賦形剤に対するモル比が1:20から1:1である組成物。
【請求項40】
式中、
Yが共有結合、または置換もしくは非置換の直鎖ヒドロカルビル基であり;
R1-R4が独立して、-H、脂肪族基、置換された脂肪族基、アリール基、もしくは置換されたアリール基であるか、またはR1およびR3が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、ならびに/もしくはR2およびR4が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、任意に芳香環と融合された非芳香族複素環を形成し;
Zが-Oまたは-Sであり;ならびに
Mが薬学的に許容される一価陽イオンであり、M2+が薬学的に許容される二価陽イオンである、次の構造式:

によって示される化合物、および薬学的に許容される結晶質の充てん用賦形剤を含む組成物の、凍結乾燥物を調製する方法であって、
(a)前記化合物および前記賦形剤の水溶液を調製するステップであって、前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:20から1:1であるステップと、
(b)凍結濃縮物を形成するために、前記化合物のガラス転移温度より低い温度で、ステップ(a)の溶液を凍結させるステップと、
(c)アニールされた組成物を形成するために、前記化合物のガラス転移温度より高いが、凍結濃縮物を含む前記凍結溶液の融解温度より低い温度で、凍結濃縮物をアニールするステップと、
(d)前記化合物のガラス転移温度より低い温度で、アニールされた組成物を凍結させるステップと、
(e)10%未満の含水率を持つ凍結乾燥物を得るために、ステップ(e)のアニールされた組成物を乾燥させるステップとを含む方法。
【請求項41】
ステップ(c)および(d)が、ステップ(e)の前に一回以上連続して繰り返される、請求項40の方法。
【請求項42】
アニールされた組成物が、200mTorrから20mTorrの圧力の真空条件下における、20℃から-20℃の温度での昇華によって、ステップ(e)において乾燥される、請求項41の方法。
【請求項43】
アニールされた組成物が、200mTorrから20mTorrの圧力の真空条件下における、20℃から80℃の温度での脱着によって、ステップ(e)においてさらに乾燥される、請求項42の方法。
【請求項44】
凍結乾燥物が5%未満の含水率を有する、請求項43の方法。
【請求項45】
凍結乾燥物が2%未満の含水率を有する、請求項44の方法。
【請求項46】
凍結乾燥物が1%未満の含水率を有する、請求項45の方法。
【請求項47】
前記混合物が、10分から10時間にわたり、-44.7℃から-80℃の温度でステップ(b)において凍結される、請求項46の方法。
【請求項48】
凍結濃縮物が、10分から10時間、0℃から-44.7℃の温度でステップ(c)においてアニールされる、請求項47の方法。
【請求項49】
アニールされた組成物が、200mTorrから100mTorrの圧力の真空条件下における、10℃から-10℃の温度での昇華によって、ステップ(e)において乾燥される、請求項48の方法。
【請求項50】
アニールされた組成物が、200mTorrから100mTorrの圧力の真空条件下における、30℃から60℃の温度での脱着によって、ステップ(f)においてさらに乾燥される、請求項49の方法。
【請求項51】
薬学的に許容される陽イオンがNaまたはKである、請求項50の方法。
【請求項52】
ZがOであり;R1およびR2が同一であり;ならびにR3およびR4が同一である、請求項51の方法。
【請求項53】
Yが共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、trans-(CH=CH)-、cis-(CH=CH)-、または-(CC)-基であり;ならびに
R5およびR6がそれぞれ独立して、-H、脂肪族基、もしくは置換された脂肪族基であるか、またはR5が-HでありR6が置換または非置換のアリール基であるか、またはR5およびR6が共にC2-C6の置換もしくは非置換のアルキレン基である、
請求項52の方法。
【請求項54】
Yが-C(R5R6)-であり;
R1およびR2がそれぞれ、置換または非置換のアリール基であり;ならびに
R3およびR4がそれぞれ、置換または非置換の脂肪族基である、
請求項53の方法。
【請求項55】
R3およびR4がそれぞれアルキル基であり;R5が-Hであり;ならびにR6が-Hまたはメチルである、請求項54の方法。
【請求項56】
R1およびR2がそれぞれ置換または非置換のフェニル基、ならびにR3およびR4がそれぞれメチルまたはエチルである、請求項55の方法。
【請求項57】
Yが-CR5R6-であり;
R1およびR2が両方とも、置換または非置換の脂肪族基であり;
R5が-Hであり;ならびに
R6が-Hまたは任意に置換された脂肪族基である、
請求項53の方法。
【請求項58】
R1およびR2が両方とも、少なくとも1つのアルキル基で任意に置換されたC3-C8シクロアルキル基であり;R3およびR4が両方ともアルキル基であり;ならびにR6が-Hまたはメチルである、請求項57の方法。
【請求項59】
R1およびR2が両方とも、シクロプロピルまたは1-メチルシクロプロピルである、請求項58の方法。
【請求項60】
前記化合物が次の構造式によって示される請求項50の方法:

