ビス(ボラン)共開始剤を使用する、炭化水素媒体中でのi−ブテンの重合
水の存在下で新規な共開始剤を使用することによって、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法を提供する。具体的には、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスにおいて、新規な共開始剤を使用することによって、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な共開始剤(coinitiator)を使用するカチオン重合方法に関する。また、本発明は、以下に示す1,2−C6F4[B(Br)2]2を合成するための方法に関する。
【0002】
【化20】
【背景技術】
【0003】
ポリ(イソブテン)(PIB)は、イソブテン(IB)の重合により製造される重要な工業製品であり、イソブテンは、高級炭化水素の分解によって得られる安価な石油化学製品である。PIBは、分子量(MW)に応じて、ゴム、潤滑剤、接着剤、粘度調節剤、添加剤などの様々な用途に使用される。IBの重合は、エクソンモービル(Exxon−Mobil)、バスフ(BASF)、オロナイト(Oronite)、BP、日本合成ゴム(Japan Synthetic Rubber)などの世界的な大企業によって行われている。
【0004】
IBの重合は、塊状重合(バスフ)または炭化水素または塩素化炭化水素希釈剤を使用した液相重合によって低温で行われる。典型的な重合開始系は、強ルイス酸(BF3,AlCl3,TiCl4等)を含む。これらの酸は非常に水分に敏感であり、処理時に急速に加水分解して有害な副生成物となる。最新の工業的プロセスを使用した場合でも、環境に対する懸念(大気汚染や水質汚染)は免れない。
【0005】
ブチルゴムや、i−ブテン(IB)とイソプレン(IP)との共重合体などのカチオン重合オレフィンは、商業的に重要な合成ゴムとして長年使用されている。例えば、米国では1991年に約5億ポンドのブチルゴム(BR)が製造された。従来のBRの製造方法は、AlCl3等のルイス酸を使用して塩素化炭化水素溶媒中で低温(−100℃)で行われる。このような条件下では、高MW(>200,000)のBRが満足できる収率で生成される。塩素化炭化水素溶媒を使用する理由は、塩素化炭化水素溶媒が十分な極性を有するために遷移状態を安定させ、カルボカチオン重合におけるイオン生成のための活性化エネルギーを低下させるためである。低温で重合を行なう理由は、ポリマー鎖の分子量増加を制限する停止・連鎖移動プロセスを遅らせるためである。極性の低い溶媒は通常、遷移状態の安定化に対する効果が低いため、重合において活性なカルボカチオンの生成量が減少する。また、溶媒は、重合熱を散逸させるための流体熱移動媒体として機能しなければならない。さらに、溶媒は、重合成分を最適に溶解させなければならない。塩化メチルは、(連鎖成長速度を高める)極性溶媒であるとともにBRの貧溶媒であり、上記低温で懸濁重合となるため、BRの合成に有用である。
【0006】
米国の最近の法律は、既存施設では塩化メチルの継続的な使用を認めるが、拡張施設および/または新設プラントでは、塩化されていない代替溶媒を使用することが必要となるだろう。したがって、商業的に満足できる収率で高MWのBRを生産する際に、ハロゲン化溶媒を使用しない効果的な開始剤を開発する必要がある。
【0007】
i−ブテン(IB)の重合のための様々なルイス酸性典型・遷移金属元素開始剤または共開始剤は、塩素化溶媒を使用しない場合または最小量の塩素化溶媒を使用する場合に、ポリ(i−ブテン)(PIB)またはIBとIPとの共重合体を生成させることが報告されている。しかしながら、これらの組成物はいずれも、塩素化溶媒を使用しない場合、満足できる収率で十分に高いMWを有するBRを生成させることができないと考えられている。したがって、代替となる開始剤組成物を開発する必要がある。
【発明の開示】
【0008】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0009】
【化21】
【0010】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0011】
【化22】
【0012】
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【0013】
本発明は概して、有機相または未希釈モノマー反応相において、共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0014】
【化23】
【0015】
式中、Yはホウ素またはアルミニウムであり、
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【0016】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0017】
【化24】
【0018】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0019】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0020】
【化25】
【0021】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0022】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0023】
【化26】
【0024】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0025】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0026】
【化27】
【0027】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0028】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0029】
【化28】
【0030】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0031】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0032】
【化29】
【0033】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0034】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0035】
【化30】
【0036】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0037】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0038】
【化31】
【0039】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0040】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0041】
【化32】
【0042】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0043】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0044】
【化33】
【0045】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0046】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0047】
【化34】
【0048】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0049】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0050】
【化35】
【0051】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0052】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0053】
【化36】
【0054】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0055】
本発明は概して、新規な共開始剤を使用するカチオン重合方法を提供する。また、本発明は、水の存在下で新規な共開始剤を使用するカチオン重合方法を提供する。さらに、本発明は、以下に示す1,2−C6F4[B(Br)2]2を、従来の方法に比べて改善された収率で製造するための方法に関する。
【0056】
【化37】
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明は概して、新規な共開始剤を使用するカチオン重合方法を提供する。
水の存在下におけるカチオン重合共開始剤として、以下の化合物を使用することができる。
【0058】
【化38】
【0059】
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【0060】
【化39】
【0061】
式中、Yはホウ素またはアルミニウムであり、
R,R’,R’’は上述した通りである。
【0062】
【化40】
【0063】
【化41】
【0064】
【化42】
【0065】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0066】
【化43】
【0067】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0068】
【化44】
【0069】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0070】
【化45】
【0071】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0072】
【化46】
【0073】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0074】
【化47】
【0075】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0076】
【化48】
【0077】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0078】
【化49】
【0079】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0080】
【化50】
【0081】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0082】
【化51】
【0083】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0084】
【化52】
【0085】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0086】
【化53】
【0087】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0088】
【化54】
【0089】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0090】
使用可能なカチオン重合性オレフィンは特に限定されない。一実施形態では、オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィン、C2〜C30ジオレフィン(特にC2〜C20オレフィン)から選択される。本発明の開始剤を使用して重合することができるオレフィンの代表的な例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブチレン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0091】
また、ジオレフィンが含まれていてもよい。一実施例では、イソブチレン(i−ブテン)と約0.5〜5%のイソプレンの混合物を本発明の重合開始剤を使用してカチオン重合し、ブチルゴムを製造する。別の実施例では、イソブチレン(i−ブテン)と約0.5〜2.5%のイソプレンとの混合物を、本発明の重合開始剤を使用してカチオン重合することにより、ブチルゴムが製造される。
【0092】
共開始剤を水の存在下で使用する場合、一実施形態では、水性懸濁液で使用される。別の実施の形態では、共開始剤は、水性乳化重合プロセスで使用される。
【0093】
共開始剤の有用な使用量は、当業者が過度の実験を行なわずに決定することができる。
【0094】
また、本発明は、1,2−C6F4[B(C6F5)2]2(1−F4)を含む開始剤系を使用して、少なくとも1種のカチオン重合性オレフィンをカチオン重合する方法を提供する。1−F4は、以下のスキームにしたがって合成することができる。
【0095】
【化55】
【0096】
【化56】
【0097】
好ましくは、約25℃未満の温度では以下の反応工程が好ましい。
【0098】
【化57】
【0099】
別の実施形態では、前記反応は約35℃未満の温度で行われる。
【0100】
化合物Iおよび化合物IIの合成を、図2に模式的に示す。
【0101】
図2に示すように、テトラフルオロジブロモベンゼンから出発し、テトラフルオロジブロモベンゼンはビス−ボロン酸1に転換される。ビス−ボロン酸1は高い収率(75%)で生成され、ビス−トリフルオロホウ酸二カリウム塩2に転換される。三フッ化ホウ素(BF3)および三臭化ホウ素(BBr3)による連続処理によって、ビス−トリフルオロホウ酸塩2はビス−ジブロモボリル化合物4に転換され、ビス−ジブロモボリル化合物4から化合物Iおよび化合物IIが製造される。したがって、ビス−ジブロモボリル化合物4の調製は、化合物Iおよび化合物IIの形式的な(formal)合成をなすものである。化合物Iの合成は実施例1に記載されている。化合物IIの合成は実施例2に記載されている。
