説明

ビデオ画像を処理する方法及び装置

【課題】 本発明は、動き補償器なしで、擬似輪郭効果を除去しながら、良好な画質を維持する解決方法を提供すること目的とする。
【解決手段】 本発明の基本的なアイデアは、mのグレーレベル(m<p)を選択するために、2の異なるサブフィールド配置からpのグレーレベル(典型的にはp=256)を達成することを可能とする、サブフィールド符号化のための、新たな符号を形成することである。特定のサブフィールド配置とサブフィールド符号語に対応するこれらの特定のグレーレベルは、擬似輪郭効果を減少させるために、同様なグレーレベルのサブフィールド符号語が同様なサブフィールド配置を有するように、選択される。有効なサブフィールド符号語の組みからどのように近い符号が選択されるかの重要な規則は、光発生の時間的な重心が、単調に増加するような、割当てられたサブフィールド符号語を有するビデオレベルのみを選択することである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に擬似輪郭補償のためのビデオ画像の処理方法及び装置に関連する。この方法と装置は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ディジタルマイクロミラーアレイ(DMD)を有する表示装置及び、光の発生のデューティーサイクル変調(パルス幅変調)の原理に基づく全ての種類のディスプレイのような、マトリクスディスプレイのような、表示装置で使用できる。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイは、視角の制限なしに、大きなサイズの厚さの制限された平面カラーパネルを達成することを可能とする。従来のCRT映像管が許されていたよりも、ディスプレイのサイズは非常に大きい。
【0003】プラズマディスプレイパネルは、“オン“又は”オフ”のみができる、放電セルのマトリクス配列を使用する。また、グレーレベルが放射のアナログ的な制御で表現されるCRT又はLCDと異なり、PDPは、グレーレベルを、フレーム当りの光パルス(維持パルス)の数を変調することにより制御する。目は、この時間変調を目の時間応答に対応する周期をわたって積分する。
【0004】ビデオ振幅は、所定の周波数で発生する光のパルスの数を決定し、高い振幅は、多くの光パルスの数を意味し、そして、長い”オン時間”を意味する。この理由により、この種の変調は、PWM、パルス幅変調として知られている。このPWMの概念を確立するために、各フレームは、”サブフィールド”と呼ばれるサブ−周期に分解される。小さな光パルスを生じるために、電気的な放電がガスの満たされたプラズマセルと呼ばれるセル内に現れ、そして、発生されたUV放射がカラーの蛍光体を励起し、これが光を放出する。どのセルが点灯されるべきかを選択するために、”アドレッシング”と呼ばれる第1の選択動作が発光されるセル内に電荷を生成する。各プラズマセルは、コンデンサと考えることができ、これは、比較的長い時間電荷を保持できる。その後に、発光期間中に与えられる”維持”と呼ばれる一般的な動作が、セル内の電荷を加速し、更なる電荷を発生し且つ、セル内の幾つかの電荷を励起する。第1の選択期間中にアドレスされたセル内でのみ、電荷のこの励起が起こり、そして、励起された電荷がその中性状態に戻るときに、UV放射が発生される。UV放射は、光放出のための蛍光体を励起する。セルの放電は非常に短期間で行われ、そして、幾つかの電荷はセル内に残る。次の維持パルスで、電荷はUV放射の発生のために再び使用され、そして、次の光パルスが発生される。各特定のサブフィールドの全体の維持期間中に、セルは小パルスで発光される。最後に、新たなサイクルを準備するために、消去動作が、全ての電荷を除去する。
【0005】一方では、プラズマディスプレイ技術は、ほぼ制限のないスクリーンサイズ、魅力的な厚さを与えるが、しかし、他方では、新たな種類の歪みを発生し、これは、画像品質を損なう。これらの歪みの大部分は、伝統的なCRTカラー映像管で起こる既知の歪みと異なる。視聴者は既知のTV歪みを見るのに慣れているので、それらを視聴者に見えやすくするのは、主に歪みのこの異なる外観である。
【0006】本発明は、歪みが、マトリクススクリーン上の観測点が移動する時に、この画像内の色のエッジの幻影の形式の、グレーレベルと色の妨害に対応するので、主に、”動的擬似輪郭効果”と呼ばれる新たな特定の歪みを扱う。(顔又は腕等を表示するような)人間の肌が表示されるときのような、画像が滑らかなグラデーションを有するときに、この種の歪みは、増加される。更に加えて、観測者が頭を振っているときに、同じ問題が静止画像にも発生し、そして、そのような不都合は人間の視覚に依存し且つ目の網膜で起こるという結論を導く。
【0007】従来技術では、擬似輪郭効果を補償する、幾つかのアプローチが既に知られている。擬似輪郭効果は、使用されるプラズマ技術のサブフィールド構成に直接的に関連し、1つのアプローチは、プラズマディスプレイパネルのサブフィールド構成の最適化を行う。サブフィールド構成は、以下の更に詳細に説明するが、しかし、さしあたり、8又はそれ以上の発光サブ−期間内の8ビットグレーレベルのある種の分解であることに注意する。そのような画像符号化の最適化は、確かに、擬似輪郭効果の正の効果を有する。それにも関わらず、そのような解決方法は、擬似輪郭効果の振幅を僅かに減少させることができるのみであるが、しかし、とにかく、この効果はまだ発生し、且つ知覚できる。さらにその上、サブフィールド構成は、設計選択の単純なことではない。サブフィールドが多く許されるほど、生成できるパネルの輝度が下がる。サブフィールド構成の最適化は、狭い範囲でのみ可能であり、且つ、この効果を単独で除去しない。
【0008】上述の問題の解決方法に対する第2のアプローチは、表現”パルス等化技術”のもとで知られている。この技術は、更に複雑なものである。これは、グレースケールの妨害が予測されるときには、TV信号に加算され又は分離される、等化パルスを使用する。更に加えて、擬似輪郭効果は、動きに関連し、各可能な速度に対する異なるパルスが必要である。これは、各速度に対して、大きな数の検索テーブル(LUT)を蓄積する大きなメモリが必要となり、動き推定器の必要がある。更に、擬似輪郭効果は、サブフィールド構成に依存しているので、パルスは、各新たなサブフィールド構成に対して、再計算されねばならない。しかしながら、この技術の大きな欠点は、目の網膜に現れる不都合を補償するために、等化パルスは画像に不都合を加えるということからの結果である。更に加えて、画像内の動きが増加するときには、画像に更なるパルスを追加する必要があり、そして、これは、非常に高速な動きの場合には、画像内容との衝突を導く。
