説明

ビデオ撮影方法

【課題】 ユーザが操作を誤らずに容易に被写体を撮影できるビデオ撮影方法を提供する。
【解決手段】ユーザがビデオカメラのファインダを覗きながら、ビデオカメ
ラ1の撮影機能に対応して設けられた複数の操作部3、5、6、7を操作して
ビデオカメラ1の撮像レンズ9から入射する被写体画像を撮影する際に、前記
ファインダ4内の表示部に前記複数の操作部に対応するユーザの指と複数の操
作部3、5、6、7に関連づけられた撮影機能の名称を表示させて撮影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ装置が備えている機能を誤ることなく操作ができるビデオ撮影方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のビデオ装置の機能は複雑化しており、ビデオ撮影時に必要な操作ボタンがわからず誤った操作を行ってしまうことが多い。
この対策として特許文献1には、容易に操作を行ってビデオ撮影ができるビデオ装置が記載されている。
即ち、特許文献1には、ビデオカメラのファインダ内の表示部にズームレンズ位置表示やフォーカス距離表示をさせた状態で、前記ビデオカメラのレンズを介して入射する被写体画像をファインダ側から覗いた状態でズームボタンやフォーカスボタンを操作して広角・望遠のズーム操作及びフォーカスを行って撮影することが記載されている。
【特許文献1】特開平4−221944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このビデオカメラが家庭用として用いられる場合には、運動会や旅行といった特別な場合がほとんどであり、使用頻度が少ないため、ユーザが操作に習熟していないことにより誤操作することがあった。
例えば、ズームボタンを操作する際に広角、望遠の方向を誤ったり、操作したい操作ボタン位置を目視で確認するためモニタ画面やファインダなどから目をそらしている間に、撮影映像が被写体からずれてしまったりするといった問題があった。
【0004】
また、このビデオカメラは、アマチュアからプロまでの様々なユーザが用いることを想定して作製されているため、多機能となり、撮影中の操作にどの操作ボタンを操作して良いのか初心者のユーザに混乱を招くこともあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、ユーザが操作を誤らずに容易に被写体を撮影できるビデオ撮影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザがビデオカメラのファインダを覗きながら、前記ビデオカメラの撮影機能に対応して設けられた複数の操作部を操作して、前記ビデオカメラの撮像レンズから入射する被写体画像を撮影するビデオ撮影方法において、前記ユーザが前記被写体画像を撮影する際に、前記ファインダ内の表示部に前記複数の操作部に対応する前記ユーザの指と前記複数の操作部に関連づけられた撮影機能の名称を表示させて撮影することを特徴とするビデオ撮影方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前記ユーザが前記被写体画像を撮影する際に、前記ファインダ内の表示部に前記複数の操作部に対応する前記ユーザの指と前記複数の操作部に関連づけられた撮影機能の名称を表示させて撮影するので、ユーザが操作を誤らずに容易に被写体を撮影できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態に係るビデオ撮影方法について図1〜図7を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に用いられるビデオカメラを示す図である。図2は、図1に示すビデオカメラを矢印AA方向から見た側面図である。図3は、図1に示すビデオカメラで使用する液晶モニタ内に表示された被写体画像及びユーザの指と対応する撮影機能の名称を示す図である。図4は、図3における液晶モニタ内にズーム状態を示す表示を追加した図である。図5は、本発明の実施の形態の変形例に用いられるビデオカメラを示す図である。図6は、図5に示すビデオカメラを矢印BB方向から見た側面図である。図7は、図5に示すビデオカメラで使用する液晶モニタ内に表示された被写体画像及びユーザの指と対応する撮影機能の名称を示す図である。
【0009】
まずは、本発明の実施の形態におけるビデオ撮影方法に用いられるビデオカメラについて図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、ビデオカメラ1は、カメラ本体8と、このカメラ本体8の一端に取り付けられた撮像レンズ9及び他端に取り付けられたファインダ4と、からなる。更に、カメラ本体8の側面には、ユーザの各指に対応した人差指用溝11、中指用溝12、薬指用溝13及び小指用溝14が形成され、その上部には、広角ズームボタン6、望遠ズームボタン7及び静止画ボタン5が形成されている。更にまた、カメラ本体8のファインダ4側には、撮影ボタン3が形成されている。
【0010】
そして、カメラ本体8の各指用溝が形成されている側には、カメラ本体8を保持するためにユーザの片手を差し込めるグリップベルト2が取り付けられ、カメラ本体8の各指用溝が形成されている側と反対側には、カメラ本体8に対して直交する方向に稼動自在の液晶モニタ10が取り付けられている。