【0102】
したがって、1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン(化合物I)の製造方法が提供される。一実施形態では、合成方法は以下の工程を含む。
【0103】
(a)3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの1,2−塩をホウ酸トリアルキルと反応させて、ビス−ボロン酸エステルを得、このビス−ボロン酸エステルを加水分解して1,2−ビス[(ジヒドロキシ)ボリル]テトラフルオロベンゼンを得る工程、
(b)1,2−ビス[(ジヒドロキシ)ボリル]テトラフルオロベンゼンを二フッ化水素塩と反応させて、テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸塩を得る工程、
(c)テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸塩を三フッ化ホウ素と反応させて、1,2−ビス(ジフルオロボリル)テトラフルオロベンゼンを得る工程、
(d)1,2−ビス(ジフルオロボリル)テトラフルオロベンゼンを三臭化ホウ素と反応させて、1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンを得る工程、および
(e)1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンを9−(ジアルキルスズ)パーフルオロフルオレンと反応させて、1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンを得る工程。
【0104】
また、1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン(化合物II)の製造方法が提供される。一実施形態では、この方法は上記工程(a)〜(d)を含み、さらに、1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンをジ(パーフルオロフェニル)亜鉛(Zn(C6F5)2)と反応させて、1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンを得る工程を含む。
【0105】
上記合成方法の一実施形態では、3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの1,2−塩は1,2−二リチウム塩である。一実施形態では、1,2−二リチウム塩は、1,2−ジブロモ−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンをn−ブチルリチウムと反応させることによって製造される。
【0106】
上記合成方法の一実施形態では、ホウ酸トリアルキルはホウ酸トリメチルである。好適なアルキル基には、適当な反応条件下で効率的に反応が進行するあらゆるアルキル基が含まれる。好適なアルキル基の例には、C1〜C12アルキル基が含まれる。
【0107】
上記合成方法の一実施形態では、二フッ化水素塩は、二フッ化水素カリウムである。
【0108】
上記合成方法の一実施形態では、テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸塩は、テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸カリウムである。
【0109】
1,2−[B(C12F8)]2C6F4の製造方法の一実施形態では、9−(ジアルキルスズ)パーフルオロフルオレンは、9−(ジメチルスズ)パーフルオロフルオレンである。別の実施形態では、9−(ジアルキルスズ)パーフルオロフルオレンは、9−(ジブチルスズ)パーフルオロフルオレンである。
【0110】
加えて、化合物Iおよび化合物IIの類似化合物ならびにこれらの類似化合物の製造方法が提供される。化合物Iおよび化合物IIは、1,2−フェニル置換化合物である。化合物Iは、2つの9−ボラ−パーフルオロフルオレニル(すなわち、−B(C12F8))置換基が共有結合した1,2−フェニル「骨格」構造を含む。同様に、化合物IIは、2つのボリルジ(パーフルオロフェニル)(すなわち、−B(C6F5)2)置換基が共有結合した1,2−フェニル「骨格」構造を含む。本発明は、1,2−フェニル骨格構造を有する化合物に加えて、他の骨格構造を有する化合物を提供する。1,2−フェニル骨格構造以外の代表的な骨格構造を図3〜図15に示す。図3〜図15において、ArFはパーフルオロアリール基を示す。これらの図において、パーフルオロアリール基は、ArFがC6F5(1価のパーフルオロフェニル)であるか、または、ArF2がC12F8(2価のパーフルオロフルオレン)であるかを示している。なお、その他のパーフルオロアリール基も本発明の範囲に含まれる。
【0111】
本発明の1以上の実施形態において、共開始剤化合物は、アリール化合物の芳香環の炭素原子に直接結合した2つのホウ素中心を有するアリール化合物である。図1および図3〜図15に示すように、ホウ素中心は、単環芳香族(例えば、図1を参照)または多環芳香族に結合することができる(例えば、図3、図5、および図10〜図14を参照)。ホウ素中心は、多環芳香族の同一の環に結合することができる(例えば、図5および図10〜図13を参照)。あるいは、ホウ素中心は、多環芳香族の異なる環に結合することができる(例えば、図3および図14を参照)。好適な骨格構造は、単環および多環芳香化合物に加えて、2つの芳香環を有する化合物をさらに含む(例えば、図4、図6〜図9、および図15を参照)。これらの化合物では、1つのホウ素中心が1つの芳香環の炭素原子に結合し、第2のホウ素中心が第2の芳香環の炭素原子に結合している。
【0112】
化合物Iおよび化合物IIの合成を図2に示す。出発物質(例えば、図2ではC6F4X2)を適切に選択することによって、様々なジボランおよびジボロル(diborole)化合物(例えば図3〜図15に示す化合物)を同様に調製することができる。この合成方法では、適切な出発物質(例えば、ジハロゲンまたは二水素置換アリール化合物)がビス−ボロン酸に転換される。次に、ビス−ボロン酸がビス−トリフルオロホウ酸二カリウム塩に転換される。三フッ化ホウ素(BF3)および三臭化ホウ素(BBr3)による連続処理によって、ビス−トリフルオロホウ酸塩がビス−ジブロモボリル化合物に転換され、ビス−ジブロモボリル化合物から最終化合物が製造可能である。ビス−ジブロモボリル化合物を9−(ジメチルスズ)パーフルオロフルオレンで処理することによって、対応する9−ボラフルオレニル化合物(すなわち、ジボロル化合物)を得ることができる。あるいは、ビス−ジブロモボリル化合物を適当な有機金属試薬(例えば、ジ(パーフルオロフェニル)亜鉛)で処理することによって、対応するジボランを得ることができる。したがって、2つのボロル中心(すなわち、アリールジボロル)および2つのボラン中心(すなわち、アリールジボラン)のいずれかで置換されたアリール化合物の一般的な合成方法論が提供される。
【0113】
本発明の実施を説明するために、以下の実施例が提供される。
【実施例】
【0114】
すべてのガラス器具は、Me2SiCl2またはアクアフォーブ(Aquaphobe;登録商標)でシラン処理した後、使用前に真空下で乾燥した。ヘキサン、トルエン、およびCH2Cl2は、活性A−2アルミナおよびQ−5デオキソ触媒のカラムを通過させて予め精製された。ヘキサンおよびトルエンはさらに、金属カリウムおよび金属ナトリウムを使用してそれぞれ蒸留し、活性化4Åモレキュラーシーブ上に保管した。窒素ガスは、活性化3ÅモレキュラーシーブとBASF R3−11触媒との混合物(容量比:1:1)を充填したカラムと、3Åモレキュラーシーブとシカペント(SicaPent;登録商標)指示体とを充填した第2のカラムとを通過させることにより乾燥させた。IBガスは、3ÅモレキュラーシーブおよびBASF R3−11触媒のカラムを通過させることにより、使用前に精製された。ビス(ボラン)1−F4は、文献に記載された手順に変更を加えて調製され、トルエンおよびヘキサンからの再結晶化によって精製された。塩化クミル(CuCl)は、α−メチルスチレンの塩化水素化によって調製され、使用前に脱気された。市販の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(DTBMP)を購入し、トルエン溶液の共沸蒸留によって使用前に乾燥させた。市販のトリ(パーフルオロフェニル)ボランを購入し、ヘキサン溶液からの再結晶化によって精製し、活性化4Åモレキュラーシーブ上でトルエン溶液を保管することによって乾燥させた。トリス(パーフルオロフェニレン水銀)は、P.Sartori et al.Chem.Ber.1968,101,2004−9に記載されているようにパーフルオロフタル酸水銀の脱炭酸によって調製され、ビス(パーフルオロフェニル)亜鉛は、P.Sartori et al.Chem.Ber.1967,100,3016−23に記載されているようにパーフルオロ安息香酸亜鉛の脱炭酸によって調製された。ビス(ボラン)o−C6F4[B(C6F5)2]2(1−F4)は、文献(Williams et al.Am.Chem.Soc 1999,121,3244−3245)に記載された手順に変更を加えて調製され、トルエンおよびヘキサンからの再結晶によって精製された。ホウ酸トリフェニルメチルテトラキス(パーフルオロフェニル)は、対応するリチウム塩および塩化トリフェニルメチルから調製され、文献(Chien,J.C.W.;Tsai,W.M.,Rausch,M.D.J,Am.Chem.Soc.1991,113,8570−1)に記載されているように精製された。ホウ酸リチウムテトラキス(パーフルオロフェニル)は市販品を購入し、精製することなく使用した。[(Et2O)2H][B(C6F5)4]は、Jutzi,P.Mueller,C.;Stammler,A.;Stammler,H.−G.Organometallics 2000,19,1442−1444に記載されているように[Li][B(C6F5)4]から調製した。
【0115】
市販の臭化ドデシルトリメチルアンモニウムおよび硫酸ドデシルナトリウムを購入し、精製することなく使用した。ドデシルトリメチルアンモニウムトリフラートおよびテトラフルオロホウ酸塩はそれぞれ、銀トリフラートまたはフルオロホウ酸銀水溶液による処理によって臭化物から調製された。LiCl(121.4g、2.86モル)およびNaCl(6.33g、0.108モル)のH2O(400g、22.20モル)の原液(以下「不凍液」と呼ぶ)(Akopov,E.;Ah.Prikl.Kim.1963,36,1916−1919)が調製され、この不凍液は、以下に要約する水性懸濁液またはエマルションでの重合実験のほとんどで使用された。場合によって、38質量%硫酸水溶液または48質量%フルオロホウ酸水溶液を不凍液の代わりに使用した。
【0116】
[1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンの合成]
グローブボックス内で、磁気撹拌子を含む100mLの丸底一口フラスコに2.08g(1.99×10−3モル)のトリ(パーフルオロ−o−フェニレン水銀)を入れた。次に、インラインPTFE真空コックを介して、24/40の外側部材/内側部材を有する真空スタイルアダプターにフラスコを接続し、5質量%のKOHを含むイソプロパノールを予め充填したトラップを備えた真空ラインに取り付けた。次に、50mLの乾燥ベンゼンおよび12.0g(4.77×10−2モル)のBBr3を、トリス(パーフルオロ−o−フェニレン水銀)を含むフラスコに真空下で供給した。次いで、この反応混合物を真空下で室温にて24時間撹拌した後、グローブボックスに入れた。次に、この反応混合物を、カリウス(Carius)管に密封された真空スタイルアダプターの24/40の首部に取り付けられたフリットによって濾過した。このカリウス管を真空ラインに取り付け、内容物を動的真空下に配置して揮発成分を除去した。その結果、2.63g(収率:90%)の薄茶色の結晶生成物を得た。19F NMR分光法によって、得られた材料の純度が>95%であることが明らかになった。19F NMR(ベンゼン−d6,300K,300MHz):d−126.21(d,2F,o−C6F5),−147.79(d,2F,m−C6F4).
[1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ボリル]テトラフルオロベンゼンの合成]
グローブボックス内で、2.63g(5.38×10−3モル)の1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンを含むカリウス管に、4.50g(1.13×10−2モル)のビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛および75mLの乾燥トルエンを添加し、薄い黄緑色の反応混合物および灰色の沈殿物を得た。次に、管を真空ラインに取り付け、連続した3回の凍結/ポンプ/解凍サイクルを行った後、内容物を111℃で12時間加熱した。次いで、冷却した反応混合物を、グローブボックス内で濾過フリットを取り付けた250mLの一口丸底フラスコ内に濾過した後、該フリットを、調節可能な24/40ガス入口アダプターと取り替えた。次に、フラスコをシュレンク(Schlenk)ラインに接続し、動的真空下に配置して揮発成分を除去し、薄黄色の固体を得た。次いで、得られた材料を、トルエン/ヘキサンの60/40(容量比)混合物から数回にわたって再結晶化して、4.01g(89%)の白色の結晶を得た。19F NMR分光法によって、得られた材料の純度が>99%であることが明らかになった。19F NMR(CDCl3,300K,282MHz):d−124.41(d,2F,o−C6F4),−126.0(d,8F,o−C6F5),−141.30(t,4F,p−C6F5),−147.74(d,2F,m−C6F4),−160.26(m,8F,m−C6F5).