【0009】EP−A−0980059のような従来技術の文書に記載された更なるアプローチは、目がその動きを通して正しい情報のみを知覚することを保証するために、画像内の動きの検出(目の焦点領域の変位)とこの変位をわたる正しいサブフィールド発光期間の広がりに基づいている。この解決方法は、画素又は画素ブロックの動きベクトルデータを出す、動き推定器を必要とする。各画素に対して、対応する動きベクトルデータは、動きベクトルの方向に、サブフィールド符号語内のエントリーをシフトするのに使用される。このように、サブフィールド符号語は修正又は記録される。この解決方法は良好でかつ、良好な画像品質を与えるが、しかし、もちろん、高速動き推定を行う動き推定器の実行を必要とする。この動き推定器は、比較的高価であり、実行するのが容易ではない。
【0010】動的な擬似輪郭効果を補償する他のアプローチは、新たな形式のサブフィールド符号化に基づいている。これは、”増加サブフィールド符号化”と呼ばれている。増加サブフィールド符号化方法は、例えば、欧州特許公開番号EP−A−0952569に開示されている。この形式のサブフィールド符号化方法では、幾つかのみの基本的なサブフィールド符号語が、グレースケール描画表現に使用される。これは、8ビットビデオデータの場合には、可能なビデオレベルに対する256の異なるサブフィールド符号語がないが、しかししかし代わりに、幾つかの特徴的なビデオレベルに対する特定の性質を有する幾つかのサブフィールド符号語のみがあり、そして、残りのビデオレベルはある最適なディザ又は誤差拡散技術により表現されるということを意味する。増加符号の特質は、何れの場合にも、2つの連続する活性化されたサブフィールドの間に活性化されていない1つのサブフィールドがなく、且つ、2つの連続する活性化されていないサブフィールドの間に活性化されている1つのサブフィールドがない。この特性で、増加符号は、同様なビデオレベルに対するサブフィールド符号語は、種々のビット位置で偏差できないということにより、擬似輪郭効果はもはや問題ではないという優位点を有する。
【0011】そのようなサブフィールド符号語の構造は、非常に特定であり、且つ、1つのサブフィールドエントリーのみの中で、符号語から符号語で変化する。これは、肌のような同質の面内のようなビデオレベルの滑らかな変化があるときには、サブフィールド符号語の構造に変化がもはや発生せず、これは、擬似輪郭効果を発生する。しかしながら、利用できるビデオレベルの数が、実質的に減少され、そして、貧弱なグレースケール表現の結果となる。このグレースケール表現を改善するために、ディザリング技術が必要とされ、それは、幾つかの失われたビデオレベルを取り戻す。グレーレベルの数が、サブフィールド構成内のサブフィールドの数に減少される、この特定のサブフィールド符号化の場合には、ディザリング又は誤差拡散技術で、失われた全てのビデオレベルを取り戻すことはできない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、動き推定器を必要とすることなくしかし改善されたグレースケール表現を有する新しい形式のサブフィールド符号化に基づく効率的な擬似輪郭効果補償を達成し、それにより、低いディザリング雑音を生じる、ビデオ画像を処理する方法及び装置を開示することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的は、独立請求項1及び7に記載の解決方法により達成される。
【0014】請求項1に記載の解決方法に従って、新たな形式のサブフィールド符号化が、nサブフィールドを有するサブフィールド構成に基づいて使用され、カラー成分に対するpの可能なビデオレベルの組みの中で、n<m<pとなるmのビデオレベルのサブセットが選択され、m値は、対応するサブフィールド符号語の光の発生のために時間的な重心が、第1の予め定められた限度までの低ビデオレベル範囲内及び/又は第2の予め定められた限度から上の高ビデオレベル範囲内を除いては、連続して、増加するという規則に従って選択される。上述の増加符号化に従って、非常に僅かのビデオレベルのみが、即ちサブフィールド構成内で利用できるサブフィールドだけ、サブフィールド符号化に許容できるが、本発明に従ったサブフィールド符号化方法は、更なるビデオレベルをあてにしており且つ、このように、よりよいグレースケール表現とより少ない妨害するディザ雑音を提供する。本発明の解決方法に従った受け入れられるビデオレベルは、全ビデオレベル範囲から任意には取れないが、しかし、即ち、ビデオレベルがサイズに従って順序付けされたときに、受け入れられるサブフィールド符号語の時間的な重心が滑らかに増加するという、特定の規則に従って選択される。低ビデオレベル範囲と高ビデオレベル範囲内にのみ許される、幾つかの例外がある。
【0015】人間の目は暗い/黒ビデオレベルに非常に敏感であるので、可能なビデオレベルの数は低く且つ、選択された重心のレベルを滑らかに増加するとして、黒/暗いビデオレベル内の良好なビデオ品質を有するのに十分なビデオレベルがないので、低ビデオレベル範囲で重心を増加するビデオレベルを選択することは可能ではない。しかし、これは、擬似輪郭高かは暗部領域で無視できるので、余り妨害とならない。
【0016】高ビデオレベル範囲では、重心の減少があり、それにより、選択されたビデオレベルで、減少が受け入れられる。もちろん、これは、動的な擬似輪郭効果を発生する可能性があるが、しかし、人間の目は、高ビデオレベル範囲で敏感でないので、これは、この範囲では余り重要ではない。これは、以下で詳細に説明する。
【0017】低レベル及び高ビデオレベル範囲の間では、許容できるビデオレベルとそれらの対応するサブフィールド符号語は、単調な上昇曲線に従いそして、この範囲で、動的擬似輪郭効果は発生しない。
【0018】概要では、本発明に従ったサブフィールド符号化方法で、動的擬似輪郭効果の減少とグレースケール表現に関する良好な妥協が見つかった。非常に良好な画像品質は、維持される。優位に、本発明の方法の追加の実施例は、それぞれの従属請求項に開示されている。
【0019】サブフィールド符号化処理が、1より多くの連続するサブフィールドが2つの活性化されたサブフィールドの間で負活性にされず、ゼロと異なる全ての入力ビデオレベルに対してサブフィールド符号語が選択される、という規則を守る場合には、非常に優位である。この規則は、劇的に、可能なサブフィールド符号語の数を減少させ、それにより、mのビデオレベルのサブセットを設定するために、ビデオレベルと対応するサブフィールド符号語の選択が単純化される。上述の規則に従うそれらのサブフィールド符号語と対応するビデオレベルのみをとることは、プラズマディスプレイパネルの場合に、プラズマセルの応答の忠実度が、主観的に増加されるという、追加の優位点を有する。これは、プラズマセルに対する2つの書き込み期間の間の時間距離が減少されるので、書き込み期間中のプラズマセルの正しいプリチャージの確率が増加されるためである。この規則に従わないサブフィールド符号化方法では、それらは、各ビデオフレーム内で正しく点灯されないので、いくつかのプラズマセルがある種のフリッカを示すという、問題が発生する。
