説明

ビタミンD核受容体において活性のあるビタミンD誘導体、その製造および使用

本発明は、特に医薬業界におけるビタミンD誘導体およびその使用に関する。本発明は、ビタミンD核受容体(VDR)アゴニスト活性をはじめとする様々な興味深い生物学的性質を有する化合物、ならびに詳細には癌、乾癬、自己免疫疾患、骨異栄養症、および骨粗しょう症を処置するための、前記化合物の投与による治療法を開示する。更にそれは、前記化合物を含む医薬組成物およびそれを製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に医薬業界におけるビタミンD誘導体およびその使用に関する。本発明は、ビタミンD核受容体(VDR)アゴニスト活性をはじめとする様々な興味深い生物学的性質を有する化合物、ならびに詳細には癌、乾癬、自己免疫疾患、骨異栄養症、および骨粗しょう症を処置するための、前記化合物の投与による治療法を開示する。更にそれは、前記化合物を含む医薬組成物およびそれを製造する方法に関する。
【0002】
発明の背景
ビタミンD受容体(VDR)は、核受容体(NR)転写因子ファミリーに属するリガンド依存性転写調節物質であり(1)、細胞増殖および分化、ホメオスタシス、発生、ならびに複数の生理学的工程を制御する。VDRに結合するリガンドは、AF−2コアモチーフの配向にコンホメーション変化を誘導して、核受容体と基本的な転写機構(basal transcriptional machinery)との相互作用を仲介するコアクチベータとの相互作用を可能にする(2−4)。
【0003】
様々な生理学的工程における1α,25(OH)(VDRの天然リガンド)の多様な作用から、炎症(慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎)、皮膚障害(乾癬、光老化)、骨異栄養症、骨粗しょう症、癌(乳癌、前立腺癌、結腸癌、白血病)、および自己免疫疾患(多発性硬化症、I型糖尿病)の処置におけるビタミンD核受容体VDRリガンドの広範の臨床応用が示唆された(5−7)。しかし、1α,25(OH)によるカルシウム効果(calcemic effect)は、高カルシウム血症、骨吸収増加、および軟組織石灰化を引き起こすため、これらの臨床応用でのその天然リガンドの使用が限定され、このため副作用の少ない類似体が開発された。
【0004】
1α,25(OH)の幾つかの合成類似体が、スーパーアゴニストであることが示された。これらの類似体は、トランス活性化において1α,25(OH)よりも少なくとも10倍強力であり、1α,25(OH)よりも数桁高い抗増殖活性を示す。
【0005】
本発明は、1α,25(OH)の類似体である新種の化合物を提供する。詳細には、本発明は、VDRモジュレータ(例えばアゴニストまたはアンタゴニスト)を提供する。興味深いこととして、本発明は、インビトロテストにおけるVDRのスーパーアゴニストも提供する。これらの類似体は、インビボにおいても効果的である。更に本発明は、高カルシウム血症作用の低い1α,25(OH)の類似体も提供する。
【0006】
発明の概要
本発明は、脂肪族側鎖内にオキソラン環が存在する1α,25(OH)の新規な類似体に関する。
【0007】
本発明は、1α,25(OH)の新規な類似体を製造する方法にも関する。
【0008】
本発明は、薬学的に許容され得る担体中に、本発明の新規な1α,25(OH)類似体の少なくとも1種を、場合により別の活性剤と共に含む医薬組成物にも関する。
【0009】
本発明は、ビタミンD受容体リガンドに対して応答性の疾患状態(詳細には癌、炎症、皮膚障害、自己免疫疾患、骨異栄養症または骨粗しょう症など)の処置用の医薬を製造するための本発明の化合物の使用にも関する。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明の一つの態様は、以下の式(I):
【0011】
【化8】

【0012】
[式中、
は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分枝状(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルコキシ、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルケニル、またはC〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキニル、(C〜C14)アリール、および(C〜C14)アリールオキシ基から選択される基を表し、前記基は、少なくとも1個のハロゲン原子、ヒドロキシルまたは−NH基により場合により置換されており;
Rは、
【0013】
【化9】

【0014】
を表し;
ここで、Zは、
【0015】
【化10】

【0016】
(式中、
− RおよびRは、同一または異なっており、H、ハロゲン原子、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキル、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルケニル、またはC〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキニル基から選択される基を表し;RおよびRは、同一または異なっており、H、ハロゲン原子、C〜C直鎖状もしくは分枝状アルキル、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルケニル、またはC〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキニル基から選択される基を表し;
− mは、0〜5を含む整数を表し;
− nは、0〜5を含む整数を表す)を表す]を表す、1α,25(OH)の新規な類似体に関する。
【0017】
本発明は、前記化合物の光学異性体および幾何異性体、そのラセミ体、塩、水和物ならびに混合物も包含する。
【0018】
本発明の化合物は、複数のキラル中心を有し、このため光学活性形態で存在する場合がある。R−およびS−異性体ならびにそれらの混合物(ラセミ体混合物を含む)が、本発明により考慮される。
【0019】
追加の不斉炭素原子が、置換基(例えばアルキル基)内に存在してもよい。そのような異性体およびその混合物の全てが、本発明に包含されるものとする。特定の立体異性体が望ましい場合、不斉中心を含み既に分割された出発原料との立体特異的反応を用いることにより、または立体異性体混合物を得て、次に公知の方法により分割することによる、当該技術分野で周知の方法で製造することができる。
【0020】
アルキル基は、直鎖状または分枝状であってもよい。炭素原子を1〜10個有するアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、2−エチルヘキシル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、1−メチルヘキシル、3−メチルヘプチル、および他のその異性体形態である。好ましくはアルキル基は、炭素原子が1〜6個存在する。
【0021】
アルケニル基は、二重結合を1個以上含む直鎖状または分枝状炭化水素官能基、例えばアリル基である。それらは有利には、炭素原子を2〜6個、および好ましくは二重結合を1または2個含む。アルケニル基は、本明細書に定義されたアリール基により置換されていてもよく、その場合、それは、アリールアルケニル基と呼ばれる。
【0022】
アルキニル基は、三重結合を1個以上含む直鎖状または分枝状炭化水素官能基、例えば3−(ベンジルオキシ)プロパ−1−イニル、フェニルエチニル、プロパ−2−イニルおよびtert−ブチルプロパ−2−イニルカルバマート基である。それらは有利には、炭素原子を2〜6個、および好ましくは三重結合を1または2個含む。アルキニル基は、本明細書に定義されたアリール基により置換されていてもよく、その場合、それは、アリールアルキニル基と呼ばれる。
【0023】
本願の明細書において、用語:アルコキシは、炭素原子を1〜10個、好ましくは1〜6個含む直鎖状または分枝状飽和基を示す。アルコキシ基は、特に−O−アルキル基(式中、アルキル基は、先に定義されたとおりである)である。
【0024】
用語:アリールは、炭素原子を5〜14個、好ましくは炭素原子を6〜14個含み、場合によりN、O、SまたはPから選択されるヘテロ原子1個または数個により中断された芳香族基(より特別にはヘテロアリールと呼ばれる)を包含する。最も好ましいアリール基は、単環または二環式であり、炭素原子を6〜14個含む(例えばフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、アントラセニルまたはフルオレニル基)。
【0025】
用語:アリールオキシは、−O−アリール基(式中、アリール基は、先に定義されたとおりである)を示す。
【0026】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指すものと理解する。
【0027】
特定の実施形態において、Rは、H、ハロゲン原子、CH、(CHOHまたはO(CHOHから選択される基を表し、最も好ましくはRは、HまたはCHである。
【0028】
式(I)により示されるとおり、Rは、
【0029】
【化11】