[重合例]
(実施例1−液体モノマー中でのIBの重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、12mLのIBを、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムを含むrbフラスコに真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーを真空下で供給した。高速で撹拌したモノマーに、1−F4のトルエン溶液(0.048mLの0.05M溶液、最終濃度:0.20mM)を、気密シリンジを介して−78℃で添加した。制御されていない発熱を伴う重合が発生し、溶液が急速にゲル化するとともに撹拌が停止した。0.2Mのナトリウムメトキサイドのメタノール溶液(1mL)でクエンチした後、全揮発成分を除去し、残渣をメタノールで洗浄し、ヘキサンに投入した。得られたポリマー溶液を濾過し、濃縮乾固して、30Hgの真空オーブン内で90℃にて24時間乾燥した。収率および特性データを表にまとめた。同様の条件において、2〜20mMのDTBPの存在下では、PIBがほとんどまたは全く得られなかったことから、プロトン性不純物による開始であることを示している。
【0117】
(実施例2−液体モノマー中でのIBとイソプレンとの共重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、約12mLのIBを、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムおよび0.18mLのイソプレンを含むrbフラスコに真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーおよびイソプレンを真空下で供給した。高速で撹拌したモノマー溶液に、1−F4のトルエン溶液(0.048mLの0.05M溶液、最終濃度:0.20mM)を、気密シリンジを介して−78℃で添加した。制御されていない激しい発熱を伴う重合が発生し、溶液が急速にゲル化するとともに撹拌が停止した。−78℃で1時間経過した後、実施例1で説明されたように重合を停止させた。実施例1で説明されたようにポリマーを単離し、6.67gのブチルゴム(転化率:76%)(Mw=71.1K、Mw/Mn=2.08)を得た。得られた材料の1H NMRスペクトルによって、約2モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0118】
(実施例3〜5−ヘキサン溶液中でのIBの重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムおよび19mLのヘキサンを含むrbフラスコに、約5mLのIBを真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーおよび溶媒を真空下で供給した。高速で撹拌したモノマー溶液に、1−F4のトルエン溶液(0.766mLの0.065M溶液、最終濃度:2.0mM)を、気密シリンジを介して添加した。制御された重合が発生し、−78℃で1時間経過した後、実施例1で説明されたように重合を停止させた。実施例1で説明されたようにポリマーを単離した。結果を表にまとめた。
【0119】
(実施例6−低濃度の1−F4の存在下でのヘキサン溶液中におけるIBの重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムおよび19mLのヘキサンを含むrbフラスコに、約5mLのIBを真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーおよび溶媒を真空下で供給した。高速で撹拌したモノマー溶液に、1−F4のトルエン溶液(0.766mLの0.065mM溶液、最終濃度:2.0×10−6M)を、気密シリンジを介して−78℃で添加した。制御された重合が発生し、−78℃で1時間経過後に、実施例1で説明されたように重合を停止させた。実施例1で説明されたようにポリマーを単離し、117mgのPIB(転化率:3.0%)(Mw=483K、Mw/Mn=1.90)を得た。
【0120】
別の実験で、同一の組成を有し、かつ同一の方法で調製されたIBおよびヘキサンの溶液を、ベンゾフェノンケチルをキシレン/テトラグライムに溶解させた原液を用いて薄青終点まで滴定した。この方法によれば、溶解した水の濃度は2.5×10−5Mであり、または上述の実験で使用した1−F4の量よりも概ね10倍高いと推定された。
【0121】
(比較例1)
実施例2〜4に記載された手順を使用して、B(C6F5)3のトルエン溶液(0.80mLの0.126M溶液、最終濃度:4.0mM)をIBのヘキサン溶液に添加した。−78℃で1時間経過した後、上述のように処理して、微量のPIBを得た。特性を表にまとめた。
【0122】
(実施例7〜10−CumClおよびDTBPの存在下における、ヘキサン溶液中でのIBの重合)
実施例2〜4に記載された手順にしたがった。1−F4を添加する前に、DTBP(1.0mLの0.5M溶液)および塩化クミル(0.172mLの0.029M CH2Cl2溶液)のヘキサン溶液を、−78℃でIBのヘキサン溶液に添加し、次に、実施例2で説明されたように、1−F4を添加した。制御された重合が発生し、1時間後に、実施例1で説明されたように処理した。その結果を表にまとめた。
【0123】
(比較例2)
実施例5〜8に記載された手順を使用して、B(C6F5)3のトルエン溶液(0.80mLの0.126M溶液、最終濃度:4.0mM)をIB、塩化クミル、およびDTBPのヘキサン溶液に添加した。−78℃でl時間経過した後、上述したように処理したが、検出可能な量のPIBは得られなかった。
【0124】
【表1】
【0125】
(実施例10−水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のヘキサン溶液(1.19mM)10.0mLを5分間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。この間に混合物は乳白色となった。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(6.10g、転化率:48%)を得た(Mw=66.1K,Mw/Mn=2.55)。
【0126】
(実施例11−極性溶媒の存在下の水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよびCH2Cl29.0mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(9.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のヘキサン溶液(1.19mM)10.0mLを5分間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。この間に混合物は乳白色となった。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(2.05g、転化率:32%)を得た(Mw=121K,Mw/Mn=1.96)。
【0127】
(実施例12−水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(4.95g、転化率:39%)を得た(Mw=23.9K,Mw/Mn=2.38)。
【0128】
(実施例13−水性エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよび臭化ドデシルトリメチルアンモニウム0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のヘキサン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(595mg、転化率:4.7%)を得た(Mw=57.2K,Mw/Mn=2.74)。
【0129】
(実施例14−水性エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよび硫酸ドデシルナトリウム(SDS)0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にてkイソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(4.10g、転化率:32%)を得た(Mw=25.4K,Mw/Mn=2.37)。
【0130】
(実施例15−水性懸濁液でのIBとイソプレンの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよびイソプレン2.0mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、20秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(3.35g、転化率:24%)を得た(Mw=86.2K,Mw/Mn=2.89)。1H NMRスペクトルによって、約5モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0131】
(実施例16−水性エマルションでのIBおよびイソプレンの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mL、イソプレン2.0mL、およびSDS0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン(11.9mM)溶液1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、20秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(2.49g、転化率:18%)を得た(Mw=77.3K,Mw/Mn=2.75)。1H NMRスペクトルによって、約5モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0132】
(実施例17−水性硫酸懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、38質量%硫酸水溶液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン(11.9mM)溶液1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(3.67g、転化率:29%)を得た(Mw=38.4K,Mw/Mn=2.05)。
【0133】
(実施例18−水性硫酸エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、38質量%硫酸水溶液18mLおよびドデシルトリメチルアンモニウムトリフラート0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(1.82g、転化率:14%)を得た(Mw=55.7K,Mw/Mn=2.82)。
【0134】
(実施例19−水性フルオロホウ酸懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mLを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、重合時は引き続き黄変したままだった。なお、黄色の濃さは時間とともに徐々に減少した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(7.28g、転化率:58%)を得た(Mw=50.8K,Mw/Mn=2.36)。
【0135】
(実施例20−水性フルオロホウ酸エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mLおよびテトラフルオロホウ酸ドデシルトリメチルアンモニウム0.100gを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(6.57g、転化率:52%)を得た(Mw=39.9K,Mw/Mn=2.12)。
【0136】
(実施例21−水性フルオロホウ酸エマルションでのIBとイソプレンとの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mL、ヘキサン8.0mL、テトラフルオロホウ酸ドデシルトリメチルアンモニウム0.100g、およびイソプレン1.0mLを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(9.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、重合時は引き続き黄変したままだった。なお、黄色の濃さは時間とともに徐々に減少した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(2.76g、転化率:39%)を得た(Mw=80.9K,Mw/Mn=2.90)。1H NMRスペクトルによって、約14モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0137】
(実施例22−水性フルオロホウ酸懸濁液でのIBとイソプレンとの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mL、ヘキサン8.0mL、およびイソプレン1.0mLを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(9.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下にて混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(2.67g、転化率:38%)を得た(Mw=106K,Mw/Mn=1.91)。1H NMRスペクトルによって、約15モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0138】
(実施例23−1,2−C6F4(9−BC12F8)2との共開始による、水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1,2−C6F4(9−BC12F8)2のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。溶液の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(5.04g、転化率:40%)を得た(Mw=89.6K,Mw/Mn=3.83)。
【0139】
(実施例24−水性HCl懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、12N HC1水溶液18mLを投入した。静的真空下で−25℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−25℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(1.96g、転化率:16%)を得た(Mw=20.3K,Mw/Mn=1.88)。
【0140】
(比較例3)
実施例10に要約された手順を使用して、[Ph3C][B(C6F5)4](2.4mM)のヘキサン:CH2Cl2(60:40,容量比)溶液を、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃にて添加した。添加により、混合物は黄色に変化した。1時間後、上述のように処理したが、ポリ(イソブテン)は得られなかった。
【0141】
(比較例4)
実施例10に要約された手順を使用して、B(C6F5)3(10.0mL、2.4mM)のヘキサン溶液を、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃で添加した。l時間後、上述のように処理したが、検出可能な量のポリマーは得られなかった。
【0142】
(比較例5)
実施例12に要約された手順を使用して、0.020g(2.39×10−5モル)の[Li][B(C6F5)4]を18.0mLの不凍液に溶解させた溶液に、18.0mLのIBを凝縮した。次に、N2雰囲気下でフラスコの内容物を−60℃にて550rpmで撹拌した。重合を1時間継続させた後、水およびCH2Cl2で反応器の内容物を希釈することによって、反応器の内容物を室温に温めた。この間に大量のガスが発生した。次に、有機物をCH2Cl2で抽出し、MgSO4で乾燥した。その後、減圧下で揮発成分を除去することによって、固体を単離した。PIBは単離されず、有機相での塩の溶解性を高めるための18.0mLのCH2Cl2の添加は、結果に影響しなかった。
【0143】
(比較例6)
実施例12に要約された手順を使用して、[(Et2O)2H][B(C6F5)4](12mM)のトルエン溶液1.0mLを、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃で添加した。1時間後、上述したように処理したが、ポリ(イソブテン)は得られなかった。
【0144】
(比較例7)
実施例12に要約された手順を使用して、9,10−(C6F5B)2C12F8(化合物2、10mM)のトルエン溶液1.0mLを、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃で添加した。1時間後、上述したように処理したが、ポリ(イソブテン)は得られなかった。
【0145】
(実施例25−1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン:1,2−[B(C12F8)]2C6F4の合成)
<全般的な考慮事項>
NMRスペクトルは、Bruker Avance DRX−400(11B at 128.41MHz)およびBruker AMX2−300(19F at 282.41MHz)を使用して測定された。11B NMRスペクトルは、0ppmにおけるBF3・Et2Oを参照した。19F NMRスペクトルは、0ppmにおけるCFCl3に対する、−l63ppmにおけるC6F6を参照した。1,2−ジブロモテトラフルオロベンゼン(アルドリッチ(Aldrich))、1.6M BuLi(アルドリッチ)、KHF2(アルドリッチ)、およびBF3(アルドリッチ)は、購入した状態で使用した。B(OCH3)3(アルドリッチ)は、使用前にNaを使用して蒸留し、BBr3(アルドリッチ)は、使用前にCuワイヤを使用して蒸留した。
【0146】
アリールジハロゲンボランを用いるすべての操作は、標準的な真空・シュレンク技術を使用して行なうか、あるいは、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で行なった。CH2Cl2は、使用前にCaH2から蒸留した。CD2Cl2およびC6D6は、ケンブリッジ・アイソトープ(Cambridge Isotopes)から購入し、完全に乾燥させた後、CaH2およびNa/ベンゾフェノンからそれぞれ蒸留した。CD3CNおよびD2Oは、ケンブリッジ・アイソトープおよびアルドリッチからそれぞれ購入し、購入した状態で使用した。
【0147】
1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの合成を、図2に模式的に示す。
【0148】
<1,2−ビス−[(ジヒドロキシ)ボリル]テトラフルオロベンゼン(1)の合成>
ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、12.6mL、20.16mmol)を、1,2−ジブロモテトラフルオロベンゼン(2.6g、8.44mmol)のエーテル(50mL)撹拌溶液に−78℃で滴下した。2時間後、得られた溶液を、予め冷却したホウ酸トリメチル(2.3mL、20.52mmol)のエーテル(25mL)溶液にゆっくりと添加した。得られた懸濁液を−78℃で2時間撹拌して、室温まで徐々に温め、20mLの10%HClを用いて加水分解した。黄色い有機層を分離し、水相をジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。混合した有機相を水(3×10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を除去することによって、黄色のオイルを得、pH4の水から再結晶化することによって、固体結晶を得た(1.5g,75%)。19F NMR(D2O/HCl)d:−136.6(d,JF−F=28.3Hz,2F,C6F4),−156.5(d,JF−F=28.3Hz,2F,C6F4).11B NMR(D2O/HCl)d:16.9(br).
<テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸カリウム(2)の合成>
ビス−ボロン酸1(2.4g、10.11mmol)のメタノール(20mL)溶液を、フッ化水素カリウム(5.5g、70.41mmol)の撹拌水(40mL)溶液に添加し、1時間撹拌した。この溶液を濾過し、固体を水(3×10mL)およびエーテル(3×10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。生成物を加熱アセトニトリルから再結晶化して、白色の固体(1.04g,28%)を得た。19F NMR(CD3CN/D2O)d:−139.0(d,JF−F=28.2Hz,2F,C6F4),144.1(m,6F,−BF3),−160.1(d,JF−F=28.2Hz,2F,C6F4). 11B NMR(CD3CN/D2O)d:3.9(多重線)
<1,2−ビス−(ジフルオロボリル)テトラフルオロベンゼン(3)の合成>
厚壁ボンベ内のアリールトリフルオロホウ酸カリウム2(1.0g、27.32mmol)をジクロロメタンに懸濁させた撹拌液に、過剰の三フッ化ホウ素ガスを−40℃で導入した。30分後、溶液を−78℃で真空下で脱気した。得られた赤色の溶液を濾過し、残った固体をジクロロメタン(2×5mL)で洗浄した。生成物から減圧下で溶媒を蒸留し、濃い赤色の液体を得た(0.4g,60%)。. 19F NMR(CD2Cl2)d:−72.4(br.s,4F,−BF2),−126.9(m,2F,C6F4),−146.5(m,2F,C6F4). 11B NMR(CD2Cl2)d:22.6(br m)
<1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(4)の合成>
厚壁ボンベ内の3(0.15g、0.61mmol)のトルエン(5mL)溶液に、三臭化ホウ素(0.76g、3.05mmol)を−78℃で導入した。ボンベを密閉し、60℃で30分間加熱した。減圧下で揮発成分を除去して、目的の生成物を得た(0.25g,85%)。19F NMR(C6D6)d:−125.7(m,2F,C6F4),−147.3(m,2F,C6F4). 11B NMR(C6D6)d:54(br)
<1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−テトラフルオロベンゼン(化合物I)の合成>
C12F8SnMe2(0.786g、1.77mmol)およびC6F4(BBr2)2(0.435g、0.84mmol)をトルエン(20ml)に溶解し、コンテス(Kontes)製バルブを備えたガラスボンベに密封し、85℃で36時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、副生成物であるMe2SnBr2を昇華(30℃、0.01mmHg)によって除去した。昇華残渣をフリットアセンブリに配置し、ヘキサン(30ml)をフラスコ内に凝縮した。溶液を−78℃に冷却し、1時間撹拌した。溶液を冷却濾過して淡黄色の固体を得、真空下で乾燥させた。収率:0.520g,81.2%。19F NMR(C6D6)d:−121.1(br,4F),−123.6(aa’bb’パターン,2F),−128.9(br,4F),−138.6(br,4F),−148.6(aa’bb’パターン,2F),−151.9(br,4F). 1max(ヘキサン)425nm e=5.9×102L mol−1 cm−1. Anal. Calcd. for C30F20B2:C 47.29. Found:C 47.78.
(実施例26−1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン:1,2−[B(C6F5)2]2C6F4の合成)
1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン(1,2−[B(C6F5)2]2C6F4)(化合物II)の合成を、図2に模式的に示す。
【0149】
化合物IIは、1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(4)から調製され、1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(4)は、実施例1で説明されたように調製された。
【0150】
トルエン(25ml)を、Zn(C6F5)2(1.40g、3.50mmol)を含む減圧したボンベ内に−78℃で凝縮した。得られた無色の溶液に、ボラン1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(0.84g,1.73mmol)を未希釈液体として添加した。混合物を80℃で12時間加熱し、減圧下でトルエンを除去した。トルエン(40ml)を使用して、白色の残渣を抽出し、濾過および濃縮した。加熱トルエンからの結晶化および冷却ヘキサンによる洗浄を行なうことにより、生成物を単離した(0.8g,0.95mmol,55%)。19F NMR(C6D6)δ−127.6(m,2F,C6F4);−128.5(d,8F,o−C6F5);−141.6(m,2F,C6F4);−148.9(m,4F,p−C6F5);−161.5(m,8F,m−C6F5). Anal. Calcd. for C30B2F24:C 42.9. Found:C 42.5.
したがって、本発明の方法は、ハロゲン化溶媒を使用せずに効率良くポリオレフィンを合成するのに有効であることは明らかである。本発明は、ポリイソブテンおよびブチルゴムの合成に特に適しているが、必ずしもこれらに限定されるものではない。また、例示された重合工程は懸濁重合であり、懸濁重合は熱および物質移動を促進する。しかしながら、本発明は、液体または希釈モノマーと担持触媒とにおける溶液重合も前提とするものである。本発明の方法は、他の方法等とともに別途使用することができ、他のポリオレフィン材料の製造にも同様に使用することができる。
【0151】
したがって、あらゆる変形は本発明の範囲に含まれ、ここに開示されかつ説明された本発明の要旨から逸脱することなく、特定の構成要素を選択できることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの化学構造である。
【図2】1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンを合成するための本発明の代表的な方法の概略図である。
【図3】本発明の代表的な化合物である1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図4】本発明の代表的な化合物である1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロビフェニレン化合物の化学構造の概略図である。
【図5】本発明の代表的な化合物である9,10−ビス(BArF2)オクタフルオロフェナントレン化合物の化学構造の概略図である。
【図6】本発明の代表的な化合物である2,2’−ビス(BArF2)オクタフルオロビフェニル化合物の化学構造の概略図である。
【図7】本発明の代表的な化合物である2,2’−ビス(BArF2)ドデカフルオロ−1,1’−ビナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図8】本発明の代表的な化合物である1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロフルオレン化合物(X=CH2)、1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロカルバゾール化合物(X=NR)、1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロジベンゾフラン化合物(X=O)の化学構造の概略図である。
【図9】本発明の代表的なジヒドロアントラセン化合物である1,8−ビス(BArF2)−10,10−二置換−ヘキサフルオロジヒドロアントラセン化合物(X=CH2)、1,8−ビス(BArF2)−10,10−二置換−9−アザ−ヘキサフルオロジヒドロアントラセン化合物(X=NR)、1,8−ビス(BArF2)−10,10−二置換−9−オキソ−ヘキサフルオロジヒドロアントラセン化合物(X=O)の化学構造の概略図である。
【図10】本発明の代表的な化合物である1,2−ビス(BArF2)ヘキサフルオロナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図11】本発明の代表的な化合物である2,3−ビス(BArF2)ヘキサフルオロナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図12】本発明の代表的な化合物である2,3−ビス(BArF2)オクタフルオロアントラセン化合物の化学構造の概略図である。
【図13】本発明の代表的な化合物である1,2−ビス(BArF2)オクタフルオロアントラセン化合物の化学構造の概略図である。
【図14】本発明の代表的な化合物である1,9−ビス(BArF2)オクタフルオロアントラセン化合物の化学構造の概略図である。
【図15】本発明の代表的な化合物である3,3’−ビス(BArF2)ドデカフルオロ−2、2’−ビナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な共開始剤(coinitiator)を使用するカチオン重合方法に関する。また、本発明は、以下に示す1,2−C6F4[B(Br)2]2を合成するための方法に関する。
【0002】
【化20】
【背景技術】
【0003】
ポリ(イソブテン)(PIB)は、イソブテン(IB)の重合により製造される重要な工業製品であり、イソブテンは、高級炭化水素の分解によって得られる安価な石油化学製品である。PIBは、分子量(MW)に応じて、ゴム、潤滑剤、接着剤、粘度調節剤、添加剤などの様々な用途に使用される。IBの重合は、エクソンモービル(Exxon−Mobil)、バスフ(BASF)、オロナイト(Oronite)、BP、日本合成ゴム(Japan Synthetic Rubber)などの世界的な大企業によって行われている。
【0004】
IBの重合は、塊状重合(バスフ)または炭化水素または塩素化炭化水素希釈剤を使用した液相重合によって低温で行われる。典型的な重合開始系は、強ルイス酸(BF3,AlCl3,TiCl4等)を含む。これらの酸は非常に水分に敏感であり、処理時に急速に加水分解して有害な副生成物となる。最新の工業的プロセスを使用した場合でも、環境に対する懸念(大気汚染や水質汚染)は免れない。
【0005】
ブチルゴムや、i−ブテン(IB)とイソプレン(IP)との共重合体などのカチオン重合オレフィンは、商業的に重要な合成ゴムとして長年使用されている。例えば、米国では1991年に約5億ポンドのブチルゴム(BR)が製造された。従来のBRの製造方法は、AlCl3等のルイス酸を使用して塩素化炭化水素溶媒中で低温(−100℃)で行われる。このような条件下では、高MW(>200,000)のBRが満足できる収率で生成される。塩素化炭化水素溶媒を使用する理由は、塩素化炭化水素溶媒が十分な極性を有するために遷移状態を安定させ、カルボカチオン重合におけるイオン生成のための活性化エネルギーを低下させるためである。低温で重合を行なう理由は、ポリマー鎖の分子量増加を制限する停止・連鎖移動プロセスを遅らせるためである。極性の低い溶媒は通常、遷移状態の安定化に対する効果が低いため、重合において活性なカルボカチオンの生成量が減少する。また、溶媒は、重合熱を散逸させるための流体熱移動媒体として機能しなければならない。さらに、溶媒は、重合成分を最適に溶解させなければならない。塩化メチルは、(連鎖成長速度を高める)極性溶媒であるとともにBRの貧溶媒であり、上記低温で懸濁重合となるため、BRの合成に有用である。
【0006】
米国の最近の法律は、既存施設では塩化メチルの継続的な使用を認めるが、拡張施設および/または新設プラントでは、塩化されていない代替溶媒を使用することが必要となるだろう。したがって、商業的に満足できる収率で高MWのBRを生産する際に、ハロゲン化溶媒を使用しない効果的な開始剤を開発する必要がある。
【0007】
i−ブテン(IB)の重合のための様々なルイス酸性典型・遷移金属元素開始剤または共開始剤は、塩素化溶媒を使用しない場合または最小量の塩素化溶媒を使用する場合に、ポリ(i−ブテン)(PIB)またはIBとIPとの共重合体を生成させることが報告されている。しかしながら、これらの組成物はいずれも、塩素化溶媒を使用しない場合、満足できる収率で十分に高いMWを有するBRを生成させることができないと考えられている。したがって、代替となる開始剤組成物を開発する必要がある。
【発明の開示】
【0008】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0009】
【化21】
【0010】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0011】
【化22】
【0012】
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【0013】
本発明は概して、有機相または未希釈モノマー反応相において、共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0014】
【化23】
【0015】
式中、Yはホウ素またはアルミニウムであり、
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【0016】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0017】
【化24】
【0018】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0019】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0020】
【化25】
【0021】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0022】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0023】
【化26】
【0024】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0025】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0026】
【化27】
【0027】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0028】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0029】
【化28】
【0030】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0031】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0032】
【化29】
【0033】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0034】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0035】
【化30】
【0036】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0037】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0038】
【化31】
【0039】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0040】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0041】
【化32】
【0042】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0043】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0044】
【化33】
【0045】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0046】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0047】
【化34】
【0048】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0049】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0050】
【化35】
【0051】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0052】
本発明は概して、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法に関する。
【0053】
【化36】
【0054】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0055】
本発明は概して、新規な共開始剤を使用するカチオン重合方法を提供する。また、本発明は、水の存在下で新規な共開始剤を使用するカチオン重合方法を提供する。さらに、本発明は、以下に示す1,2−C6F4[B(Br)2]2を、従来の方法に比べて改善された収率で製造するための方法に関する。