式中、
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-メトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともエチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-フルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-クロロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-メトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はエチル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はn-プロピル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方ともメチルであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3はメチル、ならびにR4はエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロブチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロペンチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロヘキシル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロヘキシル、R3およびR4は両方ともフェニル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともt-ブチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともフェニル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともt-ブチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2はエチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;または
R1およびR2は両方ともn-プロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hである。
【請求項61】
ステップ(c)およびステップ(d)が、ステップ(e)の前に一回連続して繰り返される、請求項56の方法。
【請求項62】
前記混合物が、30分から3時間にわたり、-44.7℃から-60℃の温度でステップ(b)において凍結される、請求項61の方法。
【請求項63】
凍結濃縮物が、2時間から6時間、0℃から-40℃の温度でステップ(c)においてアニールされる、請求項62の方法。
【請求項64】
前記化合物が以下から選択される構造式によって示される、請求項63の方法。

【請求項65】
前記混合物が、30分から3時間にわたり、-44.7℃から-60℃の温度でステップ(d)において凍結される、請求項64の方法。
【請求項66】
ステップ(a)の混合物が、ステップ(b)における溶液の凍結の前に、5分から5時間にわたり、10℃から-10℃で予冷される、請求項65の方法。
【請求項67】
結晶質の充てん用賦形剤が、グリシン、マンニトール、デキストラン、デキストロース、乳糖、ショ糖、ポリビニルピロリドン、トレハロース、グルコース、およびそれらの組み合せからなる群より選択される、請求項66の方法。
【請求項68】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:10から1:1である、請求項67の方法。
【請求項69】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:5.5から1:2.0である、請求項68の方法。
【請求項70】
結晶質の充てん用賦形剤がグリシンまたはマンニトールである、請求項69の方法。
【請求項71】
結晶質の充てん用賦形剤がマンニトールである、請求項70の方法。
【請求項72】
式中、
Yが共有結合、または置換もしくは非置換の直鎖ヒドロカルビル基であり;
R1-R4が独立して、-H、脂肪族基、置換された脂肪族基、アリール基、もしくは置換されたアリール基であるか、またはR1およびR3が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、ならびに/もしくはR2およびR4が、それらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、任意に芳香環と融合された非芳香族複素環を形成し;
Zが-Oまたは-Sであり;
Mが薬学的に許容される一価陽イオンであり、M2+が薬学的に許容される二価陽イオンである、次の構造式:

によって示される化合物、および薬学的に許容される結晶質の充てん用賦形剤を含む凍結乾燥物であって、
(a)前記化合物および前記賦形剤の水溶液を調製するステップであって、前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:20から1:1であるステップと、
(b)凍結濃縮物を形成するために、前記化合物のガラス転移温度より低い温度で、ステップ(a)の溶液を凍結させるステップと、
(c)アニールされた組成物を形成するために、前記化合物のガラス転移温度より高いが、凍結濃縮物を含む前記凍結溶液の融解温度より低い温度で、凍結濃縮物をアニールするステップと、
(d)前記化合物のガラス転移温度より低い温度で、アニールされた組成物を凍結させるステップと、
(e)10%未満の含水率を持つ凍結乾燥物を得るために、ステップ(e)のアニールされた組成物を乾燥させるステップとを含むプロセスによって調製される凍結乾燥物。
【請求項73】
ステップ(c)および(d)が、ステップ(e)の前に一回以上連続して繰り返される、請求項72の凍結乾燥物。
【請求項74】
アニールされた組成物が、200mTorrから20mTorrの圧力の真空条件下における、20℃から-20℃の温度での昇華によって、ステップ(e)において乾燥される、請求項73の凍結乾燥物。
【請求項75】
アニールされた組成物が、200mTorrから20mTorrの圧力の真空条件下における、20℃から80℃の温度での脱着によって、ステップ(e)においてさらに乾燥される、請求項74の凍結乾燥物。
【請求項76】
5%未満の含水率を有する、請求項75の凍結乾燥物。
【請求項77】
2%未満の含水率を有する、請求項76の凍結乾燥物。
【請求項78】
1%未満の含水率を有する、請求項77の凍結乾燥物。
【請求項79】
前記混合物が、10分から10時間にわたり、-44.7℃から-80℃の温度でステップ(b)において凍結される、請求項78の凍結乾燥物。
【請求項80】
凍結濃縮物が、10分から10時間、0℃から-44.7℃の温度でステップ(c)においてアニールされる、請求項74の凍結乾燥物。
【請求項81】
アニールされた組成物が、200mTorrから100mTorrの圧力の真空条件下における、10℃から-10℃の温度での昇華によって、ステップ(e)において乾燥される、請求項80の凍結乾燥物。
【請求項82】
アニールされた組成物が、200mTorrから100mTorrの圧力の真空条件下における、30℃から60℃の温度での脱着によって、ステップ(e)においてさらに乾燥される、請求項81の凍結乾燥物。
【請求項83】
薬学的に許容される陽イオンがNaまたはKである、請求項82の凍結乾燥物。
【請求項84】
ZがOであり;R1およびR2が同一であり;ならびにR3およびR4が同一である、請求項83の凍結乾燥物。
【請求項85】
Yが共有結合、-C(R5R6)-、-(CH2CH2)-、trans-(CH=CH)-、cis-(CH=CH)-、または-(CC)-基であり;ならびに
R5およびR6がそれぞれ独立して、-H、脂肪族基、もしくは置換された脂肪族基であるか、またはR5が-HでありR6が置換または非置換のアリール基であるか、またはR5およびR6が共にC2-C6の置換もしくは非置換のアルキレン基である、
請求項84の凍結乾燥物。
【請求項86】
Yが-C(R5R6)-であり;
R1およびR2がそれぞれ、置換または非置換のアリール基であり;ならびに
R3およびR4がそれぞれ、置換または非置換の脂肪族基である、
請求項85の凍結乾燥物。
【請求項87】
R5が-H、およびR6が-H、脂肪族基、もしくは置換された脂肪族基であり;R3およびR4がそれぞれアルキル基であり;ならびにR6が-Hまたはメチルである、請求項86の凍結乾燥物。
【請求項88】
R1およびR2がそれぞれ置換または非置換のフェニル基、ならびにR3およびR4がそれぞれメチルまたはエチルである、請求項87の凍結乾燥物。
【請求項89】
Yが-CR5R6-であり;
R1およびR2が両方とも、置換または非置換の脂肪族基であり;
R5が-Hであり;ならびに
R6が-Hまたは任意に置換された脂肪族基である、
請求項85の凍結乾燥物。
【請求項90】
R1およびR2が両方とも、任意に少なくとも1つのアルキル基で置換されたC3-C8シクロアルキル基であり;R3およびR4が両方ともアルキル基であり;ならびにR6が-Hまたはメチルである、請求項89の凍結乾燥物。
【請求項91】
R1およびR2が両方とも、シクロプロピルまたは1-メチルシクロプロピルである、請求項90の凍結乾燥物。
【請求項92】
前記化合物が次の構造式によって示される、請求項82の凍結乾燥物:

