説明

ビニルエーテル誘導体及び製造方法

【課題】機能性高分子合成用モノマーもしくは架橋剤として有用なポリオキシエチレン構造を有するジビニルエーテル誘導体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)


(式中、Zは6以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)で示されるジビニルエーテル誘導体、及びスルホニルオキシビニルエーテル誘導体とポリオキシエチレン化合物とを塩基存在下に反応させるジビニルエーテル誘導体(1)の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性高分子合成用モノマーもしくは架橋剤として有用なポリオキシエチレン構造を有するビニルエーテル誘導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニルエーテル誘導体は種々の有機合成上の重要な中間体として知られている。また、クロマトグラフィー用充填剤としての利用例として、n-オクタデシルビニルエーテル-トリエチレングリコールジビニルエーテル共重合体がシリカゲル類に比べ耐アルカリ性を有していることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。さらに、ポリオキシエチレン類をモノマーに組み込むことにより重合体に機能性を付与する例として、末端水酸基を有するオクタエチレングリコールモノビニルエーテルやヘキサエチレングリコールモノビニルエーテルが塗料用硬化性樹脂用モノマーとして用いられている(例えば、特許文献1参照)。
一般にポリオキシエチレン類をモノマーに組み込むことにより非特異的吸着タンパク質抑制などの生体適合性等の機能を重合体に付与できることが知られており(例えば、特許文献2参照)、種々のポリオキシレン鎖長を有するビニルエーテル化合物を簡便に製造する方法が求められている。
従来から知られているポリオキシエチレン構造を有するビニルエーテル化合物の製造方法として、テトラエチレングリコールとアセチレンを反応させるテトラエチレングリコールモノビニルエーテル及びテトラエチレングリコールジビニルエーテルの製造方法(例えば、非特許文献2参照)、遷移金属錯体存在下トリエチレングリコールと酢酸ビニルとのビニル基交換反応によるトリエチレングリコールジビニルエーテルの製造方法(例えば、特許文献3参照)、ペンタエチレングリコールを三臭化リンで両末端をブロモ化し、水素化ナトリウム存在下2-ビニロキシエタノールと反応させることによるヘプタエチレングリコールジビニルエーテルの製造方法(例えば、非特許文献3参照)等が知られているが、取り扱いに注意を要する試薬もしくは高価な触媒を使用するなど問題があった。そのため、安価かつ安全なビニルエーテル誘導体製造法の確立が求められていた。
【特許文献1】特開平05-065455号公報
【特許文献2】特開2007-326045号公報
【特許文献3】特開2003-73321号公報
【非特許文献1】Chromatographia 1992, 33, 19.
【非特許文献2】J. Polym. Sci., Polym. Chem. Ed. 1982, 20 (9), 2731.
【非特許文献3】J. Polym. Sci., Polym. Chem. 2004, 42, 3729.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような状況下、本発明者は安価かつ簡便にポリオキシエチレン類の構造を有するビニルエーテル誘導体の製造方法を鋭意検討したところ、下記式(5)で示されるモノビニルエーテル誘導体と式(6)で示されるスルホニルハライド化合物とを用いる式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体の製造において塩基として3級ジアミンを用いることにより、目的物単離の際の塩基除去が容易であること、また、反応終了後、飽和重曹水を加え撹拌し残留するスルホニルハライド化合物を分解することにより、抽出・濃縮後に式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体の分解が抑えられることを見出すとともに、式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体と式(3)で示されるポリオキシエチレン化合物とを塩基存在下反応させ、目的とするポリオキシエチレン鎖長を有する式(4)のモノビニルエーテル誘導体及び式(1')のジビニルエーテル誘導体を容易に製造できることを見出し、本発明に至った。
【発明の効果】
【0004】
かくして、本発明の方法によれば、生体適合性等機能性を有する高分子製造用モノマーもしくは架橋剤として有用なビニルエーテル誘導体を簡便にかつ工業的有利に製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、
[1]:
式(1)

(式中、Zは6以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるジビニルエーテル誘導体;
[2]:
式(2)

(式中、Aは0以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体と式(3)

(式中、Bは1以上の整数を表す。)
で表されるポリオキシエチレン化合物とを塩基存在下反応させることを特徴とする式(4)

(式中、Yは1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')

(式中、Zは1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法;
[3]:
式(5)

(式中、Aは0以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるモノビニルエーテル誘導体と、式(6)

(Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるスルホニルハライド化合物とを塩基存在下反応させ式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体を得、次いで該誘導体と式(3)

