説明

ビニルピロリドンコポリマーを含有するカソード電着塗料

(A)水に分散可能なカチオン基を有する少なくとも1つの有機結合剤と、(B)水性コーティング組成物の固体含量を基準として0.05〜10質量%の、水で希釈可能なビニルピロリドンコポリマーとを含有する水性コーティング組成物であり、ここで、ビニルピロリドンコポリマー(B)が、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位を0.3:0.7〜0.7:0.3、好ましくは0.4:0.6〜0.6:0.4のモル比で含有し、かつ200,000g/mol未満の質量平均分子量を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に分散可能なカチオン基を有する少なくとも1つの有機結合剤と、水性コーティング組成物の固体含量を基準として0.05〜10質量%の、水で希釈可能なビニルピロリドンコポリマーとを含有する水性コーティング組成物に関する。本発明はさらに、このコーティング組成物の製造方法並びにその使用に関する。
【0002】
挙げた種類のコーティング組成物は、例えば、EP 1171530 A1から知られている。これらは通例、カソード析出可能な電着塗料(kathodisch abscheidbare Elektrotauchlacke)として使用される。EP 1171530 A1には、塗膜が、次の塗料層を良好に付着すると同時に、できるだけ妨げとなるへこみ(Kratern)をあまり有さずに生じる電着塗料組成物が記載されている。前記へこみ数の減少は、ポリビニルピロリドンをベースとするホモポリマー又はコポリマーの添加によって達成され、その際に多種多様なモノマーがコモノマーとして使用されることができる。特に良好なへこみ防止作用はその際に>200,000の分子量を有するポリマーによって達成される。
【0003】
EP 0358221 A2には塗膜を、良好な衝撃強さ、次の塗料層の付着及び表面性状を変わらずに有し、できるだけ妨げとなるへこみをあまり有さずに生じる電着浴被覆組成物が記載されている。このためには、前記コーティング組成物に、ポリマーミクロ粒子がへこみ防止剤として添加される。前記ポリマーミクロ粒子は、0.01〜10μmの粒度を有し、かつホモポリマー又はコポリマーとして製造されることができる。前記ミクロ粒子の粒度分布はその際に、前記へこみ防止作用に大きな影響を及ぼす。特に良好なへこみ防止作用は、前記粒度の二峰性又は多峰性の分布の場合、すなわち異なる粒度を有する2つ又はそれ以上のミクロ粒子占有率を組み合わせる場合に、達成される。
【0004】
US 5,089,101には、a)炭素原子少なくとも8個の末端炭化水素鎖を有するエチレン系不飽和モノマー、b)より詳細に特定された少なくとも1つのカチオン性(メタ)アクリルモノマー、c)1−ビニル−2−ピロリドン及びd)別のα,β−不飽和モノマーからなるクシ型コポリマーの中和生成物又は第四級アンモニウム塩を含有するカチオン電着塗料組成物が記載されている。このカチオン電着塗料組成物は、十分な耐候性及び良好な防食を有する塗膜を生じる。
【0005】
通常、現在使用されているカソード析出可能な電着塗料は、防食、エッジ保護、表面品質及び他の性質、例えば研磨性(Schleifbarkeit)への高い要求を満たす。しかしながら、そのうえ今日、カソード電着塗膜が、たれ(Auslaeufer)(隙間(Spalten)及び空洞からの流れ(Laeufer)及びたるみ(Lacknasen))をごく僅かにも有しないことが必要とされる。例えば車体(Karossen)のカソード電着塗料コーティングの際に、浴材料は、ニッチ(Nischen)及び空洞へ、例えば板継目の間隙中へ侵入しうる。この材料が、すすぎの際に完全に除去されない場合には、前記塗料を焼付ける際に、前記継目から出てきて、電着塗膜中の塑性流れの痕跡(たれあと(Auslaeufer-Markierungen))をまねく。激しいたれあとは、実地では研磨によって除去されなければならない。この追加的な研磨プロセスは、製造プロセスにおける高められたコスト及び高められた時間消費を引き起こす。多種多様な技術的措置、例えば脱塩水中への塗装された基体の繰り返される浸漬、前記塗被物の機械運動及び/又は空気流中での前記塗被物又はその部分の予備乾燥にもかかわらず、これまでこの欠陥を確実に回避することに成功していなかった。
【0006】
故に、たれ(隙間及び空洞からの流れ及びたるみ)を形成する傾向が減少しており、たれあとを除去するためのその後の研磨プロセスを省くことができる、カソード電着塗装に適したコーティング組成物を提供するという課題があった。これにより、相応して塗装された基体は、より時間及び費用をかけずに製造されることができる。
【0007】
この課題は、意外なことに、(A)水に分散可能なカチオン基を有する少なくとも1つの有機結合剤と、(B)水性コーティング組成物の固体含量を基準として0.05〜10質量%の、水で希釈可能なビニルピロリドンコポリマーとを含有する水性コーティング組成物を提供することによって解決され、ここでビニルピロリドンコポリマー(B)は、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位を0.3:0.7〜0.7:0.3のモル比で含有し、かつ200,000g/mol未満の質量平均分子量を有する。