【0056】
【化37】
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明は概して、新規な共開始剤を使用するカチオン重合方法を提供する。
水の存在下におけるカチオン重合共開始剤として、以下の化合物を使用することができる。
【0058】
【化38】
【0059】
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【0060】
【化39】
【0061】
式中、Yはホウ素またはアルミニウムであり、
R,R’,R’’は上述した通りである。
【0062】
【化40】
【0063】
【化41】
【0064】
【化42】
【0065】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0066】
【化43】
【0067】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0068】
【化44】
【0069】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0070】
【化45】
【0071】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0072】
【化46】
【0073】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0074】
【化47】
【0075】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0076】
【化48】
【0077】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0078】
【化49】
【0079】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0080】
【化50】
【0081】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0082】
【化51】
【0083】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0084】
【化52】
【0085】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0086】
【化53】
【0087】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0088】
【化54】
【0089】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【0090】
使用可能なカチオン重合性オレフィンは特に限定されない。一実施形態では、オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィン、C2〜C30ジオレフィン(特にC2〜C20オレフィン)から選択される。本発明の開始剤を使用して重合することができるオレフィンの代表的な例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブチレン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0091】
また、ジオレフィンが含まれていてもよい。一実施例では、イソブチレン(i−ブテン)と約0.5〜5%のイソプレンの混合物を本発明の重合開始剤を使用してカチオン重合し、ブチルゴムを製造する。別の実施例では、イソブチレン(i−ブテン)と約0.5〜2.5%のイソプレンとの混合物を、本発明の重合開始剤を使用してカチオン重合することにより、ブチルゴムが製造される。
【0092】
共開始剤を水の存在下で使用する場合、一実施形態では、水性懸濁液で使用される。別の実施の形態では、共開始剤は、水性乳化重合プロセスで使用される。
【0093】
共開始剤の有用な使用量は、当業者が過度の実験を行なわずに決定することができる。
【0094】
また、本発明は、1,2−C6F4[B(C6F5)2]2(1−F4)を含む開始剤系を使用して、少なくとも1種のカチオン重合性オレフィンをカチオン重合する方法を提供する。1−F4は、以下のスキームにしたがって合成することができる。
【0095】
【化55】
【0096】
【化56】
【0097】
好ましくは、約25℃未満の温度では以下の反応工程が好ましい。
【0098】
【化57】
【0099】
別の実施形態では、前記反応は約35℃未満の温度で行われる。
【0100】
化合物Iおよび化合物IIの合成を、図2に模式的に示す。
【0101】
図2に示すように、テトラフルオロジブロモベンゼンから出発し、テトラフルオロジブロモベンゼンはビス−ボロン酸1に転換される。ビス−ボロン酸1は高い収率(75%)で生成され、ビス−トリフルオロホウ酸二カリウム塩2に転換される。三フッ化ホウ素(BF3)および三臭化ホウ素(BBr3)による連続処理によって、ビス−トリフルオロホウ酸塩2はビス−ジブロモボリル化合物4に転換され、ビス−ジブロモボリル化合物4から化合物Iおよび化合物IIが製造される。したがって、ビス−ジブロモボリル化合物4の調製は、化合物Iおよび化合物IIの形式的な(formal)合成をなすものである。化合物Iの合成は実施例1に記載されている。化合物IIの合成は実施例2に記載されている。
【0102】
したがって、1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン(化合物I)の製造方法が提供される。一実施形態では、合成方法は以下の工程を含む。
【0103】
(a)3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの1,2−塩をホウ酸トリアルキルと反応させて、ビス−ボロン酸エステルを得、このビス−ボロン酸エステルを加水分解して1,2−ビス[(ジヒドロキシ)ボリル]テトラフルオロベンゼンを得る工程、
(b)1,2−ビス[(ジヒドロキシ)ボリル]テトラフルオロベンゼンを二フッ化水素塩と反応させて、テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸塩を得る工程、
(c)テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸塩を三フッ化ホウ素と反応させて、1,2−ビス(ジフルオロボリル)テトラフルオロベンゼンを得る工程、
(d)1,2−ビス(ジフルオロボリル)テトラフルオロベンゼンを三臭化ホウ素と反応させて、1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンを得る工程、および
(e)1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンを9−(ジアルキルスズ)パーフルオロフルオレンと反応させて、1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンを得る工程。
【0104】
また、1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン(化合物II)の製造方法が提供される。一実施形態では、この方法は上記工程(a)〜(d)を含み、さらに、1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンをジ(パーフルオロフェニル)亜鉛(Zn(C6F5)2)と反応させて、1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンを得る工程を含む。
【0105】
上記合成方法の一実施形態では、3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの1,2−塩は1,2−二リチウム塩である。一実施形態では、1,2−二リチウム塩は、1,2−ジブロモ−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンをn−ブチルリチウムと反応させることによって製造される。
【0106】
上記合成方法の一実施形態では、ホウ酸トリアルキルはホウ酸トリメチルである。好適なアルキル基には、適当な反応条件下で効率的に反応が進行するあらゆるアルキル基が含まれる。好適なアルキル基の例には、C1〜C12アルキル基が含まれる。
【0107】
上記合成方法の一実施形態では、二フッ化水素塩は、二フッ化水素カリウムである。
【0108】
上記合成方法の一実施形態では、テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸塩は、テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸カリウムである。
【0109】
1,2−[B(C12F8)]2C6F4の製造方法の一実施形態では、9−(ジアルキルスズ)パーフルオロフルオレンは、9−(ジメチルスズ)パーフルオロフルオレンである。別の実施形態では、9−(ジアルキルスズ)パーフルオロフルオレンは、9−(ジブチルスズ)パーフルオロフルオレンである。
【0110】
加えて、化合物Iおよび化合物IIの類似化合物ならびにこれらの類似化合物の製造方法が提供される。化合物Iおよび化合物IIは、1,2−フェニル置換化合物である。化合物Iは、2つの9−ボラ−パーフルオロフルオレニル(すなわち、−B(C12F8))置換基が共有結合した1,2−フェニル「骨格」構造を含む。同様に、化合物IIは、2つのボリルジ(パーフルオロフェニル)(すなわち、−B(C6F5)2)置換基が共有結合した1,2−フェニル「骨格」構造を含む。本発明は、1,2−フェニル骨格構造を有する化合物に加えて、他の骨格構造を有する化合物を提供する。1,2−フェニル骨格構造以外の代表的な骨格構造を図3〜図15に示す。図3〜図15において、ArFはパーフルオロアリール基を示す。これらの図において、パーフルオロアリール基は、ArFがC6F5(1価のパーフルオロフェニル)であるか、または、ArF2がC12F8(2価のパーフルオロフルオレン)であるかを示している。なお、その他のパーフルオロアリール基も本発明の範囲に含まれる。
【0111】
本発明の1以上の実施形態において、共開始剤化合物は、アリール化合物の芳香環の炭素原子に直接結合した2つのホウ素中心を有するアリール化合物である。図1および図3〜図15に示すように、ホウ素中心は、単環芳香族(例えば、図1を参照)または多環芳香族に結合することができる(例えば、図3、図5、および図10〜図14を参照)。ホウ素中心は、多環芳香族の同一の環に結合することができる(例えば、図5および図10〜図13を参照)。あるいは、ホウ素中心は、多環芳香族の異なる環に結合することができる(例えば、図3および図14を参照)。好適な骨格構造は、単環および多環芳香化合物に加えて、2つの芳香環を有する化合物をさらに含む(例えば、図4、図6〜図9、および図15を参照)。これらの化合物では、1つのホウ素中心が1つの芳香環の炭素原子に結合し、第2のホウ素中心が第2の芳香環の炭素原子に結合している。
【0112】
化合物Iおよび化合物IIの合成を図2に示す。出発物質(例えば、図2ではC6F4X2)を適切に選択することによって、様々なジボランおよびジボロル(diborole)化合物(例えば図3〜図15に示す化合物)を同様に調製することができる。この合成方法では、適切な出発物質(例えば、ジハロゲンまたは二水素置換アリール化合物)がビス−ボロン酸に転換される。次に、ビス−ボロン酸がビス−トリフルオロホウ酸二カリウム塩に転換される。三フッ化ホウ素(BF3)および三臭化ホウ素(BBr3)による連続処理によって、ビス−トリフルオロホウ酸塩がビス−ジブロモボリル化合物に転換され、ビス−ジブロモボリル化合物から最終化合物が製造可能である。ビス−ジブロモボリル化合物を9−(ジメチルスズ)パーフルオロフルオレンで処理することによって、対応する9−ボラフルオレニル化合物(すなわち、ジボロル化合物)を得ることができる。あるいは、ビス−ジブロモボリル化合物を適当な有機金属試薬(例えば、ジ(パーフルオロフェニル)亜鉛)で処理することによって、対応するジボランを得ることができる。したがって、2つのボロル中心(すなわち、アリールジボロル)および2つのボラン中心(すなわち、アリールジボラン)のいずれかで置換されたアリール化合物の一般的な合成方法論が提供される。
【0113】
本発明の実施を説明するために、以下の実施例が提供される。
【実施例】
【0114】
すべてのガラス器具は、Me2SiCl2またはアクアフォーブ(Aquaphobe;登録商標)でシラン処理した後、使用前に真空下で乾燥した。ヘキサン、トルエン、およびCH2Cl2は、活性A−2アルミナおよびQ−5デオキソ触媒のカラムを通過させて予め精製された。ヘキサンおよびトルエンはさらに、金属カリウムおよび金属ナトリウムを使用してそれぞれ蒸留し、活性化4Åモレキュラーシーブ上に保管した。窒素ガスは、活性化3ÅモレキュラーシーブとBASF R3−11触媒との混合物(容量比:1:1)を充填したカラムと、3Åモレキュラーシーブとシカペント(SicaPent;登録商標)指示体とを充填した第2のカラムとを通過させることにより乾燥させた。IBガスは、3ÅモレキュラーシーブおよびBASF R3−11触媒のカラムを通過させることにより、使用前に精製された。ビス(ボラン)1−F4は、文献に記載された手順に変更を加えて調製され、トルエンおよびヘキサンからの再結晶化によって精製された。塩化クミル(CuCl)は、α−メチルスチレンの塩化水素化によって調製され、使用前に脱気された。市販の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(DTBMP)を購入し、トルエン溶液の共沸蒸留によって使用前に乾燥させた。市販のトリ(パーフルオロフェニル)ボランを購入し、ヘキサン溶液からの再結晶化によって精製し、活性化4Åモレキュラーシーブ上でトルエン溶液を保管することによって乾燥させた。トリス(パーフルオロフェニレン水銀)は、P.Sartori et al.Chem.Ber.1968,101,2004−9に記載されているようにパーフルオロフタル酸水銀の脱炭酸によって調製され、ビス(パーフルオロフェニル)亜鉛は、P.Sartori et al.Chem.Ber.1967,100,3016−23に記載されているようにパーフルオロ安息香酸亜鉛の脱炭酸によって調製された。ビス(ボラン)o−C6F4[B(C6F5)2]2(1−F4)は、文献(Williams et al.Am.Chem.Soc 1999,121,3244−3245)に記載された手順に変更を加えて調製され、トルエンおよびヘキサンからの再結晶によって精製された。ホウ酸トリフェニルメチルテトラキス(パーフルオロフェニル)は、対応するリチウム塩および塩化トリフェニルメチルから調製され、文献(Chien,J.C.W.;Tsai,W.M.,Rausch,M.D.J,Am.Chem.Soc.1991,113,8570−1)に記載されているように精製された。ホウ酸リチウムテトラキス(パーフルオロフェニル)は市販品を購入し、精製することなく使用した。[(Et2O)2H][B(C6F5)4]は、Jutzi,P.Mueller,C.;Stammler,A.;Stammler,H.−G.Organometallics 2000,19,1442−1444に記載されているように[Li][B(C6F5)4]から調製した。
【0115】
市販の臭化ドデシルトリメチルアンモニウムおよび硫酸ドデシルナトリウムを購入し、精製することなく使用した。ドデシルトリメチルアンモニウムトリフラートおよびテトラフルオロホウ酸塩はそれぞれ、銀トリフラートまたはフルオロホウ酸銀水溶液による処理によって臭化物から調製された。LiCl(121.4g、2.86モル)およびNaCl(6.33g、0.108モル)のH2O(400g、22.20モル)の原液(以下「不凍液」と呼ぶ)(Akopov,E.;Ah.Prikl.Kim.1963,36,1916−1919)が調製され、この不凍液は、以下に要約する水性懸濁液またはエマルションでの重合実験のほとんどで使用された。場合によって、38質量%硫酸水溶液または48質量%フルオロホウ酸水溶液を不凍液の代わりに使用した。
【0116】
[1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンの合成]
グローブボックス内で、磁気撹拌子を含む100mLの丸底一口フラスコに2.08g(1.99×10−3モル)のトリ(パーフルオロ−o−フェニレン水銀)を入れた。次に、インラインPTFE真空コックを介して、24/40の外側部材/内側部材を有する真空スタイルアダプターにフラスコを接続し、5質量%のKOHを含むイソプロパノールを予め充填したトラップを備えた真空ラインに取り付けた。次に、50mLの乾燥ベンゼンおよび12.0g(4.77×10−2モル)のBBr3を、トリス(パーフルオロ−o−フェニレン水銀)を含むフラスコに真空下で供給した。次いで、この反応混合物を真空下で室温にて24時間撹拌した後、グローブボックスに入れた。次に、この反応混合物を、カリウス(Carius)管に密封された真空スタイルアダプターの24/40の首部に取り付けられたフリットによって濾過した。このカリウス管を真空ラインに取り付け、内容物を動的真空下に配置して揮発成分を除去した。その結果、2.63g(収率:90%)の薄茶色の結晶生成物を得た。19F NMR分光法によって、得られた材料の純度が>95%であることが明らかになった。19F NMR(ベンゼン−d6,300K,300MHz):d−126.21(d,2F,o−C6F5),−147.79(d,2F,m−C6F4).