(式中、Bは1以上の整数を表す。)
で表されるポリオキシエチレン化合物とを塩基存在下反応させることを特徴とする式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び請求項2に記載の式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法;
[4]:
式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体製造時の塩基が3級ジアミンである式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法;
[5]:
式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体製造時の反応終了後に反応液へ飽和重曹水を加え未反応の式(6)で示されるスルホニルハライド化合物を分解する工程を含む式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法;
を提供するものである。

【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】
以下に、前記式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体の製造方法について説明する。
式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体は、式(5)で示されるモノビニルエーテル誘導体と、式(6)で示されるスルホニルハライド化合物とを塩基存在下反応させるスルホネート化反応により実施される。(下記スキーム1参照)

【0008】
上記スルホネート化反応に用いられる、式(5)で示されるモノビニルエーテル誘導体としては、市販もしくは公知の方法で製造したものを用いることができるが、本発明で開示する方法で製造できる式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体を用いることができる。
【0009】
本発明において、
式中、Aは0以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。
【0010】
ここで、置換基を有していてもよいアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、s-ブチル基、メトキシメチル基、フェニルメチル基等が挙げられる。置換基を有していてもよいアリール基としては、具体的には例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-メトキシフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-クロロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基等が挙げられる。また、複数の置換基で環を形成する場合としては、具体的にはRとRが結合した置換基−R−R−もしくは、RとRが結合した置換基−R−R−が-(CH2)4-である場合が挙げられる。
【0011】
スルホネート化に用いられる式(5)で示されるモノビニルエーテル誘導体について、具体的に示すと例えば、2-ビニロキシエタノール、2-(2-ビニロキシエトキシ)エタノール、2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3-ビニロキシプロプロパノール、2-(3-ビニロキシプロポキシ)エタノール、4-ビニロキシブタノール、2-(4-ビニロキシブトキシ)エタノール、

2-(1-メチルビニロキシ)エタノール、2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3-(1-メチルビニロキシ)プロパノール、2-(3-(1-メチルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、4-(1-メチルビニロキシ)ブタノール、2-(4-(1-メチルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、

2-(2-メチルビニロキシ)エタノール、2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3-(2-メチルビニロキシ)プロパノール、2-(3-(2-メチルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、4-(2-メチルビニロキシ)ブタノール、2-(4-(2-メチルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、

2-(1-フェニルビニロキシ)エタノール、2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3-(1-フェニルビニロキシ)プロパノール、2-(3-(1-フェニルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、4-(1-フェニルビニロキシ)ブタノール、2-(4-(1-フェニルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、

2-(2-フェニルビニロキシ)エタノール、2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3-(2-フェニルビニロキシ)プロパノール、2-(3-(2-フェニルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、4-(2-フェニルビニロキシ)ブタノール、2-(4-(2-フェニルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、

2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エタノール、2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、3-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)プロパノール、2-(3-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)プロポキシ)エタノール、4-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)ブタノール、2-(4-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)ブトキシ)エタノール等が挙げられる。
【0012】
スルホネート化反応には、式(6)

(Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるスルホニルハロゲン化合物が用いることができ、式(5)で示されるモノビニルエーテル誘導体に対し1当量以上、好ましくは1〜3当量用いられる。
【0013】
は置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、tert-ブチル基、カンファニル基、フェニルメチル基等が挙げられる。置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、4-メチルフェニル基、1-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-クロロフェニル基、1-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-ニトロフェニル基、1-ニトロフェニル基、3-ニトロフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基等が挙げられる。Xはハロゲン原子を表し、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
【0014】
式(6)で示されるスルホニルハロゲン化合物は通常市販のものが用いられ、具体的には、例えば、メタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、1−プロパンスルホニルクロリド、イソプロピルスルホニルクロリド、1−ブタンスルホニルクロリド、sec−ブチルスルホニルクロリド、 t−ブチルスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、1−ナフタレンスルホニルクロリド、2−ナフタレンスルホニルクロリド、 o―トルエンスルホニルクロリド、 m―トルエンスルホニルクロリド、p―トルエンスルホニルクロリド、 o−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、m−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、p−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、 o−クロロベンゼンスルホニルクロリド、 m−クロロベンゼンスルホニルクロリド、p−クロロベンゼンスルホニルクロリド、o−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、 m−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、o−ヨードベンゼンスルホニルクロリド、 m−ヨードベンゼンスルホニルクロリド、p−ヨードモベンゼンスルホニルクロリド、 o−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、 m−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、p−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、o−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、 m−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、o,p−ジニトロベンゼンスルホニルクロリド、カンファースルホニルクロリド、ベンジルスルホニルクロリド、ベンゼンスルホン酸フロリド、ベンゼンスルホン酸ブロミド、ベンゼンスルホン酸ヨージド、トルエンスルホニルフロリド、トルエンスルホニルブロミド、トルエンスルホンニルヨージド、9-アントラセンスルホニルクロリド、1-ピレンスルホニルクロリド等が挙げられる。
この中でも特にメタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、o−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、o,p−ジニトロベンゼンスルホニルクロリドが好ましく用いられる。
【0015】
スルホネート化反応に用いられる塩基としては、具体的には、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、tert-ブトキシカリウム、ピリジン、トリエチルアミン、N-メチルイミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンが挙げられるが、好ましくは、後処理で容易に除去可能な3級ジアミン4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノブタン、N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、 N,N,N',N'−テトラメチルフェニレンジアミン等が用いられる。
塩基の使用量は、式(5)で示されるモノビニルエーテル誘導体に対し1当量以上、好ましくは1〜30当量用いられる。
【0016】
上記反応には、通常、溶媒が用いられ、スルホネート化反応に用いられる溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、又はジエチルエーテル、テトラヒドラフラン、1,4-ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒が挙げられ、好ましくは、エーテル系溶媒、非プロトン性溶媒が用いられる。また、2種以上の溶媒を混合して使用してもよい。溶媒使用量の制限はない。
【0017】
反応温度は通常-10℃〜使用する溶媒の沸点の範囲であるが、0℃〜40℃が好ましい。
【0018】
反応時間は、用いる式(5)で示されるモノビニルエーテル誘導体、式(6)で示されるスルホニルハライド化合物や塩基の種類ならびに反応温度で異なるが、通常3分から15時間の範囲である。反応後、通常の後処理、例えば抽出、再結晶、蒸留、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体を得ることができる。
【0019】
また、スルホニレート化における塩基として3級アミンを用いた場合、反応後処理において分液操作によって有機相に目的物を主に分配し、水層側に塩基を主に分配した後、水層を分離することにより塩基を容易に除去することができる。
【0020】
上記後処理の分液操作において、有機層に用いられる抽出溶媒としては、例えば、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、又はジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、水と混じりあわない溶媒が選択される。また、2種類以上の混合溶媒であってもよい。
【0021】
また、上記後処理の分液操作において、水層に用いられる水溶液としては、硫酸、塩化水素、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、クエン酸、重曹、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の酸もしくは塩の水溶液が用いられる。
酸性系でアミン類を良好に水層へ溶解させ、かつ、有機層濃縮後にビニルエーテルの分解の原因となる揮発酸の残留が少ない、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウムがより好ましい。また、2種類以上の酸もしくは塩の水溶液で洗浄してもよい。
【0022】
一般にビニルエーテル誘導体は酸存在下で重合や分解が起こることから、後処理後の式(6)で示されるスルホニルハライド化合物の残留を回避する必要があるが、上記スルホニレート化反応後、反応液に飽和重曹水を加え撹拌し残留する式(6)で示されるスルホニルハライド化合物を分解することにより、抽出・濃縮後に式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体の分解を抑えることができる。
上記の式(6)で示されるスルホニルハライド化合物分解工程における撹拌時間は通常、5〜30分程度で目的を達し、撹拌温度は、−10℃〜40℃、好ましくは0〜30℃である。
【0023】
かくして得られる式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体としては、具体的には、例えば、2-ビニロキシエチル トルエンスルホネート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、3-ビニロキシプロパニル トルエンスルホネート、2-(3-ビニロキシプロポキシ)エチル トルエンスルホネート、4-ビニロキシブタニル トルエンスルホネート、2-(4-ビニロキシブトキシ)エチル トルエンスルホネート、

2-ビニロキシエチル メタンスルホネート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、3-ビニロキシプロパニル メタンスルホネート、2-(3-ビニロキシプロポキシ)エチル メタンスルホネート、4-ビニロキシブタニル メタンスルホネート、2-(4-ビニロキシブトキシ)エチル メタンスルホネート、

2-(1-メチルビニロキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル トルエンスルホネート、3-(1-メチルビニロキシ)プロパニル トルエンスルホネート、2-(3-(1-メチルビニロキシ)プロポキシ)エチル トルエンスルホネート、4-(1-メチルビニロキシ)ブタニル トルエンスルホネート、2-(4-(1-メチルビニロキシ)ブトキシ)エチル トルエンスルホネート、

2-(1-メチルビニロキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル メタンスルホネート、3-(1-メチルビニロキシ)プロパニル メタンスルホネート、2-(3-(1-メチルビニロキシ)プロポキシ)エチル メタンスルホネート、4-(1-メチルビニロキシ)ブタニル メタンスルホネート、2-(4-(1-メチルビニロキシ)ブトキシ)エチル メタンスルホネート等が挙げられる。
【0024】
次いで、式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法について説明する。
【0025】
式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造は、式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体と式(3)で示されるポリオキシエチレン化合物とを塩基存在下反応させるポリオキシエチレン鎖伸長反応により実施することができる。(以下のスキーム2参照)

