説明

ビタミンを含む組成物及び強化飼料及びパーソナルケア組成物を作る為にそれらを使用する方法

本発明は、15〜25のエチレンオキシ単位を有するアルコキシル化ヒマシ油及びビタミン、好ましくは脂溶性ビタミンを含む水性組成物、並びに、動物へ該ビタミンを投与する為に又は該ビタミンを含むパーソナルケア組成物を作る為の方法においてそのような組成物を使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のエトキシル化ヒマシ油とビタミン、好ましくは脂溶性ビタミン、とを含む水性組成物に関し、並びに動物へ該ビタミンを投与する方法におけるそのような組成物の使用方法及びパーソナルケア組成物を作る為の該ビタミン含有性組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
草食動物、例えばウシ、ヒツジ、ウマ及び同様物などに補充のビタミンを与えることが知られている。そのような補充物は、特に脂溶性ビタミンの場合に必要とされ、なぜならそのようなビタミンの動物の要求はしばしば、それらの日々の飼料配給量中に存在し且つ利用できる量によりしばしば超されるからである。種々の形の脂溶性ビタミンサプリメントが、長年にわたり用いられてきた。
【0003】
また、シャンプー、ヘアーコンディショナー、ヘアーカラーリング製品、ボディーソープ、日焼け止め剤、リップスティック、他の化粧製品、シェービング製品、ローション、軟膏、及び局所的な使用の為のクリームなどのパーソナルケア組成物にビタミンを添加することも知られている。例えば、種々の局所的クリームはビタミンEを含む。
【0004】
米国特許第4,075,333号明細書は、注入可能な組成物の使用に関係し、該組成物中において、非イオン性界面活性剤が、物理的及び化学的安定性を改善する為に、可溶化剤及びイソプロパノールと一緒に用いられる。ヒマシ油エトキシレートは、好ましい該界面活性剤である。実施例において、分子当たり35のエチレンオキシ単位を有するヒマシ油が用いられる。しかしながら、関連する手間及び動物に対するストレスの故に、サプリメントを注入することは望ましくない。また、溶媒及び可溶化性酸の使用は望ましくない。
【0005】
同様に、独国特許発明第1,126,289号明細書は、非イオン発生性(non-ionogenic)ポリ(エチレンオキシド)に基づく乳化剤及び溶媒を含む、水を含まないビタミン溶液を開示する。これらの溶液は、薬効のある物質の懸濁物と組み合わせられうる懸濁物を製造することにおいて用いられうる。実施例において、分子当たり40のエチレンオキシ単位を有するヒマシ油エトキシレートが用いられる。しかしながら、望ましくない溶媒が用いられており及び該溶液は安定であるが、安定なビタミンの濃厚な懸濁物の開示はない。また、該溶液又はそれにより作られた懸濁物を用いた強化飼料又は飲料水を作る為の開示も示唆もない。
【0006】
国際公開第00/25599号パンフレットは、強化飼料を作る為の方法に関する。該飼料は、ビタミンプレミックスによりスプレーされる。用いられた該プレミックスは、水溶性及び脂溶性ビタミンの両方を含む組成物であり、ここで分子当たり平均で36のEO単位を有するヒマシ油エトキシレートが、相溶化剤(compatibilizer)として用いられる。実際の化合物に依存して、該組成物は安定性の問題をこうむること及び開示されたとおりの生産方法は安定な水性分散物が或る単独のビタミンから作られることを許さないことが発見された。
【0007】
国際公開第2006/024620号パンフレットは、油中の顔料を可溶化する方法に関する。該組成物は0.1〜15%の水を含み、及び、そのような組成物はビタミンも含みうることが言われている。これらの組成物は、本発明に従う水性ビタミン組成物でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
飼料又はパーソナルケア組成物を作るときに、添加されるビタミンの量が、例えば用いられる未加工の材料中のビタミン水準に依存して、それぞれのビタミンについて制御されうる、柔軟性のある方法についての願望がある。従って、他のビタミン組成物と混合されることができ且つ任意の割合で用いられることができる、ビタミンについての、好ましくは夫々の単独のビタミンについての安定な組成物を有したいだろう。同様に、動物に、それの飲料水を通じて、1以上のビタミンを投与することが有益でありうる。その場合、いかなる量及びタイプのビタミンが該飲料水に添加されるべきであるかは、該飼料中のビタミン欠乏に依存する。この場合、該水へと任意の割合で添加される他のビタミン組成物と混合されることができる、ビタミンについて、好ましくは夫々の単独のビタミンについての安定な組成物を有したいだろう。慣用のビタミン組成物は、そのような柔軟性を提供しない。このように、飼料及び/又は飲料水の強化における使用の為の、代替物及び改善されたビタミン組成物についての継続するニーズがある。同様に、水性ビタミン組成物の使用は、パーソナルケア組成物の調製を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