[1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ボリル]テトラフルオロベンゼンの合成]
グローブボックス内で、2.63g(5.38×10−3モル)の1,2−ビス(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼンを含むカリウス管に、4.50g(1.13×10−2モル)のビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛および75mLの乾燥トルエンを添加し、薄い黄緑色の反応混合物および灰色の沈殿物を得た。次に、管を真空ラインに取り付け、連続した3回の凍結/ポンプ/解凍サイクルを行った後、内容物を111℃で12時間加熱した。次いで、冷却した反応混合物を、グローブボックス内で濾過フリットを取り付けた250mLの一口丸底フラスコ内に濾過した後、該フリットを、調節可能な24/40ガス入口アダプターと取り替えた。次に、フラスコをシュレンク(Schlenk)ラインに接続し、動的真空下に配置して揮発成分を除去し、薄黄色の固体を得た。次いで、得られた材料を、トルエン/ヘキサンの60/40(容量比)混合物から数回にわたって再結晶化して、4.01g(89%)の白色の結晶を得た。19F NMR分光法によって、得られた材料の純度が>99%であることが明らかになった。19F NMR(CDCl3,300K,282MHz):d−124.41(d,2F,o−C6F4),−126.0(d,8F,o−C6F5),−141.30(t,4F,p−C6F5),−147.74(d,2F,m−C6F4),−160.26(m,8F,m−C6F5).
[重合例]
(実施例1−液体モノマー中でのIBの重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、12mLのIBを、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムを含むrbフラスコに真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーを真空下で供給した。高速で撹拌したモノマーに、1−F4のトルエン溶液(0.048mLの0.05M溶液、最終濃度:0.20mM)を、気密シリンジを介して−78℃で添加した。制御されていない発熱を伴う重合が発生し、溶液が急速にゲル化するとともに撹拌が停止した。0.2Mのナトリウムメトキサイドのメタノール溶液(1mL)でクエンチした後、全揮発成分を除去し、残渣をメタノールで洗浄し、ヘキサンに投入した。得られたポリマー溶液を濾過し、濃縮乾固して、30Hgの真空オーブン内で90℃にて24時間乾燥した。収率および特性データを表にまとめた。同様の条件において、2〜20mMのDTBPの存在下では、PIBがほとんどまたは全く得られなかったことから、プロトン性不純物による開始であることを示している。
【0117】
(実施例2−液体モノマー中でのIBとイソプレンとの共重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、約12mLのIBを、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムおよび0.18mLのイソプレンを含むrbフラスコに真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーおよびイソプレンを真空下で供給した。高速で撹拌したモノマー溶液に、1−F4のトルエン溶液(0.048mLの0.05M溶液、最終濃度:0.20mM)を、気密シリンジを介して−78℃で添加した。制御されていない激しい発熱を伴う重合が発生し、溶液が急速にゲル化するとともに撹拌が停止した。−78℃で1時間経過した後、実施例1で説明されたように重合を停止させた。実施例1で説明されたようにポリマーを単離し、6.67gのブチルゴム(転化率:76%)(Mw=71.1K、Mw/Mn=2.08)を得た。得られた材料の1H NMRスペクトルによって、約2モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0118】
(実施例3〜5−ヘキサン溶液中でのIBの重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムおよび19mLのヘキサンを含むrbフラスコに、約5mLのIBを真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーおよび溶媒を真空下で供給した。高速で撹拌したモノマー溶液に、1−F4のトルエン溶液(0.766mLの0.065M溶液、最終濃度:2.0mM)を、気密シリンジを介して添加した。制御された重合が発生し、−78℃で1時間経過した後、実施例1で説明されたように重合を停止させた。実施例1で説明されたようにポリマーを単離した。結果を表にまとめた。
【0119】
(実施例6−低濃度の1−F4の存在下でのヘキサン溶液中におけるIBの重合)
真空ラインのN2雰囲気下で−78℃にて、IBをメスシリンダー内に凝縮した。次に、約1gのトリ−n−オクチルアルミニウムおよび19mLのヘキサンを含むrbフラスコに、約5mLのIBを真空下で供給した。−78℃で30分間撹拌した後、入口にセプタムが取り付けられた第2のrbフラスコに、前記モノマーおよび溶媒を真空下で供給した。高速で撹拌したモノマー溶液に、1−F4のトルエン溶液(0.766mLの0.065mM溶液、最終濃度:2.0×10−6M)を、気密シリンジを介して−78℃で添加した。制御された重合が発生し、−78℃で1時間経過後に、実施例1で説明されたように重合を停止させた。実施例1で説明されたようにポリマーを単離し、117mgのPIB(転化率:3.0%)(Mw=483K、Mw/Mn=1.90)を得た。
【0120】
別の実験で、同一の組成を有し、かつ同一の方法で調製されたIBおよびヘキサンの溶液を、ベンゾフェノンケチルをキシレン/テトラグライムに溶解させた原液を用いて薄青終点まで滴定した。この方法によれば、溶解した水の濃度は2.5×10−5Mであり、または上述の実験で使用した1−F4の量よりも概ね10倍高いと推定された。
【0121】
(比較例1)
実施例2〜4に記載された手順を使用して、B(C6F5)3のトルエン溶液(0.80mLの0.126M溶液、最終濃度:4.0mM)をIBのヘキサン溶液に添加した。−78℃で1時間経過した後、上述のように処理して、微量のPIBを得た。特性を表にまとめた。
【0122】
(実施例7〜10−CumClおよびDTBPの存在下における、ヘキサン溶液中でのIBの重合)
実施例2〜4に記載された手順にしたがった。1−F4を添加する前に、DTBP(1.0mLの0.5M溶液)および塩化クミル(0.172mLの0.029M CH2Cl2溶液)のヘキサン溶液を、−78℃でIBのヘキサン溶液に添加し、次に、実施例2で説明されたように、1−F4を添加した。制御された重合が発生し、1時間後に、実施例1で説明されたように処理した。その結果を表にまとめた。
【0123】
(比較例2)
実施例5〜8に記載された手順を使用して、B(C6F5)3のトルエン溶液(0.80mLの0.126M溶液、最終濃度:4.0mM)をIB、塩化クミル、およびDTBPのヘキサン溶液に添加した。−78℃でl時間経過した後、上述したように処理したが、検出可能な量のPIBは得られなかった。
【0124】
【表1】
【0125】
(実施例10−水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のヘキサン溶液(1.19mM)10.0mLを5分間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。この間に混合物は乳白色となった。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(6.10g、転化率:48%)を得た(Mw=66.1K,Mw/Mn=2.55)。
【0126】
(実施例11−極性溶媒の存在下の水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよびCH2Cl29.0mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(9.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のヘキサン溶液(1.19mM)10.0mLを5分間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。この間に混合物は乳白色となった。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(2.05g、転化率:32%)を得た(Mw=121K,Mw/Mn=1.96)。
【0127】
(実施例12−水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(4.95g、転化率:39%)を得た(Mw=23.9K,Mw/Mn=2.38)。
【0128】
(実施例13−水性エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよび臭化ドデシルトリメチルアンモニウム0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のヘキサン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(595mg、転化率:4.7%)を得た(Mw=57.2K,Mw/Mn=2.74)。
【0129】
(実施例14−水性エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよび硫酸ドデシルナトリウム(SDS)0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にてkイソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(4.10g、転化率:32%)を得た(Mw=25.4K,Mw/Mn=2.37)。
【0130】
(実施例15−水性懸濁液でのIBとイソプレンの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLおよびイソプレン2.0mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、20秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(3.35g、転化率:24%)を得た(Mw=86.2K,Mw/Mn=2.89)。1H NMRスペクトルによって、約5モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0131】
(実施例16−水性エマルションでのIBおよびイソプレンの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mL、イソプレン2.0mL、およびSDS0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン(11.9mM)溶液1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、20秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(2.49g、転化率:18%)を得た(Mw=77.3K,Mw/Mn=2.75)。1H NMRスペクトルによって、約5モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0132】
(実施例17−水性硫酸懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、38質量%硫酸水溶液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン(11.9mM)溶液1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(3.67g、転化率:29%)を得た(Mw=38.4K,Mw/Mn=2.05)。
【0133】
(実施例18−水性硫酸エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、38質量%硫酸水溶液18mLおよびドデシルトリメチルアンモニウムトリフラート0.100gを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(1.82g、転化率:14%)を得た(Mw=55.7K,Mw/Mn=2.82)。
【0134】
(実施例19−水性フルオロホウ酸懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mLを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、重合時は引き続き黄変したままだった。なお、黄色の濃さは時間とともに徐々に減少した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(7.28g、転化率:58%)を得た(Mw=50.8K,Mw/Mn=2.36)。
【0135】