【0008】
本発明によるコーティング組成物は、本発明による全コーティング組成物をそれぞれ基準として、好ましくは、12〜25質量%、特に好ましくは15〜22質量%、殊に好ましくは18〜20質量%の固体含量を有する。固体含量は、180℃で30分乾燥後の不揮発質量分率として決定される。
【0009】
本発明によるコーティング組成物は、好ましくは、4.8〜6.5、特に好ましくは5.2〜6.2、殊に好ましくは5.5〜6.0のpH値を有する。pH値は、このために通常使用され、かつ知られた方法を用いて、例えば電位差測定により、決定されることができる。
【0010】
本発明によるコーティング組成物は、好ましくは、0.8〜2.5mS/cm、特に好ましくは1.1〜2.3mS/cm、殊に好ましくは1.3〜1.9mS/cmの電気伝導率を有する。電気伝導率は、このために通常使用され、かつ知られた方法を用いて決定されることができる。
【0011】
好ましくは、本発明によるコーティング組成物は、カソード析出可能な電着塗料である。カソード析出可能な電着塗料は、カソード電着塗装(KTL)における使用に適している。KTLは、とりわけ下塗りにしばしば使用される塗装方法であり、前記方法の場合に水に溶解されるか又は分散されたカチオン基を有する結合剤が、直流を用いて電気伝導体上に施与される。このためには、コーティングされるべき基体がカソードとして接続され、かつ前記カソード析出可能な電着塗料中へ浸漬される。カソードとして接続された基体と、同様に前記電着塗料中に存在しているアノードとの間に直流を印加する際に、拡散制御された境界層中で、帯電された塗料ミセルもしくは分散粒子が、それぞれ逆に帯電された電極へ達し、そこで水の電離によるpH変化により沈殿される。前記塗料ミセルもしくは分散粒子の表面電荷が正である場合には、カソード上、すなわちカソードとして接続された基体上への析出が行われる。析出された塗膜は、高い固体含量を有し、かつ通常、前記基体を電着槽から取り出した後及び場合により清浄化工程の後に、焼付けることによって架橋される。
【0012】
本発明によるコーティング組成物は、好ましくは、水に分散可能なカチオン基を有する少なくとも1つの有機結合剤(A)を、前記コーティング組成物の固体含量を基準として、60〜95質量%、特に好ましくは75〜90質量%、殊に好ましくは80〜85質量%含有する。1つ又はそれ以上の前記結合剤(A)の選択は基本的に限定されるものではないので、水に分散可能なカチオン基を有する有機結合剤が各々原則的に適している。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つの結合剤(A)は、第一級、第二級、第三級又は第四級のアミノ基及び/又はアンモニウム基を有する。
【0014】
特に好ましくは、結合剤(A)としてアミン変性エポキシ樹脂が使用される。
【0015】
適したアミン変性エポキシ樹脂は、例えば、変性又は未変性のポリエポキシドと、第一級又は第二級のアミンとの付加物である(例えばEP 1171530 A1、第8頁第10行〜第9頁第2行;及びUS 5236564、第1頁第44行〜第3頁第49行に記載されている)。
【0016】
適したポリエポキシドは、例えば、ポリフェノールと、エピハロヒドリン、特にエピクロロヒドリンとから得ることができるポリグリシジルエーテルである。ポリフェノールとして、特にビスフェノールA及びビスフェノールFが好ましい。適した別のポリフェノールは、例えば、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス−(4−ヒドロキシ−第三級ブチルフェニル)−2,2′−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)−メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン及びフェノール系ノボラック樹脂である。適した別のポリエポキシドは、多価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン及びビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル−)2,2−プロパンの、ポリグリシジルエーテルである。ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸の、ポリグリシジルエステルも使用されることができる。さらに、ヒダントインエポキシド、エポキシ化ポリブタジエン、及びオレフィン系不飽和脂肪族化合物のエポキシ化により得られるポリエポキシド化合物が、適している。
【0017】
変性ポリエポキシドは、反応性基の一部が、変性化合物と反応されているポリエポキシドであると理解される。変性化合物の例として、次のものが挙げられる:
a)カルボキシル基含有化合物、例えば飽和又は不飽和のモノカルボン酸(例えば安息香酸、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸(Versaticsaeure))、多様な連鎖長の、脂肪族、脂環式及び/又は芳香族のジカルボン酸(例えばアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸又はダイマー脂肪酸)、ヒドロキシアルキルカルボン酸(例えば乳酸、ジメチロールプロピオン酸)並びにカルボキシル基含有ポリエステル、又は