【0030】
のいずれかを表すことができる。
【0031】
より好ましくは、Rは、
【0032】
【化12】

【0033】
を表す。
【0034】
特定の実施形態において、mは整数0、1、2、3、4または5を表す。より好ましくは、mは0または1である。
【0035】
特定の実施形態において、nは整数0、1、2、3、4または5を表す。より好ましくは、nは0である。
【0036】
特定の実施形態において、RおよびRは、同一または異なっており、H、ハロゲン原子およびC〜C分枝状もしくは直鎖状アルキルから選択される基を表す。より好ましくは、両者はHまたはハロゲン原子を表す。
【0037】
特定の実施形態において、RおよびRは、同一または異なっており、H、ハロゲン原子およびC〜C直鎖状もしくは分枝状アルキルから選択される基を表す。より好ましくは、RおよびRの少なくとも一方はHとは異なり、特に少なくとも一方はCHである(例えば、一方はHであり、他方はCHである)。より特別には、両者はCHを表す。
【0038】
上記の式(I)で表されるとおり、本発明の化合物は、以下の式:
【0039】
【化13】

【0040】
を表してもよい。
【0041】
本発明の好ましい実施形態は、式(IV):
【0042】
【化14】

【0043】
を有する化合物に関する。
【0044】
最も好ましい実施形態において、本発明は、上記の式(IV)で表され、一般式(IV)におけるRが、それぞれ
【0045】
【化15】

【0046】
に相当する、1α,25(OH)の2種の特定の類似体(化合物AおよびBと呼ばれる)に関する。
【0047】
化合物AおよびBは、2種のジアステレオ異性体である。化合物Aは、VDRスーパーアゴニスト活性を示し、化合物Bは、1α,25(OH)と同様に挙動する。
【0048】
本発明の式(I)で示される化合物が塩の形態である場合、それは好ましくは薬学的に許容され得る塩である。そのような塩としては、薬学的に許容され得る酸付加塩、薬学的に許容され得る塩基付加塩、薬学的に許容され得る金属塩、アンモニウム塩およびアルキル化アンモニウム塩が挙げられる。酸付加塩としては、無機酸および有機酸の塩が挙げられる。適切な無機酸の代表的な例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸などが挙げられる。適切な有機酸の代表的な例としては、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸などが挙げられる。薬学的に許容され得る無機または有機酸付加塩の更なる例としては、J. Pharm. Sci. 1977, 66, 2およびHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use edited by P. Heinrich Stahl and Camille G. Wermuth 2002に列挙された薬学的に許容され得る塩が挙げられる。金属塩の例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。アンモニウム塩およびアルキル化アンモニウム塩の例としては、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基の例としては、リシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミンオリン(diethanolamineoline)などが挙げられる。
【0049】
本発明の別の態様は、先に定義された化合物を製造する方法に関する。本発明の化合物は、市販の製品から、当業者に公知の化学反応の組合せを利用して製造してもよい。
【0050】
特定の実施形態において、本発明の化合物AおよびBは、以下の合成経路を実行することにより製造してもよい。
【0051】
【化16】