(実施例20−水性フルオロホウ酸エマルションでのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mLおよびテトラフルオロホウ酸ドデシルトリメチルアンモニウム0.100gを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(6.57g、転化率:52%)を得た(Mw=39.9K,Mw/Mn=2.12)。
【0136】
(実施例21−水性フルオロホウ酸エマルションでのIBとイソプレンとの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mL、ヘキサン8.0mL、テトラフルオロホウ酸ドデシルトリメチルアンモニウム0.100g、およびイソプレン1.0mLを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(9.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、重合時は引き続き黄変したままだった。なお、黄色の濃さは時間とともに徐々に減少した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(2.76g、転化率:39%)を得た(Mw=80.9K,Mw/Mn=2.90)。1H NMRスペクトルによって、約14モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0137】
(実施例22−水性フルオロホウ酸懸濁液でのIBとイソプレンとの共重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、48質量%フルオロホウ酸水溶液18mL、ヘキサン8.0mL、およびイソプレン1.0mLを投入した。静的真空下で−80℃にて、イソブテン(9.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下にて混合物を550rpmで撹拌した。1−F4の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−80℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびメタノール(100mL,容量比1:1)で希釈してエマルションを分解し、続いてCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ブチルゴム(2.67g、転化率:38%)を得た(Mw=106K,Mw/Mn=1.91)。1H NMRスペクトルによって、約15モル%のtrans−1,4−イソプレン単位が存在することが明らかになった。
【0138】
(実施例23−1,2−C6F4(9−BC12F8)2との共開始による、水性懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、不凍液18mLを投入した。静的真空下で−60℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1,2−C6F4(9−BC12F8)2のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。溶液の添加中に混合物が黄変し、10秒間にわたって黄色が保持された後、最終的に乳白色となった。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−60℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(5.04g、転化率:40%)を得た(Mw=89.6K,Mw/Mn=3.83)。
【0139】
(実施例24−水性HCl懸濁液でのIBの重合)
オーバーヘッド撹拌機を備えた三ツ口rbフラスコに、12N HC1水溶液18mLを投入した。静的真空下で−25℃にて、イソブテン(18.0mL)をフラスコ内に凝縮した。シリンジによって、1−F4のトルエン溶液(11.9mM)1.00mLを5秒間にわたって添加しながら、N2雰囲気下で混合物を550rpmで撹拌した。反応は激しく熱を発生し、モノマーの還流が見られた。−25℃で1時間経過した後、フラスコを大気に開放しながら混合物を25℃まで昇温させた。混合物を水(100mL)およびCH2Cl2(50mL)で希釈し、分液漏斗に移した。水層をCH2Cl2(2’50mL)で抽出し、有機抽出物をMgSO4で乾燥し、CH2Cl2で洗浄し、真空下で濃縮乾固させた。その結果、ポリ(イソブテン)(1.96g、転化率:16%)を得た(Mw=20.3K,Mw/Mn=1.88)。
【0140】
(比較例3)
実施例10に要約された手順を使用して、[Ph3C][B(C6F5)4](2.4mM)のヘキサン:CH2Cl2(60:40,容量比)溶液を、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃にて添加した。添加により、混合物は黄色に変化した。1時間後、上述のように処理したが、ポリ(イソブテン)は得られなかった。
【0141】
(比較例4)
実施例10に要約された手順を使用して、B(C6F5)3(10.0mL、2.4mM)のヘキサン溶液を、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃で添加した。l時間後、上述のように処理したが、検出可能な量のポリマーは得られなかった。
【0142】
(比較例5)
実施例12に要約された手順を使用して、0.020g(2.39×10−5モル)の[Li][B(C6F5)4]を18.0mLの不凍液に溶解させた溶液に、18.0mLのIBを凝縮した。次に、N2雰囲気下でフラスコの内容物を−60℃にて550rpmで撹拌した。重合を1時間継続させた後、水およびCH2Cl2で反応器の内容物を希釈することによって、反応器の内容物を室温に温めた。この間に大量のガスが発生した。次に、有機物をCH2Cl2で抽出し、MgSO4で乾燥した。その後、減圧下で揮発成分を除去することによって、固体を単離した。PIBは単離されず、有機相での塩の溶解性を高めるための18.0mLのCH2Cl2の添加は、結果に影響しなかった。
【0143】
(比較例6)
実施例12に要約された手順を使用して、[(Et2O)2H][B(C6F5)4](12mM)のトルエン溶液1.0mLを、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃で添加した。1時間後、上述したように処理したが、ポリ(イソブテン)は得られなかった。
【0144】
(比較例7)
実施例12に要約された手順を使用して、9,10−(C6F5B)2C12F8(化合物2、10mM)のトルエン溶液1.0mLを、18.0mLのIBおよび18.0mLの不凍液に−60℃で添加した。1時間後、上述したように処理したが、ポリ(イソブテン)は得られなかった。
【0145】
(実施例25−1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン:1,2−[B(C12F8)]2C6F4の合成)
<全般的な考慮事項>
NMRスペクトルは、Bruker Avance DRX−400(11B at 128.41MHz)およびBruker AMX2−300(19F at 282.41MHz)を使用して測定された。11B NMRスペクトルは、0ppmにおけるBF3・Et2Oを参照した。19F NMRスペクトルは、0ppmにおけるCFCl3に対する、−l63ppmにおけるC6F6を参照した。1,2−ジブロモテトラフルオロベンゼン(アルドリッチ(Aldrich))、1.6M BuLi(アルドリッチ)、KHF2(アルドリッチ)、およびBF3(アルドリッチ)は、購入した状態で使用した。B(OCH3)3(アルドリッチ)は、使用前にNaを使用して蒸留し、BBr3(アルドリッチ)は、使用前にCuワイヤを使用して蒸留した。
【0146】
アリールジハロゲンボランを用いるすべての操作は、標準的な真空・シュレンク技術を使用して行なうか、あるいは、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で行なった。CH2Cl2は、使用前にCaH2から蒸留した。CD2Cl2およびC6D6は、ケンブリッジ・アイソトープ(Cambridge Isotopes)から購入し、完全に乾燥させた後、CaH2およびNa/ベンゾフェノンからそれぞれ蒸留した。CD3CNおよびD2Oは、ケンブリッジ・アイソトープおよびアルドリッチからそれぞれ購入し、購入した状態で使用した。
【0147】
1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの合成を、図2に模式的に示す。
【0148】
<1,2−ビス−[(ジヒドロキシ)ボリル]テトラフルオロベンゼン(1)の合成>
ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、12.6mL、20.16mmol)を、1,2−ジブロモテトラフルオロベンゼン(2.6g、8.44mmol)のエーテル(50mL)撹拌溶液に−78℃で滴下した。2時間後、得られた溶液を、予め冷却したホウ酸トリメチル(2.3mL、20.52mmol)のエーテル(25mL)溶液にゆっくりと添加した。得られた懸濁液を−78℃で2時間撹拌して、室温まで徐々に温め、20mLの10%HClを用いて加水分解した。黄色い有機層を分離し、水相をジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。混合した有機相を水(3×10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を除去することによって、黄色のオイルを得、pH4の水から再結晶化することによって、固体結晶を得た(1.5g,75%)。19F NMR(D2O/HCl)d:−136.6(d,JF−F=28.3Hz,2F,C6F4),−156.5(d,JF−F=28.3Hz,2F,C6F4).11B NMR(D2O/HCl)d:16.9(br).
<テトラフルオロフェニル−ビス−1,2−トリフルオロホウ酸カリウム(2)の合成>
ビス−ボロン酸1(2.4g、10.11mmol)のメタノール(20mL)溶液を、フッ化水素カリウム(5.5g、70.41mmol)の撹拌水(40mL)溶液に添加し、1時間撹拌した。この溶液を濾過し、固体を水(3×10mL)およびエーテル(3×10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。生成物を加熱アセトニトリルから再結晶化して、白色の固体(1.04g,28%)を得た。19F NMR(CD3CN/D2O)d:−139.0(d,JF−F=28.2Hz,2F,C6F4),144.1(m,6F,−BF3),−160.1(d,JF−F=28.2Hz,2F,C6F4). 11B NMR(CD3CN/D2O)d:3.9(多重線)
<1,2−ビス−(ジフルオロボリル)テトラフルオロベンゼン(3)の合成>
厚壁ボンベ内のアリールトリフルオロホウ酸カリウム2(1.0g、27.32mmol)をジクロロメタンに懸濁させた撹拌液に、過剰の三フッ化ホウ素ガスを−40℃で導入した。30分後、溶液を−78℃で真空下で脱気した。得られた赤色の溶液を濾過し、残った固体をジクロロメタン(2×5mL)で洗浄した。生成物から減圧下で溶媒を蒸留し、濃い赤色の液体を得た(0.4g,60%)。. 19F NMR(CD2Cl2)d:−72.4(br.s,4F,−BF2),−126.9(m,2F,C6F4),−146.5(m,2F,C6F4). 11B NMR(CD2Cl2)d:22.6(br m)
<1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(4)の合成>
厚壁ボンベ内の3(0.15g、0.61mmol)のトルエン(5mL)溶液に、三臭化ホウ素(0.76g、3.05mmol)を−78℃で導入した。ボンベを密閉し、60℃で30分間加熱した。減圧下で揮発成分を除去して、目的の生成物を得た(0.25g,85%)。19F NMR(C6D6)d:−125.7(m,2F,C6F4),−147.3(m,2F,C6F4). 11B NMR(C6D6)d:54(br)
<1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−テトラフルオロベンゼン(化合物I)の合成>
C12F8SnMe2(0.786g、1.77mmol)およびC6F4(BBr2)2(0.435g、0.84mmol)をトルエン(20ml)に溶解し、コンテス(Kontes)製バルブを備えたガラスボンベに密封し、85℃で36時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、副生成物であるMe2SnBr2を昇華(30℃、0.01mmHg)によって除去した。昇華残渣をフリットアセンブリに配置し、ヘキサン(30ml)をフラスコ内に凝縮した。溶液を−78℃に冷却し、1時間撹拌した。溶液を冷却濾過して淡黄色の固体を得、真空下で乾燥させた。収率:0.520g,81.2%。19F NMR(C6D6)d:−121.1(br,4F),−123.6(aa’bb’パターン,2F),−128.9(br,4F),−138.6(br,4F),−148.6(aa’bb’パターン,2F),−151.9(br,4F). 1max(ヘキサン)425nm e=5.9×102L mol−1 cm−1. Anal. Calcd. for C30F20B2:C 47.29. Found:C 47.78.