b)アミノ基含有化合物、例えばジエチルアミン又はエチルヘキシルアミン又は第二級アミノ基を有するジアミン、例えばN,N′−ジアルキルアルキレンジアミン、例えばジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジアルキルポリオキシアルキレンアミン、例えばN,N′−ジメチルポリオキシプロピレンジアミン、シアノアルキル化アルキレンジアミン、例えばビス−N,N′−シアノエチルエチレンジアミン、シアノアルキル化ポリオキシアルキレンアミン、例えばビス−N,N′−シアノエチルポリオキシプロピレンジアミン、ポリアミノアミド(Polyaminosamide)、例えばバーサミド(Versamide)、特に、ジアミン(例えばヘキサメチレンジアミン)、ポリカルボン酸、特にダイマー脂肪酸及びモノカルボン酸、特に脂肪酸の末端アミノ基を有する反応生成物又は1molのジアミノヘキサンと、2molのモノグリシジルエーテル又はモノグリシジルエステル、殊にバーサチック酸のようなα−分枝鎖状脂肪酸のグリシジルエステルとの反応生成物、又は
c)ヒドロキシル基含有化合物、例えばネオペンチルグリコール、ビス−エトキシル化ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチルヒダントイン−N,N′−ジエタノール、ヘキサンジオール−1,6、ヘキサンジオール−2,5、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、1,1−イソプロピリデン−ビス−(p−フェノキシ)−2−プロパノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、又はアミノアルコール、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン又はヒドロキシル基含有アルキルケチミン、例えばアミノメチルプロパンジオール−1,3−メチルイソブチルケチミン又はトリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン−シクロヘキサノンケチミン並びにまた多様な官能性及び分子量の、ポリグリコールエーテル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクタムポリオール、又は
d)ナトリウムメチラートの存在で前記エポキシ樹脂のヒドロキシル基とエステル交換される飽和又は不飽和の脂肪酸メチルエステル。
【0018】
ポリエポキシドとの付加物形成に適している第一級及び/又は第二級のアミンは、例えば、モノアルキルアミン及びジアルキルアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミン等である。適しているのは、同様にアルカノールアミン、例えばメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等である。さらに、ジアルキルアミノアルキルアミン、例えばジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等が適している。たいていの場合に、低分子量アミンが使用されるが、しかしながら、より高分子量のモノアミンを使用することも可能である。前記アミンは、さらになお他の基も有することができるが、しかしながら、これらは、前記アミンと前記とのエポキシド基反応を妨害するべきではなく、かつ前記反応混合物のゲル化もまねくべきではない。好ましくは、第二級アミンが、ポリエポキシドとの付加物形成のために使用される。
【0019】
電析(elektrische Abscheidung)に必要な電荷は、水溶性の酸(例えばホウ酸、ギ酸、乳酸、酢酸)でのプロトン化により発生されることができる。
【0020】
カチオン基を導入するためのさらなる可能性は、エポキシド基とアミン塩との反応にある。
【0021】
アミン変性エポキシ樹脂は、外部架橋性の合成樹脂として並びに自己架橋性の合成樹脂として使用されることができる。自己架橋性の合成樹脂は、例えば前記アミン変性エポキシ樹脂の化学変性によって、例えば、前記アミン変性エポキシ樹脂が、1分子あたり平均1個の遊離イソシアナート基を有し、かつそのブロックイソシアナート基が高められた温度ではじめて脱ブロックされる部分ブロックポリイソシアナートと反応されることによって、得られることができる。
【0022】
好ましくは、外部架橋性のアミン変性エポキシ樹脂は、適した架橋剤と組み合わせて使用される。適した架橋剤の例は、フェノール樹脂、多官能性のマンニッヒ塩基、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及びブロックポリイソシアナートである。好ましくは、架橋剤としてブロックポリイソシアナートが使用される。
【0023】