【0052】
本願に含まれる案内に従えば、当業者は、この方法を適用して式(I)で示される他の化合物を製造する方法を認識できる。
【0053】
本発明は、薬学的に許容され得る担体中に、先に定義された少なくとも1種の化合物を、場合により別の活性剤と共に含む医薬組成物にも関する。
【0054】
本発明の別の態様は、ビタミンD受容体リガンドに応答性の疾患状態を処置するために本発明の化合物を使用することである。
【0055】
本発明の更に別の態様は、ビタミンD受容体リガンドに応答性の疾患状態、詳細には癌、皮膚障害、炎症関連障害、自己免疫疾患、骨異栄養症、または骨粗しょう症の処置に使用される医薬を製造するための、先に定義された化合物の使用に関する。
【0056】
本発明は、より詳細には、癌(乳癌、前立腺癌、結腸癌、または白血病など)、炎症関連障害(慢性関節リウマチ、または乾癬性関節炎など)、皮膚障害(乾癬または光老化など)、自己免疫疾患(多発性硬化症またはI型糖尿病など)、骨異栄養症、または骨粗しょう症、詳細には低骨代謝回転型骨粗しょう症、ステロイド性骨粗しょう症、老人性骨粗しょう症、もしくは閉経後骨粗しょう症、骨軟化症、または腎性骨異栄養症の処置のための医薬組成物に関する。
【0057】
本発明は、更に、式(I)で示される化合物または本発明の医薬組成物の効果的な量を、そのような処置を必要とする対象(特にヒト)に投与することを含む、ビタミンD受容体リガンドに応答性の疾患状態、例えば詳細には癌(乳癌、前立腺癌、結腸癌、または白血病など)、炎症(慢性関節リウマチ、または乾癬性関節炎など)、皮膚障害(乾癬、または光老化など)、自己免疫疾患(多発性硬化症またはI型糖尿病など)、骨異栄養症、または骨粗しょう症(低骨代謝回転型骨粗しょう症、ステロイド性骨粗しょう症、老人性骨粗しょう症、もしくは閉経後骨粗しょう症、骨軟化症、または腎性骨異栄養症など)などの処置方法に関する。
【0058】
その処置は、局所的、皮下、経口、経直腸、舌下、鼻腔内または非経口であってもよい。該化合物は、注射もしくは静脈内輸注により、または適切な滅菌溶液により、または消化管を介した液体もしくは固体投与の形態で、またはクリーム、軟膏、パッチ、もしくは経皮使用に適した類似の担体の形態で投与することができる。該化合物は、約0.01μg/g組成物〜約500μg/g組成物の量で組成物中に存在してもよく、約0.1μg/日〜約50μg/日、より特別には約0.5μg/日〜約2μg/日の投与量で投与してもよい。
【0059】
該化合物は、薬学的適合性溶媒中の溶液として、または適切な薬学的溶媒もしくは担体中のエマルジョン、懸濁液もしくは分散液として、または当該技術分野で公知の方法で固体担体を含む丸剤、錠剤もしくはカプセル剤として、製剤化されてもよい。局所使用では、該化合物は、好ましくはクリームもしくは軟膏として、または局所使用に適した類似の医薬形態で製剤化される。局所投与は、液体もしくは半液体製剤(例えばリニメント)、ローション、塗布剤、水中油もしくは油中水エマルジョン(例えばクリーム、軟膏またはペースト);溶液または懸濁液(例えばドロップ);あるいはスプレーが挙げられる。経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれが所定の量の活性成分を含む分離した単位(例えばカプセル、サシェ、錠剤またはロゼンジ)の形態;粉末もしくは顆粒の形態;水性液もしくは非水性液の溶液もしくは懸濁液の形態;または水中油もしくは油中水エマルジョンの形態であってもよい。経直腸投与用の製剤は、活性成分および担体(例えばココアバター)を混和した坐剤の形態、または浣腸の形態であってもよい。非経口投与に適した製剤は、簡便には、好ましくは受容者の血液と等張である、活性成分の滅菌油性または水性製剤を含む。
【0060】
そのような各製剤は、他の薬学的適合性で非毒性の補助剤(例えば安定化剤、酸化防止剤、結合剤、着色剤、乳化剤または着香物質)を含むこともできる。本発明の製剤は、それゆえ治療成分を薬学的に許容され得る担体、および場合により他の治療成分と共に含む。担体は、製剤の他の成分と適合性であるという意味で「許容され得」なければならず、その受容者に有害であってはならない。
【0061】
該化合物は、有利には適切な滅菌溶液の注射もしくは静脈内輸注により、または消化管による経口投与で、または局所的にクリーム、軟膏、ローションもしくは適切な経皮膏薬の形態で適用される。
【0062】
「効果的な量」は、ヒトなどの哺乳類の疾患状態の有害な作用を予防、除去または軽減する、式(I)に対応する薬剤の量を意味する。投与量が、患者、病状、投与様式などに応じて、当業者により適合され得ることを理解する。
【0063】
この明細書全体では、「状態または障害の処置」などは、式(I)で示される化合物に照らして述べられたときは、
a)本発明の化合物をそのような処置を必要とする対象に投与することを含む、状態または障害を処置する方法;
b)状態もしくは障害の処置のための本発明の化合物の使用;
c)状態もしくは障害の処置用の医薬製剤を製造するための本発明の化合物の使用;および/または
d)状態もしくは障害の処置に適した本発明の化合物の用量を含む医薬製剤、
を意味する。
【0064】
本発明の明細書内では、用語:処置は、治療的、対症的および予防的処置を示す。本発明の化合物は、既存の疾患(疾患の進行の初期または後期段階を含む)を有するヒトに用いることができる。本発明の化合物は、疾患を有する患者を必ずしも治癒するのではないが、疾患の進行を遅延もしくは減速させるか、または更なる進行を予防し、それにより患者の状態を軽減する。本発明の化合物は、疾患を有していないが通常ならば疾患を発症するであろう患者、または疾患のリスクの高い患者に投与することもでき、患者はその疾患を発症しない。処置は、最終的に疾患を発症するであろう患者、あるいは年齢、家族歴、遺伝子もしくは染色体異常により、そして/または疾患の生物学的マーカ(例えば組織または体液における公知の遺伝子変異)が1つ以上存在することで疾患のリスクがある患者において、疾患の発症を遅延させることも含む。本発明の化合物は、疾患の開始を遅延させることにより、通常であれば患者が疾患に罹ったはずの期間に疾患に罹るのを防ぐか、または患者が最終的に疾患に罹る以前に本発明の化合物を投与している場合以外では、疾患の発症率またはその影響の一部を低下させる。処置は、疾患に罹り易いと思われる患者に、本発明の化合物を投与することも包含する。上記疾患の処置では、本発明の化合物を治療上効果的な量で投与する。
【0065】
上記化合物、それを含む組成物、または処置は、単独で、または他の活性成分、組成物もしくは処置と組み合わせて実行することができる。該化合物は、適切には、単独で、または異なる度合いの骨ミネラル動員およびカルシウム輸送刺激が有利であることが見出されている状況では、漸変的な量の他の活性成分(例えばビタミンD化合物、例えば1α−ヒドロキシビタミンD2もしくはD3、または1α,25−ジヒドロキシビタミンD3)と共に投与してもよい。その上それは、慢性または急性障害の処置に対応することができる。
【0066】
本発明の更なる態様および利点を、以下の実施例に開示するが、それは例示とみなし、本願の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0067】
実施例
1.化合物AおよびBの合成
酸素感受性または水分感受性の化合物を含む反応は全て、乾燥Ar雰囲気下で実施した。反応温度は、外部の浴温度を参照した。乾燥溶媒は全て、使用の直前にAr下で蒸留した。テトラヒドロフラン(THF)は、Na/ベンゾフェノンから蒸留し;ジクロロメタン(CHCl)は、Pから蒸留し;アセトニトリル(CHCN)、i−PrNH、EtNおよびi−PrNEtは、CaHから蒸留した。液状試薬または試薬の溶液を、シリンジまたはカニューレにより添加した。有機抽出物を無水NaSOで乾燥させてろ過し、アスピレータの圧力(20〜30mmHg)でロータリーエバポレータを用いて濃縮した。アルミニウムを裏打ちしたMerk60シリカゲルプレート(0.2mm厚)を用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)により、反応をモニタリングした。最初は紫外線(254nm)を用い、その後、EtOH中のホスホモリブデンン酸の溶液(5%)に浸し、次に加熱することにより、クロマトグラムを視覚化した。フラッシュカラムクロマトグラフィーを、Merk60(230〜400メッシュ)シリカゲルを用いて実施した。他に断りがなければ、NMRスペクトルは全て、CDCl中の溶液で測定した。δ=7.26ppm(H)またはδ=77ppm(13C)の残留溶媒シグナルを内部標準として用い、化学シフトは、テトラメチルシラン(δ=0.0ppm)から下流領域のδスケール(ppm)で報告し:カップリング定数は、Hzで報告した。分極移動による無歪み増強(Distortionless Enhancement by Polarization Transfer)(DEPT)を用いて、炭素の型を割当てた。
【0068】
[(2Z)−2−[(3S,5R)−5−ビス[トリエチルシリル]−2−メチレンシクロヘキシリデン]−エチル]ジフェニルホスフィン酸化物)(2)
【0069】
【化17】