【0020】本発明に従った装置の優位点は、請求項7乃至10に記載されている。mのビデオレベルのサブセットは、サブフィールド符号化処理のためのルックアップテーブル内に優位に蓄積できる。
【0021】プラズマディスプレイパネルは、線形な応答特性を有するので、入力ビデオレベルがビデオ源のガンマ補正に関して補償される、デガンマユニットを提供することが優位である。
【0022】また、グレースケール描画を増加するために、ディザリング値がデガンマユニットの出力値に加算される、ディザリングユニットを提供することも優位である。ディザリング技術から知られるように、ディザリングユニットでは、ビット解像度へ、ビデオレベルデータの切捨てが行われ、それは選択されたサブセット内のビデオレベルの数mに対して必要とされる。このビデオレベルデータは、サブフィールド符号化処理のための検索テーブルに入力される。この検索テーブルは、サブフィールド符号語を含まないように、しかし、代わりに、全解像度ビデオレベルワード(好ましくは8ビット)を含むように設計される。これは、ビデオレベル処理段階で、即ち、この方法がどのパネル形式に対しても非常に簡単に単純に実行できるように、サブフィールド符号化前に、動的擬似輪郭補償方法を実行することを可能とする。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施例は、添付の図面に示され、以下に更に詳細に説明する。
【0024】プラズマセルの原理的構成は、図1に示されているいわゆるマトリクスプラズマ技術である。参照番号10は、ガラス製のフェースプレートを示し、参照番号11は、透明ライン電極を示す。パネルのバックプレートは、参照番号12で示されている。フェース及びバックプレートを互いに分離する、2つの誘電体層13がある。バックプレートでは、コラム電極14は、ライン電極11に対して垂直に、集積されている。セルの内部は、発光物質15(蛍光体)と異なる色の蛍光体物質(緑15a)(青15b)(赤15c)を分離する障壁16より構成される。放電により発生されるUV放射参照番号17で示されている。緑色蛍光体15aから放出される光は、参照番号18を有する矢印で示されている。PDPセルのこの構造から、表示される画像の画像要素(画素)の色を生じる3つのカラー成分RGBに対応する、3つのプラズマセルが必要なことが明らかである。
【0025】画素の各R、G,B成分のグレーレベルは、フレーム期間当りの光パルスの数を変調することにより、PDPで制御される。目は、人間の目の応答に対応する期間をわたって、この時間変調を積分する。最も効率のよいアドレッシング機構は、生成されるべきビデオレベルの数がnに等しい場合には、n回アドレスするべきである。一般的に使用されるビデオレベルの8ビット表現の場合には、プラズマセルは、これに従って、プラズマセルは256回アドレスされるべきである。しかしこれは、各アドレッシング動作は、50Hzビデオフレームに対する20msの利用できる時間期間よりも長い、多くの時間(ライン当り約2μs>1つのアドレッシング期間に対して960μs>全ての256アドレッシング動作に対して245ms)を必要とするので、技術的に可能ではない。
【0026】文献から、更に実用的な、異なるアドレッシング機構が知られている。このアドレッシング機構に従って、最小の8のサブフィールド(8ビットビデオレベルデータワードの場合)が、フレーム期間に対するサブフィールド内で使用される。これらの8のサブフィールドの組合せで、256の異なるビデオレベルを発生することが可能である。このアドレッシング機構を図2に示す。この図では、各カラー成分に対する各ビデオレベルは、以下の重みの8ビットの組合せにより表される。
1/2/4/8/16/32/64/128そのような符号化をPDP技術で実現するために、フレーム期間は、サブフィールドと呼ばれる8の発光周期に分割され、各1つは、対応するサブフィールド符号語内のビットに対応する。ビット”2”に対する光パルスの数は、ビット”1”に対するものの2倍である。これらの8サブ期間で、サブフィールドの組合せを通して256グレーレベルを構築することが可能である。このグレーレベル表現を発生する標準的な原理は、ADS(Address Display Separated)原理に基づいており、全ての動作は全体の表示パネル上で異なる時間に実行される。図2の下で、このアドレッシング機構では、各サブフィールドは3つの部分即ち、アドレッシング期間、意地期間及び、消去期間の、よりなる。
【0027】ADSアドレッシング機構では、全ての基本サイクルは次々と続く。最初に、1つの期間内で、パネルのすべてのセルが書き込まれ(アドレスされ)、その後に全てのセルが発光され(維持され)、そして、最後に全てのセルが共に消去される。
【0028】図2に示すサブフィールド構成は、単純な例のみであり、文献から、例えば、更なるサブフィールド及び異なるサブフィールド重みを有する、非常に異なるサブフィールド構成がある。しばしば、移動歪みを減少するために更なるサブフィールドが使用され、そして、”プライミング(priming)”が応答の忠実度を増加するために更なるサブフィールドに使用できる。プライミングは、別のオプションの期間であり、そこでセルが充電されそして、消去される。この電荷は、小さな放電を導くことができ、即ち、背景光を生成し、これは原理的に望ましくない。プライミング期間後に、すぐに電荷を消去するために、消去期間が続く。これは、セルが再びアドレスされることを必要とする、以下のサブフィールド期間に対して必要である。従って、プライミングは、次のアドレッシング期間を容易にする、即ち、全てのセルを規則的に同時に励起することにより、書き込み段階の効率を改善する期間である。アドレッシング期間長は、全てのサブフィールドに対して等しく、消去期間長も等しい。しかしながら、アドレッシング期間長は、サブフィールド構成内のサブフィールドの第1のグループとサブフィールドの第2のグループに対して、異なることも可能である。アドレッシング期間では、セルは、ディスプレイのライン1からラインnへライン毎にアドレスされる。消去期間では、全てのセルは、1回で並列に放電され、アドレッシングと同じように多くの時間をとらない。図3の例は、プライミング動作を含めて、8サブフィールドを有する標準的なサブフィールド構成を示す。1つの時点で、全体のパネルに対して、これらの動作のうちの1つが活性化されている。
【0029】図4は、擬似輪郭効果による歪みを示す。表示された女性の腕に、2つの暗いラインが示されており、これは例えば、この擬似輪郭効果発生される。女性の顔にも、右側に、そのような暗いラインが発生している。