ブロックポリイソシアナートとして、任意のポリイソシアナートが使用されることができ、これらの場合に前記イソシアナート基が化合物と反応されているので、形成されたブロックポリイソシアナートが、ヒドロキシル基及びアミン基に対して室温で安定であるが、しかし高められた温度で、通例、約90℃〜約300℃の範囲で、反応する。前記ブロックポリイソシアナートの製造の際に、架橋に適した任意の有機ポリイソシアナートが使用されることができる。好ましいのは、炭素原子を約3〜36個、特に約8〜約15個有するイソシアナートである。適したジイソシアナートの例は、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,4−トルイレンジイソシアナート、2,6−トルイレンジイソシアナート及び1−イソシアナトメチル−5−イソシアナト−1,3,3,−トリメチルシクロヘキサンである。より高いイソシアナート官能性のポリイソシアナートも使用されることができる。これらの例は、三量体化ヘキサメチレンジイソシアナート及び三量体化イソホロンジイソシアナートである。さらに、ポリイソシアナートの混合物も使用されることができる。本発明の場合に架橋剤として考慮に値する有機ポリイソシアナートは、例えば、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールを含めポリオールから誘導される、プレポリマーであることもできる。
【0024】
前記ポリイソシアナートのブロック化のためには、適した任意の脂肪族、脂環式又は芳香族のアルキルモノアルコールが使用されることができる。これらの例は、脂肪族アルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、クロロエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール、デシルアルコール及びラウリルアルコール;脂環式アルコール、例えばシクロペンタノール及びシクロヘキサノール;芳香族アルキルアルコール、例えばフェニルカルビノール及びメチルフェニルカルビノールである。
【0025】
適した他のブロック化剤は、エタノールアミンのようなヒドロキシルアミン、メチルエチルケトンオキシム、アセトンオキシム及びシクロヘキサノンオキシムのようなオキシム又はジブチルアミン及びジイソプロピルアミンのようなアミンである。挙げたポリイソシアナート及びブロック化剤は、適した量比の場合に前記の部分ブロックポリイソシアナートの製造にも使用されることができる。
【0026】
極めて特に好ましくは、水性結合剤分散液中に含まれている少なくとも1つの結合剤(A)が使用され、前記結合剤は、
i)1)触媒としてホスフィン及び/又はホスフィン塩を添加して製造可能である、a)ジエポキシド化合物又はジエポキシド化合物の混合物と、b)モノフェノール、ジフェノール又はモノフェノール及びジフェノールの混合物とからなる予備生成物を、
2)少なくとも1つの有機アミン又は有機アミンの混合物と、60〜130℃に低下された添加温度で反応させてエポキシド−アミン付加物を得て、
ii)引き続き又は同時に、成分a)及びb)の反応の際に形成されている第二級ヒドロキシル基を、段階i)において製造されたエポキシド−アミン付加物のエポキシド基と、110〜150℃の温度で反応させ、
iii)架橋剤又は異なる架橋剤の混合物を<150℃の温度で添加し、
iv)中和し、かつ
v)段階i)〜iv)において得られた混合物を水中に分散させる
ことによって得ることができる。
【0027】
この結合剤分散液は、EP 0691797 B1に記載されている。
【0028】
本発明によるコーティング組成物は、水で希釈可能なビニルピロリドンコポリマー(B)を、前記水性コーティング組成物の固体含量を基準として0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%含有する。
【0029】
ビニルピロリドンコポリマー(B)は、200,000g/mol未満、好ましくは30,000〜170,000g/mol、特に好ましくは100,000〜150,000g/molの質量平均分子量を有し、ここで質量平均分子量の決定は、標準としてスチレンを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより行われる(例えばDIN 55672-1 (1995年02月)に従い、テトラヒドロフランを溶離剤として用いる)。
【0030】
ビニルピロリドンコポリマー(B)は、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位を、0.3:0.7〜0.7:0.3、好ましくは0.4:0.6〜0.6:0.4のモル比で含有する。
【0031】
ビニルピロリドンコポリマー(B)は、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位に加え、少なくとも1つの別のモノエチレン系不飽和モノマーの単位も含有することができる。好ましくは、ビニルピロリドンコポリマー(B)は、ビニルピロリドンコポリマー(B)の全質量をそれぞれ基準として、20質量%以下の別のモノマー、特に好ましくは10質量%以下の別のモノマーを含有し、かつ極めて特に好ましくはビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位以外に別のモノマーを含有しない。
【0032】