式中、
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-メトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともエチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-シアノフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-フルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも4-クロロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも3-メトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,3-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジフルオロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジクロロフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメチルフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2,5-ジメトキシフェニル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、R6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はメチル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はエチル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5はn-プロピル、ならびにR6は-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方ともメチルであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-メチルシクロプロピル、R3はメチル、ならびにR4はエチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-メチルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも2-フェニルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方とも1-フェニルシクロプロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロブチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロペンチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともシクロヘキシル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方-Hであるか;
R1およびR2は両方シクロヘキシル、R3およびR4は両方フェニル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともt-ブチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともメチル、R3およびR4は両方ともフェニル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2は両方ともt-ブチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;
R1およびR2はエチル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hであるか;または
R1およびR2は両方ともn-プロピル、R3およびR4は両方ともメチル、R5およびR6は両方とも-Hである。
【請求項93】
ステップ(c)およびステップ(d)が、ステップ(e)の前に一回連続して繰り返される、請求項88の凍結乾燥物。
【請求項94】
前記混合物が、30分から3時間にわたり、-44.7℃から-60℃の温度でステップ(b)において凍結される、請求項93の凍結乾燥物。
【請求項95】
前記凍結濃縮物が、2時間から6時間、-0℃から-40℃の温度でステップ(c)においてアニールされる、請求項94の凍結乾燥物。
【請求項96】
前記化合物が以下から選択される化合物によって示される、請求項95の凍結乾燥物。

【請求項97】
前記混合物が、30分から3時間にわたり、-44.7℃から-60℃の温度でステップ(d)において凍結される、請求項93の凍結乾燥物。
【請求項98】
ステップ(a)の混合物が、ステップ(b)における溶液の凍結の前に、5分から5時間にわたり、10℃から-10℃で予冷される、請求項97の凍結乾燥物。
【請求項99】
結晶質の充てん用賦形剤が、グリシン、マンニトール、デキストラン、デキストロース、乳糖、ショ糖、ポリビニルピロリドン、トレハロース、グルコース、およびそれらの組み合せからなる群より選択される、請求項98の凍結乾燥物。
【請求項100】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:10から1:1である、請求項99の凍結乾燥物。
【請求項101】
前記化合物の前記賦形剤に対するモル比が1:5.5から1:2.0である、請求項99の凍結乾燥物。
【請求項102】
結晶質の充てん用賦形剤がグリシンまたはマンニトールである、請求項101の凍結乾燥物。
【請求項103】
結晶質の充てん用賦形剤がマンニトールである、請求項102の凍結乾燥物。

【公表番号】特表2009−504740(P2009−504740A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527010(P2008−527010)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/031285
【国際公開番号】WO2007/021881
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504151848)シンタ ファーマシューティカルズ コーポレーション (72)
【Fターム(参考)】