【0011】
次に、撮影方法について説明する。
ユーザは、カメラ本体8とグリップベルト2に片手を差込んでカメラ本体を保持する。この際、ユーザの各指は、それぞれ人差指用溝11、中指用溝12、薬指用溝13、小指用溝14に置かれる。このようにすることにより各指を動かすことにより対応する各操作ボタンを操作することができる。
次に、ファインダ4内の表示部及び液晶モニタ10に各ボタン3、5、6、7に対応するユーザの指の名称と、この各ボタン3、5、6、7に関連づけられた撮影機能の名称を表示させ、各指と各撮影機能は一義的な関係にある。即ち、親指は、撮影開始停止ボタン3、人差指は、静止画ボタン5、中指は、広角ズームボタン6、薬指は、望遠ズームボタン7に対応している。
ビデオカメラ1のファインダ4を覗いて、被写体を撮像レンズ9を通して見る。このとき、図3に示すように液晶モニタ10にも被写体が表示される。
そして、撮影開始停止ボタン3を親指で押して、撮影モードにする。
【0012】
この後、被写体を拡大したい場合には、望遠ズームボタン7を薬指で操作し、広角にしたい場合には、広角ズームボタン6を中指で操作する。静止画にしたい場合には、静止画ボタン5を人指し指で押して操作する。この際、図4に示すように、液晶モニタ内にズーム状態を示す棒状の表示を追加すると望遠或いは広角のレベルが把握できる等便利さが増す。
こうして、被写体を撮影し終わったら撮影開始停止ボタン3を親指で押して停止する。撮影した被写体は、カメラ本体8の内部にある図示しない記録媒体に記録される。
【0013】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、ファインダ4内の表示部及び液晶モニタ10に各ボタン3、5、6、7に対応するユーザの指と、この各ボタン3、5、6、7に関連づけられた撮影機能の名称を表示させて撮影を行うので、ユーザが操作を誤らずに容易に被写体を撮影できる。
更に、各ボタン3、5、6、7を探す必要が無く、液晶モニタ10やファインダ4から目をそらさないで撮影することができるため、ビデオカメラ1が被写体からずれることを防止できる。
【0014】
次に、本発明の実施の形態の変形例について図5乃至図7を用いて説明する。
図5及び図6に示すビデオカメラ15は、図1に示すビデオカメラ1の広角用ズームボタン6及び望遠用ズームボタン7の代わりに1つのボタンで兼用したズームボタン16を用いたものであり、以外は、同様である。
この場合にも、ビデオカメラ1のファインダ4を覗いて、被写体を撮像レンズ9を通して見たときには、図7に示すように、実施の形態と同様に、液晶モニタ10にも被写体が表示される。
【0015】
このようにすると、ボタンとユーザの指との関係で、指が一本余るので、ビデオカメラ15に他の機能を付加することができ、より撮像機能を増すことができる。このため、多彩な機能を生かしたユーザが満足する撮影画像を得ることができる。
なお、本発明の実施の形態では、ユーザの指の名称を文字によって表示させたが、ユーザの指を図形で表示しても良い。このようにすれば、視覚的に認識できるので、使い勝手がより増す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に用いられるビデオカメラを示す図である。
【図2】図1に示すビデオカメラを矢印AA方向から見た側面図である。
【図3】図1に示すビデオカメラの液晶モニタ内に表示された被写体画像及びユーザの指と対応する撮影機能の名称を示す図である。
【図4】図3における液晶モニタ内にズーム状態を示す表示を追加した図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例に用いられるビデオカメラを示す図である。
【図6】図5に示すビデオカメラを矢印BB方向から見た側面図である。
【図7】図5に示すビデオカメラの液晶モニタ内に表示された被写体画像及 びユーザの指と対応する撮影機能の名称を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
1…ビデオカメラ、2…グリップベルト、3…撮影開始停止ボタン、4…ファインダ、5…静止画ボタン、6…広角ズームボタン、7…望遠ズームボタン、8…カメラ本体、9…撮像レンズ、10…液晶モニタ、11…人差指用溝、12…中指用溝、13…薬指用溝、14…小指用溝、15…ビデオカメラ、16…ズームボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがビデオカメラのファインダを覗きながら、前記ビデオカメラの撮影機能に対応して設けられた複数の操作部を操作して、前記ビデオカメラの撮像レンズから入射する被写体画像を撮影するビデオ撮影方法において、
前記ユーザが前記被写体画像を撮影する際に、前記ファインダ内の表示部に前記複数の操作部に対応する前記ユーザの指と前記複数の操作部に関連づけられた撮影機能の名称を表示させて撮影することを特徴とするビデオ撮影方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−109293(P2006−109293A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−295771(P2004−295771)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】