ビニルピロリドンコポリマー(B)の製造は、例えばラジカル重合により行われることができ、前記ラジカル重合は熱的に、光化学的に(例えば紫外線により)又は相応するラジカル形成剤、例えば過酸化物の添加により化学的に開始されることができる。出発物質として、ビニルピロリドン、酢酸ビニル及び場合により別の(ビニル)モノマーが適している。
【0033】
本発明による水性コーティング組成物は、別の添加剤、例えば架橋剤、顔料、可塑剤、充填剤、湿潤剤を含有することができる。特に、本発明によるコーティング組成物は、1つ又はそれ以上の架橋剤及び/又は1つ又はそれ以上の顔料を含有することができる。
【0034】
好ましくは、本発明によるコーティング組成物は、少なくとも1つの架橋剤を、前記コーティング組成物の固体含量を基準として18〜28質量%、特に好ましくは22〜27質量%、殊に好ましくは24〜26質量%含有する。特に好ましくは、本発明によるコーティング組成物は、架橋剤として少なくとも1つのブロック(ポリ)イソシアナートを、前記コーティング組成物の固体含量を基準として18〜28質量%、特に好ましくは22〜27質量%、殊に好ましくは24〜26質量%含有する。
【0035】
好ましくは、本発明によるコーティング組成物は、少なくとも1つの顔料を、前記コーティング組成物の固体含量を基準として5〜40質量%、特に好ましくは10〜25質量%、殊に好ましくは15〜20質量%含有する。
【0036】
適した顔料は、例えば、二酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びケイ酸マグネシウムのような白色顔料、又はカーボンブラックのような黒色顔料、又は例えば有色顔料(farbige Pigmente)でもある。有色顔料には、例えば無機の有彩色顔料(Buntpigmente)、例えば酸化鉄又は酸化クロム、及び有機の有彩色顔料、例えばアゾ顔料、トリフェニルメタン顔料、インジゴイド顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン、アントラキノン、ペリレン顔料及びペリノン顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン、ジケトピロロピロール又はピラゾロキナゾロン顔料が含まれる。
【0037】
本発明のさらなる対象は、本発明によるコーティング組成物の製造方法である。本発明によるコーティング組成物は、i)水に分散可能なカチオン基を有する少なくとも1つの有機結合剤(A)を水溶液中に分散させ、それにより水性結合剤分散液が得られ、ii)水性結合剤分散液を、前記水性コーティング組成物の固体含量を基準として0.05〜10質量%の、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位を0.3:0.7〜0.7:0.3のモル比で有し、200,000g/mol未満の質量平均分子量を有する水で希釈可能なビニルピロリドンコポリマー(B)と混合し、かつiii)場合により別の添加剤を導入することによって製造されることができる。
【0038】
水溶液として、例えば水が、しかしまた適した酸又は塩の水溶液も適している。
【0039】
顔料は、好ましくは顔料ペーストの形で、撹拌しながら、水性結合剤分散液中へ配合される。顔料ペーストの製造は、一般的に知られており、かつ例えばEP 0505445B1に記載されている。
【0040】
本発明のさらなる対象は、本発明によるコーティング組成物の使用である。本発明によるコーティング組成物は、導電性基体を、特にカソード電着塗装を用いて、コーティングするのに使用されることができる。好ましくは、本発明によるコーティング組成物は、金属基体、例えば鋼、アルミニウム、銅、それらの合金等製の基体のコーティングに、さらにより好ましくはリン酸処理された金属基体のコーティングに、さらにより好ましくはリン酸処理された鋼のコーティングに、及び極めて特に好ましくは自動車車体又はその部材のコーティングに、使用される。
【0041】
カソード電着塗装は、導電性基体を、
1)前記基体を、少なくとも1つのカソード析出可能な結合剤を含有する水性電着塗料中へ浸漬し、
2)前記基体をカソードとして接続し、
3)直流により膜を前記基体上に析出させ、
4)前記基体を前記電着塗料から取り除き、かつ
5)析出された塗膜を焼き付ける
ことによってコーティングする方法であると理解される。
【0042】
特に、前記カソード電着塗装は、加工物の下塗りに使用される。
【0043】
前記電着浴の温度は、通常、15〜40℃、好ましくは25〜35℃であるべきである。印加される電圧は、大きな範囲にわたることができ、かつ例えば50〜500ボルトであることができる。典型的には、しかし250〜400ボルトの電圧で操作される。前記析出後に、コーティングされた物体は洗い流され、かつ焼付ける用意ができている。析出された塗膜は、一般的に130〜220℃の温度で8〜60分の期間にわたって、好ましくは150〜180℃で12〜30分の期間にわたって、焼き付けられる。
【0044】
金属基体として、例えば、鋼、アルミニウム、銅、異なる金属の合金等製の基体が適している。好ましくは、鋼製の基体が使用される。特に好ましくは、リン酸処理された金属基体製の基体、特にリン酸処理された鋼製の基体が使用される。リン酸処理された金属基体は、相応する化学的前処理によってリン酸含有の無機化成層が設けられた金属基体であると理解される。特に好ましくは、この種の基体としては自動車車体又はその部材である。