【0070】
乾燥THF(20mL)中の4の溶液(2.23g、3.82mmol)をBuNF(3.2g、10mmol)で処理した。濃縮後、残留物をCHCl(3×20mL)で抽出した。有機層を乾燥し、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物を乾燥ピリジン(10mL)で溶解して、ClSiEt(1.5g、9.9mmol)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン、20mg)で処理した。15分後、反応をNaHCOの飽和溶液(20mL)を加えて急冷した。混合物をCHCl(2×30ml)で抽出した。有機層を乾燥し、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3×10cm、15% EtOAc−ヘキサン類)により精製して2(1.78g、80%、無色の油状物)を得た。
【0071】
【表1】

【0072】
(S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)ペンタ−4−エン−2−オール(7)
【0073】
【化18】

【0074】
TBSは、「tert−ブチルジメチルシリル」を表す。
リチウム(330mg、47.55mmol)を少ない量に分けて、アルゴン下、乾燥テトラヒドロフラン(THF、40mL)中の4,4’−ジ−tert−ブチル−ビフェニル溶液(DTBB、1.3g、4.88mmol)を加えた。40分間の超音波処理後、緑色が観察された。混合物を−78℃に冷却した。乾燥THF(15mL)中の3(B. Fernandez, J.A. Martinez-Perez, J.R. Granja, L. Castedo,およびA. Mourino J. Org. Chem. 1992, 57, 3173-3178)(0.7mg、2.25mmol)と6(M. SworinおよびK.-C. Lin, J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 1815)(2.9g、11.36mmol)の溶液をゆっくり加えた。緑色が赤色に変化する。反応をメタノール(1mL)を加えて急冷した。EtO(30mL)とHO(30mL)を引き続いて加えた。有機層をEtO(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×11cm、ヘキサン類)により精製して7(1.3g、95%、無色の油状物)を得た。
【0075】
【表2】

【0076】
(S)−4−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−2−メチレンペンタン−1,4−ジオール(8)
【0077】
【化19】

【0078】
乾燥THF(6mL)中の7の溶液(1.3g、2.6mmol)をBuNF(1.6g、5mmol)で処理した。1時間後、NaHCOの飽和溶液(30mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×30mL)で抽出した。有機層を乾燥し、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3×10cm、25% EtO−ヘキサン類)により精製して8(0.86g、86%、白色の固体、融点:95℃)、元素分析:C=68.12%、H=11.18%を得た。
【0079】
【表3】

【0080】
(S)−4−(クロロメチル)−2−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)ペンタ−4−エン−2−オール(9)
【0081】
【化20】

【0082】
8(82mg、0.2mmol)、PhP(85mg、3.32mmol)、CCl(54mg、0.35mmol、CaClを用いて乾燥した)、およびCHCN(2mL、CaHを用いて乾燥した)の混合物を30分間、アルゴン下で撹拌した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×5cm、5% EtOAc−ヘキサン類)に付して、9(70mg、77%)を得た。この不安定な化合物を直ちに次工程で使用した。
【0083】
【表4】

【0084】
(S)−テトラヒドロ−2−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−2−メチル−4−メチレンフラン(10)
【0085】
【化21】

【0086】
乾燥ジオキサン(5mL)中の9の溶液(0.5g、1.32mmol)を、KH(0.3g、7.5mmol)で処理した。混合物を加熱還流した。30分後、反応をメタノール(1mL)とHO(10mL)を加えて急冷した。混合物をEtO(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×7cm、ヘキサン類)により精製して、10(0.4g、86%、無色の油状物)を得た。1H−NMR―――13C−NMR.HRMS(FAB)
【0087】
【表5】

【0088】
(S)−ジヒドロ−5−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−5−メチルフラン−3(2H)−オン(11)
【0089】
【化22】

【0090】
THF/HO(40mL、1:1)中のアルケン10(140mg、0.38mmol)を過ヨウ素酸ナトリウム(415mg、1.8mmol)およびHO中の四酸化オスミウムの溶液(0.2mL、4%)で処理して、一晩、室温で放置した。反応混合物をNaClの飽和溶液(40mL)で処理した。混合物をEtO(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×8cm、5% EtOAc−ヘキサン類)により精製して、11(130mg、91%、白色の固体、融点:52℃)を得た。
【0091】
【表6】

【0092】
(Z)−エチル 2−((S)−ジヒドロ−5−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−5−メチルフラン−3(2H)−イリデン)アセタート(12Z)
および
(E)−エチル 2−((S)−ジヒドロ−5−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−5−メチルフラン−3(2H)−イリデン)アセタート(12E)
【0093】
【化23】

【0094】
乾燥トリエチルホスホノアセタート(2.04mL、10.2mmol)を乾燥THF(10mL)中のカリウムtert−ブトキシドの撹拌した溶液(1.4g、10.2mmol)に滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を−8℃に冷却して、次に乾燥THF(5mL)中の溶液11(0.6g、1.57mmol)を加えた。−8℃で1時間後、塩化アンモニウム(10mL)とHO(25mL)の飽和溶液を加えた。混合物をEtO(4×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×9cm、5% EtO−ヘキサン類)により精製して、12(680mg、94%、白色の固体、融点:101℃)を得た。
【0095】
小さな極性を有する化合物:
【0096】
【表7】