【0030】上述のように、プラズマディスプレイパネルは、放電セルのマトリクス配列を使用し、これは、スイッチオン又はオフのみができる。PDPでは、ビデオフレーム当りの光のパルスの数を変調することは、各カラー成分のグレーレベルを制御する。目は、目の時間応答に対応する期間をわたってこの時間変調を積分する。動きがない場合には、観測者の目は約フレーム期間をわたって、これらの小光パルスをを積分し、そして、正しいグレーレベルの印象を捕らえる。
【0031】観測点(目の焦点領域)がPDPスクリーン上に移動するときに、目はこの動きに従う。従って、期間をわたって同じセルからの光をもはや積分(静的な積分)できず、移動の軌道上にある異なるセルからの情報を積分する。従って、この移動中の全ての光パルスを混合し、これは、誤りのある信号情報を導く。この効果を、以下に更に詳しく説明する。プラズマビデオ符号化の分野では、256のもとのビデオレベルを表すのに8サブフィールドより多くを使用するのが非常に一般的である。これは、発生される擬似輪郭の最大レベルに直接的に関連する、MSBの重みを減少させることを目的とする。10サブフィールドに基づくそのようなサブフィールド構成の第1の例は、図5の上部に示されている。12サブフィールドに基づくサブフィールド構成は、図5の下部に示されている。もちろん、図5に示されたサブフィールド構成は、単に例であり、サブフィールド構成は他の実施例に対して修正を受けることが可能である。
【0032】サブフィールド構成に従った光放出パターンは、グレーレベルとカラーの妨害に対応する新たなカテゴリーを持ち込む。既に説明したように、これらの妨害は、観測点がPDPスクリーン上で移動するときに、画像内のカラーのエッジの出現に対応することによる、いわゆる動的擬似輪郭効果として定義される。観測者は、表示された肌のような均一の領域上に現れる強い輪郭の印象を有する。画像が滑らかなグラデーションを有する時にはそして、光放射期間が数msを超えるときには、劣化は更に高められる。従って、暗いシーンでは、この効果は、平均的なグレーレベル(例えば、32から223の輝度値)を有するシーン内のようには、余り妨害しない。更に加えて、観測者が自分の頭を振ったときに、同じ問題が、静的な画像内に発生し、そのような欠陥は、人間の視知覚に依存するという結論を導く。移動領域の視知覚の基本的な機構をより理解するために、単純な場合が、考えられる。ビデオフレーム当り5画素の速度で移動しており且つこの動きに目が追従している、輝度レベル128と127の間の変化を仮定する。
【0033】図6は、輝度レベル128に対応する暗い影の領域と、輝度レベル127に対応する明るい影の領域を示す。図6の右側に示されているように、図2に示されたサブフィールド構成が輝度レベル128と127を構築するのに使用されている。図6の3つの平行な線は、目が移動する方向を示す。2つの外側の線は、誤った信号が知覚される領域の境界である。それらの間では、目は、輝度の不足を知覚し、これは、対応する領域内に、図6内では下に示されている、暗いエッジの出現を導く。輝度の欠落が示された領域内で知覚されるという効果は、目が光を受ける点が動いているときに、目が、画素の全ての発光期間をもはや積分できないという事実による。点が動くときには、光パルスの一部のみが、おそらく積分される。従って、対応する輝度の欠乏があり、そして、暗いエッジが発生する。
【0034】図7の左側には、曲線が示されており、これは、図6に示された動く映像を観測する間の目のセルの振舞いを示す。水平方向の変化から良好な距離を有する目のセルは、対応する画素からの光を十分に積分する。変化の付近の目のセルのみ、同じ画像から多くの光を積分することはできない。グレースケールの場合には、この効果は、人工的な白又は黒のエッジの幻影に対応する。カラー画像の場合には、この効果は異なるカラー成分に独立して発生するので、肌のような同質の領域内にカラーのエッジの幻影を導く。カラーTVPDPでは、及び、同じ現象が、3つの成分(RGB)に現れるが、しかし、サブフィールド内のカラーレベルとその符号化に依存して強度が異なる。これは、画像上にカラーのエッジを導き、そして、これは、不自然なので非常に気になる。さらにその上、この効果は、例えば、白から黒ビデオレベルの変化のような鋭い変化の場合にも発生し、且つ蛍光体の遅延効果と結び付いて、これは、移動する物体の鮮明度の大きな劣化を導く。
【0035】上述の説明から、擬似輪郭効果は、1つのレベルから全く異なるサブフィールド符号語を有する他のレベルへ変化するときに発生することは、明らかである。従って、本発明のアイデアは、同様なサイズを有するビデオレベルが同様な構造のサブフィールド符号語を有するということを確かめるために、2の可能なサブフィールド配置の中のサブフィールド符号語の特定の選択をすることであり、ここで、nはサブフィールド構成の中のサブフィールドの数である。異なるカラー成分に対する入力ビデオレベルは、通常は8ビットバイナリー符号で与えられ、従って、256の異なるビデオレベルが供給される。数pは、可能なビデオレベルの数であり、即ち8ビットではp=256である。本発明に従って、これらの可能なビデオレベルのサブセットのみがサブフィールド符号化に使用され、ここで、mは選択されたサブセット内のビデオレベルの数である。mとpの間の関係は、m<pである。問題は、擬似輪郭効果の発生を避けるために、サブセットに対するmのグレーレベルと、2の可能なサブフィールド配置内の対応するサブフィールド符号語をどのように選択するかである。一方では、擬似輪郭問題を避けるためにそして、他方では最もよいビデオ品質を有するために、最大のビデオレベルを保持するために、それらのビデオレベルのみとサブフィールド符号語の選択の間に妥協が見つけられた。実験は、サブセットに対する選択されたビデオレベルの最小値が選択されたサブフィールド構成内のサブフィールドの数の2倍に等しい場合には、ビデオレベルの数と良好な擬似輪郭減少の間の受け入れられる妥協が、与えられることを示す。
【0036】正しいサブフィールド符号語とサブセットに対する対応するビデオレベルをどのように選択するかは、更に高度な問題であるが、しかし、以下の説明で示すように、比較的簡単に解決できる。
【0037】上述のように、PDPは、パルス幅変調の形式で光パルスを放射し、そして、正しい輝度の印象を知覚するために、人間の目がこれらの光パルスを、フレーム期間中に積分する。図8は、既知のバイナリー符号のような基本的なサブフィールド符号の場合には、ビデオレベルが1つづつ増加するときに、どのように光放射の時間的な重心CG1,CG2,CG3が変化するかを示す。垂直のラインは、時間的な重心を示す。暗く色が付けられたサブフィールドは、このサブフィールド期間中に、光の発生が活性化されることを意味し、一方、薄い色の付されたサブフィールドは、このサブフィールド期間中に光の発生がないことを意味する。図8から、時間的な重心CG1,CG2,CG3等が、ビデオレベルと共に(単調に)滑らかに増加しないことは明らかである。そして、この種のサブフィールド符号化を、擬似輪郭効果に対して敏感にしているのは、この動作である。サブフィールド符号語に従った光発生の時間的な重心の数学的に正確な定義は、次の式のようである。