【0026】
上記ポリオキシエチレン鎖伸長反応には、式(3)で示されるポリオキシレン化合物を用いることができ、式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体に対し1当量以上、好ましくは1〜3当量用いられる。
【0027】
式(3)で示されるポリオキシエチレン化合物としては、通常市販のものが用いられ、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ポリエチレングリコール100、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール200000等が挙げられる。
【0028】
ポリオキシエチレン鎖伸長反応に用いられる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、tert-ブトキシカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ピリジン、トリエチルアミン、N-メチルイミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンが挙げられるが、好ましくはtert-ブトキシカリウムが用いられる。塩基の使用量は、式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテルに対し1当量以上、好ましくは1〜3当量である。
【0029】
上記反応には、通常、溶媒が用いられ、溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、又はジエチルエーテル、テトラヒドラフラン、1,4-ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒が挙げられ、好ましくは、エーテル系溶媒が用いられる。また、2種以上の溶媒を混合して使用してもよい。溶媒使用量の制限は無い。
【0030】
反応温度は通常,−10℃〜使用する溶媒の沸点の範囲であるが、0℃〜40℃が好ましい。
【0031】
反応時間は、用いられる式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体、式(3)で示されるポリオキシエチレン化合物や塩基の種類ならびに反応温度で異なるが、通常3分から15時間の範囲である。反応後、通常の後処理、例えば抽出、再結晶、蒸留、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることにより式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体を得ることができる。
【0032】
かくして得られる式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体について、具体的に示すと例えば、2-(2-ビニロキシエトキシ)エタノール、2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(3-ビニロキシプロポキシ)エタノール、2-(4-ビニロキシブトキシ)エタノール、

2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(3-(1-メチルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、2-(4-(1-メチルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、

2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(3-(2-メチルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、2-(4-(2-メチルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、

2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(3-(1-フェニルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、2-(4-(1-フェニルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、
2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(3-(2-フェニルビニロキシ)プロポキシ)エタノール、2-(4-(2-フェニルビニロキシ)ブトキシ)エタノール、

2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール、2-(3-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)プロポキシ)エタノール、2-(4-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)ブトキシ)エタノール、
等が挙げられる。
【0033】
かくして得られる式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体について、具体的に示すと例えば、2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3-(2-(3-ビニロキシプロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4-(2-(4-ビニロキシブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、

2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3-(2-(3-(1-メチルビニロキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4-(2-(4-(1-メチルビニロキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、

2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-メチルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3-(2-(3-(2-メチルビニロキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4-(2-(4-(2-メチルビニロキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、

2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(1-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3-(2-(3-(1-フェニルビニロキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4-(2-(4-(1-フェニルビニロキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、

2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-フェニルビニロキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3-(2-(3-(2-フェニルビニロキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4-(2-(4-(2-フェニルビニロキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン、

2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ) エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエテン、2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エテン、3-(2-(3-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)プロポキシ)エトキシ)プロポキシエテン、4-(2-(4-(シクロヘキセ-1-ニルオキシ)ブトキシ)エトキシ)ブトキシエテン等が挙げられる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0035】
[実施例1]
2-(1-ビニロキシエトキシ)エチル トルエンスルホネートの合成

2-(2-ビニロキシエトキシ)エタノール(1.3g, 0.010mol)、N,N,N',N'-テトラメチル-プロピル-1,3-ジアミン(1.4g, 0.011mol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)にトルエンスルホン酸クロリド(1.9g, 0.010mol)を室温で加え、さらに室温で3時間攪拌した。飽和重曹水(20mL)を加え5分室温で攪拌し、未反応のトルエンスルホン酸クロリドを分解した後、酢酸エチル(20mL)を加え分液し、有機層を飽和重曹水(20mL)で2回、1M硫酸水素カリウム水溶液(20mL)で2回、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し2-(1-ビニロキシエトキシ)エチル トルエンスルホネート(2.3g, 収率80%)を得た。

TLC(順相系シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル2:1、検出:ヨウ素): Rf0.55

H NMR (CDCl, 270MHz): 7.86 (dd, J=2.0, 8.2Hz, 2H), 7.34 (dd, J=0.7, 8.6Hz, 2H), 6.46 (dd, J=6.8, 14.3Hz, 1H), 4.14-4.20 (m, 3H), 4.01(dd, J=2.1, 6.8Hz, 1H), 3.65-3.78(m, 6H), 2.45 (s, 3H).
【0036】
[比較例1]
2-(1-ビニロキシエトキシ)エチル トルエンスルホネートの合成