【0097】
主な極性を有する化合物:
【0098】
【表8】

【0099】
1−((3S,5S)−テトラヒドロ−5−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−5−メチルフラン−3−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(13)
【0100】
1−((3R,5S)−テトラヒドロ−5−((3S,3aS,7S,7aR)−オクタヒドロ−7−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−5−メチルフラン−3−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(14)
【0101】
【化24】

【0102】
EtOAc(20mL)中の12(680mg、1.56mmol)と5% Pd/C(15mg、0.15mmol)の懸濁液を、H大気中(1atm)12時間撹拌した。混合物を濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×6.5cm、ヘキサン類)により精製して、12a(660mg、96%、無色の油状物)を得た。
【0103】
THF中のMeLi溶液(10mL、10mmol、1M)を、乾燥THF(5mL)中の12aの溶液(660mg、1.5mmol)に加えた。混合物を30分間撹拌して、次に0℃まで1時間以上温めた。MeOH(0.5mL)と飽和NHCl(4mL)をゆっくり加えた。水層をエーテル(4×30mL)で抽出して、合わせた有機層を乾燥して(NaSO)、減圧の状態で濃縮した。残留物をHPLC(columna Phenomenex 250×10mm、5Ф−ヘキサン−EtO)により精製して、13(330mg、2工程において49%)と14(280mg、2工程において42%)を得た。
【0104】
【表9】

【0105】
小さな極性を有する化合物:
【0106】
【表10】

【0107】
主な極性を有する化合物:
【0108】
【表11】

【0109】
(1S,3aR,7aR)−オクタヒドロ−1−((2S,4S)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチルインデン−4−オン(1S)
【0110】
【化25】

【0111】
(1S,3aR,4S,7aS)−オクタヒドロ−1−((2S,4S)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチル−1H−インデン−4−オール(13a)
【0112】
乾燥THF(4mL)中の溶液13(330mg、0.78mmol)を、BuNF(1.02g、3.25mmol)で処理した。混合物を90分間加熱還流した。HO(20mL)とEtOAc(20mL)を加えた。水層をEtOAc(4×20mL)で抽出して、合わせた有機層を乾燥して(NaSO)、減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2×5.5cm、30% EtOAc−ヘキサン類)により精製して、13a(224mg、93%、白色の固体、融点:98℃)を得た。
【0113】
【表12】

【0114】
(1S,3aR,7aR)−オクタヒドロ−1−((2S,4S)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチルインデン−4−オン(1S)
【0115】
乾燥CHCl(10mL)中の溶液13a(123mg、0.4mmol)を、PDC(二クロム酸ピリジニウム、0.6g、1.6mmol)で処理した。混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3×5.5cm、20% EtOAc−ヘキサン類)により精製して、1S(120mg、98%、白色の固体、融点:87℃)を得た。元素分析 C=73.80%、H=10.51%。
【0116】
【表13】

【0117】
(1S,3aR,7aR)−オクタヒドロ−1−((2S,4R)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチルインデン−4−オン(1R)
【0118】
【化26】

【0119】
(1S,3aR,4S,7aS)−オクタヒドロ−1−((2S,4R)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチル−1H−インデン−4−オール 14a
【0120】
乾燥THF(4mL)中の溶液14(280mg、0.78mmol)を、BuNF(1.05g、3.3mmol)で処理した。混合物を加熱還流した。115時間後、HO(20mL)とEtOAc(20mL)を加えた。水層をEtOAc(4×20mL)で抽出して、合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2×5.5cm、30% EtOAc−ヘキサン類)により精製して、対応するジオール14a(180mg、88%、白色の固体、融点:67℃)を得た。
【0121】
(1S,3aR,7aR)−オクタヒドロ−1−((2S,4R)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチルインデン−4−オン(1R)
【0122】
乾燥CHCI(10mL)中の溶液14a(100mg、0.32mmol)を、PDC(二クロム酸ピリジニウム、0.5g、1.3mmol)で処理した。混合物を室温で20時間撹拌し、混合物を濾過して減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3×5.5cm、20% EtOAc−ヘキサン類)により精製して、1R(90mg、91%、白色の固体、融点:82℃)を得た。
【0123】
【表14】

【0124】
1−((3R,5S)−テトラヒドロ−5−((3S,3aS,7E,7aS)−オクタヒドロ−7−((Z)−2−((3S,5R)−3,5−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−5−メチルフラン−3−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(16)
【0125】
【化27】

【0126】
ヘキサン中のn−BuLi溶液(0.74mL、1.68mmol、2.25M)を、−78℃で乾燥THF中の、ホスフィン酸化物2の溶液(1.045g、1.8mmol、4.6当量)に加えた。濃赤色溶液を1時間撹拌した。乾燥THF中の、ケトン1S溶液(120mg、0.39mmol、1当量)を滴下した。反応混合物を暗所中で、5時間−78℃そして−55℃1時間で撹拌した。反応をHO(8mL)とEtOAc(15mL)を加えて急冷した。混合物の濃縮物はEtO(100mL)に溶解した残留物を得た。合わせた層を飽和NaHCO(3×25mL)、飽和NaCl(50mL)とHO(50mL)を用いて洗浄し、乾燥し、濾過して、減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3×15cm、40% EtO−ヘキサン類)により精製して、保護された類似物16[150mg、91%、(Rf=0.7、50% EtOAc/ヘキサン類)、無色の油状物]を得た。
【0127】
【表15】

【0128】
1−((3S,5S)−テトラヒドロ−5−((3S,3aS,7E,7aS)−オクタヒドロ−7−((Z)−2−((3S,5R)−3,5−ビス(トリエチルシリルオキシ)−2−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−3a−メチル−1H−インデン−3−イル)−5−メチルフラン−3−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(17)
【0129】
【化28】

【0130】
ヘキサン中のn−BuLi溶液(0.55mL、1.23mmol、2.25M)を、−78℃で乾燥THF中の、ホスフィン酸化物15の溶液(785mg、1.3mmol、4.6当量)に加えた。濃赤色溶液を1時間撹拌した。乾燥THF中の、ケトン1R溶液(88mg、0.28mmol、1当量)を滴下した。反応混合物を暗所中で、5時間−78℃および−55℃1時間撹拌した。反応をHO(8mL)とEtOAc(15mL)を加えて急冷した。混合物の濃縮物はEtO(100mL)に溶解した残留物を得た。合わせた層を飽和NaHCO(3×25mL)、飽和NaCl(50mL)とHO(50mL)を用いて洗浄し、乾燥し、濾過して、減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3×15cm、40% EtO−ヘキサン類)により精製して、保護された類似物17[120mg、81%、(Rf=0.7、50% EtOAc/ヘキサン類)、無色の油状物]および回収された1R(20mg)を得た。
【0131】
【表16】