【0038】
【数2】


この式では、sfWはi番目のサブフィールドのサブフィールド重みであり、δは、i番目のサブフィールドがサブフィールド符号語に従って”スイッチオン”されている場合には、1に等しく、そうでない場合には0である。i番目のサブフィールドの時間的な重心は、この式では、sfCGである。図9に示すように、サブフィールド構成内の各サブフィールドに対して、その対応する時間的な重心を、ふたたび垂直の線で示す。
【0039】次の図では、図10は、全ての256のビデオレベルに対する時間的な重心が、11サブフィールドと以下に示すサブフィールド重みを有する、サブフィールド構成に対する曲線の形式で示されている。
1 2 3 5 8 12 18 27 41 58 80時間的な重心は、上述の式により計算される。図10に示された曲線は、単調ではなく且つ多くのジャンプ点を含む。これらのジャンプは擬似輪郭効果を発生するということが、本発明の認識である。
【0040】これを避けるために、従って、本発明の考えは、対応するサブフィールド符号語が、滑らかに増加する時間的な重心を有する、幾つかのビデオレベルのみを選択することによりこれらのジャンプを抑圧することである。これは、前の図内にジャンプのない単調な曲線を引き、そして、各場合の最も近い点を選択することにより、行うことができる。例えば、ガウス適合法のような、2乗誤差の最小化に依存する、多くの最良の適合技術が数学からこの目的のために知られている。もちろん、これは、本発明の一実施例である。単調な曲線の例は図11に示されている。ビデオレベルのサブセットのための選択されたビデオレベルは、小さな黒い四角で示されている。次に、更に高度な実施例を説明する。
【0041】低いビデオレベル範囲では、可能なレベルの数が低く、そして、増加する時間的な重心レベルが選択されたとしても、人間の目は暗いビデオ画像の範囲で非常に感度がよいので、暗い画像で良好なビデオ品質を提供するのにビデオレベルが十分では無いので、この範囲では、時間的な重心が滑らかに増加するこれらのビデオレベルを選択するのみの上述の規則に従うのでは十分ではない。他方では、暗いビデオ画像範囲内の擬似輪郭効果は無視でき、従って、この範囲内では上述の規則に反しても受け入れられる。
【0042】高いビデオレベル範囲では、時間的な重心が減少し、これは、図10を見ると明らかである。最も高いサブフィールド重みを有するサブフィールドが発光されるとすぐに、先行する時間位置を有する幾つかの低いサブフィールドのみが、発光され、これが、光放射の全体的な時間的な重心の減少を導く。このように、このビデオレベル範囲でも、上述の規則に、従うことができない。この領域では、人間の目が異なるビデオレベルを区別するのにあまり敏感ではなく、そして、従って上述の規則に従うのはあまり重要でない。擬似輪郭効果の発生は、このビデオレベル範囲で無視できる。これは、目は相対的なビデオ振幅の変化にのみ敏感であるというウェーバー−フェヒナー(Weber−Fechner)の法則に従っている。高いビデオレベル範囲では、相対的なビデオ振幅の変化は、低い又は中間的なビデオレベル範囲と比べて、低い。これらの理由のために、ビデオレベルのサブセットを設定するために、それらのビデオレベルのみと対応するサブフィールド符号語が選択されるという、上述の規則は、単調な曲線が第1と第2の限度の間のビデオレベル範囲内でのみ必要とされるというあまり厳しくない規則に修正されることが可能である。実験では、例えば、最大ビデオレベルの10%が低いビデオ範囲に対して適切なレベルであり、且つ最大ビデオレベルの80%が高いビデオ範囲に対して適切なレベルであると、確認された。
【0043】例えば、図11では、37ビデオレベル(m=37)が、256の可能なビデオレベルの中のサブセットのために選択される。これらの37レベルは、良好なビデオ品質(グレースケール描画)を保持することを許す。
【0044】(8サブフィールドまでの)非常に単純なサブフィールド構成を除いて、この選択は、直接的に、ビデオレベル基準になされうる。9及びそれ以上のサブフィールドを有する全てのサブフィールド構成に対して、この選択は更に難しい。これを図12に示す。サブフィールド構成内に、pサブフィールドがある場合には、2の異なるサブフィールド配置がある。
【0045】図12には、11サブフィールドを有するサブフィールド構成に対する全ての可能なサブフィールド符号語が示されている。11サブフィールドの場合には、211のサブフィールド符号語があり、これらは、2048の異なるサブフィールド配置と等しい。もちろん、曲線は、例えば、ガウス適合アルゴリズムを用いそして、最も近い点を単純にとることにより、上述のこの複数の点に単純に適合できる。しかしながら、更に優位点を与える他の実施例を以下に説明する。
【0046】この例では、可能なサブフィールド符号語のフィールドは、最小重み符号語(mWC)をとることによってのみ減少される。これらの符号語は、各ビデオレベルに対して光の放射のために活性化される最も小さなサブフィールドを有する全ての符号語、即ち、最小のバイナリー値を有するものである。この符号化原理は、例を用いてよりよく説明される。以下のサブフィールド構成は、この例のためにも考量される。
1 2 3 5 8 12 18 27 41 58 80数は、サブフィールド重みを示す。このサブフィールド構成で、ビデオレベル23は以下の符号に、符号化される。
【0047】
【表1】


サブフィールド符号語のこの組みから、太字の最後のものは、最小重み符号である。この符号は、最小桁ビット内に最も多くのエントリーを有する。この表の左側がLSBであることに注意する。
【0048】全ての可能な211=2048符号に対する重心位置を、図12に示す。符号語のこの組みから、mWC語が、白で示されている。この図から、mWC語も、全ての可能な符号語からの最小重心を有することが明らかである。mWC符号は、サブフィールド構成内の最小のサブフィールドを利用するので、それらは、最小の擬似輪郭効果を持ちこむ。これは、擬似輪郭効果が、直接的にサブフィールド重みに比例するためである。従って、ビデオレベルのサブセットはmWC符号から得られるということは、動的な擬似輪郭効果の減少に関して非常に優位である。もちろん、全ての選択された符号は、上述のように、単調に上昇する曲線である。重心曲線に関する符号語の選択は、自動的に行われる。これは、図13に示されるように行うことができる。図13は、上述の所定のサブフィールド構成のための全てのmWC符号を示す。それは、図12と図13に対して使用されている。図13に示す重心曲線では、単一の点を除いて見ることのできる最小の構造は、楕円で図中にマークが付された幾つかのアーチ型である。アイデアは、可能ならば、各アーチ型の1点のみを取ることである。もちろん、生成された曲線は、単調でなければならない。実際には、符号から、特定のアーチ型上の点を認識することが可能である。アーチ型上の全ての点のサブフィールド符号語は、MSB(基礎)内に同一のエントリーを有するが、しかし、LSB内に異なるエントリーを有する。例えば、左から第3のアーチ型の符号語は、以下の基礎を有する。