【0045】
故に、本発明のさらなる対象は、本発明によるコーティング組成物でコーティングされた基体、特に金属基体、例えば鋼、アルミニウム、銅、異なる金属の合金等製の基体、好ましくはリン酸処理された金属製、特にリン酸処理された鋼製の基体である。極めて特に好ましくは、本発明によるコーティング組成物でコーティングされた自動車車体又はその部材である。
【0046】
本発明は、次の例においてより詳細に説明される。部及び百分率についての全ての記載は、明らかに他に何も確認されない限り、質量記載である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例で使用された試験板の略示図。
【実施例】
【0048】
製造例1(架橋剤)
使用するのは、EP 0961797 B1(第6頁第43〜52行)の架橋剤である。撹拌機、還流冷却器、内部温度計及び不活性ガス導入部を備えている反応器中に、135のNCO当量を有し、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートをベースとする異性体及びより高官能性のオリゴマー1084g(Basonat(登録商標) A270、BASF社;NCO官能価 約2.7;2,2′−及び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート含量 5%未満)を窒素雰囲気下に装入する。ジブチルスズラウラート2gを添加し、ブチルジグリコール1314gを、生成物温度が70℃未満のままであるそのような速度で滴加する。場合により、冷却されなければならない。前記添加が終了した後に、温度を70℃でさらに120min維持する。後続の制御の際に、NCO基はもはや検出不可能である。65℃に冷却する。
固体含量は>97%である(130℃で1h)。
【0049】
製造例2(結合剤分散液)
使用するのは、EP 0961797 B1(第7頁第4〜30行)の結合剤分散液Aである。撹拌機、還流冷却器、温度計及び不活性ガス導入管を備え、熱媒油で加熱された実験室用反応器中に、188のエポキシド当量(EEW)を有し、ビスフェノールAをベースとする市販のエポキシ樹脂1128部;ドデシルフェノール262部、キシレン31.4部及びビスフェノールA 228部を装入し、窒素下に127℃に加熱する。撹拌しながら、トリフェニルホスフィン1.6gを添加し、それに基づいて発熱反応が起こり、かつ温度は160℃に上昇する。再び130℃に冷却し、引き続きエポキシド含量を制御する。532のEEWは、フェノール性OH基の>98%が反応したことを示す。ついで、Pluriol P 900 297.5部(ポリプロピレングリコールMW 900、BASF)を、同時に冷却しながら添加する。5分後に、120℃でさらに冷却しながら、ジエタノールアミン105部を添加する。短時間の発熱(Tmax 127℃)後に、温度が110℃に低下されている場合に(30分)、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン51部を添加する。短時間の発熱(Tmax 140℃)後に、前記バッチを130℃で2時間、粘度が一定になるまで(1.8dPas、平板−円錐粘度計、23℃、Solvenon PM(BASF)中40%)、再反応させる。ついで、同時に冷却しながら、ブチルグリコール58.5部及び架橋剤(製造例1)887.8部を添加し、かつ105℃で排出する。
【0050】
まだ熱い混合物2100部を、直ちに脱塩水(VE-Wasser)1945部及び氷酢酸33.1部の装入された混合物中に、強力に撹拌しながら分散させる。短く均質化させた後に、さらに脱塩水1404部で希釈し、かつプレートフィルターK900(Seitz社)を通してろ過する。前記分散液は、次の特有値を有する:
固体(130℃で1h):35.7%
MEQ塩基=0.657meq/g固体樹脂
MEQ酸=0.283meq/g固体樹脂
pH=5.4
平均粒度=1250′(光散乱法)
沈殿安定性=室温で3ヶ月の貯蔵時間後に底部沈殿なし
粘度=14秒(23℃でのDIN4カップ)。
【0051】
製造例3(分散樹脂(Reibharz))
使用するのは、EP 0961797(第9頁第17〜21行)の分散樹脂Aである。撹拌機、内部温度計、窒素導入部及び還流冷却器を有する水分離器を備えている反応器中に、188のエポキシド当量(EEW)を有し、ビスフェノールAをベースとするエポキシ樹脂30.29部;ビスフェノールA 9.18部、ドデシルフェノール7.04部及びブチルグリコール2.37部を装入する。110℃に加熱し、キシレン1.85部を添加し、これを、弱い真空下に可能な水痕跡量と一緒に再び留去する。ついで、トリフェニルホスフィン0.07部を添加し、130℃に加熱する。150℃に発熱による熱発生(exothermer Waermetoenung)後に、130℃でさらに1h後反応させる。反応混合物のEEWは、ついで860である。冷却し、その間にブチルグリコール9.91部及びEEW 333を有するポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル17.88部(DER 732、Dow Chemicals)を添加する。