【0132】
(1R,3S,5Z)−5−((E)−2−((1S,3aS,7aS)−ヘキサヒドロ−1−((2S,4S)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチル−1H−インデン−4(7aH)−イリデン)エチリデン)−4−メチレンシクロへキサン−1,3−ジオール(A)
【0133】
【化29】

【0134】
HF−Py(0.4mL)をCHCN(2.5mL)とEtN(1.5mL)中の、化合物16の溶液(134mg、0.2mmol)に加えた。10分後、反応を飽和NaHCO(5mL)を加えて急冷した。混合物をEtO(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(25mL)とHO(25mL)を用いて洗浄し、乾燥し、濾過して、減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1.5×9.5cm、50% EtOAc−ヘキサン類)により精製して、化合物A(80mg、88%、白色の固体、融点:128℃)を得た。
【0135】
【表17】

【0136】
(1R,3S,5Z)−5−((E)−2−((1S,3aS,7aS)−ヘキサヒドロ−1−((2S,4R)−テトラヒドロ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフラン−2−イル)−7a−メチル−1H−インデン−4(7aH)−イリデン)エチリデン)−4−メチレンシクロへキサン−1,3−ジオール(B)
【0137】
【化30】

【0138】
HF−Py(0.4mL)をCHCN(2.5mL)とEtN(1.5mL)中の化合物17の溶液(117mg、0.17mmol)に加えた。10分後、反応を飽和NaHCO(5mL)を加えて急冷した。混合物をEtO(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(25mL)とHO(25mL)を用いて洗浄し、乾燥し、濾過して、減圧の状態で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1.5×11cm、50% EtOAc−ヘキサン類)により精製して、化合物B(60mg、85%、白色の固体、融点:96℃)を得た。1H−NMR―――13C−NMR.HRMS(FAB)
【0139】
【表18】

【0140】
II インビトロアッセイ
材料と方法
精製および結晶化
ループ結合らせんH1およびH3中の50残基を欠失した変異体を用いて、化合物AおよびBとの錯体の中のhVDRリガンド結合ドメイン(LBD)の結晶を得、それを用いて1α,25(OH)および複数の合成リガンドに結合したVDR LBDの構造を解明した(10−12)。この変異体は、VDR LBD野生型と同じ生物学的性質(結合、複数の細胞系でのトランス活性化、ヘテロ二量体形成)を有する(11)。記載された手順を用いて、新しいリガンドとのヒトVDR LBD錯体の精製および結晶化を実施した(11)。ヒトVDRのLBD(残基118−427 Δ165−215)を、pET28b発現ベクターにクローニングして、N末端ヘキサヒスチジン・タグ融合蛋白質を得、E.coli BL21(DE3)で過剰に産生させた。細胞をLB培地で増殖させ、次に1mM イソプロピルチオ−β−D−ガラクトシドで20℃で6時間誘導した。蛋白質精製には、コバルトキレート樹脂での金属アフィニティークロマトグラフィーステップが含まれた。トロンビン消化によりタグを除去した後、蛋白質をゲルろ過により更に精製した。最終的な蛋白質緩衝液は、10mM Tris、pH7.5、100mM NaCl、および5mM ジチオトレイトールであった。蛋白質を10mg/mLに濃縮し、5倍過剰のリガンドの存在下でインキュベートした。蛋白質の純度および均質性を、SDS−PAGEおよびNative−PAGEで評価した。錯体の結晶を、ハンギングドロップ法による4℃での水蒸気拡散により得た。VDR LBD−1α,25(OH)錯体の結晶を、ミクロシーディングに用いた。希釈系列からのシードを、新たに調製したドロップに誘導した。貯蔵溶液には、100mM Mes−KOHおよび1.4M 硫酸アンモニウム、pH6.0が含まれた。
【0141】
X線データの回収および構造決定
結晶を貯蔵溶液+30%グリセリンおよび5%PEG400を含む溶液と共に凍結保護し、ファイバーループ中に入れて、液体N温度の液体エタンで瞬間冷却した。一つの凍結結晶からのデータ回収を、ESRF(Grenoble, フランス)のビームラインBM30で約−173℃(100K)で実施した。結晶は同形であり、表1に明記した単位セルパラメータの斜方晶系の空間群:P2に属した。データを統合し、HKL2000プログラムパッケージを用いて基準化した(13)。
【0142】
【表19】