広範な試験の後、10重量%(w/w)超の水及び1以上の任意の種類のビタミン、特には脂溶性ビタミン、を含む安定な水性組成物であって、該組成物が上記で同定された方法における使用にとって適当である上記組成物が、もし特定の相溶化剤が用いられるならば、経済的に製造されることができることが、驚くべきことに発見された。
【0010】
それ故に、本発明は、そのような特定の相溶化剤(ヒマシ油エトキシレートのモル当たり平均で15〜25モルのエチレンオキシ(EO)単位を有するヒマシ油アルコキシレートである)を含む水性ビタミン組成物に関する。好ましくは、ヒマシ油アルコキシレートのモル当たりのEO単位の平均の量は、16又はそれより多く、及び他の実施態様においては、それは好ましくは24又はそれより少ない。他の別の実施態様において、本発明は、強化された動物飼料及びビタミン含有性パーソナルケア製品、特にはヘアケア及びスキンケア製品、例えば髪の為のシャンプー、ゲル、ワックス、ムース、ローション及びコンディショナー、並びに、局所的な使用の為のクリーム、ミルク、ローション、軟膏、化粧水、ミスト、スプレー、ムース、こう薬(salve)、リニメント、ラッブ(rub)及びバームなどを作る為のこれらの組成物の使用方法に関する。該ビタミン含有性パーソナルケア製品は、水性の日焼け止め剤、湿潤性クリーム及びシェービングジェルを含むがこれらに限定されない。
【0011】
国際公開第95/28091号パンフレットが、ヒマシ油エトキシレートが、粉体の又は粒状の動物飼料と、該飼料の栄養価を改善する為に混合されうることを開示することが注目される。さらに、特開平10−101524号公報は、ビタミンと、非イオン性界面活性剤、例えば分子当たり少なくとも30のエトキシレン単位を有するヒマシ油エトキシレートなどとが、水溶性溶媒と一緒に、スキンクリームにおける使用の為の脂溶性ビタミンのエマルションを作る為に処方されうることを開示することが注目される。しかしながら、これらの参考文献のいずれもが、種々のビタミンの安定な水性組成物が目下請求されるヒマシ油エトキシレートにより製造されうることを開示も示唆もせず、また、そのような組成物が動物飼料を作る方法における使用にとって特に適当であることも開示も示唆もしない。
【0012】
さらに、国際公開第91/02520号パンフレットは、ヒマシ油エトキシレートが用いられる疎水性ビタミン組成物に関する。しかしながら、これらの油性組成物は、使用の前に、ハードゼラチンによりカプセル化される必要がある。該疎水性組成物は、本発明に従う安定な水性組成物でない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に従うヒマシ油アルコキシレートは、当業者に知られるとおりの、任意の慣用の方法において製造されうる。適当に、それらは、天然の源からのヒマシ油のアルコキシル化により得られる慣用の産物である。しかしながら、アルコキシル化された12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸の技術上のグリセリドも用いられうる。食料材料中でのそれらの許容性の故に、該アルコキシレートは好ましくは、エトキシレートである。しかしながら、もし望まれるならば、それらは、或る量の他のアルキレンオキシ単位、例えばプロピレンオキシ単位またはブチレンオキシ単位などを含みうる。好ましくは、平均して分子当たり存在する必要があるEO単位の15〜25モルが、EOブロックの形中にある。該ヒマシ油または該12−ヒドロキシ−9オクタデセン酸のグリセリドは、相溶化効果をさらに調節する為に、完全に又は部分的に水素化されうる。好ましくは、該ヒマシ油アルコキシレートは、天然の源からのエトキシル化ヒマシ油である。
【0014】
示されたとおり、これらのヒマシ油アルコキシレートの使用は、同じヒマシ油アルコキシレートに基づく任意のビタミンの水性の安定な組成物を調製することを可能とする。同じ相溶化剤が用いられるので、該水性ビタミン組成物は、もし望まれるならば、何らの問題も無く任意の割合で混合されることができ、強化方法において又はパーソナルケア製品の処方において、夫々のビタミンについての添加水準における大きな柔軟性を許す。好ましくは、本発明の水性組成物はカプセル化されない。