実施例1と同様のスケールで反応を行い、特開平11-246514号公報の記載に従い目的物単離作業を行った。2-(2-ビニロキシエトキシ)エタノール(1.3g, 0.010mol)、N,N,N',N'-テトラメチル-プロピル-1,3-ジアミン(1.4g, 0.011mol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)にトルエンスルホン酸クロリド(1.9g, 0.010mol)を室温で加え、さらに室温で3時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(順相系シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル2:1、検出:ヨウ素)により、実施例1で得られた目的物と同じRf値のスポットがあることを確認した。反応溶液を水(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。有機層を水(20mL)、飽和食塩水(20mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。濃縮物を薄層クロマトグラフィー(順相系シリカゲル、ヘキサン-酢酸エチル2:1、検出:ヨウ素)で確認したところ、実施例1で得られた目的物と同じRf値のスポットが観測されず、原点に主たるスポットが観測され、目的物の分解が確認された。
【0037】
[実施例2]
2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール及び3,9,12,15,18,21,24,27-ノナオキサノナコサ-1,28-ジエン

テトラエチレングリコール(1.56g, 0.008mol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)にtert-ブトキシカリウム(1.35g, 0.012mol)を室温で加えた。室温で15分攪拌後、2-(1-ビニロキシエトキシ)エチル トルエンスルホネート(2.3g, 0.008mol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を加え、60℃で1時間攪拌した。室温で放冷後、不溶の塩を濾過により除去し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(順相系シリカゲル30g、酢酸エチル→酢酸エチル-アセトン20:1→10:1→5:1→3:1→2:1)に供し、2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール(0.76g, 31%)及び3,9,12,15,18,21,24,27-ノナオキサノナコサ-1,28-ジエン(1.17g, 42%)を得た。

2-(2-(2-(2-(2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノールの物性値
TLC(クロロホルム-メタノール10:1、検出:ヨウ素):Rf 0.41
1H NMR(CDCl3, 270MHz):6.50 (dd, J=6.9, 14.6 Hz, 1H), 4.19 (dd, J=2.0, 14.2Hz, 1H), 4.01 (dd, J=2.1, 6.8Hz, 1H), 3.85 (d, J=6.4Hz, 1H), 3.84 (d, J=5.3Hz, 1H), 3.59-3.79 (m, 22H), 2.78 (br. s, 1H).

3,9,12,15,18,21,24,27-ノナオキサノナコサ-1,28-ジエンの物性値
TLC(クロロホルム-メタノール10:1、検出:ヨウ素):Rf 0.52
1H NMR(CDCl3, 270MHz):6.50 (dd, J=6.8, 14.3 Hz, 2H), 4.19 (dd, J=2.1, 14.3Hz, 2H), 4.01 (dd, J=2.1, 6.8Hz, 1H), 3.85 (d, J=6.4Hz, 2H), 3.84 (d, J=5.3Hz, 2H), 3.75 (d, J=5.3Hz, 2H), 3.73 (d, J=6.3Hz, 2H), 3.65-3.67 (m, 24H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、Zは6以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるジビニルエーテル誘導体。
【請求項2】
式(2)

(式中、Aは0以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体と式(3)

(式中、Bは1以上の整数を表す。)
で表されるポリオキシエチレン化合物とを塩基存在下反応させることを特徴とする式(4)

(式中、Yは1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')

(式中、Zは1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法。
【請求項3】
式(5)

(式中、Aは0以上の整数を表し、nは2以上の整数を表す。R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、RとRが結合し、又はRとRが結合して環を形成していてもよい。)
で示されるモノビニルエーテル誘導体と、式(6)

(Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるスルホニルハライド化合物とを塩基存在下反応させ請求項2に記載の式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体を得、次いで得られた式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体と式(3)

(式中、Bは1以上の整数を表す。)
で表されるポリオキシエチレン化合物とを塩基存在下反応させることを特徴とする請求項2に記載の式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び請求項2に記載の式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体製造時の塩基が3級ジアミンである請求項3記載の式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載の式(2)で示されるスルホニルオキシビニルエーテル誘導体製造時の反応終了後に反応液へ飽和重曹水を加え未反応の式(6)で示されるスルホニルハライド化合物を分解する工程を含む請求項3又は4記載の式(4)で示されるモノビニルエーテル誘導体及び式(1')で示されるジビニルエーテル誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2010−105938(P2010−105938A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277944(P2008−277944)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】