【0143】
化合物Aおよび化合物BとのVDR LBD錯体の結晶構造を、公知のヒトVDR LBD−1α,25(OH)構造を出発モデルとして用いた分子置換により解明し、それぞれ分解能:2.0および1.8Åで精密化した。VDR LBDの精密化した原子モデルからの省略地図を用いて、リガンドをそれらの電子密度に適合させた。異方的スケーリングおよびバルク溶媒の修正(bulk solvent correction)、ならびに拘束的な等方性原子B因子精密化を用いた。リガンドに関する平均温度因子(化合物AおよびBで、それぞれ14.3Åおよび14.1Å)は、蛋白質のそれ(化合物AおよびBで、それぞれ23.2Åおよび18.3Å)よりも低かった。
【0144】
次に、最尤法精密化およびモデル適合の別のサイクルを実施して、錯体の最終モデルを作成した。データの全を、精密化に含めた(δ−カットオフなし)。PROCHECKによれば、精密化モデルは全て、リガンドに関して明白なキラリティーを示し、Ramachandranプロットの異常値は示されなかった。VDR−AおよびVDR−B錯体の最終モデルは、255個の残基を含み、最初の2個のN末端残基および最後の4個のC−末端残基では明確な電子密度はなく、ループ結合H9〜H10中の残基375−377の電子密度は低かった。結晶学的データを、表1に要約した。プログラムMOLREP(14)、CNS−SOLVE(15)、およびO(16)を、分子置換、構造精密化、およびモデル構築に用いた。構造比較では、Oのlsqコマンドおよびデフォルトパラメータを用いて、モデルのCαトレースを重ね合わせた。図は、Pymolにより作成した(17)。
【0145】
トランスフェクションおよびトランス活性化アッセイ
ヒトVDR LBDを、Gal融合蛋白質としてのpG4M誘導プラスミドにサブクローニングした。VDR活性化の分析のための一過性トランスフェクション実験を、記載された標準的リン酸カルシウム共沈法を用いて、48穴プレートで実施した(11)。293EBNA細胞を播種し(6.0×10細胞/ウェル)、Dulbecco培地(DMEM+1g/L グルコース)、10%FCS、ゲンタマイシンおよび1mg/ml G418(ジェネティシン)を含む培地中、37℃で24時間インキュベートした。293EBNA細胞を、Gal4−VDR LBDプラスミド12.5ng、UAS−TATAルシフェラーゼレポータプラスミド10ng、およびPCH110内部対照組換え体発現β−ガラクトシドプラスミド37.5ngで一過性にトランスフェクトした。細胞を37℃で8時間インキュベートした後、培地を交換して、最適化した希釈系列に化合物を添加した。37℃で20時間経った後に、細胞をPBSで洗浄し、Passiv溶解緩衝液(Promega)に回収した。細胞溶解液をルシフェラーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ活性についてアッセイした。各試料のルシフェラーゼ活性を、β−ガラクトシダーゼ活性に標準化した。細胞を1α,25(OH)、化合物A、および化合物Bで処理した。実験は全て、二重測定で実施した。
【0146】
結果と考察
新規な側鎖類似体
複数のリガンド(10−12)と錯体形成したVDRの結晶構造において、リガンドは、A−、Seco B−、C−およびD−環の周りの受容体にしっかりと結合している。逆に、脂肪族側鎖は結合が緩く、このため1α,25(OH)では側鎖の別のコンホメーションが可能である。
【0147】
オキソラン部分のC23で逆の立体化学を備えた2種のエピマー(化合物Aおよび化合物B)を、上記のとおり合成した(図1)。予備的なドッキング実験では、化合物Aおよび1α,25(OH)が、類似のコンホメーションを採用する可能性があり、更なるO21およびC28原子が、リガンド結合ポケット(LBP)と新たなVan der Waals接触を作ることが示された。その一方で、化合物Bは、異なるコンホメーションを採用しなければならず、蛋白質構造の変換を誘導することが可能である。実験データは、両方のポイントについて取り扱う必要があった。
【0148】
それらの生物学的活性のテストから、予測された差異が明確になった。細胞トランスフェクション実験でのトランス活性化の結果を、図2に示す。
【0149】
10−10Mの化合物Aは、1α,25(OH)よりも12倍効率的なヒトVDRの転写活性を誘導した。その一方で、1α,25(OH)および化合物Bは、ヒトVDRの転写活性を同様の効率で誘導した。
【0150】
リガンド−蛋白質相互作用
2種の錯体は、アゴニストリガンドに結合する、VDRのこれまで報告された構造全ての標準コンホメーションを採用した。変動は、蛋白質の表面にある幾つかの側鎖のみに関連した。VDR−1α,25(OH)錯体と比較すると、原子モデルはVDR−AおよびVDR−B錯体でCα原子についてのrmsdが、それぞれ0.23Åおよび0.24Åであった。
【0151】
化合物AおよびBは、VDR−1α,25(OH)錯体でも観察された、細長いコンホメーションを採用していた。3種の錯体の全てで、1−OHと25−OHの間の距離が、12.8Å〜13.1Åで変動した。蛋白質とA−、Seco B−、C−、およびD−環との相互作用は、同一であった。ヒドロキシル基は、同様の水素結合(Ser-237およびArg-274と1−OH、Tyr-143およびSer-278と3−OH、ならびにHis-305およびHis-397と25−OH)を作っていた。
【0152】
結晶構造において、化合物Aの側鎖は、1α,25(OH)のそれと類似のコンホメーションを採用しており、こうしてこれまで観察された接触の全てを形成することで、より固いリガンド−蛋白質接触に寄与する。1α,25(OH)と比較すると、新規な特徴は、O21とVal-300との更なるvan der Waals接触であり、それはVDR−B錯体でも存在するが、より弱い。立体異性体Bは、C23では逆の配置であるため異なる側鎖コンホメーションを採用する。C23およびC24は、各接触に影響を与える化合物A錯体中のそれぞれの位置から0.6Åおよび1.2Å離れている。その結果、C25、C26、C27および25−OHの位置も異なっており、そのため化合物Bと活性化ヘリックス−12との直接の相互作用は弱くなる(C27とVal-418の間は4.6Å)。
【0153】
構造−活性関連性
2種の結晶構造により、一方のジアステレオマー(化合物A)がより高いトランス活性能であることの説明が得られた。化合物Aの場合、オキソラン環が、天然リガンドの結合形態に似たコンホメーションを安定化させている。それは、エネルギー的に好適なハーフボート型コンホメーションを採用しているため、1α,25(OH)(121°)と類似のC23−C24−C25の観察された結合角(118°)で示されるとおり、更なる張力を用いずに側鎖を適合させることができる。O21とVal-300との更なるvan der Waals接触により、更なる安定性も得られる。
【0154】
化合物Bに関しては、オキソラン環のエネルギー上好適でない平面コンホメーション(O21−C20−C22−C23およびC20−C22−C23−C28のねじれ角が、それぞれ−9°および−3°である)、より大きなC23−C24−C25結合角(124°)、およびより弱いC27とVal−418との相互作用により、LBPとの更なるvan der Waals接触が補足される。
【0155】
新しい環は、2つの機能を満たし、つまり(i)より大きなLBP部分をリガンドが占めているため、接触が更に安定化し、(ii)結合リガンドの活性形態は、リングパッカー(ring pucker)に好ましい。この最後の特徴は、リガンドのコンホメーション集団をより少数の標本に拘束して、結合方法をより効率的にする識別因子に相当する(6)。エネルギー的に好適な結合コンホメーションを安定化することは、一つの集団内で最適なコンフォーマを選択することに等しく、導入した適合方法にとって明らかなエントロピー的利点を有する(18)。これは、リガンドの特異性および結合速度に影響を与えるはずである。
【0156】
この分析から、リガンドの能力および特異性をさらに改善する可能性が示唆された。錯体の安定性を向上させる容易な方法は、リガンド結合ポケットをより多く充填し、それにより蛋白質とリガンドとの接触数を増加させることである。1α,25(OH)との錯体中のVDRの結晶構造がこの位置で空洞であることを示すため、例えばC2位置でのメチル化は、要件に適うであろう。事実、C2α化合物上でメチル基が合成され、より高い結合親和力を示す(19)。化合物AおよびBのC2α位置でのメチル化は、リガンドのスーパーアゴニスト性を高めるはずである。
【0157】
III.インビボ実験
雄C57BL/6Jマウス(6〜7週齢)を、Charles River Laboratories France (l'Arbresle, France)から得た。マウスは全て、温度制御された(23℃)施設で、12時間の明暗周期で飼育され、飼料および水に自由に接触することができた。マウスは、蛋白質16.8%、炭水化物73.5%および脂質4.8%を含むUAR(Villemoison sur Orge, フランス)のEQ12310飼料を摂取した。異なるVDRアゴニストをゴマ油に溶解し、示した用量で経口胃管栄養法で投与した。採血の前に、マウスを4時間絶食し、次にカルシウム測定を記載されたとおり実施した(1)。
【0158】
初期の実験では、雄C57BL/6Jマウス12匹に、1α,25(OH) 2μg/kg、化合物A 2μg/kg、および化合物B 2μg/kgのいずれかで7日間胃管栄養法を施した。この用量では、導入された化合物の全てが、血清カルシウムレベルを上昇させたが、1α,25(OH)および化合物Aではより顕著であった(図3.1)。その後、詳細な用量反応(0.2、0.5、1および2μg/kg)を、1α,25(OH)および化合物Aの両方で実施した(図3.2)。この試験では、化合物で4日連続して胃管栄養法を施した。興味深いこととして、そしてトランスフェクション試験と一致して、化合物Aは、血清カルシウムレベルへの影響がより弱く、用量2μg/kgでしか有意にならず、1α,25(OH)のそれは、用量1μg/kgで既に高カルシウム血症を引き起こした。
【0159】
これらの新規な化合物は、インビボで有意に低いカルシウム活性を有する、有望なVDRアゴニストである。
【0160】
【表20】