90℃で、2−2′−アミノエトキシエタノール4.23部(H2N−CH2−CH2−O−CH2−CH2−OH)及び10min後に、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン1.37部を添加する。反応混合物を、短時間の発熱後に、粘度が一定になるまで90℃で2hさらに維持し、引き続き、ブチルグリコール17.66部で希釈する。前記樹脂は、69.8%の固体(130℃で1h測定)及び5.5dPasの粘度(プロピレングリコールモノメチルエーテル(Solvenon PM、BASF)で希釈された40%樹脂溶液、平板−円錐粘度計で23℃で測定)を有する。前記樹脂を、より良好な取り扱いのために付加的に氷酢酸2.82部及び脱塩水13.84部で中和し、かつ希釈する。当初の固体含量はそれにより60%に低下する。
【0052】
製造例4(水性顔料ペースト)
水性顔料ペーストを、EP 0505445 B1(第10頁第35〜41行)に記載された方法に類似して、製造例3の分散樹脂25部;ケイ酸アルミニウム6部、カーボンブラック0.6部、二酸化チタン38.1部、ジブチルスズオキシド2.7部及び脱イオン水27.1部から製造する。そのためには、まず最初に脱イオン水及び前記分散樹脂を予備混合する。ついで、その他の成分を添加し、高速ディソルバー撹拌しながら、30分間混合する。引き続き、前記混合物を実験室用小型ミル中で1〜1.5h、12より小さいHegmann-粉末度まで分散させる。
【0053】
例(水性コーティング組成物)
従来(I)及び本発明による(II)、コーティング組成物を製造するために、製造例2の結合剤分散液及び第1表に記載された成分を組み合わせる。その際、結合剤分散液を装入し、かつ脱イオン水で希釈するようにして行う。本発明によるが、しかし従来ではないコーティング組成物に、さらに、市販のビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーの30%水溶液(Collacral VAL、BASF)を添加する。引き続き、撹拌しながら顔料ペーストを導入する。記載された値は、質量割合(g)に相当する。
【0054】
【表1】

【0055】
前記コーティング組成物を、カソード電着塗装に使用する前に、室温で3日間撹拌しながらエージングする。前記塗膜の析出は、第2表に記載されたパラメーター下に、カソード接続された亜鉛リン酸処理鋼試験パネル上に、前処理においてCr(VI)後すすぎなしに行う。
【0056】
【表2】

【0057】
析出された塗膜を脱イオン水で後すすぎし、175℃(物体温度)で15分間焼き付ける。
【0058】
たれの試験
次の規定を用いて、たれあとの発生は、実験室中で調整されることができる。
【0059】
まず最初に、試験体を製造する。そのためには、大きな板(リン酸処理された10.5cm×30cmの試験板)の上端部に、正方エリアをマークする(前記板の側長=幅)。引き続き、このエリアに、第二のより小さな試験板(リン酸処理された10.5cm×19cmの試験板)を次のように貼り付ける。型紙を用いて、図1に示されるように設けられた接着位置(×)を大きな試験板上に固定する。各接着位置(×)上に、まず最初に例えば2成分接着剤(UHU plus sofort fest)を添加し、ついでその上に鋼リング(DIN/ISO 988、内部半径6mm、外部半径12mm、高さ0.1mm)を置き、かつ接着剤で例えば塗りつぶす。目下、第二のより小さな板を、より小さな板の下部エッジが、より大きな板上にマークされた正方断片の下部エッジでシールするように、より大きな板上の接着位置へ接着する。そのために前記板の間に空洞が生じる。前記接着過程中に、前記板に500gのおもりをのせる。
【0060】
コーティングする前に、こうして調製された試験体をまず最初に2分間、脱塩水中に浸漬する。前記電着浴を所望のコーティング温度(32℃)に加熱する。それぞれカソードとして接続された試験体上に、塗膜を前記のように析出させる。前記試験体を、この後に、流れる脱塩水で徹底的に洗い流す。前記試験体を5分間排気し(23〜25℃、空気流なし)、ひっかけて焼き付ける。空洞から出るたれの数、長さ、幅及び塑性を測定する。結果は第3表に与えられている。
【0061】
【表3】

【0062】
結果は、空洞から出るたれの数、長さ、幅及び塑性が、本発明によるコーティング組成物の使用の場合に従来のコーティング組成物の使用と比較して明らかに低下されていることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)水に分散可能なカチオン基を有する少なくとも1つの有機結合剤と、(B)水性コーティング組成物の固体含量を基準として0.05〜10質量%の、水で希釈可能なビニルピロリドンコポリマーとを含有する水性コーティング組成物であって、
ビニルピロリドンコポリマー(B)が、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位を0.3:0.7〜0.7:0.3のモル比で含有し、かつ200,000g/mol未満の質量平均分子量を有することを特徴とする、水性コーティング組成物。
【請求項2】
カソード析出可能な電着塗料である、請求項1記載の水性コーティング組成物。
【請求項3】