【0015】
本発明に従う水性ビタミン組成物は、任意の所望の方法で飼料又は水に添加されうる。
【0016】
もしそれらが飼料に添加されるならば、以下が考慮に入れられるべきである:
i)該ビタミン組成物がペレット化されるならば、それらを該飼料に添加する時は、ペレット化段階の前又は後でありうる。関連する熱及び熱に対するいくつかのビタミンの感受性の故に、該ペレット化段階の後に該飼料に該ビタミン組成物を添加することが有益でありうる。もし望まれるならば、少なくとも1のビタミン組成物が、該ペレット化の前に添加されることができ、一方で、少なくとも1の他のビタミン組成物が、該ペレット化の後にてんかされる。好ましくは、少なくとも1のビタミン組成物が、該飼料をペレット化することの後に添加される。
ii)本発明の他の実施態様において、ペレット化飼料は、該ビタミン組成物が添加される前に冷却される。好ましくは、ペレットは、50℃より低い温度へ、より好ましくは25〜35℃の温度へ、該ビタミン組成物が添加される前に、冷却される。
iii)さらなる実施態様において、慣用のスプレー設備を用いて、該ビタミン組成物は、該飼料又は該ペレット上にスプレーされ、該スプレー装置は好ましくは該飼料上への所望の量のビタミンをスプレーする為に制御される。
【0017】
もし水に添加されるならば、該1以上のビタミン組成物が、任意の慣用の手段、例えばインライン注入及び混合装置などを用いて、又は、飲料水供給手段とオフラインでありうる又はインラインでありうる混合タンクを用いて、水と適当に混合される。
【0018】
本発明に従う水性ビタミン組成物は、1以上の水性ビタミン組成物と、該ビタミンが添加されるべきパーソナルケア製品とを単に一緒にすることにより、又は、それ/それらとパーソナルケア製品を作る為の1以上の未加工の材料とを一緒にすることにより、ビタミン含有性パーソナルケア製品を作る為に用いられうる。もし1より多いのビタミンが最終製品中に存在するべきであるならば、次に、該ビタミンは、1以上の未加工の材料飼料及び/又はパーソナルケア製品それ自体に、一緒に又は別個に添加されうる。
【0019】
本発明に従い処方されるビタミンは、全てのビタミンのいずれであってもよい。また、ビタミンの組合せも、1の単独の組成物中に処方されうる。しかしながら、最大限の柔軟性の為に、該ビタミンを別個に処方することが望まれる。該ビタミンは、任意の形で用いられうる。適当な形はプロビタミン、エステル及び塩の形を含む。例えば、ビタミンBは、主にリボフラビンの形又はリボフラビンリン酸ナトリウムの形で用いられうる。安定性及び相溶性は典型的には、完全に水溶性のビタミンについての問題ではないので、本発明の1つの実施態様は、全てのビタミンが該水性相中に溶解されないところの水性ビタミン組成物中における該特定のヒマシ油アルコキシレートの使用方法に関する。該利益は脂溶性ビタミンにより最も顕著であるので、本発明に従う好ましい実施態様は、少なくとも1つの脂溶性ビタミンが存在するところの本発明に従う組成物に関する。脂溶性ビタミンの典型的な例は、(種々の形における全ての)ビタミンA、D、特にはD3、E及びKを含む。ビタミンF(必須脂肪酸)もまた、本発明に従う組成物中に非常によく処方されうる。
【0020】
本発明の1つの実施態様において、該ビタミン組成物は水性濃厚物である。濃厚な組成物を用いることは、1つの場所での製造及び他の場所での処方プロセスにおける該濃厚物の使用を許し、一方で取扱い要件を減少する。該処方プロセスにおいて用いられる前に、該濃厚物は、もし希釈されることが望ましければ、希釈されうる。該濃厚物は適当に、5重量%超、好ましくは7.5重量%超、さらにより好ましくは10重量%超、且つ好ましくは40重量%未満、より好ましくは30重量%未満のビタミンを含む。また、そのような濃厚物は適当に、5重量%超、好ましくは7.5重量%超、さらにより好ましくは10重量%超、且つ50重量%未満、より好ましくは30重量%未満のヒマシ油アルコキシレートを含む。該濃厚物の残りは水であり、任意的に追加の添加物を含む。典型的には、該濃厚組成物中の水の量は、該最終組成物中の10重量%超、好ましくは15重量%超、より好ましくは20重量%超であり、最大で90重量%であり、全て、最終組成物に基づく。好ましくは、該水は、ヒマシ油アルコキシレートの量の2〜5倍の量で存在する。該追加の添加物は、0〜20重量%の量で用いられ、該添加物は、無機物、酵素、例えばフィターゼ又は炭水化物−及び/又はタンパク質−スプライシング酵素など、香味剤、抗生物質、プロバイオティクス、保存料、及び任意的に他の一般の動物飼料添加物を、これらの添加物が該ビタミン、該ヒマシ油アルコキシレート、又は該濃厚物の安定性に不利な影響を有さないことを条件として、包含する。用いられるヒマシ油アルコキシレートの量に対して、できる限りそれを少なく使用することを経済が指図するであろうことを除き、上限は無いことが注目される。水によるさらなる希釈後に、水の量は、99.9998重量%へと増加することができ、ビタミン、ヒマシ油アルコキシレート、及び任意的な追加の添加物の量が0.0001重量%と同じく低くありうることが注目される。