【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】公知のリガンド:1α,25(OH)および新規なリガンド(化合物AおよびB)の化学構造。
【図2】1α,25(OH)、化合物Aおよび化合物BによるVDRの転写活性化。EBNA細胞にUAS−TATAルシフェラーゼレポータプラスミドおよびGAL4 DBD−VDR LBDの発現プラスミドを一過性にトランスフェクトし、その後、10−10および10−9Mの1α,25(OH)、化合物A(A)および化合物B(B)で処置した。各試料のルシフェラーゼ活性をβガラクトシダーゼ活性に標準化させた。データは、アゴニスト誘発ルシフェラーゼ活性を担体のルシフェラーゼ活性で割った誘発比として示す。
【図3】血清中のカルシウムレベルに対する1α,25(OH)および新規なリガンド(化合物AおよびB)の影響。(図3−1)マウスに、担体(ゴマ油)、1α,25(OH) 2μg/kg、化合物A 2μg/kg、または化合物B 2μg/kgのいずれかを7日間摂取させた。(図3−2)マウスに、担体(Veh)1α,25(OH)(D)または化合物Aのいずれかを4日間摂取させた。データは、平均±SEMとして表した。有意差は、:p<0.05、***:p<0.01と標識した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】


[式中、
は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分枝状(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルコキシ、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルケニル、またはC〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキニル、(C〜C14)アリール、および(C〜C14)アリールオキシ基から選択される基を表し、前記基は、少なくとも1個のハロゲン原子、ヒドロキシルまたは−NH基により場合により置換されており;
Rは、
【化2】


を表し;
ここで、Zは、
【化3】


(式中、
− RおよびRは、同一または異なっており、H、ハロゲン原子、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキル、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルケニル、またはC〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキニル基から選択される基を表し;
− RおよびRは、同一または異なっており、H、ハロゲン原子、C〜C直鎖状もしくは分枝状アルキル、C〜C10分枝状もしくは直鎖状アルケニル、
またはC〜C10分枝状もしくは直鎖状アルキニル基から選択される基を表し;
− mは、0〜5を含む整数を表し;
− nは、0〜5を含む整数を表す)を表す]を表す化合物。
【請求項2】
が、H、ハロゲン原子、CH、(CHOHまたはO(CHOHから選択される基を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Rが、
【化4】


を表す、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
mが0または1である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
nが0である、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
およびRが、同一または異なっており、H、ハロゲン原子、およびC〜C分枝状もしくは直鎖状アルキルから選択される基を表す、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、同一または異なっており、H、ハロゲン原子、およびC〜C直鎖状もしくは分枝状アルキルから選択される基を表す、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が、以下の式(IV):
【化5】


(式中、RおよびRは、請求項1〜7のいずれかに定義されたとおりである)による特定の立体異性体である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
Rが、
【化6】


を表す、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
Rが、
【化7】


を表す、請求項8記載の化合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物の少なくとも1種および薬学的に許容され得る担体を、場合により別の活性剤と共に含む医薬組成物。
【請求項12】
癌、皮膚障害、炎症関連障害、自己免疫疾患、骨異栄養症、または骨粗しょう症の処置のための、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
乳癌、前立腺癌、結腸癌、白血病、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、光老化、多発性硬化症、I型糖尿病、低骨代謝回転型骨粗しょう症、ステロイド性骨粗しょう症、老人性骨粗しょう症、閉経後骨粗しょう症、骨軟化症、または腎性骨異栄養症の処置のための、請求項11記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−510021(P2009−510021A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532772(P2008−532772)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066771
【国際公開番号】WO2007/039526
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(595040744)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シャンティフィク (88)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【出願人】(501129398)ユニベルシテ・ルイ・パスツール (4)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE LOUIS PASTEUR
【出願人】(508095577)ウニベルシダーデ・デ・サンティアゴ・デ・コンポステラ (1)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSIDAD DE SANTIAGO DE COMPOSTELA
【出願人】(500366598)インセルム(アンスティチュ・ナショナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル) (17)
【氏名又は名称原語表記】INSERM(INSTITUT NATIONAL DE LA SANTE ET DE LA RECHERCHE MEDICALE)
【Fターム(参考)】