X X X X X X X 1 0 1 0左から第4のアーチ型のサブフィールド符号語は、以下の基礎を有する。
X X X X X X 1 0 1 1 0左から第6のアーチ型のサブフィールド符号語は、以下の基礎を有する。
X X X X X X X X 1 0 1ここで、Xはエントリー0又は1を示し、サブフィールド符号語内の各Xは、他のXエントリーと異なることが可能である。
【0049】プラズマセルに対する、最良の応答の忠実度を達成するために、選択された符号語も、各サブフィールド符号語内で、2つの1のエントリーの間に1つより多い連続する0エントリーがなくこれはプラズマセルアドレッシングのための2つの活性化されたサブフィールドの間に1つより多い負活性のサブフィールドがないことを意味する、規則に従うことが優位である。そのような符号も、プラズマセルが短い連続で活性化され従って、セル内の電荷が比較的長い負活性の期間中に消滅できないので、リフレッシング符号と呼ばれる。この概念は、既に、出願番号00250066.8を有する本出願人の他の欧州特許出願で、説明されている。このリフレッシング概念の開示のために、従って、この欧州特許出願を参照する。mWC符号語は、既にこの規則に従うので、対応するmWC符号語を有する、各ビデオレベルが、使用されることが可能である。異なるサブフィールド構成の場合には、同じ結果を得るために、”単一の負活性なサブフィールド規則”に従って、mWC符号語を更に制限する必要がある。しかし、この更なる制限は、選択されるレベルを大きく減少せず、そして、従って、大きな柔軟性を犠牲にしない。しかし、他方では、プラズマセルの応答の忠実度は主観的に増加されるという、重要な優位点をもたらす。
【0050】ビデオレベルの更なる自動的な選択に対して、以下のアルゴリズムが使用される。
【0051】アルゴリズムは、ビデオレベルゼロの選択で開始する。もちろん、次のビデオレベルは、ビデオレベル1であり、そして、次のビデオレベルは、ビデオレベル2である。このビデオレベルの次に、次のアーチ型に属し、且つ更に加えて前の選択されたビデオレベルの重心よりも上の、最小の重心を有する、次のビデオレベルが選択される。次のアーチ型の重心の全てが、前のものよりも下である場合には、次のビデオレベルは次のアーチ型の中から選択される等である。
【0052】次の例は、この選択処理をより良く説明する。例えば、この方法をビデオレベル0からビデオレベル237に適用することにより、それは、6610に等しい重心を有し且つサブフィールド符号語は11111101111に等しい、選択されたGCC符号(重心符号)でもあり、次のビデオレベルは形式:XXX1011111を有する可能な符号中から検索される。それらの重心を有する全ての可能な符号は以下で与えられる。
【0053】
【表2】


最も低い重心は、ビデオレベル243からであるが、しかし、前のビデオレベル237の重心よりも下の重心を有するので、このビデオレベルは選択されない。従って、次のビデオレベルはビデオレベル242であるように選択される。
【0054】図14は、mWC符号の中からの暗い矩形の形式で、そして、単調な曲線の結果となる、全ての選択されたGCC符号を示す。この曲線は、選択された最大ビデオレベルである、242と255の間の高いビデオレベルの範囲内でのみ単調に増加しない。上述のように、非常に多くの擬似輪郭を持ち込まないので、このレベルも選択される。全ての256の可能なビデオレベルから、GCC符号として最終的に37のビデオレベルのみが、選択された。以下の表には、ゼロから255への全てのmWC符号が、その重心値と共にリストに示されている。選択された37のGCC符号は、太い文字でハイライトされている。
【0055】全てのmWC符号とそれらの重心
【0056】
【表3】


【0057】
【表4】


【0058】
【表5】


【0059】
【表6】


【0060】
【表7】


GCC符号化に対するサブフィールド符号も、次の表に示されている。
【0061】GCC符号とそれらの重心
【0062】
【表8】


mビデオレベルのこのサブセットの更なる低減は、応答特性の線形性を最適化するのに優位である。例えば、2つのビデオレベル44よ45は、互いに非常に近いが、しかし、それらの符号は、3つのビット位置で異なる。これは、人間の目には、ビデオレベルの異なる知覚という結果となリ、裸のビデオレベル値から必要なよりも更に異なる。従って、更にmビデオレベルを間引き、且つ何れかのビデオレベル44又は45をサブフィールド符号化のために取るのが合理的である。
【0063】一旦、ビデオレベルのサブセットのビデオレベル(Vi,0<=i<m)が選択されると、画像がこれらのレベルで符号化される。この処理の回路の実行は、図15に示されている。第1のブロックでは、8ビットの標準バイナリー符号で符号化された入力ビデオデータは、デガンマ機能に与えられる必要がある。これは、PDPが、線形応答特性を持っており、一方では、CRTディスプレイは、ビーム強度に対して、むしろ2次の応答特性を有するためである。これは、従来、既知であり且つこの理由によりビデオ源、例えば、スタジオ又は、カメラ自身で、ビデオ信号はガンマ補正され、それにより、人間の目でCRTディスプレイを介して見られる画像は、正しい輝度の印象となる。これらの前補正された画像が、放送されそして、TV受信器内で、画像管のガンマ関数状の応答特性により、画像は自動的に正しい線形応答で表示される。人間の目は、正しいカラーの印象を観測する。デガンマ機能はブロック100で入力ビデオデータに適用される。ブロック100では、再スケーリングタスクも実行される。これは、16ビットデータワードである計算精度により、デガンマデータが、0とmの間の範囲に、再スケーリングされることを意味し、ここでmはGCC符号化中に使用されるレベルの数である。しかしながら、mレベルの組の各ビデオレベルViは、3ビットの精度で表される必要がある。上述の例のようにmが37に等しい場合には、これらのレベルの間を区別するのに6ビットが必要である。しかしながら、各レベルは、3ビットの精度で表される必要があるので、合計で9ビットが、ブロック100のデガンマ及び再スケーリング検索テーブルから出力される。10進値では、出力値は、形式X.0;X.125;X.25;...X.875;X+1.0を有する。次のブロック200では、3つのディザビットが、入力値に加算される。