水性コーティング組成物の固体含量を基準として60〜95質量%の少なくとも1つの結合剤(A)が含まれている、請求項1又は2記載の水性コーティング組成物。
【請求項4】
結合剤(A)が、第一級、第二級、第三級又は第四級のアミノ基及び/又はアンモニウム基を有する、請求項1から3までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項5】
結合剤(A)が、アミン変性エポキシ樹脂である、請求項1から4までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの結合剤(A)が、
i)1)触媒としてホスフィン及び/又はホスフィン塩を添加して製造可能である、a)ジエポキシド化合物又はジエポキシド化合物の混合物と、b)モノフェノール、ジフェノール又はモノフェノール及びジフェノールの混合物とからなる予備生成物を、
2)少なくとも1つの有機アミン又は有機アミンの混合物と、60〜130℃に低下された添加温度で反応させてエポキシド−アミン付加物を得て、
ii)引き続き又は同時に、成分a)及びb)の反応の際に形成されている第二級ヒドロキシル基を、段階i)において製造されたエポキシド−アミン付加物のエポキシド基と、110〜150℃の温度で反応させ、
iii)架橋剤又は異なる架橋剤の混合物を<150℃の温度で添加し、
iv)中和し、かつ
v)段階i)〜iv)において得られた混合物を水中に分散させる
ことによって得ることができる水性結合剤分散液からなる、請求項1から5までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項7】
ビニルピロリドンコポリマー(B)が、水性コーティング組成物の固体含量を基準として0.1〜5質量%含まれている、請求項1から6までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項8】
ビニルピロリドンコポリマー(B)が、30,000〜170,000g/molの質量平均分子量を有する、請求項1から7までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項9】
ビニルピロリドンコポリマー(B)が、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位を0.4:0.6〜0.6:0.4のモル比で含有する、請求項1から8までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの架橋剤、特にブロック(ポリ)イソシアナートを、水性コーティング組成物の固体含量を基準として18〜28質量%含有する、請求項1から9までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの顔料を、水性コーティング組成物の固体含量を基準として5〜40質量%含有する、請求項1から10までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物。
【請求項12】
請求項1から11までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物の製造方法であって、
i)水に分散可能なカチオン基を有する少なくとも1つの有機結合剤(A)を水溶液中に分散させ、それにより水性結合剤分散液が得られ、ii)水性結合剤分散液を、前記水性コーティング組成物の固体含量を基準として、0.05〜10質量%の、ビニルピロリドンモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位から0.3:0.7〜0.7:0.3のモル比で製造される200,000g/mol未満の質量平均分子量を有する水で希釈可能なビニルピロリドンコポリマー(B)と混合し、かつiii)場合により別の添加剤を導入する
ことを特徴とする、水性コーティング組成物の製造方法。
【請求項13】
導電性基体、好ましくは金属基体、特にリン酸処理された金属基体、特にリン酸処理された鋼製の基体を、カソード電着塗装を用いてコーティングするための、請求項1から11までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物の使用。
【請求項14】
基体が自動車車体又はその部材である、請求項13記載の水性コーティング組成物の使用。
【請求項15】
請求項1から11までの1項又はそれ以上の項に記載の水性コーティング組成物でコーティングされた、コーティングされた金属基体、特に自動車車体又はその部材。

【図1】
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【公表番号】特表2011−519996(P2011−519996A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507830(P2011−507830)
【出願日】平成21年5月6日(2009.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003239
【国際公開番号】WO2009/135663
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】