【0021】
本発明に従うヒマシ油アルコキシレートは、特には脂溶性ビタミンのとっての、非常によい相溶化剤であると見られ、そしてそれ故に、それらは非常に低い量で該水性組成物中に用いられうる。1つの実施態様において、本発明に従う組成物は、脂溶性ビタミンを含む。該組成物中のビタミンのタイプ及び該意図される使用から独立して、本発明の他の実施態様において、該組成物は、ビタミンの重量部当たり0.5〜2重量部のヒマシ油アルコキシレートを含む。好ましくは、0.75重量部超、より好ましくは0.9重量部超、且つ好ましくは1.5重量部未満、より好ましくは1.4重量部未満の量のヒマシ油アルコキシレートが、ビタミンの重量部当たりで用いられる。
【0022】
本文書を通じて用いられるとおりの語「飼料」は、動物に食べさせる為に用いられる任意の栄養物を呼ぶ為に意図され、及び、例えば、油脂、穀類、例えばコムギ、オートムギ、オオムギ、トウモロコシ及び米の穀粉又は破砕された状態のこれらの穀類など、例えばセイヨウアブラナ、ダイズ及びヒマワリに基づく、植物タンパク質飼料、動物タンパク質飼料、例えば肉粉、血粉、及び魚粉など、糖蜜、並びに乳製品、例えば種々の乳粉及びホエーパウダーなどを包含する。
【0023】
語「脂溶性」は、20℃での、蒸留水中での1g/l未満且つダイズ油中での1g/l超の溶解度を有する化合物のために用いられる。
【0024】
本発明に従う動物飼料は通常、0〜80重量%、好ましくは10〜70重量%の穀類、0〜15重量%、好ましくは0〜10重量%、及び最も好ましくは1〜8重量%の飼料油脂、0〜70重量%、好ましくは10〜50重量%の、穀類以外のタンパク質含有性栄養物、及び、0〜12重量%、好ましくは1〜10重量%の無機物、酵素、例えばフィターゼ又は炭水化物−及び/又はタンパク質−スプライシング酵素、香味剤、抗生物質、プロバイオティクス、及び任意的に他の一般の動物飼料添加物を含む。
【0025】
飼料を作ることにおいて用いられうる追加の添加物は、アミノ酸、例えばリジン、メチオニン、スレオニン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸、及びトリプトファンなど、溶媒、例えばC1−3アルコール、及びC2−12グリコール、例えばプロピレングリコールなど、封鎖剤、例えばEDTAなど、着色剤、香味剤、及びpH調整剤、例えば酸、アルカリ液(lye)又は緩衝性溶液など、を含む。溶媒が使用されないこと、これは該飼料中の溶媒水準が好ましくは1重量%未満であることを意味する、が好ましいことが注目される;該動物に直接に投与されるビタミン組成物においては、それらは好ましくは4重量%未満であり、及び、例えば該飼料又は組成物を作る為の中間物として、用いられる濃厚ビタミン組成物においては、それらは好ましくは10重量%未満である。
【0026】
本発明に従うパーソナルケア組成物は好ましくは、0.001〜20、好ましくは0.002〜10、より好ましくは0.003〜5重量%のビタミンを含む。
【0027】
典型的に、該パーソナルケア組成物は、例えば追加の界面活性剤、酵素、リポソーム、漂白剤、又は漂白前駆物質、抗シワ化合物、染料固定剤、染料移動抑制剤、再汚染防止ポリマー(anti-redeposition polymer)、消泡剤、起泡剤、香料、シリコーン化合物、植物性油、植物抽出物、抗酸化剤、抗微生物剤、湿潤剤、栄養物、着色剤、フィラー、pH緩衝剤、及びそれらの混合物などであるがこれらに限定されない1以上の通常の成分を含むであろう。該着色剤は、染料又は顔料でありうる。水性パーソナルケア組成物にとって、染料が典型的に好まれる。なぜなら、それらは水溶性であり、及びすなわち、典型的に水溶性でない顔料と比較して、より容易に該組成物へと組み込まれるからである。
【0028】
実験
用いられた化学物質:
CO20EO=モル当たり20のEO単位を有するヒマシ油エトキシレート、アクゾ・ノーベルから、
CO28EO=モル当たり28のEO単位を有するヒマシ油エトキシレート、アクゾ・ノーベルから、