【0064】ディザリングはグレーレベル解像度を増加させるための既知の技術である。ディザリングで、幾つかの人工のレベルが現在あるビデオレベルの間に加えられる。これは、グレースケール描画を改善するがしかし、他方では、高周波数の低振幅ディザ雑音を加え、これは、短い視聴距離でのみ人間視聴者に知覚される。PDP技術にも適用されるディザリング技術の完全な説明は、更に本出願人の欧州特許出願00250099.9から知られている。従って、ディザリング技術の開示のために、この特許出願も参照する。結果の9ビットデータワードは、ブロック200で、37ビデオレベルに対する最終的な解像度に切り捨てられる。最終的なビット解像度は、6ビットであり且つ、従って、3ビットは、3ディザリングビットを加えた後に切り捨てられる。
【0065】最終的な、6ビットビデオデータは、ブロック300のオプションのビデオ符号化検索テーブルに入力される。この検索テーブルは、37ビデオレベルの各々を、対応する正しい8ビットビデオレベルに割当てるのに使用される。これは、サブフィールド符号化ユニットを比較的変更無くするためになされる。この構造で、ビデオレベル処理ブロック上で完全に、本発明に従ったGCC符号化を実行することが可能である。もちろん、ブロック300の後に来るサブフィールド符号化ユニット内では、各出力ビデオレベルに、プラズマディスプレイパネルをアドレッシングするための正しいGCC符号語を割当てる、対応するサブフィールド符号化検索テーブルがあることを必要とする。代わりの実施例では、ブロック300は、省略され、そして、サブフィールド符号化ユニットが新たな形式で設計される場合には、ブロック200内で6ビット出力ビデオデータが、直接的に、サブフィールド符号化ユニットへ入力されることが可能である。これは、第1の上述の実施例では必要ない。
【0066】図16では、本発明の回路の実行を示す。入力R,G,Bビデオデータは、デガンマユニット100とディザ評価ユニット500に送られる。デガンマユニット100は、16ビットでガンマ機能を実行し、そして、再スケーリングしそして出力に9ビットのビデオデータR,G,Bを送る。ディザ評価ユニット500は、赤に対するディザリング数DR、緑に対するDG及び、青色成分に対するDBを計算する。これをするために、どの画素が現在処理されておりそして、どのラインとフレーム番号が有効であるかを決定するために、Sync信号HVを必要とする。どのようにディザリング数が計算され且つどのディザリングパターンが使用されるかの完全な説明は、上述の本出願人によるEP出願に記載されている。ブロック200では、結果のディサリング数とデガンマ出力値が加算され、そして、結果の3の最小桁ビットが切り捨てられ、それにより、最終の出力値はR,G及びBが達成される。これらの値は、サブフィールド符号化ユニット400に送られ、それは、制御ユニット900の制御の下でサブフィールド符号化を実行する。サブフィールド符号語は、サブフィールド符号化ユニット400内の検索テーブル410から読み出されるのが好ましい。サブフィールド符号語は、メモリユニット600に送られる。制御ユニット900は、メモリユニットへの書き込みと、メモリユニットからの読出しも制御する。プラズマディスプレイアドレッシングに対しては、サブフィールド符号語がメモリ装置から読み出され、1つのラインのすべての符号語が、単一の非常に長い符号語を形成するために集められ、これは、ラインごとのPDPアドレッシングに使用されることが可能である。これは、シリアル/パラレル変換ユニット700内で実行される。制御ユニット900は、PDP制御のための全ての走査と維持パルスを発生する。それは、基準タイミングのための、垂直及び水平同期信号を受信する。
【0067】本発明は、特にPDP内で使用できる。プラズマディスプレイは、現在では、例えば、TVセット及び、コンピュータのモニタのような、民生用電子機器で使用されている。しかしながら、本発明の使用は、光の発生が、サブフィールド内の小パルスで制御される、即ち、PWM原理で光の発生を制御するために使用される、マトリクスディスプレイにも適切である。
【0068】
【発明の効果】本発明によって、動き推定器を必要とすることなくしかし改善されたグレースケール表現を有する新しい形式のサブフィールド符号化に基づく効率的な擬似輪郭効果補償を達成し、それにより、低いディザリング雑音を生じる、ビデオ画像を処理する方法及び装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マトリクス技術のプラズマディスプレイパネルセルの構造を示す図である。
【図2】フレーム期間中の従来のADSアドレッシング機構を示す図である。
【図3】ADSアドレッシング及びプライミング(priming)のための標準的なサブフィールド符号化原理を示す図である。
【図4】擬似輪郭効果が模擬されているビデオ画像を示す図である。
【図5】2つの異なるサブフィールド構成機構を示す図である。
【図6】擬似輪郭効果を説明するを示す図である。
【図7】2つのフレームの表示が図6に示すようになされたときの暗いエッジの出現を示す図である。
【図8】光の発生の時間的な重心がビデオレベルと共に単調に増加しないことを示す図である。
【図9】サブフィールド構成内のサブフィールドに対する重心時間位置を示す図である。
【図10】時間重心対ビデオレベル曲線内の重心の変化の動作を示す図である。
【図11】時間重心対ビデオレベル座標系内の選択された点を有する単調上昇曲線とサブフィールド符号化のための選択された点のサブセットとを示す図である。
【図12】11サブフィールドを有するサブフィールド構成に対する時間重心対ビデオレベル座標系内の全ての可能な点を示す図である。
【図13】最小重み選択規則に従って選択された、時間重心対ビデオレベル座標系内のサブセットの位置を示す図である。
【図14】単調上昇曲線を発生するための、最小重みサブフィールド符号語からの点の選択を示す図である。
【図15】本発明の回路実行の第1のブロック図を示す図である。
【図16】サブフィールド符号化前のビデオ処理段階内で、本発明の実行のための更に詳細なブロック図を示す図である。
【符号の説明】
10 フェースプレート
11 透明ライン電極
12 バックプレート
13 誘電体層
14 コラム電極
15 発光物質
100 デガンマユニット
400 サブフィールド符号化ユニット
410 検索テーブル
500 ディザ評価ユニット
600 メモリユニット
700 シリアル/パラレル変換ユニット