(実施例26−1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン:1,2−[B(C6F5)2]2C6F4の合成)
1,2−ビス[ジ(パーフルオロフェニル)ボリル]−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン(1,2−[B(C6F5)2]2C6F4)(化合物II)の合成を、図2に模式的に示す。
【0149】
化合物IIは、1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(4)から調製され、1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(4)は、実施例1で説明されたように調製された。
【0150】
トルエン(25ml)を、Zn(C6F5)2(1.40g、3.50mmol)を含む減圧したボンベ内に−78℃で凝縮した。得られた無色の溶液に、ボラン1,2−ビス−(ジブロモボリル)テトラフルオロベンゼン(0.84g,1.73mmol)を未希釈液体として添加した。混合物を80℃で12時間加熱し、減圧下でトルエンを除去した。トルエン(40ml)を使用して、白色の残渣を抽出し、濾過および濃縮した。加熱トルエンからの結晶化および冷却ヘキサンによる洗浄を行なうことにより、生成物を単離した(0.8g,0.95mmol,55%)。19F NMR(C6D6)δ−127.6(m,2F,C6F4);−128.5(d,8F,o−C6F5);−141.6(m,2F,C6F4);−148.9(m,4F,p−C6F5);−161.5(m,8F,m−C6F5). Anal. Calcd. for C30B2F24:C 42.9. Found:C 42.5.
したがって、本発明の方法は、ハロゲン化溶媒を使用せずに効率良くポリオレフィンを合成するのに有効であることは明らかである。本発明は、ポリイソブテンおよびブチルゴムの合成に特に適しているが、必ずしもこれらに限定されるものではない。また、例示された重合工程は懸濁重合であり、懸濁重合は熱および物質移動を促進する。しかしながら、本発明は、液体または希釈モノマーと担持触媒とにおける溶液重合も前提とするものである。本発明の方法は、他の方法等とともに別途使用することができ、他のポリオレフィン材料の製造にも同様に使用することができる。
【0151】
したがって、あらゆる変形は本発明の範囲に含まれ、ここに開示されかつ説明された本発明の要旨から逸脱することなく、特定の構成要素を選択できることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンの化学構造である。
【図2】1,2−ビス(9−ボラ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロフルオレニル)−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンを合成するための本発明の代表的な方法の概略図である。
【図3】本発明の代表的な化合物である1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図4】本発明の代表的な化合物である1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロビフェニレン化合物の化学構造の概略図である。
【図5】本発明の代表的な化合物である9,10−ビス(BArF2)オクタフルオロフェナントレン化合物の化学構造の概略図である。
【図6】本発明の代表的な化合物である2,2’−ビス(BArF2)オクタフルオロビフェニル化合物の化学構造の概略図である。
【図7】本発明の代表的な化合物である2,2’−ビス(BArF2)ドデカフルオロ−1,1’−ビナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図8】本発明の代表的な化合物である1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロフルオレン化合物(X=CH2)、1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロカルバゾール化合物(X=NR)、1,8−ビス(BArF2)ヘキサフルオロジベンゾフラン化合物(X=O)の化学構造の概略図である。
【図9】本発明の代表的なジヒドロアントラセン化合物である1,8−ビス(BArF2)−10,10−二置換−ヘキサフルオロジヒドロアントラセン化合物(X=CH2)、1,8−ビス(BArF2)−10,10−二置換−9−アザ−ヘキサフルオロジヒドロアントラセン化合物(X=NR)、1,8−ビス(BArF2)−10,10−二置換−9−オキソ−ヘキサフルオロジヒドロアントラセン化合物(X=O)の化学構造の概略図である。
【図10】本発明の代表的な化合物である1,2−ビス(BArF2)ヘキサフルオロナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図11】本発明の代表的な化合物である2,3−ビス(BArF2)ヘキサフルオロナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【図12】本発明の代表的な化合物である2,3−ビス(BArF2)オクタフルオロアントラセン化合物の化学構造の概略図である。
【図13】本発明の代表的な化合物である1,2−ビス(BArF2)オクタフルオロアントラセン化合物の化学構造の概略図である。
【図14】本発明の代表的な化合物である1,9−ビス(BArF2)オクタフルオロアントラセン化合物の化学構造の概略図である。
【図15】本発明の代表的な化合物である3,3’−ビス(BArF2)ドデカフルオロ−2、2’−ビナフタレン化合物の化学構造の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法。
【化1】
【請求項2】
請求項1において、
前記化学構造は以下の化学構造である、方法。
【化2】
【請求項3】
請求項1において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記共開始剤は水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項7】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化3】
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【請求項8】
請求項7において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項9】
請求項7において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項10】
請求項7において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項11】
請求項7において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項12】
有機相または未希釈モノマー反応相において、共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化4】
式中、Yはホウ素またはアルミニウムであり、
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【請求項13】
請求項12において、
前記化学構造は以下の化学構造である、方法。
【化5】
【請求項14】
請求項12において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項15】
請求項12において、前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項16】
請求項12において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項17】
請求項12において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項18】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化6】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項19】
請求項18において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項20】
請求項18において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項21】
請求項18において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項22】
請求項18において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項23】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化7】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項24】
請求項23において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項25】
請求項23において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項26】
請求項23において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項27】
請求項23において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項28】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化8】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項29】
請求項28において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項30】
請求項28において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項31】
請求項28において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項32】
請求項28において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項33】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化9】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項34】
請求項33において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項35】
請求項33において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項36】
請求項33において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項37】
請求項33において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項38】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化10】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項39】
請求項38において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項40】
請求項38において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項41】
請求項38において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項42】
請求項38において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項43】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化11】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項44】
請求項43において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項45】
請求項43において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項46】
請求項43において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項47】
請求項43において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項48】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化12】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項49】
請求項48において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項50】
請求項48において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項51】
請求項48において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項52】
請求項48において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項53】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化13】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項54】
請求項53において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項55】
請求項53において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項56】
請求項53において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項57】
請求項53において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項58】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化14】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項59】
請求項58において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項60】
請求項58において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項61】
請求項58において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項62】
請求項58において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項63】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化15】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項64】
請求項63において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項65】
請求項63において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項66】
請求項63において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項67】
請求項63において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項68】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化16】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項69】
請求項68において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項70】
請求項68において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項71】
請求項68において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項72】
請求項68において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項73】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化17】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項74】
請求項73において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項75】
請求項73において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項76】
請求項73において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項77】
請求項73において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項78】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化18】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項79】
請求項78において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項80】
請求項78において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項81】
請求項78において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項82】
請求項78において、
前記共開始剤は水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項83】
以下の工程を含み、前記工程は約35℃未満の温度で行われる、方法。
【化19】
【請求項84】
請求項83において、
前記工程は約25℃以未満の温度で行われる、方法。
【請求項1】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法。
【化1】
【請求項2】
請求項1において、
前記化学構造は以下の化学構造である、方法。
【化2】
【請求項3】
請求項1において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記共開始剤は水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項7】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化3】
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【請求項8】
請求項7において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項9】
請求項7において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項10】
請求項7において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項11】
請求項7において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項12】
有機相または未希釈モノマー反応相において、共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化4】
式中、Yはホウ素またはアルミニウムであり、
式中、Rはそれぞれ独立して、パーフルオロフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロビフェニル、3−パーフルオロビフェニル、4−パーフルオロビフェニル、およびp−R’’3Si−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルからなる群から選択され、
R’は、1,2−パーフルオロフェニレニル、1,2−パーフルオロナフタレニル、2,3−パーフルオロナフタレニル、1,8−パーフルオロナフタレニル、1,2−パーフルオロアントラセニル、2,3−パーフルオロアントラセニル、1,9−パーフルオロアントラセニル、1,2−パーフルオロフェナントレニル、2,3−パーフルオロフェナントレニル、1,10−パーフルオロフェナントレニル、9,10−パーフルオロフェナントレニル、2,2’−パーフルオロビフェニレニル、2,2’−パーフルオロ−1,1’−ビナフタレニル、3,3’−パーフルオロ−2,2’−ビナフタレニル、または1,1’−フェロセニルであり、
R’’は、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9またはC10アルキルである。
【請求項13】
請求項12において、
前記化学構造は以下の化学構造である、方法。
【化5】
【請求項14】
請求項12において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項15】
請求項12において、前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項16】
請求項12において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項17】
請求項12において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項18】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化6】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項19】
請求項18において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項20】
請求項18において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項21】
請求項18において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項22】
請求項18において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項23】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化7】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項24】
請求項23において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項25】
請求項23において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項26】
請求項23において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項27】
請求項23において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項28】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化8】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項29】
請求項28において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項30】
請求項28において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項31】
請求項28において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項32】
請求項28において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項33】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化9】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項34】
請求項33において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項35】
請求項33において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項36】
請求項33において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項37】
請求項33において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項38】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化10】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項39】
請求項38において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項40】
請求項38において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項41】
請求項38において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項42】
請求項38において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項43】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化11】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項44】
請求項43において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項45】
請求項43において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項46】
請求項43において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項47】
請求項43において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項48】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化12】
式中、X=CH2、NRまたはOであり、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項49】
請求項48において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項50】
請求項48において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項51】
請求項48において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項52】
請求項48において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項53】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化13】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項54】
請求項53において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項55】
請求項53において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項56】
請求項53において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項57】
請求項53において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項58】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化14】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項59】
請求項58において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項60】
請求項58において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項61】
請求項58において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項62】
請求項58において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項63】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化15】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項64】
請求項63において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項65】
請求項63において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項66】
請求項63において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項67】
請求項63において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項68】
水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法:
【化16】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項69】
請求項68において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項70】
請求項68において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項71】
請求項68において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項72】
請求項68において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項73】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化17】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項74】
請求項73において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項75】
請求項73において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項76】
請求項73において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項77】
請求項73において、
前記共開始剤は、水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項78】
オレフィンモノマーをカチオン重合するための方法であって、水の存在下における共開始剤として以下の化学構造を有する組成物を使用する工程を含む、方法:
【化18】
式中、ArF=C6F5またはArF2=C12F8である。
【請求項79】
請求項78において、
前記オレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセン、3−メチルペンテン、3,5,5−トリメチルヘキセン、イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、イソプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項80】
請求項78において、
前記オレフィンモノマーは、C2〜C30オレフィンまたはC2〜C30ジオレフィンである、方法。
【請求項81】
請求項78において、
前記オレフィンモノマーはイソブテンである、方法。
【請求項82】
請求項78において、
前記共開始剤は水性懸濁液または水性乳化重合プロセスで使用される、方法。
【請求項83】
以下の工程を含み、前記工程は約35℃未満の温度で行われる、方法。
【化19】
【請求項84】
請求項83において、
前記工程は約25℃以未満の温度で行われる、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2006−523767(P2006−523767A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510088(P2006−510088)
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/011682
【国際公開番号】WO2004/094486
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505395700)ザ ユニバーシティ オブ アクロン (20)
【氏名又は名称原語表記】The University of Akron
【住所又は居所原語表記】302 E. Buchtel Common, Akron, OH 44325 U.S.A.
【出願人】(505387196)
【出願人】(505387163)
【出願人】(505387185)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/011682
【国際公開番号】WO2004/094486
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505395700)ザ ユニバーシティ オブ アクロン (20)
【氏名又は名称原語表記】The University of Akron
【住所又は居所原語表記】302 E. Buchtel Common, Akron, OH 44325 U.S.A.
【出願人】(505387196)
【出願人】(505387163)
【出願人】(505387185)
【Fターム(参考)】
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