CO36EO=モル当たり36のEO単位を有するヒマシ油エトキシレート、アクゾ・ノーベルから、
水は、脱塩水である。
【実施例1】
【0029】
実施例1及び比較例A−B
ヒマシ油エトキシレートは、4gのビタミンと4gのヒマシ油エトキシレートとを混合し次に28gの水を添加することによる、種々のビタミンとの処方において評価された。全ての成分は、50℃に予め加熱された。透過率(エマルションを通って通過する光)が、Formulactionからの標準のTurbiscan(商標)LAb装置を用いて測定された。該試料の該評価において、最高の透過率が探される。なぜなら、それが、より透明な(及びより良い)組成物を示すからである。
【0030】
以下の結果が得られた。

【0031】
CO20EOだけが、これらの試験の全てにおいて、許容できる結果を与えることが分かった。また、安定な組成物を得る為に、完全に透明な溶液を有することは必要無いことも分かった。
【実施例2】
【0032】
実施例2
ビタミンE油(Impextraco)及び、ビタミンAとDとの50/50重量%混合物が、CO20EOと処方され、及び、十分な水が、粘度が500mPa.s(ブルックフィールドDV−II/スピンドル31/100rpm)より低くなるように、水性組成物を作る為に添加された。
【0033】
以下の表は、得られた組成物の組成を示す。全ての量はグラムにおけるものである。

【0034】
該組成物は、全て安定であり、且つ、「それ自体で」該動物に該ビタミンを投与する為に用いられることができた。それらは、飼料を強化する為に飼料上にスプレーする為に用いられることもでき、又は、パーソナルケア組成物中に用いられることもできた。もし望まれるならば、それらは、所望のビタミン水準を有する飲料水を作る為に、水により希釈されうる。もし望まれるならば、該組成物の2以上が、用いられる前に一緒にされうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも10重量%の水、1以上のビタミン、ヒマシ油アルコキシレートのモル当たり平均で15〜25モルのエチレンオキシ単位を有するヒマシ油アルコキシレート、及び任意的に追加の添加物を含む水性ビタミン組成物。
【請求項2】
該ヒマシ油アルコキシレートがヒマシ油エトキシレートである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1のビタミンが脂溶性である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ビタミンの重量部当たり、0.5〜1.5、好ましくは0.75〜1.3重量部のヒマシ油アルコキシレートを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
5〜50重量%のビタミンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1のビタミン組成物が飼料に添加されるところの、動物飼料を作る方法。
【請求項7】
該ビタミン組成物が、該飼料にスプレーされるところの、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該飼料が、該ビタミン溶液によりスプレーされる前に、ペレット化され及び好ましくは冷却されるところの、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載のビタミン組成物を、該ビタミンを動物に投与する為に、使用する方法。
【請求項10】
該ビタミン組成物が、該動物の飼料に添加されるところの、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該ビタミン組成物が、該動物の飲料水に添加されるところの、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
パーソナルケア組成物の調製において、請求項1に記載のビタミン組成物を使用する方法。

【公表番号】特表2009−540846(P2009−540846A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517148(P2009−517148)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056293
【国際公開番号】WO2008/000710
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】