900 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】 特に動的擬似輪郭補償のためのビデオ画像の処理方法であって、ビデオ画像は少なくとも1つのカラー成分(RGB)を有する画素より構成され、カラー成分値は、以後サブフィールド符号語(SF−R,SF−G,SF−B)と呼ばれるディジタル符号語でディジタル的に符号化され、サブフィールド符号語(SF−R,SF−G,SF−B)の各ビットに対して、以後サブフィールドと呼ばれる、ある一定の継続時間が割当てられ、その期間中は、画素のカラー成分は、nビットを有するディジタル符号語で、光の発生のために活性化され、少なくとも1つのカラー成分(RGB)に対するpの可能なビデオレベルの組みの中で、n<m<pとなるmのビデオレベルのサブセットが選択され、それは光の発生に使用され、m値は、対応するサブフィールド符号語の光の発生のために時間的な重心(CG1,CG2,CG3)が、第1の予め定められた限度までの低ビデオレベル範囲内及び/又は第2の予め定められた限度から上の高ビデオレベル範囲内を除いては、ビデオレベルと共に連続して、増加するという規則に従って選択される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】 サブフィールド構成の場合には、カラー成分値に対する特定の一連のサブフィールド重みを有する特定の数のサブフィールドを特徴とし、1より多い対応するサブフィールド符号語が存在し、可能なサブフィールド符号語の組みは、各ビデオレベルに対するそれらのサブフィールド符号語のみをとることにより減少され、それは、サブフィールド符号語内で各ビットの重みがサイズに従って順序付けされる場合に対して、最小のバイナリー値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 有効なサブフィールド符号語の間引きされた組みは、更に、最小バイナリー値サブフィールド符号語からそれらの符号語のみを選択することにより更に減少され、1より多い連続する”0”即ち負活性なサブフィールドは、2つの”1”符号語エントリー、即ち、活性化されたサブフィールド、の間に続かない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】 サブフィールド符号語の更に減少された組みから、ビデオレベルの選択が、MSB側で同じ基部を有するサブフィールド符号語の各グループに関する1つのビデオレベル、即ち、サブフィールド符号語の次のより高いグループに属し且つ前の選択されたビデオレベルの重心よりも上の最小の重心を有するビデオレベルのみをとることにより、行われ、サブフィールド符号語の次のより高いグループが前のものよりも下の重心を有するサブフィールド符号語を供給しない場合には、第2の次の高いサブフィールド符号語のグループが、次のビデオレベルを選択するために選択される、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項5】 サブフィールド符号語の更に減少された組みから選択されたビデオレベルは、更に、応答特性最適化の観点に従って更に間引かれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】 光の発生のための時間的な重心(CG1,CG2,CG3)は、次の式
【数1】


に従って定義され、sfWは、i番目のサブフィールドのサブフィールド重みであり、i番目のサブフィールドが活性化されているときには、iは1に等しく、且つi番目のサブフィールドが活性化されていないときには、ゼロであり、sfCGは、i番目のサブフィールドの光の発生のための時間的な重心である、請求項1或は2に記載の方法。
【請求項7】 第1の予め定められた限度は、最大ビデオレベルの約10%であり、及び/又は、第2の予め定められた限度は、最大ビデオレベルの約80%である、請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項8】 特に動的な擬似輪郭補償のためのビデオ画像の処理装置であって、ビデオ画像は少なくとも1つのカラー成分(RGB)を有する画素より構成され、その装置は、i)カラー成分に関するビデオレベル画素データを有するビデオ画像データを処理するビデオ処理ユニット(100,200)を有し、ii)ビデオレベルデータがサブフィールド符号語に変換されるサブフィールド符号化ユニット(13)を有し、サブフィールド符号語の各ビットに対して、ある一定の継続時間が割当てられ、その継続時間中に画素の対応する要素が光の発生のために活性化され、以後この期間はサブフィールドと呼ばれ、そして、サブフィールド符号語はnビットを有し、前記装置は更に、iii)サブフィールド符号化処理のための検索テーブル(410)を有し、n<m<pを有する、pの可能なビデオレベルのmのビデオレベルのサブセットのみに関するサブフィールド符号語が、入力ビデオレベルデータに割当てられ、且つ、mのビデオレベルは、サイズに従って順序付けされた時に、対応するサブフィールド符号語の光の発生のために時間的な重心(CG1,CG2,CG3)が、第1の予め定められた限度までの低ビデオレベル範囲内及び/又は第2の予め定められた限度から上の高ビデオレベル範囲内を除いては、ビデオレベルと共に連続して、増加するという規則に従って選択される、ことを特徴とする装置。
【請求項9】 更に、ディザリングユニット(200)を有し、ディザリング値は、グレースケール描画を増加させるために、色成分の前記ビデオレベル画素データに加えられる請求項8に記載の装置。
【請求項10】 更に、デガンマユニット(100)を有し、入力ビデオレベルは、ビデオ源内のガンマ補正に対して補償するために増幅される、請求項8或は9に記載の装置。
【請求項11】 更に、ディザリングユニット(200)の出力値へ、対応する全ビット解像度ビデオレベルを割当てる、検索テーブル(300)を有する、請求項8乃至10のうち何れか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図14】
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【図16】
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【公開番号】特開2003−22048(P2003−22048A)
【公開日】平成15年1月24日(2003.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−131990(P2002−131990)
【出願日】平成14年5月7日(2002.5.7)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング ソシエテ アノニム (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing S.A.
【Fターム(参考)】